JP2017026300A - 加熱装置および加熱方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】凍結体の内部を加熱することが可能な加熱方法などを提供する。
【解決手段】加熱装置(10)は、電磁波(13)を発生する電磁波照射部(11)を備え、上記電磁波により対象物(100)を加熱する加熱装置であって、上記電磁波の周波数は、0.05THz以上、かつ5THz以下であり、上記電磁波を少なくとも一部が氷(101)である対象物に照射し、上記凍結体の内部を加熱する。
【選択図】図1

Description

本発明は、加熱装置および加熱方法に関する。
物体を加熱する装置の一例として、電磁波を用いた加熱装置が、従来技術として知られている。
特許文献1には、周波数が5.8GHzであるマイクロ波により対象物を加熱する電子レンジが記載されている。また、特許文献1には、従来技術として、周波数が2.45GHzであるマイクロ波により対象物を加熱する電子レンジが記載されている。
特許文献2には、波長が3μmまたは6μmの赤外線を放射することにより対象物を加熱する、赤外線放射無水加熱装置が記載されている。ここで、赤外線の波長が3μmまたは6μmである場合、当該赤外線の周波数はそれぞれ100THzまたは50THzである。
特開平3−203191号公報(1991年9月4日公開) 特開平1−109676号公報(1989年4月26日公開) 特開2006−17418号公報(2006年1月19日公開) 特開2010−256254号公報(2010年11月11日公開)
しかしながら、電磁波を凍結体に対して照射することで凍結体の内部を加熱しようとする場合、上記の従来技術には、以下のような問題点が存在する。
特許文献1に記載されている電子レンジは、上述した通り、周波数が5.8GHzであるマイクロ波を対象物に対して照射する。上記周波数のマイクロ波について、氷の吸収係数は、水の吸収係数より低い。しかし、上記周波数のマイクロ波については、水の吸収係数もまた、効率よく加熱を行えるほどには高くない。そのため、水を透過したマイクロ波を反射し、再び水に入射させるための反射板が必要になる。また、上記周波数のマイクロ波は、より高い周波数の電磁波と比較してエネルギー密度が低いため、マイクロ波の出力を高くする必要がある。
一方、特許文献2に記載されている装置は、上述した通り、周波数が100THzまたは50THzである赤外線を対象物に対して放射する。しかし、上記周波数の赤外線についての水の吸収係数と氷の吸収係数とは、ほとんど差がない。したがって、上記周波数の赤外線を氷越しに水に対して放射した場合、当該赤外線により氷も同程度加熱され、溶けることとなる。したがって、特許文献2に記載されている装置によって、氷を溶かすことなく水を加熱することは困難である。
上記の説明では、特許文献1および2について、加熱する対象物が水および氷を含む場合について説明した。しかし、上記対象物が水以外の液体および当該液体の凍結体を含む場合であっても、上記の問題は同様に存在する。
本発明は、上述の課題に鑑み、凍結体の内部を加熱することが可能な加熱方法および加熱装置を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る加熱装置は、電磁波を発生する電磁波源を備え、上記電磁波により対象物を加熱する加熱装置であって、上記電磁波の周波数は、0.05THz以上、かつ5THz以下であり、上記電磁波を少なくとも一部が凍結体である対象物に照射し、上記凍結体の内部を加熱することを特徴とする。
また、本発明の一態様に係る加熱方法は、電磁波により対象物を加熱する加熱方法であって、上記電磁波の周波数は、0.05THz以上、かつ5THz以下であり、上記電磁波を少なくとも一部が凍結体である対象物に照射し、上記凍結体の内部を加熱することを特徴とする。
本発明の一態様によれば、凍結体の内部を加熱することが可能な加熱装置および加熱方法を実現できる。
本発明の実施形態1に係る加熱装置の構成を示す概略図である。 電磁波の周波数と、氷および水の吸収係数との関係を示す表である。 電磁波の周波数と、氷および水の吸収係数との関係を示すグラフである。 本発明の実施形態2に係る加熱装置の構成を示す概略図である。 本発明の実施形態3に係る加熱装置の構成を示す概略図である。 本発明の実施形態3に係る加熱装置の使用例を示す概略図である。 本発明の実施形態4に係る加熱装置の構成を示す概略図である。 本発明の実施形態4の変形例2に係る加熱装置の構成を示す概略図である。 本発明の実施形態5に係る加熱装置の構成を示す概略図である。 本発明の実施形態5の変形例に係る加熱装置の構成を示す概略図である。
〔実施形態1〕
以下、本発明の実施形態について、図1〜図3に基づいて詳細に説明する。本実施形態では、氷越しに水に対して電磁波を照射し、氷をほとんど溶かすことなく水を効率よく加熱することが可能な加熱方法および加熱装置について説明する。
(加熱装置10の構成)
図1は、本実施形態に係る加熱装置10および加熱装置10により電磁波を照射される対象物100の構成を示す概略図である。図1に示すように、加熱装置10は、電磁波照射部11(電磁波源)と、支持台12とを備える。対象物100は、氷101(凍結体)と水102とを含む。加熱装置10は、対象物100に対して電磁波を照射することで、氷101の内部の水を加熱する。図1において、電磁波13が照射される範囲を模式的に点線で示す。
電磁波照射部11は、対象物100に含まれる水102に対して氷101越しに電磁波13を照射する部材である。電磁波13の周波数範囲は、0.05THz以上、かつ5THz以下である。また、上記周波数範囲は、0.05THz以上、かつ1THz以下であることが好ましい。
電磁波13の出力は、水102を所望の温度に加熱することが可能な値であれば、特に限定されない。本実施形態では、電磁波13の出力は、1W以上である。1Wという出力は、水1gの温度を1分で14℃上昇させることができる出力である。
電磁波照射部11を構成するデバイスは、上記した周波数範囲の電磁波13を照射可能なものであれば特に限定されない。電磁波照射部11を構成するデバイスとして、例えば、ガンダイオード、インパットダイオード、タンネットダイオード、共鳴トンネルダイオード(RTD、Resonant Tunneling Diode)、ヘテロ接合バイポーラトランジスタ(HBT、Heterojunction Bipolar Transistor)、高電子移動度トランジスタ(HEMT、High Electron Mobility Transistor)、量子カスケードレーザ(QCL、Quantum Cascade Laser)、モノリシックマイクロ波集積回路(MMIC、Monolithic Microwave Integrated Circuit)、逓倍器、または光の差周波により電磁波を発生させる単一走行キャリアフォトダイオード(UTC-PD、Uni-Traveling-Carrier Photo Diode)などを用いることができる。
