JP2017042762A - エアフィルタ用濾材及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明の目的は、フッ素系界面活性剤を用いたエアフィルタ用濾材において、高いPF値を有するエアフィルタ用濾材を提供することにある。【解決手段】本発明に係るエアフィルタ用濾材は、ガラス繊維を主体とするエアフィルタ用濾材において、バインダー樹脂とパーフルオロアルキル化合物を含有するフッ素系界面活性剤と撥水剤との混合物が、前記ガラス繊維に付着しており、前記パーフルオロアルキル化合物は、炭素原子数が6以下のパーフルオロアルキル基を有する化合物であり、前記混合物中の前記撥水剤が前記バインダー樹脂100質量部に対して固形分換算で1〜40質量部であることを特徴とする。【選択図】なし

Description

本発明は、エアフィルタ用濾材に関する。更に詳しくは、半導体、液晶、バイオ・食品、製薬、医療などの分野で用いるクリーンルーム、クリーンベンチ、ビル空調用エアフィルタ、空気清浄機用途などに使用されるエアフィルタ用濾材に関する。
空気中のサブミクロン乃至ミクロン単位のダスト粒子を捕集するためには、エアフィルタの捕集技術が用いられている。エアフィルタは、その対象とする粒子径や捕集効率の違いによって、粗塵用フィルタ、中性能フィルタ、高性能フィルタ(HEPAフィルタ、ULPAフィルタ)などに大別される。このうち、高性能フィルタは主にクリーンルーム用途などで用いられており、エアフィルタ用濾材としては、ガラス繊維湿式不織布からなるエアフィルタ用濾材が広く用いられている。
エアフィルタ用濾材の主要な要求特性としては、捕集効率の他に、濾材の通気抵抗を示す圧力損失がある。濾材の捕集効率を上昇させるためには、大きな表面積を有する細径ガラス繊維の配合を増やす必要があるが、同時に濾材の圧力損失も上昇する。高い圧力損失は、吸気ファンの運転負荷を高め、電力消費量の上昇を引き起こすことから、省エネルギーとランニングコスト低減の両方の観点から好ましくない。そのため、低圧力損失と高捕集効率を兼ね備えたエアフィルタ用濾材が要求されている。エアフィルタ用濾材の低圧力損失・高捕集効率のレベルの指標値として、数1の式によって定義するPF値がある。このPF値が高いことは、エアフィルタ用濾材が低圧力損失・高捕集効率であることを示している。なお、透過率[%]=100−捕集効率[%]である。
Figure 2017042762
エアフィルタ用濾材においては通常、主要構成物として平均繊維径がコンマ数μm〜数十μmオーダーのガラス繊維が用いられている。ガラス繊維は自己接着力をほとんど有していないため、エアフィルタユニットとして加工し、実際に通風して使用する場合に必要とされる濾材強度を付与するためには、バインダー樹脂によってガラス繊維同士を接着させる必要がある。しかし、ガラス繊維にバインダー樹脂を付着させると、バインダー皮膜が濾材の細孔を目詰まりさせるために、圧力損失の上昇を引き起こし、さらに、ガラス繊維がバインダー皮膜中に埋没するために、捕集効率の低下を引き起こして、PF値の低下をもたらすことがある。そのため、高いPF値と十分な濾材強度とを両立させることは、実用的な濾材を製造するうえでの大きな課題となっている。
この課題に対して、濾材を構成するガラス繊維にバインダー樹脂と25℃純水中に添加した際の最低表面張力が20mN/m以下であるフッ素系界面活性剤を付着させる方法が提案されており(例えば、特許文献1を参照。)、この方法を用いることによって、バインダー皮膜による細孔の目詰まりを防ぎ、エアフィルタ用濾材を高PF値化できることが示されている。
特開平10−156116号公報
フッ素系界面活性剤は、含有するパーフルオロアルキル基の炭素原子数が多いほど前述したバインダー皮膜による細孔の目詰まりを防ぐ効果が向上するため、炭素原子数7以上のパーフルオロアルキル基を含有するものが好ましいと考えられる。
