[第1の実施形態]
以下、図面を参照しながら本実施形態に係わる自動分析装置を説明する。
図1は、本実施形態に係る自動分析装置の構成を示す図である。自動分析装置1は、分析機構2、駆動部3、解析部4、第1の報知部51、第2の報知部52−1、第2の報知部52−2、表示部6、入力部7、記憶部8、第1の検知部90−1、90−2、第2の検知部91−1、91−2、及びシステム制御部10を備える。
分析機構2は、自動分析装置1の筐体に設けられている。分析機構2は、例えば、図1に示すように、反応ディスク11、サンプルディスク13、第1試薬庫15、第2試薬庫17、サンプルアーム19―1、サンプルプローブ21―1、第1試薬アーム19―2、第1試薬プローブ21―2、第2試薬アーム19―3、第2試薬プローブ21―3、撹拌アーム23、撹拌子25、測光機構、及び洗浄機構29を搭載する。
反応ディスク11は、環状に配列された複数の反応管31を保持する。反応ディスク11は、既定の時間間隔で回動と停止とを交互に繰り返す。反応管31は、例えば、ガラスにより形成されている。
サンプルディスク13は、反応ディスク11の近傍に配置されている。サンプルディスク13は、検体が収容されたサンプル容器33を保持する。サンプルディスク13は、分注対象の検体が収容されたサンプル容器33が検体吸入位置に配置されるように回動する。
第1試薬庫15は、反応ディスク11の内側に配置される。第1試薬庫15は、例えば図2に示されるように円筒形状の試薬庫本体部151と試薬容器ラック152とを有する。
試薬庫本体部151は、例えば図2に示されるように試薬容器ラック152を側面及び底面で覆う。試薬庫本体部151は、例えば図3に示されるように予め設定される部位に、後述する第1の検知部90−1が第1試薬容器35を透視可能な程度の大きさの透明な第1の検知窓153を有する。
試薬庫本体部151は、例えば図3に示されるように所定の部位に、後述する第2の検知部91−1が第1試薬容器35を透視可能な程度の大きさの透明な第2の検知窓154を有する。所定の部位とは、図3に示されるように第1の検知窓153の位置から見て後述する試薬容器ラック152が回動する方向(時計回り)の下流に位置する部位を示す。
試薬容器ラック152は、複数の第1試薬容器35を円周状に1列配列した状態で収容する。試薬容器ラック152は、システム制御部10の制御の下、駆動部3によって第1試薬庫15の中心を通る鉛直線を回転中心として時計回りに回動される。
第1試薬容器35は、図3に示されるように、その背面部に例えば自身の有する試薬容器の属性情報を示すバーコード351を有する。バーコード351には、例えば試薬名、ロット番号、試薬容器の種類、試薬の有効期限などの試薬の属性情報が含まれる。第1試薬容器35は、試薬容器ラック152の回動により所望の位置まで移動する。
なお、図3に示されるように、試薬庫本体部151の内側かつ第1の検知窓153近傍に設定される位置155は、交換位置として扱われる(以下、交換位置155と呼ぶことにする。)。交換位置155では、検体の検査項目に選択的に反応する第1試薬を収容する第1試薬容器35が交換される。また、交換位置155では、後述する第1の検知部90−1により、第1試薬容器35の交換動作が検知される。
また、図3に示されるように、試薬庫本体部151の内側かつ第2の検知窓154近傍に設定される位置156は、検知位置として扱われる(以下、検知位置156と呼ぶことにする。)。なお、検知位置156は、図1に示されるように交換位置155と、第1試薬プローブ21−2が第1試薬容器35から試薬の吸入を行う第1試薬吸入位置157との間に設定される。検知位置156では、後述する第2の検知部91−1により、第1試薬容器35に付されたバーコード351が検知される。
第2試薬庫17は、反応ディスク11の近傍に配置される。第2試薬庫17は、第1試薬庫15と同様の構造であり、円筒形状の試薬庫本体部171と試薬容器ラック172とを有する。
試薬庫本体部171は、試薬庫本体部151と同様に、試薬容器ラック172を側面及び底面で覆う。試薬庫本体部171は、試薬庫本体部151と同様に予め設定される部位に、後述する第1の検知部90−2が第2試薬容器37を透視可能な程度の大きさの透明な第1の検知窓を有する。
試薬庫本体部171は、試薬庫本体部151と同様に所定の部位に後述する第2の検知部91−2が第2試薬容器37を透視可能な程度の大きさの透明な第2の検知窓を有する。所定の部位とは、試薬庫本体部151と同様に、第1の検知窓の位置から見て後述する試薬容器ラック172が回動する方向(時計回り)の下流に位置する部位を示す。
試薬容器ラック172は、複数の第2試薬容器37を円周状に1列配列した状態で収容する。試薬容器ラック172は、システム制御部10の制御の下、駆動部3によって第2試薬庫17の中心を通る鉛直線を回転中心として時計回りに回動される。
第2試薬容器37は、第1試薬容器35と同様に、その背面部に例えば自身の有する試薬容器の属性情報を示すバーコードを有する。第2試薬容器37は、試薬容器ラック172の回動により所望の位置まで移動する。
また、試薬庫本体部151と同様に、試薬庫本体部171の内側かつ第1の検知窓の近傍に設定される位置175は、交換位置として扱われる(以下、交換位置175と呼ぶことにする。)。
交換位置175では、第1試薬と対をなす第2試薬を収容する第2試薬容器37が交換される。また、交換位置175では、後述する第1の検知部90−2により、第2試薬容器37の交換動作が検知される。
また、試薬庫本体部151と同様に、試薬庫本体部171の内側かつ第2の検知窓近傍に設定される位置176は、検知位置として扱われる(以下、検知位置176と呼ぶことにする。)。なお、検知位置176は、図1に示されるように交換位置175と、第2試薬プローブ21−3が第2試薬容器37から試薬の吸入を行う第2試薬吸入位置177との間に設定される。
