JP2017030211A - サポート材除去方法およびサポート材除去装置 - Google Patents

サポート材除去方法およびサポート材除去装置 Download PDF

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Abstract

【課題】三次元造形法により得られた立体物から、サポート材を効率よく除去できるサポート材除去方法およびサポート材除去装置を提供する。【解決手段】まず、第1処理液L1と、第1処理液L1に対して不溶であり、第1処理液L1よりも比重が重く、かつ、第1処理液L1よりも沸点が低い第2処理液L2とを、処理槽10内に二層に貯留する。次に、処理槽10内に、立体物9を浸漬させる。その後、処理槽10内を、第2処理液L2の沸点以上かつ第1処理液L1の沸点未満の温度に加熱して、第2処理液L2を沸騰させる。そうすると、第2処理液L2から生じる気泡の衝撃によって、サポート材92が第1処理液L1に分散する。これにより、立体物9からサポート材92を効率よく除去できる。【選択図】図1

Description

本発明は、三次元造形法により得られた、モデル材およびサポート材を有する立体物から、サポート材を除去するサポート材除去方法およびサポート材除去装置に関する。
近年、3Dプリンティング等の三次元造形技術が急速に普及している。三次元造形法により得られる造形物は、工業製品の試作品、展示品、医療用模型などに利用される。従来の三次元造形技術としては、光造形法、粉末法、インクジェット積層造形法などが知られている。インクジェット積層造形法は、インクジェット方式によって吐出される樹脂を積層することで、任意の形状を造形することができる。
インクジェット積層造形法では、造形途中におけるモデル材の崩落や撓みを防止するために、サポート材が用いられる。インクジェット積層造形法で造形物を作製するときには、まず、モデル材およびサポート材を積層し、その後、サポート材を洗浄により除去する。
従来のサポート材の除去方法については、例えば、特開2011−5658号公報に記載されている。当該文献に記載の方法では、モデル材とサポート材とを含む立体物に、アルカリ水溶液を塗布することによって、不要なサポート材を除去している。アルカリ水溶液の例としては、珪酸塩、燐酸塩、水を含む混合物が挙げられている。
特開2011−5658号公報
しかしながら、従来の方法では、モデル材からサポート材を綺麗に除去することが難しかった。特に、造形物の形状が複雑である場合に、造形物の細かい凹凸の表面に、サポート材が残ることがあった。
本発明は、このような事情に鑑みなされたものであり、三次元造形法により得られた立体物から、サポート材を効率よく除去できるサポート材除去方法およびサポート材除去装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本願の第1発明は、三次元造形法により得られた、モデル材およびサポート材を有する立体物から、サポート材を除去するサポート材除去方法であって、a)第1処理液と、前記第1処理液に対して不溶であり、前記第1処理液よりも比重が重く、かつ、前記第1処理液よりも沸点が低い第2処理液とを、処理槽内に二層に貯留する工程と、b)前記処理槽内に、前記立体物を浸漬させる工程と、c)前記処理槽内を、前記第2処理液の沸点以上かつ前記第1処理液の沸点未満の温度に加熱して、前記第2処理液を沸騰させる工程と、を有し、前記工程c)において、前記サポート材が、前記第1処理液に分散する。
本願の第2発明は、第1発明のサポート材除去方法であって、前記第1処理液の誘電率は、前記第2処理液の誘電率よりも高い。
本願の第3発明は、第1発明または第2発明のサポート材除去方法であって、前記工程c)において、前記処理槽内の液体に超音波を付与する。
本願の第4発明は、第1発明から第3発明までのいずれか1発明のサポート材除去方法であって、前記第2処理液の表面張力は、前記第1処理液の表面張力よりも小さい。
本願の第5発明は、第1発明から第4発明までのいずれか1発明のサポート材除去方法であって、d)前記第1処理液と前記第2処理液との間の界面の高さが、予め設定された基準高さ以上であるか否かを検出する工程と、e)前記工程d)において、前記界面の高さが、前記基準高さ未満になると、前記処理槽内に前記第2処理液を補充する工程と、をさらに有する。
