JP2017042350A - 光計測装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】測定対象物への過度な露光によるダメージを簡素な構成で回避しつつ、測定時間の増加や測定領域の縮小を伴わずに広い測定領域を実現可能な、光計測装置を提供する。
【解決手段】光源1501、光源から出射された光を信号光と参照光に分岐する光分岐部、信号光を測定対象に集光して照射する対物レンズ1506、信号光の集光位置を走査する走査部、周辺部の透過率が中心部に対し小さい光学部材、測定対象によって反射もしくは散乱された信号光と参照光とを合波し干渉光を生成する干渉光学系1521、干渉光を検出する光検出器1522,1523を備える。
【選択図】図15

Description

本発明は、光の干渉を用いて測定対象を観察する光画像計測装置に関する。
近年、光の干渉を用いて測定対象の内部構造を可視化可能な技術である、光コヒーレンストモグラフィー(OCT:Optical Coherence Tomography)が注目を集めている。OCTは現在眼底検査用途で広く普及し、様々な目の疾患の診断に用いられているが、近年では皮膚科学、心臓病学、歯科学、腫瘍学、食品産業などの様々な分野へ適用範囲が拡大している。
OCTでは、例えば特許文献1に記載されているように、光源からの光を測定対象に照射する信号光と、測定対象に照射せずに参照光ミラーで反射させる参照光とに2分岐し、測定対象から反射された信号光を参照光と合波させ干渉させることにより信号を得る。
OCTは測定位置の光軸方向への走査方法(以下、zスキャンと称する)により、大きくタイムドメインOCTとフーリエドメインOCTとに分けられる。タイムドメインOCTにおいては、光源として低コヒーレンス光源を使用し、測定時に参照光ミラーを走査することによりzスキャンを行う。これにより信号光に含まれる参照光と光路長が一致する成分のみが干渉し、得られた干渉信号に対して包絡線検波を行うことにより、所望の信号が復調される。一方、フーリエドメインOCTは更に波長走査型OCTとスペクトルドメインOCTとに分けられる。波長走査型OCTでは、出射光の波長を走査することが可能な波長走査型光源を使用し、測定時に波長を走査することによりzスキャンがなされ、検出された干渉光強度の波長依存性(干渉スペクトル)をフーリエ変換することにより所望の信号が得られる。スペクトルドメインOCTにおいては、光源に広帯域光源を用い、生成された干渉光を分光器により分光し、波長成分ごとの干渉光強度(干渉スペクトル)を検出することがzスキャンを行うことに対応している。得られた干渉スペクトルをフーリエ変換することにより所望の信号が得られる。
US2012/0300217A1 US2014/0204388A1 特開2015−084965号公報 特表2003−508813号公報
OCTでは、ガルバノミラーなどの走査素子を用いて測定対象物に対する信号光の集光位置を走査することで、測定対象物の異なる位置からの信号を取得する。このような方法では、集光位置の走査折り返し地点において走査速度が遅くなるため、その点における露光量が増大し、測定対象物にダメージを与えてしまうという問題がある。測定対象物へのダメージを回避する自明な方法として、集光位置の走査折り返し地点の近傍領域では、レーザーを遮断して測定領域から除外するという方法がある。しかし、当該方法には、測定領域が狭くなるという問題点がある。走査素子の駆動範囲を広げることで測定領域を広げることが可能であるが、走査素子の駆動範囲は一般に駆動周波数が大きくなるほど小さくなる。すなわち、駆動範囲を広げるためには駆動周波数を小さくする必要があり、そのために測定時間が長くなってしまうという課題がある。
特許文献2に記載の光計測装置を例にとって上記の課題について具体的に説明する。当該光計測装置では、対物レンズの位置を駆動することで集光位置を走査しており、走査素子としてアクチュエータを用いている。図1は、当該光計測装置で用いられるアクチュエータの駆動振幅の典型的な周波数特性を示す図である。共振周波数で駆動する場合の振幅が最も大きいため、アクチュエータを共振周波数で駆動する場合に最も広い測定領域を得ることができる。一方で、測定時間を短縮するためには可能な限り高い周波数で駆動する必要があり、アクチュエータは必要な測定領域幅が得られる範囲で可能な限り高い周波数で駆動することが好ましい。必要な測定領域の大きさは、測定対象物の構造周期や測定の目的に応じて変化するが、ここでは0.5mm×0.5mmであるとして説明する。原理的には、アクチュエータを0.5mm駆動することができれば0.5mm×0.5mmの測定領域を確保することが可能であり、図1に示した周波数特性を持つアクチュエータの場合には、0.5mmの駆動が可能な最大の周波数はおよそ100Hzである。例えば測定領域を500往復走査して信号を取得することとすると、この場合の測定時間は最短で5秒である。しかし、前述のように、測定対象物へのダメージを回避するために集光位置の折り返し地点の近傍領域でレーザーを遮断する場合には、アクチュエータを0.5mmよりも大きく駆動する必要がある。
