JP2017025807A - 渦流抑制装置、ポンプシステムおよびポンプ設備 - Google Patents

渦流抑制装置、ポンプシステムおよびポンプ設備 Download PDF

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Abstract

【課題】立軸ポンプまたは横軸ポンプにおいて、様々な条件下において渦流を抑制する。
【解決手段】立軸ポンプまたは横軸ポンプの周囲において渦流の発生を抑制するための渦流抑制装置は、立軸ポンプまたは横軸ポンプが設置される吸込水槽の底面に配置される第1の渦流抑制部と、立軸ポンプまたは横軸ポンプの吸込口の周囲に配置される第2の渦流抑制部と、吸込水槽の水面よりも上方から垂下する第3の渦流抑制部と、のうちの少なくとも2つを備えている。
【選択図】図1

Description

本発明は、立軸ポンプまたは横軸ポンプの周囲において渦流の発生を抑制する技術に関する。
排水機場などで設置される立軸ポンプまたは横軸ポンプでは、吸込水槽の壁面側から吸込ベルマウスの吸込口に向かう水中渦や、水面から吸込ベルマウスの吸込口に向かう空気吸込渦が発生し、ポンプの性能を低下させたり、振動の要因となったりすることが知られている。このような渦流を防止するために、各種の渦流防止技術が開発されている(例えば、下記の特許文献1,2)。
特開2003−120579号公報 実開昭63−60099号公報
しかしながら、上述の技術は、ポンプの稼働状況および周辺環境についての一定条件下(定常状態)では、渦流の発生を抑制することができるものの、様々な状況で渦流抑制効果を発揮できるものではない。例えば、ポンプの起動時等における流量の変化や、豪雨による水位の急激な上昇が生じると、渦流抑制効果が発揮されない場合がある。このようなことから、ポンプの稼働状況および周辺環境が変化する条件下でも渦流の発生を好適に抑制できることが望ましい。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、例えば、以下の形態として実現することが可能である。
本発明の第1の形態によれば、立軸ポンプまたは横軸ポンプの周囲において渦流の発生を抑制するための渦流抑制装置が提供される。この渦流防止装置は、立軸ポンプまたは横軸ポンプが設置される吸込水槽の底面に配置される第1の渦流抑制部と、立軸ポンプまたは横軸ポンプの吸込口の周囲に配置される第2の渦流抑制部と、吸込水槽の水面よりも上方から垂下する第3の渦流抑制部と、のうちの少なくとも2つを備えている。
かかる渦流抑制装置によれば、複数の種類の渦流抑制部を設けることによって、渦流抑制装置がその渦流抑制効果を発揮できる条件が広くなる。すなわち、第1ないし第3の渦流抑制部のうちの1つの渦流抑制部が渦流抑制効果を発揮できなくても、他の渦流抑制部が渦流抑制効果を発揮することができる。したがって、様々な条件下において渦流を好適に抑制することができる。
本発明の第2の形態によれば、ポンプシステムが提供される。このポンプシステムは、第1形態の渦流抑制装置と、立軸ポンプまたは横軸ポンプと、を備える。かかるポンプシステムによれば、第1の形態と同様の効果を奏する。
本発明の第3の形態によれば、ポンプ設備が提供される。このポンプ設備は、第2の形態のポンプシステムと、吸込水槽と、を備える。かかるポンプ設備によれば、第2の形態
と同様の効果を奏する。
本発明の一実施例としてのポンプ設備の概略構成を示す図である。 第1の渦流抑制部の概略構成を示す平面図である。 第2の渦流抑制部の概略構成を示す平面図である。 第2の渦流抑制部の他の形態を示す斜視図である。 第2の渦流抑制部の他の形態を示す斜視図である。 第2の渦流抑制部の他の形態を示す部分断面図である。 第2の渦流抑制部の他の形態を示す部分断面図である。 第1の渦流抑制部の他の形態を示す正面図である。 第1の渦流抑制部の他の形態を示す平面図である。 第1の渦流抑制部の他の形態を示す部分断面図である。 第1の渦流抑制部の他の形態を示す平面図である。 第1の渦流抑制部の他の形態を示す正面図である。 第1の渦流抑制部の他の形態を示す平面図である。 第1の渦流抑制部の他の形態を示す正面図である。 第1の渦流抑制部の他の形態を示す平面図である。 第3の渦流抑制部の他の形態を示す正面図である。 第3の渦流抑制部の概略構成を示す平面図である。
A.第1実施例:
