JP2017027659A - 絶縁電線 - Google Patents

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【課題】ポリイミド層とその他の部分との密着性に優れる絶縁電線を提供する。【解決手段】本発明の絶縁電線は、導体上に、ポリイミドからなる第1の層、ポリアミドイミドからなる第2の層およびポリイミドからなる第3の層をこの順に有する。第1の層および第3の層を構成するポリイミドは、互いに独立して、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物および無水ピロメリット酸からなる酸成分と、4,4’−ジアミノジフェニルエーテルを含むジアミン成分とを反応させて得られる第1のポリイミド、または、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物および無水ピロメリット酸からなる酸成分と、4,4’−ジアミノジフェニルエーテルを含むジアミン成分とを反応させて得られる第2のポリイミドからなる。【選択図】図1

Description

本発明は、モータのコイル等の形成に使用される絶縁電線に関する。
近年、電子機器、電気機器の小型化が進められ、それに伴いこれらの機器内に装着するコイルも、従来の断面円形状のエナメル線(丸エナメル線)を用いたものから、断面矩形状のエナメル線(平角エナメル線)を用いたものが主流になりつつある。
平角エナメル線は、断面矩形状の導体(平角導体)上に絶縁塗料を塗布し焼き付けて絶縁皮膜を設けたものである。平角エナメル線を用いることによって、コイルに巻き付けた際のエナメル線同士の隙間が小さくなり、つまりエナメル線の占積率が高まり、コイルの小型化が図られる。
最近では、平角エナメル線の短辺を内径面として縦に巻いたいわゆるエッジワイズ巻きコイルが、放熱性、周波数特性等に優れることから多用されつつある。このような平角エナメル線には、加工時の負荷が非常に大きいために高い可とう性が要求される。また、一般に、可とう性に加えて、耐熱性、熱劣化性、導体密着性等が要求される。このようなことから、可とう性等に優れるポリアミドイミド層と耐熱性等に優れるポリイミド層とを必要に応じて積層して絶縁皮膜を形成している。
例えば、近年、絶縁皮膜の部分放電特性が重要視されている。絶縁皮膜の表面または内部で部分放電が起きると、電気的劣化が生じて絶縁破壊に至るおそれがある。省エネ化が進み、高圧インバータの使用が増大している昨今では、部分放電特性を向上させる必要がある。部分放電特性を向上させる方法として、ポリアミドイミド層を挟持するように一対のポリイミド層を設ける方法が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
特開2014−203585号公報
従来、ポリアミドイミド層を挟持するように一対のポリイミド層が設けられた絶縁皮膜を有するエナメル線が知られている。しかし、従来のエナメル線については、ポリイミド層とその他の部分との間の密着性、具体的には、導体とポリイミド層との間、ポリイミド層とポリアミドイミド層との間の密着性が必ずしも十分に高くない。
ポリイミド層とその他の部分との間の密着性を向上させる方法として、例えば、ポリイミド層に密着性向上剤を含有させる方法が考えられる。しかし、ポリイミド層に密着性向上剤を含有させた場合、使用中の劣化によりポリイミド層とその他の部分との間の密着性が低下するおそれがある。
近年、自動車の動力等にモータが使用されている。このようなモータに使用されるエナメル線については、高温高湿環境、高振動環境、絶縁油、機械油、エンジンオイル、トランスミッションオイル等の油類および/または水と接触する環境等、過酷な環境下で使用される。このような場合、ポリイミド層とその他の部分との間の密着性が十分に高くないと、ポリアミドイミド層等が劣化して機械的特性等が低下するおそれがある。
本発明はこのような従来の事情に対処してなされたもので、ポリアミドイミド層を挟持するように一対のポリイミド層が設けられた絶縁皮膜を有するものであって、ポリイミド層とその他の部分との間の密着性に優れる絶縁電線を提供することを目的とする。
実施形態の絶縁電線は、導体上に、密着性向上剤を含有しないポリイミドからなる第1の層、ポリアミドイミドからなる第2の層およびポリイミドからなる第3の層をこの順に有する。第1の層および第2の層を構成するポリイミドは、互いに独立して、以下に示す第1のポリイミドまたは第2のポリイミドからなる。
第1のポリイミドは、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物50〜90モル%、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物5〜20モル%および無水ピロメリット酸5〜40モル%からなる酸成分と、4,4’−ジアミノジフェニルエーテルを含むジアミン成分とを反応させて得られるものである。
第2のポリイミドは、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物50〜80モル%および無水ピロメリット酸20〜50モル%からなる酸成分と、4,4’−ジアミノジフェニルエーテルを含むジアミン成分とを反応させて得られるものである。
本発明によれば、所定の組成を有するポリイミドを使用することにより、ポリイミド層とその他の部分との間の密着性に優れる絶縁電線が提供される。
本発明の絶縁電線の一実施形態を示す断面図である。
以下、本発明の実施形態について説明する。なお、説明は図面に基づいて行うが、図面は単に図解のために提供されるものであって、本発明は図面により何ら限定されるものではない。
