JP2017030046A - 鋳型造型用粘結剤組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】SOxの発生を抑制しながら鋳型強度を向上させることができる鋳型造型用粘結剤組成物を提供すること。【解決手段】フランアルデヒド化合物、並びにエポキシシランカップリング剤及びウレイドシランカップリング剤からなる群より選ばれる少なくとも1種以上を含有し、前記エポキシシランカップリング剤の含有量及びウレイドシランカップリング剤の含有量の合計が0.5〜10質量%である鋳型造型用粘結剤組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、鋳型造型用粘結剤組成物に関する。
一般に、酸硬化性自硬性鋳型は、珪砂等の耐火性粒子に、酸硬化性樹脂を含有する鋳型造型用粘結剤組成物と、スルホン酸、硫酸、リン酸等を含有する硬化剤組成物とを添加し、これらを混練した後、得られた混練砂を木型等の原型に充填し、酸硬化性樹脂を硬化させて製造される。酸硬化性樹脂には、フラン樹脂やフェノール樹脂等が用いられており、フラン樹脂には、フルフリルアルコール、フルフリルアルコール・尿素ホルムアルデヒド樹脂、フルフリルアルコール・ホルムアルデヒド樹脂、フルフリルアルコール・フェノール・ホルムアルデヒド樹脂、その他公知の変性フラン樹脂等が用いられている。得られた鋳型は、機械鋳物部品や建設機械部品あるいは自動車用部品等の鋳物を鋳造する際に使用される。
鋳型の造型、あるいは鋳型を用いて所望の鋳物を鋳造する上で重要な項目として、鋳造時の作業環境の改善が挙げられる。酸硬化性自硬性鋳型には硬化剤として有機スルホン酸、硫酸等の硫黄原子を含有する酸が使用されるため、特に鋳造時における二酸化硫黄等のSOxやその他成分の熱分解ガスが作業環境を悪化させる恐れがある。そのため、SOxの発生を抑制することが望まれている(例えば、特許文献1)。当該特許文献1では、フルフラール等のフランアルデヒド化合物、及びフルフリルアルコール・尿素ホルムアルデヒド樹脂に代表される尿素変性フラン樹脂を含有する粘結剤組成物を、硫黄原子を含まない硬化剤組成物で硬化させることで有害物質等の発生を抑制している。
また、一般に鋳型の最終強度向上のために少量のアミノシランカップリング剤の添加が有効であることが知られている(例えば、特許文献2)。
特開2013−240827号公報 特開昭43−15161号公報
しかしながら、SOx発生の抑制を目的とする従来の粘結剤組成物では、鋳型強度の点でさらなる改善が求められていた。
本発明は、SOxの発生を抑制しながら鋳型強度を向上させることができる鋳型造型用粘結剤組成物を提供する。
本発明の鋳型造型用粘結剤組成物は、フランアルデヒド化合物、並びにエポキシシランカップリング剤及びウレイドシランカップリング剤からなる群より選ばれる少なくとも1種以上を含有し、前記エポキシシランカップリング剤の含有量及びウレイドシランカップリング剤の含有量の合計が0.5〜10質量%である。
本発明によれば、SOxの発生を抑制しながら鋳型強度を向上させることができる鋳型造型用粘結剤組成物を提供することができる。
また、本発明によれば、鋳型の可撓性を向上させることが出来る鋳型造型用粘結剤組成物を提供することができる。
本実施形態の鋳型造型用粘結剤組成物(以下、単に粘結剤組成物ともいう)は、フランアルデヒド化合物、並びにエポキシシランカップリング剤及びウレイドシランカップリング剤からなる群より選ばれる少なくとも1種以上を含有し、前記エポキシシランカップリング剤の含有量及びウレイドシランカップリング剤の含有量の合計が0.5〜10質量%である。当該粘結剤組成物は、SOxの発生を抑制しながら鋳型強度を向上させ、さらに、鋳型の可撓性を向上させることが出来る。このような効果を奏する理由は定かではないが、以下の様に考えられる。
シランカップリング剤は粘結剤組成物と反応する有機官能基、耐火性骨材と反応するアルコキシ基を有し、粘結剤組成物と耐火性粒子の接着力を強化することで鋳型強度向上に寄与する。従来の知見によるとフラン樹脂を含有する鋳型用粘結剤において、最良の結果はアミノシランカップリング剤を組成物中0.2%程度含有させることで得られる。しかしながら、SOxの発生の抑制を目的とする粘結剤組成物では、シランカップリング剤添加による鋳型強度向上効果が不十分であった。本実施形態で用いられる鋳型造型用粘結剤組成物は従来のアミノシランカップリング剤よりもエポキシシランカップリング剤やウレイドシランカップリング剤との相溶性、又は反応性が良好であり、それにより耐火性粒子と粘結剤間の接着力が向上している可能性が考えられる。また、鋳型の可撓性は、原型から鋳型を抜型する際に必要である。特に、複雑な形状の鋳型を造型した際に、鋳型の可撓性が高いと、抜型時に鋳型の肉厚が薄い部分に応力が集中することに起因する鋳型割れを防ぐことができる。本実施形態の粘結剤組成物は、比較的多量のシランカップリング剤等が樹脂構造中に取り込まれて可塑剤的に作用し、樹脂構造を改質することにより、鋳型の可撓性が向上し、鋳型強度が向上すると考えられる。