図1は、本発明の一実施例としてのポンプ設備20の概略構成を示している。ポンプ設備20は、ポンプシステム25と吸込水槽90とを備えている。ポンプシステム25は、立軸ポンプ30と原動機39と渦流抑制装置40とを備えている。立軸ポンプ30は、吊下管31と、ポンプボウル32と、吸込ベルマウス(吸込口)33と、シャフト34と、外軸受35と、水中軸受36と、インペラ37とを備えている。鉛直方向に延在するシャフト34は、外軸受35と水中軸受36とによって支承されている。このシャフト34の下端には、ポンプボウル32の内部においてインペラ37が設けられている。シャフト34の上端には、原動機台39aに据え付けられた原動機39が連結されている。
ポンプ据付床91には、ポンプ据付床91を貫通するポンプ据付孔92が形成されており、その下方には、吸込水槽90が配置されている。立軸ポンプ30は、吊下管31がポンプ据付孔92から吸込水槽90内に吊り下げられるように、ポンプ据付床91上に据え付けられている。かかるポンプ設備20では、原動機39によって提供される駆動力によってシャフト34が回転すると、同時にインペラ37も回転し、吸込ベルマウス33から上方に水が汲み上げられる。図1において、矢印は、水流の方向を示している。
渦流抑制装置40は、第1の渦流抑制部50と第2の渦流抑制部60とを備えている。第1の渦流抑制部50は、渦流防止板51を備えている。渦流防止板51は、略L字形状を有している。この渦流防止板51は、吸込水槽90の底面94に配置される。より具体的には、渦流防止板51は、略L字形状の立ち上がり部分が吸込水槽90の後壁(水流の下流側の壁面)93に接触するように底面94に設置されている。渦流防止板51は、水路の幅方向において水路を二分するように立軸ポンプ30に向かって延在している。渦流防止板51には、吸込水槽90の後壁93に近接する部分に開口52が形成されている。
図2は、第1の渦流抑制部50の概略構成を示す平面図である。吸込水槽90に流入した水がその幅方向に、図2に矢印で示すような速度分布で立軸ポンプ30に近寄ってきた場合、その流れの一部は、立軸ポンプ30と後壁93との間に回り込み、開口52を通っ
て流れる。流れの残りの部分は、渦流防止板51に堰き止められる。このため、立軸ポンプ30と後壁93との間の速度分布は、速度分布58のようになる。したがって、後壁93から吸込ベルマウス33に向かう水中渦59は、その連続性が速度分布58のアンバランスによって妨げられて弱められる。
このように、吸込水槽90において、吸込水槽90の後壁93に配置されて立軸ポンプ30に向かって延在する渦流防止板51に開口52が形成されていることによって、水中渦を好適に抑制できる。なお、渦流防止板51に加えて、水流の幅方向に延在し、吸込ベルマウス33の直下において渦流防止板51と交差するように、他の渦流防止板が設けられてもよい。
第2の渦流抑制部60は、副流路形成体61を備えている。副流路形成体61は、中空円板状を有している。副流路形成体61は、吸込ベルマウス33の周囲に配置されている。より具体的には、副流路形成体61は、吸込ベルマウス33の外周面に周方向に沿って所定ピッチで配置されたリブ62を介して、当該外周面に取り付けられている。副流路形成体61は、略水平に配置されている。
副流路形成体61は、吸込ベルマウス33の吸込口の上方を覆う位置、すなわち、副流路形成体61の内側の中空部61a内に吸込ベルマウス33の胴部が位置し(図3参照)、吸込口がなす平面と副流路形成体61の下面との間に隙間が生じる位置に、流路の最低水位以下に位置するように配置されている。これによって、吸込ベルマウス33と副流路形成体61との間に副流路63が形成される。副流路形成体61は、副流路形成体61の周方向の外延よりも径方向に外側に突出した部分だけであってもよい。リブ62は、空気吸込渦の原因となる水面付近から吸込ベルマウス33へ向かう流れを周方向に分散する効果を有している。
かかる第2の渦流抑制部60によれば、水面側から吸込ベルマウス33へ向かう流れが、副流路63を通らない主流F1と、副流路63を通る副流F2と、に分流される。これによって、局部的な下向きの強い流れが生じないことから、空気吸込渦の発生が抑制される。このように、吸込ベルマウス33の外周に、吸込ベルマウス33の外周面との間に隙間を空けて副流路63を形成する副流路形成体61を略同心状に配置することによって、渦流を好適に抑制できる。
