JP2017045800A - 蓄電デバイス用セパレータおよび蓄電デバイス - Google Patents

蓄電デバイス用セパレータおよび蓄電デバイス Download PDF

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Takashi Kumano
隆史 熊野
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Abstract

【課題】耐熱性が高く、かつ蓄電デバイスに組み込んだときの漏れ電流が小さい蓄電デバイス用セパレータを提供する。【解決手段】2以上のフッ素樹脂延伸多孔質膜が積層一体化されており、気孔率が30%以上60%以下であり、厚さが50μm以上200μm以下である蓄電デバイス用セパレータとする。このセパレータの厚さ方向の曲路率τは1.5以下でありうる。フッ素樹脂延伸多孔質膜は、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)延伸多孔質膜である。【選択図】図1

Description

本発明は、電気二重層コンデンサをはじめとする蓄電デバイスに用いるセパレータ(蓄電デバイス用セパレータ)、および当該セパレータを備える蓄電デバイスに関する。
電気二重層コンデンサをはじめとする蓄電デバイスは、その基本構造として、一対の電極と、当該一対の電極の間に配置されたセパレータと、イオン伝導性を有する電解質とを備えている。セパレータは、一対の電極間の電気的な絶縁を保つとともに、電解質中のイオンがその膜厚方向に透過可能な構成を有する。セパレータは、例えば、紙などの繊維層あるいは樹脂の多孔質膜から構成される。一例として特許文献1には、異なる材料から構成される2つの層を積層したセパレータ、より具体的には、セルロース繊維層とポリオレフィン多孔質膜層との積層体である電気二重層コンデンサ用セパレータが開示されている。
特開2010-287697号公報
蓄電デバイス、とりわけ小型の電子部品である蓄電デバイスについて、ハンダリフローによる回路基板への実装の要請がある。この要請に応えるためには、ハンダリフロー時の高温に耐えうる耐熱性が、蓄電デバイスの構成部材であるセパレータにも要求される。また、蓄電デバイスでは、その構造上、当該デバイスに蓄えられた電荷が時間の経過とともに減少することが避けられないが、この減少の程度をより小さくすることが求められている。この要求に応えるため、セパレータには、当該セパレータを間に置く一対の電極間の電気的な絶縁をより確実に保つこと、より具体的には、蓄電デバイスに組み込んだときの漏れ電流が小さいセパレータであることが求められる。
本発明の目的の一つは、耐熱性が高く、かつ蓄電デバイスに組み込んだときの漏れ電流が小さい蓄電デバイス用セパレータの提供にある。
本発明の蓄電デバイス用セパレータは、2以上のフッ素樹脂延伸多孔質膜が積層一体化されており、気孔率が30%以上60%以下であり、厚さが50μm以上200μm以下のセパレータである。
本発明の蓄電デバイスは、一対の電極と、前記一対の電極の間に配置された上記本発明の蓄電デバイス用セパレータと、イオン伝導性を有する電解質とを備える。
本発明によれば、耐熱性が高く、かつ蓄電デバイスに組み込んだときの漏れ電流が小さい蓄電デバイス用セパレータが実現する。
本発明の蓄電デバイス用セパレータの一例を模式的に示す断面図である。 (a)および(b)は、本発明の蓄電デバイス用セパレータの製造方法の一例を模式的に示す工程図である。 本発明の蓄電デバイスの一例を模式的に示す断面図である。
[蓄電デバイス用セパレータ]
図1に、本発明の蓄電デバイス用セパレータの一例を示す。図1のセパレータ1は、2つのフッ素樹脂延伸多孔質膜2a,2bが積層一体化された構造を有する。セパレータ1の気孔率は30%以上60%以下であり、厚さは50μm以上200μm以下である。