以下、本実施形態の粘結剤組成物について説明する。
<鋳型造型用粘結剤組成物>
〔フランアルデヒド化合物〕
前記フランアルデヒド化合物は、フラン環を有するアルデヒドであり、フルフラール、5−ヒドロキシメチルフルフラール、5−アセトキシメチルフルフラールからなる群より選ばれる少なくとも1種以上が例示できる。これらの中でも、鋳型の硬化速度向上の観点から、フルフラール、5−ヒドロキシメチルフルフラールからなる群より選ばれる少なくとも1種以上が好ましく、フルフラールがより好ましい。
前記粘結剤組成物中のフランアルデヒド化合物の含有量は、鋳型の硬化速度向上の観点から、10質量%以上が好ましく、20質量%以上がより好ましい。前記粘結剤組成物中のフランアルデヒド化合物の含有量は、同様の観点から、85質量%以下が好ましく、80質量%以下がより好ましく、75質量%以下が更に好ましい。また、前記粘結剤組成物中のフランアルデヒド化合物の含有量は、同様の観点から、10〜85質量%が好ましく、20〜80質量%がより好ましく、20〜75質量%が更に好ましい。
<エポキシシランカップリング剤及びウレイドシランカップリング剤からなる群より選ばれる少なくとも1種以上>
本実施形態の粘結剤組成物は、鋳型強度向上の観点からエポキシシランカップリング剤及びウレイドシランカップリング剤からなる群より選ばれる少なくとも1種以上を含有する。前記エポキシシランカップリング剤としては、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシランが例示できる。前記ウレイドシランカップリング剤としては、3-ウレイドプロピルトリアルコキシシランが例示できる。これらの中でも鋳型可撓性向上の観点からエポキシシランカップリング剤が好ましい。
前記粘結剤組成物中の前記エポキシシランカップリング剤の含有量及びウレイドシランカップリング剤の含有量の合計は、鋳型強度向上の観点から、0.5質量%以上が好ましく、1.0質量%以上がより好ましく、1.5質量%以上が更に好ましく、2.5質量%以上がより更に好ましい。シランカップリング剤の粘結剤組成物中の含有量は、同様の観点から、10質量%以下が好ましく、7質量%以下がより好ましく、5質量%以下が更に好ましい。
〔酸硬化性樹脂〕
前記粘結剤組成物には、粘結剤成分として従来公知の酸硬化性樹脂が含まれていても良い。当該酸硬化性樹脂としては、フルフリルアルコール、フルフリルアルコールの縮合物、フルフリルアルコールとアルデヒド類の縮合物、フルフリルアルコールと尿素とアルデヒド類の縮合物(尿素変性フラン樹脂)、尿素とエチレン尿素とアルデヒド類の縮合物(尿素・エチレン尿素共縮合樹脂)、メラミンとアルデヒド類の縮合物、及び尿素とアルデヒド類の縮合物よりなる群から選ばれる1種からなるものや、これらの群から選ばれる2種以上の混合物からなるものが例示できる。また、これらの群から選ばれる2種以上の共縮合物からなるものも使用できる。このうち、鋳型の硬化速度向上と鋳型強度向上の観点から、フルフリルアルコール、フルフリルアルコールの縮合物及びフルフリルアルコールと尿素とアルデヒド類の縮合物、尿素とエチレン尿素とアルデヒド類の縮合物から選ばれる1種以上、並びにこれらの共縮合物を使用するのが好ましい。フルフリルアルコールは、非石油資源である植物から製造できるため、地球環境の観点からは、フルフリルアルコールを使用するのが好ましい。
前記粘結剤組成物中の前記酸硬化性樹脂の含有量は、鋳型強度向上の観点から、5質量%以上が好ましく、15質量%以上がより好ましく、50質量%以上が更に好ましい。前記粘結剤組成物中の前記酸硬化性樹脂の含有量は、同様の観点から、90質量%以下が好ましく、80質量%以下がより好ましく、70質量%以下が更に好ましい。また、前記粘結剤組成物中の前記酸硬化性樹脂の含有量は、同様の観点から、5〜90質量%が好ましく、15〜80質量%がより好ましく、50〜70質量%が更に好ましい。
〔尿素及び尿素誘導体からなる群より選ばれる1種以上の化合物〕
前記粘結剤組成物は、鋳型強度向上の観点から、尿素及び尿素誘導体からなる群より選ばれる1種以上の化合物(以下、尿素等とも称する)が含まれていても良い。
前記粘結剤組成物中の尿素及び尿素誘導体からなる群より選ばれる1種以上の化合物とは、ホルムアルデヒドやフルフリルアルコール等と縮合反応していない尿素及び尿素誘導体からなる群より選ばれる1種以上の化合物であり、未反応分として残存したものでも、別途添加されたものでも何れでも良い。