図1は、本発明の絶縁電線の一実施形態に係る平角エナメル線を示す横断面図である。
図1に示すように、この平角エナメル線1は、伸線加工によって形成された断面矩形状の平角導体10と、この平角導体10上に順に形成された3層構造の絶縁皮膜20、すなわち、第1の層21、第2の層22および第3の層23からなる皮膜を備えている。
[平角導体]
平角導体10は、例えば、幅(W)が2.0〜7.0mm、厚さ(H)が0.7〜3.0mmの矩形状断面を有し、銅線、銅合金線、アルミニウム線、アルミニウム合金線等の金属線から構成される。
矩形状断面における4ヶ所の角部には丸みが付されていても付されていなくてもよいが、コイルに巻き付けた際の占積率を高める観点からは、丸みが付されていない(つまり、断面が矩形である)か、丸みが付されている場合であっても、その丸みの半径が0.4mm以下であることが好ましい。
平角導体10の材料としては、銅、銅合金、アルミニウム、アルミニウム合金の他、鉄、銀、これらの合金等も挙げられるが、機械的強度、導電率等の観点からは、銅または銅合金が好ましい。
[第1の層]
第1の層21は、密着性向上剤を含有しないポリイミドからなる。また、このポリイミドは、以下に示す第1のポリイミドまたは第2のポリイミドからなる。第1の層21は、これらのポリイミドを形成することができる樹脂ワニスを平角導体10上に塗布して焼き付けることにより形成される。以下、第1の層21を構成する第1のポリイミドおよび第2のポリイミドについて具体的に説明する。
(第1のポリイミド)
第1のポリイミドは、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(BPDA)50〜90モル%、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物(BTDA)5〜20モル%および無水ピロメリット酸(PMDA)5〜40モル%からなる酸成分と、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル(DDE)を含むジアミン成分とを反応させて得られる。
上記したように、第1のポリイミドは、酸成分として、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物および無水ピロメリット酸を使用する。各成分の割合は、酸成分全体に対して、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物が50〜90モル%、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物が5〜20モル%、無水ピロメリット酸が5〜40モル%である。このような組成により、優れた密着性が付与される。
各成分の割合は、好ましくは、酸成分全体に対して、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物が60〜70モル%、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物が10〜15モル%、無水ピロメリット酸が25〜30モル%である。
また、第1のポリイミドは、上記酸成分と反応させるジアミン成分として、4,4’−ジアミノジフェニルエーテルを使用する。本発明の目的のためには、4,4’−ジアミノジフェニルエーテルは、ジアミン成分全体の80モル%以上であることが好ましく、90モル%以上であることがより好ましい。ジアミン成分としては、4,4’−ジアミノジフェニルエーテルを単独で使用することが特に好ましい。
なお、他のジアミン成分を併用する場合、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、2,4−ジアミノトルエン、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジメチル−1,1’−ビフェニル、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジヒドロキシ−1,1’−ビフェニル、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、2,2−ビス(4−アミノフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン等の芳香族ジアミンの使用が好ましい。
上記酸成分とジアミン成分とを反応させる溶剤としては、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、N,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)のような非プロトン系極性溶剤、フェノール、クレゾール、キシレノール等のフェノール系溶剤等が挙げられる。
酸成分とジアミン成分とを反応させる際には、アミン類、イミダゾール類、イミダゾリン類等の反応触媒を使用してもよい。反応触媒は樹脂ワニスの安定性を阻害しないものが好ましい。
(第2のポリイミド)
第2のポリイミドは、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(BPDA)50〜80モル%および無水ピロメリット酸(PMDA)20〜50モル%からなる酸成分と、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル(DDE)を含むジアミン成分とを反応させて得られる。
