JP2017026716A - 光学系及び撮像装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明の課題は、小型化、軽量化を図りつつ、大口径で結像性能が高く、変倍域全域において広い波長域の光線を良好に収差補正することができる変倍光学系、及び当該変倍光学系を備えた撮像装置を提供することにある。
【解決手段】上記課題を解決するため、物体側から順に配置される、正の第1レンズ群G1、負の第2レンズ群G2、正の第3レンズ群G3、正の第4レンズ群G4、及び、正の第5レンズ群G5から構成され、第3レンズ群G3は正レンズと負レンズとをそれぞれ少なくとも1枚含み、且つ、実質的に3枚以下のレンズから構成され、広角端から望遠端への変倍に際し、第1レンズ群G1及び第3レンズ群G3を固定し、各レンズ群間の距離を相対的に変化させ、所定の条件を満足することを特徴とする変倍光学系とする。
【選択図】図1

Description

本件発明は、光学系及び撮像装置に関し、特に、デジタルスチルカメラやデジタルビデオカメラ等の固体撮像素子を用いた撮像装置に好適な光学系及び当該光学系を備えた撮像装置に関する。
従来より、デジタルスチルカメラ、デジタルビデオカメラ等の固体撮像素子を用いた撮像装置が普及している。これらの撮像装置は種々の分野で利用されている。近年、固体撮像素子の高画素化が進み、300万画素以上の固体撮像素子が一般的に使用されるようになってきている。また、固体撮像素子の高感度化も進んでおり、このような固体撮像素子に対応可能な結像性能が高く、明るい大口径比の撮像光学系が求められている。また、撮像装置の小型化も進んでいることから、撮像光学系の小型化、軽量化も求められている。
さらに、近年、防犯、防災等の種々の目的で、店舗等の商業施設、駅や空港等の公共的施設、工場等など各種施設に監視用撮像装置が設置されるようになってきている。監視用撮像装置には、監視対象領域の監視を常時行うことが求められる。そのため、夜間等の低照度環境下でも撮像が可能な撮像光学系が求められている。さらに、より広範囲を監視可能な変倍撮像光学系が求められている。
例えば、特許文献1には、正・負・正・正・負の5群構成からなり、高画素数の固体撮像素子に対応可能な変倍撮像光学系が記載されている。当該変倍撮像光学系は、変倍域全域で明るい画像を得ることができる。また、変倍域全域に渡って、諸収差を良好に補正することができるため、良好な結像性能を有する。
しかしながら、当該特許文献1に記載の変倍光学系では、第5レンズ群が負の屈折力を有する。そのため、各レンズ群の焦点距離を適切に設定しなければ、広角化、高性能化、大口径化が困難である。また、特許文献1に記載の第3レンズ群及び第4レンズ群のレンズ構成では、近赤外線波長域の光線の収差補正を良好に行うことが困難である。そのため、可視光波長域の光線を用いて撮像を行う場合は、変倍域全域に渡って良好な結像性能が得られるが、近赤外波長域の光線を用いて撮像を行った場合は結像性能が低下する蓋然性が高い。
一方、特許文献2には正・負・正・正・正の5群構成からなり、変倍率が高く、高画素数の固体撮像素子に好適な変倍光学系が記載されている。この特許文献2に記載の変倍光学系では、第5レンズ群が正の屈折力を有する。そのため、特許文献1に記載の変倍光学系のように第5レンズ群が負の屈折力を有する場合と比較すると、広角化、高性能化、大口径化を図ることが容易になる。また、特許文献2に記載の変倍光学系は、可視光波長域だけではなく、近赤外波長域においても収差補正を良好に行うことがで、変倍域全域に渡って良好な結像性能を実現している。
しかしながら、特許文献2に記載の変倍光学系では、第1レンズ群の焦点距離が適切ではなく、第3レンズ群及び第4レンズ群を構成するレンズ枚数が多い。このため、当該変倍光学系は、小型化、軽量化が十分ではなく、小型で簡易な構成の撮像装置には適していない。
特開2014−56055号公報 特開2013−171207号公報
そこで、本発明の課題は、小型化、軽量化を図りつつ、大口径で結像性能が高く、変倍域全域において広い波長域の光線を良好に収差補正することができる変倍光学系、及び当該変倍光学系を備えた撮像装置を提供することにある。
上記課題を解決するために、本件発明に係る変倍光学系は、物体側から順に配置される、正の屈折力を有する第1レンズ群、負の屈折力を有する第2レンズ群、正の屈折力を有する第3レンズ群、正の屈折力を有する第4レンズ群、及び、正の屈折力を有する第5レンズ群から構成され、前記第3レンズ群は正レンズと負レンズとをそれぞれ少なくとも1枚含み、且つ、実質的に3枚以下のレンズから構成され、広角端から望遠端への変倍に際し、前記第1レンズ群及び前記第3レンズ群を光軸方向に固定し、各レンズ群間の距離を相対的に変化させ、以下の条件式で表される条件を満足することを特徴とする。
2.5 ≦ f1/fw ≦ 5.5 ・・・(1)
0.005 ≦ fw/f13w ≦ 0.270 ・・・(2)
ただし、
fwは、広角端における無限遠合焦時の当該変倍光学系全系の焦点距離であり、
f1は、前記第1レンズ群の焦点距離であり、
f13wは、広角端における無限遠合焦時の前記第1レンズ群、前記第2レンズ群及び前記第3レンズ群の合成焦点距離である。
また、上記課題を解決するために、本件発明に係る撮像装置は上記変倍光学系と、当該変倍光学系の像側に設けられ、前記変倍光学系によって形成された光学像を電気的信号に変換する撮像素子とを備えたことを特徴とする。
本件発明によれば、小型化、軽量化を図りつつ、大口径で結像性能が高く、変倍域全域において広い波長域の光線を良好に収差補正することができる。
本件発明の実施例1の変倍光学系の広角端及び望遠端におけるレンズ構成例を示す断面図である。 実施例1の変倍光学系の広角端における無限遠合焦時の球面収差図、非点収差図及び歪曲収差図である。 実施例1の変倍光学系の望遠端における無限遠合焦時の球面収差図、非点収差図及び歪曲収差図である。 本件発明の実施例2の変倍光学系の広角端及び望遠端におけるレンズ構成例を示す断面図である。 実施例2の変倍光学系の広角端における無限遠合焦時の球面収差図、非点収差図及び歪曲収差図である。 実施例2の変倍光学系の望遠端における無限遠合焦時の球面収差図、非点収差図及び歪曲収差図である。 本件発明の実施例3の変倍光学系の広角端及び望遠端におけるレンズ構成例を示す断面図である。 実施例3の変倍光学系の広角端における無限遠合焦時の球面収差図、非点収差図及び歪曲収差図である。 実施例3の変倍光学系の望遠端における無限遠合焦時の球面収差図、非点収差図及び歪曲収差図である。 本件発明の実施例4の変倍光学系の広角端及び望遠端におけるレンズ構成例を示す断面図である。 実施例4の変倍光学系の広角端における無限遠合焦時の球面収差図、非点収差図及び歪曲収差図である。 実施例4の変倍光学系の望遠端における無限遠合焦時の球面収差図、非点収差図及び歪曲収差図である。 本件発明の実施例5の変倍光学系の広角端及び望遠端におけるレンズ構成例を示す断面図である。 実施例5の変倍光学系の広角端における無限遠合焦時の球面収差図、非点収差図及び歪曲収差図である。 実施例5の変倍光学系の望遠端における無限遠合焦時の球面収差図、非点収差図及び歪曲収差図である。 本件発明の実施例6の変倍光学系の広角端及び望遠端におけるレンズ構成例を示す断面図である。 実施例6の変倍光学系の広角端における無限遠合焦時の球面収差図、非点収差図及び歪曲収差図である。 実施例6の変倍光学系の望遠端における無限遠合焦時の球面収差図、非点収差図及び歪曲収差図である。 本件発明の実施例7の変倍光学系の広角端及び望遠端におけるレンズ構成例を示す断面図である。 実施例7の変倍光学系の広角端における無限遠合焦時の球面収差図、非点収差図及び歪曲収差図である。 実施例7の変倍光学系の望遠端における無限遠合焦時の球面収差図、非点収差図及び歪曲収差図である。 本件発明の実施例8の変倍光学系の広角端及び望遠端におけるレンズ構成例を示す断面図である。 実施例8の変倍光学系の広角端における無限遠合焦時の球面収差図、非点収差図及び歪曲収差図である。 実施例8の変倍光学系の望遠端における無限遠合焦時の球面収差図、非点収差図及び歪曲収差図である。 本件発明の実施例9の変倍光学系の広角端及び望遠端におけるレンズ構成例を示す断面図である。 実施例9の変倍光学系の広角端における無限遠合焦時の球面収差図、非点収差図及び歪曲収差図である。 実施例9の変倍光学系の望遠端における無限遠合焦時の球面収差図、非点収差図及び歪曲収差図である。 異常分散性を説明するための図である。
以下、本件発明に係る変倍光学系及び撮像装置の実施の形態を説明する。
1.変倍光学系
1−1.変倍光学系の構成
本件発明に係る変倍光学系は、物体側から順に配置される、正の屈折力を有する第1レンズ群、負の屈折力を有する第2レンズ群、正の屈折力を有する第3レンズ群、正の屈折力を有する第4レンズ群、及び、正の屈折力を有する第5レンズ群から構成され、第3レンズ群は正レンズと負レンズとをそれぞれ少なくとも1枚含み、且つ、実質的に3枚以下のレンズから構成され、広角端から望遠端への変倍に際し、第1レンズ群及び第3レンズ群を光軸方向に固定し、各レンズ群間の距離を相対的に変化させ、後述する条件式(1)及び条件式(2)で表される条件を満足することを特徴とする。まず、本件発明に係る変倍光学系の構成について説明する。
本件発明に係る変倍光学系は、物体側から順に、正・負・正・正・正のパワー配置を有する。すなわち、最も像側に正の屈折力を有する第5レンズ群を備える。そのため、第5レンズ群が負の屈折力を有する場合と比較すると、より高い収差補正効果が得られ、非常に高い解像力を有する高性能な変倍光学系を得ることが容易である他、広角化、大口径化を図ることが容易である。なお、本件発明に係る変倍光学系は、いわゆるズームレンズであってもよいし、バリフォーカルレンズであってもよいし、特に限定されるものではない。また、当該変倍光学系は、可視光波長域の光線から近赤外波長域の光線まで、広い波長域の光線を用いることができる。
以下、各レンズ群の具体的な構成について説明する。但し、各レンズ群を構成するレンズ等において満足すべき条件式、或いは満足することが好ましい条件式に関する事項は後述する。
