JP2017030514A - 鉄道車両の減衰装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】連結及び解結作業を容易にする。【解決手段】減衰装置50は、ダンパ装置51を有する。ダンパ装置51は、ダンパ61、第1支持部71、第2支持部72、ダンパ61の右端に設けられた第1連結器81、及び、第1連結器81に対して連結及び解放可能な第2連結器82を有する。第1支持部71は、車体11の台枠11aに取り付けられ、ダンパ61の左端を支点としてダンパ61を水平方向に揺動可能に支持する。第2支持部72は、車体12の台枠12aに取り付けられ、第2連結器82の右端を支点として第2連結器82を水平方向に揺動可能に支持する。【選択図】図3

Description

本発明は、鉄道車両の車体間に設けられ、当該車体間の車幅方向の動揺を減衰する鉄道車両の減衰装置に関する。
特許文献1には、鉄道車両の車体間に設けられ、走行中における車体間の車幅方向の動揺を減衰する車体間ダンパについて記載されている。この車体間ダンパは、2つの車体を連結する車両連結器の両脇にそれぞれ配置され、一端が前方の車体に、他端が後方の車体に取付ブラケット及びボルトを介して強固に取り付けられている。
特開2005−81890号公報
しかしながら、上記特許文献1に記載の車体間ダンパの両端は、前後の車体に取付ブラケット及びボルトを介して強固に取り付けられているため、連結又は解結して鉄道車両の編成を変更する際は、毎回、車体間ダンパを車体に対して着脱する着脱作業が生じる。車体間ダンパは、ある程度の重量物でもあるため、着脱作業が非常に煩雑となり、連結及び解結作業も煩雑となる。
そこで、本発明の目的は、連結及び解結作業を容易にすることが可能な鉄道車両の減衰装置を提供することである。
本発明の鉄道車両の減衰装置は、車体連結器によって前後に連結される第1の車体と第2の車体との間に設けられ、前記第1及び第2の車体間の車幅方向の動揺を減衰する鉄道車両の減衰装置において、伸縮可能なダンパと、前記第1の車体の台枠に取り付けられ、前記ダンパの伸縮方向の一端を支点として前記ダンパを水平方向に揺動可能に支持する第1支持部と、前記ダンパの前記伸縮方向の他端に設けられた第1連結器と、前記第1連結器に対して連結及び解放可能な第2連結器と、前記第2の車体の台枠に取り付けられ、前記第2連結器の前記第1連結器と連結するための一端とは反対側の他端を支点として前記第2連結器を前記水平方向に揺動可能に支持する第2支持部とを有するダンパ装置を備えている。
これによると、減衰装置のダンパ装置が連結及び解放可能な第1及び第2連結器を有しているため、車体間におけるダンパの連結及び解放作業を容易に行うことが可能となる。このため、第1及び第2の車体の連結及び解結作業が容易になる。
本発明において、記第1支持部は、前記第1連結器を前記第2連結器に連結可能な連結位置と、前記連結位置よりも前記第1の車体に近づく退避位置との間において、前記ダンパを移動させる移動機構を有していることが好ましい。これにより、第1及び第2連結器の連結を解放した後に、ダンパを退避位置に移動させることが可能となる。このため、ダンパ及び第1連結器の第1の車体の妻外面からの突出量を小さくすることが可能となる。
また、本発明において、前記移動機構は、前記ダンパを前後方向に沿って移動させることが好ましい。これにより、ダンパを移動させる際に、ダンパが車幅方向に移動しない。このため、幅の狭い場所でもダンパを移動させることが可能となる。
また、本発明において、前記ダンパ装置が、前記車幅方向に関して、前記車体連結器を挟むように2つ設けられていることが好ましい。これにより、第1及び第2の車体間の車幅方向の動揺を効果的に減衰させることが可能となる。
また、本発明において、前記2つのダンパ装置が、前記第1及び第2の車体間の中心点に対して点対称に配置され、2つの前記ダンパ装置のうちの一方のダンパ装置において、前記第1支持部が前記第2の車体の前記台枠に取り付けられ、前記第2支持部が前記第1の車体の前記台枠に取り付けられることが好ましい。これにより、2つのダンパ装置を点対称に配置することが可能となる。
