JP2017040019A - 液体柔軟剤組成物及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】粘度安定性や機能性カプセルの分散安定性に優れた液体柔軟剤組成物を提供する。
【解決手段】下記(A)〜(D):
(A)エステル基(−COO−)及び/又はアミド基(−NHCO−)で分断されていてもよい、炭素数10〜26の炭化水素基を分子内に1〜3個有するアミン化合物、その塩及びその4級化物からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物、
(B)無機塩、
(C)機能性カプセル、及び
(D)粘度付与剤
を含有し、
(B)成分に対する(A)成分の質量比[A/B]が、25〜240であり、
(D)成分に対する(A)成分の質量比[A/D]が、8〜100である
液体柔軟剤組成物の製造方法において、
(A)成分を含む油相混合物の最初の乳化を、(B)成分を溶解させた水相混合物を用いて行う。
【選択図】なし

Description

本発明は、液体柔軟剤組成物に関する。詳細には、本発明は、粘度安定性に優れた液体柔軟剤組成物及びその製造方法に関する。
近年、柔軟剤の機能として香りの持続性を求める消費者が増えており、それに対して様々な手段が採られている。その一つに、香料成分を内包したマイクロカプセルを液体柔軟剤へ配合する技術がある(特許文献1及び2)。
しかしながら、芯物質として香料成分を内包したマイクロカプセルを含有する液体柔軟剤において、マイクロカプセルに内包された成分の比重と液体柔軟剤の比重とが異なると、長期間保管後にマイクロカプセルが液体柔軟剤中で浮遊又は沈降し、マイクロカプセル自体が凝集、固化又は皮膜化する等の不具合が生じることが知られている。
この課題を解決する技術として、従来の製造方法に比べて格段に緩やかなせん断をかけて大きな会合体である液晶を形成し、次いで、高いせん断によって会合体の大きさを適当なものとしてチキソトロピーを発揮させ、最後に香料組成物を含むマイクロカプセルを添加する事で分散安定性に優れた液体柔軟剤組成物を得る技術がある(特許文献1)。
その他、液体柔軟剤組成物に関しては、特許文献3〜6に記載の技術が存在する。
特開2013−129922号公報 特開2012−87421号公報 特開2007−237050号公報 特開平2−68137号公報 特開2012−172283号公報 特開平11−81136号公報
本発明者は、特許文献1記載の技術について検討を重ねたところ、製造直後の液体柔軟剤組成物の粘度が経時的に大きく低下することを見いだした。更に、前記液体柔軟剤組成物の粘度が保管温度によって大きく変化することも見いだした。
これらの粘度変化は、液体柔軟剤組成物を使用する時期や環境によって、その使用性が低下することにつながるものであり、克服すべき課題として認識するに至った。
そこで、本発明は、経時的な粘度低下が抑制され、かつ、保管温度による粘度変化が小さく、使用性に優れた、機能性カプセル含有液体柔軟剤組成物を提供することを目的とする。
本発明者等は、上記の課題について鋭意検討したところ、特定のカチオン界面活性剤を含む油相混合物の最初の乳化を、無機塩を溶解させた水相混合物を用いて行い、更に、特定成分の配合比を特定範囲に設定すると、経時的な粘度低下が抑制され、保管温度による粘度変化が小さく、更に機能性カプセルの分散安定性に優れた、液体柔軟剤組成物が得られることを見出した。本発明は、この知見に基づいてなされたものである。
すなわち、本発明は、以下に関するものである。
1.下記(A)〜(D):
(A)エステル基(−COO−)及び/又はアミド基(−NHCO−)で分断されていてもよい、炭素数10〜26の炭化水素基を分子内に1〜3個有するアミン化合物、その塩及びその4級化物からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物、
(B)無機塩、
(C)機能性カプセル、及び
(D)粘度付与剤
を含有し、
(B)成分に対する(A)成分の質量比[A/B]が、25〜240であり、
(D)成分に対する(A)成分の質量比[A/D]が、8〜100である
液体柔軟剤組成物の製造方法であって、
(A)成分を含む油相混合物の最初の乳化を、(B)成分を溶解させた水相混合物を用いて行うことを特徴とする、製造方法。

2.前記最初の乳化を、前記水相混合物を前記油相混合物へ添加することにより行う、前記1に記載の製造方法。

3.前記水相混合物の全量を一度に添加する、前記2に記載の製造方法。

4.前記水相混合物を分割して複数回添加する、前記2に記載の製造方法。

5.前記水相混合物と油相混合物とから得られた乳化物へ、(D)成分の全量を一度に添加する、前記1〜4のいずれかに記載の製造方法。

6.(D)成分を2分割し、
一方を、前記油相混合物へ添加し、
他方を、前記水相混合物と油相混合物とから得られた乳化物へ添加する、
前記1〜4のいずれかに記載の製造方法。

