JP2017030363A - 熱圧着プリントラミネート用ポリプロピレンフィルム及びプリントラミネート体 - Google Patents

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Abstract

【課題】印刷物とフィルムとの接着性が良好であり、加工性に優れ、かつラミネート後の光沢性などの外観特性に優れ、接着性樹脂層の他方にハードコート層を持つことで耐スクラッチ性を付与したプリントラミネート用フィルム及びプリントラミネート体を提供すること。【解決手段】基材層の一方の面にハードコート層が最表層となるように設けられた熱圧着プリントラミネート用ポリプロピレンフィルムであって、ハードコート層の厚みが0.5〜2.0μmであり、ハードコート層の表面鉛筆硬度が2B以上である熱圧着プリントラミネート用ポリプロピレンフィルムとする。【選択図】 図1

Description

本発明は、成形性、耐薬品性、耐変形性、耐歪み性に優れ、かつ耐摩耗性、高表面硬度性などのハードコート性を付与した耐スクラッチ性を有する熱圧着プリントラミネート用ポリプロピレンフィルムおよびプリントラミネート体に関するものである。
印刷を施した紙などの印刷物の表面の保護、耐水・耐油性の付与、光沢等を与え美麗化する目的で印刷物等をフィルムでラミネートする手法が実用化されており、この用途に使用されるフィルムを一般にプリントラミネート用フィルム、印刷物等にこのプリントラミネート用フィルムをラミネートしたものをプリントラミネート体と称している。
プリントラミネート体を得る方法としては、接着剤を用いて紙と貼りあわせる所謂溶剤貼りと感熱接着性樹脂層を用いて貼りあわせる熱プリントラミネートとがあるが、近年の環境問題への取り組みや、プリントラミネート体表面の仕上がり感が良い理由から、熱プリントラミネート方式が増加している。
こうした接着性樹脂層としては、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体、エチレン−α−オレフィン共重合体、エチレン−メタアクリル酸エステル等が提案されている(例えば特許文献1〜4)。しかしながら、プリントラミネート体を製造する際のラミネート温度が低い場合、印刷紙との接着強度が不足したり、光沢感が不足するなどの問題が生じることがあった。また、印刷紙にインキの残留溶剤等が多く含有されている場合に、接着強度が不十分となる問題もあった。
一般的に接着性樹脂層の接着性を上げるためには、感熱接着樹脂のコモノマー含有量を増加させ融点を低下させることや、感熱接着樹脂の流動性を上げること等が必要である。しかしながら、その場合、熱接着性樹脂層表面のべたつきが大きくなり、熱接着性樹脂層表面のすべり性の悪化やブロッキングなどによる加工性不良、またラミネート後の光沢性が悪化するなどの外観不良が問題となる。そのため、従来技術では、プリントラミネート用フィルムの<1>接着性、<2>加工性、<3>ラミネート後の光沢性などの外観特性のすべてを満足に達成することが困難であった。
一方、鋼板、無機建材、プラスチック、紙などの基材に、表面を保護するためのコーティング剤を塗布することが通常行われている。特許文献5には、模様、着色層を設けた原紙上に電離性放射線硬化樹脂よりなるハードコート層を設けた化粧シートが開示されている。特許文献6には印刷模様層を有する半硬質熱可塑性樹脂フィルムの表層にポリエステルフィルムをラミネートし、さらに紫外線硬化型樹脂をハードコート層としてコーティングして表面硬度を上げる方法が挙げられている。
ハードコート層がコーティングされたラミネートフィルムはディスプレイや樹脂成形物の表面保護目的で貼り合わせに広く用いられているが、印刷を施した紙などの印刷物にハードコートフィルムを貼り合わせる際に、ハードコート層を厚くするとヘイズが大きくなり印刷物の外観を損なうという問題点がある。また、ハードコート層の厚みが厚いと紙と貼り合わせ後に裁断する過程で加工性が悪く、印刷を施した紙などの印刷物に厚いハードコート層を設けることは好ましくなかった。
またハードコート層と他方の面の硬度差が大きすぎるとロールハンドリング時に表面が擦れて傷が発生する原因となる。そのため、フィルム間に離型フィルムを介さずに巻き取ると、積層されたフィルムの表裏の面同士が擦れて柔らかい側の面に擦過による傷が発生するといった不具合もあり、ポリエステルフィルム等の硬いフィルムより軟らかいポリプロピレンフィルムにハードコート層を積層することは難しかった。
特開平10−330706号公報 特開2003−200537号公報 特開2004−268429号公報 特開2008−110509号公報 実開昭63 − 33935号公報 特開平6−71814号公報
