JP2017035988A - 移動販売車用コンテナおよび移動販売車 - Google Patents

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宗也 大平
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Abstract

【課題】排水性を向上でき、しかも、コンテナの構造が複雑にならない移動販売車用コンテナおよび、かかる移動販売車用コンテナを備えた移動販売車を提供する。【解決手段】側面11sに開口11wが形成されたコンテナ本体11と、コンテナ本体11の開口11wに設けられた上方に開くドア13と、コンテナ本体11の上面11uから排水する排水機構15と、を備えており、排水機構15は、コンテナ本体11の上面外縁に沿って形成された樋部16と、上端開口が樋部16の底面16aに設けられ下端開口がコンテナ本体11の下部に設けられた竪樋部17と、を備えている。コンテナ本体11の上面11uに降った雨水は、排水機構15の樋部16を流れて、竪樋部17から排出されるから、コンテナ本体11の側面11sを伝って雨水がコンテナ本体11内に入ることを抑制することができる。【選択図】図1

Description

本発明は、移動販売車用コンテナおよび移動販売車に関する。
山間部や遠隔地等ではスーパーなどが少なく、食品や日用品などの買い物のために自家用車や公共交通手段を利用して離れたスーパーなどまで出かけなければならないという状況がある。このような状況を改善するために、従来、食品や日用品などを積載した移動販売車による販売が行われてきた。
近年では、スーパーの超大型化や郊外化が進んでおり、山間部や遠隔地等でなくても近所にスーパーなどが無い地域が増えており、日常の買い物に不便する人たちが増えきている。かかる事情もあり、食品や日用品などの移動販売車による販売地域が広がっており、移動販売車の需要も伸びつつある。
かかる移動販売車は、通常、車両の後部に食品や日用品などが収容されるコンテナを備えており、このコンテナがスーパーの陳列棚として機能するようになっている。
例えば、コンテナは、矩形の箱型に形成されており、そのコンテナの側面には扉が設けられている。このコンテナの内部には、食品や日用品などを収容した棚が設けられているので、扉を開くと、コンテナが陳列棚となる。
かかるコンテナの扉の形態は種々ある。例えば、観音開きに開くタイプや、上方に開くタイプ、また、上下に開くタイプ等がある。とくに、上下に開くタイプは、上方に開いた扉が庇の役割を果たし、下方に開いた扉が商品を陳列するテーブルとして使用できるので、便利である。
ところで、かかる移動販売車による販売は天候に係わらず運営されるので、雨の日には、雨水による商品の損傷を防ぐことが必要になる。扉が上方に開くタイプや上下に開くタイプの場合、上方に開いた扉が雨除けになる。したがって、扉を開いてしまえば、ある程度の雨であれば、雨水が降りかかって商品が濡れることを防ぐことができるし、客も傘をたたんだ状態でも買い物ができる。
しかし、雨のときには、コンテナの屋根に降った雨水がコンテナの壁面を伝って流れ落ちる。かかる雨水は、上方に開いた扉でも防ぐことができず、壁面を伝って流れた雨水がコンテナ内に入ってしまう可能性がある。
かかる問題を解決する方法として、特許文献1に記載の技術が開発されている。この特許文献1には、上下に開く扉を備えた車両コンテナにおいて、ドアを開いた際に形成される車体側開口部の上縁に沿って第1の樋を配設した技術が開示されている。しかも、特許文献1の技術では、ドア側上縁に沿って第2の樋を設けており、この第2の樋がドアを開いた際に第1の樋の上方に先端が延出するようになっている。
そして、特許文献1には、上述した第1および第2の樋を設けることによって、コンテナルーフから流れ落ちる雨水等がドアとコンテナ壁面との隙間を通して流れ落ちる虞がなくなると記載されている。
特開2002−96639号公報
たしかに、特許文献1の構造を採用すれば、コンテナルーフから流れ落ちる雨水等を樋によって受け止めることができる可能性がある。
しかし、ドアに樋を設けることによってドア等の構造が非常に複雑になる。また、ドアの可動部分に樋が設けられているので、ドアの開閉に伴って樋が損傷する可能性が高い。