上記したように、第2のポリイミドは、酸成分として、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物と、無水ピロメリット酸とを使用する。各成分の割合は、酸成分全体に対して、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物が50〜80モル%、無水ピロメリット酸が20〜50モル%である。このような組成により、優れた密着性が付与される。各成分の割合は、好ましくは、酸成分全体に対して、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物が55〜65モル%、無水ピロメリット酸が35〜45モル%である。
また、第2のポリイミドは、上記酸成分と反応させるジアミン成分として、4,4’−ジアミノジフェニルエーテルを使用する。本発明の目的のためには、4,4’−ジアミノジフェニルエーテルは、ジアミン成分全体の80モル%以上であることが好ましく、90モル%以上であることがより好ましい。ジアミン成分としては、4,4’−ジアミノジフェニルエーテルを単独で使用することが特に好ましい。
なお、他のジアミン成分を併用する場合、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、2,4−ジアミノトルエン、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジメチル−1,1’−ビフェニル、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジヒドロキシ−1,1’−ビフェニル、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、2,2−ビス(4−アミノフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン等の芳香族ジアミンの使用が好ましい。
上記酸成分とジアミン成分とを反応させる溶剤としては、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、N,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)のような非プロトン系極性溶剤、フェノール、クレゾール、キシレノール等のフェノール系溶剤等が挙げられる。
酸成分とジアミン成分とを反応させる際には、アミン類、イミダゾール類、イミダゾリン類等の反応触媒を使用してもよい。反応触媒は樹脂ワニスの安定性を阻害しないものが好ましい。
第1の層21は、密着性向上剤を含有しない。密着性向上剤を含有しないことから、使用中の熱劣化が抑制されて、第1の層21とこれに隣接する部分との間の密着性の低下が抑制される。
密着性向上剤としては、例えば、チアジアゾール、チアゾール、メルカプトベンズイミダゾール、チオフェノール、チオフォン、チオール、テトラゾール、ベンズイミダゾール、ブチル化メラミン、ヘテロ環状メルカプタン等が例示される。
[第2の層]
第2の層22は、ポリアミドイミドからなる。第2の層22は、ポリアミドイミドを形成することができる樹脂ワニスを第1の層21上に塗布して焼き付けることにより形成される。
第2の層22を構成するポリアミドイミドとしては、2,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(2,4’−MDI)とダイマー酸ジイソシアネート(DDI)を含むイソシアネート成分と、酸成分とを反応させて得られるものが好ましい。
イソシアネート成分として、2,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートとダイマー酸ジイソシアネートを使用することにより、第2の層22の可とう性が向上する。2,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートおよびダイマー酸ジイソシアネートの合計は、イソシアネート成分の10〜70モル%であることが好ましく、30〜60モル%であることがより好ましい。
併用する他のイソシアネート成分としては、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(4,4’−MDI)、3,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、3,3’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,3’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,2’−ジフェニルメタンジイソシアネートの他、トリレンジイソシアネート(TDI)、ジフェニルエーテルジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、フェニレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ジフェニルスルホンジイソシアネート、ビトリレンジイソシアネート、ジアニシジジイソシアネート、これらの異性体等が挙げられる。また、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、メチレンジシクロヘキシルジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、シクロヘキサンジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネート類、トリフェニルメタントリイソシアネート等の多官能イソシアネート、ポリメリックイソシアネート、あるいはトリレンジイソシアネート等の多量体等も併用可能である。
