以下、本発明の噴霧装置、噴霧乾燥造粒装置および造粒粉末の製造方法について、添付図面に示す好適実施形態に基づいて詳細に説明する。
<噴霧乾燥造粒装置>
まず、本発明の噴霧乾燥造粒装置の実施形態について説明する。
図1は、本発明の噴霧乾燥造粒装置の実施形態を示す縦断面図、図2は、図1に示す噴霧乾燥造粒装置のうち噴霧装置を拡大して示す斜視図である。また、図3は、図2に示す噴霧装置の上面図であり、図4は、図3のA−A線断面図であり、図5は、図3のB−B線断面図である。なお、以下の説明では、説明の便宜上、図1、4、5の上方を「上」、下方を「下」として説明する。
図1に示す噴霧乾燥造粒装置1は、スラリー9を噴霧する噴霧装置2(本発明の噴霧装置の実施形態)と、噴霧装置2にスラリー9を供給するスラリー供給部3(スラリー供給手段)と、噴霧装置2によって形成されたスラリー9の液滴91を乾燥させる乾燥部4(乾燥手段)と、噴霧装置2等を収容するチャンバー5と、チャンバー5内を排気する排気部6と、チャンバー5内に製造された造粒粉末を回収する回収部7と、を有する。このような噴霧乾燥造粒装置1は、スラリー9を噴霧しつつ乾燥させることにより、無機粉末を造粒し、造粒粉末を製造する。以下、各部について説明する。
まず、噴霧乾燥造粒装置1の説明に先立ち、スラリー9について説明する。スラリー9は、無機粉末と有機バインダーとを含む懸濁液である。
このうち、無機粉末は、特に限定されず、いかなる種類の粉末であってもよい。無機粉末の構成材料としては、例えば、Mg、Al、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Y、Zr、Nb、Mo、Pd、Ag、In、Sn、Ta、W等の金属の単体、またはこれらの少なくとも1種を含む合金のような金属材料の他、各種セラミックス材料が挙げられる。
また、より具体的な金属材料としては、例えば、ステンレス鋼、低炭素鋼、炭素鋼、耐熱鋼、ダイス鋼、高速度工具鋼、Fe−Ni合金、Fe−Ni−Co合金等が挙げられる。このうち、ステンレス鋼としては、例えば、SUS304、SUS316、SUS317、SUS329、SUS410、SUS430、SUS440、SUS630等が挙げられる。
また、無機粉末の平均粒径は、好ましくは1μm以上30μm以下、より好ましくは2μm以上20μm以下とされ、さらに好ましくは3μm以上10μm以下とされる。このような粒径の無機粉末は、成形時の圧縮性の低下を避けつつ、造粒粉末の流動性が十分に高くなるため、最終的に十分に緻密な焼結体を製造可能なものとなる。
なお、平均粒径が前記下限値未満である場合、造粒前において無機粉末が凝集し易くなり、造粒粉末の粒子間において無機粉末の含有量にばらつきが生じたり、成形時の圧縮性が著しく低下したりするおそれがある。一方、平均粒径が前記上限値を超える場合、成形した際に、造粒粉末の粒子間の隙間が大きくなり過ぎて、最終的に得られる焼結体の緻密化が不十分になるおそれがある。
また、無機粉末の平均粒径とは、レーザー回折法により得られた粒度分布において、質量基準の粒度の累積が小径側から50%のときの粒径のことである。
このような無機粉末は、いかなる方法で製造されたものでもよいが、例えば、アトマイズ法(水アトマイズ法、ガスアトマイズ法、高速回転水流アトマイズ法等)、還元法、カルボニル法、粉砕法等の方法により製造されたものを用いることができる。
一方、有機バインダーとしては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体等のポリオレフィン、ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート等のアクリル系樹脂、ポリスチレン等のスチレン系樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル、ポリエーテル、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドンまたはこれらの共重合体等の各種樹脂や、ワックス類、アルコール類、高級脂肪酸、脂肪酸金属、高級脂肪酸エステル、高級脂肪酸アミド、非イオン性界面活性剤、シリコーン系滑剤等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上の混合物が用いられる。
このうち、有機バインダーは、ポリビニルアルコールまたはその誘導体(以下、省略して単に「ポリビニルアルコール」という。)を含むことが好ましい。ポリビニルアルコールは、結着性が高いため、比較的少量であっても効率よく造粒粉末を形成することができる。また、熱分解性も高いことから、脱脂および焼成の際に、短時間で確実に分解、除去することが可能になる。
