JP2017039286A - インクジェットプリンタ用の吐出ノズル洗浄装置 - Google Patents
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Abstract
Description
インクジェットプリンタは、この吐出ノズルから吐出されたインクを被印刷媒体に着弾させることで印刷を行うようになっている。
そうすると、印刷時にこの吐出ノズルから吐出されるべきインクが吐出されないので、被印刷媒体にインクが着弾しない部分が生じてしまう結果、印刷された画像の画質が低下してしまう。
特に特許文献2の方法では、ノズル面に洗浄液を十分に行きわたらすことが困難であり、このことによっても十分な洗浄効果が発揮されなかった。
ユーザにより把持される把持部と、
前記把持部の一端から、当該把持部から離れる方向に延出されたホーンと、
前記ホーンの前記延出方向における一方側に設けられていると共に、洗浄液を貯留可能な貯留部材と、
前記ホーンの前記延出方向における他方側に設けられていると共に、前記ホーンに超音波を伝達可能に付設された超音波発生器と、を有し、
前記貯留部材は、
前記インク吐出面との対向部が開口する有底筒形状に形成されて、前記洗浄液を内部に貯留可能に設けられていると共に、前記ホーンの少なくとも一部を挿通させて前記内部に位置させる貫通孔を有し、
前記貯留部材の前記開口を囲む壁部の高さが、前記ホーンの前記一方側を前記内部に位置させる高さに設定されている構成のインクジェットプリンタ用の吐出ノズル洗浄装置とした。
図1は、実施の形態にかかるインクジェットプリンタ用の吐出ノズル洗浄装置1(以下、吐出ノズル洗浄装置1と記載する)の全体構成を説明する図である。
図2は、吐出ノズル洗浄装置1を説明する図であり、(a)は、把持部2とホーン3と貯留部材4の断面を、インクジェットヘッド100の断面と共に示した図であり、(b)は、吐出ノズル洗浄装置1の使用時のインク吐出面100aのノズル列105と、貯留部材4との位置関係を示す図であり、(a)におけるA−A矢視図に相当する。なお、(b)においては、説明の便宜上、貯留部材4の周壁部43の内側におけるホーン3の先端部32aの位置を破線で示している。
図3は、吐出ノズル洗浄装置1の要部拡大図であり、(a)は、把持部2におけるホーン3の支持構造と、このホーン3と超音波発生器5との連結構造とを説明する図であり、(b)は、(a)におけるA−A断面図である。
なお、(a)では、超音波発生器5で発生する振動の波長の変曲点Pとホーン3の形状との関係を示している。
図4は、吐出ノズル洗浄装置1の貯留部材4を説明する図であり、(a)は、貯留部材4とホーン3との連結部を示す断面図であり、(b)は、(a)におけるA−A断面図であり、(c)は、貯留部材4の斜視図である。
図2に示すように、インクジェットプリンタのインクジェットヘッド100では、被印刷媒体(図示せず)との対向面であるインク吐出面100aに、複数の吐出ノズル101を有している(図2の(b)参照)。
インク吐出面100aでは、複数の吐出ノズル101から構成されるノズル列105が、印刷時の主走査方向に所定間隔を開けて複数設けられており、各ノズル列105では、印刷時の副走査方向に所定間隔で複数の吐出ノズル101が設けられている。
図3の(a)に示すように、係止爪21は、把持部2の開口20の中心を通る中心線X1に沿って、把持部2から離れる方向に突出しており、この係止爪21の内周には、リング状の凹溝21aが、中心線X1周りの周方向の全周に亘って形成されている。
そのため、係止爪21の凹溝21aよりも先端側が、中心線X1の径方向に変位可能となっている。
各係止爪21の凹溝21aには、ホーン3の基部31に設けたフランジ部31aが内嵌して取り付けられており、ホーン3が係止爪21で把持部2に取り付けられた状態で、ホーン3は、把持部2の一端2aから、把持部2から離れる方向に延出して設けられている。