電磁波照射部11を構成するデバイスとして、ガンダイオード、インパットダイオード、またはタンネットダイオードを用いる場合の利点としては、比較的安価であり、かつ小型である点などが挙げられる。
電磁波照射部11を構成するデバイスとしてRTDを用いる場合の利点としては、比較的高周波の電磁波を発生させることが可能であり、かつ小型である点などが挙げられる。
電磁波照射部11を構成するデバイスとして、HBT、HEMT、QCLまたはMMICを用いる場合の利点としては、比較的高出力の電磁波を発生させることが可能であり、かつ小型である点などが挙げられる。
電磁波照射部11を構成するデバイスとして、逓倍器またはUTC−PDを用いる場合の利点としては、電磁波13の設定周波数の自由度が高い点などが挙げられる。
支持台12は、対象物100を支持する台である。支持台12の構造および材料などについては、対象物100を支持することが可能であれば特に制限されない。また、電磁波照射部11は、支持台12に埋め込まれている。
(加熱の制御)
加熱装置10による加熱を制御する方法は、特に制限されない。例えば、加熱装置10は、電磁波照射部11からの電磁波13の照射のオンおよびオフを切り替えるスイッチを備えていてもよい。この場合、加熱装置10を用いた水102の加熱は、ユーザによる上記スイッチの切り替えにより制御される。
また、加熱装置10は、電磁波照射部11からの電磁波13の照射を制御する制御部を備えていてもよい。制御部は、例えば、電磁波13の出力および加熱時間から水102の温度を推定して、加熱を制御(出力および加熱時間を決定)してもよい。この場合、水102の温度を測定するためのセンサが不要であるため、加熱装置10の製造コストを削減することができる。
また、加熱装置10は、水102の温度を検出するセンサを備えていてもよい。この場合、制御部は、当該センサにより検出された水102の温度に基づいて、水102の加熱を制御することができる。
水102の温度を検出するセンサは、例えば画像センサであってよい。この場合、画像センサは、水102の画像を取得し、取得した画像に基づき水102が沸騰しているか否かを判定する。これにより、画像センサは水102の温度を検出する。制御部は、画像センサが検出した結果から、水102が沸騰しているか否かを正確に認識することができる。
また、水102の温度を検出するセンサは、赤外線センサであってもよい。赤外線センサは、測定対象の温度を非接触で検出可能なセンサである。この場合、制御部は、水102を任意の温度に加熱するように、加熱装置10を制御できる。
加熱装置10による加熱の停止についても、特に制限はされない。例えば、手動で加熱を停止できるように構成してもよいし、所定の温度に到達した場合に加熱を停止するように構成してもよい。また、後者の場合には、加熱装置10は、加熱を停止する温度を手動で設定できるように構成されていてもよい。
(加熱装置10の効果)
図2は、電磁波の周波数と氷および水の吸収係数との関係を示す表である。図3は、電磁波の周波数と氷および水の吸収係数との関係を示すグラフである。図3におけるマーカーの位置は、図2に示すデータに対応する。また、図3における破線は、周波数の高い方から順に、5THz、1THz、および0.05THzを示す。図2および図3に示すように、電磁波に対する水の吸収係数は、電磁波の周波数が0.05THzより低い領域では、0.05THz以上の領域と比較して急激に低下する。
また、電磁波の周波数が0.05THzより小さい領域では、当該電磁波に対する水の吸収係数は、反射板を用いることなく水を効率よく加熱可能な吸収係数の下限値である60cm−1より小さくなる。60cm−1という値は、電磁波が物体中を1mm進む間に、当該電磁波が有するエネルギーの99%以上が物体に吸収される値である。したがって、電磁波の周波数が0.05THzより小さい場合、当該電磁波によって水を効率よく加熱するためには反射板が必要となる。
一方、電磁波の周波数が5THzより大きい場合、図2および図3に示すように、電磁波に対する水の吸収係数と氷の吸収係数とは、差がほとんどなくなるか、または氷の吸収係数の方が水の吸収係数より高くなったりし得る。この場合、氷越しに水に対して電磁波を照射すると、当該電磁波により氷も同程度加熱されることとなる。したがって、電磁波の周波数が5THzより大きい場合、氷を溶かすことなく水を加熱することはできない。
これに対し、本実施形態の加熱装置10において、電磁波13の周波数は、0.05THz以上、かつ5THz以下である。この周波数範囲内の周波数を有する電磁波は、図2および図3に示すように、水の吸収係数が氷の吸収係数より著しく高く、かつ水の吸収係数が60cm−1以上である。
このため、加熱装置10は、氷101越しに水102に対して電磁波13を照射することにより、氷101をほとんど溶かすことなく(氷の状態を維持したまま)、水102を効率よく加熱することができる。また、電磁波13によって水102を加熱するために、水を透過した電磁波を反射して再び水に入射させる反射板を用いる必要がない。
また、加熱装置10が用いる電磁波13は、周波数が0.05THz未満の電磁波と比較して、エネルギー密度が高い。したがって、比較的低出力で水102を加熱でき、省エネに繋がる。
また、電磁波13の周波数は、0.05THz以上、かつ1THz以下であることが好ましい。この場合、図2および図3に示す通り、氷の吸収係数は、水の吸収係数の1/50より小さくなる。
電磁波に対する媒質の吸収係数は、吸収係数をα、吸収前の電磁波強度をI0、吸収後の電磁波強度をI、媒質の厚さをxとした場合、以下の式(1)により表される。
式(1):α=−(ln(I/I0))/x (lnは自然対数)
この式により計算すると、氷の吸収係数が水の吸収係数の1/50より小さい場合、電磁波のエネルギーを99%吸収する水の厚さと同じ厚さの氷に当該電磁波を照射したとき、当該電磁波は氷に10%以下しか吸収されない。
つまり、電磁波13の周波数が0.05THz以上、かつ1THz以下であれば、電磁波13は、より氷101に吸収されにくくなる。したがって、氷101越しに水102に対して電磁波13を照射した場合に、より効率的に水102を加熱することができる。
図2および図3から読み取れる、水と氷との吸収係数の差は、分子間の振動モードまたは緩和モードによる吸収が、液体と固体とで異なることに起因している。よって、加熱する対象物が水以外の液体を含む場合でも、周波数が0.05THz以上かつ5THz以下、特に0.05THz以上かつ1THz以下である電磁波は、当該液体に吸収されやすく、その凍結体である固体に吸収されにくい。加熱する対象物が水に別の物質を混合した水溶液であれば、当該水溶液に含まれる水により、図2および図3に示したデータにほぼ準ずる吸収係数の差が現れる。また、内部に水を含む食品または細胞を含むサンプルについても同様である。
