JP2017043065A - プレキャスト・コンクリート部材の製造方法および接合キー連結具 - Google Patents

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Abstract

【課題】各々のPCa部材に接合端面同士を接合するための接合キーを良好に設けることができ、工期短縮を可能にする。【解決手段】この製造方法は、第1のPCa部材11に埋め込むために第1の接合端面型枠52に取り付けられる第1のメスキー41と第2のPCa部材12に埋め込むために第2の接合端面型枠62に取り付けられる第2のメスキー42とを、各々のキー穴81a、82aに挿入されて連結されるピン挿入部81、82を両端部に有する連結具80によって連結し、コンクリート打設を行う。これにより、第1のメスキー41のキー穴41aの中心軸K1と第2のメスキー42のキー穴42aの中心軸K2とを一直線に揃えることができ、第1のPCa部材11と第2のPCa部材12との接合作業が難航することを回避し、工期短縮を実現する。【選択図】図14C

Description

本発明は、互いに接合端面を有するプレキャスト・コンクリート部材の製造方法およびこの製造方法で用いることが可能な接合キー連結具に関する。
コンクリート構造物を構成するプレキャスト・コンクリート(以下、「PCa」と呼ぶ。)部材を分割して製造し、プレストレスを導入して複数のPCa部材を一体化する工法は従来から知られている。
複数のPCa部材を一体化する工法には、例えば、次のようなものがある。
1.複数のPCa部材を互いの接合端面同士を対向させ特定の間隔(300-500mm程度)を空けて配置する。PCa部材の接合端面間の隙間部分に鉄筋およびシースを組み、そこにコンクリートを打設して鉄筋コンクリート構造の接合部を構築する。その後、各PCa部材および接合部を貫通するようにPC鋼材を配設し、緊張して、プレストレスを導入する。
2.複数のPCa部材を互いの接合端面同士を対向させ特定の間隔(20mm-40mm程度)を空けて配置する。各PCa部材の接合端面間の隙間部分にモルタルあるいはグラウトを流し込み、モルタルあるいはグラウトの硬化後、各PCa部材および接合部を貫通するようにPC鋼材を配設し、緊張して、プレストレスを導入する(例えば、特許文献1参照)。
3.各PCa部材を互いの接合端面同士を直接突き合わせた状態で、PC鋼材を配設し、緊張してプレストレスを導入する。
この方法によると、接合端面同士の密着度が不十分である場合、プレストレスを与えた際に接合端面に局部応力が発生し、ひび割れや欠け等が発生するおそれがある。この対策として、接合端面同士の密着度を高くするために、一方のPCa部材の接合端面をそのまま型枠に用いて、このPCa部材の接合端面と接合される接合端面を有するPCa部材を打設する「マッチキャスト工法」が利用されることがある(例えば、特許文献2、3参照)。
マッチキャスト工法の場合、各PCa部材を接合する際に、接合端面に凹凸(接合キー)を設けてこれを嵌合させることにより、接合作業の効率化を図ろうとする方法があり、例えば、特許文献4には、接合端面に配置した位置決め孔とこれが対向して収まるような位置決めピンに関する技術が開示されている。
特開2001−123526号公報 特開平08−092965号公報 特開平08−151605号公報 特開2006−169890号公報
しかしながら、マッチキャスト工法では、プレテンション用のPC鋼材がPCa部材同士の接合端面に対して直交する方向に配設された場合には、製造ラインのアバット間に張設されたプレテンション用のPC鋼材が、型枠として用いられるPCa部材の配置を妨害する。したがって、プレテンション用のPC鋼材がPCa部材同士の接合端面に対して直交する方向に配設された構造のマッチキャスト工法は現実的に困難である。
そこで、各々のPCa部材の接合端面を、アバット間に張設されたプレテンション用のPC鋼材を通す貫通孔を有する別々の型枠を用いて、マッチキャスト工法と同程度の精度で接合端面を形成する方法が検討されている。
この方法では、各々のPCa部材の接合端面同士を接合するための接合キー(メスキー)が、各々のPCa部材に埋め込まれるように各々の型枠に取り付けられる。
しかしながら、各々のPCa部材の接合キー(メスキー)は別々の型枠に取り付けられるため、取り付け位置の十分な精度が保証されないという問題があった。また、各々の型枠に高い位置精度で接合キー(メスキー)を取り付けることができたとしても、各々のPCa部材の接合端面を形成する型枠同士の僅かな傾きによって、各々のPCa部材の接合端面の部分に配置された接合キー(メスキー)のキー穴の中心軸同士が一直線に揃わなくなり、その程度によっては、接合キー同士の接合が不可になる場合もあった。このような不具合はPCa部材の接合作業効率を大きく低下させる要因となり得る。
以上のような事情に鑑み、本発明の目的は、プレテンション用のPC鋼材がPCa部材同士の接合端面に対して直交する方向に配設された構造のPCa部材を容易に製造することができるとともに、各々のPCa部材に接合端面同士を接合するための接合キーを良好に設けることができ、工期短縮を図ることのできるPCa部材の製造方法および接合キー連結具を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明の一形態に係るPCa部材の製造方法は、
第1の接合端面を有する第1のコンクリート部材と、前記第1の接合端面に接合可能な第2の接合端面を有する第2のコンクリート部材を製造する方法であって、
製作台の両端部のアバット間にPC鋼材を張設して緊張し、