ここで、簡単な例として、アクチュエータを正弦波で駆動し、その線形駆動領域(速度が概ね一定と見なせる領域)以外の走査の折り返し地点近傍ではレーザーを遮断する場合を考える。図2は、アクチュエータを周波数100Hzの正弦波で駆動した場合の、時刻とアクチュエータにより駆動される対物レンズの位置の関係を示す図である。速度最大となる時刻における近似直線との差異の大きさが5%以内となる領域を線形駆動領域として定義すると、線形駆動領域の大きさは振幅のおよそ50%である。従って、この場合には、0.5mm×0.5mmの測定領域を確保するために、アクチュエータを1mm駆動する必要がある。図1より、アクチュエータを1mm駆動可能な最大周波数はおよそ60Hzであり、この場合の測定時間は最短で8.3秒となり、レーザー遮断をしない場合よりも1.67倍程度測定時間が長くなる。このように、測定対象物への過度な露光によるダメージを回避するために走査の折り返し地点でレーザーを遮断すると、測定時間の増加、あるいは測定領域の縮小が生じてしまう。
特許文献2に記載の光計測装置では、測定対象物に照射するレーザー光の強度を、走査速度が遅い走査の折り返し位置の近傍では小さくする、又はゼロにすることで、測定対象物に対するダメージを回避している。また、特許文献3に記載の眼科用レーザー手術装置においても、走査速度が遅いほど生体組織に集光されるパルスレーザー光のエネルギーが小さくなるようにエネルギーを調整することで、生体組織に対するダメージを抑制している。しかし、上記特許文献2,3における発明では、測定領域が狭くなる、走査素子と同期した複雑なレーザーの制御が必要であるという問題点がある。
本発明は、上記の事情を鑑みてなされたものであり、測定対象物への過度な露光によるダメージを簡素な構成で回避しつつ、測定時間の増加や測定領域の縮小を伴わずに広い測定領域を実現可能な光計測装置を提供することを主な目的とする。
典型的な実施態様が提供する光計測装置は、光源と、光源から出射された光を信号光と参照光に分岐する光分岐部と、信号光を測定対象物に照射する照射光学系と、測定対象物に対する信号光の集光位置を繰り返し走査する走査部と、測定対象によって反射もしくは散乱された信号光と参照光を合波して干渉光を生成する干渉光学系と、干渉光を検出する光検出器を有している。照射光学系には周辺部の透過率が中心部に対し低い光学部材が配置されており、信号光は光学部材を透過後に測定対象物へ照射される。具体的には、光学部材の透過率は、走査部による繰り返し走査軸方向に対して分布を持っている。
本発明によれば、測定対象物への過度な露光によるダメージを簡素な構成で回避しつつ、広い測定領域を実現可能な、光計測装置が提供される。
上記した以外の、課題、構成及び効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
アクチュエータの駆動振幅の典型的な周波数特性を示す図。 アクチュエータ駆動時の時刻と位置の関係の例を示す図。 光計測装置の構成例を示す摸式図。 測定対象物への露光量分布の例を示す図。 光フィルタの透過率分布の例を示す図。 光フィルタの透過率分布の例を示す図。 光フィルタの構造例を示す模式図。 光フィルタの製造方法を説明する模式図。 光フィルタの構造例を示す断面模式図。 光フィルタの製造方法を説明する模式図。 光フィルタの製造に使用される金属マスクの例を示す模式図。 光フィルタの構造例を示す断面模式図。 光フィルタの一例を示す断面模式図。 シート状光フィルタの製造方法の例を示す断面模式図。 光計測装置の構成例を示す摸式図。 光フィルタの透過率分布の例を示す図。 測定対象物への露光量分布の例を示す図。 光フィルタの透過率分布の例を示す図。 測定対象物への露光量分布の例を示す図。 光フィルタの製造方法の例を示す断面模式図。 光計測装置の構成例を示す摸式図。 光源の発光パワー制御の構成例を示すブロック図。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
[実施例1]
図3は、本発明による光計測装置の構成例を示す模式図である。
広帯域光源301から出射された光は光ファイバ302を伝搬したのち、光カプラ303によって信号光と参照光に2分岐される。信号光は光ファイバ304を伝搬したのちに空間に出射され、コリメートレンズ305によって平行光に変換される。平行光に変換された信号光は、ガルバノミラー306を反射し、対物レンズ307によって集光されつつ光フィルタ308を透過して測定対象物309に照射される。このとき、測定対象物に照射される信号光のパワーは、光フィルタ308を透過することによって、集光位置に応じた適切な値に調整される。また、光フィルタ308は、信号光に空間的な強度分布変化が生じるのを抑制するために、可能な限り集光位置の近傍、すなわち測定対象物に接触するようにして配置されている。ガルバノミラー306は制御部310によってその角度を制御されており、角度を変化させることにより測定対象物に対する信号光の集光位置が、信号光の光軸方向(z方向)に垂直な方向(x方向)に走査される。測定対象物によって反射もしくは散乱された信号光は、再び光フィルタ308、対物レンズ307、ガルバノミラー306、コリメートレンズ305、光ファイバ304を通って光カプラ303へ導かれる。
