JP2017032102A - 管継手 - Google Patents

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Abstract

【課題】簡素な構成で、捻れ変形に対する許容性が高い管継手を提供すること。
【解決手段】第1配管91が接続される第1端部材11と、第2配管92が接続される第2端部材21と、第1端部材11と第2端部材21とを連結しかつ第1配管91の内部と第2配管92の内部とを連通させる筒状部9とを有する管継手1であって、筒状部9は、第1端部材11に接続された内筒12と、第2端部材21に接続されかつ内筒12の外側に同心状に配置された外筒22と、内筒12の外周と外筒22の内周との間に内筒12と同心状に配置された巻板ばね30と、内筒12と外筒22との間をシールするシール材40とを有し、巻板ばね30は、内筒12を包囲する筒状に形成され、内筒12の外面と外筒22の内面とに固定されている。
【選択図】図3

Description

本発明は、管継手に関し、特に配管の捻り変形に対する許容性が高い管継手に関する。
従来、流体の移送には配管が用いられる。このような配管は、機械装置の一部として設置されるほか、大規模なプラント設備や建築物にまで広く用いられている。
配管においては、温度変化による配管自体の変形が生じるほか、配管が設置された設備や建物に起因する変形が生じることがある。
一般に、配管の変形は、その断面形状の変形のほか、管路の軸線に関する変形、つまり伸縮(配管の軸線方向の変位)、軸ずれ(配管のせん断方向の変位)、曲げ(配管の軸線方向の傾き)、および捻れ(配管の軸線まわりの回転)として現れる。
このような変形が過大となると、配管の破損を招く可能性がある。
そこで、配管の途中に、変形に対する許容性を有する管継手を設置し、変形を緩和することで、配管の変形に起因する破損の回避が図られている。
特許文献1には、一対のフランジを、周囲に軸方向の凹凸を有する管本体部で連結するとともに、管本体部の周囲に一対のフランジを接続する複数のタイロッドを配置した管継手が記載されている。
また、従来技術として、一対のフランジを、周方向に連続した凹凸を有するベローズで連結し、その周囲に一対のフランジを接続する複数のタイロッドを配置した管継手が記載されている。
このうち、ベローズを用いた管継手では、配管の伸縮、曲げおよび軸ずれを許容できるが、捻りに対する許容性が十分でない。
これに対し、軸方向の凹凸を形成した管本体部を用いることで、配管の曲げ、軸ずれを許容しつつ、捻れに対する許容性を高めることができる。
特許文献2には、内管を外管に挿入して二重管構造とし、各々の隙間をシールすることで管路を確保するとともに、外筒として外管の周囲に螺旋状に配置された複数のばねにより、内管と外管との機械的な接続を維持するようにした管継手が記載されている。
この管継手は、内管と外管とを別部材として振動伝達を防止するものであるが、この二重管構造により、配管の伸縮および捻れを許容することができる。
特開2009−19655号公報 特開平9−189389号公報
近年、プラント設備や建築物においては、地震その他の大規模災害への対策が求められており、これらに設置される配管においても、配管自体に大きな変形が生じても破損を免れるように措置することが求められている。
具体的には、管継手において、配管に対する変形つまり伸縮、軸ずれ、曲げ、捻れの許容性、なかでも捻れ変形に対する許容性を高めることが求められている。
しかし、前述した特許文献1の管継手では、軸方向の凹凸を有する管本体部により捻れの許容性の向上が図られているものの、タイロッドの機構的な制約などから、軸まわりに+10度〜−10度程度が限界であり、それ以上の許容性の向上が困難であった。
また、特許文献2の管継手では、二重管構造それ自体は捻れへの許容性が高いものの、外筒のばねが構造的に制約となり、それ以上の許容性の向上が困難であった。
ところで、管継手の個々の捻れ変形の許容性が十分でなくても、複数の管継手を連装で用いることで、全体としての許容性を高めることができる。
しかし、このような管継手の組み合わせ利用で、配管構成の複雑化、設置スペースの大型化、および設備コストの増大などの弊害が多く、採用しがたいものであった。
本発明の目的は、簡素な構成で、捻れ変形に対する許容性が高い管継手を提供することにある。