ポリビニルアルコールとしては、重量平均分子量が2000〜200000程度のものが好ましく用いられ、5000〜150000程度のものがより好ましく用いられる。このようなポリビニルアルコールは、粘度や熱分解性が有機バインダーとして最適である。具体的には、造粒時の無機粉末の粒子同士の結着性や、造粒粉末の成形時の崩壊性、成形体の保形性等を並立させることができる。その結果、密度と寸法精度に優れた焼結体を得ることができる。
なお、ポリビニルアルコールの誘導体とは、炭素原子に結合した水素原子が各種官能基で置換されてなるものをいい、官能基としては、例えば、アルキル基、シリル基、アクリレート基等が挙げられる。
噴霧装置2は、スラリー供給部3から供給されたスラリー9をチャンバー5内に噴霧する装置である。具体的には、噴霧装置2は、駆動部21と、駆動部21によって回転する回転シャフト22と、回転シャフト22の下端に固定された噴霧盤23と、噴霧盤23に向けてスラリー9を吐出する吐出ノズル24と、を備えている。この噴霧装置2により、スラリー9が液滴91に微細化される。そして、液滴91を乾燥させることにより、造粒粉末が生成される。なお、噴霧装置2については、後に詳述する。
スラリー供給部3は、スラリー9を貯留するスラリータンク31と、スラリータンク31に貯留されたスラリー9を噴霧装置2に送る配管32と、を備えている。また、スラリー供給部3は、図示しないポンプを備えており、噴霧装置2に対してスラリー9を高圧で供給することができる。
乾燥部4は、熱風発生器41と、熱風発生器41で発生させた熱風をチャンバー5内に送る配管42と、を備えている。乾燥部4で発生させた熱風は、チャンバー5内において液滴91を短時間に乾燥させる。これにより、液滴91中の溶媒が揮発するとともに、無機粉末の粒子同士が有機バインダーを介して結着し、造粒粉末を製造することができる。
チャンバー5は、液滴91が噴霧される内部空間を備えた容器である。具体的には、液滴91が噴霧されるとともに乾燥される乾燥室51と、乾燥部4で発生させた熱風を乾燥室51へ向かって降下させるダクト52と、を備えている。
乾燥室51の形状は、特に限定されないが、本実施形態では、円筒状をなしており、下部は円錐状になっている。
ダクト52は、噴霧装置2を取り囲むように設けられ、噴霧装置2の回転シャフト22の回転軸Oとほぼ平行するように熱風を降下させることができる。これにより、噴霧装置2によって噴霧された液滴91を速やかに乾燥させることができる。
排気部6は、チャンバー5から延びる配管61と、図示しないポンプと、を備えている。配管61の一端は、チャンバー5の上下方向の中間部に配置されている。これにより、排気部6は、チャンバー5内に浮遊する微細な粉末ごと、チャンバー5内を排気することができる。
回収部7は、チャンバー5の下方に設けられており、チャンバー5内で製造された造粒粉末を配管71の他、配管71を開閉するための図示しないバルブ等を備えている。チャンバー5内において製造された造粒粉末は、自然落下しながらチャンバー5の下方に溜まる。そして、回収部7から回収することができる。
<噴霧装置>
次に、本発明の噴霧装置の実施形態について詳述する。
噴霧装置2は、図1に示すように、駆動部21と、回転シャフト22と、噴霧盤23と、を備えている。また、噴霧装置2は、図2に示すように、さらに吐出ノズル24を備えている。
駆動部21は、回転シャフト22を回転駆動させる機構を備えている。具体的には、図1に図示した駆動部21内に駆動用モーターのような駆動源が設けられていてもよく、駆動部21の外部に設けられた駆動用モーターの動力がベルト等を介して駆動部21に伝達され、回転シャフト22が回転駆動されるようになっていてもよい。
回転シャフト22は、その回転軸Oが鉛直方向と平行になるように配置されており、上端が駆動部21に接続され、下端が噴霧盤23に接続されている。これにより、駆動部21における駆動力は、回転シャフト22を介して噴霧盤23に伝達され、噴霧盤23を回転駆動することができる。
噴霧盤23は、鉛直方向からの平面視において円形をなす下部円板231(基板)と、平面視において円環状をなす上部円板232と、下部円板231と上部円板232との間に設けられ、両者を接続する複数のピン233と、を備えている。
このうち、下部円板231は、その円の中心が回転シャフト22の下端に固定されている。これにより、下部円板231は、回転シャフト22の回転とともに回転する。また、回転シャフト22の回転軸Oは、下部円板231の上面(一方の面)と直交している。このため、回転シャフト22が回転するとき、その回転面は、下部円板231の上面と平行である。なお、このような位置関係は、特に限定されず、例えば、回転軸Oは、下部円板231の上面と直交していなくてもよい。