一方、参照光は光ファイバ311を伝搬したのち空間に出射され、コリメートレンズ312によって平行光に変換される。平行光変換された参照光は、ミラー313によって反射され、再びコリメートレンズ312及び光ファイバ311を通って光カプラ303へ導かれる。信号光と参照光は光カプラ303によって合波され、干渉光が生成される。干渉光の一部は光ファイバ314を伝搬して分光器315に導かれる。分光器315では波長成分ごとの干渉光強度(干渉スペクトル)が電気信号として生成され、画像生成部316に送られる。画像生成部316では、上記電気信号に基づいて画像を生成し、画像表示部317に表示させる。
以下では、光フィルタ308の役割、及び透過率分布について述べる。光フィルタ308の透過率は光軸方向(z方向)及びガルバノミラー306による集光位置の繰り返し走査方向(x方向)のどちらに対しても直交する方向(y方向)に対しては一様であり、x方向に対しては周辺部の透過率が中心部に比べて小さくなっている。ここで、光フィルタ308の中心部とは、ガルバノミラー306による信号光の集光位置走査の際に、信号光が光フィルタ308を通過する領域の中心部分を指す。これにより、走査速度が遅くなる繰り返し走査の折り返し地点近傍での露光量を低減し、測定対象物へのダメージを抑制することが可能である。
ここで、光フィルタ308の機能について数式を用いて説明する。対物レンズ307を透過して光フィルタ308に入射する直前の信号光パワーをP、時刻tにおける測定対象物における信号光の集光位置をx(t)、集光位置における信号光のスポット半径をω、信号光の集光位置がxであるときの光フィルタの透過率をT(x)とすると、測定対象物への露光量Ex(x)は近似的に以下のように表わされる。
[式1]
Figure 2017042350
ここで、PT(x)/πω2は照射パワー密度、2ω/dx(t)/dtは露光時間を表わしている。ガルバノミラー306を正弦波で駆動する場合、x(t)は以下のように表わせる。
[式2]
Figure 2017042350
ここで、fxはガルバノミラー306の駆動周波数、Aはガルバノミラー306の角度の変位に伴う集光位置変化の振幅である。式2を式1に代入することにより、露光量の空間分布に関する以下の式を得る。
[式3]
Figure 2017042350
式3は近似を用いて算出されているため、少なくともT(x)が定数の場合(光フィルタ308を用いない場合)には形式上発散するが、実際の露光量は走査の折り返し地点においても発散することはない。しかし、実際の露光量の傾向は概ね式3によって表わされる通りであり、走査の折り返し位置に近づくほど走査速度に概ね反比例して急激に大きくなる。
図4は、測定対象物への露光量分布の例を示す図である。実線は、光フィルタ308を用いない場合における、露光量のx方向の空間分布の例である。計算に用いたパラメータの値はP=0.1mW,fx=120Hz,A=500μm,ω=0.75μmである。測定対象物としてヒトの皮膚を想定し、露光量はJISC6802により定められている波長785nmにおける皮膚の最大許容露光量(MPE;Maximum Permissible Exposure)で規格化した。すなわち露光量1以上は測定対象物にダメージを与える危険性がある。このように、光フィルタ308を用いない場合には走査の折り返し地点近傍における露光量が基準値(MPE)を超えており、測定対象物にダメージを与える危険性がある。そこで、本実施例では、例として光フィルタ308に以下の式で表わされる透過率分布を与えることとした。すなわち、光フィルタ308に、信号光の集光位置の移動速度dx(t)/dtの4乗根に比例する透過率分布を与える。
[式4]
Figure 2017042350
ここで、xcは、全てのxに対して透過率が式4のx<xcに対するT(x)で与えられる光フィルタ308を用いた場合に、露光量がMPEと一致する位置である。
式4の透過率分布を図5に示した。図5に示すように、光フィルタは周辺部から中心部に近づくにつれ徐々に透過率が大きくなる透過率分布を有する。図4の破線は式4で表わされる透過率分布を持つ光フィルタ308を使用した場合の露光量の空間分布である。この場合には、全ての領域において露光量がMPEを下回っていることが分かる。このように、本実施例では、簡素な構成で測定対象物へのダメージを回避することが可能である。
測定対象物へのダメージを回避するその他の方法として、露光量が基準値を超える可能性のある領域では、レーザーを遮断して測定領域から除外するという方法がある。しかし、当該方法には、走査素子と同期した複雑なレーザー制御が必要である、測定領域が狭くなる、といった問題点がある。本実施例においては、走査素子と同期したレーザー制御は不要である。さらに、走査の折り返し地点に近づくほど徐々に照射光パワーが低下するため、測定可能領域(露光量がMPE以下でかつフィルタの透過率が0以上の領域)を従来の光計測装置よりも拡大することができる。
図4に示す例においては、測定可能領域は光フィルタ308の適用により約454μmから約481μmに拡大している。一方で、測定可能領域を拡大するその他の方法として、走査素子の駆動範囲を広くするという方法がある。しかし、走査素子の駆動範囲は一般に駆動周波数が大きくなるほど小さくなる。すなわち、駆動範囲を広げるためには駆動周波数を小さくする必要があり、そのために測定時間が長くなるという問題点がある。本実施例においては、走査素子の駆動周波数を小さくして駆動範囲を広げることなく測定可能領域の拡大が可能であるため、測定の高速化にも寄与する。
