JP2017031869A - 保持シール材、巻付体、排ガス浄化装置、保持シール材の製造方法、巻付体の製造方法及び排ガス浄化装置の製造方法 - Google Patents

保持シール材、巻付体、排ガス浄化装置、保持シール材の製造方法、巻付体の製造方法及び排ガス浄化装置の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 保持シール材が巻き付けられた排ガス処理体である巻付体をケーシングに配置する際に、シワや亀裂が発生しにくい保持シール材を提供する。【解決手段】 無機繊維を含む平面視矩形の保持シール材であって、上記保持シール材は、第1主面と、上記第1主面の反対側に位置する第2主面とを有し、上記第1主面には、第1方向に沿って並列する第1溝と、第2方向に沿って並列する第2溝とにより形成される第1主面の格子状の溝が形成されており、上記保持シール材の幅方向に対する上記第1方向の角度は、50〜85°であることを特徴とする保持シール材。【選択図】 図1

Description

本発明は、保持シール材、巻付体、排ガス浄化装置、保持シール材の製造方法、巻付体の製造方法及び排ガス浄化装置の製造方法に関する。
ディーゼルエンジン等の内燃機関から排出される排ガス中には、スス等のパティキュレートマター(以下、PMともいう)が含まれており、近年、このPMが環境や人体に害を及ぼすことが問題となっている。また、排ガス中には、COやHC、NOx等の有害なガス成分も含まれていることから、この有害なガス成分が環境や人体に及ぼす影響についても懸念されている。
そこで、排ガス中のPMを捕集したり、有害なガス成分を浄化したりする排ガス浄化装置として、炭化ケイ素やコージェライトなどの多孔質セラミックからなる排ガス処理体と、排ガス処理体を収容するケーシングと、排ガス処理体とケーシングとの間に配設される無機繊維集合体からなる保持シール材とから構成される排ガス浄化装置が種々提案されている。この保持シール材は、自動車の走行等により生じる振動や衝撃により、排ガス処理体がその外周を覆うケーシングと接触して破損するのを防止することや、排ガス処理体とケーシングとの間から排ガスが漏れることを防止すること等を主な目的として配設されている。そのため、保持シール材には、圧縮されることによる反発力で発生する面圧を高め、排ガス処理体を確実に保持する機能が求められている。
排ガス浄化装置を製造する際には、排ガス処理体に保持シール材が巻き付けられて巻付体とし、該巻付体をケーシングに配置することになる。
保持シール材には厚みがあるので、保持シール材を排ガス処理体に巻き付けると、保持シール材に内外周差によって、保持シール材の外側表面に引張力が生じる。また、巻付体をケーシング内に配置する方法としては、保持シール材を圧縮させながらケーシングに押し込む方法があり、保持シール材は圧縮されながらケーシング内へ押し込まれる。したがって、保持シール材の幅方向に対し、垂直方向に沿って圧縮応力やせん断応力を受けやすく、これらが、保持シール材にシワや亀裂を発生させる原因となる。保持シール材にシワや亀裂が発生すると、排ガス浄化装置を用いる際に、保持シール材のシワや亀裂の部分から排ガスが漏れる。
特許文献1には、保持シール材の応力により発生する亀裂を防ぐために、保持シール材に切れ目線を形成することが記載されている。
すなわち、特許文献1には、汚染制御装置(排ガス浄化装置)内に汚染制御要素(排ガス処理体)を装着するための装着物品(保持シール材)であって、該装着物品は、ハウジング(ケーシング)内に汚染制御要素を装着するのに有用なシート材料を具備し、該シート材料は主要な上面および底面、厚み、長さ並びに幅を有し、該シート材料の表面に少なくとも1本の切れ目線を有する装着物品が開示されている。
特表2001−523789号公報
特許文献1には、排ガス処理体の形状との関係で、切れ目線を設けた保持シール材が開示されているが、巻付体をケーシングに配置する際に保持シール材にかかる応力が起因のシワや亀裂については言及されておらず、特許文献1記載のような保持シール材において、ケーシング内に配置する際、保持シール材の表面にシワが発生し、亀裂が発生する場合があった。
ケーシングに巻付体を配置する方法としては、圧入治具を用いてケーシングに巻付体を圧入する圧入方法や、巻付体の外径よりも内径が大きい円筒状のケーシング内に巻付体を配置し、ケーシングの周囲に対して均等に圧力をかけ、ケーシングを小さくしてケーシングの内壁と巻付体との隙間を塞ぎ、巻付体を固定するサイジング法等がある。
圧入方法により巻付体をケーシングに挿入する場合、保持シール材は、圧縮されながらケーシングに挿入されるため、ケーシング内壁との摩擦による圧入方向に対して逆方向の力と、保持シール材を圧縮する方向の力の2方向から力を受けることになる。この力により保持シール材に、シワが発生しやすくなり、さらに、保持シール材(特にシワの部分)への力が強くなると、保持シール材に亀裂が発生することもある。また、シワが圧入作業中に発生することで、シワがケーシングの端部に引っ掛かることで圧入ができなくなることもあり、シワの発生は好まれない。
また、サイジング法により巻付体を固定する場合、ケーシングの周囲に対し均等に圧力をかける。ただ、サイジング装置へ巻付体を配置する際に、位置精度が悪く、所定位置から巻付体がずれた場合、ケーシングの周囲に対し均等に圧力がかかったとしても、巻付体には不均一に圧力がかかる。この際、保持シール材に局所的な圧縮応力が発生する場合があり、この圧縮応力が原因で保持シール材に局所的なシワ等が発生しやすくなる。また、サイジング法により巻付体を固定する場合、ケーシングの周囲にかける圧力は、圧力センサーにより制御される。保持シール材の一部にシワ等が発生すると、その部分に強い反発力が生じる。そして圧力センサーが、この反発力を感知し、ケーシングに充分に圧力がかかっていると誤認してケーシングにかける圧力を停止することがある。この場合、巻付体の固定が不充分となり、巻付体とケーシングとの間に隙間が生じる場合がある。この隙間が原因となり、排ガス浄化装置を用いる際に、巻付体がケーシングから脱落したり、巻付体とケーシングとの間の隙間から排ガスが漏れることがある。
本発明は、上記課題を鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、保持シール材が巻き付けられた排ガス処理体である巻付体をケーシングに配置する際に、シワや亀裂が発生しにくい保持シール材を提供することである。
すなわち、本発明の保持シール材は、無機繊維を含む平面視矩形の保持シール材であって、上記保持シール材は、第1主面と、上記第1主面の反対側に位置する第2主面とを有し、上記第1主面には、第1方向に沿って並列する第1溝と、第2方向に沿って並列する第2溝とにより形成される第1主面の格子状の溝が形成されており、上記保持シール材の幅方向に対する上記第1方向の角度は、50〜85°であることを特徴とする。
本発明の保持シール材の第1主面には、格子状の溝が形成されている。つまり、保持シール材の第1主面の表面は連続しておらず、格子状の溝に区切られた多数の区画により形成されているといえる。そのため、保持シール材の第1主面にある区画がケーシング等より力を受けたとしても、格子状の溝によって形成された空間により、区画は動くことができるようになる。すなわち、区画が動くことで保持シール材が受けている力が分散され、保持シール材に局所的にかかる力を小さくする事ができる。また、力を受けた区画が動くことで、近隣の区画へ力を伝播させたとしても、力が分散されて小さくなっているので、格子状の溝がない保持シール材と比較すると受ける力の影響は小さい。
さらに、本発明の保持シール材に大きな力がかかり、区画が動ける範囲の限界まで動き、このような区画が隣り合って複数生じたとき、その区画の周辺が盛り上がってシワが発生する場合がある。このようなシワが発生したとしても、本発明の保持シール材では第1主面に格子状の溝が形成されているため、力が分散された状態でシワが発生することになる。その結果、保持シール材に大きなシワや亀裂等が発生しにくくなる。また、保持シール材にシワが発生したとしても、そのシワの数を少なくし、シワの高さを小さくすることができる。他にも、排ガス処理体へ保持シール材を巻き付ける際にも、シワや亀裂等の発生を抑制することができる。
本発明の保持シール材の第1主面の格子状の溝は、第1方向に沿って並列する第1溝と、第1方向と異なる第2方向に沿って並列する第2溝とから形成されており、保持シール材の幅方向に対する第1方向の角度は、50〜85°である。
なお、本明細書において、「保持シール材の幅方向に対する第1方向の角度」とは、保持シール材の幅方向と、第1方向とが形成する角のうち鋭角の角度のことを意味する。
本発明の保持シール材を排ガス処理体に巻き付けて巻付体とし、圧入方法により巻付体をケーシングに配置する場合、保持シール材の幅方向は、巻付体の圧入方向と一致する。
保持シール材の幅方向に対する第1方向の角度が50°未満であると、圧入方向に対し第1方向が平行に近づくので、圧入方向の圧入圧力が第1溝に沿って、せん断力を発生させ易くなる。その結果、第1溝が起点となり保持シール材に亀裂が発生しやすくなる。
また、保持シール材の幅方向に対する第1方向の角度が85°を超えると、圧入方向に対し第1方向が垂直に近づく。保持シール材の第1主面の格子状の溝で区切られた各区画は、圧入する際のケーシングの端部で引っ掛かるため、保持シール材の幅方向に発生する圧入による力は分散されにくくなる。その結果、保持シール材に大きなシワや亀裂等が発生しやすくなる。
また、保持シール材にシワが発生する場合には、そのシワは、格子状の溝に沿って発生しやすい。保持シール材の幅方向に対する第1方向の角度が、50〜85°であると、保持シール材にシワが発生したとしても、シワが発生する方向は、圧入方向に対して、平行にも垂直にもなりにくい。そのため、保持シール材に亀裂等が発生しにくい。
本発明の保持シール材では、上記第1方向と、上記第2方向とがなす角度は、90°であることが望ましい。
第1方向と第2方向とがなす角度が90°である場合、どのような方向の力を受けたとしても、効率よく力を分散させることができる。また、保持シール材の幅方向に対する第1方向の角度が50〜85°の範囲であり、第1方向と、第2方向とがなす角度が90°である場合、保持シール材の幅方向に対する第2方向の角度は、0°、45°又は90°にならないため、圧入時の保持シール材に亀裂等が発生しにくい。
一方、保持シール材の幅方向に対する第1方向の角度が45°であり、第1方向と、第2方向とがなす角度が90°であると、保持シール材の幅方向に対する第2方向の角度も45°となる。このような保持シール材を用いて、排ガス浄化装置を製造しようとすると、圧入の際に格子状の溝の角部に応力が集中してしまい、保持シール材表面が破損しやすくなる。
なお、本明細書において、「保持シール材の幅方向に対する第2方向の角度」とは、保持シール材の幅方向と、第2方向とが形成する角のうち鋭角の角度のことを意味する。
本発明の保持シール材では、上記第1溝は、上記第1方向に沿って同形状の曲線が繰り返すことにより形成されていることが望ましい。
第1溝が、同形状の曲線が繰り返すことによりに形成されている場合、保持シール材に発生する応力を分散させやすくなる。また、保持シール材にシワが発生する場合、シワは直線的に通常は形成されるが、溝を曲線にする事でシワも溝に沿って曲線状に形成される。そのため、シワにかかる圧力や応力が曲線によって分散され、結果、保持シール材に大きなシワや亀裂等が発生することを防止することができる。曲線でない一方向の直線の溝の場合、曲線とは異なって力の逃げ道がないため、多方向へ力を分散させることができず、溝の方向に沿った形で、一方向に力が蓄積されてしまい、亀裂が発生しやすい。
