JP2017028391A - アンテナ装置 - Google Patents

アンテナ装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2017028391A
JP2017028391A JP2015142792A JP2015142792A JP2017028391A JP 2017028391 A JP2017028391 A JP 2017028391A JP 2015142792 A JP2015142792 A JP 2015142792A JP 2015142792 A JP2015142792 A JP 2015142792A JP 2017028391 A JP2017028391 A JP 2017028391A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cover layer
metal cover
planar coil
antenna
coil antenna
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2015142792A
Other languages
English (en)
Inventor
俊文 小町
Toshifumi Komachi
俊文 小町
裕文 麻生
Hirofumi Aso
裕文 麻生
友成 寿緒
Toshio Tomonari
寿緒 友成
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
TDK Corp
Original Assignee
TDK Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by TDK Corp filed Critical TDK Corp
Priority to JP2015142792A priority Critical patent/JP2017028391A/ja
Publication of JP2017028391A publication Critical patent/JP2017028391A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Details Of Aerials (AREA)
  • Support Of Aerials (AREA)

Abstract

【課題】平面コイルアンテナが金属カバー層に覆われている場合でも近距離無線通信を実現することが可能なアンテナ装置を提供する。
【解決手段】アンテナ装置1は、平面コイルアンテナ10と、平面コイルアンテナ10の全面を覆う金属カバー層51Bとを備えている。金属カバー層51Bの表面抵抗は0.25Ω/□よりも大きいので、平面コイルアンテナ10と鎖交する磁束の一部が金属カバー層51Bに入射したとき、金属カバー層51Bの外側に磁束が漏れ出すようになる。
【選択図】図3

Description

本発明は、アンテナ装置に関し、特にNFC(Near Field Communication:近距離無線通信)に好適な平面コイルアンテナに関するものである。
近年、スマートフォン等の携帯無線機器にはRFID(Radio Frequency Identification:電波による個体識別)システムが搭載されており、そのための通信手段としてリーダ・ライタ等と近距離無線通信を行うためのアンテナが搭載されている。
一方、内蔵回路を外部ノイズから保護すると共に機器内で発生するノイズの不要輻射を防止するため、携帯無線機器には金属シールドが設けられている。特に最近は、薄型化、軽量化、落下等の衝撃に対する耐久性、デザイン性等を考慮して、携帯無線機器の筐体自体が樹脂製から金属製となり、金属シールドを兼ねるケースも増えてきている。しかし、一般に金属シールドは電波を妨げることから、アンテナを設ける場合には金属シールドと重ならない位置に設ける必要があり、金属シールドが広範囲に設けられているときにはアンテナの配置が問題となる。