しかし、フッ素系界面活性剤を使用した場合、濾材自体の濡れ性が高くなり、濾材の撥水性が低くなる。濾材の撥水性が低くなると、濾材を加工するときに使用するシール剤が染み込みすぎる問題が生じる。また、エアフィルタユニットに組み込んで使用する際には、温湿度の変化による水分の結露や湿度の高い空気の通風により濾材に水滴が付着することがある。このとき濾材の撥水性が低いと、この水滴が濾材の細孔を塞いでしまうという問題(以降、低撥水性に因る問題という。)がある。本発明はこのような問題を鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、フッ素系界面活性剤を用いたエアフィルタ用濾材において、高いPF値を有するエアフィルタ用濾材を提供することにある。
本発明者らは、濾材を構成するガラス繊維に、バインダー樹脂と炭素原子数6以下のパーフルオロアルキル基を含有するフッ素系界面活性剤の混合液を付着させることによって、上記課題が解決できることを見出した。すなわち、本発明に係るエアフィルタ用濾材は、ガラス繊維を主体とするエアフィルタ用濾材において、バインダー樹脂とパーフルオロアルキル化合物を含有するフッ素系界面活性剤と撥水剤との混合物が、前記ガラス繊維に付着しており、前記パーフルオロアルキル化合物は、炭素原子数が6以下のパーフルオロアルキル基を有する化合物であり、前記混合物中の前記撥水剤が前記バインダー樹脂100質量部に対して固形分換算で1〜40質量部であることを特徴とする。
前記バインダー樹脂に対する前記撥水剤の配合量が、固形分換算で、前記バインダー樹脂100質量部に対して前記撥水剤が1〜40質量部であることで、高いPF値を有しつつ、低撥水性に因る問題がない耐水性を有する濾材を得ることができる。
また、本発明に係るエアフィルタ用濾材では、前記フッ素系界面活性剤が、25℃純水中に添加した際の最低表面張力が20mN/m以下であることが好ましい。より高いPF値を有する濾材を得ることができる。
本発明に係るエアフィルタ用濾材の製造方法は、ガラス繊維を分散させたスラリーを湿式抄紙することによって湿紙を形成する工程と、該湿紙を乾燥させる工程とを有するエアフィルタ用濾材の製造方法において、バインダー樹脂と、炭素原子数が6以下のパーフルオロアルキル基を有する化合物を含有するフッ素系界面活性剤と、撥水剤との混合物であって、前記撥水剤が前記バインダー樹脂100質量部に対して固形分換算で1〜40質量部である混合物を調整する工程と、前記湿紙を乾燥させる前又は乾燥した後に、前記混合物を前記湿紙に付着させることを特徴とする。
本発明によれば、フッ素系界面活性剤を用いたエアフィルタ用濾材において、高いPF値を有するエアフィルタ用濾材を提供することができる。
次に本発明について実施形態を示して詳細に説明するが、本発明はこれらの記載に限定して解釈されない。本発明の効果を奏する限り、実施形態は種々の変形をしてもよい。
本実施形態に係るエアフィルタ用濾材は、ガラス繊維を主体とするエアフィルタ用濾材において、バインダー樹脂とパーフルオロアルキル化合物を含有するフッ素系界面活性剤との混合物が、前記ガラス繊維に付着しており、前記パーフルオロアルキル化合物は、炭素原子数が6以下のパーフルオロアルキル基を有する化合物である。
フッ素系界面活性剤は、分子中にパーフルオロアルキル基(CF−CF−CF−・・・)の疎水性基と親水性基を有する化合物を含有し、そのパーフルオロアルキル基の炭素原子数は6以下のものであり、炭素原子数が4〜6であることがより好ましい。
