以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。図1乃至図9は、本実施の形態に係る紙幣処理装置、このような紙幣処理装置に設けられた紙幣投入機構およびこのような紙幣処理装置による紙幣処理方法を示す図である。このうち、図1は、本実施の形態による紙幣処理装置の外観を示す斜視図であり、図2は、図1に示す紙幣処理装置の内部構成を概略的に示す概略構成図であり、図3は、図1や図2に示す紙幣処理装置における制御系の構成を示す機能ブロック図である。また、図4は、図1等に示す紙幣処理装置における紙幣投入機構の構成を示す側面図であり、図5は、図4に示す紙幣投入機構を手前側から見たときの構成を示す斜視図である。また、図6乃至図8は、それぞれ、図4等に示す紙幣投入機構の投入部にバラ紙幣の束が投入されている状態を示す図である。また、図9は、図1等に示す紙幣処理装置においてバラ紙幣の入金処理が行われる際の動作を示すフローチャートである。
本実施の形態による紙幣処理装置1は、バラ紙幣の入金処理や出金処理を行うことができるとともに、機体内で所定枚数(例えば、100枚)のバラ紙幣から帯封紙幣を形成したり帯封紙幣の出金処理を行ったりすることができるようになっている。このような紙幣処理装置1の内部構成の詳細について図1および図2を用いて説明する。図1および図2に示すように、紙幣処理装置1は略直方体形状の筐体10を有しており、この筐体10の前面には、筐体10の外部から内部にバラ紙幣を入金するための投入部14、筐体10の内部から外部にバラ紙幣を出金するためのバラ紙幣投出部24、筐体10の内部から外部に帯封紙幣を出金するための帯封紙幣投出部48がそれぞれ設けられている。なお、図2における筐体10の左側の側面が紙幣処理装置1の前面側(すなわち、図1に示すように紙幣処理装置1を手前側から見たときの正面側)となっており、図2における右方向が筐体10の奥行き方向となっている。
図1に示すように、投入部14の前面は筐体10の外部に開口しており、操作者はこの開口を介して投入部14の内部にアクセスする(具体的には、投入部14の内部に手を入れる)ことができるようになっている。このことにより、操作者は投入部14の内部にバラ紙幣の束を投入することができるようになる。
一方、バラ紙幣投出部24および帯封紙幣投出部48にはそれぞれシャッター24a、48aが設けられており、これらのシャッター24a、48aは、バラ紙幣投出部24の前面に面する開口(すなわち、バラ紙幣の出金口)や帯封紙幣投出部48の前面に面する開口(すなわち、帯封紙幣の出金口)をそれぞれ開閉するようになっている。そして、シャッター24a、48aによりバラ紙幣投出部24や帯封紙幣投出部48の開口が開かれると、操作者はバラ紙幣投出部24や帯封紙幣投出部48の内部にそれぞれアクセスする(具体的には、バラ紙幣投出部24や帯封紙幣投出部48の内部に手を入れる)ことができるようになり、当該操作者はバラ紙幣投出部24や帯封紙幣投出部48に集積されているバラ紙幣や帯封紙幣を筐体10の内部から外部に取り出すことができるようになる。これらのシャッター24a、48aはシャッター駆動部24b、48b(図3参照)によりそれぞれ駆動されるようになっている。
なお、本実施の形態による紙幣処理装置1では、バラ紙幣投出部24は、バラ紙幣の出金処理が行われる際にバラ紙幣を筐体10の外部に排出するための出金部として機能するとともに、入金処理時に後述する識別部20により識別することができなかったバラ紙幣や、識別部20により正常なバラ紙幣ではないと識別されたバラ紙幣を筐体10の外部に排出するための入金リジェクト部として機能するようになっている。
また、図2に示すように、筐体10の前面におけるバラ紙幣投出部24の下方には、紙幣処理装置1においてバラ紙幣の出金処理が行われる際にバラ紙幣投出部24により筐体10の外部に出金すべきではないと判断されたバラ紙幣が集積される出金リジェクト部26が設けられている。出金リジェクト部26の前面は筐体10の外部に開口しておらず、操作者は筐体10から紙幣処理装置1の本体部分を手前側に引き出さない限りこの出金リジェクト部26にアクセスすることができないようになっている。
図2や図4等に示すように、投入部14には、当該投入部14に投入されたバラ紙幣を1枚ずつ筐体10の内部に繰り出すための繰出部15が設けられている。このような繰出部15の構成の詳細については後述する。また、紙幣処理装置1の筐体10の内部には、当該筐体10内でバラ紙幣を1枚ずつ搬送する搬送部18が設けられており、繰出部15により投入部14から繰り出されたバラ紙幣は搬送部18により筐体10内で搬送されるようになっている。また、搬送部18には識別部20が設けられており、搬送部18により搬送されるバラ紙幣は識別部20によりその金種、真偽、表裏、正損、新旧、搬送状態等が識別されるようになっている。また、搬送部18には表裏反転部22が設けられており、識別部20により識別されたバラ紙幣は表裏反転部22によりその表裏が揃うように反転させられるようになっている。
また、図2に示すように、搬送部18には入金一時保留部30および複数(図2に示す例では4つ)のバラ紙幣収納部32がそれぞれ接続されており、搬送部18からこれらの入金一時保留部30や各バラ紙幣収納部32にバラ紙幣が送られるようになっている。これらの入金一時保留部30や各バラ紙幣収納部32には図2における上下方向に移動可能となっているステージ30a、32aがそれぞれ設けられており、これらのステージ30a、32a上でバラ紙幣が積層状態で集積されるようになっている。
