JP2017023469A - 放射線位相差撮影装置 - Google Patents

放射線位相差撮影装置 Download PDF

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Abstract

【課題】放射線位相差撮影装置において、移動式のコリメータを簡単な機構で実現させる。【解決手段】本発明の発明者は、コリメータCとマルチスリットSを一体化させる構成を着想している。本発明の構成によれば、コリメータCをマルチスリットSとは独立して装置に設けるよりもはるかに装置構成が簡単となる。一方、マルチスリットSを移動させる構成としても撮影に不具合が生じるということはない。したがって、本発明によれば放射線位相差撮影装置において、移動式のコリメータを簡単な機構で実現できる。【選択図】図1

Description

本発明は、物体を透過した放射線の位相差を利用して物体の内部構造をイメージングする放射線位相差撮影装置に関し、特に、スキャン撮影を実行するタイプの放射線位相差撮影装置に関する。
従来、物体に放射線を透過させて物体の内部構造をイメージングする放射線撮影装置として様々なものが考え出されている。このような放射線撮影装置の一般的なものとしては、物体に放射線を当て、物体を通過させることにより放射線の投影像を撮影するものである。このような投影像には、放射線を通しやすさに応じて濃淡が現れており、これが物体の内部構造を表している。
このような放射線撮影装置では、ある程度放射線を吸収する性質を有する物体しか撮影することができない。例えば生体軟部組織などは、放射線をほとんど吸収しない。一般的な装置でこのような組織を撮影したとしても、投影像にはほとんど何も写らない。このように放射線を吸収しない物体の内部構造をイメージングしようとするときは、一般的な放射線撮影装置では原理上の限界がある。
そこで、透過放射線の位相差を利用して物体の内部構造をイメージングする放射線位相差撮影装置が考え出されてきている。このような装置は、タルボ干渉を利用して物体の内部構造をイメージングする。
図17は、放射線位相差撮影装置を説明している。放射線位相差撮影装置は、放射線を照射する放射線源と、放射線の位相を揃えるマルチスリットと、スダレ状のパターンを有する位相格子と、放射線を検出する検出器とを備えている。図17の装置では、被写体は位相格子と検出器とに挟まれる位置に配置する構成となっている。マルチスリットは、縦長に伸びたスリットが横方向に配列して構成される。位相格子は、放射線を透過させにくい縦方向に伸びた遮蔽線が横方向に配列して構成されている。
放射線位相差撮影装置の原理について簡単に説明する。位相格子に位相の揃った放射線を照射すると、位相格子から特定の距離(タルボ距離)だけ離れた位置に位相格子の自己像が現れる。検出器は、この自己像が写り込むように位相格子との位置が調整されている。この自己像は、見た目は位相格子の影が映り込んだような像である。しかし、自己像は、放射線の干渉によって生じた干渉縞なのであり、単なる投影ではないことには注意が必要である。
位相格子と検出器との間に被写体を設置すると、位相格子を出射した放射線は、検出器で検出される前に被写体を透過するようになる。このとき検出器上に現れる自己像は、被写体を透過することによりわずかに乱れている。この乱れは、放射線が被写体を透過する間に位相がずれたことに起因している。
検出器で乱れた自己像を検出し、自己像に所定の画像処理を施せば、被写体を透過した放射線の位相差の分布を示す画像を生成することができる。この様な画像を透視画像と呼ぶことにする。放射線位相差撮影装置によれば、放射線を吸収しない被写体であっても被写体の内部構造を表した透視画像を生成することができる。
放射線位相差撮影装置に使われる検出器は、高価なものとなる。自己像が極めて微細なパターンでこれを捉えるには検出素子の微細化が必要だからである。自己像は、縞模様状のパターンであり、暗線が配列して構成されているが、この暗線の配列ピッチは自由に変更することができない。自己像は、光の干渉により生じる像である。したがって、位相格子に配列されている遮蔽線の配列ピッチは放射線の波長で決まる。被写体を透過させる必要性を考えると、放射線の波長はかなり短く設定する必要があり、その分、位相格子における遮蔽線の配列ピッチは小さくなる。したがって、自己像の暗線の配列ピッチも狭くなる。この様な微細な像を検出するには、それだけ空間分解能が高い検出器が必要となる。このような検出器は極めて高価である。
したがって、検出器が小さくても済むように、スキャン撮影を行う装置が考え出されている。すなわち、図18に示すように検出器を被写体に対して移動させながら複数回の撮影を行うことにより、自己像を撮影しようとするものである。図18によれば、検出器が小さすぎて一回の撮影では被写体の全てを撮影視野に収めることができない。しかし、検出器を動かしながら例えば3回の撮影を行い、このとき得られた3枚の自己像の断片をつなぎ合わせて1枚の自己像を得るようにすれば、検出器のサイズを小さくしても被写体全体に亘る吸収格子の自己像を得ることができる構成となる。検出器のサイズが小さければ、それだけ装置の製造コストを抑制することができる。