パーフルオロアルキル基の炭素原子数が6以下のパーフルオロアルキル化合物を含有するフッ素系界面活性剤をバインダー樹脂に添加して製造した濾材(濾材A)は、撥水性の低下が抑えられているのに対して、パーフルオロアルキル基の炭素原子数が7以上のパーフルオロアルキル化合物を含有するフッ素系界面活性剤をバインダー樹脂に添加して製造した濾材(濾材B)は、撥水性の低下が大きい。濾材には撥水性を付与する目的で撥水剤を付着させることがあるが、濾材Aの方が濾材Bよりも元々の撥水性が高い為、濾材に対して付着させる撥水剤量を減少させることが可能であり、コストの低下に繋がる。一方、濾材のPF値の向上には、フッ素系界面活性剤の最低表面張力値が関係しており、パーフルオロアルキル基の炭素原子数は関係していない。
パーフルオロアルキル基の炭素原子数が7以上のパーフルオロアルキル化合物とは、パーフルオロオクタンスルホン酸(C17SOH。以下、「PFOS」と略記する。)又はパーフルオロオクタン酸(C15COOH。以下、「PFOA」と略記する。)などを生成し得るパーフルオロアルキル基を有するパーフルオロアルキル化合物を指す。パーフルオロアルキル化合物を含有するフッ素系界面活性剤は、パーフルオロアルキル化合物のパーフルオロアルキル基の炭素原子が多いほど前述したバインダー皮膜による細孔の目詰まりを防ぐ効果が高く、パーフルオロアルキル基の炭素原子数が7以上のものが広く使用されているが、PFOS又はPFOAは生体や環境への蓄積性が高いという問題があった。パーフルオロアルキル基の炭素原子数が6以下のパーフルオロアルキル化合物は、分子の構造上、PFOS又はPFOAを生成し得ることがなく、生成し得る物質も生体や環境への蓄積性が低い為、安全性が高いという利点もある。
フッ素系界面活性剤としては、例えば、パーフルオロアルキルカルボン酸塩、パーフルオロアルキルトリメチルアンモニウム塩、パーフルオロアルキルベタイン、パーフルオロアルキルアミンオキサイド、パーフルオロアルキルエチレンオキシド付加物、パーフルオロアルキルアミノスルホン酸などの化合物のうち、炭素原子数が6以下のパーフルオロアルキル基を有する化合物を含有するものが挙げられるが、本発明の目的を達成できるものであるならば、これら具体的に列挙したものに限定されない。
フッ素系界面活性剤は、バインダー液に添加することで、バインダー液の表面張力が低下し、ガラス繊維間のバインダー水かき状膜の形成を解消または減少することで、濾材の低圧力損失化、高捕集効率化を行う。上記の効果を十分に得るためには、フッ素系界面活性剤の中でも25℃純水中に添加した際の最低表面張力が20mN/m以下のものを用いる必要がある。本発明で使用するフッ素系界面活性剤についても、より高いPF値を有する濾材を得る為には、最低表面張力が20mN/m以下のフッ素系界面活性剤を用いるのが好ましい。より好ましくは、最低表面張力が10〜18mN/mのフッ素系界面活性剤を用いる。
本発明で使用するバインダー樹脂は、ガラス繊維同士を接着して、実用上必要とされる濾材強度を付与することができ、かつ、水又は溶剤に溶解又は分散できる樹脂の中から自由に選択できる。このような樹脂としては、例えば、アクリル酸エステル樹脂、スチレン−アクリル酸エステル樹脂、スチレン−ブタジエン樹脂、酢酸ビニル樹脂、エチレン−酢酸ビニル樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリビニルアルコールなどがある。
バインダー樹脂に対するフッ素系界面活性剤の配合量は、固形分換算で、バインダー樹脂100質量部に対してフッ素系界面活性剤を0.1〜5質量部、好ましくは0.5〜2質量部とする。フッ素系界面活性剤の配合量が0.1質量部より少ないと、十分なPF値向上効果が得られ難く、5質量部より多くなると濾材強度や撥水性を大きく低下させるおそれがある。