本発明の目的は、上記従来の問題点を解消せんとするものであり、印刷物とフィルムとの接着性が良好であり、加工性に優れ、かつラミネート後の光沢性などの外観特性に優れ、接着性樹脂層の他方にハードコート層を持つことで耐スクラッチ性を付与したプリントラミネート用フィルム及びプリントラミネート体を提供せんとするものである。
上記課題を解決するための本発明は以下の特徴を有する。
すなわち、基材層の一方の側にハードコート層が最表層となるように設けられた熱圧着プリントラミネート用ポリプロピレンフィルムであって、ハードコート層の厚みが0.5〜2.0μmであり、ハードコート層の表面鉛筆硬度が2B以上である熱圧着プリントラミネート用ポリプロピレンフィルムである。
本発明の熱圧着プリントラミネート用ポリプロピレンフィルムおよびプリントラミネート体は最表層にハードコート塗工していることからフィルムの耐傷付き性に優れる。また、ラミネート体の光沢性に優れ、印刷物の表示効果を高めることができフィルムと印刷紙との接着性に優れることからブックカバー用など紙貼りの印刷物の張り合わせに極めて好適である。更に他のプラスチック、金属類などとの接着性も良いため、内装材、金属類の防錆対策材料などにも使用することができる。
本発明の一実施態様に係る熱圧着プリントラミネート用ポリプロピレンフィルムを示す概略断面図である。
以下、本発明の熱圧着プリントラミネート用ポリプロピレンフィルム及びプリントラミネート体について説明する。
本発明の熱圧着プリントラミネート用ポリプロピレンフィルムは、基材層の一方の側にハードコート層が最表層となるように設けられた熱圧着プリントラミネート用ポリプロピレンフィルムであって、ハードコート層の厚みが0.5〜2.0μmであり、ハードコート層の表面鉛筆硬度が2B以上である熱圧着プリントラミネート用ポリプロピレンフィルムである。
具体的な構成例としては、ハードコート層|基材層|接着性樹脂層、のような構成や、例えば図1に示すように、基材層と接着性樹脂層の層間剥離を防ぐ目的で、両層間に接合層を設けた、ハードコート層|基材層|接合層|接着性樹脂層、のような構成も好ましい。以下、各層について詳述する。
(基材層)
本発明における基材層は、単層構成であっても複数の層が積層された多層積層構成であってもよい。また、基材層を構成する成分としては、ポリプロピレンであることが好ましい。
本発明における基材層(B層)は、ポリプロピレン系樹脂層(B1層)と、低融点ポリプロピレン系樹脂層(B2層)とで構成されることも好ましい。積層順としては後述する接着性樹脂層側に低融点ポリプロピレン系樹脂層(B2層)が積層されることが好ましい。このように、基材層(B層)を、融点の異なるポリプロピレン系樹脂層による多層構成とすることで、フィルムの剛性を保ちつつ表面の加工性を向上できるため効果的である。
上記したポリプロピレン系樹脂層(B1層)は、アイソタクチックインデックス(II)が90〜99%であるポリプロピレン系樹脂から構成されていることが好ましく、更に好ましくは95〜98%である。また、ポリプロピレン系樹脂層(B1層)を構成する樹脂のモノマーとしてはプロピレン以外の成分で、エチレン、ブテン、ペンテン、ヘキセン等のα−オレフィンを少量(3モル%以下)含有することが可能である。アイソタクチックインデックスが90%未満の場合、樹脂の結晶性が低くなり製膜性が低下する場合がある他、フィルムの弾性率に劣る場合がある。
ポリプロピレン系樹脂層(B1層)には酸化防止剤等の安定剤、塩素捕獲剤、帯電防止剤、スリップ剤等を含有することができる。安定剤としては、ヒンダードフェノール系、ヒンダードアミン系、フォスファイト系化合物、あるいはトコフェロール類、ラクトン類が例示される。更に塩素捕獲剤としては、ステアリン酸カルシウム、ハイドロタルサイト等が例示される。
低融点ポリプロピレン系樹脂層(B2層)は、接着樹脂層または、接合層との接着性を良好とする上で、融点が120〜145℃、更に好ましくは125〜140℃のポリプロピレン系樹脂で構成されていることが好ましい。145℃を超える場合、接着性が低く、120℃未満では工程のパスライン上の汚れが多くなる傾向があるほか、ブロッキングも大きくなる。こうした低融点のポリプロピレン系樹脂としては、具体的にはプロピレンを主体とし、エチレン、ブテン、ヘキセン、オクテン等のα−オレフィンから選ばれたコモノマーを共重合した樹脂が好ましく、共重合は、ランダム共重合体であってもよいし、ブロック共重合体であってもよい。ポリプロピレン系樹脂の中でも、比較的柔軟かつ成形加工しやすいことから、プロピレン−エチレン共重合体が特に好ましい。当該低融点ポリプロピレン樹脂には無水マレイン酸等をグラフト重合させておくことも可能である。
更に低融点ポリプロピレン系樹脂層(B2層)には加工性を向上する目的で、無機あるいは有機の粒子を含有することが可能であり、シリコーン粒子、酸化珪素粒子、酸化アルミニウム粒子等が例示される。含有量としては6,000ppm以下(質量基準、以下同じ)、更に好ましくは5,000ppm以下である。6,000ppmを超える場合は粒子の分散が不十分となり、凝集しやすくなる傾向にある。