本発明の保持シール材では、上記同形状の曲線の繰り返しの間隔は、隣接する上記第2溝同士の間隔と同じであることが望ましい。
同形状の曲線の繰り返しの間隔が、隣接する第2溝同士の間隔と同じであると、第2溝同士の間には常に同じ波形の第1溝が形成される。そのため、保持シール材の第1主面に力がかかっても、どの区画においても同じように力を減少させ、分散させることができる。
また、上記第2溝は、上記第2方向に沿って同形状の曲線が繰り返すことにより形成されていてもよく、同形状の曲線の繰り返しの間隔は、隣接する上記第1溝同士の間隔と同じであってもよい。
第2溝が、同形状の曲線が繰り返すことにより形成されている場合、保持シール材に発生する応力を分散させやすくなる。また、保持シール材にシワが発生する場合、シワは直線的に通常は形成されるが、溝を曲線にする事でシワも溝に沿って曲線状に形成される。そのため、シワにかかる圧力や応力が曲線によって分散され、結果、保持シール材に大きなシワや亀裂等が発生することを防止することができる。
また、同形状の曲線の繰り返しの間隔が、隣接する第1溝同士の間隔と同じであると、第1溝同士の間には常に同じ波形の第2溝が形成される。そのため、保持シール材の第1主面に力がかかっても、どの区画においても同じように力を減少させ、分散させることができる。
本発明の保持シール材は、さらに有機バインダを含み、上記第1溝及び上記第2溝は、上記無機繊維が圧縮され、上記有機バインダにより固定されることにより形成されていることが望ましい。
無機繊維が圧縮され、有機バインダにより固定されることにより第1溝及び第2溝が形成されていると、第1溝及び第2溝において無機繊維間の絡みや結束が切断されない。
保持シール材において、無機繊維を切断することにより第1溝及び第2溝を形成すると、該保持シール材が用いられた巻付体をケーシングに配置する際や、該保持シール材が用いられた排ガス浄化装置により排ガスを浄化する際に、圧力が切断部分にかかり、第1溝又は第2溝を起点に保持シール材に亀裂が発生する場合がある。
一方、無機繊維が圧縮されることにより第1溝及び第2溝が形成されていると、第1溝及び第2溝の無機繊維は複雑に絡み合い、さらに繊維の絡み合っている部分が圧縮され有機バインダにより強固に固定されるので、亀裂の起点になりにくくなる。
ここで有機バインダは、エマルジョンで無機繊維に添着させてもよい。また、保持シール材には、有機バインダの代替として有機繊維が含まれていてもよい。
本発明の保持シール材では、上記第1溝の進行方向に垂直な断面形状は、U字型又は凹型であり、上記第2溝の進行方向に垂直な断面形状は、U字型又は凹型であることが望ましい。
U字型又は凹型の第1溝及び第2溝は、保持シール材の無機繊維を圧縮することにより容易に形成することができる。また、U字型や凹型の溝は、無機繊維を切断することにより形成した溝と違い、溝で形成された区画間に空間を形成する事ができる。
また、さらに望ましくはU字型である。溝の断面形状がU字型であると溝の断面に角部がないため、角部に応力が集中して亀裂が発生することを防止する。
本発明の保持シール材が、250〜700℃で加熱されると、上記有機バインダが分解され、上記保持シール材が膨張し、上記第1溝及び前記第2溝が消失することが望ましい。
本発明の保持シール材は、排ガス浄化装置に用いられる。排ガス浄化装置により排ガスを浄化する際、保持シール材に第1溝及び第2溝があると、これらの溝から排ガスが漏れる場合がある。
しかし、保持シール材が、250〜700℃で加熱されることにより、有機バインダが分解されて、繊維同士の結束力が低下するため、保持シール材が膨張し、さらには有機バインダにより固定された第1溝及び第2溝が消失すると、排ガスが漏れることを防止することができる。
また、排ガス浄化装置には、通常、250〜700℃の排ガスが到達する。そのため、本発明の保持シール材を排ガス浄化装置に用いると、排ガス浄化装置の初期作動時に自然に第1溝及び第2溝が消失する。
本発明の保持シール材では、上記第2主面には、第3方向に沿って並列する第3溝と第4方向に沿って並列する第4溝とにより形成される第2主面の格子状の溝が形成されていることが望ましい。
第2主面に第3溝と第4溝とが形成されていると、該保持シール材を排ガス処理体に巻き付けて巻付体として、該巻付体をケーシングに配置する際に外部から力を受けても、第2主面の格子状の溝で区切られた各区画は、溝によって形成された空間内を動くことで、受けた力を分散させ、近隣の区画には力が減少した状態で分散される。そのため、保持シール材の一部に圧力や応力が集中しにくくなり、保持シール材に大きなシワや亀裂等が発生しにくくなる。
また、第3方向と第4方向とが異なる方向であると、保持シール材の第2主面にどのような方向の力がかかったとしても力を分散させやすくなる。
さらに、第2主面に、格子状の溝が形成されていると、保持シール材の第1主面及び第2主面の両主面に格子状の溝が形成されていることになる。そのため、保持シール材の第1主面又は第2主面に力がかかったとしても、反対側の主面に力を分散させることができ、どちらかの面のみに力がかかることはなく、破損や割れが発生することを抑制することができる。
本発明の保持シール材では、前記第3方向と、前記第4方向とがなす角度は、90°であることが望ましい。
第3方向と第4方向とがなす角度が90°である場合、どのような方向の力を受けても、効率よく力を減少させ、分散させることができる。
本発明の保持シール材では、上記第1主面の格子状の溝の深さは、上記第2主面の格子状の溝の深さよりも深いことが望ましい。
保持シール材の格子状の溝の深さが深いと、圧力を受けた際の区画の移動量が大きくなり、保持シール材にかかる力を減少させることができる。
通常、本発明の保持シール材は、保持シール材の第2主面が、排ガス処理体の表面と接するように巻き付けられ巻付体とされる。また、保持シール材には厚みがあるので、内外周差が生じる。この内外周差は、保持シール材の外側の主面、すなわち、第1主面に強い引張力を発生させることになる。さらに、巻付体をケーシングに配置する際には、外側から力が加えられることになるので、保持シール材の第1主面の方が大きな圧力を受けることになる。第1主面の格子状の溝の深さが、第2主面の格子状の溝の深さよりも深いと、保持シール材の第1主面に強い力を受けたとしても、力を減少させて、分散させることができる。また、格子状の溝の深さによって第1主面と第2主面とを識別する事ができるので、保持シール材を排ガス処理体へ巻き付ける際に、排ガス処理体へ接触させる保持シール材の主面の間違いを防ぐことができる。
また、溝の深さが深いと、保持シール材表面に形成された区画は、深さに比例して移動することができるため、保持シール材の摩擦抵抗は低下する。第2主面よりも第1主面の溝の深さが深いことによって、第1主面の摩擦抵抗を低下させることができ、ケーシング内へ容易に圧入することができる。さらには第2主面の摩擦抵抗は高いため、排ガス処理体をずらさずに保持することができる。
本発明の保持シール材では、上記無機繊維は、アルミナ繊維、シリカ繊維、ガラス繊維及び生体溶解性繊維からなる群から選択される少なくとも1種を含むことが望ましい。
無機繊維が、アルミナ繊維、シリカ繊維及びガラス繊維の少なくとも1種である場合には、耐熱性に優れているので、保持シール材が高温になった場合であっても、変質等が発生することはなく、保持シール材としての機能を充分に維持することができる。また、無機繊維が生体溶解性繊維である場合には、保持シール材を用いて排ガス浄化装置を製造する際に、飛散した無機繊維を吸入等しても、生体内で溶解するため、作業員の健康に害を及ぼすことがない。
本発明の保持シール材では、上記無機繊維は、平均繊維長が0.2〜5.0mmであり、繊維径が3.0μm未満のものを実質的に含まないものであることが望ましい。
無機繊維の平均繊維長が0.2mm未満であると、無機繊維の繊維長が短すぎるため、無機繊維同士の交絡が不充分となり、保持シール材のせん断強度が低くなる。
ここで、保持シール材における無機繊維が厚み方向に配向していると、繊維の弾性により面圧が発生し、排ガス処理体を保持する力が向上する。一方、無機繊維が厚み方向と垂直方向である平面方向に配向していると面圧が低下する。無機繊維の平均繊維長が5.0mmを超えると、無機繊維の繊維長が長すぎるため、保持シール材における無機繊維の繊維配向が平面方向になりやくなる。その結果、面圧が低下する。
また、無機繊維の繊維径が3.0μm未満であると、無機繊維が細く切れやすいので、無機繊維の引っ張り強度が不充分となる。
さらに、無機繊維の繊維径が3.0μm未満であると、保持シール材から無機繊維が飛散した場合、無機繊維が大気中に長時間滞留するので、環境負荷の観点からこれを含まないことが望ましい。
そして、無機繊維の平均繊維径は3.5〜15μmであることが望ましい。無機繊維の平均繊維径が3.5μm未満であると、保持シール材内で繊維同士が絡み合えないため、保持シール材の引張強度が弱くなりやすく、割れやすくなる。
また、無機繊維の平均繊維径が15μmを超えると、溝形成時に屈曲した繊維は、繊維径が太いために折れやすくなり、さらには繊維製造時の表面欠陥を形成しやすいため、保持シール材の強度が低下しやすくなる。
本発明の巻付体は、ハニカム構造を有する柱状の排ガス処理体に、上記本発明の保持シール材が巻き付けられた巻付体であって、上記排ガス処理体の表面と、上記保持シール材の第2主面とが直接接していることを特徴とする。
本発明の巻付体は、排ガス処理体に上記本発明の保持シール材が巻き付けられているので、巻付体をケーシングに圧入する際に、保持シール材の第1主面に圧力がかかった場合でも、溝周辺が動くことで圧力を分散させることができ、シワの発生を抑制することができる。
本発明の排ガス浄化装置は、ハニカム構造を有する柱状の排ガス処理体と、上記排ガス処理体を収容するケーシングと、上記排ガス処理体と、上記ケーシングとの間に介在する保持シール材とからなる排ガス浄化装置であって、上記保持シール材は、上記本発明の保持シール材であり、上記排ガス処理体の表面と、上記保持シール材の第2主面とが直接接していることを特徴とする。
本発明の保持シール材が用いられた排ガス浄化装置では、保持シール材に、シワや亀裂が発生しにくい。
本発明の保持シール材の製造方法は、無機繊維からなる平面視矩形のマット材を準備するマット材準備工程と、上記マット材の第1主面に第1方向に沿った第1溝と、第2方向に沿った第2溝とを形成することにより、格子状の溝を形成する溝形成工程とを含む、上記本発明の保持シール材の製造方法であり、上記マット材準備工程では、熱処理されていない有機バインダを含む湿潤状態の上記マット材を準備し、上記溝形成工程では、湿潤状態の上記マット材を、金型又はメッシュを押し当てて乾燥させることで上記第1溝及び上記第2溝を形成することを特徴とする。
湿潤状態のマット材に、金型又はメッシュを押し当てることにより、容易に第1溝及び第2溝を形成することができる。
本発明の保持シール材の製造方法では、上記マット材は、抄造法により作製することが望ましい。
抄造法によりマット材を製造すると、容易に広範囲の目付量のマット材を製造することができる。また、抄造法では繊維を解きほぐす際に、無機繊維の繊維長を調整することができるため、最適な溝を形成することができる。
本発明の巻付体の製造方法は、ハニカム構造を有する柱状の排ガス処理体に、上記本発明の保持シール材を、上記保持シール材の第2主面が上記排ガス処理体に直接接するように巻き付けることを特徴とする。
