JP2017043966A - 埋め込みボルトの取り付け方法及び取り付け構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】環境に左右されることなく、長期にわたって高い固定強度を確実に保つことのできる埋め込みボルトの取り付け方法及び取り付け構造を提供する。【解決手段】コンクリート層10に、第1の非貫通穴及び第2の非貫通穴を穿設する工程と、第2の非貫通穴と第1の非貫通穴とを互いに連通させる第1の横方向連通路を形成する工程と、第2の非貫通穴の所定の深さ範囲においてのみこの第2の非貫通穴と第1の非貫通穴とを互いに連通させる第2の横方向連通路を形成する工程と、埋め込みボルトの頭部を第1の非貫通穴に挿入し、第1の横方向連通路及び第2の横方向連通路内を第2の非貫通穴へ移動させることにより埋め込みボルトを第2の非貫通穴内に設置する工程と、第1の非貫通穴、第2の非貫通穴、第1の横方向連通路、及び第2の横方向連通路と埋め込みボルト12との間隙に充填材15を充填する工程とを備える。【選択図】図1

Description

本発明は、コンクリート層へ支持用のボルトを埋め込んで固定する埋め込みボルトの取り付け方法及び取り付け構造に関する。
コンクリート層、例えばトンネルの覆工コンクリート層にボルトを固定する場合、先端部に割り溝を設けた拡張軸型のアンカーボルトをコンクリート層に打ち込む(例えば特許文献1)、覆工コンクリート層に埋設された雌ネジが切ってあるインサートにアンカーピンの接着剤を塗布した基端ネジ部を螺合する(例えば特許文献2)ことが一般的に行われている。
特公平8−19833号公報 特許第3801013号公報
しかしながら、このようにアンカーボルトを覆工コンクリート層に打ち込み、その先端部の割り溝を拡げることにより固定する方法や、埋設されたインサートにボルトを接着充填材と螺合とによって固定する方法は、ボルトの固定強度を長期にわたって高く保つことが難しいものであった。特に、固定部分に振動が印加されたり、水気や湿気が多い環境下においては、その傾向が大きかった。
従って本発明の目的は、環境に左右されることなく、長期にわたって高い固定強度を確実に保つことのできる埋め込みボルトの取り付け方法及び取り付け構造を提供することにある。
本発明によれば、埋め込みボルトの取り付け方法は、埋め込みボルトを設置すべきコンクリート層に、第1の非貫通穴及びこの第1の非貫通穴より小径の第2の非貫通穴を穿設する工程と、第2の非貫通穴の径にほぼ等しい幅を有し、かつ第2の非貫通穴のほぼ全長にわたってこの第2の非貫通穴と第1の非貫通穴とを互いに連通させる第1の横方向連通路を形成する工程と、第1の非貫通穴の径にほぼ等しいか又はやや大きい幅を有し、かつ第2の非貫通穴の所定の深さ範囲においてのみこの第2の非貫通穴と第1の非貫通穴とを互いに連通させる第2の横方向連通路を形成する工程と、第1の非貫通穴の径より小さく第2の非貫通穴の径より大きい径の頭部と第2の非貫通穴の径より小さい径の軸部とを有する埋め込みボルトの頭部を、第1の非貫通穴に挿入し、第1の横方向連通路及び第2の横方向連通路内を第2の非貫通穴へ移動させることにより埋め込みボルトを第2の非貫通穴内に設置する工程と、第1の非貫通穴、第2の非貫通穴、第1の横方向連通路、及び第2の横方向連通路と埋め込みボルトとの間隙に充填材を充填する工程とを備えている。
コンクリート層に第1の非貫通穴、第2の非貫通穴、第1の横方向連通路及び第2の横方向連通路を形成し、第1の非貫通穴の径より小さく第2の非貫通穴の径より大きい径の頭部と第2の非貫通穴の径より小さい径の軸部とを有する埋め込みボルトのこの頭部を、第1の非貫通穴に挿入し、第1の横方向連通路及び第2の横方向連通路内を第2の非貫通穴へ移動させてこの埋め込みボルトを第2の非貫通穴内に設置し、その後、第1の非貫通穴、第2の非貫通穴、第1の横方向連通路、及び第2の横方向連通路と埋め込みボルトとの間隙に充填材を充填する。これにより、埋め込みボルトは、その頭部が第2の横方向連通路より表面側に存在する第2の非貫通穴近傍のコンクリート層によって支持されることとなる。従って、埋め込みボルトの引き抜き強度は、この部分のコンクリート層の厚さに応じた高い値となり、環境に左右されることなく長期にわたって維持される。その結果、あらゆる環境下で、埋め込みボルトの固定強度を長期にわたってより確実に維持することが可能となる。