次に、本実施例の光計測装置で得られる断層画像の、ピクセル毎の信号のSN比について説明する。画像1ピクセル当たりのデータのサンプリング数Nsamplingは以下の式で与えられる。
[式5]
Figure 2017042350
ここで、fsamplingはサンプリング周波数、Lpixelは1ピクセルに対応する実スケールの長さである。
各ピクセルの輝度値を、サンプリングされたデータの平均値に比例するように決めることとすると、平均化によるノイズ低減効果により、ピクセル毎の信号のSN比はNsamplingの平方根に比例する。これにより、ピクセル毎の信号のSN比は以下の式により与えられる。ここで、αは比例係数である。
[式6]
Figure 2017042350
式6から、T(x)が定数の場合(光フィルタ308を用いない場合)には、画像のピクセル毎の信号のSN比はピクセルの位置xによって異なり、分布を持つことが分かる。具体的には、走査速度が遅くなる走査の折り返し地点近傍に近づくほど1ピクセル当たりのサンプリング数Nsamplingが大きく、SN比が大きくなる。このような場合には、撮像される測定対象物の構造の鮮明さが画像の領域ごとに異なるため、得られる画像は本来の測定対象物の構造を正確に反映していない場合がある。
式4、式5を式6へ代入すると、光フィルタ308を用いる場合のピクセル毎の信号のSN比が得られる。
[式7]
Figure 2017042350
式7より、光フィルタ308に与えられた透過率分布の効果により、ピクセル毎の信号のSN比はピクセルの位置に依らずに一定となっていることが分かる。これにより、本実施例においては、撮像される測定対象物の構造の鮮明さは画像のどの領域でも一定となり、測定対象物の構造を正確に反映した画像を得ることができる。
本実施例においては、透過率が式4で与えられる光フィルタ308を用いたが、周辺部の透過率が中心部よりも小さいものであれば類似の効果を得ることが可能であり、本実施例は式4で表わされる透過率分布を有する光フィルタ308を備える光計測装置に限定されるものではない。
図6は、光フィルタ308の透過率分布の他の例を示す図である。図6(a)のように空間的に線形に透過率分布が変化するタイプや、図6(b),(c)のように透過率分布が段階的に変化するタイプは、式4で表わされる透過率分布の場合よりも製造が容易であるという利点がある。
最後に、光フィルタ308の構造例とその製造方法の例を説明する。
図7は光フィルタ308の構造例を示す模式図であり、図7(a)は断面模式図、図7(b)は平面模式図である。この光フィルタは、透明基材701上の周辺部に透過率の低い光遮断部702を設けたものである。光遮断部702の中心部は開口部703となっていて透過率が高い構造である。
図8は、その製造方法を説明する模式図である。図8(a)の断面模式図に示すように、1.2mm厚の透明ガラス基板801と加圧ローラー802の間に0.1mm厚の光遮断フィルム803を挟み、加圧しながら泡などが入らないように透明ガラス基板上に張り合わせた。次に、図8(b)の平面模式図に示すように余分な開口部光遮断フィルムの型抜き及び剥離を行ったのち、1個ずつの光フィルタに切断した。開口部703の幅を測定スキャン幅よりも狭くすることで測定対象物への過度な露光によるダメージを回避している。
図9は光フィルタ308の別の構造例を示す断面模式図である。この光フィルタは、透明基材901上に連続的な厚み勾配を持つように光遮断材料902を形成した構造を有する。
図10は、図9に示した光フィルタの製造方法を示す模式図であり、図10(a)はスパッタリング法による製膜の模式図、図10(b)はスパッタリング時に使用した金属マスクの平面模式図である。15mm角、1.2mm厚の透明ガラス基板901の上方に10mm離れた位置に開口領域1002を有する金属マスク1001を配置し、光遮断材料902としてAlをスパッタリング法で100nm製膜した。金属マスク1001に大きさの異なる開口領域1002を設けることにより、開口領域1002の大きさに応じた膜厚変化をもたせることができる。
製膜方法としてはスパッタリング法のほか、蒸着法、CVD法などでも良く、製膜装置に応じて金属マスクの開口領域・開口形状・配置を調整すれば良い。金属マスクの開口形状は、図11に示すような形状もしくはこれらの組合せでも構わない。光遮断材料としてはAlのほかにCr,Mo,Co,Ti,Ni,W,Ta,Pt,Auもしくはこれらを含む合金でも良く、使用する波長において充分な遮断効果のある材料を用いれば良い。この方法によれば100nm程度の薄膜で光遮断効果を得ることができる。
また、図12の断面模式図に示すように、透明基材901上に形成した光遮断材料902の薄膜を保護するために更に透明基材903で覆う多層構造にしても良く、光遮断効果は変わらない。透明基材903は接着剤904で透明基材901に固定する。
なお透明基材としてガラス基板のほかに、アクリル、ポリカーボネート、ポリオレフィンなどのプラスチック基板やSi基板などでも構わない。使用する波長において十分な透過率のあるものを用いれば良い。