(1)第1レンズ群
第1レンズ群は正の屈折力を有するレンズ群であり、第1レンズ群全体で正の屈折力を有する限り、その具体的なレンズ構成は特に限定されるものではない。
(2)第2レンズ群
第2レンズ群は負の屈折力を有するレンズ群であり、第2レンズ群全体で負の屈折力を有する限り、その具体的なレンズ構成は特に限定されるものではない。しかしながら、当該第2レンズ群は少なくとも負レンズを1枚有するものとし、正レンズを少なくとも1枚含むことが好ましい。第2レンズ群を正のレンズを少なくとも1枚含む構成とすることにより、球面収差、コマ収差、像面湾曲、色収差を適切に補正することができ、結像性能の高い変倍光学系を得ることができる。
また、第2レンズ群は物体側から順に配置される、負レンズ及び正レンズをそれぞれ少なくとも1枚含むと共に、更に、当該負レンズよりも像側に非球面を有する負レンズを1枚含む構成とすれば、より良好に収差補正を行うことができる。但し、当該変倍光学系の大型化、重量化を抑制するため、第2レンズ群を構成するレンズ枚数は実質的に3枚以下であることが好ましい。
(3)第3レンズ群
第3レンズ群は正の屈折力を有するレンズ群であり、正レンズと負レンズとをそれぞれ少なくとも1枚含み、実質的に3枚以下のレンズから構成されるものとする。正の屈折力を有する第3レンズ群に負レンズを少なくとも1枚配置することで、広い波長域の光線に対して収差補正を良好に行うことができる。第3レンズ群において、当該正レンズと負レンズとを配列する順序は特に限定されるものではないが、物体側から正レンズ、負レンズの順に配列することが好ましい。当該順序で正レンズと負レンズとを配列することにより、より良好に収差補正を行うことができ、且つ、当該変倍光学系の小型化を図る上でも有利である。
第3レンズ群において、上記正レンズと負レンズとは接合されていてもよいし、両レンズ間に空気層が介在していてもよい。いずれの場合も収差補正を良好に行うことができ、結像性能の高い変倍光学系を得ることができる。しかしながら、当該変倍光学系の一層の小型化及び軽量化を図る、或いは、量産性を向上するという観点から、当該正レンズと負レンズとは接合されていることが好ましい。すなわち、接合レンズを用いて、第3レンズ群を構成すれば、第3レンズ群をコンパクトに構成することができるため当該変倍光学系の一層の小型化、軽量化が容易になる。また、接合レンズを用いることにより、製造誤差に対する敏感度を低減させることができる。そのため量産性が向上する。なお、本件発明において、接合レンズを構成する各レンズはそれぞれ1枚のレンズとして数える。
また、第3レンズ群を上記正レンズと負レンズとに加えて、更に正レンズを1枚含む構成とすることで、より良好に収差補正を行うことができると共に量産性を向上させることができる。但し、小型であり、且つ、軽量の変倍光学系を得るという観点から、当該第3レンズ群を構成するレンズ枚数は上述のとおり実質的に3枚以下とする。
ここで、第3レンズ群を実質的に3枚以下のレンズから構成するとは、第3レンズ群を実質的に構成するレンズの枚数が3枚以下であることをいう。第3レンズ群を実質的に構成するレンズとは、正又は負の屈折力を有し、収差補正等に実質的に寄与するレンズをいう。例えば、屈折力がほぼ「0」の光学フィルターや、平行平面板、或いは、収差補正にほとんど寄与しない、焦点距離の極めて長いレンズなどは、この第3レンズ群を実質的に構成するレンズには含まれない。なお、第2レンズ群においても同様である。
また、当該第3レンズ群において、最も物体側に配置されるレンズの物体側の面を非球面とすることが好ましい。第3レンズ群における最も物体側の面を非球面とすることにより、球面収差と像面湾曲を良好に補正することができる。特に、本件発明に係る変倍光学系は、大口径比の明るい光学系であるため、負の屈折力を有する第2レンズ群に後続する正の屈折力を有する第3レンズ群において、その最も物体側の面を非球面とすることにより、球面収差と像面湾曲を効果的に補正することができる。
(4)第4レンズ群
本件発明において、第4レンズ群は正の屈折力を有するレンズ群であり、その具体的なレンズ構成は特に限定されるものではない。しかしながら、当該第4レンズ群は少なくとも正レンズを1枚有するものとし、負レンズを少なくとも1枚含むことが好ましい。正の屈折力を有する第4レンズ群を負のレンズを少なくとも1枚含む構成とすることにより、像面湾曲、色収差補正を効果的に行うことができる。このとき、当該正レンズと当該負レンズとの間には空気層が介在していてもよいし、当該正レンズと当該負レンズとが接合されていてもよい。しかしながら、第3レンズ群において述べた理由と同様の理由から、正レンズと負レンズとが接合された接合レンズを用いて第4レンズ群を構成することが当該変倍光学系の小型化等を図る上でより好ましい。
また、当該第4レンズ群において、最も物体側に配置されるレンズの物体側の面を物体に対して凸面とすることが好ましい。第4レンズ群における最も物体側の面を物体に対して凸面とすることにより、第4レンズ群に入射した光束を収束させることができ、第4レンズ群以降の光路長を短くすることができ、当該変倍光学系の一層の小型化を図ることができる。
(5)第5レンズ群
本件発明において、第5レンズ群は正の屈折力を有するレンズ群である。上述したとおり、本件発明では正・負・正・正・正の5群構成とすることにより、高性能な変倍光学系を得ることが容易であり、広角化、大口径化を図ることが容易になる。
当該第5レンズ群の具体的なレンズ構成は特に限定されるものではないが、例えば、当該第5レンズ群を物体側から順に配置される正レンズと負レンズとから構成することが好ましい。第5レンズ群をこのように構成することで、像面湾曲及び色収差のバランスをとることが容易になる。また、第5レンズ群のレンズ構成を上記のようにすることで、像面に対する主光線入射角度を調整して、適切な光量を得ることが容易になる。従って、当該変倍光学系の大口径化を図ることがより容易になる。ここで、主光線とは像面に入射する光線のうち、開口絞りの中心、若しくは入射瞳の中心を通る光線と定義する。このように定義することで、像面の各点に入射する光線束のうち、一つの主光線が与えられる。
また、当該第5レンズ群において最も像側に負レンズを配置した場合、当該負レンズの物体側又は像側の面を像面に対して凸面とすることが好ましい。特に、第5レンズ群において、当該負レンズを像面側に凸面を向けた負のメニスカスレンズとすることにより、像を劣化させる原因の一つであるゴーストの発生を低減することができる。
(6)開口絞り
本件発明において開口絞りの位置は特に限定されるものではないが、当該変倍光学系の小型化及び軽量化を図る観点から、第3レンズ群の物体側に配置されることが好ましい。
1−2.変倍時の動作
(1)第1レンズ群〜第4レンズ群
本件発明に係る変倍光学系では、広角端から望遠端への変倍に際して第1レンズ群と第3レンズ群とを固定し、各レンズ群間の間隔を相対的に変化させる。このとき、少なくとも第2レンズ群及び第4レンズ群が光軸方向に移動する。
第1レンズ群を構成するレンズは、他のレンズ群を構成するレンズと比較すると径が大きく、重たい。このため第1レンズ群を固定群とすることにより、第1レンズ群が移動群である場合と比較すると変倍駆動機構の構成を簡素にすることができる。また、第1レンズ群を固定群とすることにより、変倍時に鏡筒長が変化しないため、鏡筒の構成を簡易にすることができる。また、第1レンズ群と共に第3レンズ群を固定群とすることにより、当該変倍光学系における移動群の数が少なくなるため、変倍駆動機構の構成を一層簡素にすることができる。これらのことから、当該変倍光学系の小型化、軽量化を図ることができる。
また、第1レンズ群及び第3レンズ群を固定群とし、第2レンズ群を移動させることで変倍させることができる。このとき、第4レンズ群を光軸方向に移動させることで、変倍に伴う像面変動を補正することができ、変倍域全域において良好な結像性能を得ることができる。
(2)第5レンズ群
本件発明に係る変倍光学系において、第5レンズ群は移動群であってもよいし、固定群であってもよい。しかしながら、変倍駆動機構の構成を簡素にし、当該変倍光学系の小型化、軽量化を図る上で、第5レンズ群は変倍時に光軸方向に固定の固定群であることが好ましい。
(3)開口絞り
上述したとおり、第3レンズ群の物体側に開口絞りを配置させることが好ましい。このとき、第3レンズ群と共に当該開口絞りを変倍時に光軸方向に固定させることがより好ましい。開口絞りを第3レンズ群の物体側に配置すると共に変倍時に固定とすることで、開口絞り径を小さくすることができると共に、入射瞳をより物体側に位置させることができる。その結果、第1レンズ群の小型化が可能になり、当該変倍光学系の一層の小型化、軽量化が可能になる。これに対して、開口絞りを移動群とすると、変倍駆動機構も含めた当該変倍光学系の構成が複雑になり、当該変倍光学系の小型化、軽量化を図ることが困難になる場合がある。
1−3.合焦時の動作
次に、合焦時の動作を説明する。本件発明に係る変倍光学系において、無限遠物体から近距離物体への合焦時に第4レンズ群を光軸方向に移動させることが好ましい。第4レンズ群をいわゆる合焦群とすることにより、無限遠物体から近距離物体への合焦時に発生する諸収差を補正し、良好な解像性能を得ることができる。
1−4.条件式
次に、本件発明に係る変倍光学系が満足すべき条件、又は、満足することが好ましい条件について説明する。
本件発明に係る変倍光学系は、以下に示す条件式(1)及び条件式(2)で表される条件を満足することを特徴とする。
2.5 ≦ f1/fw ≦ 5.5 ・・・(1)
0.005 ≦ fw/f13w ≦ 0.270 ・・・(2)
ただし、
fwは、広角端における無限遠合焦時の当該変倍光学系全系の焦点距離であり、
f1は、上記第1レンズ群の焦点距離であり、
f13wは、広角端における無限遠合焦時の上記第1レンズ群、上記第2レンズ群及び上記第3レンズ群の合成焦点距離である。
1−4−1.条件式(1)
条件式(1)は、広角端における無限遠合焦時の当該変倍光学系全系の焦点距離に対する第1レンズ群の焦点距離の比を規定する式である。条件式(1)を満足することで、第1レンズ群の焦点距離、すなわち第1レンズ群の屈折力が適切な範囲内となり、球面収差、像面湾曲、広い波長域の軸上色収差を適切に補正することができると共に、当該変倍光学系の小型化が可能となる。そのため、変倍域全域において結像性能が高く、且つ、小型の変倍光学系を得ることができる。