また、入金一時保留部30の上端部の近傍には紙幣繰出繰入部30bが設けられており、当該入金一時保留部30に一時的に保留されているバラ紙幣は紙幣繰出繰入部30bより1枚ずつ搬送部18に繰り出されるようになっている。また、紙幣繰出繰入部30bにより搬送部18から入金一時保留部30にバラ紙幣が1枚ずつ繰り入れられるようになっている。ここで、入金一時保留部30には、バラ紙幣の入金処理において識別部20により識別されたバラ紙幣が各バラ紙幣収納部32に収納される前に一時的に保留されるようになっている。
また、各バラ紙幣収納部32の上端部の近傍には紙幣繰出繰入部32bが設けられており、各バラ紙幣収納部32に収納されているバラ紙幣は紙幣繰出繰入部32bにより1枚ずつ搬送部18に繰り出されるようになっている。また、紙幣繰出繰入部32bにより搬送部18から各バラ紙幣収納部32にバラ紙幣が1枚ずつ繰り入れられるようになっている。ここで、各バラ紙幣収納部32には、それぞれ予め設定された特定の金種のバラ紙幣が収納されるようになっている。なお、予め設定された特定の金種のバラ紙幣が収納されるバラ紙幣収納部32が4つ設けられる代わりに、複数のバラ紙幣収納部32のうち少なくとも1つのバラ紙幣収納部32に複数の金種のバラ紙幣が混合状態で収納されるようになっていてもよい。
図1および図2に示すように、筐体10の下部には前扉10aが設けられており、この前扉10aを開くことにより操作者は入金一時保留部30の内部にアクセスすることができるようになっている。また、入金一時保留部30および各バラ紙幣収納部32は、筐体10の内部から手前側に(すなわち、図2における左方向に)引き出し可能となっている引出ユニット11(図2参照)に収容されている。そして、操作者が前扉10aを開いて引出ユニット11を筐体10の内部から手前側に引き出すことにより、当該操作者は各バラ紙幣収納部32を引出ユニット11から取り外したり装着したりすることができるようになる。
また、図2に示すように、搬送部18には複数(図2に示す例では2つ)の整理一時保留部40が接続されており、当該搬送部18から各整理一時保留部40にバラ紙幣が送られるとこれらの整理一時保留部40にバラ紙幣が積層状態で集積されるようになっている。また、本実施の形態による紙幣処理装置1では、所定枚数(例えば、100枚)のバラ紙幣からなる紙幣束に帯封紙を巻くことにより帯封紙幣を形成する帯封部42が各整理一時保留部40の隣に設けられている。
また、図2に示すように、筐体10の内部において帯封部42の近傍にはアーム機構44が設けられており、当該アーム機構44は各整理一時保留部40、帯封部42および後述する帯封紙幣揚送部46の間で移動可能となっている。このようなアーム機構44は、各整理一時保留部40に集積された所定枚数のバラ紙幣からなる紙幣束を帯封部42に搬送するようになっている。また、帯封部42において帯封処理が行われる際に、所定枚数のバラ紙幣からなる紙幣束を保持しているアーム機構44はこの帯封部42に移動し、当該帯封部42においてアーム機構44の上下一対のアーム部により挟持された状態にある紙幣束の外周面に帯封紙が巻かれるようになっている。また、帯封部42において帯封処理が行われた後、アーム機構44は帯封部42から帯封紙幣揚送部46に移動して、この帯封紙幣揚送部46のステージ46a(後述)上に帯封紙幣を受け渡すことができるようになっている。
帯封紙幣揚送部46には、図2における上下方向に移動可能となっているステージ46aが設けられており、帯封部42により作成された帯封紙幣がアーム機構44からステージ46a上に受け渡されると、当該ステージ46a上に帯封紙幣が集積されるようになる。そして、アーム機構44からステージ46a上に帯封紙幣が受け渡された後、ステージ46aが図2における上方向に移動することにより帯封紙幣投出部48と同じ高さレベルに到達すると、ステージ46a上から帯封紙幣投出部48に帯封紙幣を受け渡すことができるようになる。このような状態でシャッター48aが開くと、操作者は帯封紙幣投出部48の内部にアクセスしてこの帯封紙幣投出部48に集積されている帯封紙幣を筐体10の外部に取り出すことができるようになる。また、ステージ46aが更に上昇すると、当該ステージ46a上に集積されている帯封紙幣を後述する帯封紙幣搬送部60に受け渡したり、帯封紙幣搬送部60から帯封紙幣をステージ46a上に集積させたりすることができるようになる。
図2に示すように、筐体10の内部における上部領域には、複数(図2に示す例では4つ)の帯封紙幣収納部70が設けられており、これらの帯封紙幣収納部70には、帯封部42により作成された帯封紙幣が積層状態で収納されるようになっている。具体的には、各帯封紙幣収納部70には、それぞれ予め設定された特定の金種の帯封紙幣が収納されるようになっている。なお、予め設定された特定の金種のバラ紙幣が収納される帯封紙幣収納部70が4つ設けられる代わりに、複数の帯封紙幣収納部70のうち少なくとも1つの帯封紙幣収納部70に金種が異なる帯封紙幣が混合状態で収納されるようになっていてもよい。