図13(a)は、光フィルタの別の一例であるシート状光フィルタ1301の断面模式図である。シートの厚みは均一であり、シートに充填されている光遮蔽材の濃度勾配によって透過率を変化させたものである。
図14は、図13(a)に示したシート状光フィルタの製造方法の一例を示す断面模式図である。15mm角のガラス基板1401の両端側に光遮断材入り樹脂1402を0.5cc塗布し、中心部に光遮断材なしの透明樹脂1403を0.1cc塗布した(図14(a))。その後、透明保持部材1404を重ね合わせ(図14(b))、全体が均一の厚さになるよう加圧する(図14(c))。その後、200mJ/cm2のUV光照射(図14(d))と、80℃20分の熱処理(図14(e))を行い、完全に硬化させた。光遮断材含有量が高い場合、UV光照射だけでは完全に硬化させることはできないが、仮止めとしての効果を利用するために光硬化と熱硬化の2段階硬化が可能なUV硬化型エポキシ樹脂(日立化成製)を用いた。その後、ガラス基板1401及び透明保持部材1404を剥離するとシート状光フィルタ1301が完成する(図14(f))。
光遮断材含有量の異なる2液の境界は光遮蔽材の濃度変化に応じてグラデーションとなり、光透過率は光遮蔽材濃度の高い外側では低く、同濃度の低い中心部分では高くなった。光遮断材入り樹脂と透明樹脂の滴下位置及び塗布量は、光遮断及び光透過領域が所望の範囲となるように調整した。
なお、シート状光フィルタ1301は、図13(b)に示すように透明基材1302に貼り付けた状態で使用しても構わない。このようにすることにより、シート状光フィルタ(薄膜フィルム)が変形することによる収差の発生を抑制することができる。さらに、シート状光フィルタを透明基材1302に対して着脱可能としておくことで、サンプルとの接触などによってシート状光フィルタが汚れたりした場合に、シート状光フィルタを透明機材1302から取り外して容易に交換することが可能である。
シート状光フィルタを交換した場合には、交換前と位置がずれている可能性があるため、走査素子であるガルバノミラー306の駆動範囲の補正が必要となる。以下に、補正方法の例について説明する。測定対象物309の位置に反射率が均一なミラーを配置し、対物レンズ307によりミラー表面に信号光を集光し、ガルバノミラー306により集光位置を走査し、分光器315によって検出された電気信号に基づいて走査範囲における光フィルタの透過率分布を計測する。当該計測結果に基づき、シート状光フィルタの中心位置と走査範囲の中心位置のずれを算出する。その位置ずれを補正するようにガルバノミラー306による繰り返し走査の中心位置をオフセットさせることにより、シート状光フィルタの中心位置と走査範囲の中心位置が一致し、シート状光フィルタ交換時の位置ずれを補正することができる。
[実施例2]
図15は、本発明による光計測装置の別の構成例を示す模式図である。
光源1501から出射されたレーザ光はコリメートレンズ1502によって平行光に変換され、光学軸方向を調整可能なλ/2板1503によって偏光を回転させられた後、偏光ビームスプリッタ1504によって信号光と参照光に2分岐される。信号光はアクチュエータ1505にマウントされた対物レンズ1506によって集光されつつ、光フィルタ1507及び光学軸方向が水平方向に対して約22.5に設定されたλ/4板1508を透過して測定対象物1509に照射される。このとき、測定対象物に照射される信号光のパワーは、光フィルタ1507を透過することによって、集光位置に応じた適切な値に調整される。また、信号光の偏光状態は、λ/4板1508を透過することによりp偏光から円偏光に変換される。
対物レンズ1506は、制御部1510による制御のもとでアクチュエータ1505によって少なくともx方向へ繰り返し走査され、かつy方向あるいはz方向へ変位される。これにより対物レンズ1506による信号光の集光位置(測定位置)の走査がなされる。ここで、アクチュエータ1505の周波数特性は図1に示すものと同一であって、アクチュエータ1505のx方向の繰り返し走査の周波数は、アクチュエータ1505の共振周波数よりも大きいものとする。測定対象物1509から反射又は散乱された信号光は、λ/4板1508によって偏光状態を円偏光からp偏光に変換され、光フィルタ1507を透過したのち対物レンズ1506によって平行光に変換され、偏光ビームスプリッタ1504へ入射する。このとき、光フィルタ1507は測定対象物から反射又は散乱された信号光を殆ど減衰させることなく透過させる。
一方、参照光はλ/4板1511を透過し、偏光状態をp偏光から円偏光に変換され、ミラー1512によって反射されたのち、偏光状態を円偏光からs偏光へ変換されて偏光ビームスプリッタ1504へ入射する。
信号光と参照光は偏光ビームスプリッタ1504で合波され、合成光が生成される。合成光はハーフビームスプリッタ1513、λ/2板1514,1516、λ/4板1515、集光レンズ1517,1518、ウォラストンプリズム1519,1520から成る干渉光学系1521へ導かれる。
干渉光学系1521へ入射した合成光は、ハーフビームスプリッタ1513によって透過光と反射光に2分岐される。透過光は光学軸が水平方向に対して約22.5度に設定されたλ/2板1514を透過した後、集光レンズ1517によって集光され、ウォラストンプリズム1519によって2分岐されることにより互いに位相関係が180度異なる第一の干渉光と第二の干渉光が生成される。第一の干渉光と第二の干渉光は電流差動型の光検出器1522によって検出され、それらの強度の差に比例した電気信号が出力される。