セパレータ1はフッ素樹脂により構成されており、高い耐熱性を有する。このため、セパレータ1を組み込んだ蓄電デバイスは、セパレータ以外の他の部材についても高い耐熱性を有する部材を採用することによって、例えばハンダリフローによる回路基板への実装のような高温プロセスに対する耐久性を示しうる。
セパレータ1を蓄電デバイスに組み込んだときに、フッ素樹脂の延伸多孔質膜2a,2bにより、セパレータ1を間に置く一対の電極間の絶縁が保持される。このとき、フッ素樹脂の誘電率の低さが、セパレータ1としてのさらなる利点となる。
フッ素樹脂延伸多孔質膜は、フッ素樹脂の膜を延伸する、典型的には二軸延伸することにより形成され、延伸時に形成された無数の細孔、より具体的には、延伸時に形成された無数のフッ素樹脂フィブリル間の空隙である細孔を有する。セパレータ1では、2つのフッ素樹脂延伸多孔質膜2a,2bが積層一体化されているが、双方の膜2a,2bに存在する無数の細孔を介して、セパレータ1の厚さ方向に経路がつながっている。セパレータ1の蓄電デバイスへの組み込みによってこの厚さ方向の経路に電解質、典型的には電解液が充填され、これにより、セパレータ1の厚さ方向に電解質中のイオンを伝導できることになる。
さらにセパレータ1では、その気孔率および厚さが特定の範囲にある。具体的に、セパレータ1の気孔率は30%以上60%以下、厚さは50μm以上200μm以下である。2以上のフッ素樹脂延伸多孔質膜を積層一体化するとともに、気孔率および厚さをこの特定の範囲とすることにより、セパレータ1は、蓄電デバイスに組み込んだときの漏れ電流が小さいセパレータとなる。
なお、フッ素樹脂延伸多孔質膜の単膜からなるセパレータ、および2以上のフッ素樹脂延伸多孔質膜を単に重ねたセパレータでは、これらの気孔率および厚さの範囲を達成できない。フッ素樹脂延伸多孔質膜の気孔率は、その製造方法およびフッ素樹脂の特性上、60%を超えるためである。より具体的に、フッ素樹脂延伸多孔質膜は未焼成の状態の延伸前シートを延伸して形成されるが、この延伸前シートの状態においてフッ素樹脂は、X線回折の評価によれば90%程度の高い結晶化度を示す。延伸により、結晶部の分子鎖がほどけて上記フィブリルが発生するが、結晶化度が高い場合、多くのフィブリルが同時多発的に発生するため、例えば延伸条件を調整したとしても、気孔率が低いフッ素樹脂延伸多孔質膜を形成することが困難である。すなわち本発明のセパレータは、フッ素樹脂延伸多孔質膜の単膜からなるセパレータ、および2以上のフッ素樹脂延伸多孔質膜を単に重ねたセパレータに比べると気孔率が低いセパレータである。このような低い気孔率と厚さとのバランスにより、蓄電デバイスに組み込んだときの漏れ電流が抑制される。
本明細書においてセパレータの気孔率εとは、式気孔率ε={1−(セパレータの重量[g]/(セパレータの厚さ[cm]×セパレータの主面の面積[cm2]×セパレータを構成する材料の真密度[g/cm2]))}×100(%)で示される値である。真密度は、例えばフッ素樹脂がポリテトラフルオロエチレン(PTFE)である場合、2.18(g/cm3)である。
セパレータを蓄電デバイスに組み込んだときの漏れ電流は、セパレータの膜抵抗Rにより評価できる。蓄電デバイスの一対の電極間の電位差Vは、充電後の経過時間tの関数として、式V=V0exp(−t/CR)により表される。ここで、V0は充電完了時の電極間の電位差(初期電位差;ボルト)、Cは蓄電デバイスの容量(クーロン)である。この式によれば、セパレータの膜抵抗Rが大きいほど、充電後の経過時間tの増加に伴う電極間の電位差Vの減少が少なくなる。すなわち、セパレータの膜抵抗Rが大きいほど漏れ電流が小さくなる。
本発明のセパレータの膜抵抗R(ただし、濃度30重量%のKOH水溶液を電解液としたときの厚さ100μmあたりの膜抵抗)は、例えば50mΩ・cm2以上であり、セパレータの構成によっては、70mΩ・cm2以上、さらには80mΩ・cm2以上とすることが可能である。