穿設する工程が、第1の非貫通穴の深さを第2の非貫通穴の深さより深く穿設する工程を含んでいることも好ましい。
穿設する工程が、コンクリート層に第1の非貫通穴を穿設する工程と、コンクリート層に第2の非貫通穴を穿設する工程と、第1の非貫通穴及び第2の非貫通穴間に第2の非貫通穴の径とほぼ同じ径の非貫通穴を穿設して第1の非貫通穴及び第2の非貫通穴を互いに連通させて第1の横方向連通路を形成する工程とを含んでいることも好ましい。
この場合、第1の横方向連通路を形成する工程が、穿設された第1の非貫通穴に対して所定距離離隔して位置決めする位置決め治具を用いて行われることが好ましい。
第2の横方向連通路を形成する工程が、第1の非貫通穴の径にほぼ等しいか又はやや大きい外径を有する回転刃を先端部に装着したサンダードリルを用い、コンクリート層の所定深さ範囲において第1の非貫通穴から第2の非貫通穴方向に研削することによって第2の横方向連通路を形成する工程を含んでいることも好ましい。
第2の横方向連通路を形成する工程が、サンダードリルをコンクリート層の所定深さに深さ決めする深さ決め治具を用いて行われることも好ましい。
充填材を充填する工程が、充填材として無収縮モルタル又は軽量モルタルを使用する工程であることも好ましい。
本発明によれば、埋め込みボルトの取り付け構造は、埋め込みボルトを設置すべきコンクリート層に穿設され、埋め込みボルトの頭部の径より大きい径を有する第1の非貫通穴と、コンクリート層に穿設され、埋め込みボルトの頭部の径より小さくかつ埋め込みボルトの軸部の径より大きい径を有する第2の非貫通穴と、第2の非貫通穴の径にほぼ等しい幅を有し、第2の非貫通穴のほぼ全長にわたって第2の非貫通穴と第1の非貫通穴とを互いに連通させる第1の横方向連通路と、第1の非貫通穴の径にほぼ等しいか又はやや大きい幅を有し、かつ第2の非貫通穴の所定の深さ範囲においてのみ第2の非貫通穴と第1の非貫通穴とを互いに連通させる第2の横方向連通路とを備えており、埋め込みボルトの頭部が第2の非貫通穴の第2の横方向連通路内に配置されるように構成されており、第1の非貫通穴、第2の非貫通穴、第1の横方向連通路及び第2の横方向連通路と埋め込みボルトとの間隙に充填材が充填されている。
第1の非貫通穴が、第2の非貫通穴の深さより深いことも好ましい。
充填材が無収縮モルタル又は軽量モルタルであることも好ましい。
本発明によれば、埋め込みボルトは、その頭部が第2の横方向連通路より表面側に存在する第2の非貫通穴近傍のコンクリート層によって支持されることとなり、この埋め込みボルトの引き抜き強度は、この部分のコンクリート層の厚さに応じた高い値となり、環境に左右されることなく長期にわたって維持される。その結果、あらゆる環境下で、埋め込みボルトの固定強度を長期にわたってより確実に維持することが可能となる。
本発明の一実施形態として、コンクリート層への埋め込みボルトの取り付け構造を概略的に示す斜視図である。 図1の実施形態におけるコンクリート層への埋め込みボルトの取り付け構造を概略的に示す平面図である。 図2のA−A線断面を示す断面図である。 図2のB−B線断面を示す断面図である。 図1の実施形態における埋め込みボルトの一例を概略的に示す側面図である。 図1の実施形態における概略的な施工工程を説明するフローチャートである。 図1の実施形態における施工工程で使用される墨出し用治具の一例を示す斜視図である。 図1の実施形態における施工工程を説明するための、図2のA−A線断面を示す断面図である。 