JP2017027463A - 画像処理装置、撮像装置、画像処理方法、画像処理プログラム、および、記憶媒体 - Google Patents

画像処理装置、撮像装置、画像処理方法、画像処理プログラム、および、記憶媒体 Download PDF

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Abstract

【課題】輝度値が高い領域においても画像の劣化を良好に回復可能な画像処理装置を提供する。【解決手段】画像処理装置は、所定の画像処理の繰り返し処理により画像回復処理を行う画像処理装置であって、所定の画像処理で用いられる補正データを決定する決定手段(608)と、所定の画像処理において、更新前の画像と補正データとに基づいて更新画像を生成する生成手段(609)とを有し、決定手段は、繰り返し処理のうちn回目の画像処理において、第nの画像と、第nの画像から生成された中間画像とに基づいて第1の差分データを取得し、第nの画像と、繰り返し処理のうちm回目(m<n)の画像処理で用いられた第mの画像とに基づいて第2の差分データを取得し、第1の差分データと第2の差分データとに基づいて、n回目の画像処理で用いられる補正データを決定する。【選択図】図1

Description

本発明は、撮像光学系による画像の劣化を補正する画像処理装置に関する。
撮像光学系により撮影された被写体は、撮像光学系で発生する回折や収差等の影響により、1点から発生した光が1点に収束することができなくなるため微小な広がりを持つこととなる。このような微小な広がりを持った分布をPSF(点像強度分布)と呼ぶ。このような撮像光学系の影響により、撮影画像にはPSFが畳み込まれて形成されることになり、画像がぼけて解像度が劣化する。
近年、撮影画像を電子データとして保持することが一般的になり、画像処理を利用して撮像光学系による画像の劣化を補正する方法(画像回復処理)が提案されている。このような画像の劣化状態は、画面内の位置に応じて異なる。
そこで特許文献1には、画像の各画素の近傍領域における画素値の分散とノイズの分散との差分を評価し、この差分が所定の閾値よりも小さくなった画素に関する反復計算による画素値の更新を打ち切る画像回復方法が開示されている。非特許文献1には、所謂Lucy−Richardson法を用いた繰り返し演算による画像回復方法が開示されている。
特開2007―299068号公報
OSA VOLUME 62, NUMBER 1 JANUARY 1972 Bayesian−Based Iterative Method of Image Restoration
ところで、繰り返し演算による画像回復処理を行う場合、繰り返し演算回数が適切に設定されない場合、演算コストが大きくなってしまう。また、画像回復の強弱に関しても、主に繰り返し演算回数が支配的な要素である。例えば繰り返し演算回数が不足すると、回復の程度が不足する。逆に、繰り返し演算回数が多すぎると、回復の程度が過剰になり、リンギングなどの弊害の発生につながる。従って、画像の位置や領域の像劣化特性に応じて適切な繰り返し演算回数を設定する必要がある。また、適切な強さの画像回復処理を行う場合、一般的には、ある評価値に基づいて繰り返し演算処理を打ち切るという手法が用いられる。
このとき、回復処理対象の画像が巨大である場合や、画像上の劣化特性が位置や領域ごとに異なる場合、更新前後の画像のノイズ量や二乗平均平方根(RMS:root mean square)を比較しても適切に繰り返し演算処理を打ち切ることは困難である。また、適切な繰り返し演算処理の回数を設定することも難しい。このため、繰り返し演算処理の打ち切り方法や繰り返し演算処理の回数設定が適切でない場合でも、この処理を収束させる手法が必要である。
処理の収束という点において、一般的に、繰り返し型のアルゴリズムでは繰り返し演算処理の回数が増加するほど補正量は減り、収束していく傾向がある。しかし、高輝度物体など、撮像素子の輝度値が非常に大きい画素の近傍では、処理が良好に収束せずに補正が過剰になりやすい。
そこで本発明は、輝度値が高い領域においても画像の劣化を良好に回復可能な画像処理装置、撮像装置、画像処理方法、画像処理プログラム、および、記憶媒体を提供する。
本発明の一側面としての画像処理装置は、所定の画像処理の繰り返し処理により画像回復処理を行う画像処理装置であって、前記所定の画像処理で用いられる補正データを決定する決定手段と、前記所定の画像処理において、更新前の画像と前記補正データとに基づいて更新画像を生成する生成手段とを有し、前記決定手段は、前記繰り返し処理のうちn回目の画像処理において、第nの画像と、該第nの画像から生成された中間画像とに基づいて第1の差分データを取得し、前記第nの画像と、前記繰り返し処理のうちm回目(m<n)の画像処理で用いられた第mの画像とに基づいて第2の差分データを取得し、前記第1の差分データと前記第2の差分データとに基づいて、前記n回目の画像処理で用いられる補正データを決定する。
本発明の他の側面としての撮像装置は、所定の画像処理の繰り返し処理により画像回復処理を行う撮像装置であって、撮像光学系を介して形成された光学像を光電変換して画像信号を出力する撮像素子と、前記画像信号から生成された画像に関し、前記所定の画像処理で用いられる補正データを決定する決定手段と、前記所定の画像処理において、更新前の画像と前記補正データとに基づいて更新画像を生成する生成手段とを有し、前記決定手段は、前記繰り返し処理のうちn回目の画像処理において、第nの画像と、該第nの画像から生成された中間画像とに基づいて第1の差分データを取得し、前記第nの画像と、前記繰り返し処理のうちm回目(m<n)の画像処理で用いられた第mの画像とに基づいて第2の差分データを取得し、前記第1の差分データと前記第2の差分データとに基づいて、前記n回目の画像処理で用いられる補正データを決定する。
本発明の他の側面としての画像処理方法は、所定の画像処理を繰り返して画像回復処理を行う画像処理方法であって、前記所定の画像処理で用いられる補正データを決定するステップと、前記所定の画像処理において、更新前の画像と前記補正データとに基づいて更新画像を生成するステップとを有し、前記更新画像を生成するステップは、前記繰り返し処理のうち第n回目の画像処理において、第nの画像と、該第nの画像から生成された中間画像とに基づいて第1の差分データを取得するステップと、前記第nの画像と、前記繰り返し処理のうちm回目(m<n)の画像処理で用いられた第mの画像とに基づいて第2の差分データを取得するステップと、前記第1の差分データと前記第2の差分データとに基づいて、前記n回目の画像処理で用いられる補正データを決定するステップとを含む。
