JP2017031045A5 - - Google Patents

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CMC材料における繊維間隔の一様性向上
本発明は、概して間隔の一様性に優れた細径繊維を実現する新しい処理技術及びスラリー改良物に関する。
効率を上げるためにガスタービンの動作温度を上げることが常に模索されている。鉄基、ニッケル基、及びコバルト基超合金の製造によって耐熱性は大いに向上したものの、代替材料の研究はなおも続いている。セラミックス基複合材料(CMC)は重要な例である。なぜなら、その耐熱性ゆえに冷却空気に求められる条件が大幅に緩和されるからである。一般に、CMC材料はセラミック繊維強化材料がセラミックマトリックス材料中に埋め込まれた構造をしている。この強化材料は、マトリックス材料中に分散する不連続な短繊維のこともあれば、マトリックス材料内で配向する連続繊維もしくは繊維束のこともある。いずれも、マトリックスクラックの発生時にCMC材料の荷重を負担する成分として作用する。他方、セラミックマトリックスは強化材料を保護し、その繊維の配向を維持するとともに、荷重を強化材料に逃す働きをする。ケイ素系複合材料(例えば、マトリックス及び/又は強化材料として炭化ケイ素(SiC)を含むもの)は、例えばガスタービンの高温部品等の高温用途においてとりわけ高い関心を集めている。ここでいうガスタービンには、例えば航空機ガスタービンエンジンや、発電産業に用いられる陸用ガスタービンエンジンが挙げられる。
CMC材料の例、特にSiC/Si−SiC(繊維/マトリックス)連続繊維強化セラミックス複合材料(CFCC)の材料及びプロセスが、米国特許第5015540号、同第5330854号、同第5336350号、同第5628938号、同第6024898号、同第6258737号、同第6403158号、同第6503441号の各明細書、並びに米国特許出願公開第2004/0067316号明細書に開示されている。一般に、これらのプロセスは複数のプリプレグ層を用いたCMCの製造を伴う。このとき各層は「テープ」の形状であり、所望のセラミック繊維強化材料と、CMCマトリックス材料の1種類以上の前駆物質と、バインダーとを含有する。従来の実施方法によれば、プリプレグテープは、強化材料に対し、セラミック前駆物質とバインダーとを含有するスラリーを含浸することによって形成できる。前駆物質として好ましい材料は、CMC部品のセラミックマトリックスにとって望ましい組成が何かによって異なる。例えば、所望のマトリックス材料が溶融溶浸経路を経由して処理されるSiCの場合は、SiC粉体、及び/又は1種類以上の炭素含有材料である。重要な炭素含有材料の例として、カーボンブラック、フェノール樹脂、フラン樹脂(フルフリルアルコール(C43OCH2OH)を含む)等が挙げられる。その他の代表的なスラリー原料には、プリプレグテープの順応性(pliability)を高めるバインダー(例えば、ポリビニルブチラール(PVB))、及びスラリーの流動性を高めるバインダー用溶媒(例えば、イソプロパノール、トルエン、及び/又はメチルイソブチルケトン(MIBK))等がある。これらは、繊維強化材料の含浸を可能にするためのものである。スラリーは1種類以上の微粒子充剤をさらに含有しうる。これは、CMC部品のセラミックマトリックス中に存在させるためのものであり、Si−SiCマトリックスの場合は例えばSiC粉体である。
スラリーを部分的に乾燥させ、かつ(その実施が適切な場合は)バインダーを部分的に硬化させた(B段階)後、得られたプリプレグテープを他のテープとともにレイアップする。その後、デバルク処理を行い、(その実施が適切な場合は)高温高圧下で硬化する。こうしてプリフォームが作製される。次にプリフォームを真空中もしくは不活性雰囲気中で加熱(焼成)してバインダーを分解し、残留溶媒があれば除去する。こうして前駆物質から所望のセラミックマトリックス材料が生成される。バインダーの分解、及び有機物のさらなる消失によって多孔質のCMC体が得られる。多孔質部分の充及びCMC部品の製造のため、得られた多孔質CMC体に対して溶融溶浸(MI)、化学気相溶浸(CVI)、又はポリマー含浸熱分解(PIP)等の緻密化処理を実施してもよい。上記処理における具体的な処理技術やパラメータは、材料の具体的な組成によって変わってくる。
CFCC材料の一例を概略的に図1に示す。CFCC材料は複数の薄層12を備える。それぞれの薄層12は単一のプリプレグテープから形成される。プリプレグテープにおいては、一方向に整列した強化材料14にセラミックマトリックス前駆物質が含浸されている。その結果、各薄層12は、強化材料14をセラミックマトリックス18内に埋め込まれた状態で含有する。セラミックマトリックス18の全部又は一部は、焼成と溶融溶浸の工程においてセラミックマトリックス前駆物質が転化することによって形成される。
上記タイプのプロセス及び材料は、ガスタービン等の用途に向けたCMC部品の製造に成功裏に使用されてきた。しかし、CMC部品の層間強度を高めることが依然として必要とされている。それはマトリックス内の繊維分布を改善することによって実現できる。
