JP2017041241A - 設計支援装置および設計支援方法 - Google Patents

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直樹 尾崎
Naoki Ozaki
直樹 尾崎
英彦 上村
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英彦 上村
勝士 津之浦
Katsushi Tsunoura
勝士 津之浦
卓 迫田
Suguru Sakota
卓 迫田
直人 菖蒲谷
Naoto Shobuya
直人 菖蒲谷
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Abstract

【課題】CAD上でボディや部品を組み合わせて設計するにあたり、ボディや部品間の干渉や隙間のレベルを容易に確認できる設計支援装置と設計支援方法を提供する。
【解決手段】データベース200から3次元データを読み込む3次元データ読込部111、3次元データの2つの部品モデル2、3の外形表示部4、5に板厚表示部6、7を付加する板厚表示付加部112、外形表示部4、5と板厚表示部6、7を多数の微小三角形要素8に分割する要素分割部113、投影元SPの頂点9と投影点TPの点10間を隙間量または干渉量として測定する投影距離測定部115、両点9、10間の隙間量または干渉量に相当する色情報を点9、10に付加する色情報付加部117、色情報が付加された図を出力する断面図出力部119を備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、車両モデル等の設計作業を支援するための支援装置および支援方法に関する。
一般に車両モデルの設計は3次元CADを用いて行われる。CAD上で車両モデルのボディや部品を組み合わせるにあたっては、ボディや部品の板厚を考慮して部品間の干渉あるいは隙間のレベルを確認する必要があり、設計従事者は3次元CADで作成した3次元モデルから多数の断面図を作成し、作成した断面図毎に板厚表示線を描いて上記確認作業を行っている。断面図の作成および板厚表示線の描写は1つずつ手作業で行う場合が多く、作成する断面の数も膨大にのぼることから、設計者の負担が非常に大きいという課題があった。
従来より、車両用ボディの設計支援装置および方法として、ヒンジセンターを中心に回転する部材(例えばフード)と別部材(例えばフェンダー)との間で干渉の有無を判定するようにした装置および方法が知られている(特許文献1参照)。当該装置および方法によれば、干渉の有無の判定を短時間で行えるとされている。
特開2009−295024号公報
しかしながら、上記特許文献1の装置および方法は、回転する部材と別部材間でかじり接触するかどうかで干渉の有無を判定するものであり、隙間のレベル(狭過ぎないかどうか)の確認作業は従来同様、多数の断面図をもとにした設計者の手作業に頼らざるを得なかった。例えば実際問題として、部品の板金間の隙間が狭すぎると、走行時のボディのねじれで異音が発生する原因となったり、隙間に侵入した水分が内部に滞留して内部に錆が発生する原因になったりする。このため、隙間のレベルの確認は干渉の有無と並び設計者にとり欠かせない作業となっている。
本発明は上記課題に鑑みてなされたもので、CAD上でボディや部品を組み合わせて設計するにあたり、ボディや部品間の干渉や隙間のレベルを容易に確認できる設計支援装置と設計支援方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明に係る設計支援装置は、
データベースから、複数の部品モデルを含む3次元データを読み込む3次元データ読込手段と、
読み込まれた3次元データのうち、測定対象となる2つの部品モデルの外形表示部に対し、板厚情報に基づき、板厚方向で板厚に相当する距離だけ離れた位置に板厚表示部を生成する板厚表示部生成手段と、
一方の部品モデルの一の表示部を多数の微小三角形要素に分割する要素分割手段と、
一方の部品モデルの一の表示部上の、微小三角形要素群の各頂点を投影元として、各頂点から他方の部品モデルの一の表示部に向けてそれぞれ投影し、各頂点から最短距離となる表示部上の投影点までの距離を測定する投影距離測定手段と、
測定された投影距離に対応する色情報を、投影元の頂点または/および投影点に付加する色情報付加手段と、