多孔質膜から構成される本発明のセパレータの厚さ方向の曲路率τ(厚さ方向の細孔の曲路率)は1.5以下でありうる。このようなセパレータにより、気孔率が低いにもかかわらず厚さ方向のイオン伝導性をより確実に確保でき、このことは蓄電デバイスの性能向上に寄与する。厚さ方向の曲路率τは、セパレータの構成によっては1.3以下、さらには1.2以下となりうる。一方、曲路率τの下限は、例えば1.0を超える。
多孔質膜における厚さ方向の曲路率τとは、膜厚に対する、当該膜の厚さ方向に形成された任意の最短経路の平均長さ(曲路長)の比に相当する。例えば、多孔質膜ではないが、膜厚方向に延びる直線状の貫通孔が形成されている膜の曲路率τは、膜厚と最短経路の平均長さとが等しいため1.0である。多孔質膜の曲路率τは、式τ={G×ε×d/(K×L)}1/2により求めることができる。ここで、Gは多孔質膜の厚さ方向の通気度(ガーレー数:単位は、秒/100cc)、εは気孔率(%)、dは多孔質膜の平均孔径(μm)、Kは比例定数(0.078秒/100cc)、Lは多孔質膜の厚さ(μm)である。この曲路率τの式は公知である。なお、フッ素樹脂延伸多孔質膜の単膜、および2以上のフッ素樹脂延伸多孔質膜を単に重ねた状態では、延伸により形成された無数の細孔によって膜厚と等しい無数の最短経路が形成されるため、その曲路率τは1.0である。本発明のセパレータにおいて気孔率が60%以下と低く、また、例えば1.0を超える曲路率τをとりうるのは、2以上のフッ素樹脂延伸多孔質膜を積層一体化する際に当該膜の厚さ方向に圧縮力が加わるためと推定される。すなわち、この観点からは、本発明のセパレータは、2以上のフッ素樹脂延伸多孔質膜が、その厚さ方向に圧縮されるように積層一体化された多層体であり、この圧縮により(圧縮積層体であることにより)、低い気孔率εと厚さとのバランスが達成され、さらに曲路率τを1.0より大きくしうる。
セパレータ1の気孔率は30%以上60%以下であり、厚さとのバランスによって、蓄電デバイスに組み込んだときの漏れ電流をより確実に小さくできることから、その下限は40%以上が好ましく、その上限は好ましくは50%以下、より好ましくは50%未満である。なお、気孔率が70%以上である通常のフッ素樹脂延伸多孔質膜では、仮に2以上の当該膜を重ねてセパレータとしての厚さを稼いだとしても、高い膜抵抗を達成できない。
セパレータ1の厚さは50μm以上200μm以下であり、気孔率とのバランスによって、蓄電デバイスに組み込んだときの漏れ電流をより確実に小さくできることから、50μm以上150μm以下が好ましい。
本発明のセパレータでは2以上の延伸多孔質膜が積層一体化されているが、セパレータ全体としての気孔率εが上述した範囲にある限り、その厚さ方向に気孔率が一定であってもなくてもよい。また、気孔率εが厚さ方向に一定でない場合、積層一体化の際の圧縮により、その境界は不明確でありうるし、厚さ方向に連続的に気孔率が変化する状態でありうる。積層一体化する2以上の延伸多孔質膜の気孔率が同等の場合などには、気孔率εは厚さ方向に一定でありうる。
セパレータ1の厚さ方向の通気度は、ガーレー数で示して、例えば50〜1000秒/100ccであり、好ましくは50〜500秒/100ccである。これら通気度の範囲は、蓄電デバイスに組み込んだときの漏れ電流の抑制の観点から、上記バランスをより良好にする。ガーレー数による通気度Gは、JIS P8117の規定に準拠して求めることができる。
セパレータ1の平均孔径dは、例えば0.01〜3.0μmであり、好ましくは0.05〜1.0μmである。これら平均孔径の範囲は、蓄電デバイスに組み込んだときの漏れ電流の抑制の観点から、上記バランスをより良好にする。平均孔径dは、ASTM(米国試験材料協会)F316−86の規定に準拠して測定でき、例えばこの規定に準拠した自動測定が可能な市販の測定装置(Porous Materials社製のPerm−Porometerなど)を用いて求めることができる。平均孔径dがセパレータ1の厚さ方向に一定であってもなくてもよいこと、厚さ方向に一定でない場合、その境界が不明確でありうるし、厚さ方向に連続的に変化する状態でありうることは、気孔率εと同様である。本発明のセパレータにおいて、平均孔径dは厚さ方向に一定でありうる。