尿素及び尿素誘導体からなる群より選ばれる1種以上の化合物としては、例えば、尿素;エチレン尿素、プロピレン尿素、ブチレン尿素、ヒダントイン等のアルキレン尿素;メチル尿素、1,1−ジメチル尿素、1,3−ジメチル尿素等のアルキル尿素;シクロヘキシル尿素、1,3−ジシクロヘキシル尿素等のシクロヘキシル尿素;フェニル尿素、1,1−ジフェニル尿素、1,3−ジフェニル尿素等のアリール尿素;2−ヒドロキシエチル尿素等のアルキル基の炭素数が2以上のヒドロキシアルキル尿素;アゾジカルボンアミド等が挙げられる。これらの化合物は単独でも或いは2種以上の混合でも用いることが出来る。鋳型の硬化速度向上、鋳型強度向上及びホルムアルデヒド発生量低減の観点から尿素及びエチレン尿素が好ましく、経済性の観点から尿素が更に好ましい。
前記粘結剤組成物中の尿素等の含有量は、鋳型強度向上の観点から、0.5質量%以上が好ましく、1質量%以上がより好ましく、1.5質量%以上が更に好ましい。前記粘結剤組成物中の尿素等の含有量は、前記粘結剤組成物中の尿素等の溶解性の観点から、8質量%以下が好ましく、7質量%以下がより好ましく、6質量%以下が更に好ましい。また、前記粘結剤組成物中の尿素等の含有量は、鋳型の硬化速度向上の観点、及び前記粘結剤組成物中の尿素の溶解性の観点から、0.5〜8質量%が好ましく、1〜7質量%がより好ましく、1.5〜6質量%が更に好ましい。
〔硬化促進剤〕
前記粘結剤組成物中には、鋳型の硬化速度を向上させる観点、及び鋳型強度向上の観点から、硬化促進剤が含まれていてもよい。硬化促進剤としては、鋳型の硬化速度向上の観点、及び鋳型強度向上の観点から、下記一般式(1)で表される化合物(以下、硬化促進剤(1)という)、フェノール誘導体、芳香族ジアルデヒド、及びタンニン類からなる群より選ばれる1種以上が好ましい。
Figure 2017030046

〔式中、X及びXは、それぞれ水素原子、CH又はCの何れかを表す。〕
前記粘結剤組成物中の硬化促進剤の含有量は、鋳型の硬化速度向上の観点、及び鋳型強度向上の観点から、0.5質量%以上であることが好ましく、1質量%以上であることがより好ましく、2質量%以上であることが更に好ましい。粘結剤組成物中の硬化促進剤の含有量は、硬化促進剤の粘結剤組成物への溶解性の観点、鋳型の硬化速度向上の観点、及び鋳型強度向上の観点から、50質量%以下であることが好ましく、40質量%以下であることがより好ましく、30質量%以下であることが更に好ましい。
前記硬化促進剤(1)としては、2,5−ビスヒドロキシメチルフラン、2,5−ビスメトキシメチルフラン、2,5−ビスエトキシメチルフラン、2−ヒドロキシメチル−5−メトキシメチルフラン、2−ヒドロキシメチル−5−エトキシメチルフラン、2−メトキシメチル−5−エトキシメチルフランが挙げられる。なかでも、鋳型の硬化速度向上の観点、及び鋳型強度向上の観点から、2,5−ビスヒドロキシメチルフランを使用するのが好ましい。
前記芳香族ジアルデヒドとしては、テレフタルアルデヒド、フタルアルデヒド及びイソフタルアルデヒド等、並びにそれらの誘導体等が挙げられる。それらの誘導体とは、基本骨格としての2つのホルミル基を有する芳香族化合物の芳香環にアルキル基等の置換基を有する化合物等を意味する。鋳型の硬化速度向上の観点、及び鋳型強度向上の観点から、テレフタルアルデヒド及びテレフタルアルデヒドの誘導体が好ましく、テレフタルアルデヒドがより好ましい。粘結剤組成物中の芳香族ジアルデヒドの含有量は、芳香族ジアルデヒドを粘結剤組成物に十分に溶解させる観点、及び芳香族ジアルデヒド自体の臭気を抑制する観点から、好ましくは0.1〜15質量%であり、より好ましくは0.5〜10質量%であり、更に好ましくは1〜5質量%である。
タンニン類としては、縮合タンニンや加水分解型タンニンが挙げられる。これら縮合タンニンや加水分解型タンニンの例としては、ピロガロール骨格やレゾルシン骨格を持つタンニンが挙げられる。また、これらタンニン類を含有する樹皮抽出物や植物由来の葉、実、種、植物に寄生した虫こぶ等の天然物からの抽出物を添加しても構わない。
〔水〕
前記粘結剤組成物中には、水が含まれてもよい。例えば、フルフリルアルコールとアルデヒド類の縮合物などの各種縮合物を合成する場合、水溶液状の原料を使用したり縮合水が生成したりするため、縮合物は、通常、水との混合物の形態で得られる。このような縮合物を粘結剤組成物に使用するにあたり、水は必要に応じて、トッピング等で除去しても構わないが、硬化反応速度を維持できる限り、製造の際にあえて除去する必要はない。また、粘結剤組成物を取扱いやすい粘度に調整する目的などで、水をさらに添加してもよい。粘結剤組成物を取扱いやすい粘度に調整する目的で水をさらに添加する場合、粘結剤組成物の水の含有量は0.5質量%以上が好ましく、1質量%以上がより好ましく、3質量%以上が更に好ましい。ただし、硬化反応速度を維持する観点から、粘結剤組成物の水の含有量は30質量%以下が好ましく、25質量%以下がより好ましい。また、粘結剤組成物の水の含有量は、粘結剤組成物を取扱いやすい粘度に調整する観点、及び硬化反応速度を維持する観点から、0.5〜30質量%が好ましく、1〜25質量%がより好ましく、3〜25質量%が更に好ましい。
