JP2017023055A - 細胞管理システム、プログラム、及び、細胞管理方法 - Google Patents

細胞管理システム、プログラム、及び、細胞管理方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2017023055A
JP2017023055A JP2015145248A JP2015145248A JP2017023055A JP 2017023055 A JP2017023055 A JP 2017023055A JP 2015145248 A JP2015145248 A JP 2015145248A JP 2015145248 A JP2015145248 A JP 2015145248A JP 2017023055 A JP2017023055 A JP 2017023055A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cell
timing
cell group
target
target cell
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2015145248A
Other languages
English (en)
Inventor
竜馬 備瀬
Tatsuma Bise
竜馬 備瀬
将慶 籠田
Shokei Kagota
将慶 籠田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Dai Nippon Printing Co Ltd
Original Assignee
Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Dai Nippon Printing Co Ltd filed Critical Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority to JP2015145248A priority Critical patent/JP2017023055A/ja
Publication of JP2017023055A publication Critical patent/JP2017023055A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Investigating Or Analysing Biological Materials (AREA)
  • Investigating Or Analysing Materials By Optical Means (AREA)
  • Apparatus Associated With Microorganisms And Enzymes (AREA)
  • Measuring Or Testing Involving Enzymes Or Micro-Organisms (AREA)
  • Image Analysis (AREA)

Abstract

【課題】種々のタイミングにおける細胞の状態を容易に把握することが可能な細胞管理システム等の提供。
【解決手段】対象細胞に課されたイベントの前後の各タイミングにおいて、遊走速度、細胞数又は細胞サイズなどの対象細胞群の細胞挙動指標を算出し、対象細胞群の動きの活発さを示す活動度又は対象細胞群の増殖能力を示す増殖度の増減など任意のタイミングにおける対象細胞群の細胞挙動指標の変位を検出することによってその比較を行うとともに、当該比較結果に基づいて、任意のタイミングにおける対象細胞群の状態を把握する構成を有している細胞品質評価システム。
【選択図】図5

Description

本発明は、細胞を管理する際の画像解析システムなどに関する。
近年、対象となる細胞(以下、「対象細胞」という。)や細胞群(以下、「対象細胞群」という。)を再生医療や不妊治療をはじめとする医療技術の進歩に伴って、対象細胞や対象細胞群について、非侵襲にかつ簡単に評価する技術や細胞の増殖又は抑制などの状況を非侵襲にかつ簡単に観察するための技術の研究も進んでいる。
特に、最近では、非侵襲的な手法として、対象細胞や対象細胞群を画像化し、当該画像に対して画像解析を用いることによって該当する細胞を観察する技術が知られており、例えば、時系列のタイムラプス画像を用いて各細胞を検出する技術(例えば、非特許文献1及び2)や各細胞のトラッキングを行うトラッキング技術(例えば、非特許文献3及び4)が知られている。