前記製作台上に、前記PC鋼材の張設方向に互いに所定距離離間して、前記第1の接合端面を形成する第1の接合端面型枠を含む前記第1のコンクリート部材用の型枠および鉄筋と、前記第2の接合端面を形成する第2の接合端面型枠を含む前記第2のコンクリート部材用の型枠および鉄筋を組み立て、
前記第1の接合端面型枠および前記第2の接合端面型枠に、前記第1の接合端面と前記第2の接合端面との接合用のメスキーを取り付け、各々の前記メスキーのキー穴に両端部が挿入される連結具によって、前記各々のメスキーの前記キー穴の中心軸が互いに一直線に揃うように前記各々のメスキー同士を連結し、
前記各型枠内にコンクリートを打設して所定の強度が発現した後、前記連結具による連結を解除し前記第1のPC鋼材および前記第2のPC鋼材の緊張を解放して前記コンクリートにプレストレスを導入するというものである。
本発明に係るPCa部材の製造方法では、前記第1の接合端面型枠および前記第2の接合端面型枠に、前記第1の接合端面と前記第2の接合端面との接合用のメスキーを取り付け、各々の前記メスキーのキー穴に両端部が挿入される連結具によって、前記各々のメスキーの前記キー穴の中心軸が互いに一直線に揃うように前記各々のメスキー同士を連結することによって、製造された各々のコンクリート部材に埋め込まれるメスキーのキー穴の中心軸が互いに一直線に揃うことが保証される。これにより、敷設現場での第1のコンクリート部材と第2のコンクリート部材との接合作業が難航することを回避でき、工期短縮を図ることができる。
また、本発明の他の形態に係る接合キー連結具は、
各々PC鋼材を用いてプレストレスが導入され、第1の接合端面を有する第1のコンクリート部材と、前記第1の接合端面に接合可能な第2の接合端面を有する第2のコンクリート部材を製造する際に用いられ、前記第1のコンクリート部材に埋め込むために前記第1の接合端面を形成する第1の接合端面型枠に取り付けられた接合用の第1のメスキーのキー穴の中心軸と、前記第2のコンクリート部材に埋め込むために前記第2の接合端面を形成する第2の接合端面型枠に取り付けられた接合用の第2のメスキーのキー穴の中心軸が互いに一直線に揃うように前記対応する各々のメスキー同士を連結する接合キー連結具であって、
前記第1のメスキーのキー穴に挿入され前記第1のメスキーと連結可能な第1のピン挿入部を一端部に有し、他端部に係合部を有する第1の位置出しピンと、
前記第2のメスキーのキー穴に挿入され前記第2のメスキーと連結可能な第2のピン挿入部を一端部に有し、他端部に前記第1の位置出しピンの前記係合部と係合して前記第1の位置出しピンとの軸心を合わせるための軸心合わせ部を有するセンターボルトを進退可能に保持した第2の位置出しピンと、
前記第1の位置出しピンに該第1の位置出しピンの軸方向に沿って移動自在に外嵌された方向確認カプラとを具備し、
前記第1のメスキーと連結された前記第1の位置出しピンの前記係合部に、前記第2のメスキーと連結された前記第2の位置出しピンに保持された前記センターボルトの前記軸心合わせ部を係合させて前記第1の位置出しピンと前記第2の位置出しピンとの軸心を合わせ、前記方向確認カプラを移動させて前記第1の位置出しピンの外周の一部および前記第2の位置出しピンの外周の一部を前記方向確認カプラの内周面で保持することによって、前記第1のメスキーの前記キー穴の中心軸と前記第2のメスキーの前記キー穴の中心軸とを一直線に揃えるように構成されたものである。
本発明に係る接合キー連結具では、第1の位置出しピンの第1のピン挿入部が第1の接合端面型枠に取り付けられた第1のメスキーのキー穴に挿入されて連結されるので、第1のメスキーのキー穴の中心軸の向きを第1の位置出しピンによって管理できる。同様に、第2の位置出しピンの第2のピン挿入部が第2の接合端面型枠に取り付けられた第2のメスキーのキー穴に挿入されて連結されるので、第2のメスキーのキー穴の中心軸の向きを第2の位置出しピンによって管理できる。
また、この接合キー連結具においては、第1の位置出しピンの端部の係合部と、第2の位置出しピンに軸方向に沿って進退自在に保持されたセンターボルトの先端部の軸心合わせ部とが軸方向に係合して、この係合点で、第1の位置出しピンの中心軸の位置と第2の位置出しピンの中心軸の位置とを一致させることができる。この状態で、方向確認カプラが第1の位置出しピンの外周の一部と第2の位置出しピンの外周の一部を保持することによって、第1の位置出しピンと第2の位置出しピンの各中心軸を一直線に揃えた状態に固定することができる。したがって、このPCa部材製造用の接合キー連結具を用いることによって、確実に、第1のメスキーのキー穴の中心軸と第2のメスキーのキー穴の中心軸とが互いに一直線に揃うように各々のメスキー同士を連結することができる。
以上のように、本発明によれば、プレテンション用のPC鋼材がPCa部材同士の接合端面に対して直交する方向に配設された構造のPCa部材を容易に製造することができるとともに、各々のPCa部材に接合端面同士を接合する接合キーを良好に設けることができ、工期短縮を図ることができる。
