JP2017027034A - エッジライト型バックライト用白色反射フィルム及びそれを用いた液晶ディスプレイ用バックライト - Google Patents

エッジライト型バックライト用白色反射フィルム及びそれを用いた液晶ディスプレイ用バックライト Download PDF

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善彦 坂口
Yoshihiko Sakaguchi
善彦 坂口
剛志 舩冨
Tsuyoshi Funatomi
剛志 舩冨
博門 仲村
Hirokado Nakamura
博門 仲村
前川 茂俊
Shigetoshi Maekawa
茂俊 前川
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Abstract

【課題】経済性、製膜性、白色性、反射性、軽量性、表面形状に優れ、この白色反射フィルムを用いることにより輝度特性及び他部材との相性に優れたバックライトを安価に提供する。
【解決手段】次の(i)〜(iv)を満たすエッジライト型バックライト用白色反射フィルム
(i)表層(A)と気泡を含有する基材層(B)から構成された積層フィルムであること
(ii)表層(A)は実質的に粒子を含まないこと
(iii)表層(A)の表面の中心面平均粗さ(SRa)が90nm以上300nm未満であること
(iv)表層(A)に脂環構造を持つポリエステルを含有する樹脂層を有すること
(v)前記脂環構造がシクロプロパン環、シクロブタン環、シクロペンタン環、シクロヘキサン環のいずれかであること。
【選択図】なし

Description

本発明は、液晶バックライトの輝度ムラ改善を図る白色反射フィルムに関するものである。さらに詳しくは、エッジライト方式の液晶ディスプレイ用バックライト及び看板・自動販売機などの照明用面光源等に好適に用いられる白色反射フィルムに関するものである
液晶ディスプレイでは液晶セルを照らすバックライトが用いられており、直下方式およびエッジライト方式、に分かれる。直下方式では光源として冷陰極管や発光ダイオード(LED)を画面直下に多数配置され、主に高い輝度が要求されるTV用途に採用される一方、エッジライト方式では画面の端部に光源を配置して、導光板を使用することで面光源にしていることから薄型化が可能であり、薄型化が要求されるタブレット、ノートパソコン、デスクトップモニター、TV用途に採用されている。これらのバックライト用反射フィルムとしては、気泡により形成された多孔質の白色フィルムが一般的に用いられている(特許文献1)。エッジライト型に用いられる反射フィルムには、高い反射性能はもちろんのこと、特に導光板との相性が求められる。これまで導光板と白色フィルムが接触することで発生する白点ムラ(点状に明るく視認される部分)や振動により導光板上印刷部分にキズがつき、輝度ムラを発生する問題に対して、適切な硬度の球状粒子を塗布したり、基材白色フィルムの剛性、反射特性等を改良することで、画面上の輝度ムラ改善を図ってきた(特許文献2、3)。
特開平8−262208号公報 特開2003−92018号公報 特許5578177号公報
しかし、近年タブレットやノートパソコンの長期耐久性、衝撃耐久性の要求が強くなっており、重荷重打点試験と言われる耐久性試験に耐え得る反射フィルムが要求されるようになっている。この局所的に衝撃試験することにより、反射フィルム表面凹凸と導光板が強く接することで、導光板表面にキズが発生して、結果として輝度ムラが発生する問題が発生する。
特許文献2、3に記載の従来技術では、白点ムラ(点状に明るく視認される部分)や振動により導光板上印刷層へのキズ発生を抑制できていたが、近年要求されているタブレットやノートパソコンでの衝撃耐久性を十分に満足することはできない。
そこで、本発明は、上記従来の検討では達成し得なかった耐衝撃耐久性、優れた反射性、及び表面形状を有するフィルムを安価に提供することを課題とする。
本発明は、上記課題を解決するために、次の(1)〜(3)のいずれかの手段を採用する。
(1)次の(i)〜(v)を満たすエッジライト型バックライト用白色反射フィルム
(i)表層(A)と気泡を含有する基材層(B)から構成された積層フィルムであること
(ii)表層(A)は実質的に粒子を含まないこと
(iii)表層(A)の表面の中心面平均粗さ(SRa)が90nm以上300nm未満であること