また、上部円板232は、下部円板231の上方に設けられている。そして、上部円板232の円環が、回転シャフト22の回転軸Oに対して同心円を描くように配置されている。これにより、上部円板232は、回転シャフト22から離間している。
また、上部円板232と回転シャフト22との間には、吐出ノズル24が挿通されている。これにより、噴霧盤23に干渉することなく、吐出ノズル24の先端を噴霧盤23の内側に配置することが可能になる。すなわち、噴霧盤23と吐出ノズル24とは、構造上、互いに分離されているため、噴霧盤23が回転しているとき、吐出ノズル24は、例えば図3に示す姿勢を維持し続けることができる。
各ピン233の形状は特に限定されず、円錐形、括れ形、角柱形、円柱形等が挙げられるが、本実施形態では円柱形をなしている。そして、ピン233の軸線が下部円板231の上面と直交するように、各ピン233が配置されている(立てられている)。
また、各ピン233は、下部円板231が回転することによって描く円の円周に沿って配置されている。すなわち、下部円板231は、平面視において円形をなしており、その中心が回転軸Oと一致していることから、各ピン233は、下部円板231の外縁に沿って配置されている。
さらに、各ピン233は、下部円板231と上部円板232とを接続している。換言すれば、下部円板231および上部円板232によって各ピン233の間隔が固定されている。加えて、各ピン233により、下部円板231の上面と上部円板232の下面とが互いに平行になるように保持されている。
吐出ノズル24は、鉛直方向に延在する鉛直ノズル241と、鉛直ノズル241の下端に接続され、水平方向に延在する水平ノズル242と、水平ノズル242の開口である吐出口243と、を含んでいる。また、吐出ノズル24は、図1に示すスラリー供給部3の配管32と接続されている。これにより、スラリータンク31に貯留されたスラリー9は、配管32、鉛直ノズル241および水平ノズル242を順次経て、吐出口243から吐出される。
吐出口243から吐出されたスラリー9は、噴霧盤23で噴霧され、液滴91となる。そして、この液滴91を乾燥させることにより、造粒粉末が製造される。
ところで、このような噴霧装置2では、長い時間にわたって連続してスラリー9を噴霧するように稼働させると、スラリー9を安定的に噴霧することができないという課題があった。このため、従来は、たびたびメンテナンスを施す必要があり、造粒粉末の生産効率を十分に高められていないという課題があった。
そこで、本発明者は、かかる課題を解決する手段について鋭意検討を重ねた。そして、長い時間にわたって連続稼働させた場合、従来の噴霧装置では、スラリー9が噴霧盤に付着し、この付着物によってスラリー9の噴霧が阻害されていることを見出した。その上で、下部円板231が回転するときに描く円と平行な方向にスラリー9が吐出されるように吐出口243を構成すること、および、この吐出口243とピン233との距離が0.5cm以上3cm以下であること、の双方を満足することにより、上記課題が解決されることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本実施形態に係る吐出ノズル24は、下部円板231の上面側であって、かつ、各ピン233よりも回転シャフト22側(回転軸O側)に設けられている(図3、4参照)。また、吐出口243は、下部円板231が回転するときに描く円と平行な方向にスラリー9を吐出し得るようになっている。すなわち、本実施形態に係る下部円板231は、その上面が回転面と平行であるため、吐出口243は、下部円板231の上面と平行な方向にスラリー9を吐出する(図5参照)。
このような吐出口243から吐出されたスラリー9は、下部円板231や上部円板232に当たることなく、各ピン233に直接当たる確率が高くなる。各ピン233は、前述したように、下部円板231の外縁に沿って並んでいる。したがって、各ピン233は、下部円板231とともに回転駆動され、その状態において吐出口243からスラリー9が吐出される。このとき、吐出されたスラリー9は、各ピン233に当たるとともに、そのときの衝撃力とピン233が回転する力とによって多数の液滴91に微細化される(噴霧される)。そして、形成された多数の液滴91は、遠心力によって回転面の外側へ飛散する。このようにして飛散した液滴91を乾燥させることにより、造粒粉末が製造される。
このとき、吐出口243とピン233との距離L1(図3参照)は、0.5cm以上3cm以下とされ、1cm以上2.5cm以下であるのが好ましい。吐出口243とピン233との距離L1を前記範囲内に設定することにより、吐出口243から吐出されたスラリー9を効率よく微細化し、生成された液滴91を遠心力によって噴霧盤23の外側に飛散させることができる。したがって、造粒粉末の回収率を特に高めることができる。