検知位置176では、後述する第2の検知部91−2により、第2試薬容器37に付されたバーコードが検知される。
反応ディスク11とサンプルディスク13との間にはサンプルアーム19―1が配置される。サンプルアーム19―1の先端には、サンプルプローブ21―1が取り付けられている。サンプルアーム19―1は、サンプルプローブ21―1を上下動可能に支持している。また、サンプルアーム19―1は、円弧状の回動軌跡に沿って回動可能にサンプルプローブ21―1を支持している。サンプルプローブ21―1の回動軌跡は、サンプルディスク13上のサンプル吸入位置や反応ディスク11上のサンプル吐出位置を通過する。
サンプルプローブ21―1は、サンプルの分注を分析サイクル毎に行う。なお、サンプルの分注とは、サンプルディスク13上のサンプル吸入位置に配置されているサンプル容器33から検体を吸入し、反応ディスク11上の検体吐出位置に配置されている反応管31に検体を吐出することである。
反応ディスク11の外周近傍には第1試薬アーム19―2が配置される。第1試薬アーム19―2の先端には第1試薬プローブ21―2が取り付けられている。第1試薬アーム19―2は、第1試薬プローブ21―2を上下動可能に支持する。また、第1試薬アーム19―2は、円弧状の回動軌跡に沿って回動可能に第1試薬プローブ21―2を支持している。第1試薬プローブ21―2の回動軌跡は、第1試薬庫15上の第1試薬吸入位置と反応ディスク11上の第1試薬吐出位置とを通る。
第1試薬プローブ21―2は、第1試薬の分注を分析サイクル毎に行う。なお、第1試薬の分注とは、第1試薬庫15上の第1試薬吸入位置に配置されている第1試薬容器35から第1試薬を吸入し、反応ディスク11上の第1試薬吐出位置に配置されている反応管31に第1試薬を吐出することである。
反応ディスク11と第2試薬庫17との間には第2試薬アーム19―3が配置される。第2試薬アーム19―3の先端には第2試薬プローブ21―3が取り付けられている。第2試薬アーム19―3は、第2試薬プローブ21―3を上下動可能に支持する。また、第2試薬アーム19―3は、円弧状の回動軌跡に沿って回動可能に第2試薬プローブ21―3を支持している。第2試薬プローブ21―3の回動軌跡は、第2試薬庫17上の第2試薬吸入位置と反応ディスク11上の第2試薬吐出位置とを通る。
第2試薬プローブ21―3は、第2試薬の分注を分析サイクル毎に行う。なお、第2試薬の分注とは、第2試薬庫17上の第2試薬吸入位置に配置されている第2試薬容器37から第2試薬を吸入し、反応ディスク11上の第2試薬吐出位置に配置されている反応管31に第2試薬を吐出することである。
反応ディスク11の外周近傍には撹拌アーム23が配置される。撹拌アーム23の先端には撹拌子25が取り付けられている。撹拌アーム23は、撹拌子25を上下動可能に支持する。また、撹拌アーム23は、円弧状の回動軌跡に沿って回動可能に撹拌子25を支持している。撹拌子25は、反応ディスク11上の撹拌位置に配置された反応管31内の検体と第1試薬との混合液、または、検体と第1試薬と第2試薬との混合液を攪拌する。以下、これら混合液を反応液と呼ぶことにする。
図1に示すように、反応ディスク11近傍には、不図示の測光機構が設けられている。測光機構は、システム制御部10による制御に従って作動する。具体的には、測光機構は、不図示の光源と光検出器とを有している。光源から照射された光は、反応管31内の反応液を通過し、光検出器で検出される。光検出器は、検出された光の強度に応じた計測値を有するデータ(以下、測光データと呼ぶことにする。)を生成する。生成された測光データは、解析部4に供給される。
反応ディスク11の外周には、洗浄機構29が設けられている。洗浄機構29は、駆動部3による制御に従って作動する。具体的には、洗浄機構29は、洗浄ノズルと乾燥ノズルとが取り付けられている。洗浄機構29は、反応ディスク11の洗浄位置にある反応管31を洗浄ノズルで洗浄し、乾燥ノズルで乾燥する。
駆動部3は、不図示のギア及びモータ等を有している。駆動部3は、システム制御部10の制御に従い、例えば試薬容器ラック152を回動させ、第1試薬容器35を交換位置155等に移動させる。駆動部3は、システム制御部10の制御に従って、例えば試薬容器ラック172を回動させ、第2試薬容器37を交換位置175等に移動させる。
解析部4は、例えばメモリを有するプロセッサとして実現される。解析部4は、記憶部8から動作プログラムを読み出し、動作プログラムに従って測定項目値の計算等を行う。解析部4は、測光データに基づいて反応液についての比色測定に関する測定項目値を計算する。具体的には、解析部4は、測光データに基づいて反応液の吸光度を算出し、算出された吸光度に基づいて測定項目値を計算する。解析部4は算出された測定項目値等の情報をシステム制御部10に連携する。
第1の報知部51は、例えば図1に示すように自動分析装置1の側面に設けられ、LED及びスピーカー、若しくはいずれか一方を有する。第1の報知部51は、システム制御部10の制御の下、例えばLEDを点灯させる。第1の報知部51は、システム制御部10の制御の下、例えばスピーカーより警告音を発する。第1の報知部51は、例えば自動分析装置1が装置使用者の指示した交換対象となる試薬容器を有する場合、LEDを点灯させることで装置使用者に知らせる。第1の報知部51は、例えば装置使用者が交換した試薬容器が誤ったものであった場合、警告音を発することで装置使用者に知らせる。
第2の報知部52−1は、交換位置155の近傍に設置され、例えばLEDを有する。第2の報知部52−1は、システム制御部10の制御の下、例えば点灯状態、点滅状態、又は消灯状態のいずれかの状態をとることで交換作業のステータスを示す。第2の報知部52−1は、例えば第1試薬庫15内で交換対象となる試薬容器が交換位置155に到達すると点灯する。第2の報知部52−1は、例えば交換作業中は点滅する。第2の報知部52−1は、例えば交換終了後は消灯する。