中心線X1の軸方向から見たフランジ部31aの外形は、円形の外形を成しており、このフランジ部31aの外径D1は、把持部2の開口径D2よりも大きい径で形成されている。
なお、フランジ部31aの把持部2側の面には、リング状のパッキン25が設けられている。
超音波発生器5は、ホーン3の基部31と、支持部材53との間に配置した一対のピエゾ素子51、52を、ボルト7で挟み込んで構成したランジュバン型振動子である。
ピエゾ素子51、52は、電圧を加えると伸び縮みする特性を有しており、中心線X1に沿って設けられている。
これらピエゾ素子51、52は、電力供給線8(図2の(a)参照)を介して電源供給部6(図1参照)に接続されており、これらピエゾ素子51、52は、電力供給線8を介して駆動電圧が作用すると、中心線X1方向に振動するようになっている。
そのため、ピエゾ素子51、52の振動が、当該ピエゾ素子51、52が付設された基部31を介して伝達されて、ホーン3全体を振動させるようになっている。
振動伝達部32は、先端部32aが矩形形状の断面を持つ板状部材であり、この振動伝達部32の基部31側は、基部31に向かうにつれて、中心線X1の軸方向から見た把持部2の直径線Ln方向の厚みW1が厚くなる形状の連結部32bとなっている。
実施の形態では、この境界部32b1の中心線X1方向の位置が、超音波発生器5が発生させる振動の波長の変曲点Pと一致するように設定されており、これにより、発生させた振動(超音波振動)が変調することなく増幅されて、先端部32a側に伝達されるようになっている。
そのため、超音波発生器5が振動すると、振動伝達部32は、中心線X1を基準として振動し、振動伝達部32の矩形形状の断面を有する板状の先端部32aは、中心線X1基準として大きく振動するようになっている。
貯留部材4は、ホーン3の先端部32aが貫通する板状の底壁部44と、底壁部44の周縁を全周に亘って囲む周壁部43とから、一体に形成されており、この貯留部材4は、ホーン3の振動を吸収可能な弾性材料で形成されている。貯留部材4は、洗浄液が貯留可能であれば周壁部43および底壁部44により形成されたものに限らず適宜の形状であって良く、例えば擂鉢状の形状等であっても良い。
貫通孔44cには、ホーン3の先端部32aが、中心線X1の軸方向から嵌入されており、底壁部44とホーン3とは、中心線上で互いに連結されている。(図4の(a)、(b)参照)
周壁部43は、先端部43a側に向かうにつれて、中心線X1に直交する方向に外径側面の厚みW2が段階的に薄くなっている。
実施の形態では、貯留部材4は、筒状の周壁部43の一端を底壁部44で封止した有底筒形状を成しており、周壁部43と底壁部44とで囲まれた空間が、後記する洗浄液を貯留する貯留空間Sとなっている。
実施の形態では、この突出壁441の突出高さh2は、周壁部43の高さh1の半分未満の高さであって、突出壁441の先端面441aが、貫通孔44cを貫通したホーン3の先端部32aの先端面32a1と面一になるように設定されており、ホーン3の一方側の先端部32aを周壁部43の内部に位置させるようになっている。
これにより、ホーン3の振動が貯留部材4に伝播され難くなっており、超音波の減衰や波長の変調を防ぐと共に、貯留部材4が大きく振動しないようにされている。
よって、この突出壁(441、442)と先端部32aとの接触部から、ホーン3の振動が、貯留部材4に伝播されないようになっている。
そのため、貯留部材4から洗浄液がこぼれても、電力供給線8の被覆材料9により電力供給線8への接触が防がれて、電力供給線8の被覆が溶解して金属部分がむき出しにならないようになっている。
はじめに、貯留空間Sに洗浄液が満たされた貯留部材4を、インクジェットヘッド100のインク吐出面100aに押し当てて、ノズル詰まりが発生している吐出ノズル101を、貯留部材4の周壁部43の内側に収容する。
これにより、ホーン3の先細り形状の振動伝達部32は、先端部32a側が大きく振動することになる。
(1)インクジェットヘッド100のインク吐出面100aに、吐出ノズル101が並んだインクジェットプリンタ用の吐出ノズル洗浄装置1であって、