一方、反射光は光学軸がほぼ水平方向に設定されたλ/4板1515、及び光学軸が水平方向に対して約22.5度に設定されたλ/2板1516を透過したのち、集光レンズ1518によって集光され、ウォラストンプリズム1520によって2分岐されることにより互いに位相関係が180度異なる第三の干渉光と第四の干渉光が生成される。第三の干渉光と第四の干渉光は電流差動型の光検出器1523によって検出され、それらの強度の差に比例した電気信号が出力される。光検出器1522,1523から出力された電気信号は画像生成部1524に送られ、画像生成部1524では上記電気信号に基づいて画像を生成し、画像表示部1525に表示させる。アクチュエータ1505及び画像生成部1524は制御部1510によって制御される。
ここで、上に述べた動作原理について数式を用いて説明する。干渉光学系1521へ入射する時点での合成光のジョーンズベクトルを
[式8]
Figure 2017042350
と表すこととすると、ハーフビームスプリッタ1513とλ/2板1514を透過した後の合成光のジョーンズベクトルは次のようになる。ここで、Esigは信号光の複素振幅を表し、Erefは参照光の複素振幅を表す。
[式9]
Figure 2017042350
式9で示される合成光は、ウォラストンプリズム1519によってp偏光成分とs偏光成分に2分岐されたのち、電流差動型の光検出器1522によって差動検出される。このとき光検出器1522から出力される電気信号は以下の様に表される。
[式10]
Figure 2017042350
ここで、θsig,θrefはそれぞれ複素数Esig,Erefを極座標表示で表した際の位相である。簡単のため検出器の変換効率は1とした。
一方、ハーフビームスプリッタ1513で反射され、さらにλ/4板1515とλ/2板1516を透過した後の合成光のジョーンズベクトルは次のようになる。
[式11]
Figure 2017042350
ウォラストンプリズム1520によって、式11で示される合成光はp偏光成分とs偏光成分に2分岐された後、電流差動型の光検出器1523によって差動検出される。このとき光検出器1523から出力される電気信号は以下の様に表される。
[式12]
Figure 2017042350
画像生成部1524では、式10と式12で表わされる信号に対して、以下の演算を行うことにより、位相に依存しない、信号光の振幅の絶対値に比例した信号を生成している。
[式13]
Figure 2017042350
以下では、光フィルタ1507の役割、及び透過率分布について述べる。本実施例における光フィルタ1507は、測定対象物1509から反射もしくは散乱されてλ/4板1508を透過した後のp偏光の信号光に対しては透明であり、測定対象物1509に入射する前のs偏光の信号光に対しては、y方向には一様な透過率を持ち、x方向には周辺部の透過率が中心部に比べて小さくなっている。これにより、走査速度が遅くなる繰り返し走査の折り返し地点近傍での露光量を低減し、測定対象物へのダメージを抑制することが可能である。さらに、測定対象物から反射もしくは散乱された信号光に対しては透明であるため、信号光の不要な減衰を回避することができる。
本実施例では、例として光フィルタ1507に以下の式で表わされる透過率分布を与えることとした。すなわち、光フィルタ1507に、信号光の集光位置の移動速度dx(t)/dtの2乗根に比例する透過率分布を与える。
[式14]
Figure 2017042350
ここで、xcは、全てのxに対して透過率が式14のx<xcに対するT(x)で与えられる光フィルタを用いた場合に、露光量がMPEと一致する位置である。式14の透過率分布を図16に示した。図17は光フィルタ1507を使用しない場合(実線)と、式14で表わされる透過率分布を持つ光フィルタ1507を使用する場合(破線)の露光量の空間分布である。計算に用いたパラメータの値は第一の実施例と同じである。光フィルタ1507の適用時には、全ての領域において露光量がMPEを下回っている。また、測定可能領域(露光量がMPE以下でかつフィルタの透過率が0以上の領域)は光フィルタ1507の適用により約454μmから約499μmに拡大している。
光フィルタ1507に与える透過率分布の別の例として、以下の式で表わされるものが考えられる。
[式15]
Figure 2017042350
ここで、x’cは、光フィルタ1507を用いない場合に露光量がMPEと一致する位置である。式15の透過率分布を図18に示した。図19は光フィルタ1507を使用しない場合(実線)と、式15で表わされる透過率分布を持つ光フィルタ1507を使用する場合(破線)の露光量の空間分布である。この場合には、光フィルタ1507の適用によって全領域において露光量がMPEを大きく下回っている。従って、照射パワーを更に大きくすることが可能(図19の場合には最大で1.54倍)となり、測定領域全体にわたり信号のSN比を向上させることができる。
