JP2017026599A - 水素ガス検査方法および水素ガス検査装置 - Google Patents

水素ガス検査方法および水素ガス検査装置 Download PDF

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Abstract

【課題】無色、無臭である水素ガスの存在の有無および/または水素ガスの濃度を非接触で安全に検査すること。【解決手段】半導体発光素子からの出射光を蛍光体によって前記出射光よりも長波長の光に波長変換し、前記波長変換された光を検査対象空間に対して照射し、前記波長変換された光が照射された前記検査対象空間で発生した散乱光のうち前記検査対象空間に存在する水素ガスによって生じたラマン散乱光を検出することにより、前記水素ガスの存在の有無および/または前記水素ガスの濃度を検査する。【選択図】図1

Description

本開示は、水素ガス検査方法および水素ガス検査装置に関する。
従来から、水素供給ステーションまたは燃料電池システムにおける水素ガスの漏洩を検知する手段として、例えば、接触燃焼式または半導体式などの水素センサーが提案されている。接触燃焼式または半導体式のセンサーを用いて、水素ガスを検知するためには水素ガスがセンサー部に接触する必要があるため、漏洩箇所の特定を容易に行うことができない課題がある。また、センサーの設置場所または漏洩したガスの拡散方向によっては、水素ガスがセンサー部まで届かず、十分な検知ができないという課題がある。水素ガス以外のメタン、プロパンなどの可燃性ガスについては、赤外線吸収方式のように直接、検査対象ガスがセンサー部に接触することなく検出可能な方法がある。
水素ガスが、直接センサー部に接触することなく検出する方法としては、例えば、特許文献1には、レーザ光を対象空間に照射し、レーザ光の水素ガスによるラマン散乱光を集光し検出する方法が記載されている。ラマン散乱光による水素ガスの検出方法は、任意の波長の光を水素ガスに照射すると水素分子の振動エネルギーまたは回転エネルギーに相当するエネルギー分だけ、照射した光の波長からずれたラマン散乱光が発生する現象を利用したものである。
特許第3783019号公報
本開示は、無色、無臭である水素ガスの存在の有無および/または水素ガスの濃度を非接触で安全に検査する水素ガス検査方法および水素ガス検査装置を提供する。
本開示の一実施形態に係る水素ガス検査方法は、半導体発光素子からの出射光を蛍光体によって前記出射光よりも長波長の光に波長変換し、前記波長変換された光を検査対象空間に対して照射し、前記波長変換された光が照射された前記検査対象空間で発生した散乱光のうち前記検査対象空間に存在する水素ガスによって生じたラマン散乱光を検出することにより、前記水素ガスの存在の有無および/または前記水素ガスの濃度を検査する。
なお、本開示の包括的または具体的な実施形態は、装置、システム、方法、およびこれらの任意な組み合わせで実現されてもよい。
本開示の水素ガス検査方法および水素ガス検査装置によれば、無色、無臭である水素ガスの存在の有無および/または水素ガスの濃度を非接触で安全に検査することができる。
本開示の第1の実施の形態に係るレーザ励起蛍光体透過型発光光源を用いた場合の水素ガス検査装置の概略構成図である。 本開示の第1の実施の形態に係るレーザ励起蛍光体反射型発光光源を用いた場合の水素ガス検査装置の概略構成図である。 本開示の第2の実施の形態に係る水素ガス検査装置の概略構成図である。 本開示の第3の実施の形態に係る水素ガス検査装置の概略構成図である。 本開示に係る蛍光体発光スペクトルおよびレーザスペクトルの例である。 本開示に係る照射光の波長領域が500nm以上550nm以下の場合の、レイリー散乱光、水素ガスのラマン散乱光、酸素ガスのラマン散乱光、窒素ガスのラマン散乱光のスペクトルである。 本開示に係る照射光の波長領域が470nm以上520nm以下の場合の、レイリー散乱光、水素ガスのラマン散乱光、酸素ガスのラマン散乱光、窒素ガスのラマン散乱光のスペクトルである。
(本開示の基礎となった見知)
レーザ光の水素ガスによるラマン散乱光を検出する方法の場合、ラマン散乱光は、照射するレーザ光と同じ波長のレイリー散乱光に比較し、非常に微弱であるため、外乱光の影響により検査精度が低下するという課題がある。また、ラマン散乱光の強度は、水素ガス濃度に比例するため、特に低濃度の水素ガスを検出することが困難であるという課題がある。そこで、検査精度を向上させるためには、照射するレーザ光の強度を高出力化させる必要があるが、特定のレーザ管理区域を除いては、目または皮膚への障害を防ぐため、照射可能なレーザ光の強度には法規制があり、安全規制範囲内のレーザ光強度では、水素ガスの検出に十分なラマン散乱光を得られないという課題があった。本発明者らは、上記課題を鑑みて、無色、無臭の水素ガスを非接触で、安全かつ高精度に分析する水素ガス検査方法および水素ガス検査装置を提供すべく、鋭意研究した。
