以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。なお、図面において、同一または類似の部分には同一の参照番号を付して、重複する説明を省く場合がある。
図1は、家庭内配電システム100のシステム構成の一例を概略的に示す。本実施形態において、家庭内配電システム100は、配電線110と、配電線120と、配電線130と、配電線140とを備える。本実施形態において、配電線110の配電方式は単相3線式であり、200ボルトの電圧を供給する。配電線110は、配電線110の第1相(L1相)の電圧線112と、第2相(L2相)の電圧線114と、中性線116とを有する。第1相と第2相との位相差は180°である。配電線110は、各家庭の分電盤に接続されていてもよい。
配電線120の配電方式は単相2線式であり、一方の配線は電圧線112と電気的に接続され、他方の配線は中性線116と電気的に接続される。配電線130の配電方式は単相2線式であり、一方の配線は電圧線114と電気的に接続され、他方の配線は中性線116と電気的に接続される。配電線140の配電方式は単相2線式であり、一方の配線は電圧線112と電気的に接続され、他方の配線は電圧線114と電気的に接続される。
配電線120には、100ボルトの電圧を出力する電源取出口122及び電源取出口124が接続されている。配電線130には、100ボルトの電圧を出力する電源取出口132が接続されている。配電線140には、200ボルトの電圧を出力する電源取出口142が接続されている。各電源取出口としては、コンセント(ソケットと称される場合もある。)を例示することができる。
日本においては、200ボルト用のコンセントと、100ボルト用のコンセントとでは、プラグ差込口の形状が異なる。そのため、配電線120又は配電線130に接続されたコンセントと、配電線140に接続されたコンセントとを見分けることができる。しかしながら、配電線120に接続されたコンセントと、配電線130に接続されたコンセントとを、コンセントの外観から見分けることはできない。また、配電線120及び配電線130は、壁の内側、床下、天井裏などの人目につかない場所に配されることが多く、各コンセントが配電線120及び配電線130の何れに接続されているかを調べるためには、コンセントを分解するなどの手間がかかる。
例えば、電源取出口122の非接地側端子と、電源取出口132の非接地側端子とを利用すれば、電磁誘導方式の変圧器を利用することなく、200ボルトの電圧を取り出すことができる。一方、電源取出口122の非接地側端子と、電源取出口124の非接地側端子とを利用しても、200ボルトの電圧を取り出すことはできない。そのため、200ボルトの電圧を取り出すことのできるコンセントの組み合わせを容易に判定することができれば非常に有用である。
図2及び図3を用いて、位相判定システム200の一例について説明する。図2は、位相判定システム200及び子機204のシステム構成の一例を概略的に示す。図3は、親機202のシステム構成の一例を概略的に示す。本実施形態において、位相判定システム200は、2以上の配電線のうち、位相の異なる配電線に接続された電源取出口の組み合わせを判定する。
本実施形態において、位相判定システム200は、親機202と、子機204とを備える。本実施形態において、親機202及び子機204のそれぞれは、電源プラグ210と、電圧計220と、タイマ230と、入力部240と、記憶部250と、通信制御部260とを備える。電源プラグ210は、電源取出口に挿入される一対の端子212及び端子214を有する。親機202は、子機情報取得部310と、判定部320と、表示部330とを備える。親機202及び子機204のそれぞれは、上記の各部を収容する筐体を備えてよい。位相判定システム200は、複数の子機204を備えてもよい。
本実施形態によれば、2以上のコンセントから、同一時刻に出力される電圧の値を測定することができる。位相判定システム200は、2以上のコンセントの電圧に関する測定結果を比較して、位相差の有無を判定することができる。例えば、位相判定システム200は、2つのコンセントの出力電圧の位相差が予め定められた値(位相差に関する閾値と称する場合がある。)よりも大きい場合、当該2つのコンセントが位相の異なる配電線に接続されていると判定する。
位相判定システム200は、判定システムの一例であってよい。親機202及び子機204は、電圧測定装置の一例であってよい。親機202は、第2電圧測定装置の一例であってよい。子機204は、第1電圧測定装置の一例であってよい。電源プラグ210は、第1接続部、第2接続部又は電源接続部の一例であってよい。電圧計220は、第1電圧測定部又は第2電圧測定部の一例であってよい。タイマ230は、第1時刻測定部又は第2時刻測定部の一例であってよい。記憶部250は、第1格納部又は第2格納部の一例であってよい。子機情報取得部310は、取得部の一例であってよい。表示部330は、出力部の一例であってよい。
電圧計220は、電源取出口から出力される電圧を測定する。例えば、電圧計220は、電源プラグ210が挿入されている電源取出口から出力される電圧を、少なくとも、予め定められた期間に渡って測定する。予め定められた期間は、電源取出口から出力される出力電圧の周波数に応じて決定される。例えば、出力電圧の周波数が50Hzである場合、最大電圧が計測される時刻と最小電圧が計測される時刻との間の期間は1/100秒である。そこで、3/100秒〜4/100秒以上の期間を任意に設定してよい。予め定められた期間は、1秒であってもよく、3秒であってもよく、5秒であってもよく、10秒であってもよく、30秒であってもよく、1分であってもよい。
親機202における測定期間と、子機204における測定期間とは、同一であってもよく、異なってもよい。しかし、親機202における測定期間、及び、子機204における測定期間の一部の期間が重複するように設定されることが好ましい。
一実施形態において、ユーザは、子機204の電源プラグ210を、特定のコンセントに挿入して、当該コンセントの出力電圧を測定する。この状態で、ユーザは、親機202を携帯して、他のコンセントの設置場所まで移動する。ユーザは、親機202の電源プラグ210を、上記の他のコンセントに挿入して、当該コンセントの出力電圧を測定する。同様にして、ユーザは、親機202を利用して、他の複数のコンセントの出力電圧を順番に測定する。この場合、子機204は、ユーザが、親機202を携帯して、次のコンセントの設置場所まで移動する間、電圧の測定を続けていてもよい。他の実施形態において、ユーザは、親機202を利用して、特定のコンセントの出力電圧を測定したまま、子機204を利用して、他の複数のコンセントの出力電圧を順番に測定してもよい。
タイマ230は、特定の時刻からの経過時間を測定する。上記の特定の時刻は、0時0分00秒であってもよく、親機202及び子機204の時刻合わせを行った時刻であってもよく、親機202が、電圧測定処理を開始するための指示を受け付けた時刻であってもよい。タイマ230の精度は、各コンセントにおける出力電圧の周波数に応じて決定される。タイマ230の精度は、1/100秒以下であることが好ましい。