本願の第6発明は、第1発明から第5発明までのいずれか1発明のサポート材除去方法であって、前記工程c)において、前記立体物を、前記第1処理液および前記第2処理液の双方に接触する位置に配置する。
本願の第7発明は、第1発明から第6発明までのいずれか1発明のサポート材除去方法であって、前記工程c)において、前記立体物を揺動させる。
本願の第8発明は、第1発明から第7発明までのいずれか1発明のサポート材除去方法であって、前記第1処理液は、水またはアルコールであり、前記第2処理液は、フロリナート(登録商標)である。
本願の第9発明は、三次元造形法により得られた、モデル材およびサポート材を有する立体物から、サポート材を除去するサポート材除去装置であって、前記立体物を収容可能な処理槽と、前記処理槽内に、第1処理液を供給する第1処理液供給部と、前記処理槽内に、前記第1処理液に対して不溶であり、前記第1処理液よりも比重が重く、かつ、前記第1処理液よりも沸点が低い第2処理液を供給する第2処理液供給部と、前記処理槽内を加熱する加熱部と、前記第1処理液供給部、前記第2処理液供給部、および前記加熱部を制御する制御部と、を備え、前記処理槽内に、前記第1処理液および前記第2処理液が二層に貯留され、前記立体物が浸漬された後に、前記制御部が、前記加熱部を制御することにより、前記処理槽内を、前記第2処理液の沸点以上かつ前記第1処理液の沸点未満の温度に加熱する。
本願の第10発明は、第9発明のサポート材除去装置であって、前記第1処理液の誘電率は、前記第2処理液の誘電率よりも高い。
本願の第11発明は、第9発明または第10発明のサポート材除去装置であって、前記処理槽内の液体に超音波を付与する超音波付与部をさらに備える。
本願の第12発明は、第9発明から第11発明までのいずれか1発明のサポート材除去装置であって、前記第2処理液の表面張力は、前記第1処理液の表面張力よりも小さい。
本願の第13発明は、第9発明から第12発明までのいずれか1発明のサポート材除去装置であって、前記第1処理液と前記第2処理液との間の界面の高さが、予め設定された基準高さ以上であるか否かを検出するセンサをさらに備え、前記制御部は、前記センサの検出結果に基づき、前記界面の高さが前記基準高さ未満になったと判断すると、前記第2処理液供給部を制御して、前記処理槽内に前記第2処理液を補充する。
本願の第14発明は、第9発明から第13発明までのいずれか1発明のサポート材除去装置であって、前記処理槽内において、前記立体物を、前記第1処理液および前記第2処理液の双方に接触する位置に保持する保持部をさらに備える。
本願の第15発明は、第9発明から第14発明までのいずれか1発明のサポート材除去装置であって、前記処理槽内において、前記立体物を揺動させる揺動機構をさらに備える。
本願の第16発明は、第9発明から第15発明までのいずれか1発明のサポート材除去装置であって、前記第1処理液は、水またはアルコールであり、前記第2処理液は、フロリナート(登録商標)である。
本願の第1発明〜第16発明によれば、第2処理液を沸騰させることで気泡を発生させ、当該気泡の衝撃を利用して、サポート材を第1処理液に分散させる。これにより、立体物からサポート材を効率よく除去できる。
特に、本願の第2発明および第10発明によれば、融解したサポート材を、主として第1処理液に分散させることができる。これにより、処理液の回収作業が容易となる。
特に、本願の第3発明および第11発明によれば、融解したサポート材を、超音波の振動で、効率よく分散させることができる。これにより、サポート材の除去効率をより高めることができる。
特に、本願の第4発明および第12発明によれば、立体物の細かい部分にも、第2処理液が接触しやすい。これにより、サポート材の除去効率をより高めることができる。
特に、本願の第5発明および第13発明によれば、第2処理液の全量を交換するのではなく、必要な分だけ第2処理液を補充することで、第2処理液の消費量を低減できる。
特に、本願の第6発明および第14発明によれば、立体物に対して、気泡の物理的衝撃を、より効率よく与えることができる。これにより、サポート材の除去効率をより高めることができる。
特に、本願の第7発明および第15発明によれば、立体物からサポート材を、より効率よく除去できる。