前記粘結剤組成物には、本実施形態の効果を損なわない範囲で添加剤が含まれていても良い。当該添加剤の例としては、前記エポキシシランカップリング剤及びウレイドシランカップリング剤以外のシランカップリング剤が挙げられる。当該シランカップリング剤としては、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン等のアミノシランや、メルカプトシラン、スルフィドシラン、メタクリロキシシラン、アクリロキシシランなどが用いられる。前記粘結剤組成物が前記エポキシシランカップリング剤及びウレイドシランカップリング剤以外のシランカップリング剤を含有する場合、前記粘結剤組成物中の当該シランカップリング剤の含有量は1.0質量%以下が好ましく、0.5質量%以下がより好ましい。
<鋳型造型用組成物>
本実施形態の鋳型造型用組成物は、前記粘結剤組成物、及び当該粘結剤組成物を硬化させる硬化剤組成物を含有する。
〔硬化剤組成物〕
前記硬化剤組成物は、カルボキシル基を有さない芳香族ヒドロキシ化合物、及びカルボン酸からなる群より選ばれる少なくとも1種以上を含有する。
〔カルボキシル基を有さない芳香族ヒドロキシ化合物〕
前記芳香族ヒドロキシ化合物は、カルボキシル基を有さない芳香族ヒドロキシ化合物であれば特に限定されない。当該芳香族ヒドロキシ化合物としては、フェノール、クレゾール、キシレノール、クミルフェノール、ノニルフェノール、ブチルフェノール、フェニルフェノール、エチルフェノール、オクチルフェノール、アミルフェノール、ナフトール、レゾルシン、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールC、カテコール、ハイドロキノン、ピロガロール、及びフロログリシン、フェノール類とホルムアルデヒド類の縮合物からなる群より選ばれる少なくとも1種以上が例示でき、鋳型強度向上の観点から、ピロガロール、レゾルシン、及びフェノール類とホルムアルデヒド類の縮合物からなる群より選ばれる少なくとも1種以上が好ましく、ピロガロール、及びレゾルシンからなる群より選ばれる少なくとも1種以上がより好ましい。
〔カルボン酸〕
前記カルボン酸は、カルボン酸であれば特に限定されない。当該カルボン酸としては、鋳型硬化速度向上、鋳型強度向上、及び臭気低減の観点から、2,6−ジヒドロキシ安息香酸、シュウ酸、マレイン酸、ピルビン酸、マロン酸、2−フランカルボン酸、フタル酸、フマル酸、乳酸、クエン酸、リンゴ酸からなる群より選ばれる少なくとも1種以上が例示でき、鋳型強度向上の観点から、2,6−ジヒドロキシ安息香酸、シュウ酸、マレイン酸からなる群より選ばれる少なくとも1種以上が好ましく、2,6−ジヒドロキシ安息香酸がより好ましい。
カルボキシル基を有さない芳香族ヒドロキシ化合物、及びカルボン酸からなる群より選ばれる少なくとも1種以上の中でも、鋳型の硬化速度を向上させる観点から、2,6−ジヒドロキシ安息香酸が好ましい。
前記硬化剤組成物中の、カルボキシル基を有さない芳香族ヒドロキシ化合物の含有量、及びカルボン酸の含有量の合計は、作業環境の温度や耐火性粒子の温度に応じて、所望の硬化速度及び鋳型強度を得るために適宜調整されるが、一般的には、鋳型強度向上の観点から、95質量%以下が好ましく、90質量%以下がより好ましい。また、5質量%以上が好ましく、25質量%以上がより好ましい。
前記カルボン酸及びカルボキシル基を有さない芳香族ヒドロキシ化合物を組み合わせて硬化剤として用いる場合、それぞれを混合した後に添加しても良く、別々に添加しても良い。例えば砂の温度変化に合わせて適宜配合比を変えながら順次添加することもできる。その場合の前記カルボン酸及びカルボキシル基を有さない芳香族ヒドロキシ化合物の合計の硬化剤組成物中の含有量は、上記範囲に準ずる。
[その他の成分]
前記硬化剤組成物及び鋳型造型用組成物には、カルボキシル基を有さない芳香族ヒドロキシ化合物、及びカルボン酸以外の硬化剤成分として、例えばキシレンスルホン酸(特に、m−キシレンスルホン酸)及びトルエンスルホン酸(特に、p−トルエンスルホン酸)等のスルホン酸系化合物、リン酸系化合物、硫酸等を含有しても良い。ただし、スルホン酸や硫酸などの硫黄を含む酸を含有する硬化剤組成物を使用した場合、鋳造時に二酸化硫黄ガスが発生するため、硬化剤組成物中の硫黄を含む酸の含有量は、30質量%以下が好ましく、10質量%以下がより好ましく、5質量%以下が更に好ましく、1質量%以下がより更に好ましく、硬化剤組成物が硫黄を含む酸を含まず、硬化剤として2,6−ジヒドロキシ安息香酸のみを含有することが好ましい。この場合、鋳造時の二酸化硫黄ガスの発生量をゼロにすることができる。
