JP2017024973A - 有機肥料養液の製造方法及び製造装置 - Google Patents

有機肥料養液の製造方法及び製造装置 Download PDF

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拓澄 赤地
祥子 小久保
Shoko Kokubo
祥子 小久保
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和明 林田
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Abstract

【課題】簡易な設備で、多種多様な有機物を原料とすることができ、安定してかつ高効率で、有機肥料養液を得る。【解決手段】有機肥料養液の製造装置10を構成する第1の水槽11内に、有機態様の窒素を含有する有機物を含む液状体12が供給される。有機態様の窒素は、第1の担体13に担持された第1の微生物によりアンモニア態様の窒素に変換される。アンモニア態様の窒素を含有するアンモニア組成物を含む液状体22が、第2の水槽21に供給される。アンモニア態様の窒素は、第2の水槽21内において、第2の担体23に担持された第2の微生物により硝酸組成物に変換される。硝酸組成物を含む液状体28から、有機肥料養液が得られる。【選択図】図3

Description

本発明は、有機肥料養液の製造方法及び製造装置に関する。
近年、環境保護の観点から、人工的に合成される化学肥料の使用を減らそうとする動きが活発化している。化学肥料の代替として、有機肥料が推奨されている。新しい栽培方法として普及しつつある養液栽培においても、有機肥料を用いる試みがなされている。有機物を原料として有機肥料を製造する方法として、従属栄養細菌で有機物をアンモニア組成物とし、さらに硝化細菌で硝酸組成物とする方法が知られている。
養液内に従属栄養細菌と硝化細菌を含有させて、有機物を投入すると、まず従属栄養細菌によりアンモニア組成物が生成される。生成されたアンモニア組成物が、硝化細菌によって硝酸組成物に変換される。しかし、従属栄養細菌の増殖速度が大きいことによって、硝化細菌の活動が抑制される。また、アンモニア組成物が生成される過程において、養液中の溶存酸素が消費されて溶存酸素量が低下する。このため、養液中の硝酸組成物が酸素の代わりに消費されて、さらに硝化効率が低下する。この結果、アンモニア組成物が過剰に存在する液肥が製造され、植物の根が損傷を受ける等の問題が生ずる。
このような問題に対処するために、有機物の分解により生成したアンモニア組成物を、直ちに硝酸組成物に変換する方法の研究が行われてきた。この研究の成果として、養液内に有機物のアンモニア化及び硝化を連続的に行うことができる微生物生態系を構築し、有機物をそのまま養液栽培の肥料として使用する技術が開発されている(例えば、特許文献1)。
しかしながら、この技術においては、有機物をアンモニア組成物に変換する従属栄養細菌と、アンモニア組成物を硝酸組成物に変換する硝化細菌とを、量的なバランスを保ちながら微生物生態系内に共存させる必要がある。このような微生物生態系を構築して維持することは、実際には非常に困難であり、養液栽培に用いる有機肥料養液を効率的に製造することはできない。
一方、家畜糞尿を含む汚水が汚水処理施設で分解される過程で発生するメタン発酵汚泥を原料として、有機肥料養液を製造する方法が開発されている(例えば、特許文献2)。この方法は、汚水処理施設で発生したメタン発酵汚泥及び/またはメタン発酵汚泥を処理した溶液を、水深の浅い流路で硝化細菌によって硝化して有機液肥とするものである。
特許第5071897号公報 特開2004−099366号公報
しかしながら、この製造方法では原料がメタン発酵汚泥に限定され、その他の有機物を原料として用いることができない。そして、汚水処理施設で生成されるメタン発酵汚泥の量は常に変動するので、有機肥料養液を安定して製造することは困難であるという問題点があった。
本発明は、上述の事情の下になされたもので、簡易な設備で、多種多様な有機物を原料とすることができ、安定してかつ高効率で、有機肥料養液を得ることを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の第1の観点に係る有機肥料養液の製造方法は、
有機態様の窒素を含有する有機物を第1の系に供給する工程と、
前記第1の系に存在する第1の微生物により前記有機態様の窒素をアンモニア態様の窒素に変換して、前記有機物からアンモニア組成物を生成させる工程と、
前記アンモニア組成物を前記第1の系から第2の系に供給する工程と、
前記第2の系に存在する第2の微生物により前記アンモニア態様の窒素を硝酸態様の窒素に変換して、前記アンモニア組成物から硝酸組成物を生成させる工程と、
前記第2の系から前記硝酸組成物を取り出す工程と、
を備える。
前記アンモニア組成物を前記第1の系から前記第2の系に供給する工程は、前記アンモニア組成物を前記第1の系から前記第2の系に移動させるとともに、前記第1の微生物を前記第1の系に残す工程であることとしてもよい。
前記第2の系から前記硝酸組成物を取り出す工程は、前記硝酸組成物を前記第2の系から取り出すとともに、前記第2の微生物を前記第2の系に残す工程であることとしてもよい。
前記第1の系が前記第1の系の溶存酸素量を測定する第1の溶存酸素量測定手段を有し、
前記第2の系が前記第2の系の溶存酸素量を測定する第2の溶存酸素量測定手段を有し、
前記第1の溶存酸素量測定手段により測定される前記第1の系の溶存酸素量が所定の値を下回った場合に前記第1の系に空気及び/または酸素を供給し、
前記第2の溶存酸素量測定手段により測定される前記第2の系の溶存酸素量が所定の値を下回った場合に前記第2の系に空気及び/または酸素を供給することとしてもよい。
前記第1の系に撹拌手段が設けられ、
前記窒素を含有する有機物を前記第1の系に供給する工程の後に、前記撹拌手段により前記第1の系に供給された前記窒素を含有する有機物を撹拌する工程が所定時間実行された後に、前記アンモニア組成物を前記第1の系から前記第2の系に供給する工程を実行することとしてもよい。
前記撹拌手段により前記第1の系に供給された前記窒素を含有する有機物を撹拌する工程とともに、又は撹拌する工程が所定時間実行された後に、前記第1の系の泡を除去する工程を実行することとしてもよい。
前記第2の系の水素イオン濃度を測定するpH測定手段を有し、
前記pH測定手段の測定結果に対応して前記第2の系の水素イオン濃度が調整されるように、pH調整液を前記第2の系に供給する工程を備えることとしてもよい。
上記目的を達成するために、本発明の第2の観点に係る有機肥料養液の製造装置は、
有機態様の窒素を含有する有機物が供給される第1の容器と、
前記第1の容器内に存在し、前記有機態様の窒素をアンモニア態様の窒素に変換する第1の微生物と、
前記第1の微生物により前記有機物の前記有機態様の窒素が前記アンモニア態様の窒素に変換されて生成するアンモニア組成物を、前記第1の容器から第2の容器に供給するアンモニア組成物供給手段と、
前記第2の容器内に存在し、前記アンモニア態様の窒素を硝酸態様の窒素に変換する第2の微生物と、
前記第2の微生物により前記アンモニア組成物の前記アンモニア態様の窒素が前記硝酸態様の窒素に変換されて生成する硝酸組成物を、前記第2の容器から取り出す硝酸組成物取り出し手段と、
を備える。
前記第1の容器内に設置される第1の担体を有し、及び/または前記第2の容器内に設置される第2の担体を有し、前記第1の微生物は前記第1の担体に担持される、及び/または前記第2の微生物は前記第2の担体に担持されることとしてもよい。
前記第1の容器内の溶存酸素量を測定する第1の溶存酸素量測定手段と、
前記第2の容器内の溶存酸素量を測定する第2の溶存酸素量測定手段と、