7.前記1〜6のいずれかに記載の製造方法にしたがい製造される、液体柔軟剤組成物。
後述の実施例で示されるように、本発明の液体柔軟剤組成物は、経時的な粘度低下を抑制する効果(以下、「長期減粘抑制効果」ともいう)、及び、保管温度による粘度変化を抑制する効果(以下、「温度粘度変化抑制効果」ともいう)を発揮し、更に機能性カプセルの分散安定性に優れている。これらの性質により、本発明の液体柔軟剤組成物は優れた使用性を発揮することができる。
したがって、本発明は、使用性に優れた液体柔軟剤組成物として有用である。
(A)成分
(A)成分は、繊維製品へ柔軟性(風合い)を付与する効果(すなわち、柔軟剤本来の機能)を液体柔軟剤組成物へ付与するために配合される。
(A)成分は、「エステル基(−COO−)及び/又はアミド基(−NHCO−)で分断されていてもよい、炭素数10〜26の炭化水素基を分子内に1〜3個有するアミン化合物、その塩及びその4級化物からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物」である、カチオン界面活性剤である。
炭素数10〜26の炭化水素基(以下、本明細書において「長鎖炭化水素基」ということがある)の炭素数は、17〜26が好ましく、19〜24がより好ましい。炭素数が10以上であると柔軟性付与効果が良好であり、26以下であると液体柔軟剤組成物のハンドリング性が良好である。
長鎖炭化水素基は、飽和であっても不飽和であってもよい。長鎖炭化水素基が不飽和である場合、二重結合の位置はいずれの箇所にあっても構わないが、二重結合が1個の場合には、その二重結合の位置は長鎖炭化水素基の中央であるか、中央値を中心に分布していることが好ましい。
長鎖炭化水素基は、鎖状の炭化水素基であっても、構造中に環を含む炭化水素基であってもよく、好ましくは鎖状の炭化水素基である。鎖状の炭化水素基は、直鎖状又は分岐鎖状のいずれであってもよい。鎖状の炭化水素基としては、アルキル基またはアルケニル基が好ましく、アルキル基がより好ましい。
長鎖炭化水素基は、エステル基(−COO−)及び/又はアミド基(−NHCO−)で分断されていてもよい。すなわち、長鎖炭化水素基は、その炭素鎖中に、エステル基及びアミド基からなる群から選択される少なくとも1種の分断基を有し、該分断基によって炭素鎖が分断されたものであってもよい。分断基を有すると、生分解性が向上する等の点から好ましい。
分断基を有する場合、1つの長鎖炭化水素基が有する分断基の数は1つであってもよく、2つ以上であってもよい。すなわち、長鎖炭化水素基は、分断基によって1ヶ所が分断されていてもよく、2ヶ所以上が分断されていてもよい。分断基を2つ以上有する場合、各分断基は、同じであっても異なっていてもよい。
なお、長鎖炭化水素基がその炭素差中に分断基を有する場合、該分断基が有する炭素原子は、長鎖炭化水素基の炭素数にカウントするものとする。
長鎖炭化水素基は、通常、工業的に使用される牛脂由来の未水添脂肪酸、不飽和部を水添もしくは部分水添して得られる脂肪酸、パーム椰子、油椰子などの植物由来の未水添脂肪酸もしくは脂肪酸エステル、あるいは不飽和部を水添もしくは部分水添して得られる脂肪酸又は脂肪酸エステル等を使用することにより導入される。
(A)成分のアミン化合物としては、2級アミン化合物又は3級アミン化合物が好ましく、3級アミン化合物がより好ましい。
(A)成分のアミン化合物の具体例としては、下記一般式(A1)で表される化合物が挙げられる。
Figure 2017040019
(式中、R1〜R3はそれぞれ独立に、炭素数10〜26の炭化水素基、−CH2CH(Y)OCOR4(Yは水素原子又はCH3であり、R4は炭素数7〜21の炭化水素基である。)、−(CH2nNHCOR5(nは2又は3であり、R5は炭素数7〜21の炭化水素基である。)、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、−CH2CH(Y)OH(Yは水素原子又はCH3である)、又は、−(CH2nNH2(nは2又は3である)であり、
1〜R3のうちの少なくとも1つは、炭素数10〜26の炭化水素基、−CH2CH(Y)OCOR4、又は、−(CH2nNHCOR5である。]
一般式(A1)において、「炭素数10〜26の炭化水素基」の炭素数は17〜26が好ましく、19〜24がより好ましい。該炭化水素基は、飽和であっても不飽和であってもよい。該炭化水素基としては、アルキル基又はアルケニル基が好ましい。
一般式(A1)における「−CH2CH(Y)OCOR4」中のYは、水素原子又はCH3であり、水素原子が特に好ましい。R4は、炭素数7〜21の炭化水素基、好ましくは炭素数15〜19の炭化水素基である。一般式(A1)で表される化合物中にR4が複数存在するとき、該複数のR4は互いに同一であってもよく、それぞれ異なっていても構わない。
4の炭化水素基は、炭素数8〜22の脂肪酸(R4COOH)からカルボキシ基を除いた残基(脂肪酸残基)であり、R4のもととなる脂肪酸(R4COOH)は、飽和脂肪酸でも不飽和脂肪酸でもよく、また、直鎖脂肪酸でも分岐脂肪酸でもよい。なかでも、飽和又は不飽和の直鎖脂肪酸が好ましい。柔軟処理した衣類に良好な吸水性を付与するために、R4のもととなる脂肪酸の飽和/不飽和比率(質量比)は、90/10〜0/100が好ましく、80/20〜0/100より好ましい。
4が不飽和脂肪酸残基である場合、シス体とトランス体が存在するが、シス体/トランス体の質量比率は、40/60〜100/0が好ましく、70/30〜90/10が特に好ましい。
4のもととなる脂肪酸として具体的には、ステアリン酸、パルミチン酸、ミリスチン酸、ラウリン酸、オレイン酸、エライジン酸、リノール酸、部分水添パーム油脂肪酸(ヨウ素価10〜60)や、部分水添牛脂脂肪酸(ヨウ素価10〜60)などが挙げられる。中でも、ステアリン酸、パルミチン酸、ミリスチン酸、オレイン酸、エライジン酸、およびリノール酸から選ばれる2種以上を所定量ずつ組み合わせて、以下の条件(a)〜(c)を満たすように調整した脂肪酸組成物を用いることが好ましい。
(a)飽和脂肪酸/不飽和脂肪酸の比率(質量比)が90/10〜0/100、より好ましくは80/20〜0/100である。
(b)シス体/トランス体の比率(質量比)が40/60〜100/0、より好ましくは70/30〜90/10である。
(c)炭素数18の脂肪酸が60質量%以上、好ましくは80質量%以上であり、炭素数20の脂肪酸が2質量%未満であり、炭素数21〜22の脂肪酸が1質量%未満である。
一般式(A1)における「−(CH2nNHCOR5」中、nは2又は3であり、3が特に好ましい。
5は炭素数7〜21の炭化水素基、好ましくは炭素数15〜19の炭化水素基である。一般式(A1)で表される化合物中にR5が複数存在するとき、該複数のR5は互いに同一であってもよく、それぞれ異なっていても構わない。
5としては、R4と同様のものが具体的に挙げられる。
一般式(A1)において、R1〜R3のうち少なくとも1つは、炭素数10〜26の炭化水素基、−CH2CH(Y)OCOR4、又は、−(CH2nNHCOR5である。好ましくは、R1〜R3のうち2つが、炭素数10〜26の炭化水素基、−CH2CH(Y)OCOR4、又は、−(CH2nNHCOR5である。
1〜R3のうち、1つ又は2つが炭素数10〜26の炭化水素基、−CH2CH(Y)OCOR4、又は、−(CH2nNHCOR5である場合、残りの2つ又は1つは、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、−CH2CH(Y)OH(Yは水素原子又はCH3である)、又は、−(CH2nNH2(nは2又は3である)であり、炭素数1〜4のアルキル基、−CH2CH(Y)OH、又は、−(CH2nNH2であることが好ましい。ここで、炭素数1〜4のアルキル基としては、メチル基又はエチル基が好ましく、メチル基が特に好ましい。−CH2CH(Y)OHにおけるYは、−CH2CH(Y)OCOR4中のYと同様である。−(CH2nNH2におけるnは、−(CH2nNHCOR5中のnと同様である。
一般式(A1)で表される化合物の好ましい例として、下記一般式(A1−1)〜(A1−7)で表される3級アミン化合物が挙げられる。
Figure 2017040019
((A1−1)〜(A1−7)の各式中、R9はそれぞれ独立に、炭素数7〜21の炭化水素基であり、(A1−6)〜(A1−7)の各式中、R10はそれぞれ独立に、炭素数7〜21の炭化水素基である。)
(A)成分は、アミン化合物の塩であってもよい。塩としては、3級アミン化合物の塩が好ましい。
アミン化合物の塩は、該アミン化合物を酸で中和することにより得られる。アミン化合物の中和に用いる酸としては、有機酸でも無機酸でもよく、例えば塩酸、硫酸、メチル硫酸等が挙げられる。アミン化合物の中和は、公知の方法により実施できる。
(A)成分は、アミン化合物の4級化物であってもよい。4級化物としては、3級アミン化合物の4級化物が好ましい。
アミン化合物の4級化物は、該アミン化合物に4級化剤を反応させて得られる。アミン化合物の4級化に用いる4級化剤としては、例えば、塩化メチル等のハロゲン化アルキル、ジメチル硫酸等のジアルキル硫酸などが挙げられる。これらの4級化剤をアミン化合物と反応させると、アミン化合物の窒素原子に4級化剤のアルキル基が導入され、4級アンモニウムイオンとハロゲンイオン又はモノアルキル硫酸イオンとの塩が形成される。4級化剤により導入されるアルキル基は、炭素数1〜4のアルキル基が好ましく、メチル基又はエチル基がより好ましく、メチル基が特に好ましい。アミン化合物の4級化は、公知の方法により実施できる。
一般式(A1)及び(A1−1)〜(A1−7)で表される化合物、その塩及びその4級化物は、市販のものを用いてもよく、公知の方法により製造したものを用いてもよい。
例えば、一般式(A1−1)で表される化合物(以下「化合物(A1−1)」と言う)及び一般式(A1−2)で表される化合物(以下「化合物(A1−2)」と言う)は、一般式(1)のR4の欄で説明した脂肪酸組成物、または該脂肪酸組成物における脂肪酸を該脂肪酸のメチルエステルに置き換えた脂肪酸メチルエステル組成物と、メチルジエタノールアミンとの縮合反応により合成することができる。その際、柔軟性付与を良好にする観点から、「化合物(A1−1)/化合物(A1−2)」で表される存在比率が、質量比で99/1〜50/50となるように合成することが好ましい。
更に、その4級化物を用いる場合には、4級化剤としてジメチル硫酸を用いることがより好ましい。その際、柔軟性付与の観点から「化合物(A1−1)の4級化物/化合物(A1−2)の4級化物」で表される存在比率が、質量比で99/1〜50/50となるように合成することが好ましい。
一般式(A1−3)で表される化合物(以下「化合物(A1−3)」と言う)、一般式(A1−4)で表される化合物(以下「化合物(A1−4)」と言う)及び一般式(A1−5)で表される化合物(以下「化合物(A1−5)」と言う)は、一般式(1)のR4の欄で説明した脂肪酸組成物または脂肪酸メチルエステル組成物とトリエタノールアミンとの縮合反応により合成することができる。その際、化合物(A1−3)、(A1−4)及び(A1−5)の合計質量に対する個々の成分の含有比率は、柔軟性付与の観点から、化合物(A1−3)が1〜60質量%、化合物(A1−4)が5〜98質量%、化合物(A1−5)が0.1〜40質量%であることが好ましく、化合物(A1−3)が30〜60質量%、化合物(A1−4)が10〜55質量%、化合物(A1−5)が5〜35質量%であることがより好ましい。
また、その4級化物を用いる場合には、4級化反応を十分に進行させる点で、4級化剤としてジメチル硫酸を用いることがより好ましい。化合物(A1−3)、(A1−4)、(A1−5)の各4級化物の存在比率は、柔軟性付与の観点から質量比で、化合物(A1−3)の4級化物が1〜60質量%、化合物(A1−4)の4級化物が5〜98質量%、化合物(A1−5)の4級化物が0.1〜40質量%であることが好ましく、化合物(A1−3)の4級化物が30〜60質量%、化合物(A1−4)の4級化物が10〜55質量%、化合物(A1−5)の4級化物が5〜35質量%であることがより好ましい。
なお、化合物(A1−3)、(A1−4)、(A1−5)を4級化する場合、一般的に4級化反応後も4級化されていないエステルアミンが残留する。その際、「4級化物/4級化されていないエステルアミン」の比率は70/30〜99/1の質量比率の範囲内であることが好ましい。
一般式(A1−6)で表される化合物(以下「化合物(A1−6)」と言う)及び一般式(A1−7)で表される化合物(以下「化合物(A1−7)と言う」)は、一般式(1)のR4の欄で説明した脂肪酸組成物と、N−メチルエタノールアミンとアクリロニトリルの付加物より、J.Org.Chem.,26,3409(1960)に記載の公知の方法で合成したN−(2−ヒドロキシエチル)−N−メチル−1,3−プロピレンジアミンとの縮合反応により合成することができる。その際、「化合物(A1−6)/化合物(A1−7)」で表される存在比率が質量比で99/1〜50/50となるように合成することが好ましい。