各帯封紙幣収納部70の内部にはそれぞれ図2における上下方向に移動可能となっているステージ70aが設けられており、帯封紙幣収納部70の上端部(天井部分)に設けられた開口(図示せず)からこれらの各帯封紙幣収納部70に送られた帯封紙幣はステージ70a上に積層状態で集積されるようになっている。また、各帯封紙幣収納部70から帯封紙幣を出す場合には、ステージ70aが上昇することにより各帯封紙幣収納部70の上端部(天井部分)に設けられた開口から帯封紙幣が上方に出されるようになる。
また、これらの各帯封紙幣収納部70の上方には帯封紙幣の搬送を行う帯封紙幣搬送部60が設けられている。帯封紙幣搬送部60は、複数の突起60aが等間隔で設けられた循環ベルト60bを有しており、この循環ベルト60bは図2における時計回りの方向および反時計回りの方向の両方向に循環移動することができるようになっている。そして、帯封紙幣搬送部60により帯封紙幣が搬送される際に、当該帯封紙幣は循環ベルト60bの下面に沿って突起60aにより引っ掛けられた状態で図2における左右いずれかの方向に移動するようになる。また、図2に示すように、帯封紙幣搬送部60による帯封紙幣の搬送路における帯封紙幣揚送部46の上端と帯封紙幣収納部70との間には判別部62が設けられており、帯封紙幣搬送部60により搬送される帯封紙幣は当該判別部62によりその金種が判別されるようになっている。
ここで、帯封部42により形成された帯封紙幣を各帯封紙幣収納部70に収納させる際には、アーム機構44から帯封紙幣が帯封紙幣揚送部46のステージ46a上に受け渡された後に当該ステージ46aが上昇して帯封紙幣搬送部60の近傍の位置まで到達するようになる。また、循環ベルト60bは図2における反時計回りの方向に循環移動する。このことにより、ステージ46a上の帯封紙幣が突起60aにより引っ掛けられて循環ベルト60bの下面に沿って図2における右方向に搬送され、判別部62によりその金種が判別された後、当該判別部62による判別結果に基づいて対応する各帯封紙幣収納部70に収納されるようになる。一方、各帯封紙幣収納部70に収納されている帯封紙幣を帯封紙幣投出部48により筐体10の外部に出金する際には、循環ベルト60bは図2における時計回りの方向に循環移動し、各帯封紙幣収納部70から上方に押し出された帯封紙幣が突起60aにより引っ掛けられて循環ベルト60bの下面に沿って図2における左方向に搬送されるようになる。また、ステージ46aが上昇して帯封紙幣搬送部60の近傍の位置まで到達するようになる。そして、帯封紙幣搬送部60により搬送される帯封紙幣の金種が判別部62により判別された後、当該帯封紙幣はステージ46a上に集積される。複数の帯封紙幣を出金する際には、帯封紙幣の送り込みに合わせてステージ46aが所定量(具体的には、帯封紙幣の厚み寸法相当)ずつ下降する。ステージ46a上に所定の数の帯封紙幣が集積されると当該ステージ46aが受渡し位置まで下降してこのステージ46a上から帯封紙幣投出部48に帯封紙幣が受け渡されるようになる。
次に、本実施の形態による紙幣処理装置1における投入部14や繰出部15の構成の詳細について図4および図5を用いて説明する。
図4および図5に示すように、投入部14は、操作者により当該投入部14に投入された複数のバラ紙幣が積層状態で載置される載置板14aを有しており、この載置板14aには、繰出部15における左右一対のキッカローラ15d(後述)が通る貫通穴が設けられている。このことにより、各キッカローラ15dは載置板14aの上面から上方に突出するようになり、載置板14aに載置された積層状態の複数のバラ紙幣のうち最下層のバラ紙幣が各キッカローラ15dにより蹴り出されるようになっている。
また、投入部14の内部には、載置板14a上に紙幣が存在するか否かを検知するための残留検知センサ14bが設けられている。残留検知センサ14bは、投入部14の内部における紙幣が集積される領域を挟むよう設けられた発光素子および受光素子を含む光センサとなっており、発光素子から発せられた光が載置板14a上に載置されている紙幣によって遮断されて受光素子により受けられなくなっているときに載置板14a上に紙幣が存在することが検知されるようになっている。
繰出部15は、左右一対のフィードローラ15aと、各フィードローラ15aに対向するよう設けられ、各フィードローラ15aとの間にニップ部を形成する左右一対のゲートローラ15bと、載置板14aに載置されたバラ紙幣を各フィードローラ15a側に向かって蹴り出すキッカローラ15c、15dとを有している。各フィードローラ15aは図4における時計回りの方向に回転するようになっており、各ゲートローラ15bは各フィードローラ15aと連れ回ることにより図4における反時計回りの方向に回転するようになっている。また、キッカローラ15cは、載置板14aに載置されたバラ紙幣の幅方向(すなわち、繰出部15によるバラ紙幣の繰出方向に直交する方向)に沿って並ぶよう3つ設けられており、各キッカローラ15cは図4における時計回りの方向に回転するようになっている。また、キッカローラ15dは、載置板14aに載置されたバラ紙幣の幅方向に沿って並ぶよう2つ設けられており、各キッカローラ15dは図4における時計回りの方向に回転するようになっている。ここで、各キッカローラ15c、15dは、載置板14aに載置された積層状態の複数のバラ紙幣のうち最下層のバラ紙幣を各フィードローラ15a側に向かって蹴り出すようになっており、蹴り出されたこのバラ紙幣は各フィードローラ15aと各ゲートローラ15bとの間に形成されるニップ部を通ることにより1枚ずつに分離され、このニップ部を通ったバラ紙幣が筐体10の内部に繰り出されて搬送部18に送られるようになっている。