親機202が、電圧測定処理を開始するための指示を受け付けた場合、電圧測定処理を開始する前に、親機202のタイマ230及び子機204のタイマ230の時刻合わせを行うための処理(時刻合わせ処理と称する場合がある。)が実行されてもよい。例えば、親機202の入力部240が、電圧測定処理を開始するための指示を受け付けると、親機202のタイマ230は、通信制御部260を介して、子機204のタイマ230に、時刻合わせ処理を開始するための指示を送信する。これにより、時刻合わせ処理を実行することができる。なお、親機202及び子機204の少なくとも一方は、電源がONになったときに、タイマ230の時刻合わせ処理を実行してもよい。
一実施形態において、時刻合わせ処理が実行されると、親機202及び子機204は、親機202及び子機204の一方のタイマ230の時刻を、他方のタイマ230の時刻に合わせる。他の実施形態において、親機202及び子機204は、親機202及び子機204のそれぞれのタイマ230の時刻を同一のタイミングで同一の時刻に設定する。
さらに他の実施形態において、親機202及び子機204のそれぞれのタイマ230は、電波時計を有する。時刻合わせ処理が実行されると、親機202及び子機204のそれぞれのタイマ230は、標準電波を受信して、各々の時刻を調整する。この場合、親機202及び子機204が標準電波を受信するタイミングが多少ずれたとしても、時刻合わせに影響はない。そのため、親機202及び子機204のそれぞれのタイマ230が標準電波を受信するタイミングは、同一であってもよく、同一でなくてもよい。
入力部240は、電源プラグ210が挿入されている電源取出口の識別情報を入力する。電源取出口の識別情報は、特に限定されるものではないが、当該電源取出口の設置場所を示す情報、当該電源取出口に割り当てられた番号などを例示することができる。入力部240としては、操作ボタン、キーボード、ポインティングシステム、タッチパネル、音声入力システムなどを例示することができる。
記憶部250は、電圧計220が測定した電圧の値と、当該電圧が測定された時刻とを対応付けて格納する。記憶部250は、電圧計220が測定した電圧の値と、当該電圧が測定された時刻と、当該電圧が測定された時に電源プラグ210が挿入されていた電源取出口の識別情報とを対応付けて格納してもよい。電圧が測定された時刻は、タイマ230により測定された時刻であってよい。
一実施形態において、記憶部250は、電圧計220が測定した電圧が最大値及び最小値を示す時刻について、当該時刻における電圧の値を記録してよい。他の実施形態において、予め定められた時間間隔で、電圧計220が測定した電圧を記録してもよい。
親機202の記憶部250は、時刻と、当該時刻に親機202の電圧計220により測定された電圧の値と、当該時刻に子機204の電圧計220により測定された時刻とを対応付けて格納してもよい。親機202の記憶部250は、時刻と、当該時刻に親機202の電圧計220により測定された電圧の値と、当該電圧が測定された時に親機202の電源プラグ210が挿入されていた電源取出口の識別情報と、当該時刻に子機204の電圧計220により測定された時刻と、当該電圧が測定された時に子機204の電源プラグ210が挿入されていた電源取出口の識別情報とを対応付けて格納してもよい。
通信制御部260は外部の機器との通信を制御する。通信制御部260は、各種の通信用インターフェース又は通信用コントローラであってよい。通信制御部260は複数の通信規格に対応していてもよい。一実施形態において、親機202及び子機204が、USB接続を介して情報を送受する場合、通信制御部260は、USBコントローラであってよい。親機202及び子機204は、直接接続されてもよく、通信ケーブルを介して接続されてもよい。例えば、親機202がUSB規格に準拠したレセプタクル・コネクタを有し、子機204がUSB規格に準拠したプラグ・コネクタ有する。これにより、親機202及び子機204を直接接続することができる。
なお、親機202及び子機204は、USB規格以外の有線通信規格により接続されてもよい。この場合、通信制御部260は、上記の有線通信規格をサポートするコントローラであってよい。USB規格以外の有線通信規格としては、RS−232C、Ethernet(登録商標)(IEEE 802.3)、IEEE 1394、電力線搬送通信用の各種規格などを例示することができる。
他の実施形態において、親機202及び子機204が、WiFi(登録商標)、Bluetooth(登録商標)、Zigbee(登録商標)、赤外線通信、可視光通信などの無線通信により情報を送受する場合、通信制御部260は、無線通信用のインターフェースであってよい。なお、無線通信の通信方式は上記に限定されるものではない。無線通信方式は、WiFi以外の無線LAN方式であってもよく、3G、LTEなどの移動体通信方式であってもよい。
子機情報取得部310は、通信制御部260を介して、子機204の電圧計220が測定した電圧に関する情報を取得する。一実施形態において、子機情報取得部310は、子機204から送信されてくる情報を受信することで、上記の電圧に関する情報を取得する。他の実施形態において、子機情報取得部310は、子機204の電圧計220又は記憶部250にアクセスして、上記の電圧に関する情報を取得する。
例えば、子機情報取得部310は、子機204の記憶部250にアクセスして、子機204の電圧計220により測定された電圧の値と、当該電圧が測定された時刻とが対応づけられた情報を取得する。子機情報取得部310は、子機204の記憶部250にアクセスして、子機204の電圧計220により測定された電圧の値と、当該電圧が測定された時刻と、当該電圧が測定された時に子機204の電源プラグ210が挿入されていた電源取出口(当該電圧を出力した電源取出口である。)の識別情報とが対応づけられた情報を取得してもよい。
判定部320は、位相の異なる配電線に接続された電源取出口の組み合わせを判定する。例えば、判定部320は、親機202の電圧計220が測定した電圧と、子機204の電圧計220が測定した電圧の位相差が、予め定められた値よりも大きいか否かを判定する。これにより、位相の異なる配電線に接続された電源取出口の組み合わせを判定することができる。判定部320は、子機情報取得部310が取得した情報と、親機202の記憶部250に格納された情報とに基づいて、親機202の電圧計220が測定した電圧と、子機204の電圧計220が測定した電圧の位相差が、予め定められた値よりも大きいか否かを判定してよい。
一実施形態において、判定部320は、まず、親機202が測定した電圧及び測定時刻の情報と、子機204が測定した電圧及び測定時刻の情報とを解析して、同一期間における、親機202が測定した電圧の情報と、子機204が測定した電圧の情報とを抽出する。次に、判定部320は、親機202により測定された電圧が略最大値を示す時刻を算出する。同様に、判定部320は、子機204により測定された電圧が略最大値を示す時刻を算出する。各電圧が略最大値を示す時刻は、略最大値を示す複数個のデータを用いて補正されてもよい。
例えば、正常に電力が供給されている場合、電圧は周期的に変動している。そこで、最小二乗法などの各種のフィッティング手法を利用して、親機202が測定した電圧が略最大値を示す複数の時刻のデータから、電圧変動の周期を算出する。そして、補正後の複数の時刻の間隔が、算出された電圧変動の周期と一致するように、上記の複数の時刻のデータを補正する。このとき、補正量の合計が最小となるように、複数の時刻のデータを補正してもよい。