米国特許出願公開第2013/0157037号明細書
本発明の態様及び効果の一部を以下の説明に記載する。或いは、それらは以下の説明から明らかなこともあれば、本発明の実施を通して習得できる場合もある。
順応性テープとその製造方法が広く提供される。一実施形態では、順応性テープは、マトリックス材料内に埋め込まれて一方向に並ぶトウ列を形成する複数の繊維を含有し、テープ内の隣接する4本の繊維が繊維間距離を規定する。マトリックス材料は、テープ内の隣接する繊維間に分散した状態で充剤粒子を含有する。一実施形態では、充剤粒子のメジアン粒径は繊維間距離を規定し、このとき繊維間距離はメジアン粒径の約0.75倍〜約1.1倍である。別の実施形態では、充剤粒子のメジアン粒径は隣接する繊維間の表面間距離との間に関係性を有し、隣接する繊維間の表面間距離とメジアン粒径との比は約0.3:1〜約1:1である。
セラミックマトリックス複合材料を形成する方法も広く提供される。一実施形態では、この方法は、各繊維が約40μm未満の直径を有する繊維の集合体を用意する工程と、繊維の集合体に、バインダーと充剤粉体とセラミック形成粉体とを含むスラリー組成物を含浸する工程であって、セラミック形成粉体が約0.1μm〜約20μmのメジアン粒径を有する複数の炭素粒子を含み、充剤粉体が約2μm〜約10μmのメジアン粒径を有する複数の粒子を含む、工程と、含浸した繊維の集合体からプリフォームを形成する工程であって、充填剤粒子を繊維の集合体に浸透させて充剤粒子をテープ内の隣接する繊維間に分散させる、工程とを含む。
本発明のこれら及び他の特徴、態様、及び効果は、以下の説明及び添付の特許請求の範囲を参照することによってさらによく理解されるだろう。添付の図面は、本明細書に組み込まれてその一部を構成するものであり、以下の説明とともに本発明の諸実施形態を表し、また本発明の原理を説明する役割を果たす。
本発明とみなされる内容は本明細書の最後の部分において具体的に指摘し、明確に主張している。しかしながら、本発明は、以下の説明を添付の図面とともに参照することによって最もよく理解できるだろう。
例示的なCMC製品の部分断面を概略的に示す図である。 図1のCMC製品の作製に使用できるタイプのプリプレグテープの部分断面を概略的に示す図である。 繊維トウにスラリー組成物を含浸する処理に使用されるドラム巻取機の概略図である。 メジアン径が0.6μmのSiC粒子で形成される、実施例に記載のCMCパネルの断面を50倍の倍率で写した光学写真である。 メジアン径が7μmのSiC粒子で形成される、実施例に記載のCMCパネルの断面を50倍の倍率で写した光学写真である。 例示的なCMC製品において4本の繊維が4つの粒子によって離隔される様子を示す概略断面図である。 例示的なCMC製品において4本の繊維が1つの繊維間粒子によって離隔される様子を示す概略断面図である。 実施例によるSiCのメジアン粒径と隣接繊維間隔との関係をプロットした図である。 SiCのメジアン粒径と平均層間引張強さ(ILT)との関係をプロットした図である。
本明細書及び図面における同一の参照符号は、本発明における同一もしくは類似の特徴部分又は要素を表すものとする。
以下、本発明の諸実施形態について詳細に説明する。具体例をいくつか図に示している。なお、各例は本発明を説明するためのものであり、本発明を限定するものではない。実際、本発明の範囲又は趣旨を逸脱しない範囲で当業者が本発明に対してさまざまな改変及び変形を行いうることは明らかだろう。例えば、ある実施形態の一部として図示もしくは説明される特徴を別の実施形態に応用してさらに別の実施形態を生み出すことが可能である。このように、添付の特許請求の範囲及びその均等物の範囲内となる改変及び変形は、本発明の範囲に含まれる。
以下に、CFCC製品を含むCMC製品の製造工程に沿って本発明を説明する。本発明において特に関心があるCMC材料はケイ素を含有するCMC材料、例えば強化材料及び/又はマトリックス材料として炭化ケイ素を含有するCMCである。その一例として、炭化ケイ素の連続繊維が炭化ケイ素のマトリックス内に埋め込まれたものが挙げられる。しかし、それ以外の複合材料も本発明の範囲に含まれる。その例として、窒化ケイ素等のセラミック、ケイ化ニオブやケイ化モリブデン等のケイ化物(金属間化合物)、及びアルミナやシリカ等の酸化物が挙げられる。用途にはさまざまなものが予想されるが、本発明を用いて製造可能なタイプのCMC製品の具体的用途として、ガスタービンエンジンの部品(例えば、燃焼器ライナー、ブレード、ベーン、シュラウド等、ガスタービンの高温ガス経路内にある部品)が挙げられる。
