以下、図面とともに本発明による管理装置の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、図面の説明においては同一要素には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
図1は、本発明の実施形態に係る管理装置であるコースター1の利用場面を示す図である。図1に示す場面は、立食パーティのパーティ会場において、立食パーティの参加者(管理者)である参加者3A及び参加者3B(以降、複数の参加者を総称して参加者3と記す)が、それぞれ自身の飲食用の一般的なコップ(管理対象物)であるコップ2A及びコップ2B(以降、複数のコップを総称してコップ2と記す)を手に持っている場面である。参加者3A及び参加者3Bは、それぞれ自身が普段携帯(所持)しているスマートフォン4A(携帯端末)及びスマートフォン4B(携帯端末)(以降、複数のスマートフォンを総称してスマートフォン4と記す)を携帯する。パーティ会場では、テーブルにコースター1が置かれる。コースター1は、コップ2を置くためのコースターであり、コンピュータ機器が搭載されたコンピュータ装置でもある。コースター1の構成の詳細については後述する。
コースター1は、パーティ会場の入り口で各参加者3に配られる。すなわち、コースター1は複数存在するが、本実施形態では説明の便宜上、1つのコースター1を用いて説明する。参加者3は、コースター1を持ち、パーティ会場にて配られている飲み物が入ったコップ2を受け取った後、コースター1をテーブルに置いて、その上にコップ2を置く。その後、参加者3は、コースター1をテーブルに置いたまま、コップ2だけを持って、コースター1から離れてパーティ会場内を歩き、他の参加者3と会話をする。なお、コースター1は、配られた参加者3の専用のものではない。例えば、参加者3Aが入り口で配られたコースター1をテーブルに置いて、自分のコップ2Aを持ってコースター1から離れた後、参加者3Bが自分のコップ2Bをコースター1に置いて、以後そのコースター1を参加者3Bが使用してもよい。また、コースター1は、パーティ会場の入り口で配られるのではなく、予め立食パーティの主催者等によってパーティ会場のテーブルに置かれていてもよい。
ここで、一般的な立食パーティでの課題について説明する。一般的な立食パーティでは、多人数の参加者で同一種類のコップ(その他、皿や箸などの食器)を利用する。その場合、ある参加者がテーブルに一時的に置いていたコップと別の参加者がテーブルに一時的に置いていたコップとが混在し、自分が利用していたコップが判別できなくなるという課題がある。本発明の実施形態に係るコースター1は、発明の目的の一つとして、当該課題を解決する。より具体的には、コースター1を用いることで、コップ2にICタグを取り付ける等、ICタグを用いた特別な作業や操作を行うことなく、自分が利用していたコップ2を容易に判別することができる。すなわち、コップ2を容易に管理することができる。
以下では、上記を実現するためのコースター1の具体的な構成について説明する。図2は、コースター1(管理装置)の機能ブロック図である。図1に示す通り、コースター1は、検知部10(検知手段)、受信部11(受信手段)、人特徴情報取得部12(人特徴情報取得手段)、物特徴情報取得部13、管理部14(管理手段)、データベース15(データベース)、判定部16(判定手段)及び通知部17(通知手段)を含んで構成される。なお、人特徴情報取得部12及び物特徴情報取得部13はそれぞれ必須の構成要素ではなく、何れか一つ以上が無くてもよい。また、コースター1に含まれる一部の構成要素は、ネットワークにて接続された外部装置に含まれ、ネットワークを介して互いに通信を行うことで、コースター1と外部装置とを含むシステムとして後述の機能を実現してもよい。
コースター1は、CPU等のハードウェアから構成されているものである。図3は、コースター1のハードウェア構成の一例を示す図である。図2に示されるコースター1は、物理的には、図3に示すように、CPU100、主記憶装置であるRAM101及びROM102、入出力装置103、重さセンサー等のセンサー104、スキャナ105、通信モジュール106、及び補助記憶装置107などを含むコンピュータ装置として構成されている。
図2に示すコースター1の各機能ブロックの機能は、図3に示すCPU100、RAM101等のハードウェア上に所定のコンピュータソフトウェアを読み込ませることにより、CPU100の制御のもとで入出力装置103、センサー104、スキャナ105、通信モジュール106、及び補助記憶装置107を動作させるとともに、RAM101におけるデータの読み出し及び書き込みを行うことで実現される。
以下、図2に示すコースター1の各機能ブロックについて説明する。
検知部10は、コップ2が管理範囲に入ったことを検知する。具体的には、コースター1はセンサー104の一つとして、自装置の上に置かれたコップ2の重さを量る重さセンサーを備え、検知部10は、重さセンサーにより量られる重さを予め設定された所定の時間間隔で取得し、前回取得された重さと今回取得された重さとを比較し、量が増えており、増えた量が予め設定された所定の閾値(例えば10g)以上であると判定した場合に、自装置にコップ2が置かれたこと(管理範囲に入ったこと)を検知する。
検知部10は、さらに、コップ2が管理範囲から出たことを検知してもよい。具体的には、コースター1はセンサー104の一つとして上述の重さセンサーを備え、検知部10は、重さセンサーにより量られる重さを予め設定された所定の時間間隔で取得し、前回取得された重さと今回取得された重さとを比較し、量が減っており、減った量が予め設定された所定の閾値(例えば10g)以上であると判定した場合に、自装置からコップ2が持ち出されたこと(管理範囲から出たこと)を検知する。例えば、検知部10は、コースター1の上に置かれていたコップ2が持ち出されたことを検知する。
検知部10は、コップ2が管理範囲に入ったことを検知した際に、コップ2が管理範囲に入ったことを検知した旨の情報を後述の人特徴情報取得部12、物特徴情報取得部13、管理部14、及び判定部16に出力する。また、検知部10は、コップ2が管理範囲から出たことを検知した際に、コップ2が管理範囲から出たことを検知した旨の情報を後述の人特徴情報取得部12、物特徴情報取得部13、管理部14、及び判定部16に出力する。なお、検知部10は、重さセンサー以外に、赤外線センサー、カメラ、マイクなどコースター1が備えるその他のセンサー104を用いてコップ2が管理範囲に入ったこと及び管理範囲から出たことを検知してもよい。
なお、本実施形態では、コップ2がコースター1の管理範囲に入ったこと及びコップ2がコースター1の管理範囲から出たことを、それぞれコップ2がコースター1に置かれたこと及びコップ2がコースター1から持ち出されたこととして説明するが、これに限るものではない。例えば、コップ2がコースター1の上面や側面に接触したこと(接触センサーなどで検知する)及びコースター1の上面や側面に接触していたコップ2が離れたこと(接触センサーなどで検知する)としてもよい。