また、複数の画像を用いて注目した細胞の運動状態を定量的に把握する画像装置(例えば特許文献1)、及び、複数の画像から細胞の異なる形態的な特徴を示す特徴量を算出し、当該特徴量に基づいて各細胞の評価を行う装置(例えば、特許文献2)なども知られている。
特開2009−229276号公報 特開2011−229410号公報
Zhaozheng Yin, Takeo Kanade, Mei Chen:「Understanding the Phase Contrast Optics to Restore Artifact-Free Microscopy Images for Segmentation」Medical Image Analysis 16(5): 1047-1062 (2012) Zhaozheng Yin, Ryoma Bise, Mei Chen and Takeo Kanade:「Cell Segmentation in Microscopy Imagery Using a Bag of Local Bayesian Classifiers」IEEE International Symposium on Biomedical Imaging (ISBI) 2010 Ryoma Bise, Zhaozheng Yin, Takeo Kanade:「Reliable Cell Tracking By Global Data Association」IEEE International Symposium on Biomedical Imaging 2011 Takeo Kanade, Zhaozheng Yin, Ryoma Bise, Seungil Huh, Sungeun Eom, Michael Sandbothe and Mei Chen:「Cell Image Analysis: Algorithms, System and Applications」IEEE Workshop on Applications of Computer Vision (WACV) 2011
一方、対象細胞を治療に用いる場合やその生産を行う生産工程においては、採取時、培養時、移植時、凍結又は回答、及び輸送時など種々のタイミングで細胞にダメージを与える場合も多く、各タイミングや他のタイミングと比較した際の対象細胞の状態を把握することが求められている。
しかしながら、上述の各特許文献の装置であっては、細胞の状態を種々のタイミングにおいて把握することはできない。
本発明は、上述の課題を解決するためになされたものであって、その目的は、種々のタイミングにおける細胞の状態を容易に把握することが可能な細胞管理システム等を提供することにある。
上述した課題を解決するため、本発明は、第1のタイミングにて、評価対象としての複数の細胞から構成される細胞群である対象細胞群が撮像されることによって画像化された対象画像のデータを対象画像データとして時系列に沿って複数取得するとともに、当該第1のタイミングと異なる第2のタイミングにて前記対象細胞群又は当該対象細胞群から派生した対象細胞群の画像データを時系列に沿って複数取得する取得手段と、前記タイミング毎に、各タイミングにおける複数の対象画像データについて所定の画像解析を実行することによって画像化された前記対象細胞群に属する複数の細胞をそれぞれ特定し、当該特定した各細胞を時系列に解析することによって当該各細胞の挙動を検出する検出手段と、前記タイミング毎に、前記検出された各対象細胞群の各細胞の挙動に基づいて、各タイミングの前記対象細胞群における細胞の挙動指標を示す細胞挙動指標を算出する算出手段と、前記算出された各タイミングの対象細胞群における細胞挙動指標を比較するための所定の演算を実行する比較手段と、前記所定の演算によって算出された算出結果、及び、当該算出結果に基づく所与の情報の少なくともいずれか一方を通知する通知手段と、を備える構成を有している。
この構成により、本発明は、画像データに基づいて、第1のタイミングと第2のタイミングとにおける対象細胞群の挙動指標を比較することができるので、例えば、細胞採取時や当該細胞の使用時(移植時)と他のタイミング、輸送前後のタイミング、凍結と解凍を実行したタイミング、保管開始と終了のタイミングなど、対象細胞に課されたイベントの前後の各タイミングにおいて、遊走速度、細胞数又は細胞サイズなどの対象細胞群の細胞挙動指標を算出することができる。
