JP2017032753A - 光変調器及びそれを用いた光送信装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】各光変調部分の温度変化に対する動作点変動を抑制し、かつ、各光変調部分間のΔbiasの差が大きくなるのを抑制することが可能な光変調器を提供する。
【解決手段】電気光学効果を有する基板1−2と、基板に形成された光導波路1と、光導波路に電界を印加する制御電極2−1〜2−3,3−1〜3−2とを有する光変調器において、制御電極と基板との熱膨張率の差に起因する応力が光導波路の特定の箇所に集中するのを抑制するため、制御電極の一部に応力緩和手段を設ける。応力緩和手段としては、制御電極を構成する接地電極が所定の面積以上に連続的に形成されている場合には、接地電極の連続性を分断するスリット5を接地電極内に設けるものであり、制御電極が基板上で偏在している場合には、制御電極が不足している箇所にダミー用接地電極6を形成したものである。
【選択図】図6

Description

本発明は、光変調器に関し、特に、電気光学効果を有する基板と、該基板に形成された光導波路と、該光導波路に電界を印加する制御電極とを有する光変調器において、該制御電極と該基板との熱膨張率の差に起因する内部応力が該光導波路の特定の箇所に集中するのを抑制する構成を備えた光変調器及びそれを用いた光送信装置に関する。
近年、高速/大容量光ファイバ通信システムにおいて、導波路型の光変調器やそれを組み込んだ光送信装置が多用されている。中でも、電気光学効果を有するLiNbO(LN)を基板に用いた光変調器は、高速/大容量光ファイバ通信システムに広く用いられている。このLNを用いた光変調器は、光をLN基板中に閉じ込め導波させるマッハツェンダー型の光導波路と、高周波信号が印加されるRF電極部と低周波信号やDC電圧が印加されるDC電極部が制御電極として形成されている。
このRF電極部は、信号電極と接地電極で構成され、光変調器の動作を広帯域化(高速動作化)、安定化させるため、通常、Au等の電気抵抗の低い材料で、厚く形成されている。また、接地電極においては厚くかつ広く形成されている。DC電極部は電界効率を高めるために、光導波路のサイズに合わせた細い幅の電極で形成されている。
これらLNを用いた光変調器の動作点は温度変化によって変化するため、DC電極にバイアス電圧に加えて低周波の電気信号をディザー信号として印加し、出力光をモニタし、動作状態が最適になるようにバイアス電圧を制御するのが一般的である(例えば下記特許文献1参照)。DC電極はRF電極と一体化させる構成も有るが、RF電極とは独立したDC電極とする構成(例えば、QPSK光変調器やDP−QPSK光変調器など)もある。
近年の伝送容量の増大化の流れを受け、高速/大容量光ファイバ通信システム用の光変調器の変調方式は、従来の強度変調(On-Off keying)などから、位相変調を用いたQPSK(Quadrature Phase Shift Keying)、やDP−QPSK(Dual Polarization - Quadrature Phase Shift Keying)等、多値変調や多値変調に偏波多重を取り入れた伝送フォーマットが主流になっている。
これらQPSK光変調器(図1参照)やDP−QPSK光変調器(図2参照)は、複数の信号電極(3−2)と複数の接地電極(2−1〜2−3)、複数のDC電極(3−1)、複数のマッハツェンダー型光導波路(光導波路は符号1で示す。)を備えている。
QPSK光変調器やDP−QPSK光変調器を構成する独立した複数の光変調部分の半波長電圧、消光比、挿入損失などは、製造ばらつきなどにより、光変調部分間で、それぞれ異なる特性値を持ってしまう。例えば、QPSK光変調器では、XポートとYポートと呼ばれ、各々一つのマッハツェンダー型光導波路を含む光変調部分が2つある。また、DP−QPSK光変調器では、複数のマッハツェンダー型光導波路を入れ子型に組み込んだネスト型光導波路を含む光変調部分が2つあり、これらは、I(In-phase)ポートとQ(Quadrature)ポートと呼ばれている。これらの各ポート毎に個別の特性値が現れる。
このような特性値だけではなく、温度変化に対する動作点変動(以後、「Δbias」という。)の大きさを示す特性値も各ポートで大きく異なるという問題が発生する場合がある。Δbias特性が大きい場合、制御可能なバイアス電圧の許容上限もしくは下限電圧を超えてしまう時間が短くなるため、長期的かつ安定的に光変調器を使用することが困難となる場合があった。
特開2005−265959号公報
本発明者らは、複数の光変調部分で構成される光変調器において、個別ポートのΔbiasが何故大きく異なる値となる場合があるのかについて鋭意検討した。その結果、厚く広く形成されたRF電極部の接地電極などの内部応力に着目したところ、基板チップ上の各ポートにおける接地電極の配置や構造の非対称性、面積が異なることが一原因となって、光変調部分を構成する光導波路に加わる応力が個々に異なることが大きな要因となって、光変調部分毎に異なるΔbiasが発生していることを見出した。
