JP2017025398A - 超大入熱溶接熱影響部靭性に優れた建築構造物用高強度厚鋼板 - Google Patents

超大入熱溶接熱影響部靭性に優れた建築構造物用高強度厚鋼板 Download PDF

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Abstract

【課題】超大入熱溶接熱影響部靭性に優れた建築構造物用高強度厚鋼板の提供。
【解決手段】質量%で、C:0.05%以下、Si:0.3%以下、Mn:3.6〜7.0%、P:0.02%以下、S:0.003%以下、Al:0.001〜0.06%、Ti:0.005〜0.03%、Cr:5〜12%、N:0.0055%以下、O:0.003%以下を含み、残部Feおよび不可避的不純物からなる組成と、マルテンサイト相とベイナイト相を主相とする組織とを有する厚鋼板。Ni、Nbのうちの1種または2種、さらにMoを含有してもよい厚鋼板。引張強さ:950MPa以上の高強度と、溶接入熱:500kJ/cmを超える超大入熱溶接を施した場合においても、優れた溶接熱影響部靭性を兼備することができ、安全性の高い建築構造物等の溶接鋼構造物を高能率で施工ができる建築構造物用高強度厚鋼板。
【選択図】なし

Description

本発明は、建築構造物等の溶接鋼構造物用として好適な、とくに引張強さTSが950MPa以上の高強度を有する高強度厚鋼板に係り、とくに、エレクトロスラグ溶接のような入熱500kJ/cmを超える超大入熱溶接を施した場合に、溶接熱影響部(以下、HAZともいう)靭性に優れる高強度厚鋼板に関する。なお、ここでいう「厚鋼板」とは、板厚:10mm以上である鋼板をいうものとする。
建築等の分野で使用される鋼構造物は、一般に、溶接接合で施工されて、所望の形状の構造物とされている。とくに建築構造物では、阪神淡路大震災を契機として、建築構造物の耐震性の一層の向上が強く要求され、安全性の観点から、使用される鋼材の母材特性はもちろん、溶接部特性にも優れることが要求されている。
また一方では、建築構造物の大型化に伴い、溶接施工の能率向上と施工コストの低減という観点から、大入熱溶接の適用範囲が拡大され、例えば、建築構造物の4面ボックス柱の角溶接では、2電極サブマージアーク溶接のような、溶接入熱400kJ/cmを超えるような大入熱溶接が適用されるようになっている。また、最近では、更なる溶接施工の高能率化のため、例えば、建築構造物のボックス柱の組立て溶接では、エレクトロスラグ溶接のような、入熱:500kJ/cmを超える大入熱溶接が施されることもある。
一般に、溶接入熱量が大きくなると、HAZ組織が粗大化し、HAZ靭性が低下する。このため、HAZ靭性を改善する種々の方法が、提案されている。
例えば、特許文献1には、溶接熱影響部の靭性に優れた高強度鋼材が提案されている。特許文献1に記載された高強度鋼材は、mass%で、C:0.010〜0.080%、Si:0.02〜1.00%、Mn:1.10〜2.90%、Al:0.20%以下、Ni:0.40〜2.40%、Cr:0.50〜1.95%、Mo:0.16〜1.10%、Ti:0.002〜0.030%、N:0.0058〜0.0120%を含み、あるいはさらに、Cu:1.60%以下、および/または、B:0.0050%以下、Nb:0.100%以下、V:0.060%以下のいずれか1種以上を含み、かつTi/Nが1.0以上4.0未満を満足し、(Mn+Ni+2Cu)が3.60以上、(2.5Mo+30Nb+10V)が2.80以下、を満足し、組織が主としてベイニティックフェライトからなり、溶接熱影響部靭性に優れるとしている。特許文献1に記載された技術では、Cを低減し、MnおよびNi、あるいはさらにCuを積極的に含有し、これによって、ベイニティックフェライトを主体とする組織を生成して、さらに、Ti、N量を適正化して、微細分散することができるTiNを高温まで安定化し、HAZでの旧オーステナイト結晶粒の粗大化を防止して、入熱:800kJ/cmの大入熱溶接の溶接熱影響部における高靭性を確保できるとしている。