保持シール材の第2主面が排ガス処理体に直接接するように巻き付けることで、保持シール材の第1主面に圧力がかかった場合でも、溝周辺が動くことで圧力を分散させることができ、シワの発生を抑制することができる巻付体を製造することができる。
このような本発明の巻付体を用いて排ガス浄化装置を製造すると、巻付体をケーシングに圧入する際に、保持シール材にシワが発生することを抑制することができる。
本発明の排ガス浄化装置の製造方法は、ハニカム構造を有する柱状の排ガス処理体に、上記本発明の保持シール材を、上記保持シール材の第2主面が上記排ガス処理体に直接接するように巻き付け、巻付体を製造する巻付体製造工程と、上記巻付体をケーシングに収容する収容工程とを含むことを特徴とする。
保持シール材の第2主面が排ガス処理体に直接接するように巻き付けることで、保持シール材の第1主面に圧力がかかった場合でも、第1溝周辺及び第2溝周辺が動くことで圧力を分散させることができ、シワの発生を抑制することができる巻付体を製造することができる。そのため、巻付体をケーシングに圧入する際に、保持シール材にシワが発生することを抑制することができる。
図1は、本発明の保持シール材の一例を模式的に示す斜視図である。 図2(a)及び(b)は、本発明の保持シール材に力がかかった際に、力を分散させることができる原理を模式的に示す模式図である。 図3(a)〜(d)は、本発明の保持シール材を用いて、排ガス浄化装置を製造する工程の一例を模式的に示す模式図である。 図4は、凹部及び凸部を有する本発明の保持シール材の一例を模式的に示す平面図である。 図5は、第1溝が、第1方向に沿って同形状の曲線が繰り返すことにより形成されている本発明の保持シール材の一例を模式的に示す平面図である。 図6は、第2主面に格子状の溝が形成された本発明の保持シール材の第2主面の一例を模式的に示す模式図である。 図7(a)は、本発明の保持シール材のX線CT画像を模式的に示す模式図であり、図7(b)は、図7(a)におけるX線CT画像から繊維配向度指数を算出する方法を模式的に説明する模式図であり、図7(c)は、図7(b)における無機繊維によって形成される最短距離を模式的に示した模式図である。 図8(a)及び(b)は、本発明の保持シール材の製造方法において、網状の金型を用いて格子状の溝を形成する工程の一例を模式的に示す模式図である。 図9は、本発明の巻付体に含まれる排ガス処理体の一例を模式的に示す斜視図である。
(発明の詳細な説明)
以下、詳述する。
本発明の保持シール材は、無機繊維を含む平面視矩形の保持シール材であり、第1主面と、第1主面の反対側に位置する第2主面とを有している。そして、第1主面には、格子状の溝が形成されている。
つまり、保持シール材の第1主面の表面は連続しておらず、格子状の溝に区切られた多数の区画により形成されているといえる。そのため、保持シール材の第1主面にある区画がケーシング等より力を受けたとしても、格子状の溝によって形成された空間により、区画は動くことができるようになる。すなわち、区画が動くことで保持シール材が受けている力を分散させ、保持シール材に局所的にかかる力を小さくする事ができる。また、力を受けた区画が動くことで、近隣の区画へ力を伝播させたとしても、力が分散されて小さくなっているので、溝がない保持シール材と比較すると受ける力の影響は小さい。
さらに、本発明の保持シール材に大きな力がかかり、区画が動ける範囲の限界まで動き、このような区画が隣り合って複数生じたとき、その区画周辺が盛り上がってシワが発生する場合がある。このようなシワが発生したとしても、本発明の保持シール材では第1主面に格子状の溝が形成されているため、力が分散された状態でシワが発生することになる。その結果、保持シール材に大きなシワや亀裂等が発生しにくくなる。また、保持シール材にシワが発生したとしても、そのシワの数を少なくし、シワの高さを小さくすることができる。シワの高さが大きく、外部からシワに対して力を受けた場合、モーメントの原理によって、例え小さな力を受けたとしても、シワの根元(シワの盛り上がる初期部分)には大きな力が蓄積されてしまうため、保持シール材はシワの根元を起点として亀裂が発生する。
本発明の保持シール材の第1主面の格子状の溝は、第1方向に沿って並列する第1溝と、第1方向と異なる第2方向に沿って並列する第2溝とから形成されており、保持シール材の幅方向に対する第1方向の角度は、50〜85°である。また、保持シール材の幅方向に対する第1方向の角度は55〜80°であることが望ましく、60〜75°であることがより望ましい。
本発明の保持シール材は、排ガス浄化装置に用いられる。
排ガス浄化装置は、排ガスを処理するための排ガス処理体と、排ガス処理体を収容するケーシングと、排ガス処理体とケーシングとの間に介在する本発明の保持シール材とからなる。
排ガス浄化装置を製造する際には、本発明の保持シール材は、排ガス処理体に巻き付けられ、巻付体とされる。この際、保持シール材の第2主面が排ガス処理体の表面と接触するようにされる。
その後、巻付体は、圧入方法によりケーシングに配置されることになる。圧入方法における巻付体の圧入方向と、保持シール材の幅方向とは一致することになる。
保持シール材の幅方向に対する第1方向の角度が50°未満であると、圧入方向に対し第1溝が平行に近づくので、圧入方向の圧入圧力が第1溝に沿って、せん断力が発生し易くなり、第1溝が起点となり保持シール材に亀裂が発生しやすくなる。
また、保持シール材の幅方向に対する第1方向の角度が85°を超えると、圧入方向に対し第1の方向が垂直に近づく。保持シール材の第1主面の格子状の溝で区切られた各区画は、圧入する際のケーシングの端部で溝が引っ掛かるため、保持シール材の幅方向に発生する圧入による力は分散されにくくなる。その結果、保持シール材に大きなシワや亀裂等が発生しやすくなる。
また、保持シール材にシワが発生する場合には、そのシワは、格子状の溝に沿って発生しやすい。保持シール材の幅方向に対する第1方向の角度が、50〜85°であると、保持シール材にシワが発生したとしても、シワが発生する方向は、圧入方向に対して、平行にも垂直にもなりにくい。そのため、保持シール材に亀裂等が発生しにくい。
このような本発明の保持シール材をさらに詳述すると、以下の図1に示す保持シール材があげられる。
図1は、本発明の保持シール材の一例を模式的に示す斜視図である。
図1に示すように、本発明の保持シール材の一例である保持シール材10は、無機繊維を含む平面視矩形の保持シール材であり、第1主面20と、第1主面20の反対側に位置する第2主面30とを有している。そして、第1主面20には、格子状の溝21が形成されている。
第1主面20の格子状の溝21は、第1方向(図1中、矢印22aで示す)に沿って並列する第1溝22と、第1方向22aと異なる第2方向(図1中、矢印23aで示す)に沿って並列する第2溝23とが交差することにより形成されており、保持シール材の幅方向(図1中、矢印αで示す)に対する第1方向22aの角度Aは、50〜85°である。
保持シール材10の第1主面20に力がかかった場合、その力を分散させる原理を、以下に図面を用いて説明する。
図2(a)及び(b)は、本発明の保持シール材に力がかかった際に、力を分散させることができる原理を模式的に示す模式図である。
図2(a)に示すように、保持シール材10の第1主面20には格子状の溝21が形成されているので、保持シール材10の第1主面20の表面は連続しておらず、格子状の溝21に区切られた多数の区画25により形成されているといえる。そのため、保持シール材10の第1主面20にある区画25が、力(図2(a)及び(b)中、矢印Fで示す)を受けたとしても、図2(b)に示すように、格子状の溝21により、区画25は動くことができる。すなわち、区画25が動くことで保持シール材10が受けている力Fが分散され、保持シール材10に局所的にかかる力を小さくする事ができる。また、力Fを受けた区画25が動くことで、近隣の区画25へ力Fを伝播させたとしても、力Fは分散されて小さくなっているので、格子状の溝21がない保持シール材と比較すると受ける力の影響は小さい。
さらに、保持シール材10に大きな力がかかり、区画25が動ける範囲の限界まで動き、このような区画25が隣り合って複数生じたとき、その区画25周辺が盛り上がってシワが発生する場合がある。このようなシワが発生したとしても、保持シール材10では第1主面20に格子状の溝21が形成されているため、力Fが分散された状態でシワが発生することになる。その結果、保持シール材10に大きなシワや亀裂等が発生しにくくなる。また、保持シール材10にシワが発生したとしても、そのシワの数を少なくし、シワの高さを小さくすることができる。シワの高さが大きく、外部からシワに対して力を受けた場合、モーメントの原理によって、例え小さな力を受けたとしても、シワの根元(シワの盛り上がる初期部分)には大きな力が蓄積されててしまうため、保持シール材はシワの根元を起点として亀裂が発生する。
保持シール材10を用いて、排ガス浄化装置を製造する場合の効果について以下に図面を用いて説明する。
図3(a)〜(d)は、本発明の保持シール材を用いて、排ガス浄化装置を製造する工程の一例を模式的に示す模式図である。
保持シール材10を用いて、排ガス浄化装置100を製造する際には、まず、図3(a)に示すように、保持シール材10は、排ガス処理体50に巻き付けられ、図3(b)に示すように、巻付体60とされる。この際、保持シール材10の第2主面30が排ガス処理体50の表面と接触するようにされる。
次に、図3(c)に示すように、巻付体60は、圧入方法によりケーシング70に配置されることになる。なお、図3(c)中、矢印Pは、圧入方向を示す。
このようにして、図3(d)に示すように、排ガス浄化装置100を製造することができる。
圧入方法における巻付体の圧入方向Pと、保持シール材の幅方向αとは一致することになる。
保持シール材10の幅方向αに対する第1方向22aの角度が50°未満であると、圧入方向Pに対し第1溝22が平行に近づくので、圧入方向Pの圧入圧力が第1溝22に沿って、せん断力を発生させ易くなる。その結果、第1溝22が起点となり保持シール材10に亀裂が発生しやすくなる。
また、保持シール材10の幅方向αに対する第1方向22aの角度が85°を超えると、圧入方向Pに対し第1溝22が垂直に近づく。保持シール材10の第1主面20の格子状の溝21で区切られた各区画25は、圧入する際のケーシング70の端部で引っ掛かるため、保持シール材10の幅方向αに発生する圧入による力は分散されにくくなる。その結果、保持シール材10に大きなシワや亀裂等が発生しやすくなる。
また、保持シール材10にシワが発生する場合には、そのシワは、格子状の溝21に沿って発生しやすい。保持シール材10の幅方向αに対する第1方向の角度が、50〜85°であると、保持シール材10にシワが発生したとしても、シワが発生する方向は、圧入方向に対して、平行にも垂直にもなりにくい。そのため、保持シール材10に亀裂等が発生しにくい。
本発明の保持シール材の平面視形状は以下の形状であってもよい。
すなわち、保持シール材は、一方の短辺側に凹部を有しており、もう一方の短辺側に凸部を有していてもよい。また、凹部及び凸部は、短辺同士が接触するように保持シール材を曲げた際に、ちょうど互いに嵌合するような形状であることが望ましい。
このような凹部及び凸部を有する本発明の保持シール材としては以下の図4に示す保持シール材があげられる。
図4は、凹部及び凸部を有する本発明の保持シール材の一例を模式的に示す平面図である。
図4に示す保持シール材10は、一方の短辺11に凹部11aを有しており、もう一方の短辺12に凸部12aを有している。凹部11a及び凸部12aは、短辺11及び短辺12が接触するように保持シール材10を曲げた際に、ちょうど互いに嵌合するような形状であることが望ましい。