(iv)表層(A)に脂環構造を持つポリエステルを含有する樹脂層を有すること
(v)前記脂環構造がシクロプロパン環、シクロブタン環、シクロペンタン環、シクロヘキサン環のいずれかであること。
(2)前記(A)層にイソフタル酸成分を共重合成分とする共重合ポリエチレンテレフタレートを含有する、前記(1)に記載のエッジライト型バックライト用白色反射フィルム
(3)前記(1)または(2)のいずれかに記載のフィルムを用いて構成されており、且つ、発光ダイオードを光源とする液晶ディスプレイ用バックライト。
本発明によれば、白色反射フィルムの導光板に接する側(使用時における反射面側、導光板に対向する側)の表層(A)に粒子を添加することなく、特殊な構造のポリマーを選択し、特定の範囲の表面粗さに制御することで、バックライトの衝撃試験において導光板へのキズ付きを抑える白色反射フィルムを提供することができる。本発明で得られた白色反射フィルムは、LED光源を備えたエッジライト方式のバックライト及び照明用面光源に用いた際に、導光板へのキズ付きを抑えることで、これまで以上に輝度ムラを少なくすることができ、好適である。
本発明は、前記課題、すなわちエッジライト型バックライトにおける衝撃試験において導光板へのキズ付きを抑える白色反射フィルムについて鋭意検討した結果、白色反射フィルムの導光板に接する側(使用時における反射面側、導光板に対向する側)の表層(A)に粒子を添加することなく、特殊な構造のポリマーを選択し、表面粗さが特定の範囲の場合に、前記課題を一挙に解決することを究明したものである
なお、輝度ムラとは、バックライトを点灯した際に目視にて観察される下記に記載するムラを意味する。
(i)スジ状のムラ
(ii)水たまり状のムラ
(iii)暗部となって見えるムラ
また、白点ムラとは、バックライトを点灯した際に目視にて観察される長径5cm未満の楕円体の点状のムラを意味する。
以下、本発明にかかる白色反射フィルムについて詳細を説明する。
[白色反射フィルムの基本構成]
本発明の白色反射フィルムは、表層(A)と気泡を含有する基材層(B)とからなり、製膜の容易さと効果を考慮すると2層以上の構成が必要であり、3層構成が好ましい。特に層(A)にて層(B)を保護する形態、すなわち、層(A)/層(B)/層(A)の3層構成が好ましい。また、さらに多層となる場合、芯層部が層(B)であり、片側または両側の表層部が層(A)であることが好ましい。
[表層(A)]
表層(A)は導光板と接した際に発生する輝度ムラや衝撃試験後の輝度ムラが発生しないよう、実質的に粒子を添加・配合することなく、表面凹凸を形成する必要がある。実質的に粒子を含まないとは、表層(A)の総質量を100質量%に対して、3質量%以下が好ましく、特に好ましくは1質量%以下である。イソフタル酸成分を共重合成分とする共重合ポリエチレンテレフタレートを表層(A)に添加すると、製膜性の点で好ましく、更には脂環構造を持つポリエステルとの延伸性の違いから表面粗さを大きくする効果がある。イソフタル酸成分を共重合成分とする共重合ポリエチレンテレフタレートは表層(A)の総質量を100質量%に対して、20質量%以上50質量%未満が好ましい。20重量%未満では、製膜安定性の効果が低い、または、表面凹凸形成の効果が低い場合がある。また、50重量%以上では、耐熱性が低下する場合がある。
[表層(A)の表面粗さ]
本発明の白色反射フィルムにおいて、層(A)表面の中心面平均粗さ(SRa)が90nm以上300nm未満が必要であり、好ましくは120〜300nm、最も好ましくは120〜250nmである。90nm未満の場合、光沢度が高くなり、表面に付着する埃が視認しやすくなり、また、エッジライト型バックライトでの輝度ムラ、特に白点が発生しやすくなる。一方、300nm以上の場合、導光板との振動試験時に表層(A)の表面が削れて、導光板ドットに転写する汚れ問題が発生しやすくなる。
表層(A)の表面の中心面平均粗さは以下の方法によって測定された値である。
JIS B0601(2001)に基づき、中心面平均粗さ(SRa)を小坂研究所製、触針式表面粗さ計(型番:ET 4000A)を用いて測定した。条件は下記の通りであり、5回の測定の平均値をもって値とした。
・触針先端半径:0.1μm
・触針荷重 :100μN
・測定長 :1.0mm
・カットオフ値:0.25mm
[表層(A)の厚み]