また、特許文献2には、大入熱HAZ靭性および小入熱HAZの耐硬化特性に優れた高強度厚鋼板が記載されている。特許文献2に記載された技術は、質量%で、C:0.03〜0.075%、Si:0.01〜0.40%、Mn:0.1〜1.3%、Al:0.01〜0.05%、Cr:2.0〜5.0%、Ti:0.005〜0.03%、N:0.002〜0.007%を含有し、実質的にBを含まない、引張強さ:780MPa以上の高強度厚鋼板である。特許文献2に記載された技術によれば、大入熱HAZの靭性に優れ、かつ小入熱HAZの耐硬化特性にも優れた高強度厚鋼板が得られる。これは、実質的にBを含有せず、Cr:2.0%以上含有することにより、島状マルテンサイトのC濃度が低下し、ベイナイトラスが湾曲し、島状マルテンサイトの形状が針状から粒状に変化し、島状マルテンサイトの靭性に対する有害性が顕著に低下したことによるとしている。
また、特許文献3には、大入熱HAZの靭性に優れた低降伏比高張力鋼材が記載されている。特許文献3に記載された鋼材は、質量%で、C:0.025〜0.050%、Si:0.01〜0.40%、Mn:1.20〜2.50%、Cr:1.50〜3.50%、Mo:0.10〜0.50%、Al:0.010〜0.050%、Ti:0.005〜0.050%、N:0.0015〜0.0060%を含有し、Bを0.0003%以下に制限し、(Mn+0.4Cr):2.50〜3.00%である、引張強さ:590MPa以上を有する低降伏比高張力鋼材である。特許文献3に記載された技術によれば、500kJ/cmを超える大入熱溶接を施しても優れたHAZ靭性を確保できるとしている。これは、Mn等のγ生成元素と、Cr等のα生成元素とを同時に添加し、しかもγ生成元素量に対してα生成元素量を適正に調整すると、HAZのベイナイトラス間での島状マルテンサイトの生成が少なくなり、HAZ靭性が向上するためとしている。
また、特許文献4には、HAZの靭性に優れた鋼板が記載されている。特許文献4に記載された鋼板は、質量%で、C:0.025〜0.050%、Si:0.6%以下、Mn:0.9〜2.3%、Cr:1.0〜4.9%、Al:0.05%以下、Ti:0.005〜0.050%、Nb:0.01〜0.07%、Ni:2.0%以下、Mo:0.03%以上0.10%未満を含み、(Mn+0.7Ni+14Nb+Cr+4Si+2Mo):2.5〜7.0、(Mn+0.7Ni+14Nb):1.0以上、(Cr+4Si+2Mo):2.9以上、をそれぞれ満足するように含有し、引張強さ:590MPa以上を有する鋼板である。特許文献4に記載された技術によれば、500kJ/cmを超える大入熱溶接を施しても優れたHAZ靭性を確保できるとしている。Mn等のγ生成元素と、Cr等のα生成元素とを同時に添加し、しかもγ生成元素量に対してα生成元素量を適正に調整すると、過度のオーステナイト安定化が緩和され、ベイナイトラス間の島状マルテンサイトが減少し、HAZ靭性が向上するとしている。
特開2006−118007号公報 特開2012−177192号公報 特開2012−241214号公報 特開2013−19015号公報
しかしながら、特許文献1〜4に記載された各技術でも、引張強さは590MPa以上、あるいは780MPa以上であり、最近の高強度化の要求に対し、更なる高強度化が必要になるという問題を残していた。
そこで、本発明は、上記した従来技術の問題を有利に解決し、引張強さ:950MPa以上の高強度を有し、入熱:500kJ/cmを超える超大入熱溶接を施されても優れた溶接熱影響部靭性を保持できる、超大入熱溶接熱影響部靭性に優れた建築構造物用高強度厚鋼板を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記した目的を達成するため、引張強さ:950MPa以上の高強度を確保しつつ、大入熱溶接熱影響部の靭性を安定して確保するための方策について、鋭意研究した。その結果、極低炭素化して、大入熱溶接熱影響部における島状マルテンサイト(以下、MAともいう)の生成を抑えることがまず第一に、大入熱溶接熱影響部靭性の向上のために重要であることに想到した。そして、極低炭素化したうえで、さらに、3.6質量%以上のMnを、5質量%以上のCrを、組み合わせて含有することが、所望の引張強さ:950MPa以上の高強度と優れた大入熱溶接熱影響部靭性とを兼備するために重要になることを見出した。5質量%以上のCrを含有させることにより、3.6質量%以上のMn単独含有による粒界破壊の発生が緩和され、大入熱溶接熱影響部靭性が安定して向上することを知見した。