基材層の厚みは、単層構成の場合や、上記したポリプロピレン系樹脂層(B1層)と低融点ポリプロピレン系樹脂層(B2層)とから構成される多層構成の場合を含め、ラミネート体の光沢感、耐久性、加工性を良好とする上で、基材層総厚み(全厚み)として9〜25μmであることが好ましい。全厚みが9μm未満の場合、フィルムの剛性、製膜安定性が低下する傾向にある。
また、基材層(B層)の120℃15分処理におけるTD方向(フィルム流れ方向と直角方向)の熱収縮率が−2〜5%であると、ラミネート体を形成した際のカール等の平面性の問題が軽減できるので好ましい。
本発明における基材層の表面は、ハードコート層や接着性樹脂層を形成する場合に各層との密着性を向上させる目的で、あらかじめコロナ処理やアンカーコート剤を塗布するなどの方法によって、前処理を施しておいてもよい。
本発明の熱圧着プリントラミネート用ポリプロピレンフィルムの基材層上にハードコート層等を塗工する際に、基材層の表面粗さが大きすぎると薄膜の塗工であるとハードコート層に塗工ムラが起こり易く、塗工ムラ起因で外観不良や硬度ムラが起きる。そのためハードコート層の塗工をする前に表面粗さを調整することが好ましい。その際の基材層の十点平均表面粗さ(SRz)は1500nm以下であることが好ましく、より好ましくは600〜1300nmである。600nm未満では表面が平滑すぎることから塗工が難しく、1500nmを超える場合は塗工ムラが発生しやすい傾向にある。表面粗さを制御する方法としては、前述の無機、有機系の微粒子をフィルム表層に添加する他、フィルム成形時の押出温度、冷却温度、製膜速度、延伸温度などを調整する方法が挙げられる。
(ハードコート層)
本発明においては、基材層の一方の側にハードコート層が設けられる。このハードコート層は、本発明の熱圧着プリントラミネート用ポリプロピレンフィルムにおいて、最外層となるように設けられる。ハードコート層の構成成分としては、例えば、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、メラミン系樹脂、有機シリケート化合物、シリコーン系樹脂または金属酸化物などで構成することができる。特に、硬度と耐久性などの点で、シリコーン系樹脂とアクリル系樹脂が好ましく、更に、硬化性、可撓性および生産性の点で、アクリル系樹脂が好ましい。また、ハードコート層が活性エネルギー線硬化樹脂を含むことも好ましく、特に、活性エネルギー線硬化型のアクリル系樹脂が好ましい。なお、熱硬化型のアクリル系樹脂も用いることができるが、熱硬化の際の加工温度が高くポリプロピレンの熱収縮が起こる温度と近い場合がある。
ハードコート層中には、本発明の効果が損なわれない範囲で、さらに各種の添加剤を必要に応じて配合することができる。例えば、酸化防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤などの安定剤、界面活性剤、レベリング剤および帯電防止剤、加工性を制御するためのアンチブロッキング剤などを用いることができる。
ハードコート層を設けるプロセスとしては、コーティングにより行う場合、オフラインコーティングと、インラインコーティングの2種に大別することができる。
オフラインコーティングは、製膜後の基材層に、熱硬化型樹脂または活性エネルギー線硬化型樹脂を主成分とするコーティング層用の塗材を塗布する。一方、インラインコーティングは、基材層の製膜工程において上記したようなハードコート層用の塗材を塗布する。
ハードコート層用塗材の塗布手段としては、各種の塗布方法、例えば、リバースコート法、グラビアコート法、ロッドコート法、バーコート法、ダイコート法またはスプレーコート法などを用いることができる。
活性エネルギー線としては、例えば、紫外線や電子線、放射線(α線、β線、γ線など)などアクリル系のビニル基を重合させる電磁波が挙げられ、実用的には、紫外線が簡便であり好ましい。紫外線源としては、紫外線蛍光灯、低圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、キセノン灯または炭素アーク灯などを用いることができる。