第2の報知部52−2は、交換位置175の近傍に設置され、例えばLEDを有する。第2の報知部52−2は、システム制御部10の制御の下、例えば点灯状態、点滅状態、又は消灯状態のいずれかの状態をとることで交換作業のステータスを示す。第2の報知部52−2は、例えば第2試薬庫17内で交換対象となる試薬容器が交換位置175に到達すると点灯する。第2の報知部52−2は、例えば交換作業中は点滅する。第2の報知部52−2は、例えば交換終了後は消灯する。
表示部6は、例えばCRTディスプレイ、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ、及びプラズマディスプレイ等の表示デバイスを有する。表示部6は、システム制御部10の制御の下、例えば該表示デバイスを通じて、交換対象となる試薬容器の位置を示す情報、解析部4が算出した測定項目値、後述する第1の検知部90−1又は90−2が検知する交換動作が行われた旨の情報、及び後述する第2の検知部91−1又は91−2が検知する交換された試薬容器が正しいものであるか否かを示す情報等を表示する。
入力部7は、オペレータからの入力機器を介した各種指令又は/及び情報入力を受け付ける。入力機器としては、マウスやトラックボールなどのポインティングデバイス、スイッチボタン等の選択デバイス、あるいはキーボードやタッチスクリーン等の入力デバイスが適宜利用可能である。入力部7は、受け付けた各種指令や情報入力をシステム制御部10へ連携する。
記憶部8は、自動分析装置1及び解析部4の動作プログラム、予め与えられた交換対象となる試薬容器の交換リスト情報、解析部4が計算した測定項目値、後程説明する後述する第1の検知部90−1、90−2により検知された検知情報、及び後述する第2の検知部91−1、91−2により検知された検知情報等を記憶している。なお、交換リスト情報には、交換すべき試薬容器ごとの試薬の属性情報が含まれる。
第1の検知部90−1は、例えば光センサと、交換判定部とを備える。光センサとは、例えば投光部と受光部を有し、投光部より検出対象に投光を行い、その入力光に対する反射光を受光部で検出し、検出された反射光の強度に応じた電気信号を出力する反射型光センサである。第1の検知部90−1は、例えば第1の検知窓153越しに光センサで交換位置155に位置する第1試薬容器35に対し投光できるように第1試薬庫15の外部に設けられる。
第1の検知部90−1の光センサは、システム制御部10から供給される交換作業開始の指示を受け付けることを契機として、投光を開始する。以下、光センサから出力される電気信号を、光検出信号と呼ぶことにする。光検出信号は、第1の検知部90−1の交換判定部に供給される。なお、システム制御部10から供給される交換作業開始の指示は、第1の検知部90−1の交換判定部経由で第1の検知部90−1の光センサになされてもよい。
第1の検知部90−1の交換判定部は例えばメモリ及び記憶部を有するプロセッサとして実現される。第1の検知部90−1の交換判定部は、交換判定機能に関する動作プログラムを予め記憶部に保存している。第1の検知部90−1の交換判定部は、光センサから供給された光検出信号の強度の変化に基づいて、交換位置における試薬容器の有無を認識し、試薬容器が交換されたかどうかを判定する。第1の検知部90−1の交換判定部は、交換位置155において交換対象となる試薬容器の交換動作が行われた旨をシステム制御部10に通知する。
第1の検知部90−1の交換判定部では、例えば予め光検出信号の強度に対し閾値Iが設定されている。第1の検知部90−1の交換判定部は、供給される光検出信号の強度がI以上の状態からIより小さい状態へ変化した場合、交換対象となる試薬容器の取外しがあったと認識する。第1の検知部90−1の交換判定部は、供給される光検出信号の強度がIより小さい状態からI以上の状態へ変化した場合、新たな試薬容器の取付けがあったと認識する。第1の検知部90−1の交換判定部は、これら交換対象となる試薬容器の取外し動作と新たな試薬容器の取付け動作を、取外し・取付けの順に予め設定された時間内に連続して認識した場合、一回の交換動作が行われたと判定する。第1の検知部90−1の交換判定部は、予め設定された時間内に上記取付け・取外し動作を検出しなかった場合は、システム制御部10にタイムアウトが発生した旨を通知する。
第1の検知部90−1の交換判定部は、システム制御部10より交換リスト情報に含まれる交換対象となる試薬容器の交換が全て終了した旨の通知を受ける。第1の検知部90−1の交換判定部は、この通知を受けることで交換判定動作を終了する。
第1の検知部90−2は、例えば光センサと、交換判定部とを備える。第1の検知部90−2は、例えば第1の検知窓越しに光センサで交換位置175に位置する第2試薬容器37に対し投光できるように第2試薬庫17の外部に設けられる。なお、第1の検知部90−2の構造及び動作は、第1の検知部90−1と同様である。
第2の検知部91−1は、例えばバーコードリーダと、誤交換判定部とを備える。第2の検知部91−1は、例えば図3に示されるように第2の検知窓154越しにバーコードリーダで検知位置156に位置する第1試薬容器35の背面部に付されたバーコードを読取りできるように第1試薬庫15の外部に設けられる。
第2の検知部91−1のバーコードリーダは、システム制御部10からの誤交換検知処理開始の指示を契機として、読取りを開始する。第2の検知部91−1のバーコードリーダは、第1試薬容器35に付されたバーコードを読み取る。第2の検知部91−1のバーコードリーダは、読取った試薬の属性情報を第2の検知部91−1の誤交換判定部に供給する。なお、システム制御部10から供給される誤交換検知処理開始の指示は、第2の検知部91−1の誤交換判定部経由で第2の検知部91−1のバーコードリーダになされてもよい。
