図1は、複数のセルが異なる周波数帯(CC)で用いられるシナリオ例の説明図である。図1Aでは、CAの適用シナリオの一例が示される。図1Aに示すように、CAが適用される場合、複数のセルを形成する装置が遅延を無視できるバックホール(Ideal backhaul)で接続される。例えば、図1Aでは、マクロセルを形成する無線基地局と、スモールセルを形成する送信ポイント(TP:Transmission Point)(例えば、送信アンテナやRRH(Remote Radio Head)など)がIdeal backhaulで接続される。Ideal backhaulとは、例えば、遅延時間が2.5μsより小さく、スループットが10Gbps以上である光ファイバなどである。図1Aに示すシナリオは、CAシナリオ4とも呼ばれる。
図1Bでは、DCの適用シナリオの一例が示される。図1Bに示すように、DCが適用される場合、複数のセル(例えば、マクロセル及びスモールセル)を形成する複数の無線基地局(eNB:eNodeB)が遅延を無視できないバックホール(Non-Ideal backhaul)で接続される。Ideal backhaulとは、例えば、遅延時間が2〜30ms、スループットが10M〜10Gbpsである光ファイバ、DSL(Digital Subscriber Line)アクセス、ケーブル、無線バックホールなどであり、X2インターフェース等とも呼ばれる。ユーザ端末は、マクロセルを形成する無線基地局とスモールセルを形成する無線基地局との間でDCを行う。
図2は、DCの適用シナリオの他の例が示される。図2に示すように、DCが適用される場合、複数のセル(例えば、マクロセル#1及び#2)を形成する複数の無線基地局(eNB)#1及び#2が上述のNon-Ideal backhaulで接続されてもよい。無線基地局#1は、スモールセル#1a及び#1bを形成する送信ポイント(TP)#1a及び#1bとIdeal backhaulで接続され、スモールセル#1a及び#1bにおけるスケジューリングを行う。同様に、無線基地局#2は、スモールセル#2を形成する送信ポイント#2とIdeal backhaulで接続され、スモールセル#2におけるスケジューリングを行う。ユーザ端末は、当該無線基地局#1及び#2との間でDCを行い、スモールセル#1a、#1b及び#2での通信を行う。
次に、以上のような適用シナリオにおけるDCを用いた通信について説明する。図3は、DCにおける帯域構成の一例が示される。
図3に示すように、DCでは、各無線基地局が、少なくとも一つのセルを含んで構成されるセルグループ(CG:Cell Group)を設定する。セルグループに含まれるセルは、無線基地局によって形成される少なくとも一つのセル(例えば、マクロセル)であってもよいし、当該無線基地局にIdeal backhaulで接続する送信ポイントによって形成される少なくとも一つのセル(例えば、スモールセル)であってもよい。
具体的には、プライマリセル(Pセル:PCell)を含むセルグループはマスタセルグループ(MCG:Master Cell Group)と呼ばれる。MCGは、Pセルを含んで構成される。図3に示すように、MCGは、Pセルに加えて、1以上のセカンダリセル(Sセル:SCell)を含んで構成されてもよい。ここで、Pセルとは、ユーザ端末に対して最初に設定されるセルであり、Sセルとは、Pセルの設定後に設定されるセルである。
一方、Pセルを含まないセルグループはセカンダリセルグループ(SCG:Secondary Cell Group)と呼ばれる。SCGは、プライマリセカンダリセル(PSセル:PSCell)を含んで構成される。PSセルとは、SCG内でユーザ端末に対して最初に設定されるSセルである。図3に示すように、SCGは、PSセルと1以上のSセルを含んで構成されてもよい。
MCGが設定される(MCGを用いて通信する)無線基地局はマスタ基地局(MeNB:Master eNB)と呼ばれる。SCGが設定される(SCGを用いて通信する)無線基地局はセカンダリ基地局(SeNB:Secondary eNB)と呼ばれる。例えば、図1Bに示すシナリオでは、マスタ基地局は、マクロセルを形成する無線基地局であり、セカンダリ基地局は、スモールセルを形成する無線基地局である。また、図2に示すシナリオでは、マスタ基地局は、無線基地局#1であり、セカンダリ基地局は、無線基地局#2である。
図3では、MCG、SCG内の各セルでは、1コンポーネントキャリア(CC)を用いて通信を行うことができる。このように、DCでは、MCGに含まれる少なくとも一つのセル(ここでは、PセルとSセル)とSCGに含まれる少なくとも一つのセル(ここでは、PSセルと2つのSセル)とのCCが統合される。このため、マスタ基地局とセカンダリ基地局とがnon-ideal backhaulで接続される場合(非同期の場合)でも、CAと同様の帯域拡張効果を得ることができる。
図4は、DCにおけるユーザ(U)プレーンと制御(C)プレーンの構成の説明図である。図4A及び図4Bでは、Uプレーンのインターフェース及びプロトコル構成が示される。図4Cでは、Cプレーンのインターフェースが示される。Uプレーンでは、ユーザデータが伝送され、Cプレーンでは、制御データが伝送される。
図4Aに示すように、DCのUプレーンでは、マスタ基地局(MeNB)とセカンダリ基地局(SeNB)とが、X2−Uインターフェースなどのnon-ideal backhaulで接続される。また、マスタ基地局及びセカンダリ基地局の双方が、コアネットワーク上のサービングゲートウェイ装置(S−GW:Serving Gateway)に、S1−Uインターフェースを介して接続される。
図4Aにおいて、下りユーザデータは、コアネットワーク装置(例えば、S−GW)で分離され、コアネットワーク装置からマスタ基地局及びセカンダリ基地局に伝送されるか、或いは、マスタ基地局で分離され、マスタ基地局からセカンダリ基地局に伝送される。
コアネットワーク装置で分離される場合、分離された下りユーザデータは、図4Bに示すように、MCGベアラを介してマスタ基地局に伝送されるとともに、SCGベアラを介してセカンダリ基地局に伝送される。マスタ基地局及びセカンダリ基地局では、それぞれ、下りユーザデータに対して、PDCP(Packet Data Convergence Protocol)、RLC(Radio Link Control)、MAC(Medium Access Control)、物理レイヤの処理が行われる。
一方、マスタ基地局で分離される場合、下りユーザデータは、スプリットベアラを介して、マスタ基地局に伝送され、マスタ基地局のPDCPレイヤで分離される。分離された下りユーザデータは、マスタ基地局のRLCレイヤに伝送されるとともに、X2(−U)インターフェースを介してセカンダリ基地局のRLCレイヤに伝送される。マスタ基地局及びセカンダリ基地局では、独立して、下りユーザデータに対して、RLC、MAC、物理レイヤの処理が行われる。
このように、DCでは、マスタ基地局及びセカンダリ基地局が、MAC制御(例えば、スケジューリングなどのリソース制御)を独立して行う。なお、CAでは、MAC制御は、単一の無線基地局で行われ、物理レイヤの処理だけが複数の送信ポイントにおいて行われる。
また、上りリンクでは、ユーザ端末は、上りユーザデータをマスタ基地局及びセカンダリ基地局にそれぞれ送信する。マスタ基地局及びセカンダリ基地局は、それぞれ、MCGベアラ及びSCGベアラを介して上りユーザデータをコアネットワーク装置(例えば、S−GW)に伝送する、コアネットワーク装置は、マスタ基地局及びセカンダリ基地局からの上りユーザデータを結合する。
また、図4Cに示すように、DCのCプレーンでは、マスタ基地局とセカンダリ基地局とが、X2−Cインターフェースなどのnon-ideal backhaulで接続される。また、マスタ基地局だけが、コアネットワーク上のモビリティ管理装置(MME:Mobility Management Entity)に、S1−MMEインターフェースを介して接続される。
図4Cにおいて、RRC(Radio Resource Control)シグナリングなどの上位レイヤシグナリングは、マスタ基地局とユーザ端末との間で行われ、セカンダリ基地局とユーザ端末との間では行われない。制御用の無線ベアラであるSRB(Signaling Radio Bearer)は、MCGベアラを介して設定される。