さらに、屋根から流れ落ちる雨水とドアに降り注いた雨水の両方を第1の樋だけで排水しなければならないので、少し雨が強くなるだけで、樋から雨水が溢れてしまう可能性がある。
本発明は上記事情に鑑み、排水性を向上でき、しかも、コンテナの構造が複雑にならない移動販売車用コンテナおよび、かかる移動販売車用コンテナを備えた移動販売車を提供することを目的とする。
第1発明の移動販売車用コンテナは、側面に開口が形成されたコンテナ本体と、該コンテナ本体の開口に設けられた上方に開くドアと、該コンテナ本体の上面から排水する排水機構と、を備えており、前記排水機構は、該コンテナ本体の上面外縁に沿って形成された樋部と、上端開口が該樋部の底面に設けられ下端開口が該コンテナ本体の下部に設けられた竪樋部と、を備えていることを特徴とする。
第2発明の移動販売車用コンテナは、第1発明において、前記竪樋部の上端開口は、前記樋部における車両後方に配設されていることを特徴とする。
第3発明の移動販売車用コンテナは、第1または第2発明において、前記コンテナ本体の上面には、該コンテナ本体の中央部から外縁に向かって下傾した連結面が設けられており、前記樋部が、前記連結面と、該コンテナ本体の外縁に形成された壁部材と、該壁部材の下端部と前記連結面との間を連結する底部と、を備えていることを特徴とする。
第4発明の移動販売車用コンテナは、第1、第2または第3発明において、前記コンテナ本体が、中空な鋼管によって形成されたフレームを備えており、前記竪樋部が、前記フレームにおける縦フレーム内に設けられていることを特徴とする。
第5発明の移動販売車は、第1乃至第4発明のいずれかに記載の移動販売車用コンテナを備えていることを特徴とする。
第1発明によれば、ドアを開けば、ドアが庇代わりとなって、コンテナ内に雨が振り込むことを防ぐことができる。そして、コンテナ本体の上面に降った雨水は、排水機構の樋部を流れて、竪樋部から排出される。すると、コンテナ本体の上面から側面に雨水が流れないので、コンテナ本体の側面を伝って雨水がコンテナ内に入ることを抑制することができる。しかも、樋部は可動部等を有しないコンテナ本体の上面に設けられているので、樋部を設けても、コンテナ本体の構造が複雑化することがない。そして、排水機構を設けても、コンテナ本体やドアの構造が簡素化されており、コンテナ本体が小型軽量になるから、コンテナ本体を軽トラックなどの小型車両に搭載しやすくなる。
第2発明によれば、車両の走行中でも、樋内の水を竪樋部に排水しやすくなる。
第3発明によれば、コンテナ本体上面の雨水を樋部に集めやすくなる。また、壁部材を設けたことによって樋部に保持しておくことができる水の量を多くできるので、樋部からコンテナ本体の側面に水が溢れることを防ぐことができる。
第4発明によれば、竪樋部を配設するために特別なスペースを設けなくてもよいので、コンテナ本体の構造を簡素化することができる。
第5発明によれば、販売する商品が雨水などによって損傷することを防ぐことができる。また、コンテナの構造が小型軽量になっているので、車両自体も小型軽量化することができる。
本実施形態の移動販売車用コンテナ10を搭載した移動販売車1の概略斜視図である。 (A)は本実施形態の移動販売車用コンテナ10の概略側面図であり、(B)は本実施形態の移動販売車用コンテナ10の背面図である。 本実施形態の移動販売車用コンテナ10の概略平面図である。 本実施形態の移動販売車用コンテナ10の後方のドア13を開いた状態の概略側面図である。 本実施形態の移動販売車用コンテナ10の側方のドア13を開いた状態の概略背面図である。 図4のVI−VI線断面図である。 図5のVII−VII線断面図である。 本実施形態の移動販売車用コンテナ10のドア13を開いた状態の概略斜視図である。
本発明の移動販売車用コンテナは、移動販売車に搭載されるコンテナであって、商品を収容しておくことができるものである。とくに、雨天などに販売する際に、コンテナ内の商品が雨水等に濡れることを防ぐことができる構造としたことに特徴を有している。
本発明の移動販売車用コンテナに収容して販売される商品はとくに限定されない。例えば、一般的な食品(野菜や生魚など生鮮食品や加工食品等)や冷凍食品、日用品、衣料品等を挙げることができる。なお、生鮮食品や冷凍食品等を販売する場合には、冷蔵庫や冷凍庫等がコンテナ内に設けられる。