第2の検知部91−1の誤交換判定部は、例えばメモリ及び記憶部を有するプロセッサとして実現される。第2の検知部91−1の誤交換判定部は、誤交換判定機能に関する動作プログラムを予め記憶部に保存している。第2の検知部91−1の誤交換判定部は、システム制御部10から記憶部8に保存されている交換対象となる試薬容器の交換リスト情報を受け取る。第2の検知部91−1の誤交換判定部は、第2の検知部91−1のバーコードリーダから供給された試薬の属性情報と、システム制御部10から受け取った交換対象となる試薬容器の交換リスト情報に含まれる属性情報とを比較し、交換された試薬容器が正しいものであるか否かを判定する。第2の検知部91−1の誤交換判定部は、上記交換された試薬容器が正しいものであるか否かの判定結果をシステム制御部10に通知する。
第2の検知部91−1の誤交換判定部は、システム制御部10より交換リスト情報に含まれる交換対象となる試薬容器の交換が全て終了した旨の通知を受ける。第2の検知部91−1の誤交換判定部は、この通知を受けることで誤交換判定動作を終了する。
第2の検知部91−2は、例えばバーコードリーダと、誤交換判定部とを備える。第2の検知部91−2は、第1試薬庫15における第2の検知部91−1と同様に、例えば第2の検知窓越しにバーコードリーダで検知位置176に位置する第2試薬容器37の背面部に付されたバーコードを読取りできるように第2試薬庫17の外部に設けられる。なお、第2の検知部91−2の構造及び動作は、第2の検知部91−1と同様である。
システム制御部10は、自動分析装置1の中枢として機能する。システム制御部10は、例えばメモリを有するプロセッサとして実現される。
システム制御部10は、記憶部8から動作プログラムを読み出し、動作プログラムに従って駆動部3,第1の報知部51、第2の報知部52−1、第2の報知部52−2、第1の検知部90−1、90−2、及び第2の検知部91−1、91−2を制御する。システム制御部10は分析機構2から取得した種々の情報に基づき、自動分析に関する様々な情報を計算する。
システム制御部10は、入力部7より連携された各種指令又は/及び情報入力に基づいて、駆動部3,第1の報知部51、第2の報知部52−1、第2の報知部52−2、第1の検知部90−1、90−2、及び第2の検知部91−1、91−2を制御する。
具体的には、システム制御部10は、入力部7に交換作業開始指示が入力されると、例えば駆動部3を制御して、試薬容器ラック152を回動させ、交換対象となる試薬容器を交換位置155へ移動させる。システム制御部10は、入力部7に交換作業開始指示が入力されると、例えば駆動部3を制御して、試薬容器ラック172を回動させ、交換対象となる試薬容器を交換位置175へ移動させる。
システム制御部10は、交換対象となる試薬容器の移動が完了すると、第1の検知部90−1の交換判定部又は第1の検知部90−2の交換判定部に対して交換動作検知開始を指示する。システム制御部10は、第1の検知部90−1の交換判定部又は第1の検知部90−2の交換判定部より、交換動作が行われた旨の通知を受ける。
システム制御部10は、交換動作が行われた旨の通知を第1の検知部90−1より受けた場合、例えば駆動部3を制御して、試薬容器ラック152を回動させ、交換された新たな試薬容器を、交換位置155から検知位置156へ移動させる。システム制御部10は、交換動作が行われた旨の通知を第1の検知部90−2より受けた場合、例えば駆動部3を制御して、試薬容器ラック172を回動させ、交換された新たな試薬容器を、交換位置175から検知位置176へ移動させる。
システム制御部10は、交換された新たな試薬容器の移動が完了すると、第2の検知部91−1又は第2の検知部91−2に対して誤交換動作検知開始を指示する。システム制御部10は、第2の検知部91−1又は第2の検知部91−2より、交換された試薬容器が正しいものであるか否かの判定結果の通知を受ける。
システム制御部10は、タイムアウトの通知を第1の検知部90−1又は第1の検知部90−2より受けた場合、例えば第1の報知部51を制御して装置使用者に交換を促す旨の警告をする。
システム制御部10は、誤った交換が行われた旨の通知を第2の検知部91−1又は第2の検知部91−2より受けた場合、例えば、表示部6を制御し、警告画面等を表示する。また、システム制御部10は、例えば第1の報知部51を制御し、音を発するなどして装置使用者等へ誤交換があったことを報知する。
システム制御部10は、第2の検知部91−1より正しい交換が行われた旨の通知を受けた場合、カウント変数nの値を1増加させ、次の交換対象となる試薬容器に照準をシフトする。
システム制御部10は、すべての交換処理が終了したと判断した場合、例えば表示部6を制御し、交換終了画面を表示する。システム制御部10は、すべての交換処理が終了したと判断した場合、例えば第1の報知部51を制御し、音を発するなどして装置使用者へ交換が終了したことを報知する。システム制御部10は、すべての交換処理が終了したと判断した場合、例えば第2の報知部を制御し、LEDを消灯させるなどして交換が終了したことを装置使用者に報知する。システム制御部10は、すべての交換処理が終了したと判断した場合、交換終了を第1の検知部90−1、90−2の交換判定部及び第2の検知部91−1、91−2の誤交換判定部にそれぞれ指示する。
次に、第1の実施形態の動作について説明する。図4は、システム制御部10が行う処理のフローチャートの例である。以下、図4に示すフローチャートの例を用いて第1試薬庫15における交換作業の流れを説明する。
まず、システム制御部10は、入力部7を介して装置使用者より指示された交換対象となる試薬容器の数(例えばNとする)等の情報と共に交換動作検知開始の指示を受け付ける。同時に、システム制御部10は、受け付けた情報を交換リスト情報として記憶部8に保存する(ステップSA1)。