本発明は、第1配管が接続される第1端部材と、第2配管が接続される第2端部材と、前記第1端部材と前記第2端部材との間に設置されかつ前記第1配管の内部と前記第2配管の内部とを連通させる筒状部とを有する管継手であって、前記筒状部は、前記第1端部材に接続された内筒と、前記第2端部材に接続されかつ前記内筒の外側に前記内筒と同心状に配置された外筒と、前記内筒の外周と前記外筒の内周との間に前記内筒と同心状に配置された巻板ばねと、前記内筒と前記外筒との間をシールするシール手段とを有し、前記巻板ばねは、前記内筒を包囲する筒状に形成され、前記巻板ばねの内側端縁は、前記内筒の外面に固定され、前記巻板ばねの外側端縁は、前記外筒の内面に固定されていることを特徴とする。
このような本発明では、内筒と外筒とが巻板ばねを介して接続され、筒状部として一体化される。つまり、第1端部材および内筒と、第2端部材および外筒とが、巻板ばねを介して接続されることで、管継手として一体化される。
このような管継手を配管に組み込む場合、まず第1配管の端部および第2配管の端部を対向配置しておき、管継手を各々の間に配置し、第1端部材に第1配管を接続し、第2端部材に第2配管を接続する。
これにより、第1配管と第2配管とが、筒状部により連通される。
本発明の管継手では、第1配管と第2配管との間に、伸縮、軸ずれ、曲げおよび捻れの各変形が生じた場合でも、これらの変形は巻板ばねにより許容することができる。
変形が各々の中心軸線方向の変位つまり伸縮変形である場合、巻板ばねの内側が外側に対して中心軸線方向に変位し、外筒に対して内筒を中心軸線方向に変位させることができる。これにより、伸縮変形を許容することができる。
変形が各々の中心軸線のずれである場合、巻板ばねを片側へと圧縮しつつ、内筒の中心軸線に対して外筒の中心軸線が平行移動させることができる。これにより、軸ずれ変形を許容することができる。
変形が各々の中心軸線の傾きつまり曲げ変形である場合、軸方向の一方の側では巻板ばねを片側へと圧縮しつつ、反対側では逆向きに圧縮し、内筒の中心軸線に対して外筒の中心軸線を傾斜させることができる。これにより、曲げ変形を許容することができる。
変形が各々の中心軸線まわりの捻れである場合、巻板ばねを巻き取りつつ、もしくは巻き戻しつつ、内筒と外筒とが中心軸線回りに相対回転させることができる。これにより、捻れ変形を許容することができる。
このように、本発明の管継手では、伸縮、軸ずれ、曲げおよび捻れの各変形に対応することができる。とくに、巻板ばねを用いることで、捻れ変形に対する機械的な制約を緩和でき、捻れ変形の許容範囲を大きくとることができる。例えば、本発明の管継手においては、軸まわりの捻れ変形として+45度〜−45度の許容範囲を確保することができる。
さらに、本発明の管継手においては、捻り変形を受けた際でも、巻板ばねの変形代つまり外径変化を抑制することができる。
例えば、本発明の管継手では、巻数が1回でも巻板ばねの外径変動は13%以下に抑えることができる。巻板ばねの巻数を2回とするなら外径変動は6%程度とすることができ、巻数を3回とするなら外径変動は4%程度とすることができる。
このように、捻れ変形が生じた際の巻板ばねの外径変化を小さくできるため、内筒の外面と外筒の内面との間の空間に巻板ばねを確実に収容することができる。
前述の通り、本発明の管継手では、伸縮、軸ずれ、曲げおよび捻れの各変形に対応することができるとともに、筒状部においては、内筒と外筒との間がシール手段によりシールされるため、第1配管と第2配管との間で流通する流体が漏れ出すことがない。
以上のように、本発明によれば、第1端部材と内筒、第2端部材と外筒、これらの間の巻板ばねとシール手段という簡素な構成で、捻れ変形に対する許容性が高い管継手を実現することができる。
本発明において、前記巻板ばねは、前記筒状部の中心軸線まわりの巻数が2回以上かつ3回以下であることが望ましい。
このような本発明では、捻れ変形の際の外径変動を抑制しつつ、巻数増に伴う重量増を回避することができる。
ここで、巻板ばねの巻数が2回以上かつ3回以下とは、巻板ばねの中心軸線まわりに720度(2回)から1080度(3回)までの範囲で巻かれた状態をいう。
直径Dで巻数nの巻板ばねにおいて、捻り変形を+45度〜−45度(+方向および−方向にπ/4ラジアンづつ)とした場合の外径変動は、次のように計算できる。