上記問題を解決するため、例えば、特許文献1に記載のアンテナ装置は、RFIDシステムに好適なNFC用アンテナであって、ループ状又はスパイラル状のコイル導体と、導体開口部及びこの導体開口部と連接するスリット部とを有する導体層と、導体層から見てコイル導体よりも遠くに配置された磁性シートを備え、コイル開口部が導体開口部と平面視で重なった構造を有するものである。このアンテナ装置によれば、コイル導体に電流が流れることにより生じる磁界を遮るように金属層に電流が流れ、そして金属層の開口部の周囲に流れる電流がスリットの周辺を通り、縁端効果により金属層の周囲にも電流が流れる。これにより、金属層からも磁界が生じ、金属層が磁束を大きく周回させるので、アンテナ装置と相手側アンテナとの通信距離を延ばすことができる。
特許第4941600号公報
上記のように、携帯無線機器の筐体自体が金属シールドを兼ねる場合には、アンテナが金属シールドの影響を受けないように配慮する必要があり、金属シールドと重ならない位置にアンテナを設ける必要がある。しかし、金属シールドが広範囲に設けられているときには金属シールドと重ならない位置にアンテナを設けることができず、金属シールドに覆われたアンテナはシールド効果の影響を受けるため、近距離無線通信用のアンテナとして実用上の問題がある。
したがって、本発明の目的は、平面コイルアンテナの全面が金属カバー層に覆われている場合でも近距離無線通信を可能にするアンテナ装置を提供することにある。
上記課題を解決するため、本発明によるアンテナ装置は、平面コイルアンテナと、前記平面コイルアンテナの全面を覆う金属カバー層とを備え、前記金属カバー層の表面抵抗は0.89Ω/□以上であることを特徴とする。
本発明によれば、金属カバー層の表面抵抗が0.89Ω/□以上と十分に大きいため、反磁界の発生を抑えて金属カバー層のシールド効果を弱めることができる。したがって、平面コイルアンテナの全面が金属カバー層に覆われている場合でも近距離無線通信を実現することが可能となる。
本発明において、前記金属カバー層の厚みは0.3μm以下であることが好ましい。金属カバー層の厚みを0.3μm以下にすることにより上記表面抵抗を実現することができる。したがって、金属カバー層の影響を抑えることができ、金属カバー層に覆われた平面コイルアンテナを用いた近距離無線通信が可能となる。
本発明において、前記金属カバー層の表面抵抗は16Ω/□以上であることが好ましい。またこの場合、前記金属カバー層の厚みは0.2μm以下であることが好ましい。この構成によれば、金属カバー層に覆われた平面コイルアンテナを用いた近距離無線通信の可能性をさらに高めることができる。
本発明において、前記平面コイルアンテナは携帯無線機器の筐体内に収容されており、前記金属カバー層は前記筐体の一部であることが好ましい。携帯無線機器の筐体が金属カバー層を有する場合には、携帯無線機器の耐久性やデザイン性を向上させることができるが、金属カバー層のシールド効果によってアンテナ装置が通信できなくなるという問題がある。しかし、本発明によればそのような問題を解決することができ、金属カバー層の影響を抑えて平面コイルアンテナを用いた近距離無線通信の可能性を高めることができる。
本発明において、前記金属カバー層は高周波アンテナの放射板であることもまた好ましい。携帯無線機器の筐体内に平面コイルアンテナと高周波アンテナの両方を実装する場合、それらのレイアウトが問題となる。しかし、本発明によれば、平面コイルアンテナ及び高周波アンテナの通信を確保しつつ、携帯無線機器の筐体内の限られたスペースに両者を効率よくレイアウトすることができる。
また、本発明によるアンテナ装置は、平面コイルアンテナと、前記平面コイルアンテナの全面を覆う金属カバー層とを備え、前記金属カバー層は、前記平面コイルアンテナと平面視で重なる第1のカバー領域と、前記第1のカバー領域を除いた第2のカバー領域とを有し、前記第1のカバー領域における前記金属カバー層の第1の表面抵抗は0.89Ω/□以上であり、前記第2のカバー領域における前記金属カバー層の第2の表面抵抗は前記第1の表面抵抗よりも小さいことを特徴とする。
本発明によれば、平面コイルアンテナと重なる第1のカバー領域から磁束が漏れ出す構造とすることができ、平面コイルアンテナと重ならない第2のカバー領域ではシールド効果を得ることができる。また外観的には金属カバー層が全面的に形成されているので、デザイン面でも非常に有利である。