サポート材除去装置の構成を示した図である。 制御部と、サポート材除去装置内の各部との接続構成を示したブロック図である。 サポート材除去処理の流れを示したフローチャートである。 サポート材除去処理の様子を示した図である。 サポート材除去処理の様子を示した図である。 変形例に係るサポート材除去装置の構成を示した図である。 変形例に係るサポート材除去装置の構成を示した図である。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
<1.サポート材除去装置の構成>
図1は、本発明の一実施形態に係るサポート材除去装置1の構成を示した図である。このサポート材除去装置1は、三次元造形法により得られた立体物9から、サポート材92を除去する装置である。立体物9は、三次元データを高さ位置毎に分解した複数の二次元データに基づいて、モデル材91およびサポート材92を順次に積層することにより、造形される。モデル材91およびサポート材92は、例えば、インクジェット方式により、各層に吐出される。したがって、造形後の立体物9は、モデル材91により構成される部分と、サポート材92により構成される部分とを有する。
モデル材91は、目的とする造形物を構成する材料である。モデル材91には、例えば、紫外線硬化性樹脂、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂などが用いられる。サポート材92は、造形中にモデル材91が崩れたり撓んだりすることを防止するために、モデル材91を支持するための材料である。サポート材92は、例えば、造形物が中空構造を有する場合に、その中空部分に充填される。サポート材92には、例えば、炭化水素等のワックス系材料が用いられる。
図1に示すように、本実施形態のサポート材除去装置1は、処理槽10、第1処理液供給部20、第2処理液供給部30、第1処理液排出部40、加熱部50、超音波付与部60、界面センサ70、および制御部80を備えている。
処理槽10は、筒状の側壁11と平板状の底部12とを有する有底筒状の容器である。処理槽10は、その内部に立体物9を収容可能な大きさを有する。処理槽10の内部には、第1処理液L1および第2処理液L2が貯留される。そして、貯留された第1処理液L1および第2処理液L2の中に、立体物9が浸漬される。
第1処理液L1および第2処理液L2には、互いに不溶な液体が用いられる。また、第2処理液L2には、第1処理液L1よりも比重が重く、かつ、第1処理液L1よりも沸点が低い液体が用いられる。第1処理液L1と第2処理液L2とは、処理槽10内において、互いに分離した状態で二層に貯留される。その際、第2処理液L2が下層液、第1処理液L1が上層液となる。第2処理液L2は、直接外気と接触しないため、自然蒸発による第2処理液L2の減少が抑えられる。第1処理液L1の例としては、水、アルコール、またはこれらの混合液を挙げることができる。第2処理液L2の例としては、フッ素系溶剤であるフロリナート(登録商標)を挙げることができる。
第1処理液供給部20は、処理槽10内に第1処理液L1を供給する配管系である。図1に示すように、第1処理液供給部20は、第1吐出部21と、第1吐出部21に接続された第1配管22とを有する。第1配管22の経路上には、第1開閉弁23が設けられている。また、第1配管22の上流側の端部は、第1処理液供給源24に接続されている。このため、第1開閉弁23を開放すると、第1処理液供給源24から第1配管22を通って第1吐出部21へ、第1処理液L1が供給される。そして、第1吐出部21から処理槽10の内部に、第1処理液L1が吐出される。
第2処理液供給部30は、処理槽10内に第2処理液L2を供給する配管系である。図1に示すように、第2処理液供給部30は、第2吐出部31と、第2吐出部31に接続された第2配管32とを有する。第2配管32の経路上には、第2開閉弁33が設けられている。また、第2配管32の上流側の端部は、第2処理液供給源34に接続されている。このため、第2開閉弁33を開放すると、第2処理液供給源34から第2配管32を通って第2吐出部31へ、第2処理液L2が供給される。そして、第2吐出部31から処理槽10の内部に、第2処理液L2が吐出される。
なお、第1処理液供給部20および第2処理液供給部30は、共通の配管および吐出部を用いて、処理槽10内に第1処理液L1と第2処理液L2とを選択的に供給するものであってもよい。
第1処理液排出部40は、処理槽10に貯留された第1処理液L1を外部へ排出するための配管系である。図1に示すように、第1処理液排出部40は、排液配管41と、排液配管41の経路上に設けられたポンプ42とを有する。排液配管41の吸引口410は、処理槽10内の第1処理液L1および第2処理液L2の界面Sよりも上側に位置する。このため、ポンプ42を動作させると、処理槽10に貯留された第1処理液L1が、排液配管41を通って外部へ排出される。