また、QPSK光変調器や、DP−QPSK光変調器などのように複数のマッハツェンダー型光導波路で構成される光変調器では、基板チップ全体の電極構成を俯瞰的に見た場合、RF電極部とDC電極部との電極面積の差が大きく、また、各接地電極の形状が大きく異なる傾向になり易いため、特に、Δbias特性が各ポートで大きく異なるという問題が発生し易く、また、電界効率を高めるために導入した光導波路近傍のリッジ構造や基板チップを薄くした薄板構造を採用した場合、Δbias特性が更に劣化することも見出した。
具体的に説明すると、例えば、図1に示すように、それぞれの信号電極(3−2)に印加される電気信号の変調タイミングを合わせるため、RF信号入力側に折れ曲がり部(A)を有する場合がある。また、図1又は2に示すように、信号電極の折れ曲がり部の存在や、信号電極や配線電極の取り回しのための設計上の都合により、光導波路1の中心(光導波路の入力部の延長線上にある中心軸)が基板チップ(1−2)の中心(基板の長手方向に沿った軸で、縦(幅)方向の中央を通る軸)からずれた構成になる場合がある。また、QPSK光変調器やDP−QPSK光変調器などは、複数の光変調部分がひとつの基板チップに集積化され、基板チップ自体が大型化する傾向にある。
このため、光導波路の中心軸(複数の光変調部分を含む全体の光導波路に関する中心軸)に対して、接地電極の配置パターンが非対称化し易く、さらには、図1に示すように、RF電極部内でも、接地電極2−1と接地電極2−3とでは、面積が大きく異なることになる。
更に、制御電極をRF電極部とDC電極部に分離・独立した場合には、RF電極部とDC電極部との間でも面積が大きく異なり、光波の伝搬方向においても、光入力側と光出力側とでは、電極が基板チップ上に占める面積が大きく異なっている。
制御電極と基板との熱膨張率の差に起因する内部応力は、このような電極パターンの構造、配置、面積の非対称性により、基板チップの場所によって異なる。その結果、各光変調部分のΔbiasが大きくなり、さらには、各光変調部分間でのΔbiasの大きさの差が増大する。
しかも、これら複数の各光変調部分の半波長電圧を低減するため、ZカットLN基板においてはリッジ構造、XカットLN基板においては薄板構造(LN基板の厚さが20μm以下)などが導入され、より低い電圧で動作するような構成が採用されている。
このようなリッジ構造や薄板構造は、応力変化等の外部変動の影響をより受け易くなる。このため、このような構造を採用した光変調器では、各ポートのΔbias特性が一層劣化し易くなる。
本発明が解決しようとする課題は、上述した問題を解決し、各光変調部分の温度変化に対する動作点変動(Δbias)を抑制し、かつ、各光変調部分間のΔbiasの差が大きくなるのを抑制することが可能な光変調器とそれを用いた光送信装置を提供することである。
上記課題を解決するため、本発明の光変調器は以下のような技術的特徴を有する。
(1) 電気光学効果を有する基板と、該基板に形成された光導波路と、該光導波路に電界を印加する制御電極とを有する光変調器において、該制御電極と該基板との熱膨張率の差に起因する応力が該光導波路の特定の箇所に集中するのを抑制するため、該制御電極の一部に応力緩和手段を設け、該応力緩和手段は、該制御電極を構成する接地電極が所定の面積以上に連続的に形成されている場合には、該接地電極の連続性を分断するスリットを該接地電極内に設けるものであり、該制御電極が該基板上で偏在している場合には、該制御電極が不足している箇所にダミー用接地電極を形成したものであることを特徴とする。
(2) 上記(1)に記載の光変調器において、該制御電極は、RF電気信号を印加するための信号電極を有し、該信号電極は少なくとも1つ以上の曲り部を備え、該曲り部の外側に位置する該接地電極には、該曲り部の近傍に、該応力緩和手段であるスリットが形成されていることを特徴とする。
(3) 上記(1)又は(2)に記載の光変調器において、該制御電極は、RF電気信号を印加するための信号電極と、該信号電極に対向して配置され、該信号電極と協同して該光導波路に電界を印加する接地電極とを備え、該接地電極には、該応力緩和手段であるスリットが形成され、かつ、該信号電極に対向する該接地電極の側面が、該スリットによって分断されていないことを特徴とする。
(4) 上記(1)乃至(3)のいずれかに記載の光変調器において、該応力緩和手段であるスリットが形成される条件は、該接地電極の所定の面積が、光変調器を平面視した際に1mm以上である場合であることを特徴とする。
(5) 上記(1)乃至(4)のいずれかに記載の光変調器において、該接地電極に該応力緩和手段であるスリットが複数形成される場合は、少なくとも2つの異なる方向を有するスリットが形成されていることを特徴とする。
