以下、本発明の一実施形態による掃除機について図1から図19を用いて説明する。本実施形態による掃除機1は、床などの被清掃面に散らばる塵埃を吸引して除去する電気掃除機である。また、掃除機1は、スティック型(縦型)電気掃除機である。また、掃除機1は、内部に二次電池を備えている。このため、掃除機1は、商用電源が供給される電源コンセントに電源コードを接続した状態でなくても、この二次電池を電源として動作できる、いわゆるコードレス型の掃除機である。
[掃除機の全体の外観構成]
まず、本実施形態による掃除機1の全体の外観構成について図1から図3を用いて説明する。以下、「正面」は、自立させた掃除機1において集塵部32(詳細は後述)が設けられている側の面とする。また以下、「背面」は、「正面」と反対側の面とする。また以下、「右側面」は、自立させた掃除機1の正面側に正対した看者から見て右手側の面とする。また以下、「左側面」は、自立させた掃除機1の正面側に正対した看者から見て左手側の面とする。また以下、「平面」(以下、「上面」と称する場合がある)は、自立させた掃除機1を水平な床上に設置した状態において鉛直方向上方から見た面とする。さらに以下、「底面」は、自立させた掃除機1を水平な床上に設置した状態において鉛直方向下方から見た面とする。
図1(a)は、自立した状態の掃除機1を正面右斜め上方から見た斜視図であり、図1(b)は、自立した状態の掃除機1を背面左斜め上方から見た斜視図である。図2は、自立した状態の掃除機1の正投影図であり、図2中上段には、掃除機1の平面図が図示され、図2中中段には、左から掃除機1の左側面図、正面図、右側面図及び背面図がこの順に図示され、図2中下段には、掃除機1の底面図が図示されている。図3(a)は、掃除機1を正面右斜め上方から見た分解斜視図であり、図3(b)は、掃除機1に備えられた吸引部3であって集塵部32を取り除いた状態を正面右斜め下方から見た分解斜視図である。
図1及び図2に示すように、掃除機1は、内部に吸引ファン(図1及び図2では不図示)を備える吸引部3と、吸引ファンによって外部から空気を吸い込む吸気口33a(図1及び図2では不図示、図3(b)参照)に着脱可能に接続される吸引ノズル7と、吸引部3から上面側に延びる軸部5とを備えている。詳細は後述するが、軸部5の一部は、他部(残余の部分)に対して着脱可能に設けられており、軸部5の残余の部分は、吸引部3に対して固定されて設けられている。
吸引部3は、吸引ファンが回転することによって内部に気流を発生させ、吸気口33aに接続された吸引ノズル7より吸い込まれた空気を第1排気口群6a及び第2排気口群6bから排出するようになっている。吸引部3は、吸引ノズル7から空気を吸い込む際に床などの被清掃面に散らばる塵埃も吸い込み、吸い込んだ塵埃を集塵部32に集めて第1排気口群6a及び第2排気口群6bから排気しないようになっている。
吸引部3は、外表面が全体的に曲面状であって卵型形状を有している。軸部5は、円筒形状を有している。吸引部3に接続される側の軸部5の外表面の直径は、吸引部3の上面側の先端部の外表面の直径とほぼ同じ寸法に設定されている。このため、軸部5を吸引部3に接続した場合に、軸部5と吸引部3との間に段差が生じない。これにより、軸部5と吸引部3との一体感が生じるようになっている。
吸引部3は、背面から左右両側面の一部及び正面上方に亘って設けられた筐体31と、正面下方から左右両側面下方の一部に亘って設けられた集塵部32とを有している(図1及び図2中の中段参照)。集塵部32は、吸引ノズル7から吸引した塵埃が集められる部位である。集塵部32は、筐体31から着脱できるように構成されている。吸引部3は、集塵部32の上方であって正面側に、吸引側操作部301及び所定情報を報知する報知領域302とを有している(図1及び図2中の正面図参照)。吸引部3から軸部5の一部(第1軸部材51a及び第2軸部材51b(詳細は後述))を取り外して掃除機1をハンディ型の掃除機として使用する場合に、吸引側操作部301は、掃除機1の動作開始や動作終了などを操作するための操作部として用いられる。報知領域302は、上記所定情報としての掃除機1の吸引力の強弱、二次電池の充電量の残量及び集塵部32などの内部清掃の要否などを掃除機1の使用者に発光によって報知する領域である。吸引側操作部301は、報知領域302よりも軸部5側に設けられている。
筐体31は、背面の右寄りの一部から右側面の一部に亘って形成された第1排気口群6aと、背面の左寄りの一部から左側面の一部に亘って形成された第2排気口群6aとを有している(図2中の左側面図、右側面図及び背面図参照)。第1排気口群6a及び第2排気口群6bはそれぞれ、吸気口33aから吸い込まれた空気を排気するために設けられている。第1排気口群6aは、筐体31を貫通させて形成された複数の第1排気口601aを有している。第2排気口群6bは、筐体31を貫通させて形成された複数の第2排気口601bを有している。
筐体31は、第1排気口群6a及び第2排気口群6bの斜め下方に設けられた一対の充電用端子304を有している(図2中の背面図参照)。充電用端子304は、掃除機1に設けられた二次電池(図1及び図2では不図示、詳細は図11を用いて後述する)を充電するために用いられる。掃除機1は、二次電池を充電する際に充電装置(不図示)に設置される。充電用端子304は、掃除機1を充電装置に設置する際に、充電装置に設けられた電圧印加用の端子に接続される。これにより、二次電池は充電される。
軸部5は、上面側の先端に他の領域よりも直径の大きい大径部502を有している。また、軸部5は、大径部502より吸引部3寄りに設けられた把持部503を有している。さらに、軸部5は、把持部503を挟んで大径部502と反対側に設けられた軸側操作部501を有している。軸側操作部501は、把持部503よりも吸引部3寄りに設けられている。軸側操作部501は、吸引部3よりも大径部502が設けられた先端部寄りに設けられている。把持部503は、大径部502と軸側操作部501との間に設けられている。
大径部502は、上面側の先端部に近付くほど直径が大きくなるテーパ状に形成されている。把持部503は、掃除機1の使用者が把持する部位である。把持部503及び大径部502は一体に形成されている。軸側操作部501は、軸部5を吸引部3に接続した状態での掃除機1の動作開始や動作終了などを操作するための操作部として用いられる。掃除機1の使用者が把持部503を握ると、小指が大径部502に引っ掛かり、親指が軸側操作部501上に配置される。このため、使用者は、把持部503を握り直したりせずに親指を動かすだけで掃除機1の動作を開始したり終了したり、あるいは吸引力の強弱の設定変更をしたりできる。さらに、小指が大径部502に引っ掛かるため、掃除機1の使用者が掃除機1を使用している際に、上面側の先端から軸部5が使用者の手から滑り落ちてしまうのが防止される。このように、掃除機1は操作性が向上されている。
図3(a)に示すように、掃除機1は、吸引部3から軸部5及び吸引ノズル7を取り外すことができる。また、掃除機1は、吸引部3の筐体31から集塵部32を取り外すことができる。図3(b)に示すように、筐体31から集塵部32を取り外すと、筐体31の内部空間に収容された送風手段4の一部が集塵部32の配置領域の上方に露出し、集塵部32の配置領域の背面側に吸気口33aと連通する開口部38aが露出する。
図3に示すように、吸引ノズル7は、清掃時に床に配置されるノズル本体71と、吸引部3に接続される継手部72と、継手部72をノズル本体71に対して所定の回転範囲で回転可能に取り付ける継手回転部73とを有している。ノズル本体71の内部には、床面側を開口端とし、外部から空気を吸い込む吸込空間710が形成されている(図2中の底面図参照)。吸引ノズル7は、一般的な電気掃除機のノズル部と異なり、ノズル本体71の吸込空間710内に回転ブラシを備えていない。本実施形態による掃除機1は、吸込空間710内に、吸込空間710の長手方向を回転軸とする渦巻き状の気流を発生させ、発生させた気流によって床に散らばる塵埃をかき出すことができる。継手部72は円筒形状を有している。継手回転部73に接続されていない継手部72の端部は、吸引部3の吸気口33aを介して継手接続部33内に挿入される。これにより、吸引ノズル7は吸引部3に接続される。継手回転部73の内部は空洞になっている。このため、継手部72の内部空間は、継手回転部73を介して吸込空間710と連通されている。
継手回転部73は、ノズル本体71の後方に突出するようにノズル本体71の後部に接続されている。継手回転部73は、ノズル本体71を被清掃面に置いた状態で、この被清掃面に直交する方向からノズル本体71が設けられていない側であってこの被清掃面に平行な方向までの約90°の範囲で、ノズル本体71に対して継手部72を回転できるように構成されている。さらに、継手回転部73は、ノズル本体71を被清掃面に置いた状態で、被清掃面及び吸込空間710の長手方向に平行であって継手回転部73の端部を左側面側に向けた方向から右側面側に向けた方向までの約180°の範囲で、継手部72をノズル本体71に対して回転できるように構成されている。吸引部3は、継手部72よりも直径が大きい。さらに、吸引部3は、継手部72よりも背面側に飛び出す充電用端子304を有している。継手部72を介して吸引ノズル7に取り付けられた吸引部3を回転させると、吸引部3が継手部72よりも先に被清掃面に接触して継手部72の回転範囲を規制してしまう。このため、継手部72を介して吸引ノズル7に取り付けられた吸引部3は、継手部72が回転可能な範囲より若干狭い範囲で吸引ノズル7に対して回転できる。