保持シール材の短辺を凹部及び凸部によって嵌合する形状にすることによって、嵌合する部分(嵌合部)での短辺距離が長くなるため、本発明の保持シール材を排ガス浄化装置に用いた際に、排ガスが漏れることが抑制される。さらに嵌合部及び周辺には溝が形成されているため、排ガスの経路が複雑化して、さらに排ガスが漏れることが抑制される。
本発明の保持シール材では、第1方向と、第2方向とがなす角度は90°であることが望ましい。
第1方向と第2方向とがなす角度が90°である場合、どのような方向の力を受けたとしても、効率よく力を分散させることができる。
本発明の保持シール材では、第1溝の幅は、0mmを超え、10mm以下であることが望ましく、0.5〜5.0mmであることがより望ましく、0.5〜3.0mmであることがさらに望ましい。
第1溝に幅がない場合は、保持シール材の第1主面が力を受けた際、格子状の溝により形成される区画の移動できる範囲が抑制されやすくなる。そのため、保持シール材にかかる力が分散されにくくなる。
第1溝の幅が10mmを超える場合、保持シール材の第1主面の表面積が小さくなりすぎる。そのため、保持シール材の摩擦抵抗が小さくなり、本発明の保持シール材を用いて排ガス浄化装置を製造する際や、使用する際に、排ガス処理体が脱落しやすくなる。
本発明の保持シール材では、第2溝の幅は、0mmを超え、10mm以下であることが望ましく、0.5〜5.0mmであることがより望ましく、0.5〜2.5mmであることがさらに望ましい。
第2溝に幅がない場合は、保持シール材の第1主面が力を受けた際、格子状の溝により形成される区画の移動できる範囲が抑制されやすくなる。そのため、保持シール材にかかる力が分散されにくくなる。
第2溝の幅が10mmを超える場合、保持シール材の第1主面の表面積が小さくなりすぎる。そのため、保持シール材の摩擦抵抗が小さくなり、本発明の保持シール材を用いて排ガス浄化装置を製造する際や、使用する際に、排ガス処理体が脱落しやすくなる。
また、外部より力を受けた際、ケーシングや排ガス処理体の形状(円筒断面でなく、楕円や異形状断面など)によっては保持シール材表面での力の分散がスムーズに行われず、力が分散しない箇所が発生する場合がある。その際は、第2溝の幅を第1溝の幅より小さくする事で力を分散させることが可能となる。
本発明の保持シール材では、第1溝の深さは、特に限定されないが、保持シール材の厚みに対して5〜50%の深さであることが望ましい。
第1溝の深さが保持シール材の厚みに対して5%未満である場合は、保持シール材の第1主面が力を受けた際、格子状の溝により形成される区画の移動できる範囲が抑制されやすくなる。そのため、保持シール材にかかる力が分散されにくくなる。
第1溝の深さが保持シール材の厚みに対して50%を超える場合、保持シール材の厚みに対する第1溝の深さが深くなるので、保持シール材の強度が弱くなり、破損しやすくなる。
本発明の保持シール材では、第2溝の深さは、特に限定されないが、保持シール材の厚み対して5〜50%の深さであることが望ましい。
第2溝の深さが保持シール材の厚みに対して5%未満である場合は、保持シール材の第1主面が力を受けた際、格子状の溝により形成される区画の移動できる範囲が抑制されやすくなる。そのため、保持シール材にかかる力が分散されにくくなる。
第2溝の深さが保持シール材の厚みに対して50%を超える場合、保持シール材の厚みに対する第2溝の深さが深くなるので、保持シール材の強度が弱くなり、破損しやすくなる。また、外部より力を受けた際、ケーシングや排ガス処理体の形状(円筒断面でなく、楕円や異形状断面など)によっては保持シール材表面での力の分散がスムーズに行われず、力が分散しない箇所が発生する場合がある。その際は、第2溝の深さを第1溝の深さより小さくする事で力を分散させることが可能となる。
本発明の保持シール材では、隣り合う第1溝同士の間隔は、保持シール材の第1主面に連続した溝が2つ以上形成することができれば、本発明の効果は得られるため、特に限定されないが、0.7〜10mmであることが望ましく、1.5〜5.0mmであることがより望ましく、2.5〜5.0mmであることがさらに望ましい。
隣り合う第1溝同士の間隔が0.7mm未満であると、以下の理由により、保持シール材の第1主面の強度が弱くなり、保持シール材が破損しやすくなる。
まず、隣り合う第1溝同士の間隔が狭くなると、格子状の溝により形成される区画一つあたりの面積が小さくなる。区画一つあたりの面積が小さくなると、区画を形成する無機繊維の量が少なくなり、無機繊維同士の交絡の数も少なくなる。その結果、区画の強度が弱くなる。隣り合う第1溝同士の間隔が0.7mm未満であると、上記理由により区画の強度が弱くなりすぎる。その結果、保持シール材の第1主面の強度が弱くなり、保持シール材が破損しやすくなる。
隣り合う第1溝同士の間隔が10mmを超えると、間隔が広すぎるので力を充分に分散させにくくなる。そのため、保持シール材の第1主面に局所的な力がかかりやすくなる。
本発明の保持シール材において、隣り合う第2溝同士の間隔は、保持シール材の第1主面に連続した溝が2つ以上形成することができれば、本発明の効果は得られるため、特に限定されないが、0.7〜10mmであることが望ましく、1.5〜5.0mmであることがより望ましく、2.5〜3.5mmであることがさらに望ましい。
隣り合う第2溝同士の間隔が0.7mm未満であると、以下の理由により、保持シール材の第1主面の強度が弱くなり、保持シール材が破損しやすくなる。
まず、隣り合う第2溝同士の間隔が狭くなると、格子状の溝により形成される区画一つあたりの面積が小さくなる。区画一つあたりの面積が小さくなると、区画を形成する無機繊維の量が少なくなり、無機繊維同士の交絡の数も少なくなる。その結果、区画の強度が弱くなる。隣り合う第2溝同士の間隔が0.7mm未満であると、上記理由により区画の強度が弱くなりすぎる。その結果、保持シール材の第1主面の強度が弱くなり、保持シール材が破損しやすくなる。
隣り合う第2溝同士の間隔が10mmを超えると、間隔が広すぎるので力を充分に分散させにくくなる。そのため、保持シール材の第1主面に局所的な力がかかりやすくなる。
また、外部より力を受けた際、ケーシングや排ガス処理体の形状(円筒断面でなく、楕円や異形状断面など)によっては保持シール材表面での力の分散がスムーズに行われず、力が分散しない箇所が発生する場合がある。その際は、第2溝同士の間隔を第1溝同士の間隔より小さくする事で力を分散させることが可能となる。
本発明の保持シール材において、第1溝は、第1方向に沿って同形状の曲線が繰り返すことにより形成されていることが望ましく、同形状の曲線の繰り返しの間隔は、隣接する第2溝同士の間隔と同じであることがより望ましい。
第1溝が、同形状の曲線が繰り返すことによりに形成されている場合、保持シール材に発生する応力を分散させやすくなる。また、保持シール材にシワが発生する場合、シワは直線的に通常は形成されるが、溝を曲線にする事でシワも溝に沿って曲線状に形成される。そのため、シワにかかる圧力や応力が曲線によって分散され、結果、保持シール材に大きなシワや亀裂等が発生することを防止することができる。
また、同形状の曲線の繰り返しの間隔が、隣接する第2溝同士の間隔と同じであると、第2溝同士の間には常に同じ波形の第1溝が形成される。そのため、保持シール材の第1主面に力がかかっても、どの区画においても同じように力を減少させ、分散させることができる。
このように、第1溝が、第1方向に沿って同形状の曲線が繰り返すことにより形成されている本発明の保持シール材としては、以下の図5に示す保持シール材があげられる。
図5は、第1溝が、第1方向に沿って同形状の曲線が繰り返すことにより形成されている本発明の保持シール材の一例を模式的に示す平面図である。
図5に示す保持シール材10では、第1溝22は、第1方向22aに沿って同形状の曲線Cが繰り返すことにより形成されている。
また曲線Cの繰り返しの間隔は、隣接する第2溝23同士の間隔と同じである。
本発明の保持シール材では、第2溝は、第2方向に沿って同形状の曲線が繰り返すことにより形成されていてもよく、同形状の曲線の繰り返しの間隔は、隣接する第1溝同士の間隔と同じであってもよい。
第2溝が、同形状の曲線が繰り返すことによりに形成されている場合、保持シール材に発生する応力を分散させやすくなる。また、保持シール材にシワが発生する場合、シワは直線的に通常は形成されるが、溝を曲線にする事でシワも溝に沿って曲線状に形成される。そのため、シワにかかる圧力や応力が曲線によって分散され、結果、保持シール材に大きなシワや亀裂等が発生することを防止することができる。
また、同形状の曲線の繰り返しの間隔が、隣接する第1溝同士の間隔と同じであると、第1溝同士の間には常に同じ波形の第2溝が形成される。そのため、保持シール材の第1主面に力がかかっても、どの区画においても同じように力を減少させ、分散させることができる。
本発明の保持シール材は、さらに有機バインダを含み、第1溝及び第2溝は、無機繊維が圧縮され、有機バインダにより固定されることにより形成されていることが望ましい。
無機繊維が圧縮され、有機バインダにより固定されることにより第1溝及び第2溝が形成されていると、第1溝及び第2溝において無機繊維が切断されない。
保持シール材において、無機繊維を切断することにより第1溝及び第2溝を形成すると、保持シール材が用いられた巻付体をケーシングに配置する際や、保持シール材が用いられた排ガス浄化装置により排ガスを浄化する際に、圧力が切断部分にかかり、第1溝又は第2溝を起点に保持シール材に亀裂が発生する場合がある。
一方、無機繊維が圧縮されることにより第1溝及び第2溝が形成されていると、第1溝及び第2溝の無機繊維は絡みあっているので、亀裂の起点になりにくくなる。
本発明の保持シール材が有機バインダを含む場合、有機バインダの種類は、特に限定されないが、ゴム系樹脂、スチレン系樹脂、シリコーン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン樹脂等が挙げられる。
ここで有機バインダは、エマルジョンで無機繊維に添着させてもよい。また、保持シール材には、有機バインダの代替として有機繊維が含まれていてもよい。
本発明の保持シール材が有機バインダを含む場合、有機バインダの含有量は、保持シール材の全量に対して固形分換算で2〜10重量%であることが望ましい。
本発明の保持シール材では、第1溝の進行方向に垂直な断面形状は、U字型又は凹型であり、第2溝の進行方向に垂直な断面形状は、U字型又は凹型であることが望ましい。
U字型又は凹型の第1溝及び第2溝は、保持シール材の無機繊維を圧縮することにより容易に形成することができる。また、U字型や凹型の溝は、無機繊維を切断することにより形成した溝と違い、溝で形成された区画間に空間を形成する事ができる。
また、さらに望ましくはU字型である。溝の断面形状がU字型であると溝の断面に角部がないため、角部に応力が集中して亀裂が発生することを防止する。
本発明の保持シール材では、保持シール材が、250〜700℃で加熱されると、有機バインダが分解され、保持シール材が膨張し、第1溝及び第2溝が消失することが望ましい。有機バインダが分解される温度は、250〜600℃であることがより望ましく、275〜350℃であることがさらに望ましい。
本発明の保持シール材は、排ガス浄化装置に用いられる。排ガス浄化装置により排ガスを浄化する際、保持シール材に第1溝及び第2溝があると、これらの溝から排ガスが漏れる場合がある。