(6) 上記(1)乃至(5)のいずれかに記載の光変調器において、該制御電極は、RF電気信号を印加するRF電極部と、DCバイアス電圧を印加するDC電極部とを有し、該応力緩和手段のダミー用接地電極は、該DC電極部を含む近傍の領域に設けられていることを特徴とする。
(7) 上記(6)に記載の光変調器において、該DC電極部と該ダミー用接地電極とが形成する電極の形状は、該光導波路の光の伝搬方向に垂直な断面が、該光導波路に対して左右対称となるように配列されていることを特徴とする。
(8) 上記(1)乃至(7)のいずれかに記載の光変調器と、少なくとも該光変調器へ印加するデータ信号を発生するデータ発生部と、を備えることを特徴とする光送信装置である。
本発明により、電気光学効果を有する基板と、該基板に形成された光導波路と、該光導波路に電界を印加する制御電極とを有する光変調器において、該制御電極と該基板との熱膨張率の差に起因する応力が該光導波路の特定の箇所に集中するのを抑制するため、該制御電極の一部に応力緩和手段を設け、該応力緩和手段は、該制御電極を構成する接地電極が所定の面積以上に連続的に形成されている場合には、該接地電極の連続性を分断するスリットを該接地電極内に設けるものであり、該制御電極が該基板上で偏在している場合には、該制御電極が不足している箇所にダミー用接地電極を形成したものであるため、制御電極のパターンを調整するだけで、光導波路に加わる応力の集中を容易に緩和できる。特に、この構成により、複数の光変調部分を有する場合でも、各光変調部分のΔbiasの増加を抑制でき、更には、各光変調部分間のΔbiasの大きさの差が増大することも抑制可能な光変調器を提供することができる。また、そのような光変調器を備えた光送信装置を提供することができる。
しかも、本発明の構成を採用することにより、内部応力による歪を緩和できるため、さらに、高周波特性を高めるためメッキ厚を増大させたり、基板をリッジ構造や薄板構造にし、電界効率を高めたり、基板チップが大型化し接地電極が非対称化した光変調器であっても、Δbiasの各ポート間の差を抑圧した光変調器を提供することが可能となる。また、光変調器を長期的安定的に使用する上で、バイアス電圧を制御する問題や同一基板チップ上でありながら複数の光変調部分間でΔbiasの差異による寿命が大きく異なるという問題も解決することができ、長期的にも安定した光通信システムを実現することができる。
従来のQPSK光変調器の例を示す平面図である。 従来のDP−QPSK光変調器の例を示す平面図である。 本発明の光変調器に係る第1実施例を示す平面図である。 本発明の光変調器に係る第2実施例を示す平面図である。 本発明の光変調器に係る第3実施例を示す平面図である。 本発明の光変調器に係る第4実施例を示す平面図である。 応力緩和手段であるスリットの応用例を示す図である。 本発明の光変調器に係る第5実施例を示す平面図である。 本発明の光変調器に係る第6実施例を示す平面図である。 図9及び図11〜14における点線B−B’における断面図である。 本発明の光変調器に係る第7実施例を示す平面図である。 本発明の光変調器に係る第8実施例を示す平面図である。 本発明の光変調器に係る第9実施例を示す平面図である。 本発明の光変調器に係る第10実施例を示す平面図である。 本発明の光変調器を光送信装置に組み込んだ例を説明する図である。
以下、本発明に係る光変調器について、図3乃至15を用いて詳細に説明する。
本発明に係る光変調器は、電気光学効果を有する基板(1−2)と、該基板に形成された光導波路(1)と、該光導波路に電界を印加する制御電極(2−1〜2−3,3−1〜3−2)とを有する光変調器において、該制御電極と該基板との熱膨張率の差に起因する内部応力が該光導波路の特定の箇所に集中するのを抑制するため、該制御電極の一部に応力緩和手段を設けたことを特徴とする。そして、応力緩和手段としては、該制御電極を構成する接地電極が所定の面積以上に連続的に形成されている場合には、該接地電極の連続性を分断するスリット(5)を該接地電極内に設けるものであり、該制御電極が該基板上で偏在している場合には、該制御電極が不足している箇所にダミー用接地電極(6,7)を形成したものであることを特徴とする。
電気光学効果を有する基板としては、例えば、ニオブ酸リチウム、タンタル酸リチウム、PLZT(ジルコン酸チタン酸鉛ランタン)、及びSiなどの半導体材料、InPやGaAsなどの化合物半導体系の材料、電気光学効果を有する樹脂材料及びこれらの組み合わせが利用可能である。特に、電気光学定数の大きいニオブ酸リチウムやタンタル酸リチウムが好適に利用される。本発明は、基板の厚みを20μm以下とした薄板に適用することも可能である。また、薄板を用いる場合、必要に応じて、薄板の裏面に補強基板を接合し、光変調器全体の機械的強度を向上させることがあるが、この場合にも本発明は適用可能である。