掃除機1は、吸引ノズル7に対して吸引部3を自立させることができるようになっている。すなわち、掃除機1は、吸引ノズル7上に吸引部3を立たせた状態で保持できる。また、掃除機1は、吸引ノズル7に対して吸引部3を回転できるようになっている。このため、掃除機1は、吸引ノズル7に対して吸引部3を伏せた状態、すなわち吸引部3を被清掃面に対してほぼ平行にした状態にすることができる。図3に示すように、掃除機1は、吸引ノズル7に対して吸引部3を起伏自在に配置させる起伏機構2を有している。起伏機構2は、吸引ノズル7に対して吸引部3が起立状態に配置されている際に、吸引ノズル7と吸引部3とが接触する部位に設けられている。
本実施形態では、起伏機構2は、吸引ノズル7に対して吸引部3を起立状態に配置した際に、吸引ノズル7の上側の面(すなわち吸引部3に接触するノズル本体71の面)と吸引部3の下側の面(すなわちノズル本体71に接触する筐体31の面)とが当接するとともに、この上側の面とこの下側の面との間が係合する係合機構によって構成されている。起伏機構2は、掃除機1を起伏自在にするための機構であり、起伏機構2の一部が吸引部3を直立状態で保持するための係合機構を構成している。起伏機構2を構成する係合機構は、ノズル本体71に接触する筐体31の面に設けられた係合部22(図3(a)参照)と、吸引部3に接触するノズル本体71の面に設けられて係合部22に係合される被係合部21(図3(b)参照)とを有している。被係合部21は、ノズル本体71に対して吸引部3を直立させた際に、吸引部3の下側になる面の下端中央より下方に向かって延出するほぼ矩形の凸状に形成されている。係合部22は、被係合部21と対応する上端位置において上方及び後方側が開放されるほぼ矩形の凹状に形成されている。
吸引部3を正面側から見たときの被係合部21の幅は、吸引ノズル7を正面側から見たときの係合部22の幅よりも若干小さく形成されている。また、筐体31の外表面からの被係合部21の高さは、係合部22の深さよりも若干小さく形成されている。さらに、係合部22は、吸引部3が伏せられた状態に倒れる側が開口された凹形状を有している。このため、吸引部3は、吸引ノズル7に対して後方側に伏せられた状態から直立する状態になると、被係合部21が係合部22の溝内に係合するので、吸引ノズル7に対して起立した状態を保持できる。吸気口33aは、吸引部3の下側の面(ノズル本体71に接触する筐体31の面)中央より、吸引部3が伏せられた状態に倒れる側に偏って配置されている。これにより、吸引部3は、吸引ノズル7に対して起立した状態でのバランスが取りやすくなる。
吸引部3側に凹形状の係合部が形成され、吸引ノズル7側に凸形状の被係合部が形成されている場合には、この係合部は、前方側が開放された形状となる。これにより、吸引部3が吸引ノズル7に対して伏せた状態から直立する状態にされたときに、吸引ヘッドの被係合部は、吸引部3の係合部の溝内に係合されることができる。
[掃除機1の内部構成]
次に、掃除機1の内部構成について、図1から図3を参照しつつ図4から図11を用いて説明する。図4は、吸引部3を正面右斜め上方から見た分解斜視図である。図4では、理解を容易にするため、軸部5が併せて図示されている。
図4に示すように、吸引部3の筐体31は、正面側に配置される第1筐体部材31aと、背面側に配置される第2筐体部材31bとを有している。第1筐体部材31aは、第2筐体部材31bの上面側であってほぼ半分の領域に対向して配置される。第1筐体部材31aと第2筐体部材31bとの間には、送風手段4及び制御基板34が配置されている。送風手段4は、第1筐体部材31aと第2筐体部材31bとの間のほぼ中央に配置される。制御基板34は、第1筐体部材31aと第2筐体部材31bとの間であって第1筐体部材31a寄りに配置される。
制御基板34には、動作/停止スイッチ34aが設けられている。制御基板34を筐体31の内部空間に配置すると、動作/停止スイッチ34aの対応する位置には、第1筐体部材31aに一体に形成された弾性部材301bと、筐体31の外側から弾性部材301b上に設けられるボタン部301aとが配置される。なお、図4では、ボタン部301aは、第1筐体部材31aの背面側であって動作/停止スイッチ34aの手前に図示されている。ボタン部301a、弾性部材301b及び動作/停止スイッチ34aによって吸引側操作部301が構成される。ボタン部301aは、メンブレンシートによって形成された部材であり、掃除機1の使用者が掃除機1を操作する際に押下される。弾性部材301bは、薄板円形状を有し、外周の一部が第1筐体部材31aに一体に形成されている。弾性部材301bは、掃除機1の使用者がボタン部301aを押下すると、弾性変形して制御基板34側に後退するように構成されている。また、弾性部材301bは、掃除機1の使用者がボタン部301aの押下操作を解除すると元の位置に戻るようになっている。動作/停止スイッチ34aは、押しボタン型のスイッチである。動作/停止スイッチ34aは、弾性部材301bが制御基板34側に後退すると押し下げられる。動作/停止スイッチ34aは、押し下げられる毎に掃除機1を例えば「自動動作→標準動作→強動作→停止→自動動作→標準動作→強動作→停止→・・・」というように動作させることができる。なお、強動作は、掃除機1の吸引力が標準動作よりも強い動作である。また、自動動作は、被清掃面に散らばる塵埃量に応じて標準動作及び強動作が自動的に切り替えられる動作である。
制御基板34には、複数の発光素子34bが設けられている。複数の発光素子34bの発光部を覆うように、第1窓部302a、第2窓部302b及び第3窓部302cが設けられている。制御基板34を筐体31の内部空間に配置すると、第1窓部302aの対応する位置には、第1開口部302dが配置され、第2窓部302bの対応する位置には、第2開口部302eが配置され、第3窓部302cの対応する位置には、第3開口部302fが配置される。このため、第1窓部302a、第2窓部302b及び第3窓部302cは、第1筐体部材31aの外部に露出する。複数の発光素子34bと、第1窓部302a、第2窓部302b及び第3窓部302cと、第1窓部302a、第2窓部30b及び第3窓部302cによって報知領域302が構成される。
第1窓部302a、第2窓部302b及び第3窓部302cは、例えば半透明部材で形成されており、掃除機1の使用者が発光素子34bが発光していることを認識できる程度に光を透過することができるようになっている。第1窓部302aには、発光色の異なる複数個の発光素子34bが対応して配置されている。第1窓部302aは、透過する発光色の相違によって掃除機1の動作状態(自動動作状態、標準動作状態及び強動作状態)を使用者に対して報知する。また、第1窓部302aは、対応付けて配置された複数個の発光素子34bのいずれも発光していないために光を透過しないことによって掃除機1が停止状態であることを使用者に対して報知する。
第2窓部302bには、1個の発光素子34bが対応して配置されている。第2窓部302bは、対応付けて配置された発光素子34bの発光状態(例えば点灯状態や点滅状態など)の相違によって二次電池の充電量の残量を使用者に報知する。
第3窓部302cには、1個の発光素子34bが対応して配置されている。第3窓部302cは、対応付けて配置された発光素子34bの発光状態(例えば点灯状態及び非点灯状態)によって掃除機1の内部清掃の要否の判別結果を報知する(詳細は後述)。
第1窓部302a、第2窓部302b及び第3窓部302cは、第1開口部302d、第2開口部302e及び第3開口部302fからそれぞれ、第1筐体部材31aの外部に露出している。このため、掃除機1の使用者は、第1窓部302a、第2窓部302bおよび第3窓部302cの発光状態を確認して掃除機1の所定の状態を認識できる。
第2筐体部材31bには、仕切板35が設けられている。仕切板35は、上流側パッキン39を介して第2筐体部材31bに例えばねじ止めされて取り付けられている。仕切板35は、吸気口33a側と集塵部32(図4では不図示)側とを仕切るようになっている。ここで、上流側及び後述する下流側は、掃除機1の内部における空気の流れの相対的位置関係を示す。上流側は、各領域ごとに空気が流入してくる側であり、下流側は、各領域ごとに空気が流出する側である。したがって、掃除機1において、最上流側は吸引ノズル7側となり、最下流側は第1排気口群6a及び第2排気口群6b側となる。また、例えば、吸込空間710から吸気口33aまでの領域において、吸込空間710は空気が流入してくる側であるため上流側となり、吸気口33aは空気が流出する側であるため下流側となる。さらに例えば、吸気口33aから集塵部32までの領域において、吸気口33aは空気が流入してくる側であるため上流側となり、集塵部32は空気が流出する側であるため下流側となる。
ここで、仕切板35及び仕切板35に取り付けられた一対のセンサ基板36について図5を用いて説明する。図5(a)は、仕切板35及びセンサ基板36を背面右斜め上方から見た分解斜視図であり、図5(b)は、仕切板35及びセンサ基板36を背面左斜め上方から見た分解斜視図である。
図5に示すように、仕切板35は、集塵部32に対向する対向板部351と、対向板部351の裏面(集塵部32に対向しない側の面)から背面側に向かって突出して形成された突出部352とを有している。対向板部351には、開口部35aが形成されている(図4参照)。突出部352は、右側面側、上面側及び左側面側を囲むとともに底面側を開放させた形状を有し、背面視で下向きのコの字状に形成されている。突出部352は、筐体31に取り付けられると、突出部352の背面側端部が第2筐体部材31bの内壁面と接触するようになっている。これにより、突出部352は、第2筐体部材31bの内壁面とともに筐体31の内部空間を区切り、吸気口33aから第1排気口群6a及び第2排気口群6bに至る通気経路の一部を形成するようになっている。
