JP2010256254A - 電磁波検出装置、それを備えた加熱装置および冷凍装置 - Google Patents

電磁波検出装置、それを備えた加熱装置および冷凍装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2010256254A
JP2010256254A JP2009108529A JP2009108529A JP2010256254A JP 2010256254 A JP2010256254 A JP 2010256254A JP 2009108529 A JP2009108529 A JP 2009108529A JP 2009108529 A JP2009108529 A JP 2009108529A JP 2010256254 A JP2010256254 A JP 2010256254A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
terahertz wave
terahertz
thz
electromagnetic wave
wave
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2009108529A
Other languages
English (en)
Inventor
Shinichi Takigawa
信一 瀧川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Corp
Original Assignee
Panasonic Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Panasonic Corp filed Critical Panasonic Corp
Priority to JP2009108529A priority Critical patent/JP2010256254A/ja
Publication of JP2010256254A publication Critical patent/JP2010256254A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P60/00Technologies relating to agriculture, livestock or agroalimentary industries
    • Y02P60/80Food processing, e.g. use of renewable energies or variable speed drives in handling, conveying or stacking
    • Y02P60/85Food storage or conservation, e.g. cooling or drying

Abstract

【課題】冷却に伴う大気自体も低湿度化を考慮し、物質中の氷および水の判断をより正確にし、これによって省エネルギーを達成することができる電磁波検出装置を提供する。
【解決手段】水分子を含有する対象物へ向けて複数の異なる周波数のテラヘルツ波を放射するテラヘルツ波放射素子104および105と、対象物から戻る、または、対象物を透過する、複数の異なる周波数を有するテラヘルツ波を波長ごとに検出するテラヘルツ波検出素子106および107とを備え、複数の異なる周波数のテラヘルツ波には、当該テラヘルツ波に対する水の吸収係数が氷の吸収係数より大きな値を有する第1のテラヘルツ波と、当該テラヘルツ波に対する水の吸収係数と氷の吸収係数とがほぼ等しい値を有する第2のテラヘルツ波とが含まれる。
【選択図】図1

Description

本発明は、電磁波検出装置、とりわけテラヘルツ(THz)波を応用した装置に関するものである。
周波数がテラヘルツ領域(一般に0.1THz〜10THz)である電磁波は、光と電波の境界領域に属し、電波のもつ透過性と光のもつ直進性を有する。また、この領域の電磁波は、物質に固有の吸収スペクトルを多数有する。それゆえ、例えば、封筒中の郵便物検査、食品・所持物検査、薬物分析、皮膚がん検査、半導体不純物量検査/複素誘電率評価などの医学応用、環境計測、工学応用など多数の産業用途が期待されており、近年、その研究開発が活発に行われている。
このテラヘルツ波の特徴として、水と氷を分別できることがある。H2O分子は回転の自由度があるため、回転エネルギーに相当する電磁波が入射されると、H2O分子が回転しその電磁波が吸収される。この周波数帯はマイクロ波からTHz帯に存在する。このため、H2Oの気体状態(水蒸気)や液体状態(水)は、マイクロ波からTHz波をよく吸収する。一方、固体(氷)になると、H2O分子は回転が困難になる。この結果、マイクロ波からTHz波の吸収が減ってしまう。この結果、電磁波の透過率または減衰率を測定することにより、H2Oが水なのか、氷なのかを判断することができる。
