JP2017031254A - 樹脂組成物、硬化物、樹脂シート及び電子部品 - Google Patents

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美華 木村
修一 森
Shuichi Mori
修一 森
綾 池田
Aya Ikeda
綾 池田
真二郎 藤井
Shinjiro Fujii
真二郎 藤井
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Abstract

【課題】気密性及び硬度に優れる硬化物を得ることが可能な樹脂組成物を提供する。
【解決手段】(メタ)アクリル重合体、(メタ)アクリル単量体、及び、重合開始剤を含有し、前記(メタ)アクリル重合体が、炭素数5〜10の共役環を有し、前記(メタ)アクリル単量体が、炭素数5〜10の共役環を有する(メタ)アクリル酸単量体と、カルボキシル基、ヒドロキシル基、酸無水物基、アミノ基、アミド基、エポキシ基及びニトリル基からなる群より選ばれる少なくとも1種の官能基を有する(メタ)アクリル酸単量体と、を含む、樹脂組成物。
【選択図】なし

Description

本開示は、樹脂組成物、硬化物、樹脂シート及び電子部品に関する。
従来のCMOSイメージセンサー(CIS)は、センサー部分の保護を目的として、その周囲にリブを成形し、リブの上にカバーガラスを固定する、中空構造を成している場合がある。例えば、下記特許文献1には、マイクロレンズを備えるシリコン基板上に接着剤層及び低屈折率層を介してカバーガラスが配置された構造を有する裏面照射型CISが開示されている。特許文献1の裏面照射型CISでは、マイクロレンズを覆わないように外周側の部分に接着剤層が設けられており、当該接着剤層によって囲まれたキャビティ(空洞)に低屈折率層が充填されている。
特開2010−40621号公報
ところが、CISの小型化及び薄型化に伴って、リブ成形分の面積及び高さを充分に確保することが困難となりつつある。加えて、材料コストの削減、作業時間の短縮等についても早急な対応が求められるようになりつつある。
これらの対応策の一つとして、リブ及びカバーガラスを取り除き、エポキシ樹脂を用いて形成される硬化物(以下、「エポキシ樹脂系材料」ともいう)のみでCIS素子を覆う、ガラスレス構造が考えられる。
しかしながら、エポキシ樹脂系材料は、気密性が充分とはいえず、ガス又は水分の浸入によりCIS素子又は周辺部材が酸化劣化する恐れがある。また、硬化物の着色と硬化収縮とを抑制するために、低温から徐々に温度を上げながら、時間をかけて硬化する必要がある。さらに、カバーガラスの代替品として、CIS素子の保護が可能な厚み及び硬度が要求される。そして、より高い受光効率を得るために高屈折率が要求される。
このように、エポキシ樹脂系材料については、短時間で硬化可能であり、気密性が高く、高硬度で高屈折率を有する厚膜の透明封止材の開発がなされてきたが、実用化が困難であった。特に、気密性が高く、かつ、硬度が高い封止材の開発は非常に困難であった。
本開示の一側面は、上記事情に鑑みてなされたものであって、気密性及び硬度に優れる硬化物を得ることが可能な樹脂組成物を提供することを目的とする。また、本開示の他の一側面は、前記樹脂組成物の硬化物、並びに、前記樹脂組成物を用いた樹脂シート及び電子部品を提供することを目的とする。
本開示に係る一側面は、(メタ)アクリル重合体、(メタ)アクリル単量体、及び、重合開始剤を含有し、前記(メタ)アクリル重合体が、炭素数5〜10の共役環を有し、前記(メタ)アクリル単量体が、炭素数5〜10の共役環を有する(メタ)アクリル酸単量体と、カルボキシル基、ヒドロキシル基、酸無水物基、アミノ基、アミド基、エポキシ基及びニトリル基からなる群より選ばれる少なくとも1種の官能基を有する(メタ)アクリル酸単量体と、を含む、樹脂組成物に関する。
本開示の一側面に係る樹脂組成物によれば、特定の(メタ)アクリル重合体及び特定の(メタ)アクリル単量体を併用することにより、気密性及び硬度に優れる硬化物を得ることができる。また、本開示の一側面に係る樹脂組成物によれば、特定の(メタ)アクリル重合体及び特定の(メタ)アクリル単量体を併用することにより、以下の効果を得ることもできる。本開示の一側面に係る樹脂組成物によれば、硬化に伴う重量減少率を抑制しやすく、エポキシ樹脂系材料と比較して樹脂組成物を短時間で硬化させることができる。本開示の一側面に係る樹脂組成物によれば、透明性、屈折率及び耐熱性に優れる硬化物を得ることができる。本開示の一側面に係る樹脂組成物によれば、硬化前の樹脂組成物に適切な流動性を付与することができる。本開示の一側面に係る樹脂組成物によれば、硬化物が厚膜であっても、気密性、硬度、透明性、屈折率及び耐熱性に優れる硬化物を得ることができる。
一般に、(メタ)アクリル重合体は、高い透明性を有している傾向があるが、流動性が充分とはいえず、溶剤に溶解させて使用することが求められている。しかし、溶剤を使用すると、硬化に伴って溶剤が揮発してしまうため成形性が充分とはいえない場合があった。そこで、本発明者らは、特定の(メタ)アクリル重合体を特定の(メタ)アクリル単量体に溶解させることで流動性が向上し得ることを見出し、これにより樹脂組成物を液状材料、ポッティング材料又はインプリント材料として使用することが容易化することを見出した。
また、本発明者は、(メタ)アクリル単量体として、炭素数5〜10の共役環を有する(メタ)アクリル酸単量体、及び、特定の官能基を有する(メタ)アクリル酸単量体を併用することにより、流動性が確保されつつ、硬化後における気密性及び硬度が向上すると共に、透明性及び屈折率も向上し得ることを見出した。
さらに、炭素数5〜10の共役環を有する(メタ)アクリル重合体と、炭素数5〜10の共役環を有する(メタ)アクリル酸単量体とを併用することで、両成分の骨格が類似することから相溶性が向上し、上記特性を容易に向上できると考えられる。
本開示の一側面に係る樹脂組成物は、気密性及び硬度に優れると共に、高温高湿下に放置しても白濁しにくい。そのため、このような樹脂組成物によれば、CMOSイメージセンサー(CIS)、発光ダイオード(LED)等の光半導体の封止材料;クッション材;導光板等のディスプレイ材料;インプリントとしての表面成形材料;蛍光体シート;IRカットシート等の波長変換部材などに好適な硬化物を得ることができる。
前記(メタ)アクリル重合体は、カルボキシル基、ヒドロキシル基、酸無水物基、アミノ基、アミド基、エポキシ基及びニトリル基からなる群より選ばれる少なくとも1種の官能基を有していてもよい。
本開示の一側面に係る樹脂組成物は、25℃で液状であってもよい。
本開示の一側面に係る樹脂組成物は、ポッティング材料又はインプリント材料として用いられてもよい。
本開示に係る他の一側面は、前記樹脂組成物の硬化物に関する。
本開示に係る他の一側面は、前記樹脂組成物又はその硬化物を含む樹脂層を備える、樹脂シートに関する。
本開示に係る他の一側面は、発光素子及び受光素子のうちの一方の光素子と、当該光素子を封止する封止部材と、を備え、前記封止部材が、前記樹脂組成物の硬化物、又は、前記樹脂シートの前記硬化物を含む、電子部品に関する。前記硬化物の厚みは、0.1mm以上であってもよい。
本開示によれば、気密性及び硬度に優れる硬化物を得ることが可能な樹脂組成物を提供することができる。また、前記樹脂組成物は、透明性及び屈折率に優れる。さらに、前記樹脂組成物は、短時間での硬化が可能であるため、スループットが向上する。本開示によれば、前記樹脂組成物の硬化物、並びに、前記樹脂組成物を用いた樹脂シート及び電子部品を提供することができる。
本開示によれば、樹脂シートへの樹脂組成物又はその硬化物の使用を提供できる。本開示によれば、電子部品への樹脂組成物又はその硬化物の使用を提供できる。本開示によれば、CISへの樹脂組成物又はその硬化物の使用を提供できる。