換言すれば、吐出口243とピン233との距離L1を前記範囲内に設定することで、吐出口243から吐出されたスラリー9がピン233で跳ね返される確率を大きく下げることができると考えられる。これにより、噴霧装置2を長い時間にわたって連続稼働させた場合でも、スラリー9が噴霧盤23に付着し難くなり、付着物によってスラリー9の噴霧が阻害され難くなる。そして、噴霧装置2では、長い時間にわたって連続稼働させることができ、かつ、その場合でもスラリー9の微細化の程度を均一に維持することができる。その結果、長い時間にわたって連続的に、均質な造粒粉末を製造することができる。
また、スラリー9が噴霧盤23に付着し難くなるので、付着物を除去するというメンテナンスを施す頻度を少なくすることができる。このため、稼働を停止する頻度を少なくすることができ、造粒粉末を効率よく製造することができる。
なお、吐出口243とピン233との距離L1が前記下限値を下回ると、噴霧盤23の回転速度によっては、吐出口243から吐出されたスラリー9が、ピン233によって微細化されようとしているスラリー9と衝突する確率が高くなる。この際、スラリー9が吐出口243に詰まり易くなり、スラリー9の吐出が阻害される。また、スラリー9の飛行速度が初期速度からあまり落ちない状態でピン233に到達するので、ピン233に衝突しない(ピン233同士の間をすり抜ける)確率がやや高くなり、造粒粉末として回収できる割合が低下するとともにチャンバー5の内壁面に付着する確率が高くなる。一方、吐出口243とピン233との距離L1が前記上限値を上回ると、噴霧盤23の回転速度によっては、スラリー9がピン233に当たった後、回転軸側に跳ね返ってしまい、造粒粉末として回収できるスラリー9の量が減ってしまう。これは、スラリー9の飛行速度が初期速度から大きく下がることで、ピン233に衝突したとき、跳ね返り易くなることが理由の1つとして挙げられる。
なお、吐出口243とピン233との距離L1とは、吐出口243が開口している方向(吐出口243が向いている方向)において、吐出口243の中心点と、ピン233同士を結んでできる円周CFと、の最短距離のことをいう。
また、距離L1は、下部円板231の直径の5%以上30%以下であるのが好ましく、10%以上25%以下であるのがより好ましい。この場合も、吐出口243から吐出されたスラリー9を微細化し、生成された液滴91を遠心力によって噴霧盤23の外側に飛散させることができる。したがって、造粒粉末の回収率を特に高めることができる。そして、回収できないスラリー9の量を減らすことができるので、チャンバー5や噴霧盤23の清掃作業にかかる手間やコストを削減することができる。
なお、吐出口243が、下部円板231の上面と平行でない場合には、吐出口243から吐出されたスラリー9が下部円板231や上部円板232に当たる確率が高くなる。下部円板231や上部円板232にスラリー9が当たると、下部円板231や上部円板232にスラリー9が付着し易くなる。このため、スラリー9がピン233によって分断される割合が低くなる。その結果、造粒粉末としての回収率が低下することとなる。
また、本実施形態に係る吐出ノズル24は、2本の鉛直ノズル241と、各鉛直ノズル241の下端に接続された水平ノズル242と、各水平ノズル242に2個ずつ設けられた吐出口243と、を含んでいる。
このうち、鉛直ノズル241および水平ノズル242は、それぞれ管体で構成されており、水平ノズル242の長手方向の中間部と鉛直ノズル241の下端とが接続されている。接続部では、管体の内部同士が互いに流通可能になっている。そして、各水平ノズル242の長手方向の両端に吐出口243が位置している。したがって、噴霧装置2全体で、合計4個の吐出口243が設けられている。
なお、水平ノズル242の吐出口243に対して、別途伸縮性の管体(ゴム管等)を装着して距離L1の調整を行うようにしてもよい。
このように、噴霧盤23に3個以上の吐出口243が設けられていると、吐出ノズル24に供給するスラリー9の供給量を増やしたとしても、1つの吐出口243から単位時間当たりに吐出されるスラリー9の量は十分に抑えられることとなる。このため、供給されたスラリー9を回転するピン233で分断することにより、ムラなく十分な微細化を図ることができる。すなわち、微細化し切れずに噴霧盤23から排出されてしまうスラリー9の量を最小限に抑えることができる。その結果、造粒粉末として回収される割合(造粒粉末の回収率)を高めることができる。したがって、造粒粉末の生産速度と回収率とを両立させることができ、高い生産効率を実現することができる。