ハードコート層の厚さは、用途に応じて決定すればよいが、0.5〜2.0μmである。ハードコート層の厚さが0.5μm未満の場合には十分硬化していても薄すぎるために表面硬度が十分でなく傷が付きやすくなる傾向にあるほか、基材の厚みムラに影響されやすく塗工が均一にできなくなり加工性が悪化する場合がある。0.5〜2.0μmの厚みにおいても基材層の表面粗さに影響されるため表面粗さを限定することがより好ましいことである。具体的には基材層のハードコート層を設ける方の面の十点平均表面粗さ(SRz)は1500nm以下であることが好ましく、より好ましくは600〜1300nmである。ハードコート層の厚さが2.0μmを超えると貼り合わせた紙の質感を損なう傾向がある。また、ハードコート層を厚くする場合、ヘイズが大きくなる他、脆性が悪化して割れや剥がれが生じやすくなるのと同時に、硬化収縮によるハードコートフィルムのカールが大きくなるという問題もある。ハードコート層を厚くすると硬度は高くなる傾向にあるが、ハードコート層が硬すぎると、ロール状に巻き取った際に、ハードコート層と他方の面の最表層に傷が付く場合がある。
また、本発明のフィルムは透明性の観点から、ポリプロピレンフィルムとラミネートした後のヘイズは3.0%以下であることが好ましい。3.0%を超えると印刷物等に貼り合わせた際に、印刷外観が低下することがある。
また、ハードコート層は2B以上の鉛筆硬度を有していることが好ましい。さらに好ましくは2B以上H未満である。2B未満では傷が残りやすく表面保護の目的を果たせないことがある。また鉛筆硬度がHを超える場合、ハードコート層と他方の面の硬度差が大きすぎるとロールハンドリング時に表面が擦れて傷が発生する傾向にある。フィルム間に離型フィルムを介さずに巻き取ると、積層されたフィルムの表裏の面同士が擦れて柔らかい側の面に擦過による傷が発生するといった不具合が発生する場合がある。またハードコート層が脆く加工性に劣る場合がある。すなわち本発明ではハードコート層の鉛筆硬度が2B以上H未満の間にあることが好ましいといえる。
(接着性樹脂層)
本発明の熱圧着プリントラミネート用ポリプロピレンフィルムは、ハードコート層が形成された面と反対の最表面に、接着性樹脂層が設けられていることが好ましい。接着性樹脂層(C層)の構成成分としては、エチレン−酢酸ビニル共重合体であることが好ましい。
上記したエチレン−酢酸ビニル共重合体のメルトフローレート(MFR)(JIS−K7210(1999)に準じ測定される値)は、190℃、荷重2.16kgの条件下で、10〜30g/10分であることが好ましい。10g/10分未満であると接着強度が低くなる傾向があり、30g/10分を超えると加工性が損なわれる場合があるほか、表面の硬度が低下し、傷が付き易くなる場合もある。
また、接着性樹脂層(C層)に用いられるエチレン−酢酸ビニル共重合体の酢酸ビニルの含有量は20〜30質量%が好ましい。特に好ましくは20〜27質量%である。20質量%未満であれば、溶剤への溶解性が低い傾向を示し、30質量%を超えるとブロッキング強度が高くなる傾向にある。ブロッキング強度としては、好ましくは15g/50mm未満、さらに好ましくは10g/50mm未満である。ブロッキング強度が15g/50mm以上の場合、ブロッキングが大きくなり、加工性が損なわれる場合がある。それと同時に酢酸ビニル含有量が30重量%を超えると硬度が低下し、傷付き易くなる場合がある。
接着強度は接着樹脂のMFRと酢酸ビニル含有量をコントロールすることで向上でき、接着強度の値として好ましくは300g/15mm以上、さらに好ましくは400g/15mm以上である。300g/15mm未満では紙等に貼り合わせの際に十分な接着が得られず、剥がれが起こる場合がある。
接着性樹脂層(C層)の形成方法としては種々の方法を用いることができ、例えばロールコート法、グラビアコート法、コンマコート法などのコート法、また、例えばグラビア印刷法、スクリーン印刷などの印刷法が挙げられる。
接着性樹脂層(C層)の厚みが薄すぎると接着力が低下するほか、光沢感共に不足し概観不良となる。また、厚すぎるとブロッキング等の問題を生じるため、好ましい厚みは10〜15μmであり、より好ましくは11〜13μmである。
また、接着性樹脂層(C層)は融点が低過ぎるとブロッキング等の問題を生じ、高すぎると接着力が不足するため、好ましい融点は70〜100℃であり、より好ましくは75〜90℃である。
接着性樹脂層(C層)表面の粗さは滑り性を良好とし、加工性を向上するために粗面化されていることが好ましく、その十点平均表面粗さ(SRz)は100nm以上であることが好ましく、より好ましくは200〜800nmである。
更に、接着性樹脂層(C層)の表面は、コロナ放電処理、フレーム処理、オゾン酸化処理等により、濡れ張力を向上させておくことが好ましく、濡れ張力は36mN/m以上、更に好ましくは38mN/m以上、より好ましくは40〜48mN/mである。
(接合層)
本発明の熱圧着プリントラミネート用ポリプロピレンフィルムにおいては、基材層(B層)と接着性樹脂層(C層)との密着性を高める目的で、必要に応じてこれらの層間に接合層(D層)を設けることも好ましい。
接合層(D層)に使用する樹脂の種類は特に限定されないが、密着性を高めるために、基材層(B層)より低融点である樹脂が好ましい(低融点ポリプロピレン系樹脂層(B2層)を設ける場合は、B2層を構成する樹脂の融点よりも低融点である樹脂が好ましい)。