仕切板35の突出部352には、一対のセンサ基板36が取り付けられている。第1センサ基板36aは、突出部352の左側の左側面側に配置され、第2センサ基板36bは、突出部352の右側の右側面側に配置されている。第1センサ基板36aには、吸気口33aから第1排気口群6a及び第2排気口群6bに至る通気経路内の圧力を検出する圧力検出部360が設けられている。圧力検出部360は、圧力を検知する圧力センサ(不図示)を第2センサ基板36b側に向けて配置されている。圧力検出部360は、突出部352に設けられた素子保持部352dに取り付けられている。第1センサ基板36aが突出部352に取り付けられた際に圧力センサの配置場所に対応する位置に、貫通孔(小孔の一例)352aが形成されている。貫通孔352aは、素子保持部352dに囲まれた領域に形成されている。圧力検出部360は、吸気口33aと吸引ファン42(詳細は後述)との間の通気経路内の圧力を貫通孔352aを介して検出する。より具体的には、圧力検出部360は、吸気口33aの下流側から仕切板35の開口部35aに至る通気経路内の圧力を検出する。吸気口33aと吸引ファン42との間の通気経路内は、吸引ファン42の上流側であり、吸引ファン42の吸気口側である。
圧力検出部360は、検出した圧力をアナログの電気信号に変換し、変換した電気信号(以下、「圧力電気信号」と称する場合がある)を制御基板34に送信する。制御基板34には、圧力検出部360で検出された圧力に対応する圧力検出値に基づいて、掃除機1の内部清掃の要否を判別する清掃要否判別部(図5では不図示、詳細は図15を用いて後述する)が設けられている。ここで、圧力検出部360で検出された圧力に対応する圧力検出値は、圧力検出部360が出力する圧力電気信号をアナログ/デジタル(A/D)変換して得られたデジタル信号の値である。清掃要否判別部は、圧力検出部360から出力される圧力電気信号に基づいて、掃除機1の内部清掃、すなわち集塵部32やフィルタ45(詳細は後述)の清掃の要否を判別する。例えば、第3窓部302cに対応付けられた発光素子34bは、清掃要否判別部によって内部清掃が必要と判別された場合に発光して第3窓部302cを点灯状態とする。これにより、掃除機1の使用者に内部清掃が必要であることが報知される。このように、第3窓部302c及び第3窓部302cに対応付けられた発光素子34bは、清掃要否判別部によって内部清掃が必要と判別された場合に、内部清掃が必要であることを報知する報知部に相当する。また、清掃要否判別部が内部清掃をする必要がないと判別した場合には、発光素子34bを発光させる制御は特別に行われず、第3窓部302cは非点灯状態のままである。つまり、掃除機1を使用している最中に、清掃要否判別部が内部清掃を不要と判別した場合には、掃除機1の第3窓部302cを見ただけでは、清掃要否判別部が内部清掃の要否の判別処理を実行しているか否かは判らないようになっている。清掃要否判別部における内部清掃の要否判別方法の詳細は後述する。
第1センサ基板36aには、発光素子361が設けられている。また、第2センサ基板36bには、一対のセンサ基板36を仕切板35の突出部352に取り付けた際に、発光素子361と対向する位置に受光素子362が設けられている。発光素子261及び受光素子362によって光電センサが構成される。また、発光素子361と圧力検出部360とを第1センサ基板36aに設けてユニット化することにより、一対のセンサ基板36の低コスト化を図ることができる。
発光素子361は、突出部352に設けられた素子保持部352eに取り付けられている。第1センサ基板36aが突出部352に取り付けられた際に発光素子361の発光部の配置場所に対応する位置に、開口部352bが形成されている。開口部352bは、素子保持部352eに囲まれた領域に形成されている。発光素子361の発光部は、開口部352bを介して吸気口33aの下流側から仕切板35の開口部38aに至る通気経路内に露出される。
受光素子362は、突出部352に設けられた素子保持部352fに取り付けられている。第2センサ基板36bが突出部352に取り付けられた際に受光素子362の受光部の配置場所に対応する位置に、開口部352cが形成されている。開口部352cは、素子保持部352fに囲まれた領域に形成されている。受光素子362の受光部は、開口部352cを介して吸気口33aの下流側から仕切板35の開口部38aに至る通気経路内に露出される。このため、発光素子361の発光部と受光素子362の受光部とは、開口部352b,352cを介して対向配置される。これにより、受光素子362は、発光素子361が発光する光を受光することができる。
掃除機1が動作している場合には、発光素子361は受光素子に向かって光を照射している。発光素子361が発光する光は、吸気口33aの下流側から仕切板35の開口部38aに至る通気経路内を介して受光素子で受光される。発光素子361の光が照射される通気経路内を塵埃が通過すると、発光素子361が照射する光がこの塵埃で遮断され、受光素子362が受光する受光量が低下する。このため、発光素子361が発光する光を受光素子362が受光する受光量は、通気経路内を通過する塵埃の量に応じて変動する。第2センサ基板36bは、受光素子362で受光した受光量を電気信号に変換して、この電気信号を制御基板34に送信する。制御基板34には、第2センサ基板36bから送信された電気信号に基づいて、吸引している塵埃の量を判定する塵埃量判定部(不図示)を有している。掃除機1が自動動作状態で稼働している場合には、塵埃量判定部の判定結果に基づいて、送風手段4は、吸引している塵埃の量が所定値よりも多いと駆動能力が高くなり、吸引している塵埃の量が所定値よりも少ないと駆動能力が低くなるように制御される。
図4に戻って、仕切板35の開口部35aを囲んで、下流側パッキン38が配置されている。下流側パッキン38には、開口部35aとほぼ同じ形状の開口部38aが形成されている。下流側パッキン38が仕切板35に配置されると、開口部35a及び開口部38aは重なって配置される。
ここで、集塵部32の概略構成について図6を用いて説明する。図6(a)は、集塵部32を正面右斜め上方から見た斜視図である。図6(b)は、集塵部32からコーン部37を取り除いた状態を正面右斜め上方から見た斜視図である。図6(c)は、集塵部32からコーン部37を取り除いた状態を背面左斜め上方から見た斜視図である。
図6(b)及び図6(c)に示すように、集塵部32は、上部が開口した内部空間32bを有している。図6(c)に示すように、集塵部32の背面側は、仕切板35の対向板部351の正面側に倣う形状に形成されている。また、集塵部32の背面側には、開口部32aが形成されている。開口部32aは、仕切板35の開口部35a及び下流側パッキン38の開口部38aとほぼ同じ形状に形成されている。開口部32aは、集塵部32を筐体31に取り付けた際に、開口部35a及び開口部38aと対応する位置に形成されている。このため、集塵部32を筐体31に取り付けると、集塵部32の背面側と仕切板35の正面側とは密着されるとともに、集塵部32の内部空間32bは、開口部32a,28a,35aを介して吸気口33aの下流側から仕切板35の開口部38aに至る通気経路内と連通される。集塵部32が筐体31に取り付けられると、集塵部32と仕切板35の対向板部351とは下流側パッキン38を介して圧着される。また、仕切板35は上流側パッキン39を挟んで第2筐体部材31bに取り付けられている。これにより、吸気口33aの下流側から集塵部32の内部空間32bに至る通気経路の密封度が向上するので、吸引部3の吸引効率の向上が図られる。
図6(a)に示すように、集塵部32の内部空間32bには、コーン部37が着脱可能に配置されている。コーン部37は、集塵部32の上部の開口を塞いで配置される。コーン部37は、外側に配置された外側コーン部材307aと内側に配置された内側コーン部材307bとを有している。内側コーン部材307bは、外側コーン部材307aに挿入されている。内側コーン部材307bは、外側コーン部材307aに挿入されることにより、外側コーン部材307aの上部の開口を塞ぐにようになっている。内側コーン部材307bの上部には、開口部37aが形成されている。このため、コーン部37が集塵部32の内部空間32bに挿入されると、集塵部32の上部は、開口部37aによって開口される。
外側コーン部材307aと内側コーン部材307bとの間には、フィルタ(不図示)が配置される。このフィルタは、掃除機1が吸引した空気を通過させるのに対し、吸引した塵埃をほぼ通過させないようになっている。集塵部32の開口部32aを介して内部空間32bに進入した空気は、コーン部37の周りを旋回しながらコーン部37に設けられたフィルタを介して内側コーン部材307bの内部に進入し、開口部37aを介して集塵部32の外部に流出する。一方、集塵部32の開口部32aを介して内部空間32bに進入した塵埃は、コーン部37の周りを旋回しながらコーン部37に設けられたフィルタに衝突する。このため、内部空間32bに進入した塵埃は内側コーン部材307bの内部に進入できずに、このフィルタに付着したり集塵部32の内部空間32bに留まる。
図4に戻って、集塵部32を筐体31に取り付けると、集塵部32の上面側には、内側コーン部材307bの開口部37aを塞いだ状態で送風手段4が配置される。ここで、送風手段4の概略構成について図7及び図8を用いて説明する。図7は、送風手段4の分解斜視図である。図8は、送風手段4の分解正面図である。