橋梁のPCaPC床版を示す斜視図である。 2つのPCa部材11、12の接合部分の構造を示す断面図である。 接合キーの構成を示す断面図である。 互いに接合された第1のPCa部材11および第2のPCa部材12の上面図である。 図4の第1のPCa部材11のA−A'断面図である。 図4の第2のPCa部材12のB−B'断面図である。 第1のメスキー41と第2のメスキー42の各中心軸の位置ずれの例を示す上面図である。 第1のメスキー41と第2のメスキー42の各中心軸の角度ずれの例を示す上面図である。 工場内のPCa部材製造環境を示す上面図である。 図7の型枠50および型枠60の部分を拡大した上面図 図8の側面図である。 図9において型枠50および型枠60における第1の接合端面型枠52および第2の接合端面型枠62を拡大して示す側面図である。 連結具80の全体構成を示す断面図である。 第1の接合端面型枠52への第1の位置出しピン81の配置状態を示す断面図である。 第1の接合端面型枠52への第1のメスキー41の配置状態を示す断面図である。 第1のメスキー41と第1の位置出しピン81との連結状態を示す断面図である。 第2の接合端面型枠62への第2の位置出しピン82の配置状態を示す断面図である。 第2のメスキー42と第2の位置出しピン82との連結状態を示す断面図である。 第1の接合端面型枠52に取り付けられた第1のメスキー41と第2の接合端面型枠62に取り付けられた第2のメスキー42とを連結具80を用いて連結する手順を示す断面図である。 図14Aに続いて、連結する手順を示す断面図である。 第1の接合端面型枠52に取り付けられた第1のメスキー41と第2の接合端面型枠62に取り付けられた第2のメスキー42との連結具80を用いた連結状態を示す断面図である。 方向確認カプラ84の側面断面図および方向確認カプラ84を軸方向に見た側面図である。
以下、図面を参照しながら、本発明のPCa部材の製造方法およびPCa部材製造用の接合キー連結具に係る実施形態を説明する。
[1.PCa部材について]
図1は例えば高速道路などにおける橋梁のPCaPC床版を示す斜視図である。ここでPCaPC床版とは、PCa部材をプレストレス(PC)にて一体化した床版を表すものとする。
このPCaPC床版1は、道路幅員方向に、2つのPCa部材11、12を並べて敷設されてなる。道路幅員方向に並べて敷設された2つのPCa部材11、12は、道路幅員方向にプレストレスを導入することによって、互いの接合端面111、121同士が圧接された状態で一体化される。2つのPCa部材11、12のうち、床版1の施工の際に道路橋2の桁3の上に先に敷設されるPCa部材11を「第1のPCa部材11」、後から敷設されるPCa部材12を「第2のPCa部材12」と説明の便宜上呼ぶこととする。
図2は2つのPCa部材11、12の接合部分の構造を示す断面図である。
第1のPCa部材11および第2のPCa部材12は各々、PC鋼材13、14を用いて道路幅員方向にプレテンション方式によるプレストレスが導入されたプレテンションPCa部材である。第1のPCa部材11および第2のPCa部材12の互いの接合端面111、121には接合用の凹部111aおよび凸部121aが設けられる。この例では、第1のPCa部材11の接合端面111(第1の接合端面)には凹部111aが設けられ、第2のPCa部材12の接合端面121(第2の接合端面)には凸部121aが設けられている。
また、第1のPCa部材11および第2のPCa部材12の接合端面111,121の部分には、第1のPCa部材11および第2のPCa部材12を敷設する際の各接合端面111、121同士を容易に接合するための例えば金属製、強化プラスチック製などの接合キー(メスキー)が設けられる。
図3は接合キーの構成を示す断面図である。
この接合キー40は、互いに一体化される各々のPCa部材11、12の接合端面111、121の部分に設けられた第1のメスキー41および第2のメスキー42と、第1のメスキー41および第2のメスキー42各々のキー穴41a、42aに挿入されるオスキー43とで構成される。オスキー43の両端部には先端に行くほど外径寸法が絞られた半円錐状の挿入部43a、43bが形成され、各々の挿入部43a、43bが第1のメスキー41のキー穴41aと第2のメスキー42のキー穴42aに挿入されることによって、各々の第1のメスキー41、42とオスキー43が同軸的に組み合わされて一体化される。
図3において、左側の第1のPCa部材11が先に敷設され、続いてこの第1のPCa部材11の接合端面111に接合端面121を突き合わせるようにして右側の第2のPCa部材12を配置するためには、まず、第1のPCa部材11に埋め込まれた第1のメスキー41のキー穴41aにオスキー43の一方の挿入部43aが挿入される。このとき第1のPCa部材11の接合端面111からオスキー43の他方の挿入部43bが突出した状態になる。次に、図中右側の第2のPCa部材12が配置される。このとき第1のPCa部材11の接合端面111から突出したオスキー43の挿入部43bが第2のPCa部材12に埋め込まれたメスキー42のキー穴42aに挿入されるように位置を調整しながら、第2のPCa部材12の接合端面121を第1のPCa部材11の接合端面111に接合する。
敷設する。
図2に示したように、第1のPCa部材11および第2のPCa部材12にはポストテンション用のPC鋼材15が挿通されるシース16、17が埋設されている。本例では、第1のPCa部材11および第2のPCa部材12の各シース16、17内に挿通されたポストテンション用のPC鋼材15を道路幅員方向に緊張することによって導入されたプレストレスによって、第1のPCa部材11の接合端面111と第2のPCa部材12の接合端面121が圧接状態となって、第1のPCa部材11と第2のPCa部材12とが一体化される。すなわち、本例のPCa部材11、12は、プレテンション用のPC鋼材13、14がPCa部材11、12同士の接合端面111、121に対して直交する方向に配設されたものを想定している。
第1のPCa部材11と第2のPCa部材12の接合端面111、121間の微小な隙間は、例えばエポキシ樹脂接着剤などの充填材によって埋められる。