しかし、保持シール材が、250〜700℃で加熱されることにより、有機バインダが分解されて、繊維同士の結束力が低下するため、保持シール材が膨張し、さらには有機バインダにより固定された第1溝及び第2溝が消失すると、排ガスが漏れることを防止することができる。
また、排ガス浄化装置には、通常、250〜700℃の排ガスが到達する。そのため、本発明の保持シール材を排ガス浄化装置に用いると、排ガス浄化装置の初期作動時に自然に第1溝及び第2溝が消失する。
なお、第1溝及び第2溝の消失温度は、室温や排ガス浄化装置を製造する作業時の温度では第1溝及び第2溝は消失せず、排ガス浄化装置の初期作動時での排ガス温度で消失する温度であることが望ましい。
本発明の保持シール材では、第2主面には、第3方向に沿って並列する第3溝と第4方向に沿って並列する第4溝とにより形成される第2主面の格子状の溝が形成されていることが望ましい。
第2主面に第3溝と第4溝とが形成されていると、保持シール材を排ガス処理体に巻き付けて巻付体として、巻付体をケーシングに配置する際に外部から力を受けても、第2主面の格子状の溝で区切られた各区画は、溝によって形成された空間内を動くことで、受けた力を分散させ、近隣の区画には力が減少した状態で分散される。そのため、保持シール材の一部に圧力や応力が集中しにくくなり、保持シール材に大きなシワや亀裂等が発生しにくくなる。
また、第3方向と第4方向とが異なる方向であると、保持シール材の第2主面にどのような方向の力がかかったとしても力を分散させやすくなる。
さらに、第2主面に、格子状の溝が形成されていると、保持シール材の第1主面及び第2主面の両主面に格子状の溝が形成されていることになる。そのため、保持シール材の第1主面又は第2主面に力がかかったとしても、反対側の主面に力を分散させることができ、どちらかの面のみに力がかかることはなく、破損や割れが発生することを抑制することができる。
本発明の保持シール材では、第3方向と、第4方向とが形成する角の角度は、90°であることが望ましい。
第3方向と第4方向とがなす角度が90°である場合、どのような方向の力を受けても、効率よく力を減少させ、分散させることができる。
第2主面に格子状の溝が形成された本発明の保持シール材としては、以下の図6に示す保持シール材があげられる。
図6は、第2主面に格子状の溝が形成された本発明の保持シール材の第2主面の一例を模式的に示す模式図である。
図6に示す保持シール材10では、第2主面30に、格子状の溝31が形成されており、第2主面30の格子状の溝31は、第3方向32aに沿って並列する第3溝32と、第3方向32aと異なる第4方向33aに沿って並列する第4溝33とが交差することにより形成されている。
そして、第3方向32aと第4方向33aとがなす角度Bは90°である。
本発明の保持シール材では、第3溝の幅は、保持シール材の第2主面に連続した溝が2つ以上形成することができれば、本発明の効果は得られるため、特に限定はされないが、0mmを超え、8mm以下であることが望ましく、0.5〜4.0mmであることがより望ましい。
第3溝に幅がない場合は、保持シール材の第2主面が力を受けた際、格子状の溝により形成される区画の移動できる範囲が抑制されやすくなる。そのため、保持シール材にかかる力が分散されにくくなる。
第3溝の幅が8mmを超える場合、保持シール材の第2主面の表面積が小さくなりすぎる。そのため、保持シール材の摩擦抵抗が小さくなり、本発明の保持シール材を用いて排ガス浄化装置を製造する際や、使用する際に、排ガス処理体が脱落しやすくなる。
本発明の保持シール材では、第4溝の幅は、0mmを超え、8mm以下であることが望ましく、0.5〜4.0mmであることがより望ましい。
第4溝に幅がない場合は、保持シール材の第2主面が力を受けた際、格子状の溝により形成される区画の移動できる範囲が抑制されやすくなる。そのため、保持シール材にかかる力が分散されにくくなる。
第4溝の幅が8mmを超える場合、保持シール材の第2主面の表面積が小さくなりすぎる。そのため、保持シール材の摩擦抵抗が小さくなり、本発明の保持シール材を用いて排ガス浄化装置を製造する際や、使用する際に、排ガス処理体が脱落しやすくなる。
また、外部より力を受けた際、ケーシングや排ガス処理体の形状(円筒断面でなく、楕円や異形状断面など)によっては保持シール材表面での力の分散がスムーズに行われず、力が分散しない箇所が発生する場合がある。その際は、第4溝の幅を第1〜3溝の幅より小さくする事で力を分散させることが可能となる。
本発明の保持シール材では、第3溝の深さは、特に限定されないが、保持シール材の厚みに対して5〜45%の深さであることが望ましい。
第3溝の深さが保持シール材の厚みに対して5%未満である場合は、保持シール材の第2主面が力を受けた際、格子状の溝により形成される区画の移動できる範囲が抑制されやすくなる。そのため、保持シール材にかかる力が分散されにくくなる。
第3溝の深さが保持シール材の厚みに対して45%を超える場合、保持シール材の厚みに対する第3溝の深さが深くなるので、保持シール材の強度が弱くなり、破損しやすくなる。
本発明の保持シール材では、第4溝の深さは、特に限定されないが、保持シール材の厚みに対して5〜45%の深さであることが望ましい。
第4溝の深さが保持シール材の厚みに対して5%未満である場合は、保持シール材の第2主面が力を受けた際、格子状の溝により形成される区画の移動できる範囲が抑制されやすくなる。そのため、保持シール材にかかる力が分散されにくくなる。
第4溝の深さが保持シール材の厚みに対して45%を超える場合、保持シール材の厚みに対する第4溝の深さが深くなるので、保持シール材の強度が弱くなり、破損しやすくなる。
また、外部より力を受けた際、ケーシングや排ガス処理体の形状(円筒断面でなく、楕円や異形状断面など)によっては保持シール材表面での力の分散がスムーズに行われず、力が分散しない箇所が発生する場合がある。その際は、第4溝の深さを第1〜3溝の深さより小さくする事で力を分散させることが可能となる。
本発明の保持シール材では、隣り合う第3溝同士の間隔は、保持シール材の第2主面に連続した溝が2つ以上形成することができれば、本発明の効果は得られるため、特に限定されないが、0.7〜10mmであることが望ましく、1.5〜5.0mmであることがより望ましく、2.5〜3.5mmであることがさらに望ましい。
隣り合う第3溝同士の間隔が0.7mm未満であると、以下の理由により、保持シール材の第2主面の強度が弱くなり、保持シール材が破損しやすくなる。
まず、隣り合う第3溝同士の間隔が狭くなると、格子状の溝により形成される区画一つあたりの面積が小さくなる。区画一つあたりの面積が小さくなると、区画を形成する無機繊維の量が少なくなり、無機繊維同士の交絡の数も少なくなる。その結果、区画の強度が弱くなる。隣り合う第3溝同士の間隔が0.7mm未満であると、上記理由により区画の強度が弱くなりすぎる。その結果、保持シール材の第2主面の強度が弱くなり、保持シール材が破損しやすくなる。
隣り合う第3溝同士の間隔が10mmを超えると、間隔が広すぎるので力を充分に分散させにくくなる。そのため、保持シール材の第3主面に局所的な力がかかりやすくなる。
本発明の保持シール材において、隣り合う第4溝同士の間隔は、保持シール材の第2主面に連続した溝が2つ以上形成することができれば、本発明の効果は得られるため、特に限定されないが、0.7〜10mmであることが望ましく、1.5〜5.0mmであることがより望ましく、2.5〜3.5mmであることがさらに望ましい。
隣り合う第4溝同士の間隔が0.7mm未満であると、以下の理由により、保持シール材の第2主面の強度が弱くなり、保持シール材が破損しやすくなる。
まず、隣り合う第4溝同士の間隔が狭くなると、格子状の溝により形成される区画一つあたりの面積が小さくなる。区画一つあたりの面積が小さくなると、区画を形成する無機繊維の量が少なくなり、無機繊維同士の交絡の数も少なくなる。その結果、区画の強度が弱くなる。隣り合う第4溝同士の間隔が0.7mm未満であると、上記理由により区画の強度が弱くなりすぎる。その結果、保持シール材の第2主面の強度が弱くなり、保持シール材が破損しやすくなる。
隣り合う第4溝同士の間隔が10mmを超えると、間隔が広すぎるので力を充分に分散させにくくなる。そのため、保持シール材の第2主面に局所的な力がかかりやすくなる。
また、外部より力を受けた際、ケーシングや排ガス処理体の形状(円筒断面でなく、楕円や異形状断面など)によっては保持シール材表面での力の分散がスムーズに行われず、力が分散しない箇所が発生する場合がある。その際は、第4溝の間隔を第1〜3溝の間隔より小さくする事で力を分散させることが可能となる。
ここで、溝の幅、深さ及び間隔の計測について以下に記載する。
まず、保持シール材の溝が形成されている箇所を100mm角で打抜くことで、溝が形成された計測サンプルを採取する。次いで、採取したサンプルに熱硬化性の樹脂を流し込み、ブロック状に固定させる。樹脂を流し込む際、樹脂を保持シール材内部に浸透させるため、室内気圧の1/10程度の低圧環境下で浸透させた後、100℃の乾燥機で樹脂を硬化させて、硬化樹脂ブロック内に打ち抜かれた100mm角の保持シール材が包み込まれた状態とする。そして、硬化樹脂から繊維を欠落させないようにミクロトームによって、計測する溝の断面を慎重に削っていく。その後、SEMによって断面を100倍で適宜デジタル計測する。測定する装置としては、例えば、キーエンス社製のVHX−5000を使用することができる。
決定した倍率で、対象となる溝の異なる場所を3箇所取り出し、その平均を対象となる溝の計測値とする。
本発明の保持シール材では、第3溝は、第3方向に沿って同形状の曲線が繰り返すことにより形成されていてもよく、同形状の曲線の繰り返しの間隔は、隣接する第4溝同士の間隔と同じであってもよい。
また、本発明の保持シール材では、第4溝は、第4方向に沿って同形状の曲線が繰り返すことにより形成されていてもよく、同形状の曲線の繰り返しの間隔は、隣接する第3溝同士の間隔と同じであってもよい。このようにすることで、さらにシワや亀裂を抑制することができる。
本発明の保持シール材は、さらに有機バインダを含み、第3溝及び第4溝は、無機繊維が圧縮され、有機バインダにより固定されることにより形成されていることが望ましい。
無機繊維が圧縮され、有機バインダにより固定されることにより第3溝及び第4溝が形成されていると、第3溝及び第4溝において無機繊維が切断されない。
保持シール材において、無機繊維を切断することにより第3溝及び第4溝を形成すると、保持シール材が用いられた巻付体をケーシングに配置する際や、保持シール材が用いられた排ガス浄化装置により排ガスを浄化する際に、圧力が切断部分にかかり、第3溝又は第4溝を起点に保持シール材に亀裂が発生する場合がある。
一方、無機繊維が圧縮されることにより第3溝及び第4溝が形成されていると、第3溝及び第4溝の無機繊維は絡みあっているので、亀裂の起点になりにくくなる。
本発明の保持シール材では、第3溝の進行方向に垂直な断面形状は、U字型又は凹型であり、第4溝の進行方向に垂直な断面形状は、U字型又は凹型であることが望ましい。
U字型又は凹型の第3溝及び第4溝は、保持シール材の無機繊維を圧縮することにより容易に形成することができる。また、U字型や凹型の溝は、無機繊維を切断することにより形成した溝と違い、溝で形成された区画間に空間を形成する事ができる。また、U字型がさらに望ましく、断面形状に角部がないため、角部への応力集中が発生しない。したがって、溝による亀裂を抑制できる。
本発明の保持シール材では、保持シール材が、250〜700℃で加熱されると、有機バインダが分解され、保持シール材が膨張し、第3溝及び第4溝が消失することが望ましい。有機バインダが分解される温度は、250〜600℃であることが望ましく、275〜350°であることがさらに望ましい。