濾材を構成するガラス繊維は、必要とされる濾過性能やその他物性に応じて、種々の繊維径や繊維長を有する極細ガラス繊維やチョップドガラス繊維の中から自由に選択されるが、平均繊維径0.70μm以下の極細ガラス繊維と平均繊維径1.0μm以上6.0μm以下の極細ガラス繊維を含む2種類以上のガラス繊維で構成することが好ましい。また、目的により太径の有機繊維や無機繊維などの配合も可能である。また、濾材は、ガラス繊維を主体とするが、全繊維におけるガラス繊維の質量割合は、70%以上、好ましくは、80%以上、より好ましくは、90%以上とする。濾材に配合できるガラス繊維以外の繊維としては、例えば、ポリオレフィン繊維、ポリエステル繊維、ビニロン繊維、アクリル繊維、セルロース繊維、石英繊維、アルミナ繊維等である。
本発明のエアフィルタ用濾材は以下の製造方法で得ることができる。すなわち、濾材を構成するガラス繊維を、パルパーなどを用いて水中に分散させてスラリーとし、このスラリーを抄紙機で湿式抄紙して湿紙を得る。次にこの湿紙に前述のフッ素系界面活性剤とバインダー樹脂とを混合したバインダー液を付着させ、その後乾燥させる方法である。また、湿紙を乾燥した後にバインダー液を付与してもその効果は変わらない。ガラス繊維に対するバインダー液の付着量は、固形分換算で、1〜10質量%、好ましくは4〜7質量%とする。バインダー液の付着量が1質量%よりも少ないと、十分な濾材強度が得られ難く、また、10質量%よりも多いと過剰なバインダー液の付着により余分なバインダー樹脂による膜が生じ、結果的にPF値を低下させるおそれがある。
ガラス繊維の分散工程では、ガラス繊維の分散性を良くするために、硫酸でpH2〜4の範囲に調製した水中にガラス繊維を分散させる方法をとるが、分散剤を添加するなどすればpH6〜8の中性域での水中にガラス繊維を分散させることもできる。バインダー樹脂とフッ素系界面活性剤とは、これらを混合したバインダー液としてガラス繊維に付着させる。こうすることにより、余分なバインダー樹脂による膜を減らし、PF値を向上させることができる。理由は定かではないが、バインダー樹脂とフッ素系界面活性剤とを別々に付着させた場合、バインダー樹脂による膜が生じやすく、高い撥水性を得られても高いPF値を得られないが、バインダー樹脂とフッ素系界面活性剤とを混合物とした状態で付着させた場合、余分なバインダー樹脂による膜が生じ難くなるため、PF値が高く、かつ、撥水性も高い。濾材に耐水性あるいは難燃性を付与するため、バインダー液に更に撥水剤や難燃剤を添加することもできる。撥水剤を使用する場合、前記低撥水性に因る問題を効果的に解決できる。撥水剤の種類としてフッ素系、シリコン系、ワックス系等があるが、少量の使用で撥水性が向上することからフッ素系撥水剤の使用が好ましい。前記のとおり、本実施形態では、前記濾材Aの方が前記濾材Bよりも元々の撥水性が高い為、濾材に対して付着させる撥水剤量を減少させることが可能である。したがって、撥水剤を使用する場合、バインダー樹脂に対する撥水剤の配合量は、固形分換算で、バインダー樹脂100質量部に対して撥水剤を1〜40質量部、好ましくは2〜30質量部とする。撥水剤の配合量が1質量部より少ないと、濾材の耐水性が不十分となる場合があり、40質量部より多くなると濾材強度の低下を引き起こすおそれがある。
バインダー液の付与方法としては特に限定されるものでないが、湿紙をバインダー液中に浸漬する方法、湿紙にスプレーで吹き付ける方法、ロールにバインダー液を付着させ湿紙に転写する方法などが挙げられる。湿紙の乾燥方法としては、熱風乾燥機、ロールドライヤーなどを利用し、110〜160℃で乾燥することが望ましい。
次に、実施例を挙げて、本発明をより具体的に説明するが、もちろん本発明はこれらに限定されるものではない。また、例中の「部」、「%」は、特に断らない限りそれぞれ固形分換算での「質量部」、「質量%」を示す。
参考例1)