(加熱装置10の他の構成)
図1に示した加熱装置10は、単一の電磁波照射部11を備えている。しかし、加熱装置10は、電磁波照射部11を複数備えていてもよい。その場合、複数の電磁波照射部11は、水102の同じ領域に電磁波13を照射してもよく、異なる領域に電磁波13を照射してもよい。
複数の電磁波照射部11が、水102の同じ領域に電磁波13を照射する場合、当該領域に向けて照射される電磁波13の出力の総和は、単一の電磁波照射部11が照射する電磁波13の出力より大きくなる。したがって、水102が所望の温度に到達するまでに要する加熱時間を短縮することができる。
一方、複数の電磁波照射部11が水102の異なる領域に向けて電磁波13を照射する場合、それぞれの電磁波照射部11から電磁波13が照射される領域の総和は、単一の電磁波照射部11から電磁波13が照射される領域より広くなる。したがって、水102を広範囲にわたって加熱することができる。
また、加熱装置10において、対象物100を支持台12に載置する時に電磁波照射部11を損傷させることのないよう、電磁波照射部11を保護するための保護部材を設けてもよい。ただし、保護部材を設けた場合、電磁波13は、当該保護部材を経由して水102に照射されることになる。したがって、当該保護部材は、電磁波13に対して透明であることが好ましい。
また、加熱装置10は、支持台12に対象物100が載置されていることを検出するセンサを備えていてもよい。この場合、加熱装置10は、支持台12に対象物100が載置されていることが上記センサにより検出されている場合にのみ、電磁波照射部11から電磁波13を照射することができるように構成される。センサの具体的な例としては、支持台12の、対象物100が載置される面に設けられた、接触センサが挙げられる。
このように構成すれば、支持台12に対象物100が載置されていない場合に、誤動作などにより電磁波照射部11から電磁波13が照射される虞が低減される。したがって、エネルギーの無駄な消費を抑制することができる。
また、上述した0.05THz以上、かつ5THz以下の周波数範囲内においては、電磁波13の周波数が大きくなると、電磁波13に対する氷101の吸収係数も大きくなる。すなわち、氷101が電磁波13から吸収するエネルギーが増加する。このため、氷101を溶かすことなく水102を加熱するのに最適な電磁波13の周波数は、氷101の厚さによって変動する。
このため、加熱装置10は、電磁波13の周波数を調整する周波数調整機構を備えていてもよい。例えば、周波数調整機構は、電磁波13の周波数について、加熱装置10を使用するユーザからの入力を受け付け、電磁波13の周波数を、入力された周波数に調整してもよい。または、周波数調整機構は、対象物100に含まれる氷101の厚さについて、ユーザからの入力を受け、入力された氷101の厚さに基づいて電磁波13の周波数を調整するものであってもよい。この場合、周波数調整機構は、入力された氷101の厚さが厚いほど、電磁波13の周波数を低く設定する。
例えば、厚さが5mmの氷101越しに電磁波13を照射する場合、電磁波13の適切な周波数は、電磁波13が氷を90%以上透過する、0.2THz以下が考えられる。また、氷101の厚さをユーザが選択できるのであれば、電磁波13の周波数に応じた適切な厚さを選択することが好ましい。
また、加熱装置10は、電磁波照射部11が支持台12に埋め込まれている構成となっている。しかし、本発明の一態様に係る加熱装置は、ペンの形状に構成された電磁波照射部を備えてもよい。電磁波照射部は、ペンの先から電磁波が照射されるように構成される。この場合、ユーザが加熱装置を手などで保持することにより、対象物に対して任意の位置および方向から電磁波を照射することが可能となる。また、ユーザは、加熱装置を容易に持ち運び、使用することが可能となる。
加熱装置10の利用方法の例を、以下に説明する。ただし、本発明の利用方法は、以下の例に限られるものではない。加熱装置10は、例えば、調理器具として用いることができる。この用途について、具体的な例を、別の実施形態として後述する。また、大きさが数mm〜数cmの氷の中にスープなどの液体を封じ込めた固形物に対して本実施形態の加熱方法を用いることができる。これにより、外側の氷を溶かすことなく(スープを封じ込める氷を維持したまま)中のスープを加熱することができる。この場合、外側は冷たい氷であり、内部は高温のスープであるような料理を提供することができる。また、この場合、氷は1個であっても複数個であってもよい。
〔実施形態2〕
本発明の他の実施形態について、図4に基づいて説明すれば、以下の通りである。本実施形態では、加熱装置10の構成に加えて、さらに保冷部を有する加熱装置について説明する。なお、説明の便宜上、上記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を省略する。
図4は、本実施形態に係る加熱装置20の構成を示す概略図である。図4に示すように、加熱装置20は、加熱装置10と同様に、水102に向けて氷101越しに電磁波13を照射する電磁波照射部11と、氷101および水102を含む対象物100を支持する支持台12とを備える。また、加熱装置20は、保冷部21をさらに備える。
保冷部21は、氷101を保冷するための部材である。加熱装置20は、保冷部21により、氷101を保冷しながら、電磁波13によって水102を加熱する。ここでは、保冷部21は、氷101を囲っている。保冷部21の構成は、氷101の温度上昇を抑制できるものであれば、特に限定されない。
例えば、保冷部21は、氷101を冷却するものであってよい。この場合、保冷部21の具体的な構成の例としては、内部に保冷剤を収納可能な容器が挙げられる。また、保冷部21は、ペルチェ素子などを用いて電気的に氷点下を維持できる構成であってもよい。
また、保冷部21は、外部から氷101への熱の流入を抑制する構成であってもよい。この場合、保冷部21の具体的な構成の例としては、真空断熱構造の容器などが挙げられる。
図4に示した加熱装置20においては、保冷部21は、氷101の側面に配されている。しかし、保冷部21が配置される位置は、特に限定されない。保冷部21は、例えば氷101の上部または下部に配されてもよい。また、保冷部21は、氷101の上部、下部および側面といった、氷101の周囲全体を囲むように配されてもよい。
ただし、保冷部21は、電磁波13が水102に向けて照射されることを妨げないように配されることが好ましい。例えば、保冷部21の、電磁波13が通過する領域に、孔を設けることが考えられる。