色情報が付加された2つの部品モデルを含む3次元データから、色情報が付加された図を出力する図出力手段を備える、ことを第1の特徴とする。
ここで上記の部品モデルは、物体モデルにおけるボディモデルを含む概念として用いられる。また、一の表示部は外形表示部または板厚表示部を意味し、2つの部品モデル間において、一方の部品モデルの外形表示部を投影元として他方の部品モデルの板厚表示部または外形表示部に投影する場合、一方の部品モデルの板厚表示部を投影元として他方の部品モデルの外形表示部または板厚表示部に投影する場合が含まれる。
本発明に係る設計支援装置は、
前記要素分割手段が、他方の部品モデルの一の表示部を多数の微小三角形要素に分割し、
前記投影距離測定手段が、一方の部品モデルの一の表示部上の、微小三角形要素群の各頂点を投影元として、各頂点から他方の部品モデルの一の表示部上の、微小三角要素群の各頂点に向けて投影し、投影元の頂点から最短距離となる表示部上の頂点を投影点に選択することを第2の特徴とする。
本発明に係る設計支援装置は、
前記色情報付加手段が、測定された投影距離の距離レベルに対応して異なる色情報を投影元の頂点または投影点に付加することを第3の特徴とする。
本発明に係る設計支援装置は、
前記一方の部品モデルと他方の部品モデル間において、投影元の頂点にあわせて干渉の有無を判定する干渉判定手段を備えることを第4の特徴とする。
本発明に係る設計支援装置は、
前記色情報付加手段が、前記干渉判定手段により干渉と判定された投影元の頂点または投影点に対し、干渉を示す色情報を付加することを第5の特徴とする。
本発明に係る設計支援装置は、
前記干渉判定手段が、前記一方の部品モデルと他方の部品モデル間において、一方の部品モデルの頂点からの投影方向と投影元の頂点に定義される法線ベクトルを比較し、両者の向きが同じである場合は隙間と判定し、両者の向きが反対である場合は干渉と判定することを第6の特徴とする。
本発明に係る設計支援装置は、
前記一方の部品モデルの頂点からの投影方向を当該部品モデルの板厚方向とは反対の表方向に限定し、
前記干渉判定手段が、前記一方の部品モデルと他方の部品モデル間において、一方の部品モデルの頂点からの投影方向と、他方の部品モデルの投影点に定義される法線ベクトルを比較し、両者の向きが同じである場合は干渉と判定し、両者の向きが反対である場合は隙間と判定することを第7の特徴とする。
本発明に係る設計支援装置は、
前記2つの部品モデルを複数の測定領域ブロックに分割する測定領域分割手段を備え、当該測定領域分割手段によって分割された測定領域ブロックごとに、前記投影距離測定手段が、前記一方の部品モデルの測定領域ブロック内の各頂点を投影元として、各頂点から他方の部品モデルの同一測定領域ブロック内で最短距離となる投影点までの距離を測定することを第8の特徴とする。
本発明に係る設計支援方法は、
データベースから複数の部品モデルを含む3次元データを読み込むステップと、
読み込まれた3次元データのうち、測定対象となる2つの部品モデルの外形表示部に対し、板厚情報に基づき、板厚に相当する距離だけ離れた位置に板厚表示部を生成するステップと、
一方の部品モデルの一の表示部を多数の微小三角形要素に分割するステップと、
一方の部品モデルの一の表示部上の、微小三角形要素群の各頂点を投影元として、各頂点から他方の部品モデルの一の表示部に向けてそれぞれ投影し、各頂点から最短距離となる表示部上の投影点までの距離を隙間量または干渉量として測定するステップと、
測定された両点間の隙間量または干渉量に対応する色情報を、投影元の頂点または投影点に付加するステップと、
色情報が付加された2つの部品モデルを含む3次元データから、色情報が付加された図を出力するステップを備える、ことを特徴とする。
以上説明したように、本発明によれば、設計者は、CAD上でボディや部品を組み合わせて設計するにあたり、従来のように大量の断面図を作成して部品間の隙間レベルと干渉を確認するという手間が大幅に省け、設計工数や時間の大幅短縮、さらには設計見直しの削減を図ることができるという優れた効果を奏する。