噴霧装置2における吐出口243の数は、前述したように3個以上であるのが好ましいが、4個以上30個以下であるのがより好ましく、4個以上12個以下であるのがさらに好ましい。これにより、スラリー9の微細化が最適化され、造粒粉末の回収率を特に高めることができる。なお、吐出口243の数が前記上限値を上回ると、噴霧盤23の大きさによっては、隣り合う吐出口243同士の距離が非常に短くなる。このため、隣り合う吐出口243から吐出されたスラリー9同士が互いに干渉し合い、微細化の進行が妨げられるおそれがある。
なお、吐出口243の数は、3個以上に限定されず、2個以下であってもよい。ただし、吐出口243の数が2個以下である場合には、吐出ノズル24に供給するスラリー9の単位時間当たりの供給量を増やしたとき、微細化し切れずに噴霧盤23からそのまま排出されてしまうスラリー9が多量に発生するおそれがある。このため、造粒粉末としての回収率が低下するおそれがある。
また、吐出口243から吐出されるスラリー9の吐出方向は、上述したように、下部円板231の上面と平行とされるが、このときの「平行」は、スラリー9の吐出方向と下部円板231の上面とがなす角度が10°以下である状態を含む。
また、本実施形態では、ピン233の軸線が下部円板231の上面と直交するように各ピン233が配置されているが、ピン233の軸線は下部円板231の上面に対して直交していなくてもよい。ピン233の軸線は、例えば、直交の状態から下部円板231の中心側に傾いていてもよく、反対に外側に傾いていてもよく、円周に沿って傾いていてもよい。この場合、下部円板231の上面の法線からの傾斜角度は、特に限定されないものの、30°以下であるのが好ましい。
なお、吐出ノズル24は、配管32との間で着脱可能になっているのが好ましい。これにより、吐出ノズル24が摩耗したり、スラリー9が詰まったりした場合でも、別の吐出ノズル24に交換したり、清掃したりすることが容易に行える。
また、造粒粉末の回収率が高くなるということは、回収できないスラリー9の量を減らすことを意味する。
回収できないスラリー9とは、例えば、チャンバー5の内壁面に付着したスラリー9、噴霧盤23の表面に付着したスラリー9、吐出ノズル24に詰まったスラリー9等が挙げられる。このような回収できないスラリー9の量を減らすことにより、チャンバー5や噴霧盤23の清掃作業にかかる手間やコストを削減することができる。かかる観点からも、造粒粉末の生産効率の向上が図られる。
また、1つの吐出口243から吐出されるスラリー9の供給線速度は、5cm/秒以上であるのが好ましく、10cm/秒以上であるのがより好ましい。これにより、吐出口243から十分な勢いでスラリー9を吐出することができるので、吐出されたスラリー9がピン233に直接当たる確率を特に高めることができる。その結果、吐出ノズル24に供給するスラリー9の単位時間当たりの供給量を増やしたときにも、スラリー9を十分に微細化することができ、造粒粉末の回収率を特に高めることができる。
なお、スラリー9の供給線速度SLV[cm/秒]は、吐出ノズル24全体におけるスラリー9の単位時間当たりの供給量をX[cm3/分]とし、吐出口243の口径をNr[cm]とし、吐出ノズル24全体に含まれる吐出口243の数をn[個]としたとき、下記式で求められる。
SLV=(X/n)/[π×(Nr/2)2]/60
また、吐出口243の口径Nrは、特に限定されないが、1mm以上6mm以下であるのが好ましく、2mm以上5mm以下であるのがより好ましい。吐出口243の口径Nrを前記範囲内に設定することにより、吐出口243がスラリー9によって詰まるのを防止するとともに、スラリー9の供給線速度が小さくなり過ぎるのを抑制することができる。なお、吐出口243の口径Nrが前記下限値を下回ると、スラリー9の粘性等によっては、吐出口243が詰まり易くなるおそれがある。一方、吐出口243の口径Nrが前記上限値を上回ると、噴霧盤23のサイズ等によっては、1つの吐出口243からスラリー9を十分な勢いで吐出させるために必要なスラリー9の供給量が多くなる。このため、単位時間内にピン233に当てられるスラリー9の総量が多くなり過ぎて、飽和状態になり、スラリー9の微細化が進み難くなるおそれがある。
また、平面視において、複数の吐出口243の配置は、回転シャフト22の回転軸を通過する直線を対称の軸として互いに線対称であるか、または、回転軸を対称の中心として互いに点対称であるのが好ましい。これにより、吐出口243から吐出されたスラリー9を微細化する挙動が円滑になり易く、造粒粉末の回収率を特に高めることができる。すなわち、ピン233が並んでいる円周上において、吐出口243から吐出されたスラリー9同士の間隔をある程度確保することができる。このため、例えば、隣り合う吐出口243から吐出されたスラリー9が互いに干渉し合うことによって生じる問題を解消することができる。かかる問題としては、例えば、十分な微細化が図られないこと等が挙げられる。