基板に形成する光導波路は、例えば、Tiなどを用いた熱拡散法や、プロトン交換法などで基板表面に形成することができる。また、基板表面に凸状部や溝などを形成したリッジ型光導波路を用いることも可能である。
制御電極は、例えば、Ti・Auの電極パターンの形成及び金メッキ法などにより形成することができる。制御電極には、RF電極部(2−1〜2−3,3−2)とDC電極部(3−1)が、さらに、RF電極部には、信号電極(3−2)と接地電極(2−1〜2−3)から構成されている。なお、RF電極部とDC電極部とを別々に設けずに、RF電極部に印加する変調信号にDCバイアス電圧を重畳して印加することも可能である。
本発明の光変調器の特徴は、制御電極と基板との熱膨張率の差に起因する内部応力が基板チップ上の特定の箇所に集中するのを抑制し、各光変調部のΔbiasのばらつきを少なくするために、該制御電極の一部に応力緩和手段を設けたことである。そして、応力緩和手段としては、例えば、図3〜6に示すように、制御電極を構成する接地電極(2−1〜2−3)に、接地電極の連続性を分断するスリット(5,電極が形成されていない部分)を設けている。また、他の応力緩和手段としては、例えば、図6に示すように、制御電極の面積が基板チップ上で偏在しているのを緩和するため、制御電極の面積が不足している領域にダミー用接地電極(6)を形成している。
このような応力緩和手段により、RF電極部やDC電極部を含む光変調器(基板チップ)全体を俯瞰的に捉えた場合に、制御電極と基板との熱膨張率の差に起因する内部応力を分散化し、かつ、基板チップ上に局在する応力を小さくすることができる。さらに、基板チップ上の電極部分の面積をできるだけ均等化したり、電極パターンの対称化を図り、局在した応力の均等化を実現することが可能となる。
応力緩和手段は、さらに、以下のような特徴を有している。まず、図3に示すように、RF電気信号を印加するための信号電極(3−2)が曲り部を有する場合には、該曲り部に沿って接地電極も配置される。このため、曲り部を挟む接地電極は、曲り部の外側と内側とでは大きく形状が異なり、応力が曲り部に局所的に集中し易くなる。これを解消または抑制するため、曲り部の外側に位置する接地電極には、該曲り部の近傍に、該応力緩和手段であるスリットが少なくとも形成されている。
また、RF電気信号を印加するための信号電極に対向して配置される接地電極に、応力緩和手段であるスリットを形成する際には、信号電極に対向する接地電極の側面が、スリットによって分断されていないよう構成することが重要である。これは、マイクロ波信号が進行波となって信号電極を伝搬するため、信号電極と接地電極との間の電界分布もマイクロ波信号の伝搬と共に移動して行く。この際に、接地電極の側面に切り込みがあると、信号電極と接地電極との間の電界分布が変化し、マイクロ波信号の伝搬が乱れる原因となるため、このような不具合を抑制するのに寄与する。
応力緩和手段であるスリットの配置密度については、図4〜図6に示すように、接地電極の所定の面積が、光変調器を平面視した際に1mm以上である場合に、複数のスリットで区切られる最少面積が1mm以下となるようにスリットを配置する。スリットで区切られる最少面積は、より小さい方が良いが、接地電極の機能を十分に果たす範囲で、その面積を最小化することが好ましい。また、スリットで区切られた電極部分は、電気的に浮いているのは好ましくなく、必ず隣接する他の接地電極の部分と導通するように、スリットの長さが設定されている。
また、応力緩和手段であるスリットによって、接地電極のより大きな面積の内部応力をできるだけ分散させるには、図4〜6に示すように、少なくとも2つの異なる方向を有する複数のスリットを用いることが好ましい。なお、図4〜6では、互いに直交するスリットを利用したが、これに限らず、図7に示すように、接地電極2−1に形成する複数のスリット5を互いに直交しないように配置することも可能である。
さらに、光導波路1を挟むように複数のスリットを配置する場合には、図5及び6に示すように、各光変調部分を形成するマッハツェンダー型光導波路の中心線に対して線対称となるように配置することが好ましい。また、各光変調部分間では、互いにほぼ同じ位置にスリットが配置されるよう構成することが、より好ましい。このように配置することで、各光変調部分(各ポート)のΔbiasが大きくなるのを抑制でき、さらに、各光変調部分間でのΔbiasの差が大きくなるのを抑制することが可能となる。
次に、応力緩和手段であるダミー用接地電極については、図1のようにRF電極部とDC電極部を分離して構成する場合には、光変調器を俯瞰すると電極が占める面積は、圧倒的にRF電極部が大きくなる。このため、DC電極部や、RF電極部とDC電極部との間に、局所的に集中する応力が大きい可能性が高くなる。このため、図6に示すように、ダミー用接地電極(6)を、DC電極部(3−1)を含む近傍の領域により多く設けることで、RF電極部とDC電極部を一連の一体化した電極のように構成し、応力が局所的に集中するのを抑制することができる。