本開示は、無色、無臭である水素ガスの検出および/または定量計測を、安全かつ迅速に行う水素ガス検査方法および水素ガス検査装置に関するものである。本開示に係る水素ガスの検出方法は、ラマン散乱現象を発生するために照射する光として、照射可能強度に安全規制のあるコヒーレントなレーザ光ではなく、レーザ光によって蛍光体を励起し波長変換された光を放射するレーザ励起蛍光体発光光源を使用する。
レーザ励起蛍光体発光光源から放射される光は、レーザ光と異なり、蛍光体で波長変換および散乱されることで光の位相は揃っておらず、干渉による光増幅は生じないため、レーザ光に対する安全規制の対象とはならない。一方で、ラマン散乱現象を発生させる光の性質としては、レーザ光のように位相が揃っているコヒーレント性は必要条件ではない。
また、レーザ励起蛍光体発光光源は、ハロゲンランプ、放電ランプなどの光源に比較し、発光点を非常に小さくすることが可能であるため、ラマン散乱を発生させるための光源として使用した場合に、照射位置に対する光の強度をレーザ光に匹敵するまで強めることができる。
レーザ励起蛍光体発光光源の光をレンズ等で検査対象空間に照射することで誘起される水素ガスのラマン散乱光の強度は、照射する光の強度が高いほど強くなり、光学バンドパスフィルターを用いて、レイリー散乱光、水素ガス以外からのラマン散乱光および蛍光を遮光することで、光センサーで検出する場合において、高いS/N比を得ることが可能である。
また、レーザ励起蛍光体発光光源においては、使用する蛍光体の種類を選択することによって発光する光の波長を任意に選択することが可能である。よって、使用する蛍光体として、水素ガスのラマン散乱光が可視光となる蛍光体を選択することで、目視での水素ガスの存在有無を判定することも可能である。
また、レーザ励起蛍光体発光光源の蛍光体から検査対象空間に照射する光を光学バンドパスフィルターによって波長領域を狭小化することで、レイリー散乱光とラマン散乱光の分離を容易にすることが可能である。
水素ガスのラマン散乱光としては、振動ストークスラマン散乱光、振動アンチストークスラマン散乱光、回転ストークスラマン散乱光、回転アンチストークスラマン散乱光の4種があり、本開示に係る水素ガスの検出方法では、前記4種のラマン散乱光のうちの少なくとも一つを検出すればよいが、ラマン散乱光強度とレイリー散乱光からのエネルギーのずれ幅を鑑みた場合には、振動ストークスラマン散乱光を検出する方法が望ましい。
以下、特定の実施形態を挙げて本開示の詳細を説明するが、当然ながら本開示はこれらの実施形態に限定されるものではなく、本開示の技術範囲を逸脱しない範囲で適宜変更して実施することができる。
本開示の第1の側面に係る水素ガス検査方法は、半導体発光素子からの出射光を蛍光体によって前記出射光よりも長波長の光に波長変換し、前記波長変換された光を検査対象空間に対して照射し、前記波長変換された光が照射された前記検査対象空間で発生した散乱光のうち前記検査対象空間に存在する水素ガスによって生じたラマン散乱光を検出することにより、前記水素ガスの存在の有無および/または前記水素ガスの濃度を検査する。
本開示の第2の側面に係る水素ガス検査方法は、第1の側面に係る水素ガス検査方法において、前記半導体発光素子は発光ピーク波長が360〜500nmのレーザダイオードである方法である。なお、本開示において、ピークが複数ある場合の「ピーク波長」とは、最大のピークの波長をいう。
本開示の第3の側面に係る水素ガス検査方法は、第1または第2の側面に係る水素ガス検査方法において、前記波長変換された光の発光ピーク波長が380〜600nmである方法である。
本開示の第4の側面に係る水素ガス検査方法は、第1〜第3のいずれかの側面に係る水素ガス検査方法において、前記波長変換された光は、前記光学バンドパスフィルターを介して前記検査対象空間に照射され、前記照射される光の半値幅が光学バンドパスフィルターによって10〜100nmとなる方法である。
本開示の第5の側面に係る水素ガス検査方法は、第1〜第4のいずれかの側面に係る水素ガス検査方法において、前記ラマン散乱光を、光学バンドバスフィルターによって他の散乱光の少なくとも一部から分離し、前記分離した光を光センサーで受光することにより、前記ラマン散乱光の検出を行う。