これに対して、条件式(1)の数値が下限を下回ると、第1レンズ群の焦点距離が短くなりすぎるため、第1レンズ群において大きな球面収差や像面湾曲、軸上色収差が発生する。その場合、望遠端においてこれらの収差を補正することが困難になる。そのため、変倍域全域において結像性能の良好な変倍光学系を得ることが困難になる。また、条件式(1)の数値が上限を上回ると、第1レンズ群の焦点距離が長くなりすぎるため、変倍域全域において各収差が補正不足となると共に、当該変倍光学系の全長が長くなる。そのため、変倍域全域において結像性能が高く、且つ、小型の変倍光学系を得ることが困難になる。
これらの効果を得る上で、当該変倍光学系は条件式(1a)を満足することが好ましく、条件式(1b)を満足することがより好ましく、条件式(1c)を満足することがさらに好ましい。なお、下記条件式(1a)〜(1c)の下限値又は上限値のいずれかのみによって、上記条件式(1)の範囲を限縮することも好ましい。以下の条件式(2)〜条件式(16)においても同様である。
2.6 ≦ f1/fw ≦ 5.3 ・・・(1a)
2.8 ≦ f1/fw ≦ 5.1 ・・・(1b)
2.9 ≦ f1/fw ≦ 4.1 ・・・(1c)
1−4−2.条件式(2)
条件式(2)は、広角端における無限遠合焦時の第1レンズ群、第2レンズ群及び第3レンズ群の合成焦点距離に対する、広角端における無限遠合焦時の当該変倍光学系全系の焦点距離の比を規定する式である。条件式(2)を満足することで、広角端における、第1レンズ群、第2レンズ群及び第3レンズ群の合成焦点距離が適切な範囲内となる。そのため、当該変倍光学系を小型化することができ、大口径比の明るい変倍光学系が得られる。また、球面収差、非点収差、広い波長域の軸上色収差を適切に補正することができ、変倍域全域において結像性能の高い変倍光学系とすることができる。
これに対して、条件式(2)の数値が下限を下回ると、広角端における第1レンズ群、第2レンズ群及び第3レンズ群の合成焦点距離が長くなりすぎるため、球面収差や非点収差、軸上色収差が補正不足になる。そのため、結像性能の良好な変倍光学系を得ることが困難になる。また、第1レンズ群、第2レンズ群及び第3レンズ群の合成焦点距離が長くなると、当該変倍光学系の全長が長くなる。そのため、大口径化することが難しく、当該変倍光学系の小型化が困難になる。
また、条件式(2)の数値が上限を上回ると、広角端における第1レンズ群、第2レンズ群及び第3レンズ群の合成焦点距離が短くなりすぎるため、球面収差や非点収差、軸上色収差が補正過剰になる。そのため、この場合も結像性能の良好な変倍光学系を得ることが困難になる。
これらの効果を得る上で、当該変倍光学系は条件式(2a)を満足することが好ましく、条件式(2b)を満足することがより好ましく、条件式(2c)を満足することがさらに好ましい。
0.008 ≦ fw/f13w ≦ 0.270 ・・・(2a)
0.015 ≦ fw/f13w ≦ 0.270 ・・・(2b)
0.030 ≦ fw/f13w ≦ 0.270 ・・・(2c)
ここで、例えば、第3レンズ群を正レンズと負レンズとが接合された接合レンズを用いると共に、更に1枚の正レンズを含む構成とする場合、以下の条件式(2d)を満足することが上記条件式(2c)の次に好ましい。
0.050 ≦ fw/f13w ≦ 0.250 ・・・(2d)
一方、第3レンズ群を1枚の正レンズと負レンズとにより構成すると共に、両レンズの間に空気層を介在させる場合は、以下の条件式(2e)を満足することが上記条件式(2a)の次に好ましい。この場合、上限値が0.150であることがさらに好ましく、当該上限値が0.100であることがより好ましい。
0.010 ≦ fw/f13w ≦ 0.200 ・・・(2e)
1−4−3.条件式(3)
本件発明に係る変倍光学系において、以下の条件式で表される条件を満足することが好ましい。
2.5 ≦ |f1/f2| ≦ 5.1 ・・・(3)
ただし、
f2は、上記第2レンズ群の焦点距離である。
条件式(3)は、第2レンズ群の焦点距離に対する第1レンズ群の焦点距離の比を規定する式である。条件式(3)を満足することで、より大口径比の明るい変倍光学系が得られる。また、条件式(3)を満足することにより、変倍時における第2レンズ群の移動量を適切な範囲内に設定することができ、変倍に伴う非点収差や像面湾曲等の諸収差を良好に補正することができる。そのため、変倍域全域においてより良好な結像性能を得ることが容易になる。
これに対して、条件式(3)の数値が下限を下回ると、第2レンズ群の焦点距離が長くなりすぎる。その場合、像面湾曲を補正することが困難になるため、好ましくない。また、この場合、第2レンズ群の焦点距離が長いと、広角端から望遠端への変倍時に第2レンズ群の移動量が大きくなる。その場合、小型の変倍光学系を得ることが困難になるため、好ましくない。
また、条件式(3)の数値が上限を上回ると、第2レンズ群の焦点距離が短くなりすぎる。その場合、像面湾曲が補正過剰となると共に非点収差を補正することが困難になる。特に、大口径比の明るい変倍光学系では変倍時の球面収差、像面湾曲、非点収差を含む諸収差の補正が極めて困難になる。そのため、大口径比で明るく良好な結像性能を有する変倍光学系を得ることが困難になるため、好ましくない。
これらの効果を得る上で、当該変倍光学系は条件式(3a)を満足することが好ましく、条件式(3b)を満足することがより好ましい。
2.6 ≦ |f1/f2| ≦ 4.8 ・・・(3a)
3.3 ≦ |f1/f2| ≦ 4.3 ・・・(3b)
1−4−4.条件式(4)
本件発明に係る変倍光学系において、第2レンズ群は負レンズを少なくとも一枚含むと共に、以下に示す条件式で表される条件を満足することが好ましい。
0.000≦PCt_2n−(0.546+0.00467×vd_2n)・・・(4)
ただし、
PCt_2nは、上記第2レンズ群に含まれる負レンズのうち、いずれか一の負レンズのC線及びt線に関する部分分散比であり、
vd_2nは、上記第2レンズ群に含まれる負レンズのうち、いずれか一の負レンズのd線に対するアッベ数である。
条件式(4)は、第2レンズ群に含まれる負レンズのC線及びt線に関する異常分散性を規定する式である。第2レンズ群が条件式(4)を満足する負レンズを少なくとも一枚含むことにより、第2レンズ群においてC線からt線までの近赤外波長域を含む波長域の光線について軸上色収差、倍率色収差を補正することが容易になる。なお、当該第2レンズ群に複数の負レンズが含まれる場合、いずれか一の負レンズが上記条件式(4)を満足すればよい。また、第2レンズ群に複数の負レンズが含まれる場合、その二以上の負レンズがそれぞれ上記条件式(4)を満足してもよい。
これに対して、条件式(4)を満足しない場合、第2レンズ群に含まれる負レンズの異常分散性がC線からt線までの色収差補正を行う上で適切ではなくなる。特に、t線を含む波長域で色収差が大きくなるため、近赤外波長域を含む波長域の光に対して良好な光学性能を得ることが難しくなるため、好ましくない。
ここで、異常分散性について説明する。まず、異常分散性を評価するために用いる部分分散比について説明する。各スペクトル線とその波長をt線(1013.98nm)、C線(656.27nm)、d線(587.56nm)、F線(486.13nm)、g線(435.84nm)とし、任意の文字x,yを各スペクトル線に対応させたときの、x線,y線に対するそれぞれの屈折率をnx,nyと定義する。たとえば、d線に対する屈折率はnd、F線に対する屈折率はnFと表す。さらに、x線とy線に対する部分分散比をPxyと表し、Pxy=(nx−ny)/(nF−nC)と定義する。たとえば、C線とt線に対する部分分散比PCtは、PCt=(nC−nt)/(nF−nC)で表される。
次に、図28を参照しながら、C線とt線に対するレンズの異常分散性について説明する。図28に示すように、まず、XY座標平面上のX軸にd線に対するアッベ数vd、Y軸にC線とt線に対する部分分散比PCtをとる。そして、C線とt線に関する2つの基準硝材に対して座標平面上の2点を定め、その2点を結ぶ直線を「C線とt線に関する標準線Ct」と定義する。本発明では、標準線Ctを、傾き0.00467、切片0.546 の直線とする。すなわち、標準線Ctを「PCt=0.546+0.00467×vd」と定める。これにより、C線とt線に関するレンズの異常分散性を、与えられた硝材の(vd、PCt)に対して、標準線CtからのPCtの偏差ΔPCtを異常分散性の値と定義することができる。たとえば、任意の硝材iのd線に対するアッベ数をvd_i、C線とt線に対する部分分散比をPCt_iとしたとき、任意の硝材iのC線とt線に関する異常分散性 ΔPCt_iの値は、以下の計算式(i)に従って求めることができる。なお、以下の式は上記条件式(4)と略同様である。
ΔPCt_i=PCt_i−(0.546+0.00467×vd_i)・・・(i)
ここで、近赤外波長域の波長の光線に対する色収差補正を良好に行うには、その光学系において各レンズ群に負レンズが含まれる場合、当該負レンズの異常分散性の値が0以上であることが好ましい。すなわち、ΔPCt_i≧0を満足する硝材からなる負レンズを用いることが好ましい。
このΔPCt_i ≧ 0を満足する硝材は、d線に対するアッベ数(vd)が比較的大きな値を示す側、すなわち低分散側でC線からt線までの分散(nC−nt)が小さくなる傾向がある。そのため、負レンズで発生するC線からt線までの色収差を抑えることができ、色収差を補正するために配置する正レンズに適切な異常分散性を持たせることで可視光波長域から近赤外波長域までの広い波長域の光線に対して色収差の補正をより良好に行うことが可能となる。これらの点は、後述する条件式(7)、条件式(10)において同様である。
なお、上述した効果を得る上で、当該変倍光学系は条件式(4a)を満足することが好ましく、条件式(4b)を満足することがより好ましく、条件式(4c)を満足することがさらに好ましい。