ユーザにより把持される把持部2と、
把持部2から離れる方向に、把持部2の一端2aから延出するホーン3と、
ホーン3の延出方向における一方側の振動伝達部32の先端部32aに設けられていると共に、洗浄液を貯留可能な貯留部材4と、
ホーン3の延出方向における他方側の基部31に付設されて、ホーン3に超音波を伝達可能とされた超音波発生器5と、を有し、
貯留部材4は、
インク吐出面100aとの対向部が開口する有底筒形状に形成されて、洗浄液を貯留空間S(内部)に貯留可能に設けられていると共に、ホーン3の少なくとも一部を挿通させて貯留空間Sに位置させる貫通孔44cを有し、
貯留部材4の開口を囲む周壁部43(壁部)の高さh1が、ホーン3の振動伝達部32の一方側を貯留空間Sに位置させる高さh2に設定されている構成とした。
これにより、インク吐出面100aにおける洗浄の対象領域に接触させた洗浄液を振動させて、洗浄の対象領域に超音波による振動を直接作用させることができるので、吐出ノズル101などに付着したインク固着物を破砕、溶解等により除去することができるので、十分な洗浄効果が発揮される。
よって、洗浄作業時に、貯留部材4に貯留された洗浄液が、貯留部材4の外部に漏れ出すことを好適に防止できる。
ホーン3の振動伝達部32において貯留部材4は、開口をホーン3の延出方向に向けて設けられている構成とした。
把持部2の一端に取り付けられる基部31と、
ホーン3の延出方向に沿って基部31から離れるにつれて、延出方向に直交する方向の厚みが薄くなる連結部32b(縮径部)と、
連結部32bから延出方向に沿って延びると共に、先端部32aが矩形形状の断面を持つ板状に形成された振動伝達部32と、から一体に形成されており、
延出方向において連結部32bを、超音波発生器5が発生させる超音波波形の変曲点に位置させた構成とした。
これにより、貯留部材4内に貯留された洗浄液を、ホーン3を介して伝達される振動で、より確実に、かつ所望の周波数で振動させることができる。
電源供給部6と超音波発生器5とを電力供給線8を介して接続して、把持部2を、電源供給部6から離れた任意の位置に配置できるようにされており、
電力供給線8は、洗浄液に対する耐性を持つ被覆材料9で被覆されている構成とした。
特に、電力供給線8の把持部2から外部に引き出された部位であって、把持部2との境界部とその近傍を被覆材料9で覆うことで、漏れ出た洗浄液が、把持部2の外周を伝って流れた場合であっても、洗浄液が電力供給線8に接触することを確実に防止することができる。
貫通孔44cの内周には、ホーン3の延出方向における中央部に、貫通孔44cを全周に亘って囲むリング溝45が形成されている構成とした。
特に、貯留部材4の底壁部44とホーン3の先端部32aとが、面接触では無く線接触に近い形になって、接触面積が少なくなるので、ホーン3が振動する際に、貯留部材4の部分で、超音波の変調や減衰が生じることを好適に抑制できる。
よって、吐出ノズル101などから除去されたインクの固化物を含む洗浄液(汚れた洗浄液)が、貯留部材4から漏出して周囲に飛散することを好適に抑制できるので、把持部2を把持する作業者の手や、インクジェットプリンタのインク吐出面100a周りや、吐出ノズル洗浄装置1が、汚れることを好適に抑制できる。
よって、周壁部43の先端部43aまで洗浄液が満たされた貯留部材4を、大きく揺らすこと無く安定的に保持することができるので、洗浄液が、貯留部材4からこぼれ難くなる。
これにより、インクジェットヘッド100のインク吐出面100aの近傍に、ユーザの手と、この手から突出する貯留部材4とを、挿入することができる空間があれば、作業者が把持部2を把持した手を空間に差し込んで、貯留部材4に貯留された洗浄液を、洗浄の対象領域に接触させることができる。
よって、洗浄作業時に、作業者が安定して把持部2を把持して、貯留部材4を所望の位置に配置させることができるので、洗浄効率の向上が期待される。