図1に示すセパレータ1では2つのフッ素樹脂延伸多孔質膜が積層一体化されているが、本発明のセパレータでは、3以上のフッ素樹脂延伸多孔質膜が積層一体化されていてもよい。
フッ素樹脂延伸多孔質膜を構成するフッ素樹脂は限定されず、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、パーフルオロアルコキシフッ素樹脂(PFA)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)であり、耐熱性が高く、蓄電デバイスに組み込んだときの漏れ電流を抑制する効果が高いことから、PTFEおよびPVdFが好ましく、さらに膜の伸長性が特に高い観点から、PTFEがより好ましい。すなわち本発明のセパレータは、PTFE延伸多孔質膜を積層一体化したセパレータでありうる。
本発明のセパレータは、フッ素樹脂延伸多孔質膜以外の部材を有していてもよい。当該部材の一例は、セパレータ1の一方または双方の主面の全体または一部に重ねられた他の層である。当該部材の別の一例は、セパレータ1に含まれるフィラーである。本発明のセパレータは、このような他の部材を含まない、積層一体化された2以上のフッ素樹脂延伸多孔質膜からなるセパレータでありうる。
本発明のセパレータの表面は、親水処理されていてもよい。特に、蓄電デバイスの電解質として水系の電解液を使用する場合に、表面を親水処理することが好ましい。このとき、セパレータ内部の細孔の表面にまで親水処理することが望まれる。このような親水処理は、例えば:ポリビニルアルコール(PVA)、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリ酢酸ビニル、ポリアクリルアミド、ポリメタクリルアミド、ポリ(N,N−ジメチルアクリルアミド)、ポリビニルピロリドン、ポリスチレンスルホン酸、ポリビニルスルホン酸、ポリエチレングリコールなどの親水性ポリマーを含むコーティング層をセパレータ1の表面に形成する;これらの親水性ポリマーを表面にグラフト重合させる;重クロム酸カリウムの濃硫酸溶液により表面を化学処理する;あるいは金属ナトリウム/ナフタレン/テトラヒドロフラン溶液により表面を化学処理する;ことにより実施できる。すなわち、本発明のセパレータでは、親水性ポリマーを含むコーティング層が表面に形成されていてもよく、コーティング層が形成された表面はセパレータ内部の細孔の表面を含みうる。表面の親水処理により、セパレータの親水耐久性も向上できる。
本発明のセパレータは、親水処理以外にも、必要に応じて任意の処理および/または表面処理が施されていてもよい。
本発明のセパレータは、任意の蓄電デバイスへの使用が可能である。蓄電デバイスは、例えば、電気二重層コンデンサ、電解コンデンサ、リチウムイオン二次電池などの二次電池である。本発明のセパレータの耐熱性が高いことを考慮すると、小型の電子部品として回路基板への実装の要求が強い電気二重層コンデンサまたは電解コンデンサへ使用することのメリットが大きい。また、セパレータを介した一対の電極間の漏れ電流が小さいことを考慮すると、コンデンサのなかではエネルギー密度が高い電気二重層コンデンサへの使用のメリットがより大きくなる。
本発明のセパレータは、例えば、以下に説明する蓄電デバイス用セパレータの製造方法により製造できる。
[蓄電デバイス用セパレータの製造方法]
