JP2017036343A - 撥水撥油性樹脂組成物 - Google Patents
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Description
特開平10−168324号公報は、炭素数3〜21のポリフルオロアルキル基を有する含フッ素重合体からなる撥水撥油性付与添加剤を、ポリオレフィンなどの熱可塑性樹脂に撥水撥油性向上のために添加することを開示している。
特開平03−007745号公報は、ポリオレフィン樹脂と、炭素数4〜20が好ましいポリフルオロアルキル基を有する重合性化合物からなる樹脂組成物を開示している。
特開平03−041162号公報は、炭素数5〜16のパーフルオロアルキル基を有するパーフルオロアルキル基含有ポリマー0.1〜5重量部を、熱可塑性樹脂100重量部に添加配合した熱可塑性樹脂組成物を開示している。
含フッ素ブロック共重合体(B)は、遷移金属錯体を使用したリビングラジカル重合法により製造され、含フッ素ブロックセグメント(B1)と非フッ素ブロックセグメント(B2)とからなり、
該含フッ素ブロックセグメント(B1)は、含フッ素アクリレート単量体からの繰り返し単位を有し、該非フッ素ブロックセグメント(B2)は、非フッ素アクリレート単量体からの繰り返し単位を有する撥水撥油性樹脂組成物を提供する。
さらに、本発明は、熱可塑性樹脂(A)100重量部に対して、含フッ素ブロック共重合体(B)を0.01〜50重量部含有する撥水撥油性樹脂組成物であって、
含フッ素ブロック共重合体(B)は、含フッ素ブロックセグメント(B1)と非フッ素ブロックセグメント(B2)を有してなり、
含フッ素ブロック共重合体(B)は、共重合体の分子末端に、ハロゲン化合物からの開裂基を有しており、
該含フッ素ブロックセグメント(B1)は、含フッ素アクリレート単量体からの繰り返し単位を有し、該非フッ素ブロックセグメント(B2)は、非フッ素アクリレート単量体からの繰り返し単位を有する撥水撥油性樹脂組成物を提供する。
含フッ素ブロック共重合体の分子量分散度(Mw/Mn)が1.0〜1.5であることが好ましい。
さらに加えて、本発明は、
(1)遷移金属錯体を使用したリビングラジカル重合法により、含フッ素ブロックセグメント(B1)と非フッ素ブロックセグメント(B2)とからなる含フッ素ブロック重合体(B)を準備する工程、および
(2)含フッ素ブロック重合体(B)を熱可塑性樹脂(A)と混合して撥水撥油性樹脂組成物を製造する工程
を有する、撥水撥油性樹脂組成物の製造方法を提供する。
熱可塑性樹脂(A)の例は、ポリアミド樹脂 (例えば、ナイロン6、ナイロン12、ナイロン66、芳香族ナイロン)、ポリエステル樹脂(例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート)、ポリオレフィン樹脂(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレンとプロピレンとのコポリマー、エチレンまたはプロピレンとC4〜C20αオレフィンとのコポリマー、エチレンとプロピレンとC4〜C20αオレフィンとのターポリマー、エチレンとビニルアセテートとのコポリマー、プロピレンとビニルアセテートとのコポリマー、スチレンとαオレフィンとのコポリマー、ポリブチレン、ポリイソブチレン)、ポリエーテル樹脂、ポリエーテルエステル樹脂、ポリアクリレート樹脂、エチレンアルキルアクリレート樹脂、ポリジエン樹脂(例えば、ポリブタジエン、イソブチレンとイソプレンとのコポリマー)、ポリウレタン樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリエーテルサルフォン樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリカーボネート樹脂、塩化ビニル樹脂などである。