以下の説明は図1及び図2を参照して行う。図1はCFCC部品10を表すと上記したが、他のタイプのCMC材料も本発明の範囲に含まれる。部品10はCFCC材料であるため、多様な高温耐荷重用途に対して軽量、高強度、及び高剛性を実現できることが好ましい。CFCC部品10は複数の薄層12を備えるものとして示されている。そのそれぞれは、単一のプリプレグテープから形成される。各薄層12は、セラミック繊維強化材料14をセラミックマトリックス18内に埋め込まれた状態で含有する。セラミックマトリックス18の全部又は一部は、セラミックマトリックス前駆物質の転化によって形成される。図1及び図2に示すように、強化材料14は一方向に並ぶトウ列の形態をしており、それぞれ連続繊維(フィラメント)16を含有する。一方向に並ぶトウ列の代わりに、強化材料14が単に繊維16を含み、それが一方向に並ぶ繊維の列を形成するように配置されてもいいし、強化材料14がトウを含み、それが2次元織布となるように織られる、又は3次元織布となるように織られる、もしくは編まれてもいい。好適な繊維径及びトウ径は、具体的な用途、具体的な薄層12とその元となるテープ20の厚さ、所望の繊維体積分率等のファクタによって異なる。したがって、図1及び図2の縮尺は正確ではない。一実施形態では、繊維16の平均繊維直径は約5μm〜約40μmである、及び/又は繊維16は約15%〜約40%の体積分率でテープ20に含まれる。
一般に、本明細書に記載するCMC材料は繊維分布の一様性に優れている。いかなる理論にも拘束されないことを望むが、現時点では、繊維分布のかかる高い一様性によって高い層間特性、より具体的には高い層間強度が得られると考えられている。
一実施形態では、予備含浸した複合材料テープは、マトリックス材料と、マトリックス材料内に埋め込まれて一方向に並ぶトウ列を形成する複数の繊維と、テープ内の隣接する繊維間に分散した複数の充剤粒子とを含有する。例えば、図6A及び図6Bでは、繊維16は粒子24によって隣接する繊維16から離隔するものとして描かれている。
摩擦粉砕(アトリションミリング)や他のミリング等の一般的な粉体製造工程によって製造されるセラミック粉体は、粒径分布が一般に対数正規型となる。これは、ある体積範囲内の粒子の度数が正規確率関数に似た形で粒子直径の対数とともに変化することを意味する。本明細書において、「メジアン粒径」はすべて、50体積%の粒子が中央値の体積より大きい体積を有し、かつ50体積%の粒子が中央値の体積より小さい体積を有するような、球相当径の粒径をいう。ただし、実際の粒径分布は理論的な対数正規分布とよく一致する必要は必ずしもなく、実施には任意の分布を有しうる。
ある特定の一実施形態では、テープにおける「充剤粒子のメジアン粒径」対「平均繊維直径」の比は約0.05:1〜約1:1である(すなわち、充剤粉体のメジアン粒径は平均繊維直径の約0.05倍からほぼ等倍の間である)。いくつかの特定の実施形態では、テープにおける「充剤粒子のメジアン粒径」対「平均繊維直径」の比は約0.07:1〜約0.7:1(すなわち、充剤粉体のメジアン粒径は平均繊維直径の約0.07倍〜約0.7倍の間)、例えば、約0.1:1〜約0.5:1(すなわち、充剤粉体のメジアン粒径は平均繊維直径の約0.1倍〜約0.5倍)である。繊維直径と粒径とのこの組合せにより、テープの繊維分布が向上する。
剤粒子は約5%〜約40%の体積分率でテープに含有させることができる。
図6Aを参照すると、繊維16は、各繊維16の間に位置する粒子24によって隣接する繊維16から離隔するものとして描かれている。したがって、繊維16間の表面間距離25は、繊維間に位置する粒子24によって決まる。この表面間距離25は粒子24のメジアン粒径に実質的に等しいが、粒子は必ずしも球形とは限らないため、何らかのアスペクト比を有しうる。製造工程で生じる剪断力により、粒子は繊維の方向に沿って整列する。このとき、粒子の小さいほうの寸法によって表面間距離が決まる。この小さいほうの寸法は粒径決定過程で測定される寸法と必ずしも同じである必要はない。粒径と表面間距離との間には関係があるが、1:1とは限らず、粒子のアスペクト比に応じていくらか変動しうる。大半の実施形態では、「繊維16間の表面間距離25」対「粒子24のメジアン粒径」の比は、約0.3:1〜約1:1(例えば、約0.3:1〜約0.7:1、さらに具体的には約0.3:1〜約0.5:1)である。
或いは、図6Bを参照すると、1つの粒子24が、隣接する繊維16間に規定される繊維間空隙17内に位置する。本実施形態では、隣接する繊維16間の距離は、そのメジアン粒径が繊維16間の繊維間距離27を決定づける粒子24を用いて制御することができる。例えば、一実施形態では、繊維間空隙17の大きさは粒子24のメジアン粒径の約0.9倍〜約1.1倍とすることができる(すなわち、粒子24のメジアン粒径と実質的に等しくすることができる)。
好適な繊維材料も具体的な用途によって変わってくる。例えば、炭化ケイ素含有繊維は炭化ケイ素、Si−C−N、Si−C−O、Si−C−O−N、Si−C−O−Ti、Si−C−O−Zr、又はその混合物を含みうるが、これらには限定されない。酸化物含有繊維はAl23、SiO2、ZrO2、Y23、又はその混合物を含みうるが、これらには限定されない。CFCC材料の重要な(ただし、それに限定するものではない)例がHiPerComp(登録商標)という名称でGeneral Electric Companyによって開発されている。それらは、炭化ケイ素と単体のケイ素もしくはケイ素合金のマトリックス中に炭化ケイ素の連続繊維を含有する。