また、図4に示すように、載置板14aの裏側(すなわち、バラ紙幣が載置される側とは反対側の面)には、投入部14に投入されたバラ紙幣の束に含まれる硬貨やクリップ等の金属を検知するための金属検知部16が設けられている。金属検知部16としては例えば磁気センサが用いられるようになっているが、他の例として静電容量計が金属検知部16として用いられるようになっていてもよい。このような磁気センサや静電容量計等からなる金属検知部16を載置板14aの裏側に設けることにより、投入部14に投入されたバラ紙幣の束に硬貨やクリップ等の金属が含まれているか否かを検知することができるようになる。なお、後述するように、投入部14にバラ紙幣の束の追加投入を行う操作者の手に金属製の装飾品(例えば、指輪や腕時計等)が装着されている場合には、このような操作者の手に装着されている金属製の装飾品も金属検知部16で検知されるおそれがある。
また、本実施の形態による紙幣処理装置1では、投入部14の内部への操作者のアクセスを検知するためのアクセス検知部17が当該投入部14の前面開口に設けられている。図4および図5に示す例では、投入部14の前面開口において上下方向に並ぶよう3つのアクセス検知部17が設けられており、各アクセス検知部17は、発光素子17aおよび受光素子17bを含む光センサとなっている。そして、各アクセス検知部17において、発光素子17aから発せられた光が受光素子17bにより受けられる際の当該光の経路(図5において二点鎖線で表示)の少なくとも一部が投入部14に位置している。このような各アクセス検知部17が投入部14の前面開口に設けられている場合には、操作者が投入部14にバラ紙幣の束を投入する際にこのバラ紙幣を持った手を投入部14の内部に入れると、発光素子17aから発せられた光が操作者の手によって遮断されて受光素子17bにより受けられなくなる。そして、各アクセス検知部17は、発光素子17aから発せられた光が受光素子17bにより受けられなくなったときに、投入部14の内部への操作者のアクセスを検知するようになる。
また、発光素子17aおよび受光素子17bを含む光センサからなるアクセス検知部17を投入部14の前面開口に設けた場合には、バラ紙幣の束を投入部14の内部に投入した際に載置板14a上の所定の箇所にバラ紙幣が載置されず、載置板14a上で投入部14の手前側にバラ紙幣が飛び出してしまったときに、このような載置板14a上で投入部14の手前側に飛び出したバラ紙幣をアクセス検知部17によって検知することができるようになる。このことにより、繰出部15によるバラ紙幣の繰出不良が発生してしまうことを防止することができるようになる。
なお、投入部14の前面開口に設けられるアクセス検知部17として、発光素子17aおよび受光素子17bを含む光センサを用いる代わりに、投入部14の前面開口を撮像する撮像カメラやビデオカメラ等を用いてもよい。この場合には、アクセス検知部17は、撮像カメラやビデオカメラ等により撮像された投入部14の前面開口の画像や動画に基づいて、投入部14の内部への操作者のアクセスを検知するようになる。
本実施の形態では、これらの投入部14、繰出部15、金属検知部16およびアクセス検知部17により、紙幣処理装置1の筐体10の外部から内部にバラ紙幣を投入するための紙幣投入機構12が構成されている。
また、本実施の形態による紙幣処理装置1では、上記の搬送部18、識別部20、表裏反転部22、入金一時保留部30、各バラ紙幣収納部32、帯封部42、アーム機構44、帯封紙幣揚送部46、帯封紙幣搬送部60、帯封紙幣収納部70等により、紙幣投入機構12により機体内に投入されたバラ紙幣の処理を行う紙幣処理部が構成されている。
また、本実施の形態の紙幣処理装置1には、当該紙幣処理装置1の各構成部材の制御を行う制御部80が設けられている。より詳細には、図3に示すように、制御部80には、紙幣処理装置1の投入部14、繰出部15、金属検知部16、アクセス検知部17、搬送部18、識別部20、表裏反転部22、入金一時保留部30(具体的には、入金一時保留部30に設けられたステージ30aの駆動機構(図示せず)や紙幣繰出繰入部30b)、各バラ紙幣収納部32(具体的には、各バラ紙幣収納部32に設けられたステージ32aの駆動機構(図示せず)や紙幣繰出繰入部32b)、帯封部42、アーム機構44、帯封紙幣揚送部46、帯封紙幣搬送部60、判別部62、各帯封紙幣収納部70(具体的には、各帯封紙幣収納部70に設けられたステージ70aの駆動機構(図示せず))、各シャッター24a、48aを開閉させるシャッター駆動部24b、48b等がそれぞれ接続されている。そして、識別部20によるバラ紙幣の識別結果に係る信号や判別部62による帯封紙幣の金種の判別結果に係る情報等が制御部80に送られるとともに、制御部80は紙幣処理装置1の各構成部材に指令信号を送ることによりこれらの構成部材の動作を制御するようになっている。