しかし図18の様な構成にすると、被写体に対して無用な被曝が生じてしまう。放射線源から出力される放射線の広がりは、被写体の全域に放射線が届くように広いものとなっている。しかし、図18に示すように、スキャン撮影の場合、被写体の全域を一度に撮影することはできないので、撮影は3回に分けて行われる。例えば1回目の撮影の場合、図19に示すように、自己像の撮影に必要な放射線は、放射線源から図の下方向に広がって検出器に入射するもののみであり、図19の斜線で示す放射線源から図の上方向に広がる放射線は、検出器で検出されない。したがって、斜線で示す放射線は、撮影に寄与しないのに被写体に照射されたいわば無用な放射線である。被写体が放射線照射により劣化する物性を有している場合や、被写体が生体の場合、この様な無用な放射線照射は避けるべきである。
スキャン撮影時において無用な放射線が被写体に照射することを避けるには、放射線を吸収するコリメータを設けるようにすればよいということになる(例えば特許文献1参照)。
なお、スキャン撮影でなくてもコリメータを設けた方がよい場合がある。被写体の一部だけを撮影するモードを設けたい場合がある。この様な場合、撮影に関係のない部分に放射が当たることがないようにコリメータを設けた方がよい。
特開2012−24339号公報
しかしながら、従来構成に係る装置は次のような問題点がある。
すなわち、コリメータを設けようとする装置構成が複雑になってしまうのである。
図20は、従来装置にコリメータを設けようとしたときに生じる問題点について説明している。スキャン撮影の場合、検出器を被写体に対して動かしながら連写が行われるわけであるが、撮影時に必要となる放射線ビームのパスが各撮影で異なるのである。すなわち、1回目の撮影では、被写体の下側を通過するように放射線を照射しなければならず、2回目の撮影では被写体の中央を通過するように放射線を照射しなければならない。そして、3回目の撮影では被写体の上側を通過するように放射線を照射しなければならない。
つまり、スキャン撮影に係る装置にコリメータを設けようとすると、検出器に連動してコリメータを移動させる機構が必要となる。図17ないし図20では、位相格子と検出器との間に広い空間があり、移動式のコリメータを新たに設けることは容易のように思える。しかし、実際は、移動式のコリメータを設けるのはかなり難しい。というのも、各図は、位相格子と検出器との間にかなりの余裕があるように描かれているが、これは説明を分かりやすくするためであり、実際の装置では、位相格子と検出器との間がこれほど離れているとは限らない。また、放射線源、マルチスリット、位相格子および検出器の位置関係は、厳密に定まっている。これら構成を決まった位置関係にしないと、検出器上で位相格子の自己像が生じないのである。この様な位置的な制約があるのに移動式のコリメータを新たに設けるのは相当難しい。
スキャン撮影ではなく、被写体の一部だけ撮影を行いたい場合でも、同様な問題が生じる。すなわち、放射線を被写体の一部に当てて撮影しようとする場合、放射線の広がりを制限したい場合がある。この制限を実現するには、やはり装置にコリメータを設ける必要がある。このコリメータは移動式にする必要がある。コリメータを固定式にすると、被写体の撮影範囲を変更することができないからである。しかしながら、上述のように装置に移動式のコリメータを新たに設けるのは相当難しい。
本発明は、この様な事情に鑑みてなされたものであって、その目的は、放射線位相差撮影装置において、移動式のコリメータを簡単な機構で実現させることにある。
本発明は上述の課題を解決するために次のような構成をとる。
すなわち、本発明に係る放射線位相差撮影装置は、(A)放射線を照射する放射線源と、(B)放射線源から発生した放射線を通過させることにより放射線の位相を揃えるマルチスリットと、放射線の広がりを制限するコリメータとが重ね合わされて一体化して構成されるユニットと、(C)放射線を吸収する縦方向に伸びる吸収体が横方向に配列されているとともに放射線を透過させるとタルボ干渉が生じる位相格子と、(D)位相格子の自己像を検出する検出器がこの順に設けられており、(E)ユニットと検出器との間に位置する被写体に対し放射線の照射方向と直交する方向にユニットを移動させることにより、ユニットでコリメートされた放射線が被写体に入射する位置を変更させるユニット移動機構を備えることを特徴とするものである。
[作用・効果]本発明によれば、簡単な機構を設けるだけで移動式のコリメータを放射線位相差撮影装置に設けることができる。すなわち、本発明によれば、コリメータとマルチスリットが一体化された構成となっている。従って、本発明のコリメータを移動させる場合は、マルチスリットも追従して移動することになる。
従来的な技術常識で言えば従来構成のマルチスリットは装置内に固定される構成となっている。マルチスリットを移動させる必要性が見いだされていなかったからである。本発明の発明者は、コリメータとマルチスリットを一体化させる構成を着想している。本発明の構成によれば、コリメータをマルチスリットとは独立して装置に設けるよりもはるかに装置構成が簡単となる。一方、マルチスリットを移動させる構成としても撮影に不具合が生じるということはない。