巻数1あたりの捻り角度は(π/4)/n=π/4nであるから、変位量ΔLは;
ΔL=D/2×π/4n =πD/(8n)
となる。捻り変形を受けた際の巻板ばねの1巻きあたりの周長Lは、この分の長さが相対的に短くなるといえる。従って、捻り変形後の1巻きあたりの周長L’は;
L’=D×π−πD/8n =(1−1/8n)・πD
となり、捻り変形がない場合の周長L=πDを基準として、その(1/8n)だけ外径が変動することになる。
すなわち、巻数1なら縮み率1/8(12.5%)、巻数1.5なら縮み率1/12(8.3%)、巻数2なら縮み率1/16(6.25%)、巻数2.5なら縮み率1/20(5.0%)、巻数3なら縮み率1/24(4.2%)、巻数3.5なら縮み率1/28(3.6%)、巻数4なら縮み率1/32(3.1%)となる。
これらから、巻数が2回よりも少ない場合、外径変動が顕著となり、外筒の直径を大きくする等の対応が必要となる。
一方、巻数が3回より多い場合、外径変動にさほど変化がないわりに、巻板ばねの材料である板材が長くなり、材料コストや重量が増すことになる。
従って、巻板ばねの巻数は、2回以上かつ3回以下とすることが、実用上好ましいといえる。
本発明において、前記巻板ばねは、前記筒状部の中心軸線に沿って複数配列され、かつ隣接する前記巻板ばねは、互いに逆向きに巻かれていることが望ましい。
このような本発明では、巻き方向が逆とされた複数の巻板ばねを組み合わせて用いることで、捻り変形への対応の際の捻れ方向ごとの特性を揃えることができる。
また、複数の巻板ばねを軸方向に並べるため、単一の巻板ばねを用いる場合に比べて、軸方向への変形性が高まり、伸縮変形の許容性を高めることができる。
本発明において、前記シール手段は、前記内筒と前記外筒との間に充填されたシール材であり、前記巻板ばねは前記シール材で包囲されていることが望ましい。
このような本発明では、内筒と外筒との間に充填されたシール材により、内筒と外筒との間を通して内筒の内側を通る流体が漏れ出すことを防止できる。
この際、内筒と外筒との間の隙間をシール材と巻板ばねとで共用することができ、筒状部の軸方向に十分な長さでシールすることができるので、シール手段としてのシール性能を十分なものとすることができる。
さらに、シール材として固化した状態でも柔軟性を有するシリコーン樹脂などを用いれば、シール材で包囲された巻板ばねの振動を抑制することができる。
なお、シール手段としては、シール材の充填に限らず、他の構成であってもよい。例えば、内筒と外筒との間に、巻板ばねに隣接してエラストマ材料のシール部材を設置し、あるいはラビリンスシールなどの機械的シールを設置してもよい。
本発明において、前記外筒の外側には、前記第1端部材と前記第2端部材とを連結しかつ弾性変形して伸長可能な締結部材が設置されていることが望ましい。
このような締結部材は、複数を外筒の外周に所定間隔で配置してもよい。締結部材としては、金属製あるいは合成樹脂製(繊維強化含む)の、棒材やロープあるいはコイルばね状の部材とすることができる。
このような本発明では、締結部材により第1端部材と第2端部材とが連結され、各々の相対移動が抑制される。このため、第1配管と第2配管とが大きく相対変位した際でも、筒状部に大きな変形が生じることを抑制できる。とくに、締結部材が弾性変形可能であるため、第1配管と第2配管とが筒状部の中心軸線まわりに相対回転する場合でも、締結部材が伸長することで、第1端部材と第2端部材とが過度に引き寄せられて筒状部が中心軸線方向に圧迫される等の不都合を回避することができる。
本発明によれば、簡素な構成で、捻れ変形に対する許容性が高い管継手を提供することができる。
本発明の第1実施形態の管継手を示す斜視図。 前記第1実施形態の管継手を示す平面図。 前記第1実施形態の管継手を示す断面図。 前記第1実施形態の管継手を示す分解斜視図。 本発明の第2実施形態の管継手を示す断面図。 本発明の第3実施形態の管継手を示す断面図。 本発明の第4実施形態の管継手を示す側面図。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
〔第1実施形態〕
図1から図4には、本発明の第1実施形態の管継手1が示されている。
管継手1は、図3に示すように、軸線A方向に対向配置された第1配管91および第2配管92を相互に接続するものである。