前記第1の溶存酸素量測定手段で測定される溶存酸素量が所定の値を下回った場合に、前記第1の容器に空気及び/または酸素を供給する第1の酸素供給手段と、
前記第2の溶存酸素量測定手段で測定される溶存酸素量が所定の値を下回った場合に前記第2の容器に空気及び/または酸素を供給する第2の酸素供給手段と、
を備えることとしてもよい。
前記第1の容器及び/または前記アンモニア組成物供給手段に、及び/または前記第1の容器と前記アンモニア組成物供給手段との間に、前記アンモニア組成物を通過させ前記第1の微生物を通過させない第1の分別手段を備えることとしてもよい。
前記第2の容器及び/または前記硝酸組成物取り出し手段に、及び/または前記第2の容器と前記硝酸組成物取り出し手段との間に、前記硝酸組成物を通過させ前記第2の微生物を通過させない第2の分別手段を備えることとしてもよい。
前記第1の容器内に設置された撹拌手段と、
前記有機物を前記第1の容器に供給して前記撹拌手段で所定時間撹拌した後に、前記第1の容器において生成した前記アンモニア組成物を前記アンモニア組成物供給手段により前記第1の容器から前記第2の容器に供給させる組成物供給制御手段と、
を備えることとしてもよい。
前記第1の容器内の泡を除去する消泡手段を備えることとしてもよい。
前記第2の容器内の水素イオン濃度を測定するpH測定手段と、
該pH測定手段の測定結果に対応して前記第2の容器内の水素イオン濃度が調整されるように、pH調整液を前記第2の容器に供給する第3の容器と、
を備えることとしてもよい。
本発明によれば、簡易な設備で、多種多様な有機物を原料とすることができ、安定してかつ高効率で、有機肥料養液を得ることができる。
本発明の実施の形態に係る有機肥料養液の製造方法及び製造装置の概略を示す模式図である。 本発明の実施の形態に係る有機肥料養液の製造の手順を示すフローチャートである。 本発明の実施の形態に係る有機肥料養液の製造装置を示す模式図である。 本発明の実施例1に係る有機肥料養液の製造装置の全体構成を示す図である。 本発明の実施例2に係る有機肥料養液の製造装置の全体構成を示す図である。 本発明の実施例3に係る有機肥料養液の製造装置の全体構成を示す図である。 実施例3に係る有機肥料養液の製造装置の消泡装置を示す図であり、(a)は消泡装置の斜視図、(b)は消泡装置を水平方向から見た図である。 実施例3に係る有機肥料養液の製造装置における消泡装置の効果を示す図であり、(a)は消泡装置を取り付けない場合、(b)は消泡装置を取り付けた場合を示す図である。 本発明の実施例4に係る有機肥料養液の製造装置の全体構成を示す図である。 実施例4に係る有機肥料養液の製造装置の消泡装置を示す斜視図である。 本発明の有機肥料養液の製造装置における消泡装置の他の例を示す斜視図である。 本発明の有機肥料養液の製造装置における消泡装置のさらに別の例を水平方向から見た図であり、(a)は回転軸が停止している場合、(b)及び(c)は回転軸が回転している場合を示す図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。まず、本発明の実施の形態における有機肥料養液の製造方法及び製造装置の概略について説明する。
図1は、本実施の形態に係る有機肥料養液の製造方法及び製造装置の概略を示す模式図である。図1に示されるように、本実施の形態に係る有機肥料養液の製造方法では、第1の系A1と第2の系A2との二段階で、有機肥料養液の製造が行われる。第1の系A1は、有機態様の窒素B11をアンモニア態様の窒素B21に変換する第1の微生物A3を有する。第2の系A2は、アンモニア態様の窒素B21を硝酸態様の窒素B31に変換する第2の微生物A4を有する。
本実施の形態では、有機肥料養液の原料、及び有機肥料養液の製造過程で生ずる中間組成物は、第1の系A1及び第2の系A2内において、液体の形状で取り扱われる。具体的には、第1の系A1及び第2の系A2内において、原料及び中間組成物は、溶液(主として水溶液)、または液体(主として水)に分散した分散液、あるいは一部または全体が液状化した液状物質の形態をとる。以下、これらの溶液、分散液及び液状物質を総称して「液状体」と呼ぶ。
第1の系A1及び第2の系A2は、例えば、別々の容器で構成される。それぞれの容器は、上述した液状体を収容できるものであればよい。容器の材料は、非鉄金属、ラミネート加工処理された鉄系の金属、熱可塑性樹脂及び熱硬化性樹脂等のプラスチック、ガラス、木材等の天然素材、陶器等のセラミックス等の一般的に容器に用いられる材料である。容器の形状も、特に限定されない。
有機態様の窒素B11をアンモニア態様の窒素B21に変換する第1の微生物A3は、例えばバチルス(Baccillus)属の細菌、シュードモナス(Pseudmonas)属の細菌等の従属栄養細菌である。アンモニア態様の窒素B21を硝酸態様の窒素B31に変換する第2の微生物A4は、例えばニトロソモナス(Nitrosomonas)属の細菌、ニトロバクター(Nitrobacter)属の細菌等の硝化細菌である。
有機肥料養液の原料となるのは、有機態様の窒素を含有する有機物B10(以下、単に「有機物B10」ともいう。)である。有機物B10は、例えば野菜の切り屑、肉類の切り屑等の食品加工残渣や、魚粉、油粕、雪花菜、米糠等の食材の残渣、堆肥、緑肥、ぼかし肥、落葉等の有機質肥料、家畜糞尿や稲藁等の有機性農業廃棄物、メタン発酵汚泥を始めとする各種汚泥等の有機性廃棄物、並びに有機成分を含んだ各種廃水、等である。第1の系A1に供給される時点では、有機物B10は液状体に限られるものではなく、野菜の切り屑や肉類の切り屑等の食物残渣を細断したもの等の固体であってもよい。
第1の系A1及び第2の系A2による有機肥料養液の製造方法の手順を、図1を参照しつつ、図2のフローチャートにしたがって説明する。
まず、有機態様の窒素を含有する有機物B10が準備される(ステップS11)。ステップS11は、上述した食品加工残渣、食材の残渣、有機質肥料、有機性農業廃棄物、有機性廃棄物、各種廃水等の、有機態様の窒素B11を有する有機物B10を準備する工程である。ステップS11は、有機物B10を形成する処理をする場合と、予め貯蔵されていた有機物B10を使用する場合とを含む。
有機物B10は、第1の系A1に供給される(ステップS12)。有機物B10が液状体でない状態で供給される場合には、第1の系A1内で液状体とされる。液状体の有機物B10は、第1の系A1内で第1の微生物A3と接触する。第1の微生物A3によって、有機態様の窒素B11がアンモニア態様の窒素B21に変換される(ステップS13)。これによって、有機物B10から、アンモニア組成物B20が生成される(ステップS14)。
生成されたアンモニア組成物B20は、第1の系A1から第2の系A2に供給される(ステップS15)。アンモニア組成物B20は、第2の系A2内で第2の微生物A4と接触する。第2の微生物A4によって、アンモニア態様の窒素B21が硝酸態様の窒素B31に変換される(ステップS16)。これによって、アンモニア組成物B20から硝酸組成物B30が生成される(ステップS17)。この硝酸組成物B30を含む液状体が、さらなる処理を受けて、またはそのまま、有機肥料養液として用いられる。
本発明の実施の形態においては、第1の系A1が、有機態様の窒素B11をアンモニア態様の窒素B21に変換する第1の微生物A3を有する。一方、第1の系A1とは別の、第2の系A2が、アンモニア態様の窒素B21を硝酸態様の窒素B31に変換する第2の微生物A4を有する。すなわち、第1の微生物A3と第2の微生物A4は、別々に存在している。
そして、第1の微生物A3による、有機物B10のアンモニア組成物B20への変換と、第2の微生物A4による、アンモニア組成物B20の硝酸組成物B30への変換が、独立して行われる。
したがって、第1の系A1で多量のアンモニア組成物B20が生成されても、第2の微生物A4が影響を受けることはない。第1の系A1で生成されたアンモニア組成物B20のうちの適量を第2の系A2に供給することによって、第2の微生物A4が硝化効率を維持することができる。