システム制御部10は、ステップSA1で保存された交換リスト情報を記憶部8より読出し、第2の検知部91−1の誤交換判定部に引き渡す。同時に、システム制御部10は、この交換リスト情報に基づき、例えばカウント変数nの初期値を1、処理対象となる試薬容器の数をNとし、初期パラメータ設定を行う(ステップSA2)。システム制御部10は、駆動部3を制御して、試薬容器ラック152を回動させ、交換対象となる試薬容器を交換位置155へ移動させる(ステップSA3)。
その後、システム制御部10は、第1の検知部90−1の光センサに対して交換動作検知の開始を指示する(ステップSA4)。システム制御部10は、第1の検知部90−1の交換判定部より交換動作が行われた旨又はタイムアウトの旨の通知を受けるまで待機する(ステップSA5)。
システム制御部10は、第1の検知部90−1の交換判定部より交換動作が行われた旨の通知を受けた場合(ステップSA5のYes)、駆動部3を制御して、試薬容器ラック152を回動させ、交換された新たな試薬容器を、交換位置155から検知位置156へ移動させる(ステップSA6)。
システム制御部10は、第1の検知部90−1の交換判定部よりタイムアウトの旨の通知を受けた場合(ステップSA5のNo)、例えば第1の報知部51を制御して装置使用者に交換を促す旨の警告をする。システム制御部10は、警告と同時に、交換一時停止を第1の検知部90−1、90−2の交換判定部及び第2の検知部91−1、91−2の誤交換判定部にそれぞれ指示する(ステップSA7)。ステップSA7の後、システム制御部10は処理を終了させる。なお、システム制御部10は、入力部7を介して装置使用者より交換再開の指示を受けた場合は、ステップSA4より処理を再開してもよい。
ステップSA6において、交換された新たな試薬容器の交換位置155から検知位置156への移動が完了すると、システム制御部10は、第2の検知部91−1のバーコードリーダに誤交換検知処理の開始を指示する(ステップSA8)。
システム制御部10は、第2の検知部91−1より交換された試薬容器が正しいものであるか否かを示す判定結果の通知を受けるまで待機する(ステップSA9)。
システム制御部10は、第2の検知部91−1の誤交換判定部より通知された判定結果が交換された試薬容器が正しいものではない旨を示す場合(ステップSA9のNo)、例えば、表示部6を制御し、警告画面を表示する。また、システム制御部10は、第1の報知部51を制御し、音を発するなどして装置使用者等へ誤交換があったことを報知する。その後、システム制御部10は、カウント変数nの値は同値のままでステップSA3の制御を再び開始する(ステップSA11)。
システム制御部10は、第2の検知部91−1の誤交換判定部より通知された判定結果が交換された試薬容器が正しいものである旨を示す場合(ステップSA9のYes)、カウント変数nの値を1増加させ、次の交換対象となる試薬容器に照準をシフトする(ステップSA10)。
システム制御部10は、ステップSA10の後、現在のカウント変数nの値が処理対象となる試薬容器の数Nより大きいか否かを判定する(ステップSA12)。システム制御部10は、n≦Nの場合、ステップSA3の制御を再び行う。システム制御部10は、n>Nの場合(ステップSA12のYes)、すべての交換処理が終了したと判断する。この場合、システム制御部10は、例えば、表示部6を制御し、交換終了画面を表示する。また、システム制御部10は、第1の報知部51を制御し、音を発するなどして装置使用者へ交換が終了したことを報知する。また、システム制御部10は、第2の報知部を制御し、LEDを消灯させるなどして交換が終了したことを装置使用者等に報知する。また、システム制御部10は、交換終了を第1の検知部90−1、90−2の交換判定部及び第2の検知部91−1、91−2の誤交換判定部にそれぞれ通知する(ステップSA13)。
なお、第2試薬庫17における交換作業の流れについては、第1試薬庫15における交換作業の流れと同様である。
第1の実施形態によれば、第1の検知部90−1は、試薬庫本体部151に設けられた交換位置155において、交換対象となる試薬容器の交換が行われたか否かを検知する。また、第1の検知部90−2は、試薬庫本体部171に設けられた交換位置175において、交換対象となる試薬容器の交換が行われたか否かを検知する。これにより、交換動作の検知を装置使用者の手を介さずに行うことができる。
したがって、本実施形態に係る自動分析装置によれば、装置使用者における交換対象となる試薬容器の交換のし忘れ又は勘違いによる交換の不実施等の交換漏れを防止することが可能となる。
また、第1の実施形態によれば、システム制御部10は、交換対象となる試薬容器の交換が行われたことを、第1の報知部51、第2の報知部52−1及び52−2を制御して外部に報知する。これにより、装置使用者等は、交換が確実に行われたことを認識することが可能となる。
また、第1の実施形態によれば、第1の検知部90−1及び90−2は、交換対象となる試薬容器の交換が行われたことをシステム制御部10へ通知する。これにより、通知を受けたシステム制御部10は、装置使用者による交換作業の状況を把握し、交換漏れを管理することが可能となる。
また、第1の実施形態によれば、システム制御部10は、第1の検知部90−1又は90−2から交換対象となる試薬容器の交換が行われた旨の通知を受けて、駆動部3を制御し、予め指定された交換対象となる試薬容器に関する交換リスト情報に含まれる試薬容器のうち、次に交換対象となる試薬容器を交換位置155又は175に移動させる。これにより、装置使用者による試薬容器の交換作業を確実かつ効率的に実施することが可能となる。