また、上述の放射線位相差撮影装置において、放射線源がユニットに一体化されており、ユニット移動機構は、マルチスリット、コリメータおよび放射線源を一体的に移動させればより望ましい。
[作用・効果]上述の構成によれば、放射線源とコリメータとの位置関係が保たれた構成となっている。したがって、コリメータを被写体に対して移動させると、放射線源もコリメータに追従して移動することになる。すると、コリメータの移動に関わらず放射線は常にコリメータに直交する方向から照射されることになる。この様にすると、常に強い線量で被写体の撮影が行えるようになる。
また、本発明に係る放射線位相差撮影装置は、(A)放射線を照射する放射線源と、(C1)放射線を吸収する縦方向に伸びる吸収体が横方向に配列されているとともに放射線を透過させるとタルボ干渉が生じる位相格子と、放射線の広がりを制限するコリメータとが重ね合わされて一体化して構成されるユニットと、(D)位相格子の自己像を検出する検出器がこの順に設けられており、(E)ユニットと検出器との間に位置する被写体に対し放射線の照射方向と直交する方向にユニットを移動させることにより、ユニットでコリメートされた放射線が被写体に入射する位置を変更させるユニット移動機構を備えることを特徴とするものである。
[作用・効果]本発明は位相格子とコリメータとを一体化させても実現できる。すなわち、本発明によれば、コリメータと位相格子が一体化された構成となっている。従って、本発明のコリメータを移動させる場合は、位相格子も追従して移動することになる。
従来的な技術常識で言えば従来構成の位相格子は装置内に固定される構成となっている。位相格子を移動させる必要性が見いだされていなかったからである。本発明の発明者は、コリメータと位相格子を一体化させる構成を着想している。本発明の構成によれば、コリメータを位相格子とは独立して装置に設けるよりもはるかに装置構成が簡単となる。一方、位相格子を移動させる構成としても撮影に不具合が生じるということはない。
また、上述の放射線位相差撮影装置において、放射線源から発生した放射線を通過させることにより放射線の位相を揃えるマルチスリットが放射線源とユニットとの間に設けられていればより望ましい。
[作用・効果]上述の構成は本発明のより具体的な構成を示している。コリメータと位相格子が一体化された場合でも、マルチスリットを備えるような装置構成を採用することができる。
また、上述の放射線位相差撮影装置において、ユニットの移動に同期して検出器を放射線の照射方向と直交する方向に移動させる検出器移動機構と、ユニットおよび検出器を移動させながら連写して得られた複数の画像をつなぎ合わせて単一の画像を生成する画像結合部を備えればより望ましい。
[作用・効果]上述の構成は本発明のより具体的な構成を示している。検出器を移動させるようにすれば、検出器を小さくすることができる。スキャン撮影をすることにより広範囲について位相格子の自己像を撮影することができるからである。
また、上述の放射線位相差撮影装置において、放射線を吸収する縦方向に伸びる吸収体が横方向に配列されている吸収格子が検出器における放射線の入射面を覆うように設けられていればより望ましい。
[作用・効果]上述の構成は本発明のより具体的な構成を示している。吸収格子が検出器における放射線の入射面を覆うように設けられていれば、検出器の空間分解能が低くても位相格子の自己像をイメージングすることができる。
本発明によれば、簡単な機構を設けるだけで移動式のコリメータを放射線位相差撮影装置に設けることができる。従来的な技術常識で言えば従来構成のマルチスリットは装置内に固定される構成となっている。マルチスリットを移動させる必要性が見いだされていなかったからである。本発明の発明者は、コリメータとマルチスリットを一体化させる構成を着想している。本発明の構成によれば、コリメータをマルチスリットとは独立して装置に設けるよりもはるかに装置構成が簡単となる。一方、マルチスリットを移動させる構成としても撮影に不具合が生じるということはない。
実施例1に係るX線位相差撮影装置の全体構成を説明する機能ブロック図である。 実施例1に係るスキャン撮影について説明する模式図である。 実施例1の装置を構成する各部の位置関係を説明する模式図である。 実施例1に係るスキャン撮影時における各部の移動について説明する模式図である。 本発明の1変形例に係る装置を構成する各部の位置関係を説明する模式図である。 本発明の1変形例に係るスキャン撮影時における各部の移動について説明する模式図である。 本発明の1変形例が有する利点を説明する模式図である。 本発明の1変形例が有する利点を説明する模式図である。 本発明の1変形例に係る装置を構成する各部の位置関係を説明する模式図である。 本発明の1変形例に係る装置を構成する各部の位置関係を説明する模式図である。 本発明の1変形例に係る装置を構成する各部の位置関係を説明する模式図である。 本発明の1変形例に係るスキャン撮影時における各部の移動について説明する模式図である。 本発明の1変形例が有する利点を説明する模式図である。 本発明の1変形例に係る装置を構成する各部の位置関係を説明する模式図である。 本発明の1変形例に係る装置を構成する各部の位置関係を説明する模式図である。 本発明の1変形例に係る装置を構成する各部の位置関係を説明する模式図である。 従来構成の放射線位相差撮影装置の構成について説明する模式図である。 従来構成の放射線位相差撮影装置の構成について説明する模式図である。 従来構成の放射線位相差撮影装置の構成について説明する模式図である。 従来構成の放射線位相差撮影装置の問題点について説明する模式図である。