以上のように、DCによれば、複数の無線基地局(例えば、上述のマスタ基地局及びセカンダリ基地局)がnon-ideal backhaulで接続される場合(非同期の場合)でも、CAと同様の帯域拡張効果を得ることができる。一方で、ユーザ端末がDCを行っても、帯域拡張効果を効果的に得られない場合も想定される。
例えば、DCでは、上述のように、複数の無線基地局(例えば、上述のマスタ基地局及びセカンダリ基地局)がそれぞれ独立してMAC制御(リソース制御)を行う。一方で、ユーザ端末の上り送信電力には限りがあるので、上りユーザデータを複数の無線基地局に同時送信する場合、各無線基地局に対する上り送信電力が不足する恐れがある。この場合、ユーザ端末が、各無線基地局に対する上り送信電力の密度を低減する結果、上りスループットが劣化する恐れがある。
また、上述のスプリットベアラを用いる場合、non-ideal backhaulに想定以上に大きなトラヒックが伝送されると、non-ideal backhaulでデータが堆積して、下りスループットが劣化する恐れがある。或いは、このような状況を回避するため、大容量のnon-ideal backhaulを敷設しなければならなくなることが想定される。
このように、DCにより帯域拡張を図ったとしても、全てのユーザ端末が、DCの適用効果を効果的に得ることができるとは限らない。DCを行う場合、DCを行わない場合と比較して、周波数リソースや送信電力などが大きく消費される。このため、DCの適用効果を効果的に得られないユーザ端末にもDCを適用することにより、システム全体での無線リソースの利用効率が低下する恐れもある。
そこで、本発明者らは、帯域拡張効果を効果的に得ることが可能なユーザ端末にだけDCを適用することにより、システム全体での無線リソースの利用効率を向上させることを着想し、本発明に至った。
以下、本発明の一実施の形態について詳細に説明する。なお、以下の説明では、ユーザ端末は、マスタ基地局(MeNB)(第1の無線基地局)とセカンダリ基地局(SeNB)(第2の無線基地局)との間でDCを行うものとするが、複数の無線基地局であればどのような無線基地局とDCと行ってもよい。また、マスタ基地局はMCGを設定し、セカンダリ基地局はSCGを設定するものとする。なお、MCGは、Pセルを含み、1つ以上のSセルを含んでもよい。また、SCGは、PSセルを含み、1つ以上のSセルを含んでもよい。
(第1の態様)
第1の態様では、ユーザ端末におけるセカンダリ基地局からの受信信号電力又は受信信号品質に基づいて、DCを行うか否かが判定される。具体的には、セカンダリ基地局からの受信信号電力又は受信信号品質が所定の閾値以上である場合に、DCを行うと判定される。これにより、DCの適用効果が高いユーザ端末だけに、DCを適用することができる。
以下では、受信信号電力として、RSRP(Reference Signal Received Power)、受信信号品質として、RSRQ(Reference Signal Received Quality)を用いる場合を一例として説明するが、これらに限られない。
図5は、第1の態様に係るDCの適用手順を示す図である。図5において、ユーザ端末(UE)は、RRC_Connected状態であり、マスタ基地局(MeNB)に接続しているものとする。
図5に示すように、ユーザ端末は、セカンダリ基地局(SeNB)の候補となる各無線基地局からの参照信号(例えば、CRS(Cell-specific Reference Signalなど))を受信し、RSRPを測定する(ステップS101)。
ユーザ端末は、各無線基地局からのRSRPと、各無線基地局を識別するセルIDと、を含む測定報告をマスタ基地局に送信する(ステップS102)。
マスタ基地局は、ユーザ端末からの測定報告に基づいて、セカンダリ基地局を決定する(ステップS103)。具体的には、マスタ基地局は、測定報告に含まれるRSRPが最大であり、かつ、マスタ基地局とは異なる周波数を用いる無線基地局をセカンダリ基地局として決定する。
マスタ基地局は、決定されたセカンダリ基地局とDCを行うか否かを判定する(ステップS104)。具体的には、マスタ基地局は、ステップS103で決定されたセカンダリ基地局のRSRPと所定の閾値との比較結果に基づいて、当該セカンダリ基地局とDCを行うか否かを判定する。例えば、マスタ基地局は、ステップS103で決定されたセカンダリ基地局のRSRPが所定の閾値より大きいか否かを判定してもよい。
セカンダリ基地局として決定された無線基地局のRSRPが所定の閾値よりも大きい場合、マスタ基地局は、当該無線基地局に対して、DCを行うことを要求するDC要求メッセージ(SeNB Addition Request)を送信する(ステップS105)。一方、当該無線基地局のRSRPが所定の閾値よりも小さい場合、マスタ基地局は、当該無線基地局に対する要求メッセージの送信を中止する。
セカンダリ基地局は、マスタ基地局からのDC要求メッセージに応じて、DC用の無線リソース(例えば、上述のSCGベアラ又はスプリットベアラ用の無線リソースなど)を割り当てる。セカンダリ基地局は、割り当てられた無線リソースを示すリソース割り当て情報を含む応答メッセージ(SeNB Addition Request Acknowledge)をマスタ基地局に送信する(ステップS106)。
セカンダリ基地局からのリソース割り当て情報に基づいて、マスタ基地局、ユーザ端末、セカンダリ基地局との間で、RRCコネクションの再構成手順が行われる(ステップS107−S109)。ユーザ端末は、セカンダリ基地局とランダムアクセス手順(Random Access Procedure)を行い、セカンダリ基地局のPSセルとの同期を行う(ステップS110)。これにより、ユーザ端末は、マスタ基地局とセカンダリ基地局とのDCを行うことが可能となる。
なお、図5では、DCを行うか否かの判定(ステップS104)に、セカンダリ基地局として決定された無線基地局のRSRPが用いられるが、RSRPの代わりに、当該無線基地局からのRSRQが用いられてもよい。
また、図5では、マスタ基地局がセカンダリ基地局を決定するが(ステップS103)、ユーザ端末が、ステップS101における測定結果に基づいてセカンダリ基地局を決定してもよい。この場合、ステップS103は、ユーザ端末において行われる。ユーザ端末は、決定されたセカンダリ基地局をマスタ基地局に通知する。マスタ基地局は、ステップS104において、ユーザ端末で決定されたセカンダリ基地局とDCを行うか否かを判定する。
或いは、ユーザ端末は、セカンダリ基地局を決定するとともに、当該セカンダリ基地局とDCを行うか否かも判定してもよい。この場合、ステップS103及びS104は、ユーザ端末において行われる。ユーザ端末は、セカンダリ基地局とDCを行うと判定する場合、当該セカンダリ基地局をマスタ基地局に通知する。マスタ基地局は、ステップS105において、ユーザ端末から通知されたセカンダリ基地局に対して上記DC要求メッセージを送信する。
また、図5では、マスタ基地局と通信するユーザ端末が、セカンダリ基地局を新たに追加する手順(SeNB Addition procedure)において、DCを行うか否かを判定する例を説明したが、これに限られない。例えば、マスタ基地局とセカンダリ基地局とDCを行うユーザ端末が、DCを行うセカンダリ基地局を変更する手順(Change of SeNB)においても、同様に、DCを行うか否かを判定できる。
さらに、RSRP(又はRSRQ)と所定の閾値との比較結果に基づいて、セカンダリ基地局とのDCを解除するか否かが判定されてもよい。例えば、DCを行っているセカンダリ基地局のRSRPが所定の閾値未満である場合、マスタ基地局は、セカンダリ基地局に対して、DCの解除を要求する解除要求メッセージ(SeNB Release Request)を送信してもよい。
(第2の態様)
第2の態様では、ユーザ端末においてマスタ基地局及びセカンダリ基地局に対する上り送信に用いることが可能な上り送信電力に基づいて、DCを行うか否かを判定する。具体的には、上り送信に用いることが可能な上り送信電力がユーザ端末毎に計算され、当該上り送信電力がマスタ基地局及びセカンダリ基地局の双方に上り送信を行うのに必要な送信電力を満たす場合、DCを行うと判定される。これにより、DCを行った場合に上り送信電力が不足して、上りスループットが劣化するのを防止できる。
図6は、第2の態様に係るDCの適用手順を示す図である。なお、図6では、図5との相違点を中心に説明する。図6のステップ201は、図5のステップS101と同様である。