本開示の製造方法の一例を図2(a),(b)に示す。図2に示す製造方法では、2つのフッ素樹脂延伸多孔質膜(原多孔質膜)11a,11bを重ねた積層体12に対して、加熱処理および積層体12の厚さ方向への加圧処理を施すことにより、多孔質膜11a,11bをその厚さ方向に圧縮し、一体化させる(図2(a))。この圧縮一体化により、フッ素樹脂延伸多孔質膜2a,2bが積層一体化された蓄電デバイス用セパレータ1を得る(図2(b))。セパレータ1の気孔率は30%以上60%以下であり、厚さは50μm以上200μm以下である。得られたセパレータ1のフッ素樹脂延伸多孔質膜2a,2bは、各々、加熱加圧処理前の積層体12におけるフッ素樹脂延伸多孔質膜11a,11bの圧縮体(厚さ方向への圧縮体)であるといえる。なお、図2(b)に示すセパレータ1は、図1に示すセパレータ1と同様である。
積層体12に対する加熱処理および加圧処理の具体的な方法は、フッ素樹脂延伸多孔質膜11a,11bが積層一体化されるとともに、気孔率および厚さが上記特定の範囲にあるセパレータ1が形成される限り限定されない。
加熱処理および加圧処理は、積層体12が加熱された状態でその厚さ方向に加圧される限り、段階的に行っても同時に行ってもよい。加圧処理は、例えば、圧延により行うことができる。圧延時に同時に加熱処理を行うことも可能である。圧延による積層体12の加圧では、効率的な積層体12の厚さ方向の圧縮(フッ素樹脂延伸多孔質膜11a,11bの厚さ方向の圧縮)およびフッ素樹脂延伸多孔質膜11a,11bの一体化が達成される。
積層体12を圧延する具体的な方法は限定されない。例えば、積層体12を、所定の間隔で離間して配置した一対のロールの間を通過させることで圧延を行うことができる。このとき、加熱したロールを使用することで、圧延と同時に積層体12への加熱を行ってもよい。積層体12の圧延は、積層体12の一方または双方の主面に保護フィルムを配置した状態で行ってもよい。
加圧処理は、例えば、加圧処理前の積層体12の厚さd1に対する当該処理後の積層体12の厚さ(セパレータ1の厚さ)d2の比d2/d1が20%以上80%以下となるように行いうる。このような圧縮により、上述した特定の気孔率および厚さの範囲を有するセパレータ1の形成がより確実となる。
本開示の製造方法では、厚さ方向の曲路率τが1.5以下であるセパレータ1を形成しうる。また、本開示の製造方法では、本発明のセパレータの説明において上述した各特性(気孔率ε、厚さL、曲路率τ、膜抵抗R、通気度G、平均孔径dなど)の範囲または好ましい範囲を満たすセパレータ1を形成しうる。
原多孔質膜であるフッ素樹脂延伸多孔質膜11a,11bを構成するフッ素樹脂の種類は、セパレータ1を構成するフッ素樹脂延伸多孔質膜2a,2bを構成するフッ素樹脂の種類と同一である。フッ素樹脂延伸多孔質膜11a,11bは、PTFE延伸多孔質膜でありうる。
本開示の製造方法は、本発明のセパレータが得られる限り、上述した以外の任意の工程を含むことができる。当該工程は、例えば、本発明のセパレータの説明において上述した親水処理である。
[蓄電デバイス]
本発明の蓄電デバイスは、一対の電極と、一対の電極の間に配置されたセパレータと、イオン伝導性を有する電解質とを備える。ここでセパレータが、本発明のセパレータである。
セパレータとして本発明のセパレータを備える限り、本発明の蓄電デバイスの種類は限定されず、例えば、電気二重層コンデンサ、電解コンデンサ、リチウムイオン二次電池などの二次電池である。本発明のセパレータの耐熱性が高いことを考慮すると、本発明の蓄電デバイスが、小型の電子部品として回路基板への実装の要求が強い電気二重層コンデンサまたは電解コンデンサであることのメリットが大きい。また、セパレータを介した一対の電極間の漏れ電流が小さいことを考慮すると、コンデンサのなかではエネルギー密度が高い電気二重層コンデンサであることのメリットがより大きい。換言すれば、本発明の蓄電デバイスは電気二重層コンデンサでありうるし、このとき、蓄電デバイスが本発明のセパレータを備えることの利点をより享受できる。