次に、判定部320は、親機202により測定された電圧が略最大値を示す時刻と、当該時刻に最も近い子機204により測定された電圧が略最大値を示す時刻との時間差を算出する。上記の時間差が予め定められた値よりも大きい場合、親機202の電圧計220が測定した電圧と、子機204の電圧計220が測定した電圧の位相差が、予め定められた値よりも大きいと判定する。上記の時間差に関する予め定められた値は、例えば、各出力電圧の周波数に基づいて決定される。
なお、上記の実施形態においては、判定部320が、電圧が略最大値を示す時刻を算出する場合について説明した。しかしながら、判定部320は上記の実施形態に限定されない。判定部320は、電圧が略最小値を示す時刻を利用してもよい。判定部320は、電圧が略ゼロになる時刻を利用してもよい。ここで、略最大値とは、上記の期間における厳密な意味での最大値だけでなく、当該厳密な意味での最大値との誤差が予め定められた範囲である値をも含む。略最小値及び略ゼロについても同様である。
他の実施形態において、判定部320は、まず、親機202が測定した電圧及び測定時刻の情報と、子機204が測定した電圧及び測定時刻の情報とを解析して、同一期間における、親機202が測定した電圧の情報と、子機204が測定した電圧の情報とを抽出する。次に、判定部320は、データフィッティングにより、各電圧を正弦波又は余弦波の関数として表現する。判定部320は、得られた関数の位相に関する項を比較して、親機202の電圧計220が測定した電圧と、子機204の電圧計220が測定した電圧の位相差が、予め定められた値よりも大きいか否かを判定する。
さらに実施形態において、判定部320は、2つの信号間の位相差に応じた信号を出力する位相比較器(位相周波数比較器と称される場合もある。)を有する。例えば、判定部320は、親機202の電圧計220が測定した電圧を示す信号と、子機204の電圧計220が測定した電圧を示す信号とを生成し、位相比較器に入力する。位相比較器は、入力された2つの信号間の位相差に応じた電圧を出力する。判定部320は、位相比較器の出力電圧が予め定められた値よりも大きい場合、親機202の電圧計220が測定した電圧と、子機204の電圧計220が測定した電圧の位相差が、予め定められた値よりも大きいと判定する。
さらに他の実施形態において、親機202及び子機204の少なくとも一方が、複数の電源取出口の出力電圧を測定し、当該出力電圧の経時変化を示す情報と、当該出力電圧を出力した電源取出口の識別情報とを対応付けて記憶する。判定部320は、親機202及び子機204が出力電圧を測定した1以上の電源取出口のそれぞれについて、他の電源取出口との間の出力電圧の位相差が予め定められた値よりも大きいか否かを判定する。
例えば、ユーザは、親機202及び子機204を利用して、3以上の電源取出口の出力電圧の情報を取得する。この場合、判定部320は、親機202及び子機204が、同一期間に出力電圧を測定した複数の電源取出口の組み合わせのうち、少なくとも1つの組み合わせについて、両者の出力電圧の位相差が、予め定められた値よりも大きいか否かを判定してよい。
判定部320は、親機202及び子機204が、同一期間に出力電圧を測定した複数の電源取出口の全ての組み合わせについて、両者の出力電圧の位相差が、予め定められた値よりも大きいか否かを判定してもよい。判定部320は、予め定められた値よりも位相差の大きな電源取出口の組み合わせが見つかった時点で、他の組み合わせに関する判定処理を中止してもよい。
例えば、子機204が「居間」のコンセントの出力電圧を測定している期間に、親機202が「台所」及び「書斎」のコンセントの出力電圧を順番に測定した場合、一実施形態によれば、判定部320は、「居間」及び「台所」の各コンセントの位相差、並びに、「居間」及び「書斎」の各コンセントの位相差を判定する。他の実施形態によれば、判定部320は、まず、「居間」及び「台所」の各コンセントの位相差を判定する。両者の位相差が予め定められた値よりも大きい場合、「居間」及び「台所」の各コンセントは、位相の異なる配電線に接続されていると判定して、判定処理を終了する。一方、両者の位相差が予め定められた値よりも大きくない場合、判定処理を続行して、「居間」及び「書斎」の各コンセントの位相差を判定する。
表示部330は、判定部320による判定結果を出力する。表示部330は、特に限定されるものではなく、各種のディスプレイであってもよく、発光素子であってもよい。
判定結果の表示態様は、特に限定されない。一実施形態によれば、ディスプレイ上に、判定処理を行ったコンセントの組み合わせのそれぞれについて、判定結果を表示する。例えば、「居間−台所:OK」、「居間−書斎:NG」などと表示する。ここで、「OK」は、両者が位相の異なる配電線に接続されている、又は、位相差が予め定められた値よりも大きいことを示す。「NG」は、両者が位相の異なる配電線に接続されていない、又は、位相差が予め定められた値よりも大きくないことを示す。判定処理が途中で中止された場合、判定結果が存在しない旨を表示してもよい。
他の実施形態において、特定のコンセントの識別情報と、当該特定のコンセントが接続されている配電線とは位相の異なる配電線に接続されていると判断されたコンセントの識別情報とを表示してもよい。例えば、居間のコンセントが接続されている配電線とは位相の異なる配電線に接続されているコンセントの識別情報を示す場合、「居間:台所、書斎、洗面所」などと表示する。
さらに他の実施形態において、位相の異なる配電線に接続されていると判断されたコンセントの組み合わせを表示してもよい。さらに他の実施形態において、第1の配電線に接続されていると判断されたコンセントの識別情報と、第1の配電線とは位相の異なる第2の配電線に接続されていると判断されたコンセントの識別情報とを表示してもよい。例えば、「第1グループ:台所、居間、洗面所」、「第2グループ:書斎、玄関」などと表示する。
親機202及び子機204の各部は、ハードウエアにより実現されてもよく、ソフトウエアにより実現されてもよく、ハードウエアとソフトウエアとの組み合わせにより実現されてもよい。例えば、プログラムが実行されることにより、1又は複数のコンピュータが、親機202又は子機204の一部として機能する。親機202又は子機204の各部は、一般的な構成の情報処理装置において、親機202又は子機204の各部の動作を規定したソフトウエア又はプログラムを起動することにより実現されてよい。
上記のソフトウエア又はプログラムは、CD−ROM、DVD−ROM、メモリ、ハードディスクなどのコンピュータ読み取り可能な媒体に記憶されていてもよく、ネットワークに接続された記憶装置に記憶されていてもよい。ソフトウエア又はプログラムは、コンピュータ読み取り可能な媒体又はネットワークに接続された記憶装置から、親機202又は子機204のコンピュータにインストールされてよい。
コンピュータを、親機202又は子機204の各部として機能させるプログラムは、親機202又は子機204の各部の動作を規定したモジュールを備えてよい。これらのプログラム又はモジュールは、プロセッサ、通信インターフェース等に働きかけて、親機202又は子機204の各部として機能させたり、親機202又は子機204の各部における情報処理方法を実行させたりする。