副流路形成体61の形状は、上述の例に限らず、任意の形状を有していてもよい。副流路形成体61は、例えば、上面視で、矩形状、多角形状、または、楕円形状を有していても良い。あるいは、副流路形成体61は、中空部を有し、上流側が円形で下流側が矩形の形状を有していてもよい。また、副流路形成体61は、放射状のスリットが形成されることによって、複数の分割片に分割されていてもよい。この場合、分割片は、空気吸込渦が発生しやすいポンプ下流側等の任意の位置のみに設けられてもよい。
上述したポンプ設備20の渦流抑制装置40は、種類の異なる第1の渦流抑制部50と第2の渦流抑制部60とを備えているので、渦流抑制装置40がその渦流抑制効果を発揮できる条件が広くなる。すなわち、第1の渦流抑制部50および第2の渦流抑制部60のうちの一方が渦流抑制効果を発揮できなくても、他方が渦流抑制効果を発揮することができる。したがって、様々な条件下において渦流を好適に抑制することができる。
B.第2実施例:
上述した第2の渦流抑制部60に代えて、吸込ベルマウス33の周囲に配置される種々の構成を採用することができる。以下の説明において、第1実施例で説明した構成要素と同一の構成要素には、図1に示した構成要素に付した符号と同一の符号を付して、その説
明を省略する。図4は、代替形態としての第2の渦流抑制部160の概略構成を示す斜視図である。第2の渦流抑制部160は、円錐状コーン161と板状部材162とを備えている。円錐状コーン161は、その円錐底面が吸込み側前方軸方向に突設するように配置される。この板状部材162は、吸込ベルマウス33と円錐状コーン161との間に流れに沿って均等に配置され、円錐状コーン161を保持する。板状部材162は、円錐状コーン161の頂部においてクロス状(十字状)になるように円錐状コーン161の円錐頂部よりも突設するように形成される。かかる形状によれば、円錐状コーン161の頂部において渦が発生することを抑制できる。
図5は、他の代替形態としての第2の渦流抑制部260の概略構成を示す斜視図である。第2の渦流抑制部260は、上述した円錐状コーン161および板状部材162に加えて、円環163を備えている。円環163は、リング状に形成された円柱状棒材を複数備えている。この円環163は、吸込ベルマウス33と円錐状コーン161との間に形成される流路において、吸込ベルマウス33の円錐状コーン161側の端部と、円錐状コーン161の吸込ベルマウス33と反対側の端部と、の間に配置されている。かかる構成によれば、板状部材162によって、後壁93から吸込ベルマウス33に向かう水中渦の流れを分散させることができ、その結果、大きな渦の発生を抑制することができる。円環163に代えて、吸込ベルマウス33の円錐状コーン161側の外縁と、円錐状コーン161の吸込ベルマウス33と反対側の外縁とを結ぶ棒状部材が、周方向に沿って複数向けられていてもよい。
円錐状コーン161の円錐形状の側面には、複数の貫通穴が形成されていてもよい。この場合、吸込ベルマウス33と円錐状コーン161との間に形成される流路では、貫通穴が無い場合に比べて流量が減少し流速が低下する。このため、円錐状コーン161を取付けることによって流速が大きくなるような場合には、当該貫通穴によって流速を低減し、流速が速くなることに伴う水中渦の発生を抑制することができる。
図6は、他の代替形態としての第2の渦流抑制部360の概略構成を示す部分断面図である。第2の渦流抑制部360は、円筒状カバー361を備えている。円筒状カバー361は、吸込ベルマウス33およびポンプボウル32の外周部を包囲している。円筒状カバー361の外周面によって形成される接水面362は、凹凸部を有しておらず、シャフト34の軸線ALの方向に沿って滑らかな形状に形成されている。
また、円筒状カバー361の下端部分361Aは、円筒状カバー361の内側に向けて丸味を有するように屈曲されており、その屈曲部分の遊端を吸込ベルマウス33の先端部にインロー連結することにより、円筒状カバー361の遊端開口と吸込ベルマウス33の先端開口部とが、滑らかな曲面で接続されている。なお、円筒状カバー361の遊端開口と吸込ベルマウス33の先端開口部との接続構成としては、図2に仮想線で示すように、円筒状カバー361の下端部分361Aを吸込ベルマウス33の先端内面の一部に密着重合させた構成であってもよい。