いくつかの実施形態では、繊維16は少なくとも1種類の被膜で覆われていてもよい。いくつかの特定の実施形態では、上記少なくとも1種類の被膜は、窒化物層(例えば、窒化ケイ素層)、炭化物層(例えば、炭化ケイ素層)、ホウ素層(例えば、ケイ素ドープ窒化ホウ素層を含む窒化ホウ素層)、炭素層、及びその組合せからなる群から選択される。例えば、上記少なくとも1種類の被膜は、窒化物被膜と炭化ケイ素被膜、窒化ホウ素、炭化物、及び窒化ケイ素の被膜系、窒化ホウ素、炭化ケイ素、炭化物、及び窒化ケイ素の被膜系、窒化ホウ素、炭素、窒化ケイ素、及び炭素の被膜系、並びに炭素、窒化ホウ素、炭素、窒化ケイ素、炭素の被膜系、及びその混合物からなる群から選択される被膜系として堆積することができる。被膜がある場合、被膜の厚さは約0.1μm〜約4.0μmである。
図2に、図1の各薄層12を形成可能なタイプのプリプレグテープ20を概略的に示す。このように、テープ20は、強化材料14をセラミック繊維16のトウの形態で含有するように示されている。このトウが部品10において強化材相として機能する。
図2において、強化材料14は固体マトリックス材料22内に埋め込まれたものとして示されている。マトリックス材料22は、なかでも1種類以上のバインダーと、部品10のセラミックマトリックス18を形成する1種類以上の微粒子物質(例えば、複数の炭素粒子及び/又は充剤粒子)とによって形成されている。
CMC部品の製造には任意の緻密化処理を用いることができる。具体的には、材料の具体的組成に応じて溶融溶浸(MI)、化学気相溶浸(CVI)、又はポリマー含浸熱分解(PIP)等が使用できる。なお、以下では例として溶融溶浸処理の場合について述べるが、それ以外の緻密化処理(例えば、CVI、PIP等、及びその組合せ)も排除されない。
マトリックス材料22は、スラリー組成物を強化材料14に塗布した後、スラリー組成物を部分的に乾燥させてテープ20を取り扱い可能にすることによって形成する。スラリー組成物を強化材料14に塗布するにあたってはさまざまな技術が使用可能であり、例えば、トウをドラムに巻き取りながら連続ストランドのトウにスラリー組成物を直接塗布する方法がある。例えば図3にはドラム巻取機が描かれている。図3において、繊維2は送りリール3から連続的に引き出され、いくつかの誘導滑車4を経て繊維ガイド5の間を通り、比例装置(proportioner)7(これは比例装置ポジショナ6によって所定の位置に保持されている)を通過し、回転する巻取ドラム8に巻き取られる。巻取ドラム8はあらかじめTeflon(登録商標)フィルムでラッピングし、後処理において繊維/マトリックステープが容易に取り外せるようにしてもよい。巻取ドラム8は速度管理下でその軸に沿って横方向に移動し、それによって繊維トウの連続的な巻装体どうしの間隔を制御する。比例装置7はマトリックススラリーを入れた容器(例えば、ガラス管)であり、サイズ制御式のオリフィスが繊維の出口に備わっている。比例装置7では繊維トウ2がこのマトリックススラリーによって湿潤・含浸される。比例装置7のオリフィスから排出されるときには余分なマトリックススラリーが繊維トウからこそぎ落とされ、トウに付着するスラリーの量がそれによって制御される。繊維トウに含浸を行うには必ずしも比例装置は必要なく、トウをスラリー浴に通しても行うことができる。巻取ドラム8上の繊維間隔は、単層の繊維トウにおいてトウの連続的な巻装体が互いに接触するように調整した。繊維は、スラリーがまだ濡れている間に巻取ドラム8に巻き取る。それにより、繊維トウ間の凹凸部分にスラリーが充できるうえ、巻装されたトウの外面全体にわたってスラリーの表面張力が均等になる傾向が得られる。
巻取操作が終われば、スラリー組成物を部分的に乾燥させた後、得られたプリプレグテープ20をドラムから取り外し、他のテープとともにレイアップした後、高温高圧下でデバルク処理を行い、プリフォームを作製すればよい。次に、プリフォームを真空中もしくは不活性雰囲気中で加熱してバインダーを分解し、セラミックマトリックス前駆物質を、CMC部品10のマトリックス18のセラミック材料に転化すればよい。部品10にさらに緻密化処理(例えば、MI、CVI、又はPIP)を行ってもよい。これは、焼成時にバインダーの分解によってマトリックス18中に生じた細孔を充するために行う。
例えば、MI処理では、プリフォームの焼成及び硬化後に、繊維の集合体と炭素(並びに存在する場合はその他の化合物)を含有するプリフォーム中の混合物に対して、溶融ケイ素を溶浸する処理が行われる。この処理を行うにあたり、プリフォームはケイ素溶浸材と接触する。溶浸とは、溶融ケイ素の溶浸材をプリフォームに溶浸することを意味する。具体的に、溶融ケイ素の溶浸材は流動性があるうえ、単体の炭素に対して高い反応性を示し、炭化ケイ素を形成する。マトリックス中にはケイ素相の凹みも形成される。ケイ素相は実質的に単体のケイ素を含有するものとして定義されるが、ホウ素等、他の元素がケイ素相中に溶解していてもよい。溶浸に必要な時間は実験によって決定でき、それはまたプリフォームの大きさ並びに必要な溶浸の程度によって大きく左右される。得られた溶浸体は、あまり悪影響のない速度で大気中で冷却する。