また、酸成分としては、トリメリット酸無水物(TMA)、ピロメリット酸二無水物(PMDA)、ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物(BTDA)、ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物(DSDA)、オキシジフタル酸二無水物等の芳香族テトラカルボン酸二無水物およびその異性体、ブタンテトラカルボン酸二無水物、5−(2,5−ジオキソテトラヒドロ−3−フラニル)−3−メチル−3−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸無水物等の脂環式テトラカルボン酸二無水物類、トリメシン酸、トリス(2−カルボキシエチル)イソシアヌレート(CIC酸)等のトリカルボン酸およびその異性体類等が挙げられる。これらのなかでも、安価で安全性にも優れるトリメリット酸無水物(TMA)が好ましい。
また、イソシアネート成分と酸成分の他にポリカルボン酸を加えてもよい。ポリカルボン酸としては、テレフタル酸、イソフタル酸等の芳香族ジカルボン酸類、トリメリット酸、へミメリット酸等の芳香族トリカルボン酸類、ダイマー酸等の脂肪族ポリカルボン酸類等が挙げられる。
さらに、上記イソシアネート成分と酸成分とを反応させる溶剤としては、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、N,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)のような非プロトン系極性溶剤、フェノール、クレゾール、キシレノール等のフェノール系溶剤等が挙げられる。
イソシアネート成分と酸成分とを反応させる際には、アミン類、イミダゾール類、イミダゾリン類等の反応触媒を使用してもよい。反応触媒は樹脂ワニスの安定性を阻害しないものが好ましい。
[第3の層]
第3の層23は、以下に示す第1のポリイミドまたは第2のポリイミドからなる。第3の層23は、これらを形成することができる樹脂ワニスを第2の層22上に塗布して焼き付けることにより形成される。以下、第3の層23を構成する第1のポリイミドおよび第2のポリイミドについて具体的に説明する。
(第1のポリイミド)
第1のポリイミドは、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(BPDA)50〜90モル%、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物(BTDA)5〜20モル%および無水ピロメリット酸(PMDA)5〜40モル%からなる酸成分と、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル(DDE)を含むジアミン成分とを反応させて得られる。
上記したように、第1のポリイミドは、酸成分として、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物および無水ピロメリット酸を使用する。各成分の割合は、酸成分全体に対して、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物が50〜90モル%、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物が5〜20モル%、無水ピロメリット酸が5〜40モル%である。このような組成により、優れた密着性が付与される。
各成分の割合は、好ましくは、酸成分全体に対して、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物が60〜70モル%、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物が10〜15モル%、無水ピロメリット酸が25〜30モル%である。
また、第1のポリイミドは、上記酸成分と反応させるジアミン成分として、4,4’−ジアミノジフェニルエーテルを使用する。本発明の目的のためには、4,4’−ジアミノジフェニルエーテルは、ジアミン成分全体の80モル%以上であることが好ましく、90モル%以上であることがより好ましい。ジアミン成分としては、4,4’−ジアミノジフェニルエーテルを単独で使用することが特に好ましい。
なお、他のジアミン成分を併用する場合、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、2,4−ジアミノトルエン、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジメチル−1,1’−ビフェニル、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジヒドロキシ−1,1’−ビフェニル、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、2,2−ビス(4−アミノフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン等の芳香族ジアミンの使用が好ましい。
上記酸成分とジアミン成分とを反応させる溶剤としては、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、N,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)のような非プロトン系極性溶剤、フェノール、クレゾール、キシレノール等のフェノール系溶剤等が挙げられる。
酸成分とジアミン成分とを反応させる際には、アミン類、イミダゾール類、イミダゾリン類等の反応触媒を使用してもよい。反応触媒は樹脂ワニスの安定性を阻害しないものが好ましい。
(第2のポリイミド)