本実施形態の第1配管91および第2配管92は、プラント設備の配管であり、例えば直径1m程度の規模を有する。
本実施形態の管継手1は、第1配管91が接続される第1端部材11と、第2配管92が接続される第2端部材21とを有し、各々の間には第1配管91と第2配管92とを連通させる筒状部9が設置されている。
第1端部材11および第2端部材21は、それぞれ円盤状の鋼材で形成され、中央には連通孔111,211が形成され、周辺部には複数のボルト孔112,212が形成されている。
図3に示すように、第1端部材11は、第1配管91のフランジ911と密接されたうえ、ボルト孔112にボルト912を挿通して締め付けることで、第1配管91に固定することができる。固定状態では、連通孔111が第1配管91の内部に連通される。
同様に、第2端部材21は、第2配管92のフランジ921と密接されたうえ、ボルト孔212にボルト922を挿通して締め付けることで、第2配管92に固定することができる。固定状態では、連通孔211が第2配管92の内部に連通される。
図3および図4に示すように、筒状部9は、内筒12、外筒22、巻板ばね30およびシール材40により構成され、軸線Aを中心軸線とされている。
内筒12は、断面円形の鋼管で形成され、その一端が第1端部材11の連通孔111に嵌め込まれ、全周を溶接することで固定されている。
外筒22は、内筒12より大径の断面円形の鋼管で形成され、その一端が第2端部材21の表面に当接され、全周を溶接することで固定されている。
図4に示すように、管継手1の製造にあたっては、予め第1端部材11と内筒12とを溶接して第1部品10を形成するとともに、第2端部材21と外筒22とを溶接して第2部品20を形成しておき、これらの第1部品10および第2部品20を、巻板ばね30とともに組み立てることが望ましい。
図2および図3に示すように、第1部品10および第2部品20を組み立てた状態では、内筒12の先端開口が第2端部材21の連通孔211に対向配置され、第1端部材11の連通孔111から連続した流路が形成される。
さらに、内筒12の外面と外筒22の内面との間には円筒状の空間が形成され、この空間に巻板ばね30が設置される。
巻板ばね30は、軸線A方向に2つ配列され、第1端部材11に近い側が巻板ばね31、第2端部材21に近い側が巻板ばね32とされている。
巻板ばね30は、長尺の鋼板を軸線Aまわりに2回分巻いて筒状に形成したものであり(巻数=2)、その内側端縁301および外側端縁302はそれぞれ直角に折り曲げられている。
巻板ばね30を接続するために、内筒12の外面および外筒22の内面には、それぞれ軸線Aに沿って内側受部121および外側受部221が形成されている。
図2に示すように、巻板ばね30は、内筒12の外面と外筒22の内面との間に同心状に配置され、内側端縁301が内側受部121に係止されるとともに、外側端縁302が外側受部221に係止される。
内筒12と外筒22との間に設置される際、巻板ばね30には、巻き付け方向(または巻き解し方向でもよい)の予圧が付与される。
例えば、内側端縁301を内側受部121に係止させた状態で、巻板ばね30の巻き付け方向(または巻き解し方向でもよい)に外側端縁302を移動させ、巻板ばね30に反力が生じた状態で外側受部221に係止させることで、このような予圧を付与することができる。
前述の通り、本実施形態の管継手1には2つの巻板ばね30(巻板ばね31,32)が用いられる。
これらの巻板ばね31,32は、各々の予圧方向が逆向きとされている。
これにより、内筒12と外筒22とは、互いに逆向きとなる巻板ばね31,32の予圧が釣り合う位置で静止させることができる。
シール材40は、内筒12の外面と外筒22の内面との間の空間に充填されている。シール材40には、固化した状態でも柔軟性を有するシリコーン樹脂などを用いる。このようなシール用の樹脂としては、空気中の水分と反応する水硬性のもの、二液混合による反応硬化性のもの等が利用できる。
シール材40の設置にあたっては、先に第1部品10と第2部品20とを組み立て、その際に内筒12の外面と外筒22の内面との間に巻板ばね30を組み込んでおく。
そして、第1端部材11と外筒22の先端との間の隙間から、流動状態のシール材40を注入し、内筒12の外面と外筒22の内面との間に充填してゆく。この際、内筒12の先端と第2端部材21との間の隙間は、一時的に養生テープ等で封止しておくことが望ましい。