シース16、17内のポストテンション用のPC鋼材15の表面との隙間にはグラウトが充填される。
次に、第1のPCa部材11および第2のPCa部材12のさらに詳細な構成について説明する。
図4は互いに接合された第1のPCa部材11および第2のPCa部材12の上面図、図5Aは図4の第1のPCa部材11のA−A'断面図、図5Bは図4の第2のPCa部材12のB−B'断面図である。
第1のPCa部材11は、複数例えば12本の第1のPC鋼材13によってプレテンションが導入されたものである。また、第1のPCa部材11には、ポストテンション用のPC鋼材15を挿通するための複数例えば4本のシース16が埋設されている。第1のPCa部材11の接合端面111の部分には、上記の第1のメスキー41が橋軸方向に互いに離間した2ヶ所に配設される。
第2のPCa部材12は、第1のPCa部材11と同様に、複数例えば12本の第2のPC鋼材14によってプレテンションが導入されたものである。また、第2のPCa部材12には第1のPCa部材11と同様に、ポストテンション用のPC鋼材15を挿通するための複数例えば4本のシース17が埋設されている。第2のPCa部材12の接合端面121の部分には、上記のメスキー42が橋軸方向に互いに離間した2ヶ所に配設される。
なお、第1のメスキー41、42は、橋軸方向に互いに離間した2ヶ所だけではなく、3ヶ所以上に配設されてもよい。
第1のPCa部材11において、第1のPC鋼材13およびシース16は互いに平行に配設され、第2のPCa部材12において第2のPC鋼材14およびシース17は互いに平行に配設される。第1のPCa部材11の第1のPC鋼材13と第2のPCa部材12の第2のPC鋼材14は道路幅員方向に対して直交する面内において互いに同じ位置に配置される。第1のPCa部材11のシース16と第2のPCa部材12のシース16も道路幅員方向に対して直交する面内において互いに同じ位置に配置される。
[2.PCa部材の製造方法]
次に、上記の第1のPCa部材11および第2のPCa部材12の製造方法について説明する。
上記の第1のPCa部材11および第2のPCa部材12を製造するにあたり、第1のPCa部材11に設けられる第1のメスキー41の中心軸(キー穴41aの中心軸)と、第2のPCa部材12に設けられる第2のメスキー42の中心軸(キー穴42aの中心軸)は一直線に揃っていないと、第1のPCa部材11と第2のPCa部材12の接合端面111,121同士を接合させることが困難になる。例えば、図6Aに示すように、2組の接合キーのうち、一組の接合キーの第1のメスキー41の中心軸K1と第2のメスキー42の中心軸K2との間にずれがあると、既設の第1のPCa部材11の接合端面111から突出させたオスキー43を第2のPCa部材12の接合端面121に開口させたキー穴42aに挿入できず、接合作業が難航する。また、図6Bに示すように、第1のメスキー41と第2のメスキー42が橋軸方向に対して傾いて埋め込まれた場合にも同様に接合が不可となるおそれがある。
本実施形態では、各々のPCa部材11、12の接合端面111、121を別々の型枠を使って形成する場合に、第1のメスキー41の中心軸(キー穴41aの中心軸)と第2のメスキー42の中心軸(キー穴42aの中心軸)とが一直線で揃うように、各々の型枠に取り付けられたメスキー41、42同士を連結具80を用いて直接連結するようにした。
なお、PCa部材11の接合端面111を形成する型枠を以降「第1の接合端面型枠」と呼び、PCa部材12の接合端面121を形成する型枠を以降「第2の接合端面型枠」と呼ぶ。
図7は工場内のPCa部材製造環境を示す上面図である。
製作台30の両端部に設置されたアバット31、31間に、第1のPCa部材11にプレストレスを導入する第1のPC鋼材13および第2のPCa部材12にプレストレスを導入する第2のPC鋼材14となるPC鋼材44を張設し、緊張する。なお、図7において、PC鋼材44の本数や位置など、PCa部材の製造方法の説明上不要な事項は簡略化して示されている。また、ポストテンション用のPC鋼材15を通すためのシース16、17は省略されている。
次に、製作台30の上に第1のPCa部材11および第2のPCa部材12のための鉄筋(図示せず)を組み立てるとともに、第1のPCa部材11のための型枠50と第2のPCa部材12のための型枠60を組み立てる。
第1のPCa部材11のための型枠50と第2のPCa部材12のための型枠60の組み立ては例えば次のように行われる。
図8は図7の型枠50および型枠60の部分を拡大した上面図、図9は図8の側面図、図10は図9において型枠50および型枠60における第1の接合端面型枠52および第2の接合端面型枠62を拡大して示す側面図である。
なお、これらの図において、第1の接合端面型枠52および第2の接合端面型枠62を貫通して張設されたPC鋼材44は省略されている。
まず、製作台30の上に置かれた型枠底板51の上に第1の接合端面型枠52および第2の接合端面型枠62がボルトなどの締結具70(図10参照)を用いて各々固定される。さらに複数の笠木46(図8、図9参照)によって第1の接合端面型枠52および第2の接合端面型枠62の各々の上部が互いに連結される。第1の接合端面型枠52と第2の接合端面型枠62はPC鋼材44の張設方向において所定の距離を置いて配置される。