加熱部50は、処理槽10内に貯留された第1処理液L1および第2処理液L2を加熱するヒータである。後述する制御部80は、図示を省略した温度センサの計測値に基づいて、加熱部50の発熱量を調節することができる。これにより、処理槽10内に貯留された第1処理液L1および第2処理液L2が、一定の温度に加熱される。上述の通り、第2処理液L2の沸点は、第1処理液L1の沸点よりも低い。このため、加熱部50により、処理槽10内を、第2処理液L2の沸点以上かつ第1処理液L1の沸点未満の温度に加熱すると、第1処理液L1および第2処理液L2のうち、第2処理液L2のみが沸騰する。
超音波付与部60は、処理槽10内の第1処理液L1および第2処理液L2に、超音波振動を付与する機構である。超音波付与部60は、制御部80から供給される駆動電流に基づいて振動することにより、微細な疎密波である超音波を発生させる。なお、本実施形態の超音波付与部60は、処理槽10の底部12の下方に配置されているが、超音波付与部60は、処理槽10の側壁11の外側に配置されていてもよく、あるいは、処理槽10の内部に配置されていてもよい。
界面センサ70は、第1処理液L1および第2処理液L2の界面Sの高さを検出するためのセンサである。界面センサ70は、界面Sの高さが、予め設定された基準高さ以上であるか否かを検出し、検出結果を示す信号を制御部80へ送信する。界面センサ70には、例えば、光学式センサ、超音波式センサ、あるいは静電容量式のセンサが用いられる。なお、本実施形態の界面センサ70は、処理槽10の側壁11の外周面に配置されているが、界面センサ70は、処理槽10の内部に配置されていてもよい。
制御部80は、サポート材除去装置1内の各部を動作制御するための手段である。図2は、制御部80と、サポート材除去装置1内の各部との接続構成を示したブロック図である。図2中に概念的に示したように、制御部80は、CPU等の演算処理部81、RAM等のメモリ82、およびハードディスクドライブ等の記憶部83を有するコンピュータにより構成される。記憶部83内には、サポート材92の除去処理を実行するためのコンピュータプログラムPが、インストールされている。
また、図2に示すように、制御部80は、上述した第1開閉弁23、第2開閉弁33、ポンプ42、加熱部50、超音波付与部60、および界面センサ70と、それぞれ電気的に接続されている。制御部80は、記憶部83に記憶されたコンピュータプログラムPやデータをメモリ82に一時的に読み出し、当該コンピュータプログラムPに基づいて、演算処理部81が演算処理を行うことにより、上記の各部を動作制御する。これにより、サポート材92の除去処理が進行する。
<2.サポート材の除去処理について>
続いて、上記のサポート材除去装置1を用いて、立体物9からサポート材92を除去する処理について、説明する。図3は、当該処理の流れを示したフローチャートである。図4および図5は、当該処理中におけるサポート材除去装置1の様子を示した図である。
サポート材92を除去するときには、まず、第1処理液供給部20の第1開閉弁23と、第2処理液供給部30の第2開閉弁33とを、開放する。これにより、処理槽10の内部に、第1処理液L1および第2処理液L2を供給する(ステップS1)。第1処理液L1および第2処理液L2は、互いに不溶であるため、処理槽10内において、互いに分離した状態で二層に貯留される。このとき、第2処理液L2が下層液となり、第2処理液L2よりも比重の軽い第1処理液L1が上層液となる。
処理槽10内に、予め設定された量の第1処理液L1および第2処理液L2が供給されると、制御部80は、第1開閉弁23および第2開閉弁33を閉じて、第1処理液L1および第2処理液L2の供給を停止する。
次に、処理槽10内に貯留された第1処理液L1および第2処理液L2に、立体物9を浸漬させる(ステップS2)。そして、超音波付与部60を動作させて、処理槽10内の第1処理液L1および第2処理液L2に、超音波振動を付与する(ステップS3)。そうすると、立体物9に含まれるサポート材92が融解し、融解したサポート材92が、超音波振動の物理的衝撃によって液中に分散する。