図7及び図8に示すように、送風手段4は、二次電池(図7及び図8では不図示、詳細は図9及び図11を用いて後述する)より供給される電力によって回転するモータ41と、モータ41によって回転される吸引ファン42とを有している。また、送風手段4は、吸引ファン42の上流側において吸引ファン42と同軸に設けられて吸気口33a(図7では不図示)から吸い込まれる空気を吸引ファン42の中心に案内する空気案内部43を有してる。さらに、送風手段4は、空気案内部43の上流側に配置されて吸引ファン42に塵埃が流入するのを防止するフィルタ45と、フィルタ45を空気案内部43に取り付けるためのフィルタ取付部材44とを有している。
吸引ファン42は、モータ41が回転することによって回転し、中央より吸い込んだ空気を外周に向かって吹き出す遠心ファンである。吸引ファン42は、薄板形状の第1円盤部材420と、第1円盤部材420が配置された側とは反対側に中央部分が曲面状に傾斜する第2円盤部材421とを有している。第1円盤部材420と第2円盤部材421とは、所定の間隙を設けて対向配置されている。第1円盤部材420及び第2円盤部材421のそれぞれの中央は開口されている。吸引ファン42は、第1円盤部材420及び第2円盤部材421に形成された開口内に設けられたコア部材424を有している。コア部材424の中心には、貫通孔424aが形成されている。貫通孔424aには、モータ41の回転軸部材41aが挿入されて固定される。コア部材424は、コア部材424から放射状に伸びる複数(本例では8つ)の接続部材426によって第1円盤部材420及び第2円盤部材421と接続されている。複数の接続部材426は、コア部材424の周上に等間隔に形成されている。隣り合う接続部材426の間には、空間部425が形成されている。
吸引ファン42は、第1円盤部材420及び第2円盤部材421の間に配置された複数の羽部材423を有している。複数の羽部材423は、第1円盤部材420及び第2円盤部材421の中心側から外周側に向かう湾曲した放射状に形成されている。隣り合う羽部材423の間はそれぞれ、空間部425の1つと連通している。このため、吸引ファン42は、中央から吸い込んだ空気を空間部425及び隣り合う羽部材423の間を介して、第1円盤部材420及び第2円盤部材421の外周に向かって吹き出すことができる。
空気案内部43は、吸引ファン42の上流側に配置されている。空気案内部43は、吸引ファン42と所定の間隙を設けて対向配置される対向配置部432と、対向配置部432の周囲に対向配置部432と一体に形成された誘導部431とを有している。空気案内部43は、吸引ファン42と所定の間隙を設けて配置されているので、吸引ファン42が回転動作した際に、空気案内部43と吸引ファン42との間で摺動抵抗が生じないようになっている。また、対向配置部432は、第2円盤部材421の上流側の外表面に倣う形状に形成されている。このため、吸引ファン42は、空気案内部43に対向配置された状態で、空気案内部43に衝突することなく円滑に回転することができる。対向配置部432の中央には開口部43aが形成されている。吸引部3に吸引された空気は、対向配置部432に形成された開口部43aを通って吸引ファン42に吸い込まれる。空気案内部43は、上流側に複数の板状部材433を有している。板状部材433は、開口部43aの下方にも形成されている。空気案内部43に導入される空気は、板状部材433によって、ある程度一定方向に揃って吸引ファン42に吸引される。
誘導部431は、吸引ファン42の外周の少なくとも上流側を覆い、かつこの上流側から下流側に向かって湾曲して形成されている。すなわち、誘導部431の内面は、筐体31の内面に向かって末広がりの凹状に形成されている。誘導部431は、空気案内部43の最外周側に設けられている。誘導部431が形成された領域の空気案内部43の直径は、吸引ファン42の直径よりも大きくなっている。このため、空気案内部43上に載置された吸引ファン42の最外周と、誘導部431との間には、所定の間隙が設けられる。吸引ファン42から吹き出された空気は、この所定の間隙では吸引ファン42の径方向に進むが誘導部431によって吸引ファン42の下流側に進行方向が変更される。空気案内部43は、筐体31の内面にはめ合わされており、誘導部431の内面は筐体の内面に滑らかにつながるように形成されている。誘導部431を通った空気は、筐体31の内面によってさらに下流側に導かれる。誘導部431によって誘導され、かつ筐体31の内面によって下流側に導かれた空気は、筐体31に形成された第1排気口群6a及び第2排気口群6bを介して外部に排気される。
フィルタ取付部材44は、底板441に開口部44aが形成された薄皿(シャーレ)形状を有している。底板441の直径はフィルタ45の直径よりも大きく、開口部44aの直径は、フィルタ45の直径よりも小さくなっている。また、フィルタ45の直径は、空気案内部43の開口部43aの直径よりも大きくなっている。このため、フィルタ取付部材44の底板441上にフィルタ45を乗せた状態で、フィルタ取付部材44を空気案内部43に取り付けると、フィルタ45は、空気案内部43の開口部43aを塞いだ状態で保持される。
掃除機1は、従来の掃除機のように整流のためのディフューザを用いなくても、空気案内部43によって吸引ファン42から吹き出された空気を整流できる。このため、掃除機1は、掃除機を構成する部品数の削減や吸引部3の小型化及び軽量化を図ることができる。その結果、掃除機1の操作性が向上される。
図4に戻って、筐体31は、第2筐体部材31bの内壁面から筐体31の内部空間に向かって突出して形成された突起部356を有している。また、筐体31は、第1筐体部材31aの内壁面から筐体31の内部空間に向かって突出して形成された突起部355(図4では不図示、図13参照)を有している。突起部355と突起部356とは、第1筐体部材31aを第2筐体部材31bに取り付けると対向して配置される。空気案内部43は、突起部355,356上に載置された状態で第1筐体部材31aが第2筐体部材31bに取り付けられると、空気案内部43の外周面が突起部355及び突起部356の直上の筐体31の内周面に沿う。これにより、誘導部431(図7参照)の外周、すなわち空気案内部43の外周は、筐体31の内周に嵌め合わされる。また、空気案内部43の外周面は円形状である。また、空気案内部43の外周は、吸引ファン42の下流側に向かって伸びて形成されている。このため、この外周面に沿う筐体31の内面は、吸引ファン42の回転軸方向に見て、円形状を有している。
次に、軸部5の概略構成について図9から図11を用いて説明する。図9(a)は、軸部5を正面右斜め上方から見た分解斜視図である。図9(b)は、軸部5を背面左斜め上方から見た斜視図である。図10(a)は、図9(a)に示す軸部5の先端側近傍を拡大して示す拡大図である。図10(b)は、図9(b)に示す軸部5の先端側近傍を拡大して示す拡大図である。
図9(a)に示すように、軸部5は、軸部5の延在方向(すなわち長手方向)に垂直な方向に互いに分割可能な第1軸部材51a及び第2軸部材51bと、第1軸部材51a及び第2軸部材51bに対して軸部5の延在方向に分割可能な第3軸部材51cとを有している。第2軸部材51bは、軸側操作部501が設けられた領域から大径部502までであって軸部5の背面側を構成している。第3軸部材51cは、電池収容部8を収容する領域を構成している。さらに、第3軸部材51cは、第1軸部材51a及び第2軸部材51bを取り外して掃除機1をハンディ型掃除機として使用する場合の把持部として利用することができる。第1軸部材51aは、第2軸部材51b及び第3軸部材51cを除く軸部5を構成している。
図10(a)及び図10(b)に示すように、軸部5は少なくとも一部に、軸部5の延在方向に延びて形成されたリブを有している。第1軸部材51aには、軸部5の延在方向と同方向に延在する第1リブ52,53が形成され、第2軸部材51bには、軸部5の延在方向と直交する第2リブ54が形成されている。第1リブ52,53は、互いに対向して第1軸部材51aに一対形成されている。第2リブ54は、複数(第2リブ54a,54b,54c,54d,54e)設けられている。第2リブ54a,54b,54c,54d,54eは、薄板半円形状に形成されている。第2リブ54d及び第2リブ54eには、ほぼ中央に第2軸部材51bを第1軸部材51aにねじ止めする際にねじが挿入される円筒状の貫通孔が形成されている。
第1リブ52は、スリット状に形成された第1当接部520aと、矩形状に切り欠いて形成された第2当接部520bと、スリット状に形成された第3当接部520c及び第4当接部520dとを有している。第2リブ54は、スリット状に形成された第1当接部530aと、矩形状に切り欠いて形成された第2当接部530bと、スリット状に形成された第3当接部530c及び第4当接部530dとを有している。第1当接部520aと第1当接部530aとは対向して配置され、第2当接部520bと第2当接部530bとは対向して配置され、第3当接部520cと第3当接部530cとは対向して配置され、第4当接部520dと第4当接部530dとは対向して配置されている。第1当接部520a,530a、第3当接部520c,530c及び第4当接部520d,520dのスリット幅は、第2リブ54の厚さより若干大きく形成されている。第2当接部520b,530bの長手方向の幅は、第2リブ54b及び第2リブ54cの配置間隔よりも若干大きく形成されている。