上述した通り、電磁波13は、氷101に吸収されにくい周波数を有する。しかし、電磁波13による氷101の加熱を完全に防ぐことは不可能である。また、氷101は、外部環境から熱を吸収することによっても温度が上昇する。
加熱装置20は、保冷部21を備え、当該保冷部により氷101を保冷する。具体的には、保冷部21は、氷101を冷却し、または外部から氷101への熱の流入を抑制する。したがって、加熱装置20は、氷101の融解を抑制しながら、水102を加熱することができる。
〔実施形態3〕
本発明の他の実施形態について、図5および図6に基づいて説明すれば、以下の通りである。本実施形態では、加熱装置10の構成において、支持台12の代わりに容器31を備える加熱装置について説明する。本実施形態に係る加熱装置は、調理器具として用いられる。なお、説明の便宜上、上記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を省略する。
図5は、本実施形態に係る加熱装置30の構成を示す概略図である。図5に示すように、加熱装置30は、電磁波13を照射する電磁波照射部11と、容器31とを備える。容器31は、液体を保持可能な容器である。また、電磁波照射部11は、容器31の内側の領域に電磁波13を照射する。
加熱装置30を使用するに当たっては、まず、容器31にスープ200を入れる。ここで、スープとは、エキス成分または栄養成分などが溶け込んだ水のことである。
次に、容器31を冷凍庫に入れて、スープ200を凍結させる。このとき、容器31の上部だけを冷凍庫から出した状態で冷凍するなどの方法により、容器31の上方におけるスープ200の凍結を抑制する。
図6は、加熱装置30の使用例を示す概略図であり、上記の方法により、容器31内のスープ200を部分的に凍結させた状態を示す図である。上記の方法によれば、図6に示すように、スープ200は、容器31の中央上部以外の領域においては凍結して氷201となる。一方、容器31の中央上部においては、液体状態のスープ202が、凍結することなく存在する。
このとき、氷201には、エキス成分および栄養成分は、ほとんど含まれない。したがって、スープ202には、スープ200に溶け込んでいたエキス成分および栄養成分のほとんどが、高濃度に濃縮された状態で溶け込んでいることとなる。
このようなスープ202に対し、電磁波照射部11から氷201越しに電磁波13を照射すると、氷201をほとんど加熱および融解させることなく、スープ202を高温の状態にすることができる。したがって、スープ202を飲む人は、氷201に囲まれ、しかも加熱された状態のスープ202を飲むことができる。
また、容器31内のスープ200を凍結させる段階において、容器31の上方におけるスープ200の凍結を抑制せず、スープ200全体を均等に凍結させてもよい。ただし、スープ200の全体が完全に凍結する前に冷凍をやめるものとする。
この場合、容器31内において中央以外の領域に位置するスープ200は、すべて凍結して氷201となる。そして、液体状態のスープ202は、容器31内の中心領域に、周囲全域を氷201に囲まれた状態で存在することとなる。
このようなスープ202を飲む時には、氷201の上部に穴を開けて飲むことが考えられる。この場合、加熱装置30によりスープ202を加熱するタイミングは、氷201に穴を開けた後であってもよく、氷201に穴を開ける前であってもよい。いずれの場合においても、スープ202を飲む人は、氷201に囲まれた熱々のスープ202を飲むことができる。
また、氷201に穴を開ける前にスープ202を加熱する場合、加熱されたスープ202を飲む人が氷201の上部に穴を開けると、氷201の中から高濃度に濃縮された高温のスープ202が出てくることとなる。これにより、スープ202を飲む人に対して、驚きまたは高揚感を提供することができる。
また、加熱装置30は、スープ202を飲む人がスープ202を飲んでいる最中にも、スープ202を加熱してもよい。その場合、スープ202は、周囲を氷201に囲まれているにも関わらず、常に高温の状態に維持される。
また、全体が凍結したスープ202(氷201)に水を加えてから、加熱装置30によって加熱を行ってもよい。凍結したスープ202に凹みを作っておき、凹みに水を加えてもよい。この場合、加熱装置30によって水を加熱することで、水に接する部分が溶かされる。これにより、凍結したスープを部分的に溶かすことができる。
〔実施形態4〕
本発明の他の実施形態について、図7に基づいて説明すれば、以下の通りである。本実施形態に係る加熱装置は、対象物に対して照射された電磁波を当該対象物の一部に集束させる光学系を有する。なお、説明の便宜上、上記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を省略する。
図7は、本実施形態に係る加熱装置40の構成を示す概略図である。図7に示すように、加熱装置40は、電磁波照射部11と、支持台12と、光学系41とを備える。光学系41は、電磁波13を対象物100の中の一部に集束させる光学系である。加熱装置40は、光学系41を備えることで、対象物100に含まれる水102の一部分だけを、局所的に加熱することができる。
上述した通り、電磁波13の周波数は、0.05THz以上、かつ5THz以下の範囲である。一般に、電磁波を集束させる場合、焦点位置においては当該電磁波の波長と同程度のオーダーまで集束させることができる。例えば、周波数が0.1THz、すなわち波長が3mmの電磁波であれば、直径数mm程度まで集束させることが可能である。
加熱装置40の用途の例としては、氷101の内部を加工することが挙げられる。加工の手順の例を、以下に説明する。
まず、(i)加熱装置40は、光学系41により、電磁波13を対象物100の一部に集束させ、水102の一部を加熱する。すると、氷101の、水102の加熱された領域に接する部分が溶ける。
次に、(ii)水102が存在する領域に対する、電磁波13が集束する位置が変更される。上記変更は、例えば支持台12上で氷101を移動させることで実現されてもよい。また、光学系41が、電磁波13を集束させる位置を移動させる機能を備えている場合には、当該機能により、上記変更が実現されてもよい。加熱装置40は、光学系41に含まれる光学素子(レンズ、ミラーまたはプリズム等)の位置または向きを変化させることにより、電磁波13を集束させる位置を変更してもよい。
上記(i)および(ii)を繰り返すことで、任意の形状の、氷101が溶けた領域を、氷101の内部に形成することができる。
(変形例1)