本発明において、前記金属カバー層はCuからなり、前記第1のカバー領域における前記金属カバー層の第1の厚みは0.3μm以下であり、前記第2のカバー領域における前記金属カバー層の第2の厚みは前記第1の厚みよりも大きいことが好ましい。この構成によれば、金属カバー層に覆われた平面コイルアンテナを用いた近距離無線通信の可能性をさらに高めることができる。
本発明によれば、平面コイルアンテナの全面が金属カバー層に覆われている場合でも近距離無線通信を実現することが可能なアンテナ装置を提供することができる。
本発明の第1の実施の形態によるアンテナ装置を含む携帯無線機器の構成を示す略斜視図である。 図1に示したアンテナ装置1の構成を示す平面図であって、筐体を省略して平面コイルアンテナのみを示したものである。 図2のA−A線に沿ったアンテナ装置1の略断面図である。 本発明の第2の実施の形態によるアンテナ装置の構成を示す略断面図である。 金属カバー層の厚みと平面コイルアンテナの通信距離との関係を示すグラフである。 金属カバー層の厚みと表面抵抗との関係を示すグラフである。 金属カバー層の表面抵抗と平面コイルアンテナの通信距離との関係を示すグラフである。
以下、添付図面を参照しながら、本発明の好ましい実施の形態について詳細に説明する。
図1は、本発明の第1の実施の形態によるアンテナ装置を含む携帯無線機器の構成を示す略斜視図である。
図1に示すように、本実施形態による携帯無線機器100は例えばスマートフォンであり、非常に薄型な筐体50を有している。図示の携帯無線機器100は筐体50の背面50bが上向きの状態であり、主にディスプレイが設けられている筐体50の前面50aは下方を向いている。筐体50は樹脂と金属との組み合わせからなり、筐体50の背面50bは全面が金属カバー層51Bに覆われている。また筐体50の長手方向(Y方向)の一方のXZ端面(上端面)50c及び他方のXZ端面(下端面)50dは樹脂カバー層51Aのみで構成されており、金属カバー層51Bが設けられていない非シールド領域となっている。金属カバー層51Bは、筐体の機械的強度、磁気シールド特性、デザイン性等の向上のために設けられるものである。
携帯無線機器100はアンテナ装置1を内蔵しており、アンテナ装置1は筐体50の長手方向の上端部付近に配置されている。また携帯無線機器100にはメイン回路基板、バッテリーパック、カメラユニット等の様々な構成要素が実装されているが、それらの図示は省略されている。本実施形態によるアンテナ装置1は、HF帯の無線通信に用いられる平面コイルアンテナ10を含む。平面コイルアンテナ10は例えばNFCアンテナであり、その共振周波数は13.56MHzである。
図2は、図1に示したアンテナ装置1の構成を示す平面図であって、筐体50を省略して平面コイルアンテナ10のみを示したものである。また、図3は、図2のA−A線に沿ったアンテナ装置1の略断面図である。
図2及び図3に示すように、アンテナ装置1は、筐体50内に収容された平面コイルアンテナ10を備えている。筐体50の背面50bは樹脂カバー層51A及び金属カバー層51Bの二層構造からなり、平面コイルアンテナ10の一方の主面10aと対向している。詳細は後述するが、金属カバー層51Bは非常に薄いので、支持体としての樹脂カバー層51Aが必要である。
平面コイルアンテナ10は、フレキシブル基板11の一方の主面11aに形成されたスパイラルパターン10cからなり、本実施形態ではXY平面と平行に設けられている。フレキシブル基板11は例えばPET樹脂からなり、その平面サイズはスパイラルパターン10cの大きさに合わせて適宜設定される。フレキシブル基板11の厚さは例えば30μmである。
アンテナ設計を容易にすると共にスパイラルパターン10cに囲まれた内径部10dの面積をできるだけ大きくするため、スパイラルパターン10cは矩形スパイラルであることが好ましく、X方向の直線パターン成分とY方向の直線パターン成分とを含むことが好ましい。平面コイルアンテナ10の外形サイズは例えば40×50(mm)である。
本実施形態において、スパイラルパターン10cの両端はフレキシブル基板11のエッジ近くまで引き出されており、特にスパイラルパターン10cの内周端はスパイラルパターン10cを横切って外側に引き出されている。スパイラルパターン10cの両端は、例えばフレキシブル基板11上に実装されたNFCチップや携帯無線機器のメイン回路基板に接続される。