本開示の一実施形態に係る樹脂組成物を用いたCISパッケージを示す断面図である。 本開示の一実施形態に係る樹脂組成物を用いたCISパッケージの作製工程を示す工程図である。 本開示の一実施形態に係る樹脂組成物を用いたCISパッケージの作製工程を示す工程図である。
以下、本開示の実施形態について説明するが、本開示はこれらの実施形態に何ら限定されるものではない。
本明細書において、「(メタ)アクリル」とは、「アクリル」又はそれに対応する「メタクリル」を意味する。(メタ)アクリロイル等の他の類似表現についても同様である。また、「(メタ)アクリル酸」を「(メタ)アクリレート」と記載する場合もある。
本明細書において、「高透明性」とは、樹脂組成物の硬化物における可視光の透過性(少なくとも波長400nmの可視光の透過性)が85%以上であることを意味する。「高気密性」とは、樹脂組成物の硬化物の透湿度が10g/m/24hr×t(tは硬化物の厚み。単位:mm)未満であることを意味する。「高硬度」とは、樹脂組成物の硬化物のショアD硬度が65以上であることを意味する。「高屈折率」とは、樹脂組成物の硬化物の屈折率が1.50以上であることを意味する。「厚膜」とは、樹脂組成物の硬化物の厚みが0.1mm以上であることを意味する。「耐熱性」とは、樹脂組成物の硬化物(厚み1mm)を120℃で1008時間加熱した後において可視光の透過性(少なくとも波長400nmの可視光の透過性)が良好であることを意味する。
本明細書において、「〜」を用いて示された数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値をそれぞれ最小値及び最大値として含む範囲を示す。本明細書中に段階的に記載されている数値範囲において、ある段階の数値範囲の上限値又は下限値は、他の段階の数値範囲の上限値又は下限値に置き換えてもよい。本明細書中に記載されている数値範囲において、その数値範囲の上限値又は下限値は、実施例に示されている値に置き換えてもよい。また、「層」との語は、平面図として観察したときに、全面に形成されている形状の構造に加え、一部に形成されている形状の構造も包含される。また、「工程」との語は、独立した工程だけでなく、他の工程と明確に区別できない場合であっても、その工程の所期の目的が達成されれば、本用語に含まれる。本明細書において、組成物中の各成分の含有量は、組成物中に各成分に該当する物質が複数存在する場合、特に断らない限り、組成物中に存在する当該複数の物質の合計量を意味する。また、本明細書において、「置換基」とは、例えば、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子等)、アルキル基、アリル基、エーテル基、エステル基、カルボキシル基、シアノ基などを示す。
<樹脂組成物及びその硬化物>
本実施形態に係る樹脂組成物((メタ)アクリル樹脂組成物)は、(A)(メタ)アクリル重合体(以下、場合により「(A)成分」という)、(B)(メタ)アクリル単量体(以下、場合により「(B)成分」という)、及び、(C)重合開始剤(以下、場合により「(C)成分」という)を含有する。(A)成分は、炭素数5〜10の共役環(共役環構造)を有する。(B)成分は、炭素数5〜10の共役環(共役環構造)を有する(メタ)アクリル酸単量体と、カルボキシル基、ヒドロキシル基、酸無水物基、アミノ基、アミド基、エポキシ基及びニトリル基からなる群より選ばれる少なくとも1種の官能基を有する(メタ)アクリル酸単量体と、を含む。本実施形態に係る樹脂組成物は、25℃で液状(液状材料)であってもよい。本実施形態に係る樹脂組成物は、ポッティング材料又はインプリント材料として好適に用いることができる。本実施形態に係る硬化物は、本実施形態に係る樹脂組成物を硬化して得られる硬化物である。以下、各成分について説明する。
((A)成分:(メタ)アクリル重合体)
「(メタ)アクリル重合体」とは、(メタ)アクリロイル基を分子内に少なくとも1個有する(メタ)アクリル単量体を1種で重合させて得られる構造を有する重合体(単独重合体)、前記(メタ)アクリル単量体を2種以上組み合わせて共重合させて得られる構造を有する重合体(共重合体)、又は、前記(メタ)アクリル単量体と他の単量体とを共重合させて得られる構造を有する重合体(共重合体)をいう。前記(メタ)アクリル単量体と共重合可能な単量体としては、(メタ)アクリロイル基を分子内に2個以上有する化合物;重合性不飽和結合を分子内に1個有し、かつ、(メタ)アクリロイル基を有していない重合性化合物(例えば、(メタ)アクリロニトリル、スチレン、酢酸ビニル及びアルケン(エチレン、プロピレン等));重合性不飽和結合を分子内に2個以上有し、かつ、(メタ)アクリロイル基を有していない重合性化合物(ジビニルベンゼン等)などが挙げられる。
(A)成分は、相溶性に更に優れる観点から、(A)成分の総量を基準として、(メタ)アクリロイル基を分子内に1個有する(メタ)アクリル単量体に由来する構造単位を1〜100質量%又は50〜100質量%含んでいてもよい。(A)成分は、相溶性及び保管安定性に更に優れる観点から、(A)成分の総量を基準として、(メタ)アクリロイル基を分子内に1個有する単量体に由来する構造単位を70〜100質量%含んでいてもよい。
(A)成分は、炭素数5〜10の共役環を有する(メタ)アクリル重合体を含んでいる。これにより、本実施形態に係る樹脂組成物の硬化物の気密性及び硬度を向上させることができる。また、透明性及び屈折率をも向上させることができる。特に、硬度及び屈折率を維持しながら、気密性を向上させることができる。炭素数5〜10の共役環としては、芳香環(ベンゼン環、ナフタレン環等)、複素芳香環(ピリジン環等)などが挙げられる。
炭素数5〜10の共役環を有する(メタ)アクリル重合体は、炭素数5〜10の共役環を有する構造単位を有してもよい。炭素数5〜10の共役環を有する構造単位は、下記一般式(I)で表される構造単位であってもよい。
Figure 2017031254

[式(I)中、Xは、置換基を有していてもよい炭素数5〜10の共役環を示し、Rは、水素原子又はメチル基を示す。]
この構造単位におけるXは、透明性を更に向上させる観点から、フェニル基又はナフチル基であってもよく、フェニル基であってもよい。すなわち、透明性を更に向上させる観点から、(A)成分は、スチレンに由来する構造単位を有していてもよい。
炭素数5〜10の共役環を有する(メタ)アクリル重合体は、カルボキシル基、ヒドロキシル基、酸無水物基、アミノ基、アミド基、エポキシ基及びニトリル基からなる群より選ばれる少なくとも1種の官能基を有してもよい。言い換えれば、(A)成分は、カルボキシル基、ヒドロキシル基、酸無水物基、アミノ基、アミド基、エポキシ基及びニトリル基からなる群より選ばれる少なくとも1種の官能基を有する構造単位を有してもよい。これにより、液体状態での相溶性、及び、硬化後の透明性を更に向上させることができる。この構造単位は、下記一般式(II)で表される構造単位であってもよい。
Figure 2017031254

[式(II)中、Yは、カルボキシル基、ヒドロキシル基、酸無水物基、アミノ基、アミド基、エポキシ基及びニトリル基からなる群より選ばれる少なくとも1種の官能基を有する基を示し、Rは、水素原子又はメチル基を示す。]
前記官能基は、透明性を更に向上させる観点から、カルボキシル基、ヒドロキシル基、アミノ基又はエポキシ基であってもよい。前記官能基は、基板に対する密着性を向上させる観点から、エポキシ基又はアミノ基であってもよい。前記官能基は、相溶性を更に向上させる観点から、カルボキシル基又はヒドロキシル基であってもよい。