したがって、本発明は、各タイミングの対象細胞群における細胞挙動指標を比較することができるので、例えば、対象細胞群の動きの活発さを示す活動度又は対象細胞群の増殖能力を示す増殖度の増減など任意のタイミングにおける対象細胞群の状態を把握することができる。
この結果、本発明は、画像データを用いることによって非侵襲な手法に基づいて任意のタイミングにおける対象細胞群の状態を把握することができるとともに、任意のタイミングにおける品質などの対象細胞群の状態を容易にかつ的確に把握することができる。
本発明は、画像データを用いることによって非侵襲な手法に基づいて任意のタイミングにおける対象細胞群の状態を把握することができるので、任意のタイミングにおける品質などの対象細胞群の状態を容易にかつ的確に把握することができる。
本発明に係る細胞品質評価システム一実施形態の構成を示す構成図である。 一実施形態の細胞品質評価システムの画像処理装置の構成を示すブロック図である。 一実施形態の画像処理装置における画像データ記録部に記録される対象細胞群の対象画像に関する各種のデータの一例を示す図である。 一実施形態の画像処理装置におけるトラッキングデータ記録部に記録される各細胞の挙動に関する各種のデータの一例を示す図である。 一実施形態の画像処理装置におけるデータ処理部において実行される細胞状態判定処理を説明するための図である。 一実施形態の各タイミングの対象細胞群における遊走速度分布関数について説明するための図である。 一実施形態の画像処理装置において実行される細胞状態判定処理の動作を示すフローチャートである。
以下、本発明に係る実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、以下の実施形態は、培養されている細胞群が画像化された対象画像を用いて当該対象細胞群の品質評価を行う細胞品質評価システムに対して、本発明に係る細胞管理システム、細胞管理方法、及び、プログラムを適用した場合の実施形態である。ただし、本発明は、その技術的思想を含む範囲内で以下の実施形態に限定されない。
[1]細胞品質評価システムの概要
まず、図1を用いて本実施形態における細胞品質評価システム1の構成及び概要について説明する。なお、図1は、本実施形態における細胞品質評価システム1の構成を示すシステム構成図である。
本実施形態の細胞品質評価システム1は、画像データを用いて、2以上の異なるタイミングにて、例えばディッシュなどの所定の容器に載置された細胞群(以下、「対象細胞群」という。)を構成する各細胞の挙動を検出して比較し、任意のタイミングにおける対象細胞群の状態を把握してその品質を評価するシステムである。
特に、本実施形態の細胞品質評価システム1は、例えば、細胞採取時や当該細胞の使用時(移植時)と他のタイミング、輸送前後のタイミング、凍結と解凍を実行したタイミング、保管開始と終了のタイミング、又は、継代培養前後(すなわち、親の対象細胞群とそれから派生した対象細胞群)など、対象細胞に課されたイベントの前後の各タイミングにおいて、遊走速度、細胞数又は細胞サイズなどの対象細胞群の細胞挙動指標を算出する構成を有している。
そして、本実施形態の細胞品質評価システム1は、対象細胞群の動きの活発さを示す活動度又は対象細胞群の増殖能力を示す増殖度の増減など任意のタイミングにおける対象細胞群の細胞挙動指標の変位を検出することによってその比較を行うとともに、当該比較結果に基づいて、任意のタイミング(すなわち、イベント後のタイミング)における対象細胞群の状態を把握することが可能な構成を有している。
具体的には、本実施形態の細胞品質評価システム1は、対象細胞群を時系列に撮像して得られた画像データ(以下、「対象画像データ」という。)を生成する撮像装置10と、ネットワーク20と、対象画像データに画像化された対象細胞群の混合割合を推定してその品質の評価を行う画像処理装置30と、から構成される。
撮像装置10は、例えば、ネットワーク20に接続し、データの授受を行う通信機能と、タイムラプス画像などの所定の画像を取得することが可能な撮像機能と、細胞を観察するための顕微鏡機能と、を有する装置である。
特に、撮像装置10は、撮像機能によって、一定間隔毎(例えば、6分や12分毎)にディッシュに載置された対象細胞群を静止画像化し、タイムラプス画像として、対象画像データを生成するとともに、生成した対象画像データを、撮像時刻を示す時刻情報とともに画像処理装置30に送信する構成を有している。