本発明の鉄道車両の減衰装置によると、減衰装置のダンパ装置が連結及び解放可能な第1及び第2連結器を有しているため、車体間におけるダンパの連結及び解放作業を容易に行うことが可能となる。このため、第1及び第2の車体の連結及び解結作業が容易になる。
本発明の一実施形態に係る鉄道車両を示しており、(a)は要部平面図であり、(b)は要部側面図である。 (a)は図1に示すダンパ装置の側面図であり、(b)はダンパ装置を下方から見たときの図である。 (a)は第1連結器が連結位置にある状況を示す状況図であり、(b)はダンパが退避位置にある状況を示す状況図である。 (a)は車両同士を離隔させた状況を示す状況図であり、(b)は車両同士を離隔させた状態でダンパが退避位置にある状況を示す状況図である。
以下、本発明の一実施形態である鉄道車両の減衰装置について、図1〜図3を参照しつつ以下に説明する。
[鉄道車両の全体構成]
鉄道車両100は、図1に示すように、前後方向Aに連結された複数の車両1,2を含んでいる。本実施形態の車両1,2は、中間に位置する中間車であり、車両1,2はともにほぼ同様な構成を有している。
[車両の構成]
車両1は、図1(a)に示すように、車体11(第1の車体)と、車体11の下端部に取り付けられた複数の台車21と、車体連結器31とを有する。台車21は、図1中に1つしか示されていないが、前後方向Aに離隔して複数配置されている。台車21は、4つの車輪21aと、前後方向Aと直交する車幅方向Bに延在する2つの車軸21bとを有しており、車体11を下方から支持する。台車21は、図示しない駆動装置からの駆動力によって4つの車輪21aが回転する。これにより、車両1が進行方向(前方又は後方)に進む。
なお、車両2も、図1に示すように、車両1と同様な構成の車体12(第2の車体)と複数の台車22と車体連結器32とを有する。台車22は、4つの車輪22aと、車幅方向Bに延在する2つの車軸22bとを有しており、車体12を下方から支持する。台車22も、図示しない駆動装置からの駆動力によって4つの車輪22aが回転する。これにより、車両2が進行方向(前方又は後方)に進む。車体連結器31,32は、車両1,2同士を結合し、牽引時の引張力・推進時の圧縮力を伝達する公知の密着連結器を採用している。
[減衰装置の構成]
車両1,2の車体11,12間には、走行中における車体11,12間の車幅方向Bの動揺を減衰するための減衰装置50が設けられている。減衰装置50は、車体11,12間に設けられた2つのダンパ装置51,52を有している。2つのダンパ装置51,52は、車幅方向Bに関して車体連結器31,32を挟むように、車体11,12の車幅方向Bの両端であって車体11の後端及び車体12の前端をそれぞれ接続するように配置されている。また、2つのダンパ装置51,52は、車体11,12間の中心点Gに対して点対称に配置されている。なお、中心点Gは、車体11,12の車幅方向Bの中心を通る前後方向Aに沿う中心線上に存在し、車体11,12間の前後方向Aの中心位置である。また、ダンパ装置51,52は、中心点Gに対して点対称に配置されている以外は同じ構成であるため、主にダンパ装置51について説明する。
[ダンパ装置51の構成]
ダンパ装置51は、図2に示すように、ダンパ61、第1支持部71と、第1連結器81と、第2連結器82と、第2支持部72とを含んでなる。ダンパ61は、公知のダブルチューブ型のダンパを採用しているが、前後方向Aに沿って伸縮可能であれば、どのようなダンパでも採用することが可能である。ダンパ61は、アウターチューブ62と、アウターチューブ62の内側に同軸的に構成されたインナーチューブ63と、インナーチューブ63の内側で軸方向(前後方向Aに平行)に摺動するピストン64と、ピストン64に結合してアウターチューブ62から外側へ軸方向に突出するピストンロッド65とを有し、伸縮可能に構成されている。
インナーチューブ63の内側は、ピストン64により2つの油室66,67が画定される。ピストンロッド65側の油室66はチェック弁(不図示)を介して、インナーチューブ63とアウターチューブ62の間に形成された油溜室69に連通する。ピストンロッド65と反対側の油室67は減衰弁(不図示)を介して油溜室69に連通する。ピストン64にも、伸長側減衰弁と圧縮側減衰弁(ともに不図示)が設けられる。これにより、ダンパ61は伸長及び圧縮に対して同等の減衰力を発生させる。