ポリエチレンには、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレンを含む。またポリプロピレンには、アイソタクティックポリプロピレン、シンジオタクティックポリプロピレン、アタクティックポリプロピレン、非晶性ポリプロピレンを含む。
前記非晶性ポリプロピレンは、メタロセン触媒を用いて作成した結晶性の極めて低いプロピレンである。非晶性ポリプロピレンは、メタロセン触媒を用いて作成した結晶性の極めて低いポリプロピレン(例えば、混合物の合計量の少なくとも50重量%)と他のプロピレンとの混合物であってよい。非晶性ポリプロピレンは、例えば、住友化学社製タフセレンT−3512、T−3522等として入手可能である。
含フッ素ブロック共重合体は、含フッ素ブロックセグメントおよび非フッ素ブロックセグメントを有する。含フッ素ブロック共重合体は、1つの含フッ素ブロックセグメントおよび1つの非フッ素ブロックセグメントを有するABジブロック共重合体であるか、あるいは2つの含フッ素ブロックセグメントおよび1つの非フッ素ブロックセグメントを有するABAトリブロック共重合体であることが好ましい。
含フッ素ブロックセグメントは、含フッ素アクリレート単量体から誘導された繰り返し単位によって形成されている。一般に、含フッ素ブロックセグメントは、含フッ素アクリレート単量体から誘導された繰り返し単位のみからなる。
含フッ素アクリレート単量体は、式:
(式中、Rfは、炭素数1〜8のパーフルオロアルキル基、
Xは、水素原子、メチル基、フッ素原子又は塩素原子であり、
Yは、炭素数1以上の脂肪族基である。)
で示される化合物であることが好ましい。
Yは、例えば、炭素数1〜20の直鎖状または分岐状脂肪族基(特に、アルキレン基)、例えば、式−(CH2)x−(式中、xは1〜10である。)で示される基であってよい。
CH2=C(−H)−C(=O)−O−(CH2)2−Rf
CH2=C(−CH3)−C(=O)−O−(CH2)2−Rf
CH2=C(−Cl)−C(=O)−O−(CH2)2−Rf
[上記式中、Rfは、炭素数1〜8のフルオロアルキル基である。]
非フッ素ブロックセグメントは、非フッ素アクリレート単量体から誘導された繰り返し単位によって形成されている。一般に、非フッ素ブロックセグメントは、非フッ素アクリレート単量体から誘導された繰り返し単位のみからなる。
「非フッ素アクリレート単量体」は、非フッ素アクリレートエステルに加えて、非フッ素アクリル酸をも意味する。非フッ素アクリレート単量体において、α位は、水素原子、メチル基またはハロゲン原子であってよい。非フッ素アクリレート単量体は、非フッ素アクリレートエステルであることが好ましい。
CH2=CA1COO-A2
[式中、A1は、水素原子、メチル基、または、フッ素原子以外のハロゲン原子(例えば、塩素原子、臭素原子およびヨウ素原子)であり、
A2は、水素原子、または炭素数1〜30の炭化水素基である。]
で示される化合物であってよい。
含フッ素ブロック共重合体は、非フッ素アクリレート単量体を重合させる第一段目の重合工程(工程1)と、次に第一段目の重合工程で得られた溶液中にさらに含フッ素アクリレート単量体を供給して重合させる第二段目の重合工程(工程2)を有する製法によって製造できる。また、第一段目の重合工程の後に、非フッ素アクリレート重合体を単離、回収した後、再度、分散溶媒に溶解し、さらに含フッ素アクリレート単量体を供給して重合させる第二段目の重合工程による製法によって製造してもよい。あるいは、含フッ素ブロック共重合体は、含フッ素アクリレート単量体を重合させる第一段目の重合工程(工程1)と、次に第一段目の重合工程で得られた溶液中にさらに非フッ素アクリレート単量体を供給して重合させる第二段目の重合工程(工程2)を有する製法によって製造してもよい。また、第一段目の重合工程の後に、含フッ素アクリレート重合体を単離、回収した後、再度、分散溶媒に溶解し、さらに非フッ素アクリレート単量体を供給して重合させる第二段目の重合工程による製法によって製造してもよい。