またその4級化物を用いる場合には、4級化剤として塩化メチルを用いることが好ましく、「化合物(A1−6)の4級化物/化合物(A1−7)の4級化物」で表される存在比率が、質量比で99/1〜50/50となるように合成することが好ましい。
(A)成分としては、
一般式(A1)で表される化合物、その塩及びその4級化物からなる群から選ばれる少なくとも1種が好ましく、
一般式(A1−1)〜(A1−7)で表される化合物、その塩及びその4級化物からなる群から選ばれる少なくとも1種がより好ましく、
一般式(A1−3)〜(A1−5)で表される化合物、その塩及びその4級化物からなる群から選ばれる少なくとも1種がさらに好ましい。
(A)成分は、1種類のアミン化合物、その塩又はその4級化物を単独で用いてもよく、2種類以上からなる混合物、例えば、一般式(A1−3)〜(A1−5)で表される化合物の混合物として用いてもよい。
(A)成分の配合量は、配合目的を達成できる量である限り特に限定されないが、液体柔軟剤組成物の総質量に対して、好ましくは5〜50質量%、より好ましくは8〜30質量%、特に好ましくは10〜20質量%である。5質量%以上であると、配合目的を達成しつつ、柔軟剤として適切な粘度及びチキソトロピーインデックス値(TI値)を得、更に後述の(C)成分を組成物中で良好に分散安定化することができる。50質量%以下であると、柔軟剤として適切な粘度及びTI値を得つつ、組成物の分離を抑制することができる。なお、TI値は、下記式に従い求めることができる。
TI値=液体柔軟剤組成物の6rpm粘度/液体柔軟剤組成物の60rpm粘度
(B)成分
(B)成分は、長期減粘抑制効果を液体柔軟剤組成物へ付与するために配合される。
(B)成分の無機塩の具体例としては、塩化ナトリウム、硫酸ナトリウム、塩化カルシウムや、塩化マグネシウム等が挙げられる。これらの中でも、長期減粘抑制効果の点から塩化ナトリウム、硫酸ナトリウム、塩化カルシウム及び塩化マグネシウムが好ましく、塩化カルシウム及び塩化マグネシウムが特に好ましい。
(B)成分は、1種類の無機塩を単独で用いてもよく、2種類以上からなる混合物として用いてもよい。
(B)成分の配合量は、配合目的を達成できる量である限り特に限定されないが、液体柔軟剤組成物の総質量に対して、好ましくは0.002〜0.9質量%、より好ましくは0.05〜0.4質量%、特に好ましくは0.1〜0.3質量%である。
なお、(B)成分以外の成分(例えば、脂肪酸塩類などの界面活性剤)の中には、ナトリウム塩やカリウム塩を含むものがあるが、前記ナトリウム塩やカリウム塩の混入は、上記の(B)成分の配合量を制限するものではない。
本発明の液体柔軟剤組成物では、(B)成分に対する(A)成分の質量比[A/B]が25〜240、好ましくは30〜200、より好ましく40〜120である。
[A/B]が25以上であると、配合目的(長期減粘抑制効果)を達成しつつ、液体柔軟剤組成物の分離や増粘を抑制することができる。
[A/B]が240以下であると、配合目的を充分に達成しつつ、後述の(C)成分の浮遊や凝集を抑制することができる。
(C)成分
(C)成分は機能性カプセルである。(C)成分は、カプセル内に内包された芯物質に起因する様々な機能を液体柔軟剤組成物へ付与するために配合される。
機能性カプセルは、芯物質と、当該芯物質を覆う壁物質とから構成される。
芯物質としては、液体柔軟剤組成物分野においてカプセル封入物質として一般的に用いられているものを特に制限なく用いることができる。具体例としては、香料、精油、増白剤、虫除け剤、シリコーン、ワックス、香味料、ビタミン、スキンケア剤、酵素、プロバイオティクス、染料、顔料、香料前駆体、冷感剤、温感剤、フェロモン等の誘引剤、抗菌剤、漂白剤、香味料、甘味料、ワックス、薬剤、肥料や、除草剤等が挙げられる。
芯物質は、1種類を単独で用いてもよく、2種以上を適宜組み合わせてもよい。
壁物質としては、液体柔軟剤組成物分野においてカプセル化材料として一般的に用いられているものを特に制限なく用いることができる。例えば、ゼラチンや寒天等の天然系高分子、油脂やワックス等の油性膜形成物質、ポリアクリル酸系、ポリビニル系、ポリメタクリル酸系、メラミン系、ウレタン系等の合成高分子物質などを挙げることができ、それら1種を単独又は2種以上を適宜併用することができる。
香料を芯物質として用いた機能性カプセルは、カプセル化香料とも呼ばれる。カプセル化香料の具体例としては、フィルメニッヒ社製のBLUEFLOWERPOP「FFMHN2814」、ジボダン社製のGREEN BREEZE CAPS、ORCHARD GARDEN CAPS、RAINBOW CAPS、VELVET CAPS、AURORACAPS、およびCOSMICCAPS;IFF社製のUNICAP101、およびUNICAP503等が挙げられる。
冷感剤を芯物質として用いた機能性カプセルは、冷感カプセルとも呼ばれる。冷感カプセルの具体例としては、SALVONA Technologies社製のMultiSal SalCool、HydroSal FreshCool、SalSphere SalCoolや、日華化学株式会社製のネオアージュAROMA−C等が挙げられる。
温感剤を芯物質として用いた機能性カプセルは、温感カプセルとも呼ばれる。温感カプセルの具体例としては、三木理研株式会社製のリケンレジンRMC−TOや、SALVONA Technologies社製のHydrosal Heatなどが挙げられる。
その他の機能性カプセルの具体例としては、三木理研株式会社製のリケンレジンNFHO−W(抗菌効果)、リケンレジン、RMC−HBP(防虫効果)およびRMC−PT(防虫効果)などが挙げられる。
機能性カプセルの粒子径は10μm〜30μmであることが好ましい。粒子径が10μm〜30μmの機能性カプセルは、衣類への吸着性に優れ、かつ、液体柔軟剤組成物中に安定に分散させることができる。
機能性カプセルは、市場において容易に入手可能であるか、又は、公知の方法によって合成可能である。
(C)成分は、1種類の機能性カプセルを単独で用いてもよく、2種類以上からなる混合物として用いてもよい。
(C)成分の配合量は、配合目的を達成できる量である限り特に限定されないが、液体柔軟剤組成物の総質量に対して、好ましくは0.05〜5質量%、より好ましくは0.1〜3質量%である。
(D)成分
(D)成分は、液体柔軟剤組成物に粘度を付与して、(C)成分の分散安定性を向上させるために配合される。
(D)成分としては、液体柔軟剤組成物の粘度を高めることができる性質を持つものを特に制限なく用いることができる。具体例としては、グルカンやカチオン性高分子等が挙げられる。
グルカンとしては、高度分岐環状デキストリン、高分子デキストリン、環状構造保有分岐状グルカンなどのD−グルコピラノース縮重合体が挙げられ、高度分岐環状デキストリンが好ましい。
高度分岐環状デキストリンとは、「内分岐環状構造部分と外分岐構造部分とを有する、重量平均重合度が50から10000の範囲にあるグルカン」をいい、クラスターデキストリンとも呼ばれている物質である。
「内分岐環状構造部分と外分岐構造部分とを有するグルカン」はクラスターデキストリンとも呼ばれている物質である。
高度分岐環状デキストリンは、1つの内分岐環状構造部分に複数(例えば、100個)の非環状のグルコース鎖(外分岐構造部分)が結合した構造を有している。
内分岐環状構造部分とは、α−1,4−グルコシド結合又はα−1,6−グルコシド結合により結合したグルコース鎖によって形成される環状構造部分いう。高度分岐環状デキストリンの内分岐環状構造部分は10〜100個程度のグルコースで構成されている。すなわち、内分岐環状構造部分の重合度は10〜100の範囲である。
外分岐構造部分とは、前記の内分岐環状構造部分に結合した非環状グルコース鎖をいう。高度分岐環状デキストリンの外分岐構造部分を構成する非環状グルコース鎖における平均重合度は10〜20である。但し、1本の非環状グルコース鎖における重合度は40以上であってもよい。
高度分岐環状デキストリンにおけるグルコースの重量平均重合度は50から10000、具体的には50〜5000の範囲、更に具体的には2500程度である。
また、高度分岐環状デキストリンの分子量は3万〜100万程度の範囲である。
かかる構造及び重合度(分子量)を有する高度分岐環状デキストリンは、グルコースの重合度が6〜8の一般的なシクロデキストリンであるα−シクロデキストリン(重合度6)、β−シクロデキストリン(重合度7)や、γ−シクロデキストリン(重合度8)とは相違する物質である。
高度分岐環状デキストリンは、例えば、デンプンを原料として、ブランチングエンザイムという酵素を作用させて製造することができる。
原料であるデンプンは、グルコースがα−1、4−グルコシド結合によって直鎖状に結合したアミロースと、α−1,6−グルコシド結合によって複雑に分岐した構造をもつアミロペクチンからなる。アミロペクチンは、クラスター構造が多数連結された巨大分子である。
使用酵素であるブランチングエンザイムは、動植物や微生物中に広く見いだされるグルカン鎖転移酵素である。ブランチングエンザイムは、アミロペクチンのクラスター構造の継ぎ目部分に作用し、これを環状化する反応を触媒する。
高度分岐環状デキストリンの具体例としては、特開平8−134104号公報に記載の、内分岐環状構造部分と外分岐構造部分とを有する、重合度が50から10000の範囲にあるグルカンが挙げられる。本発明において、高度分岐環状デキストリンは、特開平8−134104号公報の記載を参酌して理解され得る。
高度分岐環状デキストリンは前述の通り製造することができ、また、市場において容易に入手可能である。高度分岐環状デキストリンの市販品としては、グリコ栄養食品株式会社の「クラスターデキストリン」(登録商標)が挙げられる。
高分子デキストリンとは、デンプンまたはグリコーゲンの分解で得られるα-グルコースがα-1→4またはα-1→6グリコシド結合によって重合した分子構造を有する炭水化物であって、重量平均分子量1万以上有するものをいう。
具体例としては、三和澱粉工業株式会社の商品名「サンデック#30」等が挙げられる。
環状構造保有分岐状グルカンとは、環状構造と、α−1,6結合およびα−1,4結合に基づく少なくとも1つの分岐状構造とを有し、その環状構造を構成する糖鎖中に少なくとも1つのα−1,6結合が存在している構造を有するグルカンをいう。
具体例としては、特開2012−120471号公報に記載の製造方法により得られるものが挙げられる。
カチオン性高分子とは、複数の4級アンモニウム基を有する高分子又はその塩をいい、例えば、カチオン性デンプン、カチオン性セルロースや、カチオン性アクリルポリマー等が挙げられる。
カチオン性高分子は、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上からなる混合物として用いてもよい。
カチオン性デンプンの具体例としては、日本ルーブリゾール株式会社の商品名「SENSOMER CI−50」等が挙げられる。
カチオン性セルロースの具体例としては、ライオン株式会社の商品名「レオガードLP」等が挙げられる。
カチオン性アクリルポリマーの具体例としては、BASF社製の商品名「Rheovis FRC」が挙げられる。
(D)成分は、市場において容易に入手可能であるか、又は、公知の方法によって合成可能である。
(D)成分は、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上からなる混合物として用いてもよい。
(D)成分の配合量は、配合目的を達成できる量である限り特に限定されないが、液体柔軟剤組成物の総質量に対して、好ましくは0.01〜5質量%、より好ましくは0.3〜4質量%、特に好ましくは0.5〜2質量%である。0.01質量%以上であると配合目的を充分に達成することができる。5質量%以下であると、液体柔軟剤組成物の優れた使用性を維持しつつ、配合目的を充分に達成することができる。
本発明の液体柔軟剤組成物では、(D)成分に対する(A)成分の質量比[A/D]が8〜100、好ましくは10〜80、より好ましく10〜50である。
[A/D]が8以上であると、液体柔軟剤組成物の長期保存後のゲル化や増粘をより抑制することができる。
[A/D]が100以下であると、(C)成分の分散安定性をより向上させる((C)成分の浮遊や凝集を更に抑制する)ことができる。
任意成分(E)
本発明の液体柔軟剤組成物には、本発明の効果を損なわない範囲で、必要に応じて、上記(A)〜(D)の必須成分以外の任意成分(E)を配合してもよい。
任意成分(E)としては、液体柔軟剤組成物に一般的に配合される成分をあげることができる。具体例としては、水、溶剤(特に、水溶性溶剤)、非イオン界面活性剤、染料、香料、紫外線吸収剤、抗菌剤、消臭剤や、スキンケア成分などが挙げられる。
以下、いくつかの任意成分について詳細に説明する。