平均繊維径0.65μmの極細ガラス繊維62.5質量部、平均繊維径2.7μmの極細ガラス繊維27.5質量部、平均繊維径6μmのチョップドガラス繊維10質量部を、硫酸でpH3.0とした水中に分散し、パルパーを用いて離解し、固形分濃度が0.5%であるガラス繊維スラリーを得た。次に、得られたガラス繊維スラリーを用い、手抄筒で抄紙して湿紙を得た。次に、アクリル樹脂エマルジョン(モビニールLDM7222、日本合成化学工業(株)製)100部と、パーフルオロアルキル基の炭素原子数が6以下のパーフルオロアルキル化合物を含有するフッ素系界面活性剤(サーフロンS−211、AGCセイミケミカル(株)製)1部とを水中に分散して調成したバインダー液を湿紙に含浸付与し、余分なバインダー液を吸引除去した後、130℃の熱風乾燥機で乾燥して、坪量70g/mのエアフィルタ用濾材を得た。尚、バインダー液の含浸付与量は固形分換算で3.85g/mであった。
(実施例2)
アクリル樹脂エマルジョン(モビニールLDM7222、日本合成化学工業(株)製)100部と、フッ素系撥水剤(NKガードS−09、日華化学(株)製)7部と、パーフルオロアルキル基の炭素原子数が6以下のパーフルオロアルキル化合物を含有するフッ素系界面活性剤(サーフロンS−211、AGCセイミケミカル(株)製)1部とを水中に分散して調成したバインダー液を湿紙に含浸付与した以外は、参考例1と同様にして坪量70g/mのエアフィルタ用濾材を得た。尚、バインダー液の含浸付与量は固形分換算で3.85g/mであった。
(実施例3)
アクリル樹脂エマルジョン(モビニールLDM7222、日本合成化学工業(株)製)100部と、フッ素系撥水剤(NKガードS−09、日華化学(株)製)10部と、パーフルオロアルキル基の炭素原子数が6以下のパーフルオロアルキル化合物を含有するフッ素系界面活性剤(サーフロンS−211、AGCセイミケミカル(株)製)1部とを水中に分散して調成したバインダー液を湿紙に含浸付与した以外は、参考例1と同様にして坪量70g/mのエアフィルタ用濾材を得た。尚、バインダー液の含浸付与量は固形分換算で3.85g/mであった。
(実施例4)
アクリル樹脂エマルジョン(モビニールLDM7222、日本合成化学工業(株)製)100部と、フッ素系撥水剤(NKガードS−09、日華化学(株)製)10部と、パーフルオロアルキル基の炭素原子数が6以下のパーフルオロアルキル化合物を含有するフッ素系界面活性剤(サーフロンS−386、AGCセイミケミカル(株)製)1部とを水中に分散して調成したバインダー液を湿紙に含浸付与した以外は、参考例1と同様にして坪量70g/mのエアフィルタ用濾材を得た。尚、バインダー液の含浸付与量は固形分換算で3.85g/mであった。
(比較例1)
アクリル樹脂エマルジョン(モビニールLDM7222、日本合成化学工業(株)製)100部のみを水中に分散して調成したバインダー液を湿紙に含浸付与した以外は、参考例1と同様にして坪量70g/mのエアフィルタ用濾材を得た。尚、バインダー液の含浸付与量は固形分換算で3.85g/mであった。
(比較例2)
アクリル樹脂エマルジョン(モビニールLDM7222、日本合成化学工業(株)製)100部と、フッ素系撥水剤(NKガードS−09、日華化学(株)製)10部とを水中に分散して調成したバインダー液を湿紙に含浸付与した以外は、参考例1と同様にして坪量70g/mのエアフィルタ用濾材を得た。尚、バインダー液の含浸付与量は固形分換算で3.85g/mであった。
(比較例3)
アクリル樹脂エマルジョン(モビニールLDM7222、日本合成化学工業(株)製)100部と、フッ素系撥水剤(NKガードS−09、日華化学(株)製)10部と、パーフルオロアルキル基の炭素原子数が7以上であるパーフルオロアルキル化合物を含有するフッ素系界面活性剤(メガファックF−120、DIC(株)製)1部とを水中に分散して調成したバインダー液を湿紙に含浸付与した以外は、参考例1と同様にして坪量70g/mのエアフィルタ用濾材を得た。尚、バインダー液の含浸付与量は固形分換算で3.85g/mであった。
(比較例4)