(A)成分は、上述する構造単位以外の、その他の構造単位を有していてもよい。例えば、現像性が向上する観点から、(メタ)アクリル酸に由来する構造単位を有してもよい。(A)成分は、(メタ)アクリロイル基を有していない重合性化合物に由来する構造単位を有してもよい。空気中の水分と結合することによる着色を防ぐ観点から、(メタ)アクリロイル基を有していない重合性化合物としては、例えば、(メタ)アクリロニトリル、スチレン、酢酸ビニル及びアルケン(エチレン、プロピレン等)を使用してもよい。
(A)成分は、(B)成分のうちの少なくとも1種と同一の(メタ)アクリル単量体由来の構造単位を有していてもよい。(A)成分は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
(A)成分としては、ラジカル重合開始剤と、(メタ)アクリル単量体とを反応させて得られる重合体を用いてもよい。すなわち、ラジカル重合法を用いてもよい。これにより、透明性、耐熱性、信頼性等に影響を与え得る不純物の発生を容易に抑制できる。硬化反応がラジカル重合反応である場合、容易に短時間の硬化が達成できる。ラジカル重合開始剤としては、有機過酸化物、アゾ化合物、水溶性触媒等が挙げられる。
(A)成分の含有量は、(A)成分及び(B)成分の総量100質量部を基準として、成形性に優れる観点から、1〜80質量部であってもよく、液状材料としての作業性が向上する観点から、5〜70質量部であってもよい。
((B)成分:(メタ)アクリル単量体)
(B)成分としては、例えば、(B1)炭素数5〜10の共役環を有する(メタ)アクリル酸単量体(以下、場合により「(B1)成分」という)、(B2)カルボキシル基、ヒドロキシル基、酸無水物基、アミノ基、アミド基、エポキシ基及びニトリル基からなる群より選ばれる少なくとも1種の官能基(以下、「官能基F」という)を有する(メタ)アクリル酸単量体((B1)成分に該当する化合物を除く。以下、場合により「(B2)成分」という)、(B3)脂環基を有する単官能(メタ)アクリル単量体((B1)成分又は(B2)成分に該当する化合物を除く。以下、場合により「(B3)成分」という)、及び、(B4)多官能(メタ)アクリル単量体((B1)成分〜(B3)成分に該当する化合物を除く。以下、場合により「(B4)成分」という)が挙げられる。(B)成分は、少なくとも(B1)成分及び(B2)成分を含む。これにより、気密性及び硬度を向上させることができる。
((B1)成分:炭素数5〜10の共役環を有する(メタ)アクリル酸単量体)
(B1)成分は、炭素数5〜10の共役環を有する(メタ)アクリル酸単量体である。炭素数5〜10の共役環としては、芳香環(ベンゼン環、ナフタレン環等)、複素芳香環(ピリジン環等)などが挙げられる。共役環の炭素数が10以下であることで透明性が更に向上する傾向がある。共役環の炭素数が5以上であることで保存安定性が向上する傾向がある。(B1)成分は、複数の(メタ)アクリロイル基を有していてもよい。
(B1)成分は、炭素数5〜10の共役環を有する(メタ)アクリル酸エステルであってもよい。(B1)成分は、下記一般式(III)で表される化合物であってもよい。(B1)成分は、エステル基に結合する部分に共役環を有していてもよく、1個の(メタ)アクリロイル基を有する(メタ)アクリル酸単量体であってもよい。ここで、「エステル基に結合する部分」とは、エステル結合を含む[Z−C(=O)−O−Z]におけるZの部分を意味する。
Figure 2017031254

[式(III)中、Xは、置換基を有していてもよい炭素数5〜10の共役環を示し、nは、0〜10を示し、Rは、水素原子又はメチル基を示す。]
式(III)中、屈折率が更に向上する観点から、Xは、フェニル基又はナフチル基であってもよく、中でも、透明性及び硬化しやすさを更に向上させる観点から、フェニル基であってもよい。nは、硬化物の硬度を更に向上させる観点から、1〜10、1〜4、又は、1であってもよい。
(B1)成分のうち、アリール基(フェニル基、ナフチル基等)、ピリジン基などを有する化合物としては、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸ナフチル、(メタ)アクリル酸ピリジン、α−メチル(メタ)アクリル酸ベンジル、α−エチル(メタ)アクリル酸ベンジル、α−ブチル(メタ)アクリル酸ベンジル、α−フルオロ(メタ)アクリル酸ベンジル、α−クロロ(メタ)アクリル酸ベンジル、α−ブロモ(メタ)アクリル酸ベンジル、フルオロ(メタ)アクリル酸ベンジル、クロロ(メタ)アクリル酸ベンジル、ブロモ(メタ)アクリル酸ベンジル、(o−、m−、p−)メトキシ(メタ)アクリル酸ベンジル、(o−、m−、p−)ヒドロキシ(メタ)アクリル酸ベンジル等が挙げられる。アリール基を有する化合物としては、透明性が更に向上する観点から、(メタ)アクリル酸ベンジル及び(メタ)アクリル酸ナフチルからなる群より選ばれる少なくとも1種であってもよい。これらの成分は、オキシアルキレン基を有していてもよい。(B1)成分は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
((B2)成分:官能基Fを有する(メタ)アクリル酸単量体)
(B2)成分は、カルボキシル基、ヒドロキシル基、酸無水物基、アミノ基、アミド基、エポキシ基及びニトリル基からなる群より選ばれる少なくとも1種の官能基Fを有する(メタ)アクリル酸単量体である。(B2)成分は、官能基Fを有する(メタ)アクリル酸エステルであってもよい。
(B2)成分は、下記一般式(IV)で表される化合物であってもよい。官能基Fは、エステル基の酸素原子に直接結合していてもよい。
Figure 2017031254

[式(IV)中、Rは、水素原子又はメチル基を示し、Yは、カルボキシル基、ヒドロキシル基、酸無水物基、アミノ基、アミド基、エポキシ基及びニトリル基からなる群より選ばれる少なくとも1種の官能基Fを有する基を示す。]
透明性が更に向上する観点から、(B2)成分における官能基Fがエステル基の酸素原子に直接結合することなく、官能基Fがエステル基の酸素原子に間接的に結合していてもよい。例えば、(B2)成分は、透明性が更に向上する観点から、下記一般式(IVa)で表される化合物であってもよい。
Figure 2017031254

[式(IVa)中、R4aは、水素原子又はメチル基を示し、Y4aは、カルボキシル基、ヒドロキシル基、酸無水物基、アミノ基、アミド基、エポキシ基及びニトリル基からなる群より選ばれる少なくとも1種の官能基Fを有する基を示し、Aは、直鎖状又は分岐鎖状の脂肪族炭化水素基を示す。]
(B2)成分としては、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルコハク酸、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルフタル酸、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタル酸、2−(メタ)アクリロイルオキシプロピルヘキサヒドロフタル酸等のカルボキシル基含有(メタ)アクリル単量体(上記式(IV)においてYが、カルボキシル基を含む基である化合物);(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシブチル、シクロヘキサンジメタノールモノ(メタ)アクリレート、N−メチロール(メタ)アクリルアミド等のヒドロキシル基含有(メタ)アクリル単量体(上記式(IV)においてYが、ヒドロキシル基を含む基である化合物);無水トリメリット酸(メタ)アクリロイルオキシエチルエステル、シクロヘキサントリカルボン酸無水物(メタ)アクリロイルオキシエチルエステル等の酸無水物基含有(メタ)アクリル単量体(上記式(IV)においてYが酸無水物基を含む基である化合物);(メタ)アクリル酸ジエチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸−2,2,6,6−テトラメチルピペリジニル、(メタ)アクリル酸−1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジニル等のアミノ基含有(メタ)アクリル単量体(上記式(IV)においてYがアミノ基を含む基である化合物);(メタ)アクリルアミド、N−(メタ)アクリロイルグリシンアミド等のアミド基含有(メタ)アクリル単量体(上記式(IV)においてYがアミド基を含む基である化合物);(メタ)アクリル酸グリシジル、α−エチル(メタ)アクリル酸グリシジル、α−n−プロピル(メタ)アクリル酸グリシジル、α−n−ブチル(メタ)アクリル酸グリシジル、2−(2,3−エポキシプロポキシ)エチル(メタ)アクリレート、3−(2,3−エポキシプロポキシ)プロピル(メタ)アクリレート、4−(2,3−エポキシプロポキシ)ブチル(メタ)アクリレート、5−(2,3−エポキシプロポキシ)ペンチル(メタ)アクリレート、6−(2,3エポキシプロポキシ)ヘキシル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸−3,4−エポキシブチル、(メタ)アクリル酸−4,5−エポキシペンチル、(メタ)アクリル酸−6,7−エポキシヘプチル、α−エチル(メタ)アクリル酸−6,7−エポキシヘプチル、(メタ)アクリル酸−3−メチル−3,4−エポキシブチル、(メタ)アクリル酸−4−メチル−4,5−エポキシペンチル、(メタ)アクリル酸−5−メチル−5,6−エポキシヘキシル、(メタ)アクリル酸−β−メチルグリシジル、α−エチル(メタ)アクリル酸−β−メチルグリシジル等のエポキシ基含有(メタ)アクリル単量体(上記式(IV)においてYがエポキシ基を含む基である化合物);(メタ)アクリル酸2−シアノエチル等のニトリル基含有(メタ)アクリル単量体(上記式(IV)においてYがニトリル基を含む基である化合物)などが挙げられる。
式(IV)又は(IVa)中、Yは、相溶性、及び、硬化後の透明性に更に優れる観点から、ヒドロキシル基であってもよい。Yは、基板に対する密着性を向上させる観点から、エポキシ基であってもよい。Aの炭素数は、官能基Fの反応性を向上させる観点から、1〜20、1〜15、1〜10、又は、1〜5であってもよい。また、Aは、合成しやすい観点から、直鎖状の脂肪族炭化水素基であってもよい。脂肪族炭化水素基としては、置換基を有していてもよいアルキレン基等が挙げられる。
(B2)成分として商業的に入手可能な化合物としては、ヒドロキシル基含有(メタ)アクリル単量体(アクリル酸−4−ヒドロキシブチル(「4−HBA」(大阪有機化学工業株式会社))、エポキシ基含有(メタ)アクリル単量体(メタクリル酸グリシジル(「アクリル酸エステル:グリシジルメタクリレート(GMA)」(東京化成株式会社))等が挙げられる。(B2)成分は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
((B3)成分:脂環基を有する単官能(メタ)アクリル単量体)
(B3)成分は、脂環基を有する単官能(メタ)アクリル単量体である。脂環基としては、例えば、シクロアルカン、ビシクロアルカン、ノボラック型及びイソボルニル型が挙げられる。中でも、透明性を更に向上させる観点から、ビシクロアルカン又はノボラック型であってもよい。
(B3)成分は、エステル基に結合する脂環基を有する単官能(メタ)アクリル酸単量体(メタ)アクリル酸エステル等)であってもよい。エステル基に結合する脂環基を有する単官能(メタ)アクリル酸単量体を用いることにより、硬化物に立体性が付与できるため、透明性を更に向上させることができる。ここで、エステル基に結合する脂環基は、エステル基の酸素原子に直接結合していてもよい。
(B3)成分としては、(メタ)アクリル酸シクロペンチル、(メタ)アクリル酸シクロペンタニル、(メタ)アクリル酸ジシクロペンタニル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸メチルシクロヘキシル、(メタ)アクリル酸トリメチルシクロヘキシル、(メタ)アクリル酸ノルボルニル、(メタ)アクリル酸ノルボルニルメチル、(メタ)アクリル酸フェニルノルボルニル、(メタ)アクリル酸シアノノルボルニル、(メタ)アクリル酸イソボルニル、(メタ)アクリル酸ボルニル、(メタ)アクリル酸メンチル、(メタ)アクリル酸フェンチル、(メタ)アクリル酸アダマンチル、(メタ)アクリル酸ジメチルアダマンチル、(メタ)アクリル酸トリシクロ[5.2.1.02,6]デカ−8−イル、(メタ)アクリル酸トリシクロ[5.2.1.02,6]デカ−4−メチル、(メタ)アクリル酸シクロデシル等が挙げられる。(B3)成分は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
(B3)成分としては、透明性が更に向上する観点から、(メタ)アクリル酸シクロペンタニル、(メタ)アクリル酸ジシクロペンタニル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸イソボルニル、(メタ)アクリル酸ノルボルニル、(メタ)アクリル酸ノルボルニルメチル、(メタ)アクリル酸トリシクロ[5.2.1.02,6]デカ−8−イル、及び、(メタ)アクリル酸トリシクロ[5.2.1.02,6]デカ−4−メチル、(メタ)アクリル酸アダマンチルからなる群より選ばれる少なくとも1種であってもよい。
((B4)成分:多官能(メタ)アクリル単量体)
(B4)成分は、(メタ)アクリロイル基を2個以上有する化合物であって、(B1)成分、(B2)成分及び(B3)成分以外の化合物であれば特に制限されない。このような(B4)成分としては、直鎖状又は分岐鎖状アルキル骨格を有する多官能(メタ)アクリル単量体、ジオキサングリコール骨格を有する多官能(メタ)アクリル単量体、官能基を有する多官能(メタ)アクリル単量体等が挙げられる。
(B4)成分としては、硬化後のクラック、及び、基板からの剥離を抑制しやすい観点から、直鎖状アルキル骨格を有する多官能(メタ)アクリル単量体を用いてもよい。(B4)成分としては、硬化物の透明性を更に向上させる観点から、ジオキサングリコール骨格を有する多官能(メタ)アクリル単量体を用いてもよい。
(B4)成分としては、(メタ)アクリロイル基を2個有する(メタ)アクリル単量体等が挙げられる。(B4)成分としては、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニルジ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)エチレンオキサイド変性ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性ビスフェノールA型ジ(メタ)アクリレート、(ポリエチレンオキサイド変性ビスフェノールA型ジ(メタ)アクリレートであってもよく、エチレンオキサイド5〜15モル変性ビスフェノールA型(メタ)アクリレートであってもよい)、(ポリ)エチレンオキサイド変性リン酸ジ(メタ)アクリレート、ジオキサングリコールジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