本発明の保持シール材は、排ガス浄化装置に用いられる。排ガス浄化装置により排ガスを浄化する際、保持シール材に第3溝及び第4溝があると、これらの溝から排ガスが漏れる場合がある。
しかし、保持シール材が、250〜700℃で加熱されることにより、有機バインダが分解されて、繊維同士の結束力が低下するため、保持シール材が膨張し、さらには有機バインダにより固定された第3溝及び第4溝が消失すると、排ガスが漏れることを防止することができる。
また、排ガス浄化装置には、通常、250〜700℃の排ガスが到達する。そのため、本発明の保持シール材を排ガス浄化装置に用いると、排ガス浄化装置の初期作動時に自然に第3溝及び第4溝が消失する。第3溝及び第4溝の消失温度は、室温や排ガス浄化装置を製造する作業時の温度では第3溝及び第4溝は消失せず、排ガス浄化装置の初期作動時での排ガス温度で消失する温度であることが望ましい。
本発明の保持シール材では、第1主面の格子状の溝の深さは、第2主面の格子状の溝の深さよりも深いことが望ましい。
保持シール材の格子状の溝の深さが深いと、圧力を受けた際の区画の移動量が大きくなり、保持シール材にかかる力を減少させることができる。
通常、本発明の保持シール材は、保持シール材の第2主面が、排ガス処理体の表面と接するように巻き付けられ巻付体とされる。また、保持シール材には厚みがあるので、内外周差が生じる。この内外周差は、保持シール材の外側の主面、すなわち、第1主面に強い引張力を発生させることになる。さらに、巻付体をケーシングに配置する際には、外側から力が加えられることになるので、保持シール材の第1主面の方が大きな圧力を受けることになる。第1主面の格子状の溝の深さが、第2主面の格子状の溝の深さよりも深いと、保持シール材の第1主面に強い力を受けたとしても、力を減少させて、分散させることができる。また、格子状の溝の深さによって第1主面と第2主面とを識別する事ができるので、保持シール材を排ガス処理体へ巻き付ける際に、排ガス処理体へ接触させる保持シール材の主面の間違いを防ぐことができる。
また、溝の深さが深いと、保持シール材表面に形成された区画は、深さに比例して移動することができるため、保持シール材の摩擦抵抗は低下する。第2主面よりも第1主面の溝の深さが深いことによって、第1主面の摩擦抵抗を低下させることができ、ケーシング内へ容易に圧入することができる。さらには第2主面の摩擦抵抗は高いため、排ガス処理体をずらさずに保持することができる。
本発明の保持シール材では、隣り合う第1溝同士の間隔及び隣り合う第2溝同士の間隔よりも、隣り合う第3溝同士の間隔及び隣り合う第4溝同士の間隔の方が狭いことが望ましい。
通常、本発明の保持シール材は、保持シール材の第2主面が、排ガス処理体の表面と接するように巻き付けられ巻付体とされる。保持シール材には厚みがあるので、内外周差が生じる。この内外周差は、保持シール材の内側の主面、すなわち、第2主面に圧縮応力を発生させることになる。この圧縮応力により、保持シール材の第2主面には、シワが発生しやすくなる。また、第2主面に発生するシワは、わずかな局所的な圧縮応力で発生するので、第2主面には、小さなシワが多数発生しやすい。
隣り合う第1溝同士の間隔及び隣り合う第2溝同士の間隔よりも、隣り合う第3溝同士の間隔及び隣り合う第4溝同士の間隔の方が狭いと、第1主面の格子状の溝により形成される区画の数より、第2主面の格子状の溝により形成される区画の数の方が多くなる。区画が多いほど、局所的に発生するに力を分散しやすくなるので、第2主面に圧縮応力が生じたとしても、その圧縮応力を好適に分散させることができ、小さなシワが多数発生することを抑制することができる。
本発明の保持シール材は、抄造法により製造されてなることが望ましい。
抄造法により保持シール材を製造すると、容易に広範囲の目付量の保持シール材を製造することができる。また、格子状の溝を形成しやすくなる。また、抄造法で繊維を解きほぐす際に、無機繊維の繊維長を調整することができるため、最適な溝を形成することができる。
本発明の保持シール材では、保持シール材を構成する無機繊維は、アルミナ繊維、シリカ繊維、ガラス繊維及び生体溶解性繊維からなる群から選択される少なくとも1種を含むことが望ましい。
無機繊維が、アルミナ繊維、シリカ繊維及びガラス繊維の少なくとも1種である場合には、耐熱性に優れているので、保持シール材が高温になった場合であっても、変質等が発生することはなく、保持シール材としての機能を充分に維持することができる。また、無機繊維が生体溶解性繊維である場合には、保持シール材を用いて排ガス浄化装置を製造する際に、飛散した無機繊維を吸入等しても、生体内で溶解するため、作業員の健康に害を及ぼすことがない。
本発明の保持シール材では、無機繊維は、平均繊維長が0.2〜5.0mmであり、繊維径が3.0μm未満のものを実質的に含まないものであることが望ましい。
無機繊維の平均繊維長が0.2mm未満であると、無機繊維の繊維長が短すぎるため、無機繊維同士の交絡が不充分となり、保持シール材のせん断強度が低くなる。また、後述するように第1溝及び第2溝が無機繊維が圧縮されて形成されている場合には、無機繊維の反発力が強くなり、第1溝及び第2溝が形成されにくくなる。
無機繊維の平均繊維長が5.0mmを超えると、無機繊維の繊維長が長すぎるため保持シール材における無機繊維の繊維配向が保持シール材の厚み方向に対して垂直となる平面方向になりやすくなる。その結果、面圧が低下する。
なお、無機繊維は、平均繊維長が0.3〜5.0mmであることがより望ましく、0.4〜5.0mmであることがさらに望ましい。
また、無機繊維の繊維径が3.0μm未満であると、無機繊維が細く切れやすいので、無機繊維の引っ張り強度が不充分となる。
さらに、無機繊維の繊維径が3.0μm未満であると、保持シール材から無機繊維が飛散した場合、無機繊維が大気中に長時間滞留するので、環境負荷の観点からこれを含まないことが望ましい。
「繊維径が3.0μm未満のものを実質的に含まない」とは、全無機繊維の重量に対し繊維径が3.0μm未満の無機繊維の重量が、0.001重量%未満であることを意味する。
そして、無機繊維の平均繊維径は3.5〜15μmであることが望ましい。無機繊維の平均繊維径が3.5μm未満であると、保持シール材内で繊維同士が絡み合えないため、保持シール材の引張強度が弱くなりやすく、割れやすくなる。
また、無機繊維の平均繊維径が15μmを超えると、溝形成時に屈曲した繊維は、繊維径が太いために折れやすくなり、保持シール材の強度が低下しやすくなる。
本発明の保持シール材では、保持シール材の厚みは、2.0〜30mmであることが好ましい。
保持シール材の厚みが30mmを超えると、保持シール材の柔軟性が失われるので、保持シール材を排ガス処理体に巻き付ける際に扱いづらくなる。また、保持シール材に巻きジワや割れが生じやすくなる。
保持シール材の厚みが2.0mm未満であると、保持シール材の面圧が排ガス処理体を保持するのに充分でなくなる。そのため、排ガス処理体が抜け落ちやすくなる。また、排ガス処理体に体積変化が生じた場合、保持シール材は排ガス処理体の体積変化を吸収しにくくなる。そのため、排ガス処理体にクラック等が発生しやすくなる。
本発明の保持シール材では、保持シール材の目付量(単位面積当たりの重量)は、200〜4000g/mであることが好ましく、1000〜3500g/mであることがより好ましい。
保持シール材の目付量が200g/m未満であると、保持力が充分ではなく、保持シール材の目付量が4000g/mを超えると、保持シール材の嵩が低くなりにくい。そのため、このような保持シール材を用いて排ガス浄化装置を製造する場合、排ガス処理体が脱落しやすくなる。
また、本発明の保持シール材では、保持シール材の嵩密度(巻き付ける前の保持シール材の嵩密度)は、0.10〜0.25g/cmであることが好ましく、0.10〜0.20g/cmであることがより好ましい。
保持シール材の嵩密度が0.10g/cm未満であると、無機繊維のからみ合いが弱く、無機繊維が剥離しやすいため、保持シール材の形状を所定の形状に保ちにくくなる。
また、保持シール材の嵩密度が0.25g/cmを超えると、保持シール材が硬くなるため、排ガス処理体への巻き付け性が低下し、保持シール材が割れやすくなる。
本発明の保持シール材では、保持シール材の厚み方向における無機繊維の繊維配向度指数が4以下であることが望ましく、繊維配向度指数が3以下であることがより望ましい。
無機繊維の繊維配向度指数とは、以下の方法により測定される指数のことをいう。
繊維配向度指数は、保持シール材をX線CT画像を撮影し、得られたX線画像を以下の手順で解析することによって算出することができる。
図7(a)は、本発明の保持シール材のX線CT画像を模式的に示す模式図であり、図7(b)は、図7(a)におけるX線CT画像から繊維配向度指数を算出する方法を模式的に説明する模式図であり、図7(c)は、図7(b)における無機繊維によって形成される最短距離を模式的に示した模式図である。
X線CT(ヤマト科学社製、TDM1000H−Sμ)により得られた画像を、所定の領域(縦1.2mm×横1.2mm×奥行1.2mm)で切り取る。X線CT画像は必要に応じて二値化処理等を行い、無機繊維の部分とそうでない部分とが識別可能な状態とする。
次に、繊維配向度指数を求めたい方向における上記所定領域の両端部を無機繊維が連続的に接続している箇所を抽出する。この接続箇所の一方の点を開始点Pとし、他方の点を到達点Pとする。図7(b)においては、y軸方向における繊維配向度指数を求める。
まず、PとPとを最短距離で接続する距離(最短距離ともいう)(図7(b)中、両矢印Lで示される長さ)を算出する。続いて、開始点Pと到達点Pを、無機繊維を一筆書きのように辿ることのできる最短距離(迂回距離ともいう)(図7(c)中、開始点Pから到達点Pを接続する実線部分の長さ)を算出する。迂回距離の最短距離に対する割合が、y軸方向における繊維配向度指数となる。ここでの解析はVGStudio MAX(ボリュームグラフィックス(株)製)を用いる。
上記連続箇所の抽出及び繊維配向度指数の算出を100回以上行い、平均値を取ることで、特定の方向に対する繊維配向度指数を得る。なお、開始点P及び到達点Pが異なると、繊維配向度指数を算出するのに用いる無機繊維の数は異なるため、繊維配向度指数の平均値は、以下の式(1)によって算出される。
Figure 2017031869
[ただし、σはi番目の繊維配向度指数、nは算出した繊維配向度指数の総数であって100以上の数、Nはi番目の繊維配向度指数を算出するのに用いた無機繊維の数、Nは全ての繊維配向度指数を算出するのに用いた無機繊維の総数を示す。]
上記計算式は、各繊維配向度指数を、その繊維配向度指数を得るために用いた無機繊維の数に応じて重み付けを行ったものである。
繊維配向度指数は1以上の値となる。繊維配向度指数が1であると、無機繊維はその方向に完全に配向しているといえ、数値が大きくなるにしたがって、繊維の配向の度合いが低下し、3次元配向をしている状態となる。そのため、保持シール材の強度を上げつつ、面圧を発生する。
本発明の無機繊維の繊維配向度指数が4以下であると、多くの無機繊維が保持シール材の厚み方向に配向していることになるので、保持シール材の面圧が充分に高くなる。
また、溝を形成する際に、繊維を屈曲させるには大きな力が必要となるが、維の繊維配向度指数が4以下であると、厚み方向に繊維が配向しているため、溝を形成する際は繊維を屈曲させる必要性は少なくなる。そのため、小さな力で溝を形成する事ができる。
次に、本発明の保持シール材の製造方法を説明する。
本発明の保持シール材を製造する方法は、特に限定されないが、例えば以下の方法により製造することができる。