ユーザ端末は、マスタ基地局に対するパワーヘッドルーム(PHR:Power HeadRoom)を計算する(ステップS202)。ここで、PHRとは、ユーザ端末の余剰送信電力である。PHRは、ユーザ端末の最大送信電力とPUSCHの送信電力とに基づいて(例えば、最大送信電力からPUSCHの送信電力を減算して)計算される。ユーザ端末は、各無線基地局のRSRPとセルIDに加えて、PHRをマスタ基地局に送信する(ステップS203)。
マスタ基地局は、ユーザ端末から送信されたPHRとセカンダリ基地局のRSRPとに基づいて、マスタ基地局及びセカンダリ基地局に対する1リソースブロック(RB)あたりの上り送信電力を計算する(ステップS204)。
マスタ基地局は、計算された1RBあたりの上り送信電力に基づいて、セカンダリ基地局とDCを行うか否かを判定する(ステップS205)。具体的には、マスタ基地局は、1RBあたりの上り送信電力と所定のリソースブロック数とに基づいて計算される上り送信電力が、マスタ基地局とセカンダリ基地局との上り送信に必要な送信電力を満たすか否かを判定する(ステップS205)。ここで、所定のリソースブロック数とは、PUSCH又は/及びPUCCH用のリソースブロックであり、予め定められる値である。
また、マスタ基地局とセカンダリ基地局に対する上り送信に必要な送信電力には、(1)マスタ基地局とセカンダリ基地局との双方にPUCCHを送信するのに必要な送信電力、(2)マスタ基地局にPUCCH、セカンダリ基地局にPUSCHを送信するのに必要な送信電力、(3)マスタ基地局にPUSCH、セカンダリ基地局にPUCCHを送信するのに必要な送信電力、(4)マスタ基地局にPUSCH、セカンダリ基地局にPUSCHを送信するのに必要な送信電力が含まれる。ステップS205では、1RBあたりの上り送信電力と所定のリソースブロック数に基づいて算出される上り送信電力が、上記(1)−(4)の全ての送信電力を満たす場合に、DCを行うと判定する。
マスタ基地局は、上り送信電力が足りると判定する場合、セカンダリ基地局に対して、DC要求メッセージ(SeNB Addition Request)を送信する(ステップS206)。ステップS207−S211は、図5のステップS106−S110と同様であるため、説明を省略する。
なお、図6では、マスタ基地局がDCを行うか否かを判定するが(ステップS205)、ユーザ端末が、ステップS204の計算及びステップS205の判定を行ってもよい。この場合、ユーザ端末は、判定結果をマスタ基地局に報告してもよい。
また、図6では、1RBあたりの上り送信電力は、ユーザ端末のPHRとセカンダリ基地局のRSRPとに基づいて計算されるが(ステップS204)、PHRの代わりに、マスタ基地局のRSRPが用いられてもよい。この場合、ユーザ端末は、マスタ基地局のRSRPをマスタ基地局に報告する。マスタ基地局は、当該RSRPに基づいてパスロスを推定する。マスタ基地局は、推定されたパスロスと、フラクショナル送信電力制御(TCP)で用いられる所定の係数α及びオフセットP0とに基づいて、1RBあたりの上り送信電力を計算する。なお、係数α及びオフセットP0は、マスタ基地局で既知である。
また、図6では、ユーザ端末はPHRを計算してマスタ基地局に報告するが(ステップS202、S203)、PHRの代わりにマスタ基地局との間のパスロスを計算してマスタ基地局に報告してもよい。この場合、マスタ基地局は、ユーザ端末から報告されたパスロスと、フラクショナル送信電力制御(TCP)で用いられる所定の係数α及びオフセットP0とに基づいて、1RBあたりの上り送信電力を計算する。
また、図6では、1RBあたりの上り送信電力と所定のリソースブロック数に基づいて算出される上り送信電力が、上記(1)−(4)の全ての送信電力を満たす場合に、DCを行うと判定するが、上記(1)−(4)の少なくとも一つの送信電力を満たす場合に、DCを行うと判定してもよい。例えば、上記(1)の送信電力だけを満たす場合にDCを行うと判定すると、マスタ基地局及びセカンダリ基地局に対するPUCCHの同時送信だけを保障することができる。或いは、上記(1)−(3)の送信電力を満たす場合にDCを行うと判定すると、マスタ基地局及びセカンダリ基地局の少なくとも一方へのPUCCH送信が保障され、PUSCHの同時送信は保障されない。
また、図6のステップS205において、マスタ基地局は、1RBあたりの上り送信電力と所定のリソースブロック数に基づいて算出される上り送信電力が所定量不足しても、DCを行うと判定してもよい。この場合、上りスループットは劣化する恐れがあるが、下りでDCの適用効果を得ることができ、DCを適用するユーザ数を増加させることができる。
(第3の態様)
第3の態様では、セカンダリ基地局とユーザ端末との間の無線リンクの混雑度に基づいて、DCを行うか否かが判定される。具体的には、セカンダリ基地局とユーザ端末との間の無線リンクの混雑度が所定の閾値以下である場合、DCを行うと判定される。これにより、セカンダリ基地局とユーザ端末との間の無線リソースの使用状態が低い場合にだけDCが適用されるので、DCの適用効果を効果的に得ることができる。
ここで、無線リンクの混雑度とは、上り/下りのデータ/制御チャネル用の無線リソース(時間、周波数、符号リソースの使用状態(埋まり具合))である。無線リンクの混雑度は、全リソースブロック数に対する割り当て済みのリソースブロックの割合で示されてもよいし、空きリソースブロック数であってもよい。或いは、無線リンクの混雑度は、セカンダリ基地局に接続するユーザ端末のバッファステータスレポートを用いて推定される上りリソースの使用状態(埋まり具合)であってもよいし、セカンダリ基地局自身のバッファ状態から推定される下りリソースの使用状態であってもよい。
図7は、第3の態様に係るDCの適用手順を示す図である。なお、図7では、図5との相違点を中心に説明する。図7のステップS301−S303は、図5のステップS101−S103と同様であるため、説明を省略する。
セカンダリ基地局は、上記無線リンクの混雑度を示す混雑度情報を、マスタ基地局に定期的に送信する(ステップS304)。
マスタ基地局は、セカンダリ基地局から報告される混雑度情報に基づいて、当該セカンダリ基地局とDCを行うか否かを判定する(ステップS305)。具体的には、マスタ基地局は、セカンダリ基地局における上り/下りリソースが所定の閾値以上空いているか否かを判定する(ステップS305)。
マスタ基地局は、上り/下りリソースが所定の閾値以上空いていると判定する場合、セカンダリ基地局に対して、DC要求メッセージ(SeNB Addition Request)を送信する(ステップS306)。一方、空いていないと判定する場合、DC要求メッセージの送信を中止する。ステップS307−S311は、図5のステップS106−S110と同様であるため、説明を省略する。
図7では、マスタ基地局は、セカンダリ基地局から報告される混雑度情報に基づいて、当該セカンダリ基地局とDCを行うか否かを判定するが、DCを解除するか否かを判定してもよい。この場合、マスタ基地局は、上り/下りリソースが所定の閾値未満であると判定する場合、セカンダリ基地局に対して、DCの解除を要求する解除要求メッセージ(SeNB Release Request)を送信し、解除手順(SeNB Release procedure)が行われる。
(第4の態様)
第4の態様では、マスタ基地局は、セカンダリ基地局とのDCを解除した後、ユーザ端末との間の無線リンクの混雑度に基づいて、新たにDCを行うセカンダリ基地局を決定する。具体的には、マスタ基地局は、無線リンクの混雑度が所定の閾値以下である候補基地局を新たなセカンダリ基地局として決定して、DCを行う。なお、無線リンクの混雑度については、第3の態様で説明した通りである。
図8は、第4の態様に係るDCの適用手順を示す図である。なお、図8では、図5との相違点を中心に説明する。図8のステップS401は、図5のステップS102と同様である。
マスタ基地局は、ユーザ端末から報告されたRSRPが大きい上位N個の無線基地局に対して、上記無線リンクの混雑度を示す混雑度情報の報告要求を送信する(ステップS402)。なお、報告要求は、定期的に送信され、図8に示すタイミングに限られない。各無線基地局は、報告要求に応じて、マスタ基地局に混雑度情報を送信する(ステップS403)。
マスタ基地局は、各無線基地局からの混雑度情報に基づいて、空きリソースが所定の閾値以上の無線基地局をRSRPが大きい順に順位づけして、DCの候補基地局(候補eNB)として記憶(更新)する(ステップS404)。なお、DCの候補基地局の更新は、混雑度情報の報告毎に行われてもよい。