金属カバー層51Bは筐体50の一部をなす平面導体である。金属カバー層51Bは平面コイルアンテナ10と平面視で重なっており、平面コイルアンテナ10の全面を覆っている。金属カバー層51Bの材料はCuであることが好ましいが、他の金属を用いてもよい。
本実施形態において、金属カバー層51BはCuからなり、その表面抵抗は0.25Ω/□よりも大きくなければならず、0.89Ω/□以上であることが好ましく、16Ω/□以上であることがより好ましい。このような表面抵抗を実現するため、金属カバー層51Bの厚みは0.4μmよりも小さくなければならず、0.3μm以下であることが好ましく、0.2μm以下であることがより好ましい。このように金属カバー層51Bの表面抵抗を十分に大きくすることにより、平面コイルアンテナ10の全面が金属カバー層51Bに覆われている場合でも近距離無線通信を可能にすることができる。
平面コイルアンテナ10と鎖交する磁束の一部が金属カバー層51Bの一方の主面に入射したとき、金属カバー層51Bには渦電流が生じ、渦電流によって反磁束(反磁界)が発生する。十分に厚みがある金属カバー層51Bの表面抵抗はほぼ0Ωであり、電流が流れやすいので、渦電流は大きく、渦電流が発生させる反磁束も大きい。そのため、入射した磁束のほとんどは反磁束によって打ち消され、金属カバー層51Bの他方の主面から磁束が漏れ出すことはほとんどない。しかし、金属カバー層51Bの厚みを十分に薄くしてその表面抵抗を大きくした場合には反磁界の発生が抑えられ、金属カバー層51Bの他方の主面から磁束が漏れ出すようになる。本発明はこの漏れ磁束を利用することにより、近距離無線通信を実現するものである。
金属カバー層51Bが筐体50の背面50b全体に広く形成されている場合、平面コイルアンテナ10と平面視で重なる金属カバー層51Bの一部の領域(第1のカバー領域A1、図1参照)では金属カバー層51Bの厚みを部分的に薄くして表面抵抗を0.89Ω/□以上とし、それ以外の領域(第2のカバー領域A2、図1参照)では金属カバー層51Bの厚みを厚くして表面抵抗を十分に小さくしてもよい。特に、第2のカバー領域A2の表面抵抗はほぼ0Ωであることが好ましい。この構成によれば、平面コイルアンテナ10と重なる第1のカバー領域A1から磁束が漏れ出す構造とすることができ、平面コイルアンテナ10と重ならない第2のカバー領域A2ではシールド効果を得ることができる。また外観的には金属カバー層51Bが全面的に形成されているので、デザイン面でも非常に有利である。
図3に示すように、平面コイルアンテナ10の他方の主面10b側には磁性シート30が設けられていることが好ましい。磁性シート30は、フレキシブル基板11の他方の主面11bに貼り付けられていてもよく、フレキシブル基板11とは独立に設けられていてもよい。磁性シート30の厚さはその役割を果たすことができる限りにおいて特に限定されない。磁性シート30を設けることにより、平面コイルアンテナ10のインダクタンスを高めることができ、これにより金属カバー層51Bの外側に漏れ出す磁束を増やすことができる。また、平面コイルアンテナ10は携帯無線機器のバッテリーパックに近接して実装されることが多いが、磁性シート30が平面コイルアンテナ10とバッテリーパックとの間に介在している場合には、平面コイルアンテナ10と鎖交する磁束の磁路を確保することができる。したがって、バッテリーパック40を構成する金属体が平面コイルアンテナ10に与える影響を抑えることができ、所望のアンテナ特性を得ることができる。
磁性シート30は、アスペクト比の大きな扁平形状の磁性金属粉をポリマーと結合させた複合磁性シートであることが好ましい。扁平金属粉は複合磁性シートの厚み方向に重なり、その面方向は複合磁性シートの面方向と平行となるように配向されているので、複合磁性シートの面方向の実効的な透磁率を高めることができる。これによれば、平面コイルアンテナ10が発生させる磁場を外部から磁性シート30内に引き込み、コイル軸Zと直交する水平方向に導くことができる。また扁平磁性粉はポリマー中に密に配列されているが、扁平磁性粉間はポリマーによって絶縁されているので渦電流の発生を防止することができる。したがって、平面コイルアンテナ10の使用周波数帯(例えば13.56MHz)において高透磁率と低磁気損失の両方を実現することができる。