(B4)成分としては、硬化物の透過率が更に向上する観点から、ジオキサングリコールジ(メタ)アクリレート(「KAYARAD R−604」(日本化薬株式会社)等であってもよい。(B4)成分としては、硬化物のクラック、及び、LEDパッケージからの剥離を抑制しやすい観点から、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート(「FA−124AS」(日立化成株式会社))、ノナンジオールジ(メタ)アクリレート(「FA−129AS」(日立化成株式会社)等であってもよい。(B4)成分としては、透明性が更に向上する観点、及び、硬化に伴うボイドが消失しやすい観点から、シクロヘキサン1,4−ジメタノールジ(メタ)アクリレート、シクロヘキサン1,3−ジメタノールジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメチロールジ(メタ)アクリレート(「KAYARAD R−684」(日本化薬株式会社))、トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレート(「A−DCP」(新中村化学株式会社))等であってもよい。(B4)成分は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
(B)成分は、(B1)成分〜(B4)成分以外の(メタ)アクリル単量体を含有してもよい。
(B)成分は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
(B)成分の含有量は、(A)成分及び(B)成分の総量100質量部を基準として、1〜99質量部、5〜95質量部、又は、10〜90質量部であってもよい。当該含有量が上記範囲であることで、硬化物の発泡、濁り、着色、クラック等を容易に抑制することができる。
((C)成分:重合開始剤)
(C)成分としては、(C1)熱重合開始剤(以下、場合により「(C1)成分」という)及び(C2)光重合開始剤(以下、場合により「(C2)成分」という)からなる群より選ばれる少なくとも1種を用いることができる。(C1)成分と(C2)成分とを組み合わせて用いてもよい。これにより、熱硬化系としてだけでなく、光硬化系としても設計することが可能となり、例えば、露光工程を採用することで硬化時間の短縮を図ることができる。
(C1)成分としては、ジラウロイルペルオキシド(「パーロイルL」(日本油脂株式会社))、1,1,3,3−トリメチルブチルペルオキシ−2−エチルヘキサネート(「パーオクタO」(日本油脂株式会社))、ベンゾイルペルオキシド(「ナイパーBW」(日本油脂株式会社))、1,1−ジ(t−ヘキシルペルオキシ)シクロヘキサン(「パーヘキサHC」(日本油脂株式会社))、t−ブチルクミルパーオキサイド(「パーブチルC」(日本油脂株式会社))、n−ブチル4,4−ジ−(t−ブチルパーオキシ)バレレート(「パーヘキサV」(日本油脂株式会社))、ジクミルパーオキサイド(「パークミルD」(日本油脂株式会社))等の過酸化物などが挙げられる。
(C1)成分は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
(C1)成分の含有量は、(A)成分及び(B)成分の総量100質量部を基準として、0.1〜30質量部、0.2〜20質量部、又は、0.5〜10質量部であってもよい。当該含有量が上記範囲であることで、硬化物の発泡及び着色を容易に抑制することができる。また、所望の厚みの樹脂層を形成しやすくなるため、スループットを向上させることができる。
(C2)成分としては、アシルフォスフィンオキサイド、オキシムエステル類、芳香族ケトン、キノン類、ベンゾインエーテル化合物、ベンジル誘導体、2,4,5−トリアリールイミダゾール二量体、アクリジン誘導体、クマリン系化合物、N−フェニルグリシン誘導体等が挙げられる。(C2)成分は、常法によって合成してもよく、市販のものを入手してもよい。
(C2)成分の中でも、光硬化性が更に向上する観点、高感度化の観点、及び、硬化物(硬化膜等)の透明性に更に優れる観点から、アシルフォスフィンオキサイド、オキシムエステル類及び芳香族ケトンからなる群より選ばれる少なくとも1種であってもよい。
(C2)成分は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
[アシルフォスフィンオキサイド]
アシルフォスフィンオキサイドとしては、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド(「IRGACURE−819」(BASF社))、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイド(「LUCIRIN TPO」(BASF社))等が挙げられる。
[オキシムエステル類]
オキシムエステル類としては、1,2−オクタンジオン−1−[4−(フェニルチオ)フェニル−2−(O−ベンゾイルオキシム)(「IRGACURE−OXE01」(BASF社))、1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]エタノン−1−(O−アセチルオキシム)(「IRGACURE−OXE02」(BASF社))、1−フェニル−1,2−プロパンジオン−2−[o−(エトキシカルボニル)オキシム](「Quantacure−PDO」(日本化薬株式会社))等が挙げられる。
[芳香族ケトン]
芳香族ケトンとしては、ベンゾフェノン、N,N,N’,N’−テトラメチル−4,4’−ジアミノベンゾフェノン(ミヒラーケトン)、N,N,N’,N’−テトラエチル−4,4’−ジアミノベンゾフェノン、4−(ジメチルアミノ)−4’−メトキシベンゾフェノン、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン(「IRGACURE−651」(BASF社))、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン(「IRGACURE−369」(BASF社))、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノ−プロパン−1−オン(「IRGACURE−907」(BASF社))、2−ヒロドキシ−1−{4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオニル)−ベンジル]フェニル}−2−メチル−プロパン−1−オン(「IRGACURE−127」(BASF社))、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(「IRGACURE−184」(BASF社))等が挙げられる。
(C2)成分の含有量は、(A)成分及び(B)成分の総量100質量部を基準として、0.1〜20質量部、0.3〜15質量部、又は、0.5〜10質量部であってもよい。当該含有量が上記範囲であることで、硬化物の発泡、濁り、着色及びクラックを容易に抑制することができる。
((D)成分:酸化防止剤)
本実施形態に係る樹脂組成物は、(D)酸化防止剤(以下、場合により「(D)成分」という)を更に含有してもよい。これにより、硬化反応後、硬化物内に残留する(A)成分、(B)成分及び(C)成分の重合末端の酸化を容易に抑制することができる。その結果、硬化物の着色を更に抑制し、可視光透過率を更に向上させることができる。
(D)成分としては、特に制限はないが、耐熱性が向上する観点から、ヒンダードフェノールフェノール基を少なくとも1つ有する化合物(以下、場合により「ヒンダードフェノール系化合物」という)であってもよい。ヒンダードフェノール基としては、下記一般式(V)で表される基であってもよい。
Figure 2017031254

[式(V)中、R61及びR62は、それぞれ独立に、水素原子、直鎖状アルキル基又は分岐鎖状アルキル基を示す。直鎖状アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等が挙げられる。分岐鎖状アルキル基としては、イソプロピル基、イソブチル基、t−ブチル基等が挙げられる。1分子中に式(V)で表される基が複数あるとき、R61及びR62は、同一であっても異なっていてもよい。また、上記式(V)中の芳香族環において、フェノール性水酸基、R61及びR62以外に、低級アルキル基等の基を有していてもよい。]