本実施形態の変形例について、以下に説明する。本変形例において、対象物100aは、加熱の開始時点では氷101(図1等参照)のみからなる。この場合、電磁波13の周波数は、氷101にも吸収され、かつ水の吸収係数が氷の吸収係数より高い範囲から選択すればよい。
電磁波13を氷101のみからなる対象物100aに集束させると、その焦点位置近傍では電磁波13のエネルギー密度が高まり、氷101の温度が高くなる。例えば氷の融解熱(333.5J/cm3)を超えるまで長時間照射すれば氷101を溶かすことができる。対象物100aの一部が溶けて氷101から水102(図1等参照)になると、その部分では図2および図3に示したとおり、電磁波13がより強く吸収される。よって、内部の水102に対して電磁波13を継続して集光すると、内部の水102を急激に温めることができ、当該水102の外周部の氷101を内側から溶かすことができる。
電磁波13、光学系41および対象物100aは、相対的な位置を固定したままでもよいし、上述の通り、電磁波13が照射される位置を相対的に変えてもよい。また、光学系41に例えばビームエキスパンダを組み込んでおけば、これを調整して、電磁波13の集光度を変えることができる。集光度を変えることにより、電磁波13が集束する部分(集光部)、および電磁波13が集光部に到達するまでに通過する対象物100a内の範囲でのエネルギー密度が変わる。したがって、集光度を変えることで、電磁波が対象物100aに与えるエネルギー分布を変えることができる。これらの方法により、対象物100aを均等に溶かすことができる。
対象物100aの一部が溶けて氷101から水102に相変化すると、電磁波13は、水102と氷101との界面で吸収され、電磁波13の波長程度より長くは水102の内部に侵入できない。したがって、対象物100aの一部が氷101から水102に相変化する過程において、水102の電磁波13の進行方向に平行な方向の厚みが波長以上になれば、電磁波13の集光部の位置を、厚み方向に沿って水102と氷101の界面にずらしていくことによって、より速く、対象物100aの表面から水102までの距離(厚み)を縮めることができる。
氷は水より密度が小さいため、氷101内に生じた水102の相は負圧になり、溶けにくくなる。しかし、氷101に水102の通路ができ、水102が外部(大気)と接することができるようになると、水102の容積が氷101から相変化した領域に限定されなくなる。したがって、水102の相が正圧になり、対象物100aが溶けやすくなる。また、水102と氷101との界面の面積を増やすことによっても、対象物100aの氷101を溶けやすくすることができる。
以上、対象物100aが加熱の開始時点において氷101のみである場合について主に説明したが、対象物100aが冷凍食品や冷凍サンプルなどの凍結体であっても、同様の方法によって凍結部分を液体に相変化させることができる。冷凍サンプルとは、例えば人工授精用の精子、移植用臓器、DNA、RNA、または細菌のような、医療・バイオ分野で用いられるものなどが挙げられる。特に冷凍食品や冷凍した測定サンプルなどの場合、対象物100a内部に空隙などがあると、その部分は他の部分に比べて融解しやすいため、対象物100aを内側から温めやすくなる。
これにより、対象物100aが冷凍食品である場合には、内部が解凍されていない、冷たいといった問題、または外部が熱くなりすぎる、熱で変質するといったことがなくなり、ユーザが満足する状態で、食品を提供することができる。あるいは、外周部が熱で変質することなく冷凍サンプルを短時間で解凍でき、正確な測定や適切な活用することができる。
(変形例2)
本実施形態の別の変形例について、図8を用いて説明する。なお、説明の便宜上、上記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を省略する。
図8は、本変形例の加熱装置40a、および加熱装置40aにより加熱される対象物100aの構成を示す概略図である。本変形例の加熱装置40aは、図8に示すように、第1の電磁波照射部11a(電磁波源)、第2の電磁波照射部11b(第2電磁波源)、および支持台12aを備える。支持台12aは、電磁波照射部11(図1参照)が埋め込まれていない点を除いて、支持台12と同じである。対象物100aは、例えば冷凍食品であり、加熱の開始時には全体が凍結した状態の凍結体である。
第1の電磁波照射部11aおよび第2の電磁波照射部11bは、それぞれ第1の電磁波13a(電磁波)および第2の電磁波13bを発生させる。第1の電磁波照射部11aおよび第2の電磁波照射部11bは、図8に示すように互いに対向して設けられていてもよく、または互いに隣接していてもよい。
第1の電磁波13aの波長(周波数)は、上述した電磁波13の周波数と同様であってよい。一方、第2の電磁波13bは、第1の電磁波13aとは周波数が異なる電磁波である。例えば、第2の電磁波13bとして、周波数が2.4GHz以上、かつ2.5GHz以下であるマイクロ波を用いてもよい。または、第2の電磁波13bとして、900MHz帯のマイクロ波を用いてもよい。これらの周波数帯は、ISM(Industry Science Medical)バンドに含まれ、従来の電子レンジにおいて加熱に用いられている電磁波の周波数帯である。
図3から示唆される通り、従来の電子レンジで用いられているマイクロ波は、純水を凍らせた氷には吸収されない。しかし、上記マイクロ波は食塩などを含む水には吸収される。これにより、従来の電子レンジは冷凍食品を温めることができる。しかし、従来の電子レンジによる加熱では、冷凍食品は外周部から温められ、内部が冷たいままの状態になるといった問題がある。
本変形例の加熱装置40aにおいては、まず、第1の電磁波13aを第1の電磁波照射部11aから対象物100aへ照射することで、対象物100aを構成する凍結体の一部を液体に変化させ、当該液体を加熱する。第1の電磁波13aによる加熱を開始してから一定時間の後、第2の電磁波13bを第2の電磁波照射部11bから対象物100aへ照射することで、外側の凍結体を加熱し、解凍する。すなわち、第1の電磁波13aにより対象物100aの中心部を加熱し、第2の電磁波13bにより外周部の凍結体を加熱することにより、対象物100aの内部および外周部を均等に加熱することができる。また、第2の電磁波13bの対象物100aに与えるエネルギーが、第1の電磁波13aの液体に与えるエネルギーより大きければ、変形例1よりも速く対象物100a全体を加熱できる。
なお、第1の電磁波13aおよび第2の電磁波13bを同時に照射する場合、対象物100aの外周部にある凍結体の表面が第2の電磁波13bにより溶けてくると、第1の電磁波13aが対象物100aの表面で吸収され、内部を温めることができなくなる。変形例2では、先に第1の電磁波13aを照射してから第2の電磁波13bを照射することで、対象物100aの外周および内部を均等に温めることができる。