この結果、第1の系A1で生成したアンモニア組成物B20が、第2の系A2において安定して効率よく、硝酸組成物B30に変換される。よって、第1の系A1と第2の系A2のみの簡易な設備で、有機態様の窒素B11を含有する多種多様な有機物B10を原料とすることができ、安定してかつ高効率で、有機肥料養液を製造することができる。
次に、本発明の実施の形態に係る有機肥料養液の製造装置について、図3を参照して説明する。
本実施の形態に係る有機肥料養液の製造装置10は、第1の水槽11、第2の水槽21、養液貯蔵槽27、及びpH調整液槽17を備えている。第1の水槽11は、第1の系を構成する容器である。第2の水槽21は、第2の系を構成する容器である。養液貯蔵槽27は、第2の水槽21で生成された有機肥料養液を貯蔵する。pH調整液槽17には、第2の水槽21内の水素イオン濃度(pH)を調整するためのpH調整液18が蓄えられている。
第1の水槽11には、有機態様の窒素を含有する有機物を含む液状体12(以下、単に「液状体12」ともいう。)が供給される。第1の水槽11は、第1の担体13を有している。第1の担体13には、図示しない第1の微生物が担持されている。
第1の担体13としては、シリカ(SiO2)、アルミナ(Al2O3)、炭化ケイ素(SiC)、窒化ケイ素(Si3N4)、ゼオライト、バーミキュライト、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、フッ素樹脂、ポリエステル樹脂、木炭、竹炭、石炭、等が用いられる。
第1の担体13は、多数の第1の微生物が担持されるように、比表面積が大きいことが好ましい。シリカ、アルミナ、炭化ケイ素、窒化ケイ素等のセラミックスの場合は、多孔質セラミックスであることが好ましい。これらのセラミックスは、セラミックス原料粉末の粒度分布の調整、原料粉末から成形体を成形する際の成形条件の設定、成形体の焼成条件の設定、異種材料の混合等により多孔質セラミックスとすることができる。
ウレタン樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、フッ素樹脂、ポリエステル樹脂等のプラスチックの場合も、多孔質であることが好ましい。これらのプラスチックは、プラスチックの成形方法及び成形条件の設定、硬化剤の選択及び硬化条件の設定、液化材料または気化材料の混合等により多孔質プラスチックとすることができる。木炭、竹炭、石炭等の炭材料の場合も、多孔質であることが好ましい。例えば、活性炭のような比表面積が大きい炭材料が好ましい。
第1の水槽11は、撹拌機14を備える。撹拌機14は、原動機14aと、撹拌羽根14bとを有する。原動機14aとしては、電動モータ、空気モータ、油圧モータ、等が用いられる。撹拌羽根14bとしては、プロペラ形状等を有する撹拌羽根が使用される。撹拌羽根14bの材質は特に限定されないが、強度の面から、合金を含む金属、プラスチック、特に機械的特性に優れる超硬度プラスチック、繊維強化プラスチック(Fiber Reinforced Plastics:FRP)等が用いられることが好ましい。
第1の水槽11は、曝気手段15を備えている。曝気手段15は、気体供給手段15aと、気体供給管15bと、曝気口15cとを有する。気体供給手段15aとしては、空気取り入れ口、空気供給ブロワ、酸素ボンベ、等が用いられる。
第1の水槽11は、接続手段16によって第2の水槽21に接続されている。接続手段16としては、液状体が通過できるプラスチック管、金属管、等の液体用配管が用いられる。
pH調整液槽17には、pH調整液18が蓄えられている。pH調整液槽17は、接続手段19によって第2の水槽21に接続されている。接続手段19としては、pH調整液18を供給できるプラスチック管、金属管、等の液体用配管が用いられる。
第2の水槽21には、アンモニア態様の窒素を含有するアンモニア組成物を含む液状体22(以下、単に「液状体22」ともいう。)が供給される。また、必要に応じて、pH調整液18が供給される。第2の水槽21は、第2の担体23を有している。第2の担体23には、図示しない第2の微生物が担持されている。
第2の担体23としては、第1の担体13と同様に、シリカ、アルミナ、炭化ケイ素、窒化ケイ素、ゼオライト、バーミキュライト、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、フッ素樹脂、ポリエステル樹脂、木炭、竹炭、石炭、等が用いられる。
第2の担体23も、多数の第2の微生物が担持されるように、比表面積が大きいことが好ましい。第2の担体23を構成する材料は、第1の担体13と同様に、多孔質セラミックス、多孔質プラスチック、活性炭のような比表面積が大きい材料であることが好ましい。
第2の水槽21は、撹拌機24を備えている。撹拌機24は、原動機24aと、撹拌羽根24bとを有する。原動機24aとしては、電動モータ、空気モータ、油圧モータ、等が用いられる。撹拌羽根24bとしては、プロペラ形状等を有する撹拌羽根が使用される。撹拌羽根24bの材質は特に限定されないが、強度の面から、合金を含む金属、プラスチック、特に機械的特性に優れる超硬度プラスチック、繊維強化プラスチック等が用いられることが好ましい。
第2の水槽21は、曝気手段25を備えている。曝気手段25は、気体供給手段25aと、気体供給管25bと、曝気口25cとを有する。気体供給手段25aとしては、空気取り入れ口、空気供給ブロワ、酸素ボンベ等が用いられる。
第2の水槽21は、接続手段26によって養液貯蔵槽27に接続されている。接続手段26としては、液状体が通過できるプラスチック管、金属管、等の液体用配管が用いられる。
養液貯蔵槽27には、第2の水槽21から、硝酸態様の窒素を含有する硝酸組成物を含む液状体28(以下、単に「液状体28」ともいう。)が供給される。養液貯蔵槽27は、曝気手段29を備えている。曝気手段29は、気体供給手段29aと、気体供給管29bと、曝気口29cとを有する。気体供給手段29aとしては、空気取り入れ口、空気供給ブロワ、酸素ボンベ等が用いられる。
第1の担体13に担持された第1の微生物は、有機態様の窒素をアンモニア態様の窒素に変換する。つまり、有機物を含む液状体12から、アンモニア態様の窒素を含有するアンモニア組成物を生成させる。第1の微生物としては、従属栄養細菌が用いられる。従属栄養細菌としては、例えばバチルス(Baccillus)属の細菌、シュードモナス(Pseudmonas)属の細菌等の従属栄養細菌である。
第2の担体23に担持された第2の微生物は、アンモニア態様の窒素を硝酸態様の窒素に変換する。つまり、アンモニア組成物を含む液状体22から、硝酸態様の窒素を含有する硝酸組成物を生成させる。第2の微生物としては、硝化細菌が用いられる。硝化細菌の具体例としては、ニトロソモナス属(Nitrosomonas)の細菌、ニトロバクター属(Nitrobacter)の細菌等が挙げられる。硝化細菌として、特にNitrosomonas europaea 、Nitrobacter winogradskyi (Nitrobacter agilis)を用いることが好ましい。
このような構成を有する有機肥料養液の製造装置10において、図2のフローチャートで示される手順にしたがって、液状体12から硝酸組成物を含む液状体28からなる有機肥料養液が製造される。
まず、第1の微生物を有する第1の水槽11に、有機物を含む液状体12が供給される。液状体12は、第1の水槽11内で撹拌機14によって撹拌されて、均一な混合状態に保たれる。また、曝気手段15によって、液状体12中に酸素が取り込まれる。これによって、第1の担体13に担持される第1の微生物の密度を高くして酸素消費量が増えても、高い溶存酸素量(Dissolved Oxygen:DO)が維持される。したがって、第1の微生物の量を増加させても好気性条件が維持され、第1の微生物による窒素態様の変換効率をより向上させることができる。