また、第1の実施形態によれば、第2の検知部91−1及び91−2は、検知した新たな試薬容器の情報と予め与えられた交換リスト情報とを比較することで、交換された新たな試薬容器が正しいものであるか否かを判定する。これにより、装置使用者が誤りなく試薬容器の交換作業を行うことが可能となる。
また、第1の実施形態によれば、第2の検知部91−1が交換位置155から回動方向(時計回り)に向かって第1試薬吸入位置157に到達する位置との間の検知位置156近傍に設置される。また、第1の実施形態によれば、第2の検知部91−2が交換位置175から回動方向(時計回り)に向かって第2試薬吸入位置177に到達する位置との間の検知位置176に設置される。これにより、試薬吸入前のタイミングで試薬容器の誤交換を検知することが可能となる。
また、第1の実施形態によれば、交換された新たな試薬容器が正しいものであるか否かを、第1の報知部51、第2の報知部52−1及び52−2を制御して外部に報知する。これにより、装置使用者が誤った試薬容器と交換したことを交換作業中に発見することが可能となる。
また、第1の実施形態によれば、第1の検知部90−1及び90−2は、交換対象となる試薬容器の交換が行われたことをシステム制御部10へ通知する。また、第2の検知部91−1及び91−2は、交換対象された新たな試薬容器が正しいものであるか否かをシステム制御部10へ通知する。これにより、通知を受けたシステム制御部10は、装置使用者による交換作業の状況を把握し、試薬容器の交換漏れ及び交換誤りを管理することが可能となる。
また、第1の実施形態によれば、システム制御部10は、予め指定された交換対象となる試薬容器に関する交換リスト情報を管理し、第1の検知部90−1又は90−2より交換対象となる試薬容器が交換されたことを通知された場合、交換リスト情報に含まれ次に交換対象となる試薬容器が前記交換位置155又は175まで移動するように駆動部3を制御する。また、システム制御部10は、第2の検知部91−1又は91−2より交換された新たな試薬容器が誤ったものである旨を通知された場合、誤って設置した試薬容器が再び交換位置155又は175に移動するように駆動部3を制御する。これにより、装置使用者が交換対象となる試薬容器を誤った試薬容器に交換した場合に、交換作業のやり直しを確実かつ迅速に行うことが可能となる。
[変形例]
第1の実施形態では、試薬容器の交換位置155及び175と検知位置156及び176がそれぞれ異なるケースについて説明した。変形例では、試薬容器の交換位置155と検知位置156及び交換位置175と検知位置176がそれぞれ同一となるケースについて説明する。
図5は、変形例に係る自動分析装置の構成を示す図である。自動分析装置1Aは、分析機構2A、駆動部3、解析部4、第1の報知部51、第2の報知部52−1、第2の報知部52−2、表示部6、入力部7、記憶部8、第1の検知部90−1、90−2、第2の検知部91−1、91−2、及びシステム制御部10Aを備える。
分析機構2Aは、自動分析装置1Aの筐体に設けられている。分析機構2Aは、例えば、図5に示すように、反応ディスク11、サンプルディスク13、第1試薬庫15A、第2試薬庫17A、サンプルアーム19―1、サンプルプローブ21―1、第1試薬アーム19―2、第1試薬プローブ21―2、第2試薬アーム19―3、第2試薬プローブ21―3、撹拌アーム23、撹拌子25、測光機構、及び洗浄機構29を搭載する。
反応ディスク11、サンプルディスク13、サンプルアーム19―1、サンプルプローブ21―1、第1試薬アーム19―2、第1試薬プローブ21―2、第2試薬アーム19―3、第2試薬プローブ21―3、撹拌アーム23、撹拌子25、測光機構、及び洗浄機構29の構成及び機能については第1の実施形態と同様である。
第1試薬庫15Aは、反応ディスク11の内側に配置される。第1試薬庫15Aは、第1の実施形態の第1試薬庫15と同様に、円筒形状の試薬庫本体部151Aと試薬容器ラック152とを有する。
試薬庫本体部151Aは、第1の実施形態の第1試薬庫15と同様に、試薬容器ラック152を側面及び底面で覆う。試薬庫本体部151Aは、例えば図6に示されるように予め設定される部位に、後述する第1の検知部90−1A及び第2の検知部91−1が第1試薬容器35を透視可能な程度の大きさの透明な第1の検知窓153を有する。
試薬容器ラック152及び第1試薬容器35の構成及び機能については、第1の実施形態と同様である。
また、図6に示されるように、試薬庫本体部151の内側かつ第1の検知窓153近傍に設定される位置155Aは、交換位置として扱われる(以下、交換位置155Aと呼ぶことにする。)。
交換位置155Aでは、第1試薬容器35が交換される。また、交換位置155Aでは、後述する第1の検知部90−1により、第1試薬容器35の交換動作が検知される。
また、交換位置155Aでは、後述する第2の検知部91−1により、第1試薬容器35に付されたバーコード351が検知される。すなわち、第1の実施形態における検知位置156に相当する位置は、交換位置155Aと同一となる。
第2試薬庫17Aは、反応ディスク11の近傍に配置される。第2試薬庫17は、第1試薬庫15Aと同様の構造であり、円筒形状の試薬庫本体部171Aと試薬容器ラック172とを有する。
試薬庫本体部171Aの構成及び機能については、試薬庫本体部151Aと同様である。
試薬容器ラック172及び第2試薬容器37の構成及び機能については、第1の実施形態と同様である。
駆動部3、解析部4、第1の報知部51、第2の報知部52−1、第2の報知部52−2、表示部6、入力部7、記憶部8、第1の検知部90−1、90−2、及び第2の検知部91−1、91−2の構成及び機能については第1の実施形態と同様である。