ヒンダードフェノール系化合物としては、耐熱性が更に向上する観点から、上記式(V)中のR61及びR62の少なくとも一方が分岐鎖状アルキル基である化合物であってもよく、R61及びR62の少なくとも一方がt−ブチル基である化合物であってもよく、R61及びR62が共にt−ブチル基である化合物であってもよい。
ヒンダードフェノール系化合物は、常法によって合成してもよく、市販のものを入手してもよい。
ヒンダードフェノール系化合物としては、ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパノアート](「IRGANOX1010」(BASF社))、ビス(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルベンゼンプロパン酸)エチレンビス(オキシエチレン)(「IRGANOX245」(BASF社))、4−[[4,6−ビス(オクチルチオ)−1,3,5−トリアジン−2−イル]アミノ]−2,6−ジ−tert−ブチルフェノール(「IRGANOX565」(BASF社))、3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン酸オクタデシル(「IRGANOX1076」(BASF社))、N,N’−(1,6−ヘキサンジイル)ビス[3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシベンゼンプロパンアミド](「IRGANOX1098」(BASF社))、トリス(4−tert−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル)イソシアヌル酸(「CYANOX1790」(アメリカンシアナミド社))、6−tert−ブチル−4−[3−[(2,4,8,10−テトラ−tert−ブチルジベンゾ[d,f][1,3,2]ジオキサホスフェピン−6−イル)オキシ]プロピル]−2−メチルフェノール(「スミライザーGP」(住友化学株式会社))、3,9−ビス[1,1−ジ−メチル−2−{β−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ}エチル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン(「アデカスタブAO80」(株式会社ADEKA))、2,2’−メチレンビス−(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)(「ヨシノックス425」(株式会社エーピーアイコーポレーション))等が挙げられる。
ヒンダードフェノール系化合物としては、(B)成分への溶解性に優れる観点から、3,9−ビス[1,1−ジ−メチル−2−{β−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ}エチル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカンであってもよい。
また、(D)成分として、硬化物の着色を更に抑制し、透明性を更に向上させる観点から、ホスファイト系酸化防止剤又はチオエーテル系酸化防止剤を併用してもよい。
[ホスファイト系酸化防止剤]
ホスファイト系酸化防止剤として商業的に入手できる化合物としては、3,9−ビス(p−ノニルフェノキシ)−2,4,8,10−テトラオキサ−3,9−ジホスファスピロ[5,5]ウンデカン(「アデカスタブPEP−4C」(株式会社ADEKA))、3,9−ビス(オクタデシロキシ)−2,4,8,10−テトラオキサ−3,9−ジフォスファスピロ[5,5]ウンデカン(「アデカスタブPEP‐8」(株式会社ADEKA))、複合物(3,9−ビス(オクタデシロキシ)−2,4,8,10−テトラオキサ−3,9−ジフォスファスピロ[5,5]ウンデカン)(主成分)(「アデカスタブPEP‐8W」(株式会社ADEKA))、3,9−ビス(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノキシ)−2,4,8,10−テトラオキサ−3,9−ジフォスファスピロ[5,5]ウンデカン(「アデカスタブPEP−36/36A」(株式会社ADEKA))、2,2−メチレンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェニル)2−エチルフェニルホスファイト(「アデカスタブHP‐10」(株式会社ADEKA))、トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト(「アデカスタブ2112/2112RG」(株式会社ADEKA))、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト(「アデカスタブ1178」(株式会社ADEKA))、テトラ−C12−15−アルキル(プロパン−2,2-ジイルビス(4,1−フェニレン))ビス(ホスファイト)(「アデカスタブ1500」(株式会社ADEKA))、2−エチルヘキシルジフェニルホスファイト(「アデカスタブC」(株式会社ADEKA))、イソデシルジフェニルホスファイト(「アデカスタブ135A」(株式会社ADEKA))、トリイソデシルホスファイト(「アデカスタブ3010」(株式会社ADEKA))、トリフェニルホスファイト(「アデカスタブTPP」(株式会社ADEKA))、トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト(「Irgafos168/168FF」(BASF社))、ビス[2,4−ビス(1,1−ジメチルエチル)−6−メチルフェニル]エチルエステル亜リン酸(「Irgafos38」(BASF社))等が挙げられる。
[チオエーテル系酸化防止剤]
チオエーテル系酸化防止剤として商業的に入手できる化合物としては、2,2−ビス{[3−(ドデシルチオ)−1−オキソプロポキシ]メチル}プロパン−1,3−ジイルビス[3−(ドデシルチオ)プロピオネート](「アデカスタブAO412S」(株式会社ADEKA))、ジ(トリデシル)3,3−チオジプロピオネート(「アデカスタブAO503」(株式会社ADEKA))等が挙げられる。
(D)成分は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
(D)成分の含有量は、(A)成分及び(B)成分の総量100質量部を基準として、0.1〜20質量部、0.1〜15質量部、又は、0.1〜10質量部であってもよい。当該含有量が上記範囲であることで、高温における樹脂着色を容易に抑制することができる。
(その他の成分)
本実施形態に係る樹脂組成物は、不飽和ジカルボン酸無水物類、N−置換マレイミド類等を更に含有していてもよい。不飽和ジカルボン酸無水物類としては、無水マレイン酸等が挙げられる。N−置換マレイミド類としては、N−メチルマレイミド、N−エチルマレイミド、N−プロピルマレイミド、N−i−プロピルマレイミド、N−ブチルマレイミド、N−i−ブチルマレイミド、N−t−ブチルマレイミド、N−ラウリルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド、N−ベンジルマレイミド、N−フェニルマレイミド等が挙げられる。
本実施形態に係る樹脂組成物は、蛍光体を更に含有してもよい。蛍光体を含有する樹脂組成物は、ポッティング材料として用いることができる。蛍光体としては、特に制限はないが、Yttrium aluminium oxide(シグマアルドリッチ社)等が挙げられる。
<樹脂シート>