続いて、加熱部50に通電することによって、処理槽10内に貯留された第1処理液L1および第2処理液L2を加熱する(ステップS4)。このとき、制御部80は、第1処理液L1および第2処理液L2の温度が、第2処理液L2の沸点以上かつ第1処理液L1の沸点未満となるように、加熱部50の発熱量を制御する。その結果、図4のように、第1処理液L1および第2処理液L2のうち、第2処理液L2のみが沸騰を開始する。
第2処理液L2中の立体物9は、沸騰により生じる気泡から物理的衝撃を受ける。これにより、融解したサポート材92の分散が促進される。その結果、立体物9からサポート材92が、効率よく除去される。
また、本実施形態では、第1処理液L1の誘電率が、第2処理液L2の誘電率よりも高い。このため、融解したサポート材92は、電気的作用により第1処理液L1側へ引き寄せられる。その結果、図5に示すように、融解したサポート材92は、主として第1処理液L1中に分散する。
例えば、第1処理液L1が純水であり、第2処理液L2がフルオロ基を有するフッ素系溶剤である場合を考える。この場合、純水には、(1)原子内の電子の周期的ゆらぎに起因する電気双極子モーメントが周囲に及ぼす力である分散力、(2)電気陰性度の大きな原子の電気双極子モーメントである分極力、および(3)水素原子が酸素のような電気陰性度の大きな原子と結合している場合に、水素原子を媒介として生じる結合力である水素結合性力、の3種類の分子間力が発生する。これに対し、フロリナート(登録商標)等のフッ素系溶剤は、電子的ゆらぎが少なく、自身で集まる力が強い。したがって、融解したサポート材92は、フロリナート(登録商標)中には分散しにくい。したがって、融解したサポート材92は、主として中に純水中に分散する。
また、本実施形態では、第2処理液L2の表面張力が、第1処理液L1の表面張力よりも小さい。第2処理液L2の表面張力が小さければ、立体物9の細かい凹凸の表面にも、第2処理液L2が接触しやすい。したがって、立体物9の細かい部分にも、超音波振動や気泡の物理的作用を効率よく与えることができる。これにより、サポート材92の除去効率をより高めることができる。
所定時間の加熱が終了すると、制御部80は、加熱部50および超音波付与部60を停止させる。そして、処理槽10内の第1処理液L1および第2処理液L2から、サポート材92が除去された立体物9を引き上げる(ステップS5)。
その後、制御部80は、界面センサ70からの検出信号に基づき、第1処理液L1および第2処理液L2の界面Sの高さが、予め設定された基準高さ以上であるかどうかを判断する(ステップS6)。界面Sの高さが、基準高さ以上である場合(ステップS6においてYesの場合)には、次のステップS7を省略してステップS8に移る。一方、界面Sの高さが、基準高さ未満となっている場合(ステップS6においてNoの場合)には、第2開閉弁33を開放して、処理槽10の内部に第2処理液L2を補充する(ステップS7)。
また、制御部80は、第1処理液排出部40のポンプ42を動作させる。これにより、サポート材92を含む使用済みの第1処理液L1が、排液配管41を介して外部へ排出される(ステップS8)。その後、制御部80は、第1処理液供給部20の第1開閉弁23を開放する。これにより、新たな第1処理液L1が、処理槽10内の第2処理液L2の上層に貯留される(ステップS9)。
上述の通り、融解したサポート材92は、第1処理液L1および第2処理液L2のうち、主として第1処理液L1のみに分散する。このため、本実施形態のサポート材除去装置1では、サポート材92の除去処理が完了した後に、第1処理液L1については、ほぼ全量を交換する。一方、サポート材92が分散しない第2処理液L2については、全量を交換するのではなく、沸騰により減少した分だけを補充する。これにより、1回の処理毎に第2処理液L2の全量を交換する場合よりも、第2処理液L2の消費量を低減できる。特に、第2処理液L2が高価な薬液である場合には、第2処理液L2の消費量を低減することで、サポート材92の除去にかかるコストを、大幅に抑えることができる。
なお、沸騰により気化した第2処理液L2を回収して液化させ、再び処理槽10へ供給してもよい。そうすれば、第2処理液L2の消費量をさらに低減できる。また、処理槽10内の第2処理液L2を、フィルタにより濾過しながら循環させてもよい。
その後、次に処理すべき立体物9がある場合には、ステップS2に戻り、ステップS2〜S9の処理を繰り返す。次に処理すべき立体物9が無い場合には、一連の処理を終了する。
<3.変形例>