更に、前記硬化剤組成物及び前記鋳型造型用組成物には、アルコール類、エーテルアルコール類及びエステル類よりなる群から選ばれる1種以上の溶剤を含有させることができる。これらの中でも、鋳型強度向上の観点から、アルコール類、エーテルアルコール類が好ましく、アルコール類がより好ましい。
鋳型強度向上の観点から、前記アルコール類としては、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、ヘプタノール、オクタノール、ベンジルアルコールが好ましく、エーテルアルコール類としては、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル、ジエチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテルが好ましく、エステル類としては、酢酸ブチル、安息香酸ブチル、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテートが好ましい。
前記硬化剤組成物中の前記溶剤の含有量は、作業環境の温度や耐火性粒子の温度に応じて、所望の硬化速度及び鋳型強度を得るために適宜調整されるが、一般的には、鋳型強度向上の観点および硬化剤組成物を溶解させる観点から、5質量%以上が好ましく、10質量%以上がより好ましく、20質量%以上が更に好ましい。前記硬化剤組成物中の前記溶剤の含有量は、同様の観点から、90質量%以下が好ましく、80質量%以下がより好ましく、70質量%以下が更に好ましい。また、前記硬化剤組成物中の前記溶剤の含有量は、同様の観点から、5〜90質量%が好ましく、10〜80質量%がより好ましく、20〜70質量%が更に好ましい。
前記粘結剤組成物と前記硬化剤組成物の比率は、鋳型強度向上の観点から、前記粘結剤組成物100質量部に対して、硬化剤組成物が20質量部以上が好ましく、30質量部以上がより好ましく、60質量部以上が更に好ましい。前記粘結剤組成物と前記硬化剤組成物の比率は、同様の観点から、前記粘結剤組成物100質量部に対して、硬化剤組成物が100質量部以下が好ましく、90質量部以下がより好ましく、80質量部以下がより好ましい。また、前記粘結剤組成物と前記硬化剤組成物の比率は、鋳型強度向上の観点から、前記粘結剤組成物100質量部に対して、硬化剤組成物が20〜100質量部が好ましく、30〜90質量部がより好ましく、60〜80質量部が更に好ましい。
<鋳型用組成物>
本実施形態の鋳型用組成物は、前記鋳型造型用組成物と、耐火性粒子とを含有する。
前記耐火性粒子としては、珪砂、クロマイト砂、ジルコン砂、オリビン砂、アルミナ砂、ムライト砂、合成ムライト砂等の従来公知のものを使用でき、また、使用済みの耐火性粒子を回収したものや再生処理したものなども使用できる。
前記鋳型造型用組成物において、耐火性粒子と粘結剤組成物と硬化剤組成物との比率は適宜設定できるが、鋳型の硬化速度を向上させる観点及び鋳型強度向上の観点から、耐火性粒子100質量部に対して、粘結剤組成物が0.5質量部以上が好ましく、経済性の観点及び鋳物品質向上の観点から、耐火性粒子100質量部に対して、1.5質量部以下が好ましい。鋳型の硬化速度を向上させる観点及び鋳型強度向上の観点から、耐火性粒子100質量部に対して、硬化剤組成物は0.07質量部以上が好ましく、経済性の観点及び鋳物品質向上の観点から、耐火性粒子100質量部に対して、1.0質量部以下が好ましい。
<鋳型の製造方法>
前記鋳型用組成物を硬化させることによって鋳型を製造することができる。本実施形態の鋳型の製造方法において、従来の鋳型の製造プロセスをそのまま利用して鋳型を製造することができる。好ましい鋳型の製造方法として、前記耐火性粒子と前記鋳型造型用粘結剤組成物と、当該鋳型造型用粘結剤組成物を硬化させる硬化剤組成物とを混合して鋳型用組成物を得る混合工程、及び前記鋳型用組成物を型枠に詰め、当該鋳型用組成物を硬化させる硬化工程を有する鋳型の製造方法が挙げられる。
上述した実施形態に関し、本発明はさらに以下の組成物、製造方法、或いは用途を開示する。
<1>フランアルデヒド化合物、並びにエポキシシランカップリング剤及びウレイドシランカップリング剤からなる群より選ばれる少なくとも1種以上を含有し、前記エポキシシランカップリング剤の含有量及びウレイドシランカップリング剤の含有量の合計が0.5〜10質量%である鋳型造型用粘結剤組成物。
<2>前記フランアルデヒド化合物が、フルフラール、5−ヒドロキシメチルフルフラール、5−アセトキシメチルフルフラールからなる群より選ばれる少なくとも1種以上が好ましく、フルフラール、5−ヒドロキシメチルフルフラールからなる群より選ばれる少なくとも1種以上がより好ましく、フルフラールが更に好ましい<1>に記載の鋳型造型用粘結剤組成物。