受信部11は、周辺のスマートフォン4が発する、当該スマートフォン4の端末ID(識別情報)が含まれる信号を受信する。以下、具体的に説明する。スマートフォン4は近距離無線通信機能を備え、自端末を識別する識別情報である端末IDを含む信号を近距離無線通信にて定期的にブロードキャストする。近距離無線通信は、例えば、BLE(Bluetooth(登録商標) Low Energy)によって省電力にて行われる。その場合、ブロードキャストはBLEのアドバタイズチャネルを介して行われる。コースター1は通信モジュール106の一つとして、近距離無線通信にてブロードキャストされた信号を受信する受信モジュールを備える。そして、受信部11は、受信モジュールによって受信された周辺のスマートフォン4からブロードキャストされた信号を受信(取得)する。周辺のスマートフォン4とは、コースター1の受信モジュールによって受信が可能な信号を発する、コースター1の周辺に位置するスマートフォン4のことである。受信部11は、受信した信号を、後述の管理部14及び判定部16に出力する。
人特徴情報取得部12は、検知部10によってコップ2が管理範囲に入ったことが検知された際に、当該コップ2を当該管理範囲に入れた参加者3に関する特徴情報である人特徴情報を取得する。参加者3の人特徴情報とは、例えば、参加者3を特定(識別、判別)するための情報であり、例えば、人特徴情報取得部12は、コップ2を置いた参加者3の手の掌紋の画像(生体情報)を人特徴情報として取得する。より具体的には、コースター1はセンサー104の一つとして接触センサーとスキャナ105とを備え、接触センサーはスキャナ105のスキャナ面への物体の接触の検出を行い、接触センサーにより物体の接触が検出されると、スキャナ105はスキャナ面のスキャンを行い、スキャン結果である画像を取得し、取得した画像を当該取得した時刻に関連付けて蓄積する。人特徴情報取得部12は、コップ2が管理範囲に入ったことを検知した旨の情報を検知部10から入力されると、当該入力がされたタイミングから予め設定された所定の時間(例えば3秒)が経過したタイミングまでの間の時刻に関連付けられたスキャナ105によって蓄積された画像を取得する。そして、人特徴情報取得部12は、取得した画像について、一般的な画像認識技術を用いて特徴量を抽出し、抽出した特徴量と予め格納された一般的な人の掌紋(又は指紋)の特徴量との類似度を一般的な類似度算出技術を用いて算出し、算出した類似度が予め設定された所定の閾値以上であれば当該画像をコップ2を管理範囲に入れた参加者3の掌紋(又は指紋)の画像と判定し、当該画像を人特徴情報として取得する。
また、人特徴情報取得部12は、検知部10によってコップ2が管理範囲から出たことが検知された際に、当該コップ2を当該管理範囲から出した参加者3に関する特徴情報である人特徴情報を取得する。より具体的には、コースター1は上述のスキャナ105を備え、人特徴情報取得部12は、コップ2が管理範囲から出たことを検知した旨の情報を検知部10から入力されると、当該入力がされたタイミングよりも予め設定された所定の時間(例えば3秒)前のタイミングから当該入力がされたタイミングまでの間の時刻に関連付けられたスキャナ105によって蓄積された画像を取得する。そして、人特徴情報取得部12は、取得した画像について、一般的な画像認識技術を用いて特徴量を抽出し、抽出した特徴量と予め格納された一般的な人の掌紋(又は指紋)の特徴量との類似度を一般的な類似度算出技術を用いて算出し、算出した類似度が予め設定された所定の閾値以上であれば当該画像をコップ2を当該管理範囲から出した参加者3の掌紋(又は指紋)の画像と判定し、当該画像を人特徴情報として取得する。これにより、人特徴情報取得部12は、コップ2を管理範囲から出した参加者3の人特徴情報を取得することができる。
人特徴情報取得部12は、取得した人特徴情報を、後述の管理部14及び判定部16に出力する。なお、人特徴情報取得部12は、スキャナ105以外に、カメラ、マイクなどコースター1が備えるその他のデバイスを用いて参加者3の人特徴情報を取得してもよい。また、人特徴情報取得部12は、人特徴情報として、掌紋や指紋以外に、掌形、声紋、虹彩、指静脈パターン、網膜、耳介、特徴点など個人を識別できる人特徴情報(生体情報)を採用してもよい。
物特徴情報取得部13は、検知部10によってコップ2が管理範囲に入ったことが検知された際に、当該コップ2の特徴情報である物特徴情報を取得する。コップ2の物特徴情報とは、コップ2を識別(判別)するためのコップ2の特徴に関する情報であり、コップ2の特徴として、例えばコップ2の底面にある傷が含まれる。例えば、物特徴情報取得部13は、コースター1に置かれたコップ2の底面(傷を含む)の画像を物特徴情報として取得する。より具体的には、コースター1は上述の接触センサーとスキャナ105とを備え、物特徴情報取得部13は、コップ2が管理範囲に入ったことを検知した旨の情報を検知部10から入力されると、当該入力がされたタイミングから予め設定された所定の時間(例えば3秒)が経過したタイミングまでの間の時刻に関連付けられたスキャナ105によって蓄積された画像を取得する。そして、物特徴情報取得部13は、取得した画像について、一般的な画像認識技術を用いて形状の特徴量を抽出し、抽出した形状の特徴量と予め格納されたコップ2の底面の形状の特徴量との類似度を一般的な類似度算出技術を用いて算出し、算出した類似度が予め設定された所定の閾値以上であれば当該画像をコップ2の底面の画像と判定し、当該画像を物特徴情報として取得する。
物特徴情報取得部13は、取得した物特徴情報を、後述の管理部14に出力する。なお、物特徴情報取得部13は、スキャナ105以外に、カメラ、重さセンサーなどコースター1が備えるその他のデバイスを用いてコップ2の物特徴情報を取得してもよい。また、物特徴情報取得部13は、物特徴情報として、コップ2の底面にある傷に関する情報以外に、コップ2の模様、コップ2の形状、コップ2の重さなどコップ2を識別できる情報を採用してもよい。
ここで、人特徴情報取得部12がスキャナ105を用いて参加者3の掌紋の画像を取得し、物特徴情報取得部13が当該スキャナ105を用いてコップ2の底面の画像を取得する場合の、参加者3の掌紋の画像とコップ2の底面の画像との判定方法の別の例について説明する。スキャナ105は、スキャナ面のうちどの範囲の画像を取得したかを判定することができる。そして、スキャナ105は、スキャナ面のうち中心付近(例えばスキャナ面が半径5cmの円の場合に、中心から半径3cmの円内)で取得した画像を、コップ2の底面の画像と判定し、取得する。また、スキャナ105は、それ以外の範囲(例えばスキャナ面が半径5cmの円の場合に、中心から半径3cmの円と中心から半径5cmの円とに囲まれるドーナッツ状の範囲)で取得した画像を、参加者3の掌紋の画像と判定し、取得する。なお、参加者3の掌紋の画像とコップ2の底面の画像との判定方法は上記に限るものではない。例えば、スキャナ105は表面温度センサーを備え、画像を取得した範囲の温度を判定することができ、表面温度が30度以上の範囲で取得した画像を参加者3の掌紋の画像と判定し、表面温度が30度未満の範囲で取得した画像をコップ2の底面の画像と判定してもよい。
管理部14は、検知部10によってコップ2が管理範囲に入ったことが検知され、コップ2が管理範囲に入ったことを検知した旨の情報を検知部10から入力された際に、受信部11によって受信された信号に含まれるスマートフォン4の端末IDをデータベース15に格納する。例えば、管理部14は、コースター1にコップ2が置かれた際に、周辺のスマートフォン4が発する信号に含まれるスマートフォン4の端末IDをデータベース15に格納する。参加者3がコップ2をコースター1に置いた際、参加者3が所持するスマートフォン4もコースター1の周辺に位置する。つまり、管理部14の上記構成によれば、参加者3によりコースター1にコップ2が置かれた際に、当該参加者3が所持するスマートフォン4の端末IDをデータベース15に格納することができる。