本発明の蓄電デバイスとして電気二重層コンデンサの一例を図3に示す。図3に示す電気二重層コンデンサ21は、セパレータ1が一対の分極性電極22a,22bの間に配置された構造を有する。分極性電極22a,22bは、例えば、活性炭のような多孔性を有する導電体に電解質、典型的には電解液が含浸された電極である。また、電気二重層コンデンサ21は、各々の分極性電極22a,22bに電気的に接続された一対の集電電極23a,23bを備えており、セパレータ1および分極性電極22a,22bの全体が、コンデンサ21の周縁部に配置されたガスケット24により密閉されている。分極性電極22a,22b、集電電極23a,23b、ガスケット24および分極性電極22a,22bに含浸させる電解質の具体的な構造および材質は、公知の電気二重層コンデンサにおける各々の部材の構造および材質と同様であればよい。なお、電解液の一種に濃度30質量%のKOH水溶液があり、本明細書においてセパレータ1の膜抵抗Rは、このKOH水溶液を電解液として用いて評価する。
図3に示す電気二重層コンデンサは、本発明の蓄電デバイスの一例である。本発明のセパレータを備える限り、電気二重層コンデンサをはじめとする蓄電デバイスの具体的な構成は限定されない。セパレータの配置方法および位置、ならびにセパレータ以外の構成は、蓄電デバイスとして公知の構成をとりうる。
フッ素樹脂延伸多孔質膜から構成される本発明のセパレータは、その伸び(伸長性)に優れている。この観点からは、本発明の蓄電デバイスが、電気二重層コンデンサのなかでもセパレータに伸び方向の力が強く加わるコイン型、およびコイン型が積層された積層型の電気二重層コンデンサである場合に、本発明のセパレータによるメリットをさらに享受できる。
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明する。本発明は、以下に示す実施例に限定されない。
最初に、本実施例において作製したセパレータの評価方法を説明する。
[気孔率ε]
セパレータの気孔率εは、上述した気孔率εの式により評価した。具体的に、作製したセパレータの厚さ(cm)、主面の面積(cm2)および重量(g)を測定し、セパレータを構成する材料であるPTFEの真密度を2.18(g/cm2)として、式ε={1−(セパレータの重量[g]/(セパレータの厚さ[cm]×セパレータの主面の面積[cm2]×セパレータを構成する材料の真密度[g/cm2]))}×100(%)により求めた。
[曲路率τ]
セパレータの曲路率τは、式τ={G×ε×d/(K×L)}1/2により求めた。Gは、セパレータの厚さ方向の通気度(ガーレー数:単位は、秒/100cc)、εは気孔率(%)、dは平均孔径(μm)、Kは比例定数(0.078秒/100cc)、Lは厚さ(μm)である。セパレータの厚さ方向の通気度Gは、JIS P8117の規定に準拠して求めた。セパレータの平均孔径dは、ASTM(米国試験材料協会)F316−86の規定に準拠した測定装置(Porous Materials社製Perm−Porometer)により求めた。
[膜抵抗R]
セパレータの膜抵抗Rは、JIS C2313の規定に準拠して評価した。このとき、電解液として濃度30重量%のKOH水溶液を用いた。測定電極には白金板を用い、測定時の電解液の温度は30℃とした。測定は、作製したセパレータを電解液に10分間浸漬した後、LCRメータ(日置電気製、ケミカルインピーダンスメータ3532−80)を用いて、1kHz交流法により行った。
(実施例1)
PTFEファインパウダー(ダイキン工業製)100重量部と、成形助剤としてn−ドデカン(ジャパンエナジー製)20重量部とを均一に混合し、得られた混合物をシリンダーにより圧縮した後にラム押出してシート状とした。次に、得られたシート状の混合物を、一対の金属ロールを通すことで厚さ0.2mmに圧延し、さらに150℃の加熱により成形助剤を乾燥除去して、PTFEのシート成形体を得た。次に、得られたシート成形体を、その長手方向(圧延方向)に延伸温度260℃、延伸倍率10倍で延伸した後、さらにその幅方向に延伸温度150℃、延伸倍率10倍で延伸した。次に、延伸後の膜全体をPTFEの融点を超える温度である360℃で焼成して、PTFE延伸多孔質膜A(原多孔質膜A)を得た。得られた延伸多孔質膜Aの厚さは85μm、気孔率εは70%、平均孔径dは0.2μmであった。