図1の実施形態における施工工程を説明するための、図2のA−A線断面を示す断面図である。 図1の実施形態における施工工程を説明するための、図2のA−A線断面を示す断面図である。 図1の実施形態における施工工程で使用される位置決め用治具の一例を示す斜視図である。 図1の実施形態における施工工程を説明するための、図2のA−A線断面を示す断面図である。 図1の実施形態における施工工程で使用される深さ決め用治具の一例を示す斜視図である。 図1の実施形態における施工工程を説明するための、図2のA−A線断面を示す断面図である。 図1の実施形態における施工工程を説明するための、図2のA−A線断面を示す断面図である。 図1の実施形態における施工工程を説明するための、図2のA−A線断面を示す断面図である。 図1の実施形態における施工工程を説明するための、図2のA−A線断面を示す断面図である。
図1は本発明の一実施形態として、コンクリート層への埋め込みボルトの取り付け構造を概略的に示しており、図2は本実施形態の埋め込みボルト取り付け構造を概略的に示しており、図3は図2のA−A線断面を示しており、図4は図2のB−B線断面を示しており、図5は本実施形態における埋め込みボルトの一例を概略的に示している。
本実施形態は、これに限定されるものではないが、例えば自動車用又は鉄道用トンネルの天井若しくは側壁に設けられた覆工コンクリート層に埋め込みボルトを取り付ける構造に関する。この埋め込みボルトは、本実施形態においては、覆工コンクリート層に、例えば、種々の標識、ジェットファン、信号、又は架線等の構造物を吊り下げ又は取り付けるために用いられる。
図1及び図2において、10は覆工コンクリート層、11はこの覆工コンクリート層10に穿設された鍵穴状穴、12はこの鍵穴状穴11に固着された埋め込みボルト、13は埋め込みボルト12に通されたワッシャ、14は埋め込みボルト12に螺合したナット、15は鍵穴状穴11内に充填された充填材をそれぞれ示している。ただし、図2においては、鍵穴状穴11の形状を明示するため、ワッシャ13及びナット14の表示が省略されている。
図2〜図4に示すように、鍵穴状穴11は、第1の非貫通穴(ボルト挿入穴)16と、第2の非貫通穴(ボルト設置穴)17と、第1の横方向連通路18と、第2の横方向連通路19とから主として構成されている。
第1の非貫通穴16は、覆工コンクリート層10の表面から所定深さ(単なる一例であるが、例えば約80mm)まで削孔された貫通していない穴であり、埋め込みボルト12の頭部12aの径より大きい径φを有している。第2の非貫通穴17は、覆工コンクリート層10の表面から所定深さ(単なる一例であるが、例えば約70mm)まで削孔された貫通していない穴であり、第1の非貫通穴16の径φより小さく、かつ埋め込みボルト12の軸部12bの径より大きい径φを有している。第1の非貫通穴16の深さは、第2の非貫通穴17(及び第2の横方向連通路20)の深さより多少深くなっている(上述の例では、約10mm)。これは、第1の非貫通穴16の底16a(図3及び図4参照)には、この第1の非貫通穴16の穿設時にコンクリートに含有される骨材に基づく凹凸が生じるため、第2の非貫通穴17及び第2の横方向連通路19と深さ合わせするためである。このような凹凸が第1の非貫通穴16の底16aに形成されることによって、充填材15がその凹凸間に入り込み、接着強度を増大させることが可能となる。
埋め込みボルト12としては、種々の形状及び寸法のものが使用可能である。本実施形態では、その一例として、図5に示すように、円形の頭部12aを備えたM12×130を用いるものとする。もちろん、頭部12aの形状は、六角状等の円形以外種々の形状であってもよく、また、寸法も種々のものが適用可能である。本実施形態のごとく、M12×130を用いた場合、その頭部12aの径は約30mmであり、その厚みは約5mmであり、その軸部12bの径は約12mmである。この場合、第1の非貫通穴16の径φは32mmであり、第2の非貫通穴17の径φは約14mmである。