本発明に係る設計支援装置を含むシステム全体構成図、 2つの部品モデルの例を示す図、 図2に示す2つの部品モデルの外形表示部に板厚表示部を付与した状態を示す要部側面図、 2つの部品モデルの一部を示すもので、外形表示部と板厚表示部を多数の微小三角要素に分割した状態を示す斜視図、 一つの微小三角要素からより小さい微小三角要素に分割する方法を示す説明図、 図2に示す2つの部品モデルを省略した部品モデルにおいて、微小三角要素群の各頂点に定義された法線ベクトルとその向きを説明する図、 (A)は2つの部品モデル間の隙間量を測定する方法、(B)は2つの部品モデル間の干渉の判定方法と干渉量を測定する方法を説明する図、 図4に示す2つの部品モデル間の距離を測定する様子を示す説明図、 干渉領域をもつ2つの部品モデル間の距離を測定する様子を示す説明図、 2つの部品モデル間の干渉の判定方法を示す説明図、 2つの部品モデルを複数の測定領域ブロックに分割した様子を示す説明図、 図8の測定結果に従い色情報を付加した例を示す説明図、 図9の測定結果に従い色情報を付加した例を示す説明図、 出力図の例を示す図、 本発明に係る設計支援方法の実施手順を示すフロー図、 本発明に係る設計支援方法を実施するための初期画面を示す図である。
本発明を実施するための一実施形態を、図面を参照しながら説明する。図1において、符号100は本発明に係る設計支援装置を示している。
まず、設計支援装置100について説明する。本実施形態において、図1に示すように、設計支援装置100は、3次元データ読込部111と、板厚表示部付加部112と、要素分割部113と、投影距離測定部114と、干渉判定部115と、測定領域分割部116と、色情報付加部117と、断面モデル生成部118と、断面図出力部119と、入出力部120と、演算処理部121を備えている。また、設計支援装置100は、設計データベース200と、入力装置300と、出力装置400に対し、ネットワーク回線500で接続されている。
設計データベース200は、3次元形状データベース210と、部品情報データベース220と、設計プログラムデータベース230を備えている。3次元形状データベース210は、車両モデルを構成する3次元データとしてボディモデルを含む部品モデル(ドア、ピラー、サイドメンバー等)が、サーフェスモデル、ソリッドモデル等の形式で格納されている。部品情報データベース220は、ボディモデルを含む各部品モデルの属性に関する情報が格納されている。設計プログラムデータベース230は、車両モデル設計用の設計プログラム、本発明を実行するための設計支援プログラムを含む各種ソフトが格納されている。
設計支援装置100のうち、3次元データ読込部111は、入力装置300、例えばキーボードからの操作により、設計データベース200の3次元形状データベース210から、ボディモデルを含む部品モデルの3次元データを設計支援装置100内に読み込むようになっている。読み込まれた3次元データは演算処理部120のメモリーに保存される。図2に3次元データの例を示す。図2に示す3次元データ1は、複数の部品モデル2、3(例えばインナー側ピラーとアウター側ピラー)から構成され、各部品モデル2、3は外形表示部4、5を備えている。
板厚表示部付加部112は、読み込まれた3次元データに対し、入力装置300、例えばキーボードからの操作により、部品情報データベース220から各部品モデルに対応する板厚情報を読み込み、読み込んだ板厚情報に従って生成した板厚表示部を各部品モデルに付加する。具体的には、図2および図3を参照して、読み込まれた3次元データ1の部品モデル2、3に対し、部品モデル2、3の外形表示部4、5に対し、板厚方向に板厚dに相当する距離だけ離れた位置に板厚表示部6、7を生成する。板厚方向は外形表示部4、5の表(おもて)側から裏側を向く方向(図2および図3の上側から下側を向く方向)に定義される。
要素分割部113は、板厚表示部が付加された後の各部品モデルについて、各部品モデルの外形表示部と板厚表示部をそれぞれ多数の微小三角要素に分割する。図4は各部品モデル2、3(図では各部品モデルの一部を示している)の外形表示部4、5および板厚表示部6、7がそれぞれ多数の微小三角要素(正三角形要素)8に分割された状態を示している。外形表示部4、5および板厚表示部6、7には微小三角要素8の頂点9が多数存在する。微小三角要素8の各辺の長さは一定値(例えば5mm)以下に設定され、図5に示すように、微小三角要素8の各辺の長さLが設定値(例えば5mm)を超えるときは、各辺の長さLが設定値(例えば5mm)以下になるまで分割が繰り返される。
投影距離測定部114は、2つの部品モデル間において、一方の部品モデルの投影元となる各頂点9、すなわち一方の部品モデルの外形表示部上の各頂点9を投影元とし、各頂点9から投影先となる他方の部品モデル、すなわち他方の部品モデルの板厚表示部上に向けて法線方向(表側)および反対方向(裏側)にそれぞれ投影し、各頂点9から最短距離となる点(投影点)までの距離を、頂点9ごとに測定する。