0.002≦PCt_2n−(0.546+0.00467×vd_2n)・・・(4a)
0.004≦PCt_2n−(0.546+0.00467×vd_2n)・・・(4b)
0.010≦PCt_2n−(0.546+0.00467×vd_2n)・・・(4c)
1−4−5.条件式(5)
本件発明に係る変倍光学系において、第2レンズ群が正レンズを少なくとも1枚含むとき、以下に示す条件式で表される条件を満足することが好ましい。
vd_2p ≦ 30.0 ・・・(5)
ただし、
vd_2pは、上記第2レンズ群に含まれる正レンズのうち、いずれか一の正レンズのd線に対するアッベ数である。
条件式(5)は、第2レンズ群が正レンズを少なくとも1枚含むとき、第2レンズ群に含まれる正レンズのうち、いずれか一の正レンズのd線に対するアッベ数を規定する式である。第2レンズ群が条件式(5)を満足する正レンズを少なくとも一枚含むことにより、主として可視光波長域の光線に対する軸上色収差、倍率色収差をより良好に補正することができ、変倍域全域において良好な結像性能を得ることがより容易になる。なお、当該第2レンズ群に複数の正レンズが含まれる場合、いずれか一の正レンズが上記条件式(5)を満足すればよい。第2レンズ群は負の屈折力を有するレンズ群であるため、当該第2レンズ群に含まれる正レンズの枚数は1枚でよい。しかしながら、第2レンズ群に複数の正レンズが含まれる場合、その二以上の正レンズがそれぞれ上記条件式(5)を満足してもよい。
これに対して、条件式(5)を満足しない場合、主として可視光波長域の光線の軸上色収差及び倍率色収差が大きくなり、変倍時における第2レンズ群の移動に伴う色収差変動を抑制することが困難になる。そのため、変倍域全域において良好な結像性能を得ることが困難になるため、好ましくない。
これらの効果を得る上で、当該変倍光学系は条件式(5a)を満足することが好ましく、条件式(5b)を満足することがより好ましく、条件式(5c)を満足することがさらに好ましい。
vd_2p ≦ 27.5 ・・・(5a)
vd_2p ≦ 24.5 ・・・(5b)
vd_2p ≦ 20.0 ・・・(5c)
1−4−6.条件式(6)
本件発明に係る変倍光学系は以下に示す条件式で表される条件を満足することが好ましい。
|PCt_3p − PCt_3n| ≦ 0.20 ・・・(6)
ただし、
PCt_3pは、上記第3レンズ群に含まれる正レンズのうち、いずれか一の正レンズのC線とt線に関する部分分散比であり、
PCt_3nは、上記第3レンズ群に含まれる負レンズのうち、いずれか一の負レンズのC線とt線に関する部分分散比である。
条件式(6)は、第3レンズ群に含まれるいずれか一の正レンズ、及び、いずれか一の負レンズのC線及びt線に関する部分分散比の差を規定する式である。条件式(6)を満足することで、第3レンズ群に含まれる正レンズで発生する軸上色収差及び倍率色収差を第3レンズ群に含まれる負レンズで補正することができる。このため、少ないレンズ枚数で、C線からt線までの近赤外波長域の光線を含む波長域の光線に対して適切な色収差補正が可能になり、当該変倍光学系の一層の小型化、軽量化を図ると共に、変倍域全域において広い波長域の光線に対してより良好な結像性能を得ることができる。但し、第3レンズ群に含まれる正レンズ及び負レンズが複数である場合、第3レンズ群に含まれる正レンズ及び負レンズのうち、それぞれいずれか一の正レンズ及び負レンズが上記条件式(6)を満足する関係にあればよい。
これに対して、条件式(6)を満足しない場合、第3レンズ群においてC線からt線までの波長域の光線に対し、大きな色収差が発生する場合がある。その場合、良好な結像性能を得るには、収差補正に要するレンズ枚数が増加するため、変倍光学系の小型化及び軽量化と、良好な結像性能とを両立することが困難になるため、好ましくない。
これらの効果を得る上で、当該変倍光学系は条件式(6a)を満足することが好ましく、条件式(6b)を満足することがより好ましい。
|PCt_3p − PCt_3n| ≦ 0.14 ・・・(6a)
|PCt_3p − PCt_3n| ≦ 0.13 ・・・(6b)
1−4−7.条件式(7)
本件発明に係る変倍光学系は以下に示す条件式で表される条件を満足することが好ましい。
0.000≦PCt_3n−(0.546+0.00467×vd_3n)・・・(7)
ただし、
PCt_3nは、上記第3レンズ群に含まれる負レンズのうち、いずれか一の負レンズのC線とt線に関する部分分散比であり、
vd_3nは、上記第3レンズ群に含まれる負レンズのうち、いずれか一の負レンズのd線に対するアッベ数である。
条件式(7)は、第3レンズ群に含まれる負レンズのC線及びt線に関する異常分散性を規定する式である。第3レンズ群が条件式(7)を満足する負レンズを少なくとも一枚含むことにより、第3レンズ群においてC線からt線までの近赤外波長域を含む波長域の光線について軸上色収差、倍率色収差を補正することが容易になる。なお、当該第4レンズ群に複数の負レンズが含まれる場合、いずれか一の負レンズが上記条件式(7)を満足すればよい。また、第3レンズ群に複数の負レンズが含まれる場合、その二以上の負レンズがそれぞれ上記条件式(7)を満足してもよい。
これに対して、条件式(7)を満足しない場合、第3レンズ群に含まれる負レンズの異常分散性がC線からt線までの色収差補正を行う上では適切ではなくなる。特に、t線を含む波長域で色収差が大きくなる。その場合、近赤外波長域を含む波長域の光に対して良好な光学性能を得ることが難しくなるため、好ましくない。
これらの効果を得る上で、当該変倍光学系は条件式(7a)を満足することが好ましく、条件式(7b)を満足することがより好ましい。
0.002≦PCt_3n−(0.546+0.00467×vd_3n)・・・(7)
0.004≦PCt_3n−(0.546+0.00467×vd_3n)・・・(7)
1−4−8.条件式(8)
本件発明に係る変倍光学系において、以下に示す条件式で表される条件を満足することが好ましい。
65.0 ≦ vd_3p ・・・(8)
ただし、
vd_3pは、上記第3レンズ群に含まれる正レンズのうち、いずれか一の正レンズのd線に対するアッベ数である。
条件式(8)は、第3レンズ群に含まれる正レンズのうち、いずれか一の正レンズのd線に対するアッベ数を規定する式である。第3レンズ群が条件式(8)を満足する正レンズを少なくとも一枚含むことにより、第3レンズ群で発生する軸上色収差、倍率色収差をより良好に補正することができ、変倍域全域において良好な結像性能を得ることが更に容易になる。なお、当該第3レンズ群に複数の正レンズが含まれる場合、いずれか一の正レンズが上記条件式(8)を満足すればよい。また、第3レンズ群に複数の正レンズが含まれる場合、その二以上の正レンズがそれぞれ上記条件式(8)を満足してもよい。
これに対して、条件式(8)を満足しない場合、第3レンズ群に含まれる正レンズの分散が大きくなるため、第3レンズ群で発生する軸上色収差及び倍率色収差が大きくなる場合がある。その場合、適切なレンズ枚数で変倍域全域において良好な結像性能を得ることが困難になるため、好ましくない。
これらの効果を得る上で、当該変倍光学系は条件式(8a)を満足することが好ましく、条件式(8b)を満足することがより好ましい。
67.0 ≦ vd_3p ・・・(8a)
75.0 ≦ vd_3p ・・・(8b)
1−4−9.条件式(9)
本件発明に係る変倍光学系において、第4レンズ群が正レンズと負レンズを少なくとも1枚含むとき、以下に示す条件式で表される条件を満足することが好ましい。
|PCt_4p−PCt_4n| ≦ 0.12 ・・・(9)
ただし、
PCt_4pは、上記第4レンズ群に含まれるいずれか一の正レンズのC線とt線に関する部分分散比であり、
PCt_4nは、上記第4レンズ群に含まれるいずれか一の負レンズのC線とt線に関する部分分散比である。
条件式(9)は、第4レンズ群が正レンズと負レンズを少なくとも1枚含むとき、これらの正レンズ及び負レンズのC線及びt線に関する部分分散比の差を規定する式である。条件式(9)を満足することで、第4レンズ群に含まれる正レンズで発生するC線からt線までの軸上色収差及び倍率色収差を第4レンズ群に含まれる負レンズで補正することができる。このため、少ないレンズ枚数で、C線からt線までの近赤外波長域の光線を含む波長域の光線に対して適切な色収差補正が可能になり、当該変倍光学系の一層の小型化、軽量化を図ると共に、広い波長域の光線に対してより良好な結像性能を得ることができる。また、第4レンズ群は上述したとおり、変倍時に移動する移動群である。条件式(9)を満足することにより、変倍時における第4レンズ群の移動に伴う色収差変動を抑制することができ、変倍域全域において良好な結像性能を得ることができる。同様に、第4レンズ群を合焦群としたときも条件式(9)を満足することにより、物体距離によらず良好な結像性能を得ることができる。但し、第4レンズ群に含まれる正レンズ及び負レンズが複数である場合、第4レンズ群に含まれる正レンズ及び負レンズのうち、それぞれいずれか一の正レンズ及び負レンズが上記条件式(9)を満足する関係にあればよい。
これに対して、条件式(9)を満足しない場合、第4レンズ群においてC線からt線までの波長域の光線に対し、大きな色収差が発生する場合がある。その場合、変倍時或いは合焦時の色収差の変動が大きくなる。従って、良好な結像性能を得るには、収差補正に要するレンズ枚数が増加するため、変倍光学系の小型化及び軽量化と、良好な結像性能とを両立することが困難になるため、好ましくない。
これらの効果を得る上で、当該変倍光学系は条件式(9a)を満足することが好ましく、条件式(9b)を満足することがより好ましい。
|PCt_4p−PCt_4n| ≦ 0.10 ・・・(9a)
|PCt_4p−PCt_4n| ≦ 0.07 ・・・(9b)
また、第4レンズ群が正レンズと負レンズとを少なくとも1枚含むとき、これらの正レンズ及び負レンズが以下の条件式(ii)を満足することがさらに好ましい。
|PgF_4p−PgF_4n| ≦ 0.03 ・・・(ii)
ただし、
PgF_4pは、上記第4レンズ群に含まれるいずれか一の正レンズのg線とF線に関する部分分散比であり、