本発明の他の側面としての画像処理プログラムは、所定の画像処理を繰り返して画像回復処理を行う画像処理プログラムであって、前記所定の画像処理で用いられる補正データを決定するステップと、前記所定の画像処理において、更新前の画像と前記補正データとに基づいて更新画像を生成するステップと、をコンピュータに実行させるように構成されており、前記更新画像を生成するステップは、前記繰り返し処理のうちn回目の画像処理において、第nの画像と、該第nの画像から生成された中間画像とに基づいて第1の差分データを取得するステップと、前記第nの画像と、前記繰り返し処理のうちm回目(m<n)の画像処理で用いられた第mの画像とに基づいて第2の差分データを取得するステップと、前記第1の差分データと前記第2の差分データとに基づいて、前記n回目の画像処理で用いられる補正データを決定するステップとを含む。
本発明の他の側面としての記憶媒体は、前記画像処理プログラムを記憶している。
本発明の他の目的及び特徴は、以下の実施例において説明される。
そこで本発明は、輝度値が高い領域においても画像の劣化を良好に回復可能な画像処理装置、撮像装置、画像処理方法、画像処理プログラム、および、記憶媒体を提供することができる。
実施例1における画像処理方法のフローチャートである。 実施例2における補正量を用いた画像回復処理のフローチャートである。 実施例2におけるシフトバリアントな劣化特性を補正する画像処理方法の説明図である。 実施例2における補正量の算出方法の説明図である。 実施例3における画像処理システムの構成図である。 実施例4における画像処理装置のブロック図である。 実施例5における撮像装置のブロック図である。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
まず、本実施形態における画像処理方法(画像回復処理)の概略について説明する。実空間(x,y)上で、撮像光学系(光学系)による劣化を受ける前の画像をf(x,y)、PSF(点像強度分布または点像分布関数)をh(x,y)、劣化した画像をg(x,y)とすると、これらは以下の式(1)のように表される。
g(x,y)=∫∫f(X,Y)*h(x−X,y−Y)dXdY… (1)
ここで、Lucy−Richardson法(LR法)による画像回復処理は、実空間において以下の式(2)のように表される。
式(2)において、fn+1は更新後の画像(更新画像)、fは更新前の画像である。hは撮像光学系の劣化特性であり、例えばPSFである。また、gは劣化した画像(撮影画像)である。
LR法を用いた画像回復処理は、画像f(第nの画像)を逐次更新し、例えば所定の評価基準に基づいて更新処理を打ち切り、画像fn+1(第n+1の画像)を出力することにより行われる。このときの評価基準は、例えば、画像fn+1と画像fとの二乗平均平方根(RMS:root mean square)の値である。ここで、LR法を開始する際(初期値)として、f=gなどと設定して画像回復処理を開始すればよい。
デジタルカメラで撮影した画像に対して、前述の画像回復処理を適用するには、種々の工夫が必要である。まず、一般的なデジタルカメラで撮影された画像は、画像の各位置に応じて互いに異なる劣化特性を有する。また、画像の周辺部においては、撮像光学系の収差が大きく、画像が非対称に劣化していることが多い。これは、画像の位置または領域において補正すべき像劣化の量が異なることを意味し、それぞれの領域において適切な処理が必要となる。加えて、レンズ交換式カメラのように、撮像光学系と撮像素子との組み合わせが無数にある環境を想定すると、単純に式(2)を適用するだけでは、良好な結果を得ることができない。
そこで、以下の各実施例において、撮像光学系と撮像素子との任意の組み合わせにおける画像の劣化を良好に回復するための構成および方法について説明する。
まず、図1を参照して、本発明の実施例1における画像処理方法について説明する。図1は、本実施例における画像処理方法のフローチャートである。図1の各ステップは、画像処理装置の各部により実行される。
まずステップS101において、本実施例の画像処理装置は、画像回復処理の対象となる画像(撮影画像)を取得する。続いてステップS102において、画像処理装置は、ステップS101にて取得された画像に対して画像回復処理を開始するため、撮影条件(撮影条件情報)を取得する。本実施例において、画像処理装置は、ステップS101にて取得された画像に付随する、例えばExif情報などから撮影条件を取得するか、または、撮影条件を直接取得する。本実施例において、撮影条件は、撮像光学系の撮影条件として、撮影時のレンズを特定するためのレンズ識別番号(レンズID)と、撮影時の焦点距離、F値、および、被写体距離とを含む。画像処理装置は、レンズIDと、焦点距離、F値、および、被写体距離との組み合わせからなる撮影条件により、撮像光学系の光学伝達関数を特定することができる。
また撮影条件として、撮像素子の画素ピッチ、カラーフィルタの配列、および、光学ローパスフィルタに関する情報など、撮影時の状況を示す情報を含む場合もある。ここで、撮像光学系の光学伝達関数は、折り返し信号が発生しない程度のサンプリングピッチで離散化されたデータである。光学伝達関数は、例えばレンズ(撮像光学系)の設計データなどからコンピュータ上のシミュレーションで算出することが好ましいが、画素ピッチの小さい撮像素子を用いて測定してもよい。このときの画素ピッチは、前述のように折り返し信号が発生しない程度の画素ピッチであることが好ましい。コンピュータシミュレーションで撮像光学系の光学伝達関数を生成する際には、想定する光源の分光特性や撮像素子のカラーフィルタの分光特性を用いて波長ごとに算出される光学伝達関数を、R、G、Bの各色に対応させて生成することが好ましい。