本発明の液体柔軟剤組成物は、好ましくは水を含む水性組成物である。
水としては、水道水、精製水、純水、蒸留水、イオン交換水など、いずれも用いることができる。なかでもイオン交換水が好適である。
水の配合量は特に限定されず、所望の成分組成を達成するために適宜配合することができる。
香料
香料は、主に液体柔軟剤組成物による処理後の繊維製品への香りつけのために配合される。
香料としては当該技術分野で汎用の香料を使用可能であり特に限定されないが、使用できる香料原料のリストは、様々な文献、例えば「Perfume and Flavor Chemicals」,Vol.I and II,Steffen Arctander,Allured Pub.Co.(1994)および「合成香料 化学と商品知識」、印藤元一著、化学工業日報社(1996)および「Perfume and Flavor Materials of Natural Origin」,Steffen Arctander,Allured Pub.Co.(1994)および「香りの百科」、日本香料協会編、朝倉書店(1989)および「Perfumery Material Performance V.3.3」,Boelens Aroma Chemical Information Service(1996)および「Flower oils and Floral Compounds In Perfumery」,Danute Lajaujis Anonis,Allured Pub.Co.(1993)等に記載されている。
香料は、1種類の香料を単独で用いてもよく、2種類以上からなる混合物として用いてもよい。
香料の配合量は、配合目的を達成できる量である限り特に限定されないが、液体柔軟剤組成物の総質量に対して、好ましくは0.1〜3%質量%であり、より好ましくは0.5〜2質量%、更に好ましくは0.5〜1.5質量%である。
水溶性溶剤
本発明の液体柔軟剤組成物には、水に加えて、水溶性溶剤を配合することができる。水溶性溶剤を配合すると凍結復元性等の粘度安定性を改善することができるので好ましい。
水溶性溶剤としては、低級(炭素数1〜4)アルコール、グリコールエーテル系溶剤及び多価アルコールからなる群から選ばれる1種又は2種以上が好ましい。
具体的には、エタノール、イソプロパノール、グリセリン、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ヘキシレングリコール、ポリオキシエチレンフェニルエーテル、及び、下記一般式(X)で表わされる水溶性溶剤から選ばれる溶媒成分を配合することが好ましい。