また、本発明の移動販売車用コンテナが搭載される車両もとくに限定されない。一般的なトラックの荷台に設置して移動販売車としてもよいし、軽トラックなどの荷台に設置して移動販売車としてもよい。とくに、軽トラックなどの荷台に本発明の移動販売車用コンテナを設置した場合には、移動販売車の活動範囲の自由度が高くなるという利点が得られる。
以下の説明では、本発明の移動販売車用コンテナを軽トラックなどの荷台に設置した移動販売車(つまり、本発明の移動販売車)とした場合を代表として説明する。
(本実施形態の移動販売車1)
図面に基づいて、本実施形態の移動販売車1を説明する。つまり、本実施形態の移動販売車用コンテナ10を荷台に搭載した本実施形態の移動販売車1を説明する。
図1および図2において、符号2は本実施形態の移動販売車1の車両を示している。この車両2は一般的な軽トラックであり、その運転席後部に設けられた荷台に本実施形態の移動販売車用コンテナ10が搭載されている。
図1〜図3、図8に示すように、本実施形態の移動販売車用コンテナ10(以下、単に移動販売車用コンテナ10という)は、中空な箱型に形成された構造物であるコンテナ本体11を備えている。コンテナ本体11の内部には、商品が陳列された棚や商品を収容する冷蔵庫や冷凍庫、また、単なる保管庫等が設けられている(図6〜図8参照)。このコンテナ本体11の3方の側面11sにはドア13が設けられており、このドア13を開けば、移動販売車用コンテナ10を移動販売店舗として使用できる(図8参照)。
なお、ドア13が設けられていない側面が車両の前方側に位置するように、移動販売車用コンテナ10は車両2に搭載されている。
また、図1〜図3では、コンテナ本体11が、鋼材からなる縦フレームFvおよび横フレームFhを備えたフレームFを骨格として有する例を記載している。この場合、コンテナ本体11の側面11sのうち、開口11wが形成された側面11sは、実質的に、縦フレームFvおよび横フレームFhのみから構成されることになる。そして、移動販売車用コンテナ10の側面は、実質的に、縦フレームFvおよび横フレームFhと、ドア13によって形成されることになる。なお、コンテナ本体11において、開口11wが形成されていない側面では、縦フレームFvおよび横フレームFhと板状の部材によって側面11sが形成される。
この移動販売車用コンテナ10のドア13は、以下のように構成されている。
図4、図5および図8に示すように、コンテナ本体11の3つの側面11sには、開口11wが設けられておりこの開口11wを塞ぐようにドア13が設けられている。
ドア13は、上部ドア13aと下部ドア13bとから形成されている。そして、上部ドア13aおよび下部ドア13bを上下に揺動させれば、側面11sの開口11wを開閉できるようになっている。
具体的には、上部ドア13aは、上端縁がヒンジ部材によってコンテナ本体11に連結されている。つまり、上部ドア13aは、その下端部が上下に揺動できるようになっている。そして、上部ドア13aは、その下端部を上方に揺動させると、コンテナ本体11の開口11wが開き(図4〜図8参照)、その下端部を下方に揺動させると、コンテナ本体11の開口11wを閉じることができるようになっている(図1、図2、図4、図5参照)。
また、下部ドア13bは、下端縁がヒンジによってコンテナ本体11に連結されている。つまり、下部ドア13bは、その上端部が上下に揺動できるようになっている。そして、下部ドア13bは、その上端部を下方に揺動させると、コンテナ本体11の開口11wが開き(図4〜図8参照)、その上端部を上方に揺動させると、コンテナ本体11の開口11wを閉じることができるようになっている(図1、図2、図4、図5参照)。
そして、図4〜図8に示すように、上部ドア13aとコンテナ本体11との間には、ドアダンパー13dが設けられている。このドアダンパー13dは、伸縮可能であり、その両端が上部ドア13aとコンテナ本体11に回動可能に連結されている。つまり、ドアダンパー13dは、上部ドア13aの開閉に伴って伸縮するように設けられている。具体的には、ドアダンパー13dは、上部ドア13aが開く方向に揺動すると伸長し、上部ドア13aが閉じる方向に揺動すると収縮するように設けられている。