PgF_4nは、上記第4レンズ群に含まれるいずれか一の負レンズのg線とF線に関する部分分散比である。
なお、PgFは上述したPxyにおいてxがg線であり、yがF線である場合を示し、部分分散比の求め方は上述したとおりである。
上記式(ii)を満足することで、可視光波長域の軸上色収差及び倍率色収差を一層良好に補正することができ、広い波長域の光線に対してさらに良好に収差補正を行うことができるため、変倍域全域においてより高い結像性能を有する変倍光学系を得ることができる。同様に、第4レンズ群を合焦群としたときも条件式(ii)を満足することにより、物体距離によらず一層良好な結像性能を得ることができる。
1−4−10.条件式(10)
本件発明に係る変倍光学系において、第4レンズ群が少なくとも負レンズを1枚含むとき、以下に示す条件式で表される条件を満足することが好ましい。
0.000≦PCt_4n−(0.546+0.00467×vd_4n)・・・(10)
ただし、
PCt_4nは、上記第4レンズ群に含まれる負レンズのうち、いずれか一の負レンズのC線とt線に関する部分分散比であり、
vd_4nは、上記第4レンズ群に含まれる負レンズのうち、いずれか一の負レンズのd線に対するアッベ数である。
条件式(10)は、第4レンズ群に負レンズが含まれるとき、その負レンズのC線及びt線に関する異常分散性を規定する式である。第4レンズ群が条件式(10)を満足する負レンズを少なくとも一枚含むことにより、第4レンズ群においてC線からt線までの近赤外波長域を含む波長域の光線について軸上色収差、倍率色収差を補正することが容易になる。これと同時に、変倍時における第4レンズ群の移動に伴う色収差変動を抑制することができ、変倍域全域において良好な結像性能を得ることができる。同様に、第4レンズ群を合焦群としたときも条件式(10)を満足することにより、物体距離によらず良好な結像性能を得ることができる。なお、当該第4レンズ群に複数の負レンズが含まれる場合、いずれか一の負レンズが上記条件式(10)を満足すればよい。また、第4レンズ群に複数の負レンズが含まれる場合、その二以上の負レンズがそれぞれ上記条件式(10)を満足してもよい。
これに対して、条件式(10)を満足しない場合、第4レンズ群に含まれる負レンズの異常分散性がC線からt線までの色収差補正を行う上で適切ではなくなる。特に、t線を含む波長域で色収差が大きくなる。その場合、近赤外波長域を含む波長域の光に対して良好な光学性能を得ることが難しくなるため、好ましくない。
これらの効果を得る上で、当該変倍光学系は条件式(10a)を満足することが好ましく、条件式(10b)を満足することがより好ましい。
0.002≦PCt_4n−(0.546+0.00467×vd_4n)・・・(10a)
0.004≦PCt_4n−(0.546+0.00467×vd_4n)・・・(10b)
1−4−11.条件式(11)
本件発明に係る変倍光学系において、第4レンズ群は少なくとも正レンズを1枚含み、以下に示す条件式で表される条件を満足することが好ましい。
65.0 ≦ vd_4p ・・・(11)
ただし、
vd_4pは、上記第4レンズ群に含まれるいずれか一の正レンズのd線に対するアッベ数である。
条件式(11)は、第4レンズ群が正レンズを少なくとも1枚含むとき、第4レンズ群に含まれる正レンズのうち、いずれか一の正レンズのd線に対するアッベ数を規定する式である。第4レンズ群が条件式(11)を満足する正レンズを少なくとも一枚含むことにより、主として可視光波長域の光線に対する軸上色収差、倍率色収差をより良好に補正することができ、変倍域全域において良好な結像性能を得ることが更に容易になる。これと同時に、変倍時における第4レンズ群の移動に伴う色収差変動を抑制することができ、変倍域全域において良好な結像性能を得ることができる。同様に、第4レンズ群を合焦群としたときも条件式(11)を満足することにより、物体距離によらず良好な結像性能を得ることができる。なお、当該第4レンズ群に複数の正レンズが含まれる場合、いずれか一の正レンズが上記条件式(11)を満足すればよい。また、第4レンズ群に複数の正レンズが含まれる場合、その二以上の正レンズがそれぞれ上記条件式(11)を満足してもよい。
これに対して、条件式(11)を満足しない場合、第4レンズ群に含まれる正レンズのうち、少なくともいずれか一の正レンズの分散が大きくなるため、第4レンズ群において軸上色収差及び倍率色収差が発生する。その場合、適切なレンズ枚数で変倍域全域において良好な結像性能を得ることが困難になるため、好ましくない。
これらの効果を得る上で、当該変倍光学系は条件式(11a)を満足することが好ましく、条件式(11b)を満足することがより好ましい。
67.0 ≦ vd_4p ・・・(11a)
75.0 ≦ vd_4p ・・・(11b)
1−4−12.条件式(12)
本件発明に係る変倍光学系において、以下に示す条件式で表される条件を満足することが好ましい。
1.6 ≦ f3/fw ≦ 4.5 ・・・(12)
ただし、
f3は、上記第3レンズ群の焦点距離であり、fwは上述したとおりである。
条件式(12)は、広角端における無限遠合焦時の当該変倍光学系全系の焦点距離に対する第3レンズ群の焦点距離の比を規定する式である。条件式(12)を満足することで、第3レンズ群の焦点距離、すなわち第3レンズ群の屈折力が適切な範囲内となり、第3レンズ群で発生する球面収差や像面湾曲をより適切に補正することができる。そのため、変倍域全域において結像性能がより高い変倍光学系を得ることができる。
これに対して、条件式(12)の数値が下限を下回ると、第3レンズ群の焦点距離が短くなりすぎる。そのため、望遠端における球面収差や像面湾曲の補正が過剰になり、変倍域全域において結像性能の良好な変倍光学系を得ることが困難になるため、好ましくない。また、条件式(12)の数値が上限を上回ると、第3レンズ群の焦点距離が長くなりすぎる。そのため、球面収差や像面湾曲の補正が不足すると共に、小型の変倍光学系を得ることが困難になるため、好ましくない。
これらの効果を得る上で、当該変倍光学系は条件式(12a)を満足することが好ましく、条件式(12b)を満足することがより好ましい。
1.9 ≦ f3/fw ≦ 4.3 ・・・(12a)
2.1 ≦ f3/fw ≦ 4.0 ・・・(12b)
1−4−13.条件式(13)
本件発明に係る変倍光学系において、以下に示す条件式で表される条件を満足することが好ましい。
1.7 ≦ f4/fw ≦ 4.8 ・・・(13)
ただし、
f4は、前記第4レンズ群の焦点距離であり、fwは上述したとおりである。
条件式(13)は、広角端における無限遠合焦時の当該変倍光学系全系の焦点距離に対する第4レンズ群の焦点距離の比を規定する式である。条件式(13)を満足することで、第4レンズ群の焦点距離、すなわち第4レンズ群の屈折力が適切な範囲内となり、像面湾曲をより適切に補正することができる。そのため、変倍域全域における結像性能がより高い変倍光学系を得ることができる。
これに対して、条件式(13)の数値が下限を下回ると、第4レンズ群の焦点距離が短くなりすぎる。そのため、像面湾曲の補正が過剰になり、変倍域全域において結像性能の良好な変倍光学系を得ることが困難になるため、好ましくない。
また、条件式(13)の数値が上限を上回ると、第4レンズ群の焦点距離が長くなりすぎる。そのため、像面湾曲の補正が不足し、変倍域全域において結像性能の良好な変倍光学系を得ることが困難になるため、好ましくない。さらに、第4レンズ群は上述のとおり、移動群である。そのため、条件式(13)の数値が上限を上回ると、第4レンズ群の移動量が多くなり、当該変倍光学系の小型化を図ることが困難になる。
これらの効果を得る上で、当該変倍光学系は条件式(13a)を満足することが好ましく、条件式(13b)を満足することがより好ましい。
2.2 ≦ f4/fw ≦ 4.5 ・・・(13a)
2.4 ≦ f4/fw ≦ 4.3 ・・・(13b)
1−4−15.条件式(14)
本件発明に係る変倍光学系において、以下に示す条件式で表される条件を満足することが好ましい。
0.38 ≦ f4/ft ≦ 1.50 ・・・(14)
ただし、
ftは、望遠端における無限遠合焦時の当該変倍光学系全系の焦点距離であり、
f4は、上記第4レンズ群の焦点距離である。
条件式(14)は、望遠端における無限遠合焦時の当該変倍光学系全系の焦点距離に対する第4レンズ群の焦点距離の比を規定する式である。条件式(14)を満足することで、第4レンズ群の焦点距離、すなわち第4レンズ群の屈折力が適切な範囲内となり、主として望遠端における像面湾曲をより適切に補正することができる。そのため、望遠端における結像性能がより高い変倍光学系を得ることができる。
これに対して、条件式(14)の数値が下限を下回ると、第4レンズ群の焦点距離が短くなりすぎる。そのため、特に望遠端における像面湾曲の補正が過剰になり、望遠端において結像性能の良好な変倍光学系を得ることが困難になるため、好ましくない。また、条件式(14)の数値が上限を上回ると、第4レンズ群の焦点距離が長くなりすぎる。そのため、特に望遠端における像面湾曲の補正が不足し、望遠端において結像性能の良好な変倍光学系を得ることが困難になるため、好ましくない。また、上述したとおり、第4レンズ群は移動群である。そのため、条件式(14)の数値が上限を上回ると、第4レンズ群の移動量が多くなり、条件式(13)の場合と同様に、当該変倍光学系の小型化を図ることが困難になる。
これらの効果を得る上で、当該変倍光学系は条件式(14a)を満足することが好ましく、条件式(14b)を満足することがより好ましい。
0.40 ≦ f4/ft ≦ 1.30 ・・・(14a)
0.50 ≦ f4/ft ≦ 1.20 ・・・(14b)
1−4−15.条件式(15)
本件発明に係る変倍光学系において、以下に示す条件式で表される条件を満足することが好ましい。
0.600 ≦ β5t ≦ 0.850 ・・・(15)
ただし、
β5tは、望遠端における無限遠合焦時の上記第5レンズ群の結像倍率である。
条件式(15)は、第5レンズ群の望遠端における 望遠端における無限遠合焦時の上記第5レンズ群の結像倍率を規定する式である。条件式(15)を満足することで、第5レンズ群で発生する諸収差を適切に補正することができ、より良好な結像性能の変倍光学系を得ることができる。