第1の接合端面型枠52および第2の接合端面型枠62が固定された後、第1の接合端面型枠52に第1のメスキー41が取り付けられるとともに第2の接合端面型枠62に第2のメスキー42が取り付けられ、各々のメスキー41、42同士が連結具80によって連結される。次いで、第1のPCa部材11の接合端面111および第2のPCa部材12の接合端面121以外の側面を形成する側型枠53、63が固定され、第1のPCa部材11用の型枠50および第2のPCa部材12用の型枠60が完成する。
次に、型枠50、60内にコンクリートを打ち込み、養生期間を経てコンクリートの所定の強度が発現した後、笠木46、連結具80および型枠50、60を外し、PC鋼材44の緊張を解放して、各コンクリートにプレストレスを各々導入する。
この後、コンクリートから不要なPC鋼材44を切断除去する。これにより、第1のPCa部材11および第2のPCa部材12が完成する。
[3.連結具80の構成]
次に、連結具80の構成とこの連結具80による各メスキー41、42同士の連結方法を説明する。
図11は、連結具80の全体構成を示す断面図である。
同図に示すように、連結具80は、第1の位置出しピン81と、第2の位置出しピン82と、センターボルト83と、方向確認カプラ84とで構成される。
(第1の位置出しピン81)
図12A、12B、12Cは第1のPCa部材11に埋め込むために第1の接合端面型枠52に取り付けられる第1のメスキー41と第1の位置出しピン81の構成および連結方法を示す断面図である。
これらの図に示すように、第1の位置出しピン81は、第1のPCa部材11に埋め込むために第1の接合端面型枠52に取り付けられる第1のメスキー41のキー穴41aに挿入可能な第1のピン挿入部81aを一端部に有する。ピン挿入部81aの先端面には、第1の位置出しピン81の中心軸C1に沿ってボルト穴81bが設けられる。
一方、第1のメスキー41にもキー孔41aの中心軸K1に沿って、第1の接合端面型枠52の反対側の端面41cからキー穴41aにかけてボルト挿通穴41bが貫通して設けられている(図12B参照)。第1の位置出しピン81の第1のピン挿入部81aが第1のメスキー41のキー穴41aに挿入されたとき、第1の位置出しピン81の中心軸C1と第1のメスキー41のキー穴41aの中心軸K1とが一直線に揃う。この状態から、第1のメスキー41の端面41c側よりボルト挿通穴41bに例えば全ネジボルトなどのボルト47を挿入し、第1のメスキー41のキー穴41aに嵌め入れられた第1の位置出しピン81の第1のピン挿入部81aに設けられたボルト穴81bに螺合する(図12C参照)。ボルト47のボルト穴81bへの挿入量はナット47aによって規制される。最後に座金47bとナット47cを使ってボルト47を締結する。これによって、第1のメスキー41のキー穴41aに第1の位置出しピン81の第1のピン挿入部81aが同軸的に固定される。
また、第1の接合端面型枠52には、第1の位置出しピン81の第1のピン挿入部81aを挿入させることが可能なピン挿入穴52aが設けられる。第1のメスキー41に第1の位置出しピン81をボルト47によって連結するとき、第1の位置出しピン81の第1のピン挿入部81aを第1の接合端面型枠52のピン挿入穴52aに挿入する。第1の位置出しピン81には第1のピン挿入部81aに隣接して第1のピン挿入部81aより僅かに外径サイズが大きい拡径部81cが同軸的に設けられる。第1の接合端面型枠52のピン挿入穴52aに外側より第1のピン挿入部81aが挿入されると、第1の接合端面型枠52のピン挿入穴52aの周りの外壁面52bに拡径部81cの側面が当接する。これにより拡径部81cがストッパーとなって第1の位置出しピン81の第1のピン挿入部81aの挿入位置が規制される。一方、第1の接合端面型枠52のピン挿入穴52aの周りの内壁面52cには、第1のメスキー41の第1の接合端面型枠52側の端面が当接する。これにより、第1のメスキー41が第1の接合端面型枠52の所定位置に取り付けられる。
第1の位置出しピン81において、拡径部81cを挟んで第1のピン挿入部81aから離間した側には、外周面にネジ溝81dが設けられたカプラ保持部81eが設けられる。このカプラ保持部81eの外周には方向確認カプラ84が第1の位置出しピン81の中心軸C1の方向にスライド自在に保持される。方向確認カプラ84の軸方向における所定範囲の内周面には、カプラ保持部81eの外周に設けられたネジ溝81dに螺合するネジ溝84aが設けられる。これによりカプラ保持部81eに保持された方向確認カプラ84を軸周り方向に回転させることによって、方向確認カプラ84は第1の位置出しピン81の中心軸C1に沿った方向にスライドされる。
第1の位置出しピン81のカプラ保持部81eの、第1のピン挿入部81aの逆側の端部には、センターボルト83の一端部(凸部83b)を保持可能な凹部81fが設けられる。この凹部81fは、本発明の特許請求の範囲の「係合部」に相当するものであり、センターボルト83の一端部(凸部83b)と係合して、第1の位置出しピン81の中心軸とセンターボルト83および第2の位置出しピン82の中心軸とを一致させることのできる形状に設けられる。センターボルト83の一端部(凸部83b)は本発明の特許請求の範囲の「軸心合わせ部」に相当するものである。
(第2の位置出しピン82)
図13A、13Bは第2のPCa部材12に埋め込むために第2の接合端面型枠62に取り付けられる第2のメスキー42と第1の位置出しピン82の構成および連結方法を示す断面図である。
これらの図に示すように、第2の位置出しピン82は、第1の位置出しピン81と同様に、第2のPCa部材12に埋め込むために第2の接合端面型枠62に取り付けられるメスキー42のキー穴42aに挿入可能な第2のピン挿入部82aを一端部に有する。第2のピン挿入部82aの先端面には、第2の位置出しピン82の中心軸C2に沿ってボルト穴82bが設けられる。