これらのプログラムに記述された情報処理は、コンピュータに読込まれることにより、ソフトウエアと、親機202又は子機204のハードウエア資源とが協働した具体的手段として機能する。そして、これらの具体的手段によって、本実施形態におけるコンピュータの使用目的に応じた情報の演算又は加工を実現することにより、使用目的に応じた親機202又は子機204を構築することができる。
本実施形態において、親機202及び子機204が、記憶部250を有する場合について説明した。しかしながら、位相判定システム200は本実施形態に限定されない。他の実施形態において、子機204が、記憶部250を有しなくてもよい。この場合、通信制御部260は、例えば、無線通信用のインターフェース又はコントローラであり、子機204は、出力電圧の測定結果をリアルタイムで親機202に送信する。
本実施形態において、親機202及び子機204が、入力部240を有する場合について説明した。しかしながら、位相判定システム200は本実施形態に限定されない。他の実施形態において、親機202及び子機204の少なくとも一方が、入力部240を有しなくてもよい。
本実施形態において、親機202が、表示部330を有する場合について説明した。しかしながら、位相判定システム200は本実施形態に限定されない。他の実施形態において、親機202は、表示部330を有しなくてもよい。このとき、親機202は、判定結果を音声により出力してもよく、判定結果を格納したデータを出力してもよい。
本実施形態において、親機202及び子機204が、電源取出口に挿入される端子を有するプラグを備える場合について説明した。しかし、親機202及び子機204は、本実施形態に限定されない。他の実施形態において、電源取出口がプラグを有する場合、親機202及び子機204は、当該プラグの端子が挿入されるレセプタクルを備えてもよい。この場合、電圧計220は、レセプタクルに接続された電源取出口からの出力電圧を測定する。
本実施形態において、位相判定システム200が、同一の分電盤に接続された複数の配電線の何れかに接続されている複数のコンセントにおける、出力電圧の位相差を判定する場合について説明した。しかしながら、位相判定システム200の判定対象は、本実施形態に限定されない。他の実施形態において、位相判定システム200の判定対象は、異なる分電盤に接続された複数の配電線の何れかに接続されている複数のコンセントであってよい。なお、この場合、両者の位相差が180°ではない可能性がある。そのため、位相差に関する閾値を適切に設定することが好ましい。
図4は、データテーブル400の一例を概略的に示す。データテーブル400は、親機202又は子機204の記憶部250に記憶される情報の一例であってよい。本実施形態において、データテーブル400は、電圧計220により出力電圧を測定されたコンセントの設置場所402と、当該コンセントの出力電圧が測定された測定時刻404と、電圧計220により測定された出力電圧の電圧値406とを対応付けて格納する。コンセントの設置場所402は、電源取出口の識別情報の一例であってよい。
図5は、位相判定システム500のシステム構成の一例を概略的に示す。本実施形態において、位相判定システム500は、2台の子機204と、判定装置502とを備える点で、家庭内配電システム100と相違する。その他の点については、家庭内配電システム100と同様の構成を有してよい。なお、位相判定システム500は、3台以上の子機204を備えてもよい。
本実施形態において、判定装置502は、通信制御部260と、子機情報取得部310と、判定部320と、表示部330とを備える。子機204の一方は、第1電圧測定装置の一例であってよい。子機204の他方及び判定装置502を含むシステムは、第2電圧測定装置の一例であってよい。
本実施形態において、子機情報取得部310は、2台の子機204のそれぞれから、各電源取出口の出力電圧に関する情報を収集して、判定部320に送信する。判定部320は、例えば、2台の子機204の電圧計220が電圧を測定した複数の電源取出口の全ての組み合わせについて、両者の位相差が、予め定められた値よりも大きいか否かを判定する。判定装置502は、サーバ又はパーソナルコンピュータであってもよく、携帯端末であってもよい。携帯端末としては、タブレット型コンピュータ、スマートフォン、携帯電話、ウェアラブル端末などを例示することができる。
図6及び図7を用いて、電圧変換アダプタ600について説明する。図6は、電圧変換アダプタ600の外観の一例を概略的に示す。図7は、電圧変換アダプタ600のシステム構成の一例を概略的に示す。電圧変換アダプタ600は、交流電圧出力装置の一例であてよい。
本実施形態において、電圧変換アダプタ600が、位相の異なる単相100ボルトの電圧を出力する2つの電源プラグ(例えば、電源プラグ62及び電源プラグ64である。)と接続され、単相200ボルトの電圧を出力する場合を例として、電圧変換アダプタ600の詳細について説明する。電圧変換アダプタ600は、例えば、単相200ボルト用の電源プラグ(例えば、電源プラグ66である。)と接続され、単相200ボルトの電圧を出力する。電圧変換アダプタ600を利用することで、電磁誘導方式の変圧器を利用することなく、配電線から出力される電圧の大きさを変換することができる。
本実施形態において、電圧変換アダプタ600は、プラグ差込口612と、プラグ差込口614と、プラグ差込口616と、プラグ差込口620と、入力部630と、表示部640とを備える。入力部630は、例えば、スタートボタン632及び設定ボタン634を有する。
本実施形態において、電圧変換アダプタ600は、入力端子701、入力端子702、入力端子703、入力端子704、入力端子705、入力端子706及び入力端子707を備える。電圧変換アダプタ600は、出力端子711、出力端子712及び出力端子713を備える。
本実施形態において、入力端子701、入力端子702、入力端子703及び入力端子704から選択された2つの入力端子の一方が、出力端子711と電気的に接続される。上記の2つの入力端子の他方が、出力端子712と電気的に接続される。また、上記の4つの入力端子のうちの残りの2つの入力端子は、出力端子713と電気的に接続される。
本実施形態において、入力端子705は、出力端子711と電気的に接続される。入力端子706は、出力端子712と電気的に接続される。入力端子707は、出力端子713と電気的に接続される。電圧変換アダプタ600は、入力端子705及び入力端子706と、出力端子711及び出力端子712とを電気的に接続するか否かを決定するスイッチを備えてもよい。
電圧変換アダプタ600は、電圧計720と、制御部730と、4入力3出力スイッチ740とを備える。制御部730は、決定部732と、信号生成部734とを有する。4入力3出力スイッチ740は、入力端子として、端子751、端子752、端子753及び端子754を有する。4入力3出力スイッチ740は、出力端子として、端子761、端子762及び端子763を有する。端子751、端子752、端子753及び端子754のそれぞれは、入力端子701、入力端子702、入力端子703及び入力端子704のそれぞれと電気的に接続される。端子761、端子762及び端子763のそれぞれは、出力端子711、出力端子712及び出力端子713のそれぞれと電気的に接続される。電圧計720は、電圧測定部の一例であってよい。4入力3出力スイッチ740は、多入力多出力スイッチの一例であってよい。