マスタ基地局とセカンダリ基地局との間でDC解除手順が行われると(ステップS405)、マスタ基地局は、最上位の候補基地局(RSRPが最大の候補基地局)を新たにセカンダリ基地局として決定する(ステップS406)。マスタ基地局は、新たに決定されたセカンダリ基地局に対して、DC要求メッセージ(SeNB Addition Request)を送信する(ステップS407)。なお、DC要求メッセージ後の処理は、図5のステップS106−S110と同様である。
(第5の態様)
第5の態様では、ユーザ端末のバッテリー残量に基づいて、DCを行うか否かが判定される。具体的には、ユーザ端末のバッテリー残量が所定の閾値以上の場合、DCを行うと判定される。DCを行うとマスタ基地局及びセカンダリ基地局の双方に対する同時送信により、バッテリー消費が増加する。上記判定により、DCによりユーザ端末のバッテリー残量が枯渇するのを防止できる。
図9は、第5の態様に係るDCの適用/解除手順を示す図である。図9Aでは、DCの適用手順が示され、図9Bでは、DCの解除手順が示される。また、図9Aでは、ユーザ端末は、マスタ基地局にだけ接続している状態であり、図9Bでは、マスタ基地局及びセカンダリ基地局とDCを行っている状態であるものする。
図9Aに示すように、ユーザ端末は、バッテリー残量をマスタ基地局に定期的に報告する(ステップS501)。ここで、バッテリー残量は、全体容量に対する残量の割合(例えば、○%)であってもよいし、全体容量と、残量の割合(%)とに基づいて計算される放電容量(Ah)などであってもよい。
マスタ基地局は、ユーザ端末から報告されたバッテリー残量に基づいて、DCを行うか否かを判定する(ステップS502)。マスタ基地局は、バッテリー残量が所定の閾値以上(又はより大きい)である場合、セカンダリ基地局に対して、DC要求メッセージ(SeNB Addition Request)を送信する(ステップS503)。なお、DC要求メッセージ後の処理は、図5のステップS106−S110と同様である。
一方、図9Bに示すように、マスタ基地局は、ユーザ端末から報告されたバッテリー残量に基づいて、DCを解除するか否かを判定してもよい(ステップS512)。マスタ基地局は、バッテリー残量が所定の閾値以下(又は未満)である場合、セカンダリ基地局に対して、解除要求メッセージ(SeNB Release Request)を送信する(ステップS513)。
なお、図9A及び図9Bでは、マスタ基地局がバッテリー残量に基づく判定を行うが(ステップS502、S512)、ユーザ端末が同様の判定を行ってもよい。図9Aにおいて、ユーザ端末は、バッテリー残量が所定の閾値以下(又は未満)である場合、DCを適用できないことをマスタ基地局に報告してもよい。
同様に、図9Bにおいて、ユーザ端末は、バッテリー残量が所定の閾値以下(又は未満)である場合、セカンダリ基地局とのDCの解除要求をマスタ基地局に送信し、マスタ基地局が当該セカンダリ基地局に対して解除要求メッセージ(SeNB Release Request)を送信してもよい。或いは、ユーザ端末は、DCの解除要求メッセージを直接セカンダリ基地局に報告し、セカンダリ基地局がマスタ基地局にDCの解除要求メッセージを送信してもよい。
また、バッテリー残量の代わりに、ユーザ端末が充電されているかを示す充電情報に基づいて上記判定が行われてもよい。ユーザ端末は、上記充電情報を定期的にマスタ基地局に報告し、充電されている場合、マスタ基地局はセカンダリ基地局に、DC要求メッセージを送信してもよい。
(第6の態様)
第6の態様では、ユーザ端末とセカンダリ基地局との間のパスロスに基づいて、DCを行うか否かが判定される。具体的には、当該パスロスが所定の閾値以下である場合、DCを行うと判定される。これにより、DCの適用効果が高いユーザ端末に対してだけ、DCを適用できる。
図10は、第6の態様に係るDCの適用手順を示す図である。図10Aでは、DCの適用手順が示され、図10Bでは、DCの解除手順が示される。また、図10Aでは、ユーザ端末は、マスタ基地局にだけ接続している状態であり、図10Bでは、マスタ基地局及びセカンダリ基地局とDCを行っている状態であるものする。
図10Aに示すように、ユーザ端末はセカンダリ基地局からのRSRPを定期的にマスタ基地局に報告する(ステップS601)。マスタ基地局は、報告されたRSRPを用いてセカンダリ基地局のパスロスを推定し、パスロス推定値に基づいてDCを行うか否かを判定する(ステップS602)。マスタ基地局は、パスロス推定値が所定の閾値以下の場合、DC要求メッセージ(SeNB Addition Request)を送信する(ステップ603)。なお、DC要求メッセージ後の処理は、図5のステップS106−S110と同様である。
一方、図10Bに示すように、既にDCを行っている場合、ユーザ端末は、セカンダリ基地局にPHRを報告する(ステップS611)。セカンダリ基地局は、ユーザ端末のセカンダリ基地局へのPHRをマスタ基地局に報告する(ステップS612)。なお、ユーザ端末は、マスタ基地局に直接PHRを送信してもよい。
マスタ基地局は、報告されたPHRを用いてセカンダリ基地局のパスロスを推定し、パスロス推定値に基づいてDCを解除するか否かを判定する(ステップS613)。マスタ基地局は、パスロス推定値が所定の閾値以下(又は未満)である場合、セカンダリ基地局に対して、解除要求メッセージ(SeNB Release Request)を送信し、DCの解除手順を行う(ステップS614)。
なお、ステップS613において、マスタ基地局は、報告されたPHRと所定の閾値との比較結果に基づいて、パスロス推定を行わずに、DCを解除するか否かを判定してもよい。この場合、マスタ基地局は、PHRが所定の閾値以下(又は未満)である場合、セカンダリ基地局に対して、解除要求メッセージ(SeNB Release Request)を送信し、DCの解除手順を行う。
(第7の態様)
第7の態様では、ユーザ端末の移動情報(後述)に基づいて、DCを行うか否かが判定される。ユーザ端末が高速移動すると想定されない場合にだけ、DCを行うと判定される。これは、上りリンクでは、パスロスが最小の無線基地局(セル)にデータを送信することが望ましいが、DCをすると下りリンクと独立にデータの送信先の無線基地局(セル)を決定できるので、マクロセルよりパスロスの期待値が小さいスモールセルに上りデータを送信しやすくなる。しかしながら、スモールセルに接続してもすぐハンドオーバしてしまうため、高速移動するユーザ端末は、DCを行わないと考えられるためである。
図11は、第7の態様に係るDCの適用手順を示す図である。図11A及び11Bでは、ユーザ端末は、マスタ基地局にだけ接続している状態であるものする。図11Aに示すように、マスタ基地局は、ユーザ端末の移動情報を取得する(ステップS701)。
ここで、移動情報とは、所定期間内におけるユーザ端末のハンドオーバ回数であってもよいし、上り参照信号の受信電力の時変動又はPUCCHの受信電力の時変動に基づいて推定されるユーザ端末の移動速度であってもよい。PUCCHにフラクショナルTPCは適用されないため、PUCCHの受信電力を用いることでユーザ端末の移動速度の推定精度を向上させることができる。
マスタ基地局は、上記移動情報に基づいて、DCを行うか否かを判定する(ステップS702)。具体的には、マスタ基地局は、所定期間内におけるユーザ端末のハンドオーバ回数が所定の閾値より小さい場合(或いは、ユーザ端末の移動速度が所定の閾値より小さい場合)、セカンダリ基地局にDC要求メッセージ(SeNB Addition Request)を送信してもよい(ステップ703)。DC要求メッセージ後の処理は、図5のステップS106−S110と同様である。
或いは、図11Bに示すように、ユーザ端末が、移動情報(特に、移動速度)を取得し(ステップS711)、マスタ基地局に報告してもよい(ステップS712)。例えば、ユーザ端末は、下り参照信号の受信電力の時変動やGPSからの情報に基づいて、自身の移動速度を計算し、計算した移動速度をマスタ基地局に報告する。マスタ基地局は、ユーザ端末から報告された移動速度が所定の閾値より小さい場合、セカンダリ基地局にDC要求メッセージ(SeNB Addition Request)を送信してもよい。
或いは、ユーザ端末は、取得した移動情報に基づいてDCを行うか否かを判定し、判定結果をマスタ基地局に報告してもよい。
(第8の態様)