以上、本発明の主たる実施形態について説明したが、本発明は、上記の実施形態に限定されるものではない。
図6は、一変形例に係るサポート材除去装置1の構成を示した図である。図6のサポート材除去装置1は、処理槽10の内部において立体物9を保持する保持部13を有する。サポート材92の除去処理を行うときには、保持部13が、立体物9を、第1処理液L1および第2処理液L2の双方に接触する位置に配置する。すなわち、立体物9の一部分が、第1処理液L1および第2処理液L2の界面Sよりも上側に配置され、立体物9の他の部分が、第1処理液L1および第2処理液L2の界面Sよりも下側に配置される。
このようにすれば、第2処理液L2の沸騰時に、処理槽10の底部12付近において発生した気泡だけでなく、界面Sの近傍において発生した気泡も、立体物9に当てることができる。したがって、立体物9に対して、気泡の物理的衝撃を、より効率よく与えることができる。また、2液の界面S付近では、超音波付与部60から生じる超音波振動のエネルギーが集中する。その結果、立体物9からサポート材92を、より効率よく除去できる。
図7は、他の変形例に係るサポート材除去装置1の構成を示した図である。図7のサポート材除去装置1は、処理槽10の内部において立体物9を保持する保持部13と、保持部13を揺動させる揺動機構14とを有する。サポート材92の除去を行うときには、揺動機構14を動作させて、保持部13に保持された立体物9を揺動させる。揺動の向きは、図7のように上下方向であってもよく、他の向きであってもよい。このようにすれば、立体物9に対して、第1処理液L1および第2処理液L2を、相対的に流動させることができる。その結果、立体物9からサポート材92を、さらに効率よく除去できる。
また、上記の実施形態では、第1処理液L1および第2処理液L2に立体物9を浸漬した後に、超音波付与部60および加熱部50の動作を開始させていた。しかしながら、立体物9を浸漬する前に、予め超音波付与部60および加熱部50を動作させておいてもよい。また、超音波振動付与部60による超音波振動の付与と、加熱部50による加熱とは、どちらを先に開始してもよい。
また、上記の実施形態では、第2処理液L2の補充を必要に応じて行った後(ステップS6〜S7の後)に、第1処理液L1の交換を行っていた(ステップS8〜S9)。しかしながら、これらの順序は逆であってもよい。すなわち、第1処理液L1の交換を行った後に、必要に応じて第2処理液L2の補充を行ってもよい。また、第2処理液L2の補充は、サポート材92の除去処理の最中に適宜に行ってもよい。
また、立体物9の形状や、サポート材除去装置1の細部の形状については、本願の各図に示された形状と相違していてもよい。また、上記の実施形態や変形例に登場した各要素を、矛盾が生じない範囲で、適宜に組み合わせてもよい。
1 サポート材除去装置
9 立体物
10 処理槽
11 側壁
12 底部
13 保持部
14 揺動機構
20 第1処理液供給部
21 第1吐出部
22 第1配管
23 第1開閉弁
24 第1処理液供給源
30 第2処理液供給部
31 第2吐出部
32 第2配管
33 第2開閉弁
34 第2処理液供給源
40 第1処理液排出部
41 排液配管
42 ポンプ
50 加熱部
60 超音波付与部
70 界面センサ
80 制御部
81 演算処理部
82 メモリ
83 記憶部
91 モデル材
92 サポート材
L1 第1処理液
L2 第2処理液
P コンピュータプログラム
S 界面

Claims (16)

  1. 三次元造形法により得られた、モデル材およびサポート材を有する立体物から、サポート材を除去するサポート材除去方法であって、
    a)第1処理液と、前記第1処理液に対して不溶であり、前記第1処理液よりも比重が重く、かつ、前記第1処理液よりも沸点が低い第2処理液とを、処理槽内に二層に貯留する工程と、
    b)前記処理槽内に、前記立体物を浸漬させる工程と、
    c)前記処理槽内を、前記第2処理液の沸点以上かつ前記第1処理液の沸点未満の温度に加熱して、前記第2処理液を沸騰させる工程と、
    を有し、
    前記工程c)において、前記サポート材が、前記第1処理液に分散する、サポート材除去方法。
  2. 請求項1に記載のサポート材除去方法であって、
    前記第1処理液の誘電率は、前記第2処理液の誘電率よりも高い、サポート材除去方法。
  3. 請求項1または請求項2に記載のサポート材除去方法であって、