11−O−(C24O)y−(C36O)z−H ・・・(X)
(式中、R11は、炭素数1〜6、好ましくは炭素数2〜4のアルキル基又はアルケニル基である。yおよびzは平均付加モル数であり、yは1〜10、好ましくは2〜5、zは0〜5、好ましくは0〜2の数を示す。)一般式(X)で表わされる水溶性溶剤としては、例えば、ブチルカルビトールやジエチレングリコールモノプロピレングリコールモノブチルエーテルが挙げられる。
水溶性溶剤としては、上記に挙げた中でも、エタノール、エチレングリコール、ブチルカルビトール、プロピレングリコール、ジエチレングリコールモノプロピレングリコールモノブチルエーテルや、グリセリンが好ましい。
水溶性溶剤は、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上からなる混合物として用いてもよい。
水溶性溶剤の配合量は、液体柔軟剤組成物の総質量に対して、好ましくは0〜30質量%、より好ましくは0.01〜25質量%、さらに好ましくは0.1〜20質量%である。
非イオン界面活性剤
非イオン界面活性剤は、液体柔軟剤組成物の安定性、特に凍結復元性の更なる向上のために配合することができる。
非イオン界面活性剤としては、例えば、高級アルコール、高級アミン又は高級脂肪酸から誘導される非イオン界面活性剤を用いることができるが、高級アルコールのアルキレンオキシド付加物が好ましい。高級アルコールは一級でも二級でもよく、その長鎖炭化水素鎖部分は、分岐していても直鎖でもよく、不飽和があってもよい。炭素鎖長は好ましくは8〜20、より好ましくは10〜18である。炭化水素鎖が不飽和基を含む場合には、炭素数は16〜18であるものが好ましく、不飽和基の立体異性体構造は、シス体又はトランス体であっても、両者の混合物であってもよい。
一方、高級アルコールに付加するアルキレンオキシドはエチレンオキシド(EO)単独が好ましいが、エチレンオキシドにプロピレンオキシド(PO)又はブチレンオキシド(BO)を併用してもよく、これらアルキレンオキシドの平均付加モル数は3〜80が好ましく、より好ましくは5〜70モルである。
非イオン界面活性剤は、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上からなる混合物として用いてもよい。
非イオン界面活性剤の配合量は、液体柔軟剤組成物の総質量に対して、好ましくは0.1〜5質量%、より好ましくは0.5〜3質量%である。
液体柔軟剤組成物のpH
液体柔軟剤組成物のpHは特に限定されないが、保存経日に伴う(A)成分の分子中に含まれるエステル基の加水分解を抑制する観点から、25℃におけるpHが1〜6の範囲に調整することが好ましく、2〜4の範囲であることがより好ましい。
pH調整には、塩酸、硫酸、リン酸、アルキル硫酸、安息香酸、パラトルエンスルホン酸、クエン酸、リンゴ酸、コハク酸、乳酸、グリコール酸、ヒドロキシエタンジホスホン酸、フィチン酸、エチレンジアミン四酢酸、トリエタノールアミン、ジエタノールアミン、ジメチルアミン、N−メチルエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン等の短鎖アミン化合物、水酸化ナトリウム等のアルカリ金属水酸化物、アルカリ金属炭酸塩や、アルカリ金属珪酸塩などのpH調整剤を用いることができる。
液体柔軟剤組成物の粘度
液体柔軟剤組成物の粘度は、その使用性を損なわない限り特に限定されないが、下記で規定する初期粘度η1が、好ましくは30〜500mPa・s、より好ましくは50〜300mPa・s、さらに好ましくは80〜200mPa・sである。
初期粘度η1が上記の範囲内であると、(C)成分(機能性カプセル)の分散安定性がより良好となり、液体柔軟剤として取り扱いがより良好となる。
ここで、初期粘度η1とは、製造一日後の液体柔軟剤組成物を25℃に調温し、B型粘度計(TOKIMEC社製、ローターNo.2)(回転速度30rpm)にて測定された値をいう。
液体柔軟剤組成物の製造方法
本発明の液体柔軟剤組成物の製造方法では、(A)成分を含む油相混合物の最初の乳化を、(B)成分を溶解させた水相混合物を用いて行う。
「最初の乳化」とは、(A)成分を含む油相混合物を初めて乳化させる工程をいう。したがって、乳化工程を1回のみ行なう場合、「最初の乳化」とは当該乳化工程いう。また、乳化工程を複数回に分けて行なう場合、「最初の乳化」とは1回目の乳化工程をいう。
乳化は、水相混合物を油相混合物へ添加することにより行なってもよく、油相混合物を水相混合物へ添加することにより行なってもよいが、前者((B)成分を溶解させた水相混合物を、(A)成分を含む油相混合物へ添加する)が好ましい。
(B)成分を溶解させた水相混合物を(A)成分を含む油相混合物へ添加する場合、添加は、(A)成分の融点以上の温度下で行うことが好ましい。
(A)成分を含む油相混合物は、(A)成分と、油性の任意成分とを混合及び攪拌することにより調製することができる。油相混合物の調製は、(A)成分の融点以上の温度下で行うことが好ましい。
(B)成分を溶解させた水相混合物は、(B)成分と、水溶性の任意成分とを水に溶解させることにより調製することができる。
「(B)成分を溶解させた水相混合物」は、液体柔軟剤組成物の製造に用いる水の全量に(B)成分を溶解させたものであってもよく、液体柔軟剤組成物の製造に用いる水の一部に(B)成分を溶解させたものであってもよい。水相混合物として、液体柔軟剤組成物の製造に用いる水の一部に(B)成分を溶解させたものを用いることが好ましい(以下、「水相混合物の添加方法1」ともいう)。
「水相混合物の添加方法1」では、「(B)成分を溶解させた水相混合物」の全量を一度に油相混合物添加してもよく(以下、「水相混合物の添加方法1−2」ともいう)、分割して複数回添加してもよい(以下、「水相混合物の添加方法1−3」ともいう)。「水相混合物の添加方法1−2」がより好ましい。
「水相混合物の添加方法1−3」において、水相混合物の分割比率は特に制限はないが、例えば、70:30〜30:70(質量比)に分割することが好ましい。
なお、本発明では、(B)成分を含まない水や(B)成分を含まない水相混合物を適宜使用することができるが、最初の乳化は、「(B)成分を溶解させた水相混合物」を用いて行う必要がある。
(C)成分は任意のタイミングで添加することができる。例えば、(C)成分は、乳化前の「(A)成分を含む油相混合物」及び/又は「(B)成分を溶解させた水相混合物」へ添加することができる。また、(C)成分は、「(B)成分を溶解させた水相混合物」を「(A)成分を含む油相混合物」へ添加して得られた乳化物へ添加してもよい。更に(C)成分は、全量を一度に添加してもよく、分割して添加してもよい。(C)成分の全量を乳化物へ添加することが好ましい。
(D)成分は任意のタイミングで添加することができる。例えば、(D)成分は、乳化前の「(A)成分を含む油相混合物」及び/又は「(B)成分を溶解させた水相混合物」へ添加することができる。また、(D)成分は、「(B)成分を溶解させた水相混合物」を「(A)成分を含む油相混合物」へ添加して得られた乳化物へ添加してもよい。
更に(D)成分は、全量を一度に添加してもよく、分割して添加してもよい。(D)成分の全量を乳化物へ添加することが好ましい(以下、「(D)成分の添加方法1」ともいう)。
また、(D)成分を2分割し、一方を「(A)成分を含む油相混合物」へ添加し、他方を乳化物へ添加することも好ましい(以下、「(D)成分の添加方法2」ともいう)。(D)成分の分割比率は特に制限はないが、例えば、50:50(質量比)に分割することが好ましい。
(E)成分(任意成分)は、その溶解性(水溶性又は油溶性)等に応じて任意のタイミングで添加することができる。例えば、(E)成分は、乳化前の「(A)成分を含む油相混合物」及び/又は「(B)成分を溶解させた水相混合物」へ添加することができる。また、(E)成分は、「(B)成分を溶解させた水相混合物」を「(A)成分を含む油相混合物」へ添加して得られた乳化物へ添加してもよい。更に(E)成分は、全量を一度に添加してもよく、分割して添加してもよい。
上述以外の製造条件については、主剤としてカチオン界面活性剤を用いる従来の液体柔軟剤組成物の製造方法で用いる条件を特に制限なく用いることができる。
また、本発明の製造方法において用いる各手段(混合手段や攪拌手段等)は、液体柔軟剤組成物の製造に用いられているものを特に制限なく用いることができる。
液体柔軟剤組成物の使用方法
本発明の液体柔軟剤組成物の使用方法に特に制限はなく、一般の液体柔軟剤組成物と同様の方法で使用することができる。例えば、洗濯のすすぎの段階ですすぎ水へ本発明の液体柔軟剤組成物を溶解させて被洗物を柔軟処理する方法や、本発明の液体柔軟剤組成物をたらいのような容器中の水に溶解させ、更に被洗物を入れて浸漬処理する方法がある。
以下に実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明するが、もとより本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
尚、実施例及び比較例において、各成分の配合量はすべて質量%(指定のある場合を除き、純分換算)を示す。
実施例及び比較例の液体柔軟剤組成物の製造に用いた成分及び製造方法を以下に示す。
(A)成分
下記のA−1及びA−2を使用した。