撮像光学系の光学伝達関数は、前述の焦点距離、F値、および、被写体距離が決定した場合に、撮像素子上の位置と主にR、G、Bのカラーフィルタの分光特性との組み合わせの数だけ必要となる。すなわち、撮影条件ごとに複数の光学伝達関数が必要である。例えば、撮像素子上の代表点100点とR、G、Bの3色のカラーフィルタとの組み合わせの数は300となる。従って、前述の撮像光学系の光学伝達関数の特定は、このような300点を特定することを意味する。
次に、ステップS103において、画像処理装置は、点像強度分布(PSF)を生成する。ここでは、まず画像処理装置は、ステップS102にて取得した撮影条件に基づいて、撮像光学系の光学伝達関数を取得する。このとき、使用される撮像素子のサイズに応じて、光学伝達関数の取得範囲を変更することが好ましい。光学伝達関数の取得範囲は、例えば、撮像光学系に応じて決定される範囲と、撮像素子が光学像を取得可能な範囲との比率に基づいて決定される。ここで、撮像光学系に応じて決定される範囲とは、例えば設計時に収差補正が行われている範囲である。
続いてステップS103において、画像処理装置は、前述のように取得した光学伝達関数を修正する。取得した撮像光学系の光学伝達関数は、そのままでは画像回復処理には適用できない。本実施例の画像処理装置は、種々の撮像素子に関し、各撮像素子の帯域や画素の形状などの特性(周波数特性)に応じて撮像光学系の光学伝達関数を修正する。撮像素子の特性に応じて撮像光学系の光学伝達関数を修正するには、以下のような特性を考慮する。
まず、撮像素子の特性として、撮像素子のサイズ、画素ピッチ、カラーフィルタの配列などに関する情報がある。撮像素子のサイズは、光学空中像を切り出すイメージサークルを指定する情報である。画素ピッチは、光学伝達関数の折り返し信号に関する情報である。また、前述の情報以外にも、光学ローパスフィルタに関する特性を考慮してもよい。ここで、光学ローパスフィルタに関する特性とは、光学ローパスフィルタの有無、それによる光学伝達関数が受ける特性に関する情報である。これは、例えば、光学ローパスフィルタによる点像強度分布の分離幅、分離方向、および、分離方法などである。また、単板センサの場合、R、G、B画素の配列情報を、ベイヤー配列のサンプリング間隔における折り返し信号についての情報として使用することができる。また、ベイヤー配列の撮像素子の場合、R、G、Bについてそれぞれのサンプリングピッチが異なる場合があり、また、特殊な配置を有する場合もある。このため、これらの情報について考慮することもできる。これらの情報は、ステップS102にて撮影条件(撮影条件情報)として取得可能である。
ここで、撮像素子の特性に応じて修正された光学伝達関数は、以下の式(3)のようなモデルで表される。
式(3)において、H(u,v)は撮像素子の特性に応じて修正された光学伝達関数である。また、H(u,v)は撮像光学系の光学伝達関数、OLPF(u,v)は光学ローパスフィルタの周波数特性、PIX(u,v)は撮像素子の画素形状による周波数特性である。[ ]は撮像素子の帯域内の周波数特性の取得を示している。
続いてステップS103において、画像処理装置は、修正された複数の光学伝達関数に対して、それぞれ周波数変換を行い実空間上のデータに変換することにより、撮像素子の特性を含む点像強度分布(PSF)を生成する。
次に、ステップS104〜S109において、画像処理装置は、ステップS103にて生成されたPSFに基づいて画像回復処理を行う。より具体的には、画像処理装置は、画像回復処理に用いられる補正量(補正データ)を設定(決定)する。そして画像処理装置は、式(2)と、PSFと、画像内の位置ごと(画素ごと)の補正量とに基づいて、画像回復処理を行う。式(2)に関しては、種々の正則化を含む変形を行ってもよい。本実施例において、画像処理装置は、所定の画像処理(ステップS104〜S109)の繰り返し(繰り返し処理)により画像回復処理を行う。本実施例の繰り返し処理は、所定の画像処理をN回繰り返す処理であり、そのうちn回目(1≦n≦N)の画像処理の対象となる画像(更新対象の画像)を第nの画像という。また、例えばn回目の画像処理の直前の画像処理(n−1回目の画像処理)の対象となる画像を第n−1の画像という。
本実施例の画像回復処理では、画像処理装置は、まずステップS104において、第nの画像(画像f)を生成(入力)する。第nの画像は、繰り返し演算処理におけるn回目の処理中に生成された画像に相当する。続いてステップS105において、画像処理装置は、第nの画像に基づいて中間画像ftempn+1を生成する。本実施例において、画像処理装置は、式(2)で表される画像fn+1を中間画像ftempn+1として、以下の式(4)のように定める。
続いてステップS106において、画像処理装置は、中間画像ftempn+1と第nの画像(画像f)とに基づいて、第1の差分データΔftempを生成する。続いてステップS107において、画像処理装置は、第nの画像(画像f)と第n−1の画像(画像fn−1)とに基づいて、第2の差分データΔfn−1を生成する。
続いてステップS108において、画像処理装置は、ステップS106にて生成された第1の差分データΔftempと、ステップS107にて生成された第2の差分データΔfn−1とに基づいて、補正量Δf(補正データ)を生成する。続いてステップS109において、画像処理装置は、ステップS104にて生成された第nの画像(画像f)と、ステップS108にて生成された補正量Δfとに基づいて、回復画像(画像fn+1)を生成する。
ここで|Δf|は、繰り返し演算処理の回数nが増加するにつれて収束するように制約される。補正量Δfにこのような制約をかけることにより、繰り返し演算処理の回数nを増やしても画像処理を安定して実行することができる。また、第nの画像(画像f)および補正量Δfに基づいて回復画像(画像fn+1)を生成することにより、安定的に画像を更新することが可能となる。なお本実施例の画像処理方法は、好ましくは、ソフトウエアまたはハードウエア上で動作するプログラムとして提供される。
次に、図2を参照して、本発明の実施例2における画像回復処理について説明する。図2は、本実施例における補正量を用いた画像回復処理のフローチャートである。図2の各ステップは、画像処理装置(例えば、後述の補正量算出部608および画像生成部609を含む画像回復部607)により実行される。