第2のポリイミドは、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(BPDA)50〜80モル%および無水ピロメリット酸(PMDA)20〜50モル%からなる酸成分と、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル(DDE)を含むジアミン成分とを反応させて得られる。
上記したように、第2のポリイミドは、酸成分として、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物と、無水ピロメリット酸とを使用する。各成分の割合は、酸成分全体に対して、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物が50〜80モル%、無水ピロメリット酸が20〜50モル%である。このような組成により、優れた密着性が付与される。各成分の割合は、好ましくは、酸成分全体に対して、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物が55〜65モル%、無水ピロメリット酸が35〜45モル%である。
また、第2のポリイミドは、上記酸成分と反応させるジアミン成分として、4,4’−ジアミノジフェニルエーテルを使用する。本発明の目的のためには、4,4’−ジアミノジフェニルエーテルは、ジアミン成分全体の80モル%以上であることが好ましく、90モル%以上であることがより好ましい。ジアミン成分としては、4,4’−ジアミノジフェニルエーテルを単独で使用することが特に好ましい。
なお、他のジアミン成分を併用する場合、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、2,4−ジアミノトルエン、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジメチル−1,1’−ビフェニル、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジヒドロキシ−1,1’−ビフェニル、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、2,2−ビス(4−アミノフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン等の芳香族ジアミンの使用が好ましい。
上記酸成分とジアミン成分とを反応させる溶剤としては、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、N,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)のような非プロトン系極性溶剤、フェノール、クレゾール、キシレノール等のフェノール系溶剤等が挙げられる。
酸成分とジアミン成分とを反応させる際には、アミン類、イミダゾール類、イミダゾリン類等の反応触媒を使用してもよい。反応触媒は樹脂ワニスの安定性を阻害しないものが好ましい。
第3の層23は、密着性向上剤を含有しないことが好ましい。密着性向上剤を含有しないことにより、使用中の熱劣化が抑制されて、第3の層23とこれに隣接する部分との間の密着性の低下が抑制される。
密着性向上剤としては、例えば、チアジアゾール、チアゾール、メルカプトベンズイミダゾール、チオフェノール、チオフォン、チオール、テトラゾール、ベンズイミダゾール、ブチル化メラミン、ヘテロ環状メルカプタン等が例示される。
なお、第3の層23を構成するポリイミドの種類は、第1の層21を構成するポリイミドの種類と同一でもよいし異なってもよい。例えば、第1の層21および第3の層23が第1のポリイミドにより構成されてもよいし、第1の層21および第3の層23が第2のポリイミドにより構成されてもよい。
第1の層21および第3の層23が第1のポリイミドにより構成される場合、これらの層における第1のポリイミドの組成は互いに同一でもよいし異なってもよい。第1の層21および第3の層23が第2のポリイミドにより構成される場合も同様である。
また、第1の層21が第1のポリイミドにより構成され、第3の層23が第2のポリイミドにより構成されてもよいし、第1の層21が第2のポリイミドにより構成され、第3の層23が第1のポリイミドにより構成されてもよい。
第1の層21、第2の層22および第3の層23は、それぞれ樹脂ワニスを平角導体10上に順に塗布し焼き付けることにより形成される。各樹脂ワニスを塗布し焼き付ける方法は、特に限定されるものではなく、一般に知られる方法、例えば、樹脂ワニスを収容した槽に平角導体10、あるいは第1の層21または第2の層22を形成した平角導体10を通過させた後、焼き付け炉で焼き付ける方法等を用いることができる。
絶縁皮膜20の厚み(T)、すなわち、第1の層21、第2の層22および第3の層23の各層厚(t1、t2およびt3)を合計した厚みは、60〜200μmであることが好ましい。絶縁皮膜20の厚み(T)が60μm以上になると、部分放電開始電圧が高くなる。また、絶縁皮膜20の厚み(T)が200μm以下になると、絶縁皮膜20が薄くなるためにコイルが小型化する。絶縁皮膜20の厚み(T)は、60〜160μmであることがより好ましい。
絶縁皮膜20の厚みに対する各層の比率は、第1の層21が10〜25%、第2の層22が10〜75%、第3の層23が10〜75%であることが好ましい。第1の層21の厚みが上記範囲内の場合、隣接する部分である平角導体10および第2の層22との密着性が良好になる。第2の層22の厚みが上記範囲内の場合、耐加工性が良好になる。また、第3の層23の厚みが上記範囲内の場合、隣接する部分である第2の層22との密着性が良好になる。