一方、第2のメスキー42にもキー穴42aの中心軸K2に沿って、第2の接合端面型枠62の反対側の端面42cからキー穴42aにかけてボルト挿通穴42bが貫通して設けられている。第2の位置出しピン82の第2のピン挿入部82aが第2のメスキー42のキー穴42aに挿入されたとき、第2の位置出しピン82の中心軸C2と第2のメスキー42のキー穴42aの中心軸K2とが一直線に揃う。この状態から、第2のメスキー42の端面42c側よりボルト挿通穴42bに例えば全ネジボルトなどのボルト48を挿入し、第2のメスキー42のキー穴42aに嵌め入れられた第2の位置出しピン82の第2のピン挿入部82aに設けられたボルト穴82bに螺合する。ボルト48のボルト穴82bへの挿入量はナット48aによって規制される。最後に座金48bとナット48cを使ってボルト48を締結する。これによって、第2のメスキー42のキー穴42aに第2の位置出しピン82の第2のピン挿入部82aが同軸的に固定される。
また、第2の接合端面型枠62には、第1の接合端面型枠52と同様に、第2の位置出しピン82の第2のピン挿入部82aを挿入させることが可能なピン挿入穴62aが設けられる。第2のメスキー42に第2の位置出しピン82をボルト48によって連結するとき、第2の位置出しピン82の第2のピン挿入部82aを第2の接合端面型枠62のピン挿入穴62aに挿入する。第2の位置出しピン82にはピン挿入部82aに隣接してピン挿入部82aより僅かに外径サイズが大きい拡径部82cが同軸的に設けられる。第2の接合端面型枠62のピン挿入穴62aに外側よりピン挿入部82aが挿入されると、第2の接合端面型枠62のピン挿入穴62aの周りの外壁面62bに拡径部82cの側面が当接する。これにより拡径部82cがストッパーとなって第2の位置出しピン82の第2のピン挿入部82aの挿入位置が規制される。一方、第2の接合端面型枠62のピン挿入穴62aの周りの内壁面62cには、第2のメスキー42の第2の接合端面型枠62側の端面が当接する。これにより、第2のメスキー42が第2の接合端面型枠62の所定位置に取り付けられる。
第2の位置出しピン82において、拡径部82cの第2のピン挿入部82aから離間した側には、センターボルト83の一部が第2の位置出しピン82の中心軸C2の方向に沿って挿入されるセンターボルト穴82dが、第2の位置出しピン82に対して同軸的に設けられる。センターボルト穴82dは拡径部82cの先端面82fに開口する。センターボルト穴82dの第2の位置出しピン82の中心軸C2の方向における所定範囲の内周面には、センターボルト83の外周面に設けられたネジ溝83aに螺合するネジ溝82eが設けられる。第2の位置出しピン82の拡径部82cのセンターボルト穴82dに一部挿入されたセンターボルト83を軸周りの方向に回転させることによって、第2の位置出しピン82の拡径部82cの先端面82fからのセンターボルト83の突出量を可変させることができる。
(センターボルト83)
センターボルト83は、第1のメスキー41および第2のメスキー42に各々一端部が連結された第1の位置出しピン81と第2の位置出しピン82の各々の他端部同士を各々の中心軸C1、C2が一直線に揃うように係合させるための部材である。第2の位置出しピン82の拡径部82cのセンターボルト穴82dから突出したセンターボルト83の先端部には、第1の位置出しピン81のカプラ保持部81eの先端部に設けられた凹部81f(係合部)に軸方向から嵌る凸部83b(軸心合わせ部)が設けられる。凹部81fと凸部83bは第1の位置出しピン81の中心軸C1と第2の位置出しピン82の中心軸C2が一直線に揃うように互いに嵌め合わすことのできる形状、例えば半円錐形状に形成される。
また、センターボルト83の凸部83b近傍の所定位置には、工具などを用いてセンターボルト83を軸回り方向に回すことができるようにヘッダ83cが設けられる。
(方向確認カプラ84)
次に、方向確認カプラ84について説明する。
上記のように第1の位置出しピン81と第2の位置出しピン82はセンターボルト83を介して互いの中心軸C1、C2同士が一直線に揃うように係合されるが、第1の位置出しピン81とセンターボルト83とは凹部81fと凸部83bとが軸方向に嵌り合っているだけであるため、この状態を固定するために方向確認カプラ84が用いられる。
方向確認カプラ84は、第1の位置出しピン81の外周に第1の位置出しピン81と同軸の関係を保ったまま第1の位置出しピン81の中心軸C1の方向のみに移動可能とされ、中心軸C1の方向の両端部分の内周面で第1の位置出しピン81の外周面の一部と第2の位置出しピン82の外周面の一部を保持することによって、第1の位置出しピン81と第2の位置出しピン82とがセンターボルト83を介して互いの中心軸C1、C2同士を一直線に揃えて係合された状態を固定するための部材である。
図14A、図14B、図14Cは、第1の接合端面型枠52に取り付けられた第1のメスキー41と第2の接合端面型枠62に取り付けられた第2のメスキー42とを連結具80を用いて連結する手順を示す断面図である。
図14Aは、第1の接合端面型枠52に取り付けられる第1のメスキー41のキー穴41aに第1の位置出しピン81の第1のピン挿入部81aが連結され、第2の接合端面型枠62に取り付けられる第2のメスキー42のキー穴42aに第2の位置出しピン82のピン挿入部82aが連結された状態を示す図である。このとき、方向確認カプラ84は第1の位置出しピン81のカプラ保持部81eのスライド範囲において第1のピン挿入部81aよりの位置に保持させておくことが望ましい。方向確認カプラ84がこの位置にあるとき、カプラ保持部81eの凹部81fが設けられた先端面よりも方向確認カプラ84の端面が後退した状態となり、第2の位置出しピン82を第2の接合端面型枠62に取り付けられる第2のメスキー42に連結する際に方向確認カプラ84が邪魔になることを回避できる。