アクリル樹脂エマルジョン(モビニールLDM7222、日本合成化学工業(株)製)100部と、フッ素系撥水剤(NKガードS−09、日華化学(株)製)10部と、パーフルオロアルキル基の炭素原子数が7以上であるパーフルオロアルキル化合物を含有するフッ素系界面活性剤(メガファックF−179、DIC(株)製)1部とを水中に分散して調成したバインダー液を湿紙に含浸付与した以外は、参考例1と同様にして坪量70g/mのエアフィルタ用濾材を得た。尚、バインダー液の含浸付与量は固形分換算で3.85g/mであった。
各実施例及び各比較例において得たエアフィルタ用濾材の評価は、次に示す方法を用いて行った。
圧力損失は、有効面積100cmの濾材に、空気が面風速5.3cm/秒で通過する時の差圧として、マノメーター(マノスターゲージWO81:(株)機製作所製)を用いて測定した。
透過率(粒子透過率ともいう)は、有効面積100cmの濾材に、ラスキンノズルで発生させた多分散フタル酸ジオクチル(DOP)粒子を含む空気が面風速5.3cm/秒で通過する時の上流及び下流のDOP粒子個数を、レーザーパーティクルカウンター(KC−18、リオン(株)製)を用いて測定し、その個数値から計算して求めた。なお、対象粒子径は、0.30〜0.40μmとした。
PF値は、圧力損失及び粒子透過率の値から、数1に示す式を用いて計算した。なお、対象粒子径は、0.30〜0.40μmとした。
撥水性は、MIL−STD−282に準拠して、自製の撥水性試験機を用いて測定した。
表面張力は、フッ素系界面活性剤を25℃純水中に添加した際の最低表面張力を太平理化工業(株)製デニュイ氏法表面張力測定器で測定した。
実施例及び比較例の評価結果を表1に示した。
Figure 2017042762
表1に示した結果より明らかなように、本発明によれば、バインダー樹脂とともに、パーフルオロアルキル基の炭素原子数が6以下のパーフルオロアルキル化合物を含有するフッ素系界面活性剤をガラス繊維に付着させることによって、従来のパーフルオロアルキル基の炭素原子数が7以上のパーフルオロアルキル化合物を含有するフッ素系界面活性剤を用いた場合よりも撥水性の高いエアフィルタ用濾材を得ることができた。また、実施例3と比較例3とを比べると、撥水性が比較例3の方が低く、パーフルオロアルキル基の炭素原子数が7以上のパーフルオロアルキル化合物を含有するフッ素系界面活性剤を用いるときは、低撥水性に因る問題が生じやすいことが判る。

Claims (3)

  1. ガラス繊維を主体とするエアフィルタ用濾材において、
    バインダー樹脂とパーフルオロアルキル化合物を含有するフッ素系界面活性剤と撥水剤との混合物が、前記ガラス繊維に付着しており、
    前記パーフルオロアルキル化合物は、炭素原子数が6以下のパーフルオロアルキル基を有する化合物であり、
    前記混合物中の前記撥水剤が前記バインダー樹脂100質量部に対して固形分換算で1〜40質量部であることを特徴とするエアフィルタ用濾材。
  2. 前記フッ素系界面活性剤が、25℃純水中に添加した際の最低表面張力が20mN/m以下であることを特徴とする請求項1に記載のエアフィルタ用濾材。
  3. ガラス繊維を分散させたスラリーを湿式抄紙することによって湿紙を形成する工程と、該湿紙を乾燥させる工程とを有するエアフィルタ用濾材の製造方法において、
    バインダー樹脂と、炭素原子数が6以下のパーフルオロアルキル基を有する化合物を含有するフッ素系界面活性剤と、撥水剤との混合物であって、前記撥水剤が前記バインダー樹脂100質量部に対して固形分換算で1〜40質量部である混合物を調整する工程と、
    前記湿紙を乾燥させる前又は乾燥した後に、前記混合物を前記湿紙に付着させることを特徴とするエアフィルタ用濾材の製造方法。
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