本実施形態に係る樹脂シートは、本実施形態に係る樹脂組成物又はその硬化物を含む樹脂層を備える。本実施形態に係る樹脂シートは、例えば、前記樹脂層を支持する基材を備える。本実施形態に係る樹脂シートは、本実施形態に係る樹脂組成物を用いて形成することができる。例えば、基材上に樹脂組成物を塗布した後に乾燥することにより樹脂層を形成することができる。
<電子部品>
本実施形態に係る電子部品は、発光素子及び受光素子のうちの一方の光素子と、当該光素子を封止する封止部材と、を備える。前記封止部材は、本実施形態に係る樹脂組成物の硬化物、又は、本実施形態に係る樹脂シートの前記硬化物を含む。本実施形態に係る樹脂組成物は、熱硬化後においても高透明性、気密性及び高屈折率を有するため、例えば、本実施形態に係る電子部品は、透明基材(カバーガラス等)を用いて保護せず、樹脂組成物の硬化物が表面に曝される構造を有していてもよい。すなわち、本実施形態に係る電子部品は、透明基材(カバーガラス等)を備えていなくてもよい。
以下、本実施形態に係る電子部品について、場合により図面を参照しながら説明する。図1は、本実施形態に係る樹脂組成物を用いたCISパッケージの一例を示す断面図である。図1に示すCISパッケージ10は、基板1と、CIS素子ボンディング材2と、CIS素子3と、ワイヤー4と、ワイヤーボンディング材5と、樹脂層(封止部材)6と、を備えている。CIS素子3の表面にCISセンサーエリア3aが配置されている。
樹脂層6の厚みtは、気密性及び透明性に更に優れる観点から、0.1〜1.5mm、又は、0.5〜1mmであってもよい。樹脂層6の厚みtが0.1mm以上であることで、ワイヤー4及びCIS素子3がむき出しになりにくく、傷の発生又は酸化劣化を抑制しやすく、異物の付着又は空気の屈折率との関係から画質荒れが生じにくくなる。樹脂層6の厚みtが1.5mm以下であることで、光透過率が更に向上し、樹脂層6を透過する光の量が増加するため、光感度が向上し、特に、暗所で撮影した場合のコントラスト性が向上する。
図2及び図3は、本実施形態に係る樹脂組成物(熱硬化型及び/又は光硬化型)を用いたCISパッケージの作製工程を示す工程図である。
樹脂層6は、例えば、液状の樹脂組成物を用いたポッティング加工を施すことによって形成されている。具体的には、図2(a)に示すように、CIS素子3が実装されたリブ付きの基板11に、本実施形態に係る樹脂組成物を滴下することにより、図2(b)に示すように、CIS素子3及びその周辺領域を覆うように液状樹脂層12を形成する。液状樹脂層12を形成した後、平坦化させるため静置してもよい。次に、図2(c)に示すように、光硬化及び/又は熱硬化を実施することにより液状樹脂層12を硬化させ、封止部材としての樹脂層6を備える基板が得られる。光硬化は、例えば、光照射装置13を用いた露光処理により行うことができる。熱硬化は、例えば、加熱装置14を用いた加熱処理により行うことができる。
次に、図3(a)及び図3(b)に示すように、樹脂層6を備える基板を個片化(ダイシング)することにより、CISパッケージ10を得ることができる。図3(c)に示すように、CISパッケージ10を用いてモジュール15を組み立ててもよい。
本実施形態に係る樹脂組成物は、作業性が向上する観点から、滴下したときに糸引きが抑制される程度の粘度を有してもよい。例えば、本実施形態に係る樹脂組成物の25℃における粘度は、1〜50000mPa・s、10〜40000mPa・s、又は、100〜10000mPa・sであってもよい。
本実施形態に係る樹脂組成物は、厚膜においても優れた可視光透過率を有し、かつ、高温高湿下においても優れた気密性を有する。そのため、本実施形態に係る樹脂組成物は、小型化及び薄型化が求められると共に、高温環境下で長時間使用される受光素子(CIS素子等)又は発光素子(LED素子等)を封止する封止部材を備える電子部品において用いることができる。本実施形態に係る樹脂組成物を封止部材として用いた電子部品は、例えば、携帯電話等に用いられるカメラ、及び、指紋認証センサーなどの受光センサー;LEDディスプレイの部品;照明として適用し得る。
以下、実施例及び比較例に基づいて本開示の目的及び利点をより具体的に説明するが、本開示は以下の実施例に限定されるものではない。
(A)成分、(B)成分及び(C)成分を、表1及び表2に示した含有割合(質量部、固形分比)で混合し、実施例1〜7及び比較例1〜4の樹脂組成物の溶液を得た。表1及び表2中の各成分は、以下に示すものである。
((A)成分)
(A)成分として、スチレンに由来する構造単位を有するヒドロキシル基含有(メタ)アクリル重合体(「ARUFON UH−2170」(東亜合成株式会社))、スチレンに由来する構造単位を有するカルボキシル基含有(メタ)アクリル重合体(「ARUFON UH−3080」(東亜合成株式会社))、スチレンに由来する構造単位を有するエポキシ基含有(メタ)アクリル重合体(「ARUFON UH−4040」(東亜合成株式会社))、及び、アクリルエラストマーを用いた。前記アクリルエラストマーは、炭素数5〜10の共役環を有していない。樹脂組成物の粘度を実施例と同等とするため、アクリルエラストマーを用いる比較例では、(A)成分の含有量を実施例よりも少なく調整した。
上記アクリルエラストマーは、以下の方法により合成した。
アクリル酸トリシクロ[5.2.1.02,6]デカ−8−イル(「FA−513A」(日立化成株式会社))300g、アクリル酸ブチル(BA)350g、メタクリル酸ブチル(BMA)300g、メタクリル酸グリシジル(GMA)50g及びメタクリル酸2−エチルヘキシル(2EHMA)50gを混合することにより単量体混合物を得た。得られた単量体混合物に、過酸化ラウロイル5g及びn−オクチルメルカプタン(連鎖移動剤)0.45gを溶解させることにより、混合液を得た。
撹拌機及びコンデンサを備えた5Lのオートクレーブに、懸濁剤としてのポリビニルアルコール0.04gと、イオン交換水2000gとを加えた。そして、撹拌しながら上記混合液を加えた。次いで、撹拌回転数250min−1、窒素雰囲気下において60℃で5時間撹拌した。次いで、90℃で2時間撹拌(重合)させ、樹脂粒子を得た。得られた樹脂粒子を水洗、脱水及び乾燥させることによりアクリルエラストマーを得た。
((B)成分)
(B)成分として、ベンジルアクリレート(「FA−BZA」(日立化成株式会社)。(B1)成分)、4−ヒドロキシブチルアクリレート(「4−HBA」(大阪有機化学工業株式会社)。(B2)成分)、ジシクロペンタニルアクリレート(「FA−513AS」(日立化成株式会社)。(B3)成分)、トリシクロデカンジメタノールジアクリレート(「A−DCP」(新中村化学株式会社)。(B4)成分)、グリシジルメタクリレート(「グリシジルメタクリレート(GMA)」(東京化成株式会社)。(B2)成分)、ラウリルアクリレート(「FA−112A」(日立化成株式会社)、及び、イソステアリルアクリレート(「FA−117A」(日立化成株式会社)を用いた。
((C)成分)
(C)成分として、1,1,3,3−トリメチルブチルペルオキシ−2−エチルヘキサネート(「パーオクタO」(日本油脂株式会社)。(C1)成分)、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(「IRGACURE−184」(I−184)、BASF社。(C2)成分)、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド(「IRGACURE−819」(I−819)、BASF社。(C2)成分)、及び、2−ヒドロキシ−1−{4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオニル)−ベンジル]フェニル}−2−メチル−プロパン−1−オン(「IRGACURE−127」(I−127)、BASF社。(C2)成分)を用いた。
<粘度の測定>