本実施形態の平角エナメル線1によれば、ポリアミドイミドからなる第2の層22を挟持するようにポリイミドからなる第1の層21および第3の層23が設けられていることから、ポリアミドイミドからなる第2の層22の劣化が抑制されて機械的特性等が良好に維持される。
すなわち、ポリイミドは、一般にオイル等に対する耐性を有する。従って、ポリアミドイミドからなる第2の層22の外側にポリイミドからなる第3の層23が設けられることにより、オイル等との接触によるポリアミドイミドからなる第2の層22の劣化が抑制される。
また、仮に、平角導体10が酸化して平角導体10と第1の層21との間が剥離し、この剥離した部分にオイル等が染み込んだとしても、第1の層21がポリイミドからなることにより、オイル等との接触によるポリアミドイミドからなる第2の層22の劣化が抑制される。
また、仮に、ポリアミドイミドからなる第2の層22が劣化したとしても、この両側に設けられたポリイミドからなる第1の層21および第3の層23によりポリアミドイミドからなる第2の層22が補強されて機械的特性等が良好に維持される。
特に、本実施形態の平角エナメル線1によれば、第1の層21および第3の層23が特定の組成を有するポリイミドからなることから、これら第1の層21および第3の層23とその他の部分との間の密着性に優れる。これにより、過酷な環境下での使用においても、ポリアミドイミドからなる第2の層22の劣化等が抑制されて、機械的特性等が良好に維持される。
具体的には、第1の層21および第3の層23とその他の部分との間の密着性に優れることから、高温高湿環境、高振動環境、絶縁油、機械油、エンジンオイル、トランスミッションオイル等の油類および/または水と接触する環境等、過酷な環境下での使用においても、ポリアミドイミドからなる第2の層22の劣化等が抑制されて、機械的特性等が良好に維持される。
このように、本実施形態の平角エナメル線1は過酷な環境下での使用に適していることから、自動車の部品に使用されることが好ましい。特に、本実施形態の平角エナメル線1は、自動車のモータに使用されることが好ましい。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化することができる。例えば、上記実施形態は、本発明を平角導体が用いられる平角エナメル線に適用した例であるが、円形導体が用いられる丸型エナメル線等に適用できることはいうまでもない。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。
[ポリイミド樹脂ワニス(A1〜A7)の調製]
攪拌機、窒素流入管および加熱冷却装置を備えたフラスコ内に、表1に示すような割合となるように、酸成分として、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(BPDA)、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物(BTDA)、無水ピロメリット酸(PMDA)、ジアミン成分として、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル(DDE)、密着性向上剤として、メルカプトベンズイミダゾールを投入した。その後、溶媒としてN−メチル−2−ピロリドンを酸成分およびジアミン成分の合計100質量部に対して400質量部投入し、窒素雰囲気下で攪拌しながら2時間反応させてポリイミド樹脂ワニス(A1〜A7)を得た。
なお、ポリイミド樹脂ワニス(A1〜A4)が本発明における第1のポリイミドを形成するものであり、ポリイミド樹脂ワニス(A5〜A7)が本発明における第1のポリイミドおよび第2のポリイミドのいずれも形成しないものである。
Figure 2017027659
[ポリイミド樹脂ワニス(B1〜B6)の調製]
攪拌機、窒素流入管および加熱冷却装置を備えたフラスコ内に、表2に示すような割合となるように、酸成分として、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(BPDA)、無水ピロメリット酸(PMDA)、ジアミン成分として、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル(DDE)を投入した。その後、溶媒としてN−メチル−2−ピロリドンを酸成分およびジアミン成分の合計100質量部に対して400質量部投入し、窒素雰囲気下で2時間反応させてポリイミド樹脂ワニス(B1〜B6)を得た。
なお、ポリイミド樹脂ワニス(B1〜B4)が本発明における第2のポリイミドを形成するものであり、ポリイミド樹脂ワニス(B5〜B6)が本発明における第1のポリイミドおよび第2のポリイミドのいずれも形成しないものである。
Figure 2017027659
[ポリアミドイミド樹脂ワニス(C)の調製]
攪拌機、窒素流入管および加熱冷却装置を備えたフラスコ内に、表3に示すような割合となるように、イソシアネート成分として、2,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(2,4’−MDI)、ダイマー酸ジイソシアネート(DDI)、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(4,4’−MDI)、酸成分として、トリメリット酸無水物(TMA)を投入した。その後、溶媒としてN−メチル−2−ピロリドンを酸成分およびイソシアネート成分の合計100質量部に対して150質量部投入し、窒素雰囲気下で攪拌しながら常温から140℃まで2時間かけて昇温し、この温度で3時間反応させた後、83質量部のN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)で希釈し、常温まで冷却してポリアミドイミド樹脂ワニス(C1〜C3)を得た。