また、ダンパ61は、ピストンロッド65を覆う円筒状のスリーブ68を有する。スリーブ68は、アウターチューブ62の外形よりも若干大きな内径を有し、アウターチューブ62の外周の外側においてアウターチューブ62の一部とオーバラップして配置されている。
図2に示すように、アウターチューブ62の左端部には、取付部62aが設けられている。取付部62aには、上下方向Cに貫通する孔62bが形成されている。孔62bは、後述の固定軸71cが挿通される。
第1連結器81は、スリーブ68の右端部に固定されている。第1連結器81は、連結部81aと、連結部81aとスリーブ68とを接続する接続部81bとを有する。連結部81aは、公知の密着連結器と同様の連結構造を有し、第2連結器82の連結部82aと連結及び解放可能に構成されている。
第1支持部71は、図2及び図3に示すように、ベースプレート71aと、支持部本体71bと、固定軸71cとを含み、車体11の台枠11aに取り付けられている。ベースプレート71aは、前後方向Aに沿って長尺な矩形平面形状を有する板状部材である。ベースプレート71aは、車体11の台枠11aの下面に沿って前後方向Aに移動可能に支持されている。また、ベースプレート71aの上面には、図3に示すように、前後方向Aに沿って延在するラックギヤ71a1が形成されている。
支持部本体71bは、ベースプレート71aの下面に固定されている。支持部本体71bは、取付部62aの端部を収容可能な溝71b1を有する。溝71b1は、後方に向かって開口し、車幅方向Bに沿って延在する。また、溝71b1は、上下方向Cの取付部62aの厚みよりも幅が若干大きく形成されている。支持部本体71bのダンパ61と対向する側面には、前後方向Aに穿孔されてなる2つの穴(不図示)が配置されている。これら2つの穴の内周面には雌ねじが形成されている。また、2つの穴は、溝71b1を挟んで上下に並んで配置されている。
固定軸71cは、図2(a)に示すように、上下方向Cの中央に形成された球形部71c1と、球形部71c1の上下方向Cの両端に形成された支持部71c2とを有する。支持部71c2には、前後方向Aに沿って貫通する孔(不図示)が形成されている。固定軸71cは、緩衝ゴム62cを介して球形部71c1を孔62b内に配置させた状態で、各支持部71c2の孔に挿通したボルト71c3を支持部本体71bの穴にねじ込むことで、支持部本体71bに固定されている。このような第1支持部71の構成によって、ダンパ61の左端を支点として、ダンパ61を図2(b)中水平方向Dに揺動可能に支持することが可能となる。また、固定軸71cの球面部71c1と孔62b内の緩衝ゴム62cとにより、ダンパ61は、ダンパ61の左端を支点として、上下方向Cにも僅かな範囲であるが揺動可能に構成されている。なお、緩衝ゴム62cに代えて球面ブッシュを採用してもよい。
また、第1支持部71は、図3に示すように、移動機構71dを有する。移動機構71dは、ベースプレート71aに形成されたラックギヤ71a1と、ピニオンギヤ71d1と、駆動モータ(不図示)とで構成されている。ピニオンギヤ71d1は、駆動モータによって回転駆動される。また、ピニオンギヤ71d1は、ラックギヤ71a1と常に噛み合って配置されている。この構成において、ユーザが駆動モータを駆動するための操作盤を操作することで、ピニオンギヤ71d1が駆動され、ベースプレート71aとともにダンパ61が前後方向Aに移動する。より詳細には、駆動モータが正転駆動されることで、第1連結器81が連結位置から退避位置に移動するように、ダンパ61がベースプレート71aとともに移動する。一方、駆動モータが逆転駆動されることで、第1連結器81が退避位置から連結位置に移動するように、ダンパ61がベースプレート71aとともに移動する。
連結位置は、図3(a)に示す位置であり、車体連結器31,32によって車両1,2を連結する際に、第1連結器81を第2連結器82に連結することが可能な位置である。退避位置は、図3(b)に示す位置であり、第1連結器81が連結位置よりも車体11に近づいた位置である。