すなわち、本発明の保持シール材は、無機繊維からなるマット材を準備するマット材準備工程と、無機繊維からなるマット材の第1主面に格子状の溝を形成する溝形成工程とを含む製造方法により製造することができる。
<マット材準備工程>
まず、無機繊維からなる平面視矩形のマット材を準備する。マット材を準備する方法は特に限定されないが、抄造法により準備することが望ましい。以下に、抄造法によるマット材を準備する方法を説明する。以下に説明する抄造法は、混合液調製ステップと、脱水ステップと、加熱加圧ステップとを含む。
<<混合液調製ステップ>>
まず、無機繊維と、無機バインダと、水とを混合し、攪拌機で撹拌することにより混合液を調製する。この際、必要に応じて有機バインダも混合することが望ましい。
無機繊維や、有機バインダとしては、上記本発明の保持シール材の説明で記載した材料を用いることが望ましい。また、無機バインダとしては、アルミナゾル、シリカゾル、エアロゲル、ヒュームドシリカ、チタン粒子等を用いることが望ましい。特に、エアロゲル、ヒュームドシリカ、チタン粒子を用いると、製造される保持シール材の断熱特性を向上させることができる。排ガス浄化装置の作動初期は、排ガス温度が低いため、保持シール材には断熱特性が求められる。エアロゲル、ヒュームドシリカ、チタン粒子を混入させると熱を反射させることができる。このような無機バインダを用いて製造した保持シール材を排ガス浄化装置に用いると、排ガス浄化装置の作動初期は温度も低いが、熱を無機バインダで反射させることができる。さらに、保持シール材には溝は形成されているため、溝で熱をさらに反射することができる。そのため、保持シール材の断熱特性が向上する。
<<脱水ステップ>>
次に、底面にろ過用のメッシュが形成された成形器に混合液を流し込んだ後に、混合液中の水を、メッシュを介して脱水することにより原料シートを作製する。
<<加熱加圧ステップ>>
次に、原料シートを加熱加圧し、マット材を作製する。また、加熱加圧の際、熱風を原料シートに通気させて乾燥する熱処理をしてもよく、熱処理をせずに湿潤状態としてもよい。
熱処理をする場合には、有機バインダの熱による劣化を防ぐため、加熱温度や熱風温度は100〜250℃であることが望ましい。100〜250℃の範囲においては、有機バインダの劣化を抑制しつつ、水分をマット材からとばすことができる。加熱温度や熱風温度が100℃未満の場合、マット材の中央部まで温度が伝わらず、乾燥時間が長くなる。また、250℃を超えると、有機バインダを劣化させてしまい、繊維間の拘束力を低減させるため、マット材の厚みが制御できなくなる。
以上のステップを経てマット材を準備することができる。
<溝形成工程>
次に、得られたマット材の第1主面に第1方向に沿った第1溝と、第2方向に沿った第2溝とを形成することにより、格子状の溝を形成する。この際、マット材の幅方向に対する第1方向の角度が、50〜85°となるようにする。
格子状の溝を形成する方法としては、特に限定されないが、例えば、マット材の第1主面をカッター等で切り無機繊維を切断することにより形成してもよい。
また、マット材に有機バインダが含まれている場合には、金型又はメッシュを用いて加熱加圧することによりマット材の第1主面に格子状の溝を形成してもよい。このように格子状の溝を形成する場合には、マット材は湿潤状態であることが望ましい。また、マット材が湿潤状態である場合には、本工程後、熱処理によりマット材を乾燥させてもよい。金型又はメッシュを用いてマット材の第1主面に格子状の溝を形成する場合には、上記加熱加圧ステップを行う際に、同時に格子状の溝を形成してもよい。
このような金型としては、例えば、網状の金型、格子状の溝を形成するための凸部が形成された板状の金型等があげられる。
網状の金型を用いてマット材の第1主面に格子状の溝を形成する場合について図面を用いて説明する。
図8(a)及び(b)は、本発明の保持シール材の製造方法において、網状の金型を用いて格子状の溝を形成する工程の一例を模式的に示す模式図である。
図8(a)に示すように、マット材15の第1主面20に格子状の溝を形成するには、まず、マット材15の第2主面30が下になるようにマット材15をプレス機80の台座に載置し、マット材15の第1主面20と、プレス機80との間に網状の金型90を挟む。
その後、図8(b)に示すように、プレス機80にて、マット材15を加熱加圧することにより、第1主面20に格子状の溝が形成された本発明の保持シール材を製造することができる。
以上の工程を経て本発明の保持シール材を製造することができる。
また、このように保持シール材を製造した後に、保持シール材の第2主面に格子状の溝を形成してもよい。
保持シール材の第2主面に格子状の溝を形成する方法としては、上記溝形成工程と同じ方法を用いることができる。
次に、本発明の保持シール材の使用方法について説明する。
上記の通り、本発明の保持シール材は、排ガス浄化装置に用いられる。
排ガス浄化装置は、排ガスを処理するための排ガス処理体と、排ガス処理体を収容するケーシングと、排ガス処理体とケーシングとの間に介在する本発明の保持シール材とからなる。本発明の保持シール材が用いられた排ガス浄化装置は、本発明の排ガス浄化装置でもある。
本発明の排ガス浄化装置を製造する際には、本発明の保持シール材を、保持シール材の第2主面が排ガス処理体に直接接するように巻き付け巻付体を製造する巻付体製造工程と、前記巻付体をケーシングに収容する収容工程とを行う。
<巻付体製造工程>
本発明の保持シール材は、排ガス処理体に巻き付けられ、巻付体とされる。この際、保持シール材の第2主面が排ガス処理体の表面と接触するようにされる。なお、このように製造された巻付体は本発明の巻付体でもあり、このように巻付体を製造する方法は、本発明の巻付体の製造方法でもある。
本発明の巻付体は、ハニカム構造を有する柱状の排ガス処理体に、上記本発明の保持シール材が巻き付けられた巻付体であって、上記排ガス処理体の表面と、上記保持シール材の第2主面とが接していることを特徴とする。
本発明の巻付体は、排ガス処理体に上記本発明の保持シール材が巻き付けられているので、巻付体をケーシングに圧入する際に、保持シール材の第1主面に圧力がかかった場合でも、溝周辺が動くことで圧力を分散させることができ、シワの発生を抑制することができる。
また、保持シール材が、250〜700℃で加熱されると、保持シール材が膨張し、第1溝及び第2溝が消失する場合、250〜700℃で加熱されると、第1溝及び第2溝が消失するので、本発明の巻付体が用いられた排ガス浄化装置の初期作動時において、第1溝及び第2溝は消失する。その結果、保持シール材とケーシングとの間の摩擦抵抗は大きくなり、ケーシング内において保持シール材が排ガス処理体を保持する力が強くなる。したがって、本発明の巻付体に含まれる排ガス処理体を確実に保持することができる。
また、第2主面に第3溝及び第4溝が形成されており、保持シール材が、250〜700℃で加熱されると、保持シール材が膨張し、第3溝及び第4溝が消失する場合、250〜700℃で加熱により第3溝及び第4溝が消失し、その結果、保持シール材と排ガス処理体との間の摩擦抵抗は大きくなり、さらにケーシング内において保持シール材が排ガス処理体を保持する力が強くなる。
排ガス処理体としては、金属ハニカム体や、セラミックハニカム体を用いることができる。これらの中では、セラミックハニカム体を用いることが望ましい。
排ガス処理体が、セラミックハニカム体の場合、その素材は、炭化ケイ素質及び窒化ケイ素質等の非酸化物、並びに、コージェライト及びチタン酸アルミニウム等の酸化物を用いることができる。これらのうち、特に、炭化ケイ素質又は窒化ケイ素質等の非酸化物多孔質焼成体であることが好ましい。
またその形状としては、多数のセルがセル壁を隔てて長手方向に並設された柱状のものであってもよい。
このような形状の排ガス処理体の例としては図9に示す排ガス処理体があげられる。
図9は、本発明の巻付体に含まれる排ガス処理体の一例を模式的に示す斜視図である。
図9に示す排ガス処理体は、多数のセル51がセル壁52を隔てて長手方向に並設された柱状のものある。
排ガス処理体は、セルのいずれかの端部が、封止材により封止されていてもよい。セルのいずれかの端部が封止材により封止されていると、排ガス処理体はフィルタとして機能するのでPMを捕集するのに適した形状となる。
排ガス処理体には、排ガスを浄化するための触媒を担持させてもよく、担持させる触媒としては、例えば、白金、パラジウム、ロジウム等の貴金属が好ましく、この中では、白金がより好ましい。また、その他の触媒として、例えば、カリウム、ナトリウム等のアルカリ金属、バリウム等のアルカリ土類金属を用いることもできる。これらの触媒は、単独で用いても良いし、2種以上併用しても良い。これら触媒が担持されていると、PMを燃焼除去しやすくなり、有毒な排ガスの浄化も可能になる。
排ガス処理体は、コージェライト等からなり、一体的に形成された一体型ハニカム構造体であってもよく、あるいは、炭化ケイ素等からなり、多数の貫通孔が隔壁を隔てて長手方向に並設された柱状のハニカム焼成体を主にセラミックを含むペーストを介して複数個結束してなる集合型ハニカム構造体であってもよい。
<収容工程>
次に、巻付体をケーシングに収容する。
ケーシングは、ステンレス等の金属からなることが望ましい。
その形状は、両端部の内径が中央部の内径よりも小さい略円筒状であってもよいし、内径が一定である略円筒状であってもよい。
ケーシングの内径(巻付体を収容する部分の内径)は、巻付体の直径より若干短くなっていることが望ましい。ケーシングの内径が、巻付体の直径より若干短いと、巻付体はしっかりと押さえつけられるので、排ガス浄化装置の使用時に、排ガス処理体が脱落しにくくなる。
収容工程では、上記のように圧入方法により巻付体をケーシングに圧入して製造してもよく、サイジング法により製造してもよい。
サイジング法により排ガス浄化装置を製造する場合には、本発明の巻付体を、巻付体の外径よりも内径が大きい円筒状のケーシング内に配置し、ケーシングの周囲に対して均等に圧力をかけ、ケーシングを小さくしてケーシングの内壁と巻付体との隙間を塞ぎ、巻付体を固定することにより製造することができる。サイジング装置へ巻付体を配置する際に、位置精度が悪く、所定位置から巻付体がずれた場合、ケーシングの周囲に対し均等に圧力がかかったとしても、巻付体には不均一に圧力がかかる。この際、保持シール材に局所的な圧縮応力が発生する場合があるが、本発明の巻付体は、本発明の保持シール材が用いられている。そのため、保持シール材の主面に発生する局所的な圧縮応力を分散させることができ、保持シール材に局所的なシワ等が発生することを防止することができる。
以下、本発明の保持シール材について作用効果を記載する。
(1)本発明の保持シール材の第1主面には、格子状の溝が形成されている。
つまり、保持シール材の第1主面の表面は連続しておらず、格子状の溝に区切られた多数の区画により形成されているといえる。そのため、保持シール材の第1主面にある区画がケーシング等より力を受けたとしても、格子状の溝によって形成された空間により、区画は動くことができるようになる。すなわち、区画が動くことで保持シール材が受けている力を分散させ、保持シール材に局所的にかかる力を小さくする事ができる。また、力を受けた区画が動くことで、近隣の区画へ力を伝播させたとしても、力が分散されて小さくなっているので、溝がない保持シール材と比較すると影響は小さい。