一方、ほとんどの家庭にある冷蔵庫には製氷室が設けられている。製氷室の温度は、H2Oが氷状態であるような温度設定にすればよい。ところが、実際の冷蔵庫では、製氷皿の水が凍っているか判断できないため、過剰な低温まで冷却されている。また、近年、急速冷凍機能を有する冷蔵庫が存在するが、これも食品を急速に凍らすために過剰に冷却している。この過剰冷却のため、冷蔵庫の消費電力は約20%もアップしてしまう。このため、水か氷かを判断することが省エネの観点から必要とされていた。
そこで、水か氷かを判断する様々な技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に係る従来技術を図7に示す。この技術においては、食品、DNAサンプルなどの水分の凍結状態を正確に測定することを目的になされている。水分を含む水分含有物12cが、冷凍装置12bを有するチャンバー12a内に置かれている。この水分含有物に、波長0.1〜100mm(周波数3GHz〜3THz)の電磁波をミリ波照射装置14aから照射する。このミリ波照射装置には指向性を改善するためにホーンアンテナ14bが付けられている。水分含有物12cを通過した電磁波は第2のホーンアンテナ16aで集められミリ波検出装置16bで検出される。この技術によれば、H2Oの電磁波吸収特性(周波数依存性)は図8のようになる。この図からわかるように、波長0.1〜100mm(周波数3GHz〜3THz)では、吸収係数が水の状態と氷の状態で2〜5桁も変化する。この結果、水分含有物12cを通過する電磁波強度が変化する。よって、ミリ波照射出力と検出出力から水分含有量を演算し水または氷を判断することができる(相変化検出装置18)。なお、冷解凍制御装置20により冷凍装置12bが制御される。
特開2006−17418号公報
ところが、実際の冷凍装置においては、大気中で冷凍を行うため、大気中の水蒸気による電磁波吸収が存在する。しかも、一般に冷却によって大気自体も低湿度化するため、冷却にともない大気による電磁波吸収も低下する。このため、検出器出力が低下した場合、大気中の水蒸気が減少したために生じた減衰なのか、水分含有物中のH2Oが水から氷にかわったためか、判断することが困難であり、正確に氷の状態と判断することができない。そのため、結局は過剰冷却をすることが必要であり、省エネルギーに結びつけることは困難である。
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、氷/水の判断をより正確にし、これによって省エネルギーを達成することができる電磁波検出装置、それを備えた加熱装置および冷凍装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために本発明の電磁波検出装置は、水分子を含有する対象物へ向けて複数の異なる周波数のテラヘルツ波を放射するテラヘルツ波放射素子と、前記対象物から戻る、または、前記対象物を透過する、前記複数の異なる周波数を有するテラヘルツ波を波長ごとに検出するテラヘルツ波検出素子とを備え、前記複数の異なる周波数のテラヘルツ波には、当該テラヘルツ波に対する水の吸収係数が氷の吸収係数より大きな値を有する第1のテラヘルツ波と、当該テラヘルツ波に対する水の吸収係数と氷の吸収係数とがほぼ等しい値を有する第2のテラヘルツ波とが含まれる。
この構成により、複数の周波数の電磁波を用いることにより、相変化を検出する信号の精度を向上させることができる。
ここで、前記第1のテラヘルツ波の周波数は、約3THz以下、または、約8THz以上約20THz以下の周波数帯より選ばれる周波数であり、前記第2のテラヘルツ波の周波数は、約4THz以上約8THz以下の周波数帯より選ばれる周波数であることが好ましい。この好ましい構成によれば、水の吸収係数と氷の吸収係数とが異なる3THz以下、または約8THz以上約20THz以下の周波数帯より選ばれる周波数の信号と、水の吸収係数と氷の吸収係数とがほぼ等しい約4THz以上約8THz以下の周波数帯より選ばれる周波数の信号との差分を取ることができ、水と氷との相の違いを効率よく検出することができる。
また、前記テラヘルツ波検出素子は、前記第1のテラヘルツ波に対応する第1の信号と、前記第2のテラヘルツ波に対応する第2の信号とを出力し、さらに前記第1の信号と前記第2の信号との差分を出力する差分回路を備えることが好ましい。
また、前記テラヘルツ波検出素子および前記差分回路は、一つの基板上に形成されていることが好ましい。この好ましい構成によれば、これらの構成要素の実装が同一基板であるため、小型、低価格化でき、また、アセンブリが容易になる。