以下、図面を参照しながら本発明を実施するための形態について説明する。X線は本発明に係る放射線に相当し、FPDは、フラットパネルディテクタの略である。
図1は、本発明に係るX線位相差撮影装置1の全体構成を示している。本発明に係るX線位相差撮影装置の構成は、図1に示すように、被写体Mを載置する載置台2と、載置台2に向けてX線を照射するX線源3と、載置台2を透過してきたX線を検出するFPD4とを備えている。X線源3は、図1の紙面下側に向けてX線を照射する。このとき照射されるX線はある程度の広がりを持ったビームとなっている。FPD4は、X線を検出する検出面を備えている。FPD4は、細長状の形状をしている。図1における紙面貫通方向は、FPD4の長手方向、紙面左右方向は、FPD4の短手方向に相当する。FPD4は、後述する位相格子5の自己像を検出する。FPD4は本発明の検出器に相当する。
X線源3と載置台2の間には、タルボ干渉に関する種々の部品が取り付けられている。X線源3の近傍には、X線の位相を揃えるマルチスリットSが設けられている。このマルチスリットSは、X線を透過させない素材で構成され、縦方向に細長状の貫通孔が横方向に配列されている。したがって、マルチスリットSに入射したX線の一部はこの貫通孔を通じてマルチスリットSを通過することができる。マルチスリットSにX線を透過させると、位相がバラバラだったX線の位相が揃い、X線のコヒーレント性が高まる。マルチスリットSは、X線源3から発生したX線を通過させることによりX線の位相を揃える構成である。
X線源3と載置台2の間には、マルチスリットSとは別に、位相格子5が設けられている。この位相格子5は、横方向に伸びた線状の吸収体が縦方向に配列されて構成されている。この吸収体は、X線を吸収する性質がある。したがって、位相格子5にX線を透過させると、吸収体に入射したX線は、そこで吸収され、2つの吸収体の間に入射したX線はそのまま透過する。FPD4には、位相格子5のパターンを表した自己像が投影される。この自己像は、単なる位相格子5の投影像ではないことには注意が必要である。自己像は、位相格子5により干渉したX線がFPD4上で発生させた干渉縞なのである。自己像は、FPD4により検出される。吸収体の伸びる方向は、図1の紙面左右方向に相当する。位相格子5は、X線を吸収する縦方向に伸びる吸収体が横方向に配列されているとともにX線を透過させるとタルボ干渉が生じる構成となっている。
自己像画像生成部11は、FPD4が出力するX線検出データに基づいて位相格子5の自己像をイメージングした自己像画像を生成する。自己像画像は、位相格子5の縞模様が写り込んだものとなっている。この自己像画像は、透視画像生成部12に送出される。透視画像生成部12は、自己像画像上の縞模様の乱れを解釈してX線の位相のズレをイメージングした透視画像を生成する。透視画像には、被写体Mの場所によって異なるX線の位相のズレが可視化されたものとなっており、被写体Mの内部構造を示したものとなっている。自己像画像生成部11は、マルチスリットS(後述の移動ユニットC,S)およびFPD4を移動させながら連写して得られた複数の画像をつなぎ合わせて単一の画像を生成する。自己像画像生成部11は本発明の画像結合部に相当する。
X線源3,マルチスリットS(後述の移動ユニットC,S),位相格子5,載置台2およびFPD4は、この順に配置される。図1の場合、載置台2が位相格子5とFPD4との間に設けられているが、マルチスリットSと位相格子5の間に載置台2を設けるようにしてもよい。いずれにしてもX線源3,マルチスリットS,位相格子5およびFPD4の位置関係は、比較的厳密に決定される。FPD4の検出面上に位相格子5の自己像を発生させるには、これら部品が所定の位置関係を有していなければならないからである。
コリメータCは、X線を透過させない素材で構成され、細長状の窓を有している。X線はこの窓を通じてコリメータCを通過することができる。コリメータCは、マルチスリットSと似たような構成となっているように思われるかもしれないが、次のような違いがある。マルチスリットSは、複数の貫通孔が配列されているのに対し、コリメータCは、単一の窓しか持たない。また、マルチスリットSの貫通孔は、数μmの横幅を有しているのに対し、コリメータCの窓の横幅(長手方向と直交する方向の幅)は大きく、0.数mm〜数十mm程度である。コリメータCの窓は、FPD4の形状に即している。図1における紙面貫通方向は、窓の長手方向、紙面左右方向は、窓の短手方向に相当する。コリメータCは、X線源3から照射されるX線のうち、FPD4の検出面全域を照射するのに必要でない余計なX線が被写体Mに向かわないようにX線を制限する構成となっている。
<本発明の特徴的な構成>