本実施例において、画像処理装置は、所定の画像処理(ステップS201〜S206)の繰り返し(繰り返し処理)により画像回復処理を行う。本実施例の繰り返し処理は、所定の画像処理をN回繰り返す処理であり、そのうちn回目の画像処理の対象となる画像(更新対象の画像)を第nの画像fという。また繰り返し処理のうち、n回目の画像処理の直前の画像処理(n−1回目の画像処理)の対象となる画像を第n−1の画像fn−1という。同様に、n+1回目の画像処理の対象となる画像を第n+1の画像fn+1という。好ましくは、図2に示される画像回復処理は画素位置(x、y)ごとに行われる。
まずステップS201において、画像処理装置(画像生成部)は、第nの画像f(x、y)を入力する。ステップS401は、図1のステップS104に相当する。続いてステップS202において、画像処理装置は、中間画像ftempn+1(x、y)を生成する。中間画像ftempn+1(x、y)は、例えば、第nの画像f(x、y)とPSFとに基づいて生成される。そしてステップS203において、画像処理装置は、ステップS202にて生成した中間画像ftempn+1とステップS201にて入力(生成)した第nの画像fとの差分(第1の差分データΔftemp)を算出する。
続いてステップS204において、画像処理装置(補正量算出部)は、補正量Δf(補正データ)を取得(算出)する。本実施例において、画像処理装置は、画素位置(x、y)のそれぞれに関し、第1の差分データの絶対値|Δftemp|と、第2の差分データの絶対値|Δfn−1|とを比較する。なお、第2の差分データΔfn−1は、第n−1の画像から第nの画像を生成した際に予め算出しておくことが好ましい。第1の差分データの絶対値が第2の差分データの絶対値以下である場合、画像処理装置は、第1の差分データを補正量Δfとして決定する(Δf=Δftemp)。一方、第1の差分データの絶対値が第2の差分データの絶対値よりも大きい場合、画像処理装置は、第1の差分データおよび第2の差分データのそれぞれに対して重み付けを行い(重み係数Rfnを用いて)、補正量Δfを決定する。例えば、補正量Δfは、Δf=Rf・Δftemp+(1−Rf)・Δfn−1のように表される。
続いてステップS205において、画像処理装置(画像生成部)は、第nの画像fおよび補正量Δfを用いて、第n+1の画像fn+1(回復画像)を生成する。そしてステップS206において、画像処理装置は、繰り返し処理が終了したか否か、すなわち繰り返し処理が所定の繰り返し回数に達したか否かを判定する。繰り返し処理が終了していない場合、nをn+1として1増加させ、ステップS201〜S206を繰り返す。一方、繰り返し処理が終了した場合、画像処理装置は、第n+1の画像fn+1を回復画像として出力する。
次に、図3を参照して、本実施例における画像処理方法について詳述する。図3は、シフトバリアントな劣化特性を補正する画像処理方法の説明図であり、撮像素子の特性に応じて異なるPSFを用いた画像回復処理の一例を示している。
本実施例では、PSFの特性が画像中の位置ごとに大きく変化する場合について、良好な結果が得られる画像処理方法を説明する。PSFが像高などの画像中の位置ごとに大きく変化する場合、画像中の位置ごとに適切な(すなわち正確な)PSFを用いて画像処理を行うことが理想的である。しかし、撮像素子の全画素数の正確なPSFをデータとしてメモリに保持することは現実的ではない。そこで本実施例においては、画像中の所定の各位置において、各位置に対応する撮像光学系の光学伝達関数を、撮像素子の特性に応じて修正する。そして、修正後の光学伝達関数を、周波数変換によりPSFに変換して利用する。
本実施例では、図3(a)に示されるように、画像のR、G、Bの縦、横のデータ数をそれぞれV、Hとする。R、G、Bをベイヤーとして処理する場合、V、Hがそれぞれ互いに異なる数でもよい。画像の縦横にはそれぞれ、M、N点のPSFを対応付け、それぞれの配置間隔をA、Bとし、(M−1)×(N−1)個の複数の長方形領域を考える。ここでは、計算上、A=V/(M−1)、B=H/(N−1)であることが好ましい。このような場合、処理対象の着目画素(i,j)ごとに、i/A、j/Bの整数除算を行うことにより、条件分岐などの処理を用いることなく、複数の長方形領域の何番目に属するかを直ちに算出可能であるためである。
従って、m=i/A、n=j/Bより、PSF[m,n]、PSF[m,n+1]、PSF[m+1,n]、PSF[m+1,n+1]の4つのPSFが選択される。ここで、選択された4つのPSFの格子点位置を頂点とする長方形領域(縦の長さA、横の長さB)を、領域<m,n>と表すこととする。
図3(b)は、図3(a)中の領域<m,n>を示している。領域<m,n>における補正係数(補正データ)は、格子点位置に対応するPSF[m,n]、PSF[m,n+1]、PSF[m+1,n]、PSF[m+1,n+1]の4つのPSFカーネルに基づいて算出される。PSFカーネル内のX、Y座標は、図3(b)に示されるとおりである。
図3(a)において、着目画素(i,j)に対応するPSFijは、PSF[m,n]、PSF[m,n+1]、PSF[m+1,n]、PSF[m+1,n+1]の4つのPSFであり、以下のように算出することができる。
本実施例では、それぞれのPSFに対する重み付けW(重み係数)を、以下のように決定する。
W(m,n)=(A−a)*(B−b)/(A*B)
W(m,n+1)=(A−a)*b/(A*B)
W(m+1,n)=a*(B−b)/(A*B)
W(m+1,n+1)=a*b/(A*B)
ここで、a=mod(i,A)、b=mod(j,B)である。また、mod(x,y)はxのyによる剰余である。以上より、以下の式(5)が得られる。
本実施例では、式(4)を、式(5)に基づいて、以下の式(6)のように用いる。
本実施例では、式(6)を少ないMとNにおいて高精度に行うため予めそれぞれのPSFの重心位置を一致させる処理を施しておくことが好ましい。また、重心位置だけでなく、最大値を一致させてもよく、両方を評価する評価値を満たすようなPSFの補正を行ってもよい。本実施例の画像処理装置は、例えば以下の式(7)で表されるように、中間画像ftempn+1(x、y)と第nの画像fn(x、y)とを用いて、第1の差分データΔftemp(x、y)を生成する。また画像処理装置は、例えば以下の式(8)で表されるように、第nの画像f(x、y)と、第n−1の画像fn−1(x、y)とを用いて、第2の差分データΔfn−1(x、y)を生成する。