第1の実施形態のシステム制御部10は、交換動作が行われた旨の通知を第1の検知部90−1又は第1の検知部90−2より受けた場合、駆動部3を制御して、試薬容器ラック152を回動させ、交換された新たな試薬容器を、交換位置155から検知位置156へ移動させた後、第2の検知部91−1又は第2の検知部91−2に対して誤交換動作検知開始を指示する。システム制御部10Aは、この点でシステム制御部10と異なる。
すなわち、システム制御部10Aは、交換動作が行われた旨の通知を第1の検知部90−1又は第1の検知部90−2より受けた場合、交換された新たな試薬容器は移動させず、第2の検知部91−1又は第2の検知部91−2に対して誤交換動作検知開始を指示する。システム制御部10Aの他の機能については、第1の実施形態に係るシステム制御部10と同様である。
次に、変形例の動作について説明する。図7は、システム制御部10Aが行う処理のフローチャートの例である。以下、図7に示すフローチャートの例を用いて第1試薬庫15における交換作業の流れを説明する。
ステップSA1からSA5までは第1の実施形態と同様である。
システム制御部10Aは、第1の検知部90−1の交換判定部より交換動作が行われた旨の通知を受けた場合(ステップSA5のYes)、第2の検知部91−1のバーコードリーダに誤交換検知処理の開始を指示する(ステップSB1)。
ステップSA7及びステップSA9は第1の実施形態と同様である。
システム制御部10Aは、第2の検知部91−1の誤交換判定部より通知された判定結果が交換された試薬容器が正しいものではない旨を示す場合(ステップSA9のNo)、例えば、表示部6を制御し、警告画面を表示する。また、システム制御部10Aは、第1の報知部51を制御し、音を発するなどして装置使用者等へ誤交換があったことを報知する。その後、システム制御部10Aは、ステップSA4の制御を再び開始する(ステップSB2)。
ステップSA10、ステップSA12及びステップSA13は第1の実施形態と同様である。
なお、第2試薬庫17Aにおける交換作業の流れについては、第1試薬庫15Aにおける交換作業の流れと同様である。
変形例によれば、第1の実施形態とは異なり、第1試薬庫15Aにおける同一の交換位置155Aにおいて、第1の検知部90−1による検知と、第2の検知部91−1による検知が連続して行われる。また、第2試薬庫17Aにおける同一の交換位置175Aにおいて、第1の検知部90−2による検知と、第2の検知部91−2による検知が連続して行われる。これにより、システム制御部10Aにおける回動動作の制御回数を削減することが可能となる。同時に、交換作業の時間を短縮することも可能となる。
[他の実施形態]
なお、この発明は上記実施形態に限定されるものではない。例えば、第1の実施形態では、1つの自動分析装置を前提としたが、複数の自動分析装置を前提としてもよい。この場合、例えば第1の報知部51は、自動分析装置毎に設置される。これにより、装置使用者は、どの自動分析装置に交換対象となる試薬容器があるのか認識することができる。したがって、装置使用者は、複数の自動分析装置に跨って交換対象となる試薬容器を効率的に交換することが可能となる。
また、第1の実施形態では、1つの自動分析装置に2つの試薬庫が実装されることを前提としたが、1つの自動分析装置に1つの試薬庫が実装されていてもよいし、3つ以上の試薬庫が実装されていてもよい。この場合、例えば第2の報知部52−1又は52−2は交換作業の対象となる試薬庫が3つ以上ある場合には、試薬庫毎に設置される。これにより、装置使用者は、どの試薬庫に交換対象となる試薬容器があるのか認識することができる。したがって、装置使用者は、複数の試薬庫に跨って交換対象となる試薬容器を効率的に交換することが可能となる。
また、第1の実施形態の第1試薬庫15及び第2試薬庫17は、1つの試薬庫に1つの円周上のみに試薬容器の設置場所が設けられていたが、これに限定されない。例えば図8に示されるように、1つの試薬庫が外周領域18−1と内周領域18−2の2重の領域を有し、それぞれ試薬容器の設置場所が複数設けられてもよい。すなわち、外周領域18−1には、例えば交換位置158−1が設けられる。交換位置158−1では、例えば第1の検知部90−3により試薬容器の交換動作が検知される。また、交換位置158−1では、例えば第2の検知部91−3により、試薬容器に付されたバーコードが検知される。また、交換位置158−1aの近傍には第2の報知部52−3が設置される。また、内周領域18−2には、例えば交換位置158−2が設けられる。交換位置158−2では、例えば第1の検知部90−4により試薬容器の交換動作が検知される。また、交換位置158−2では、例えば第2の検知部91−4により、試薬容器に付されたバーコードが検知される。また、交換位置158−2の近傍には第2の報知部52−4が設置される。なお、第1の検知部90−3及び第2の検知部91−3と第1の検知部90−4及び第2の検知部91−4は同一の位置に設けられてもよい。また、第1の検知部90−3と第2の検知部91−3又は第1の検知部90−4と第2の検知部91−4の位置は別々の位置に設けられてもよい。また、設置領域を3重以上設けても構わない。
また、第1の実施形態においては、図1及び図5に示されるように第1の検知部90−1及び第2の検知部91−1を試薬庫本体部151の外部に設けて第1試薬容器35を検知する方法、又は第1の検知部90−2及び第2の検知部91−2を試薬庫本体部171の外部に設けて第2試薬容器37を検知する方法について説明したが、この方法に限定されない。
例えば、試薬庫本体部151の内周面に第1の検知部90−1を設けて試薬容器の有無を検出し、交換動作が行われたか否かを判定するようにしてもよい。また、試薬庫本体部151の内周面に第2の検知部91−1を設けて、交換された試薬容器のバーコードを読取り、この交換された試薬容器が正しいものであるか否かを判定するようにしてもよい。また、試薬庫本体部171の内周面に第1の検知部90−2を設けて試薬容器の有無を検出し、交換動作が行われたか否かを判定するようにしてもよい。また、試薬庫本体部171の内周面に第2の検知部91−2を設けて、交換された試薬容器のバーコードを読取り、この交換された試薬容器が正しいものであるか否かを判定するようにしてもよい。