CVI処理は、気相の前駆物質を用いてプリフォームの細孔空間内にSiCマトリックスを堆積する技術である。CVIはこれ以外の化学組成をもつマトリックスの堆積にも用いることができる。そのような物質として、C、Si34、SiO2、Al23、及びB4Cが挙げられるが、これらには限定されない。
PIP処理では、SiCマトリックスの作製において多孔質プリフォームへの溶浸を行う際にポリマー前駆物質を用いる。この方法は、ポリマーがセラミックに転化する過程により、化学量論比並びに結晶化度が一般に小さくなる。また、この転化過程においては収縮も発生し、残留多孔率が10〜20%になる。収縮分を埋め合わせるために溶浸を複数回行ってもよい。PIP処理はこれ以外の組成のマトリックスを作製する過程にも用いることができる。そのような物質として、C、Si−N−C、Si−O、Si−O−C、及びAl−Oが挙げられるが、これらには限定されない。
ここで、繊維分布の一様性が高いCMCを形成するうえで特に好適なスラリー組成物について説明する。一実施形態では、スラリー組成物は、バインダーと、溶媒と、セラミック形成粉体(例えば、複数の炭素粒子)と、複数の充剤粒子(例えば、複数の炭化ケイ素粒子)とを含有する。別の実施形態では、スラリーは、バインダーと、溶媒と、細孔形成粉体(例えば、複数のポリプロピレン粒子)と、複数の充剤粒子(例えば、複数の炭化ケイ素粒子)とを含有する。
一般に、セラミック形成粉体は炭素で構成され、かつその量は、溶浸するSiと反応し、かつ形成されるCMC内にSiCを形成するのに十分である。ある特定の一実施形態では、セラミック前駆物質は複数の炭素粒子をそれ単独で、又は他のセラミック粉体(例えば、さらに他の炭素含有微粒子物質)とともに含有する。上記複数の炭素粒子は、ある特定の一実施形態では、メジアン粒径が約0.01μm〜約2μm(例えば、約0.02μm〜約1μm)である。当分野ですでに知られているように、これらの炭素粒子(及びあらゆる他の炭素含有微粒子物質)は溶浸液Siと反応してSiCを形成する。メジアン粒径がサブミクロン(例えば、約0.1μm〜約1μm)の場合、炭素粒子は繊維間に分布することができ、緻密化において、繊維と混ざり合うSiCマトリックスを形成できる。
剤粒子の材料によっては、上記複数の充剤粒子は焼成工程中に一般に転化せず、反応もしない。例えば、充剤粒子がSiC粒子、B4C粒子、Si34粒子、MoSi2粒子、ケイ化物粒子、酸化物粒子、又はその組合せを含有する場合、粒子は焼成工程において一般に転化せず、反応もしない。しかし、充剤粒子が炭素粒子、Mo5Si3粒子、又はポリマー粒子を含有する等の場合、上記以外の材料は焼成工程中に転化できる。ポリマー粒子を使用する実施形態では、溶媒系に不溶で、かつバーンアウト工程までその存在が持続するポリマー粒子が選択される。
ある特定の一実施形態では、上記複数の充剤粒子は、一般に、焼成工程中に転化せず、反応もしない複数の炭化ケイ素粒子を含有する。いくつかの特定の実施形態では、上記複数の炭化ケイ素粒子はメジアン粒径が約2μm〜約10μm(例えば、約3μm〜約7μm、さらに具体的には約4μm〜約5.5μm)である。このとき、得られるCMC層において繊維分布の一様性が向上することがわかっている。ある特定の一実施形態では、充剤粉体は、メジアン粒径が約2μm〜約10μm(例えば、約3μm〜約7μm、さらに具体的には約4μm〜約5.5μm)の炭化ケイ素粒子で基本的に構成され、このとき、粒径がかかる範囲の外にある炭化ケイ素粒子は、スラリー組成物中に存在する炭化ケイ素粒子の50%以下である。
いかなる理論にも拘束されないことを望むが、比較的粗い炭化ケイ素粒子は、テープの巻取中にトウ束に浸透し、繊維が凝集するのを防ぐことによって繊維分布を改善すると考えられる。また、比較的粗い炭化ケイ素粒子を用いることでスラリーの粘度が低下し、それによって巻取中のトウへの含浸が向上しうることも判明した。
サブミクロンの炭化ケイ素粒子(例えば、メジアン粒径が1μm未満のもの)を用いる以前の処理と比べ、繊維分布の一様性が大幅に向上することがわかっている。さらにまた、より大きな粒子(例えば、メジアン粒径が10μmを超えるもの)は繊維間隔をそれだけ大きく広げるため、小さい粒子を用いた場合に実現されると予想される厚さに比べてトウが厚くなる傾向にあることも判明した。
セラミック形成粉体と充剤粉体はスラリー組成物の固形成分を構成し、好ましくはスラリー組成物の少なくとも30〜約60重量%、より好ましくはスラリー組成物の約35〜約50重量%を占める。