これに対して、条件式(15)の数値が下限を下回ると、第5レンズ群の屈折力が強くなりすぎ、変倍域全域における球面収差、像面湾曲の補正が困難になるため、好ましくない。また、条件式(15)の数値が上限を上回ると、第5レンズ群の屈折力が弱くなりすぎ、当該変倍光学系の光学全長が長くなるため、当該変倍光学系の小型化を図る上で好ましくない。但し、当該第5レンズ群を固定群としたとき、当該変倍光学系の光学全長は広角端及び望遠端において変化しない。
これらの効果を得る上で、当該変倍光学系は条件式(15a)を満足することが好ましく、条件式(15b)を満足することがより好ましい。
0.650 ≦ β5t ≦ 0.800 ・・・(15a)
0.680 ≦ β5t ≦ 0.795 ・・・(15b)
1−4−16.条件式(16)
本件発明に係る変倍光学系において、以下に示す条件式で表される条件を満足することが好ましい。
60.0 ≦ vd_p_ave ・・・(16)
ただし、
vd_p_aveは、上記第1レンズ群においてd線に対するアッベ数が最も大きな正レンズのd線に対するアッベ数と、上記第3レンズ群においてd線に対するアッベ数が最も大きな正レンズのd線に対するアッベ数と、上記第4レンズ群においてd線に対するアッベ数が最も大きな正レンズのd線に対するアッベ数の平均値である。
条件式(16)は、正のレンズ群である第1レンズ群、第3レンズ群及び第4レンズ群に含まれる正レンズのうち、それぞれのレンズ群においてd線に対するアッベ数が最も大きな正レンズを選んだときに、その3枚の正レンズのd線に対するアッベ数の平均値を規定する式である。条件式(16)を満足することで、各レンズ群における正レンズの分散が適切になり、変倍域全域において可視光波長域の光線に対する軸上色収差及び倍率色収差を抑制することができ、変倍域全域において良好な結像性能を実現することがより容易になる。
一方、条件式(16)を満足しない場合、各レンズ群に含まれる正レンズの分散が大きくなるため、変倍域全域において可視光波長域の光線に対する軸上色収差及び倍率色収差が大きくなり、変倍域全域において良好な結像性能を実現することが困難になる。
これらの効果を得る上で、当該変倍光学系は条件式(16a)を満足することが好ましく、条件式(16b)を満足することがより好ましい。
65.0 ≦ vd_p_ave ・・・(16a)
70.0 ≦ vd_p_ave ・・・(16b)
2.撮像装置
次に、本件発明に係る撮像装置について説明する。本件発明に係る撮像装置は、上記本件発明に係る変倍光学系と、当該変倍光学系の像側に設けられ、当該変倍光学系によって形成された光学像を電気的信号に変換する撮像素子とを備えたことを特徴とする。ここで、撮像素子等に特に限定はなく、CCDセンサやCMOSセンサなどの固体撮像素子等を用いることができる。当該固体撮像素子の画素数等に限定はないが、本件発明に係る変倍光学系は高解像力を有するため高画素数の固体撮像素子を用いた撮像装置に好適であり、100万画素以上、300万画素以上、500万画素以上等の高画素数の固体撮像素子を用いた撮像装置に好適である。
また、当該撮像装置は、レンズが筐体に固定されたレンズ固定式の撮像装置であってもよいし、一眼レフカメラやミラーレス一眼カメラ等のレンズ交換式の撮像装置であってもよいのは勿論である。さらに、上記変倍光学系は、小型、軽量であり、簡易な構成とすることができる。さらに、上記変倍光学系は、大口径で結像性能が高く、可視光波長域から近赤外波長域まで、変倍域全域において広い波長域の光線を良好に補正することができる。これらのことから、当該撮像装置は、可視光波長域の光線だけではなく近赤外波長域の光線を用いて撮像を行う監視用撮像装置等の広い波長範囲の光線を用いて撮像を行う簡易な構成の小型の撮像装置に好適である。
次に、実施例および比較例を示して本件発明を具体的に説明する。但し、本件発明は以下の実施例に限定されるものではない。以下に挙げる各実施例の変倍光学系は、デジタルカメラ、ビデオカメラ、銀塩フィルムカメラ等の撮像装置(光学装置)に用いられる撮像光学系である。また、各レンズ断面図において、図面に向かって左方が物体側、右方が像側である。
(1)変倍光学系の構成
図1は、本件発明に係る実施例1の変倍光学系の広角端及び望遠端における無限遠合焦時のレンズ構成を示すレンズ断面図である。当該変倍光学系は、物体側から順に、正の屈折力を有する第1レンズ群G1と、負の屈折力を有する第2レンズ群G2と、正の屈折力を有する第3レンズ群G3と、正の屈折力を有する第4レンズ群G4と、正の屈折力を有する第5レンズ群とから構成されている。
第1レンズ群G1は、物体側から順に、負レンズ及び両凸レンズを接合した接合レンズと、物体側に凸面を向けた正のメニスカスレンズとから構成される。
第2レンズ群G2は、物体側から順に負レンズと、両凹レンズと、物体側に凸面を向けた正のメニスカスレンズとから構成される。
第3レンズ群G3は、物体側から順に物体側に凸面を向けた正のメニスカスレンズと、両凸レンズ及び負レンズを接合した接合レンズとから構成される。
第4レンズ群G4は、物体側から順に物体側に凸面を向けた負のメニスカスレンズと両凸レンズとを接合した接合レンズから構成される。
第5レンズ群G5は、物体側から順に両凸レンズと像面側に凸面を向けた負のメニスカスレンズとから構成される。
当該実施例1の変倍光学系において、広角端から望遠端への変倍に際し、第1レンズ群、第3レンズ群及び第5レンズ群を光軸方向に固定し、第2レンズ群及び第4レンズ群を光軸方向に移動させることで、各レンズ群間の距離を相対的に変化させることにより変倍を行う。より具体的には、図1に示すように、広角端から望遠端への変倍に際し、第2レンズ群は光軸方向に沿って物体側から像面側に移動し、第4レンズ群は光軸方向に沿って物体側に凸の軌跡を描くように移動する。また、第3レンズ群の物体側には開口絞りが配置され、広角端から望遠端への変倍に際し、この開口絞りは第3レンズ群と共に光軸方向に固定される。
また、当該実施例1の変倍光学系では、無限遠物体から近距離物体への合焦の際、第4レンズ群G4を光軸方向に沿って物体側に移動させる。
なお、図1において、第3レンズ群G3の物体側に示す「S」は開口絞りである。また、第3レンズ群G3の像側に示す「CG」はローパスフィルターやカバーガラス等を示す。また、「CG」の像側に示す「IMG」は像面であり、具体的にはCCDやCMOSセンサーなどの固体撮像装置の撮像面、あるいは銀塩フィルムのフィルム面等を示す。これらの符号等は以下の実施例で示す各レンズ断面図においても同様であるため、以下では説明を省略する。
(2)数値実施例
次に、当該変倍光学系の具体的数値を適用した数値実施例について説明する。表1に当該変倍光学系のレンズデータを示す。表1において、「NS」は物体側から数えたレンズ面の順番(面番号)、「R」はレンズ面の曲率半径、「D」はレンズ面の光軸上の間隔、「nd」はd線(波長λ=587.6nm)に対する屈折率、「vd」はd線に対するアッベ数を示している。また、PgFは上述したとおりg線とF線に関する部分分散比であり、PCtはC線とt線に関する部分分散比である。表2は、当該変倍光学系の各種データである。具体的には、表2にはズーム比、広角端、中間、望遠端における各焦点距離、各焦点距離におけるFナンバー(Fno)、半画角(ω)、表1に示した光軸上の可変間隔を示している。なお、各表中の長さの単位は全て「mm」であり、画角の単位は全て「°」である。これらの事項は以下の実施例でも同じであるため、以下では説明を省略する。さらに、表3は、表1に示した非球面に関する非球面データである。非球面の形状は、光軸方向をX、光軸に垂直な方向の高さをH、レンズ面頂を原点としたときの高さHにおける光軸方向の変位量をX(H)、近軸曲率半径をR、円錐係数をk、2次、4次、6次、8次、10次の非球面係数をそれぞれA、B、C、D、Eとするとき、光の進行方向を正として、以下に示す式(X(H))で表される。表3には、下記式で非球面形状を表したときの非球面係数A、B、C、D、Eを示している。また、表28に条件式(1)〜条件式(16)の数値を示す。
Figure 2017026716
Figure 2017026716
Figure 2017026716
Figure 2017026716
また、図2及び図3に、当該変倍光学系の広角端及び望遠端における無限遠合焦時の縦収差図をそれぞれ示す。縦収差図は、図面に向かって左から順に、球面収差、非点収差、歪曲収差を表している。球面収差を表す図では、縦軸は開放F値との割合、横軸にデフォーカスをとり、長波線がIR(波長λ=850.00nm)、実線がd線(波長λ=587.56nm)、短破線がg線(波長λ=435.84nm)における球面収差を表す。非点収差を表す図では、縦軸は像高、横軸にデフォーカスをとり、実線がサジタル面(S)、破線がメリジオナル面(M)での非点収差を表す。歪曲収差を表す図では、縦軸は像高、横軸に%をとり、歪曲収差を表す。これらの縦収差図に関する事項は以下の実施例で示す各縦収差図においても同様であるため、以下では説明を省略する。
(1)変倍光学系の構成
図4は、本件発明に係る実施例2の変倍光学系の広角端及び望遠端における無限遠合焦時のレンズ構成を示すレンズ断面図である。実施例2の変倍光学系は実施例1の変倍光学系と略同様の構成を有する。具体的には以下のとおりである。
第1レンズ群G1は、物体側から順に、負レンズ及び両凸レンズを接合した接合レンズと、物体側に凸面を向けた正のメニスカスレンズとから構成される。
第2レンズ群G2は、物体側から順に負レンズと、両凹レンズと、物体側に凸面を向けた正のメニスカスレンズとから構成される。
第3レンズ群G3は、物体側から順に物体側に凸面を向けた正のメニスカスレンズと、両凸レンズ及び負レンズを接合した接合レンズとから構成される。
第4レンズ群G4は、物体側から順に物体側に凸面を向けた負のメニスカスレンズと両凸レンズとを接合した接合レンズから構成される。
第5レンズ群G5は、物体側から順に両凸レンズと両凹レンズとから構成される。
なお、変倍時及び合焦時の動作は実施例1と略同様である。
(2)数値実施例