本発明の特徴的な構成は、コリメータCとマルチスリットSが互いに重ね合わされて(貼り合わされて)一体化して移動ユニットC,Sを構成していることにある。コリメータCを移動させるとマルチスリットSがこれに追従して移動し、互いの位置関係は変化しない。コリメータCの移動は移動ユニット駆動機構13が実現する。この機構によりコリメータCは、図1の紙面左右方向に移動することができる。移動ユニット駆動制御部14は、移動ユニット駆動機構13を制御する構成である。移動ユニット駆動機構13は、移動ユニットC,SとFPD4との間に位置する被写体Mに対しX線の照射方向と直交する方向に移動ユニットC,Sを移動させる。これにより、移動ユニットC,SでコリメートされたX線が被写体Mに入射する位置が変更される。移動ユニット駆動機構13は本発明のユニット移動機構に相当する。
本発明に係るFPD4も移動させることができる。FPD4の移動はFPD移動機構15が実現する。この機構によりFPD4は、図1の紙面左右方向に移動することができる。FPD移動制御部16は、FPD移動機構15を制御する構成である。FPD移動機構15は、移動ユニットC,Sの移動に同期してFPD4をX線の照射方向と直交する方向に移動させる構成である。FPD移動機構15は本発明の検出器移動機構に相当する。
主制御部21は、CPUで構成され、各部11,12,14,16を実現するプログラムを実行する。各部11,12,14,16はそれぞれを担当する演算装置により実現されていてもよい。操作卓25は、操作者の指示を入力する構成であり、表示部26は、透視画像を表示する構成である。記憶部27は、装置の制御に係るパラメータの一切を記憶している。
<スキャン撮影について>
本発明に係るFPD4は、コストを抑制する必要性から、細長状の形状となっている。したがって、被写体Mの狭い範囲しか一度に撮影することができない。したがって、本発明に係る装置は、FPD4を動かしながら複数回に亘り撮影を繰り返すことで被写体全域の撮影を行う構成となっている。この様な撮影方法をスキャン撮影と呼ぶ。
図2は、本発明に係るスキャン撮影について説明している。図2の例では、3回に分けて被写体Mの撮影を行っている。1回目の撮影では、FPD4は被写体Mの右側に位置している。このとき、被写体Mの右側について撮影される。2回目の撮影では、FPD4は被写体Mの中央に位置している。このとき、被写体Mの中央について撮影される。3回目の撮影では、FPD4は被写体Mの左側に位置している。このとき、被写体Mの左側について撮影される。1回目、2回目、3回目の撮影で得られた3つの画像断片を位置合わせしてつなぎ合わせれば、自己像画像を被写体Mの全域について得ることができる。このようなつなぎ合わせは、自己像画像生成部11が実行する。
つなぎ合わせ処理によって生成された自己像画像には、位相格子5の自己像が写り込んでいるが、所々被写体Mの影響を受けて歪んでいる。X線が被写体Mを透過する間にX線の位相に差がついてしまい、この差が自己像の乱れとして現れているのである。自己像画像には、被写体全域に対応する自己像の乱れを表したものとなっているので、この自己像画像から被写体全域についての透視画像を生成することができる。ちなみに、自己像画像に現れる暗線の伸びる方向はFPD4の移動方向に対応している。これは、位相格子5の吸収体の伸びる方向がFPD4の移動方向に一致していることに起因する。
本発明に係る装置は、コリメータCを設けているので、被写体Mに対する無用な被曝を抑制することができる。図3はその点について説明している。コリメータCは、X線源3から見てマルチスリットSの手前側に設けられており、FPD4の検出面に入射するX線を窓から透過させ、それ以外のX線を吸収する構成となっている。しかし、スキャン撮影の実行中は、FPD4は被写体Mに対して移動するので、FPD4の検出面も伴って移動してしまう。
したがって、本発明に係る装置では、スキャン撮影の実行中に移動ユニットC,Sを移動させる構成となっている。図4は、スキャン撮影時における各部の位置関係を示したものとなっており、斜線で強調したコリメータC,マルチスリットSから構成される移動ユニットC,SおよびFPD4が、スキャン撮影中に移動する。一方、斜線で強調していないX線源3,位相格子5および被写体Mはスキャン撮影中に移動しない。
図4の上段は、一連のスキャン撮影における1回目の撮影を示している。移動ユニットC,Sは、X線源3に対して図4の紙面下側に位置しているので、移動ユニットC,Sから出射するX線ビームは、下側に偏っている。このX線ビームは、被写体Mの下側を通過し、X線ビームの全ては、やはりX線源3に対して下側に位置しているFPD4に入射しそこで検出される。
図4の中段は、一連のスキャン撮影における2回目の撮影を示している。移動ユニットC,Sは、X線源3と同じ高さに位置しているので、移動ユニットC,Sから出射するX線ビームは、偏りがない。このX線ビームは、被写体Mの中央を通過し、X線ビームの全ては、やはりX線源3と同じ高さに位置しているFPD4に入射しそこで検出される。
図4の下段は、一連のスキャン撮影における3回目の撮影を示している。移動ユニットC,Sは、X線源3に対して図4の紙面上側に位置しているので、移動ユニットC,Sから出射するX線ビームは、上側に偏っている。このX線ビームは、被写体Mの上側を通過し、X線ビームの全ては、やはりX線源3に対して上側に位置しているFPD4に入射しそこで検出される。