A−1:特開2003−12471号公報の実施例4に記載のカチオン界面活性剤。A−1は、一般式(A1−3)、(A1−4)及び(A1−5)で表される化合物(各式中、R9は炭素数15〜17のアルキル基及びアルケニル基である)をジメチル硫酸で4級化したものを含む組成物である。

A−2:カチオン界面活性剤(脂肪酸とメチルジエタノールアミンとのモル比1.5:1での反応生成物を塩化メチルで4級化して得られた、N,N−ビス(ステアロイル−オキシ−エチル)N,N−ジメチルアンモニウムクロライドとN−(ステアロイル−オキシ−エチル)N−ヒドロキシエチルN,N−ジメチルアンモニウムクロライドとの1:1モル混合物。)
なお、N,N−ビス(ステアロイル−オキシ−エチル)N,N−ジメチルアンモニウムクロライドは、一般式(A1)(式中、R1及びR2が−CH2CH(Y)OCOR4(Yは水素原子であり、R4は炭素数17の炭化水素基であり、R3がメチル基である)で表される化合物の4級化物であり、N−(ステアロイル−オキシ−エチル)N−ヒドロキシエチルN,N−ジメチルアンモニウムクロライドは、一般式(A1)(式中、R1が−CH2CH(Y)OCOR4(Yは水素原子であり、R4は炭素数17の炭化水素基であり、R2が−CH2CH(Y)OH(Yは水素原子である)であり、R3がメチル基である)で表される化合物の4級化物である。
(B)成分
下記のB−1及びB−2を使用した。

B−1:塩化カルシウム((株)トクヤマ製 商品名:粒状塩化カルシウム)
B−2:塩化マグネシウム(和光純薬(株) 商品名:塩化マグネシウム無水物99%)
(C)成分
下記のC−1及びC−2を使用した。

C−1:カプセル化香料(ジボダン社製 商品名:GREEN BREEZE CAPS)
C−2:カプセル化香料(ジボダン社製 商品名:RAINBOW CAPS)
(D)成分
下記のD−1、D−4及びD−5を使用した。

D−1:高度分岐環状デキストリン(グリコ栄養食品株式会社製 商品名:クラスターデキストリン(登録商標))。D−1は、内分岐環状構造部分(16〜100個程度のグルコースで構成)と外分岐構造部分とを有する高度分岐環状デキストリン(重量平均重合度:2500程度。分子量:3万から100万程度)を主成分とするグルカンである。