第1の横方向連通路18は、第2の非貫通穴17の径φにほぼ等しい(又はやや大きい)幅Wを有し、かつ第2の非貫通穴17のほぼ全長にわたってこの第2の非貫通穴17と第1の非貫通穴16とを互いに連通させている。第2の横方向連通路19は、第1の非貫通穴16の径φにほぼ等しい(又はやや大きい)幅Wを有し、かつ覆工コンクリート層10の表面から所定深さ(単なる一例であるが、例えば約70mm)の位置から下方に所定深さ(単なる一例であるが、埋め込みボルト12が上述したように厚みが約5mmのM12である場合、例えば約6mm)で、この第2の非貫通穴17と第1の非貫通穴16とを互いに連通させている。即ち、第2の横方向連通路19は、この場合、約64〜約70mmの深さ範囲に設けられる。
第2の非貫通穴17内には、その末端部が覆工コンクリート層10の外部へ突出するように埋め込みボルト12が設置されている。その場合、埋め込みボルト12の頭部12aが第2の非貫通穴17及び第2の横方向連通路19内に位置するように設置されている。
第1の非貫通穴16、第2の非貫通穴17、第1の横方向連通路18及び第2の横方向連通路19と、埋め込みボルト12との間隙には、図1〜図4に示すように、例えば無収縮モルタル又は軽量モルタル等の充填材15が充填されている。このような充填材に代えて、例えばエポキシ樹脂若しくはアクリル樹脂等の粘性を有する樹脂接着剤、又はその他の接着性を有する接着充填材を充填しても良い。
なお、第1の非貫通穴16、第2の非貫通穴17、第1の横方向連通路18及び第2の横方向連通路19の径又は幅及び深さは、埋め込みボルト12の寸法に応じて決められる。埋め込みボルト12として、本実施形態ではM12×130を用いているが、M12のその他の長さのものを用いても良いし、M14やM16の埋め込みボルトを用いても良い。ただし、埋め込みボルトとして、荷重から許容される範囲においてできるだけ細い径のものを用いた方が、第2の非貫通穴17の径が小さくなるので、荷重面積が小さくなり、覆工コンクリート層10への荷重の影響が小さくなる。また、第1の非貫通穴16、第2の非貫通穴17、第1の横方向連通路18及び第2の横方向連通路19の径又は幅が小さい方が、覆工コンクリート層10への荷重の影響が小さいのみならず、加工工具の寸法も小さくなり、加工時間も短くなる。
以下、図6〜図17を用いて、本実施形態における施工手順を詳細に説明する。
まず、覆工コンクリート層10の表面において、配筋位置を確認して定められた第1の非貫通穴(ボルト挿入穴)16及び第2の非貫通穴(ボルト設置穴)17の穴空け位置を墨出しする(ステップS1)。この墨出しには、図7に示すような墨出し用治具20を用いると効率が良い。この墨出し用治具20は、透明のプラスチック板であり、その一面には第2の非貫通穴17の穴空け位置を規定するための縦横の基準線20a及び20bが記載されており、さらに、第1の非貫通穴16、第2の非貫通穴17及び第1の横方向連通路18に対応する貫通穴21が形成されている。覆工コンクリート層10の表面の第2の非貫通穴17の穴空け位置を基準としてこの墨出し用治具20を覆工コンクリート層10上に載置し、貫通穴21の輪郭に沿って墨出しを行う。
次いで、覆工コンクリート層10の表面に吸着固定したコアドリルを用いてこの覆工コンクリート層10を垂直に削孔し、第1の非貫通穴16を穿設する(ステップS2)。第1の非貫通穴16は、本実施形態では深さが約80mmとなるように穿設され、穿設箇所に横方向の荷重をかけることにより穿設穴に対応する円柱状のコンクリート片を得る。図8はコアドリルを用いて第1の非貫通穴16を削孔した状態を示しており、図9は削孔によって残った円柱状のコンクリート片を取り去った状態の第1の非貫通穴16を示している。
次いで、コアドリル又はハンマードリル等を用いて覆工コンクリート層10を削孔し、第2の非貫通穴17を穿設する(ステップS3)。第2の非貫通穴17は、第1の非貫通穴16より約10mm程度浅く、深さが約70mmとなるように穿設される。図10は第2の非貫通穴17を穿設した状態を示している。