また、図3に示すように、制御部80には操作表示部82、記憶部84、判定手段86および通信インターフェース部88がそれぞれ通信可能に接続されている。操作表示部82は紙幣処理装置1の前面や上面に設けられたタッチパネル等からなり、当該操作表示部82には、紙幣処理装置1における紙幣の処理状況や、各バラ紙幣収納部32や各帯封紙幣収納部70に収納されているバラ紙幣や帯封紙幣の在高等に関する情報が表示されるようになっている。また、操作者は操作表示部82により制御部80に対して様々な指令を与えることができるようになっている。
記憶部84には、紙幣処理装置1における紙幣の処理履歴や、各バラ紙幣収納部32や各帯封紙幣収納部70に収納されているバラ紙幣や帯封紙幣の在高等に関する情報が記憶されるようになっている。
判定手段86は、金属検知部16による検知結果およびアクセス検知部17による検知結果に基づいて、投入部14に投入されたバラ紙幣の束に金属が含まれているか否かを判定するようになっている。具体的には、判定手段86は、アクセス検知部17が投入部14の内部への操作者のアクセスを検知していない状態で金属検知部16により金属が検知されたときに投入部14に投入されたバラ紙幣の束に金属が含まれていると判定する。また、判定手段86は、アクセス検知部17が投入部14の内部への操作者のアクセスを検知している状態で金属検知部16により金属が検知されたときには投入部14に投入されたバラ紙幣の束に金属が含まれていると判定しない。このような技術的事項により、操作者が投入部14にバラ紙幣の束の追加投入を行う際に当該操作者の手に金属製の装飾品が装着されているときでも、投入部14に投入されたバラ紙幣の束に金属が含まれていると誤って判定されてしまうことを防止することができる。このような判定手段86による判定方法の詳細については後述する。
また、制御部80は通信インターフェース部88を介して本実施の形態による紙幣処理装置1とは別に設けられた上位端末としての管理装置100に対して信号の送受信を行うことができるようになっている。なお、本実施の形態では、紙幣処理装置1と管理装置100との間で信号の送受信を行うことによって、管理装置100は紙幣処理装置1の管理を行うことができるようになっている。また、このような紙幣処理装置1および管理装置100を組み合わせることにより、紙幣の処理を行う紙幣処理システムが構成されている。
また、本実施の形態による紙幣処理装置1では、制御部80は、投入部14に投入されたバラ紙幣の束に金属が含まれていると判定手段86により判定されたときに当該判定手段86による判定結果に関する情報を出力する出力手段として機能するようになっている。このような出力手段として機能する制御部80により出力された情報は、例えば操作表示部82に表示されたり、記憶部84に記憶されたり、あるいは通信インターフェース部88を介して上位端末としての管理装置100に送信されたりするようになっている。また、制御部80は、投入部14に投入されたバラ紙幣の束に金属が含まれていると判定手段86により判定されたときに繰出部15によるバラ紙幣の繰出動作を停止させるよう当該繰出部15の制御を行うようになっている。さらに、制御部80は、投入部14に投入されたバラ紙幣の束に金属が含まれていると判定手段86により判定されている状態では、停止されている繰出部15が動作しないよう当該繰出部15の制御を行うようになっている。このような制御部80による繰出部15の制御内容の詳細については後述する。
次に、このような構成からなる紙幣処理装置1においてバラ紙幣の入金処理が行われる際の動作について図6乃至図8に示す紙幣投入機構12の側面図および図9に示すフローチャートを用いて説明する。
本実施の形態による紙幣処理装置1が待機状態となっているときに、図6に示すように操作者が投入部14にバラ紙幣の束を投入した後、入金処理開始の指令を操作者が操作表示部82により入力したり上位端末等の外部装置から通信インターフェース部88を介して制御部80に入金処理開始の指令が送信されたりすることにより制御部80に入金処理開始の指令が与えられると(STEP1の「YES」)、紙幣処理装置1において紙幣の入金処理が開始される。具体的には、投入部14にバラ紙幣が存在することが残留検知センサ14bにより検知されている状態で(STEP2の「YES」)、金属検知部16により金属が検知されていない場合には(STEP3の「NO」)、投入部14に投入されたバラ紙幣は繰出部15により1枚ずつ筐体10内に繰り出され(STEP4)、搬送部18により1枚ずつ搬送される。そして、搬送部18により搬送されるバラ紙幣は識別部20によりその金種、真偽、表裏、正損、新旧、搬送状態等が識別される(STEP5)。また、識別部20により識別されたバラ紙幣は表裏反転部22によりその表裏が整えられる。そして、識別部20により正常な紙幣ではないと識別された紙幣、すなわち入金リジェクト紙幣は表裏反転部22から搬送部18によりバラ紙幣投出部24に送られる。上述したように、バラ紙幣投出部24は、識別部20により正常なバラ紙幣ではないと識別されたバラ紙幣を筐体10の外部に排出するための入金リジェクト部として機能するようになっている。そして、投入部14に投入されたバラ紙幣が全て筐体10内に繰り出されると、バラ紙幣投出部24に設けられたシャッター24aが開かれるようになり、操作者はバラ紙幣投出部24に集積された入金リジェクト紙幣を手動で取り出し、投入部14に再投入等することができるようになる。