第2連結器82は、図2に示すように、第1連結器81の連結部81aと同様な構成を有する連結部82aと、接続部82bと、取付部82cとを有する。第1連結器81と第2連結器82は、車両1,2を互いに近づけ、車体連結器31,32によって車体11,12を連結する際に、連結部81a,82a同士も接触して自動的に連結される。つまり、連結部81a,82aの先端から突出する突起81a1,82a1が互いの連結部81a,82a内に挿入され、連結部81a,82a内に設けられた回転錠(不図示)と係合することで、連結部81a,82a同士が連結される。このとき、ダンパ61は連結位置に配置されている。また、第1連結器81と第2連結器82は、車体連結器31,32を解放させる際に操作する操作盤をユーザが操作することで、連結部81a,82a同士の連結が解放されるように構成されている。つまり、第1連結器81と第2連結器82は、ユーザが操作盤を操作することで、回転錠と突起81a1,82a1との係合が解除される。
接続部82bは、前後方向Aに沿って延在し、連結部82aと取付部82aとを接続する部材である。取付部82cは、上述の取付部62aと同様な構成を有し、上下方向Cに貫通する孔82dが形成されている。孔82dは、後述の固定軸72cが挿通される。
第2支持部72は、図2及び図3に示すように、ベースプレート72aと、支持部本体72bと、固定軸72cとを含み、車体12の台枠12aに取り付けられている。ベースプレート72aは、前後方向Aに沿って長尺な矩形平面形状を有する板状部材であり、台枠12aの下面に固定されている。
支持部本体72bは、上述の支持部本体71bと同様な構成を有しており、ベースプレート72aの下面に固定されている。支持部本体72bは、取付部82cの端部を収容可能な溝72b1を有する。溝72b1は、前方に向かって開口し、車幅方向Bに沿って延在する。また、溝72b1は、上下方向Cの取付部82cの厚みよりも幅が若干大きく形成されている。支持部本体72bのダンパ61と対向する側面には、前後方向Aに穿孔されてなる2つの穴(不図示)が配置されている。これら2つの穴の内周面には雌ねじが形成されている。また、2つの穴は、溝72b1を挟んで上下に並んで配置されている。
固定軸72cも、上述の固定軸71cと同様な構成を有しており、上下方向Cの中央に形成された球形部72c1と、球形部72c1の上下方向Cの両端に形成された支持部72c2とを有する。支持部72c2には、前後方向Aに沿って貫通する孔(不図示)が形成されている。固定軸72cは、緩衝ゴム82eを介して球形部72c1を孔82d内に配置させた状態で、各支持部72c2の孔に挿通したボルト72c3を支持部本体72bの穴にねじ込むことで、支持部本体72bに固定されている。このような第2支持部72の構成により、第2連結器82の右端を支点として、第2連結器82を図2(b)中水平方向Eに揺動可能に支持することが可能となる。また、固定軸72cの球面部72c1と孔82d内の緩衝ゴム82eとにより、第2連結器82は、第2連結器82の右端を支点として、上下方向Cにも僅かな範囲であるが揺動可能に構成されている。なお、緩衝ゴム82eに代えて球面ブッシュを採用してもよい。
[ダンパ装置52の構成]
ダンパ装置52は、上述したように車体11,12間の中心点Gに対してダンパ装置51と点対称に配置され、ダンパ装置51と同様の構成を有する。つまり、ダンパ装置52は、ダンパ61、第1支持部71、第1連結器81、第2連結器82及び第2支持部72を有し、ダンパ装置52の第1連結器81及びダンパ61が第1支持部71を介して車体12の台枠12aに取り付けられ、ダンパ装置52の第2連結器82が第2支持部72を介して車体11の台枠11aに取り付けられる。より詳細には、ダンパ装置52の第1支持部71がダンパ61の右端(取付部62a)を支点として、ダンパ61が水平方向及び上下方向に揺動可能に支持する。また、ダンパ装置52の第2支持部72が第2連結器82の左端(取付部82c)を支点として、第2連結器82を水平方向及び上下方向Cに揺動可能に支持する。
なお、ダンパ装置52の移動機構71dによる連結位置は、上述のダンパ装置51の移動機構71dによる連結位置と同様な位置であるが、退避位置は、ダンパ装置52の第1連結器81が連結位置よりも車体12に近づいた位置である。