なお、本発明者は、Nb、Niが、またSi、Moが、Mn、Crの補助として有用であることも知見している。
本発明は、かかる知見に基づき、さらに検討を加えて完成されたものである。すなわち、本発明の要旨はつぎの通りである。
(1)質量%で、C:0.05%以下、Si:0.3%以下、Mn:3.6〜7.0%、P:0.02%以下、S:0.003%以下、Al:0.001〜0.06%、Ti:0.005〜0.03%、Cr:5〜12%、N:0.0055%以下、O:0.003%以下を含み、残部Feおよび不可避的不純物からなる組成と、マルテンサイト相とベイナイト相を主相とする組織とを有し、引張強さ:950MPa以上の高強度を有することを特徴とする超大入熱溶接熱影響部靭性に優れた建築構造物用高強度厚鋼板。
(2)(1)において、前記組成に加えてさらに、質量%で、Ni:0.01〜7.0%、Nb:0.003〜0.020%のうちから選ばれた1種または2種を含有する組成とすることを特徴とする建築構造物用高強度厚鋼板。
(3)(1)または(2)において、前記組成に加えてさらに、質量%で、Mo:0.01%以上0.5%未満を含有する組成とすることを特徴とする建築構造物用高強度厚鋼板。
(4)(1)ないし(3)のいずれかにおいて、前記組成に加えてさらに、質量%で、Cu:0.01〜2.0%、B:0.0003〜0.0030%、V:0.01〜0.09%のうちから選ばれた1種または2種以上を含有する組成とすることを特徴とする建築構造物用高強度厚鋼板。
(5)(1)ないし(4)のいずれかにおいて、前記組成に加えてさらに、質量%で、Ca:0.0005〜0.0020%、REM:0.0010〜0.0030%、Mg:0.0010〜0.0020%のうちから選ばれた1種または2種以上を含有する組成とすることを特徴とする建築構造物用高強度厚鋼板。
本発明によれば、引張強さ:950MPa以上の高強度を有し、溶接入熱:500kJ/cmを超える超大入熱溶接を施した場合においても、優れた溶接熱影響部靭性を確保することができる高強度厚鋼板を容易に製造でき、産業上格段の効果を奏する。また、本発明によれば、安全性の高い建築構造物等の溶接鋼構造物を高能率で施工することができるという効果もある。
実施例で用いた、再現熱サイクルの熱サイクルパターンを模式的に示す説明図である。
本発明厚鋼板は、引張強さ:980MPa以上の高母材強度と、試験温度:0℃におけるシャルピー衝撃試験吸収エネルギーvE(J)が200J以上の優れた母材靭性と、を有する厚鋼板であり、入熱500kJ/cmを超える超大入熱溶接を施した場合の溶接熱影響部が、試験温度:0℃におけるシャルピー衝撃試験吸収エネルギーvE(J)で100J以上の優れたHAZ靭性を有する。
まず、本発明厚鋼板の組成限定理由について説明する、なお、組成における質量%は、とくに断らない限り、単に%で記す。
C:0.05%以下
Cは、鋼板強度の増加に寄与する元素であり、所望の鋼板強度を確保するためには、0.001%以上含有することが望ましい。一方、0.05%を超えて多量に含有すると、とくに大入熱溶接HAZにおいて島状マルテンサイト相(MA)が増加し、HAZ靭性が低下する。このため、本発明では、0.05%以下に限定した。なお、好ましくは0.01〜0.02%である。
Si:0.3%以下
Siは、製鋼時に脱酸剤として作用する元素であり、このような効果を得るためには0.02%以上含有することが好ましい。また、Siは、強力なフェライト(α)安定化元素であり、本発明ではMnによるオーステナイトの過度の安定化を抑制する作用を有する。しかし、Siは、セメンタイトの生成を強く抑制する作用をも有する。このため、Siを0.3%を超えて多く含有すると、島状マルテンサイトが増加し、HAZ靭性が低下する。このため、Siは0.3%以下に限定した。なお、好ましくは0.1%以下である。
Mn:3.6〜7.0%
Mnは、強力なオーステナイト(γ)安定化元素のひとつで、γ→α変態点を低下させ、焼入れ性を増大させて、ベイナイト変態、マルテンサイト変態を促進させ、所望の母材強度を確保するのに有効に寄与する。このような効果を得るためには、3.6%以上の含有を必要とする。一方、7.0%を超える多量の含有は、HAZ硬さが高くなりすぎ、HAZ靭性が低下する。このため、Mnは3.6〜7.0%の範囲に限定した。なお、好ましくは4.0〜5.0%である。