〔式中、Mは短周期型周期表8族の遷移金属元素を示し、L1は炭化水素環を含む炭化水素配位子を示し、置換基を有していてもよい。L2は同一又は異なっていてもよい、金属に配位して錯体を形成する配位子を示す。iは0〜2の整数、jは0〜5の整数を示す。〕
一般式(1)において、Mで表される短周期型周期表8族の遷移金属元素は前記の通りである。L1で表される配位子としては、前記金属錯体に単座で又は多座で配位又は結合可能な炭化水素環を含む炭化水素配位子であれば特に制限されず、炭化水素配位子は置換基を有していてもよい。例えば、ベンゼン、シクロブタジエン、シクロペンタジエニル、シクロヘキサジエン、シクロヘプタジエン、シクロヘプタトリエン、シクロヘプタトリエニル、シクロオクタジエン、シクロオクタテトラエン、ノルボルナジエン等が挙げられる。特に、5員環を有する炭化水素環が好ましく、例えば、シクロペンタジエニル、インデニル、フルオレニル等を挙げることができる。
(a−2)のハロゲン化合物は、式:
R1−X
[式中、R1は一価の有機基、Xはハロゲン原子である。]
で表される化合物であることが好ましい。R1は、少なくとも1つのヘテロ原子(酸素、窒素又は硫黄等)を含む有機基であってよい。
R2dSO2X (2b)
(式中、Xはハロゲン原子を示し、R2a、R2dはアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基又はヘテロ原子を含む有機基を示し、R2b、R2cは同一又は異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基及びヘテロ原子を含む有機基を示す。)
一般式(2a)又は(2b)において、R2b、R2c、Xで表されるハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等を挙げることができ、特に塩素、臭素、ヨウ素が好ましい。
撥水撥油性樹脂組成物は、必要に応じて、添加剤(すなわち、助剤)、例えば、染料、顔料、帯電防止剤、酸化防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤、中和剤、造核剤、エポキシ安定剤、滑剤、抗菌剤、難燃剤、可塑剤等を含有してもよい。
ポリマーの分子量分散度(M w /M n )
日本分光製HPLCポンプ(PU-2080)、示差屈折計(RI-2031)、カラムオーブン(CO-2065)、分析カラムTSKgelからなるゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)装置を用い、溶媒として含フッ素溶剤を流速1 mL/min、カラム温度40℃で流して測定した。検量線サンプルはポリメタクリル酸メチル標準サンプルを使用し、サンプル打ち込み量20μLで測定を行った。
ポリマー構造および分子量は、日本電子(JEOL)製NMR(核磁気共鳴)装置(ECP-400)を用いて測定した。1H NMR測定の周波数は400 MHz、サンプルの溶媒としてテトラメチルシラン(TMS)を含むCDCl3もしくはCDCl3/含フッ素溶剤を用い、TMSの吸収を0 ppmとして解析した。
各試験片について協和界面科学製DropMaster701 にて、ヘキサデカン(HD と以下略記する場合がある) に対する静的接触角を測定した。測定時の液滴量は2μlとした。
製造例1〜16
Ru錯体によるリビングラジカル重合技術を用いて、2−ペルフルオロヘキシルエチルメタクリレート(C6SFMA)とステアリルメタクリレート(StMA)から成るAB型ジブロックコポリマー[pStMA-b-pC6SFMA (50-50)]を2段階反応で合成した。
1-1.プレポリマー(ポリメタクリル酸ステアリル(pStMA-Cl))の合成