一方、識別部20により正常な紙幣であると識別されたバラ紙幣は、表裏反転部22から搬送部18により入金一時保留部30に送られ、この入金一時保留部30で一時的に保留されるようになる(STEP5)。そして、投入部14に投入されたバラ紙幣が全て筐体10内に繰り出されて入金一時保留部30またはバラ紙幣投出部24に送られることにより、投入部14において載置板14a上のバラ紙幣が残留検知センサ14bにより検知されなくなると(STEP6の「NO」)、操作表示部82には操作者に対して入金確定の指令を促すメッセージが表示される。そして、操作表示部82に表示される当該メッセージを見た操作者が操作表示部82により入金確定の指令を入力すると(STEP7の「YES」)、入金一時保留部30から紙幣繰出繰入部30bによりバラ紙幣が1枚ずつ搬送部18に繰り出され、当該搬送部18により各バラ紙幣収納部32に例えば金種毎にバラ紙幣が送られる。このことにより、投入部14に投入されたバラ紙幣が各バラ紙幣収納部32に金種毎に収納されるようになる。一方、投入部14において載置板14a上のバラ紙幣が残留検知センサ14bにより検知されなくなった後(STEP6の「NO」)、操作者が操作表示部82により入金確定の指令ではなく返却の指令を入力すると(STEP7の「NO」およびSTEP9の「YES」)、入金一時保留部30から紙幣繰出繰入部30bによりバラ紙幣が1枚ずつ搬送部18に繰り出され、この繰り出されたバラ紙幣は搬送部18によりバラ紙幣投出部24に送られるようになる。そして、入金一時保留部30に一時的に保留されているバラ紙幣が全てバラ紙幣投出部24に送られるとシャッター24aが開くようになる。このことにより、操作者はバラ紙幣投出部24から返却紙幣を取り出すことができるようになる(STEP10)。
なお、本実施の形態による紙幣処理装置1では、投入部14の載置板14a上に載置されているバラ紙幣が繰出部15により筐体10の内部に繰り出されている最中に、図8に示すように操作者は追加紙幣を投入部14に投入することができるようになっている。このような投入部14への追加投入が行われる場合には、投入部14の内部への操作者のアクセスがアクセス検知部17により検知されるようになる。
ここで、本実施の形態による紙幣処理装置1において上述したバラ紙幣の入金処理が行われている間に、金属検知部16により金属が検知されると(STEP3の「YES」)、投入部14の内部への操作者のアクセスがアクセス検知部17により検知されている場合には(STEP11の「YES」)、判定手段86は投入部14に投入されたバラ紙幣の束に金属が含まれていると判定しない。アクセス検知部17が投入部14の内部への操作者のアクセスを検知している状態で金属検知部16により金属が検知された場合には、図8に示すように投入部14に紙幣の追加投入を行う操作者の手に装着されている金属製の装飾品(図8において参照符号Mで表示)が金属検知部16により検知された可能性があるため、投入部14に投入されたバラ紙幣の束に金属が含まれていると判定手段86が判定しないことにより、判定手段86による誤判定を防止することができるようになる。この場合には、繰出部15による紙幣の繰出動作が停止させられることなく(STEP4)、紙幣処理装置1においてバラ紙幣の入金処理が引き続き行われるようになる。
これに対し、金属検知部16により金属が検知されたときに(STEP3の「YES」)、投入部14の内部への操作者のアクセスがアクセス検知部17により検知されていない場合には(STEP11の「NO」)、図7に示すように投入部14に投入されたバラ紙幣の束に金属(図7において参照符号Sで表示)が含まれていると考えられるため、判定手段86は投入部14に投入されたバラ紙幣の束に金属が含まれていると判定する(STEP12)。この場合には、制御部80は、繰出部15による紙幣の繰出動作を停止させるよう当該繰出部15の制御を行う(STEP13)。このことにより、投入部14に投入されたバラ紙幣の束に含まれている金属が繰出部15により筐体10の内部に繰り出されてしまうことを防止することができる。また、制御部80は、判定手段86による判定結果に係る情報を出力し、出力された情報を操作表示部82に表示させる(STEP14)。このことにより、操作表示部82には、例えば「入金口に異物(金属)があります。取り除いてください。」という警告メッセージがポップアップ表示されるようになる。なお、制御部80により出力された、判定手段86による判定結果に係る情報は、記憶部84に記憶されたり、あるいは通信インターフェース部88を介して上位端末としての管理装置100に送信されたりするようになっていてもよい。
そして、操作表示部82にポップアップ表示された警告メッセージを見た操作者が投入部14の内部から金属を取り除き、金属検知部16により金属が検知されなくなると(STEP15の「YES」)、操作表示部82にポップアップ表示された警告メッセージが消え、紙幣処理装置1は待機状態となる。なお、この際に、操作表示部82において投入部14から金属が取り除かれた旨のメッセージがポップアップ表示されるようになっていてもよい。そして、操作者が操作表示部82の表示画面における例えばスタートボタンを押下することにより入金処理開始の指令を制御部80に与えると(STEP1の「YES」)、紙幣処理装置1において紙幣の入金処理が再開されるようになる。このように、本実施の形態では、投入部14に投入された紙幣の束に金属が含まれていると判定手段86により判定されたときに(STEP12)、繰出部15による紙幣の繰出動作が停止するようになっている(STEP13)。また、投入部14に投入された紙幣の束に金属が含まれていると判定手段86により判定されている状態では(STEP15の「NO」)、停止されている繰出部15が動作しないようになっている。