このように、吸込ベルマウス33およびポンプボウル32を、シャフト34の軸線ALの方向に沿って滑らかな形状の接水面362を有する円筒状カバー361で包囲することによって、立軸ポンプ30の運転に伴い、吸込水槽90内の水は、円筒状カバー361の滑らかな接水面362に沿って全体的にスムーズに流れて吸込ベルマウス33の内側に流入される。それによって、凸部エッジでの流れの屈曲に伴う小さな渦の発生や、それらの小さな渦の集積による大きな水中渦流の発生を抑制することができる。また、吸込ベルマウス33の付近の流れは、円筒状カバー361の丸味を有する下端部分361Aに案内されるので、急激に屈曲されることない。このため、下端部分361Aの全周において、ほぼ均等な速度分布の流れに変えられて、吸込ベルマウス33の内側に流入することになる
。その結果、空気の巻込みを抑制することが可能である。
図7は、他の代替形態としての第2の渦流抑制部460の概略構成を示す部分断面図である。吸込ベルマウス33の内周面のインペラ37の下側には、複数の整流羽根438が等間隔に固定されている。この整流羽根438は、吸込ベルマウス33に吸い込まれる流体に逆予旋回を発生させるように湾曲面形状に形成されている。逆予旋回とは、吸込ベルマウス33に吸い込まれた流体に対して、インペラ37に到達する前に予めインペラ37の回転方向とは反対方向に旋回する旋回流を与えておくことをいう。整流羽根438によって、ポンプを容量アップすることができる。一方、整流羽根438によって逆予旋回または予旋回を発生させると、水の旋回によって水中渦が発生し易くなる。
第2の渦流抑制部460は、センターコーン461を備えている。センターコーン461は、吸込ベルマウス33の内部中央に配置されている。このセンターコーン461は、略円柱形状を有しており、鉛直方向に延在している。第2の渦流抑制部460は、整流羽根438によって発生する水中渦を抑制することができる。
C.第3実施例:
上述した第1の渦流抑制部50に代えて、吸込水槽90の底面94に配置される種々の構成を採用することができる。以下の説明において、第1実施例で説明した構成要素と同一の構成要素には、図1に示した構成要素に付した符号と同一の符号を付して、その説明を省略する。図8は、代替形態としての第1の渦流抑制部150の概略構成を示す正面図である。図9は、第1の渦流抑制部150の概略構成を示す平面図である。図9に示すように、第1の渦流抑制部150は、第1の対の渦流抑制板151a,151bと、第2の対の渦流抑制板152a,152bと、を備えている。図8に示すように、渦流抑制板151aは、略L字状に形成されている。渦流抑制板151aの略L字形状の立ち上がり部分は、吸込水槽90の後壁93に接触するように配置され、略L字形状の水平方向の部分は、立ち上がり部分から吸込ベルマウス33が設置される領域に向けて延在している。図9に示すように、渦流抑制板151bは、渦流抑制板151aと一直線に並ぶように、渦流抑制板151aと離間して設置されている。吸込ベルマウス33の軸線ALは、これらの第1の対の渦流抑制板151a,151bの間に位置している。第2の対の渦流抑制板152a,152bは、第1の対の渦流抑制板151a,151bと直交する方向に一直線に並ぶように互いに離間して設置されている。また、第2の対の渦流抑制板152a,152bは、吸込水槽90の側壁から離間して設置されている。吸込ベルマウス33の軸線ALは、これらの第2の対の渦流抑制板152a,152bの間に位置している。
図8および図9に示すように、渦流抑制板151aと渦流抑制板151bとの間、および、渦流抑制板152aと渦流抑制板152bとの間には、渦流抑制板が設置されていない。換言すれば、これらの領域は、渦流抑制板が完全に(つまり、底面94まで)切り欠かれた領域となっている。このため、この領域を切欠部153とも呼ぶ。この切欠部153は、吸込ベルマウス33の内径をDSとし、吸込ベルマウス33の入口径をDBとしたときに(図8参照)、吸込ベルマウス33の軸線ALを通る位置からDS/2≦R≦DB/2を満足する半径R以内の範囲に配置されている。