第1軸部材51a及び第2軸部材51bを組み合わせた際に、第1当接部520a,530aは第2リブ54aに対応する位置に配置され、第2当接部520b,530bは第2リブ54b,54cに対応する位置に配置され、第3当接部520c,530cは第2リブ54dに対応する位置に配置され、第4当接部520d,520dは第2リブ54eに対応する位置に配置される。このため、第1リブ52,53及び第2リブ54は、第1軸部材51a及び第2軸部材51bを組み合わせた際に当接される。第2リブ54aは、第1当接部520a及び第1当接部530aに挿入されて当接される。第2リブ54bは第2当接部520b及び第2当接部530bの上部側に配置され、かつ第2リブ54cは第2当接部520b及び第2当接部530bの下部側に配置される。これにより、第2リブ54b,54cは、第2当接部520b及び第2当接部530bに挿入されて当接される。第2リブ54dは、第3当接部520c及び第3当接部530cに挿入されて当接される。第2リブ54eは、第4当接部520d及び第4当接部530dに挿入されて当接される。第1リブ52,53と第2リブ54とが縦横に組み合わされるので、軸部5の軽量化を図りながら軸部5の強度の向上を図ることができる。また、第1当接部520a,530a、第2当接部520b,530b、第3当接部520c,530c及び第4当接部520d,530dは、凹状に形成されているので、第1軸部材51aに対する第2軸部材51bの位置決め部材としての機能も発揮する。なお、第1軸部材51aに第2リブが設けられ、第2軸部材51bに第1リブが設けられていても、同様の効果が得られる。
第1リブ52,53は、軸部5の延在方向に伸びて形成されている。さらに、第1リブ52,53は、掃除機1の正面側から背面側に向かう方向に突出して形成されている。このため、把持部503を握りつつ掃除機1を正面側に傾けて使用している使用者が傾けた状態を維持したまま吸引部3を持ち上げたとしても、吸引部3の重量によって軸部5が撓んでしまうのを防止できる。さらに、軸部5は、第1リブ52,53に当接された第2リブ54を有している。このため、使用者が掃除機1を傾けた状態で持ち上げたとしても第1リブ52,53及び第2リブ54は、吸引部3の重量によって軸部5が撓んでしまうのをより一層防止できる。
図9に戻って、第2軸部材51bの第3軸部材51c寄りには、吸引ファン42を操作するための軸側操作部501用の操作基板501aが取り付けられるようになっている。操作基板501aは薄板長方形状を有している。操作基板501aは、一対の第1リブ52,53の間に設けられている。操作基板501aの短手方向の長さは、一対の第1リブ52,53の間隔よりも若干小さくなっている。これにより、操作基板501aを一対の第1リブ52,53に容易に位置決めして配置することができる。操作基板501aには、スイッチ群510が設けられている。スイッチ群510は、標準動作及び強動作の開始や切り替えに用いる強/標準用スイッチ510aと、自動動作を開始するために用いる自動用スイッチ510bと、動作を停止するための停止用スイッチ510cとを有している。操作基板501aが取り付けられた第2軸部材51bを第1軸部材51aに取り付けると、第1軸部材51aのスイッチ群510に対応する位置には、強/標準用スイッチ510a、自動用スイッチ510b及び停止用スイッチ510cがが挿入される3つの貫通孔511が形成されている。第1軸部材51aには、貫通孔511内に露出するスイッチ群510を覆ってボタン部501cが配置されている。ボタン部501cは、メンブレンシートによって形成された部材であり、掃除機1の使用者が掃除機1を操作する際に押下される。ボタン部501cには、強/標準用スイッチ510a、自動用スイッチ510b及び停止用スイッチ510cの位置の目安となる指案内部が形成されている。ボタン部501c、貫通孔511、スイッチ群510及び操作基板501aによって軸側操作部501が構成されている。
軸部5と第3軸部材51cとの間には、接続部11が設けられている。接続部11は、第1接続部材111と第2接続部材112とを有している。第1接続部材111及び第2接続部材112は、ガラス繊維強化樹脂で形成されている。軸部5は、相対的に強度が弱い接続部111にガラス繊維強化樹脂で形成された第1接続部材111及び第2接続部材112を用いることにより、接続部111の強度の向上が図られている。これにより、使用者が軸部5を持って掃除機1を傾けた状態で持ち上げたとしても、吸引部3の重量によって軸部5が撓んでしまうのが一層抑制される。第1接続部材111は、第1軸部材51aに対向する第3軸部材51cの端部に配置され、第2接続部材112は、第3軸部材51cに対向する軸部5の端部に配置されている。より具体的には、第2接続部材112は、第3軸部材51cに対向する第1軸部材51aの端部に設けられた挿入端部55に配置される。第2接続部材112は、大径部502側の端部が塞がれた円筒形状を有している。第1接続部材111は、第2接続部材112の内径より若干短い外形の側壁部111aを有している。
挿入端部55の外径は、第3軸部材51cの内径よりも小さくなっている。このため、挿入端部55を第3軸部材51cに挿入することにより、第1軸部材51aと第3軸部材51cとが接続される。挿入端部55を第3軸部材51cに挿入すると、第1接続部材111が第2接続部材112に挿入される。第2接続部材112及び第1接続部材111には、それぞれ電極(図9では不図示、図12から図14を用いて後述する)が設けられており、第2接続部材112に第1接続部材111を挿入することによってこれらの電極が接続される。これにより、コネクタ群10のコネクタ102を介して、スイッチ群510が操作されたことを示す信号が操作基板501aから制御基板34に送信される。
第1接続部材111は、一般にバッテリパックと称される電池収容部8を支持する支持部材としても機能する。第1接続部材111は、電池収容部8側に向かって突出する爪部111b,111c及び不図示の爪部を有している。第1接続部材111を第3軸部材51cに取り付けると、3つの爪部111b,111cは、電池収容部8の電池配置部81,82,83のそれぞれの間の凹んだ領域に配置され、電池収容部8を支持する。
電池収容部8は、第1接続部材111によって支持されるのとは反対側の端部も電池支持部材12によって支持される。電池支持部材12は、第3軸部材51c内に収納可能な大きさに形成された側壁部120と、側壁部120の内側の領域に設けられた爪部121a,121b,121cとを有している。爪部121a,121b,121cは、電池収容部8に向かって突出して形成されている。第3軸部材51c内に、電池収容部8及び電池支持部材12を正規の向きに配置することにより、爪部121a,121b,121cは、電池収容部8の電池配置部81,82,83のそれぞれの間の凹んだ領域に配置され、第1接続部材111とともに電池収容部8を支持する。
吸引側接続部材111及び電池支持部材12によって電池収容部8が両端部で支持されるので、軸部5の撓みに基づく負荷が電池収容部8に掛かり難くなる。これにより、電池収容部8が破損してしまうのを防止できる。
電池支持部材12の側壁部120内であって爪部121a,121b,121cの下方には、コネクタ群10が配置される。コネクタ群10は、電源供給用のコネクタ101と、信号供給用のコネクタ102とを有している。コネクタ101及びコネクタ102はいずれも、雄型及び雌型のコネクタを接続した状態で電池支持部材12に配置される。雄型及び雌型のいずれか一方は、充電用端子304に接続され、他方は電池収容部8に収容された二次電池に接続されている。これにより、掃除機1は、コネクタ101を介して吸引部3側に二次電池より電力を供給でき、あるいは吸引部3側より二次電池を充電できる。
電池収容部8は、吸引ファン42を回転させるための電力を供給する二次電池を収容している。電池収容部8は、細長い形状を有している。電池収容部8は、軸部5と同じ方向に延在するように配置されている。また、電池収容部8は、第3軸部材51cと同じ方向に延在するように配置されている。電池収容部8は、軸部5と同一軸心上に配置されている。軸部5の軸心は、例えば挿入端部55の端面に直交しかつ挿入端部55の中心を通る仮想直線である。また、電池収容部8は、第3軸部材51cと同一軸心上に配置されている。第3軸部材51cの軸心は、例えば軸部5側の端面に直交しかつこの端面の中心を通る仮想直線である。
ここで、電池収容部8について図10を参照しつつ図11を用いて説明する。図11は、電池収容部8を模式的に示す図であり、図11中上段には、電池収容部8の平面模式図を示し、図11中下段には、電池収容部8の正面模式図を示している。図11では、理解を容易にするため、電池収容部8に収容されて本来視認することのできない二次電池が図示され、かつ二次電池セット813が二次電池セット811,812に対して高さ方向をずらして図示されている。
図10及び図11に示すように、電池収容部8は、電池配置部81,82,83を有している。電池収容部8は、電池配置部81,82,83に二次電池811a〜811c,812a〜812c,813a〜813cを配置して収容している(図11参照)。二次電池811a、811b,811cは電池配置部81に配置されている。二次電池セット812a,812b,812cは電池配置部82に配置されている。二次電池813a,813b,813cは電池配置部83に配置されてる。電池収容部8は、電池配置部81,82,83のそれぞれに複数の二次電池を一組とする二次電池セット811,812,813を配置している。二次電池セット811は、二次電池811a、811b,811cを一組とするセットである。二次電池セット812は、二次電池812a,812b,812cを一組とするセットである二次電池813は、二次電池813a,813b,813cを一組とするセットである。二次電池セット811、二次電池セット812及び二次電池セット813は、互いに平行に隣接させて配置されている。二次電池セット811に含まれる二次電池811a、811b,811cは直列接続され、二次電池セット812に含まれる二次電池812a,812b,812cは直列に接続され、二次電池セット813に含まれる二次電池813a,813b,813cは直列に接続されている。二次電池セット811、二次電池セット812及び二次電池セット813同士は並列接続されている。本実施形態では、電池収容部8は、円柱状の二次電池を3個一組とする組を3つ(二次電池セット811,812,813)有し、この一組が三角形状に配置されている。複数の二次電池を一組とする二次電池セットを複数段備えることにより、電池収容部8は、小型化かつ大容量化を図ることができる。