本開示の第6の側面に係る水素ガス検査方法は、第1〜第4のいずれかの側面に係る水素ガス検査方法において、前記ラマン散乱光を光学バンドバスフィルターによって他の散乱光の少なくとも一部から分離し、前記分離した光を目視することにより、前記ラマン散乱光の検出を行う。
本開示の第7の側面に係る水素ガスの検査方法は、第1〜第4のいずれかの側面に係る水素ガスの検査方法において、前記ラマン散乱光を分光器によって分光し、前記分光した光を光センサーで受光し、前記光を受光した前記光センサーによって得られたスペクトルから前記ラマン散乱光の検出を行う。
本開示の第8の側面は、第1〜第7のいずれかの側面に係る水素ガスの検査方法を実施する水素ガス検査装置である。
以下、実施の形態について、図面を参照しながら具体的に説明する。以下で説明する実施の形態は、いずれも包括的または具体的な例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、ステップ、ステップの順序などは、一例であり、本開示を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。また、同一または同様の構成については同一の符号を付して重複する説明を省略する場合がある。
(第1の実施の形態)
図1および図2は、本開示の第1の実施の形態に係る水素ガスの存在有無および濃度を検査する装置の概略構成を示している。検査装置11は、光源装置21と、照射用レンズ31と、照射光用光学バンドパスフィルター32と、受光用レンズ33と、受光用光学バンドパスフィルター34と、光検出装置41とを備える。光源装置21は、半導体発光素子22と集光レンズ23と蛍光体素子24とを備える。
半導体発光素子22は、発光ピーク波長が360nm以上500nm以下のレーザダイオードであってよい。これにより、半導体発光素子22の光は、蛍光体で効率よく変換され、小さい領域に集光される。よって、光の利用効率を高めることができる。半導体発光素子22の光のピーク波長は、使用する蛍光体材料と組み合わせた場合における波長変換光の波長範囲および/または変換効率を鑑みて、適宜選択することが可能である。本実施の形態においては、使用する蛍光体材料である(Y,Ga)3Al512:Ce3+組成の変換効率が最大となるように、半導体発光素子22として、発光波長が445nmのレーザダイオードを用いる。
半導体発光素子22は、一つの素子であってよく、複数の素子であってもよい。複数の素子の場合には、例えば、複数の集光レンズを用いるか、または、光ファイバーを用いて複数の光を結合することによって、蛍光体素子24に照射する。蛍光体素子24に照射するレーザのパワーは、レーザ光の安全基準などに限定されるものではなく、光検出器の感度または使用環境に応じて、適宜、調整することが可能である。半導体発光素子22からの光を変換する蛍光体素子24は、蛍光体のみで構成されている単結晶またはセラミックスであってよく、また、蛍光体粒子が有機樹脂、有機無機ハイブリット材料、および無機材料のマトリクスのうちの少なくとも一つの中に埋包されたものでもあってよい。
図1においては、蛍光体素子24は、半導体発光素子22の光が透過する基板(図示せず)上に形成されたものである。半導体発光素子22の光を基板面側から照射し、基板を透過した光が基板上の蛍光体によって波長変換される構成である。基板上には、半導体発光素子22の光を透過し、蛍光体素子24によって波長変換された光を反射するダイクロイックミラーを備えてあってもよい。
また、図2においては、半導体発光素子22から蛍光体素子24に照射された光は、蛍光体素子24により波長変換され、蛍光体素子24の同一の側に出射される。この場合は、蛍光体素子24を支持する基板は、半導体発光素子22からの光および出射された光とは、蛍光体から見て反対側に形成されたものであってもよい。また、この場合は、基板は光を反射するものであってもよい。また、図2において、蛍光体素子24は、半導体発光素子22の光を吸収し、蛍光体素子24によって波長変換された光を反射する基板上に形成されたものであってもよい。
蛍光体素子24に用いる蛍光体材料は、特定の材料組成に限定されるものではなく、半導体発光素子22の光を波長変換可能な材料であればよく、多様な蛍光体材料を用いることが可能である。本実施の形態においては、蛍光体材料として(Y,Ga)3Al512:Ce3+組成を用いる。