第8の態様では、マスタ基地局とセカンダリ基地局との間のバックホールの混雑度に基づいて、DCを行うか否かが判定される。具体的には、バックホールの混雑度が所定の閾値よりも高い場合に、DCを行わない(DCを解除する)と判定される。これにより、バックホールの混雑により、データが堆積して、DC適用時のスループットが劣化するのを防止できる。
図12は、第8の態様に係るDCの解除手順を示す図である。図12Aでは、DCの解除手順が示され、図12Bでは、DCの適用手順が示される。また、図12Aでは、ユーザ端末は、マスタ基地局及びセカンダリ基地局とDCを行っている状態であり、図12Bでは、マスタ基地局にだけ接続している状態であるものする。
図12Aに示すように、マスタ基地局とセカンダリ基地局は、定期的に上り/下りのバックホール(non-ideal backhaul)の混雑度を測定する(ステップS801a、S801b)。ここで、バックホールの混雑度とは、ルータの負荷量,交換機の電力消費量、回線の専有帯域を利用して推定される情報である。セカンダリ基地局は、バックホールの混雑度を示す混雑度情報をマスタ基地局に報告する(ステップS802)。
マスタ基地局は、ステップS801aにおける測定結果とセカンダリ基地局からの混雑度情報に基づいて、DCを解除するか否かを判定する(ステップS803)。具体的には、マスタ基地局はセカンダリ基地局とのバックホールの混雑度が所定の閾値を超えている場合、セカンダリ基地局に対して、解除要求メッセージ(SeNB Release Request)を送信し(ステップS804)、DCの解除手順を行う。
一方、図12Bに示すように、マスタ基地局は、マスタ基地局とセカンダリ基地局との間のバックホールの混雑度に基づいて、候補基地局の中からセカンダリ基地局を決定してもよい。具体的には、マスタ基地局は、候補基地局から、混雑度が所定の閾値を超える無線基地局を除外してもよい。なお、候補基地局は、上述のように、ユーザ端末からのRSRPが上位N個の基地局である。
(第9の態様)
第9の態様では、マスタ基地局とユーザ端末との間の無線リンクの混雑度、又は/及び、セカンダリ基地局とユーザ端末との間の無線リンクの混雑度に基づいて、DCを行うか否かが判定される。具体的には、マスタ基地局とユーザ端末との間の無線リンクの混雑度、又は/及び、セカンダリ基地局とユーザ端末との間の無線リンクの混雑度が所定の閾値よりも高い場合に、DCを行わない(DCを解除する)と判定される。
これは、マスタ基地局とセカンダリ基地局は独立にMAC制御(スケジューリング)を行うため、マスタ基地局とユーザ端末との間、又はセカンダリ基地局とユーザ端末との間の無線リンクが混雑していると、マスタ基地局とセカンダリ基地局が同時にユーザ端末にリソース割当てを行う(同時送信が発生する)確率が小さいためである。
例えば、マスタ基地局とセカンダリ基地局にそれぞれ100ユーザ端末のDCユーザがいて、マスタ基地局とセカンダリ基地局でそれぞれ10ユーザ端末を多重できる場合、マスタ基地局で割り当てられる確率は10/100=10%、セカンダリ基地局で割り当てられる確率は10/100=10%となり、マスタ基地局とセカンダリ基地局で同時に割り当てられる確率は1%と小さくなる。
また、上りの無線リンクが混雑する場合、1ユーザ端末に割当てられる帯域幅は小さくなると予想されるため、上りの同時送信が発生しても送信電力密度の低減は生じにくいためである。
図13は、第9の態様に係るDCの解除手順を示す図である。図13Aでは、DCの解除手順が示され、図13Bでは、DCの適用手順が示される。また、図13Aでは、ユーザ端末は、マスタ基地局及びセカンダリ基地局とDCを行っている状態であり、図13Bでは、マスタ基地局にだけ接続している状態であるものする。
図13Aに示すように、マスタ基地局とセカンダリ基地局は、定期的に上り/下りの無線リンクの混雑度を測定する(ステップS901a、S901b)。セカンダリ基地局は、混雑度を示す混雑度情報をマスタ基地局に報告する(ステップS902)。
ここで、無線リンクの混雑度とは、上り/下りのデータ/制御チャネル用の無線リソース(時間、周波数、符号リソースの使用状態(埋まり具合))であり、全リソースブロック数に対する割り当て済みのリソースブロックの割合で示されてもよい。或いは、無線リンクの混雑度は、マスタ基地局及びセカンダリ基地局でそれぞれ収容されるユーザ端末数であってもよい。当該ユーザ端末数は、RRCConnected状態のユーザ端末数であってもよいし、非DRX(Discontinuous Reception)状態のユーザ端末数であってもよいし、バッファにデータを保持しているユーザ端末数であってもよい。なお、これらのユーザ端末数は、セカンダリ基地局で既知である。
マスタ基地局は、ステップS901aにおける測定結果とセカンダリ基地局からの混雑度情報に基づいて、DCを解除するか否かを判定する(ステップS903)。具体的には、マスタ基地局は、マスタ基地局又は/及びセカンダリ基地局における無線リンクの混雑度が所定の閾値を超えている場合、セカンダリ基地局に対して、セカンダリ基地局に対して、解除要求メッセージ(SeNB Release Request)を送信し(ステップS904)、DCの解除手順を行う。
或いは、ステップS904において、マスタ基地局は、マスタ基地局及びセカンダリ基地局の加重平均値に基づいて、DCを行うか否かを判定してもよい。例えば、加重平均値Tは、T=α*(マスタ基地局の混雑度)+(1−α)*(セカンダリ基地局の混雑度)により算出されてもよい。ここで、所定の係数αは、設計パラメータであり、0≦α≦1である。
(その他)
以上の第1−第9の態様では、判定結果に基づいて「DCを行う」ものとしたが、「DCを設定し、セカンダリ基地局とのデータ通信を行う」と読み替えられてもよい。また、第1−第9の態様では、判定結果に基づいて「DCを行わない(又は、DCを解除する)」ものとしたが、「DCを設定するが、セカンダリ基地局とのデータ通信を行わない」と読み替えられてもよい。
例えば、マスタ基地局がセカンダリ基地局とのDCをしないと判断した場合、マスタ基地局は、バックホールのデータの送受信を中止し、セカンダリ基地局とのデータの送受信を中止する。セカンダリ基地局は、マスタ基地局からのデータの送受信が一定期間なければ、セカンダリ基地局は独立に動作する。ユーザ端末はマスタ基地局またはセカンダリ基地局からのみデータを受信するため、DCが解除された場合と同様に、マスタ基地局またはセカンダリ基地局とのみデータの送受信を行う。
すなわち、マスタ基地局がセカンダリ基地局へDC解除を指示することなく、マスタ基地局のみの動作でDCをしない(解除した)場合と同様の効果を得ることができる。
なお、セカンダリ基地局はマスタ基地局からのデータの送受信が一定期間なければ、セカンダリ基地局はDRX状態に落ちて待機するとしてもいい。
また、以上の第1−第9の態様は、適宜組みあわせることが可能である。また、第1−第9の態様では、セカンダリ基地局を新たに追加する手順(SeNB Addition procedure)を中心に説明したが、セカンダリ基地局を更新する手順(SeNB Modification procedure)、DCを行うセカンダリ基地局を変更する手順(Change of SeNB)、DCを解除する手順(SeNB Release Procedure)にも適宜適用可能である。
(無線通信システム)
以下、本発明の一実施の形態に係る無線通信システムの構成について説明する。この無線通信システムでは、上記各態様に係る無線通信方法が適用される。
図14は、本発明の一実施の形態に係る無線通信システムの一例を示す概略構成図である。図14に示すように、無線通信システム1は、複数の無線基地局10(11及び12)と、各無線基地局10によって形成されるセル内にあり、各無線基地局10と通信可能に構成された複数のユーザ端末20と、を備えている。無線基地局10は、それぞれ上位局装置30に接続され、上位局装置30を介してコアネットワーク40に接続される。
図14において、無線基地局11は、例えば相対的に広いカバレッジを有するマクロ基地局で構成され、マクロセルC1を形成する。無線基地局12は、局所的なカバレッジを有するスモール基地局で構成され、スモールセルC2を形成する。なお、無線基地局11及び12の数は、図14に示す数に限られない。
マクロセルC1及びスモールセルC2では、同一の周波数帯が用いられてもよいし、異なる周波数帯が用いられてもよい。また、無線基地局11及び12は、基地局間インターフェース(例えば、光ファイバ、X2インターフェース)を介して互いに接続される。