一実施形態では、バインダーは有機バインダーである。スラリー組成物に用いられる例示的なバインダーのひとつにポリビニルブチラール(PVB)がある。その製品例として、Solutia社からBUTVAR(登録商標)B−79という名称で提供されるものが挙げられる。分子量によって異なるが、好適なPVBバインダーの分解温度は、プリプレグテープ20の作製とデバルクに必要な温度よりも高く、かつプリフォームの焼成及びセラミック前駆物質をマトリックス18の所望のセラミック材料に転化するのに用いられる温度よりも低い。上記以外に候補となりうる有機バインダーとして、ポリカーボネート、酢酸ポリビニル、及びポリビニルアルコール等、他のポリマー材料が挙げられる。好適もしくは好ましいバインダーの選択は、一部には残りのスラリー成分との適合性によって異なる。別の実施形態では、バインダーはプレセラミックポリマーである。
スラリー組成物には、炭素もしくはセラミック形成樹脂(例えば、高チャー収率樹脂)、可塑剤、及びバインダーを溶解する溶媒等の追加的な材料が含まれていてもよい。
具体例として、SiC/Si−SiC型CMC材料の製造において高チャー収率樹脂を含めることができる。それを選択することで、焼成工程によって炭素チャーを形成することができる。次に、それを溶融溶浸において溶融ケイ素又は溶融ケイ素合金と反応させると、追加的なSiCマトリックス材料が形成できる。上記工程における具体的な処理技術及びパラメータは材料の具体的組成によって異なるうえ、当業者の能力の範囲内でもあるため、ここではこれ以上述べることはしない。一実施形態では、バーンアウト強度を高め、硬度及び靱性の高いプリフォームを製造できる高チャー収率樹脂が少なくとも1種類存在する。ここで「高チャー収率樹脂」とは、バーンアウト後に樹脂が分解し、炭素、炭化ケイ素、及び窒化ケイ素等の固形物質が後に残ることを意味する。高チャー収率樹脂は、バーンアウト工程及び後続するケイ素溶融溶浸工程においてプリフォーム構造物に完全性をもたらす。高チャー収率樹脂はまた、硬化プリフォーム構造物の扱いやすさ及び加工性をも改善する。スラリー組成物に用いるのに好適な高チャー収率樹脂の例として、炭素形成樹脂及びセラミック形成樹脂が挙げられる。炭素形成樹脂の例として、フェノール樹脂、フルフリルアルコール、それから誘導される部分重合樹脂、石油ピッチ、及びコールタールピッチを挙げることができる。セラミック形成樹脂の例としては、熱分解によって以下の1種類以上を含有する固相(結晶質もしくは非晶質)を形成する樹脂が挙げられる:炭化ケイ素、炭素、シリカ、窒化ケイ素、オキシ炭化ケイ素、炭窒化ケイ素、炭化ホウ素、窒化ホウ素、及び金属炭化物もしくは窒化物(ただし、金属は一般にジルコニウム又はチタンである)。さらなる例として、ポリカルボシラン、ポリシラン、ポリシラザン、及びポリシロキサンが挙げられる。
いくつかの実施形態では、プリプレグテープは10重量%以上の溶媒含有量を有することができる。或いは、テープ20は10重量%未満、より好ましくは7重量%未満の溶媒含有量に制限された溶媒含有量を有することができる。この実施形態では、制限されたテープ20中の溶媒量を埋め合わせるには(これは通常、順応性のプリプレグテープの製造において必要なことである)、スラリー組成物から製造されるテープ20が他の場合に比べて十分に多くの可塑剤を含有するようにスラリー組成物を調合し、それによってテープ20に要求される順応性を実現可能とすればよい。
スラリー組成物に使用できる適切な溶媒の例として、水性溶媒、水、有機系溶媒、トルエン、キシレン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン(4−メチル−2−ペンタノン)、アセトン、エタノール、メタノール、イソプロパノール、1,1,1−トリクロロエタン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロフルフリルアルコール、セロソルブ、及びブチルセロソルブが挙げられるが、これらには限定されない。
上述のように、溶媒含有量が比較的低いプリプレグテープ20を補償し、テープ20の順応性を高めるために、スラリー組成物に可塑剤を添加することができる。好適な可塑剤のひとつにトリエチレングリコールビス(2−エチルヘキサノエート)がある。その製品例として、Solutia社からS−2075の名称で入手可能なものが挙げられる。上記以外に候補となりうる可塑剤として、フタル酸エステル類(例えば、フタル酸ジブチル、フタル酸ブチルベンジル等)が挙げられる。
上記の成分と量をもつようにスラリー組成物を調製したら、組成物を任意の好適な処理によって強化材料14に対して使用することができる。次に、溶媒を部分的に蒸発させることによってスラリー組成物を部分的に乾燥させ、強化材料14がマトリックス材料22中に埋め込まれた順応性のプリプレグテープ20を生成する。マトリックス材料22は、セラミック前駆物質、バインダー、可塑剤、及び何らかの微粒子充剤、さらには溶媒のうちテープ20形成時に蒸発しなかった部分によって基本的に形成される。一実施形態では、テープ20内のマトリックス材料22は、重量比で約60%〜約70%の固形粉体成分(セラミック前駆物質、及び追加的な微粒子物質がある場合はそれを含む)と、約10%〜約18%のバインダーと、約10%〜約14%の可塑剤と、10%未満(より好ましくは7%未満)の溶媒とを含む。