次に、当該変倍光学系の具体的数値を適用した数値実施例について説明する。表4は、当該変倍光学系のレンズデータである。表5は、当該変倍光学系の可変間隔を含む各種データである。また、表6は、当該変倍光学系の非球面データである。さらに、図5及び図6に、当該変倍光学系の広角端及び望遠端における無限遠合焦時の縦収差図をそれぞれ示す。また、条件式(1)〜条件式(16)の数値を表28に示す。
Figure 2017026716
Figure 2017026716
Figure 2017026716
(1)変倍光学系の構成
図7は、本件発明に係る実施例3の変倍光学系の広角端及び望遠端における無限遠合焦時のレンズ構成を示すレンズ断面図である。実施例3の変倍光学系は実施例1の変倍光学系と略同様の構成を有する。具体的には以下のとおりである。
第1レンズ群G1は、物体側から順に、負レンズ及び両凸レンズを接合した接合レンズと、物体側に凸面を向けた正のメニスカスレンズとから構成される。
第2レンズ群G2は、物体側から順に負レンズと、両凹レンズと、物体側に凸面を向けた正のメニスカスレンズとから構成される。
第3レンズ群G3は、物体側から順に物体側に凸面を向けた正のメニスカスレンズと、両凸レンズ及び負レンズを接合した接合レンズとから構成される。
第4レンズ群G4は、物体側から順に物体側に凸面を向けた負のメニスカスレンズと両凸レンズとを接合した接合レンズから構成される。
第5レンズ群G5は、物体側から順に両凸レンズと像面側に凸面を向けた負のメニスカスレンズとから構成される。
なお、変倍時及び合焦時の動作は実施例1と略同様である。
(2)数値実施例
次に、当該変倍光学系の具体的数値を適用した数値実施例について説明する。表7は、当該変倍光学系のレンズデータである。表8は、当該変倍光学系の可変間隔を含む各種データである。また、表9は、当該変倍光学系の非球面データである。さらに、図8及び図9に、当該変倍光学系の広角端及び望遠端における無限遠合焦時の縦収差図をそれぞれ示す。また、条件式(1)〜条件式(16)の数値を表28に示す。
Figure 2017026716
Figure 2017026716
Figure 2017026716
(1)変倍光学系の構成
図10は、本件発明に係る実施例4の変倍光学系の広角端及び望遠端における無限遠合焦時のレンズ構成を示すレンズ断面図である。実施例4の変倍光学系は実施例1の変倍光学系と略同様の構成を有する。具体的には以下のとおりである。
第1レンズ群G1は、物体側から順に、物体側に凸面を向けた負のメニスカスレンズ及び両凸レンズを接合した接合レンズと、物体側に凸面を向けた正のメニスカスレンズとから構成される。
第2レンズ群G2は、物体側から順に両凹レンズと、像面側に凸面を向けた負のメニスカスレンズと、両凸レンズとから構成される。
第3レンズ群G3は、物体側から順に物体側に凸面を向けた正のメニスカスレンズと、両凸レンズ及び負レンズを接合した接合レンズとから構成される。
第4レンズ群G4は、物体側から順に物体側に凸面を向けた負のメニスカスレンズと両凸レンズとを接合した接合レンズから構成される。
第5レンズ群G5は、物体側から順に両凸レンズと両凹レンズとから構成される。
なお、変倍時及び合焦時の動作は実施例1と略同様である。
(2)数値実施例
次に、当該変倍光学系の具体的数値を適用した数値実施例について説明する。表10は、当該変倍光学系のレンズデータである。表11は、当該変倍光学系の可変間隔を含む各種データである。また、表12は、当該変倍光学系の非球面データである。さらに、図11及び図12に、当該変倍光学系の広角端及び望遠端における無限遠合焦時の縦収差図をそれぞれ示す。また、条件式(1)〜条件式(16)の数値を表28に示す。
Figure 2017026716
Figure 2017026716
Figure 2017026716
(1)変倍光学系の構成
図13は、本件発明に係る実施例5の変倍光学系の広角端及び望遠端における無限遠合焦時のレンズ構成を示すレンズ断面図である。実施例5の変倍光学系は実施例1の変倍光学系と略同様の構成を有る。具体的には以下のとおりである。
第1レンズ群G1は、物体側から順に、物体側に凸面を向けた負のメニスカスレンズ及び両凸レンズを接合した接合レンズと、物体側に凸面を向けた正のメニスカスレンズとから構成される。
第2レンズ群G2は、物体側から順に負レンズと、両凹レンズと、物体側に凸面を向けた正のメニスカスレンズとから構成される。
第3レンズ群G3は、物体側から順に物体側に凸面を向けた正のメニスカスレンズと、正レンズ及び像面側に凸面を向けた負のメニスカスレンズを接合した接合レンズとから構成される。
第4レンズ群G4は、物体側から順に物体側に凸面を向けた負のメニスカスレンズと両凸レンズとを接合した接合レンズから構成される。
第5レンズ群G5は、物体側から順に両凸レンズと像面側に凸面を向けた負のメニスカスレンズとから構成される。
なお、変倍時及び合焦時の動作は実施例1と略同様である。
(2)数値実施例
次に、当該変倍光学系の具体的数値を適用した数値実施例について説明する。表13は、当該変倍光学系のレンズデータである。表14は、当該変倍光学系の可変間隔を含む各種データである。また、表15は、当該変倍光学系の非球面データである。さらに、図14及び図15に、当該変倍光学系の広角端及び望遠端における無限遠合焦時の縦収差図をそれぞれ示す。また、条件式(1)〜条件式(16)の数値を表28に示す。
Figure 2017026716
Figure 2017026716
Figure 2017026716
(1)変倍光学系の構成
図16は、本件発明に係る実施例6の変倍光学系の広角端及び望遠端における無限遠合焦時のレンズ構成を示すレンズ断面図である。実施例6の変倍光学系は実施例1の変倍光学系と略同様の構成を有る。具体的には以下のとおりである。
第1レンズ群G1は、物体側から順に、物体側に凸面を向けた負のメニスカスレンズ及び両凸レンズを接合した接合レンズと、物体側に凸面を向けた正のメニスカスレンズとから構成される。
第2レンズ群G2は、物体側から順に物体側に凸面を向けた負のメニスカスレンズと、両凹レンズと、物体側に凸面を向けた正のメニスカスレンズとから構成される。
第3レンズ群G3は、物体側から順に物体側に凸面を向けた正のメニスカスレンズと、両凸レンズ及び両凹レンズを接合した接合レンズとから構成される。
第4レンズ群G4は、物体側から順に物体側に凸面を向けた負のメニスカスレンズと両凸レンズとを接合した接合レンズから構成される。
第5レンズ群G5は、物体側から順に両凸レンズと両凹レンズとから構成される。
なお、変倍時及び合焦時の動作は実施例1と略同様である。
(2)数値実施例
次に、当該変倍光学系の具体的数値を適用した数値実施例について説明する。表16は、当該変倍光学系のレンズデータである。表17は、当該変倍光学系の可変間隔を含む各種データである。また、表18は、当該変倍光学系の非球面データである。さらに、図17及び図18に、当該変倍光学系の広角端及び望遠端における無限遠合焦時の縦収差図をそれぞれ示す。また、条件式(1)〜条件式(16)の数値を表28に示す。
Figure 2017026716
Figure 2017026716
Figure 2017026716
(1)変倍光学系の構成
図19は、本件発明に係る実施例7の変倍光学系の広角端及び望遠端における無限遠合焦時のレンズ構成を示すレンズ断面図である。当該変倍光学系は、実施例1と同様に物体側から順に、正の屈折力を有する第1レンズ群G1と、負の屈折力を有する第2レンズ群G2と、正の屈折力を有する第3レンズ群G3と、正の屈折力を有する第4レンズ群G4と、正の屈折力を有する第5レンズ群とから構成されている。
第1レンズ群G1〜第5レンズ群G5の具体的なレンズ構成は、第3レンズ群G3の構成を除いて実施例1の各レンズ群の構成と略同様である。
当該実施例7において、第3レンズは、物体側から順に、両凸レンズと、像面側に凸面を向けた負のメニスカスレンズとから構成される。両レンズ間には空気層が介在している。また、変倍時及び合焦時の各レンズ群の動作は実施例1と同様である。
(2)数値実施例
次に、当該変倍光学系の具体的数値を適用した数値実施例について説明する。表19は、当該変倍光学系のレンズデータである。表20は、当該変倍光学系の可変間隔を含む各種データである。また、表21は、当該変倍光学系の非球面データである。さらに、図20及び図21に、当該変倍光学系の広角端及び望遠端における無限遠合焦時の縦収差図をそれぞれ示す。また、条件式(1)〜条件式(16)の数値を表28に示す。
Figure 2017026716
Figure 2017026716
Figure 2017026716
(1)変倍光学系の構成
図22は、本件発明に係る実施例8の変倍光学系の広角端及び望遠端における無限遠合焦時のレンズ構成を示すレンズ断面図である。実施例8の変倍光学系は実施例7の変倍光学系と略同様の構成を有る。具体的には以下のとおりである。
第1レンズ群G1は、物体側から順に、物体側に凸面を向けた負のメニスカスレンズ及び両凸レンズを接合した接合レンズと、物体側に凸面を向けた正のメニスカスレンズとから構成される。
第2レンズ群G2は、物体側から順に両凹レンズと、両凹レンズと、物体側に凸面を向けた正のメニスカスレンズとから構成される。
第3レンズ群G3は、物体側から順に両凸レンズと、像面側に凸面を向けた負のメニスカスレンズとから構成される。
第4レンズ群G4は、物体側から順に物体側に凸面を向けた負のメニスカスレンズと両凸レンズとを接合した接合レンズから構成される。
第5レンズ群G5は、物体側から順に両凸レンズと像面側に凸面を向けた負のメニスカスレンズとから構成される。
なお、変倍時及び合焦時の動作は実施例1と略同様である。
(2)数値実施例
次に、当該変倍光学系の具体的数値を適用した数値実施例について説明する。表22は、当該変倍光学系のレンズデータである。表23は、当該変倍光学系の可変間隔を含む各種データである。また、表24は、当該変倍光学系の非球面データである。さらに、図23及び図24に、当該変倍光学系の広角端及び望遠端における無限遠合焦時の縦収差図をそれぞれ示す。また、条件式(1)〜条件式(16)の数値を表28に示す。