管理部14は、検知部10によってコップ2が管理範囲に入ったことが検知され、コップ2が管理範囲に入ったことを検知した旨の情報を検知部10から入力された際に、受信部11によって受信された信号が複数ある場合、複数の信号のうち、信号の受信強度であるRSSI(Received Signal Strength Indication)が最大の信号に含まれるスマートフォン4の端末IDをデータベース15に格納してもよい。参加者3がコップ2をコースター1に置いた際、参加者3が所持するスマートフォン4がコースター1の最も近くに位置するため、当該スマートフォン4が発する信号のRSSIが、周辺のスマートフォン4が発する信号のRSSIと比べて最大となる。つまり、管理部14の上記構成によれば、参加者3によりコースター1にコップ2が置かれた際に、当該参加者3が所持するスマートフォン4の端末IDをより確実にデータベース15に格納することができる。
管理部14は、スマートフォン4の端末IDをデータベース15に格納する際に、データベース15に端末IDが既に格納されていない場合は、スマートフォン4の端末IDを新規に格納する。一方、データベース15に端末IDが既に格納されている場合は、既に格納されている端末IDをスマートフォン4の端末IDで上書きして格納する。つまり、データベース15には、スマートフォン4の端末IDが登録されていないか、1つの端末IDが登録されているかの何れかである。なお、これに限定するものではなく、複数のスマートフォン4の端末IDを格納するようにしてもよい。
なお、管理部14は、コップ2が管理範囲に入ったことを検知した旨の情報を検知部10から入力された際に、受信部11に対して信号の受信を指示してもよい。その場合、受信部11は、管理部14から指示されたことに応じて周辺のスマートフォン4が発する信号を受信し、受信した信号を管理部14に送信する。そして、管理部14は、受信部11から送信された信号(複数の信号が送信された場合はそのうちの最大RSSIの信号)に含まれるスマートフォン4の端末IDをデータベース15に格納する。つまり、管理部14は、コップ2が管理範囲に入ったことを検知した旨の情報を検知部10から入力されたタイミングで受信部11によって受信された信号に含まれるスマートフォン4の端末IDを取得し、格納することができる。
管理部14は、検知部10によってコップ2が管理範囲に入ったことが検知された際に、当該検知の際に人特徴情報取得部12によって取得された人特徴情報をさらにデータベース15に格納してもよい。より具体的には、管理部14は、コップ2が管理範囲に入ったことを検知した旨の情報を検知部10から入力された際に、人特徴情報取得部12から入力された人特徴情報をデータベース15に格納する。例えば、管理部14は、コースター1にコップ2が置かれた際に、コップ2を置いた参加者3の手の掌紋に関する人特徴情報を取得し、取得した人特徴情報をデータベース15に格納する。
管理部14は、検知部10によってコップ2が管理範囲に入ったことが検知された際に、当該検知の際に物特徴情報取得部13によって取得された物特徴情報をさらにデータベース15に格納してもよい。より具体的には、管理部14は、コップ2が管理範囲に入ったことを検知した旨の情報を検知部10から入力された際に、物特徴情報取得部13から入力された物特徴情報をデータベース15に格納する。例えば、管理部14は、コースター1にコップ2が置かれた際に、置かれたコップ2の底面に関する物特徴情報を取得し、取得した物特徴情報をデータベース15に格納する。
管理部14は、検知部10によってコップ2が管理範囲に入ったことが検知された際に、当該検知の際に、受信部11により信号が受信され、人特徴情報取得部12により人特徴情報が取得された場合、受信された信号に含まれる携帯端末の識別情報と取得された人特徴情報とを関連付けてデータベース15に格納してもよい。これにより、管理部14は、例えば、コップ2を置いた参加者3が所持するスマートフォン4の端末IDと当該参加者3の人特徴情報とを関連付けてデータベース15に格納することができる。また、管理部14は、検知部10によってコップ2が管理範囲に入ったことが検知された際に、当該検知の際に、受信部11により信号が受信され、物特徴情報取得部13により物特徴情報が取得された場合、受信された信号に含まれる携帯端末の識別情報と取得された物特徴情報とを関連付けてデータベース15に格納してもよい。これにより、管理部14は、例えば、コップ2を置いた参加者3が所持するスマートフォン4の端末IDと当該コップ2の物特徴情報とを関連付けてデータベース15に格納することができる。また、管理部14は、検知部10によってコップ2が管理範囲に入ったことが検知された際に、当該検知の際に、受信部11により信号が受信され、人特徴情報取得部12により人特徴情報が取得され、物特徴情報取得部13により物特徴情報が取得された場合、受信された信号に含まれる携帯端末の識別情報と取得された人特徴情報と取得された物特徴情報とを関連付けてデータベース15に格納してもよい。これにより、管理部14は、例えば、コップ2を置いた参加者3が所持するスマートフォン4の端末IDと当該参加者3の人特徴情報と当該コップ2の物特徴情報とを関連付けてデータベース15に格納することができる。
管理部14は、検知部10によってコップ2が管理範囲に入ったことが検知された際に、受信部11によって信号を受信しようとしたが受信に失敗した場合、人特徴情報取得部12によって人特徴情報を取得しようとしたが取得に失敗した場合(例えば、人特徴情報としての画像を取得できなかった場合)、又は、物特徴情報取得部13によって物特徴情報を取得しようとしたが取得に失敗した場合(例えば、物特徴情報としての画像を取得できなかった場合)、当該失敗した旨を通知し、データベース15への受信した情報、取得した人特徴情報、又は、取得した物特徴情報の格納処理を中止してもよい。
続いて、管理部14によるデータベース15の更新について説明する。データベース15の更新とは、具体的には、管理物であるコップ2がコースター1の管理範囲に入った際に、すでにデータベース15に格納されていた情報を更新することである。更新のやり方として3つの方法があり、以下それぞれについて説明する。
更新の1つ目の方法(後述のユースケース3に対応)は、コップ2をコースター1の管理範囲に入れた参加者3が、すでにデータベース15に登録されている参加者3と同じか否かを判定し、同じ場合は更新を行わず、違う場合は更新を行うというものである。参加者3が同じ場合は、当該参加者3が所持するスマートフォン4や当該参加者3が持っているコップ2は以前のデータベース15の登録時と同じであるため、更新を省略する。なお、同じ参加者3がそれまでとは異なる新しいコップ2を置く可能性もあるため、コップ2の物特徴情報のみを更新してもよい。一方、参加者3が違う場合は、当該参加者3が所持するスマートフォン4や当該参加者3が持っているコップ2は以前のデータベース15の登録時と異なるため、新しい情報にてデータベース15の更新を行う。