干渉判定部115は、2つの部品モデル間、すなわち2つの部品モデルの相対する外形表示部と板厚表示部間に干渉箇所があるか否か、すなわち投影元の頂点9ごとに隙間か干渉かを判定する。干渉箇所を判定するにあたっては、投影元の部品モデルの頂点9がそれぞれ持つ法線ベクトルの向きを利用する。干渉箇所の具体的な判定方法は後述する。
図6に部品モデル2、3を簡略した部品モデルM、Nを示す。部品モデルMの外形表示部4と板厚表示部6の各頂点9はそれぞれが表(おもて)方向を向くように定義された法線ベクトルVを備えている。同様に部品モデルNの外形表示部5と板厚表示部7の各頂点9はそれぞれが表(おもて)方向を向くように定義された法線ベクトルVを備えている。まず、2つの部品モデルM、N間の距離を測定するには、図7(A)に示すように、部品モデルMの外形表示部4上の頂点9を投影元SPとして、部品モデルNに向けて投影し、投影元SPの頂点9から最短距離にある点(板厚表示部7上の点)10を投影点TPとして選択し、両点9、10間の距離を測定する。当該距離の測定は投影距離測定部114が行う。
そして、図7(A)に示すように、投影線TLの向きと投影元SPである頂点9の法線ベクトルVの向きを比較し、両者の向きが同じである場合(双方のなす角度が90度以下である場合)は隙間と判定し、測定距離を隙間量として扱う。一方、図7(B)に示すように、投影線TLの向きと法線ベクトルVの向きを比較し、両者の向きが互いに反対である場合(双方のなす角度が90度超、180度以下である場合)は、干渉と判定し、測定距離を干渉量として扱う。当該判定は干渉判定部115が行う。
以上の測定方法および干渉判定方法に従い、投影距離測定部114は、2つの部品モデル2、3間の距離を投影元SPとなる頂点9ごとに測定する。具体的には、図8に示すように、部品モデル2の外形表示部4上の各頂点9を投影元SPとして、部品モデル3に向けて投影し、最短距離となる板厚表示部7上の点10を投影点TPに選択して、両点9、10間の距離を測定する。また、干渉判定部115が、投影元SPの頂点9からの投影線TLの向きが投影元SPの頂点9の持つ法線ベクトルの向きと同じ向きである場合、隙間と判定し、測定距離を隙間量として扱う。投影元SPの頂点9から最短距離となる板厚表示部7上の点10(投影点TP)は、頂点9が持つベクトル方向に最短距離となる板厚表示部7上の座標(X,Y,Z)により特定される。
一方、図9に示すように、部品モデル2の外形表示部4上の頂点9から部品モデル3の板厚表示部7に向けて投影された方向が、投影元SPの頂点9の持つ法線ベクトルと反対となる場合、干渉判定部115が、干渉と判定し(干渉領域にある頂点9を干渉点KPと認定する)、干渉点KPと認定した頂点9と部品モデル3の板厚表示部7上の点10(投影点TP)間の測定距離を干渉量として扱う。
干渉判定部115は、部品モデル2の外形表示部4上の頂点9からの投影方向を、部品モデル2の表方向(板厚方向と反対方向)に限定し、投影先の部品モデル3の頂点9がもつ法線ベクトルの向きを利用して干渉の有無を判定することができる。図10(A)に示すように、部品モデル2、3において、干渉量が板厚の半分を超える場合は、投影線TLの向きを限定しない場合、部品モデル2の外形表示部4上の頂点9からの投影線TLが、部品モデル3の板厚表示部7上ではなく、最短距離となる外形表示部6上の点10を投影点TPとして選択する場合がある。かかる場合は、投影線TLの向きが部品モデル2の頂点9が持つ法線ベクトルの向きと同じ方向になるため、隙間と判定されてしまう。
そこで、図10(B)に示すように、投影線TLの向きを部品モデル2の表方向(板厚方向と反対方向)に限定し、投影線TLの向きと、投影点TPとして選択された部品モデル3の外形表示部6上の点10が持つ法線ベクトルを比較することにより、両者の向きが同じである場合は干渉と判定し、両者の向きが反対である場合は隙間と判定することができる。