なお、式(8)で表される第2の差分データΔfn−1(x、y)は、第nの画像f(x、y)が生成されたタイミングで生成して取得しておくことが好ましい。
次に、画像処理装置は、式(7)、(8)を用いて、補正量Δf(x,y)を算出する。ここで図4を参照して、本実施例における補正量Δfの算出方法について説明する。図4は、補正量Δf(x,y)の算出方法の説明図である。
本実施例において、補正量Δf(x、y)は、|Δftemp(x、y)|≦|Δfn−1(x、y)|を満たす場合、Δf(x,y)=Δftemp(x,y)と設定される。一方、この条件を満たさない場合、補正量Δf(x、y)は、Δf(x、y)=Rf・Δftemp(x、y)+(1−Rf)・Δfn−1(x、y)と設定される。ここで、Rfは画像(第1の差分データと第2の差分データ)を合成する際の重み係数であり、0≦Rf≦1.0の範囲で任意に設定可能である。ここで、Rf=0と設定すると、|Δftemp(x、y)|>|Δfn−1(x、y)|の場合、Δf(x,y)=Δfn−1(x,y)となり、第2の差分データそのものが補正量Δf(x、y)として決定される。
画像処理装置は、第nの画像f(x、y)および補正量Δf(x、y)を用いて、以下の式(9)のように表される演算を実行し、回復画像fn+1(x、y)を取得する。
また本実施例において、繰り返しの途中から第1の差分データと第2の差分データとを用いた前述の手法を適用してもよい。すなわち、n<Kの場合(Kは繰り返し回数)、式(2)を以下の式(10)のように用いる。一方、n≧Kの場合、式(6)〜(9)を用いて画像を生成し、回復画像fn+1(x,y)を取得する。
本実施例において、画像処理装置は、画像内の画素の輝度値に基づいて、画素位置ごとの画像合成の重み係数Rf(x、y)を決定する。画像処理装置は、まず所定の閾値を決定する。そして画像処理装置は、所定の閾値以上の輝度値を有する画素と所定の閾値未満の輝度値を有する画素とに分けて、画像を二値化する(二値化画像を生成する)。画像は、その形式に応じて、表現可能なデータのダイナミックレンジが異なる。このため、以下、輝度値の最大値を1に正規化して説明する。
一例として、閾値thr=0.95の場合について説明する。まず第nの画像に対して、前記の閾値thrを基準として画像を二値化する。すなわち、二値化画像をb(x,y)とすると、f(x,y)<thrの場合にb(x、y)=0とし、f(x,y)≧thrの場合にb(x、y)=1とする。このように画像処理装置は、全ての画素位置(x、y)に関して二値化処理を行い、二値化画像b(x、y)を生成する。
次に、画像処理装置は、二値化画像b(x、y)に対してPSFを畳み込み処理する。この結果、式(4)により算出されるPSFijを用いて、以下の式(11)で表されるように、画像合成の重み係数Rf(x、y)が算出される。
式(11)において、二値化画像b(x、y)は、処理前の画像、すなわちn=0の画像fで代表して算出しておいてもよい。このようにすることで、画像合成の重み係数Rf(x、y)の演算が1回になり、処理負荷が軽減される。本実施例における閾値thrとして、外部からユーザが任意の値を入力してもよい。補正量Δf(x、y)は、画像合成の重み係数Rf(x、y)が算出された後、前述の方法で算出することができる。画像処理装置は、補正量Δf(x、y)および第nの画像f(x、y)を用いることにより、回復画像fn+1(x、y)を生成することが可能である。
次に、図5を参照して、本発明の実施例3における画像処理システム(画像処理装置)について説明する。図5は、本実施例における画像処理システム500の構成図である。画像処理システム500は、画像処理装置501(情報処理装置としてのハードウエア)、表示装置502(モニタ)、および、入力装置503(キーボードなどの入力手段)を備えて構成される。本実施例は、実施例1、2の画像処理方法を画像処理システム500(パソコンのソフトウエア)上で動作させる場合について説明する。
まず、実施例1、2の画像処理方法を画像処理装置501において動作させるため、画像処理方法を実行するソフトウエア(画像処理プログラム)を画像処理装置501(パソコン)にインストールする。ソフトウエアは、CD−ROMやDVD−ROMなどのメディア504(記憶媒体)からインストールすることができる。または、ソフトウエアを、ネットワーク(インターネット)を通じてダウンロードしてインストールしてもよい。また画像処理装置501には、撮像光学系の複数の光学伝達関数(光学伝達関数データ)が格納されている。ここで、画像処理装置501に格納される複数の光学伝達関数は、例えば、撮像光学系の種々の撮影条件(撮影条件情報)ごとの光学伝達関数の全てである。光学伝達関数に関しても、メディア504やネットワークを通じてダウンロードすることにより、画像処理装置501に格納される。本実施例において、ソフトウエア(画像処理プログラム)、光学伝達関数情報、および、撮影条件情報などの各データは、画像処理装置501内のハードディスクなどの記憶部に記憶される。また画像処理装置501は、少なくとも一部のデータを、外部のサーバからネットワークを通じて取得するように構成してもよい。
画像処理装置501は、インストールされたソフトウエアを起動し、撮影画像に対して画像回復処理を行う。ソフトウエア上では、画像回復処理の強度を決定する繰り返し回数や、画像のうちの所定の領域(画像回復処理の対象領域)にのみ画像回復処理を適用するなど、種々の設定(パラメータの設定)が可能である。このようなパラメータは、ユーザが表示装置502上で回復処理後の画像を確認しつつ変更可能であることが好ましい。
次に、図6を参照して、本発明の実施例4における画像処理装置について説明する。図6は、本実施例における画像処理装置600のブロック図である。画像処理装置600は、撮影画像取得部601、撮影条件取得部602、光学伝達関数記憶部603、光学伝達関数取得部604、光学伝達関数修正部605、周波数変換部606、および、画像回復部607を有する。