また、前記テラヘルツ波放射素子を駆動する駆動回路をさらに備え、前記テラヘルツ波放射素子と前記駆動回路とは、一つの基板上に形成されていることが好ましい。この好ましい構成によれば、これらの構成要素の実装位置が同一基板であるため、小型、低価格化でき、また、アセンブリが容易になる。
また、前記テラヘルツ波放射素子は、レゾナントトンネルダイオード、量子カスケードレーザまたは電界効果トランジスタであることが好ましい。
また、前記テラヘルツ波放射素子または前記テラヘルツ波検出素子は、III族窒化物半導体で構成されていることが好ましい。
なお、本発明は、電磁波検出装置を備えた加熱装置であって、前記電磁波検出装置は、水分子を含有する対象物へ向けて複数の異なる周波数のテラヘルツ波を放射するテラヘルツ波放射素子と、前記対象物から戻る、または、前記対象物を透過する、前記複数の異なる周波数を有するテラヘルツ波を波長ごとに検出するテラヘルツ波検出素子とを備え、前記複数の異なる周波数のテラヘルツ波には、当該テラヘルツ波に対する水の吸収係数が氷の吸収係数より大きな値を有する第1のテラヘルツ波と、当該テラヘルツ波に対する水の吸収係数と氷の吸収係数とがほぼ等しい値を有する第2のテラヘルツ波とが含まれる加熱装置として実現することもできる。
また、本発明は、電磁波検出装置を備えた冷凍装置であって、前記電磁波検出装置は、水分子を含有する対象物へ向けて複数の異なる周波数のテラヘルツ波を放射するテラヘルツ波放射素子と、前記対象物から戻る、または、前記対象物を透過する、前記複数の異なる周波数を有するテラヘルツ波を波長ごとに検出するテラヘルツ波検出素子とを備え、前記複数の異なる周波数のテラヘルツ波には、当該テラヘルツ波に対する水の吸収係数が氷の吸収係数より大きな値を有する第1のテラヘルツ波と、当該テラヘルツ波に対する水の吸収係数と氷の吸収係数とがほぼ等しい値を有する第2のテラヘルツ波とが含まれる冷凍装置として実現することもできる。
本発明により、水/氷の判断が正確になり、それを用いた加熱冷却装置の省エネルギー化を実現することができる。
本発明における第1の実施形態に係る電磁波検出装置を示す模式図 同電磁波検出装置における出力データを示す模式図 同第2の実施形態に係る電磁波検出装置を示す模式図 同第3の実施形態に係る電磁波検出装置を示す模式図 同第4の実施形態に係る電磁波検出装置を示す模式図 同第5の実施形態に係る電磁波検出装置を示す模式図 従来の電磁波検出装置を示す模式図 氷と水の吸収係数の波長(周波数)依存性を示す図
以下、実施の形態を用いて本発明をさらに具体的に説明する。
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態における電磁波検出装置の構成を示すブロック図である。この電磁波検出装置は、水分子を含有する対象物へ向けて複数の異なる周波数のテラヘルツ波を放射するテラヘルツ波放射素子104および105と、対象物(被測定物101)から戻る、または、対象物を透過する、複数の異なる周波数を有するテラヘルツ波を波長ごとに検出するテラヘルツ波検出素子106および107とを備え、それら複数の異なる周波数のテラヘルツ波には、当該テラヘルツ波に対する水の吸収係数が氷の吸収係数より大きな値を有する第1のテラヘルツ波(1THzの電磁波110)と、当該テラヘルツ波に対する水の吸収係数と氷の吸収係数とがほぼ等しい値を有する第2のテラヘルツ波(7THzの電磁波111)とが含まれることを特徴とする本発明に係る電磁波検出装置の一例である。
より、具体的には、本発明の第1の実施形態に係る電磁波検出装置は、図1に示すように、水分を含む被測定物101がチャンバー102の中にある。このチャンバー102には、冷凍装置103が取り付けられている。また、測定波として1THzの電磁波110を放射する第1の放射素子104、参照波として7THzの電磁波111を放射する第2の放射素子105、1THzの電磁波を検出する第1の検出素子106、7THzの電磁波を検出する第2の検出素子107が備えられている。第1の放射素子104からの電磁波110は、被測定物101を透過し、第1の検出素子106に入力される配置になっている。同様に、第2の放射素子105からの電磁波111は、被測定物101を透過し、第2の検出素子107に入力される配置になっている。図1の配置では、電磁波110と電磁波111が異なる場所を通過するが、同一点を測定するために、測定点でほぼ交差する配置としてもよい。放射素子104、105には、発振制御回路112が接続されている。同様に、検出素子106、107には差分回路113が接続されている。検出素子106および107の差分を出力する差分回路113の出力は制御回路114に接続されている。制御回路114では、差分回路113からの差分出力に応じて、被測定物101が氷か、または水かを判断する。水の状態と判断すれば、冷凍装置103により冷却を加える。