<3>前記鋳型造型用粘結剤組成物中の前記フランアルデヒド化合物の含有量が、10質量%以上が好ましく、20質量%以上がより好ましく、85質量%以下が好ましく、80質量%以下がより好ましく、75質量%以下が更に好ましく、10〜85質量%が好ましく、20〜80質量%がより好ましく、20〜75質量%が更に好ましい<1>又は<2>に記載の鋳型造型用粘結剤組成物。
<4>前記エポキシシランカップリング剤が、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシランからなる群より選ばれる少なくとも1種以上が好ましい<1>〜<3>いずれかに記載の鋳型造型用粘結剤組成物。
<5>前記ウレイドシランカップリング剤が、3-ウレイドプロピルトリアルコキシシランが好ましい<1>〜<4>いずれかに記載の鋳型造型用粘結剤組成物。
<6>前記鋳型造型用粘結剤組成物中の前記エポキシシランカップリング剤の含有量及びウレイドシランカップリング剤の含有量の合計が、0.5質量%以上が好ましく、1.0質量%以上がより好ましく、1.5質量%以上が更に好ましく、2.5質量%以上がより更に好ましく、10質量%以下が好ましく、7質量%以下がより好ましく、5質量%以下が更に好ましい<1>〜<5>いずれかに記載の鋳型造型用粘結剤組成物。
<7>更に、酸硬化性樹脂を含むのが好ましい<1>〜<6>いずれかに記載の鋳型造型用粘結剤組成物。
<8>前記酸硬化性樹脂が、フルフリルアルコール、フルフリルアルコールの縮合物、フルフリルアルコールとアルデヒド類の縮合物、フルフリルアルコールと尿素とアルデヒド類の縮合物(尿素変性フラン樹脂)、尿素とエチレン尿素とアルデヒド類の縮合物(尿素・エチレン尿素共縮合樹脂)、メラミンとアルデヒド類の縮合物、及び尿素とアルデヒド類の縮合物からなる群、並びに当該群から選ばれる2種以上の共縮合物からなる群より選ばれる少なくとも1種以上が好ましく、フルフリルアルコール、フルフリルアルコールの縮合物、フルフリルアルコールと尿素とアルデヒド類の縮合物、及び尿素とエチレン尿素とアルデヒド類の縮合物、並びにこれらの共縮合物からなる群より選ばれる1種以上がより好ましく、フルフリルアルコールが更に好ましい<7>に記載の鋳型造型用粘結剤組成物。
<9>前記鋳型造型用粘結剤組成物中の前記酸硬化性樹脂の含有量が、5質量%以上が好ましく、15質量%以上がより好ましく、50質量%以上が更に好ましく、90質量%以下が好ましく、80質量%以下がより好ましく、70質量%以下が更に好ましく、5〜90質量%が好ましく、15〜80質量%がより好ましく、50〜70質量%が更に好ましい<7>又は<8>に記載の鋳型造型用粘結剤組成物。
<10>更に、尿素及び尿素誘導体からなる群より選ばれる1種以上の化合物を含むのが好ましい<1>〜<9>いずれかに記載の鋳型造型用粘結剤組成物。
<11>前記鋳型造型用粘結剤組成物中の尿素及び尿素誘導体からなる群より選ばれる1種以上の化合物の含有量が、0.5質量%以上が好ましく、1質量%以上がより好ましく、1.5質量%以上が更に好ましく、8質量%以下が好ましく、7質量%以下がより好ましく、6質量%以下が更に好ましく、0.5〜8質量%が好ましく、1〜7質量%がより好ましく、1.5〜6質量%が更に好ましい<10>に記載の鋳型造型用粘結剤組成物。
<12><1>〜<11>いずれかに記載の鋳型造型用粘結剤組成物、及び前記鋳型造型用粘結剤組成物を硬化させる硬化剤組成物を含有する、鋳型造型用組成物。
<13>前記硬化剤組成物がカルボキシル基を有さない芳香族ヒドロキシ化合物、及びカルボン酸からなる群より選ばれる少なくとも1種以上を含有するのが好ましい<12>に記載の鋳型造型用組成物。
<14>前記芳香族ヒドロキシ化合物が、フェノール、クレゾール、キシレノール、クミルフェノール、ノニルフェノール、ブチルフェノール、フェニルフェノール、エチルフェノール、オクチルフェノール、アミルフェノール、ナフトール、レゾルシン、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールC、カテコール、ハイドロキノン、ピロガロール、及びフロログリシン、フェノール類とホルムアルデヒド類の縮合物からなる群より選ばれる少なくとも1種以上が好ましく、ピロガロール、レゾルシン、及びフェノール類とホルムアルデヒド類の縮合物からなる群より選ばれる少なくとも1種以上がより好ましく、ピロガロール、及びレゾルシンからなる群より選ばれる少なくとも1種以上が更に好ましい<13>に記載の鋳型造型用組成物。