例えば、撮像装置10は、光学システムと、当該光学システムから入力された光学画像を電気信号に変換するCCDIセンサ(Charge Coupled Device Image Sensor)と、CCDIセンサにおいて生成された電気信号に基づいて画像データを生成する生成部と、を有する。
また、撮像装置10は、対象画像データを画像処理装置30に送信する際には、LAN(LAN:Local Area Network)等の所定の通信規格を用いて有線にて直接又は図示しないアクセスポイントを介して無線にて画像処理装置30に送信する構成を有している。
ネットワーク20は、例えば、有線若しくは無線のIP(Internet Protocol)ネットワーク20、又は、携帯電話網を含む公衆電話回線網その他のネットワーク20によって構成されている。
画像処理装置30は、撮像装置10と連動し、撮像装置10によって生成された対象画像データのそれぞれに対して所定の画像解析を実行し、各タイミングにおける対象細胞群を構成する各細胞の挙動を検出するとともに、当該対象細胞群の細胞挙動指標を算出して比較することによって、任意のタイミングにおける対象細胞群の状態を把握するために用いる画像処理装置である。
特に、画像処理装置30は、例えば、保管、輸送、検査又はその他のイベント前のタイミングであって任意のタイミングである第1のタイミングと、イベント後のタイミングであって任意のタイミングである第2のタイミングと、において、撮像された対象細胞群を構成する各細胞を、その挙動を含めて特定するとともに、特定した各細胞の挙動に基づいて各タイミングにおける対象細胞群の細胞挙動指標を算出し、かつ、各タイミングにおける細胞挙動指標を比較することによって第2のタイミングにおける対象細胞群の状態を判定する処理(以下、「細胞状態判定処理」という。)を実行する構成を有している。
具体的には、画像処理装置30は、細胞状態判定処理としては、
(1)第1のタイミングにおいて対象画像データを時系列に沿って複数取得するとともに、当該第1のタイミングと異なる第2のタイミングにおいて画像データを時系列に沿って複数取得し、
(2)タイミング毎に、各タイミングにおける複数の対象細胞画像データについて所定の画像解析を実行することによって画像化された対象細胞群に属する複数の細胞をそれぞれ特定し、当該特定した各細胞を時系列に解析することによって当該各細胞の挙動を検出し、
(3)タイミング毎に、検出した各対象細胞群の各細胞の挙動に基づいて、各タイミングの対象細胞群における細胞の挙動指標を示す細胞挙動指標を算出し、
(4)算出した各タイミングの対象細胞群における細胞挙動指標を比較するための所定の演算を実行し、
(5)所定の演算によって算出された算出結果、及び、当該算出結果に基づく所与の情報の少なくともいずれか一方を通知する、
各処理(以下、「細胞状態判定処理」という。)を実行するようになっている。
このような構成により、本実施形態の細胞品質評価システム1は、対象画像に基づいて、第1のタイミングと第2のタイミングとにおける対象細胞群の挙動指標を比較することによって、例えば、細胞採取時や当該細胞の使用時(移植時)と他のタイミング、輸送前後のタイミング、凍結と解凍を実行したタイミング、保管開始と終了のタイミングなど、対象細胞に課されたイベントの前後の各タイミングにおいて、遊走速度、細胞数又は細胞サイズなどの対象細胞群の細胞挙動指標を算出することができるようになっている。
そして、本実施形態の細胞品質評価システム1は、各タイミングの対象細胞群における細胞挙動指標を比較することができるので、例えば、対象細胞群の動きの活発さを示す活動度又は対象細胞群の増殖能力を示す増殖度の増減など任意のタイミングにおける対象細胞群の状態を把握することができるようになっている。
したがって、本実施形態の細胞品質評価システム1は、画像データを用いることによって非侵襲な手法に基づいて任意のタイミングにおける対象細胞群の状態を把握することができるので、任意のタイミングにおける品質などの対象細胞群の状態を容易にかつ的確に把握することができるようになっている。
なお、以下の説明においては、対象細胞群としては、
(1)骨格筋芽細胞の細胞群、
(2)繊維芽細胞の細胞群、
(3)角膜上皮細胞、角膜実質細胞及び角膜内皮細胞の角膜における細胞群
(4)心筋細胞、血管内皮細胞及び繊維芽細胞の心筋細における胞群