また、第1の実施形態に係る図4のフローチャート又は変形例に係る図7のフローチャートのステップSA12のYesの後、システム制御部10又は10Aは、すべての交換処理が終了したと判断し、検知処理を終了するが、これに限定されない。
具体的には、第1の実施形態に係る図4のフローチャートのステップSA12のYesの後かつステップSA13の前、又は変形例に係る図7のフローチャートのステップSA12のYesの後かつステップSA13の前に、交換された試薬容器が正しいものであるか否かの一斉チェックを行う検知処理を追加してもよい。すなわち、交換リスト情報に含まれる交換対象となる試薬容器の交換が全て終了した後に再チェックを行う。これにより、さらに確実な交換作業を行うことが可能となる。
また、第1の実施形態においては、交換後の新たな試薬容器を第1の検知部で検知することのみで交換されたか否かを判定したが、これに限定されない。
例えば、交換後の交換対象となる試薬容器の検知結果を一回の交換動作が行われたことの判定条件に加えてもよい。具体的には、図1の自動分析装置1において、反応ディスク11の近傍の所定の位置に第3の検知部を設置する。第3の検知部は、例えば、バーコードリーダと交換判定部を有する。バーコードリーダは、交換時に取外した試薬容器が所定の位置に置かれると、その背面に付されたバーコードが有する試薬の属性情報を読み取る。バーコードリーダは、読取った試薬の属性情報を交換判定部に供給する。交換判定部は、バーコードリーダより供給された試薬の属性情報と、予め与えられた交換リスト情報に含まれる属性情報とを比較する。交換判定部は、読取った試薬の属性情報が交換リスト情報に含まれる交換対象となる試薬容器の試薬の属性情報と一致するか否かを判定する。交換判定部は、この判定結果をシステム制御部に通知する。
システム制御部は、例えば図4のステップSA5のYesの後かつステップSA6の前において、読取った試薬の属性情報が交換リスト情報に含まれる交換対象となる試薬容器の試薬の属性情報と一致する場合、ステップSA6以降の処理を実施する。
また、第1の実施形態における第1の検知部90−1、90−2、及び第2の検知部91−1,91−2に用いられる検知手段は、同様の目的が達成できれば方式は問わない。例えば、RFID(Radio frequency IDentification)、重量センサおよび画像認識技術を利用した他のセンサ等で代替してもよい。
また、装置使用者が複数の試薬容器交換を簡単に指示できるように、表示部6に交換が必要な試薬容器を一覧表示する機能を組み合わせてもよい。例えば、システム制御部10は、各試薬容器について残りの使用回数、残量等で閾値を設け、閾値との比較判定結果を表示部6上に一覧表示する。
また、第1の実施形態においては、第1の検知部が交換判定部を有し、第2の検知部が誤交換判定部を有する場合を説明したが、例えば図9に示されるように交換判定部及び誤交換判定部がシステム制御部10B内に実装されてもよい。このとき、第1の検知部90−1B及び90−2Bは光センサのみを有する。また、第2の検知部91−1B及び91−2Bはバーコードリーダのみを有する。一方、システム制御部10Bが交換判定部101及び誤交換判定部102を有する。
この場合、交換判定部101は、第1の検知部90−1B又は90−2Bの光センサから供給された光検出信号の強度の変化に基づいて、交換位置における試薬容器の有無を認識し、試薬容器が交換されたか否かを判定する。誤交換判定部102は、第2の検知部91−1B又は91−2Bのバーコードリーダから供給された試薬の属性情報と、交換対象となる試薬容器の交換リスト情報に含まれる属性情報とを比較し、交換された試薬容器が正しいものであるか否かを判定する。
上記説明において用いた「プロセッサ」という文言は、例えば、CPU(central processing unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、或いは、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit:ASIC))、プログラマブル論理デバイス(例えば、単純プログラマブル論理デバイス(Simple Programmable Logic Device:SPLD)、複合プログラマブル論理デバイス(Complex Programmable Logic Device:CPLD)、及びフィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array:FPGA))等の回路を意味する。プロセッサは記憶部8に保存されたプログラムを読み出し実行することで機能を実現する。なお、記憶回路に解析部4、システム制御部10、10A又は10Bの動作プログラムを保存する代わりに、それぞれのプロセッサの回路内にそれぞれの動作プログラムを直接組み込むよう構成しても構わない。この場合、プロセッサは回路内に組み込まれたプログラムを読み出し実行することで機能を実現する。なお、本実施形態の各プロセッサは、プロセッサごとに単一の回路として構成される場合に限らず、複数の独立した回路を組み合わせて1つのプロセッサとして構成し、システム制御機能、交換判定機能、誤交換判定機能、解析機能等を実現するようにしてもよい。さらに、図1、図5又は図9における複数の構成要素を1つのプロセッサへ統合してシステム制御機能、交換判定機能、誤交換判定機能、解析機能等を実現するようにしてもよい。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。