(製造方法)
以下に本発明の熱圧着プリントラミネート用ポリプロピレンフィルムの製造方法について基材層が2層構成である場合を例にして述べるが、必ずしもこれに限定されるものではない。
まず、基材層(B層)を構成するポリプロピレン系樹脂層(B1層)用の樹脂と、低融点ポリプロピレン系樹脂層(B2層)用の樹脂とをそれぞれ押出機に供給して、2つの溶融ポリマーをポリマー管内あるいは口金内で合流させ、Tダイよりシート状に溶融押出し、20〜60℃に保たれたキャスティングドラム上で冷却固化し、ポリプロピレン系樹脂層(B1層)と低融点ポリプロピレン系樹脂層(B2層)からなる未延伸シートを得る。該シートを120℃〜160℃に予熱後、3〜6倍に長手方向に延伸冷却し一軸延伸フィルムとし、引き続いてフィルム両端を把持して、140〜180℃に加熱されたオーブン中に導き、幅方向に6〜12倍に延伸し、さらに140〜165℃で1〜15%のリラックスをさせながら熱処理した後、フィルム両端をトリミングした上でロール状に巻き取り、ポリプロピレン系樹脂層(B1層)と低融点ポリプロピレン系樹脂層(B2層)からなる二軸延伸された基材層(B層)を得る。
ハードコート層(A層)はグラビアコート法を用いて上記基材層(B層)上に紫外線硬化型樹脂を含む塗工液をコーティングする。低粘度の塗工液を薄くコーティングするためグラビアコート法を採用することが好ましい。次いでUVランプにて紫外線を照射し、樹脂を硬化させる。
次に接着性樹脂層(C層)と接合層(D層)用の樹脂をそれぞれ準備して、各々押出機に供給し、2つの溶融ポリマーをポリマー管内あるいは口金内で合流させ、Tダイよりシート状に溶融押出し、上記のハードコート層が設けられた基材層の低融点ポリプロピレン樹脂層(B2層)側に接合層(D層)が接するようにキャスティングドラム上で貼り合わせ冷却する。次いで、両端エッジ部分をトリミングした後、接着性樹脂層(C層)表面にコロナ放電処理、オゾン処理またはフレーム処理等を施した後にロール状に巻き取る。
このような工程を経て、ハードコート層(A層)、ポリプロピレン系樹脂層(B1層)、低融点ポリプロピレン系樹脂層(B2層)、接合層(D層)、接着性樹脂層(C層)がこの順で積層された熱圧着プリントラミネート用ポリプロピレンフィルムを得る。
このようにして得られた熱圧着プリントラミネート用ポリプロピレンフィルムは、例えば、90〜140℃に加熱された金属ロールとゴムロール間で被着体である印刷紙と共に熱圧着することでプリントラミネート体を得ることができる。この際のラミネートする圧力は5〜100kg/cmであることが好ましい。被着体としては印刷紙のほかにブックカバー用、紙製のCDケースなどに極めて好適である。また、更に他のプラスチック、金属類などとの接着性も良いため、内装材、金属類の防錆対策材料などにも好適に使用することができる。
本発明の実施例において使用した測定方法、評価方法について、以下に述べる。
(1)融点
走査型差動熱量計(DSC)を用いて、窒素雰囲気下で10mgの試料を10℃/分の速度で昇温させたときに得られる結晶の融解にともなう吸熱カーブのピーク温度(℃)で定義される。但し、いくつかの融解ピークを有する場合は、それぞれのピークから算出される融解エネルギーに基づいた加重平均値を融点とみなす。例えば2つの融解ピークが観測された場合、第1のピーク温度がT1(℃)、融解エネルギーがU1(calJ/g)、第2のピーク温度がT2、融解エネルギーがU2とすると、融点Tは、T=(T1×U1+T2×U2)/(U1+U2)である。
(2)アイソタクチックインデックス(II)
沸騰n−ヘプタン抽出残分であり、次のように測定される。すなわち、円筒濾紙を110±5℃で2時間乾燥し、恒温恒湿の室内で2時間以上放置してから、円筒濾紙中に試料(粉体またはフレーク状)8〜10gを入れ、秤量カップ、ピンセットを用いて精秤する。これをn−ヘプタン約80ccの入ったソックスレー抽出器にセットして12時間抽出する。抽出条件としては、冷却器からの滴下数が1分間130滴以上とする。抽出後抽出残査の入った円筒濾紙を取り出し、減圧乾燥機にて80℃、100mmHg以下の減圧度で5時間乾燥する。ついで恒温恒湿槽中に2時間放置した後に精秤し、以下の式で求める。
II(%)=(P/P0)×100
但し、P0は抽出前の試料質量(g)、Pは抽出後の試料質量(g)である。
(3)ヘイズ
測定はヘイズ1.0%の50μmの二軸延伸ポリプロピレンフィルムに熱圧着プリントラミネート用フィルムを100℃に加熱された金属鏡面ロールで線圧60kg/cm、30m/minの速度で熱圧着ラミネートし、ラミネート体を得た。このラミネート体をJIS K 7105(1981)に基づき、スガ試験機株式会社製ヘイズメーターを用いてハードコート層面から入光するように測定した5点のデータの平均値をヘイズとした。