かかる第1の渦流抑制部150によれば、水中渦の発生を好適に抑制することができる。具体的には、立軸ポンプ30の流量が大きい場合には、吸込ベルマウス33の周囲から吸込ベルマウス33に流入する流体が吸込水槽90の形状などの影響で偏ると、吸込水槽90の壁面側から吸込ベルマウス33の吸込口に向かう水中渦(例えば、図2に示した水中渦59)が発生する。第1の渦流抑制部150によれば、このような水中渦の発生を抑制することができる。また、第1の渦流抑制部150によれば、低流量域で発生する下方に向かう旋回流を好適に発生させることができる。具体的には、低流量域では、インペラ
37の入口からの逆流によって、吸込ベルマウス33と吸込水槽90の底面94との間に下方に向かう旋回流が発生する。このような旋回流の発生は、軸動力の低減をもたらす。第1の渦流抑制部150によれば、切欠部153が形成されていることによって、当該旋回流の発生が抑制されない。換言すれば、渦流抑制板が吸込ベルマウス33の直下を横切るように、離間することなく配置されている場合に生じる旋回流の発生抑制効果を生じないようにすることができる。したがって、低流量域での軸動力の増大(ひいては、原動機39の出力の増大)を抑制することができる。
切欠部153は、渦流抑制板の上面側のみが切り欠かれた形状を有していてもよい。つまり、渦流抑制板151aと渦流抑制板151bとが連続した1つの渦流抑制板を形成し、切欠部153は、渦流抑制板151a,151bの他の部分よりも高さが低い領域として形成されていてもよい。同様に、渦流抑制板152aと渦流抑制板152bとが連続した1つの渦流抑制板を形成し、切欠部153は、渦流抑制板152a,152bの他の部分よりも高さが低い領域として形成されていてもよい。また、上述した構成に代えて、第1の対の渦流抑制板151a,151bと、第2の対の渦流抑制板152a,152bと、のうちの一方の対のみが設けられていてもよい。
図10は、代替形態としての第1の渦流抑制部250の概略構成を示す部分断面図である。図11は、第1の渦流抑制部250の概略構成を示す平面図である。図11に示すように、この例では、吸込水槽90は、うず巻き型を有している。具体的には、吸込水槽90は、略環状流路95を形成する略円筒型水槽部96と、上流側から下方側に向かって流路面積が小さくなるとともに略円筒型水槽部96において略環状流路95に沿った旋回流98を生じるように略円筒型水槽部96の上流側に接続された整流絞り水路部97と、を備えている。
第1の渦流抑制部250は、略円錐構造物251を備えている。円錐構造物251は、円筒型水槽部96の略中央において吸込ベルマウス33の直下に配置されており、底面94上に設けられている。円錐構造物251の底面94側には、円錐構造物251の外周面から中心まで径方向に延在する流入孔252が形成されている。流入孔252は、周方向に複数箇所(ここでは4つ)形成されており、これらの流入孔252は、円錐構造物251の中心において連通している。また、円錐構造物251には、その頂部から鉛直方向下方に向けて延在する排出孔253が形成されている。排出孔253は、流入孔252同士の連通箇所において、流入孔252と連通している。
このように、吸込ベルマウス33の下方に円錐構造物251を設置することによって、上流側から立軸ポンプ30の両脇を通過し、後壁93の手前で立軸ポンプ30側に回り込む渦流の発生を抑制できる。また、円錐構造物251に、その下部から頂部へ連通する連通構成が形成されていることによって、円錐構造物251の頂部から吸込ベルマウス33に向かう頂部水中渦を抑制することができる。具体的には、円錐構造物251の周囲の環状流路95に沿って強い旋回流98が生じて頂部水中渦が発生した場合、その頂部水中渦の中心における水圧は非常に低くなっているので、頂部水中渦の中心に位置している円錐構造物251の頂部と、頂部水中渦の外側にある、吸込水槽90の底面94に近い円錐構造物251の下方部と、の間には大きな圧力差が生じている。円錐構造物251によれば、流入孔252と排出孔253とを介して円錐構造物251の下方部から頂部へ向かう水の流れが生じ、底面94付近の水が頂部水中渦の中心に流れ込む。その結果、頂部水中渦の中心の空洞が、流れ込んだ水で満たされることになるので、頂部水中渦の発生が防止される。流入孔252および排出孔253は、上述の形状に限らず、円錐構造物251の下方部と頂部とを連通させる任意の形状を有していてもよい。
図12は、代替形態としての第1の渦流抑制部350の概略構成を示す正面図である。
図13は、第1の渦流抑制部350の概略構成を示す平面図である。この例では、吸込ベルマウス333は、水平方向に開口するとともに水平方向に延在するように配置されている。この吸込ベルマウス333は、後壁93の内部で上方に向けて屈曲している。スペースの制約に応じて、このような配置も可能である。