なお、本実施形態において1THzと7THzの電磁波を用いているのは、テラヘルツ波に対する水の吸収係数が氷の吸収係数より大きな値を有する第1のテラヘルツ波(その周波数は、図8から分かるように、約3THz以下、または、約8THz以上約20THz以下)と、テラヘルツ波に対する水の吸収係数と氷の吸収係数とがほぼ等しい値を有する第2のテラヘルツ波(その周波数は、図8から分かるように、約4THz以上約8THz以下)とを同時に用いることで、氷/水の判断をするためである。ここで、第1の放射素子104にはInGaAs系のレゾナントトンネルダイオード(Resonant Tunnel Diode、RTD)を、第2の放射素子105にはGaN系の量子カスケードレーザ(Quantum Cascade Laser、QCL)を用いた。また検出素子106および107としては、1THzおよび7THzそれぞれに最適化されたプラズマ波で動作する、III族窒化物半導体材料、とりわけGaN系材料よりなる電界効果トランジスタ(FET)を用いている。
出力信号の一例を表すグラフを図2に示す。図2に示すグラフは、横軸が製氷開始時からの時間、縦軸は第1および第2の検出素子106、107が検出するTHz波の出力であり、第1および第2の放射素子104、105のそれぞれが放射するテラヘルツ波の出力で規格化した値である。
図2のグラフによれば、製氷開始時からの時間経過とともに、雰囲気温度が下がり、雰囲気に含まれる水蒸気が減少するので、7THz帯、1THz帯の透過量(=信号出力)が増加している。一方、テラヘルツ波の透過量が増加する割合(時間に対する変化率)は、7THz帯より1THz帯のほうが大きい。この理由は、1THz帯は雰囲気水蒸気による吸収のみならず、被測定物に含まれる水分が、水状態のときは吸収が大きく、氷になると吸収が減る効果が重畳されるためである。このように、それぞれ異なる周波数を有する複数のテラヘルツ波を、水分を含む被測定物101に照射して検出することにより、被測定物101に含まれる水分の状態を知ることができる。具体的には、制御回路114は、水の吸収係数が氷の吸収係数より大きな値を有する第1のテラヘルツ波(1THz帯)の透過量から、当該テラヘルツ波に対する水の吸収係数と氷の吸収係数とがほぼ等しい値を有する第2のテラヘルツ波(7THz)の透過量を差し引いた差分(差分回路113からの出力)を監視し、その差分が正の値である場合に、被測定物101が氷の状態であると判断し、その差分が負の値である場合に、被測定物101が水の状態であると判断することができる。
なお、第1の放射素子104として1THzの電磁波を放射するものを使用したが、それに限らず、図8の吸収係数の波長(周波数)依存性を示すグラフより明らかなように、水および氷の吸収係数に大きな差のある、3THz以下、または、約8THz以上約20THz以下の周波数の電磁波を放射するものであれば同様の効果が得られる。
また、参照波として7THzの電磁波を放射する第2の放射素子105を採用したが、第2の放射素子105として、図8の氷と水の吸収係数の波長(周波数)依存性を示すグラフより明らかなように、水および氷の吸収係数がほぼ等しい、約4〜8THzのテラヘルツ波を放射する放射素子を用いても同様な効果が得られる。
(第2の実施形態)
本発明の第2の実施形態に係る電磁波検出装置を図3に示す。この電磁波検出装置は、水分子を含有する対象物へ向けて複数の異なる周波数のテラヘルツ波を放射するテラヘルツ波放射素子201および202と、対象物(被測定物101)から戻る、または、対象物を透過する、複数の異なる周波数を有するテラヘルツ波を波長ごとに検出するテラヘルツ波検出素子204および205とを備え、それら複数の異なる周波数のテラヘルツ波には、当該テラヘルツ波に対する水の吸収係数が氷の吸収係数より大きな値を有する第1のテラヘルツ波(12THzの電磁波110)と、当該テラヘルツ波に対する水の吸収係数と氷の吸収係数とがほぼ等しい値を有する第2のテラヘルツ波(7THzの電磁波111)とが含まれることを特徴とする本発明に係る電磁波検出装置の一例である。
つまり、この電磁波検出装置は、基本構成としては、第1の実施形態に係る電磁波検出装置と同じであるが、12THz電磁波206と7THz電磁波111とを放射する、それぞれ、第1および第2の放射素子201、202が同一基板200上に形成されている点が第1の実施形態に係る電磁波検出装置と異なる点である。