測定領域分割部116は、読み込まれた3次元データに対し、入力装置300、例えばキーボードからの操作により、複数の測定領域ブロックを設定する。図11は各部品モデル2、3を複数(図示例は5個)の測定領域ブロックSB〜SBに分割した状態を示している。各部品モデル2、3を複数(図示例は5個)の測定領域ブロックSB〜SBに分割することにより、投影距離測定部114による投影点TPの選択と各頂点9からの投影点TPまでの距離測定を、測定領域ブロックSB〜SBごとに行う。これにより、投影距離測定部114による処理時間を大幅に短縮できる。なお、投影距離測定部114による処理は、測定領域ブロックSB〜SBごとに同時平行処理してよい。干渉判定部115による干渉領域の判定も、測定領域ブロックごとに行うことができる。なお、入力装置300からの操作により、複数の測定領域ブロックを設定しない場合、投影距離測定部114は、投影元の各頂点9について、投影先のすべての点から最短距離となる点を選択し、選択した投影点TPまでの距離を測定する。
なお、測定領域ブロックの設定にあたっては、隣接する測定領域ブロック間に重なり領域を設定することができる。例えば、2つの部品モデル2、3の外形表示部4と板厚表示部7において、形状が大きく変わる領域(例えば角部)に測定領域ブロックの境界が位置する場合は、当該領域に重なり領域を設定する。これにより、空き領域ができることによる検出漏れを無くすことができる。
色情報付加部117は、各部品モデルの投影元の頂点および投影点に距離レベルに対応する色情報を付加する。後述するように通常の出力図は板厚表示部が省略されるため、外形表示部のみ色情報を付加してよい。具体的には、2つの部品モデルの投影元となる頂点および投影点間の距離レベルとして複数の区分(両点間の距離をLとし、例えば区分A:干渉、区分B:L=0mm〜0.05mm、区分C:0.05mm<L<=0.5mm、区分D:0.5mm<L<=2.0mm、区分E:2.0mm<L<=3.0mm、区分F:3.0mm<L)が設定され、区分に応じて異なる色情報(上記例で、区分A:赤色、区分B:黄色、区分C:緑色、区分D:水色、区分E:青色、区分F:無色)を前記頂点および投影点に付与する。
図12は図8に対応する色情報の付加例、図13は図9に対応する色情報の付加例である。なお、上記区分の例において、区分Aは干渉領域、区分Bはベタ面領域(隙間なし)、区分C〜区分Eは隙間小領域、区分Fは隙間大領域とされる。
色情報付加部117は、干渉判定部115により、投影元SPの頂点9が干渉点KPと認定された場合、干渉点KPと認定された頂点9および投影点TPとなる点10に干渉を示す色情報として、隙間レベルを示す色情報と異なる色情報(上記例の赤色)を付加する。これにより、後述する出力図に表示される干渉を示す色情報により、設計者は干渉領域を一目で確認できる。
断面モデル生成部118は、色情報が付加された各部品モデルを含む3次元データから、色情報が付加された任意の頂点を通る断面モデルを生成する。生成された断面モデルには、図12および図13の外形表示線4および板厚表示部7に示すように各点に色情報が付加される。断面図出力部119は、生成された色情報付きの断面モデルから色情報付きの断面図を出力装置400に出力する。図14に出力された色情報付き断面図Dを示す。図14では明らかでないが、実際の出力図には断面図Dの部品2、3の各点に色情報がカラー表示される。出力装置400にはディスプレイやプリンター等が含まれる。
なお、入出力部120は外部装置との間でデータの入出力を行い、演算処理部121は3次元データ読込部111〜断面図出力部119が実行する際の演算処理を行う。
次に、上記設計支援装置100を用いて、車両モデルの設計図面について、部品モデル間の隙間と干渉のチェックを行う手順について、図15のフロー図等を参照しながら説明する。なお、以下に具体的に記述する条件や設定値は、本発明の実施の形態を説明するための一例であって、本発明はこれに限定されない。
(3次元データの読み込み)
まず、設計者が入力装置200からの操作により設計支援プログラムを開き、図16の初期画面G0上で形状データ読込ボタンB1をクリックし、3次元形状データベース210から、図2に示す複数の部品モデル2、3からなる3次元データ1を設計支援装置100の作業領域S内に読み込み、複製する(ステップS1)。
(板厚情報の入力)
次に、図16の初期画面G0上で板厚情報入力ボタンB2をクリックし、部品情報データベース220から各部品モデル2、3に対応する板厚情報を入力する(ステップS2)。
(測定領域ブロックの設定)
次に、図16の初期画面G0上で測定領域ブロック設定ボタンB3をクリックし、各部品モデル2、3に複数の測定領域ブロックを設定する(ステップS3)。なお、測定領域ブロックを設定しない場合は、ステップS3を省略する。