さらに、DC電極部(3−1)とダミー用接地電極(7)とが形成する電極の形状は、図9及び図11〜14の点線B−B’における断面図(図10)に示すように、光導波路(1)の光の伝搬方向に垂直な断面が、該光導波路に対して左右対称となるように配列することが好ましい。これにより、光導波路に加わる応力を均一化することが可能となる。
以下では、本発明の光変調器の具体的な実施例について、更に詳細に説明する。まず、本発明の光変調器の構成を適用する前の従来例について、QPSK光変調器(図1)とDP−QPSK光変調器(図2)を参考に説明する。
図1はQPSK光変調器の従来の構成を示す図である。QPSK光変調器を構成する光導波路(1)は、2個のサブマッハツェンダー型光導波路と1個のメインマッハツェンダー型光導波路が1つの基板チップに集積された構成をとる。2組のRF信号電極(3−2)がそれぞれ2個のサブマッハツェンダー型光導波路に作用するよう電極が配置され、1個のメインマッハツェンダー型光導波路に位相制御用にDCバイアス用の電極(3−1)が配置されている。DCバイアス制御は2組のサブマッハツェンダー型光導波路部にも必要であるが、この従来例のサブマッハツェンダー型光導波路を光変調部分では、DCバイアス制御用の電極はRF信号電極と一体化させる構成となっている。
図1では、RF信号電極の入力部分においては、各光導波路に作用されるRF信号のタイミングが同じになるように、若しくは設定されたタイミングとなるように、信号電極の折れ曲がり部(矢印A参照)を構成している。また、DC電極部においては、電界効率を高めるよう、光導波路サイズに合わせた細い電極(3−1)で形成される。光導波路の幅(サイズ)はおよそ10μm程度であるため、このDC電極の幅も10μm程度〜数十μm程度の幅から選択される。
また、図2はDP−QPSK光変調器を例にした従来例である。DP−QPSK光変調器の光導波路(1)としては、4個のサブマッハツェンダー型光導波路と2個のメインマッハツェンダー導波路が1つの基板チップに集積された構成をとる。4組のRF信号電極(3−2)がそれぞれ4個のサブマッハツェンダー型光導波路に作用するよう電極が配置され、2個のメインマッハツェンダー型光導波路にDCバイアス制御用にDC電極部(3−1)が配置されている。DCバイアス制御は4組のサブマッハツェンダー型導波路部にも必要であるが、この従来例のサブマッハツェンダー型光導波路の部分では、DC電極はRF電極と一体化させる構成を例示している。
ここでRF信号電極の入力部分においては、図1と同様に、各光導波路に作用されるRF信号のタイミングが同じになるように、若しくは設定されたタイミングとなるように、信号電極の折れ曲がり部を構成する場合もあるが、図2では、そのような構成は図示していない。また、DC電極部においては電界効率を高めるよう、光導波路サイズに合わせた細い幅の電極で形成されることは、前述のQPSK光変調器と同様である。
図3は、図1の従来例のQPSK光変調器に本発明を適応した第1実施例である。基板(1−2)にはXカットのLiNbO(LN)を用い、Tiを熱拡散させることによって光導波路(1)を形成した。基板(1−2)は、ここでは図示していないが、半波長電圧を低減させるため、500μmの厚さの基板を、約9μmまで研削/研磨を行い薄板化させている。仮に、Zカットの基板を利用する場合には、光導波路をリッジ構造等にして駆動電圧を低減させる。
この基板上に金メッキによって信号電極、接地電極を、高周波特性を高めるため、厚さ約30μmに形成した。ここで、基板チップ上面の大部分の面積を占めるRF電極部の信号電極(3−2)の折れ曲り部に対応して、該曲り部の外側の接地電極に、幅20μmのスリット(5)を設けた(本実施例では合計4ヵ所のスリットを形成)。大きな面積を有する接地電極は、それ自体が大きな内部応力を内在(多くの場合圧縮応力)する。特に電極のエッジ部や信号電極の折れ曲がり部には応力が集中し易く、この部分にスリットを設けることは好適な適用例となる。
また、スリット(5)の幅は高周波特性に影響が出ないように狭いほど良いが、金メッキによって厚く電極を形成するためのレジストパタンの製作再現性などの観点から、100μm以下程度にすることが望ましい。
さらに、スリット(5)によって分断された接地電極の一部をそれぞれ接続し、分断された電極の接地安定性を確保することが出来る。実施例では分断された接地電極の端部において10−20μmの接続部を形成している。以上のように、本発明に係る第1実施例では、従来のQPSK光変調器の構成から、出来るだけ少ない設計変更でより大きな効果を得る好適な実施例となる。