撮影画像取得部601(画像取得手段)は、撮影条件に関する情報(撮影条件情報)が付加された画像(撮影画像)を取得する(図1のステップS101)。撮影条件取得部602(条件取得手段)は、撮像光学系に関する情報および撮像素子に関する情報を、撮影条件として取得する(図1のステップS102)。撮像光学系に関する情報とは、焦点距離、F値、および、被写体距離などに関する情報であるが、これに限定されるものではなく、撮像光学系のイメージサークル径などに関する情報を含む場合がある。光学系のイメージサークル径とは、撮像光学系の設計時に収差補正上予め定められた、単位円の半径または直径である。撮像素子に関する情報とは、撮像素子のサイズ、撮像素子の画素ピッチ、画素の形状や画素のサイズなどに関する情報である。また本実施例において、撮像素子に光学ローパスフィルタなどの種々の素子(光学部材)が装着されている場合がある。この場合、種々の素子の特性に関する情報を、撮像素子に関する情報に含めることができる。
光学伝達関数記憶部603(記憶手段)は、撮像光学系の光学伝達関数(光学伝達関数データ)を予め記憶している。光学伝達関数取得部604(関数取得手段)は、撮影条件取得部602で取得した撮像光学系に関する情報に基づいて、光学伝達関数記憶部603に記憶された光学伝達関数情報から複数の光学伝達関数を取得する(図1のステップS103)。光学伝達関数修正部605(関数修正手段)は、撮像光学系に関する情報に基づいて取得された複数の光学伝達関数に対して、撮像素子に関する情報に基づく修正を加える(ステップS103)。この修正は、光学ローパスフィルタや画素の特性を付与することや、撮像素子の画素ピッチに合わせた周波数帯域までの光学伝達関数への変換処理を含む。そして周波数変換部606(PSF取得手段)は、光学伝達関数修正部605により修正された複数の光学伝達関数の全てをフーリエ逆変換し、撮像光学系の特性および撮像素子の特性に応じた点像強度分布(PSF)を生成する(ステップS103)。
画像回復部607(画像回復手段)は、補正量算出部608(決定手段)および画像生成部609(生成手段)を有し、所定の画像処理(ステップS104〜S109、ステップS201〜S206)の繰り返し処理により画像回復処理を行う。補正量算出部608は、所定の画像処理で用いられる補正量(補正データ)を決定する。画像生成部609は、所定の画像処理において、更新前の画像と補正データとに基づいて更新画像を生成する。画像回復部607は、初期画像と点像強度分布(PSF)とを用いて第nの画像から生成された中間画像と、第nの画像と、第n−1の画像とに基づいて、画素位置ごとの補正量を生成し、第nの画像と画素位置ごとの補正量とに基づいて回復画像を生成する。
なお、撮影画像取得部601は、画像(撮影画像)を取得するが、撮影画像には撮影条件情報が付加されていない場合がある。このため本実施例において、画像処理装置600は、撮影画像と撮影条件とを別々に取得するように構成してもよい。このとき撮影条件取得部602は、撮影画像とは別に(例えば、図7に示される撮像装置700の撮像光学系制御部706または状態検知部707を介して)、撮影条件情報を取得することができる。
次に、図7を参照して、本発明の実施例5における撮像装置の概略構成について説明する。図7は、本実施例における撮像装置700のブロック図である。撮像装置700は、前述の各実施例の画像処理方法を実行可能な画像処理部704(画像処理装置)を備えている。
撮像装置700において、被写体(不図示)は、絞り701a(または遮光部材)およびフォーカスレンズ701bを含む撮像光学系701(光学系)を介して撮像素子702に結像する。本実施例において、撮像光学系701は、撮像素子702を有する撮像装置本体に着脱可能な交換レンズ(レンズ装置)である。ただし本実施例は、これに限定されるものではなく、撮像装置本体と撮像光学系701とが一体的に構成された撮像装置にも適用可能である。
絞り値(F値)は、絞り701aまたは遮光部材により決定される。撮像素子702は、撮像光学系701を介して形成された被写体像(光学像)を光電変換して画像信号(撮影画像データ)を出力する。撮像素子702から出力された電気信号は、A/D変換器703に出力される。A/D変換器703は、撮像素子702から入力された電気信号(アナログ信号)をデジタル信号に変換し、デジタル信号(撮影画像)を画像処理部704に出力する。なお、撮像素子702およびA/D変換器703により、撮像光学系701を介して形成された光学像(被写体像)を光電変換して撮影画像を出力する撮像手段が構成される。
画像処理部704は、A/D変換器703から出力されたデジタル信号(撮像素子702から出力された画像信号から生成された画像)に対して、状態検知部707および記憶部708の各情報を用いて所定の画像処理を行う。特に、本実施例の画像処理部704は、撮影画像の画像回復処理を行い、補正画像(回復画像)を出力する。画像処理部704は、撮影画像取得部601、撮影条件取得部602、光学伝達関数記憶部603、光学伝達関数取得部604、光学伝達関数修正部605、周波数変換部606、および、画像回復部607と同様に機能する各部を含む。
記憶部708(記憶手段)は、撮影条件(撮影条件情報)ごと(撮影時の焦点距離、F値、撮影距離、および、像高の組み合わせごと)に、撮像光学系701の光学伝達関数(光学伝達関数データ)を記憶する。記憶部708は、図6に示される光学伝達関数記憶部603と同様の機能を含む。撮影条件は、例えば、撮像光学系制御部706または状態検知部707により取得される。本実施例において、画像処理部704および記憶部708により画像処理装置が構成される。ただし本実施例において、光学伝達関数記憶部の機能を、画像処理部704の外部に設けられた記憶部708に代えて、画像処理部704の内部に含めてもよい。
画像処理部704は、取得した撮影条件に対応する光学系の光学伝達関数を取得し、撮像素子に関する情報を用いて光学系の光学伝達関数を修正する。そして画像処理部704(周波数変換部)は、修正された光学伝達関数に対してフーリエ逆変換を行い、撮像光学系および撮像素子の特性に応じた点像強度分布を生成する。画像処理部704(画像回復部)は、記憶部708から画像データを読み出し、撮像光学系および撮像素子の特性に応じた点像強度分布を用いて画像回復処理を行う。このとき画像処理部704は、点像強度分布を用いて第nの画像から生成された中間画像と、第nの画像と、第n−1の画像とに基づいて、画素位置ごとの補正量を生成する。そして画像処理部704は、第nの画像と画素位置ごとの補正量とに基づいて、回復画像を生成する。画像回復処理の際には、画像のうちの所定の領域(画像回復処理の対象領域)にのみ画像回復処理を適用するなど、種々の設定(パラメータの設定)が可能である。このようなパラメータは、ユーザが表示部705上で回復処理後の画像を確認しつつ変更可能であることが好ましい。