別の実施形態では、テープ20内のマトリックス材料22は、重量比で約20%〜約40%の固形粉体成分(セラミック前駆物質、及び追加的な微粒子物質がある場合はそれを含む)と、約50%〜約75%のバインダーと、10%未満(より好ましくは7%未満)の溶媒とを含む。次に、テープ20を他のテープとともにレイアップし、プリプレグテープ積層体を高温高圧下でデバルクしてプリフォームを作製する。デバルク温度はバインダー及び可塑剤の分解温度より低い。追加的な溶媒を蒸発させるデバルク処理が終わったとき、各テープ20は好ましくは1重量%未満の溶媒、より好ましくは0.1重量%未満の溶媒を含有する。溶媒がさらに減少する結果、一実施形態におけるテープ20は、一般に、約25〜約40重量%の固形粉体成分(セラミック前駆物質、及び追加的な微粒子物質がある場合はそれによって構成される)と、約4〜約8重量%のバインダーと、約4〜約8重量%の可塑剤とを含有し、残りは強化材料14になる。
次に、プリフォームを真空中もしくは不活性雰囲気中で加熱すればよい。このときの到達温度は、最初はバインダーと可塑剤とが分解するのに十分な温度、その後はマトリックス材料22内のセラミック前駆物質をCMC部品10のマトリックス18のセラミック材料に転化するのに十分な温度である。上述のように、部品10にさらに溶融溶浸もしくは別の緻密化処理を実施し、焼成時にバインダーの分解によってマトリックス18中に生じた細孔を充するようにしてもよい。
上記の説明ではプリプレグ処理を用いたが、本発明は、スラリー鋳造技術を含む他の処理を用いて製造する繊維強化複合材料にも拡張できる。例えば、繊維布をレイアップしたプリフォームに本発明のスラリー組成物を公知のスラリー鋳造技術に従って含浸した後、溶媒の部分蒸発、焼成、及び必要であれば溶融溶浸を行うというやり方がある。このように、本発明はこれまで具体的な実施形態について説明してきたが、当業者が他の形態を採用しうることは明らかである。したがって、本発明の範囲は添付の特許請求の範囲のみによって限定される。
以上から、本発明の複合材料は被覆された細径繊維材料とマトリックス相とから構成される。一実施形態では、マトリックス相は被覆された繊維材料の間に分布し、一般に実質的に隙間を充する。また、通常は相互接続の作用をもつ。一般に、被覆された繊維材料はマトリックス相によって完全に覆われる。マトリックス相は、炭化ケイ素及びケイ素でその場で形成される1種類以上の相を含有する。繊維材料は、少なくとも約5体積%、又は少なくとも約10体積%の複合材料を含有する。マトリックスは炭化ケイ素相を複合材料の約5体積%から95体積%、又は約10体積%から80体積%、又は約30体積%から60体積%の割合で含有する。マトリックスは元素状のケイ素相を複合材料の0体積%から50体積%の割合で含有しうる。
溶媒、バインダー、樹脂、可塑剤、炭素粉体、及びSiC粉体を用いてスラリーを作製した。反復した試験のなかで異なる点は、オリジナルのSiC粉体をメジアン径が異なる別のSiC粉体に質量比で1:1の比率で入れ替えたことだけである。スラリー及び処理条件に対してそれ以外の変更は行わなかった。メジアン径が0.6μmのSiC粒子を用いて形成したCMC層を図4に示す。また、メジアン径が7μmのSiC粒子を用いて形成したCMC層を図5に示す。
図に示したサンプルは被覆トウ工程を用いて作製したものである。プリプレグテープはトウをスラリー浴と計量オリフィスに通すことによってドラムに巻き取った。トウ上のスラリーの量はこの計量オリフィスによって制御した。ある決まった時間の乾燥の後、プリプレグテープをドラムから取り外した。テープを切断して複数のシート層とし、それを積層して0:90構成のパネルを形成した。パネルはオートクレーブ中で熱と圧力によって硬化した。残った有機物を不活性雰囲気中で加熱して除去又は熱分解し、多孔質のプリフォームを得た。多孔質のプリフォームは真空炉で溶融溶浸によって緻密化した。
溶融溶浸による緻密化の後、ダイヤモンドウェファリングブレードを用いてパネルの薄片を作成し、機械試験用の微構造サンプルを作成した。微構造サンプルをエポキシ中に置いて研磨した。光学顕微鏡写真を撮影した後、独自の画像解析ソフトウェアを用いて繊維の識別及び隣接する繊維間の距離(端から端まで)の計算を行った。図7AはSiCのメジアン粒径と隣接繊維間隔(隣接する繊維間の表面間距離)との関係を示す。図7BはSiCのメジアン粒径と平均層間引張強さ(ILT)との関係を示す。この図から、1μm未満の粒径に対して約3.6μmの粒径が平均ILTについて26%の改善を示し、約7μmの粒径が39%の改善を示すことがわかる。
本明細書は、最良の形態を含む例を用いて本発明を開示している。また、装置もしくはシステムの作製と使用、並びに内包される方法の実施を含め、当業者が本発明を実施できるように書かれている。本発明の特許可能範囲は特許請求の範囲によって規定されるとともに、当業者が想到する他の例を含みうる。そのような他の例は、特許請求の範囲の文言とは異ならない構造要素を有する場合、或いは特許請求の範囲の文言と大差のない等価な構造要素を有する場合に、特許請求の範囲の範囲内にあるものと考えられる。
[実施態様1]