P:0.02%以下
Pは、不可避的不純物として鋼中に含まれるが、粒界等に偏析しやすい元素であり、靭性等に悪影響を及ぼす。このため、本発明ではできるだけ低減することが望ましいが、0.02%までは許容できる。このため、Pは0.02%以下に限定した。なお、好ましくは0.01%以下である。
S:0.003%以下
Sは、鋼中では主としてMnS系介在物として存在し、延性、靭性に悪影響をもたらす元素であり、できるだけ低減することが望ましいが、0.003%までは許容できる。このため、Sは0.003%以下に限定した。
Al:0.001〜0.06%
Alは、製鋼時に脱酸剤として作用する元素であり、このような効果を得るためには0.001%以上の含有を必要とする。一方、0.06%を超えて多量に含有すると、アルミナ等の粗大介在物が増加し清浄度が低下し、母材靭性が低下する。また、Alの多量含有は、HAZ組織においてMAが増加し、HAZ靭性が低下する。このため、Alは0.001〜0.06%の範囲に限定した。なお、好ましくは0.02〜0.04%である。
Ti:0.005〜0.03%
Tiは、Nと結合しTiNを形成し、とくにHAZにおけるγ粒の成長を抑制し、HAZ靭性の向上に寄与する元素である。このような効果を得るためには、0.005%以上含有する必要がある。一方、0.03%を超えて多量に含有すると、TiNが粗大化しやすくなり、母材靭性、HAZ靭性が共に低下する。このため、Tiは0.005〜0.03%の範囲に限定した。なお、好ましくは0.010〜0.03%、より好ましくは0.010〜0.0025%である。
Cr:5〜12%
Crは、フェライト安定化元素のひとつであり、Mnの多量含有による0℃での粒界破壊の発生を防止する、本発明では重要な元素である。また、Crは、焼入れ性の向上を介して、所望の母材強度や母材靭性を確保するのに有効に寄与する。このような効果を得るためには、5%以上の含有を必要とする。一方、Crが12%を超えて多量に含有すると、オーステナイト相が生成しなくなり組織が粗大化しやすくなり、また、フェライト(粒界フェライト)が増加し高強度を確保できなくなるうえ、靭性が低下する。このため、Crは5〜12%の範囲に限定した。なお、好ましくは8〜10%である。
N:0.0055%以下
Nは、鋼中に不可避的に含有される元素であるが、Tiと結合しTiNを形成して、とくに大入熱溶接熱影響部におけるγ粒の成長を抑制し、HAZ組織の微細化を介し、大入熱溶接HAZ靭性の向上に寄与する。このような効果を得るためには、0.0025%以上含有させることが望ましいが、0.0055%を超えて多量に含有すると、母材靭性およびHAZ靭性がともに低下する。このため、Nは0.0055%以下に限定した。なお、好ましくは0.0025〜0.0045%である。
O:0.003%以下
O(酸素)は、鋼中には不可避的不純物として含まれ、主として酸化物系介在物として存在し、靭性等に悪影響を及ぼす。このため、O(酸素)は、できるだけ低減することが望ましいが、0.003%までは許容できる。このようなことから、O(酸素)は0.003%以下に限定した。なお、好ましくは0.002%以下である。
上記した成分が基本の成分であるが、本発明では、基本の組成に加えてさらに、選択元素として、Ni:0.01〜7.0%、Nb:0.003〜0.020%のうちから選ばれた1種または2種、および/または、Mo:0.01%以上0.5%未満、および/または、Cu:0.01〜2.0%、B:0.0003〜0.0030%、V:0.01〜0.09%のうちから選ばれた1種または2種以上、および/または、Ca:0.0005〜0.0020%、REM:0.0010〜0.0030%、Mg:0.0010〜0.0020%のうちから選ばれた1種または2種以上、を必要に応じて含有できる。
Ni:0.01〜7.0%、Nb:0.003〜0.020%のうちから選ばれた1種または2種
Ni、Nbはいずれも、オーステナイト安定化元素であり、オーステナイト安定化元素であるMnの作用を補強する目的で、必要に応じて選択して1種または2種含有できる。