次に、掃除機1の断面構成について図12から図14を用いて説明する。図12及び図13では、電池収容部8及びモータ41は、断面ではなく外形形状が図示されている。図14では、電池収容部8及びモータ41は、断面ではなく吸引部3及び軸部5内に収容された状態が図示されている。
図12に示すように、第2筐体部材31bは、モータ41の背面側に第1排気口群6a及び第2排気口群6bを有している。第1排気口群6aは、複数の第1排気口601a(図12では不図示)から筐体31の内部空間に向かって延びて形成された第1筒状部602aを有している。第2排気口群6bは、複数の第2排気口601b(図12では不図示)から筐体31の内部空間に向かって延びて形成された第2筒状部602bを有している。第1筒状部602a及び第2筒状部602bのそれぞれの中心軸は左右方向に向いている。第1筒状部602aは、掃除機1の左側面側から右側面側に向かって開口している。第2筒状部602bは、掃除機1の右側面から左側面に向かって開口している。筐体31内の空気は、第1筒状部602a及び第2筒状部602bによって排気方向が規制される。筐体31内の空気は、第1筒状部602a及び第2筒状部602bの中心軸方向に排気方向が規制される。このため、筐体31内の空気は、第1排気口群6aから掃除機1の右側面側に向かって排気され、第2排気口群6bから掃除機1の左側面側に向かって排気される。これにより、掃除機1から排気される空気は、掃除機1の使用者にほとんど当らなくなる。
空気案内部43は、突起部355及び突起部356上に載置されるとともに、筐体31の内壁面にほとんど隙間なく嵌め込まれている。このため、集塵部32側から流入する空気を吸引ファン42の中央部に導入するとともに、吸引ファン42の外周部から吹き出された空気を誘導部431を用いて効率よく第1排気口群6a及び第2排気口群6b側に導くことができる。
図12から図14に示すように、電池収容部8は、第3軸部材51cの内部空間にほぼ隙間なく収納されている。コネクタ群10は、電池収容部8とモータ41との間に配置されている。
電池収容部8の上方に設けられた第1接続部材111は、電極111dを有し、第2接続部材112は電極112aを有している。電極111dは電極112aに挿入され、電極112aと電極111dとの電気的接続が確保されている。接続部11の上方には、第1リブ52及び第2リブ53の間に配置された操作基板501aが設けられている。操作基板501aには、コネクタ102(図9参照)と配線(不図示)によって接続されるコネクタ512が設けられている。
[掃除機の内部清掃の要否の判別方法]
次に、掃除機1の内部清掃の要否の判別方法について図15から図19を用いて説明する。まず、掃除機1の内部清掃の要否の判別に関連する構成について図15を用いて説明する。図15は、掃除機1の内部清掃の要否の判別に関連する主な構成のブロック図である。図15では、強/標準用スイッチ510a及び自動用スイッチ510bは「動作用スイッチ」と総称されている。
図15に示すように、掃除機1の内部清掃の要否の判別に関連する主な構成には、制御手段340と、上述のモータ41、圧力検出部360、報知領域302、軸側操作部501及び吸引側操作部301とが含まれる。制御手段340は、制御基板34に設けられている。制御手段340は、モータ41の駆動を制御するモータ駆動制御部340bと、報知領域302の発光素子34bを駆動する発光素子駆動制御部340cと、圧力検出部360から入力される圧力電気信号がA/D変換されて得られた圧力検出値を記憶する記憶部340fとを有している。また、制御手段340は、圧力検出部360から入力される圧力電気信号をA/D変換したり記憶部340fに記憶された圧力検出値を用いて圧力差を算出したりする圧力差算出部340eと、圧力差算出部340eの算出結果に基づいて内部清掃の要否を判別する清掃要否判別部340dとを有している。さらに、制御手段340は、モータ駆動制御部340b、発光素子駆動制御部340c、清掃要否判別部340d、圧力差算出部340e及び記憶部340fを統括的に制御する統括制御部340aを有している。
動作用スイッチ510a,510b又は動作/停止スイッチ34aが使用者によって操作され、停止中の掃除機1の動作が開始されると、電池収容部8に収容された二次電池811a〜811c,812a〜812c,813a〜813cから制御基板34に電力が供給される。これにより、統括制御部340aは起動して掃除機1の動作を開始するとともに、掃除機1の内部清掃の要否の判別の処理を開始する。また、停止用スイッチ510c又は動作/停止スイッチ34aが使用者によって操作され、稼働中の掃除機1の動作を終了するための処理が開始されると、統括制御部340aは、掃除機1の内部清掃の要否の判別の処理やモータ41の動作を終了させて掃除機1を停止状態とする。
ここで、掃除機1の内部清掃の要否の判別方法について、図15を参照しつつ図16を用いて説明する。図16に示す掃除機1の内部清掃の要否の判別方法の処理は、制御手段340において実行される。
動作用スイッチ510a,510b又は動作/停止スイッチ34aが使用者によって操作され、停止中の掃除機1の動作が開始されると、図16に示すように、ステップS1において、統括制御部340aは、初期動作時の測定回数Nを初期化し、ステップS3に処理を移行する。具体的には、統括制御部340aは、初期動作時の測定回数Nに1を代入して所定の記憶領域に記憶する。本実施形態では、測定回数Nは、統括制御部340aに設けられた所定の記憶領域に記憶されるが、記憶部340fに記憶されてもよい。また、統括制御部340aは、圧力検出部360から入力される圧力電気信号の受信を許可状態とするために、所定の記憶領域に記憶された圧力電気信号受信許可フラグをオン状態とする。
ステップS3において、統括制御部340aは、圧力検出部360で検出されて送信された初期動作時の圧力に対応する圧力検出値Pbを記憶部340fに記憶し、ステップS5に処理を移行する。より具体的に、圧力差算出部340eは、圧力検出部360から送信された圧力電気信号をA/D変換し、A/D変換して得たデジタル信号を統括制御部340aに出力する。統括制御部340aは、圧力差算出部340eから入力されたデジタル信号の値を圧力検出値Pbとし、この圧力検出値Pbを現時点での測定回数Nに対応付けて記憶部340fに記憶する。
ステップS5において、統括制御部340aは、初期動作時の測定回数Nに1を加算して、加算後の値を測定回数Nとして所定の記憶領域に記憶し直し、ステップS7に処理を移行する。
ステップS7において、統括制御部340aは、初期動作時の測定回数Nが最大数を超えたか否かを判定し、測定回数Nが最大数を超えたと判定したらステップS9に処理を移行し、測定回数Nが最大数を超えていないと判定したらステップS3に処理を戻す。本実施形態では、初期動作時の測定回数Nの最大数は「5」に設定されている。したがって、統括制御部340aは、初期動作時の測定回数Nが「5」より大きい値であれば測定回数Nが最大数を超えたと判定し、初期動作時の測定回数Nが「5」以下の値であれば測定回数Nが最大数を超えていないと判定する。
このため、統括制御部340aは、圧力検出部360から圧力電気信号を5回受信するまで、すなわち圧力電気信号をA/D変換したデジタル信号が圧力差算出部340eから5回入力されるまで、ステップS3からステップS7を繰り返す。また、統括制御部340aは、初期動作時の測定回数Nが最大値を超えたら、所定の記憶領域に記憶された圧力電気信号受信許可フラグをオフ状態とし、圧力検出部360から送信された圧力電気信号を受信しないか受信したとしても破棄する。このように、掃除機1では、圧力検出部360から送信される圧力電気信号を受信可能な時期と受信不可能な時期に切り分けるようになっている。これにより、掃除機1は、所望のタイミングにおける圧力検出値のみを記憶部340fに記憶して内部清掃の要否判別の精度を向上することができる。
ステップS9において、圧力差算出部340eは、統括制御部340aの指示に基づいて、記憶部340fに記憶された複数の圧力検出値Pbを読み出して平均圧力値Pbaを算出し、算出した平均圧力値Pbaを記憶部340fに記憶する。圧力差算出部340eは、記憶部340fに記憶された複数の圧力検出値Pbのうち、最大値と最小値を省いて他の圧力検出値Pbから平均圧力値Pbaを算出するようになっている。統括制御部340aは、平均圧力値Pbaを算出したことを示す情報を圧力差算出部340eから受信したら、ステップS11に処理を移行する。
ステップS11において、モータ駆動制御部340bは、統括制御部340aの指示に基づいて、モータ41に対して回転開始信号を出力する。これにより、モータ41は回転を開始する。統括制御部340aは、回転開始信号を出力したことを示す情報をモータ駆動制御部340bから受信したら、モータ41の安定動作までの所定時間のカウントを開始し、ステップS13に処理を移行する。ステップS11では、モータ41の安定動作を判別するために、十分に長い時間に相当する所定時間がカウントされているが、これに代えて、モータ41の回転速度を検知して回転速度が所定値を超えることでモータ41が安定動作していることを判別するようにしてもよい。