このような好気性条件下で、高密度の第1の微生物によって、有機態様の窒素がアンモニア態様の窒素に変換される。これによって、有機物を含む液状体12から、アンモニア態様の窒素を含有するアンモニア組成物が生成される。
第1の水槽11から、アンモニア組成物を含む液状体22が第2の水槽21に供給される。液状体22は、第2の水槽21内で撹拌機24によって撹拌されて均一な混合状態に保たれる。また、曝気手段25によって液状体22中に酸素が取り込まれる。これによって、第2の担体23に担持される第2の微生物の密度を高くして酸素消費量が増えても、高い溶存酸素量が維持される。したがって、第2の微生物の量を増加させても好気性条件が保たれ、第2の微生物による窒素態様の変換効率をより向上させることができる。
さらに、第2の水槽21には、必要に応じてpH調整液槽17からpH調整液18が供給され、液状体22が好適なpHに保たれる。
このような好気性条件及び好適なpHの条件下で、高密度の第2の微生物によって、アンモニア態様の窒素が硝酸態様の窒素に変換される。これによって、アンモニア組成物を含む液状体22から、硝酸態様の窒素を含有する硝酸組成物が生成される。
このようにして、有機肥料養液となる、硝酸組成物を含む液状体28が製造される。液状体28は、養液貯蔵槽27に供給される。養液貯蔵槽27内では、曝気手段29によって液状体28中に酸素が取り込まれる。このようにして、好気性条件に保たれた養液貯蔵槽27内で液状体28が貯蔵される。
有機肥料養液の製造装置10においては、第1の水槽11が、第1の微生物が担持された第1の担体13を有している。これによって、有機物を含む液状体12が安定して高効率でアンモニア組成物に変換される。また、曝気手段15によって液状体12中に酸素が取り込まれるので、好気性条件を保ちながら多量の第1の微生物を存在させることができる。これによって、より高効率で有機物をアンモニア組成物に変換することができる。
また、第2の水槽21は、第2の微生物が担持された第2の担体23を有している。これによって、アンモニア組成物を含む液状体22が安定して高効率で硝酸組成物に変換される。また、曝気手段25によって液状体22中に酸素が取り込まれるので、好気性条件を保ちながら多量の第2の微生物を存在させることができる。これによって、より高効率でアンモニア組成物を硝酸組成物に変換することができる。
有機肥料養液の製造装置10においては、第1の微生物を有する第1の水槽11から、第2の水槽21に、アンモニア組成物を含む液状体22が供給される。この時、液状体22は第2の水槽21にスムースに移動し、かつ、第1の微生物は、第1の水槽11から第2の水槽21に移動しないようにする必要がある。
本実施の形態に係る有機肥料養液の製造装置10においては、第1の微生物を担持する第1の担体13を第1の水槽11内に有している。第1の微生物は第1の担体13に留まるので、アンモニア組成物を含む液状体22を第2の水槽21に移動させる際に、第1の微生物が第2の水槽21に移動するのを防止することができる。これによって、第1の水槽11における第1の微生物の量が、常時一定の量に保たれる。
さらに、第1の水槽11と第2の水槽21を結ぶ接続手段16の第1の水槽11における接続部に、第1の担体13が通過できず、液状体22が通過できるメッシュ等を備えることができる。これによって、より確実に、第1の微生物が第1の水槽11から第2の水槽21に移動するのを防止することができる。
また、アンモニア組成物は分子レベルの大きさであり、細菌類である第1の微生物よりも小さい。よって、他の方法として、第1の微生物よりも小さく、アンモニア組成物よりも大きい網目を有するメッシュ等を通して、液状体22を第1の水槽11から第2の水槽21に移動させる方法も考えられる。
すなわち、本実施の形態に係る有機肥料養液の製造装置10は、液状体22と第1の微生物とを分別する分別手段として、第1の担体13または第1の微生物よりも小さく、アンモニア組成物よりも大きい網目を有するメッシュ材料を有している。
このように、本実施形態に係る有機肥料養液の製造装置10は、アンモニア組成物を含む液状体22は第2の水槽21に移動し、第1の微生物は第2の水槽21に移動せずに、第1の水槽11に留まる構造を備える。
同様に、有機肥料養液の製造装置10においては、第2の微生物を有する第2の水槽21から、養液貯蔵槽27に、硝酸組成物を含む液状体28が供給される。この時、液状体28は養液貯蔵槽27にスムースに移動し、かつ、第2の微生物は、第2の水槽21から養液貯蔵槽27に移動しないようにする必要がある。
図3に示されるように、本実施の形態に係る有機肥料養液の製造装置10においては、第2の微生物を担持する第2の担体23を第2の水槽21内に有している。第2の微生物は第2の担体23に留まるので、液状体28を養液貯蔵槽27に移動させる際に、第2の微生物が養液貯蔵槽27に移動するのを、確実に防止することができる。これによって、第2の水槽21における第2の微生物の量が、確実に常時一定の量に保たれる。
さらに、第2の水槽21と養液貯蔵槽27を結ぶ接続手段26の第2の水槽21における接続部に、第2の担体23が通過できず、液状体28が通過できるメッシュ等を備えることができる。これによって、より確実に、第2の微生物が第2の水槽21から養液貯蔵槽27に移動するのを防止することができる。
また、硝酸組成物は分子レベルの大きさであり、細菌類である第2の微生物よりも小さい。よって、他の方法として、第2の微生物よりも小さく、硝酸組成物よりも大きい網目を有するメッシュ等を通して、液状体28を第2の水槽21から養液貯蔵槽27に移動させる方法がある。
すなわち、本実施の形態に係る有機肥料養液の製造装置10は、硝酸組成物を含む液状体28と第2の微生物とを分別する分別手段として、第2の担体23または第2の微生物よりも小さく、硝酸組成物よりも大きい網目を有するメッシュ材料を有している。
このように、本実施の形態に係る有機肥料養液の製造装置10は、硝酸組成物を含む液状体28は養液貯蔵槽27に移動し、第2の微生物は養液貯蔵槽27に移動せずに、第2の水槽21に留まる構造を備える。
また、本実施の形態の有機肥料養液の製造装置10は、野菜の切り屑、肉類の切り屑等の食品加工残渣、食材の残渣、有機質肥料、有機性農業廃棄物、メタン発酵汚泥等の有機性廃棄物、有機成分を含んだ各種廃水等の多種多様な有機物を原料として、有機肥料養液を製造することができる。
特に、木材加工工場や食品加工工場等から排出される木材の切れ端、食材の切れ端等の有機物を廃棄することなく、有機肥料養液の原料として有効に活用できる。したがって、本来廃棄物として処理されていた、木材加工工場や食品加工工場等から排出される有機物を、廃棄物として処理するための費用を削減して、有効に活用できるという効果が得られる。
また、本実施の形態の有機肥料養液の製造装置10において最低限必要なのは2個の水槽のみであり、必要に応じて、3個または4個の水槽が用いられる。このように、極めて簡易な設備で、効率的に有機肥料養液を製造することができる。
以下に、本発明の実施例を、図4及び図5を参照してより具体的に説明する。
[実施例1]
まず、本発明の実施例1について、図4を参照して説明する。図4に示されるように、実施例1に係る有機肥料養液の製造装置50は、従属栄養細菌を有する第1の水槽51、硝化細菌を有する第2の水槽61、養液貯蔵槽71、装置制御盤80、ブロワ91、及び酸素ボンベ92を備えている。
第1の水槽51と第2の水槽61は、液体配管58で接続されている。第2の水槽61と養液貯蔵槽27は、液体配管68で接続されている。液体配管58、68は、ポリ塩化ビニル(PVC)製のパイプである。なお、本実施例1においては、液状体の液体として水が用いられ、液状体は溶液として存在する。