なお、本実施形態において12THzと7THzの電磁波を用いているのは、テラヘルツ波に対する水の吸収係数が氷の吸収係数より大きな値を有する第1のテラヘルツ波(その周波数は、図8から分かるように、約3THz以下、または、約8THz以上約20THz以下)と、テラヘルツ波に対する水の吸収係数と氷の吸収係数とがほぼ等しい値を有する第2のテラヘルツ波(その周波数は、図8から分かるように、約4THz以上約8THz以下)とを同時に用いることで、氷/水の判断をすることができるからである。
図8の氷と水の吸収係数の波長(周波数)依存性を示すグラフからわかるように、12THzでも、氷と水で吸収係数が異なり、H2Oの状態を判断することができる。今回は、ひとつのサファイア基板200上に、2回の結晶成長を用いて、12THz帯で発振するGaN−QCL層構造と7THz帯で発振するGaN−QCL層構造を並べた。検出素子204、205は、ひとつのサファイア基板203上に集積された、それぞれ、ゲート長が相異なる2つのFETである。このFET(検出素子204、205)の検出周波数は、ゲート印加電圧を調整することにより12THzと7THzに調整している。
ここで、FETの検出周波数としてゲート印加電圧を調整することにより12THzと7THzに調整できることを説明する。
FETのプラズマ共鳴を用いたTHz検出において、検出周波数はプラズマ共鳴周波数に等しい。その共鳴周波数(f)は次式で与えられる(詳細は下記非特許文献1を参照)。
f={s/4L}*(2n−1) (式1)
ここでn=1,2,3・・・・であり、LはFETのゲート長である。また、sはプラズマ波の速度で
s=√{e(Ugs−Uth)/m} (式2)
で与えられる。ここでeは電子素量、mは電子有効質量、Ugsはゲート電圧、Uthは閾値電圧である。なお、記号「*」は乗算を表し、「√」は次に続く括弧内の式の平方根を表す。
式1と式2から判るように、ゲート電圧を変えること、および、その奇数次高調波(n=2,3・・)を用いることにより、任意の周波数を選択的に検出することが可能となる。例えば、
m=0.18*9.109×10―31kg
Ugs=+1.2V
Uth=−4V
e=1.602×10―19
L=0.08μm
ととると、
f=7*(2n−1) [THz]
となり、f=7THzに対しては、ひとつのFETは基本周波数(n=1)で検出できる(このFETは基本周波数の奇数倍、すなわち、7、21、35・・THzを受信する)。
また、もうひとつのFETは、Ugs=−2.32Vと設定することにより
f=4*(2n−1) [THz]
となり、基本周波数は4THzとなる(このFETは基本周波数の奇数倍、すなわち、4、12、20・・・THzを受信する)。f=12THzに対して3次高調波で検出できる。このように、二つのFETの基本周波数を異ならせることにより、互いに混信することなく、それぞれの信号を検出できる。ここでは、同じ構造の二つのFETに対して、異なるゲート電圧を印加することにより基本周波数を相異なるようにさせたが、異なる構造(例えば、ゲート長を変えること)により、基本周波数を相異なるようにさせることもできる。
IEEE Transaction of Electron Devices, vol.43, p.380 (1996)
この実施の形態に示した電磁波検出装置は、2つの電磁波放射素子および2つの電磁波検出素子が、それぞれ、同一基板上に構成されていることにより、出射点、出射方向や検出点、検出方向をほぼ同じにすることができる。この結果、同一点を測定することになり、測定精度を向上させることができる。
なお、ここで第1の放射素子201として12THzの波長を有するものを採用したが、それに限らず、図8に示すように水と氷との吸収係数の差が大きい周波数領域すなわち約8THz以上約20THz以下の周波数領域のテラヘルツ波を放射する放射素子を用いても同様の効果が得られる。
(第3の実施形態)
本発明の第3の実施形態に係る電磁波検出装置を図4に示す。
基本構成は第2の実施形態に係る電磁波検出装置と機能および構成が同じであるが、電磁波放射素子201、202は、その素子の駆動回路251とともに、ひとつの基板250に形成されている(ここでは、放射素子201、202はGaN−QCLをGaN基板250上に形成されており、そのGaN基板250上の駆動回路251とともに集積化されている)点が第2の実施形態に係る電磁波検出装置とは異なる点である。同様に電磁波検出素子204、205は、その差分回路253とともに、ひとつの基板252に形成されている(ここでは、検出素子204、205はGaN−FETをGaN基板252上に形成されており、つまり、そのGaN基板252上に検出回路が集積されている)点が第2の実施形態に係る電磁波検出装置とは異なる点である。これにより、放射部分または検出部分を小型化することができる。
(第4の実施形態)