水素ガスの振動ストークスラマン散乱光は、水素ガスに固有の振動エネルギーである0.000416nm-1分だけ照射光よりも低いエネルギーの光であり、照射光と水素ガスによる振動ストークスラマン散乱光(以下、ラマン散乱光)の間には、式1の関係が成り立つ。
(式1)
ラマン散乱光[nm]=1/(1/照射光[nm]−0.000416[nm-1])
したがって、水素ガスの振動ストークスラマン散乱光を誘起する照射光の波長が380nm以上600nm以下であれば、検査対象空間52に照射している光が目視で確認可能な上、水素ガスの振動ストークスラマン散乱光の波長が508.9nm以上799.6nm以下となり、目視での確認または可視領域光センサーの利用に適している。蛍光体素子によって波長変換した光のピーク波長は380nm以上600nm以下であってよい。
照射用レンズ31は、光源装置21からの光を水素ガス配管51付近などの水素ガス漏洩を検査すべき検査対象空間52に照射するためのものであり、少なくとも1枚以上のレンズで構成されたレンズユニットであってよい。
照射光用光学バンドパスフィルター32は、半導体発光素子22の光および蛍光体素子24によって波長変換された光のうちの一部を除去する役割を果しており、誘電体多層膜タイプのフィルターであってよく、吸収タイプのフィルターであってもよい。
照射光用光学バンドパスフィルター32を透過した光の波長領域は、380nm以上600nm以下であってよい。
図5に示すように、本実施の形態で使用する(Y,Ga)3Al512:Ce3+組成蛍光体は、470〜750nmの広い波長範囲に発光分布を持つ。本実施の形態では、その発光のうち、照射光用光学バンドパスフィルター32の透過波長領域を適宜調整することによって、検査対象空間へ照射する光の波長分布を選択することが可能である。検査対象空間に照射する光のスペクトルの半値幅は、100nm以下10nm以上が望ましい。照射光の半値幅を100nm以下とすることにより、水素ガスによるラマン散乱光と大気中の酸素ガスまたは窒素ガスによるラマン散乱光との分離を容易に行うことができる。また、照射光の半値幅を10nm以上とすることにより、精度よく水素ガスのラマン散乱光を検出することができる。
図6は、照射光の波長領域が500nm以上550nm以下、半値幅40nmの場合の、レイリー散乱光、水素ガスのラマン散乱光、酸素ガスのラマン散乱光、窒素ガスのラマン散乱光のスペクトル形状を強度規格化して示したものである。図6に示すように照射光用光学バンドパスフィルター32を透過した光の波長領域が500nm以上550nm以下の場合、水素ガスの振動ストークスラマン散乱光の波長領域は、631.3nm以上713.2nm以下であり、中心波長が671.7nmである。これに対し、大気中の主成分ガスである窒素ガスの振動ストークスラマン散乱光は566nm以上630.9nm以下であり、酸素ガスの振動ストークスラマン散乱光は542.2nm以上601.5nm以下となる。よって、水素ガスによる振動ストークスラマン散乱光のみを容易に分離することが可能となる。
受光用レンズ33は、検査対象空間52からの光を光検出装置41に照射するためのものであり、少なくとも1枚以上のレンズで構成されたレンズユニットであってよい。
受光用光学バンドパスフィルター34は、水素ガスのラマン散乱光を透過し、レイリー散乱光、水素以外のガスによるラマン散乱光、および外乱光を除去する。受光用光学バンドパスフィルター34は、誘電体多層膜タイプのフィルターであってよく、吸収タイプのフィルターであってもよい。
光検出装置41に用いる光センサーは、特定の種類の光センサーに限定されるものではない。光センサーの例としては、アバランシェフォトダイオードまたは光電子倍増管がある。また、光センサーとしてCCDイメージセンサーまたはCMOSイメージセンサーなどを用いることで、水素ガスの存在分布などを画像として捉えることも可能である。光検出装置41は、さらに、光センサーからの信号を処理する処理装置(マイコン、プロセッサなど)、および処理プログラムおよび処理したデータを記録する記録媒体(半導体メモリ、ハードディスク等)を備えていてもよい。光検出装置41の処理装置は、例えば、光センサーからの信号データの中から予め定められた範囲の周波数成分のデータを抽出することにより、水素ガスによって生じたラマン散乱光を検出し、この検出結果に基づいて水素ガスの存在の有無および/または前記水素ガスの濃度を判定する。
(第2の実施の形態)