さらに、本発明の保持シール材に大きな力がかかり、区画が動ける範囲の限界まで動き、このような区画が隣り合って複数生じたとき、その区画周辺が盛り上がってシワが発生する場合がある。このようなシワが発生したとしても、本発明の保持シール材では第1主面に格子状の溝が形成されているため、力が分散された状態でシワが発生することになる。その結果、保持シール材に大きなシワや亀裂等が発生しにくくなる。また、保持シール材にシワが発生したとしても、そのシワの数を少なくし、シワの高さを小さくすることができる。
(2)本発明の保持シール材では、格子状の溝には、第1方向に沿って並列する第1溝と、第1方向と異なる第2方向に沿って並列する第2溝とが含まれており、保持シール材の幅方向に対する第1方向の角度は、50〜85°である。
本発明の保持シール材は、排ガス浄化装置に用いられる。排ガス浄化装置を製造する際には、本発明の保持シール材は、排ガス処理体に巻き付けられ、巻付体とされ、その後、巻付体は、圧入方法によりケーシングに配置されることになる。圧入方法における巻付体の圧入方向と、保持シール材の幅方向とは一致することになる。
保持シール材の幅方向に対する第1方向の角度が50°未満であると、圧入方向に対し第1溝が平行に近づくので、圧入方向の圧入圧力が第1溝に沿って、せん断力が発生し易くなり、第1溝が起点となり保持シール材に亀裂が発生しやすくなる。
また、保持シール材の幅方向に対する第1方向の角度が85°を超えると、圧入方向に対し第1の方向が垂直に近づく。保持シール材の第1主面の格子状の溝で区切られた各区画は、圧入する際のケーシングの端部で溝が引っ掛かるため、保持シール材の幅方向に発生する圧入による力は分散されにくくなる。その結果、保持シール材に大きなシワや亀裂等が発生しやすくなる。
また、保持シール材にシワが発生する場合には、そのシワは、格子状の溝に沿って発生しやすい。保持シール材の幅方向に対する第1方向の角度が、50〜85°であると、保持シール材にシワが発生したとしても、シワが発生する方向は、圧入方向に対して、平行にも垂直にもなりにくい。そのため、保持シール材に亀裂等が発生しにくい。
(実施例)
以下に実施例を掲げ、本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されない。
(実施例1)
(1)マット材準備工程
(1−1)混合液調製ステップ
まず、塩基性塩化アルミニウム水溶液に対して、焼成後の無機繊維における組成比が、Al:SiO=72:28(重量比)となるようにシリカゾルを配合し、さらに、有機重合体(ポリビニルアルコール)を適量添加して混合液を調製した。
得られた混合液を濃縮して紡糸用混合物とし、この紡糸用混合物をブローイング法により紡糸して無機繊維前駆体を作製した。次に、得られた無機繊維前駆体を圧縮し、連続したシート状物を作製した。その後シート状物を加熱炉内に配置し、焼成処理を行うことにより、無機繊維集合体を製造した。
次に、無機繊維集合体から、ミキサーを用いて湿式開繊し、繊維に対して固形分換算で9重量%の有機バインダ、繊維に対して固形分換算で1重量%の無機バインダを加え、さらに撹拌した。その後、凝集剤を加えて攪拌することにより、混合液を調製した。
(1−2)脱水ステップ
次に、底面にろ過用のメッシュが形成された成形器に混合液を流し込んだ後、混合液中の水をメッシュを介して脱水することにより、原料シートを作製した。
(1−3)加熱加圧ステップ
続いて、得られた原料シートを成形器から取り出し、プレス機を用いて厚みが8mmとなるように圧縮すると同時に、熱板と熱風通気によって、いずれも150℃で乾燥させることにより、マット材を作製した。その際、目付量が1500g/mとなるように繊維量を調整してある。
(2)溝形成工程
マット材の第1主面に幅方向に対し70°となる方向に沿って、カッターを用いて無機繊維を切断することにより並列する第1溝を形成した。
その後、マット材の第1溝に対し80°となる方向に沿って、カッターを用いて無機繊維を切断することにより並列する第2溝を形成した。
その後、マット材を、長さ×幅=405mm×150mmとなるように裁断し、実施例1に係る保持シール材を製造した。
実施例1に係る保持シール材では、隣り合う第1溝同士の間隔は、2mmであった。また、第1溝の深さは、0.9mmであった。
隣り合う第2溝同士の間隔は、2mmであった。また、第2溝の深さは、0.9mmであった。
(実施例2)
実施例1と同様に、(1−1)混合液調製ステップ及び(1−2)脱水ステップを行った後、格子状の溝を形成するための網状の金型を、プレス機と湿潤状態の原料シートとの間に挟み、原料シートの厚みが8mmとなるように圧縮すると同時に、150℃で加熱乾燥した。
得られた原料シートを、長さ×幅=405mm×150mmとなるように裁断し、実施例2に係る保持シール材を製造した。
実施例2に係る保持シール材では、第1方向は、保持シール材の幅方向に対し70°であり、隣り合う第1溝同士の間隔は1.9mmであり、第1溝の深さは、1mmであり、第1溝の幅は1mmであった。
また、第2方向は、第1方向に対し90°であり、隣り合う第2溝同士の間隔は1.9mmであり、第2溝の深さは、1mmであり、第2溝の幅は1mmであった。
(比較例1)及び(比較例2)
第1溝及び第2溝の方向を変化させたことを除き実施例1と同様にして比較例1及び比較例2に係る保持シール材を製造した。
比較例1に係る保持シール材では、第1方向は、保持シール材の幅方向に対し90°であり、第2方向は、第1方向に対し90°であった。
比較例2に係る保持シール材では、第1方向は、保持シール材の幅方向に対し45°であり、第2方向は、第1方向に対し90°であった。
(保持シール材の巻き付け性評価)
各実施例及び各比較例に係る保持シール材を、直径120mmの円柱状のセラミックからなる排ガス処理体に巻き付け、巻付体を製造した。その後、巻付体を、内径が123mmのステンレス製のケーシングに、圧入治具を用いて圧入した。
その後、ケーシングを切断し、保持シール材を取り出し、保持シール材の主面の状態を目視により観察し、以下の基準で評価した。評価結果を表1に示す。
○:割れは発生しておらず、シワの痕跡も観察されなかった。
△:割れは発生していないものの、シワの痕跡が観察された。
×:割れが発生していた。
Figure 2017031869
表1に示す通り、実施例1及び2に係る保持シール材では、保持シール材の巻き付け性評価において、シワの痕跡が観察されなかった。
一方、比較例1に係る保持シール材では、保持シール材の巻き付け性評価において、割れが観察され、比較例2に関わる保持シール材では、亀裂に進展する可能性が高いシワが観察された。
これらの評価から、各実施例に係る保持シール材は、保持シール材が巻き付けられた排ガス処理体である巻付体をケーシングに配置する際に、シワや亀裂が発生しにくいことが判明した。
10 保持シール材
11、12 保持シール材の短辺
11a 凹部
12a 凸部
15 マット材
20 第1主面
21 格子状の溝
22 第1溝
22a 第1方向
23 第2溝
23a 第2方向
25 区画
30 第2主面
31 格子状の溝
32 第3溝
32a 第3方向
33 第4溝
33a 第4方向
50 排ガス処理体
51 セル
52 セル壁
60 巻付体
70 ケーシング
80 プレス機
90 金型
100 排ガス浄化装置

Claims (18)

  1. 無機繊維を含む平面視矩形の保持シール材であって、
    前記保持シール材は、第1主面と、前記第1主面の反対側に位置する第2主面とを有し、
    前記第1主面には、第1方向に沿って並列する第1溝と、第2方向に沿って並列する第2溝とにより形成される第1主面の格子状の溝が形成されており、
    前記保持シール材の幅方向に対する前記第1方向の角度は、50〜85°であることを特徴とする保持シール材。
  2. 前記第1方向と、前記第2方向とがなす角度は、90°である請求項1に記載の保持シール材。
  3. 前記第1溝は、前記第1方向に沿って同形状の曲線が繰り返すことにより形成されている請求項1又は2に記載の保持シール材。
  4. 前記同形状の曲線の繰り返しの間隔は、隣接する前記第2溝同士の間隔と同じである請求項3に記載の保持シール材。
  5. 前記保持シール材は、さらに有機バインダを含み、
    前記第1溝及び前記第2溝は、前記無機繊維が圧縮され、前記有機バインダにより固定されることにより形成されている請求項1〜4のいずれかに記載の保持シール材。
  6. 前記第1溝の進行方向に垂直な断面形状は、U字型又は凹型であり、前記第2溝の進行方向に垂直な断面形状は、U字型又は凹型である請求項5に記載の保持シール材。
  7. 前記保持シール材が、250〜700℃で加熱されると、前記保持シール材が膨張し、前記第1溝及び前記第2溝が消失する請求項5又は6に記載の保持シール材。
  8. 前記第2主面には、第3方向に沿って並列する第3溝と第4方向に沿って並列する第4溝とにより形成される第2主面の格子状の溝が形成されている請求項1〜7のいずれかに記載の保持シール材。
  9. 前記第3方向と、前記第4方向とがなす角度は、90°である請求項8に記載の保持シール材。
  10. 前記第1主面の格子状の溝の深さは、前記第2主面の格子状の溝の深さよりも深い請求項8又は9に記載の保持シール材。
  11. 前記無機繊維は、アルミナ繊維、シリカ繊維、ガラス繊維及び生体溶解性繊維からなる群から選択される少なくとも1種を含む請求項1〜10のいずれかに記載の保持シール材。
  12. 前記無機繊維は、平均繊維長が0.2〜5.0mmであり、繊維径が3.0μm未満のものを実質的に含まない請求項1〜11のいずれかに記載の保持シール材。
  13. ハニカム構造を有する柱状の排ガス処理体に、請求項1〜12のいずれかに記載の保持シール材が巻き付けられた巻付体であって、
    前記排ガス処理体の表面と、前記保持シール材の第2主面とが直接接していることを特徴とする巻付体。
  14. ハニカム構造を有する柱状の排ガス処理体と、
    前記排ガス処理体を収容するケーシングと、
    前記排ガス処理体と、前記ケーシングとの間に介在する保持シール材とからなる排ガス浄化装置であって、
    前記保持シール材は、請求項1〜12のいずれかに記載の保持シール材であり、
    前記排ガス処理体の表面と、前記保持シール材の第2主面とが直接接していることを特徴とする排ガス浄化装置。
  15. 無機繊維からなる平面視矩形のマット材を準備するマット材準備工程と、
    前記マット材の第1主面に第1方向に沿った第1溝と、第2方向に沿った第2溝とを形成することにより、格子状の溝を形成する溝形成工程とを含む、請求項1〜12のいずれかに記載の保持シール材の製造方法であり、
    前記マット材準備工程では、熱処理されていない有機バインダを含む湿潤状態の前記マット材を準備し、
    前記溝形成工程では、湿潤状態の前記マット材を、金型又はメッシュを押し当てて乾燥させることで前記第1溝及び前記第2溝を形成することを特徴とする保持シール材の製造方法。
  16. 前記マット材は、抄造法により作製する請求項15に記載の保持シール材の製造方法。
  17. ハニカム構造を有する柱状の排ガス処理体に、請求項1〜12のいずれかに記載の保持シール材を、前記保持シール材の第2主面が前記排ガス処理体に直接接するように巻き付けることを特徴とする巻付体の製造方法。
  18. ハニカム構造を有する柱状の排ガス処理体に、請求項1〜12のいずれかに記載の保持シール材を、前記保持シール材の第2主面が前記排ガス処理体に直接接するように巻き付け、巻付体を製造する巻付体製造工程と、
    前記巻付体をケーシングに収容する収容工程とを含むことを特徴とする排ガス浄化装置の製造方法。
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