(5)表皮角化細胞及び繊維芽細胞の皮膚における細胞群
(6)網膜色素上皮細胞、繊維芽細胞及び血管内皮細胞の網膜における細胞群
(7)粘膜上皮細胞、表皮角化細胞及び繊維芽細胞の粘膜における細胞群
などが含まれる。
また、本実施形態において、第1のタイミングと第2のタイミングとは、継代培養も含めたイベントの前後のタイミングであるとして説明するが、基本的には、第1のタイミング及び第2のタイミングは、異なるタイミングであればよく、イベントの無関係のタイミングであってもよい。そして、本実施形態においては、タイミングは、複数の時系列の対象画像データを生成することが可能な時間幅、すなわち、対象細胞群を時系列に複数回撮像され得る時間幅を有するタイミングとして説明する。
また、本実施形態においては、対象細胞群の動きの活発さを示す活動度や増殖度としては、対象細胞群における各細胞の遊走速度、その形状、対象細胞群における細胞数、又は、その生存率を用いて説明する。
[2]画像処理装置
次に、図2〜図4を用いて本実施形態の画像処理装置30の構成について説明する。なお、図2は、本実施形態の画像処理装置30のブロックを示すブロック図であり、図3は、本実施形態の画像データ記録部302に記録される対象細胞群の対象画像に関する各種のデータの一例である。また、図4は、本実施形態のトラッキングデータ記録部304に記録される各細胞の挙動に関するデータの一例である。
具体的には、本実施形態の画像処理装置30は、図2に示すように、各種のプログラムが実行される際に用いられる各種のデータを記録するデータ記録部300と、撮像装置10から送信された対象細胞群の時系列データなどの各種のデータの授受を行う通信制御部310と、生成された対象画像に基づいて細胞状態判定処理を実行するためのデータ処理部320と、液晶パネル等により構成される表示部340と、表示部340を制御する表示制御部350と、操作部370と、各部を制御する管理制御部380と、を有する。なお、上述の各部は、バス31によって相互に接続され、各構成要素間におけるデータの転送が実行される。
データ記録部300は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)等により構成され、細胞状態判定処理など各処理を実行するアプリケーションプログラムが記録されるアプリケーション記録部301と、撮像装置10によって撮像されて生成された画像データが記録される画像データ記録部302と、細胞状態判定処理などの各処理に用いる各種のデータが記録される参照データ記録部303と、対象細胞群の各細胞におけるトラッキングデータが記録されるとトラッキングデータ記録部304と、各ディッシュの作業に関する情報が記録される作業管理情報記録部305と、細胞群各プログラムの実行中にワークエリアとして用いられるROM/RAM306と、を有している。
特に、画像データ記録部302には、撮像装置10から取得した複数の対象画像群が画像化された対象画像データ及びそれに関するデータが、予め定められたタイミング毎に、かつ、対象細胞群が載置される容器(すなわち、ディッシュ)毎に、時系列に沿って記録されている。
例えば、画像データ記録部302には、図3に示すように、
(1)タイミングを識別するためのID(以下、「タイミングID」という。)、
(2)各ディッシュ固有のID(以下、「ディッシュID」という。)、
(3)撮像時刻、
(4)フレームID、
(5)撮像データ本体、
(6)細胞種、
(7)撮像場所、
(8)撮像装置10によって対象細胞群が撮像された際の撮像条件、及び、
(9)対象細胞群が培養されている際の培養条件
の各情報が記録されている。
フレームIDは、撮像装置10によって対象画像データが生成される際に付与される識別情報であり、撮像装置10毎にかつ時系列に従って自動的に付与される。
撮像条件としては、対象細胞群における細胞挙動指標を算出する際に用いられるとともに、各タイミングにおける撮像環境の一致性を判断する際に用いる条件が記録されている。特に、撮像条件は、各フレームの撮像データが記録される際に、作業管理情報記録部305からディッシュIDに基づいて読み出されて記録される。
例えば、撮像条件としては、撮像日時、撮影期間(撮像開始時刻及び撮像終了時刻)、撮像間隔、撮像倍率(すなわち、顕微鏡倍率(ピクセル当たりの実寸値(μm/pixel)))、及び撮像装置の種別(すなわち、顕微鏡の種別)が規定された条件情報が含まれる。