コーンプレート型粘度計(「HB DV−III」(BROOKFIELD社))を用いて、25℃で3分間、所定の回毎分(min−1)で回転させたときの実施例及び比較例の樹脂組成物の粘度を測定した。当該測定値は、25±1℃に保たれた液体(樹脂組成物)について、コーン角度1.5°、コーン半径12mmのコーンを装着したコーンプレート型粘度計を用いて得た。
前記回毎分は、測定対象の液体の粘度によって異なる。具体的には、測定対象の液体の粘度を予め大まかに推定し、推定値に応じて回毎分を決定した。より具体的には、測定対象となる液体の粘度の推定値が10000を超えて60000以下(単位:mPa・s)の場合は回毎分を30min−1とし、粘度の推定値が2000を超えて10000以下(単位:mPa・s)の場合は回毎分を50min−1とし、粘度の推定値が200〜2000mPa・sの場合は回毎分を100min−1とした。粘度の測定結果を表1及び表2に示す。
<初期透過率の測定>
矩形枠状(ロの字型)にカットしたシリコーン型枠をガラス製の基板に密着させ、実施例及び比較例の樹脂組成物を型枠内に流し込み、均一な厚みになるよう静置した。次に、熱硬化系の場合は、110℃で1時間加熱した後、110〜150℃まで10℃/分で昇温し、更に150℃で1時間加熱することにより、樹脂組成物を硬化させた。一方、光硬化系の場合は、10000mJ/cmで光照射することにより、樹脂組成物を硬化させた。そして、シリコーン型枠を剥がし、それぞれ厚み1mmの樹脂層(硬化物)を有する試験サンプルを得た。
紫外可視分光光度計(「UH−4100 Spectrophotometer」(株式会社日立ハイテクノロジーズ))を用いて、ガラス単体の透過率をリファレンスとして参照して、前記試験サンプルにおける波長400nmの光透過率を測定した。測定結果を下記の基準で評価した。評価結果を表1及び表2に示す。
「A」:光透過率が95%以上
「B」:光透過率が85%以上95%未満
「C」:光透過率が85%未満
<透湿度の測定>
矩形枠状(ロの字型)にカットしたシリコーン型枠をPETフィルムに密着させ、実施例及び比較例の樹脂組成物を型枠内に流し込み、均一な厚みになるよう静置した。次いで、上述した初期透過率の測定と同様の条件で硬化させた。そして、シリコーン型枠を剥がし、厚み1mmの樹脂層(硬化物)を有する試験サンプルを得た。
得られた試験サンプルを直径70mmのサイズに切り出し、PETフィルムを剥がした。温度40℃、湿度90%の恒温恒湿槽(「AGX−325」(株式会社ADVANTEC))内にカップ法(JIS Z0208)に倣って放置し、24時間後の透湿度を測定し、気密性を評価した。測定結果を下記の基準で評価した。評価結果を表1及び表2に示す。
「A」:透湿度が10g/m/24hr×t未満
「B」:透湿度が10g/m/24hr×t以上
<硬度の測定>
リブ高さが7mmの型枠を、フィルムを貼りつけた金属製の基板に固定し、実施例及び比較例の樹脂組成物を型枠内に流し込んだ。次いで、上述した初期透過率の測定と同様の条件で硬化させた。そして、型枠とフィルムを剥がし、厚み7mmの樹脂層(硬化物)を有する試験サンプルを得た。
ゴム・プラスチック硬さ計(「デュロメーター/IRHD硬さ計 GS−720N」(株式会社テックロック))を用いて、得られた硬化物のショアD硬度を測定した。測定結果を下記の基準で評価した。評価結果を表1及び表2に示す。
「A」:ショアD硬度が65以上
「B」:ショアD硬度が35以上65未満
「C」:ショアD硬度が35未満
<屈折率の測定>
スピンコーター(「MS−A」(株式会社ミカサ))を用いて、均一な厚みになるように実施例及び比較例の樹脂組成物をPETフィルム上に塗布した。次に、熱硬化系の場合は、110℃で1時間加熱した後、110〜150℃まで10℃/分で昇温し、更に150℃で1時間加熱することにより、樹脂組成物を硬化させた。一方、光硬化系の場合は、5000mJ/cmで光照射することにより、樹脂組成物を硬化させた。そして、それぞれ厚み0.1mmの樹脂層(硬化物)を有する試験サンプルを得た。
この試験サンプルからPETフィルムを剥がし、多波長アッベ屈折計(「DR−M2」(株式会社テックロック))を用いて、硬化物単体の屈折率を測定した。測定結果を下記の基準で評価した。評価結果を表1及び表2に示す。
「A」:屈折率が1.50以上
「B」:屈折率が1.50未満
「C」:サンプル濁りにつき、測定不可
Figure 2017031254
Figure 2017031254
表1及び表2から、特定の(A)成分と特性の(B)成分とを併用する実施例では、硬化物が厚膜であっても、高透明性、高気密性、高硬度及び高屈折率を達成できることが分かる。さらに、樹脂組成物が(B)成分として(B3)成分を含有することにより、透明性及び屈折率が更に向上することが分かる。
実施例1〜4において、アデカスタブAO80(株式会社ADEKA)を0.5質量部更に含有する樹脂組成物を、上記初期透過率の測定と同様に作製した試験サンプルを120℃のオーブンに1008時間静置(耐熱性試験)し、次いで、室温になるまで放冷した。その後、初期透過率と同様の条件で波長400nmの光透過率を測定した。その結果、耐熱性試験後であっても、95%を超える優れた透明性が得られることが分かった。
本開示に係る樹脂組成物は、気密性及び硬度に優れる。また、本開示に係る樹脂組成物は、透明性及び屈折率にも優れる。そのため、小型化及び高密度実装が求められ、かつ、高温環境下で長時間使用されるCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor、相補型金属酸化膜半導体)イメージセンサー等の受光素子の封止部材、LED素子等の発光素子の封止部材、光学レンズ用材料、導光板などの光学部材として好適に用いることができる。
1,11…基板、2…CIS素子ボンディング材、3…CIS素子、3a…CISセンサーエリア、4…ワイヤー、5…ワイヤーボンディング材、6…樹脂層、10…CISパッケージ、12…液状樹脂層、13…光照射装置、14…加熱装置、15…モジュール。

Claims (8)

  1. (メタ)アクリル重合体、(メタ)アクリル単量体、及び、重合開始剤を含有し、
    前記(メタ)アクリル重合体が、炭素数5〜10の共役環を有し、
    前記(メタ)アクリル単量体が、炭素数5〜10の共役環を有する(メタ)アクリル酸単量体と、カルボキシル基、ヒドロキシル基、酸無水物基、アミノ基、アミド基、エポキシ基及びニトリル基からなる群より選ばれる少なくとも1種の官能基を有する(メタ)アクリル酸単量体と、を含む、樹脂組成物。
  2. 前記(メタ)アクリル重合体が、カルボキシル基、ヒドロキシル基、酸無水物基、アミノ基、アミド基、エポキシ基及びニトリル基からなる群より選ばれる少なくとも1種の官能基を有する、請求項1に記載の樹脂組成物。
  3. 25℃で液状である、請求項1又は2に記載の樹脂組成物。
  4. ポッティング材料又はインプリント材料として用いられる、請求項1〜3のいずれか一項に記載の樹脂組成物。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の樹脂組成物の硬化物。
  6. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の樹脂組成物又はその硬化物を含む樹脂層を備える、樹脂シート。
  7. 発光素子及び受光素子のうちの一方の光素子と、当該光素子を封止する封止部材と、を備え、
    前記封止部材が、請求項5に記載の樹脂組成物の硬化物、又は、請求項6に記載の樹脂シートの前記硬化物を含む、電子部品。
  8. 前記硬化物の厚みが0.1mm以上である、請求項7に記載の電子部品。
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