このように、移動ユニットC,Sは、追い抜こうとするFDP4から逃げるように移動するとともに、FPD4に追い抜かれた後はFPD4を追いかけるように移動し、各撮影のいずれの場合でもFPD4の検出面に入射するX線を透過させ、それ以外のX線を吸収する。スキャン撮影中の移動ユニットC,SとFPD4は同じ方向に移動するものの、移動距離は互いに異なっている。スキャン撮影においては、X線源3に近い移動ユニットC,SよりもX線源3から遠いFPD4の方が大きく移動する。これは、X線ビームが放射状に広がることに起因している。
以上のように、本発明によれば、簡単な機構を設けるだけで移動式のコリメータCをX線位相差撮影装置に設けることができる。すなわち、本発明によれば、コリメータCとマルチスリットSが一体化された構成となっている。従って、本発明のコリメータCを移動させる場合は、マルチスリットSも追従して移動することになる。
従来的な技術常識で言えば従来構成のマルチスリットSは装置内に固定される構成となっている。マルチスリットSを移動させる必要性が見いだされていなかったからである。本発明の発明者は、コリメータCとマルチスリットSを一体化させる構成を着想している。本発明の構成によれば、コリメータCをマルチスリットSとは独立して装置に設けるよりもはるかに装置構成が簡単となる。一方、マルチスリットSを移動させる構成としても撮影に不具合が生じるということはない。マルチスリットSは、同じパターンが繰り返し配列されて構成されているから、マルチスリットSの同じ部分を使い回してスキャン撮影を実行しても支障はないからである。
本発明は、上述の構成に限られず、下記のように変形実施することもできる。
(1)上述の構成によれば、コリメータCとマルチスリットSとが一体化した構成であったが、本発明はこの構成に限られない。図5に示すようにコリメータCと位相格子5とを重ね合わせて(貼り合わされて)一体化させて移動ユニットC,5を構成するようにしてもよい。この場合、マルチスリットSにはコリメータを設ける必要はない。
図6は、本変形例に係るスキャン撮影時における各部の位置関係を示したものとなっており、斜線で強調したコリメータC,位相格子5から構成される移動ユニットC,5およびFPD4が、スキャン撮影中に移動する。一方、斜線で強調していないX線源3,マルチスリットSおよび被写体Mはスキャン撮影中に移動しない。
図6の上段、中段、下段に示すように、移動ユニットC,5を移動させることでX線ビームの方向に偏りを持たせながら撮影を実行する様子は図4で説明した実施例1と同様である。
図6に示すように、移動ユニットC,5は、追い抜こうとするFDP4から逃げるように移動するとともに、FPD4に追い抜かれた後はFPD4を追いかけるように移動し、各撮影のいずれの場合でもFPD4の検出面に入射するX線を透過させ、それ以外のX線を吸収する。スキャン撮影中の移動ユニットC,5とFPD4は同じ方向に移動するものの、移動距離は互いに異なっているもの、図4で説明した実施例1と同様である。
このようにコリメータCを位相格子5に設けると次のような利点がある。実は、コリメータCは、できるだけFPD4側に配置した方が鮮明な透視画像を得ることができる。図7,図8はその理由について説明している。図7は、X線源3から照射したX線をコリメータで制限したあと、ある投影面に投影させる様子を示している。
X線源3は、ある焦点からX線を発生させているわけであるが、焦「点」といっても、実はある程度の広がりを有している。すなわち、図7に示すようにX線源3は、ある程度の広さを持ったX線発生範囲全体からX線を発生させているのである。透視画像を得ようとする場合は、X線は1点から発するのが理想である。しかし、実際は図7に示すように理想通りとはならない。
図7は、コリメータCをX線源3の近くに置いた場合を示している。X線発生範囲の一端で生じたX線と他端で生じたX線がどのようにコリメータを通過して投影面に投影されるかを比較してみる。すると、X線発生範囲の一端で生じたX線が投影面に向かうときのパスとX線発生範囲の他端で生じたX線が投影面に向かうときのパスとが大きく食い違っていることが分かる。
図7の場合、投影面が投影されるコリメータの影を観察すると、窓枠に当たる部分がはっきりしていない。投影面において符号dで表した領域では、X線発生範囲の一端で生じたX線はコリメータに阻まれずに入射するが、他端で生じたX線はコリメータに阻まれて入射しないというような現象が起こっている。したがって、符号dで示した領域は、コリメータの影であるかないかはっきりしないグレーゾーンとなる。このようなグレーゾーンが投影されるような構成は鮮明な透視画像を得る上で望ましくない。
図8は、コリメータCをX線源3から離して置いた場合を示している。X線発生範囲の一端で生じたX線と他端で生じたX線がどのようにコリメータを通過して投影面に投影されるかを比較してみる。すると、X線発生範囲の一端で生じたX線が投影面に向かうときのパスとX線発生範囲の他端で生じたX線が投影面に向かうときのパスとはさほど変わらないことが分かる。
図8の場合、図7の符号dで示したグレーゾーンがかなり小さくなっていることが分かる。このようにグレーゾーンが小さいことは鮮明な透視画像を得る上で望ましいことである。本発明の場合、マルチスリットSよりも位相格子5の方がX線源3から離れている。したがって、本変形例のように位相格子5にコリメータCを設けるようにした方が、鮮明な透視画像を得ることができるのである。