第1の渦流抑制部350は、渦流抑制板351を備えている。渦流抑制板351は、底面94上に配置されている。この渦流抑制板351は、吸込ベルマウス333の直径よりも小さい厚みを有している。また、渦流抑制板351の直下を吸込ベルマウス333が延在する方向に延在している。渦流抑制板351の前端351aは、渦流が発生し得る範囲を渦流抑制板351がカバーできる位置に位置している。渦流抑制板351の後端351bは、吸込ベルマウス333の直下において後端351bが吸込ベルマウス333よりも後方(後壁93側)となるように位置している。かかる構成によれば、底面94から吸込ベルマウス333に向かう渦流が渦流抑制板351によって切断されるので、渦流の発生および成長が抑制される。
図14は、代替形態としての第1の渦流抑制部450の概略構成を示す正面図である。図15は、第1の渦流抑制部450の概略構成を示す平面図である。第1の渦流抑制部450は、仕切壁451と渦流抑制板452とを備えている。仕切壁451は、底面94から吸込水槽90の水位よりも高くなる位置まで上方に延在している。仕切壁451は、直線部453と屈曲部454とを備えている。直線部453は、吸込ベルマウス33の上流側に吸込水槽90の側壁(すなわち、水流の方向)と略平行に配置されており、吸込水槽90の流路をその幅方向に略2等分している。屈曲部454は、直線部453の下流側の端部から、直線部453と交差する方向に後壁93側に向けて延在している。これによって、仕切壁451の両側の流速は、互いに異なることになる。仕切壁451は、仕切壁451の両側の流速についての平均流速比が6:4より大きく8:2より小さくなるように構成される。
渦流抑制板452は、略L字形状を有している。この渦流抑制板452は、吸込水槽90の底面94に配置される。より具体的には、渦流抑制板452は、略L字形状の立ち上がり部分が後壁93に接触するように底面94に設置されている。また、渦流抑制板452は、後壁93から吸込ベルマウス33よりも上流側まで、吸込ベルマウス33の直下を横切るように延在している。渦流抑制板452によれば、底面94から吸込ベルマウス33に向かう水中渦や、空気吸い込み渦の発生を抑制することができる。
また、上述のように、吸込ベルマウス33の上流側水路を幅方向に2等分したときの平均流速比を、6:4より大きく8:2より小さくなるように偏らせる偏流手段を設けることによって、吸込ベルマウス33の下流側の水路幅方向の両側面の水面付近に剥離渦が生じることを抑制できる。具体的には、両側面に生じた剥離渦同士の干渉が高まることによって、剥離渦の発達が抑制される。
仕切壁451に代えて、立軸ポンプ30よりも上流側に、幅方向に並ぶ2枚の抵抗板が、吸込水槽90の幅方向の全体を仕切るように設置されてもよい。これらの抵抗板の各々には、多数の開口部が均等な配置で形成されている。一方の抵抗板の開口部は、他方の抵抗板の開口部よりも大きく形成されている。この開口部の大きさの違いにより、立軸ポンプ30に流入する流れについて、仕切壁451と類似の流速分布が得られる。
D.第4実施例:
図16は、第3の渦流抑制部70の概略構成を示す正面図である。図17は、第3の渦流抑制部70の概略構成を示す平面図である。第3の渦流抑制部70は、吸込水槽90の底面に配置される上述の第1の渦流抑制部(50,150,250,350,450)と
、吸込ベルマウス33の周囲に配置される第2の渦流抑制部(60,160,260,360,460)と、に加えて、または、これらのうちのいずれか一方に代えて設置される。第3の渦流抑制部70は、立軸ポンプ30よりも上流に配置されている。また、第3の渦流抑制部70は、板状体71を備えている。板状体71は、吸込水槽90の水面よりも上方から垂下するように設置される。本実施例では、第3の渦流抑制部70は、ポンプ据付床91(図1参照)に支持される。
この板状体71には、その厚み方向(すなわち、水路の流れ方向)に貫通する複数の貫通孔72が形成されている。貫通孔72は、図17に示すように、水路の幅方向に複数配列されている。また、図16に示すように、貫通孔72は、鉛直方向にも複数配列されている。