なお、マクロ基地局11は、無線基地局、eNodeB(eNB)、送信ポイント(transmission point)、マスタ基地局(MeNB)、セカンダリ基地局(SeNB)などと呼ばれてもよい。スモール基地局12は、ピコ基地局、フェムト基地局、Home eNodeB(HeNB)、送信ポイント、RRH(Remote Radio Head)、セカンダリ基地局(SeNB)などと呼ばれてもよい。
ユーザ端末20は、LTE、LTE−Aなどの各種通信方式に対応した端末であり、移動通信端末だけでなく固定通信端末を含んでいてもよい。ユーザ端末20は、無線基地局10を経由して他のユーザ端末20と通信を実行できる。
上位局装置30には、例えば、アクセスゲートウェイ装置、無線ネットワークコントローラ(RNC)、モビリティマネジメントエンティティ(MME)などが含まれるが、これに限定されるものではない。
無線通信システム1においては、無線アクセス方式として、下りリンクについてはOFDMA(直交周波数分割多元接続)が適用され、上りリンクについてはSC−FDMA(シングルキャリア−周波数分割多元接続)が適用される。OFDMAは、周波数帯域を複数の狭い周波数帯域(サブキャリア)に分割し、各サブキャリアにデータをマッピングして通信を行うマルチキャリア伝送方式である。SC−FDMAは、システム帯域幅を端末毎に1つ又は連続したリソースブロックからなる帯域に分割し、複数の端末が互いに異なる帯域を用いることで、端末間の干渉を低減するシングルキャリア伝送方式である。なお、上り及び下りの無線アクセス方式は、これらの組み合わせに限られない。
無線通信システム1では、下りリンクのチャネルとして、各ユーザ端末20で共有される下り共有チャネル(PDSCH:Physical Downlink Shared Channel)報知チャネル(PBCH:Physical Broadcast Channel)、下りL1/L2制御チャネルなどが用いられる。PDSCHにより、ユーザデータや上位レイヤ制御情報、所定のSIB(System Information Block)が伝送される。また、PBCHにより、同期信号や、MIB(Master Information Block)などが伝送される。
下りL1/L2制御チャネルは、PDCCH(Physical Downlink Control Channel)、EPDCCH(Enhanced Physical Downlink Control Channel)、PCFICH(Physical Control Format Indicator Channel)、PHICH(Physical Hybrid-ARQ Indicator Channel)などを含む。PDCCHにより、PDSCH及びPUSCHのスケジューリング情報を含む下り制御情報(DCI:Downlink Control Information)などが伝送される。PCFICHにより、PDCCHに用いるOFDMシンボル数が伝送される。PHICHにより、PUSCHに対するHARQの送達確認信号(ACK/NACK)が伝送される。EPDCCHは、PDSCH(下り共有データチャネル)と周波数分割多重され、PDCCHと同様にDCIなどを伝送するために用いられてもよい。
無線通信システム1では、上りリンクのチャネルとして、各ユーザ端末20で共有される上り共有チャネル(PUSCH:Physical Uplink Shared Channel)、上り制御チャネル(PUCCH:Physical Uplink Control Channel)、ランダムアクセスチャネル(PRACH:Physical Random Access Channel)などが用いられる。PUSCHにより、ユーザデータや上位レイヤ制御情報が伝送される。また、PUCCHにより、下りリンクの無線品質情報(CQI:Channel Quality Indicator)、送達確認信号などが伝送される。PRACHにより、セルとの接続確立のためのランダムアクセスプリアンブル(RAプリアンブル)が伝送される。
無線通信システム1は、デュアルコネクティビティ(DC)を適用可能な通信システムである。DCを適用する場合、無線基地局10は、MCGを制御するマスタ基地局であってもよいし、SCGを制御するセカンダリ基地局であってもよい。
<無線基地局>
図15は、本発明の一実施形態に係る無線基地局10の全体構成図である。無線基地局10(無線基地局11及び12を含む)は、MIMO伝送のための複数の送受信アンテナ101と、アンプ部102と、送受信部103と、ベースバンド信号処理部104と、呼処理部105と、伝送路インターフェース106とを備えている。なお、送受信部103は、送信部及び受信部から構成される。
下りリンクにより無線基地局10からユーザ端末20に送信されるユーザデータは、上位局装置30から伝送路インターフェース106を介してベースバンド信号処理部104に入力される。
ベースバンド信号処理部104では、ユーザデータに関して、PDCP(Packet Data Convergence Protocol)レイヤの処理、ユーザデータの分割・結合、RLC(Radio Link Control)再送制御などのRLCレイヤの送信処理、MAC(Medium Access Control)再送制御(例えば、HARQ(Hybrid Automatic Repeat reQuest)の送信処理)、スケジューリング、伝送フォーマット選択、チャネル符号化、逆高速フーリエ変換(IFFT:Inverse Fast Fourier Transform)処理、プリコーディング処理などの送信処理が行われて各送受信部103に転送される。また、下り制御信号に関しても、チャネル符号化や逆高速フーリエ変換などの送信処理が行われて、各送受信部103に転送される。
各送受信部103は、ベースバンド信号処理部104からアンテナ毎にプリコーディングして出力された下り信号を無線周波数帯に変換して送信する。送受信部103で周波数変換された無線周波数信号は、アンプ部102により増幅され、送受信アンテナ101から送信される。送受信部103は、本発明に係る技術分野での共通認識に基づいて説明されるトランスミッター/レシーバー、送受信回路又は送受信装置とすることができる。
一方、上り信号については、各送受信アンテナ101で受信された無線周波数信号がそれぞれアンプ部102で増幅される。各送受信部103はアンプ部102で増幅された上り信号を受信する。送受信部103は、受信信号をベースバンド信号に周波数変換して、ベースバンド信号処理部104に出力する。
ベースバンド信号処理部104では、入力された上り信号に含まれるユーザデータに対して、高速フーリエ変換(FFT:Fast Fourier Transform)処理、逆離散フーリエ変換(IDFT:Inverse Discrete Fourier Transform)処理、誤り訂正復号、MAC再送制御の受信処理、RLCレイヤ、PDCPレイヤの受信処理がなされ、伝送路インターフェース106を介して上位局装置30に転送される。呼処理部105は、通信チャネルの設定や解放などの呼処理や、無線基地局10の状態管理や、無線リソースの管理を行う。
伝送路インターフェース106は、所定のインターフェースを介して、上位局装置30と信号を送受信する。また、伝送路インターフェース106は、基地局間インターフェース(例えば、光ファイバなどのideal backhaul、X2インターフェースなどのnon-ideal backhaul)を介して隣接無線基地局と信号を送受信(バックホールシグナリング)してもよい。
図16は、本実施形態に係る無線基地局の機能構成の一例を示す図である。なお、図16は、本実施形態における特徴部分の機能ブロックを主に示しており、無線基地局10は、無線通信に必要な他の機能ブロックも有しているものとする。図16に示すように、ベースバンド信号処理部104は、制御部301と、送信信号生成部302と、マッピング部303と、受信信号処理部304と、を備えている。
制御部301は、無線基地局10全体の制御を実施する。制御部301は、例えば、送信信号生成部302による下り信号の生成や、マッピング部303による信号のマッピング、受信信号処理部304による信号の受信処理を制御する。
また、制御部301は、ユーザ端末がDCを行うか否かを判定する。また、制御部301は、DCを行うか否かを判定するために必要な各種情報(例えば、ユーザ端末20においてマスタ基地局及びセカンダリ基地局に対する上り送信に用いることが可能な上り送信電力など)を計算又は取得する。