Niは、強力なオーステナイト安定化元素であり、γ→α変態点を低下させて、所望の母材強度を確保するのに有用な元素である。また、ベイナイト変態を促進する元素である。しかし高価な元素であるため、本発明では選択元素とし、オーステナイト安定化元素であるMnの補助として用いる。このような効果を得るためには、0.01%以上の含有を必要とする。なお、Mnだけで、所望の高強度、所望の優れたHAZ靭性が確保できる場合には、含有する必要はない。一方、7.0%を超える多量の含有は、合金コストを高騰させる。このため、含有する場合には、靭性向上の観点から0.01〜7.0%に限定することが好ましい。このようなことから、含有する場合には、Niは0.01〜7.0%の範囲に限定することが好ましい。なお、合金コストの観点からより好ましくは0.01〜2.0%、さらに好ましくは0.01〜1.0%である。
Nbは、γからαへの変態を著しく遅らせる作用を有し、本発明ではMn、Niと同様に、オーステナイト安定化元素として扱う。本発明では必要に応じて、Mnの補助としてNiと同様に用いる。また、Nbは、ベイナイト変態を促進させて、所望の母材強度を確保するのに有効に寄与する。このような効果を得るためには、0.003%以上の含有を必要とする。一方、0.020%を超える含有は、HAZ硬さが高くなりすぎて、HAZ靭性が低下する。このため、含有する場合には、Nbは0.003〜0.020%の範囲に限定することが好ましい。なお、より好ましくは0.003〜0.010%である。
Mo:0.01%以上0.5%未満
Moは、フェライト安定化元素のひとつであり、Mn含有によるオーステナイトの過度の安定化を防止する作用を有する。Moは高価な元素であり、本発明では選択元素として、Crの補助として必要に応じて用いる。Crだけで、所望の高強度、優れたHAZ靭性が得られる場合には含有する必要はない。また、Moは、焼入れ性を向上させて、所望の母材強度や所望の優れた母材靭性を確保するのに有用な元素である。このような効果を得るためには、0.01%以上の含有を必要とする。一方、0.5%以上の含有は、HAZ硬さが高くなりすぎて、HAZ靭性が低下する。このため、含有する場合には、Moは0.01%以上0.5%未満の範囲に限定することが好ましい。なお、より好ましくは0.05〜0.2%である。
Cu:0.01〜2.0%、B:0.0003〜0.0030%、V:0.01〜0.09%のうちから選ばれた1種または2種以上
Cu、B、Vはいずれも、母材強度の向上に有効に寄与する元素であり、必要に応じて選択して1種または2種以上を含有できる。
Cuは、フェライトの生成を抑制してベイナイト変態を促進し、所望の母材強度を確保するために有効に寄与する。このような効果を得るためには、0.01%以上含有することが好ましい。一方、2.0を超えて過剰に含有すると、熱間圧延時に表面疵(Cu疵)を発生する。このため、含有する場合には、Cuは0.01〜2.0%の範囲に限定することが好ましい。なお、より好ましくは1.0%以下である。また、Cuを含有する場合には、表面疵を防止のために、同時にNiをCu量の1/2以上含有させることが好ましい。
Bは、少量の含有で焼入れ性を向上させ、母材強度の向上に有効に寄与する。このような効果を得るためには、0.0003%以上の含有を必要とする。一方、0.0030%を超える過剰の含有は、HAZ硬さが硬くなりすぎ、HAZ靭性が低下する。このため、含有する場合には、Bは0.0003〜0.0030%の範囲に限定することが好ましい。なお、より好ましくは0.0010%以下である。
Vは、フェライト変態を抑制し、ベイナイト変態を促進して、母材強度の向上に有効に寄与する。このような効果を得るためには、0.01%以上の含有を必要とする。一方、0.09%を超える過剰な含有は、HAZに析出物を析出させて、HAZ靭性を低下させる。このため、含有する場合には、Vは0.01〜0.09%の範囲に限定することが好ましい。なお、より好ましくは0.005%以下である。
Ca:0.0005〜0.0020%、REM:0.0010〜0.0030%、Mg:0.0010〜0.0020%のうちから選ばれた1種または2種以上