三方コックを取り付けた100 mLナス型フラスコにクロロインデニルビス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム(Ru(Ind)Cl(PPh3)2)触媒(0.060 mmol, 51.7 mg)、非フッ素単量体としてStMA (75 mmol, 25.4 g)を秤取し、そこにトルエン (30.2 mL)、n−トリブチルアミン(n-Bu3N)助触媒(0.60 mmol,0.111g )、開始剤であるmethyl 2-chloro-2-phenylacetate(MCPA)(1.50 mmol, 0.276g)を順に加えよく攪拌した。重合溶液を80℃に加熱したオイルバスに浸し、重合を開始した。重合開始42時間後、重合を停止した。
重合溶液をCHCl3で希釈し、大量のMeOHに滴下することによりポリマーを沈殿精製した。精製後のポリマーをGPCで解析すると、Mw/Mn 1.21の鎖長が制御されたものであった。このポリマーを1H NMRにより解析し、分子量を求めるとMn(NMR) 19,700であった。
三方コックを取り付けた100 mLナス型フラスコにRu(Ind)Cl(PPh3)2触媒(0.040 mmol, 34.4 mg)、pStMA-Cl (Mn = 19,700, 0.40 mmol, 7.88 g)を秤取し、溶媒としてtoluene (9.93 mL)、n-Bu3N助触媒(0.40 mmol,0.074g)、フッ素溶媒のトリフルオロトルエン(CF3Ph, 14.8 mL)、C6SFMA (25.6 mmol, 7.38 mL)を順に加えよく攪拌した。重合溶液を80℃に加熱したオイルバスに浸し、重合を開始した。重合開始して30時間後、重合を停止した。大量のMeOHに滴下することによりポリマーを沈殿精製した。精製後のポリマーをGPCで解析すると、Mw/Mn = 1.12の構造が制御されたものであった。このポリマーを1H NMRにより解析し、分子量を求めるとMn(NMR) 44,500、C6SFMA/StMA組成比を求めるとC6SFMA/StMA = 50/50であり、ポリマー鎖中にそれぞれのユニットが等量含まれた構造が制御されたブロックコポリマーが得られた(製造例5)。
また、実施例4,6,7は、C6SFMAとStMAの仕込み比をそれぞれモル比で、70/30,30/70、10/90に変更した以外、上記と同様の方法で調製した。
Ru錯体によるリビングラジカル重合技術を用いて、C6SFMAとStMAから成るABA型トリブロックコポリマー[pC6SFMA-b-pStMA-b-pC6SFMA (25-50-25)]を2段階反応で合成した。
三方コックを取り付けた100 mLナス型フラスコにRu(Ind)Cl(PPh3)2触媒(0.060 mmol, 51.7 mg)、非フッ素単量体としてStMA (75 mmol, 25.4 g)を秤取した。溶媒としてtoluene (30.2 mL)、n-Bu3N助触媒(0.60 mmol, 0.110g)、開始剤であるα,α-dichloroacetophenone (DCAP) (1.50 mmol, 0.284g )を加えよく攪拌した。重合溶液を80℃に加熱したオイルバスに浸し、重合を開始した。重合開始して43時間後に重合を停止した。得られたポリマーの分子量をGPCにより解析すると、数平均分子量(Mn) 13,700、分子量分散度(Mw/Mn) 1.23となった。重合溶液を、大量のMeOHに滴下することによりポリマーを沈殿精製した。精製後のポリマーをGPCで解析すると、Mn 15,100、Mw/Mn 1.19の鎖長が制御されたものであった。このポリマーを1H NMRにより解析し、分子量を求めるとMn(NMR) 17,500であった。