以上のような構成からなる本実施の形態の紙幣処理装置1によれば、投入部14に投入されたバラ紙幣の束に含まれる金属を検知するための金属検知部16および投入部14への操作者のアクセスを検知するためのアクセス検知部17がそれぞれ設けられており、判定手段86は、アクセス検知部17が投入部14への操作者のアクセスを検知していない状態で金属検知部16により金属が検知されたときに投入部14に投入されたバラ紙幣の束に金属が含まれていると判定するようになっている。このことにより、投入部14にバラ紙幣の投入を行う(具体的には、例えば投入部14へのバラ紙幣の追加投入を行う)操作者の手に金属製の装飾品が装着されている場合に、投入部14に投入された紙幣の束に金属が含まれていると誤って判定されてしまうことを防止することができる。
また、本実施の形態の紙幣処理装置1においては、上述したように、制御部80は、投入部14に投入されたバラ紙幣の束に金属が含まれていると判定手段86により判定されたときに当該判定手段86による判定結果に関する情報を出力する出力手段として機能するようになっている。このことにより、出力手段としての制御部80により出力された、判定手段86による判定結果が操作者に報知されるようになるため、当該操作者は投入部14から金属を迅速に取り出すことができるようになる。
また、本実施の形態の紙幣処理装置1においては、上述したように、判定手段86は、アクセス検知部17が投入部14への操作者のアクセスを検知している状態で金属検知部16により金属が検知されたときに投入部14に投入されたバラ紙幣の束に金属が含まれていると判定しないようになっている。
また、本実施の形態の紙幣処理装置1においては、上述したように、投入部14に投入されたバラ紙幣の束に金属が含まれていると判定手段86により判定されたときに繰出部15によるバラ紙幣の繰出動作が停止するようになっている。このことにより、投入部14に投入されたバラ紙幣の束に含まれている金属が繰出部15により筐体10の内部に繰り出されてしまうことを防止することができる。
また、本実施の形態の紙幣処理装置1においては、上述したように、投入部14に投入されたバラ紙幣の束に金属が含まれていると判定手段86により判定されている状態では、停止されている繰出部15が動作しないようになっている。このことにより、投入部14に投入されたバラ紙幣の束に含まれている金属が繰出部15により筐体10の内部に繰り出されてしまうことを防止することができる。ここで、本実施の形態では、金属検知部16により金属が検知されることによって投入部14に投入されたバラ紙幣の束に金属が含まれていると判定手段86により判定されたときに繰出部15によるバラ紙幣の繰出動作が停止した場合に限られず、別の要因により繰出部15によるバラ紙幣の繰出動作が最初から停止している場合にも、投入部14に投入されたバラ紙幣の束に金属が含まれていないと判定手段86により判定されるようになるまで、停止されている繰出部15が動作しないようになっていてもよい。
また、本実施の形態の紙幣処理装置1においては、上述したように、アクセス検知部17は、発光素子17aおよび受光素子17bを含む光センサを有しており、発光素子17aから発せられた光が受光素子17bにより受けられる際の当該光の経路の少なくとも一部が投入部14に位置しており、発光素子17aから発せられた光が遮断されて受光素子17bにより受けられなくなったときに投入部14への操作者のアクセスが検知されるようになっている。
なお、本発明による紙幣処理装置1やこのような紙幣処理装置1に設けられた紙幣投入機構12、このような紙幣処理装置1および管理装置100を備えた紙幣処理システムは、上述したような態様に限定されることはなく、様々な変更を加えることができる。
例えば、本発明に係る紙幣投入機構12を単体で用いることができるようになっており、本発明の発明特定事項が紙幣投入機構12に全て含まれるようになっていてもよい。この場合には、アクセス検知部17が投入部14への操作者のアクセスを検知していない状態で金属検知部16により金属が検知されたときに投入部14に投入されたバラ紙幣の束に金属が含まれているか否かを判定する判定手段や、投入部14に投入されたバラ紙幣の束に金属が含まれていると判定手段により判定されたときに当該判定手段による判定結果に関する情報を出力する出力手段が、それぞれ紙幣投入機構12に設けられるようになる。ここで、紙幣投入機構12に設けられる判定手段や出力手段は、図3に示す紙幣処理装置1における判定手段86や制御部80における出力手段と略同一の機能を果たすようになる。このような紙幣投入機構12によれば、上述した紙幣処理装置1と同様に、投入部14への操作者のアクセスを検知していない状態で金属検知部16により金属が検知されたときに投入部14に投入されたバラ紙幣の束に金属が含まれていると判定することにより、投入部14へのバラ紙幣の投入を行う操作者の手に金属製の装飾品が装着されている場合に、投入部14に投入されたバラ紙幣の束に金属が含まれていると誤って判定されてしまうことを防止することができる。