第2の電磁波13bによる加熱動作は、市販の電子レンジなどによる加熱動作と同様である。すなわち、本変形例の加熱装置40aは、市販の電子レンジに第1の電磁波13aにより対象物100aの中心部を加熱する機能が付いているものと考えてもよい。
第2の電磁波13bによる加熱を始めるタイミングは、対象物100aの大きさ、および第1の電磁波13aと第2の電磁波13bが対象物100aに与えられるエネルギーの比にも依存するため、これらを考慮の上、決定すればよい。
第2の電磁波13bによる加熱開始後、第1の電磁波13aによる加熱を続けると、第1の電磁波13aは対象物100aの表面の水分で吸収されるため、対象物100aの表面に焦げを作ることができる。表面を焦げなどで変質させたくない場合には、第2の電磁波13bによる加熱開始後、第1の電磁波13aによる加熱を止めればよい。
以上、対象物100aが加熱開始時点で氷のみである場合について主に説明したが、上述の変形例1と同様、対象物100aが冷凍食品や冷凍サンプルなどであっても、同様の方法を用いることができる。
〔実施形態5〕
本発明の他の実施形態について、図9に基づいて説明すれば、以下の通りである。本実施形態の加熱装置50aにおいては、対象物100aにより反射された電磁波14(第3の電磁波)により、対象物100aの状態が判定される(対象物100aに含まれる凍結体の内部の液体が評価される)。
図9は、本実施形態に係る加熱装置50a、および加熱装置50aにより加熱される対象物100aの構成を示す概略図である。図9に示すように、本実施形態の加熱装置50aは、対象物100aを収容する容器31aと、対象物100aへ電磁波13を照射する電磁波照射部11と、対象物100aにより反射された電磁波14を検出する検出器51と、制御部53a(判定部、制御部)とを備える。
制御部53aは、検出器51が検出した電磁波の強度に基づいて対象物100aの状態を判定する。また、制御部53aは、判定した対象物100aの状態に基づいて電磁波照射部11の動作を制御する。制御部53aは、集積回路(ICチップ)等に形成された論理回路(ハードウェア)によって実現してもよいし、CPU(Central Processing Unit)を用いてソフトウェアによって実現してもよい。
制御部53aによる対象物100aの状態の判定について、以下に説明する。対象物100a内に液体が存在する場合、対象物100aに入射した電磁波13は、凍結体の表面(または凍結体と容器31aとの界面)、および凍結体と液体との界面で反射される。このため、電磁波14は2つの反射波の重ね合わせとなり、凍結体内部で干渉した波となっている。したがって、干渉縞の有無により対象物100a内に液体が存在するか否かという状態を判定することができる。また、干渉縞の間隔から、対象物100aの表面から液体までの凍結体の厚みを判定することができる。
また、制御部53aは、電磁波13の吸収係数を算出してもよい。凍結体が過冷却の状態でない場合には、温度の上昇、すなわち加熱時間の経過に伴って電磁波13の吸収係数が大きくなる。一方、凍結体が過冷却の状態である場合には、加熱時間の経過に伴う電磁波13の吸収係数の変化が小さくなる。したがって、制御部53aは、吸収係数の変化から凍結体が過熱状態になっているか否かという状態を判定することができる。
図9に示す加熱装置50aでは、検出器51は電磁波13の反射波を検出するものである。しかし、本実施形態の加熱装置50aにおいて、検出器51は、対象物100aを透過した電磁波、または対象物100aにより散乱された電磁波を検出するものであってもよい。
例えば対象物100aを透過した電磁波を検出器51が検出する場合において、対象物100aが凍結体のみの場合、電磁波13は対象物100aを透過することができる。しかし、凍結体の一部が液体に変化すると、対象物100aによる電磁波13の吸収率が高くなる。したがって、対象物100a内に液体が存在する場合には、電磁波13が液体で吸収される分、検出器51により検出される電磁波の強度が弱くなる。これにより、制御部53aは、対象物100aの内部に液体が存在するか否かという状態を判定することができる。
対象物100a内部の液体が十分少量である場合には、対象物100aを透過した透過波を検出することが可能である。この場合、途中で反射されることなく対象物100aを透過した電磁波と、対象物100aの出射側の表面(界面)および凍結体と液体との界面において2回反射された電磁波との干渉縞が発生する。このため、制御部53aは、検出器51が反射波を検出する場合と同様に、凍結体の厚みを判定することできる。また、対象物100aにおいて液体の凍結が電磁波の集光部から等方的に進む場合には、凍結体の厚みの変化を用いて、対象物100b内における液体の容積の変化、すなわち凍結体が融解する速度を検出することもできる。また、対象物100a内に液体が存在しなければ、途中で反射されることなく対象物100aを透過した電磁波と、対象物100aの出射側の表面(界面)および入射側の表面(界面)において2回反射された電磁波との干渉縞が発生する。上記干渉縞の間隔から、対象物100aの厚みを測定することができる。
加熱装置50aにおいて、実施形態4において説明したように、電磁波13を集束させ、その焦点位置が凍結体の表面または凍結体と液体との界面にある場合に電磁波14の検出強度が強くなるように、レンズ可動部を含む光学系を構成してもよい。上記の構成によれば、レンズ可動部により電磁波13の焦点位置を移動させ、電磁波14の強度が強くなる焦点位置を検出することで、凍結体の厚みの変化を検出することができる。また、上記の光学系は、非点収差法またはナイフエッジ法を用いた光学系であってもよく、共焦点光学系であってもよい。
これらの方法により、凍結体の厚みの変化を測定することで、対象物100aが加熱により解凍されるスピードを算出できる。
制御部53aは、これらの判定結果を元に、電磁波照射部11を制御する。具体的には、電磁波13の強度の増減、またはパルス波の時間幅(電磁波が照射される時間)などを最適化する。例えば、対象物の解凍スピードが所望のスピードより速い場合には、制御部53aは、電磁波13の強度を減少させるか、またはパルス波の時間幅を短くする。
また、制御部53aは、電磁波13を対象物100aに照射する照射工程において、検出器51により電磁波14の強度を検出するときに上記電磁波が上記対象物に与える単位時間当たりのエネルギーを、電磁波14を検出するとき以外の照射工程において電磁波13が上記対象物に与える単位時間当たりのエネルギーより小さくするように電磁波照射部11を制御してもよい。電磁波13が対象物に与えるエネルギーを小さくする方法としては、電磁波13の強度を小さくすることが挙げられる。また、電磁波13がパルス波である場合には、パルス波の時間幅を小さくしてもよい。すなわち、制御部53aは、電磁波14を検出する期間であるか否かに応じて、電磁波照射部11の単位時間当たりの平均出力を変化させてもよい。これにより、電磁波14を検出する時に電磁波13が対象物100aへ与える影響が小さくなり、検出器51により検出される電磁波14の強度が安定する。