更新の1つ目の方法を実現するため、管理部14は、検知部10によってコップ2が管理範囲に入ったことが検知された際に、当該検知の際に人特徴情報取得部12によって取得された人特徴情報とデータベース15に格納された人特徴情報とが対応するか否かを判定し、対応すると判定された場合に、データベース15の更新を行わず(あるいは当該検知の際に物特徴情報取得部13によって取得された物特徴情報をデータベース15に格納し)、対応しないと判定された場合に、当該検知の際に受信部11により受信された信号に含まれる端末IDと、当該検知の際に人特徴情報取得部12により取得された人特徴情報と、当該検知の際に物特徴情報取得部13により取得された物特徴情報とをデータベース15に格納する。
ここで、2つの人特徴情報が対応するとは、2つの人特徴情報が、完全に一致してはいないもののその誤差が予め設定された所定の範囲内でありほぼ一致していることを示す。例えば、参加者3の掌紋の画像である人特徴情報の2つが対応するか否かを判定する際は、一般的な画像認識技術及び類似度算出技術を用いて、それぞれの画像に基づいて特徴量を抽出し、2つの特徴量の類似度を算出し、算出した類似度が予め設定された所定の閾値以上であれば対応していると判定し、所定の閾値未満であれば対応していないと判定する。なお、この管理部14による人特徴情報の対応可否の判定は、上述の人特徴情報取得部12による人特徴情報の取得時の判定とは異なる。人特徴情報取得部12による判定は、スキャナ105によって取得された画像に一般的な人の掌紋に類似する内容が含まれるか否かを判定するものである一方、管理部14による判定は、人特徴情報取得部12により取得された掌紋に関する情報とデータベース15に格納された参加者3の掌紋に関する情報とが対応するか否かを判定するものであり、管理部14による判定の基準(例えば閾値)は人特徴情報取得部12による判定の基準よりも厳しい。
更新の2つ目の方法(後述のユースケース4に対応)は、コースター1の管理範囲に入ったコップ2が、すでにデータベース15に登録されているコップ2と同じか否かを判定し、同じ場合は更新を行わず、違う場合は続けて上述の更新の1つ目の方法を実行するというものである。コップ2が同じ場合は、当該コップ2を持っている参加者3や当該参加者3が所持するスマートフォン4は以前のデータベース15の登録時と同じであるため(例えば、参加者3Aのコップ2Aを、参加者3Bが利用することはない)、更新を省略する。一方、コップ2が違う場合は、同じ参加者3がそれまでとは異なる新しいコップ2を置いた可能性と、別の参加者3が別のコップ2を置いた可能性があるため、続けて上述の更新の1つ目の方法を実行する。
更新の2つ目の方法を実現するため、管理部14は、検知部10によってコップ2が管理範囲に入ったことが検知された際に、当該検知の際に物特徴情報取得部13によって取得された物特徴情報とデータベース15に格納された物特徴情報とが対応しない場合に、当該検知の際に人特徴情報取得部12によって取得された人特徴情報とデータベース15に格納された人特徴情報との比較に基づくデータベース15の更新処理を行い、対応する場合に、当該比較に基づくデータベース15の更新処理を行わなくてもよい。
より具体的には、管理部14は、まず、コップ2が管理範囲に入ったことを検知した旨の情報を検知部10から入力された際に、当該検知の際に物特徴情報取得部13によって取得された物特徴情報とデータベース15に格納された物特徴情報とが対応するか否かを判定する。2つの物特徴情報が対応するとは、2つの物特徴情報が示す特徴が、完全に一致してはいないもののその誤差が予め設定された所定の範囲内でありほぼ一致していることを示す。例えば、コップ2の底面にある傷の特徴量である物特徴情報の2つが対応するか否かを判定する際は、一般的な画像認識技術及び類似度算出技術を用いて、それぞれの特徴量の類似度を算出し、算出した類似度が予め設定された所定の閾値以上であれば対応していると判定し、所定の閾値未満であれば対応していないと判定する。なお、この管理部14による物特徴情報の対応可否の判定は、上述の物特徴情報取得部13による物特徴情報の取得時の判定とは異なる。物特徴情報取得部13による判定は、スキャナ105によって取得された画像にコップ2の底面の形状に類似する内容が含まれるか否かを判定するものである一方、管理部14による判定は、物特徴情報取得部13により取得されたコップ2の底面に関する情報とデータベース15に格納されたコップ2の底面に関する情報とが対応するか否かを判定するものであり、管理部14による判定の基準(例えば閾値)は物特徴情報取得部13による判定の基準よりも厳しい。
続いて、管理部14は、2つの物特徴情報が対応しないと判定した場合に、コップ2が管理範囲に入ったことを検知した旨の情報を検知部10から入力された際に人特徴情報取得部12によって取得された人特徴情報とデータベース15に格納された人特徴情報とが対応しているか否かを判定(比較)する。続いて、管理部14は、2つの人特徴情報が対応すると判定した場合に、検知部10によってコップ2が管理範囲に入ったことが検知された際に物特徴情報取得部13によって取得された物特徴情報をデータベース15に格納する更新を行う。一方、管理部14は、2つの人特徴情報が対応しないと判定した場合に、検知部10によってコップ2が管理範囲に入ったことが検知された際に受信部11により受信された信号に含まれるスマートフォン4の端末ID、人特徴情報取得部12により取得された人特徴情報、及び物特徴情報取得部13により取得された物特徴情報をデータベース15に格納する更新を行う。
一方、管理部14は、検知部10によってコップ2が管理範囲に入ったことが検知された際に、当該検知の際に物特徴情報取得部13によって取得された物特徴情報とデータベース15に格納された物特徴情報とが対応する場合は、上述の、人特徴情報取得部12による人特徴情報の取得や取得された人特徴情報の比較や当該比較に基づくデータベース15の更新処理を行わない。
更新の3つ目の方法は、人特徴情報や物特徴情報の比較などを行わずに、データベース15に格納された情報を、得られた情報で上書き保存するというものである。当該方法を実現するために、管理部14は、検知部10によってコップ2が管理範囲に入ったことが検知された際に、当該検知の際に受信部11により受信された信号に含まれる端末IDと、当該検知の際に人特徴情報取得部12により取得された人特徴情報と、当該検知の際に物特徴情報取得部13により取得された物特徴情報とをデータベース15に上書きして格納する。以上が、更新の3つの方法の説明である。
データベース15は、上述の管理部14の処理に基づき、スマートフォン4の端末ID、参加者3の人特徴情報、及びコップ2の物特徴情報を格納する。データベース15は、コースター1内ではなく、コースター1とは異なる外部のコンピュータ装置に含まれてもよい。その場合、管理部14は、ネットワーク等を介してデータベース15を含むコンピュータ装置と通信を行い、ネットワーク越しでデータベース15に対する上述の格納処理を行う。データベース15を外部のコンピュータ装置に含めることで、例えば、コースター1からデータベース15が無くなり、コースター1の機能構成が最小限になる。また例えば、コースター1が複数存在した場合に、各コースター1にて情報を管理するのではなく、1つの外部のコンピュータ装置にて全ての情報を一括管理することができる。なお、本実施形態では、データベース15に格納された情報を管理情報と呼ぶ。また、管理情報が示すコップ2は、コースター1が管理するコップ2と呼ぶ。