本発明の第4の実施形態に係る電磁波検出装置を図5に示す。基本構成は第1の実施形態に係る電磁波検出装置と機能および構成が同じであるが、テラヘルツ放射素子として、1個のプラズマ波FET270を用いている。この実施形態においては、プラズマ波FET270として、GaN−FETを用いており、ブロードなスペクトルを有する電磁波271を放射可能である。例えば、ゲート電圧を−1.1V、ゲート長を0.15μmとすると、1〜7THzにわたるスペクトルを有する電磁波271が得られる。
この放射したスペクトルを、2つのGaN−FET(検出素子)106、107のバイアス条件およびゲート長を調整することにより、1THzと7THzの信号を取り出している。この場合、エミッタ素子がひとつになることにより小型化が可能である。
(第5の実施形態)
本発明の第5の実施形態に係る電磁波検出装置を図6に示す。基本構成は第1の実施形態に係る電磁波検出装置と機能および構成が同じであるが、今回は氷を含む氷含有物300を解凍する装置である。この場合、解凍とともに水蒸気が氷含有物から発生する。この水蒸気が測定のノイズ源となる。そこで1THzの電磁波110と7THzの電磁波111を用いて、制御回路114は、氷含有物300に氷があるかどうかを調べ、その結果を加熱装置301にフィードバックする。
なお、本実施形態においては、加熱装置の代わりに冷凍装置に対し適用しても同様の効果が得られる。
以上、本発明に係る電磁波検出装置、それを備えた加熱装置および冷凍装置について、第1〜第5の実施形態に基づいて説明したが、本発明は、これらの実施形態に限定されるものではない。本発明の主旨を逸脱しない範囲で、実施形態に対して各種変形を施して得られる形態や、各実施形態における構成要素を任意に組み合わせて実現される形態も、本発明に含まれる。
たとえば、上記第1〜第5の実施の形態において、図面にはレンズなどの光学系を描いていないが、光学系があっても同様な結果が得られる。
また、ここで扱う装置は、冷蔵庫、冷凍庫、電子レンジ、オーブンなどに適用可能であることはいうまでもない。
本発明は、電磁波検出装置、それを備えた加熱装置および冷凍装置として、特に、高精度に氷・水の判断ができ、冷凍機または解凍器の制御を正確に行うことができる加熱装置および冷凍装置として、例えば、冷蔵庫、冷凍庫、電子レンジ、オーブンとして利用でき、産業上の利用価値は高い。
101 被測定物
102 チャンバー
103 冷凍装置
104 1THzの電磁波を放射する素子
105 7THzの電磁波を放射する素子
106 1THzの電磁波を検出する素子
107 7THzの電磁波を検出する素子
110 1THz電磁波
111 7THz電磁波
112 発振制御回路
113 差分回路
114 制御回路
200 基板
201 12THz電磁波を放射する素子
202 7THz電磁波を放射する素子
203 基板
204 12THz電磁波を検出する素子
205 7THz電磁波を検出する素子
250 基板
251 駆動回路
252 基板
253 差分回路
270 広帯域の電磁波を放射する素子(FET)
271 広帯域の電磁波
300 氷含有物
301 加熱装置

Claims (9)

  1. 水分子を含有する対象物へ向けて複数の異なる周波数のテラヘルツ波を放射するテラヘルツ波放射素子と、
    前記対象物から戻る、または、前記対象物を透過する、前記複数の異なる周波数を有するテラヘルツ波を波長ごとに検出するテラヘルツ波検出素子とを備え、
    前記複数の異なる周波数のテラヘルツ波には、当該テラヘルツ波に対する水の吸収係数が氷の吸収係数より大きな値を有する第1のテラヘルツ波と、当該テラヘルツ波に対する水の吸収係数と氷の吸収係数とがほぼ等しい値を有する第2のテラヘルツ波とが含まれることを特徴とする電磁波検出装置。
  2. 前記第1のテラヘルツ波の周波数は、約3THz以下、または、約8THz以上約20THz以下の周波数帯より選ばれる周波数であり、
    前記第2のテラヘルツ波の周波数は、約4THz以上約8THz以下の周波数帯より選ばれる周波数であることを特徴とする請求項1記載の電磁波検出装置。
  3. 前記テラヘルツ波検出素子は、前記第1のテラヘルツ波に対応する第1の信号と、前記第2のテラヘルツ波に対応する第2の信号とを出力し、さらに前記第1の信号と前記第2の信号との差分を出力する差分回路を備えることを特徴とする請求項1記載の電磁波検出装置。
  4. 前記テラヘルツ波検出素子および前記差分回路は、一つの基板上に形成されていることを特徴とする請求項3記載の電磁波検出装置。
  5. 前記テラヘルツ波放射素子を駆動する駆動回路をさらに備え、
    前記テラヘルツ波放射素子と前記駆動回路とは、一つの基板上に形成されていることを特徴とする請求項1記載の電磁波検出装置。
  6. 前記テラヘルツ波放射素子は、レゾナントトンネルダイオード、量子カスケードレーザまたは電界効果トランジスタであることを特徴とする請求項1に記載の電磁波検出装置。