Ca、REM、Mgはいずれも、介在物の形態を制御して、母材の延性、靭性、さらにはHAZ靭性を向上させる元素であり、必要に応じて選択して1種または2種以上を含有できる。このような効果を得るためには、Ca:0.0005%以上、REM:0.0010%以上、Mg:0.0010%以上含有する必要がある。一方、Ca:0.0020%、REM:0.0030%、Mg:0.0020%をそれぞれ超える過剰な含有は、介在物が粗大化してHAZ靭性を低下させる。このため、含有する場合には、Ca:0.0005〜0.0020%、REM:0.0010〜0.0030%、Mg:0.0010〜0.0020%の範囲にそれぞれ限定することが好ましい。
上記した成分以外の残部は、Feおよび不可避的不純物からなる。
本発明高強度厚鋼板は、上記した組成を有し、さらにマルテンサイト相とベイナイト相とを主相とする組織(マルテンサイトとベイナイトとの混合組織)を有する。
本発明厚鋼板は、引張強さ:980MPa以上の高強度を確保するために、母材組織は、マルテンサイト相とベイナイト相とを主相とする組織とする。ここでいう「主相」とは、体積率で95%以上を占める相をいうものとする。主相以外の第二相としては、体積率で5%以下(0%を含む)の残留オーステナイトが例示できる。なお、主相以外の第二相が、体積率で5%を超えると、強度が低下し、所望の高強度を確保できなくなる。このようなことから、本発明高強度厚鋼板の組織は、マルテンサイト相とベイナイト相とを主相とする、マルテンサイト相とベイナイト相とが混合した組織(マルテンサイトとベイナイトとの混合組織)に限定した。
なお、ここでいう「ベイナイト相」は、いわゆる下部ベイナイト相、あるいはBIII(邦武ら;鋼の強靭性、1971、p85参照)と称されるベイナイトをいう。
つぎに、本発明高強度厚鋼板の好ましい製造方法について説明する。
本発明では、上記した組成の鋼素材を、加熱し、熱間圧延を施して、所定寸法の厚鋼板とする。
本発明では、鋼素材の製造方法はとくに限定する必要はないが、上記した組成の溶鋼を、転炉、電気炉等の常用の溶製方法で溶製し、連続鋳造法等の常用の鋳造方法でスラブ等の鋳片とすることが好ましい。造塊−分塊圧延法を用いてもなんら問題はない。
得られた鋼素材が、熱間圧延が可能な温度を有している場合には、加熱することなく、あるいは簡単な保熱処理を行ったのち、熱間圧延に供してもよいが、室温まで冷却したのち、あるいは室温まで冷却することなく、加熱温度:1000〜1250℃に加熱したのち、熱間圧延を施すことが好ましい。
加熱温度が1000℃未満では、変形抵抗が大きくなりすぎて、圧延機への負荷が大きくなりすぎて、熱間圧延が困難となる。一方、1250℃を超える高温では、鋼素材の結晶粒径が大きくなりすぎ、熱間圧延を施しても所望の組織微細化を達成できなくなる。このため、熱間圧延の加熱温度は1000〜1250℃に限定することが好ましい。
加熱された鋼素材は、ついで、熱間圧延を施される。熱間圧延の条件は、とくに限定する必要はないが、組織の微細化を介し、所望の高母材強度と高母材靭性を兼備させるという観点からは、累積圧下率:30%以上、熱間圧延終了温度:900℃以上とすることが好ましい。なお、熱間圧延終了後の冷却は、フェライト変態開始臨界冷却速度以上の冷却とすることが好ましい。本発明厚鋼板は、焼入れ性が高い組成であることから、空冷程度の冷却のままで、すなわち非調質で、引張強さ980MPa以上の高強度を確保することが可能である。
なお、高靭性を安定して確保するという観点からは、600℃以下の焼戻処理を施すことが好ましい。
以下、実施例に基づき、さらに本発明について説明する。
表1に示す組成の溶鋼を真空溶解炉で溶製し、鋳型に注入しインゴット(30kgf)とし、鋼素材とした。得られた鋼素材を、加熱炉で1200℃に加熱し、熱間圧延により厚鋼板(板厚15mm)とした。なお、熱間圧延の圧延開始温度は1150℃、圧延終了温度は910℃、累積圧下率は80%であった。熱間圧延終了後、室温まで空冷した。
得られた厚鋼板から試験片を採取し、組織観察、引張試験、衝撃試験、再現熱サイクル試験を実施した。試験方法は次のとおりである。
(1)組織観察
得られた厚鋼板から組織観察用試験片を採取し、圧延方向断面が観察面となるように、研磨し、腐食液(ナイタール液)で腐食したのち走査型電子顕微鏡(倍率:400倍)を用いて組織を観察し、撮像した。得られた組織写真を用いて、画像解析により組織の同定し、各相の組織分率(体積率)を算出した。なお、残留オーステナイト相の体積率は、X線回折用試験片を各厚鋼板の1/4t位置が測定面となるように採取し、X線回折法を用いて測定した。