また、図4〜図8に示すように、ドアダンパー13dは、伸長させた状態を維持できる機能を有している。そして、ドアダンパー13dは、伸長させた状態で維持した場合、上部ドア13aの下端縁が上端縁よりも若干下方に位置した状態となるように設置されている。つまり、上部ドア13aを開いてドアダンパー13dを伸長させた状態に維持すると、上部ドア13aは、コンテナ本体11から外方に向かって若干下傾するように取り付けられている。
そして、図4〜図8に示すように、下部ドア13bとコンテナ本体11との間には、下部ドア13bの揺動を規制する規制部材13fが設けられている。この規制部材13fは、一定以上下方に揺動しないように、下部ドア13bを吊り上げておくことができるものである。例えば、規制部材13fには、チェーンやワイヤー、紐、屈曲可能に設けられたリンク機構等などを使用することができる。そして、規制部材13fは、下部ドア13bを開いたときに、その上面(つまり下部ドア13bを閉じているときの内面)をほぼ水平に維持できるように設けられている。
以上のごとき構成であるので、ドアダンパー13dによって上部ドア13aを開いた状態で保持し、規制部材13fによって下部ドア13bを水平に開いて保持すれば、移動販売車用コンテナ10を移動販売店舗として使用できる。具体的には、ドア13を開くことによって、開口11wを通してコンテナ本体11の内部の商品を見ることができるようになるので(図8参照)、客は、所望の商品を確認しながら買い物をすることができる。
しかも、下部ドア13bの上面にも商品を並べることができるので、一般の店舗に近づけた状態で販売ができ、客も商品を身近に見ることができるので、買い物がしやすくなる。
また、上部ドア13aを開いた状態で保持すれば、上部ドア13aが庇として機能する。すると、商品に日差しや雨が直接当たることを防ぐことができるので、商品の損傷を防ぐことができる。また、客も、雨傘や日傘をたたんで買い物ができるようになるので、買い物がしやすくなる。
とくに、上部ドア13aは、ドアダンパー13dによって開いた状態に保持されているときには、その上端縁よりもその下端縁が若干下方に位置した状態となるように維持される。すると、上部ドア13aに雨が降り注いでも、その雨水を上部ドア13aの先端(つまり下端縁)から排水できる。よって、上部ドア13aに降り注いだ雨水が、商品にかかることを防ぐことができる。
(排水機構15)
ところで、一般的なコンテナの場合、雨が降ると、コンテナ本体11の上面11uに降った雨が、この上面11uからコンテナ本体11の側面11sを伝って流れる。この雨水は、上部ドア13aを開いていれば、上部ドア13aがある部分では上部ドア13aの上面によって受け止められて上部ドア13aの先端から排出される。しかし、コンテナ本体11の側面11sにおいて、ドア13が設けられていない部分(つまり縦フレームFvや横フレームFhだけがある部分)では、上部ドア13aを開いていても、雨水は側面11sを伝って下方まで流れる。すると、コンテナ本体11の側面11sの開口11wからコンテナ本体11の内部に入ってしまう。
また、コンテナ本体11の側面11sを伝って流れる雨水は、ドア13を開ける際に、コンテナ本体11の側面11sの開口11wからコンテナ本体11内部に入りやすい。とくに、コンテナ本体11の上面11uから側面11sに雨水が流れているような状態では、そのような状況が発生しやすい。
そこで、本実施形態の移動販売車用コンテナ10では、コンテナ本体11の上面11uの雨水を外部に排水する排水機構15を設けている(図4参照)。より詳しく言えば、コンテナ本体11の上面11uの雨水等をコンテナ本体11の下部から排水する構造を有する排水機構15を設けている。
図3および図4に示すように、コンテナ本体11の上面11uの上面には、排水機構15の樋部16が設けられている。この樋部16は、コンテナ本体11の上面外縁に沿って形成されており、壁部16aと、底部16bと、連結面16cと、によって構成されている。
図3および図4のYに示すように、壁部16aは、コンテナ本体11の上面11uの外端縁に沿って立設された壁状の部分である。この壁部16aの高さは、使用される環境などに合わせて調整すればよくとくに限定されない。例えば、コンテナ本体11の上面11uの外端縁から壁部16aの上端までの高さが、5〜20mm程度の高さとなるように設けられる。
なお、壁部16aを設ける方法はとくに限定されない。例えば、コンテナ本体11の上面11uの外端縁に板状の部材を設置して壁部16aとすることができる。