D−4:カチオン性アクリルポリマー
(BASF社製 商品名:Rheovis FRC)

D−5:カチオン化デンプン
(日本ルーブリゾール株式会社 商品名:SENSOMER CI−50)
(E)成分(任意成分 その1)
下記表に示す組成を有する香料組成物E−1を使用した。
Figure 2017040019
(E)成分(任意成分 その2)
下記表に記載の任意成分を、共通成分1として使用した。
Figure 2017040019
*液体柔軟剤組成物の総質量に対する配合量(質量%)。
液体柔軟剤組成物の製造方法
下記の製造方法A〜Eにしたがい液体柔軟剤組成物を調製した。
表1中、(A)、(B)、(C)、(D)及び(E)の各成分の数値は、液体柔軟剤組成物の総質量に対する配合量(質量%)である。
表1中、「A/B」は、(B)成分に対する(A)成分の質量比を示し、「A/D」は、(D)成分に対する(A)成分の質量比を示す。
製造方法A
内径100mm、高さ150mmのガラス容器と、攪拌機(アジターSJ型、島津製作所製)を用い、各成分の配合量を、表1に記載の通りに調整して、次の手順により液体柔軟剤組成物を調製した。
まず、(A)成分及び(E−1)成分を混合攪拌して、油相混合物を得た。一方、共通成分1及び(B)成分をバランス用イオン交換水に溶解させて水相混合物を得た。ここで、バランス用イオン交換水の質量は、980gから油相混合物、(B)成分、(C)成分及び(D)成分((C)成分及び(D)成分を溶解するのに必要なイオン交換水を含む)の合計量から差し引いた残部に相当した。
次に、(A)成分の融点以上に加温した油相混合物をガラス容器に収納して攪拌しながら、(A)成分の融点以上に加温した水相混合物を2度に分割して添加し攪拌して、油相混合物を乳化した。水相混合物の分割比率(質量比)は30:70(1回目の添加用:2回目の添加用)であった。1回目の水相混合物添加後に3分間、2回目の水相混合物添加後に2分間の攪拌(いずれも、回転速度1,500rpm)を行った。
しかる後、(D)成分及び(C)成分を添加した。尚、(C)成分及び(D)成分は添加前にイオン交換水に溶解し、水溶液として用いた。また必要に応じて、塩酸(試薬1mol/L、関東化学)、または水酸化ナトリウム(試薬1mol/L、関東化学)を適量添加してpH2.5に調整し、更に全体質量が1,000gになるようにイオン交換水を添加して、目的の液体柔軟剤組成物(実施例1〜6及び9〜13、並びに、比較例1〜2)を得た。
製造方法Aは、前述の「水相混合物の添加方法1−3」及び「(D)成分の添加方法1」に該当した。
製造方法B
内径100mm、高さ150mmのガラス容器と、攪拌機(アジターSJ型、島津製作所製)を用い、各成分の配合量を、表1に記載の通り調節して、次の手順により液体柔軟剤組成物を調製した。
まず、(A)成分、(D)成分の半量、及び、(E−1)成分を混合攪拌して、油相混合物を得た。一方、共通成分1及び(B)成分をバランス用イオン交換水に溶解させて水相混合物を得た。ここで、バランス用イオン交換水の質量は、980gから油相混合物、(B)成分、(C)成分及び(D)成分((C)成分及び(D)成分を溶解するのに必要なイオン交換水を含む)の合計量から差し引いた残部に相当した。
次に、(A)成分の融点以上に加温した油相混合物をガラス容器に収納して攪拌しながら、(A)成分の融点以上に加温した水相混合物を2度に分割して添加し攪拌して、油相混合物を乳化した。水相混合物の分割比率(質量比)は30:70(1回目の添加用:2回目の添加用)であった。1回目の水相混合物添加後に3分間、2回目の水相混合物添加後2分間の攪拌(いずれも、回転速度1,500rpm)を行った。
しかる後、(C)成分、及び、(D)成分の残り半量を添加した。尚、(C)成分は添加前にイオン交換水に溶解し水溶液として用いた。また必要に応じて、塩酸(試薬1mol/L、関東化学)、または水酸化ナトリウム(試薬1mol/L、関東化学)を適量添加してpH2.5に調整し、更に全体質量が1,000gになるようにイオン交換水を添加して、目的の液体柔軟剤組成物(実施例7)を得た。
製造方法Bは、前述の「水相混合物の添加方法1−3」及び「(D)成分の添加方法2」に該当した。
製造方法C
内径100mm、高さ150mmのガラス容器と、攪拌機(アジターSJ型、島津製作所製)を用い、各成分の配合量を、表1に記載の通りに調節して、次の手順により液体柔軟剤組成物を調製した。
まず、(A)成分及び(E−1)成分を混合攪拌して、油相混合物を得た。一方、共通成分1をバランス用イオン交換水に溶解させて得られた水相混合物を質量比で30:70(1回目の添加用:2回目の添加用)に分割した。1回目添加用の水相混合物に(B)成分の全量を添加し、混合して、以降の製造に用いた。ここで、バランス用イオン交換水の質量は、980gから油相混合物、(B)成分、(C)成分及び(D)成分((C)成分及び(D)成分を溶解するのに必要なイオン交換水を含む)の合計量から差し引いた残部に相当した。
次に、(A)成分の融点以上に加温した油相混合物をガラス容器に収納して攪拌しながら、前述の2分割した水相混合物を、それぞれ(A)成分の融点以上に加温して添加し、攪拌した。なお、油相混合物の乳化は、1回目の添加((B)成分の全量を含む水相混合物)により行った。1回目の水相混合物添加後に3分間、2回目の水相混合物添加後に2分間の攪拌(いずれも、回転速度1,500rpm)を行った。
しかる後、(D)成分及び(C)成分を添加した。尚、(C)成分は添加前にイオン交換水に溶解し水溶液として用いた。また必要に応じて、塩酸(試薬1mol/L、関東化学)、または水酸化ナトリウム(試薬1mol/L、関東化学)を適量添加してpH2.5に調整し、更に全体質量が1,000gになるようにイオン交換水を添加して、目的の液体柔軟剤組成物(実施例8)を得た。
製造方法Cは、前述の「水相混合物の添加方法1−2」及び「(D)成分の添加方法1」に該当した。
製造方法D
内径100mm、高さ150mmのガラス容器と、攪拌機(アジターSJ型、島津製作所製)を用い、各成分の配合量を、表1に記載の通りに調整して、次の手順により液体柔軟剤組成物を調製した。
まず、(A)成分及び(E−1)成分を混合攪拌して、油相混合物を得た。一方、共通成分1をバランス用イオン交換水に溶解させて得られた水相混合物を質量比で30:70(1回目の添加用:2回目の添加用)に分割した。2回目添加用の水相混合物に(B)成分の全量を添加、混合して、以降の製造に用いた。ここで、バランス用イオン交換水の質量は、980gから油相混合物、(B)成分、(C)成分及び(D)成分((C)成分及び(D)成分を溶解するのに必要なイオン交換水を含む)の合計量から差し引いた残部に相当した。
次に、(A)成分の融点以上に加温した油相混合物をガラス容器に収納して攪拌しながら、前述の2分割した水相混合物を、それぞれ(A)成分の融点以上に加温して添加し、攪拌した。なお、油相混合物の乳化は、1回目の添加((B)成分を含まない水相混合物)により行った。
1回目の水相混合物添加後に3分間、2回目の水相混合物添加後に2分間の攪拌(いずれも、回転速度1,500rpm)を行った。
しかる後、(D)成分及び(C)成分を添加した。尚、(C)成分は添加前にイオン交換水に溶解し水溶液として用いた。また必要に応じて、塩酸(試薬1mol/L、関東化学)、または水酸化ナトリウム(試薬1mol/L、関東化学)を適量添加してpH2.5に調整し、更に全体質量が1,000gになるようにイオン交換水を添加して、目的の液体柔軟剤組成物(比較例3)を得た。
製造方法Dでは、「(A)成分を含む油相混合物」の1回目の乳化(最初の乳化)を「(B)成分を溶解させた水相混合物」を用いて行っておらず、比較例に該当した。
製造方法E
内径100mm、高さ150mmのガラス容器と、攪拌機(アジターSJ型、島津製作所製)を用い、各成分の配合量を、表1に記載の通りに調整して、次の手順により液体柔軟剤組成物を調製した。
まず、(A)成分及び(E−1)成分を混合攪拌して、油相混合物を得た。一方、共通成分1をバランス用イオン交換水に溶解させて水相混合物を得た。ここで、バランス用イオン交換水の質量は、980gから油相混合物、(B)成分、(C)成分及び(D)成分((C)成分及び(D)成分を溶解するのに必要なイオン交換水を含む)の合計量から差し引いた残部に相当した。
次に、(A)成分の融点以上に加温した油相混合物をガラス容器に収納して攪拌しながら、(A)成分の融点以上に加温した水相混合物を2度に分割して添加し攪拌して、油相混合物を乳化した。水相混合物の分割比率(質量比)は30:70(1回目:2回目)であった。1回目の水相混合物添加後に3分間、2回目の水相混合物添加後に2分間の攪拌(いずれも、回転速度1,500rpm)を行った。なお、何れの水相混合物も(B)成分を含んでいなかった。
しかる後、(B)成分、(D)成分及び(C)成分を添加した。尚、(B)成分及び(C)成分は添加前にイオン交換水に溶解し水溶液として用いた。また必要に応じて、塩酸(試薬1mol/L、関東化学)、または水酸化ナトリウム(試薬1mol/L、関東化学)を適量添加してpH2.5に調整し、更に全体質量が1,000gになるようにイオン交換水を添加して、目的の液体柔軟剤組成物(比較例4〜6)を得た。
製造方法Eでは、油相混合物の乳化(最初の乳化を含む)を「(B)成分を溶解させた水相混合物」を用いて行っておらず、比較例に該当した。
液体柔軟剤組成物の評価
得られた液体柔軟剤組成物について、以下の手順により「長期減粘抑制効果」、「温度粘度変化抑制効果」及び「(C)成分の分散安定性」の評価を行った。
長期減粘抑制効果
まず、製造一日後の液体柔軟剤組成物を25℃に調温し、B型粘度計(TOKIMEC社製、ローターNo.2)(回転速度30rpm)にて粘度(初期粘度「η1」)を測定した(「η1」を表1の「30rpm粘度」の欄に示す)。
次に、液体柔軟剤組成物を室温下で2ヶ月間保管した。その後、液体柔軟剤組成物を25℃に調温し、B型粘度計(TOKIMEC社製、ローターNo.2)(回転速度30rpm)にて粘度(保存2ヶ月後粘度「η2」)を測定した。
下式に従い、保存による粘度変化の絶対値であるΔη3を算出し、これを長期減粘抑制効果の指標とした。