また、ピン233同士の間隔は、特に限定されないが、好ましくは前述した円周に沿って均等な間隔とされる。これにより、複数のピン233を回転させつつ、複数の吐出口243から同時にスラリー9を吐出させたとき、吐出口243同士の間で、吐出されたスラリー9がピン233に衝突する頻度の均一化を図ることができる。このため、吐出口243から吐出されたスラリー9がピン233によって微細化される際、生成される液滴91の直径のばらつきを小さく抑えることができる。その結果、最終的に粒径の揃った(粒度分布の狭い)造粒粉末を製造することができる。
なお、下部円板231および上部円板232の外径は、特に限定されないが、3cm以上40cm以下程度であるのが好ましい。
また、下部円板231の平面視形状は、その他の形状、例えば六角形や八角形のような多角形や楕円や長円のような真円以外の円形であってもよい。同様に、上部円板232の平面視形状も、その他の形状、例えば六角形や八角形のような多角形の環状、楕円や長円のような真円以外の円形の環状であってもよい。
一方、ピン233の長さ(下部円板231と上部円板232とを結ぶ方向における長さ)は、特に限定されないが、1cm以上15cm以下程度であるのが好ましい。
また、ピン233の形状は、円柱以外の形状、例えば角柱、円錐、角錐等であってもよい。
また、噴霧盤23の構造も、上記のものに限定されない。例えば、上部円板232は、必要に応じて設けられればよく、下部円板231のみで各ピン233を支持し得る場合には省略されていてもよい。
また、下部円板231、上部円板232およびピン233は、互いに異なる部材であってもよいが、一体化していてもよい。
なお、下部円板231、上部円板232およびピン233の各構成材料としては、特に限定されず、各種金属材料、各種セラミックス材料等が挙げられる。
また、吐出ノズル24の構成材料としては、特に限定されず、各種金属材料、各種セラミックス材料、各種樹脂材料等が挙げられる。
このうち、金属材料が好ましく用いられる。金属材料は硬度が比較的高いため、高速で流れるスラリー9が接触する吐出ノズル24の構成材料として用いられることにより、吐出ノズル24の耐摩耗性を高めることができる。その結果、吐出ノズル24の長寿命化を図ることができる。また、吐出ノズル24の摩耗が抑制されることによって吐出口243の口径が長期にわたって安定するため、造粒粉末の粒径や回収率を長期にわたって安定的に維持することができる。
ここで、吐出ノズル24の変形例について説明する。
図6は、図3に示す吐出ノズル24の第1変形例を示す上面図である。なお、図6では、説明の便宜上、回転シャフト22や噴霧盤23を破線で図示している。また、ピン233の図示を省略している。
図6に示す吐出ノズル24は、下記の事項が異なる以外、図3に示す吐出ノズル24と同様である。
すなわち、図6に示す吐出ノズル24は、2本の鉛直ノズル(図示せず)と、各鉛直ノズルの下端に接続された水平ノズル242と、各水平ノズル242に3個ずつ設けられた吐出口243と、を含んでいる。
そして、吐出口243は、各水平ノズル242の長手方向の両端と中間部とに設けられている。したがって、図6に示す噴霧装置2全体における吐出口243の数は、合計で6個である。
また、吐出口243とピン233との距離は、前記範囲内に設定されている。
このような変形例に係る吐出ノズル24を備えた噴霧装置2においても、前述した図3に示す吐出ノズル24を備えた噴霧装置2と同様の効果が得られる。また、ピン233の図示を省略している。
図7は、図3に示す吐出ノズル24の第2変形例を示す上面図である。なお、図7では、説明の便宜上、回転シャフト22や噴霧盤23を破線で図示している。
図7に示す吐出ノズル24は、下記の事項が異なる以外、図3に示す吐出ノズル24と同様である。
すなわち、図7に示す吐出ノズル24は、2本の鉛直ノズル(図示せず)と、各鉛直ノズルの下端に接続された水平ノズル242と、各水平ノズル242に6個ずつ設けられた吐出口243と、を含んでいる。
そして、吐出口243は、各水平ノズル242の長手方向の両端とそれ以外の4か所とに設けられている。したがって、図7に示す噴霧装置2全体における吐出口243の数は、合計で12個である。
また、吐出口243とピン233との距離は、前記範囲内に設定されている。
このような変形例に係る吐出ノズル24を備えた噴霧装置2においても、前述した図3に示す吐出ノズル24を備えた噴霧装置2と同様の効果が得られる。
<造粒粉末の製造方法>
次に、本発明の造粒粉末の製造方法の実施形態について説明する。
図8は、本発明の造粒粉末の製造方法の実施形態を説明するための工程図である。
図8に示す造粒粉末の製造方法は、噴霧装置2を含む噴霧乾燥造粒装置1を準備する工程と、噴霧装置2の噴霧盤23を回転させた状態で、ピン233に向けてスラリー9を吐出し、ピン233に当てることにより液滴91を形成する工程と、液滴91を乾燥させ、造粒粉末を得る工程と、を有する。以下、各工程について説明する。