本発明の白色反射フィルムにおいて、表層(A)の厚みとしては、4μm以上12μm以下が好ましい。4μm未満だと製膜時の破れが多くハンドリング性が低下したり、十分な表面凹凸が形成されない場合がある。また、12μmより厚いと輝度低下を招く場合がある。より好ましくは、6μm以上12μm以下である。
[脂環構造を持つポリエステル]
本発明では表層(A)は衝撃試験後の輝度ムラが発生しないよう、実質的に粒子を添加・配合することなく、表面凹凸を形成する必要があるため、相溶性の異なる脂環構造を持つポリエステルを使用すると、適切な表面凹凸が形成される。脂環構造としてはシクロプロパン環、シクロブタン環、シクロペンタン環、シクロヘキサン環が好ましい。酸成分としてテレフタル酸ジメチルを、ジオール成分として1,3−シクロプロパンジオール、1,3−シクロブタンジオール、1,3ーシクロペンタンジオール、1,4―シクロヘキサンジメタノールを、200ppmのブチルスズトリス(2−エチルヘキサノエート)の存在下で重縮合反応を行い、脂環構造を有するポリエステルペレットを得ることが出来る。
シクロブタン環を有するポリエステルとしては“TRITAN”(登録商標)(Eastman Chemical Company社製)、シクロヘキサン環を有するポリエステルとしてはEASTAR”(登録商標)(Eastman Chemical Company社製)等を好適に使用することができる。
脂環構造を持つポリエステルの添加量としては、特に限定されるものではないが、表層(A)の総質量を100質量%に対して、10質量%以上40質量%以下が好ましく、特に好ましくは15質量%以上35質量%以下である。10質量%未満になるとエッジライト型バックライトでの輝度ムラ、特に白点が発生しやすくなる。
[気泡を含有する基材層(B)]
本発明の白色反射フィルムは、基材層(B)内部に気泡を有することが白色性、反射特性のために必要であるが、層(B)を構成するポリエステルあるいはポリプロピレンと非相溶な成分を含有させ2軸延伸することによって、気泡を形成させることができる。
これらの製造方法例としては、特許3734172公報に記載の硫酸バリウムを非相溶な成分としたポリエステルの例や特開2012−158167公報に記載の酸化チタンを非相溶な成分としたポリプロピレンが開示されており、有機系の非相溶樹脂では有機物の具体例としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリメチルペンテン、シクロペンタジエンなどのような直鎖状、分鎖状あるいは環状のポリオレフィンが挙げられる。このポリオレフィンは単独重合体であっても共重合体であってもよく、さらには2種以上を併用してもよい。これらの中でも、透明性に優れ、かつ耐熱性に優れるという点で、結晶性ポリオレフィしては、ポリプロピレンやポリメチルペンテンなどが、非晶性ポリオレフィンとしては、シクロオレフィン共重合体などが好ましく用いられる。
本発明において、非相溶な成分の添加量は、気泡を含有する基材層(B)の総質量を100質量%としたときに5〜50質量%であることが好ましく、5〜30質量%であることがより好ましい。非相溶な成分(d)の含有量が5質量%未満であると、フィルム内部に気泡が十分に生成されず、白色性や光反射特性に劣ることがある。一方、非相溶な成分(d)の含有量が50質量%を越えると、フィルムの強度が低下し、延伸時の破断が起こりやすくなる上、後加工の際に粉発生等の不都合を生じる場合がある。含有量をかかる範囲内にすることにより、十分な白色性・反射性・軽量性を発現せしめることができる。
[製膜方法]
本発明の2軸延伸フィルムの製造方法について、その一例を説明するが、本発明は、かかる例のみに限定されるものではない。
表層(A)については、ポリエステルあるいはポリプロピレンと脂環構造を持つポリエステル及び必要に応じて各種添加剤を含む混合物を、十分真空乾燥を行い、加熱された押出機に供給する。脂環構造を持つポリエステルの添加は、事前に均一に溶融混練して作製されたマスターチップを用いても、もしくは直接混練押出機に供給してもよい。
気泡を含有する基材層(B)については、ポリエステルあるいはポリプロピレンと非相溶な成分、及び必要に応じて分散剤を含む混合物を、十分真空乾燥を行い、加熱された押出機に供給する。非相溶な成分の添加は、事前に均一に溶融混練して作製されたマスターチップを用いても、もしくは直接混練押出機に供給してもよい。