Δη3=|(η1−η2)/η1×100|

液体柔軟剤組成物の長期減粘抑制効果を、下記の4段階評価基準に従い評価した。Δη3の評価点が3点以上であるものを商品価値上合格と判断した。結果を表1の「長期減粘抑制効果」の欄に示す。

<評価基準>
4:Δη3が20未満
3:Δη3が20以上、40未満
2:Δη3が40以上、70未満
1:Δη3が70以上
温度粘度変化抑制効果
まず、製造一日後の液体柔軟剤組成物を25℃に調温し、B型粘度計(TOKIMEC社製、ローターNo.2)(回転速度30rpm)にて粘度(初期粘度「η1」)を測定した。
次に、液体柔軟剤組成物を40℃下で1時間以上静置した。その後、液体柔軟剤組成物を25℃に調温し、B型粘度計(TOKIMEC社製、ローターNo.2)(回転速度30rpm)にて粘度(「η4」)を測定した。
下式に従い、温度による粘度変化の絶対値であるΔη5を算出し、これを温度粘度変化抑制効果の指標とした。

Δη5=|(η1−η4)/η1×100|

液体柔軟剤組成物の温度粘度変化抑制効果を、下記の4段階評価基準に従い評価した。Δη5の評価点が3点以上であるものを商品価値上合格と判断した。結果を表1の「温度粘度変化抑制効果」の欄に示す。

<評価基準>
4:Δη5が20未満
3:Δη5が20以上、40未満
2:Δη5が40以上、70未満
1:Δη5が70以上
(C)成分(機能性カプセル)の分散安定性評価
液体柔軟剤組成物を軽量PSガラスビン(PS−No.11、田沼硝子工業所製)に100mL入れて密栓して40℃下で1ヶ月間保管したものを評価用サンプルとした。
サンプルにおける(C)成分の分散安定性を、専門パネル10名により、下記の4段階評価基準に従い目視評価した。専門パネル10人の平均点が3点以上であるものを合格と判断した。結果を表1の「(C)成分の分散安定性」の欄に示す。

<評価基準>
4:カプセルの浮遊・沈降及び組成物の分離がみとめられない
3:極、わずかにカプセルの浮遊・沈降及び組成物の分離が認められるもの
2:わずかにカプセルの浮遊・沈降及び組成物の分離がやや認められるもの
1:はっきりとカプセルの浮遊・沈降及び組成物の分離が認められる
本発明は、液体柔軟剤分野において利用可能である。
Figure 2017040019

Claims (7)

  1. 下記(A)〜(D):
    (A)エステル基(−COO−)及び/又はアミド基(−NHCO−)で分断されていてもよい、炭素数10〜26の炭化水素基を分子内に1〜3個有するアミン化合物、その塩及びその4級化物からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物、
    (B)無機塩、
    (C)機能性カプセル、及び
    (D)粘度付与剤
    を含有し、
    (B)成分に対する(A)成分の質量比[A/B]が、25〜240であり、
    (D)成分に対する(A)成分の質量比[A/D]が、8〜100である
    液体柔軟剤組成物の製造方法であって、
    (A)成分を含む油相混合物の最初の乳化を、(B)成分を溶解させた水相混合物を用いて行うことを特徴とする、製造方法。
  2. 前記最初の乳化を、前記水相混合物を前記油相混合物へ添加することにより行う、請求項1に記載の製造方法。
  3. 前記水相混合物の全量を一度に添加する、請求項2に記載の製造方法。
  4. 前記水相混合物を分割して複数回添加する、請求項2に記載の製造方法。
  5. 前記水相混合物と油相混合物とから得られた乳化物へ、(D)成分の全量を一度に添加する、請求項1〜4のいずれかに記載の製造方法。
  6. (D)成分を2分割し、
    一方を、前記油相混合物へ添加し、
    他方を、前記水相混合物と油相混合物とから得られた乳化物へ添加する、
    請求項1〜4のいずれかに記載の製造方法。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載の製造方法にしたがい製造される、液体柔軟剤組成物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN106916088A (zh) * 2017-04-06 2017-07-04 四川德赛尔化工实业有限公司 一种组合物、加脂剂及其制备方法

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