図3は、本開示の第2の実施の形態に係る水素ガスの存在有無を検査する装置の概略構成を示している。検査装置12は、光源装置21と照射用レンズ31と照射光用光学バンドパスフィルター32と目視確認用光学バンドパスフィルター35を備える。光源装置21は半導体発光素子22と集光レンズ23と蛍光体素子24とを備える。
光源装置21と照射用レンズ31と照射光用光学バンドパスフィルター32は、本開示の第1の実施の形態と同様の構成のものであってよい。半導体発光素子22の光のピーク波長は、使用する蛍光体材料と組み合わせた場合における波長変換光の波長範囲および/または変換効率を鑑みて、適宜選択することが可能である。本実施の形態においては、使用する蛍光体材料である(Y,Ga)3Al512:Ce3+組成の変換効率が最大となるように、半導体発光素子22として、発光波長が445nmのレーザダイオードを用いる。
検査対象空間に照射する光のスペクトルの半値幅は、100nm以下10nm以上が望ましい。照射光の半値幅を100nm以下とすることにより、水素ガスによるラマン散乱光と大気中の酸素ガスまたは窒素ガスによるラマン散乱光との分離を容易に行うことができる。また、照射光の半値幅を10nm以上とすることにより、精度よく水素ガスのラマン散乱光を検出することができる。
本開示の第2の実施の形態においては、水素ガスの存在有無の判定は目視確認によって行う。目視確認用光学フィルター35は、照射光の波長領域の光を除去し、水素ガスによるラマン散乱光を透過する特性を有している。人間の比視感度は、555nmの波長の光に対して高くなる。よって、水素ガスの振動ストークスラマン散乱光の中心波長が455nm以上655nm以下、より望ましくは485nm以上625nm以下となるように照射光波長範囲を選択してもよい。これにより、目視での判定が容易となる。また、照射光と水素ガスの振動ストークスラマン散乱光の色差が大きいほど目視での判定が容易となる。よって、照射光と水素ガスの振動ストークスラマン散乱光の色差が大きくなるように照射光波長範囲を選択してもよい。これにより、目視での判定が容易となる。すなわち、本開示の第2の実施の形態のように目視確認によって水素ガスの存在有無を判定する場合には、水素ガスの振動ストークスラマン散乱光の中心波長が555nmに近く、また照射光と水素ガスの振動ストークスラマン散乱光の色差が大きくなる照射光波長範囲を選択することで判定が容易となる。
図7は、照射光の波長領域が470nm以上520nm以下、半値幅27nmの場合の、レイリー散乱光、水素ガスのラマン散乱光、酸素ガスのラマン散乱光、窒素ガスのラマン散乱光のスペクトル形状を強度規格化して示したものである。図7のように照射光の波長領域が470nm以上520nm以下の青緑光の場合、検査対象点を目視で確認することが可能である。また、この場合、水素ガスの振動ストークスラマン散乱光は、波長領域584.2nm以上663.5nm以下、中心波長623.4nmの光となる。よって、目視確認用光学フィルター35が、584nm以上の光を透過する特性を有することで、大気中の主成分である酸素ガスまたは窒素ガスの影響を最小限に抑制しつつ、水素ガスの振動ストークスラマン散乱光を照射光の青緑光とは補色関係にある赤色光として認識することができる。これにより、目視で、水素の存在を確認することが可能となる。
また、目視確認用光学フィルター35は、誘電体多層膜タイプのフィルターであってよく、吸収タイプのフィルターであってもよい。
(第3の実施の形態)
図4は、本開示の第3の実施の形態に係る水素ガスの存在有無および濃度を検査する装置の概略構成を示している。検査装置13は、光源装置21と照射用レンズ31と照射光用光学バンドパスフィルター32と受光用レンズ36と受光用分光器61と光検出装置43を備える。光源装置21は半導体発光素子22と集光レンズ23と蛍光体素子24とを備える。
光源装置21と照射用レンズ31と照射光用光学バンドパスフィルター32と受光用レンズ36は、本開示の第1の実施の形態と同様の構成のものであってよい。
本開示の第3の実施の形態においては、検査対象空間52の光を受光用レンズ36によって集光した後、受光用分光器61によって分光する。受光用分光器61の分光方式は特に限定されるものではなく、回折格子式またはプリズム式であってよい。