具体的には、制御部301は、ユーザ端末20においてマスタ基地局及びセカンダリ基地局に対する上り送信に用いることが可能な上り送信電力に基づいて、DCを行うか否かを判定する(第2の態様)。
また、制御部301は、ユーザ端末20におけるセカンダリ基地局からの受信信号電力又は受信信号品質、前記ユーザ端末とセカンダリ基地局との間のパスロスに基づいて、DCを行うか否かを判定してもよい(第1及び第6の態様)。
また、制御部301は、マスタ基地局とユーザ端末20との間の無線リンクの混雑度、又は/及び、セカンダリ基地局とユーザ端末20との間の無線リンクの混雑度に基づいて、DCを行うか否かを判定してもよい(第3及び第9の態様)。
また、制御部301は、ユーザ端末20のバッテリー残量に基づいて、DCを行うか否かを判定してもよい(第5の態様)。
また、制御部301は、ユーザ端末20の移動情報に基づいて、DCを行うか否かを判定してもよい(第7の態様)。
また、制御部301は、DCを行うと判定された場合、DCを行うことを要求するDC要求メッセージ(要求信号)を送信するよう、伝送路インターフェース106を制御する。また、制御部301は、DCを行わないと判定された場合、DCを解除することを要求する解除要求メッセージ(解除要求信号)を送信するよう、伝送路インターフェース106を制御する。
また、制御部301は、DCを行うと判定された場合、DCを行うことを要求するDC要求メッセージ(要求信号)を送信するよう、伝送路インターフェース106を制御する。また、制御部301は、DCを行わないと判定された場合、DCを解除することを要求する解除要求メッセージ(解除要求信号)を送信するよう、伝送路インターフェース106を制御する。
また、制御部301は、ユーザ端末のDCを制御する。具体的には、制御部301は、セカンダリ基地局を新たに追加する手順(SeNB Addition procedure)、DCを行うセカンダリ基地局を変更する手順(Change of SeNB)、DCを解除する手順(SeNB Release Procedure)を制御してもよい。
制御部301は、本発明に係る技術分野での共通認識に基づいて説明されるコントローラ、制御回路又は制御装置から構成することができる。
送信信号生成部302は、制御部301からの指示に基づいて、DL信号(下りデータ信号、下り制御信号を含む)を生成して、マッピング部303に出力する。具体的には、送信信号生成部302は、上述の上位レイヤシグナリングによる通知情報やユーザデータを含む下りデータ信号(PDSCH)を生成して、マッピング部303に出力する。また、送信信号生成部302は、上述のDCIを含む下り制御信号(PDCCH/EPDCCH)を生成して、マッピング部303に出力する。また、送信信号生成部302は、CRS、CSI−RSなどの下り参照信号を生成して、マッピング部303に出力する。
送信信号生成部302は、本発明に係る技術分野での共通認識に基づいて説明される信号生成器、信号生成回路又は信号生成装置とすることができる。
マッピング部303は、制御部301からの指示に基づいて、送信信号生成部302で生成されたDL信号を、所定の無線リソースにマッピングして、送受信部103に出力する。マッピング部303は、本発明に係る技術分野での共通認識に基づいて説明されるマッパー、マッピング回路又はマッピング装置とすることができる。
受信信号処理部304は、ユーザ端末20から送信される上り信号に対して、受信処理(例えば、デマッピング、復調、復号など)を行う。処理結果は、制御部301に出力される。
受信信号処理部304は、本発明に係る技術分野での共通認識に基づいて説明される信号処理器、信号処理回路又は信号処理装置、並びに、測定器、測定回路又は測定装置から構成することができる。
<ユーザ端末>
図17は、本発明の一実施形態に係るユーザ端末20の全体構成図である。図17に示すように、ユーザ端末20は、MIMO伝送のための複数の送受信アンテナ201と、アンプ部202と、送受信部203と、ベースバンド信号処理部204と、アプリケーション部205と、を備えている。なお、送受信部203は、送信部及び受信部から構成されてもよい。
複数の送受信アンテナ201で受信された無線周波数信号は、それぞれアンプ部202で増幅される。各送受信部203はアンプ部202で増幅された下り信号を受信する。送受信部203は、受信信号をベースバンド信号に周波数変換して、ベースバンド信号処理部204に出力する。送受信部203は、本発明に係る技術分野での共通認識に基づいて説明されるトランスミッター/レシーバー、送受信回路又は送受信装置とすることができる。
ベースバンド信号処理部204は、入力されたベースバンド信号に対して、FFT処理や、誤り訂正復号、再送制御の受信処理などを行う。下りリンクのユーザデータは、アプリケーション部205に転送される。アプリケーション部205は、物理レイヤやMACレイヤより上位のレイヤに関する処理などを行う。また、下りリンクのデータのうち、報知情報もアプリケーション部205に転送される。
一方、上りリンクのユーザデータについては、アプリケーション部205からベースバンド信号処理部204に入力される。ベースバンド信号処理部204では、再送制御の送信処理(例えば、HARQの送信処理)や、チャネル符号化、プリコーディング、離散フーリエ変換(DFT:Discrete Fourier Transform)処理、IFFT処理などが行われて各送受信部203に転送される。送受信部203は、ベースバンド信号処理部204から出力されたベースバンド信号を無線周波数帯に変換して送信する。送受信部203で周波数変換された無線周波数信号は、アンプ部202により増幅され、送受信アンテナ201から送信される。
送受信部203は、1つ以上のセルから構成されるセルグループ(CG)をそれぞれ設定する複数の無線基地局(マスタ基地局、セカンダリ基地局)との間で信号を送受信することができる。例えば、送受信部203は、複数のCGに対して上り信号を同時に送信することが可能である。
図18は、本実施形態に係るユーザ端末の機能構成の一例を示す図である。なお、図18においては、本実施形態における特徴部分の機能ブロックを主に示しており、ユーザ端末20は、無線通信に必要な他の機能ブロックも有しているものとする。図18に示すように、ユーザ端末20が有するベースバンド信号処理部204は、制御部401と、送信信号生成部402と、マッピング部403と、受信信号処理部404と、測定部405と、を備えている。
制御部401は、ユーザ端末20全体の制御を実施する。制御部401は、例えば、送信信号生成部402による信号の生成や、マッピング部403による信号のマッピング、受信信号処理部404による信号の受信処理を制御する。
また、制御部401は、DCを行うか否かを判定する。また、制御部401は、判定結果をマスタ基地局に通知するように、送信信号生成部402を制御してもよい。
具体的には、制御部401は、ユーザ端末20においてマスタ基地局及びセカンダリ基地局に対する上り送信に用いることが可能な上り送信電力に基づいて、DCを行うか否かを判定してもよい(第2の態様)。
また、制御部401は、ユーザ端末20におけるセカンダリ基地局からの受信信号電力又は受信信号品質、前記ユーザ端末とセカンダリ基地局との間のパスロスに基づいて、DCを行うか否かを判定してもよい(第1及び第6の態様)。
また、制御部401は、ユーザ端末20のバッテリー残量に基づいて、DCを行うか否かを判定してもよい(第5の態様)。
また、制御部401は、ユーザ端末20の移動情報に基づいて、DCを行うか否かを判定してもよい(第7の態様)。
また、制御部401は、マスタ基地局とセカンダリ基地局とのDCを制御する。具体的には、制御部401は、セカンダリ基地局を新たに追加する手順(SeNB Addition procedure)、DCを行うセカンダリ基地局を変更する手順(Change of SeNB)、DCを解除する手順(SeNB Release Procedure)を制御してもよい。
制御部401は、本発明に係る技術分野での共通認識に基づいて説明されるコントローラ、制御回路又は制御装置から構成することができる。
送信信号生成部402は、制御部401からの指示に基づいて、上り信号(上りデータ信号、上り制御信号を含む)を生成して、マッピング部403に出力する。例えば、送信信号生成部402は、UCI(HARQ−ACK、CQI、SRの少なくとも一つ)を含む上り制御信号(PUCCH)を生成する。
送信信号生成部402は、本発明に係る技術分野での共通認識に基づいて説明される信号生成器、信号生成回路又は信号生成装置とすることができる。