判定部16は、受信部11によって受信された信号に含まれるスマートフォン4の端末IDと、データベース15に格納されたスマートフォン4の端末IDとに基づいて通知を行うか否かを判定する。具体的には、判定部16は、受信部11から入力された信号に含まれるスマートフォン4の端末IDと、データベース15に格納されたスマートフォン4の端末IDとが一致する場合は、通知を行うと判定し、一致しない場合は、通知を行わないと判定する。一致するということは、コースター1が管理するコップ2の管理者である参加者3が所持するスマートフォン4がコースター1の周辺に位置する、すなわち、コップ2の管理者である参加者3がコースター1の周辺に位置するということである。すなわち、判定部16は、一致する場合は後述の通り通知部17に対して通知を行わせる(例えば、後述の通りLEDを発光させる)ことで、例えば、コースター1の周辺にいる参加者3に対して、当該参加者3が管理するコップ2は当該コースター1に存在することを気づかせることができる。判定部16は、通知を行うと判定した場合に、通知を行う旨の情報を後述の通知部17に出力する。なお、判定部16は、通知を行うと判定した場合に、通知を行う旨の情報と共に、通知内容や通知方法に関する情報を後述の通知部17に出力してもよい。また、判定部16は、通知を行わないと判定した場合に、通知を行わない旨の情報を後述の通知部17に出力してもよい。
判定部16は、受信部11によって受信された信号の受信強度の時間変化にさらに基づいて通知を行うか否かを判定してもよい(詳しくは後述のユースケース1を参照)。具体的には、判定部16は、受信部11によって受信された信号の受信強度であるRSSIを予め設定された所定時間間隔で計測する。そして、判定部16は、データベース15に格納されたスマートフォン4の端末IDと一致する端末IDを含む受信部11によって受信された信号について、前回計測されたRSSIと今回計測されたRSSIとの差分が予め設定された所定の閾値以上であると判定した場合、すなわち、時間と共にRSSIが高くなっている場合は通知を行うと判定し、それ以外の場合は通知を行わないと判定する。時間と共にRSSIが高くなっているということは、コースター1に対してスマートフォン4が近づいている、すなわち、コースター1に対してスマートフォン4を所持する参加者3が近づいているということである。すなわち、このような判定部16によれば、例えば、コースター1の周辺にいる参加者3であって、かつ、コースター1に対して近づいている参加者3に対して、当該参加者3が管理するコップ2は当該コースター1に存在することを気づかせることができる。
判定部16は、上述のように、参加者3が管理するコップ2が当該コースター1に存在することを参加者3に気づかせるための判定を行う以外に、参加者3(以下の説明では参加者3A)が管理するコップ2(以下の説明ではコップ2A)が別の参加者3(以下の説明では参加者3B)に持ち出されたことを当該別の参加者3に気づかせるための判定を行ってもよい。すなわち、判定部16は、受信部11によって受信された信号に含まれるスマートフォン4の端末IDと、データベース15に格納されたスマートフォン4の端末IDと、検知部10によってコップ2が管理範囲から出たことが検知されたこととに基づいて通知を行うか否かを判定してもよい(詳しくは後述のユースケース2を参照)。具体的には、判定部16は、受信部11により入力された信号に含まれるスマートフォン4の端末IDと、データベース15に格納されたスマートフォン4Aの端末IDとが一致せず、かつ、検知部10よりコップ2が管理範囲から出たことが検知された旨の情報が入力された場合は通知を行うと判定し、それ以外の場合は通知を行わないと判定する。受信部11により入力された信号に含まれるスマートフォン4の端末IDと、データベース15に格納されたスマートフォン4Aの端末IDとが一致しないということは、コースター1が管理するコップ2Aの管理者である参加者3Aが所持するスマートフォン4Aがコースター1の周辺に位置しない、すなわち、コップ2Aの管理者である参加者3Aがコースター1の周辺に位置しないということである。また、検知部10よりコップ2Aが管理範囲から出たことが検知された旨の情報が入力されたということは、コップ2Aが持ち出されたことを意味する。すなわち、判定部16は、コップ2Aの管理者である参加者3A以外の別の参加者3Bによってコップ2Aが持ち出されたことを判定し、後述の通り通知部17に対して通知を行わせる(例えば、後述の通りLEDを発光させる)ことで、参加者3Aが管理するコップ2Aが別の参加者3Bに持ち出されたことを参加者3Bに気づかせることができる。
判定部16は、検知部10によってコップ2が管理範囲から出たことが検知された際に人特徴情報取得部12によって取得された人特徴情報と、データベース15に格納された人特徴情報とにさらに基づいて通知を行うか否かを判定してもよい(詳しくは後述のユースケース2の変形例1を参照)。具体的には、判定部16は、受信部11により入力された信号に含まれるスマートフォン4の端末IDと、データベース15に格納されたスマートフォン4の端末IDとが一致し、かつ、検知部10よりコップ2が管理範囲から出たことが検知された旨の情報が入力され、かつ、検知された際に人特徴情報取得部12によって取得され、判定部16に入力された人特徴情報とデータベース15に格納された人特徴情報とが対応しない場合は通知を行うと判定し、それ以外の場合は通知を行わないと判定する。このような構成により、例えば、コップ2Aの近くに参加者3Aが存在している場面において、参加者3Bがコップ2Aを持ち出した際に、管理者ではない人にコップ2Aが持ち出されたことを通知することができる。具体的には、コップ2Aの近くに参加者3Aが存在していることで、スマートフォン4の端末IDとデータベース15に格納されたスマートフォン4の端末IDとは一致する。また、参加者3Bがコップ2Aを持ち出した際に取得された参加者3Bの人特徴情報と、データベース15に格納された参加者3Aの人特徴情報とは対応しないため、判定部16は通知を行うことができる。
通知部17は、判定部16によって通知を行うと判定された場合に、通知を行う。具体的には、通知部17は、判定部16から通知を行う旨の情報が入力された場合に、通知を行う。また、通知部17は、判定部16から通知を行わない旨の情報が入力された場合は、通知を行わない。通知の具体例としては、コースター1が備える入出力装置103の一つであるLED(Light Emitting Diode)を発光させること、コースター1が備える入出力装置103の一つであるスピーカーから音を発生させること、スマートフォン4に予めインストールした専用アプリに文字列や画像等の表示情報をネットワークを介して送信し(送信先のスマートフォン4の特定は、データベース15に格納されたスマートフォン4の端末IDに基づいて行う)、当該専用アプリで当該表示情報を表示させること、スマートフォン4に予めインストールした専用アプリに発光指示情報、音発生指示情報及び振動発生指示情報をネットワークを介して送信し(送信先のスマートフォン4の特定は、データベース15に格納されたスマートフォン4の端末IDに基づいて行う)、当該専用アプリでそれら指示情報に基づいて発光させる、音を発生させる、及び振動を発生させることなどが挙げられる。通知部17は、判定部16から通知を行う旨の情報と共に、通知内容や通知方法に関する情報が入力された場合は、当該情報が示す通知内容を通知し、当該情報が示す通知方法に基づいて通知を行ってもよい。以上、図2に示すコースター1の各機能ブロックについて説明した。