[1]まず、噴霧装置2を含む噴霧乾燥造粒装置1を準備する(工程S1)。このとき、スラリータンク31には、スラリー9を貯留しておく。
スラリー9は、無機粉末と有機バインダーと各種添加剤とを含む懸濁液である。添加剤としては、例えば、溶媒(分散媒)、防錆剤、酸化防止剤、界面活性剤、消泡剤等が挙げられる。
なお、スラリー9における無機粉末の濃度は、10質量%以上90質量%以下程度であるのが好ましく、20質量%以上80質量%以下程度であるのがより好ましい。
また、有機バインダーの含有率は、無機粉末100質量部に対して、0.2質量部以上10質量部以下程度であるのが好ましく、0.3質量部以上5質量部以下程度であるのがより好ましく、0.3質量部以上2質量部以下であるのがさらに好ましい。
[2]次に、駆動部21によって回転シャフト22および噴霧盤23を回転駆動させる。また、乾燥部4により、熱風をチャンバー5内に送る。さらに、排気部6により、チャンバー5内を排気する。そして、この状態において、吐出ノズル24の吐出口243からスラリー9を吐出する。このとき、吐出されたスラリー9がピン233に直接当たるように吐出口243の向きを調整しておく。例えば、前述したように、スラリー9の吐出方向が下部円板231の上面と平行になるように調整しておくのが好ましいが、重力による落下分を考慮して、スラリー9の吐出方向をわずかに上方へ向けるようにしてもよい。
吐出口243から吐出されたスラリー9は、噴霧盤23の内部を外側に向かって飛行し、回転しているピン233に当たる。これにより、スラリー9が微細化され、液滴91として噴霧盤23の外側へ飛散する(工程S2)。
噴霧盤23の回転数は、造粒粉末の目的とする粒径や、スラリー9の濃度、チャンバー5の温度等に応じて適宜設定されるが、一例として、3000回/分以上30000回/分以下程度であるのが好ましい。
[3]次に、飛散した液滴91を乾燥させる。これにより、無機粉末中の粒子同士を結着してなる造粒粒子で構成された造粒粉末を得る(工程S3)。製造された造粒粉末は、チャンバー5内を落下し、回収部7においてチャンバー5外へ排出し、回収することができる。
なお、造粒粉末のうち、粒径の小さいものは、チャンバー5内を排気する際に一緒に排出される。このため、排気部6において排気中の造粒粉末を濾しとって回収することができる。
チャンバー5内に送られる熱風の温度は、チャンバー5の大きさやスラリー9の濃度等に応じて適宜設定されるが、一例として、100℃以上300℃以下程度であるのが好ましく、120℃以上250℃以下程度であるのがより好ましい。
以上、本発明の噴霧装置、噴霧乾燥造粒装置および造粒粉末の製造方法について、図示の実施形態に基づいて説明したが、本発明は、これらに限定されるものではない。
例えば、本発明の噴霧装置および噴霧乾燥造粒装置では、前記実施形態に係る各部の構成は、同様の機能を発揮する任意の構成のものに置換することができ、また、任意の構成を付加することもできる。
また、本発明の造粒粉末の製造方法では、前記実施形態に係る構成に、任意の工程が追加されていてもよい。
なお、本発明の噴霧装置は、造粒粉末を製造する以外の用途に用いられてもよい。
次に、本発明の具体的実施例について説明する。
1.造粒粉末の製造
(実施例1)
<1>まず、金属粉末として、水アトマイズ法により製造された平均粒径10μmの合金工具鋼粉末(エプソンアトミックス(株)製、SKD−11)を用意した。
<2>一方、有機バインダーとして、ポリビニルアルコール(株式会社クラレ製、PVA−1717)を用意した。
次いで、溶媒として水道水を用意し、これに有機バインダーを添加した後、90℃まで加熱しながら撹拌し、有機バインダーを溶解させた。その後、室温まで冷却することにより、有機バインダー溶液を調製した。なお、溶媒の添加量は、有機バインダー1gあたり50gとした。また、ポリビニルアルコールの添加量は、金属粉末100質量部に対して0.9質量部となる量とした。また、ポリビニルアルコールのけん化度は98〜99モル%、重合度は1700であった。
<3>次に、金属粉末と有機バインダー溶液とを混合し、スラリーを調製した。スラリー中の金属粉末の割合は65質量%とした。
<4>次いで、図1に示す噴霧乾燥造粒装置にスラリーを投入して造粒し、平均粒径60μmの造粒粉末を得た。噴霧乾燥造粒装置には、図3〜5に示す噴霧装置を取り付けた。なお、造粒時のチャンバーの温度(熱風の温度)は180℃とし、下部円板の直径は100mm、吐出口からピンまでの距離は1.5cmとした。また、本実施例における単位時間当たりのスラリー供給量は、下記の比較例1における単位時間当たりのスラリー供給量を1としたときの相対値として求め、これを表1に記載した。
なお、噴霧装置の詳細な構成については表1、2に記載した。