本発明は位相格子5とコリメータCとを一体化させても実現できる。すなわち、本発明によれば、コリメータCと位相格子5が一体化された構成となっている。従って、本発明のコリメータCを移動させる場合は、位相格子5も追従して移動することになる。
従来的な技術常識で言えば従来構成の位相格子5は装置内に固定される構成となっている。位相格子5を移動させる必要性が見いだされていなかったからである。本発明の発明者は、コリメータCと位相格子5を一体化させる構成を着想している。本発明の構成によれば、コリメータCを位相格子5とは独立して装置に設けるよりもはるかに装置構成が簡単となる。一方、位相格子5を移動させる構成としても撮影に不具合が生じるということはない。位相格子5は、同じパターンが繰り返し配列されて構成されているから、位相格子5の同じ部分を使い回してスキャン撮影を実行しても支障はないからである。
(2)位相格子5にコリメータCを設ける変形例のバリエーションとして、図9に示すようにマルチスリットSを省略した構成が挙げられる。X線源3にはマルチスリットSなしでも単独でコヒーレント性の高いX線が出力できるものがある。この様なX線源3は、図7,図8で説明したX線発生範囲にダイアモンド皮膜を等間隔に配置した構成となっており、ストライプ状のX線ビームを発生させる構成となっている。ストライプ状のX線ビームは広がる間に干渉し、位相の揃ったX線ビームとなる。したがって、図9の構成では、マルチスリットSを省略してもタルボ干渉によるX線位相差をイメージングすることができる。
(3)実施例1の構成によれば、FPD4の検出面には何も設けられていなかったが、本発明はこの構成に限られない。図10に示すように、FPD4の検出面を覆うように吸収格子を設けるようにしてもよい。吸収格子は、X線を吸収する細長状の吸収体がストライプ状に配列されて構成されており、位相格子5の自己像との間でモアレを発生させる格子である。FPD4はこのモアレを検出することになる。本変形例に係る自己像画像生成部11は、モアレの解析により自己像を再構成することができる。吸収格子は、X線を吸収する縦方向に伸びる吸収体が横方向に配列されている吸収格子がFPD4におけるX線の入射面を覆うように設けられている。
この場合、スキャン撮影と吸収格子の移動とを交互に繰り返すことにより被写体全体に亘るモアレ像が何度も撮影される。1度のスキャン撮影において、モアレが写り込むモアレ画像の断片が例えば3回撮影されるとする。これら3枚の断片の撮影はFPD4と吸収格子との位置関係は一定のまま実行される。得られた3枚の断片は自己像画像生成部11でつなぎ合わされて被写体全体に亘るモアレ像が生成される。こうして1回目のスキャン撮影が終了し、一枚のモアレ像が生成される。変形例の構成では、FPD4に対する吸収格子の位置関係を変えながら、2回目、3回目、4回目とスキャン撮影を実行し、そのたびに被写体全体に亘るモアレ像が生成される。自己像画像生成部11は、これら一連のモアレ像に基づいて位相格子5の自己像画像を生成する。
本変形例によればFPD4の空間分解能が低くても位相格子5の自己像をイメージングすることができる。
(4)実施例1の構成によれば、移動ユニットは、コリメータCおよびマルチスリットSとで構成されていたが、本発明はこの構成に限られない。図11に示すようにコリメータC,マルチスリットSにX線源3を一体的に移動させるようにしてもよい。本変形例の移動ユニット3,C,Sは、X線源3をも含むと捉えることもできる。
図12は、本変形例に係るスキャン撮影時における各部の位置関係を示したものとなっており、斜線で強調したX線源3,コリメータC,マルチスリットSから構成される移動ユニット3,C,SおよびFPD4が、スキャン撮影中に移動する。このとき移動ユニット3,C,Sを構成する各部は相対的な位置関係を保ったまま移動する。一方、斜線で強調していない位相格子5および被写体Mはスキャン撮影中に移動しない。
また、実施例1の構成においては、スキャン撮影中における移動ユニットC,SとFPD4との移動速度は一定ではなかったが、本変形例に係るスキャン撮影の場合、移動ユニット3,C,SおよびFPD4は同方向に同一速度で移動する。したがって、スキャン撮影中の移動ユニット3,C,SとFPD4とは互いの相対位置を保った状態で移動する。
本変形例の場合、図12の上段、中段、下段に示すように、移動ユニット3,C,Sを移動させてもX線ビームの出射方向に変化はなく、X線源3から発したX線は最短距離でFPD4に入射する。この構成は、X線ビームの方向に偏りを持たせながら撮影を実行する実施例1の構成とは異なる。
この様な構成とした利点について説明する。実施例1の場合、画像の断片を撮影する際にマルチスリットSにX線を斜めに当てることがある。マルチスリットSは、X線を確実に吸収できるように厚みを持った部材で構成されている。この様なマルチスリットSを正面から見ると、図13左側に示すようにあたかも厚みがなく、貫通孔が整然と並んでいるように見える。しかし、マルチスリットSを斜め方向から見たとすると、図13右側に示すようにマルチスリットSの側面が見えるようになる。この事情は貫通孔の内部でも同じであるので、貫通孔の一部が閉塞したように見える。つまり、マルチスリットSに対しX線を斜め方向に当てると、貫通孔を通過したX線の一部はマルチスリットSの側面により吸収されてしまう。このような現象はX線をマルチスリットSの正面から当てるときには起こりえない。