Figure 2017026716
Figure 2017026716
Figure 2017026716
(1)変倍光学系の構成
図25は、本件発明に係る実施例9の変倍光学系の広角端及び望遠端における無限遠合焦時のレンズ構成を示すレンズ断面図である。実施例9の変倍光学系は実施例7の変倍光学系と略同様の構成を有する。具体的には以下のとおりである。
第1レンズ群G1は、物体側から順に、物体側に凸面を向けた負のメニスカスレンズ及び両凸レンズを接合した接合レンズと、物体側に凸面を向けた正のメニスカスレンズとから構成される。
第2レンズ群G2は、物体側から順に両凹レンズと、両凹レンズと、物体側に凸面を向けた正のメニスカスレンズとから構成される。
第3レンズ群G3は、物体側から順に両凸レンズと、像面側に凸面を向けた負のメニスカスレンズとから構成される。
第4レンズ群G4は、物体側から順に物体側に凸面を向けた負のメニスカスレンズと両凸レンズとを接合した接合レンズから構成される。
第5レンズ群G5は、物体側から順に両凸レンズと像面側に凸面を向けた負のメニスカスレンズとから構成される。
なお、変倍時及び合焦時の動作は実施例1と略同様である。
(2)数値実施例
次に、当該変倍光学系の具体的数値を適用した数値実施例について説明する。表25は、当該変倍光学系のレンズデータである。表26は、当該変倍光学系の可変間隔を含む各種データである。また、表27は、当該変倍光学系の非球面データである。さらに、図26及び図27に、当該変倍光学系の広角端及び望遠端における無限遠合焦時の縦収差図をそれぞれ示す。また、条件式(1)〜条件式(16)の数値を表28に示す。
Figure 2017026716
Figure 2017026716
Figure 2017026716
Figure 2017026716
本件発明によれば、小型化、軽量化を図りつつ、大口径で結像性が高く、変倍域全域において広い波長域の光線を良好に収差補正することができる変倍光学系、及び当該変倍光学系を備えた撮像装置を提供することができる。本件発明に係る変倍光学系は、特に、100万画素以上の固体撮像素子を備える撮像装置に好適であり、300万画素以上、500万画素以上の高画素数の固体撮像素子を備える撮像装置により好適である。さらに、本件発明に係る変倍光学系は、可視光波長域から近赤外波長域の光線まで、変倍域全域において広い波長域の光線を良好に収差補正することができる。これらのことから、本件発明は監視用撮像装置用の撮像光学系、或いは監視用撮像装置に好適である。

Claims (15)

  1. 物体側から順に配置される、正の屈折力を有する第1レンズ群、負の屈折力を有する第2レンズ群、正の屈折力を有する第3レンズ群、正の屈折力を有する第4レンズ群、及び、正の屈折力を有する第5レンズ群から構成され、
    前記第3レンズ群は、正レンズと負レンズとをそれぞれ少なくとも1枚含み、且つ、実質的に3枚以下のレンズから構成され、
    広角端から望遠端への変倍に際し、前記第1レンズ群及び前記第3レンズ群を固定し、各レンズ群間の距離を相対的に変化させ、
    以下の条件式で表される条件を満足することを特徴とする変倍光学系。
    2.5 ≦ f1/fw ≦ 5.5 ・・・(1)
    0.005 ≦ fw/f13w ≦ 0.270 ・・・(2)
    ただし、
    fwは、広角端における無限遠合焦時の当該変倍光学系全系の焦点距離であり、
    f1は、前記第1レンズ群の焦点距離であり、
    f13wは、広角端における無限遠合焦時の前記第1レンズ群、前記第2レンズ群及び前記第3レンズ群の合成焦点距離である。
  2. 以下の条件式で表される条件を満足する請求項1記載の変倍光学系。
    2.5 ≦ |f1/f2| ≦ 5.1 ・・・(3)
    ただし、
    f2は、前記第2レンズ群の焦点距離である。
  3. 前記第2レンズ群は、物体側から順に負レンズと正レンズとをそれぞれ少なくとも1枚ずつ含み、且つ、実質的に3枚以下のレンズから構成され、
    以下に示す条件式で表される条件を満足する請求項1又は請求項2に記載の変倍光学系。
    0.000≦PCt_2n−(0.546+0.00467×vd_2n)・・・(4)
    ただし、
    PCt_2nは、前記第2レンズ群に含まれる負レンズのうち、いずれか一の負レンズのC線及びt線に関する部分分散比であり、
    vd_2nは、前記第2レンズ群に含まれる負レンズのうち、いずれか一の負レンズのd線に対するアッベ数である。
  4. 前記第2レンズ群は、正レンズを少なくとも1枚含み、
    以下に示す条件式で表される条件を満足する請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の変倍光学系。
    vd_2p ≦ 30.0 ・・・(5)
    ただし、
    vd_2pは、前記第2レンズ群に含まれる正レンズのうちいずれか一の正レンズのd線に対するアッベ数である。
  5. 前記第3レンズ群の最も物体側に開口絞りが配置され、
    広角端から望遠端への変倍に際し、当該開口絞りは前記第3レンズ群と共に固定され、
    以下に示す条件式で表される条件を満足する請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の変倍光学系。
    |PCt_3p − PCt_3n| ≦ 0.20 ・・・(6)
    ただし、
    PCt_3pは、前記第3レンズ群に含まれる正レンズのうち、いずれか一の正レンズのC線とt線に関する部分分散比であり、
    PCt_3nは、前記第3レンズ群に含まれる負レンズのうち、いずれか一の負レンズのC線とt線に関する部分分散比である。
  6. 以下に示す条件式で表される条件を満足する請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の変倍光学系。
    0.000≦PCt_3n−(0.546+0.00467×vd_3n)・・・(7)
    ただし、
    PCt_3nは、前記第3レンズ群に含まれる負レンズのうち、いずれか一の負レンズのC線とt線に関する部分分散比であり、
    vd_3nは、前記第3レンズ群に含まれる負レンズのうち、いずれか一の負レンズのd線に対するアッベ数である。
  7. 以下に示す条件式で表される条件を満足する請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の変倍光学系。
    65.0 ≦ vd_3p ・・・(8)
    ただし、
    vd_3pは、前記第3レンズ群に含まれる正レンズのうち、いずれか一の正レンズのd線に対するアッベ数である。
  8. 前記第4レンズ群は、広角端から望遠端への変倍時及び無限遠物体から近距離物体への合焦時に光軸方向に移動し、
    当該第4レンズ群は正レンズと負レンズとを少なくとも1枚ずつ含み、
    以下に示す条件式で表される条件を満足する請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の変倍光学系。
    |PCt_4p−PCt_4n| ≦ 0.12 ・・・(9)
    ただし、
    PCt_4pは、前記第4レンズ群に含まれる正レンズのうち、いずれか一の正レンズのC線とt線に関する部分分散比であり、
    PCt_4nは、前記第4レンズ群に含まれる負レンズのうち、いずれか一の負レンズのC線とt線に関する部分分散比である。
  9. 前記第4レンズ群は、少なくとも負レンズを1枚含み、
    以下に示す条件式で表される条件を満足する請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の変倍光学系。
    0.000≦PCt_4n−(0.546+0.00467×vd_4n)・・・(10)
    ただし、
    PCt_4nは、前記第4レンズ群に含まれる負レンズのうち、いずれか一の負レンズのC線とt線に関する部分分散比であり、
    vd_4nは、前記第4レンズ群に含まれる負レンズのうち、いずれか一の負レンズのd線に対するアッベ数である。
  10. 前記第4レンズ群は、少なくとも正レンズを1枚含み、
    以下に示す条件式で表される条件を満足する請求項1から請求項9のいずれか一項に記載の変倍光学系。
    65.0 ≦ vd_4p ・・・(11)
    ただし、
    vd_4pは、前記第4レンズ群に含まれる正レンズのうち、いずれか一の正レンズのd線に対するアッベ数である。
  11. 以下に示す条件式で表される条件を満足する請求項1から請求項10のいずれか一項に記載の変倍光学系。
    1.6 ≦ f3/fw ≦ 4.5 ・・・(12)
    ただし、
    f3は、前記第3レンズ群の焦点距離である。
  12. 以下に示す条件式で表される条件を満足する請求項1から請求項11のいずれか一項に記載の変倍光学系。
    1.7 ≦ f4/fw ≦ 4.8 ・・・(13)
    ただし、
    f4は、前記第4レンズ群の焦点距離である。
  13. 以下に示す条件式で表される条件を満足する請求項1から請求項12のいずれか一項に記載の変倍光学系。
    0.38 ≦ f4/ft ≦ 1.50 ・・・(14)
    ただし、
    ftは、望遠端における無限遠合焦時の当該変倍光学系全系の焦点距離であり、
    f4は、前記第4レンズ群の焦点距離である。
  14. 以下に示す条件式で表される条件を満足する請求項1から請求項13のいずれか一項に記載の変倍光学系。
    0.600 ≦ β5t ≦ 0.850 ・・・(15)
    ただし、
    β5tは、望遠端における無限遠合焦時の前記第5レンズ群の結像倍率である。
  15. 請求項1から請求項14のいずれか一項に記載の変倍光学系と、当該変倍光学系の像側に設けられ、前記変倍光学系によって形成された光学像を電気的信号に変換する撮像素子とを備えたことを特徴とする撮像装置。
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