<15>前記カルボン酸が、2,6−ジヒドロキシ安息香酸、シュウ酸、マレイン酸、ピルビン酸、マロン酸、2−フランカルボン酸、フタル酸、フマル酸、乳酸、クエン酸、リンゴ酸からなる群より選ばれる少なくとも1種以上が好ましく、2,6−ジヒドロキシ安息香酸、シュウ酸、マレイン酸からなる群より選ばれる少なくとも1種以上がより好ましく、2,6−ジヒドロキシ安息香酸が更に好ましい<13>又は<14>に記載の鋳型造型用組成物。
<16>前記硬化剤組成物中の、カルボキシル基を有さない芳香族ヒドロキシ化合物の含有量、及びカルボン酸の含有量の合計が、95質量%以下が好ましく、90質量%以下がより好ましく、5質量%以上が好ましく、25質量%以上がより好ましい<13>〜<15>いずれかに記載の鋳型造型用組成物。
<17>前記鋳型造型用粘結剤組成物と前記硬化剤組成物の比率が、前記鋳型造型用粘結剤組成物100質量部に対して、前記硬化剤組成物が20質量部以上が好ましく、30質量部以上がより好ましく、60質量部以上が更に好ましく、100質量部以下が好ましく、90質量部以下がより好ましく、80質量部以下がより好ましく、20〜100質量部が好ましく、30〜90質量部がより好ましく、60〜80質量部が更に好ましい<12>〜<18>いずれかに記載の鋳型造型用組成物。
<18><12>〜<17>いずれかに記載の鋳型造型用組成物と、耐火性粒子とを含有する鋳型用組成物。
<19>前記耐火性粒子100質量部に対して、前記鋳型造型用粘結剤組成物が0.5質量部以上が好ましく、1.5質量部以下が好ましい<18>に記載の鋳型用組成物。
<20>前記耐火性粒子100質量部に対して、前記硬化剤組成物は0.07質量部以上が好ましく、1.0質量部以下が好ましい<18>又は<19>に記載の鋳型用組成物。
<21>前記耐火性粒子と<1>〜<11>いずれかに記載の鋳型造型用粘結剤組成物と当該鋳型造型用粘結剤組成物を硬化させる硬化剤組成物とを混合して鋳型用組成物を得る混合工程、及び前記鋳型用組成物を型枠に詰め、当該鋳型用組成物を硬化させる硬化工程を有する鋳型の製造方法。
<22>前記硬化剤組成物が、<12>〜<17>いずれかに記載の鋳型造型用組成物に含有される硬化剤組成物である<21>に記載の鋳型の製造方法。
<23>前記<1>〜<11>いずれかに記載の組成物の鋳型造型用粘結剤組成物としての使用。
以下、本発明を具体的に示す実施例等について説明する。
<測定方法>
〔粘結剤組成物中のフルフリルアルコール含有量〕
ガスクロマトグラフィーにて測定を行った。(フルフリルアルコールで検量線を作成)
[測定条件]
・内部標準溶液:1,6−ヘキサンジオール
・カラム:PEG−20M Chromosorb WAW DMCS 60/80mesh(ジーエルサイエンス社製)
・カラム温度:開始80℃から200℃まで(8℃/minで昇温)
・インジェクション温度:210℃
・検出器温度:250℃
・キャリアーガス:50mL/min(He)
〔粘結剤組成物中の窒素含有量〕
JIS M 8813に示されるケルダール法にて測定を行った。粘結剤組成物中の窒素含有量は比較例、実施例ともに全て1.8質量%であった。
<原料の製造>
〔縮合物1の製造〕
三ツ口フラスコにフルフリルアルコール100質量部とパラホルムアルデヒド35質量部と尿素13質量部とを混合し、25%水酸化ナトリウム水溶液でpH9に調整し、100℃に昇温後、同温度で1時間反応させた後、37%塩酸でpH4.5に調整し、更に100℃で1時間反応させた。その後、25%水酸化ナトリウム水溶液でpH7に調整し、尿素5質量部を添加して、100℃で30分反応させ、反応物1を得た。未反応のフルフリルアルコールを上記分析方法で求め、未反応フルフリルアルコール除いた部分を縮合物1とした。縮合物1の組成は、尿素変性フラン樹脂89質量%、水11質量%であった。
〔縮合物2の製造〕
三ツ口フラスコに37%ホルムアルデヒド液100質量部と、エチレン尿素106質量部と、尿素25質量部とを混合し、100℃で3時間反応させ、縮合物2を得た。縮合物2の組成は、尿素・エチレン尿素共縮合樹脂66質量%、水34質量%であった。
〔硬化剤組成物の製造〕
表1、表2に示す2,6−DHB、シュウ酸、Res、メタノール、カオーライトナーUS−3、カオーライトナーC−21(共に花王クエーカー社製;硫酸・スルホン酸系硬化剤)をそれぞれ所定の質量比率で混合し、実施例及び比較例の硬化剤組成物を製造した。「2,6−DHB」は2,6−ジヒドロキシ安息香酸、「Res」はレゾルシンを意味する。
<実施例1〜9、比較例1〜21>
〔粘結剤組成物の製造〕
表1、表2に示すFFA、FL、添加剤(縮合物1、縮合物2)及びシランカップリング剤を所定の質量比率で混合し、実施例及び比較例の粘結剤組成物を製造した。「FFA」はフルフリルアルコール、「FL」はフルフラール、「KBM-602」はN−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、「KBM-402」は3‐グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、「KBM-403」は3‐グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、「KBM-585」は3-ウレイドプロピルトリアルコキシシランを意味する。