これにより、シール材40が内筒12と外筒22との間に充填され、巻板ばね30はシール材40に浸漬され、つまり巻板ばね30がシール材40で包囲された状態とされる。
シール材40が外筒22の端部まで充填されたら、その状態でシール材40を固化させることで、シール材40の設置ができる。
以上のような本実施形態によれば、次のような効果が得られる。
本実施形態の管継手1においては、第1端部材11および第2端部材21により第1配管91および第2配管92と接続することができる。そして、接続状態では、筒状部9の内筒12を通して、第1配管91および第2配管92を連通させることができる。これにより、継手としての機能が得られる。
さらに、接続状態では、第1端部材11および第2端部材21を結ぶ筒状部9において、巻板ばね30により伸縮、軸ずれ、曲げおよび捻れの各変形を許容することができる。なかでも、巻板ばね30により、+45度〜−45度に及ぶ捻り変形であっても許容することができる。
本実施形態の管継手1では、巻板ばね30の巻数を2回としたので、各側45度の捻れ変形があっても、巻板ばね30の外径変動は6%程度とすることができる。
このため、内筒12の外面と外筒22の内面との間の空間は巻板ばね30の外径に対して+6%〜−6%の幅で確保すればよく、具体的には外筒22の内径を内筒12の外径の12%(6%×2)とすれば十分であり、巻板ばね30を筒状部9に確実に収容することができる。
本実施形態においては、内筒12と外筒22との間に充填されたシール材40により、内筒12と外筒22との間を通して内筒12の内側を通る流体(第1配管91と第2配管92との間で流通する流体)が漏れ出すことを防止できる。
この際、内筒12と外筒22との間の隙間をシール材40と巻板ばね30とで共用することができ、軸線Aに沿って十分な長さで内筒12と外筒22とをシールすることができるので、シール手段としてのシール性能を十分なものとすることができる。
さらに、シール材40として固化した状態でも柔軟性を有するシリコーン樹脂などを用いるので、シール材40で包囲された巻板ばね30の振動を抑制することができる。
本実施形態では、予め第1部品10(第1端部材11および内筒12)と、第2部品20(第2端部材21および外筒22)とを作成しておき、これらを巻板ばね30とともに組み立て、シール材40を充填することで、管継手1を製造することができる。
このように、本実施形態の管継手1は、構成部品が簡素であるだけでなく、製造工程も簡素化することができる。
本実施形態では、巻板ばね30として、巻き方向が逆とされた2つの巻板ばね31,32を組み合わせて用いたので、管継手1として、捻り変形への対応の際の捻れ方向ごとの特性を揃えることができる。
また、2つの巻板ばね31,32を軸線Aに沿って並べるため、単一の巻板ばねを用いる場合に比べて、軸線A方向への変形性が高まり、伸縮変形の許容性を高めることができる。
なお、管継手1の構成部品のなかでも巻板ばね30については、その固有振動数を、地震等の際に受ける振動に対して共振しない値としておくことが望ましい。
例えば、巻板ばね30の荷重は、ヤング率E、板幅B、板厚h、自由状態での半径Rとして、次の式で近似することができる。
P=(1/24)E・B・h・R
また、巻板ばね30の固有振動数foは、ねじり方向のばね定数Kθ、管継手1に接続される配管(第1配管91および第2配管92)の、管継手1の変位に関与する範囲の部分の慣性モーメントIとして、次式のようになる。
fo=(1/2)π・(Kθ/I)−2
この式におけるばね定数Kθは、前述したヤング率Eおよび板厚hで決まることから、ばね反力(荷重P)および固有振動数foは、巻板ばね30とする鋼板の板厚hで調整することができる。
〔第2実施形態〕
図5には、本発明の第2実施形態の管継手1Aが示されている。
前述した第1実施形態の管継手1では、筒状部9の内筒12と外筒22との間にシール材40を充填していた。
これに対し、本実施形態の管継手1Aでは、内筒12の先端部の外面と外筒22の内面との間に、エラストマ製のシール部材41を設置している。
シール部材41は、内筒12の先端部と第2端部材21との隙間をシール可能である。
シール部材41は、2つの巻板ばね30とともに軸線Aに沿って並んで配置され、これらの内筒12、外筒22、巻板ばね30とともに筒状部9Aを構成している。