次に、得られた延伸多孔質膜Aを2枚重ね、加熱および加圧処理として350℃の温度雰囲気下にて一対の金属ロールを通すことで圧延して、2つの延伸多孔質膜Aがその厚さ方向に圧縮および積層一体化された多孔質膜を得た。得られた多孔質膜の厚さは105μm、気孔率εは40%、平均孔径dは0.2μmであった。なお、平均孔径dは原多孔質膜の状態から変化していなかった。次に、得られた多孔質膜をイソプロピルアルコールに浸漬した後、濃度1重量%のポリビニルアルコール(PVA)水溶液に10分間さらに浸漬して、その内部の細孔表面を含む多孔質膜の表面全体にPVAをコーティングした。次に、濃度0.1Nの硫酸を含む濃度2.5重量%のグルタルアルデヒド水溶液に全体を常温で24時間浸漬してPVAの化学架橋を進行させた後、水洗して、表面の親水性を有するセパレータA1を得た。セパレータA1の厚さ、気孔率εおよび平均孔径dは、PVAおよびグルタルアルデヒドを用いた親水処理による影響を受けることなく、親水処理前の多孔質膜と同じであった。
(実施例2)
延伸多孔質膜Aを2枚ではなく3枚重ねて圧延した以外は実施例1と同様にして、3つの延伸多孔質膜Aがその厚さ方向に圧縮および積層一体化された、表面の親水性を有するセパレータA2を得た。セパレータA2の厚さは150μm、気孔率εは50%、平均孔径dは0.2μmであった。
(比較例1)
延伸多孔質膜Aを実施例1と同様に親水処理して、表面の親水性を有するセパレータBとした。
実施例および比較例で作製したセパレータA1,A2およびBの評価結果を、以下の表1に示す。
Figure 2017045800
表1に示すように、実施例1,2のセパレータは、比較例1のセパレータに比べて膜抵抗が4倍以上高く、電気二重層コンデンサをはじめとする蓄電デバイスに組み込んだときに漏れ電流の少ないセパレータであることが確認された。
本発明の蓄電デバイス用セパレータは、各種の蓄電デバイス、例えば電気二重層コンデンサに使用できる。
1 (蓄電デバイス用)セパレータ
2a,2b フッ素樹脂延伸多孔質膜
11a,11b フッ素樹脂延伸多孔質膜(原多孔質膜)
12 積層体
21 電気二重層コンデンサ
22a,22b 分極性電極
23a,23b 集電電極
24 ガスケット

Claims (7)

  1. 2以上のフッ素樹脂延伸多孔質膜が積層一体化されており、
    気孔率が30%以上60%以下であり、
    厚さが50μm以上200μm以下である蓄電デバイス用セパレータ。
  2. 厚さ方向の曲路率τが1.5以下である請求項1に記載の蓄電デバイス用セパレータ。
  3. 濃度30重量%のKOH水溶液を電解液としたときの膜抵抗R(厚さ100μmあたり)が50mΩ・cm2以上である請求項1または2に記載の蓄電デバイス用セパレータ。
  4. 前記フッ素樹脂延伸多孔質膜が、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)延伸多孔質膜である請求項1〜3のいずれかに記載の蓄電デバイス用セパレータ。
  5. 前記気孔率が厚さ方向に一定である請求項1〜4のいずれかに記載の蓄電デバイス用セパレータ。
  6. 一対の電極と、
    前記一対の電極の間に配置された、請求項1〜5のいずれかに記載の蓄電デバイス用セパレータと、
    イオン伝導性を有する電解質と、を備える蓄電デバイス。
  7. 電気二重層コンデンサである請求項6に記載の蓄電デバイス。
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