以上説明したように、本実施形態によるアンテナ装置は、平面コイルアンテナ10と、平面コイルアンテナ10の全面を覆う金属カバー層51Bとを備え、金属カバー層51Bの表面抵抗が0.89Ω/□以上であるので、金属カバー層51Bに入射した磁束に対する反磁束の発生が抑えられ、金属カバー層51Bを透過して外側に滲み出す漏れ磁束を増やすことができる。したがって、金属カバー層51Bに覆われた平面コイルアンテナ10を用いた近距離無線通信を可能にすることができる。
図4は、本発明の第2の実施の形態によるアンテナ装置の構成を示す略断面図である。
図4に示すように、本実施形態によるアンテナ装置2は、平面コイルアンテナ10と平面視で重なる高周波アンテナ(RFアンテナ)20をさらに備え、平面コイルアンテナ10の全面を覆う金属カバー層51Bが高周波アンテナ20の放射板からなることを特徴とするものである。平面コイルアンテナ10及び高周波アンテナ20を覆う筐体50の背面50bは樹脂カバー層51Aのみで構成されている。
高周波アンテナ20は矩形の平面導体(ベタパターン)からなり、その裏面には給電ライン21が接続されている。高周波アンテナ20は、支持体としての樹脂カバー層51Aの内表面に貼り付けられている。高周波アンテナ20は平面コイルアンテナ10の一方の主面10a側に配置されており、平面コイルアンテナ10の上方を覆っている。高周波アンテナ20のZ軸方向の位置は、平面コイルアンテナ10と筐体50の背面50bとの間である。
高周波アンテナ20の放射板はCuからなり、その表面抵抗は0.89Ω/□以上であることが好ましく、16Ω/□以上であることがより好ましい。このような表面抵抗を実現するため、放射板の厚みは0.3μm以下であることが好ましく、0.2μm以下であることがより好ましい。このように放射板の表面抵抗を十分に大きくすることにより、放射板のシールド効果を弱めることができ、平面コイルアンテナ10の全面が放射板に覆われている場合でも近距離無線通信を可能にすることができる。
以上説明したように、本実施形態によるアンテナ装置2は、平面コイルアンテナ10と、平面コイルアンテナ10と平面視で重なる高周波アンテナ20とを備え、高周波アンテナ20の放射板が平面コイルアンテナ10の全面を覆っており、その表面抵抗は0.89Ω/□以上であるので、第1の実施の形態と同様の効果を奏することができる。すなわち、高周波アンテナ20の放射板に入射した磁束に対する反磁界の発生を抑えることができ、放射板を透過して外側に滲み出す漏れ磁束を増やすことができる。したがって、金属カバー層51Bに覆われた平面コイルアンテナを用いた近距離無線通信を可能にすることができる。また、平面コイルアンテナ10及び高周波アンテナ20の通信を確保しつつ、携帯無線機器100の筐体50内の限られたスペースに両者を効率よくレイアウトすることができる。
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は、上記の実施形態に限定されることなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含されるものであることはいうまでもない。
例えば、上記各実施形態においては、平面コイルアンテナ10が数ターンのスパイラルパターンで構成されているが、1ターン未満のループパターンであってもよい。すなわち、平面コイルアンテナ10は、ループ状又はスパイラル状の平面コイルパターンであればよい。なお1ターン未満のループパターンの場合、そのターン数は3/4ターン以上であることが好ましい。
また、上記実施形態においては、アンテナ装置1が内蔵される携帯無線機器100としてスマートフォンを挙げたが、携帯無線機器の種類は特に限定されず、タブレット端末、ノートPC、腕時計型ウエアラブル端末等であってもよい。
金属カバー層51Bに覆われた平面コイルアンテナ10の通信距離が金属カバー層51Bの厚みによってどのように変化するかを評価した。金属カバー層51BはCuからなり、その厚みは、"0μm"、"0.1μm"、"0.2μm"、"0.3μm"、"0.4μm"、"0.5μm"、"1.0μm"の7種類とした。なお金属カバー層51Bの厚みが0μmである場合とは金属カバー層を設けない場合を意味している。