ホーン3は、当該ホーン3の基部31(フランジ部31a)に係止させた係止爪21により、把持部2の一端に着脱自在に固定されている構成とした。
ホーン3の先端面32a1は、貯留部材4の内部に突出した突出壁441の先端面441aと面一に配置されている構成とした。
よって、貯留部材4とインク吐出面100aとの間から洗浄液が漏れることを好適に防止できる。
よって、作業者(ユーザ)が把持した際に、把持部2が周壁部43(貯留空間S)の開口方向と直交する方向に沿って延設されている場合よりも、把持部2を持った状態で、貯留部材4の移動を安定して行える。そのため、貯留部材4を動揺させる虞が小さくなるため、貯留部材4から洗浄液を溢す恐れを小さくできる。
2 把持部
2a 一端
3 ホーン
4 貯留部材
5 超音波発生器
6 電源供給部
8 電力供給線
9 被覆材料
21 係止爪
31 基部
31a フランジ部
32 振動伝達部
32a1 先端面
32a 先端部
43 周壁部
43a 先端部
44 底壁部
44c 貫通孔
45 リング溝
100 インクジェットヘッド
100a インク吐出面
101 吐出ノズル
101 インク吐出ノズル
441 突出壁
441a 先端面
442 突出壁
S 貯留空間
X1 中心線
Claims (5)
- インクジェットヘッドのインク吐出面に、インク吐出ノズルが並んだインクジェットプリンタ用の吐出ノズル洗浄装置であって、
ユーザにより把持される把持部と、
前記把持部の一端から、当該把持部から離れる方向に延出されたホーンと、
前記ホーンの前記延出方向における一方側に設けられていると共に、洗浄液を貯留可能な貯留部材と、
前記ホーンの前記延出方向における他方側に設けられていると共に、前記ホーンに超音波を伝達可能に付設された超音波発生器と、を有し、
前記貯留部材は、
前記インク吐出面との対向部が開口する有底筒形状に形成されて、前記洗浄液を内部に貯留可能に設けられていると共に、前記ホーンの少なくとも一部を挿通させて前記内部に位置させる貫通孔を有しており、
前記貯留部材の前記開口を囲む壁部の高さが、前記ホーンの前記一方側を前記内部に位置させる高さに設定されていることを特徴とするインクジェットプリンタ用の吐出ノズル洗浄装置。 - 前記ホーンは、前記把持部の前記一端から前記一方側に直線状に延出しており、
前記貯留部材は、前記開口を前記ホーンの前記一方側に向けて設けられていることを特徴とする請求項1に記載のインクジェットプリンタ用の吐出ノズル洗浄装置。 - 前記ホーンは、
前記把持部の一端に取り付けられる基部と、
前記延出方向に沿って前記基部から離れるにつれて、前記延出方向に直交する方向の厚みが薄くなる縮径部と、
前記縮径部から前記延出方向に沿って延びると共に、先端部が矩形形状の断面を持つ板状に形成された振動伝達部と、から一体に形成されており、
前記延出方向において前記縮径部を、前記超音波発生器が発生させる超音波波形の変曲点に位置させたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のインクジェットプリンタ用の吐出ノズル洗浄装置。 - 前記把持部とは別体に、前記超音波発生器に駆動電源を供給する電源供給部を備えており、
前記電源供給部と前記超音波発生器とを電力供給線を介して接続して、前記把持部が前記電源供給部から離れた任意の位置に配置できるようにされ、前記電力供給線は、前記洗浄液に対する耐性を持つ被覆材料で被覆されていることを特徴とする請求項1から請求項3の何れか一項に記載のインクジェットプリンタ用の吐出ノズル洗浄装置 - 前記貯留部材において前記貫通孔は、前記ホーンの先端部を貫通させる形状で、前記延出方向に貫通して形成されており、
前記貫通孔の内周には、前記延出方向における中央部に、前記貫通孔を全周に亘って囲むリング溝が形成されていることを特徴とする請求項1から請求項4の何れか一項に記載のインクジェットプリンタ用の吐出ノズル洗浄装置。
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