図4は、本発明の光変調器の第2実施例である。使用基板及び光導波路、電極、薄板化等の製造方法は前述の従来例(図1)に同じであり、本発明のQPSK光変調器では、信号電極の折れ曲り部を構成したRF入力側の接地電極(2−1)に、複数のスリット(5)を構成した実施例である。
本実施例は、信号電極の折れ曲り部が大きい場合や、若しくは光導波路中心が基板チップの中心からのズレが大きい場合に適用し易い。特に、中間の接地電極(2−2)や接地電極(2−3)の面積が比較的小さく、符号2−1で示したRF入力側の接地電極の面積が大きい場合に、有効な実施例となる。
これらに対して、図5では、中間の接地電極(2−2)や接地電極(2−3)の面積が小さくない場合に、接地電極(2−1)に複数のスリット(5を構成すると共に、中間の接地電極(2−2)やRF出力側の接地電極(2−3)にも複数のスリットを構成した第3実施例である。
本発明の第3実施例では、これらRF入力側の接地電極(2−1)、RF出力側の接地電極(2−3)、及び中間の接地電極(2−2)に、幅20μmのスリット(5)を、間隔1mmで各々の接地電極の略全面に配置している。ただし、光導波路(1)の近傍では、光導波路の中心軸に対して対称となるように、スリットを配置している。
本実施例では、電極の内部応力を基板チップ全体に渡って分断、分散化し、その影響を低減させることができる。しかも、高周波特性などに影響が出ないよう、分断されている各々の電極部分を、完全に孤立させるのではなく、電極部分の少なくとも一部で隣接する電極部分が互いに接続された構成を合わせて導入することが望ましい。また、信号電極に対向する接地電極の側面については、スリットで分断されないよう構成することが好ましい。
Δbiasをより一層抑圧するためには、基板チップ全体を俯瞰してみた場合に、RF電極部とDC電極部(図1参照)の電極面積に差異がある。この状況を改善するため、図6の第4実施例に示すように、DC電極部を含む近傍にダミー用接地電極(6)を設けている。
本実施例では、開口部の多いDC電極部に、開口部を少なくするよう新たなダミー用接地電極(6)を設置している。更に、新たなダミー用接地電極においても、RF電極部の接地電極に入れたスリット間隔よりも大きい部分がある場合には、図6に示すように、ダミー用接地電極(6)にスリット(5)設けるのが好ましい。
図1のように、RF電極部とDC電極部の電極面積に大きく差異がある場合、電極の内部応力のバランスが崩れ、各ポート間のΔbiasのバラツキが大きくなる、Δbias値自身が大きくなる、などの問題が発生したが、第4実施例のようなダミー用接地電極を設けることで、当該問題の発生を抑圧することができる。
図8は、DP−QPSK光変調器に適応した本発明の第5実施例である。基板(1−2)、光導波路(1)、電極(2−1〜2−3,3−1,3−2)などの製造方法は前述のものと同様であるが、DP−QPSK光変調器では、4組の信号電極(3−2)と、4組のDC電極(3−1)とを有している。また、ここでは具体的構成は明示していないが、基板チップからの出力光(Lout)を偏波合成させる偏波合成部も備えている。また、各々のサブマッハツェンダー型光導波路を含む光変調部分では、RF信号電極(3−2)に、DC電圧も重畳して印加できるよう構成されている。当然、DC電極部とRF電極部とを分離する構成であっても良い。また、RF信号電極に図1の符号Aに示すような、折れ曲り部を設けても良い。
図8の第5実施例では、前述の図4の第2実施例と同様に、中間の接地電極(2−2)やRF出力側の接地電極(2−3)の面積が比較的小さく、接地電極(2−1)の面積が大きい場合に特に有効な実施例となる。
図9は、DP−QPSK光変調器に適応した本発明の第6実施例である。本発明の実施例の特徴は、DC電極部において、DC電極(3−1)と略同一形状となるダミー用接地電極(7)を設けたことである。符号8は、ダミー用接地電極(7)の形状を調整するための加工部(電極が形成されない部分又は電極の一部を除去した部分)を示す。
第6実施例では、基板チップ全体を俯瞰的に見て、図9に示すように、RF電極部、DC電極部の電極面積、電極開口部等の非対称性がかなり抑圧されている。更に、図10に、図9の点線B−B’での断面図を示すように、DC電極部を含む近傍における電極の配置パターンは、光導波路(1)に対して対称性を極力高めるよう構成されている。これにより、各光導波路(1)を構成する2個のサブマッハツェンダー型光導波路に作用する応力を均等化させることが可能となる。
図9の第6実施例におけるRF入力側の接地電極(2−1)に設けたダミー用接地電極の加工部(8)は、図11の第7実施例に示すように、加工部(8)の一端を解放させる構成であっても良い。この様な構成はダミー用接地電極(7)の内部応力とDC電極部(3−1)の内部応力が、より均等化する構成であり、好適である。