次に、本実施例で得られる断層画像の、ピクセル毎の信号のSN比について説明する。画像1ピクセル当たりのデータのサンプリング数Nsamplingは第一の実施例における式5で表わされる。ピクセル毎の信号のSN比は以下の式により与えられる。
[式16]
Figure 2017042350
ここで、αは比例係数である。SN比がT(x)の2乗ではなく1乗に比例している点において第一の実施例と異なる。式16から、T(x)が定数の場合(光フィルタ1507を用いない場合)には、画像のピクセル毎の信号のSN比はピクセルの位置xによって異なり、分布を持つことが分かる。式14(あるいは式15)、式5を式16へ代入すると、光フィルタ1507を用いる場合のピクセル毎の信号のSN比が得られる。
[式17]
Figure 2017042350
式17より、第一の実施例の場合と同様に、光フィルタ1507に与えられた透過率分布の効果により、ピクセル毎の信号のSN比はピクセルの位置に依らずに一定となっていることが分かる。これにより、本実施例においては、撮像される測定対象物の構造の鮮明さは画像のどの領域でも一定となり、測定対象物の構造を正確に反映した画像を得ることができる。
本実施例においては、透過率が式14や式15で与えられる光フィルタ1507を用いたが、周辺部の透過率が中心部よりも小さいものであれば類似の効果を得ることが可能であり、本実施例は式14や式15で表わされる透過率分布を有する光フィルタ1507を備える光計測装置に限定されるものではない。
また、本実施例においては、アクチュエータ1505によって信号光の集光位置を少なくとも2つの方向へ走査したが、異なる走査素子を用いても良い。例えば、光計測装置の制御部1510、画像生成部1524、画像表示部1525以外の部分全体を、モータなどによって測定対象物に対して移動させる方法などを用いても良い。
最後に、光フィルタ1507の構造の例について説明する。上述のように、光フィルタ1507はp偏光の光に対しては透明であり、s偏光の光に対しては、y方向には一様な透過率を持ち、x方向には周辺部の透過率が中心部に比べて小さくなっている。その様な機能を有するフィルタとしては、例えば特許文献4などに記載されているようなワイヤグリッド偏光子を加工したものがある。
図20は、光フィルタ1507の製造方法の一例を示す断面模式図である。図20(a)に示されたワイヤグリッド偏光子は、透明基板2001上にy方向に細長い素子(ここではワイヤと呼ぶ)2002が配置された構造を有しており、y方向に振動する直線偏光(s偏光)に対する透過率はほぼ0であり、x方向に振動する直線偏光(p偏光)に対する透過率はほぼ1である。当該ワイヤグリッド偏光素子において、図20(b)に示すように、ワイヤの高さが周辺部分から中心部分に向かって徐々に低くなるように加工する。これにより、p偏光の光に対しては透明であり、s偏光の光に対しては、y方向には一様な透過率を持ち、x方向には周辺部の透過率が中心部に比べて小さな光フィルタ1507が得られる。他にも、例えばワイヤのピッチを周辺部分から中心部分に向かって徐々に広くすることでも同様の効果が得られる。
本実施例においては、光フィルタ1507とλ/4板1508は別体としたが、例えば図20に示す光フィルタ1507の基板裏面にλ/4板を張り付けるなどの方法により、一体化してもよい。
[実施例3]
図21は、本発明による光計測装置の別の構成例示す模式図である。なお、図15に示した部品と同じものには同一の符号を付し、その説明を一部省略する。本実施例は、測定対象物1509の表面部分を観察するための表面観察光学系2105と、信号光の照射位置に応じた最適パワーを記憶する記憶部であるレジスタ2106を有する点、及び制御部1510によって光源1501のパワー制御を行う点において実施例2と異なる。
始めに、照明用光源2101,ビームスプリッタ2102,ダイクロイックミラー2103,撮像素子2104によって構成される表面観察光学系2105の機能について説明する。光源1501とは異なる波長をもつ照明用光源2101から出射された照明光の一部は、ビームスプリッタ2102とダイクロイックミラー2103を反射したのち、測定対象物1509まで到達する。ここで、ダイクロイックミラー2103は、光源1501から出射される光の波長は透過し、照明用光源2101から出射される光は反射させるものである。測定対象物1509から反射した照明光は、再びダイクロイックミラー2103を反射し、その一部がビームスプリッタ2102を透過し、撮像素子2104によって検出される。撮像素子2104には測定対象物1509の表面部分が結像されており、撮像素子2104からの信号を受け取った画像表示部1525によって測定対象物1509の表面の画像が表示される。これにより、ユーザーは画像表示部1525に表示された測定対象表面の観察結果に基づいて、断層画像を取得する測定位置を選ぶ事が可能になる。
次に、光フィルタ1507、レジスタ2106及び制御部1510の機能について説明する。光フィルタ1507の透過率分布としては、実施例2の式14に示したもの等を用いる。しかし、実際にはばらつきや精度不足により、光フィルタ1507の透過率分布は設計値(式14)とは異なることがある。そこで、本実施例においては、事前に光フィルタ1507の透過率分布を測定することとした。その測定結果に基づいて、透過率分布の設計値からのずれを補い、各々の位置における信号光パワーが適切な値となるための光源1501の発光パワーをレジスタ2106に記憶させる。制御部1510はレジスタ2106に記憶された情報に基づいて、光源1501を制御し、各々の位置における信号光パワーを適切な値に調整する。