(2)引張試験
得られた厚鋼板から、引張方向が圧延方向となるように引張試験片(平行部:直径6.0mmφ×GL25.0mm)を採取し、JIS Z 2241の規定に準拠して引張試験を行い、降伏強さYS、引張強さTS、降伏比YR、伸びElを測定した。
(3)衝撃試験
得られた厚鋼板の板厚中央位置から、Vノッチ試験片(標準試験片 試験片幅10mm)を採取し、JIS Z 2242の規定に準拠してシャルピー衝撃試験を実施した。試験温度は0℃とし、吸収エネルギーvE(J)を求めた。なお、試験片は各3本とし、得られた各吸収エネルギーの算術平均を求め、当該鋼板の吸収エネルギーとした。
(4)再現熱サイクル試験
得られた厚鋼板から、圧延方向が試験片長手方向となるように、再現熱サイクル試験片(12mm×12mm×長さLmm)を採取した。そして、高周波誘導加熱装置を用いて、再現熱サイクル試験片に、スキンプレート材(50mm厚)とダイアフラム材(50mm厚)を組合せ、溶接入熱:550kJ/cmのエレクトロスラグ溶接を行った場合の熱影響部(ボンド近傍)に相当する熱履歴を付与した。付与した再現熱サイクルは、図1に示すように、最高加熱温度を1400℃とし、23秒間保持したのち、800〜500℃の冷却時間が510sの冷却速度で、150℃以下まで冷却する再現サイクルとした。なお、再現熱サイクルの付与は、各3本とした。
再現熱サイクルを施した再現熱サイクル試験片から、Vノッチ試験片(標準試験片 試験片幅10mm)を採取して、JIS Z 2242の規定に準拠してシャルピー衝撃試験を実施した。試験温度は0℃とし、吸収エネルギーvE(J)を求めた。シャルピー衝撃試験は各3本とし、それらの算術平均値を当該厚鋼板のHAZ靭性値とした。
得られた結果を表2に示す。
Figure 2017025398
Figure 2017025398
本発明例はいずれも、TS:950MPa以上の高強度を有し、吸収エネルギーvE(J)が100J以上の優れた超大入熱溶接熱影響部靭性を有する高強度厚鋼板となっている。一方、本発明の範囲を外れる比較例は、強度が不足しているか、吸収エネルギーvE(J)が100J未満で、超大入熱溶接熱影響部靭性が低下しているか、あるいはその両方となっている。

Claims (5)

  1. 質量%で、
    C :0.05%以下、 Si:0.3%以下、
    Mn:3.6〜7.0%、 P :0.02%以下、
    S :0.003%以下、 Al:0.001〜0.06%、
    Ti:0.005〜0.03%、 Cr:5〜12%、
    N :0.0055%以下、 O :0.003%以下
    を含み、残部Feおよび不可避的不純物からなる組成と、マルテンサイト相とベイナイト相を主相とする組織とを有し、引張強さ:950MPa以上の高強度を有することを特徴とする超大入熱溶接熱影響部靭性に優れた建築構造物用高強度厚鋼板。
  2. 前記組成に加えてさらに、質量%で、Ni:0.01〜7.0%、Nb:0.003〜0.020%のうちから選ばれた1種または2種を含有する組成とすることを特徴とする請求項1に記載の建築構造物用高強度厚鋼板。
  3. 前記組成に加えてさらに、質量%で、Mo:0.01%以上0.5%未満を含有する組成とすることを特徴とする請求項1または2に記載の建築構造物用高強度厚鋼板。
  4. 前記組成に加えてさらに、質量%で、Cu:0.01〜2.0%、B:0.0003〜0.0030%、V:0.01〜0.09%のうちから選ばれた1種または2種以上を含有する組成とすることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の建築構造物用高強度厚鋼板。
  5. 前記組成に加えてさらに、質量%で、Ca:0.0005〜0.0020%、REM:0.0010〜0.0030%、Mg:0.0010〜0.0020%のうちから選ばれた1種または2種以上を含有する組成とすることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の建築構造物用高強度厚鋼板。
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