ステップS13において、統括制御部340aは、モータ41が安定動作するまでの所定時間が経過したか否かを判定し、所定時間が経過したと判定したらステップS15に処理を移行し、所定時間が経過していないと判定したらステップS15の処理を繰り返す。
ステップS15において、統括制御部340aは、モータ41の回転動作の安定時(以下、単に「安定時」と略記する場合がある)の測定回数Mを初期化し、ステップS17に処理を移行する。具体的には、統括制御部340aは、安定時の測定回数Mに1を代入して所定の記憶領域に記憶する。本実施形態では、測定回数Mは、統括制御部340aに設けられた所定の記憶領域に記憶されるが、記憶部340fに記憶されてもよい。また、統括制御部340aは、圧力電気信号の受信を許可状態とするために、所定の記憶領域に記憶された圧力電気信号受信許可フラグをオン状態とする。
ステップS17において、統括制御部340aは、圧力検出部360で検出されて送信された安定時の圧力に対応する圧力検出値Psを記憶部340fに記憶し、ステップS19に処理を移行する。より具体的に、圧力差算出部340eは、圧力検出部360から送信された圧力電気信号をA/D変換し、A/D変換して得たデジタル信号を統括制御部340aに出力する。統括制御部340aは、圧力差算出部340eから入力されたデジタル信号の値を圧力検出値Psとし、この圧力検出値Psを現時点での測定回数Mに対応付けて記憶部340fに記憶する。
ステップS19において、統括制御部340aは、安定時の測定回数Mに1を加算して、加算後の値を測定回数Mとして所定の記憶領域に記憶し直し、処理をステップS21に移行する。
ステップS21において、統括制御部340aは、安定時の測定回数Mが最大数を超えたか否かを判定し、測定回数Mが最大数を超えたと判定したらステップS23に処理を移行し、測定回数Mが最大数を超えていないと判定したらステップS17に処理を戻す。本実施形態では、安定時の測定回数Mの最大数は「5」に設定されている。したがって、統括制御部340aは、安定時の測定回数Mが「5」より大きい値であれば測定回数Mが最大数を超えたと判定し、安定時の測定回数Nが「5」以下の値であれば測定回数Mが最大数を超えていないと判定する。
このため、統括制御部340aは、圧力検出部360から圧力電気信号を5回受信するまで、すなわち圧力電気信号をA/D変換したデジタル信号が圧力差算出部340eから5回入力されるまで、ステップS17からステップS21を繰り返す。また、統括制御部340aは、安定時の測定回数Mが最大値を超えたら、所定の記憶領域に記憶された圧力電気信号受信許可フラグをオフ状態とし、圧力検出部360から送信された圧力電気信号を受信しないか受信したとしても破棄する。このように、掃除機1では、圧力検出部360から送信された圧力電気信号を受信可能な時期と受信不可能な時期に切り分けるようになっている。これにより、掃除機1は、所望の圧力検出値のみを記憶部340fに記憶して内部清掃の要否判別の精度を向上することができる。
ステップS23において、圧力差算出部340eは、統括制御部340aの指示に基づいて、記憶部340fに記憶された複数の圧力検出値Psを読み出して平均圧力値Psaを算出し、算出した平均圧力値Psaを記憶部340fに記憶する。圧力差算出部340eは、記憶部340fに記憶された複数の圧力検出値Psのうち、最大値と最小値を省いて他の圧力検出値Psから平均圧力値Psaを算出するようになっている。統括制御部340aは、平均圧力値Psaを算出したことを示す情報を圧力差算出部340eから受信したら、ステップS25に処理を移行する。
ステップS25において、圧力差算出部340eは、統括制御部340aの指示に基づいて、記憶部340fに記憶された初期動作時の平均圧力値Pba及び安定動作時の平均圧力値Psaを読み出し、平均圧力値Pbaと平均圧力値Psaとの差である差分圧力値PΔを算出し、算出した差分圧力値PΔを記憶部340fに記憶する。圧力差算出部340eは、安定動作時の平均圧力値Psaから初期動作時の平均圧力値Pbaを減算することによって差分圧力値PΔを算出する。統括制御部340aは、差分圧力値PΔを算出したことを示す情報を圧力差算出部340eから受信したら、ステップS27に処理を移行する。
ステップS27において、清掃要否判別部340dは、統括制御部340aの指示に基づいて、記憶部340fから読み出した差分圧力値PΔを、内部清掃が必要か否かを判別するための閾値Pxと比較し、掃除機1の内部清掃が必要であるか否かを判別する。清掃要否判定部340dは、内部清掃が必要であるか否かの情報を統括制御部340aに送信する。集塵部32に塵埃が溜まったり送風手段4のフィルタ45が目詰まりしたりすると、吸引部3の吸引力が低下するため、安定時の圧力検出値Psの値が大きくなる。その結果、差分圧力値PΔの値は小さくなる。このため、清掃要否判定部340dは、差分圧力値PΔが閾値Px以上である場合には、吸引部3の吸引力は低下しておらず掃除機1の内部は汚れていないと判断して内部清掃が必要ないという情報を統括制御部340aに送信する。一方、清掃要否判定部340dは、差分圧力値PΔが閾値Pxよりも小さい場合には、吸引部3の吸引力は低下しており掃除機1の内部が汚れていると判断して内部清掃が必要であるという情報を統括制御部340aに送信する。統括制御部340aは、内部清掃が必要であるという情報を受信したら、ステップS29に処理を移行する。一方、統括制御部340aは、内部清掃が必要でないという情報を受信したら、ステップS15に処理を戻し、再び安定時測定回数Mの初期化から差分圧力値PΔの算出までのステップS15からステップS25の処理を実行する。
ステップS29において、発光素子駆動制御部340cは、統括制御部340aの指示に基づいて、内部清掃が必要であることを報知するための発光素子、すなわち第3窓部302cに対応する発光素子34bに対して発光開始信号を出力する。その結果、第3窓部302cに対応する発光素子34bが発光し、第3窓部302cが点灯する。これにより、掃除機1の使用者に内部清掃が必要であることが報知される。統括制御部340aは、発光開始信号を出力したことを示す情報を発光素子駆動制御部340cから受信したら、内部清掃の報知時間のカウントを開始し、ステップS31に処理を移行する。
ステップS31において、統括制御部340aは、動作停止スイッチ、すなわち停止用スイッチ510c又は動作/停止スイッチ34aがオン状態であるか否かを判定し、動作停止スイッチがオン状態でないと判定したらステップS33に処理を移行し、動作停止スイッチがオン状態であると判定したらステップS37に処理を移行する。なお、ステップS31において、統括制御部340aは、動作/停止スイッチ34aが停止スイッチとしてオン状態であるか否かを判定するようになっている。
ステップS33において、統括制御部340aは、掃除機1の内部清掃が必要であることを報知する報知時間が終了したか否かを判定し、報知時間が終了したと判定したらステップS35に処理を移行し、報知時間が終了していないと判定したらステップS31の処理に戻る。
ステップS31において動作停止スイッチがオン状態でないと判定され、かつ内部清掃の報知時間が終了したと判定された後のステップS35において、発光素子駆動制御部340cは、統括制御部340aの指示に基づいて、掃除機1の内部清掃が必要であることの報知を終了するために、第3窓部302cに対応する発光素子34bに対して発光停止信号を出力する。その結果、第3窓部302cに対応する発光素子34bが発光を停止し、第3窓部302cが消灯される。これにより、使用者が掃除機1の内部を清掃したかしないかに関わらず、内部清掃の1回の報知が終了する。統括制御部340aは、発光停止信号を出力したことを示す情報を発光素子駆動制御部340cから受信したら、ステップS15に処理を戻す。統括制御部340aは、再び安定時の圧力電気信号の受信を開始するために、安定時測定回数Mを初期化するとともに、圧力電気信号受信許可フラグをオン状態とする(ステップS15)。
一方、ステップS31において動作停止スイッチがオン状態であると判定された後のステップS37において、発光素子駆動制御部340cは、統括制御部340aの指示に基づいて、掃除機1の内部清掃が必要であることの報知を終了するために、第3窓部302cに対応する発光素子34bに対して発光停止信号を出力する。その結果、第3窓部302cに対応する発光素子34bが発光を停止し、第3窓部302cが消灯される。統括制御部340aは、発光停止信号を出力したことを示す情報を発光素子駆動制御部340cから受信したら、ステップS39に処理を移行する。ステップS37の処理が実行されることにより、掃除機1の次の電源投入時に、第3窓部302cに対応する発光素子34bが発光してしまうことを防止できる。
ステップS39において、モータ駆動制御部340bは、統括制御部340aの指示に基づいて、モータ41に対して回転停止信号を出力する。これにより、モータ41は回転を停止する。その後、制御基板34への電力供給が終了し、掃除機1は停止する。