通信距離の評価は、カードモードとリーダーモードの両方に対して行った。カードモードとは、平面コイルアンテナ10を含むNFCユニットが非接触ICカードと同じように振る舞うカードエミュレーションモードのことであり、このときの平面コイルアンテナ10の通信距離とは、テスト用リーダ・ライタから13.56MHzのテスト信号を送信し、平面コイルアンテナ10がテスト信号を受信してその変調信号を送信し、この変調信号をリーダ・ライタのサーチコイルで受信し、受信信号の電圧レベルが閾値レベルを満たすときの平面コイルアンテナ10からリーダ・ライタまでの距離の最大値ことをいう。またリーダーモードとは、非接触ICカードに書き込まれた情報をリーダ・ライタのように読み取るモードのことであり、このときの平面コイルアンテナ10の通信距離とは、平面コイルアンテナ10をリーダ・ライタのアンテナとして動作させてテスト信号を送信し、リーダ・ライタのサーチコイルでテスト信号を受信し、受信信号の電圧レベルが閾値レベルを満たすときの平面コイルアンテナ10からリーダ・ライタまでの距離の最大値のことをいう。
図5は、金属カバー層51Bの厚みと平面コイルアンテナ10の通信距離との関係を示すグラフであり、横軸は金属カバー層51Bの厚み(μm)、縦軸は平面コイルアンテナ10の通信距離(mm)をそれぞれ示している。
図5に示すように、カードモードにおける平面コイルアンテナ10の通信距離(以下、単に通信距離という)は、金属カバー層51Bの厚みが0μmとき(つまり金属カバー層51Bが無いとき)の通信距離が約40mmと最も大きく、金属カバー層51Bの厚みの増加に合わせて通信距離は緩やかに低下し、金属カバー層51Bの厚みが0.1μmのときに約38mmとなり、0.2μmのときに約35mmとなった。また金属カバー層51Bの厚みが0.2μmを超えたところから通信距離は急激に低下し、金属カバー層51Bの厚みが0.3μmのときに約21mmとなり、0.4μm以上のときに0mmとなった。
また図5に示すように、リーダーモードにおける平面コイルアンテナ10の通信距離もカードモードと同様の変化を示した。すなわち、金属カバー層51Bの厚みが0μmのときの通信距離が約37mmと最も大きく、金属カバー層51Bの厚みの増加に合わせて通信距離は緩やかに低下し、金属カバー層51Bの厚みが0.1μmのときに約35mmとなり、0.2μmのときに約31mmとなった。また金属カバー層51Bの厚みが0.2μmを超えたところから通信距離は急激に低下し、金属カバー層51Bの厚みが0.3μmのときに約15mmとなり、0.4μm以上のときに0mmとなった。
以上の結果から、金属カバー層51Bの厚みは0.4μmよりも小さくなければならず、0.3μm以下であることが好ましく、0.2μm以下であることが特に好ましいことが分かった。また、金属カバー層51Bの厚みを0.2μmからさらに小さくしても平面コイルアンテナ10の通信距離はそれほど増加せずに飽和することを考慮すると、金属カバー層51Bの厚みは0.1μm以上であることが好ましいことが分かった。品質を維持しながら金属カバー層51Bを薄く加工することは非常に難しく、また耐久性も大きく低下することからも、金属カバー層51Bの厚みは0.1μm以上であることが好ましい。
次に、平面コイルアンテナ10の通信距離の評価に用いた各金属カバー層51Bの表面抵抗を測定した。表面抵抗の測定には表面抵抗計を用いた。
図6は、金属カバー層51Bの厚みと表面抵抗との関係を示すグラフであり、横軸は金属カバー層51Bの厚み(μm)、縦軸は表面抵抗(Ω/□)をそれぞれ示している。
図6に示すように、まず金属カバー層51Bの厚みが0μmである場合とは金属カバー層51Bがない場合であるため、表面抵抗の測定値はない。また金属カバー層51Bの厚みが0.1μmであるときの表面抵抗は40Ω/□であり、0.2μmであるときの表面抵抗は16Ω/□であり、0.3μmであるときの表面抵抗は0.89Ω/□であった。さらに、金属カバー層51Bの厚みが0.4μmであるときの表面抵抗は0.25Ω/□であり、0.5μm及び1.0μmであるときの表面抵抗は0.06Ω/□であった。以上の結果から、金属カバー層51Bの表面抵抗は0.89Ω/□以上であることが好ましく、16Ω/□であることが特に好ましいことが分かった。また、金属カバー層51Bの厚みは0.1μm以上であることが好ましいことから、金属カバー層51Bの表面抵抗は40Ω/□以下であることが好ましいことが分かった。