次いで、コアドリル又はハンマードリル等を用いて覆工コンクリート層10の第1の非貫通穴16及び第2の非貫通穴17間を削孔し、第2の非貫通穴17に連続してその径φとほぼ同じ径の非貫通穴を穿設する。この非貫通穴の深さは、第2の非貫通穴17と同じ約70mmである。この場合、非貫通穴の穿設位置を規定するための図11に示すような金属製(例えば、鋼鉄製)の位置決め用治具22を用いることが望ましい。この位置決め用治具22は、基準となる十字形突出部23と、ドリルを挿入するための筒部付き貫通穴24a又は24bとを有している。十字形突出部23を第1の非貫通穴16に挿入し、図11の裏側からドリルを挿入しその位置で削孔することにより非貫通穴が所望の位置に容易に形成される。このような非貫通穴を穿設することにより、第2の非貫通穴17の全長にわたってこの第2の非貫通穴17と第1の非貫通穴16とを互いに連通させる第1の横方向連通路18を形成する(ステップS4)。この第1の横方向連通路18の幅Wは、第2の非貫通穴17の径φとほぼ等しい(又はやや大きい)。図12は第1の横方向連通路18が形成された状態を示している。
次いで、回転軸の先端部に特殊な回転刃を装着したサンダードリルを用い、覆工コンクリート層10の所定深さ範囲(約64〜約70mmの深さ範囲)において第1の非貫通穴16から第2の非貫通穴17方向に研削することによって第2の横方向連通路19を形成する(ステップS5)。この第2の横方向連通路19を覆工コンクリート層10の表面と平行に形成するため、サンダードリルを平行移動させるための図13に示すような金属製(例えば、鋼鉄製)の深さ決め治具25を用いることが望ましい。この深さ決め治具25はサンダードリルの本体を載置するドリル載置部26及び27を有しており、図13にて裏側に摺動面を有している。ドリル載置部26及び27にサンダードリルの本体を載せ、その回転軸及び回転刃を第1の非貫通穴16内に挿入し、摺動面を覆工コンクリート層10の表面上を摺動させることにより、回転刃を覆工コンクリート層10の表面に沿って所定深さで容易に平行移動させることができる。図14は第2の横方向連通路19が形成された状態を示している。使用するサンダードリルは、通常のものより長い回転軸を有しており、その先端部に装着される回転刃は、第1の非貫通穴16の径φにほぼ等しいか又はやや大きい外径と、所定の厚みとを有している。これにより、形成される第2の横方向連通路19は、その幅が第1の非貫通穴16の径φにほぼ等しいか又はやや大きく、その高さが回転刃の厚みに対応する(例えば、約6mm)となる。
次いで、埋め込みボルト12を第2の非貫通穴17内に設置する(ステップS6)。この設置は、図15に示すように、埋め込みボルト12の頭部12aを、第1の非貫通穴16に挿入し、第1の横方向連通路18及び第2の横方向連通路19内を第2の非貫通穴17へ移動させることによって行われる。図16はこの状態を示している。
その後、図17に示すように、例えば無収縮モルタル又は軽量モルタル等の充填材16を第1の非貫通穴16、第2の非貫通穴17、第1の横方向連通路18及び第2の横方向連通路19を含む全ての穴及び通路全体に空隙が生じないように、さらに、埋め込みボルト12との間に空隙の生じないように充填する(ステップS7)。この充填は、グリースガン、ヘラ及び/又はコテを使用して行われる。なお、埋め込みボルト12は、覆工コンクリート層10の表面から露出する部分に例えばビニールテープ等で養生を行っておくことが望ましい。
その後、埋め込みボルト12にワッシャ13を介してナット14を螺合させ、この埋め込みボルト12を堅固に固定する。この状態が図3及び図4に示されている。
充填材15が硬化した後、この埋め込みボルト12に構造物が取り付けられることとなる。