プラグ差込口612は、電源プラグ62を保持する。電源プラグ62は、交流電圧を出力する一対の端子を有する。電源プラグ62は、例えば、ケーブルを介して電源取出口122と電気的に接続され、100ボルトの電圧を出力する。電源プラグ62は、第1接続器の一例であってよい。電源プラグ62の一対の端子は、第1端子及び第2端子の一例であってよい。電源プラグ62が出力する電圧は、第1交流電圧の一例であってよい。
プラグ差込口612は、入力端子701及び入力端子702を有する。入力端子701及入力端子702の一方は、電源プラグ62の一対の端子の一方と電気的に接続され、入力端子701及入力端子702の他方は、電源プラグ62の一対の端子の他方と電気的に接続される。入力端子701及び入力端子702は、第1入力端子及び第2入力端子の一例であってよい。
プラグ差込口614は、電源プラグ64を保持する。電源プラグ64は、交流電圧を出力する一対の端子を有する。電源プラグ64は、例えば、ケーブルを介して電源取出口132と電気的に接続され、100ボルトの電圧を出力する。電源プラグ64は、第2接続器の一例であってよい。電源プラグ64の一対の端子は、第3端子及び第4端子の一例であってよい。電源プラグ64が出力する電圧は、第2交流電圧の一例であってよい。
プラグ差込口614は、入力端子703及び入力端子704を有する。入力端子703及入力端子704の一方は、電源プラグ64の一対の端子の一方と電気的に接続され、入力端子703及入力端子704の他方は、電源プラグ64の一対の端子の他方と電気的に接続される。入力端子703及び入力端子704は、第3入力端子及び第4入力端子の一例であってよい。
プラグ差込口616は、電源プラグ66を保持する。電源プラグ66は、交流電圧を出力する一対の端子と、配電線110の中性線116に電気的に接続される接地端子とを有する。電源プラグ64は、例えば、ケーブルを介して電源取出口142と電気的に接続され、200ボルトの電圧を出力する。電源プラグ66は、第3接続器の一例であってよい。電源プラグ66の交流電圧を出力する一対の端子は、第5端子及び第6端子の一例であってよい。電源プラグ66が出力する電圧は、第3交流電圧の一例であってよい。
プラグ差込口616は、入力端子705、入力端子706及び入力端子707を有する。入力端子705及び入力端子706の一方は、電源プラグ66の交流電圧を出力する一対の端子の一方と電気的に接続される。入力端子705及び入力端子706の他方は、電源プラグ66の交流電圧を出力する一対の端子の他方と電気的に接続される。入力端子707は、電源プラグ66の接地端子と電気的に接続される。入力端子705及び入力端子706は、第5入力端子及び第6入力端子の一例であってよい。
プラグ差込口620は、交流電圧を出力する出力端子711及び出力端子712を有する。プラグ差込口620は、配電線110の中性線116に電気的に接続され、基準電位を出力する出力端子713を有してもよい。出力端子711及び出力端子712は、第1出力端子及び第2出力端子の一例であってよい。出力端子713は、第3出力端子の一例であってよい。
入力部630は、ユーザから、電圧変換アダプタ600の操作に関する指示を受け付ける。例えば、ユーザがスタートボタン632を押すと、電圧計720による計測を開始したり、制御部730による制御を開始したりする。また、ユーザは、設定ボタン634を利用して、電圧変換アダプタ600の操作に関する設定値又は条件を変更する。電圧変換アダプタ600の操作に関する設定値又は条件としては、出力電圧の許容範囲、表示部640に表示させる情報の種類などを例示することができる。入力部630の他の例としては、キーボード、ポインティングシステム、タッチパネル、音声入力システムなどを例示することができる。
表示部640は、各種の情報を表示する。一実施形態において、表示部640は、決定部732による決定結果を表示してもよい。他の実施形態において、表示部640は、電圧計720による測定結果を表示する。例えば、電圧計720が、出力端子711及び出力端子712の間の電圧を測定している場合、表示部640は、測定された電圧の値を表示する。電圧計720が、入力端子701、入力端子702、入力端子703及び入力端子704のそれぞれの間の端子間電圧を測定している場合、表示部640は、4つの入力端子の中から2つの入力端子を選択した全ての組み合わせについて、その端子間電圧の値を表示してもよい。
表示部640は、入力端子701及び入力端子703、入力端子701及び入力端子704、入力端子702及び入力端子703、並びに、入力端子702及び入力端子704の4つの組み合わせについて、その端子間電圧の値を表示してもよい。表示部640は、入力端子701及び入力端子703、入力端子701及び入力端子704、並びに、入力端子702及び入力端子703の3つの組み合わせについて、その端子間電圧の値を表示してもよい。
電圧計720は、各端子間の電圧を測定する。例えば、電圧計720は、(i)出力端子711及び出力端子712の間の電圧(電圧変換アダプタ600の出力電圧と称する場合がある。)、又は、(ii)入力端子701及び入力端子703の間の電圧、入力端子701及び入力端子704の間の電圧、並びに、入力端子702及び入力端子703の間の電圧を測定する。電圧計720は、上記の(i)及び(ii)の両方を測定してもよい。本実施形態において、電圧計720が上記の(i)及び(ii)の両方を測定する場合について説明する。しかしながら、電圧計720は本実施形態に限定されない。
制御部730は、電圧変換アダプタ600の各部を制御する。例えば、制御部730は、4入力3出力スイッチ740を制御する。制御部730は、電圧計720の測定結果に基づいて、出力端子711及び第2出力端子の間の電圧が予め定められた条件を満足するように、4入力3出力スイッチ740を制御してよい。
予め定められた条件は、電圧変換アダプタ600の出力電圧の最大値が、電源プラグ62の出力電圧又は電源プラグ64の出力電圧の最大値よりも大きいという条件を含んでよい。予め定められた条件の他の例としては、電圧変換アダプタ600の出力電圧の最大値が、電源プラグ62の出力電圧及び電源プラグ64の出力電圧の最大値よりも大きいという条件、電圧変換アダプタ600の出力電圧の最大値が特定の範囲内であるという条件、電圧変換アダプタ600の出力電圧の波形が正弦波又は余弦波であるという条件などを例示することができる。
決定部732は、例えば、入力端子701、入力端子702、入力端子703及び入力端子704の中から、出力端子711に接続される入力端子と、出力端子712に接続される入力端子とを決定する。決定部732は、さらに、出力端子713に接続される入力端子を決定してもよい。
信号生成部734は、決定部732の決定に従って4入力3出力スイッチ740を制御するための制御信号を生成する。信号生成部734は、生成された制御信号を4入力3出力スイッチ740に送信してよい。
[制御部730による制御の第1の例]
一実施形態において、電圧計720が、電圧変換アダプタ600の出力電圧を測定している場合、決定部732は、電圧計720により測定された出力電圧を監視しながら、出力端子711及び出力端子712のそれぞれに接続する入力端子を決定する。決定部732は、4入力3出力スイッチ740を制御して、出力端子711及び出力端子712の接続先を順番に切り替えながら、電圧計720により測定された電圧変換アダプタ600の出力電圧が、予め定められた条件を満足するような一対の入力端子を決定してよい。