画像処理部704で処理された出力画像(回復画像)は、画像記録媒体709に所定のフォーマットで記録される。表示部705には、本実施例における画像処理後の画像に表示用の所定の処理を行った画像が表示される。また表示部705は、高速表示のために簡易的な処理を行った画像を表示してもよい。また表示部705は、ユーザが画像回復モードまたは通常撮影モードを選択するためのGUIを表示する。表示部705のGUIを介して、ユーザにより画像回復モードが選択されると、システムコントローラ710は、実施例1、2の画像処理方法を実行するように画像処理部704を制御する。
システムコントローラ710は、CPUやMPUなどにより構成され、撮像装置700の全体の制御を司る。より具体的には、システムコントローラ710は、画像処理部704、表示部705、撮像光学系制御部706、状態検知部707、および、画像記録媒体709の各部を制御する。撮像光学系制御部706は、撮像光学系701の動作を制御する。状態検知部707は、撮像光学系制御部706の情報から撮像光学系701の状態を検知する。なお撮像装置700は、前述の画像処理方法を実現するソフトウエア(画像処理プログラム)を、ネットワークまたは記憶媒体を介してシステムコントローラ710に供給し、システムコントローラ710がそのプログラムを読み出して実行することもできる。
このように各実施例において、画像処理装置は、所定の画像処理の繰り返し処理により画像回復処理を行うように構成されており、決定手段(補正量算出部608)および生成手段(画像生成部609)を有する。決定手段は、所定の画像処理で用いられる補正データ(補正量)を決定する。生成手段は、所定の画像処理において、更新前の画像と補正データとに基づいて更新画像を生成する。決定手段は、繰り返し処理のうちn回目の画像処理において、第nの画像と、第nの画像から生成された中間画像とに基づいて第1の差分データを取得する。また決定手段は、第nの画像と、繰り返し処理のうち第m回目(m<n)の画像処理で用いられた第mの画像とに基づいて第2の差分データを取得する。そして決定手段は、第1の差分データと第2の差分データとに基づいて、n回目の画像処理で用いられる補正データを決定する。
好ましくは、決定手段は、第1の差分データ、第2の差分データ、および、補正データのそれぞれを画素ごと(画素位置ごと)に決定する。また好ましくは、決定手段は、第nの画像と、第mの画像としての第n−1の画像とに基づいて第2の差分データを決定する。
好ましくは、生成手段は、n回目の画像処理において、第nの画像から中間画像を生成し、中間画像と第nの画像とに基づいて第1の差分データを生成し、第nの画像と第mの画像とに基づいて第2の差分データを生成する。そして決定手段は、n回目の画像処理において、第1の差分データと第2の差分データとを比較して補正データを決定する。より好ましくは、決定手段は、第1の差分データの絶対値が第2の差分データの絶対値よりも小さい場合、第1の差分データを補正データとして決定する。一方、決定手段は、第1の差分データの絶対値が前記第2の差分データの絶対値よりも大きい場合、第2の差分データを用いて補正データを決定する。より好ましくは、決定手段は、第1の差分データの絶対値が第2の差分データの絶対値よりも大きい場合、第1の差分データと第2の差分データとの両方を用いて補正データを決定する。より好ましくは、決定手段は、第1の差分データと第2の差分データとの重み付けを行って補正データを決定する。より好ましくは、決定手段は、点像強度分布と第nの画像の輝度値とに基づいて、重み付けを行うために用いられる重み係数を決定する。より好ましくは、決定手段は、点像強度分布と、第nの画像の輝度値のうち所定値以上の輝度値を有する画素とに基づいて、重み係数を決定する。より好ましくは、決定手段は、点像強度分布と、所定値以上の輝度値とに基づいて第nの画像を二値化し、二値化画像に点像強度分布を畳み込むことにより、重み係数を決定する。より好ましくは、決定手段は、ユーザにより入力された所定値の輝度値に基づいて、重み係数を決定する。
好ましくは、生成手段は、n回目の画像処理において、更新前の画像としての第nの画像と、補正データとに基づいて、更新画像としての第n+1の画像を生成する。より好ましくは、生成手段は、第n+1の画像を回復画像として出力する。
(その他の実施例)
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサーがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
各実施例によれば、輝度値が高い領域(高輝度画素領域の周辺部)においても画像の劣化を良好に回復可能な画像処理装置、撮像装置、画像処理方法、画像処理プログラム、および、記憶媒体を提供することができる。
以上、本発明の好ましい実施例について説明したが、本発明はこれらの実施例に限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。
600 画像処理装置
608 補正量算出部(決定手段)
609 画像生成部(生成手段)

Claims (17)

  1. 所定の画像処理の繰り返し処理により画像回復処理を行う画像処理装置であって、
    前記所定の画像処理で用いられる補正データを決定する決定手段と、
    前記所定の画像処理において、更新前の画像と前記補正データとに基づいて更新画像を生成する生成手段と、を有し、
    前記決定手段は、前記繰り返し処理のうちn回目の画像処理において、
    第nの画像と、該第nの画像から生成された中間画像とに基づいて第1の差分データを取得し、
    前記第nの画像と、前記繰り返し処理のうちm回目(m<n)の画像処理で用いられた第mの画像とに基づいて第2の差分データを取得し、