また、上述した紙幣処理装置1および管理装置100を組み合わせることにより本発明に係る紙幣処理システムが構成されるようになっている場合には、アクセス検知部17が投入部14への操作者のアクセスを検知していない状態で金属検知部16により金属が検知されたときに投入部14に投入されたバラ紙幣の束に金属が含まれているか否かを判定する判定手段や、投入部14に投入されたバラ紙幣の束に金属が含まれていると判定手段により判定されたときに当該判定手段による判定結果に関する情報を出力する出力手段が、紙幣処理装置1ではなく管理装置100に設けられていてもよい。この場合、判定手段のみが管理装置100に設けられ、紙幣処理装置1の制御部80が上記の出力手段の機能を果たすようになっていてもよく、あるいは、判定手段および出力手段の両方が管理装置100に設けられていてもよい。また、更に別の紙幣処理システムの例では、上記の判定手段が紙幣処理装置1に設けられるとともに、上記の出力手段が管理装置100に設けられるようになっていてもよい。
また、変形例に係る紙幣処理装置1や紙幣投入機構12において、アクセス検知部17が投入部14への操作者のアクセスを検知しているときには金属検知部16が作動しないようになっていてもよい。具体的には、図8に示すように操作者が投入部14に追加のバラ紙幣を投入するために当該投入部14の内部に手を入れ、アクセス検知部17により投入部14への操作者のアクセスが検知されると、金属検知部16としての磁気センサや静電容量計等に電力が供給されなくなったりこれらの磁気センサや静電容量計等のスイッチが自動でオフとされたりすることにより、金属検知部16としての磁気センサや静電容量計等が作動しないようになる。この場合には、投入部14にバラ紙幣の追加投入を行う操作者の手に金属製の装飾品が装着されていてもこの金属製の装飾品が金属検知部16により検知されなくなる。
また、更に別の変形例に係る紙幣処理装置1や紙幣投入機構12において、投入部14の前面に面する開口(すなわち、バラ紙幣の入金口)を開閉するシャッターおよび当該シャッターの開閉状態を検知する開閉検知センサが設けられていてもよい。そして、シャッターにより投入部14の前面開口が開かれた場合にのみ、操作者は投入部14の内部にアクセスし、この投入部14にバラ紙幣の束を投入することができるようになる。一方、繰出部15によるバラ紙幣の繰出動作は、シャッターにより投入部14の前面開口が閉じられているときに行われるようになっている。また、操作者が投入部14にバラ紙幣の追加投入を行う場合には、繰出部15によるバラ紙幣の繰出動作を一旦停止させた後、シャッターを移動させて投入部14の前面開口を開いた後にバラ紙幣を持った手を当該投入部14の内部に入れるようになる。このような紙幣処理装置1や紙幣投入機構12では、判定手段86は、シャッターにより投入部14の前面開口が開かれている状態で金属検知部16により金属が検知されたときに、投入部14に投入されたバラ紙幣の束に金属が含まれていると判定しないようになっていてもよい。すなわち、判定手段86は、シャッターにより投入部14の前面開口が閉じられている状態で金属検知部16により金属が検知されたときにのみ、投入部14に投入されたバラ紙幣の束に金属が含まれていると判定するようになっていてもよい。シャッターにより投入部14の前面開口が開かれている状態では、操作者が投入部14にバラ紙幣の追加投入を行っていると考えられるため、判定手段86が上記の方法で投入部14に投入されたバラ紙幣の束に金属が含まれているか否かを判定する場合には、投入部14にバラ紙幣の投入を行う操作者の手に金属製の装飾品が装着されておりこの金属製の装飾品が金属検知部16により検知された際に、投入部14に投入されたバラ紙幣の束に金属が含まれていると誤判定されてしまうことを防止することができる。
また、上記の説明では、本発明に係る紙葉類投入機構、紙葉類処理装置、紙葉類処理システムおよび紙葉類処理方法として、紙幣の処理を行うことができるものが用いられる例について述べたが、本発明に係る紙葉類投入機構、紙葉類処理装置、紙葉類処理システムおよび紙葉類処理方法はこのような例に限定されることはない。本発明に係る紙葉類投入機構、紙葉類処理装置、紙葉類処理システムおよび紙葉類処理方法として、紙幣以外の紙葉類(例えば、商品券や小切手等)の処理を行うことができるものが用いられてもよい。
また、硬貨の入金処理や出金処理等を行う硬貨処理装置において、筐体の内部から外部に硬貨を投出するための硬貨投出部に、金属を検知するための金属検知部および硬貨投出部への操作者のアクセスを検知するためのアクセス検知部をそれぞれ設けてもよい。この場合、硬貨処理装置に設けられた制御部は、アクセス検知部が硬貨投出部への操作者のアクセスを検知していない状態で金属検知部により金属が検知されたときにのみ、硬貨投出部に取り忘れ硬貨が存在すると判定するようになっていてもよい。この場合には、制御部による上記の判定結果が当該制御部から出力され、出力された判定結果に関する情報が例えば表示部に表示されることにより、操作者は硬貨投出部に取り忘れ硬貨が存在することに気づくことができるようになり、よって硬貨投出部からの硬貨の取り忘れを防止することができるようになる。