図12は本発明の第8実施例であり、本発明の第5実施例(図8)及び第6実施例(図9)の構成を同時に適応させたものである。本構成は、RF入力側の接地電極(2−1)の面積が大きく、中間の接地電極(2−2)及びRF出力側の接地電極(2−3)の面積が小さく、DC電極部の開口面積が大きい場合には、特に好適である。
図13は本発明の第9実施例であり、制御電極の開口部を少なくし、対称性を上げる第6実施例(図9)の構成に付け加え、制御電極全体、特にRF電極部全体に渡ってスリットを形成させた実施例である。
本発明の第9実施例でも、幅20μmのスリットを隣接するスリット間の間隔が1mmとなるように、各接地電極(2−1,2−3)の全面に施している。この構成により、電極に内在している内部応力を基板チップ全体に渡って分断、分散化し、その影響を低減させることができるが、高周波特性などに影響が出ないよう、各分断部の少なくとも一部で、隣接する接地電極部分が電気的に接続された構成を合わせて導入することが望ましい。
また、スリットの切り口は接地電極の同じ側面に形成するより、部分的にも互い違い(接地電極の両側面に交互に)入れる方が基板チップ全体の応力バランスを取る上で好適である。
図14は本発明の第10実施例である。本構成は、QPSK光変調器で適応した第1実施例(図3)と同様に、DP−QPSK光変調器の基板チップ上面の大部分の面積を占める接地電極における折れ曲がり部(信号電極(3−2)の折れ曲り部や、ダミー用接地電極(7)の折れ曲り部)に、スリット(5)を設けた(本実施例では合計4ヵ所)ものである。
大きな面積を有する接地電極は、それ自体が大きな内部応力を内在(多くの場合圧縮応力)する。特に、電極エッジ部及び折れ曲り部には応力が集中し易く、この部分にスリットを設けることは好適な適応例となる。しかも、本構成は従来のDP−QPSK光変調器の構成から、出来るだけ少ない設計変更でより大きな効果を得る好適な実施例である。
第10実施例(図14)の構成にてDP−QPSK光変調器を製作し、実際の温度バイアス点変動(Δbias)のポート間バラツキを測定したところ、従来の光変調器では半波長電圧比で平均38%のポート間差が発生していたが、本発明の試験品では平均0.5%のポート間差まで抑圧され、顕著な改善効果を確認することができた。
図15は、本発明の光変調器を備える光送信装置の構成例である。光送信装置の構成は、連続光を発生する光源と、光変調器に供給するデータ信号を生成するデータ生成部と、データ信号を光信号に変換し、光ファイバに出力する光変調器から構成されている。ここに用いる光変調器は、上述した本発明の光変調器を適応することが出来る。例えば、第10実施例(図14)の光変調器を適応すれば、温度変化に対する動作点変動(Δbias)、各ポート間でのΔbiasのばらつきが十分抑圧され、光通信システムに長期的にも安定して使用することが出来るDP−QPSK光送信装置を提供することができる。
図15の説明では、光源を光送信装置内に設置する例を示したが、光源を送信装置の外部に設置することもできる。また、光源は一定の出力光だけでなく、パルス化された信号光、例えばRZ(Returen to Zero)パルス信号等であっても良い。
以上、幾つかの実施例及びそれらの組み合わせを説明したが、ここで図示や説明していない構成、即ち、RF電極部の接地電極に形成するスリットや、ダミー用接地電極(7)及びその加工部(8)等の構成を、基板チップのサイズや制御電極の設計形状などに応じ、選択、適応した構成であっても良いことは言うまでもない。
例えば、DC電極部とダミー用接地電極の各々の間隔は、図10に示すように、全て同じとすることが最も好適な実施例となるが、本発明の技術思想によれば、一定の効果を奏する範囲で、電極形状、間隔等が同じ形、同じ間隔である必要はない。
また、前記実施例を説明する図は、構成や作用を分かりやすく記載するため、実際の設計寸法や縦横比、スリット数などとは異なっていることに留意が必要である。さらに、実施例ではQPSK光変調器やDP−QPSK光変調器及びXカットのLN基板を例に説明したが、例えばQAMなどその他の変調方式の光変調器の構成であっても良いし、Zカットや他の基板材料でも良いことは言うまでもない。
そして、上記説明の一部では、図1の矢印Aで示す信号電極の折れ曲り部の構成で接地電極の非対称性を例示しているが、折れ曲り部(A)のような構成でなくても、複数の光導波路や複数の信号電極の配置等により、接地電極が非対称性な構成になることがあり、このような場合にも本発明が適用できることは言うまでもない。
以上、説明したように、本発明によれば、各光変調部分の温度変化に対する動作点変動(Δbias)を抑制し、かつ、各光変調部分間のΔbiasの差が大きくなるのを抑制することが可能な光変調器を提供することが可能となる。
1 光導波路
1−2 基板
2−1 接地電極(RF入力側)
2−2 接地電極(中側)
2−3 接地電極(RF出力側)
3−1 DC電極