図9に示した加熱装置50aでは、制御部53aが電磁波照射部11を制御する構成となっている。しかし、本実施形態に係る加熱装置は、上記の測定結果から対象物100aが凍結するスピードや液体が過熱になっているかどうかの情報を表示する表示部、および電磁波照射部11を制御するスイッチを備えていてもよい。この場合、表示部に表示される情報に基づいて、加熱装置のユーザが加熱装置50aの電源のON/OFF、または電磁波13の強度の調整を行い、所望の解凍を行うことができる。
(変形例)
本実施形態に係る加熱装置の別実施形態について、図10を参照して説明する。本変形例の加熱装置50bは、液体を凍結させる過程において凍結体を加熱する装置である。
図10は、本変形例に係る加熱装置50b、および加熱装置50bにより加熱される対象物100bの構成を示す概略図である。図10に示すように、加熱装置50bは、加熱装置50aの構成に加えて冷却部52を備えるとともに、制御部53aに代えて制御部53bを備える。
対象物100bは、液体である。冷却部52は、対象物100bを冷却して凍結させる。制御部53bは、電磁波照射部11および冷却部52を制御する。制御部53bは、制御部53aと同様、集積回路等に形成された論理回路によって実現してもよいし、CPUを用いてソフトウェアによって実現してもよい。
一般に、液体を凍結させる場合には、気泡などにより氷が白く濁ること、および氷の粗大結晶が成長することによる食品の細胞組織およびサンプルの組織の破壊が問題となる。上記の問題を解決し、透明な氷を作るには、ゆっくりとした時間をかける必要があることなどが、特許文献3および4に記載されている。
本変形例の加熱装置50bは、電磁波13を用いて、対象物100bを冷却し、凍結させる過程での、凍結スピード、および液体が過冷却になっているかどうかを判定しながら加熱する加熱装置を開示する。
液体を凍らせる際、液体を入れた初期状態では、容器31aの温度が最も低い状態となり、容器31aに接した部分の液体から凍結が始まる。すると、対象物100bの外周部が凍結して凍結体となり、内部が液体のままの状態になる。このような対象物100bに対して電磁波13を照射し、凍結体と液体との界面からの透過波、反射波、または散乱波などを検出器51により検出することで、制御部53bは、対象物100bが冷凍される過程における対象物100bの状態を判定することができる。
対象物100bの冷却過程における、制御部53bによる状態の判定は、制御部53aによる状態の判定と概ね同様である。ただし、電磁波13の周波数によっては、制御部53bは液体が過冷却状態であるか否かについても判定を行ってもよい。液体が過冷却の状態でない場合には、液体の温度の低下に伴って、電磁波13の吸収係数が小さくなる。これに対し、液体が過冷却の状態である場合には、電磁波13の周波数によっては液体の温度が低下しても電磁波13の吸収係数が略一定となる。液体が過冷却の状態であるか否かを判定するために好適な、電磁波13の具体的な周波数(液体が過冷却の状態である場合に液体の温度が低下しても吸収係数が略一定となる周波数)については、予め加熱装置50bの製造者が液体を冷却しながら電磁波13の吸収係数を測定して確認すればよい。
また、対象物100bの冷却過程で、凍結体に氷の粗大結晶が生じた場合、凍結体と液体との界面が粗大結晶の大きさで凹凸を持つ。このため、電磁波13は当該界面において強く散乱される。この散乱波を用いて、界面の凹凸を測定し、凍結体の結晶状態を判断することもできる。
電磁波13は、実施形態1〜4に記載の通り、液体を加熱することができる。制御部53bは、冷却部52により外部から対象物100bを冷却する速度と、電磁波13による加熱速度とを制御することで、対象物の冷却過程において凍結体と液体との界面温度を制御し、気泡の発生を抑制できる。また、凍結体の一部に粗大結晶が成長しつつあることを検出した場合には、対象物100bに含まれる細胞の細胞壁が粗大結晶により破壊される前に、電磁波13により当該粗大結晶の周囲を加熱し、当該粗大結晶を溶かすこともできる。
これにより、対象物100bが内部に気泡を含んだまま凍結することなく、透明な凍結体を作成することができる。または、凍結体が氷の粗大結晶を含まないため、食品やサンプルの細胞が破壊されることがなく、解凍時のドリップの低減などにより、凍結前と同等の食品やサンプルを得ることができる。
〔まとめ〕
本発明の態様1に係る加熱装置(10など)は、電磁波(13)を発生する電磁波源(電磁波照射部11)を備え、上記電磁波により対象物(100など)を加熱する加熱装置であって、上記電磁波の周波数は、0.05THz以上、かつ5THz以下であり、上記電磁波を少なくとも一部が凍結体(氷101)である対象物に照射し、上記凍結体の内部を加熱する。
上記の構成によれば、少なくとも一部が凍結体である対象物に対し、周波数が0.05THz以上、かつ5THz以下である電磁波が照射される。この周波数範囲の電磁波は、凍結体の吸収係数と比較して、当該凍結体が融解した液体の吸収係数が著しく高い。したがって、対象物に対して電磁波を照射することで、凍結体の凍結状態を維持したまま、凍結体の内部に存在する液体を加熱することができる。
本発明の態様2に係る加熱装置は、上記態様1において、上記凍結体は、氷であることが好ましい。
本発明の加熱装置は、凍結体が氷である対象物の加熱に好適に用いることができる。
本発明の態様3に係る加熱装置は、上記態様2において、上記対象物は、上記氷の内部に水を有し、上記電磁波を上記氷越しに上記水に対して照射することにより、上記凍結体の内部の上記水を加熱することが好ましい。
上記電磁波は、水の吸収係数が氷の吸収係数と比較して高い。したがって、上記電磁波を氷越しに水に対して照射することで、凍結体の内部を効率よく加熱することができる。
本発明の態様4に係る加熱装置は、上記態様1から3のいずれかにおいて、上記電磁波の周波数は、0.05THz以上、かつ1THz以下であることが好ましい。
上記の構成によれば、上記電磁波に対する氷の吸収係数は、上記電磁波に対する水の吸収係数の1/50より小さくなる。この場合、電磁波のエネルギーを99%吸収する水の厚さと同じ厚さの氷に当該電磁波を照射した場合、当該電磁波は氷に10%以下しか吸収されない。したがって、上記電磁波は、より氷を透過しやすく、かつ水に吸収されやすくなり、より効率的に水を加熱することができる。