ブロワ91は、気体供給管70、56a、66a、73aによって第1の水槽51、第2の水槽61及び養液貯蔵槽71に接続されている。酸素ボンベ92は、気体供給管92a、93a、94aによって、気体供給管70に接続されている。装置制御盤80は、信号線81、82、83、84、85、86、87、88、95、96、97によって、第1の水槽51、第2の水槽61及び養液貯蔵槽71のポンプ57、67、撹拌機55、65、電磁弁56、66、73を制御する機器、及びDOセンサ83a、87a、に接続されている。
従属栄養細菌を有する第1の水槽51は、ポリ塩化ビニル製である。第1の水槽51の容積は、300リットルである。第1の水槽51には、有機態様の窒素を含有する有機物を含む溶液52(以下、単に「溶液52」ともいう。)が供給される。なお、第1の水槽51は、第1の担体53を有している。第1の担体53には、図示しない従属栄養細菌、具体的にはバチルス(Baccillus)属の細菌、シュードモナス(Pseudmonas)属の細菌等が担持されている。
第1の担体53は、表面に多数の凹凸を有している。これによって大きい表面積を有し、多数の従属栄養細菌が担持される。本実施例1では、第1の担体53として、株式会社大洋水研社製の商品名「オーシャンクリーナーNO3」が用いられる。商品名「オーシャンクリーナーNO3」は5mm程度の大きさのプラスチック製で、小型の円筒形状を有する。第1の担体53としてプラスチック製の担体を用いることで、第1の水槽51の軽量化及び低コスト化が実現される。
第1の水槽51の内部は、分割シート54によって2つの区画に区分されている。分割シート54は、多数の貫通孔を有するメッシュ構造を有している。分割シート54の貫通孔は、第1の担体53が通過できず、第1の水槽51内で生成した、アンモニア組成物を含む溶液62(以下、単に「溶液62」ともいう。)が通過できる大きさを有する。すなわち、分割シート54は、第1の担体53と溶液62とを分別する濾過フィルタとして機能し、第1の分別手段を構成する。
第1の担体の大きさは、一般的には0.1mm〜20mm程度の範囲内である。上述したように、本実施例1における第1の担体53の大きさは5mm程度である。アンモニア組成物は分子レベルの大きさ(0.01nm〜10nm程度)であり、溶液62はアンモニア組成物と水とからなる。表面張力のため、溶液62が通過できるのは、0.1mm以上程度の大きさの貫通孔と考えられる。よって、分割シート54の貫通孔の大きさは、0.1mm以上〜5mm未満であればよい。
本実施例1の分割シート54は、長方形の織物からなるシートである。分割シート54の大きさは、125cm×300cmである。分割シート54の内部には、第1の担体53が配置される。分割シート54の外部には、第1の水槽51内で生成した溶液62を汲み上げるポンプ57が配置される。
第1の水槽51は、撹拌機55を有している。撹拌機55は、電動撹拌モータ55aと、撹拌シャフト55bと、撹拌羽根55cとを備えている。本実施例1においては、撹拌機55として、株式会社アクアティックスの遠心型撹拌機、商品名「M−Revo(登録商標)」が用いられる。この遠心型撹拌機「M−Revo(登録商標)」は、撹拌力の大きい遠心型の撹拌羽根を備えている。第1の水槽51は、気体供給管70から延伸する気体供給管56aと、電磁弁56と、電磁弁56に接続される気体供給管56bと、曝気口56cとを備えている。
硝化細菌を有する第2の水槽61は、繊維強化プラスチック(FRP)製である。繊維強化プラスチックの強化用線維としては、ガラス繊維、炭素繊維、アラミド繊維等が用いられるが、第2の水槽61は、ガラス繊維強化プラスチックからなる。第2の水槽61の容積は、500リットルである。第2の水槽61には、溶液62が供給される。
第2の水槽61は、第2の担体63を有している。第2の担体63には、図示しない硝化細菌が担持されている。硝化細菌としては、ニトロソモナス属(Nitrosomonas)の細菌Nitrosomonas europaea 、及びニトロバクター属(Nitrobacter)の細菌Nitrobacter winogradskyi (Nitrobacter agilis)が用いられる。
第2の水槽61の内部は、分割シート64によって2つの区画に区分されている。分割シート64は、多数の貫通孔を有するメッシュ構造を有している。分割シート64の貫通孔は、第2の担体63が通過できず、第2の水槽61内で生成した、硝酸組成物を含む溶液72(以下、単に「溶液72」ともいう。)が通過できる大きさを有する。すなわち、分割シート64は、第2の担体63と溶液72とを分別する濾過フィルタとして機能し、第2の分別手段を構成する。
分割シート64の内部には、第2の担体63が配置される。分割シート64の外部には、第2の水槽61内で生成した溶液72を汲み上げるポンプ67が配置される。
第2の担体63は、表面に多数の凹凸を有している。これによって大きい表面積を有し、多数の硝化細菌が担持される。第2の担体63として、株式会社大洋水研社製の商品名「オーシャンクリーナーNO3」が用いられる。商品名「オーシャンクリーナーNO3」はプラスチック製で、小型の円筒形状を有する。第2の担体63としてプラスチック製の担体を用いることで、第2の水槽61の軽量化及び低コスト化が実現される。
第2の水槽61は、撹拌機65を有している。撹拌機65は、電動撹拌モータ65aと、撹拌シャフト65bと、撹拌羽根65cとを備えている。撹拌機65は、撹拌機55と同じ商品名「M−Revo(登録商標)」が用いられる。第2の水槽61は、気体供給管70に接続される気体供給管66aと、電磁弁66と、電磁弁66に接続される気体供給管66bと、曝気口66cとを備えている。
第1の水槽51及び第2の水槽61内には、溶存酸素量を測定するDOセンサ83a、87aが設置されている。これらのDOセンサ83a、87aで測定される溶存酸素量のデータは、信号線83、87を介して装置制御盤80に送信される。溶存酸素量のデータは、装置制御盤80内の中央処理装置(CPU)、処理領域メモリ(RAM)等からなるデータ処理部分において取得され、管理される。
DOセンサ83a、87aで測定される溶存酸素量が所定のレベルを下回った場合には、装置制御盤80から信号線95を介して制御信号が送られ、酸素供給用電磁弁94が開かれる。これによって、酸素ボンベ92から、レギュレータ93で調整された流量の酸素が、第1の水槽51及び第2の水槽61に供給される。
本実施例1においては、第1の水槽51の電磁弁56と、第2の水槽61の電磁弁66とが、常に開かれた状態となっている。このため、酸素供給用電磁弁94が開かれると、レギュレータ93で調整された同じ流量の酸素が、第1の水槽51及び第2の水槽61にともに供給される。第1の水槽51の容積は300リットルで、第2の水槽61の容積は500リットルである。したがって、第1の水槽51内の有機物を含む溶液52の充填率と、第2の水槽61内のアンモニア組成物を含む溶液62の充填率が同程度であれば、第1の水槽51内には第2の水槽61内の約1.7倍の濃度の酸素が供給されることになる。
本実施例1においては、通常時にはブロワ91から大気中の空気が供給されている。DOセンサ83a、87aで測定される溶存酸素量が所定のレベルを下回った場合には、酸素供給用電磁弁94が開かれる。これによって、酸素ボンベ92から、第1の水槽51及び第2の水槽61に酸素が供給される。すなわち、第1の水槽51または第2の水槽61の溶存酸素量が低下した場合にのみ、酸素ボンベ92から酸素が供給される構成となっている。
これに限られるものではなく、常に酸素ボンベ92から第1の水槽51及び第2の水槽61に酸素が供給されるようにしてもよい。この場合にも、供給される酸素の流量はレギュレータ93で調整される。