は透明性の観点から、3.0%以下のヘイズであることが好ましい。
(4)メルトフローレート(MFR)
JIS K 7210(1999)の条件に従って測定する。具体的な測定方法は以下のとおりである。
190℃、230℃の溶融樹脂を2,160gの荷重で、10分間に内径2.095mmのオリフィス(孔)より押し出される樹脂質量を測定する。エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂は190℃において測定する。ポリプロピレン系樹脂(A1層)、低融点ポリプロピレン系樹脂(A2層)は230℃において測定する。
シリンダー、ピストン、ダイ(オリフィス)、重りがセットになって、設定温度に一定に保つことが可能であるメルトインデクサーを用いた。
規定のシリンダーに規定のダイ(オリフィス)を装着し、サンプルを充填する。規定のピストンをシリンダーに挿入し、装置全体を規定の温度に設定する。温度が一定すれば、規定の荷重をピストンにかける。ストップウォッチにて10分間、ダイ孔より押し出される溶融樹脂質量を天秤にて測定した。
(5)酢酸ビニル含有量
FT−IR法による測定をして各含有量の検量線を作成し、フィルム表面又は断面のATRスペクトルをとって、含有量を求めた。
(6)濡れ張力
ホルムアミドとエチレングリコールモノエチルエーテルとの混合液によるJIS K 6768(1999)に規定された測定方法に基づいて測定した。具体的な測定方法は、次のとおりである。
混合液を綿棒に液滴がたれない程度に浸し、試料に一定方向に移動して塗布する。塗布した液膜の2秒経過後の形状から終点を求め、その液の表面張力(mN/m)で表す。
(7)熱収縮率
熱収縮率は、JIS Z−1712(1999)に準じて、長手方向、幅方向、それぞれの方向にフィルムを短冊状(幅10mm×測定長100mm)に切り出し、120℃の熱風オーブン中で15分間放置した際の寸法変化率を読みとり、100分率でもとめる。
(8)鉛筆硬度
JIS K 5600−5−4(1999)に従って測定し、2B以上かつH未満の硬度を有する場合を合格とした。なお測定は2回行い、2回の結果が一単位以上異なるときは測定するサンプルを替え、2回の結果が同一となるまで再試験を行った。
(9)スチールウール磨耗試験(耐スクラッチ性)
ハードコート層表面をスチールウール#0000を使用し、荷重250g/cm、にて10往復させ、目視で傷付き性を確認した。
○:傷付きなし
△:線状の傷はないが、表面が薄く削れて色合いが変わる
×:無数の線状傷がある。
(10)ラミ接着力(接着強度)
熱圧着プリントラミネート用フィルムと印刷紙とを100℃に加熱された金属鏡面ロールで線圧60kg/cm、30m/minの速度で熱圧着ラミネートし、プリントラミネート体を得た。得られたラミネート紙を熱圧着ラミネート後、温度25℃50%RHの雰囲気に1日間エージングした。
その後、フィルムと印刷紙を引張試験器にて300mm/minの速度で剥離した。結果をg/15mmで表し、以下のようにランク分けした。
○:400g/15mm以上
△:300g/15mm以上400g/15mm未満
×:300g/15mm未満。
(11)耐ブロッキング性試験(ブロッキング強度)
作成したフィルムサンプルを6枚重ねて、密着させるために重し1,670g×面積128cm(=約13g/cm)を載せて、室温40℃、相対湿度90%にて3日放置して、ハードコート層//接着樹脂間の密着強度をVangard製剥離試験機にて測定し、以下のようにランク分けした。
(12)十点平均粗さ(SRz)
JIS B−0601(1982)により、株式会社小坂研究所製「非接触三次元微細形状測定器(ET−30HK)」及び「三次元粗さ分析装置(MODEL SPA−11)」を用いて測定した。測定数は3とし、その平均値を用いた。
詳細条件は次の通り。
測定面処理:測定面にアルミニウムを真空蒸着し、非接触法とした
測定長:1mm
横倍率:200倍
縦倍率:20,000倍
カットオフ:0.25mm
幅方向送り速度:0.1mm/秒
長さ方向送りピッチ:10μm
長さ方向送り数:20回。
(13)ハードコート層厚み測定
基材層にハードコート層を塗工したフィルムの断面を超薄切片に切り出し、RuO4染色、OsO4 染色、あるいは両者の二重染色による染色超薄切片法により、TEM(透過型電子顕微鏡)で断面構造が目視可能な以下の条件にて観察し、その断面写真からハードコート層の厚みを測定した。測定は任意の10点を測定し、その平均値をハードコート層厚みとした。
・測定装置:透過型電子顕微鏡(日立(株)製 H−7100FA型)
・測定条件:加速電圧 100kV
・試料調整:凍結超薄切片法
・倍率:30万倍。
(14)加工性評価
ブロッキング強度、接着強度を鑑みて加工性を評価した。ブロッキング強度が高い場合、搬送性が悪くなり加工性が悪化し、接着強度が低下すると熱圧着ラミネートした際に剥がれがおきる。