表1は、図5及び図6のグラフに示したプロット値を一つの表にまとめたものである。またこの表1から求められる金属カバー層51Bの表面抵抗と平面コイルアンテナ10の通信距離との関係を示すグラフを図7に示す。
図7のグラフは、図6のグラフに基づいて、図5のグラフの横軸を金属カバー層51Bの厚みから表面抵抗に変換したものであり、横軸は表面抵抗(Ω/□)、縦軸は平面コイルアンテナ10の通信距離(mm)をそれぞれ示している。
図7及び表1から明らかなように、カードモードにおける通信距離は表面抵抗の増加に伴って増加した。詳細には、金属カバー層51Bの表面抵抗が0.25Ω/□以下(金属カバー層51Bの厚みが0.4μm以上)のときの通信距離は0mmとなるが、表面抵抗が0.89Ω/□(金属カバー層51Bの厚みが0.3μm)のときの通信距離は約21mmとなり、表面抵抗が16.03Ω/□(金属カバー層51Bの厚みが0.2μm)のときの通信距離は約35mmとなり、表面抵抗のわずかな増加によって通信距離が急激に伸びることが分かった。さらに、表面抵抗が40Ω/□(金属カバー層51Bの厚みが0.1μm)のときの通信距離は約38mmとなった。
また図7に示すように、リーダーモードにおける通信距離もカードモードと同様の変化を示した。詳細には、金属カバー層51Bの表面抵抗が0.25Ω/□以下(金属カバー層51Bの厚みが0.4μm以上)のときの通信距離は0mmとなるが、表面抵抗が0.89Ω/□(金属カバー層51Bの厚みが0.3μm)のときの通信距離は約15mmとなり、表面抵抗が16.03Ω/□(金属カバー層51Bの厚みが0.2μm)のときの通信距離は約31mmとなり、表面抵抗のわずかな増加によって通信距離が急激に伸びることが分かった。さらに、表面抵抗が40Ω/□(金属カバー層51Bの厚みが0.1μm)のときの通信距離は約35mmとなった。
以上の結果から、金属カバー層51Bの表面抵抗が0.89Ω/□以上であればカードモードで20mm以上の通信距離を確保でき、近距離無線通信を実現可能であることが分かった。また表面抵抗が16Ω/□以上であればカードモードで約35mmの通信距離を確保できることが分かった。
1,2 アンテナ装置
10 平面コイルアンテナ
10a 平面コイルアンテナの一方の主面
10b 平面コイルアンテナの他方の主面
10c スパイラルパターン
10d スパイラルパターンの内径部
11 フレキシブル基板
11a フレキシブル基板の一方の主面
11b フレキシブル基板の他方の主面
20 高周波アンテナ
21 給電ライン
30 磁性シート
40 バッテリーパック
50 筐体
50a 筐体の前面
50b 筐体の背面
51A 樹脂カバー層
51B 金属カバー層
100 携帯無線機器
A1 第1のカバー領域
A2 第2のカバー領域

Claims (8)

  1. 平面コイルアンテナと、
    前記平面コイルアンテナの全面を覆う金属カバー層とを備え、
    前記金属カバー層の表面抵抗は0.89Ω/□以上であることを特徴とするアンテナ装置。
  2. 前記金属カバー層の厚みは0.3μm以下である、請求項1に記載のアンテナ装置。
  3. 前記金属カバー層の表面抵抗は16Ω/□以上である、請求項1又は2に記載のアンテナ装置。
  4. 前記金属カバー層の厚みは0.2μm以下である、請求項3に記載のアンテナ装置。
  5. 前記平面コイルアンテナは携帯無線機器の筐体内に収容されており、前記金属カバー層は前記筐体の一部である、請求項1乃至4のいずれか一項に記載のアンテナ装置。
  6. 前記金属カバー層は、高周波アンテナの放射板である、請求項1乃至4のいずれか一項に記載のアンテナ装置。
  7. 平面コイルアンテナと、
    前記平面コイルアンテナの全面を覆う金属カバー層とを備え、
    前記金属カバー層は、
    前記平面コイルアンテナと平面視で重なる第1のカバー領域と、
    前記第1のカバー領域を除いた第2のカバー領域とを有し、
    前記第1のカバー領域における前記金属カバー層の第1の表面抵抗は0.89Ω/□以上であり、
    前記第2のカバー領域における前記金属カバー層の第2の表面抵抗は前記第1の表面抵抗よりも小さいことを特徴とするアンテナ装置。