このような構成を有する有機肥料養液の製造装置50において、図2のフローチャートで示される手順にしたがって、有機態様の窒素を含有する有機物を含む溶液52から、硝酸組成物を含む溶液72からなる有機肥料養液が製造される。
まず、第1の微生物を有する第1の水槽51に、溶液52が供給される。供給する方法としては、溶液52が予め貯蔵された容器から、手動または自動で供給する方法をとることができる。他の方法としては、水とともに、上述したような食品加工残渣、食材の残渣、有機質肥料、有機性農業廃棄物、有機性廃棄物等の有機物を、溶液化する装置に投入して、作製された溶液52を、手動または自動で供給する方法をとることもできる。
供給された溶液52は、第1の水槽51内で撹拌機55によって撹拌されて均一な混合状態に保たれる。また、ブロワ91、及び必要な場合には酸素ボンベ92から、溶液52中に十分な量の酸素が取り込まれる。これによって、溶液52中の溶存酸素量が、高い状態に維持される。したがって、本実施例1では、第1の担体53に担持される第1の微生物の密度を高くして、第1の微生物による、アンモニア組成物を含む溶液62の時間当たりの生成量をより多くしている。
溶液52が第1の水槽51に供給されてから所定時間が経過した後に、溶液62が第1の水槽51のポンプ57で汲み上げられて第2の水槽61に供給される。上記の所定時間は、溶液52が適切な割合で溶液62に変換されるのに必要な時間に設定される。本実施例1では、第1の水槽51における所定時間を24時間としている。
具体的には、溶液52が第1の水槽51に供給されると、DOセンサ83aによって溶液52の存在が検知され、検知信号が信号線83を介して装置制御盤80に送信される。装置制御盤80内のデータ処理装置において、検知信号を受信してからの経過時間が計算される。経過時間が所定時間(本実施例1では24時間)に達した時点で、装置制御盤80内のデータ処理装置から信号線84を介してポンプ57に信号が送信される。これによってポンプ57が作動し、溶液62が汲み上げられて第2の水槽61に供給される。
供給された溶液62は、第2の水槽61内で撹拌機65によって撹拌されて均一な混合状態に保たれる。また、ブロワ91、及び必要な場合には酸素ボンベ92から、溶液62中に十分な量の酸素が取り込まれる。これによって、溶液62中の溶存酸素量が、高い状態に維持される。したがって、本実施例1では、第2の担体63に担持される第2の微生物の密度を高くして、第2の微生物による、硝酸組成物を含む溶液72の時間当たりの生成量をより多くしている。
溶液62が第2の水槽61に供給されてから所定時間が経過した後に、硝酸組成物を含む溶液72が、第2の水槽61のポンプ67で汲み上げられて養液貯蔵槽71に供給される。上記の所定時間は、溶液62が完全に溶液72に変換されるのに必要な時間に設定される。本実施例1では、第2の水槽61における所定時間を72時間としている。
具体的には、溶液62が第2の水槽61に供給されると、DOセンサ87aによって溶液62の存在が検知され、検知信号が信号線87を介して装置制御盤80に送信される。装置制御盤80内のデータ処理装置において、検知信号を受信してからの経過時間が計算される。経過時間が所定時間(本実施例1では72時間)に達した時点で、装置制御盤80内のデータ処理装置から信号線88を介してポンプ67に信号が送信される。これによってポンプ67が作動し、溶液72が汲み上げられて養液貯蔵槽71に供給される。
このようにして、有機肥料養液となる、硝酸組成物を含む溶液72が製造され、養液貯蔵槽71に貯蔵される。養液貯蔵槽71内では、ブロワ91及び酸素ボンベ92から、溶液72に十分な量の酸素が取り込まれる。このようにして、好気性条件に保たれた養液貯蔵槽71内で溶液72が貯蔵される。
本実施例1の有機肥料養液の製造装置50においては、第1の水槽51は、第1の微生物が担持された第1の担体53を有している。第1の担体53は、分割シート54の内部に配置され、ポンプ57と分離されている。したがって、第1の微生物を確実に第1の水槽51に留まらせることができ、第1の微生物の量を一定量に保持できる。これによって、安定して、かつ高効率で、有機物をアンモニア組成物に変換することができる。
また、第2の水槽61は、第2の微生物が担持された第2の担体63を有している。第2の担体63は、分割シート64の内部に配置され、ポンプ67と分離されている。したがって、第2の微生物を確実に第2の水槽61に留まらせることができ、第2の微生物の量を一定量に保持することができる。これによって、安定して、かつ高効率で、アンモニア組成物を硝酸組成物に変換することができる。
このようにして製造された有機肥料養液は、養液貯蔵槽71から採取されて、養液栽培用の液肥として用いられる。本実施例1においては、有機肥料養液を、トマトを養液栽培する設備に液肥として供給した。その結果、合成された化学肥料を用いた場合と同等以上の生産率で、高品質のトマトを収穫することができた。
このように、本実施例1の有機肥料養液の製造装置50で製造された有機肥料養液は、合成された化学肥料と同等以上の肥料としての特性を有する。したがって、有機肥料養液の用途は養液栽培に限られず、他の園芸栽培等にも使用することができる。
[実施例2]
次に、本発明の実施例2について、図5を参照して説明する。図5に示されるように、本実施例2に係る有機肥料養液の製造装置100は、実施例1の有機肥料養液の製造装置50と同様に、従属栄養細菌を有する第1の水槽51、硝化細菌を有する第2の水槽61、ブロワ91、及び酸素ボンベ92を備えている。さらに、有機肥料養液の製造装置100は、実施例1の装置制御盤80に代えて、装置制御盤110を備えている。さらに、有機肥料養液の製造装置100は、pH調整液槽121を備えている。
pH調整液槽121と第2の水槽61は、液体配管125で接続されている。装置制御盤110は、信号線81、82、83、84、85、86、87、88、95、96、98、120によって、第1の水槽51、第2の水槽61及びpH調整液槽121のポンプ57、76、78、124、撹拌機55、65、123、電磁弁56、66、94、を制御する機器、図示しないpHセンサ、及びDOセンサ83a、87aに接続されている。
すなわち、本実施例2に係る有機肥料養液の製造装置100は、実施例1に係る有機肥料養液の製造装置50の養液貯蔵槽を備えておらず、pH調整液槽121を備えている。
有機肥料養液の製造装置100においては、概略としては、実施例1と同様に有機肥料養液の製造が進められる。大きな相違点としては、溶液62が第2の水槽61に供給されると、図示しないpHセンサによって溶液62の水素イオン濃度が測定される。測定された水素イオン濃度のデータは、装置制御盤110に送信される。
pHセンサで測定される水素イオン濃度の値が所定の範囲から外れた場合には、装置制御盤110内のデータ処理装置から信号線120を介してポンプ124に信号が送信される。これによってポンプ124が作動し、pH調整液槽121からpH調整液122が汲み上げられて、第2の水槽61に供給される。このようにして、溶液62の水素イオン濃度が、常に適切な範囲内に維持される。これによって、第2の水槽61内の第2の担体に担持された硝化細菌による、アンモニア組成物から硝酸組成物への変換が、より高い効率で行われる。
このようにして製造された有機肥料養液は、本実施例2においては、貯蔵されることなく、図示しない配管を経て、直接に養液栽培設備に供給される。本実施例2においては、有機肥料養液を、トマトを養液栽培する設備に液肥として供給した。その結果、合成された化学肥料を用いた場合と同等以上の生産率で、高品質のトマトを収穫することができた。
[実施例3]
本発明の実施例3について、図6ないし図8を参照して説明する。図6に示されるように、実施例3に係る有機肥料養液の製造装置150は、その大部分において、実施例1に係る有機肥料養液の製造装置50と同様の構造を備えている。すなわち、有機肥料養液の製造装置150も、従属栄養細菌を有する第1の水槽51、硝化細菌を有する第2の水槽61、養液貯蔵槽71、装置制御盤80、ブロワ91、及び酸素ボンベ92を備えている。