また、溶融押出に際してはメッシュ40μm以下のフィルターにて濾過した後に、Tダイ口金内に導入し押出成形により溶融シートを得ることが好ましい。
この溶融シートを表面温度10〜60℃に冷却されたドラム上で静電気により密着冷却固化し、未延伸A/B/A3層フィルムを作製する。該未延伸3層フィルムを70〜120℃、好ましくは70〜100℃に加熱されたロール群に導き、長手方向(縦方向、すなわちフィルムの進行方向)に2.5〜4倍延伸し、20〜50℃の温度のロール群で冷却する。
続いて、フィルムの両端をクリップで把持しながらテンターに導き、90〜150℃の温度に加熱された雰囲気中で、長手方向に直角な方向(幅方向)に2.5〜4倍に延伸する。
延伸倍率は、長手方向と幅方向それぞれ2.5〜4倍とするが、その面積倍率(縦延伸倍率×横延伸倍率)は9〜16倍であることが必要であり、10〜12倍であることがより好ましい。面積倍率が9倍未満であると、得られる白色反射フィルムの気泡や凹凸の形成、及びフィルム強度が不十分となり、面積倍率が16倍を超えると延伸時に破れを生じ易くなる。
得られた2軸延伸フィルムの結晶配向を完了させて、寸法安定性を付与するために、引き続きテンター内にて150〜240℃の温度で1〜30秒間の熱処理を行い、均一に徐冷後、室温まで冷却し、その後必要に応じて、他素材との密着性をさらに高めるためにコロナ放電処理などを行い、巻き取ることにより、本発明の白色反射フィルムを得ることができる。上記熱処理工程中に、幅方向あるいは長手方向に3〜12%の弛緩処理を施すのが好ましい。
[エッジライト型バックライト]
本発明の白色反射フィルムは、エッジライト型バックライトに好適に用いられる。エッジライト型バックライトは、例えば凹凸を有する筐体に、本発明の白色反射フィルム、導光板がこの順に組み込まれてなり、白色フィルムは、表層(A)の側が導光板に対向するように組み込まれる。また、導光板のエッジ部分には、LEDなどの光源が設置される。さらに、導光板の前面(白色反射フィルムとは反対側)には、拡散板、プリズムなどが設置されても良い。
[白色反射フィルムの用途]
本発明の白色反射フィルムは、バックライトに用いられるが、中でも、エッジライト方式の液晶ディスプレイ用バックライト、及び、看板や自動販売機等の照明用面光源に好適に使用することができる。
その他にも、各種面光源を構成する反射板や、反射特性が要求される太陽電池モジュールの封止フィルムやバックシートとしても好適に使用することができる。他に、紙代替、すなわちカード、ラベル、シール、宅配伝票、ビデオプリンタ用受像紙、インクジェット、バーコードプリンタ用受像紙、ポスター、地図、無塵紙、表示板、白板、感熱転写、オフセット印刷、テレフォンカード、ICカードなどの各種印刷記録に用いられる受容シートの基材、壁紙等の建材、屋内外で使用する照明器具や間接照明器具、自動車・鉄道・航空機等に搭載する部材、回路材料用等の電子部品としても用いることが出来る。
[物性の測定ならびに効果の評価方法]
測定方法
本発明の物性値の評価方法ならびに効果の評価方法は次の通りである。
A.表面粗さ
JIS B0601(2001)に基づき、中心面平均粗さ(SRa)を小坂研究所製、触針式表面粗さ計(型番:ET 4000A)を用いて測定した。条件は下記の通りであり、5回の測定の平均値をもって値とした。
・触針先端半径:0.1μm
・触針荷重 :100μN
・測定長 :1.0mm
・カットオフ値:0.25mm
B.導光板との相性
(i)導光板汚れ
40インチ液晶テレビ(ソニー社製、KDL−40EX700)を分解し、LEDを光源とするエッジライト型のバックライトを取り出した。発光面の大きさは、89cm×50cmであり、対角の長さは102.2cmであった。このバックライトから導光板を取り出し、該導光板を5cm角に切り出し、導光板の凹凸部分と本発明の白色反射フィルムの表層(A)を重ね合わせ、表層(A)の反対側の上に500gの分銅を載せ、本発明の白色反射フィルムの表層(A)を擦るように3cm×5往復させる。その後、5cm角の導光板の、本発明の白色反射フィルム表面に接触していた表層(A)面を顕微鏡にて観察し、下記の通りの評価結果とした。
A:優良 (付着物が見えない)
B:良好 (よく観察すると付着物が見える)
F:劣る (付着物が見える)
上記のAおよびBを合格とした。
(i i )重荷重打点試験