○:問題なく加工できた
△:一部ブロッキング強度の高い部分があるまたは接着強度が低いが加工できた
×:加工不良が発生。
(15)外観評価
基材層にハードコート層を塗工後のヘイズ、接着樹脂層側への傷付き性を鑑みて外観を評価した。接着樹脂層側への傷付き性は基材層の一方にハードコート層、他方に接着樹脂層を積層したフィルムをロール状に巻き取った後、接着樹脂層側の傷付きを目視にて確認した。接着樹脂層側に傷がある場合、熱圧着ラミネートした後も薄く筋状に跡が残る場合があり、熱圧着ラミネートした際に目視で跡が確認できなければ使用上問題なしとした。
○:問題なし
△:一部問題あるが使用上問題なし
×:使用上問題あり。
次に、本発明の実施例について説明する。但し、本発明はこれに限定されるものではない。
(実施例1)
基材層(B層)を構成するポリプロピレン系樹脂層(B1層)用原料として、ポリプロピレン系樹脂1(MFR=2.0g/10分、アイソタクチックインデックス(II)=96% 表2記載)と、低融点ポリプロピレン系樹脂層(B2層)用原料として、共重合ポリプロピレン系樹脂2(MFR=10g/10分、エチレン共重合量=3.5質量%、ブテン共重合量=4.0質量%、融点=133℃、表2記載)をそれぞれ押出機にて溶融押出し、T型口金内で積層・シート状に押出、30℃に設定されたキャスティングドラム上で冷却固化した。ついで該シートを140℃に加熱された予熱ロール群で予熱後、135℃で4.5倍に長手方向に延伸し一軸延伸フィルムを得、引き続き該フィルムをクリップに把持し、160℃に加熱したオーブンに導き、横方向に10倍に延伸しついで155℃にて横方向に5%のリラックスをかけながら熱固定して、二軸延伸フィルムとした。その後、ハードコート層を設ける面をコロナ放電処理し、二軸延伸ポリプロピレンフィルムからなる基材層(B層)を得た。
ハードコート層(A層)はアイカ工業株式会社製のアクリル系樹脂アイカトロンPL1Lをグラビアコート法を用いてコーティングし、UVランプにて紫外線を照射し、硬化させた。
ついで、接着性樹脂層(C層)用原料として、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂1(酢酸ビニル共重合量=25質量%、MFR=15g/10分)、基材層と接着性樹脂層との層間剥離を防ぐ目的で接合層(D層)用原料としてポリプロピレン系樹脂3(MFR=20〜25g/10分、エチレン含有量=3.4〜3.9質量%、融点=130〜150℃ 表2記載)を用い、それぞれ押出機で溶融押出し、先に得られた二軸延伸ポリプロピレンフィルムのB1層と接着樹脂層(D層)が接するように25℃に保たれたキャスティングドラム上にニップ圧0.2MPaのニップロールで抑えながら冷却し、ハードコート層(A層)、基材層(B層)、接合層(D層)及び接着性樹脂層(C層)がこの順に一体となった積層フィルムとした。
該積層フィルムは、更に、エッジ部分をカットした後、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂側にコロナ放電処理をしてロール状に巻き取り、熱圧着プリントラミネート用フィルムを得た。
こうして得られた積層フィルムの厚み構成比は、ハードコート層(A層)/基材層(B1層)/基材層(B2層)/接合層(D層)/接着性樹脂層(C層)=1μm/14μm/1.0μm/3.5μm/11.5μmであり、加工性、ラミ接着力、ラミネート外観いずれも良好であった。測定結果は表1に記載した通りである。
(実施例2)
実施例1において、C層として酢酸ビニル共重合率が23質量%、MFR=25g/10分のエチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂とした以外は同様に製膜した。その結果、加工性、ラミ接着力、ラミネート外観、いずれも良好であった。測定結果は表1に記載した通りである。
(実施例3)
実施例1において、C層として酢酸ビニル共重合率が25質量%、MFR=25g/10分のエチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂とした以外は同様に製膜した。その結果、加工性、ラミ接着力、ラミネート外観、いずれも良好であった。測定結果は表1した通りである。
(実施例4)
実施例1において、C層として酢酸ビニル共重合率が28質量%、MFR=25g/10分のエチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂とした以外は同様に製膜した。その結果、ブロッキング強度が11.0g/50mm高くなった。測定結果は表1に記載した通りである。
(実施例5)
実施例1において、ハードコート層(A層)の厚みを1.5μmにした以外は同様に製膜した。ハードコート層の鉛筆硬度がBとなった。測定結果は表1に記載した通りである。