以上説明したように、本実施形態によれば、埋め込みボルト12は、充填材15のみならず、その頭部12aが第2の横方向連通路20より表面側に存在する第2の非貫通穴17の近傍の覆工コンクリート層10によって支持されることとなる。このため、埋め込みボルト12の引き抜き強度は、この部分の覆工コンクリート層10の厚さに応じた高い値となり、この引き抜き強度は、環境に左右されることなく長期にわたって維持される。その結果、振動や水分の印加されるあらゆる環境下で、埋め込みボルト12の固定強度を長期にわたってより確実に維持することが可能となる。
以下、本発明の埋め込みボルトの取り付け構造のボルト引き抜き試験について説明する。
表1は、平成26年10月8日に東京都立産業技術研究センター実証センターで実施されたボルト引き抜き試験の結果を示している。この試験は、埋め込みボルト(M12、SUS304、頭部の径φ30mm、頭部の厚さ5mm、軸部長さ130mm)を用い、この埋め込みボルトの頭部を450mm×450mm×200mm、圧縮強度21N/mmのコンクリート試験体に形成した第2の非貫通穴内に設置し、第1の非貫通穴及び第2の非貫通穴内に収縮モルタルを充填したものと、収縮モルタルを充填しないものとについて、最大引張荷重値を測定した。サンプル数は、各サンプルについて3体である。コンクリート試験体の中央部には、φ32mmの大径の第1の非貫通穴と、これに連通するφ14mmの小径の第2の非貫通穴と(両穴間の距離40mm)が形成されている。試験機は、株式会社島津製作所製の500kN級万能引張試験機(AG-500kN Xplus)を用いた(最大荷重:500kN、引張変位量:1160mm、最大試験速度:50mm/min)。
試験方法としては、試験機の試験台に埋め込みボルトを設置したコンクリート試験体を固定し、埋め込みボルトのネジ部を引張試験機のチャックで挟んで測定を開始し、コンクリート試験体が破壊されるか、又は埋め込みボルトが破断したところで試験を終了し、最大引張荷重値を測定するものである。
Figure 2017043966
埋め込みボルトを設置した第2の非貫通穴及び第1の非貫通穴内に収縮モルタルを充填した場合のサンプル1−1〜1−7が表1に示されている。埋め込みボルトを設置した第2の非貫通穴及び第1の非貫通穴内に収縮モルタルを充填しない場合は、表1よりはるかに低い引張荷重値において、埋め込みボルトの頭部が変形したり、第2の非貫通穴の内部崩れが発生した。表1から分かるように、本発明の実施例であるサンプル1−1〜1−7では、十分に優れた最大引張荷重値が得られている。
以上述べた実施形態及び実施例は全て本発明を例示的に示すものであって限定的に示すものではなく、本発明は他の種々の変形態様及び変更態様で実施することができる。従って本発明の範囲は特許請求の範囲及びその均等範囲によってのみ規定されるものである。
10 覆工コンクリート層
11 鍵穴状穴
12 埋め込みボルト
12a 頭部
12b 軸部
13 ワッシャ
14 ナット
15 充填材
16 第1の非貫通穴(ボルト挿入穴)
16a 底
17 第2の非貫通穴(ボルト設置穴)
18 第1の横方向連通路
19 第2の横方向連通路
20 墨出し用治具
20a、20b 基準線
21 貫通穴
22 位置決め用治具
23 十字形突出部
24a、24b 筒部付き貫通穴
25 深さ決め用治具
26、27 ドリル載置部

Claims (10)

  1. 埋め込みボルトを設置すべきコンクリート層に、第1の非貫通穴及び該第1の非貫通穴より小径の第2の非貫通穴を穿設する工程と、前記第2の非貫通穴の径にほぼ等しい幅を有し、かつ前記第2の非貫通穴のほぼ全長にわたって該第2の非貫通穴と前記第1の非貫通穴とを互いに連通させる第1の横方向連通路を形成する工程と、前記第1の非貫通穴の径にほぼ等しいか又はやや大きい幅を有し、かつ前記第2の非貫通穴の所定の深さ範囲においてのみ該第2の非貫通穴と前記第1の非貫通穴とを互いに連通させる第2の横方向連通路を形成する工程と、前記第1の非貫通穴の径より小さく前記第2の非貫通穴の径より大きい径の頭部と前記第2の非貫通穴の径より小さい径の軸部とを有する前記埋め込みボルトの前記頭部を、前記第1の非貫通穴に挿入し、前記第1の横方向連通路及び前記第2の横方向連通路内を前記第2の非貫通穴へ移動させることにより該埋め込みボルトを該第2の非貫通穴内に設置する工程と、前記第1の非貫通穴、前記第2の非貫通穴、前記第1の横方向連通路、及び前記第2の横方向連通路と前記埋め込みボルトとの間隙に充填材を充填する工程とを備えていることを特徴とする埋め込みボルトの取り付け方法。