連結面16cは、コンテナ本体11の上面11uの中央部からコンテナ本体11の上面11uの外端縁に向かって下傾した面である。例えば、コンテナ本体11の上面11uの中央部が平坦面に形成されている場合には、その平坦面の周囲に連結面16cは形成される。なお、コンテナ本体11の上面11uが全体的に外端縁に向かって下傾しているような場合には、その外周部分が連結面16cに相当するものとなる。
底部16bは、連結面16cと壁部16aとの間に設けられた部分である。この底部16bは、コンテナ本体11の上面11uの中央部や壁部16aの上端よりも低くなっている(図4のY参照)。つまり、コンテナ本体11の上面11uの中央部と壁部16aの間に、両者よりも下方に位置するように、底部16bが設けられている。
樋部16が以上のような構造であるので、コンテナ本体11の上面11uの上面に降った雨水を樋部16に向かって流すことができ(図3の矢印参照)、雨水を樋部16に集めることができる。
図3および図4に示すように、樋部16において、車両後方の隅部には、底部16bを貫通する貫通孔16hが形成されている。この貫通孔16hには、竪樋部17の一端が連結されている。この竪樋部17は、筒状の部材であり、コンテナ本体11の内部に配設されており、その下端がコンテナ本体11の底面から下方に突出している(図4参照)。つまり、竪樋部17を介して、樋部16は、コンテナ本体11の下方の空間まで連通されている。
このような排水機構15を設ければ、コンテナ本体11の上面11uに降った雨水は効率よくコンテナ本体11の底部から排出できる。すると、コンテナ本体11の側面11sを伝って流れる雨水を少なくできるので、コンテナ本体11の側面11sを伝って雨水がコンテナ本体11内に入ることを抑制することができる。
しかも、樋部16は可動部等を有しないコンテナ本体11の上面11uに設けられているので、樋部16を設けても、コンテナ本体11の構造が複雑化することがない。
そして、コンテナ本体11の側面11sを伝って流れる雨水が少なくなれば、上部ドア13aの上端縁とコンテナ本体11との連結部分に特別な構造を設けなくても、両者間の隙間から雨水が漏れることを防止できる。
つまり、本実施形態の移動販売車用コンテナ10では、雨水を排水し雨水がコンテナ本体11内に侵入することを防ぐ構造を簡素化できる。すると、コンテナ本体11の構造を簡素化でき、また、コンテナ本体11の重量も低減できるので、コンテナ本体11を小型軽量にできる。したがって、本実施形態の移動販売車用コンテナ10は小型車両(例えば、軽トラックなど)にも搭載できるようになる。
なお、連結面16cは、コンテナ本体11の上面11uと底部16bを繋ぐ面となっていればよく、必ずしもコンテナ本体11の上面11uや底部16bに対して傾斜していなくてもよい。つまり、連結面16cは、コンテナ本体11の上面11uや底部16bと直交する面であってもよい。
(樋部16の構造)
樋部16は、雨水を集めて竪樋部17に供給できるのであれば、必ずしも上述したような構成でなくてもよい。例えば、コンテナ本体11の上面11uに凹みを設けて、樋部16としてもよい。しかし、上述したように、樋部16が、上述したような傾斜した連結面16cを有していれば、コンテナ本体11の上面11uの雨水を樋部16に集めやすくなる。
また、樋部16が壁部材16aを有していれば、樋部16に保持しておくことができる雨水の量を多くできる。すると、一時的に多量の雨が降った場合でも、コンテナ本体11の上面11u、つまり、樋部16からコンテナ本体11の側面11sに水が溢れて流れることを防止する効果を高くできる。
なお、壁部材16aは、コンテナ本体11の上面11uの車両前方部には必ずしも設けなくてもよい(図1および図3参照)。コンテナ本体11の車両前方部の側面には開口11wがないからである。また、車両前方部に壁部材16aを設けない、または、車両前方部の一部に壁部材16aを設けない部分(図1および図3の11e参照)を形成すれば、車両の走行中などにおいて、ブレーキを掛けた場合のように前方に加速度が加わった場合には、コンテナ本体11の上面11uの雨水を車両前方部から排水できる。また、コンテナ本体11の上面11uを清掃するときにも、ゴミなどを車両前方部から排出することができるので、掃除が容易になる等の利点も得られる。