上述のとおり、掃除機1の内部清掃の要否判別において、圧力差算出部340eは、平均圧力値Psa及び差分圧力値PΔを算出する。また、清掃要否判別部340dは、圧力差算出部340eが算出した差分圧力値PΔと閾値Pxとを比較し、差分圧力値PΔが閾値Pxよりも小さいと判定すると内部清掃が必要であると判別する。この方法であれば、圧力検出部360は、初期動作時及び安定動作時に通気経路P1内の圧力を検出する。このため、清掃要否判別部340dは、通気経路P1内の相対的な圧力差に基づいて内部清掃の要否を判別できる。このため、圧力検出部360の圧力センサの出力にオフセットがあったり、圧力センサが経年劣化したりしても、通気経路P1内の圧力を安定して検出できる。
清掃要否判別部340dは、モータ41の回転中に圧力検出部360で検出された圧力に対応する圧力検出値と、モータ41の停止中、すなわち初期動作中に圧力検出部360で検出された圧力に対応する圧力検出値との差に基づいて、掃除機1の内部清掃の要否を判別する。すなわち、清掃要否判別部340dは、モータ41の回転開始の操作後かつモータ41が回転し始める前までの初期動作時に圧力検出部350で検出された圧力に対応する圧力検出値と、モータ41の回転が安定した安定動作時に圧力検出部350で検出された圧力に対応する圧力検出値との差に基づいて、内部清掃の要否を判別する。
上述の掃除機の内部清掃の要否の判別方法では、清掃要否判別部340dは、圧力検出部360で検出された複数の圧力にそれぞれに対応する複数の圧力検出値の平均値に基づいて、内部清掃の要否を判別する。これにより、清掃要否判別部は、内部清掃の要否を高精度に判別できる。
また、本実施形態では、圧力差算出部340eは、4回以上(本例では5回)の圧力検出値のうちの最大値と最小値を省いて他の圧力検出値の平均圧力値を算出するように構成されている。これにより、圧力検出部350が通気経路P1(詳細は後述)内の圧力を検出する時に偶発的な検出不具合が生じても、清掃要否判別部340dは、この検出不具合の影響を受けずに内部清掃の要否を判別できる。
また、清掃要否判別部340dは、モータ41の回転数に応じて、圧力検出部360で検出された圧力に対応する圧力検出値の差と比較する閾値を変更してもよい。具体的には、掃除機1が吸引力を「強」(すなわち「強動作」)で使用される場合には、モータ41の回転数が大きく設定されるとともに閾値Pxが大きく設定され、掃除機1が吸引力を「弱」(すなわち「標準動作」)で使用される場合には、モータ41の回転数が小さく設定されるとともに閾値Pxが小さく設定されてもよい。ここで、回転数は設定値であるが、実測値でもよい。あるいは、清掃要否判別部340dは、二次電池の電圧値に応じて、圧力検出部360で検出された圧力に対応する圧力検出値の差と比較する閾値を変更してもよい。これにより、清掃要否判別部340dは、二次電池の充電量や、標準動作時及び強動作時などの動作状態に応じて、最適な内部清掃の要否を判別できる。
[掃除機1の動作中の空気の流れ]
次に、掃除機1の動作中の空気の流れについて図17から図19を用いて説明する。図17は、掃除機1を図2中に示すC−C線で切断した要部断面図であって空気の流れを示す図である。図18は、掃除機1を図2中に示すA−A線で切断した要部断面図であって空気の流れを示す図である。図19は、圧力検出部360近傍の通気経路P1を模式的に示す図である。
吸引ファン42が回転すると、図17及び図18に示すように、掃除機1の内部空間には、「吸引ノズル7の吸込空間710→継手回転部73の内部空間→継手部72の内部空間→吸気口33→通気経路P1→開口部35a→集塵部32の内部空間32b→コーン部307の内部空間→吸引ファン42→空気案内部43→吸引ファン42の上方の筐体31の内部空間→第1筒状部602a及び第2筒状部602b→第1排気口601a及び第2排気口601b」という経路で気流a1が生じる。そして、吸引ノズル7から吸引された空気は、第1筒状部602a及び第2筒状部602bで導かれて第1排気口群6a及び第2排気口群6bから吸引部3の側方に向けて排気される。
圧力検出部360は、初期動作時及びモータ41の回転動作の安定時に通気経路P1内の圧力を検出し、検出した圧力を変換した電気信号を制御手段340に送信する。図17に示すように、吸気口33aと開口部35aとの間に位置する通気経路P1に面する仕切板35には、貫通孔352aが形成されている。また、図19に示すように、仕切板35は、第2筐体部材31bとともに通気経路P1を画定している。仕切板35に設けられた突出部352には、突出部352の通気経路P1に面しない面に第1センサ基板36aが配置されている。第1センサ基板36aの圧力検出部360に設けられた圧力センサ(不図示)は、貫通孔352aに露出している。この圧力センサは、貫通孔352aを介して吸気口33aから吸気された空気が通過する通気経路P1内と仕切板35の突出部352によって分岐された位置に設けられている。このため、圧力検出部360は、塵埃の吸込み方向に対して直交する方向に圧力センサの圧力検出面が配置されるのを避けることができる。これにより、圧力センサを通気経路P1に露出させる貫通孔352aに塵埃が詰まりにくくなるため、圧力検出部350は、通気経路P1の圧力を安定して検出できる。
以上説明したように、本実施形態による掃除機1は、二次電池811a〜811c,812a〜812c,913a〜813cにより供給される電力によって回転するモータ41と、吸気口33aから排気口(第1排気口群6a及び第2排気口群6b)に至る通気経路内の圧力を検出する圧力検出部360と、圧力検出部360で検出された圧力に対応する圧力検出値に基づいて内部清掃の要否を判別する清掃要否判別部340dと、清掃要否判別部340dによって内部清掃が必要との判別された場合に、内部清掃が必要であることをを報知する報知部としての報知領域302の第3窓部302c及び発光素子34bとを備えている。
このような構成を備えた本実施形態による掃除機1によれば、二次電池811a〜811c,812a〜812c,913a〜813cによって駆動される小型で消費電流の少ないモータ41を用いても、圧力検出部360によって検出される圧力に基づいて、内部清掃が必要な状態であることを掃除機1の使用者に適切に報知できる。これにより、吸引部3の清掃時期を高精度に判別して掃除機1の操作性の向上を図ることができる。
また、本実施形態による掃除機1は、吸引ノズル7に対して吸引部3を起伏自在に配置させる起伏機構2を備えている。この構成を備えた本実施形態による掃除機1によれば、吸引ノズル7に対して吸引部3を安定して起立状態に保持して収納しておき、清掃時には例えばモップ感覚で掃除機1を取り出して清掃することができる。これにより、本実施形態による掃除機1の操作性の向上を図ることができる。
また、本実施形態による掃除機1は、送風手段4に空気案内部43を備えている。この構成を備えた本実施形態による掃除機1によれば、従来の掃除機のようにディフューザを用いなくても、空気案内部43によって吸引ファン42から吹き出された空気を整流できる。このため、掃除機1は、掃除機1を構成する部品数の削減や吸引部の小型化及び軽量化を図ることができる。その結果、掃除機1を扱いやすくなり、掃除機1の操作性の向上を図ることができる。
また、本実施形態による掃除機1は、軸部5に第1リブ52,53を備えている。この構成を備えた本実施形態による掃除機1によれば、傾斜させた状態の掃除機を持ち上げた場合の軸部の撓みを抑制することができる。これにより、掃除機を傾斜させて持ち上げた状態でも安定して移動させることができるので、掃除機1の操作性の向上を図ることができる。
また、本実施形態による掃除機1は、軸部5の端部に大径部502を備えている。この構成を備えた本実施形態よる掃除機1によれば、清掃中に軸部5が使用者の手から滑り落ちるのを抑制できる。これにより、掃除機1を扱いやすくなり、掃除機1の操作性の向上を図ることができる。
また、本実施形態による掃除機1は、吸引部3の近傍の軸部5の内部に細長い電池収容部8を備えている。この構成を備えた本実施形態よる掃除機1によれば、電源部の小型化を図ることができ、掃除機1の小型化・軽量化を図ることができる。これにより、掃除機1を扱いやすくなり、掃除機1の操作性の向上を図ることができる。
上記実施形態による掃除機1は、送風手段4よりも上流側の圧力に基づいて掃除機1の内部清掃の要否を判別しているが、本発明はこれに限られない。例えば、送風手段4よりも下流側である第1及び第2排気口群6a,6b近傍の圧力に基づいて、掃除機1の内部清掃の要否を判別してもよい。この場合、第1及び第2排気口群6a,6b近傍の圧力は、動作停止時又は初期動作時よりも安定動作時の方が圧力が高くなるが、閾値の設定を変更することにより、上記実施形態と同様の効果が得られる。
上記実施形態による掃除機1は、複数の圧力検出値の平均値に基づいて内部清掃の要否を判別しているが、1つの圧力検出値に基づいて内部清掃の要否を判別してもよい。また、上記実施形態による掃除機1は、複数の圧力検出値のうち、最大値及最小値を除いて平均圧力値を算出しているが、検出された全ての圧力に対応する圧力検出値を用いて平均圧力値を算出してもよい。
上記実施形態による掃除機1は、圧力電気信号をA/D変換したり、圧力差算出部340eが平均圧力値及び差分圧力値を算出したりしているが、本発明はこれに限られない。掃除機1は、圧力電気信号をA/D変換するA/D変換部や平均圧力値を算出する平均圧力算出部を有していてもよい。この平均圧力算出部は、制御手段340に設けられていてもよいし、あるいは圧力検出部360に設けられていてもよい。
本発明の技術的範囲は、図示され記載された例示的な実施形態に限定されるものではなく、本発明が目的とするものと均等な効果をもたらす全ての実施形態をも含む。さらに、本発明の技術的範囲は、請求項により画される発明の特徴の組み合わせに限定されるものではなく、全ての開示されたそれぞれの特徴のうち特定の特徴のあらゆる所望する組み合わせによって画されうる。