    前記第1の差分データと前記第2の差分データとに基づいて、前記n回目の画像処理で用いられる補正データを決定する、ことを特徴とする画像処理装置。
  2. 前記決定手段は、前記第1の差分データ、前記第2の差分データ、および、前記補正データのそれぞれを画素ごとに決定することを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
  3. 前記決定手段は、前記第nの画像と、前記第mの画像としての第n−1の画像とに基づいて前記第2の差分データを決定することを特徴とする請求項1または2に記載の画像処理装置。
  4. 前記n回目の画像処理において、
    前記生成手段は、
    前記第nの画像から前記中間画像を生成し、
    前記中間画像と前記第nの画像とに基づいて前記第1の差分データを生成し、
    前記第nの画像と前記第mの画像とに基づいて前記第2の差分データを生成し、
    前記決定手段は、前記第1の差分データと前記第2の差分データとを比較して前記補正データを決定する、ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の画像処理装置。
  5. 前記決定手段は、
    前記第1の差分データの絶対値が前記第2の差分データの絶対値よりも小さい場合、該第1の差分データを前記補正データとして決定し、
    前記第1の差分データの絶対値が前記第2の差分データの絶対値よりも大きい場合、前記第2の差分データを用いて前記補正データを決定する、ことを特徴とする請求項4に記載の画像処理装置。
  6. 前記決定手段は、前記第1の差分データの絶対値が前記第2の差分データの絶対値よりも大きい場合、前記第1の差分データと前記第2の差分データとの両方を用いて前記補正データを決定する、ことを特徴とする請求項5に記載の画像処理装置。
  7. 前記決定手段は、前記第1の差分データと前記第2の差分データとの重み付けを行って前記補正データを決定することを特徴とする請求項6に記載の画像処理装置。
  8. 前記決定手段は、点像強度分布と前記第nの画像の輝度値とに基づいて、前記重み付けを行うために用いられる重み係数を決定することを特徴とする請求項7に記載の画像処理装置。
  9. 前記決定手段は、前記点像強度分布と、前記第nの画像の前記輝度値のうち所定値以上の輝度値を有する画素とに基づいて、前記重み係数を決定することを特徴とする請求項8に記載の画像処理装置。
  10. 前記決定手段は、前記点像強度分布と、前記所定値以上の輝度値とに基づいて前記第nの画像を二値化し、二値化画像に該点像強度分布を畳み込むことにより、前記重み係数を決定することを特徴とする請求項9に記載の画像処理装置。
  11. 前記決定手段は、ユーザにより入力された前記所定値の輝度値に基づいて、前記重み係数を決定することを特徴とする請求項9または10に記載の画像処理装置。
  12. 前記生成手段は、前記n回目の画像処理において、前記更新前の画像としての前記第nの画像と、前記補正データとに基づいて、前記更新画像としての第n+1の画像を生成する、ことを特徴とする請求項1乃至11のいずれか1項に記載の画像処理装置。
  13. 前記生成手段は、前記第n+1の画像を回復画像として出力することを特徴とする請求項12に記載の画像処理装置。
  14. 所定の画像処理の繰り返し処理により画像回復処理を行う撮像装置であって、
    撮像光学系を介して形成された光学像を光電変換して画像信号を出力する撮像素子と、
    前記画像信号から生成された画像に関し、前記所定の画像処理で用いられる補正データを決定する決定手段と、
    前記所定の画像処理において、更新前の画像と前記補正データとに基づいて更新画像を生成する生成手段と、を有し、
    前記決定手段は、前記繰り返し処理のうちn回目の画像処理において、
    第nの画像と、該第nの画像から生成された中間画像とに基づいて第1の差分データを取得し、
    前記第nの画像と、前記繰り返し処理のうちm回目(m<n)の画像処理で用いられた第mの画像とに基づいて第2の差分データを取得し、
    前記第1の差分データと前記第2の差分データとに基づいて、前記n回目の画像処理で用いられる補正データを決定する、ことを特徴とする撮像装置。
  15. 所定の画像処理を繰り返して画像回復処理を行う画像処理方法であって、
    前記所定の画像処理で用いられる補正データを決定するステップと、
    前記所定の画像処理において、更新前の画像と前記補正データとに基づいて更新画像を生成するステップと、を有し、
    前記更新画像を生成するステップは、前記繰り返し処理のうち第n回目の画像処理において、
    第nの画像と、該第nの画像から生成された中間画像とに基づいて第1の差分データを取得するステップと、
    前記第nの画像と、前記繰り返し処理のうちm回目(m<n)の画像処理で用いられた第mの画像とに基づいて第2の差分データを取得するステップと、
    前記第1の差分データと前記第2の差分データとに基づいて、前記n回目の画像処理で用いられる補正データを決定するステップと、を含むことを特徴とする画像処理方法。
  16. 所定の画像処理を繰り返して画像回復処理を行う画像処理プログラムであって、
    前記所定の画像処理で用いられる補正データを決定するステップと、
    前記所定の画像処理において、更新前の画像と前記補正データとに基づいて更新画像を生成するステップと、をコンピュータに実行させるように構成されており、
    前記更新画像を生成するステップは、前記繰り返し処理のうちn回目の画像処理において、
    第nの画像と、該第nの画像から生成された中間画像とに基づいて第1の差分データを取得するステップと、
    前記第nの画像と、前記繰り返し処理のうちm回目(m<n)の画像処理で用いられた第mの画像とに基づいて第2の差分データを取得するステップと、
    前記第1の差分データと前記第2の差分データとに基づいて、前記n回目の画像処理で用いられる補正データを決定するステップと、を含むことを特徴とする画像処理プログラム。
  17. 請求項16に記載の画像処理プログラムを記憶していることを特徴とする記憶媒体。
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