3−2 RF電極
5 電極スリット部
6,7 ダミー用接地電極
8 ダミー用接地電極の加工部
上記課題を解決するため、本発明の光変調器は以下のような技術的特徴を有する。
(1) 電気光学効果を有する基板と、該基板に形成された光導波路と、該光導波路に電界を印加する制御電極とを有する光変調器において、該光導波路と該制御電極とによって構成される光変調部分が複数存在し、各光変調部分の間において、該制御電極を構成する接地電極の配置や構造の非対称性及び該接地電極の面積が異なる構成を有し、該制御電極と該基板との熱膨張率の差に起因する応力により、各光変調部分間の動作点変動(Δbias)の差が大きくなるのを抑制するため、該制御電極の一部に応力緩和手段を設け、該応力緩和手段は、該制御電極がRF電気信号を印加するための信号電極とRF用接地電極を有し、RF用接地電極が所定の面積以上に連続的に形成されており該信号電極が該光導波路から離れる位置に設けられた曲り部の近傍には、RF用接地電極の連続性を分断するスリットを該RF用接地電極内に設けることを特徴とする。
(2) 上記(1)に記載の光変調器において、該信号電極の曲り部の外側に位置する該RF用接地電極には、該曲り部の近傍に、該応力緩和手段であるスリットが形成されていることを特徴とする。
(3) 上記(1)又は(2)に記載の光変調器において、該RF用接地電極には、該応力緩和手段であるスリットが形成され、かつ、該信号電極に対向する該RF用接地電極の側面が、該スリットによって分断されていないことを特徴とする。
(4) 上記(1)乃至(3)のいずれかに記載の光変調器において、該応力緩和手段であるスリットが形成される条件は、該RF用接地電極の所定の面積が、光変調器を平面視した際に1mm以上である場合であることを特徴とする。
(6) 上記(1)乃至(5)のいずれかに記載の光変調器において、該制御電極は、RF電気信号を印加するRF電極部と、DCバイアス電圧を印加するDC電極部とを有し、該応力緩和手段は、該DC電極部を含む近傍の領域に設けられたダミー用接地電極を有していることを特徴とする。

Claims (8)

  1. 電気光学効果を有する基板と、
    該基板に形成された光導波路と、
    該光導波路に電界を印加する制御電極とを有する光変調器において、
    該制御電極と該基板との熱膨張率の差に起因する応力が該光導波路の特定の箇所に集中するのを抑制するため、該制御電極の一部に応力緩和手段を設け、
    該応力緩和手段は、該制御電極を構成する接地電極が所定の面積以上に連続的に形成されている場合には、該接地電極の連続性を分断するスリットを該接地電極内に設けるものであり、該制御電極が該基板上で偏在している場合には、該制御電極が不足している箇所にダミー用接地電極を形成したものであることを特徴とする光変調器。
  2. 請求項1に記載の光変調器において、該制御電極は、RF電気信号を印加するための信号電極を有し、該信号電極は少なくとも1つ以上の曲り部を備え、該曲り部の外側に位置する該接地電極には、該曲り部の近傍に、該応力緩和手段であるスリットが形成されていることを特徴とする光変調器。
  3. 請求項1又は2に記載の光変調器において、該制御電極は、RF電気信号を印加するための信号電極と、該信号電極に対向して配置され、該信号電極と協同して該光導波路に電界を印加する接地電極とを備え、該接地電極には、該応力緩和手段であるスリットが形成され、かつ、該信号電極に対向する該接地電極の側面が、該スリットによって分断されていないことを特徴とする光変調器。
  4. 請求項1乃至3のいずれかに記載の光変調器において、該応力緩和手段であるスリットが形成される条件は、該接地電極の所定の面積が、光変調器を平面視した際に1mm以上である場合であることを特徴とする光変調器。
  5. 請求項1乃至4のいずれかに記載の光変調器において、該接地電極に該応力緩和手段であるスリットが複数形成される場合は、少なくとも2つの異なる方向を有するスリットが形成されていることを特徴とする光変調器。
  6. 請求項1乃至5のいずれかに記載の光変調器において、該制御電極は、RF電気信号を印加するRF電極部と、DCバイアス電圧を印加するDC電極部とを有し、該応力緩和手段のダミー用接地電極は、該DC電極部を含む近傍の領域に設けられていることを特徴とする光変調器。
  7. 請求項6に記載の光変調器において、該DC電極部と該ダミー用接地電極とが形成する電極の形状は、該光導波路の光の伝搬方向に垂直な断面が、該光導波路に対して左右対称となるように配列されていることを特徴とする光変調器。
  8. 請求項1乃至7のいずれかに記載の光変調器と、少なくとも該光変調器へ印加するデータ信号を発生するデータ発生部と、を備えることを特徴とする光送信装置。
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