有機肥料養液の製造装置150が、図4に示される有機肥料養液の製造装置50と異なるのは、第1の水槽51に設置された撹拌機151が、電動撹拌モータ151a、撹拌シャフト151b及び撹拌羽根151cに加えて、消泡羽根160を有する点である。消泡羽根160は、有機肥料養液の製造装置150の消泡装置として機能する。
有機肥料養液の生産効率を上げるためには、第1の水槽51により多くの有機物B10を添加することが効果的である。しかし、有機物B10の添加量が増加すると、撹拌羽根151cによる撹拌によって溶液52の液面に泡が発生する。有機物B10の添加量が増えるにつれて発泡も多くなり、溶液52の液面が上昇する。また、有機物B10の粘性が高い場合にも、撹拌によって多くの泡が発生する。
この結果、有機物B10の添加量を多くしすぎると、第1の水槽51の上部が開放されている場合には、泡とともに溶液52が第1の水槽51から溢れ出す恐れがある。実施例3に係る有機肥料養液の製造装置150はこのような問題に対処できるように、消泡装置として消泡羽根160を備えている。
図7(a)に示されるように、消泡羽根160は撹拌シャフト151bに固定され、撹拌シャフト151bと一体に回転する。図7(b)に示されるように、消泡羽根160は、溶液52の液面から少し上に位置するように、撹拌シャフト151bに固定されている。
消泡羽根160の消泡機能について、図8を参照して説明する。図8(a)に示されるように、消泡羽根が取り付けられていないと、有機物B10の添加量を大きく増やした場合、泡C10が大量に発生して第1の水槽51の溶液52の液面上部に充満する。これに対して、実施例3に係る有機肥料養液の製造装置150は、図8(b)に示されるように撹拌シャフト151bに消泡羽根160が取り付けられている。これにより、撹拌シャフト151bと一体に消泡羽根160が回転して、溶液52の液面から発生する泡C10を除去する。
このようにして、実施例3に係る有機肥料養液の製造装置150では、有機物B10の添加量を大きく増やした場合であっても消泡羽根160が発生する泡C10を除去することにより反応速度を維持する。その結果、有機肥料養液の生産効率をより向上させることができる。
[実施例4]
本発明の実施例4について、図9及び図10を参照して説明する。図9に示されるように、実施例4に係る有機肥料養液の製造装置200は、その大部分において、実施例2に係る有機肥料養液の製造装置100と同様の構造を備えている。すなわち、有機肥料養液の製造装置200も、従属栄養細菌を有する第1の水槽51、硝化細菌を有する第2の水槽61、装置制御盤110、ブロワ91、及び酸素ボンベ92を備えている。
有機肥料養液の製造装置200が、図5に示される有機肥料養液の製造装置100と異なるのは、第1の水槽51に設置された撹拌機201が、電動撹拌モータ201a、撹拌シャフト201b及び撹拌羽根201cに加えて、消泡装置202を有する点である。
図10に示されるように、消泡装置202は、一対の消泡羽根202a及び202bからなる。一対の消泡羽根202a及び202bは、撹拌シャフト201bと一体に回転する。図9に示されるように、一対の消泡羽根からなる消泡装置202は、第1の水槽51内において溶液52の液面から少し上に位置するように、撹拌シャフト201bに固定されている。
これによって、溶液52が撹拌される際には、撹拌シャフト201bと一体に一対の消泡羽根202a及び202bが回転して、溶液52の液面から発生する泡を除去する。このようにして、実施例4に係る有機肥料養液の製造装置200では、有機物B10の添加量を大きく増やした場合であっても反応速度を維持することができる。その結果、有機肥料養液の生産効率をより向上させることができる。
消泡装置としては、上述した消泡羽根160や、一対の消泡羽根202a及び202bからなる消泡装置202以外のものを用いることができる。図11に示される消泡装置212は、撹拌シャフト210に4枚の消泡羽根212aが固定されて構成されている。消泡羽根212aには、複数の突起212bが固定されている。複数の突起212bは、4枚の消泡羽根212aによる消泡効果をより向上させる。
図12に示される消泡装置222は、撹拌シャフト220に柔軟性を有する消泡軸222aが固定されて構成されている。消泡軸222aの先端には、錘222bが固定されている。撹拌シャフト220が停止しているときには、図12(a)に示されるように、錘222bの重さで消泡軸222aがたわんでいる。撹拌シャフト220が回転すると、図12(b)に示されるように遠心力によって消泡軸222aが引っ張られてほぼ水平になり、溶液223の液面の上方で回転して、溶液223から発生する泡を除去する。撹拌シャフト220の回転速度によっては、図12(c)に示されるように消泡軸222aが上方にたわんで、溶液223の液面のより上方の泡を除去することができる。
以上、本発明の実施の形態及び実施例について説明したが、本発明は上記の実施の形態及び実施例によって限定されるものではない。
本実施例1においては、通常時にはブロワ91から大気中の空気が供給されている。DOセンサ83a、87aで測定される溶存酸素量が所定のレベルを下回った場合には、酸素供給用電磁弁94が開かれる。これによって、酸素ボンベ92から、第1の水槽51及び第2の水槽61に酸素が供給される。すなわち、第1の水槽51または第2の水槽61の溶存酸素量が低下した場合にのみ、酸素ボンベ92から酸素が供給される構成となっている。
これに限られるものではなく、常に酸素ボンベ92から第1の水槽51及び第2の水槽61に酸素が供給されるようにしてもよい。この場合にも、供給される酸素の流量はレギュレータ93で調整される。
上記の実施例1では、第2の水槽61で生成された有機肥料養液を一旦貯蔵する、養液貯蔵槽71を備えた有機肥料養液の製造装置50について説明した。これに限られるものではなく、実施例2の有機肥料養液の製造装置100のように、第2の水槽で生成された有機肥料養液を、そのまま養液栽培用の栽培水槽に供給する方式として、養液貯蔵槽を設けない構成としてもよい。また、実施例2において、有機肥料養液の製造装置100に加えて、第2の水槽で生成された有機肥料養液を貯蔵する養液貯蔵槽を設ける構成としてもよい。
上記の実施例2では、第2の水槽61内の水素イオン濃度(pH)を調整するpH調整液槽121を備えた有機肥料養液の製造装置100について説明した。これに限られるものではなく、実施例1の有機肥料養液の製造装置50のように、pH調整液槽を設けない構成としてもよい。また、実施例1において、有機肥料養液の製造装置50に加えて、第2の水槽内の水素イオン濃度を調整するpH調整液槽を設ける構成としてもよい。
本発明の実施の形態及び実施例によって製造される有機肥料養液は、有機物が完全に硝化されており、人工的に合成される化学肥料と同等の成分を含有している。したがって、本発明に係る有機肥料養液の用途は、養液栽培だけに限定されず、現在化学肥料が用いられている、土耕栽培を始めとする他の園芸栽培等にも応用することができる。
本発明は、本発明の広義の精神と範囲を逸脱することなく、様々な実施の形態および変形が可能とされるものである。上述した実施の形態及び実施例は、本発明を説明するためのものであり、本発明の範囲を限定するものではない。
本発明に係る有機肥料養液の製造方法及び製造装置は、養液栽培や、土耕栽培を始めとする園芸栽培に用いることができる有機肥料養液を、高効率で製造して安定して供給することができる。
10、50、100、150、200 有機肥料養液の製造装置
11、51 第1の水槽
12、52 有機物を含む液状体
13、53 第1の担体
14、24、55、65、123、151、201 撹拌機
14a、24a 原動機