マッピング部403は、制御部401からの指示に基づいて、送信信号生成部402で生成された上り信号(上り制御信号、上りデータ信号など)を無線リソースにマッピングして、送受信部203へ出力する。マッピング部403は、本発明に係る技術分野での共通認識に基づいて説明されるマッパー、マッピング回路又はマッピング装置とすることができる。
受信信号処理部404は、下り信号(下り制御信号、下りデータ信号を含む)に対して、受信処理(例えば、デマッピング、復調、復号など)を行う。受信信号処理部404は、無線基地局10から受信した情報を、制御部401に出力する。受信信号処理部404は、例えば、報知情報、システム情報、RRCシグナリングなどの上位レイヤシグナリングによる制御情報、DCIなどを、制御部401に出力する。
受信信号処理部404は、本発明に係る技術分野での共通認識に基づいて説明される信号処理器、信号処理回路又は信号処理装置から構成することができる。また、受信信号処理部404は、本発明に係る受信部を構成することができる。
測定部405は、無線基地局10からの参照信号(例えば、CRSやCSI−RS)に基づいて、受信信号電力(例えば、RSRP)、受信信号品質(例えば、RSRQ)、パスロス、チャネル状態などを測定し、測定結果を制御部401に出力する。
測定部405は、本発明に係る技術分野での共通認識に基づいて説明される信号処理器、信号処理回路又は信号処理装置、並びに、測定器、測定回路又は測定装置から構成することができる。
なお、上記実施形態の説明に用いたブロック図は、機能単位のブロックを示している。これらの機能ブロック(構成部)は、ハードウェア及びソフトウェアの任意の組み合わせによって実現される。また、各機能ブロックの実現手段は特に限定されない。すなわち、各機能ブロックは、物理的に結合した1つの装置により実現されてもよいし、物理的に分離した2つ以上の装置を有線又は無線で接続し、これら複数の装置により実現されてもよい。
例えば、無線基地局10やユーザ端末20の各機能の一部又は全ては、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、PLD(Programmable Logic Device)、FPGA(Field Programmable Gate Array)などのハードウェアを用いて実現されても良い。また、無線基地局10やユーザ端末20は、プロセッサ(CPU:Central Processing Unit)と、ネットワーク接続用の通信インターフェースと、メモリと、プログラムを保持したコンピュータ読み取り可能な記憶媒体と、を含むコンピュータ装置によって実現されてもよい。つまり、本発明の一実施形態に係る無線基地局、ユーザ端末などは、本発明に係る無線通信方法の処理を行うコンピュータとして機能してもよい。
ここで、プロセッサやメモリなどは情報を通信するためのバスで接続される。また、コンピュータ読み取り可能な記録媒体は、例えば、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM(Read Only Memory)、EPROM(Erasable Programmable ROM)、CD−ROM(Compact Disc−ROM)、RAM(Random Access Memory)、ハードディスクなどの記憶媒体である。また、プログラムは、電気通信回線を介してネットワークから送信されても良い。また、無線基地局10やユーザ端末20は、入力キーなどの入力装置や、ディスプレイなどの出力装置を含んでいてもよい。
無線基地局10及びユーザ端末20の機能構成は、上述のハードウェアによって実現されてもよいし、プロセッサによって実行されるソフトウェアモジュールによって実現されてもよいし、両者の組み合わせによって実現されてもよい。プロセッサは、オペレーティングシステムを動作させてユーザ端末の全体を制御する。また、プロセッサは、記憶媒体からプログラム、ソフトウェアモジュールやデータをメモリに読み出し、これらに従って各種の処理を実行する。
ここで、当該プログラムは、上記の各実施形態で説明した各動作を、コンピュータに実行させるプログラムであれば良い。例えば、ユーザ端末20の制御部401は、メモリに格納され、プロセッサで動作する制御プログラムによって実現されてもよく、他の機能ブロックについても同様に実現されてもよい。
また、ソフトウェア、命令などは、伝送媒体を介して送受信されてもよい。例えば、ソフトウェアが、同軸ケーブル、光ファイバケーブル、ツイストペア及びデジタル加入者回線(DSL)などの有線技術及び/又は赤外線、無線及びマイクロ波などの無線技術を使用してウェブサイト、サーバ、又は他のリモートソースから送信される場合、これらの有線技術及び/又は無線技術は、伝送媒体の定義内に含まれる。
なお、本明細書で説明した用語及び/又は本明細書の理解に必要な用語については、同一の又は類似する意味を有する用語と置き換えてもよい。例えば、チャネル及び/又はシンボルは信号(シグナリング)であってもよい。また、信号はメッセージであってもよい。また、コンポーネントキャリア(CC)は、キャリア周波数、セルなどと呼ばれてもよい。
また、本明細書で説明した情報、パラメータなどは、絶対値で表されてもよいし、所定の値からの相対値で表されてもよいし、対応する別の情報で表されてもよい。例えば、無線リソースはインデックスで指示されるものであってもよい。
本明細書で説明した情報、信号などは、様々な異なる技術のいずれかを使用して表されてもよい。例えば、上記の説明全体に渡って言及され得るデータ、命令、コマンド、情報、信号、ビット、シンボル、チップなどは、電圧、電流、電磁波、磁界若しくは磁性粒子、光場若しくは光子、又はこれらの任意の組み合わせによって表されてもよい。
本明細書で説明した各態様/実施形態は単独で用いてもよいし、組み合わせて用いてもよいし、実行に伴って切り替えて用いてもよい。また、所定の情報の通知(例えば、「Xであること」の通知)は、明示的に行うものに限られず、暗黙的に(例えば、当該所定の情報の通知を行わないことによって)行われてもよい。
情報の通知は、本明細書で説明した態様/実施形態に限られず、他の方法で行われてもよい。例えば、情報の通知は、物理レイヤシグナリング(例えば、DCI(Downlink Control Information)、UCI(Uplink Control Information))、上位レイヤシグナリング(例えば、RRC(Radio Resource Control)シグナリング、MAC(Medium Access Control)シグナリング、報知情報(MIB(Master Information Block)、SIB(System Information Block)))、その他の信号又はこれらの組み合わせによって実施されてもよい。また、RRCシグナリングは、RRCメッセージと呼ばれてもよく、例えば、RRC接続セットアップ(RRCConnectionSetup)メッセージ、RRC接続再構成(RRCConnectionReconfiguration)メッセージなどであってもよい。
本明細書で説明した各態様/実施形態は、LTE(Long Term Evolution)、LTE−A(LTE-Advanced)、SUPER 3G、IMT−Advanced、4G、5G、FRA(Future Radio Access)、CDMA2000、UMB(Ultra Mobile Broadband)、IEEE 802.11(Wi−Fi)、IEEE 802.16(WiMAX)、IEEE 802.20、UWB(Ultra-WideBand)、Bluetooth(登録商標)、その他の適切なシステムを利用するシステム及び/又はこれらに基づいて拡張された次世代システムに適用されてもよい。
本明細書で説明した各態様/実施形態の処理手順、シーケンス、フローチャートなどは、矛盾の無い限り、順序を入れ替えてもよい。例えば、本明細書で説明した方法については、例示的な順序で様々なステップの要素を提示しており、提示した特定の順序に限定されない。
以上、本発明について詳細に説明したが、当業者にとっては、本発明が本明細書中に説明した実施形態に限定されるものではないということは明らかである。本発明は、特許請求の範囲の記載により定まる本発明の趣旨及び範囲を逸脱することなく修正及び変更態様として実施することができる。したがって、本明細書の記載は、例示説明を目的とするものであり、本発明に対して何ら制限的な意味を有するものではない。