例えば、プラグ差込口612に電源プラグ62が挿入され、プラグ差込口614に電源プラグ64が挿入された状態で、スタートボタン632が押下されると、決定部732は、まず、信号生成部734に対して、端子751及び端子761を接続し、端子754及び端子762を接続し、端子752及び端子753を端子763に接続するための制御信号を生成するように要求する。信号生成部734は、生成された制御信号を4入力3出力スイッチ740に送信する。4入力3出力スイッチ740は、制御信号に従って、入力側の4つの端子と、出力側の3つの端子の接続関係を切り替える。
次に、決定部732は、電圧計720から、電圧変換アダプタ600の出力電圧の測定結果を受け取る。決定部732は、電圧変換アダプタ600の出力電圧の測定結果が、上記の予め定められた条件を満足するか否かを判定する。予め定められた条件としては、出力電圧の最大値が195ボルト以上であるという条件、出力電圧の最大値が195ボルト以上205ボルト以下であるという条件などを例示することができる。
電圧変換アダプタ600の出力電圧の測定結果が、上記の予め定められた条件を満足する場合、決定部732は、入力端子701及び入力端子704が、出力端子711及び出力端子712に接続されることを決定する。その後、決定部732は、例えば、表示部640に決定処理が完了したことを表示して、処理を終了する。
一方、電圧変換アダプタ600の出力電圧の測定結果が、上記の予め定められた条件を満足しない場合、決定部732は、信号生成部734に対して、端子752及び端子761を接続し、端子754及び端子762を接続し、端子751及び端子753を端子763に接続するための制御信号を生成するように要求する。先ほどの場合と同様にして、決定部732は、電圧変換アダプタ600の出力電圧の測定結果が、上記の予め定められた条件を満足するか否かを判定する。
決定部732は、電圧変換アダプタ600の出力電圧の測定結果が、上記の予め定められた条件を満足するまで、上記の処理を繰り返す。このように、決定部732は、4入力3出力スイッチ740における接続関係の切り替え、出力電圧の測定及び測定結果の判定を繰り返すことで、入力端子701及び入力端子704が、出力端子711及び出力端子712に接続される一対の入力端子を決定することができる。
[制御部730による制御の第2の例]
他の実施形態において、電圧計720が、少なくとも、入力端子701及び入力端子703の間の電圧、入力端子701及び入力端子704の間の電圧、並びに、入力端子702及び入力端子703の間の電圧を測定している場合、決定部732は、電圧計720の測定結果に基づいて、電圧変換アダプタ600の出力電圧の測定結果が上記の予め定められた条件を満足するような、一対の入力端子を決定する。信号生成部734は、決定部732により決定された一対の入力端子の一方を出力端子711と接続し、上記の一対の入力端子の他方を出力端子712と接続するための制御信号を生成する。
例えば、決定部732は、入力端子701及び入力端子703の間の電圧、入力端子701及び入力端子704の間の電圧、並びに、入力端子702及び入力端子703の間の電圧のそれぞれについて、上記の電圧変換アダプタ600の出力電圧に関する条件を満足するか否かを判定する。上記の条件を満足する一対の入力端子が発見された場合、決定部732は、当該一対の入力端子と、出力端子711及び出力端子712とを接続することを決定する。一方、上記の条件を満足する一対の入力端子が発見されなかった場合、決定部732は、入力端子702及び入力端子704と、出力端子711及び出力端子712とを接続することを決定する。
他の実施形態において、決定部732は、入力端子701及び入力端子703の間の電圧、入力端子701及び入力端子704の間の電圧、入力端子702及び入力端子703の間の電圧、並びに、入力端子702及び入力端子703の間の電圧の中から、最も大きな電圧値を示す組み合わせを決定する。これにより、端子間電圧が最大となる一対の入力端子を決定することができる。決定部732は、上記の端子間電圧が最大となる一対の入力端子と、出力端子711及び出力端子712とを接続することを決定する。
4入力3出力スイッチ740は、入力端子701、入力端子702、入力端子703及び入力端子704と、出力端子711及び出力端子712との接続関係を切り替える。例えば、4入力3出力スイッチ740は、入力端子701、入力端子702、入力端子703及び入力端子704の中から選択された2つの端子の一方と、出力端子711とを電気的に接続する。また、選択された2つの端子の他方と、出力端子712とを電気的に接続する。4入力3出力スイッチ740は、選択されなかった2つの入力端子と、出力端子713とを電気的に接続してもよい。4入力3出力スイッチ740は、アナログスイッチであってもよく、半導体スイッチであってもよい。
本実施形態において、電圧変換アダプタ600にプラグ差込口(レセプタクルと称される場合がある。)が配され、当該プラグ差込口に、電源取出口と電気的に接続された電源プラグが挿入される場合について説明した。しかしながら、電圧変換アダプタ600は本実施形態に限定されない。他の実施形態において、電圧変換アダプタ600に電源プラグが配され、当該電源プラグが、ケーブルを介して電源取出口と電気的に接続されたプラグ差込口に挿入されてもよい。
本実施形態において、電圧変換アダプタ600が、入力部630及び表示部640を備える場合について説明した。しかしながら、電圧変換アダプタ600は本実施形態に限定されない。他の実施形態において、電圧変換アダプタ600が、入力部630及び表示部640の少なくとも一方を備えなくてもよい。電圧変換アダプタ600が、入力部630を備えない場合、制御部730は、プラグ差込口612及びプラグ差込口614に電源プラグが差し込まれたことを検知して、制御を開始してよい。制御部730は、電圧計720から取得した情報に基づいて、プラグ差込口612及びプラグ差込口614に電源プラグが差し込まれたことを検知してよい。
本実施形態において、4入力3出力スイッチ740が制御部730の制御信号にもとづいて、接続関係を切り替える場合について説明した。しかしながら、電圧変換アダプタ600は本実施形態に限定されない。他の実施形態において、電圧変換アダプタ600は、4入力3出力スイッチ740の代わりに、4入力2出力スイッチを備えてよい。例えば、4入力2出力スイッチは、入力端子701、入力端子702、入力端子703及び入力端子704の中から選択された2つの端子の一方と、出力端子711とを電気的に接続する。また、選択された2つの端子の他方と、出力端子712とを電気的に接続する。出力端子713は、選択されなかった2つの入力端子と電気的に接続されなくてもよい。
さらに他の実施形態において、4入力3出力スイッチ740は、手動式のスイッチであってもよい。この場合、ユーザは、表示部640に表示された情報を参考にして、4入力3出力スイッチ740の接続関係を切り替えてよい。なお、電圧変換アダプタ600は、入力部630、表示部640、電圧計720及び制御部730を備えなくてもよい。この場合であっても、ユーザは、4入力3出力スイッチ740のスイッチを複数回切り替えることにより、正しい接続関係を見つけることができる。しかしながら、電圧変換アダプタ600が、電圧計720、及び、電圧計720の測定結果を表示する表示部640を備えることにより、ユーザは、正しい接続関係を容易に見つけることができる。