三方コックを取り付けた100 mLナス型フラスコにRu(Ind)Cl(PPh3)2触媒(0.040 mmol, 34.4 mg)、Cl-pStMA-Cl (Mn = 17,500, 0.40 mmol, 7.00 g)を秤取した。そこに溶媒としてtoluene (9.94 mL)、n-Bu3N助触媒のtoluene溶液 (0.40 mmol, 0.074 mL)、フッ素溶媒のtrifluorotoluene (CF3Ph, 15.9 mL)、C6SFMA (22.8 mmol, 6.57 mL)を加えよく攪拌した。重合溶液を80℃に加熱したオイルバスに浸し、重合を開始した。重合開始して30時間後重合を停止した。重合溶液を大量のMeOHに滴下することによりポリマーを沈殿精製した。精製後のポリマーをGPCで解析すると、Mw/Mn = 1.12の構造が制御されたものであった。このポリマーを1H NMRにより解析し、分子量を求めるとMn(NMR) 39,400、C6SFMA/StMA組成比を求めるとC6SFMA/StMA = 53/47であり、ポリマー鎖中にそれぞれのユニットがほぼ等量含まれた構造が制御されたトリブロックコポリマーが得られた(製造例13)。
また、実施例12,13,15は、C6SFMAとStMAの仕込み比をそれぞれモル比で、70/30、30/70、10/90に変更した以外、上記と同様の方法で調製した。
C6SFMA/メタクリル酸ステアリル(StMA)ランダム共重合体の合成
三方コックを取り付けたシュレンク管にRu(Ind)Cl(PPh3)2触媒(0.020 mmol, 17 mg)、非フッ素単量体としてStMA (15 mmol, 5.1 g)を秤取した。そこに溶媒としてtoluene (3.9 mL)、n-Bu3N助触媒(0.20 mmol, 0.037g,)、CF3Ph (5.9 mL)、C6SFMA (15 mmol, 4.3 mL)、開始剤であるmethyl 2-chloro-2-phenylacetate (0.30 mmol,0.0552g )を加えよく攪拌した。重合溶液を80℃に加熱したオイルバスに浸し、重合を開始した。重合開始して32時間後重合を停止した。
重合溶液を大量のMeOHに滴下することによりポリマーを沈殿精製した。精製後のポリマーをGPCで解析すると、Mw/Mn 1.14の鎖長が制御されたものであった。このポリマーを1H NMRにより解析し、分子量を求めるとMn(NMR) 38,100、C6SFMA/StMA組成比を求めるとC6SFMA/StMA = 52/48であり、ポリマー鎖中にそれぞれのユニットがほぼ等量含まれた構造が制御されたランダムコポリマーが得られた(比較製造例5)。
また、比較例4,6,7は、C6SFMAとStMAの仕込み比をそれぞれmol比で、70/30,30/70、10/90に変更した以外、上記と同様の方法で調製した。
b) GPCにより測定
1.試料調製方法(含フッ素重合体を添加した熱可塑性樹脂シートの成形)
アイソタクティックポリプロピレン(熱可塑性樹脂)100重量部と、表1に示す含フッ素重合体1重量部を二軸押出機にて180℃で溶融混練した後、得られた混練物をヒートプレスで成形し 0.2mm厚のシートを得た。使用した含フッ素重合体および得られた接触角を表2に示す。
アイソタクティックポリプロピレン(熱可塑性樹脂)100重量部と、表1に示す含フッ素重合体のうち、製造例5、13、15、比較製造例5を表3に記載の重量部に変更し、二軸押出機にて180℃で溶融混練した後、得られた混練物をヒートプレスで成形し 0.2mm厚のシートを得た。使用した含フッ素重合体および得られた接触角を表3に示す。
3.試料調製方法(含フッ素重合体を添加した熱可塑性樹脂シートの成形)
低密度ポリエチレン(熱可塑性樹脂)100重量部と、表1に示す含フッ素重合体1重量部を二軸押出機にて180℃で溶融混練した後、得られた混練物をヒートプレスで成形し 0.2mm厚のシートを得た。使用した含フッ素重合体および接触角を表4に示す。
また、比較製造例15は、ノバテックLD LC500(日本ポリプロ社製) (熱可塑性樹脂)(低密度ポリエチレン)100重量部を二軸押出機にて180℃で溶融混練した後、得られた混練物をヒートプレスで成形し 0.2mm厚のシートを得た。
Claims (13)