Figure 2017027659
[実施例1〜6]
厚さ1.9mm、幅3.4mmの平角銅導体上に、表4に示すように、ポリイミド樹脂ワニス(A1〜A4)を塗布し焼付けて20μm厚の皮膜(第1層)を形成した。次いで、この第1層上にポリアミドイミド樹脂ワニス(C1〜C3)を塗布し焼付けて60μm厚の皮膜(第2層)を形成した。さらに、この第2層上にポリイミド樹脂ワニス(A1〜A4)を塗布し焼付けて20μm厚の皮膜(第3層)を形成して絶縁電線を得た。
[実施例7〜10]
表5に示すように、第1層および第3層の形成にポリイミド樹脂ワニス(B1〜B4)を使用したこと以外は実施例1と同様にして絶縁電線を得た。
[比較例1〜5]
第1層または第3層の少なくとも一方の形成にポリイミド樹脂ワニス(A5〜A7)またはポリイミド樹脂ワニス(B5〜B6)を使用したこと以外は実施例1と同様にして絶縁電線を得た。
[比較例6]
第1層および第3層の形成に市販のポリイミド樹脂ワニス(東レ製、商品名:トレニース#3000)を使用したこと以外は実施例1と同様にして絶縁電線を得た。
その後、実施例および比較例の絶縁電線について、180°剥離試験により、導体と第1層(ポリイミド層)との密着力(g/mm)を測定した。
また、250℃48時間の加熱劣化後の絶縁電線について、180°剥離試験により、第1層(ポリイミド層)と第2層(ポリアミドイミド層)との密着力(g/mm)を測定した。
これらの測定結果を表4〜表5に示す。なお、表中、密着性については、密着力が50g/mm超を「◎」、30g/mm以上50g/mm以下を「○」で示した。
Figure 2017027659
Figure 2017027659
実施例の絶縁電線は、導体とポリイミドからなる第1層との間の密着性、およびポリイミドからなる第1層とポリアミドイミドからなる第2層との間の密着性に優れている。しかし、比較例の絶縁電線は、ポリイミドからなる第1層とポリアミドイミドからなる第2層との間の加熱後の密着力が30g/mm未満となり、所望の密着性を得ることが出来なかった。
1…平角エナメル線、10…平角導体、20…絶縁皮膜、21…第1の層、22…第2の層、23…第3の層。

Claims (7)

  1. 導体上に、密着性向上剤を含有しないポリイミドからなる第1の層、ポリアミドイミドからなる第2の層およびポリイミドからなる第3の層をこの順に有し、
    前記第1の層および前記第3の層を構成するポリイミドが、互いに独立して、
    3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物50〜90モル%、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物5〜20モル%および無水ピロメリット酸5〜40モル%からなる酸成分と、4,4’−ジアミノジフェニルエーテルを含むジアミン成分とを反応させて得られる第1のポリイミド、または、
    3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物50〜80モル%および無水ピロメリット酸20〜50モル%からなる酸成分と、4,4’−ジアミノジフェニルエーテルを含むジアミン成分とを反応させて得られる第2のポリイミド、
    からなることを特徴とする絶縁電線。
  2. 前記第1のポリイミドは、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物60〜70モル%、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物10〜15モル%および無水ピロメリット酸25〜30モル%からなる酸成分と、4,4’−ジアミノジフェニルエーテルを含むジアミン成分とを反応させて得られることを特徴とする請求項1記載の絶縁電線。
  3. 前記第2のポリイミドは、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物55〜65モル%および無水ピロメリット酸35〜45モル%からなる酸成分と、4,4’−ジアミノジフェニルエーテルを含むジアミン成分とを反応させて得られることを特徴とする請求項1記載の絶縁電線。
  4. 前記第2の層を構成するポリアミドイミドは、2,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートおよびダイマー酸ジイソシアネートを合計10〜70モル%含むイソシアネート成分と、酸成分とを反応させて得られることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載の絶縁電線。
  5. 前記第1の層、前記第2の層、および前記第3の層からなる絶縁皮膜全体の厚みに対して、前記第1の層が10〜25%、前記第2の層が10〜75%、前記第3の層が10〜75%であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項記載の絶縁電線。
  6. 前記第1の層、前記第2の層、および前記第3の層からなる絶縁皮膜全体の厚みが60〜200μmであることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項記載の絶縁電線。
  7. 前記導体が平角導体であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項記載の絶縁電線。
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