14b、24b、55c、65c、123c、151c、201c 撹拌羽根
15、25、29 曝気手段
15a、25a、29a 気体供給手段
15b、25b、29b、56a、56b、66a、66b、70、73a、73b、92a、93a、94a 気体供給管
15c、25c、29c、56c、66c、73c 曝気口
16、19、26 接続手段
17、121 pH調整液槽
18、122 pH調整液
21、61 第2の水槽
22、62 アンモニア組成物を含む液状体
23、63 第2の担体
27、71 養液貯蔵槽
28、72 硝酸組成物を含む液状体
54、64 分割シート
55a、65a、123a、151a、201a 電動撹拌モータ
55b、65b、123b、151b、201b、210、220 撹拌シャフト
56、66、73 電磁弁
57、67、76、78、124 ポンプ
58、68、77、125 液体配管
78 pHセンサ
80、110 装置制御盤
81、82、83、84、85、86、87、88、95、96、97、98、120 信号線
83a、87a DOセンサ
91 ブロワ
92 酸素ボンベ
93 レギュレータ
94 酸素供給用電磁弁
160、202a、202b、212a 消泡羽根
202、212、222 消泡装置
212b 複数の突起
222a 消泡軸
222b 錘
223 溶液
A1 第1の系
A2 第2の系
A3 第1の微生物
A4 第2の微生物
B10 有機態様の窒素を含有する有機物
B11 有機態様の窒素
B20 アンモニア組成物
B21 アンモニア態様の窒素
B30 硝酸組成物
B31 硝酸態様の窒素
C10 泡

Claims (15)

  1. 有機態様の窒素を含有する有機物を第1の系に供給する工程と、
    前記第1の系に存在する第1の微生物により前記有機態様の窒素をアンモニア態様の窒素に変換して、前記有機物からアンモニア組成物を生成させる工程と、
    前記アンモニア組成物を前記第1の系から第2の系に供給する工程と、
    前記第2の系に存在する第2の微生物により前記アンモニア態様の窒素を硝酸態様の窒素に変換して、前記アンモニア組成物から硝酸組成物を生成させる工程と、
    前記第2の系から前記硝酸組成物を取り出す工程と、
    を備える有機肥料養液の製造方法。
  2. 前記アンモニア組成物を前記第1の系から前記第2の系に供給する工程は、前記アンモニア組成物を前記第1の系から前記第2の系に移動させるとともに、前記第1の微生物を前記第1の系に残す工程である、請求項1に記載の有機肥料養液の製造方法。
  3. 前記第2の系から前記硝酸組成物を取り出す工程は、前記硝酸組成物を前記第2の系から取り出すとともに、前記第2の微生物を前記第2の系に残す工程である、請求項1または2に記載の有機肥料養液の製造方法。
  4. 前記第1の系が前記第1の系の溶存酸素量を測定する第1の溶存酸素量測定手段を有し、
    前記第2の系が前記第2の系の溶存酸素量を測定する第2の溶存酸素量測定手段を有し、
    前記第1の溶存酸素量測定手段により測定される前記第1の系の溶存酸素量が所定の値を下回った場合に前記第1の系に空気及び/または酸素を供給し、
    前記第2の溶存酸素量測定手段により測定される前記第2の系の溶存酸素量が所定の値を下回った場合に前記第2の系に空気及び/または酸素を供給する、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の有機肥料養液の製造方法。
  5. 前記第1の系に撹拌手段が設けられ、
    前記窒素を含有する有機物を前記第1の系に供給する工程の後に、前記撹拌手段により前記第1の系に供給された前記窒素を含有する有機物を撹拌する工程が所定時間実行された後に、前記アンモニア組成物を前記第1の系から前記第2の系に供給する工程を実行する、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の有機肥料養液の製造方法。
  6. 前記撹拌手段により前記第1の系に供給された前記窒素を含有する有機物を撹拌する工程とともに、又は撹拌する工程が所定時間実行された後に、前記第1の系の泡を除去する工程を実行する、請求項5に記載の有機肥料養液の製造方法。
  7. 前記第2の系の水素イオン濃度を測定するpH測定手段を有し、
    前記pH測定手段の測定結果に対応して前記第2の系の水素イオン濃度が調整されるように、pH調整液を前記第2の系に供給する工程を備える、請求項1乃至6のいずれか1項に記載の有機肥料養液の製造方法。
  8. 有機態様の窒素を含有する有機物が供給される第1の容器と、
    前記第1の容器内に存在し、前記有機態様の窒素をアンモニア態様の窒素に変換する第1の微生物と、
    前記第1の微生物により前記有機物の前記有機態様の窒素が前記アンモニア態様の窒素に変換されて生成するアンモニア組成物を、前記第1の容器から第2の容器に供給するアンモニア組成物供給手段と、
    前記第2の容器内に存在し、前記アンモニア態様の窒素を硝酸態様の窒素に変換する第2の微生物と、
    前記第2の微生物により前記アンモニア組成物の前記アンモニア態様の窒素が前記硝酸態様の窒素に変換されて生成する硝酸組成物を、前記第2の容器から取り出す硝酸組成物取り出し手段と、
    を備える有機肥料養液の製造装置。
  9. 前記第1の容器内に設置される第1の担体を有し、及び/または前記第2の容器内に設置される第2の担体を有し、前記第1の微生物は前記第1の担体に担持される、及び/または前記第2の微生物は前記第2の担体に担持される、請求項8に記載の有機肥料養液の製造装置。
  10. 前記第1の容器内の溶存酸素量を測定する第1の溶存酸素量測定手段と、
    前記第2の容器内の溶存酸素量を測定する第2の溶存酸素量測定手段と、
    前記第1の溶存酸素量測定手段で測定される溶存酸素量が所定の値を下回った場合に、前記第1の容器に空気及び/または酸素を供給する第1の酸素供給手段と、
    前記第2の溶存酸素量測定手段で測定される溶存酸素量が所定の値を下回った場合に前記第2の容器に空気及び/または酸素を供給する第2の酸素供給手段と、
    を備える、請求項8または9に記載の有機肥料養液の製造装置。
  11. 前記第1の容器及び/または前記アンモニア組成物供給手段に、及び/または前記第1の容器と前記アンモニア組成物供給手段との間に、前記アンモニア組成物を通過させ前記第1の微生物を通過させない第1の分別手段を備える、請求項8乃至10のいずれか1項に記載の有機肥料養液の製造装置。
  12. 前記第2の容器及び/または前記硝酸組成物取り出し手段に、及び/または前記第2の容器と前記硝酸組成物取り出し手段との間に、前記硝酸組成物を通過させ前記第2の微生物を通過させない第2の分別手段を備える、請求項8乃至11のいずれか1項に記載の有機肥料養液の製造装置。
  13. 前記第1の容器内に設置された撹拌手段と、
    前記有機物を前記第1の容器に供給して前記撹拌手段で所定時間撹拌した後に、前記第1の容器において生成した前記アンモニア組成物を前記アンモニア組成物供給手段により前記第1の容器から前記第2の容器に供給させる組成物供給制御手段と、
    を備える、請求項8乃至12のいずれか1項に記載の有機肥料養液の製造装置。
  14. 前記第1の容器内の泡を除去する消泡手段を備える、請求項8乃至13のいずれか1項に記載の有機肥料養液の製造装置。
  15. 前記第2の容器内の水素イオン濃度を測定するpH測定手段と、
    該pH測定手段の測定結果に対応して前記第2の容器内の水素イオン濃度が調整されるように、pH調整液を前記第2の容器に供給する第3の容器と、
    を備える、請求項8乃至14のいずれか1項に記載の有機肥料養液の製造装置。
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