受光用分光器61によって分光された光は、光検出装置43によって波長毎の光強度であるスペクトルとして検出される。光検出装置43は、一つの光センサーから構成されたものであってよく、また、複数の光センサーによって構成されたマルチチャンネル型検出器であってもよい。光検出装置43に用いる光センサーとしては、特定の種類の光センサーに限定されるものではないが、一つの光センサーによって構成する場合にはアバランシェフォトダイオードまたは光電子倍増管が望ましい。また、複数の光センサーによって構成されたマルチチャンネル型検出器である場合にはCCDセンサーまたはCMOSセンサーが望ましい。
光検出装置43の出力であるスペクトルのなかから、水素ガスのラマン散乱に起因する成分のみを抽出することによって、水素ガスの存在有無および濃度の定量分析が可能となる。光検出装置43の出力であるスペクトルのなかから、水素ガスのラマン散乱のみに起因する成分のみを抽出する方法は、特定の方法に限られるものではなく、差スペクトル法、微分スペクトル法、カーブフィッティング法、フーリエセルフデコンボリューション法、ケモメトリックス法などの方法を用いることが出来る。光検出装置43は、さらに、光センサーからの信号を処理する処理装置(マイコン、プロセッサなど)および処理プログラムおよび処理したデータを記録する記録媒体(半導体メモリ、ハードディスク等)を備えていてもよい。この場合、処理装置がプログラムに従って上述した抽出方法を実行し、その結果を記録媒体に格納する。
本開示の水素ガス検知方法および装置は、無色、無臭の水素ガスを非接触で、安全かつ高精度に定量分析することを可能とし、水素供給ステーションまたは燃料電池システムにおける水素ガスの漏洩を遠隔地点から検知に用いることができる。また、水素貯蔵タンクまたは水素供給配管などにおける水素漏洩箇所を特定するためのハンディタイプの水素ガス検知装置として用いることができる。
11、12、13 水素ガス検査装置
21 光源装置
22 半導体発光素子
23 集光レンズ
24 蛍光体素子
31 照射用レンズ
32 照射光用光学バンドパスフィルター
33、36 受光用レンズ
34、35 受光用光学バンドパスフィルター
41、43 光検出装置
42 人間の目
51 水素ガス配管
52 検査対象空間
61 受光用分光器

Claims (8)

  1. 半導体発光素子からの出射光を蛍光体によって前記出射光よりも長波長の光に波長変換し、前記波長変換された光を検査対象空間に対して照射し、
    前記波長変換された光が照射された前記検査対象空間で発生した散乱光のうち前記検査対象空間に存在する水素ガスによって生じたラマン散乱光を検出することにより、前記水素ガスの存在の有無および/または前記水素ガスの濃度を検査する、
    水素ガス検査方法。
  2. 前記半導体発光素子は、発光ピーク波長が360〜500nmのレーザダイオードである、
    請求項1記載の水素ガス検査方法。
  3. 前記波長変換された光の発光ピーク波長が380〜600nmである、
    請求項1または2に記載の水素ガス検査方法。
  4. 前記波長変換された光は、光学バンドパスフィルターを介して前記検査対象空間に照射され、前記照射される光の半値幅が光学バンドパスフィルターによって10〜100nmとなる、
    請求項1〜3のいずれか1項に記載の水素ガス検査方法。
  5. 前記ラマン散乱光を光学バンドバスフィルターによって他の散乱光の少なくとも一部から分離し、前記分離した光を光センサーで受光することにより、前記ラマン散乱光の検出を行う、
    請求項1〜4のいずれか1項に記載の水素ガス検査方法。
  6. 前記ラマン散乱光を光学バンドバスフィルターによって他の散乱光の少なくとも一部から分離し、前記分離した光を目視することによって、前記ラマン散乱光の検出を行う、
    請求項1〜4のいずれか1項に記載の水素ガス検査方法。
  7. 前記ラマン散乱光を分光器によって分光し、前記分光した光を光センサーで受光し、前記光を受光した前記光センサーによって得られたスペクトルから前記ラマン散乱光の検出を行う、
    請求項1〜4のいずれか1項に記載の水素ガス検査方法。
  8. 半導体発光素子と、
    前記半導体発光素子からの出射光を前記出射光よりも長波長の光に波長変換し、前記波長変換された光を前記検査対象空間に対して照射する蛍光体と、
    前記光が照射された前記検査対象空間で発生した散乱光のうち前記検査対象空間に存在する水素ガスによって散乱されたラマン散乱光を検出する光検出装置と、
    を備え、
    前記ラマン散乱光の検出により、前記水素ガスの存在の有無および/または前記水素ガスの濃度を検査する水素ガス検査装置。
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