このような減衰装置50が車体11,12間に設けられていることで、鉄道車両100が曲線部などを通過し、走行中に車体11,12間において車幅方向の揺れが生じても、当該揺れに応じて各ダンパ装置51,52のダンパ61が前後方向に伸縮しつつ揺れを減衰させることが可能となる。
次に、車両1,2の連結及び解結時の動作について、図1及び図4を参照しつつ以下に説明する。先ず、車両1,2を解結するときの動作について説明する。車両1,2を解結する際は、車体連結器31,32を解放するための操作盤をユーザが操作し、車体連結器31,32の回転錠と突起との係合を解除する。つまり、車体連結器31,32同士の連結が解放される。このとき、各ダンパ装置51,52の第1連結器81と第2連結器82の回転錠と突起81a1,82a1との係合も解除される。つまり、第1及び第2連結器81,82同士の連結が解放される。この後、車両1,2を離すように移動させることで、図1(a)に示す状態から図4(a)に示すように、車両1,2が解結される。そして、ユーザが駆動モータを駆動するための操作盤を操作し、駆動モータを正転駆動する。すると、図4(b)に示すように、各ダンパ装置51,52の移動機構71dによって、ダンパ61がベースプレート71aとともに移動し、第1連結器81が連結位置から退避位置に移動する。なお、第1連結器81は、第1連結器81と第2連結器82の回転錠と突起81a1,82a1との係合が解除されておれば、車両1,2が解結される前(車両1,2を離すように移動させる前)、又は、車両1,2の解結と同時に、連結位置から退避位置に移動させてもよい。
続いて、車両1,2を連結するときの動作について説明する。車両1,2を連結する際は、車両1,2を解結するときとは逆の手順で行う。つまり、ユーザが駆動モータを駆動するための操作盤を操作し、駆動モータを逆転駆動する。すると、図4(a)に示すように、各ダンパ装置51,52の移動機構71dによって、ダンパ61がベースプレート71aとともに移動し、第1連結器81が退避位置から連結位置に移動する。この状態で、車両1,2を接近させて車体連結器31,32同士を密着させることで、図1(a)に示すように、車体連結器31,32同士が連結される。このとき、各ダンパ装置51,52の第1及び第2連結器81,82同士も同様に密着し、連結される。
以上に述べたように、本実施形態の鉄道車両100の減衰装置50によると、各ダンパ装置51,52が連結及び解放可能な第1及び第2連結器81,82を有しているため、ダンパ装置51,52を車体11,12から着脱しなくても、車体11,12間におけるダンパ61の連結及び解放作業を容易に行うことが可能となる。このため、車体11,12(車両1,2)の連結及び解結作業が容易になる。
第1支持部71が、移動機構71dを有していることで、第1及び第2連結器81,82の連結を解放した後に、ダンパ61を退避位置に移動させることが可能となる。このため、図4(b)に示すように、ダンパ装置51のダンパ61及び第1連結器81の車体11の妻外面11bからの突出量、及び、ダンパ装置52のダンパ61及び第1連結器81の車体12の妻外面12bからの突出量を小さくすることが可能となる。
移動機構71dは、ダンパ61を前後方向Aに沿って移動させる。これにより、ダンパ61を移動させる際に、ダンパ61が車幅方向Bに移動しない。このため、幅の狭い場所でもダンパ61を移動させることが可能となる。
2つのダンパ装置51,52が、車幅方向Bに関して、車体連結器31,32を挟むように配置されている。これにより、車体11,12間の車幅方向Bの動揺を効果的に減衰させることが可能となる。
以上、本発明の好適な実施の形態について説明したが、本発明は上述の実施の形態に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載した限りにおいて様々な変更が可能なものである。例えば、減衰装置50は、2つのダンパ装置51,52のうちのいずれか一方のみ有していてもよいし、3以上のダンパ装置を有していてもよい。上述の実施形態におけるダンパ装置51,52は、車体11,12の車幅方向Bの一端に配置されているが、車体連結器31,32と車体11,12の車幅方向Bの一端との間に配置されていてもよい。要するに、車体11,12の台枠11a,12a間であればどこに設けられていてもよい。