かかる構成によれば、第3の渦流抑制部70によって、吸込ベルマウス33の後方の水面付近の流速を減速させることができる。その結果、吸込ベルマウス33の後方に発生する剥離渦による旋回流が抑制され、渦流の発生が抑制される。また、板状体71に形成された貫通孔72によって板状体71の上流部から下流部に適宜水が通過するので、板状体71の近傍の上流側の水面付近での流れの淀み域の発生が抑制される。このため、特に上流に偏流が生じている場合でも、板状体71の近傍の上流側から吸込ベルマウス33に向かう空気吸い込み渦の発生が防止される。
貫通孔72の大きさは、領域によって異なっていてもよい。例えば、図7に矢印で示すように、第3の渦流抑制部70の上流側での流速について、水路の幅方向において偏りが生じる場合には(図7では、矢印の長さが流速の大きさを表している)、その流速の違いを緩和するように、貫通孔72の大きさが設定されてもよい。すなわち、流速が大きい領域ほど、貫通孔72の大きさが小さくてもよい。かかる構成によれば、水路の幅方向の偏流に起因する渦流の発生をいっそう抑制できる。
以上、本発明の実施形態について説明してきたが、上記した発明の実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定するものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得るとともに、本発明にはその等価物が含まれることはもちろんである。また、上述した課題の少なくとも一部を解決できる範囲、または、効果の少なくとも一部を奏する範囲において、特許請求の範囲および明細書に記載された各構成要素の組み合わせ、または、省略が可能である。例えば、上述した種々の渦流抑制部の構成は、例示に過ぎない。吸込水槽90の底面94に配置される第1の渦流抑制部(第1の渦流抑制部50,250,350,450を例示した)と、吸込ベルマウス33の周囲に配置される第2の渦流抑制部(第2の渦流抑制部60,160,260,360,460を例示した)と、吸込水槽90の水面よりも上方から垂下する第3の渦流抑制部(第3の渦流抑制部70を例示した)と、のうちの少なくとも2つが、適宜、組み合わせられてもよい。これらの組み合わせは、吸込水槽90の形状、立軸ポンプ30の配置、立軸ポンプ30の流量などに応じて、適宜、選択されてもよい。また、第2の渦流抑制部を、第1の渦流抑制部および/または第3の渦流抑制部と組み合わせることによって、第2の渦流抑制部に、より簡略化された構成を採用することも可能である。こうすれば、第2の渦流抑制部を軽量化して、立軸ポンプ30の振動を低減することができる。また、上述した実施形態は、立軸ポンプ30に限らず、横軸ポンプにも適用可能である。
20…ポンプ設備
25…ポンプシステム
30…立軸ポンプ
31…吊下管
32…ポンプボウル
33,333…吸込ベルマウス
34…シャフト
35…外軸受
36…水中軸受
37…インペラ
39…原動機
39a…原動機台
40…渦流抑制装置
50,150,250,350,450…第1の渦流抑制部
60,160,260,360,460…第2の渦流抑制部
70…第3の渦流抑制部
90…吸込水槽
91…ポンプ据付床
92…ポンプ据付孔
93…後壁
94…底面
AL…軸線

Claims (3)

  1. 立軸ポンプまたは横軸ポンプの周囲において渦流の発生を抑制するための渦流抑制装置であって、
    前記立軸ポンプまたは前記横軸ポンプが設置される吸込水槽の底面に配置される第1の渦流抑制部と、
    前記立軸ポンプまたは前記横軸ポンプの吸込口の周囲に配置される第2の渦流抑制部と、
    前記吸込水槽の水面よりも上方から垂下する第3の渦流抑制部と
    のうちの少なくとも2つを備えた渦流抑制装置。
  2. ポンプシステムであって、
    請求項1に記載の渦流抑制装置と、
    前記立軸ポンプまたは前記横軸ポンプと
    を備えるポンプシステム。
  3. ポンプ設備であって、
    請求項2に記載のポンプシステムと、
    前記吸込水槽と
    を備えるポンプ設備。
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JP2020180594A (ja) * 2019-04-26 2020-11-05 株式会社電業社機械製作所 ポンプ

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