このような本実施形態の管継手1Aにおいても、前述した第1実施形態と同様な効果を得ることができる。
ただし、第1実施形態におけるシール材40による効果は得られない。一方で、シール材40の充填に比べて、エラストマ製のシール部材41の設置であるため、製造作業は簡単にできる。
〔第3実施形態〕
図6には、本発明の第3実施形態の管継手1Bが示されている。
前述した第1実施形態の管継手1では、第1端部材11と内筒12とで第1部品10を形成し、第2端部材21と外筒22とで第2部品20を形成していた。また、内筒12、外筒22、2つの巻板ばね30およびシール材40は、筒状部9の軸線A方向のほぼ全長にわたって形成されていた。
これに対し、本実施形態の管継手1Bでは、第1部品10Bの内筒12Bが、筒状部9Bの半分以下の長さとされている。
また、第2部品20Bは、第2端部材21と補助筒23Bと外筒22Bとで形成されている。このうち、第2端部材21および補助筒23Bは、第1部品10Bの第1端部材11および内筒12Bと同一である。
従って、第1部品10Bを流用し、筒状部9Bの半分以下の長さの外筒22Bを補助筒23Bの先端に接続することで、第2部品20Bを製造することができる。
内筒12Bと外筒22Bとの間には、2つの巻板ばね30B(31B,32B)が設置され、さらにシール材40が充填されている。
巻板ばね30Bは、軸線A方向の長さが半分以下とされているが、第1実施形態の巻板ばね30と同様に形成されている。
シール材40は、設置範囲が半分以下となっているが、第1実施形態と同様に設置されている。
これらの内筒12B、外筒22B、補助筒23B、巻板ばね30Bおよびシール材40により、筒状部9Bが構成されている。
このような本実施形態の管継手1Bにおいても、前述した第1実施形態と同様な効果を得ることができる。
ただし、第1実施形態に比べて内筒12B、外筒22B、巻板ばね30Bおよびシール材40の軸線A方向の長さが半分以下となるため、各変形の許容限界が制限される可能性がある。
一方で、第2部品20Bは、第1部品10Bと同じ部品を用いて製造することができ、これらの共用化により、搬送ないし製造作業の効率化、搬送ないし製造コストの低減などを図ることができる。
〔第4実施形態〕
図7には、本発明の第4実施形態の管継手1Cが示されている。
本実施形態の管継手1Cは、基本構成が前述した第1実施形態の管継手1と共通である。すなわち、第1端部材11と第2端部材21との間には筒状部9が設置され、第1部品10は第1端部材11と内筒12を有し、第2部品20は第2端部材21と外筒22を有する。
第1端部材11には第1配管91が接続され、第2端部材21には第2配管92が接続され、これらの第1配管91および第2配管92が管継手1Cで相互に連通されている。
ここで、本実施形態の管継手1Cにおいては、外筒22の外側に、第1端部材11と第2端部材21とを連結する複数の締結部材50が設置されている。
締結部材50は、本実施形態では軸線Aを中心に90度間隔で4本が設置され、各々の両端は第1端部材11および第2端部材21にナットで固定されている。
締結部材50は、弾性変形して伸長可能な部材とされ、例えば、金属製、合成樹脂製または繊維強化樹脂製の棒材、同様材質製のロープあるいはコイルばね状の部材を用いることができる。
このような本実施形態の管継手1Cにおいても、前述した第1実施形態と同様な効果を得ることができる。
さらに、本実施形態では、締結部材50により第1端部材11と第2端部材21とが連結され、各々の相対移動を抑制することができる。このため、第1配管91と第2配管92とが大きく相対変位した場合であっても、筒状部9に大きな変形が生じることを抑制することができる。
とくに、締結部材50は、弾性変形可能に形成されているため、第1配管91と第2配管92とが軸線Aまわりに相対回転した場合、締結部材50が軸線A方向の元の位置(図7の実線表示)から傾斜しつつ伸長した状態(図7の鎖線表示)となる。このような傾斜および伸長が行われることで、第1端部材11と第2端部材21とが、相対回転に伴って軸線A方向に過度に引き寄せられて、筒状部9が軸線A方向に圧迫される等の不都合を未然に回避することができる。
〔変形例〕