  2. 前記穿設する工程が、前記第1の非貫通穴の深さを前記第2の非貫通穴の深さより深く穿設する工程を含んでいることを特徴とする請求項1に記載の埋め込みボルトの取り付け方法。
  3. 前記穿設する工程が、前記コンクリート層に前記第1の非貫通穴を穿設する工程と、前記コンクリート層に前記第2の非貫通穴を穿設する工程と、前記第1の非貫通穴及び前記第2の非貫通穴間に前記第2の非貫通穴の径とほぼ同じ径の非貫通穴を穿設して前記第1の非貫通穴及び前記第2の非貫通穴を互いに連通させて前記第1の横方向連通路を形成する工程とを含んでいることを特徴とする請求項1又は2に記載の埋め込みボルトの取り付け方法。
  4. 前記第1の横方向連通路を形成する工程が、穿設された前記第1の非貫通穴に対して所定距離離隔して位置決めする位置決め治具を用いて行われることを特徴とする請求項3に記載の埋め込みボルトの取り付け方法。
  5. 前記第2の横方向連通路を形成する工程が、前記第1の非貫通穴の径にほぼ等しいか又はやや大きい外径を有する回転刃を先端部に装着したサンダードリルを用い、前記コンクリート層の所定深さ範囲において前記第1の非貫通穴から前記第2の非貫通穴方向に研削することによって前記第2の横方向連通路を形成する工程を含んでいることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の埋め込みボルトの取り付け方法。
  6. 前記第2の横方向連通路を形成する工程が、前記サンダードリルを前記コンクリート層の所定深さに深さ決めする深さ決め治具を用いて行われることを特徴とする請求項5に記載の埋め込みボルトの取り付け方法。
  7. 前記充填材を充填する工程が、前記充填材として無収縮モルタル又は軽量モルタルを使用する工程であることを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の埋め込みボルトの取り付け方法。
  8. 埋め込みボルトを設置すべきコンクリート層に穿設され、前記埋め込みボルトの頭部の径より大きい径を有する第1の非貫通穴と、前記コンクリート層に穿設され、前記埋め込みボルトの前記頭部の径より小さくかつ該埋め込みボルトの軸部の径より大きい径を有する第2の非貫通穴と、前記第2の非貫通穴の径にほぼ等しい幅を有し、前記第2の非貫通穴のほぼ全長にわたって該第2の非貫通穴と前記第1の非貫通穴とを互いに連通させる第1の横方向連通路と、前記第1の非貫通穴の径にほぼ等しいか又はやや大きい幅を有し、かつ前記第2の非貫通穴の所定の深さ範囲においてのみ該第2の非貫通穴と前記第1の非貫通穴とを互いに連通させる第2の横方向連通路とを備えており、前記埋め込みボルトの前記頭部が前記第2の非貫通穴の前記第2の横方向連通路内に配置されるように構成されており、前記第1の非貫通穴、前記第2の非貫通穴、前記第1の横方向連通路、及び前記第2の横方向連通路と前記埋め込みボルトとの間隙に充填材が充填されていることを特徴とする埋め込みボルトの取り付け構造。
  9. 前記第1の非貫通穴が、前記第2の非貫通穴の深さより深いことを特徴とする請求項8に記載の埋め込みボルトの取り付け構造。
  10. 前記充填材が無収縮モルタル又は軽量モルタルであることを特徴とする請求項8又は9に記載の埋め込みボルトの取り付け構造。
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