図8は、4入力3出力スイッチ740のシステム構成の一例を概略的に示す。本実施形態において、4入力3出力スイッチ740は、2つの2入力2出力スイッチにより構成される。本実施形態において、4入力3出力スイッチ740は、四路スイッチ842と、四路スイッチ844とを備える。四路スイッチ842は、端子761と、端子751及び端子752の一方とを電気的に接続し、端子763と、端子751及び端子752の他方とを電気的に接続する。四路スイッチ844は、端子762と、端子753及び端子754の一方とを電気的に接続し、端子763と、端子753及び端子754の他方とを電気的に接続する。
図9は、4入力2出力スイッチ940のシステム構成の一例を概略的に示す。4入力2出力スイッチ940は、多入力多出力スイッチの一例であってよい。なお、図6及び図7においては、電圧変換アダプタ600が出力端子713を備える場合について説明した。しかしながら、電圧変換アダプタ600が4入力2出力スイッチ940を備える場合、電圧変換アダプタ600は出力端子713を備えなくてもよい。
本実施形態において、4入力2出力スイッチ940は、2つの2入力1出力スイッチにより構成される。本実施形態において、4入力2出力スイッチ940は、三路スイッチ942と、三路スイッチ944とを備える。三路スイッチ942は、端子761と、端子751及び端子752の一方とを電気的に接続する。三路スイッチ944は、端子762と、端子753及び端子754の一方とを電気的に接続する。
図10は、電圧変換アダプタ1000のシステム構成の一例を概略的に示す。電圧変換アダプタ1000は、4入力3出力スイッチ740を備えず、制御部1030が4入力3出力スイッチ740を制御しない点で、電圧変換アダプタ600と相違する。
電圧変換アダプタ1000は、入力端子701及び入力端子702を有するプラグ差込口1012が、電源プラグがプラグ差込口1012に挿入された状態で、電源プラグの一対の端子及びプラグ差込口1012の相対位置の変化を可能とするように構成されている点で、電圧変換アダプタ600と相違する。プラグ差込口1012は、電源プラグを摺動可能又は回転可能に保持してよい。
電圧変換アダプタ1000は、入力端子703及び入力端子704を有するプラグ差込口1014が、電源プラグがプラグ差込口1014に挿入された状態で、電源プラグの一対の端子及びプラグ差込口1014の相対位置の変化を可能とするように構成されている点で、電圧変換アダプタ600と相違する。プラグ差込口1012は、電源プラグを摺動可能又は回転可能に保持してよい。上記の相違点以外の点については、電圧変換アダプタ600と同様の構成を有してよい。
本実施形態において、入力端子701は、出力端子711と電気的に接続される。入力端子702は、出力端子713と電気的に接続される。入力端子703は、出力端子713と電気的に接続される。入力端子704は、出力端子712と電気的に接続される。本実施形態において、電圧計720は、入力端子701又は出力端子711と、入力端子704又は出力端子712との間の電圧を測定する。
例えば、電源プラグ62の特定の領域がプラグ差込口1012の第1の位置に配されるように、プラグ差込口1012が電源プラグ62を保持している場合、電源プラグ62の一対の端子の一方と入力端子701とが接続され、電源プラグ62の一対の端子の他方と入力端子702とが接続される。一方、電源プラグ62の特定の領域がプラグ差込口1012の第2の位置に配されるように、プラグ差込口1012が電源プラグ62を保持している場合、電源プラグ62の一対の端子の他方と入力端子701とが接続され、電源プラグ62の一対の端子の一方と入力端子702とが接続される。なお、第2の位置は、第1の位置とは異なる位置である。
同様に、電源プラグ64の特定の領域がプラグ差込口1014の第1の位置に配されるように、プラグ差込口1014が電源プラグ64を保持している場合、電源プラグ64の一対の端子の一方と入力端子704とが接続され、電源プラグ64の一対の端子の他方と入力端子703とが接続される。一方、電源プラグ64の特定の領域がプラグ差込口1014の第2の位置に配されるように、プラグ差込口1014が電源プラグ64を保持している場合、電源プラグ64の一対の端子の他方と入力端子704とが接続され、電源プラグ62の一対の端子の一方と入力端子703とが接続される。なお、第2の位置は、第1の位置とは異なる位置である。
図11は、プラグ差込口1012の外観の一例を概略的に示す。なお、プラグ差込口1014は、プラグ差込口1012と同様の構造を有してもよい。本実施形態において、プラグ差込口1012は、カバー1130を有する。カバー1130には、ドーナツ状の開口1132が形成されている。プラグ差込口1012は、開口1132の内部に、プラグ保持部1101、プラグ保持部1102、プラグ保持部1121及びプラグ保持部1122を有する。
プラグ保持部1101及びプラグ保持部1121は、電源プラグ62の端子1162を保持する。プラグ保持部1101及びプラグ保持部1121は、刃受けばねの一部を構成してよい。プラグ保持部1101及びプラグ保持部1121の少なくとも一方は、導電性材料により構成されて入力端子701として機能してもよく、入力端子701として機能する導電性の部材を保持していてもよい。
プラグ保持部1102及びプラグ保持部1122は、電源プラグ62の端子1164を保持する。プラグ保持部1102及びプラグ保持部1122は、刃受けばねの一部を構成してよい。プラグ保持部1102及びプラグ保持部1122の少なくとも一方は、導電性材料により構成されて入力端子702として機能してもよく、入力端子702として機能する導電性の部材を保持していてもよい。
これにより、電源プラグ62の端子1162及び端子1164が開口1132に挿入された状態で、電源プラグ62を回転させることができる。例えば、電源プラグ62に付されたマーク1186が、カバー1130に付されたマーク1182と対向する位置に配されている場合、電源プラグ62の端子1162は、入力端子701に相当する部材(例えば、プラグ保持部1101及びプラグ保持部1121の少なくとも一方)に接続される。
一方、電源プラグ62に付されたマーク1186が、カバー1130に付されたマーク1184と対向する位置に配されている場合、電源プラグ62の端子1162は、入力端子702に相当する部材(例えば、プラグ保持部1102及びプラグ保持部1122の少なくとも一方である。)接続される。マーク1186は、電源プラグ62の特定の領域の一例であってよい。マーク1182は、プラグ差込口1012の第1の位置の一例であってよい。マーク1184は、プラグ差込口1012の第2の位置の一例であってよい。
図12は、プラグ差込口1212の外観の一例を概略的に示す。なお、プラグ差込口1014は、プラグ差込口1212と同様の構造を有してもよい。本実施形態において、プラグ差込口1212は、電源プラグ62を90度回転させることで、端子1162及び端子1164と、入力端子701及び入力端子702との接続関係を切り替える点で、プラグ差込口1012と相違する。それ以外の点については、プラグ差込口1012と同様の構成を有してよい。