〔鋳型用組成物の製造〕
25℃、55%RHの条件下で、珪砂(フリーマントル)新砂100質量部に対し、表1、表2に示す硬化剤組成物を添加し、次いで表1、表2に示す粘結剤組成物1.0質量部を添加し、これらを混合して鋳型用組成物を得た。
<試験例>
〔試験例1:圧縮強度〕
混練直後の鋳型用組成物を直径50mm、高さ50mmの円柱形状のテストピース枠に充填し、3時間経過した時に抜型を行い、充填から24時間後に、JIS Z 2601に記載された方法で、圧縮強度(MPa)を測定した。「24時間後の圧縮強度」とし、数値が高いほど鋳型強度に優れる。結果を表1、表2に示す。
Figure 2017030046
Figure 2017030046
〔試験例2:抜型時の鋳型の可撓性〕
混練直後の混練砂を直径50mm、高さ50mmの円柱形状のテストピース枠に充填した。充填後、25℃、55%RHの条件下で所定時間放置した後、抜型し、JISZ2604−1976に記載された方法で、圧縮強度(MPa)を測定し、得られた測定値が放置後はじめて0.8MPaに到達したときの充填直後からの放置時間を抜型時間とした。
混練直後の混練砂を長さ150mm、幅22mm、高さ22mmの直方体状のテストピース枠に充填し、25℃、55%RHの条件下で放置し、上述した抜型時間経過後に抜型した後、JISK6910に基づいて、3点曲げ抗折強度(ヘッドスピード:10mm/分、支点間距離120mm)を測定し、テストピースが破断して抗折強度が0.1MPa以下となるまでの変位を測定した。変位が大きい程、変形しても折れないことから鋳型の可撓性が高いことを示している。得られた結果を表1、2に示す。
表2より、フランアルデヒド化合物を含有するフラン樹脂において、エポキシシランカップリング剤(KBM402)を多量に含有させることで鋳型可撓性が大幅に向上することがわかる。
表1より、従来のフランバインダーと比較しても実施例3の鋳型可撓性が優れていることがわかる。シランカップリング剤は本来接着面の界面強度向上に寄与するものであるが、このように樹脂層を改質して可撓性を向上させることは予想外であった。また、この効果はフランアルデヒド化合物含有樹脂にエポキシシランカップリング剤を高含有させた際に更に顕著であることがわかる。

Claims (9)

  1. フランアルデヒド化合物、並びにエポキシシランカップリング剤及びウレイドシランカップリング剤からなる群より選ばれる少なくとも1種以上を含有し、前記エポキシシランカップリング剤の含有量及びウレイドシランカップリング剤の含有量の合計が0.5〜10質量%である鋳型造型用粘結剤組成物。
  2. 前記フランアルデヒド化合物がフルフラール、5−ヒドロキシメチルフルフラール、及び5−アセトキシメチルフルフラールからなる群より選ばれる少なくとも1種以上である請求項1に記載の鋳型造型用粘結剤組成物。
  3. 更に、尿素、尿素変性フラン樹脂、及び尿素・エチレン尿素共縮合樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1種以上を含有する、請求項1又は2に記載の鋳型造型用粘結剤組成物。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の鋳型造型用粘結剤組成物、及び前記鋳型造型用粘結剤組成物を硬化させる硬化剤組成物を含有する、鋳型造型用組成物。
  5. 前記硬化剤組成物がカルボキシル基を有さない芳香族ヒドロキシ化合物、及びカルボン酸からなる群より選ばれる少なくとも1種以上を含有する請求項4に記載の鋳型造型用組成物。
  6. 前記芳香族ヒドロキシ化合物がピロガロール、及びレゾルシンからなる群より選ばれる少なくとも1種以上である請求項4又は5に記載の鋳型造型用組成物。
  7. 前記カルボン酸が2,6−ジヒドロキシ安息香酸、シュウ酸、及びマレイン酸からなる群より選ばれる少なくとも1種以上である請求項4〜6のいずれか1項に記載の鋳型造型用組成物。
  8. 請求項4〜7のいずれか1項に記載の鋳型造型用組成物と、耐火性粒子とを含有する鋳型用組成物。
  9. 耐火性粒子と請求項1〜3のいずれか1項に記載の鋳型造型用粘結剤組成物と当該鋳型造型用粘結剤組成物を硬化させる硬化剤組成物とを混合して鋳型用組成物を得る混合工程、及び前記鋳型用組成物を型枠に詰め、当該鋳型用組成物を硬化させる硬化工程を有する鋳型の製造方法。
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