(処理の実行)
次に、図16の初期画面G0上で処理実行ボタンB4をクリックすると、入力された板厚情報に従い、板厚表示部付加部112が、図3に示すように、各部品モデル2、3の外形表示部4、5の板厚方向にそれぞれ板厚表示部6、7を付加する(ステップS4)。続いて、要素分割部113が、図4に示すように、各部品モデル2、3をそれぞれ多数の微小三角要素8に分割する(ステップS5)。続いて、測定領域分割部116が、各部品モデル2、3を複数(図示例は5個)の測定領域ブロックSB〜SBに分割する(ステップS6)。
次に、投影距離測定部114が、各部品モデル2、3間の距離(投影元SPの頂点9と投影点TPの点10間の距離)を測定領域ブロックSB〜SBごとに測定する(ステップS7)。合わせて、干渉判定部115が、投影元SPの頂点9ごとに隙間か干渉かを判定し(ステップS8)、隙間と判定したときは隙間量として扱い(ステップS9)、干渉と判定したときは干渉量として扱う(ステップS10)。
続いて、色情報付加部117が、図12および図13に示すように、各部品モデル2、3の各点に隙間量または干渉量に対応した色情報を付加する(ステップS11)。
次に、初期画面G0上で断面設定ボタンB5をクリックし、図示しない設定画面上で、各部品モデル2、3に対し任意の断面位置を設定し、設定情報の入力により、断面モデル生成部118が、各部品モデル2、3から断面モデルを生成する(ステップS12)。
続いて、初期画面G0上で図出力ボタンB6をクリックし、図示しない設定画面上で出力方法を設定し、設定情報の入力により、断面モデル生成部118により生成された断面モデルを、断面図出力部119が、図14に示すように、各部品モデル2、3の色情報付き断面図Dをディスプレイまたはプリンターに出力する(ステップS13)。なお、初期画面G0上の保存ボタンB6をクリックすると、各作業情報をメモリーや別データベースに保存できる。
設計者は、出力された色情報付き断面図Dから、断面図に表示される各部品モデル2、3間の隙間量が適正かどうか、狭過ぎる箇所があるかどうか、干渉領域があるか等について、色情報や色の違いにより、一目で認識することができ、設計図面の確認作業を大幅に短縮することができる。
上記実施形態では、部品モデル2、3間において、部品モデル2の外形表示部4上の各頂点9を投影元とし、部品モデル3の板厚表示部7を投影先としたが、これに限らない。部品モデル3の板厚表示部7上の各頂点9を投影元とし、部品モデル2の外形表示部4を投影先としてもよい。
上記実施形態では、2つの部品モデルの例を説明したが、部品モデルは2つに限らない。多数(3以上)の部品モデルの組み合わせについて、組み合わせ可能なすべての2つの部品モデル間の隙間量、干渉の有無と干渉量を測定可能である。
そして、本発明の設計支援装置を用いた設計支援方法を実行することにより、従来のように大量の断面図で確認作業を実施する手間が省け、設計時間の大幅な短縮を図ることができる。
以上の実施形態では、3次元データのモデルとして車両モデルを対象としたが、本発明の適用対象はこれに限らず、航空機、船舶、鉄道等の各モデルにも適用可能である。
本発明は、3次元データから出力される図面のボディを含む部品間の隙間レベルや干渉の有無を確認する作業に用いる設計支援装置として、また設計支援方法として利用可能である。
1 3次元データ
2,3 部品モデル
4,5 外形表示部
6,7 板厚表示部
8 三角形要素
9 頂点
10 点(投影点)
100 設計支援装置
111 3次元データ読込部
112 板厚表示部付加部
113 要素分割部
114 投影距離測定部
115 干渉判定部
116 測定領域分割部
117 色情報付加部
118 断面モデル生成部
119 断面図出力部
120 入出力部
121 演算処理部
200 設計データベース
210 3次元形状データベース
220 部品情報データベース
230 設計プログラムデータベース
300 入力装置
400 出力装置
500 ネットワーク回線
SP 投影元
TP 投影点
KP 干渉点
TL 投影線

Claims (9)

  1. データベースから、複数の部品モデルを含む3次元データを読み込む3次元データ読込手段と、
    読み込まれた3次元データのうち、測定対象となる2つの部品モデルの外形表示部に対し、板厚情報に基づき、板厚方向で板厚に相当する距離だけ離れた位置に板厚表示部を生成する板厚表示部生成手段と、