この様な事情から、X線をマルチスリットSに直交する方向に当てた方が斜め方向に当てるよりもマルチスリットSを通過するX線は多くなる。本変形例の場合、X線は常に直交する方向からマルチスリットSに入射するので、常に強いX線量で断片の撮影ができ、各断片を撮影するときに露光不足が生じることがない。
(5)上述の変形例(4)では、移動ユニットはコリメータC,マルチスリットS,X線源3で構成されていたが、これにFPD4を加えてもよい。そうすることにより、図1に示すFPD移動機構15およびFPD移動制御部16を省略することができる。
(6)実施例1の構成では、マルチスリットSのX線源3側の面にコリメータCが設けられていたが、本発明はこの構成限られない。図14に示すようにマルチスリットSのFPD4側の面にコリメータCを設けるようにしてもよい。
(7)上述の変形例(1),(2)の構成では、位相格子5のX線源3側の面にコリメータCが設けられていたが、本発明はこの構成限られない。図15に示すように位相格子5のFPD4側の面にコリメータCを設けるようにしてもよい。
(8)実施例1の構成では、FPD4はコンパクト化されていたが、本発明はこの構成に限られない。図16に示すようにFPD4を大型なものとし、FPD4の一部でX線を検出するようにしてもよい。この様な装置構成は、被写体Mの一部だけを撮影したい場合に有効である。本変形例の構成では、FPD4を必ずしも移動させる必要はなく、FPD移動機構15およびFPD移動制御部16を設ける必要は必ずしもない。
(9)その他、本発明に係る実施例1および変形例を組み合わせて実施するようにしてもよい。
C コリメータ
S マルチスリット
3 X線源(放射線源)
4 FPD(検出器)
5 位相格子
11 自己像生成部(画像結合部)
13 移動ユニット駆動機構(ユニット移動機構)
15 FPD移動機構(検出器移動機構)

Claims (6)

  1. (A)放射線を照射する放射線源と、
    (B)前記放射線源から発生した放射線を通過させることにより放射線の位相を揃えるマルチスリットと、放射線の広がりを制限するコリメータとが重ね合わされて一体化して構成されるユニットと、
    (C)放射線を吸収する縦方向に伸びる吸収体が横方向に配列されているとともに放射線を透過させるとタルボ干渉が生じる位相格子と、
    (D)前記位相格子の自己像を検出する検出器がこの順に設けられており、
    (E)前記ユニットと前記検出器との間に位置する被写体に対し放射線の照射方向と直交する方向に前記ユニットを移動させることにより、前記ユニットでコリメートされた放射線が被写体に入射する位置を変更させるユニット移動機構を備えることを特徴とする放射線位相差撮影装置。
  2. 請求項1に記載の放射線位相差撮影装置において、
    前記放射線源が前記ユニットに一体化されており、前記ユニット移動機構は、前記マルチスリット、前記コリメータおよび前記放射線源を一体的に移動させることを特徴とする放射線位相差撮影装置。
  3. (A)放射線を照射する放射線源と、
    (C1)放射線を吸収する縦方向に伸びる吸収体が横方向に配列されているとともに放射線を透過させるとタルボ干渉が生じる位相格子と、放射線の広がりを制限するコリメータとが重ね合わされて一体化して構成されるユニットと、
    (D)前記位相格子の自己像を検出する検出器がこの順に設けられており、
    (E)前記ユニットと前記検出器との間に位置する被写体に対し放射線の照射方向と直交する方向に前記ユニットを移動させることにより、前記ユニットでコリメートされた放射線が被写体に入射する位置を変更させるユニット移動機構を備えることを特徴とする放射線位相差撮影装置。
  4. 請求項3に記載の放射線位相差撮影装置において、
    前記放射線源から発生した放射線を通過させることにより放射線の位相を揃えるマルチスリットが前記放射線源と前記ユニットとの間に設けられていることを特徴とする放射線位相差撮影装置。
  5. 請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の放射線位相差撮影装置において、
    前記ユニットの移動に同期して前記検出器を放射線の照射方向と直交する方向に移動させる検出器移動機構と、
    前記ユニットおよび前記検出器を移動させながら連写して得られた複数の画像をつなぎ合わせて単一の画像を生成する画像結合部を備えることを特徴とする放射線位相差撮影装置。
  6. 請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の放射線位相差撮影装置において、
    放射線を吸収する縦方向に伸びる吸収体が横方向に配列されている吸収格子が前記検出器における放射線の入射面を覆うように設けられていることを特徴とする放射線位相差撮影装置。
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