  7. 前記テラヘルツ波放射素子または前記テラヘルツ波検出素子は、III族窒化物半導体で構成されていることを特徴とする請求項1記載の電磁波検出装置。
  8. 電磁波検出装置を備えた加熱装置であって、
    前記電磁波検出装置は、水分子を含有する対象物へ向けて複数の異なる周波数のテラヘルツ波を放射するテラヘルツ波放射素子と、前記対象物から戻る、または、前記対象物を透過する、前記複数の異なる周波数を有するテラヘルツ波を波長ごとに検出するテラヘルツ波検出素子とを備え、
    前記複数の異なる周波数のテラヘルツ波には、当該テラヘルツ波に対する水の吸収係数が氷の吸収係数より大きな値を有する第1のテラヘルツ波と、当該テラヘルツ波に対する水の吸収係数と氷の吸収係数とがほぼ等しい値を有する第2のテラヘルツ波とが含まれることを特徴とする加熱装置。
  9. 電磁波検出装置を備えた冷凍装置であって、
    前記電磁波検出装置は、水分子を含有する対象物へ向けて複数の異なる周波数のテラヘルツ波を放射するテラヘルツ波放射素子と、前記対象物から戻る、または、前記対象物を透過する、前記複数の異なる周波数を有するテラヘルツ波を波長ごとに検出するテラヘルツ波検出素子とを備え、
    前記複数の異なる周波数のテラヘルツ波には、当該テラヘルツ波に対する水の吸収係数が氷の吸収係数より大きな値を有する第1のテラヘルツ波と、当該テラヘルツ波に対する水の吸収係数と氷の吸収係数とがほぼ等しい値を有する第2のテラヘルツ波とが含まれることを特徴とする冷凍装置。
JP2009108529A 2009-04-27 2009-04-27 電磁波検出装置、それを備えた加熱装置および冷凍装置 Pending JP2010256254A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009108529A JP2010256254A (ja) 2009-04-27 2009-04-27 電磁波検出装置、それを備えた加熱装置および冷凍装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009108529A JP2010256254A (ja) 2009-04-27 2009-04-27 電磁波検出装置、それを備えた加熱装置および冷凍装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2010256254A true JP2010256254A (ja) 2010-11-11

Family

ID=43317326

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009108529A Pending JP2010256254A (ja) 2009-04-27 2009-04-27 電磁波検出装置、それを備えた加熱装置および冷凍装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2010256254A (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015534279A (ja) * 2012-10-19 2015-11-26 ザ・ボーイング・カンパニーTheBoeing Company 金属ウィスカーの発生を低減するための方法及び装置
WO2017013961A1 (ja) * 2015-07-17 2017-01-26 シャープ株式会社 加熱装置および加熱方法
JP2017026300A (ja) * 2015-07-17 2017-02-02 シャープ株式会社 加熱装置および加熱方法
CN109490242A (zh) * 2018-12-29 2019-03-19 深圳职业技术学院 微波冻干过程中水分含量的在线监测方法及微波冻干设备
CN109813675A (zh) * 2017-11-20 2019-05-28 现代自动车株式会社 用于车辆防水测试的装置和方法
WO2019149251A1 (zh) * 2018-01-31 2019-08-08 广东美的厨房电器制造有限公司 射频探测装置、探测方法和微波炉

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015534279A (ja) * 2012-10-19 2015-11-26 ザ・ボーイング・カンパニーTheBoeing Company 金属ウィスカーの発生を低減するための方法及び装置
WO2017013961A1 (ja) * 2015-07-17 2017-01-26 シャープ株式会社 加熱装置および加熱方法