また、第1連結器81の連結部81a及び第2連結器82の連結部82bの構成は、連結及び解放可能な構成であれば、密着連結器以外の公知の接続構成であってもよい。また、ユーザが操作盤を操作することで、第1及び第2連結器81,82の解放動作を自動で行わせているが、当該解放動作を手動で行ってもよい。この場合でも、各ダンパ装置51,52を車体11,12から着脱する必要がないため、上述と同様の効果を得ることができる。また、上述の実施形態におけるダンパ61には、油圧式のダンパを採用しているが、空気式などのダンパであってもよい。要するに、鉄道車両100の走行中における車体11,12間の車幅方向Bの動揺を、伸縮する際に減衰することが可能なものであればよい。
また、移動機構71dは、ダンパ61を連結位置から上方、下方、車幅方向Bの外側及び内側のいずれかに回動させて、退避位置に移動させてもよい。また、移動機構71dは、駆動モータを有していなくてもよい。この場合、ユーザが手動でダンパ61を移動させることで、第1連結器81が連結位置と退避位置との間において移動可能に構成されておればよい。また、第1支持部71は、移動機構71dを有していなくてもよい。
2つのダンパ装置51,52は、中心点Gを通る前後方向Aに沿う中心線に対して線対称に配置されていてもよい。この場合、各ダンパ装置51,52の第1支持部71が車体11の台枠11aに取り付けられ、第2支持部72が車体12の台枠12aに取り付けられる。
上述の実施形骸における減衰装置50は、中間車である車両1,2の車体11,12間に設けられていたが、共に先頭車である車両の車体間、先頭車である車両の車体と中間車である車両の車体間に設けられていてもよい。要するに鉄道車両の車体間に設けられておればよい。これにおいても、上述と同様の効果を得ることができる。
1,2 車両
11 車体(第1の車体)
11a 台枠
12 車体(第2の車体)
12a 台枠
31,32 車体連結器
50 減衰装置
51,52 ダンパ装置
61 ダンパ
71 第1支持部
71d 移動機構
72 第2支持部
81 第1連結器
82 第2連結器
100 鉄道車両
G 中心点

Claims (5)

  1. 車体連結器によって前後に連結される第1の車体と第2の車体との間に設けられ、前記第1及び第2の車体間の車幅方向の動揺を減衰する鉄道車両の減衰装置において、
    伸縮可能なダンパと、
    前記第1の車体の台枠に取り付けられ、前記ダンパの伸縮方向の一端を支点として前記ダンパを水平方向に揺動可能に支持する第1支持部と、
    前記ダンパの前記伸縮方向の他端に設けられた第1連結器と、
    前記第1連結器に対して連結及び解放可能な第2連結器と、
    前記第2の車体の台枠に取り付けられ、前記第2連結器の前記第1連結器と連結するための一端とは反対側の他端を支点として前記第2連結器を前記水平方向に揺動可能に支持する第2支持部とを有するダンパ装置を備えていることを特徴とする鉄道車両の減衰装置。
  2. 前記第1支持部は、前記第1連結器を前記第2連結器に連結可能な連結位置と、前記連結位置よりも前記第1の車体に近づく退避位置との間において、前記ダンパを移動させる移動機構を有していることを特徴とする請求項1に記載の鉄道車両の減衰装置。
  3. 前記移動機構は、前記ダンパを前後方向に沿って移動させることを特徴とする請求項2に記載の鉄道車両の減衰装置。
  4. 前記ダンパ装置が、前記車幅方向に関して、前記車体連結器を挟むように2つ設けられていることを特徴とする請求項1に記載の鉄道車両の減衰装置。
  5. 前記2つのダンパ装置が、前記第1及び第2の車体間の中心点に対して点対称に配置され、
    2つの前記ダンパ装置のうちの一方のダンパ装置において、前記第1支持部が前記第2の車体の前記台枠に取り付けられ、前記第2支持部が前記第1の車体の前記台枠に取り付けられることを特徴とする請求項4に記載の鉄道車両の減衰装置。
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