マトリックス材料(22)内に埋め込まれて一方向に並ぶトウ列を形成する複数の繊維(16)を含む順応性テープ(20)であって、テープ(20)内の隣接する4本の繊維が繊維間距離を規定しており、マトリックス材料(22)が、テープ(20)内の隣接する繊維(16)間に分散した充剤粒子(24)を含んでいて、充剤粒子(24)が、そのメジアン粒径の約0.75倍〜約1.1倍となる繊維間距離(27)を規定するメジアン粒径を有している、順応性テープ(20)。
[実施態様2]
充填剤粒子が、SiC粒子、炭素粒子、ホウ素粒子、B4C粒子、Si34粒子、Mo5Si3粒子、MoSi2粒子、ケイ化物粒子、酸化物粒子又はこれらの混合物を含む、実施態様1に記載の順応性テープ(20)。
[実施態様3]
剤粉体がSiC粒子を含む、実施態様1に記載の順応性テープ(20)。
[実施態様4]
充填剤粒子が、約2μm〜約10μmのメジアン粒径を有する複数の粒子を含む、実施態様1に記載の順応性テープ(20)。
[実施態様5]
充填剤粒子が、約4μm〜約7μmのメジアン粒径を有する複数の粒子を含む、実施態様1に記載の順応性テープ(20)。
[実施態様6]
充填剤粒子が、約2μm〜約10μmのメジアン粒径を有する複数の粒子から実質的になる、実施態様1に記載の順応性テープ(20)。
[実施態様7]
マトリックス材料(22)がセラミック形成粉体をさらに含む、実施態様1に記載の順応性テープ(20)。
[実施態様8]
セラミック形成粉体が、約0.1μm〜約20μmのメジアン粒径を有する複数の炭素粒子を含む、実施態様7に記載の順応性テープ(20)。
[実施態様9]
複数の炭素粒子が約0.1μm〜約1μmのメジアン粒径を有する、実施態様8に記載の順応性テープ(20)。
[実施態様10]
繊維(16)が連続繊維であってトウに束ねられ、繊維(16)は炭化ケイ素含有繊維である、実施態様1に記載の順応性テープ(20)。
[実施態様11]
マトリックス材料(22)内に埋め込まれて一方向に並ぶトウ列を形成する複数の繊維(16)を含む順応性テープ(20)であって、テープ(20)内の隣接する繊維がそれらの間の表面間距離を規定しており、マトリックス材料(22)が、テープ内の隣接する繊維(16)間に分散した充剤粒子(24)を含んでいて、充剤粒子(24)が、隣接づつ繊維間の表面間距離と関係するメジアン粒径を有しており、隣接する繊維間の表面間距離とメジアン粒径との比が約0.3:1〜約1:1である、順応性テープ(20)。
[実施態様12]
隣接する繊維間の表面間距離とメジアン粒径との比が約0.3:1〜約0.7:1である、実施態様11に記載の順応性テープ(20)。
[実施態様13]
隣接する繊維間の表面間距離とメジアン粒径との比が約0.3:1〜約0.5:1である、実施態様11に記載の順応性テープ(20)。
[実施態様14]
充填剤粒子が、SiC粒子、炭素粒子、ホウ素粒子、B4C粒子、Si34粒子、Mo5Si3粒子、MoSi2粒子、ケイ化物粒子、酸化物粒子、ポリマー粒又はこれらの混合物を含む、実施態様11に記載の順応性テープ(20)。
[実施態様15]
剤粉体がSiC粒子を含む、実施態様11に記載の順応性テープ(20)。
[実施態様16]
充填剤粒子が、約1μm〜約10μmのメジアン粒径を有する複数の粒子を含む、実施態様11に記載の順応性テープ(20)。
[実施態様17]
充填剤粒子が、約3μm〜約7μmのメジアン粒径を有する複数の粒子を含む、実施態様11に記載の順応性テープ(20)。
[実施態様18]
充填剤粒子が、約1μm〜約10μmのメジアン粒径を有する複数の粒子から実質的になる、実施態様11に記載の順応性テープ(20)。
[実施態様19]
マトリックス材料(22)がセラミック形成粉体をさらに含む、実施態様11に記載の順応性テープ(20)。
[実施態様20]
セラミック形成粉体が、約0.1μm〜約20μmのメジアン粒径を有する複数の炭素粒子を含む、実施態様19に記載の順応性テープ(20)
[実施態様21]
セラミックマトリックス複合材料の形成方法であって、
各繊維が約40μm未満の直径を有する繊維の集合体を用意する工程と、
繊維の集合体に、バインダーと充剤粉体とセラミック形成粉体とを含むスラリー組成物を含浸する工程であって、セラミック形成粉体が約0.1μm〜約20μmのメジアン粒径を有する複数の炭素粒子を含み、充剤粉体が約2μm〜約10μmのメジアン粒径を有する複数の粒子を含む、工程と、
含浸した繊維の集合体からプリフォームを形成する工程であって、充填剤粒子を繊維の集合体に浸透させて充剤粒子をテープ内の隣接する繊維間に分散させる、工程と
を含む方法。
2 繊維トウ
3 送りリール
4 誘導滑車
5 繊維ガイド
6 比例装置ポジショナ
7 比例装置
8 巻取ドラム
10 CMC部品、CMCC部品
12 薄層
14 セラミック繊維強化材料
16 セラミック繊維
17 繊維間空隙
18 セラミックマトリックス
20 プリプレグテープ
22 固体マトリックス材料
24 粒子
25 表面間距離
27 繊維間距離
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