  8. 前記第1のカバー領域における前記金属カバー層の第1の厚みは0.3μm以下であり、
    前記第2のカバー領域における前記金属カバー層の第2の厚みは前記第1の厚みよりも大きい、請求項7に記載のアンテナ装置。
JP2015142792A 2015-07-17 2015-07-17 アンテナ装置 Pending JP2017028391A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015142792A JP2017028391A (ja) 2015-07-17 2015-07-17 アンテナ装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015142792A JP2017028391A (ja) 2015-07-17 2015-07-17 アンテナ装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2017028391A true JP2017028391A (ja) 2017-02-02

Family

ID=57946296

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015142792A Pending JP2017028391A (ja) 2015-07-17 2015-07-17 アンテナ装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2017028391A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN108270068A (zh) * 2018-01-11 2018-07-10 青岛海信电子设备股份有限公司 具有全金属后壳的终端

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN108270068A (zh) * 2018-01-11 2018-07-10 青岛海信电子设备股份有限公司 具有全金属后壳的终端

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4934784B2 (ja) アンテナ装置及び通信端末装置
JP5924006B2 (ja) アンテナ装置
KR101548277B1 (ko) 무선 충전 및 nfc용 안테나 장치
JP2005333244A (ja) 携帯電話機
JP2016111455A (ja) アンテナ装置及びこれを用いた携帯電子機器
KR20130050633A (ko) 하이브리드형 자기장 차폐시트, 안테나 장치 및 이를 이용한 휴대 단말기기
US10270155B2 (en) Antenna device and electronic apparatus
US20170005395A1 (en) Antenna device
KR101548278B1 (ko) 하이브리드형 자기장 차폐시트 및 이를 이용한 안테나 장치
JP5598641B1 (ja) 情報端末装置
JP6515662B2 (ja) アンテナ装置
KR101040221B1 (ko) 휴대폰 케이스 내장용 안테나 및 휴대폰 케이스 내장용 안테나 패턴의 배치 방법
TW201526384A (zh) 天線裝置及電子機器
US20160276749A1 (en) Bent-shaped antenna device
JP6297813B2 (ja) アンテナ装置及び電子機器
KR101587620B1 (ko) 휴대 단말기기용 안테나 장치
CN110301068B (zh) 增强天线结构体、通信设备和机箱
US10943165B2 (en) Antenna device
JP2017028391A (ja) アンテナ装置
JP6336761B2 (ja) アンテナ装置、及び電子機器
JP6565379B2 (ja) アンテナ装置
JP6558106B2 (ja) アンテナ装置
JP2017028482A (ja) アンテナ装置
JP2016178527A (ja) アンテナ装置
JP2014207516A (ja) 薄型アンテナおよびアンテナユニット