上記バックライトから取り出した導光板を5cm角に切り出し、導光板の凹凸部分と本発明の白色反射フィルムの表層(A)を重ね合わせ、表層(A)の反対側の上に直径1mmのSUS製の円柱状の棒にて200gの加重で、1000回打点試験を行う。その後、白色反射フィルムの表層(A)が接触していた導光板の面を顕微鏡にて観察し、下記の通りの評価結果とした。
A:優良 (傷が見えない)
B:良好 (よく観察すると傷が見える)
F:劣る (傷が見える)
上記のAおよびBを合格とした。
(i i i)輝度ムラ
新品のハイセンスジャパン株式会社製32型液晶TV LHD32K15JPバックライト内に張り合わせてある反射フィルムを、本発明の白色反射フィルムに変更し、点灯させた。その状態で1時間待機して光源を安定化させた後、500lxの照明環境下または暗所環境下において目視で輝度ムラとして認識できるものを観察し、下記の通りの評価結果とした。なお、ここでいう輝度ムラとは、反射フィルムと導光板が接触することによる輝点によるものである。
A:優良 (500lxの照明環境下、暗所環境下ともに、輝度ムラが見えない。)
B:良好 (500lxの暗所環境下においては、輝度ムラが見えるが、照明環境下においては、輝度ムラが見えない。)
F:劣る (500lxの照明環境下、暗所環境下ともに、輝度ムラが見える。)
上記のAおよびBを合格とした。
C.製膜安定性
実施例・比較例において製膜した際に、フィルム破れが1回/日以下しか生じず、かつ粒子脱落などによる工程汚染ないものをA、フィルム破れは1回/日以下しか生じないが、ロール表面への汚れの蓄積が肉眼で確認できるものをB、フィルム破れが2回/日以上3回/日以下発生するものをF、大量生産にはB以上の製膜性が必要であり、A以上であるとさらにコスト低減効果がある。
D.フィルム厚み・層厚み
フィルムの厚みは、JIS C2151−2006に準じて測定した。
フィルムをミクロトームを用いて厚み方向に切断し、切片サンプルを得た。
該切片サンプルの断面を日立製作所製電界放射型走査電子顕微鏡(FE−SEM)S−800を用いて、3,000倍の倍率で撮像し、撮像から積層厚みを採寸し各層厚みを算出した。
以下実施例等によって本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
(原料)
・表層(A)
酸成分としてテレフタル酸を、ジオール成分としてエチレングリコールを用い、三酸化アンチモン(重合触媒)を得られるポリエステルペレットに対してアンチモン原子換算で300ppmとなるように添加し、重縮合反応を行い、極限粘度0.63dl/g、カルボキシル末端基量40当量/トンのポリエチレンテレフタレートペレット(PET)を得た。同様の方法でイソフタル酸を添加することでポリエチレンテレフタレート/イソフタレート共重合物(PET−I)を得た。同様の方法でブタンジオールを添加することでポリブチレンテレフタレート(PBT)を得た。これらのTgはそれぞれ、PETが78℃、PETIが75℃、PBTが60℃であった。
・脂環構造を持つポリエステル
酸成分としてテレフタル酸ジメチルを、ジオール成分としてCHDM(シクロヘキサンジメタノール)及び2,2,4,4−テトラメチル−1,3−シクロブタンジオールを、200ppmのブチルスズトリス(2−エチルヘキサノエート)の存在下で重縮合反応を行い、116℃のTgの共重合ポリエステルを得た。また、上市されている商品(例えば、脂環構造aとして、“TRITAN” (Eastman Chemical Company社製)、脂環構造bとして“EASTAR”(登録商標)(Eastman Chemical Company社製))を用いた。これらは、ジオール成分を構成する共重合成分が特徴的であり、例えば、EASTARはシクロヘキサン環、TRITANはシクロブタン環成分をそれぞれ有している。
(実施例1〜10)
PET57質量部、ポリブチレンテレフタレートとポリテトラメチレングリコールの(PBT/PTMG)共重合物を5質量部(商品名:東レデュポン社製ハイトレル)、エチレングリコールに対し1,4−シクロヘキサンジメタノールが33mol%共重合された共重合ポリエチレンテレフタレート(33mol%CHDM共重合PET)8質量部、ポリ(5−メチル)ノルボルネン20質量部、ルチル型酸化チタン10重量部を調整混合し、180℃で3時間乾燥させた後、270〜300℃に加熱された押出機Bに供給(B層)した。