    前記工程c)において、前記処理槽内の液体に超音波を付与する、サポート材除去方法。
  4. 請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載のサポート材除去方法であって、
    前記第2処理液の表面張力は、前記第1処理液の表面張力よりも小さい、サポート材除去方法。
  5. 請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載のサポート材除去方法であって、
    d)前記第1処理液と前記第2処理液との間の界面の高さが、予め設定された基準高さ以上であるか否かを検出する工程と、
    e)前記工程d)において、前記界面の高さが、前記基準高さ未満になると、前記処理槽内に前記第2処理液を補充する工程と、
    をさらに有する、サポート材除去方法。
  6. 請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載のサポート材除去方法であって、
    前記工程c)において、前記立体物を、前記第1処理液および前記第2処理液の双方に接触する位置に配置する、サポート材除去方法。
  7. 請求項1から請求項6までのいずれか1項に記載のサポート材除去方法であって、
    前記工程c)において、前記立体物を揺動させる、サポート材除去方法。
  8. 請求項1から請求項7までのいずれか1項に記載のサポート材除去方法であって、
    前記第1処理液は、水またはアルコールであり、
    前記第2処理液は、フロリナート(登録商標)である、サポート材除去方法。
  9. 三次元造形法により得られた、モデル材およびサポート材を有する立体物から、サポート材を除去するサポート材除去装置であって、
    前記立体物を収容可能な処理槽と、
    前記処理槽内に、第1処理液を供給する第1処理液供給部と、
    前記処理槽内に、前記第1処理液に対して不溶であり、前記第1処理液よりも比重が重く、かつ、前記第1処理液よりも沸点が低い第2処理液を供給する第2処理液供給部と、
    前記処理槽内を加熱する加熱部と、
    前記第1処理液供給部、前記第2処理液供給部、および前記加熱部を制御する制御部と、
    を備え、
    前記処理槽内に、前記第1処理液および前記第2処理液が二層に貯留され、前記立体物が浸漬された後に、前記制御部が、前記加熱部を制御することにより、前記処理槽内を、前記第2処理液の沸点以上かつ前記第1処理液の沸点未満の温度に加熱する、サポート材除去装置。
  10. 請求項9に記載のサポート材除去装置であって、
    前記第1処理液の誘電率は、前記第2処理液の誘電率よりも高い、サポート材除去装置。
  11. 請求項9または請求項10に記載のサポート材除去装置であって、
    前記処理槽内の液体に超音波を付与する超音波付与部をさらに備える、サポート材除去装置。
  12. 請求項9から請求項11までのいずれか1項に記載のサポート材除去装置であって、
    前記第2処理液の表面張力は、前記第1処理液の表面張力よりも小さい、サポート材除去装置。
  13. 請求項9から請求項12までのいずれか1項に記載のサポート材除去装置であって、
    前記第1処理液と前記第2処理液との間の界面の高さが、予め設定された基準高さ以上であるか否かを検出するセンサをさらに備え、
    前記制御部は、前記センサの検出結果に基づき、前記界面の高さが前記基準高さ未満になったと判断すると、前記第2処理液供給部を制御して、前記処理槽内に前記第2処理液を補充する、サポート材除去装置。
  14. 請求項9から請求項13までのいずれか1項に記載のサポート材除去装置であって、
    前記処理槽内において、前記立体物を、前記第1処理液および前記第2処理液の双方に接触する位置に保持する保持部をさらに備える、サポート材除去装置。
  15. 請求項9から請求項14までのいずれか1項に記載のサポート材除去装置であって、
    前記処理槽内において、前記立体物を揺動させる揺動機構をさらに備える、サポート材除去装置。
  16. 請求項9から請求項15までのいずれか1項に記載のサポート材除去装置であって、
    前記第1処理液は、水またはアルコールであり、
    前記第2処理液は、フロリナート(登録商標)である、サポート材除去装置。
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