本実施形態において、カバー1130には、90度の円弧上の開口1232及び開口1234が形成されている。プラグ差込口1212は、開口1232の内部に、プラグ保持部1101、プラグ保持部1121、プラグ保持部1202及びプラグ保持部1222を有する。プラグ差込口1212は、開口1234の内部に、プラグ保持部1102、プラグ保持部1122、プラグ保持部1201及びプラグ保持部1221を有する。
本実施形態において、プラグ保持部1201及びプラグ保持部1221は、プラグ保持部1101及びプラグ保持部1121と同様の構成を有してよく、入力端子701として機能する。プラグ保持部1202及びプラグ保持部1222は、プラグ保持部1102及びプラグ保持部1122と同様の構成を有してよく、入力端子702として機能する。
図13は、プラグ差込口1312の外観の一例を概略的に示す。なお、プラグ差込口1014は、プラグ差込口1312と同様の構造を有してもよい。本実施形態において、プラグ差込口1312は、電源プラグ62をスライドさせることで、端子1162及び端子1164と、入力端子701及び入力端子702との接続関係を切り替える点で、プラグ差込口1012及びプラグ差込口1212と相違する。それ以外の点については、プラグ差込口1012又はプラグ差込口1212と同様の構成を有してよい。
本実施形態において、カバー1130には、長方形の開口1332及び開口1334が形成されている。プラグ差込口1312は、開口1332の内部に、プラグ保持部1101、プラグ保持部1121、プラグ保持部1302及びプラグ保持部1322を有する。プラグ差込口1312は、開口1334の内部に、プラグ保持部1102、プラグ保持部1122、プラグ保持部1301及びプラグ保持部1321を有する。
プラグ保持部1301及びプラグ保持部1321は、プラグ保持部1101又はプラグ保持部1121と同様の構成を有してよく、入力端子701として機能する。プラグ保持部1302及びプラグ保持部1322は、プラグ保持部1102又はプラグ保持部1122と同様の構成を有してよく、入力端子702として機能する。
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。また、技術的に矛盾しない範囲において、特定の実施形態について説明した事項を、他の実施形態に適用することができる。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
特許請求の範囲、明細書、および図面中において示した装置、システム、プログラム、および方法における動作、手順、ステップ、および段階等の各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」等と明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、および図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」等を用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。
また、本明細書には、下記の事項が開示されている。
[項目1]
電源取出口と接続される一対の端子を有する第1接続部、
上記第1接続部が接続されている電源取出口から出力される電圧を、少なくとも予め定められた期間に渡って測定する第1電圧測定部、及び、
外部の機器との通信を制御する第1通信制御部、
を有する第1電圧測定装置と、
電源取出口と接続される一対の端子を有する第2接続部、
上記第2接続部が接続されている電源取出口から出力される電圧を、少なくとも予め定められた期間に渡って測定する第2電圧測定部、
外部の機器との通信を制御する第2通信制御部、
上記第1通信制御部及び上記第2通信制御部を介して、上記第1電圧測定部が測定した電圧を取得する取得部、及び、
上記第1電圧測定部が測定した電圧、及び、上記第2電圧測定部が測定した電圧の位相差が予め定められた値よりも大きいか否かを判定する判定部、
を有する第2電圧測定装置と、
を備えた、判定システム。
[項目2]
上記第1電圧測定装置は、上記第1電圧測定部が測定した電圧の値と、当該電圧が測定された時刻とを対応付けて格納する第1格納部をさらに有し、
上記第2電圧測定装置は、上記第2電圧測定部が測定した電圧の値と、当該電圧が測定された時刻とを対応付けて格納する第2格納部をさらに有し、
上記取得部は、上記第1格納部に格納された、上記電圧の値及び上記時刻が対応付けられた情報を取得し、
上記判定部は、上記取得部が取得した情報と、上記第2格納部に格納された、上記電圧の値及び上記時刻が対応づけられた情報とに基づいて、上記第1電圧測定部が測定した電圧、及び、上記第2電圧測定部が測定した電圧の位相差が予め定められた値よりも大きいか否かを判定する、
項目1に記載の判定システム。
[項目3]
上記第1電圧測定装置は、上記第1接続部が接続されている電源取出口の識別情報を入力する入力部をさらに有し、
上記第1格納部は、上記第1電圧測定部が測定した電圧の値と、当該電圧が測定された時刻と、当該電圧が測定された時に上記第1接続部が接続されていた電源取出口の識別情報とを対応付けて格納し、
上記取得部は、上記第1格納部に格納された、上記電圧の値、上記時刻及び上記識別情報が対応付けられた情報を取得し、
上記判定部は、上記取得部が取得した情報に含まれる1以上の上記識別情報により識別される1以上の電源取出口のそれぞれについて、他の電源取出口との間の出力電圧の位相差が予め定められた値よりも大きいか否かを判定する、
項目2に記載の判定システム。
[項目4]
上記第2電圧測定装置は、上記第2接続部が接続されている電源取出口の識別情報を入力する入力部をさらに有し、
上記第2格納部は、上記第2電圧測定部が測定した電圧の値と、当該電圧が測定された時刻と、当該電圧が測定された時に上記第2接続部が接続されていた電源取出口の識別情報とを対応付けて格納し、
上記判定部は、上記第2格納部に格納された情報に含まれる1以上の上記識別情報により識別される1以上の電源取出口のそれぞれについて、上記第1電圧測定部が測定した電圧、及び、上記第2電圧測定部が測定した電圧の位相差が予め定められた値よりも大きいか否かを判定する、
項目2に記載の判定システム。
[項目5]
上記第2電圧測定装置は、上記判定部による判定結果を出力する出力部をさらに有する、
項目1から項目4までの何れか一項に記載の判定システム。
[項目6]
上記第1電圧測定装置は、時刻を測定する第1時刻測定部をさらに有し、
上記第2電圧測定装置は、時刻を測定する第2時刻測定部をさらに有し、
上記第1時刻測定部及び上記第2時刻測定部は、上記第1電圧測定部及び上記第2電圧測定部が測定を開始する前に、時刻合わせ処理を実行する、
項目1から項目5までの何れか一項に記載の判定システム。
[項目7]
電源取出口と接続される一対の端子を有する電源接続部と、
上記電源接続部が接続されている電源取出口から出力される電圧を測定する電圧測定部と、
上記電圧測定部が測定した電圧の値と、当該電圧が測定された時刻とを対応付けて格納する格納部と、
上記電源接続部、上記電圧測定部及び上記格納部を収容する筐体と、
を備えた、
電圧測定装置。