第1の位置出しピン81が第2の位置出しピン82よりも先に連結される場合、第2の位置出しピン82は、センターボルト83をセンターボルト穴82d内に保持させた状態で第2のメスキー42のキー穴42aに連結される。この際、センターボルト83と第1の位置出しピン81とが干渉しないように、第2の位置出しピン82の拡径部82cの先端面82fからのセンターボルト83の突出量が管理される必要がある。
このように第1の接合端面型枠52に取り付けられる第1のメスキー41のキー穴41aに第1の位置出しピン81の第1のピン挿入部81aが連結され、第2の接合端面型枠62に取り付けられる第2のメスキー42のキー穴42aに第2の位置出しピン82の第2のピン挿入部82aが連結された後、作業者は、図14Bに示したように、センターボルト83を軸周り方向に回転させることによって突出量を増大させ、センターボルト83の先端の凸部83bを第1の位置出しピン81のカプラ保持部81eの先端部に設けられた凹部81fに軸方向から嵌め込む。
次に、図14Cに示すように、方向確認カプラ84を第1の位置出しピン81のカプラ保持部81eにおいて軸周り方向に回転させて、方向確認カプラ84の両端部分の内周面が第1の位置出しピン81の外周面の一部と第2の位置出しピン82の外周面の一部を保持することのできる位置まで移動させる。これにより、第1の接合端面型枠52に取り付けられる第1のメスキー41のキー穴41aの中心軸C1と、第1のメスキー41に連結された第1の位置出しピン81の中心軸K1と、第2の接合端面型枠62に取り付けられる第2のメスキー42のキー穴42aの中心軸C2と、第2のメスキー42に連結された第2の位置出しピン82の中心軸K2がすべて一直線上に揃った状態が固定される。
なお、図15に示すように、方向確認カプラ84は、作業者が手で掴んで回すことができるように、例えば正六角形など多角形の筒状断面形状を有するものであってよい。
型枠50、60の解体時は、方向確認カプラ84を第1の位置出しピン81の第1のピン挿入部81aよりの元の位置に戻し、センターボルト83を第2の位置出しピン82のセンターボルト穴82d内の元の保持位置に戻す。この後、第1のメスキー41のキー穴41a内に突出したボルト47と第1のピン挿入部81aのボルト穴81bとの螺合を解除する方向に第1の位置出しピン81を軸回り方向に回転させることによって、第1の位置出しピン81を第1のメスキー41のキー穴41aから抜き取ることができる。第2の位置出しピン82も同様に、第2のメスキー42のキー穴42aに突出したボルト48と第2のピン挿入部82aのボルト穴82bとの螺合を解除する方向に第2の位置出しピン81を軸回り方向に回転させることによって、第2のメスキー42のキー穴42aから第2の位置出しピン81を抜き取ることができる。
第1のメスキー41に残ったボルト47は、工具を使って強く引っ張り、座金47bを破断もしくは変形させることによってボルト挿通穴42bを通じて全体を外部に引き出すことが可能である。第2のメスキー42に残ったボルト48も同様に工具を使って強く引っ張ることによって外部に引き出すことが可能である。
[4.本実施形態の効果について]
以上説明したように本実施形態のPCa部材の製造方法によれば、プレテンション用の第1のPC鋼材13、14がPCa部材11、12同士の接合端面111、121に対して直交する方向に配設された構造のPCa部材の製造が可能になる。また、本実施形態では、一組の第1のPCa部材11および第2のPCa部材12を同時に製造する場合について説明したが、1つの製作台30において第1のPCa部材11および第2のPCa部材12を複数組製造することができる。
また、第1のPCa部材11および第2のPCa部材12を一回のコンクリート打設によって製造することができるので、各PCa部材を別々に製造する方法に比べ、製造工期を短縮でき、コストダウンを図ることができる。
第1のPCa部材11および第2のPCa部材12を別々の工程で製造する方法の場合、各々の製造工程での温度・湿度などの施工環境条件の違いなどに起因して各々のコンクリートに発生するひずみ応力やねじり応力に違いによって、互いの接合端面間にずれや傾きが発生する可能性がある。互いの接合端面間にずれや傾きがあると、各々の接合端面同士を突き合わせた方向にポストテンションを導入して第1のPCa部材11と第2のPCa部材12を良好に一体化することが困難になる。本実施形態では、一回のコンクリート打設によって第1のPCa部材11および第2のPCa部材12を製造することによって、施工環境条件の違いによる上記の不具合を解消することができる。
第1のPCa部材11に埋め込むために第1の接合端面型枠52に取り付けられる第1のメスキー41と第2のPCa部材12に埋め込むために第2の接合端面型枠62に取り付けられる第2のメスキー42とを連結具80によって連結することによって、第1のメスキー41のキー穴41aの中心軸K1と第2のメスキー42のキー穴42aの中心軸K2とを一直線に揃えることができる。これにより、図6Aおよび図6Bに示したような、第1のメスキー41のキー穴41aの中心軸K1と第2のメスキー42のキー穴42aの中心軸K2とのずれによって、敷設現場での第1のPCa部材11と第2のPCa部材12との接合作業が難航することを回避でき、工期の短縮を図ることができる。