図22は、光源の発光パワー制御の構成例を示すブロック図である。光フィルタ1507の透過率分布は、例えば測定対象物1509の位置に反射率が均一なミラーを配置し、対物レンズ1506によりミラー表面に信号光を集光し、アクチュエータ1505により集光位置をx方向に走査し、光検出器1522,1523によって検出された電気信号に基づいて算出することが可能である。
レジスタ2106には、こうして算出されたx方向の各位置における光源の最適照射パワーが記憶されている。光フィルタ1507により測定対象物1509への信号光パワーは概ね適切な値に調整されているため、制御部1510による光源1501の発光パワーの制御量は、光フィルタ1507を用いない場合よりも小さくなる。これにより、光フィルタ1507を用いない場合よりも安定で精度の高い制御が可能となる。従って、本実施例においては、従来よりも簡素な構成及び方法で、測定対象物へのダメージを回避しつつ、測定領域の拡大、あるいは画像のピクセル毎の信号のSN比の均一化などを実現することできる。
なお、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
1501:光源
1502:コリメートレンズ
1503,1514,1516:λ/2板
1504:偏光ビームスプリッタ
1505:アクチュエータ
1506:対物レンズ
1507:光フィルタ
1508,1511,1515:λ/4板
1509:測定対象物
1510:制御部
1513:ハーフビームスプリッタ
1517,1518:集光レンズ
1519,1520:ウォラストンプリズム
1521:干渉光学系
1522,1523:電流差動型の光検出器
1524:画像生成部
1525:画像表示部

Claims (15)

  1. 光源と、
    前記光源から出射された光を信号光と参照光に分岐する光分岐部と、
    前記信号光を測定対象物に照射する照射光学系と、
    前記測定対象物に対する前記信号光の照射位置を繰り返し走査する走査部と、
    前記測定対象物によって反射もしくは散乱された信号光と前記参照光とを合波し、干渉光を生成する干渉光学系と、
    前記干渉光を検出する光検出器と、を有し、
    前記照射光学系に周辺部の透過率が中心部に対し小さい光学部材が配置されている、光計測装置。
  2. 前記照射光学系は前記測定対象物に前記信号光を集光する対物レンズを有し、
    前記走査部は、前記対物レンズを前記信号光の光軸方向に駆動させる第1の駆動部と、前記対物レンズを前記信号光の光軸方向に対して実質的に垂直な方向に駆動させる第2の駆動部と、を有する請求項1に記載の光計測装置。
  3. 前記第2の駆動部の駆動周波数は前記走査部の共振周波数より大きい、請求項2に記載の光計測装置。
  4. 前記光学部材は周辺部から中心部に近づくにつれ徐々に透過率が大きくなる、請求項1に記載の光計測装置。
  5. 前記光学部材の、前記信号光が透過する位置における透過率は、前記信号光が透過する位置における前記走査部による信号光の集光位置の移動速度の2乗根あるいは4乗根に比例している、請求項1に記載の光計測装置。
  6. 前記光学部材は、透明基板と、前記透明基板の少なくとも端部上に設けられた光遮断部を備える、請求項1に記載の光計測装置。
  7. 前記光学部材は、透明基板と、前記透明基板上に形成された連続的な厚み勾配を持つ光遮断材料とを備える、請求項1に記載の光計測装置。
  8. 前記光学部材は、光遮蔽材を含み、前記光遮蔽材の濃度は空間分布を有している、請求項1に記載の光計測装置。
  9. 前記光学部材は、透明な平板と、前記平板に対して着脱可能な、中心部の透過率が周辺部に対して高い薄膜フィルムとを備える、請求項1に記載の光計測装置。
  10. 前記光学部材は、前記測定対象物に照射される前の信号光に対しては周辺部の透過率が中心部に対して小さく、前記測定対象物によって反射もしくは散乱された後の信号光に対しては透明である、請求項1に記載の光計測装置。
  11. 前記光学部材は、特定の角度の直線偏光に対しては透明であって、前記特定の角度の直線偏光に直交する直線偏光に対しては中心部の透過率が周辺部に対して大きい、請求項1に記載の光計測装置。
  12. 前記光学部材は前記測定対象物に接触する位置に配置される、請求項1に記載の光計測装置。
  13. 前記信号光の照射位置に応じた前記光源の発光パワーを記憶する記憶部と、前記記憶部に記憶された情報に基づいて前記光源の発光パワーを制御する制御部と、を更に有する、請求項1に記載の光計測装置。
  14. 前記光検出器からの信号に基づいて画像を生成する画像生成部と、前記生成した画像を表示する画像表示部と、前記走査部を制御する制御部と、を更に有する、請求項1に記載の光計測装置。
  15. 前記測定対象物の表面を観察するための撮像素子を更に有する、請求項1に記載の光計測装置。
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