一方、層(A)として、PET、PET−I、脂環構造a“TRITAN” (Eastman Chemical Company社製)、脂環式構造b“EASTAR”(登録商標) (Eastman Chemical Company社製)を表1に示す割合で混合し、180℃で3時間真空乾燥した後、280℃に加熱された押出機Aに供給し(A層)、これらポリマーをA層/B層/A層(8μm/134μm/8μm)となるように積層装置を通して積層し、
Tダイよりシート状に成形した。さらにこのフィルムを表面温度25℃の冷却ドラムで冷却固化した未延伸フィルムを85〜98℃に加熱したロール群に導き、長手方向に3.4倍縦延伸し、21℃のロール群で冷却した。続いて、縦延伸したフィルムの両端をクリップで把持しながらテンターに導き120℃に加熱された雰囲気中で長手に垂直な方向に3.6倍横延伸した。その後テンター内で200℃の熱固定を行い、均一に徐冷後、室温まで冷却し二軸延伸された積層フィルムを得た。光反射用基材としての物性は表1に示した。このように本発明の白色反射フィルムは安定に製膜でき、表面形状(重荷重打点試験、導光板汚れ、輝度ムラ低減)に優れた特性を示した。
(比較例1〜8)
主押出機と副押出機を有する複合製膜装置において、表2に示した値に変更して製膜を行った。
B層については実施例1と同様な原料・条件で押出機Bに供給(B層)した。
一方、層(A)として、比較例1,2では、表層(A)に硫酸バリウム(“バリエース”B56、堺化学社製)を使用したところ、導光板にキズが発生した。比較例3〜6では、脂環構造bとして“EASTAR”(登録商標)(Eastman Chemical Company社製)、脂環構造cとして“ECOZEN”(イソソルビド構造を有するポリエステル、SK chemicals社製))を表2に示す割合で混合し、実施例1と同様な原料・条件で押出機Aに供給し、白色反射フィルムを作製したところ、比較例3、4、6ではSRaが小さく輝度ムラが発生し、比較例5ではSRaが大きく導光板汚れが発生した。比較例7,8では表層(A)の厚みが薄いためSRaが小さく輝度ムラが発生した。
Figure 2017027034
Figure 2017027034
本発明の白色反射フィルムは、バックライトに用いられるが、中でも、エッジライト方式の液晶ディスプレイ用バックライト、及び、看板や自動販売機等の照明用面光源に好適に使用することができる。
その他にも、各種面光源を構成する反射板や、反射特性が要求される太陽電池モジュールの封止フィルムやバックシートとしても好適に使用することができる。他に、紙代替、すなわちカード、ラベル、シール、宅配伝票、ビデオプリンタ用受像紙、インクジェット、バーコードプリンタ用受像紙、ポスター、地図、無塵紙、表示板、白板、感熱転写、オフセット印刷、テレフォンカード、ICカードなどの各種印刷記録に用いられる受容シートの基材、壁紙等の建材、屋内外で使用する照明器具や間接照明器具、自動車・鉄道・航空機等に搭載する部材、回路材料用等の電子部品としても用いることが出来る。

Claims (3)

  1. 次の(i)〜(v)を満たすエッジライト型バックライト用白色反射フィルム。
    (i)表層(A)と気泡を含有する基材層(B)から構成された積層フィルムであること
    (ii)表層(A)は実質的に粒子を含まないこと
    (iii)表層(A)の表面の中心面平均粗さ(SRa)が90nm以上300nm未満であること
    (iv)表層(A)に脂環構造を持つポリエステルを含有する樹脂層を有すること
    (v)前記脂環構造がシクロプロパン環、シクロブタン環、シクロペンタン環、シクロヘキサン環のいずれかであること。
  2. 前記(A)層にイソフタル酸成分を共重合成分とする共重合ポリエチレンテレフタレートを含有する請求項1に記載のエッジライト型バックライト用白色反射フィルム。
  3. 請求項1〜2のいずれかに記載のフィルムを用いて構成されており、且つ、発光ダイオードを光源とする液晶ディスプレイ用バックライト。
JP2016128630A 2015-07-21 2016-06-29 エッジライト型バックライト用白色反射フィルム及びそれを用いた液晶ディスプレイ用バックライト Pending JP2017027034A (ja)

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