- 熱可塑性樹脂(A)100重量部に対して、含フッ素ブロック共重合体(B)を0.01〜50重量部含有する撥水撥油性樹脂組成物であって、
含フッ素ブロック共重合体(B)は、遷移金属錯体を使用したリビングラジカル重合法により製造され、含フッ素ブロックセグメント(B1)と非フッ素ブロックセグメント(B2)とからなり、
該含フッ素ブロックセグメント(B1)は、含フッ素アクリレート単量体からの繰り返し単位を有し、該非フッ素ブロックセグメント(B2)は、非フッ素アクリレート単量体からの繰り返し単位を有する撥水撥油性樹脂組成物。 - 熱可塑性樹脂(A)がポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリエーテルエステル樹脂、ポリアクリレート樹脂、エチレンアルキルアクリレート樹脂、ポリジエン樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリエーテルサルフォン樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリカーボネート樹脂、塩ビ樹脂、ポリプロピレン樹脂およびポリエチレン樹脂からなる群から選択された少なくとも1種である請求項1に記載の樹脂組成物。
- 非フッ素アクリレート単量体が、アルキル基の炭素数が1〜30である(メタ)アクリル酸アルキルである請求項1〜3のいずれかに記載の樹脂組成物。
- 含フッ素ブロック共重合体が、1つの含フッ素ブロックセグメントおよび1つの非フッ素ブロックセグメントを有するABジブロック共重合体であるか、あるいは1つの含フッ素ブロックセグメントおよび2つの非フッ素ブロックセグメントを有するABAトリブロック共重合体である請求項1〜4のいずれかに記載の樹脂組成物。
- 含フッ素ブロックセグメントと非フッ素ブロックセグメントのモル比(繰り返し単位のモル比)が5:95〜70:30である請求項1〜5のいずれかに記載の樹脂組成物。
- リビングラジカル重合法が原子移動ラジカル重合法である請求項1〜6のいずれかに記載の樹脂組成物。
- リビングラジカル重合法で用いるドーマントがハロゲン化アルキル、チオエステルおよびアルコキシアミンからなる群から選択された少なくとも1種である請求項1〜7のいずれかに記載の樹脂組成物。
- ルテニウム系の遷移金属錯体の存在下で非フッ素アクリレート単量体を重合させる第一段目の重合工程と、次に第一段目の重合工程で得られた溶液中にさらに含フッ素アクリレート単量体を重合させる第二段目の重合工程によって含フッ素ブロック共重合体を製造する請求項1〜8のいずれかに記載の樹脂組成物。
- 請求項1〜9のいずれかに記載の撥水撥油性樹脂組成物を加熱成形して得られる成形体。
- 熱可塑性樹脂(A)100重量部に対して、含フッ素ブロック共重合体(B)を0.01〜50重量部含有する撥水撥油性樹脂組成物であって、
含フッ素ブロック共重合体(B)は、含フッ素ブロックセグメント(B1)と非フッ素ブロックセグメント(B2)を有してなり、
含フッ素ブロック共重合体(B)は、共重合体の分子末端に、ハロゲン化合物からの開裂基を有しており、
該含フッ素ブロックセグメント(B1)は、含フッ素アクリレート単量体からの繰り返し単位を有し、該非フッ素ブロックセグメント(B2)は、非フッ素アクリレート単量体からの繰り返し単位を有する撥水撥油性樹脂組成物。 - 含フッ素ブロック共重合体の分子量分散度(Mw/Mn)が1.0〜1.5である請求項10に記載の樹脂組成物。
- (1)遷移金属錯体を使用したリビングラジカル重合法により、含フッ素ブロックセグメント(B1)と非フッ素ブロックセグメント(B2)とからなる含フッ素ブロック重合体(B)を準備する工程、および
(2)含フッ素ブロック重合体(B)を熱可塑性樹脂(A)と混合して撥水撥油性樹脂組成物を製造する工程
を有する、撥水撥油性樹脂組成物の製造方法。
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