また、本実施形態の連結具80によれば、第1の位置出しピン81の第1のピン挿入部81aが第1の接合端面型枠52に取り付けられた第1のメスキー41のキー穴41aに挿入されて連結されるので、第1のメスキー41のキー穴41aの中心軸K1の向きを第1の位置出しピン81によって管理できる。同様に、第2の位置出しピン82の第2のピン挿入部82aが第2の接合端面型枠62に取り付けられた第2のメスキー42のキー穴42aに挿入されて連結されるので、第2のメスキー42のキー穴42aの中心軸K2の向きを第2の位置出しピンによって管理できる。そして、第1の位置出しピン81の端部の凹部81fと、第2の位置出しピン82に軸方向に沿って進退自在に保持されたセンターボルト83の先端部の凸部83bとが軸方向に係合し、この係合点で、第1の位置出しピン81の中心軸C1の位置と第2の位置出しピン82の中心軸C2の位置とを一致させることができる。この状態で、方向確認カプラ84が第1の位置出しピン81の外周の一部と第2の位置出しピン82の外周の一部を保持することによって、第1の位置出しピン81と第2の位置出しピン82の各中心軸C1、C2を一直線に揃えた状態に固定することができる。したがって、この連結具80を用いることによって、確実に、第1のメスキー41のキー穴41aの中心軸K1と第2のメスキー42のキー穴42aの中心軸K2とが互いに一直線に揃うように各々のメスキー41、42同士を連結することができる。
以上、橋梁に敷設されるPCaPC床版1を構成するPCa部材の製造方法について述べたが、建築物のPCaPC床版を構成するPCa部材の製造方法としても本発明を応用することができる。
1…PCaPC床版
11…第1のPCa部材
12…第2のPCa部材
13…第1のPC鋼材
14…第2のPC鋼材
15…ポストテンション用のPC鋼材
30…製作台
31…アバット
41…第1のメスキー
41a…第1のメスキーのキー穴
42…第2のメスキー
42a…第2のメスキーのキー穴
52…第1の接合端面型枠
62…第2の接合端面型枠
80…連結具
81…第1の位置出しピン
81a…第1のピン挿入部
81f…凹部
82…第2の位置出しピン
82a…第2のピン挿入部
82d…センターボルト穴
83…センターボルト
83b…凸部
84…方向確認カプラ

Claims (2)

  1. 第1の接合端面を有する第1のコンクリート部材と、前記第1の接合端面に接合可能な第2の接合端面を有する第2のコンクリート部材を製造する方法であって、
    製作台の両端部のアバット間にPC鋼材を張設して緊張し、
    前記製作台上に、前記PC鋼材の張設方向に互いに所定距離離間して、前記第1の接合端面を形成する第1の接合端面型枠を含む前記第1のコンクリート部材用の型枠および鉄筋と、前記第2の接合端面を形成する第2の接合端面型枠を含む前記第2のコンクリート部材用の型枠および鉄筋を組み立て、
    前記第1の接合端面型枠および前記第2の接合端面型枠に、前記第1の接合端面と前記第2の接合端面との接合用のメスキーを取り付け、対応する各々の前記メスキーのキー穴に両端部が挿入される連結具によって、前記対応する各々の前記メスキーの前記キー穴の中心軸が互いに一直線に揃うように前記対応する各々のメスキー同士を連結し、
    前記各型枠内にコンクリートを打設して所定の強度が発現した後、前記連結具による連結を解除し前記第1のPC鋼材および前記第2のPC鋼材の緊張を解放して前記コンクリートにプレストレスを導入する
    プレキャスト・コンクリート部材の製造方法。
  2. 各々PC鋼材を用いてプレストレスが導入され、第1の接合端面を有する第1のコンクリート部材と、前記第1の接合端面に接合可能な第2の接合端面を有する第2のコンクリート部材を製造する際に用いられ、前記第1のコンクリート部材に埋め込むために前記第1の接合端面を形成する第1の接合端面型枠に取り付けられた接合用の第1のメスキーのキー穴の中心軸と、前記第2のコンクリート部材に埋め込むために前記第2の接合端面を形成する第2の接合端面型枠に取り付けられた接合用の第2のメスキーのキー穴の中心軸が互いに一直線に揃うように前記対応する各々のメスキー同士を連結する接合キー連結具であって、
    前記第1のメスキーのキー穴に挿入され前記第1のメスキーと連結可能な第1のピン挿入部を一端部に有し、他端部に係合部を有する第1の位置出しピンと、
    前記第2のメスキーのキー穴に挿入され前記第2のメスキーと連結可能な第2のピン挿入部を一端部に有し、他端部に前記第1の位置出しピンの前記係合部と係合して前記第1の位置出しピンとの軸心を合わせるための軸心合わせ部を有するセンターボルトを進退可能に保持した第2の位置出しピンと、
    前記第1の位置出しピンに該第1の位置出しピンの軸方向に沿って移動自在に外嵌された方向確認カプラとを具備し、
    前記第1のメスキーと連結された前記第1の位置出しピンの前記係合部に、前記第2のメスキーと連結された前記第2の位置出しピンに保持された前記センターボルトの前記軸心合わせ部を係合させて前記第1の位置出しピンと前記第2の位置出しピンとの軸心を合わせ、前記方向確認カプラを移動させて前記第1の位置出しピンの外周の一部および前記第2の位置出しピンの外周の一部を前記方向確認カプラの内周面で保持することによって、前記第1のメスキーの前記キー穴の中心軸と前記第2のメスキーの前記キー穴の中心軸とを一直線に揃えるように構成された
    接合キー連結具。
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