続いて、コースター1の使い方の例であるユースケースのうち代表的なユースケースについて、図4〜8のフローチャートを用いて説明する。
図4は、コースター1を使う上での事前準備を行うユースケースの処理について説明するフローチャートである。本ユースケースでは、コースター1にコップ2が初めて置かれた際に、コップ2に関する情報をデータベース15に格納する。
まず、検知部10により、コップ2がコースター1に置かれたことが検知される(ステップS1)。次に、S1にてコップ2が置かれたことが検知された際に、当該タイミングにて、受信部11によりコースター1の周辺のスマートフォン4が発する信号(スマートフォン4の端末IDを含む)が受信(取得)され(受信が試みられ)、人特徴情報取得部12によりコップ2を置いた参加者3の人特徴情報が取得され(取得が試みられ)、物特徴情報取得部13により置かれたコップ2の物特徴情報が取得される(取得が試みられる)(ステップS2)。なお、S2において受信される信号は、受信部11にて受信される1つ以上の信号のうち最大のRSSIである信号であってもよい。次に、管理部14により、S2にてスマートフォン4の端末IDが実際に取得できたか否かが判定される(ステップS3)。S3にて取得できなかったと判定された場合は(S3:NO)、通知部17により、事前登録が失敗した旨のエラーを示す通知内容がネットワークを介してコースター1を管理するサーバ装置等に通知され(ステップS4)、処理を終了する。S4における通知内容としては、「コップを置いた参加者が携帯するスマートフォンの識別情報を取得できませんでした。事前登録を中止します。」などが挙げられる。なお、S4の処理を省略してもよい。
S3にて取得できたと判定された場合は(S3:YES)、続いて管理部14により、S2にて参加者3の人特徴情報が実際に取得できたか否かが判定される(ステップS5)。S5にて取得できなかったと判定された場合は(S5:NO)、通知部17により、事前登録が失敗した旨のエラーを示す通知内容がネットワークを介してコースター1を管理するサーバ装置等に通知され(ステップS6)、処理を終了する。S6における通知内容としては、「コップを置いた参加者の人特徴情報を取得できませんでした。事前登録を中止します。」などが挙げられる。なお、S6の処理を省略してもよい。S5にて取得できたと判定された場合は(S5:YES)、続いて管理部14により、S2にて取得されたスマートフォン4の端末ID、参加者3の人特徴情報、及びコップ2の物特徴情報がデータベース15に格納され(ステップS7)、処理を終了する。
以上が、コースター1を使う上での事前準備(データベース15の事前登録)を行うユースケースの処理の説明である。なお、本ユースケースの処理において、S5及びS6の処理を省略し、S3がYESの場合はS7に進み、S7ではS2にて取得できた情報のみをデータベース15に格納してもよい。また、本ユースケースの処理において、S3〜S6の処理を省略し、S2に続いてS7に進み、S7ではS2にて取得できた情報のみをデータベース15に格納してもよい。また、S5がYESの場合に続いて、管理部14により、S2にてコップ2の物特徴情報が実際に取得できたか否かが判定され、取得できなかったと判定された場合は通知部17により通知内容「コップの特徴情報を取得できませんでした。事前登録を中止します。」がネットワークを介してコースター1を管理するサーバ装置等に通知されて処理を終了し、取得できたと判定された場合はS7に進んでもよい。
図5は、2つのユースケースである「ユースケース1」及び「ユースケース2」の処理について説明するフローチャートである。ユースケース1(図5のS10、S11、S12及びS13の処理に対応)は、参加者3が、コースター1に自分のコップ2を置いた後にコースター1を一旦離れ、コースター1付近に戻ってきたときに自分のコップ2を探す際の通知に関するユースケースである。ユースケース2(図5のS10、S11、S12及びS14の処理に対応)は、参加者3Aが、コースター1に自分のコップ2Aを置いた後にコースター1を一旦離れ、その後に参加者3Bがコースター1に近づき、コースター1からコップ2Aを持ち去った際の通知に関するユースケースである。
初めに、ユースケース1の処理について説明する。まず、検知部10により、(S2の後に)周辺のスマートフォン4が発する信号が受信され、判定部16により、当該受信された信号のRSSIが所定時間間隔で計測される(ステップS10)。次に、判定部16により、S10にて所定時間間隔で計測されたRSSIが時間と共に増加しているか否かが判定される(ステップS11)。S11にて増加していないと判定された場合(S11:NO)は、S10に戻る。S11にて増加していると判定された場合(S11:YES)は、続いて判定部16により、受信部11により受信された信号に含まれるスマートフォン4の端末IDと、データベース15に格納されているスマートフォン4の端末IDとが一致するか否かが判定される(ステップS12)。S12にて、一致すると判定された場合(S12:YES)は、通知部17により、参加者3が接近している旨の通知が行われ(ステップS13)、処理を終了する。以上が、ユースケース1の処理の説明である。
ユースケース1におけるコースター1によれば、コップ2をコースター1に置いた参加者3が、コースター1から一旦離れ、その後にコースター1付近に戻ってきた際に、受信された信号に含まれるスマートフォン4の端末IDとデータベース15に格納されたスマートフォン4の端末IDとはどちらも参加者3が所持するスマートフォン4の端末IDであるため一致し、コースター1は通知を行う。それにより、参加者3は、コップ2が置かれているコースター1を容易に探すことができる。すなわち、参加者3は、コップ2を容易に探すことができる。つまり、このようなコースター1によれば、参加者3がICタグを用いた特別な作業や操作を行うことなく、参加者3がコップ2を容易に探すことができる。一般的に、立食パーティなど、多人数で同一の管理物(食器、箸、コップ等)を利用する場合に、自分の管理物を判別できなくなることが、立食パーティ時における課題の一つである。上述のように、コースター1によれば、管理物にタグを取り付けたり取り外したりする等の特別な作業や操作を行うことなく、自分の管理物を容易に判別することができる。
また、ユースケース1では、スマートフォン4が発する信号のRSSIが時間と共に増加しているか否かに応じて通知を行うか否かを判定している。一般的に、信号の受信強度は、信号を発する携帯端末と当該信号を受信する管理装置との距離が短いほど強くなり、長いほど弱くなる。すなわち、コースター1によれば、コースター1に対して、スマートフォン4を所持する参加者3が近づいていることに応じて通知を行うか否かを決定することができ、より高度な通知の仕組みを提供することができる。