(実施例6)
実施例1において、ハードコート層(A層)の厚みを0.5μmにした以外は同様に製膜した。測定結果は表1に記載した通りである。
(実施例7)
実施例1において、ハードコート層(A層)の厚みを2.0μmにした以外は同様に製膜した。鉛筆硬度がHBとなった。測定結果は表1に記載した通りである。
(実施例8)
実施例1において、C層として酢酸ビニル共重合率が20質量%、MFR=60g/10分のエチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂とした以外は同様に製膜した。その結果、ラミ接着力が394g/15mmと低くなった。またハードコート層とは反対面に積層された接着樹脂層の僅かに傷付が起こった。測定結果は表1に記載した通りである。
(実施例9)
実施例1において、C層として酢酸ビニル共重合率が20質量%、MFR=8g/10分のエチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂とした以外は同様に製膜した。その結果、ラミ接着力が340g/15mmと低くなった。測定結果は表1に記載した通りである。
(実施例10)
実施例1において、C層として酢酸ビニル共重合率が30質量%、MFR=15g/10分のエチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂とした以外は同様に製膜した。その結果、ブロッキング強度が11.0g/50mm高くなった。またハードコート層とは反対面に積層された接着樹脂層の僅かに傷付が起こった。測定結果は表1に記載した通りである。
(比較例1)
実施例1において、ハードコート層(A層)を塗布しなかった以外は同様に製膜した。その結果、鉛筆硬度は4B未満と低くなった。また、スチールウール磨耗試験において傷付が見られた。測定結果は表1に記載した通りである。
(比較例2)
実施例1において、ハードコート層(A層)の厚みを5μmにした以外は同様に製膜した。その結果、ヘイズが3.5%となり、ロール状にした際に接着樹脂面に傷付が見られ外観が悪化した。また、ハードコート層でクラックが発生し、加工性が悪化した。測定結果は表1に記載した通りである。
(比較例3)
実施例1において、ハードコート層(A層)の厚みを0.3μmにした以外は同様に製膜した。その結果、鉛筆硬度が3Bとなり、スチールウール磨耗試験にて傷付が見られた。またハードコート塗工ムラが起こり、加工性が悪化した。測定結果は表1に記載した通りである。
本発明の熱圧着プリントラミネート用ポリプロピレンフィルムおよびプリントラミネート体は、ブックカバー用途などに極めて好適であるだけでなく、内装材、金属類の防錆対策材料などにも好適に使用することができる。
1 ハードコート層(A層)
2 ポリプロピレン系樹脂層(B1層)
3 低融点ポリプロピレン系樹脂層(B2層)
4 接合層(D層)
5 接着性樹脂層(C層)
6 基材層(B層)

Claims (7)

  1. 基材層の一方の側にハードコート層が最表層となるように設けられた熱圧着プリントラミネート用ポリプロピレンフィルムであって、ハードコート層の厚みが0.5〜2.0μmであり、ハードコート層の表面鉛筆硬度が2B以上である熱圧着プリントラミネート用ポリプロピレンフィルム。
  2. ハードコート層が活性エネルギー線硬化樹脂を含み、基材層の他方の側に接着性樹脂層が最表層となるように設けられた、請求項1に記載の熱圧着プリントラミネート用ポリプロピレンフィルム。
  3. 接着性樹脂層が、MFRが10〜30g/10分であるエチレン−酢酸ビニル共重合体を含んでいる、請求項2に記載の熱圧着プリントラミネート用ポリプロピレンフィルム。
  4. エチレン−酢酸ビニル共重合体の酢酸ビニル共重合量が20〜27質量%である、請求項3に記載の熱圧着プリントラミネート用ポリプロピレンフィルム。
  5. ポリプロピレンフィルムとラミネートした後のヘイズが3.0%以下であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の熱圧着プリントラミネート用ポリプロピレンフィルム。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載のハードコート層の鉛筆硬度が2B以上でありかつH未満である熱圧着プリントラミネート用ポリプロピレンフィルム。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載の熱圧着プリントラミネート用ポリプロピレンフィルムが被着体にラミネートされたプリントラミネート体。
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