また、樋部16において、貫通孔16hを設ける位置(つまり竪樋部17の上端開口の位置)はとくに限定されないが、樋部16における車両後方に位置する部分に設けられていることが望ましい。かかる位置に設ければ、移動販売車1の走行中でも、樋部16内の水を竪樋部17に排水しやすくなる。つまり、移動販売車1の走行中には、気流などによって、樋部16内の水は後方に流される。すると、貫通孔16hが樋部16における車両後方に配置されていれば、コンテナ本体11の上面11uに降った雨を、樋部16と竪樋部17を通して、走行中に排水しやすくなる。すると、移動販売車1が停止した後、竪樋部17から排水される水を少なくできる。すると、竪樋部17から排水される水によって移動販売する場所が水浸しになることもないので、客に不快感を与えることもない。
また、上述したように、車両後方の隅部に貫通孔16hを設け、竪樋部17もコンテナ本体11の内部の隅部に配置すれば、樋部16からスムースに雨水を排水することができる。そして、コンテナ本体11内の配管構造も簡素化できるという利点も得られる。
とくに、コンテナ本体11が、中空な鋼管等を組み合わせて形成されたフレームFを有しているような場合には、フレームFの縦フレームFv内に竪樋部17を配置することが望ましい。この場合、デッドスペースであるフレームFの部分を有効に活用できるし、万が一竪樋部17が破損した場合でも、コンテナ本体11の内部に雨水などが漏れないという利点も得られる。なお、縦フレームFv自体を竪樋部17とすることも可能である。
なお、コンテナ本体11がフレームFを有していれば、上述したような利点に加えて、コンテナ本体11自体の強度を高めることができるという点で好ましい。フレームFを構成する部材は、中空な鋼管以外にも、Cチャンネル鋼やH鋼等を使用できるが、できるだけ軽量のものが好ましい。また、竪樋部17は配置できるような空間を有しているものが望ましい。
(竪樋部17について)
竪樋部17は、外部から遮断された水を流すことができる流路を有する部材であれば、どのような部材でも使用することができる。例えば、一般的なビニール等の樹脂製のチューブやホース、塩ビ管などの管状部材などを、竪樋部17として使用することができる。
(上部ドア13aおよび下部ドア13bとコンテナ本体11の連結について)
なお、上部ドア13aの上端縁とコンテナ本体11との間を連結するヒンジ部材は、とくに限定されない。上部ドア13aを上下に揺動させることができ、上部ドア13aを揺動させても、上部ドア13aの上端縁とコンテナ本体11の隙間ができない(または小さくできる)機構を有するものであればよい。
また、上部ドア13aは、閉じた時に、コンテナ本体11に固定されるようになっていることが望ましい。上部ドア13aをコンテナ本体11に固定する機構や方法は、上部ドア13aをコンテナ本体11に対して固定解放可能に連結できるようになっていればよく、とくに限定されない。
下部ドア13bの下端縁とコンテナ本体11との間を連結するヒンジ部材は、上部ドア13aを上下に揺動させることができるものであれば、とくに限定されない。
また、下部ドア13bは、閉じた時に、コンテナ本体11に固定されるようになっていることが望ましい。下部ドア13bをコンテナ本体11に固定する機構や方法は、下部ドア13bをコンテナ本体11に対して固定解放可能に連結できるようになっていればよく、とくに限定されない。
さらに、上部ドア13aと下部ドア13bの両方を閉じた時に、両者が連結されるようになっていてもよい。この場合には、上部ドア13aと下部ドア13bを閉めた状態をより確実に維持することができる。両者を連結解除する方法はとくに限定されず、公知の方法を採用することができる。
(ドア13の設置数について)
上記例では、コンテナ本体11において、3つの各側面11sに開口11wを設けて、3つの各側面11sにドア13を設けている。しかし、開口11wはコンテナ本体11の1面だけまたはいずれか2面に形成して、その開口11wにドア13を設けるようにしてもよい。
(シールについて)
コンテナ本体11の開口11wの内面や、上部ドア13aおよび下部ドア13bの端面には、ゴムなどのパッキンを設けてもよい。ドア13は、コンテナ本体11の開口11wを開閉可能に設けられているので、上部ドア13aおよび下部ドア13bを閉めた状態でも、上部ドア13aおよび下部ドア13bの端縁とコンテナ本体11の間には若干の隙間が形成される。一方、コンテナ本体11の開口11wの内面や上部ドア13aおよび下部ドア13bの端面にゴムなどのパッキンを設ければ、上述したような隙間を埋めることができる。すると、コンテナ本体11内部に外部から水などが侵入しないので、商品が雨水などによって損傷することを防ぐことができる。