本発明の態様5に係る加熱装置は、上記態様1から4のいずれかにおいて、電磁波を集束させる光学系(41)を備え、上記光学系により上記電磁波を上記凍結体の内部に集束させることが好ましい。
上記の構成によれば、凍結体の内部に電磁波のエネルギーを集中させることで、効率よく加熱することができる。
本発明の態様6に係る加熱装置は、上記態様1から5のいずれかにおいて、上記電磁波(第1の電磁波13a)とは異なる周波数を有する第2の電磁波(13b)を発生する第2電磁波源(第2の電磁波照射部11b)をさらに備え、上記電磁波および上記第2の電磁波を用いて上記対象物を加熱することが好ましい。
上記の構成によれば、電磁波および第2の電磁波を用いることで、対象物を加熱するときに、対象物の外部は温かいが内部が冷たいといったことがない均一な加熱を素早く行うことができる。
本発明の態様7に係る加熱装置は、上記態様1から6のいずれかにおいて、上記対象物を冷却する冷却部(52)を備え、上記冷却部により対象物(100b)を冷却するとともに、上記電磁波により凍結体内部を加熱することが好ましい。
上記の構成によれば、冷却部により対象物を冷却しながら電磁波により対象物を加熱することで、対象物の冷却過程において凍結体と液体との界面温度を制御して気泡の発生を抑制できる。また、粗大結晶の発生を検出した場合に当該結晶を加熱して溶かすことができる。
本発明の態様8に係る加熱装置は、上記態様1から7のいずれかにおいて、上記電磁波が上記対象物により反射、透過、または散乱された電磁波である第3の電磁波(電磁波14)の強度を検出する検出器(51)と、上記検出器が検出した上記強度に基づいて上記対象物の状態を判定する判定部(制御部53a、53b)とを備えることが好ましい。
上記の構成によれば、加熱装置は、対象物により反射、透過、または散乱された電磁波である第3の電磁波の強度を検出器により検出し、検出した上記強度に基づいて判定部により対象物の状態を判定することができる。具体的には、例えば対象物の加熱の速度、または対象物が過熱状態になっているか否かなどを検出することができる。
本発明の態様9に係る加熱装置は、上記態様8において、上記判定部が判定した上記対象物の状態に基づいて上記電磁波源の動作を制御する制御部をさらに備えることが好ましい。
上記の構成によれば、制御部は、検出器により検出された電磁波の強度に基づいて電磁波源の動作、例えば対象物の加熱速度などを制御することができる。
本発明の態様10に係る加熱装置は、上記態様9において、上記制御部は、上記電磁波を上記対象物に照射する照射工程において、上記検出器により上記第3の電磁波の強度を検出するときに上記電磁波が上記対象物に与えるエネルギーを、上記第3の電磁波を検出するとき以外の上記照射工程において上記電磁波が上記対象物に与えるエネルギーより小さくするように上記電磁波源を制御することが好ましい。
上記の構成によれば、照射工程において第3の電磁波を検出するときに電磁波が対象物へ与える影響が小さくなり、検出器により検出される第3の電磁波の強度が安定する。
本発明の態様11に係る加熱方法は、電磁波により対象物を加熱する加熱方法であって、上記電磁波の周波数は、0.05THz以上、かつ5THz以下であり、上記電磁波を少なくとも一部が凍結体である対象物に照射し、上記凍結体の内部を加熱する。
上記の構成によれば、態様1と同様の効果を奏する。
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。さらに、各実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を組み合わせることにより、新しい技術的特徴を形成することができる。
10、20、30、40、40a、50a、50b 加熱装置
11 電磁波照射部(電磁波源)
11a 第1の電磁波照射部(電磁波源)
11b 第2の電磁波照射部(第2電磁波源)
13 電磁波
13a 第1の電磁波(電磁波)
13b 第2の電磁波
14 電磁波(第3の電磁波)
41 光学系
51 検出器
52 冷却部
53a、53b 制御部(判定部、制御部)
100、100a、100b 対象物
101 氷(凍結体)

Claims (9)

  1. 電磁波を発生する電磁波源を備え、
    上記電磁波により対象物を加熱する加熱装置であって、
    上記電磁波の周波数は、0.05THz以上、かつ5THz以下であり、
    上記電磁波を少なくとも一部が凍結体である対象物に照射し、上記凍結体の内部を加熱することを特徴とする加熱装置。
  2. 上記電磁波を集束させる光学系を備え、
    上記光学系により上記電磁波を上記凍結体の内部に集束させることを特徴とする請求項1に記載の加熱装置。
  3. 上記電磁波の周波数とは異なる周波数を有する第2の電磁波を発生する第2電磁波源をさらに備え、
    上記電磁波および上記第2の電磁波を用いて上記対象物を加熱することを特徴とする請求項1または2に記載の加熱装置。
  4. 上記対象物を冷却する冷却部を備え、
    上記冷却部により対象物を冷却するとともに、上記電磁波により凍結体内部を加熱することを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の加熱装置。
  5. 上記電磁波が上記対象物により反射、透過、または散乱された電磁波である第3の電磁波の強度を検出する検出器と、
    上記検出器が検出した上記強度に基づいて上記対象物の状態を判定する判定部とを備えることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の加熱装置。
  6. 上記判定部が判定した上記対象物の状態に基づいて上記電磁波源の動作を制御する制御部をさらに備えることを特徴とする請求項5に記載の加熱装置。
  7. 上記制御部は、上記電磁波を上記対象物に照射する照射工程において、上記検出器により上記第3の電磁波の強度を検出するときに上記電磁波が上記対象物に与える単位時間当たりのエネルギーを、上記第3の電磁波を検出するとき以外の上記照射工程において上記電磁波が上記対象物に与える単位時間当たりのエネルギーより小さくするように上記電磁波源を制御することを特徴とする請求項6に記載の加熱装置。
  8. 上記電磁波の周波数は、0.05THz以上、かつ1THz以下であることを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載の加熱装置。
  9. 電磁波により対象物を加熱する加熱方法であって、
    上記電磁波の周波数は、0.05THz以上、かつ5THz以下であり、
    上記電磁波を少なくとも一部が凍結体である対象物に照射し、上記凍結体の内部を加熱することを特徴とする加熱方法。
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