次に、ユースケース2の処理について説明する。処理の開始からS12までの処理は上述のユースケース1と同様である。ユースケース2の処理では、S12の判定にて、一致しないと判定された場合(S12:NO)に、検知部10によりコップ2が持ち出されたことが検知されたか否かが判定される(ステップS14)。S14にて、検知されていないと判定された場合(S14:NO)は、S10に処理が戻る。一方、S14にて、検知されたと判定された場合(S14:YES)は、通知部17により、コップ2が他人に持ち出された旨の通知が行われ(ステップS15)、処理を終了する。以上が、ユースケース2の処理の説明である。
ユースケース2におけるコースター1によれば、コースター1の近くにいる人がコップ2Aをコースター1から持ち出した際に、その人がコップ2Aの管理者であるか(参加者3Aであるか)否か(参加者3Bであるか)に基づいて通知を行うか否かを決定することができる。例えば、コップ2Aを持ち出した人が当該コップ2Aを所持しない参加者3Bである場合に通知を行うことで、参加者3Bは、他人のコップ2Aを誤って持ち出したことに気づくことができる。また、参加者3Aも、自分のコップ2Aを他人が持ち出したことに気づくことができる。つまり、このようなコースター1によれば、コップ2をより確実に管理することができる。また、自分の管理物を他人が取得したことを知ることで、自分の管理物の状況を適確に把握することができる。また、自分の管理物を他人が取得したことを知ることで、当該他人に指摘を行ったり、諦めて別の新たな管理物を取りに行ったりする等、適切な次のアクションを取りやすくすることができる。
ここで、ユースケース2の変形例1の処理について説明する。処理の開始からS12までの処理は上述のユースケース1及び2と同様である。本変形例1の処理では、S12の判定にて、一致すると判定された場合(S12:YES)に、S14と同様に、検知部10によりコップ2が持ち出されたことが検知されたか否かが判定される。そして、持ち出されたことが検知された場合に、当該検知の際に人特徴情報取得部12によりコップ2を持ち出した参加者3の人特徴情報が取得され、判定部16により、取得した人特徴情報とデータベース15に格納された人特徴情報とが対応するか否かが判定される。そして、対応しないと判定された場合に、S15と同様に、コップ2が他人に持ち出された旨の通知が行われる。
上述の変形例1ではないユースケース2では、参加者3Bがコップ2Aを持ち出した際に、参加者3Aがコースター1に近づいていた場合、S12でYESとなり、S15の通知(コップ2Aが他人に持ち出された旨の通知)が行われないという課題がある。そこで、ユースケース2の変形例1では、人特徴情報を利用することでこの課題を解決する。すなわち、S12でYESとなった後に、コップ2Aが持ち出されたことが検知された際に、持ち出した参加者3の人特徴情報と、予め事前登録されていたコップ2Aの管理者である参加者3Aの人特徴情報とが対応するか否かを判定し、対応しないと判定された場合に、S15の通知を行う。このようなコースター1によれば、参加者3Aがコースター1に近づいていた場合に参加者3Bがコップ2Aを持ち出した場合でも、コップ2Aが他人に持ち出された旨を通知することができる。これにより、参加者3Bは、他人のコップ2Aを誤って持ち出したことに気づくことができる。また、参加者3Aも、自分のコップ2Aを他人が持ち出したことに気づくことができる。つまり、このようなコースター1によれば、コップ2Aをより確実に管理することができる。
次に、ユースケース2の変形例2の処理について説明する。変形例2は、管理者ではない人にコップ2が持ち出された際に通知を行う別の例である。変形例2では、まず、検知部10によりコップ2が持ち出されたことが検知されたか否かが判定される。検知されていないと判定された場合は、処理を終了する。一方、検知されたと判定された場合は、続いて判定部16により、受信部11により受信された信号のうち最大のRSSIである信号に含まれるスマートフォン4の端末IDと、データベース15に格納されているスマートフォン4の端末IDとが一致するか否かが判定される。一致すると判定された場合は、処理を終了する。一方、一致しないと判定された場合は、通知部17により、コップ2が他人に持ち出された旨の通知が行われる。
ユースケース2の変形例2では、まずコップ2が持ち出されたか否かが判定され、持ち出されたと判定された際に(最も近くにいるスマートフォン4の)端末IDが一致するか否かが判定され、一致しないと判定された際に通知が行われる。つまり、2つの判定処理が、変形例ではないユースケースとは逆のパターンである。ユースケース2の変形例2によれば、参加者3Bがコップ2Aを持ち出した場合でも、参加者3Bが所持するスマートフォン4B(最も近くにいるスマートフォン4)の端末IDと、データベース15に格納されたコップ2Aの本来の管理者である参加者3Aが所持するスマートフォン4Aの端末IDとは一致しないため、コップ2Aが他人に持ち出された旨を通知することができる。これにより、参加者3Bは、他人のコップ2Aを誤って持ち出したことに気づくことができる。また、参加者3Aも、自分のコップ2Aを他人が持ち出したことに気づくことができる。つまり、このようなコースター1によれば、コップ2Aをより確実に管理することができる。
図6は、「ユースケース3」の処理について説明するフローチャートである。ユースケース3は、コースター1においてそれまで管理していたコップ2Aを所持する参加者3Aとは異なる参加者3Bがコップ2Bを置いた際のデータベース15の更新処理に関するユースケースである。
まず、検知部10により、コップ2Bが置かれたことが検知される(ステップS20)。次に、S20にてコップ2Bが置かれたことが検知された際に、受信部11によりコースター1の周辺のスマートフォン4が発する信号(スマートフォン4の端末IDを含む)が受信(取得)され(受信が試みられ)、人特徴情報取得部12によりコップ2Bを置いた参加者3Bの人特徴情報が取得され(取得が試みられ)、物特徴情報取得部13により置かれたコップ2Bの物特徴情報が取得される(取得が試みられる)(ステップS21)。次に、管理部14により、S21にて参加者3Bの人特徴情報が実際に取得できたか否かが判定される(ステップS22)。S22にて取得できなかったと判定された場合(S22:NO)は、通知部17によりエラーを示す通知内容がネットワークを介してコースター1を管理するサーバ装置等に通知され(ステップS23)、処理を終了する。S23における通知内容としては、「コップを置いた参加者の特徴情報を取得できませんでした。」などが挙げられる。
S22にて取得できたと判定された場合(S22:YES)は、続いて管理部14により、S21にて取得できた参加者3Bの人特徴情報と、データベース15に格納された参加者3Bの人特徴情報とが対応するか否かが判定される(ステップS24)。S24にて対応すると判定された場合(S24:YES)は、処理を終了する。一方、S24にて対応しないと判定された場合(S24:NO)は、続いて管理部14により、S21にて取得された(取得できた)スマートフォン4Bの端末ID、参加者3Bの人特徴情報、及びコップ2Bの物特徴情報がデータベース15に格納され(ステップS25)、処理を終了する。以上が、ユースケース3の処理の説明である。
ユースケース3におけるコースター1によれば、それまで管理していたコップ2Aを所持する参加者3Aとは異なる参加者3Bがコップ2Bを置いた際に、管理情報をコップ2A及び参加者3Aのものからコップ2B及び参加者3Bのものに自動的に更新することができる。すなわち、特別な作業や操作を行うことなく自動的に、管理者及び管理物に関する管理情報を更新することができる。