また、雨水の侵入を防ぐ上では、上部ドア13aおよび下部ドア13bの外面にもシール部材を設けることが望ましい。例えば、図4および図5に示すように、ドア13の上部ドア13aおよび下部ドア13bの側端縁には、側端縁に沿ってシール用プレート13sが設けることが望ましい。具体的には、シール用プレート13sを、一端は上部ドア13aおよび下部ドア13bの側端縁に固定し、他端縁は上部ドア13aおよび下部ドア13bの側端縁から側方まで延びた状態となるように取り付ける。すると、上部ドア13aおよび下部ドア13bを閉じたときに、上部ドア13aおよび下部ドア13bの側端縁とコンテナ本体11の隙間をシール用プレート13sによって覆うことができる。すると、上部ドア13aおよび下部ドア13bの側端縁とコンテナ本体11の隙間から雨水等がコンテナ本体11の内部に侵入することを防ぐことができる。
しかも、図8に示すように、シール用プレート13sは、その表面と上部ドア13aの表面との間に段差ができるように設けることが望ましい。かかる構成とすれば、上部ドア13aを開いた状態において、上部ドア13aの上を雨水が流れるときに、上部ドア13aの側端縁から雨水が垂れることを抑制することができる。すると、下部ドア13bに載せられている商品に雨水がかかることを防止することができる。
さらに、上部ドア13aの下端縁にも、下端縁に沿ってシール用プレート13sが設けることが望ましい。具体的には、シール用プレート13sを、一端は上部ドア13aの下端縁に固定し、他端縁は上部ドア13aの下端縁から下方まで延びた状態となるように取り付ける。すると、上部ドア13aと下部ドア13bを閉じたときに、上部ドア13aと下部ドア13bの隙間をシール用プレート13sによって覆うことができる。すると、上部ドア13aと下部ドア13bの隙間から雨水等がコンテナ本体11の内部に侵入することを防ぐことができる。
本発明の移動販売車用コンテナは、食料品や日用品などを販売する移動販売車のコンテナに適用している。
1 移動販売車
2 車両
10 移動販売車用コンテナ
11 コンテナ本体
11a 側面
11w 開口
11u 上面
11r 連結面
12 枠
12a 縦枠
12b 横枠
13 ドア
13a 上部ドア
13b 下部ドア
15 排水機構
16 樋部
16a 壁部
16b 底部
16c 連結面
16h 貫通孔
17 竪樋部
F フレーム
Fv 縦フレーム
Fh 横フレーム

Claims (5)

  1. 側面に開口が形成されたコンテナ本体と、
    該コンテナ本体の開口に設けられた上方に開くドアと、
    該コンテナ本体の上面から排水する排水機構と、を備えており、
    前記排水機構は、
    該コンテナ本体の上面外縁に沿って形成された樋部と、
    上端開口が該樋部の底面に設けられ下端開口が該コンテナ本体の下部に設けられた竪樋部と、を備えている
    ことを特徴とする移動販売車用コンテナ。
  2. 前記竪樋部の上端開口は、
    前記樋部における車両後方に配設されている
    ことを特徴とする請求項1記載の移動販売車用コンテナ。
  3. 前記コンテナ本体の上面には、該コンテナ本体の中央部から外縁に向かって下傾した連結面が設けられており、
    前記樋部が、
    前記連結面と、
    該コンテナ本体の外縁に形成された壁部材と、
    該壁部材の下端部と前記連結面との間を連結する底部と、を備えている
    ことを特徴とする請求項1または2記載の移動販売車用コンテナ。
  4. 前記コンテナ本体が、
    中空な鋼管によって形成されたフレームを備えており、
    前記竪樋部が、
    前記フレームにおける縦フレーム内に設けられている
    ことを特徴とする請求項1、2または3記載の移動販売車用コンテナ。
  5. 請求項1乃至4のいずれかに記載の移動販売車用コンテナを備えている
    ことを特徴とする移動販売車。
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