(実施例2〜12)
噴霧装置の構成や造粒粉末の製造条件を表1、2に示すように変更した以外は、それぞれ実施例1と同様にして造粒粉末を得た。
(比較例1)
図9、10に示す噴霧装置を備えた噴霧乾燥造粒装置を用いるようにした以外は、実施例1と同様にして造粒粉末を得た。
ここで、図9は、比較例1で用いた噴霧装置の上面図であり、図10は、図9のC−C線断面図である。なお、以下の説明では、説明の便宜上、図10の上方を「上」、下方を「下」として説明する。
図9、10に示す噴霧装置2’は、吐出ノズル24’の構成が異なる以外、図3〜5に示す噴霧装置2と同様である。なお、図9、10では、図3〜5と同様の構成については同じ符号を付している。
そして、吐出ノズル24’は、鉛直方向に延在する鉛直ノズル241を含む一方、水平ノズル242を含まない点で、図3に示す吐出ノズル24と相違している。このため、吐出ノズル24’からは、下部円板231の上面に対して直交する方向に沿って、かつ、下方に向かってスラリー9が吐出される。
また、噴霧装置2’は、その全体で吐出口243を2個含んでいる。
なお、噴霧装置2’の詳細な構成については表1、2に記載した。
(比較例2)
噴霧装置の構成や造粒粉末の製造条件を表1、2に示すように変更した以外は、比較例1と同様にして造粒粉末を得た。
(比較例3)
吐出口243の数を4個に増やすとともに、噴霧装置の構成や造粒粉末の製造条件を表1、2に示すように変更した以外は、比較例1と同様にして造粒粉末を得た。
(比較例4、5)
図3に示す各水平ノズル242に設けられた2個の吐出口243のうち、それぞれの1個を塞ぐとともに、噴霧装置の構成や造粒粉末の製造条件を表1、2に示すように変更した以外は、それぞれ実施例1と同様にして造粒粉末を得た。なお、この比較例4、5で用いた噴霧装置は、合計で2個の吐出口を含んでいることになる。
2.造粒粉末の生産効率の評価
2.1 連続安定操業の評価
各実施例および各比較例において、スラリーを100kg供給するごとに、噴霧乾燥造粒装置から噴霧装置を取り外した。そして、噴霧装置中の噴霧盤の表面に付着したスラリーの程度について確認することにより、その後も造粒粉末の製造が継続可能か否か(連続安定操業が可能か否か)を、以下の評価基準に照らして評価した。
<連続安定操業の評価基準>
○:噴霧盤にほとんどスラリーが付着しておらず、造粒粉末の製造を継続可能である
△:主に下部円板および上部円板の外周面にスラリーが付着しているが、造粒粉末の製造を継続可能である
×:主に下部円板および上部円板の外周面とピンの表面とにスラリーが付着しており、造粒粉末の製造を継続することができない
以上の評価結果を表1に示す。
表1から明らかなように、各実施例では、連続して500kgのスラリーを処理した後、噴霧装置を確認したところ、さらに継続して造粒粉末を製造することが可能な状態であった。このことから、本発明によれば、連続して安定的に造粒粉末を製造可能であることが認められた。
これに対し、各比較例では、300〜500kgのスラリーを処理した時点で、それ以上処理を継続することが不可能であった。
2.2 造粒歩留まりの評価
各実施例および各比較例で造粒粉末を製造した際、使用したスラリーに含まれていた金属粉末の質量をWinとし、製造され回収された造粒粉末から異物や粗大粒子を取り除いた後に残った造粒粉末の質量をWoutとする。そして、造粒粉末の良品率(造粒歩留まり)を、下記式により算出した。
造粒歩留まり[%]=Wout/Win×100
以上の算出結果を表2に示す。
2.3 生産速度の評価
各実施例および各比較例で造粒粉末を製造した際に使用したスラリーの量と、造粒粉末の製造に要した時間と、を求め、これらの値から生産速度を算出した。そして、比較例1における生産速度を1として各実施例および各比較例における生産速度の相対値を算出した。
以上の算出結果を表2に示す。
3.造粒粉末の特性の評価
各実施例および各比較例において、500kgのスラリーを用いて造粒粉末を製造し、最後に得られた造粒粉末を回収した。そして、回収した造粒粉末について、JIS Z 2502:2012に規定の金属粉の流動性試験方法により流動度を測定した。
以上の測定結果を表2に示す。
表2から明らかなように、各実施例では、生産速度を速くしても、高い造粒歩留まり(回収率)を実現することができた。また、製造された造粒粉末の特性も良好であった。このことから、本発明によれば、高い生産効率で造粒粉末を製造し得ることが認められた。
また、各実施例では、噴霧盤に付着したスラリーの量も非常に少ないことが明らかとなった。このことから、本発明によれば、噴霧装置や噴霧乾燥造粒装置のメンテナンスに要する手間やコストを削減することができ、かかる観点からも連続安定操業が可能で、かつ、造粒粉末の生産効率を高め得ることが認められた。