    一方の部品モデルの一の表示部を多数の微小三角形要素に分割する要素分割手段と、
    一方の部品モデルの一の表示部上の、微小三角形要素群の各頂点を投影元として、各頂点から他方の部品モデルの一の表示部に向けてそれぞれ投影し、各頂点から最短距離となる表示部上の投影点までの距離を測定する投影距離測定手段と、
    測定された両点間の距離に対応する色情報を、投影元の頂点または/および投影点に付加する色情報付加手段と、
    色情報が付加された2つの部品モデルを含む3次元データから、色情報が付加された図を出力する図出力手段を備えることを特徴とする設計支援装置。
  2. 前記要素分割手段が、他方の部品モデルの一の表示部を多数の微小三角形要素に分割し、
    前記投影距離測定手段が、一方の部品モデルの一の表示部上の、微小三角形要素群の各頂点を投影元として、各頂点から他方の部品モデルの一の表示部上の、微小三角要素群の各頂点に向けて投影し、投影元の頂点から最短距離となる表示部上の頂点を投影点に選択することを特徴とする、請求項1記載の設計支援装置。
  3. 前記色情報付加手段が、測定された投影距離の距離レベルに対応して異なる色情報を投影元の頂点または投影点に付加することを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の設計支援装置。
  4. 前記一方の部品モデルと他方の部品モデル間において、投影元の頂点にあわせて干渉の有無を判定する干渉判定手段を備えることを特徴とする、請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載の設計支援装置。
  5. 前記色情報付加手段が、前記干渉判定手段により干渉と判定された投影元の頂点または投影点に対し、干渉を示す色情報を付加することを特徴とする、請求項1ないし請求項4のいずれか一項に記載の設計支援装置。
  6. 前記干渉判定手段が、前記一方の部品モデルと他方の部品モデル間において、一方の部品モデルの頂点からの投影方向と投影元の頂点に定義される法線ベクトルを比較し、両者の向きが同じである場合は隙間と判定し、両者の向きが反対である場合は干渉と判定することを特徴とする、請求項1ないし請求項5のいずれか一項に記載の設計支援装置。
  7. 前記一方の部品モデルの頂点からの投影方向を当該部品モデルの板厚方向とは反対の表方向に限定し、
    前記干渉判定手段が、前記一方の部品モデルと他方の部品モデル間において、一方の部品モデルの頂点からの投影方向と、他方の部品モデルの投影点に定義される法線ベクトルを比較し、両者の向きが同じである場合は干渉と判定し、両者の向きが反対である場合は隙間と判定することを特徴とする、請求項1ないし請求項6のいずれか一項に記載の設計支援装置。
  8. 前記2つの部品モデルを複数の測定領域ブロックに分割する測定領域分割手段を備え、当該測定領域分割手段によって分割された測定領域ブロックごとに、前記投影距離測定手段が、前記一方の部品モデルの測定領域ブロック内の各頂点を投影元として、各頂点から他方の部品モデルの同一測定領域ブロック内で最短距離となる投影点までの距離を測定することを特徴とする、請求項1ないし請求項7のいずれか一項に記載の設計支援装置。
  9. データベースから複数の部品モデルを含む3次元データを読み込むステップと、
    読み込まれた3次元データのうち、測定対象となる2つの部品モデルの外形表示部に対し、板厚情報に基づき、板厚に相当する距離だけ離れた位置に板厚表示部を生成するステップと、
    一方の部品モデルの一の表示部を多数の微小三角形要素に分割するステップと、
    一方の部品モデルの一の表示部上の、微小三角形要素群の各頂点を投影元として、各頂点から他方の部品モデルの一の表示部に向けてそれぞれ投影し、各頂点から最短距離となる表示部上の投影点までの距離を隙間量または干渉量として測定するステップと、
    測定された両点間の隙間量または干渉量に対応する色情報を、投影元の頂点または投影点に付加するステップと、
    色情報が付加された2つの部品モデルを含む3次元データから、色情報が付加された図を出力するステップを備えることを特徴とする設計支援方法。
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