JP2017026300A (ja) * 2015-07-17 2017-02-02 シャープ株式会社 加熱装置および加熱方法
CN109813675A (zh) * 2017-11-20 2019-05-28 现代自动车株式会社 用于车辆防水测试的装置和方法
WO2019149251A1 (zh) * 2018-01-31 2019-08-08 广东美的厨房电器制造有限公司 射频探测装置、探测方法和微波炉
US11490470B2 (en) 2018-01-31 2022-11-01 Guangdong Midea Kitchen Appliances Manufacturing Co., Ltd. Radio frequency detection device and detection method, and microwave oven
CN109490242A (zh) * 2018-12-29 2019-03-19 深圳职业技术学院 微波冻干过程中水分含量的在线监测方法及微波冻干设备
CN109490242B (zh) * 2018-12-29 2024-02-27 深圳职业技术学院 微波冻干过程中水分含量的在线监测方法及微波冻干设备

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2010256254A (ja) 電磁波検出装置、それを備えた加熱装置および冷凍装置
Wang et al. Molecular detection for unconcentrated gas with ppm sensitivity using 220-to-320-GHz dual-frequency-comb spectrometer in CMOS
Mizuno et al. New applications of millimeter-wave incoherent imaging
Schmalz et al. 245-GHz transmitter array in SiGe BiCMOS for gas spectroscopy
JP2011182690A (ja) 冷蔵庫
EP3101420A1 (en) Sensor for monitoring freezing status of products
CN106415240A (zh) 借助红外吸收光谱法确定样品气流中至少一种气体的浓度的装置和方法
WO2006004116A1 (ja) 水分含有物の冷凍解凍装置と方法
JP2002333250A (ja) 核磁気共鳴を利用した急速凍結庫
JP2006156100A (ja) 大気圧大面積プラズマ発生装置
US20220103264A1 (en) Electronic Frequency-Comb Detector
CN112955704B (zh) 冷藏库
Saurabh et al. Design and performance analysis of bow-tie photoconductive antenna for THz application
Reynaert et al. Rf cmos
Liu et al. 420 GHz subharmonic mixer based on heterogeneous integrated Schottky diode
Shur Ballistic transport and terahertz electronics
Viegas et al. Millimeter wave radiometers for applications in imaging and nondestructive testing
Lee et al. A design of motion detecting sensor using microwave
CN113131953B (zh) 太赫兹安检设备及其射频系统、温控装置
Zdanevičius et al. TeraFET detector for measuring power fluctuations of 4.75-THz QCL-generated radiation
JP2008028159A (ja) 電子機器及び高周波発振装置
Shur Silicon and silicon germanium terahertz electronics
Ogawa et al. Monitoring of water/ice state using millimeter waves for the agricultural field
Thomas et al. Terahertz cooled sub-harmonic Schottky mixers for planetary atmospheres
WO2021070619A1 (ja) 冷蔵庫