本発明は、前述した各実施形態の構成に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形などは本発明に含まれる。
前述した実施形態では、それぞれ2つの巻板ばね30を軸線A方向に配列したが、巻板ばね30は軸線A方向に3つ以上を配列してもよい。
前記実施形態において、隣接する巻板ばね30の巻方向を交互に逆にすることは必須ではなく、同じ方向としてもよい。同じ方向で配列した場合、捻り変形の向きによる相違を解消する効果は得られないが、個々の巻板ばね30が軸方向に短くなることで、伸縮変形に対する許容性を高める効果は得られる。
前述した実施形態では、巻板ばね30の巻数を2回としたが、3回であってもよく、2回と3回との間の巻数(中心角が720度〜1080度の間、両端が同じ角度位置にはならない)としてもよい。
このように、巻板ばね30を2回以上で3回以下の巻数とすることで、捻り変形の許容正を高めつつ、外径変化を抑えることができる。
ただし、本発明において、巻板ばね30の巻数は、2回未満あるいは3回より多くてもよい。
前記実施形態では、長尺の板材を巻いて巻板ばね30としたが、巻板ばね30として巻かれる板材としては、一定幅の帯状の板材のほか、テーパ状の板材を巻いて内側端縁301と外側端縁302の軸線A方向の長さが異なるものとしてもよい。
また、巻板ばね30として板材を巻く場合、板材の連続方向に巻くことに限らず、連続方向を斜めにして巻くことにより、巻板ばね30の外側と内側とが軸線A方向にずれた螺旋状となるように形成してもよい。
ただし、コンパクトに収容するためには、前記実施形態のように、同じ幅の板材をその連続方向に巻くことが望ましい。
さらに、前記実施形態における第1端部材11、第2端部材21,内筒12、外筒22などの形状および寸法あるいは材質は、それぞれ実施にあたって適宜変更すればよい。
本発明は、配管の捻り変形に対する許容性を高めるための管継手として利用できる。
1,1A,1B,1C…管継手、10,10B…第1部品、11…第1端部材、111…連通孔、112…ボルト孔、12,12B…内筒、121…内側受部、20,20B…第2部品、21…第2端部材、211…連通孔、212…ボルト孔、22,22B…外筒、221…外側受部、23B…補助筒、30…巻板ばね、301…内側端縁、302…外側端縁、40…シール材、41…シール部材、50…締結部材、9,9A,9B…筒状部、91…第1配管、911…フランジ、912…ボルト、92…第2配管、921…フランジ、922…ボルト、A…軸線、D…直径、L…周長、n…巻数、ΔL…変位量。

Claims (5)

  1. 第1配管が接続される第1端部材と、第2配管が接続される第2端部材と、前記第1端部材と前記第2端部材との間に設置されかつ前記第1配管の内部と前記第2配管の内部とを連通させる筒状部とを有する管継手であって、
    前記筒状部は、前記第1端部材に接続された内筒と、前記第2端部材に接続されかつ前記内筒の外側に前記内筒と同心状に配置された外筒と、前記内筒の外周と前記外筒の内周との間に前記内筒と同心状に配置された巻板ばねと、前記内筒と前記外筒との間をシールするシール手段とを有し、
    前記巻板ばねは、前記内筒を包囲する筒状に形成され、前記巻板ばねの内側端縁は、前記内筒の外面に固定され、前記巻板ばねの外側端縁は、前記外筒の内面に固定されていることを特徴とする管継手。
  2. 請求項1に記載した管継手において、
    前記巻板ばねは、前記筒状部の中心軸線まわりの巻数が2回以上かつ3回以下であることを特徴とする管継手。
  3. 請求項1または請求項2に記載した管継手において、
    前記巻板ばねは、前記筒状部の中心軸線に沿って複数配列され、かつ隣接する前記巻板ばねは、互いに逆向きに巻かれていることを特徴とする管継手。
  4. 請求項1から請求項3のいずれか一項に記載した管継手において、
    前記シール手段は、前記内筒と前記外筒との間に充填されたシール材であり、前記巻板ばねは前記シール材で包囲されていることを特徴とする管継手。
  5. 請求項1から請求項4のいずれか一項に記載した管継手において、
    前記外筒の外側には、前記第1端部材と前記第2端部材とを連結しかつ弾性変形して伸長可能な締結部材が設置されていることを特徴とする管継手。
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