図7及び8は、「ユースケース4」の処理について説明するフローチャートである。ユースケース4は、コースター1においてそれまで管理していたコップ2Aとは異なるコップ2Bが置かれた際のデータベース15の更新処理に関するユースケースである。
まず、検知部10により、コップ2Bが置かれたことが検知される(ステップS30)。次に、S30にてコップ2Bが置かれたことが検知された際に、受信部11によりコースター1の周辺のスマートフォン4Bが発する信号(スマートフォン4Bの端末IDを含む)が受信(取得)され(受信が試みられ)、人特徴情報取得部12によりコップ2Bを置いた参加者3Bの人特徴情報が取得され(取得が試みられ)、物特徴情報取得部13により置かれたコップ2Bの物特徴情報が取得される(取得が試みられる)(ステップS31)。次に、管理部14により、S31にてコップ2Bの物特徴情報が実際に取得できたか否かが判定される(ステップS32)。S32にて取得できなかったと判定された場合(S32:NO)は、通知部17によりエラーを示す通知内容がネットワークを介してコースター1を管理するサーバ装置等に通知され(ステップS33)、処理を終了する。S33における通知内容としては、「コップの特徴情報を取得できませんでした。」などが挙げられる。
S32にて取得できたと判定された場合(S32:YES)は、続いて管理部14により、S31にて取得されたコップ2Bの物特徴情報と、データベース15に格納されたコップ2の物特徴情報とが対応するか否かが判定される(ステップS34)。S34にて対応すると判定された場合(S34:YES)は、処理を終了する。一方、S34にて対応しないと判定された場合(S34:NO)は、図7から図8に移り、続いて、管理部14により、S31にて参加者3Bの人特徴情報が実際に取得できたか否かが判定される(ステップS35)。S35にて取得できなかったと判定された場合(S35:NO)は、通知部17によりエラーを示す通知内容がネットワークを介してコースター1を管理するサーバ装置等に通知され(ステップS36)、処理を終了する。S36における通知内容としては、「コップを置いた参加者の特徴情報を取得できませんでした。」などが挙げられる。
S35にて取得できたと判定された場合(S35:YES)は、続いて管理部14により、S31にて取得できた参加者3Bの人特徴情報と、データベース15に格納された参加者3の人特徴情報とが対応するか否かが判定される(ステップS37)。S37にて対応すると判定された場合(S37:YES)は、S31にて取得されたコップ2Bの物特徴情報がデータベース15に格納され(ステップS38)、処理を終了する。一方、S37にて対応しないと判定された場合(S37:NO)は、続いて管理部14により、S31にて取得された(取得できた)スマートフォン4Bの端末ID、参加者3Bの人特徴情報、及びコップ2Bの物特徴情報がデータベース15に格納される(ステップS39)。以上が、ユースケース4の処理の説明である。
ユースケース4におけるコースター1によれば、S34にて置かれたコップ2Bの物特徴情報と、事前登録されたコップ2の物特徴情報とが対応する場合に処理を終了する。このように、事前登録されたコップ2が再度置かれた場合、データベース15の更新処理を行うことなく処理を終了する。すなわち、S35〜S39の処理を省略することができ、処理を高速化できる。また、S34にて置かれたコップ2Bの物特徴情報と、事前登録されたコップ2の物特徴情報とが対応しない場合は、データベース15の更新処理を行われる。すなわち、それまで管理されていたコップ2とは異なるコップ2Bがコースター1に置かれた場合は、特別な作業や操作を行うことなく自動的に、管理情報を更新することができる。
以上のように、本発明の実施形態に係るコースター1は、参加者3とコップ2のセットによる管理を行う。コースター1は、コップ2をコースター1に置いた(接地した)時点で最も近くに存在するスマートフォン4を、コップ2の管理者である参加者3のスマートフォン4として認識する。そして、コースター1は、参加者3が近づいてきた際に、参加者3を特定できない場合には通知を行う。また、コースター1は、現在管理しているコップ2Aの管理者である参加者3Aとは異なる参加者3Bがコースター1を利用した(コースター1にコップ2Bを置いた)場合、管理情報を変更(更新)する。
上述の場合、コースター1の通知部17は、当該変更を行った場合に、参加者3Aのスマートフォン4に対して、当該変更が行われた旨の通知を行ってもよい。また、コースター1の通知部17は、コップ2Aの管理者である参加者3Aが近づくと光を発したり音を出したり通知を行うが、コップ2Aを持ち出した人が当該コップ2Aの管理者(参加者3A)か否か(参加者3B)により、通知方法を変更してもよい。例えば、参加者3Aがコップ2Aを持ち出した場合は特に通知を行わず、参加者3Bがコップ2Aを持ち出した場合(参加者3Aが近くにいない状態でコップ2Aが離れたのを検知した場合)は、上述の光とは別の光を発したり、上述の音とは別の音を出したりしてもよい。
このようなコースター1によれば、特別な操作なく管理情報を管理し、(即時に)更新することができる。それにより、一時的な管理物を管理することができる。例えば、立食パーティでのコップやお皿について、自分のモノを紛失せず、同一のコップやお皿の中から、自分の管理物を容易に判別すること(見つけること)ができる。
本実施形態のコースター1は、参加者3の本人判定として、掌紋に関する人特徴情報を用いたが、これに限るものではない。例えば、参加者3は予めブレスレットやウォッチなど、コップ2と至近距離になるデバイスを利用することを前提とし、コースター1が、ブレスレットやウォッチに基づく電界強度の強さを取得し、取得した電界強度の強さに基づいて、参加者3の本人判定を行ってもよい。
本発明に係る管理装置は、コースター型装置に限るものではない。例えば、管理装置は、コップを置くためのテーブルの上にかけるシート型装置であってもよい。シート型装置は、シート表面に発生する電磁波を利用してシート表面の通信装置と互いに通信を行うことができ、この通信機能を利用した、コースター1と同様の機能構成を備える。また、シート型装置は、シート表面にて掌紋(掌形)認証を行う機能を備えてもよい。また、シート型装置のシートは、電界強度を局所的に制限できる電界強度シートであってもよい。電界強度を利用する場合は、参加者3は予めブレスレットやウォッチなど、コップ2と至近距離になるデバイスを利用(装着)することを前提とし、シート型装置が、ブレスレットやウォッチに基づく電界強度の強さを取得し、取得した電界強度の強さに基づいて、参加者3の本人判定を行うことができる。
本発明に係る管理対象物は、コップに限るものではない。例えば、管理対象物は、食器、箸、グラス、皿など、参加者3が所持(管理、所有)する物体であれば何でもよい。
本発明に係る管理者は、立食パーティの参加者に限るものではない。例えば、管理者は、一般的な人など、管理対象物を所持(管理、所有)する人であれば誰でもよい。
本発明に係る携帯端末は、スマートフォンに限るものではない。例えば、携帯端末は、携帯電話、モバイル機器、ウェアラブルデバイス(ウォッチを含む)など、近距離無線通信機能を備えたコンピュータ装置であれば何でもよい。