培養条件としては、対象細胞群における細胞挙動指標を算出する際に用いられるとともに、第1のタイミングと第2のタイミングとにおける培養環境の一致性を判断する際に用いる条件が記録されている。
具体的には、培養条件としては、対象細胞群の密度(播種数や画像上の細胞の密度)、及び、培養液の種別が規定された条件情報が含まれる。特に、培養条件は、撮像条件と同様に、各フレームの撮像データが記録される際に、作業管理情報記録部305からディッシュIDに基づいて読み出されて記録される。
なお、例えば、図3には、タイミング「T01」の場合におけるディッシュID「D01」の対象画像の画像データ「10001.jpg」が所定の時刻「2015年2月1日15時20分」でかつ培養工場Aで撮像されたこと、細胞種が「軟骨細胞」であること、撮像条件が「条件A」であること、及び、培養条件が「条件1」であることが示されている。
また、本実施形態においては、撮像条件としては、上記に代えて、第1のタイミング及び第2のタイミングにおける撮像装置10を制御するための条件データとして用いもよい。後述するように、データ処理部320が、撮像装置10の撮像制御を行う際に、撮像期間、撮像間隔及び撮像倍率などの各種の制御を行うようにしてもよい。
参照データ記録部303には、細胞種毎に、細胞状態判定処理に用いるデータであって、タイミングが異なる対象細胞群においてその比較を行う際に用いる比較条件情報が記録される。
具体的には、比較条件は、細胞状態判定処理に用いる細胞種によって異なる条件が規定されており、当該細胞状態判定処理を実行する際に、システム管理者又は作業者によって又はシステムによって設定される条件データである。
特に、本実施形態の比較条件には、細胞状態判定処理において判定の指標となる細胞挙動指標、第1のタイミングと第2のタイミングの細胞挙動指標を比較するための比較方法、及び、当該比較方法によって比較した際に細胞対象群の状態が変化したか否か(例えば、状態が悪くなったか否か)を判定する比較判定基準が含まれる。特に、本実施形態においては、細胞挙動指標として、対象細胞群としての遊走速度、増殖性又は生存率を用いる。
例えば、細胞挙動指標として遊走速度を用いる場合には、比較方法に細胞の遊走速度における散布図に対するt−検定、及び、比較判定基準にt−検定における信頼区間(例えば、両側5%における有意差の有無)を規定するデータが記録される。
また、細胞挙動指標として、増殖性を用いる場合には、比較方法に2つのタイミングにおける増殖率の差分値、及び、当該増殖率の差分値においてに予め定められた閾値を規定するデータが記録される。
さらに、細胞挙動指標として、生存率を用いる場合には、比較方法に2つのタイミングにおける生存率の差分値、及び、当該生存率の差分値においてに予め定められた閾値を規定するデータが記録される。
なお、上記の細胞挙動指標、比較方法及び比較判定基準の詳細については後述する。
トラッキングデータ記録部304には、対象細胞群において特定された当該対象細胞群を構成する細胞のトラッキングデータが時系列に記録される。例えば、トラッキングデータ記録部304には、図4に示すように、
(1)タイミングID
(2)ディッシュID
(3)フレームID
(4)対象細胞群を構成する細胞のID(以下、「細胞ID」という。)、
(5)画像上の座標位置(x,y)の値(具体的には、重心の位置)
(6)当該対象細胞群の親の細胞群の細胞ID
(7)ディッシュ上の形成情報
(8)細胞の状態(すなわち、細胞状態)
が記録されている。
タイミングID、ディッシュID及び対象細胞群の親の細胞群の細胞ID(すなわち、parentID)は、タイミング毎、ディッシュ毎又は親の細胞群毎に付与された識別情報であり、システム管理者又は作業者によって予め登録されたIDである。特に、ディッシュIDは、予めバーコードなどによってディッシュにも付されている。
特に、parentIDは、親細胞群に付されているIDを示し、例えば、細胞ID_1の細胞が、細胞ID_2と細胞ID_3の細胞に分裂した場合には、細胞ID_2及び細胞ID_3のparentIDとしては、細胞ID_1が付されることになる。
ディッシュ上の形成情報(すなわち、regionの情報)は、個々の細胞領域のセグメンテーションが実行されている場合に、各フレーム(タイミング)において、各細胞の形状(Region)に関する情報であり、具体的には、形状及び当該形状を示す上で必要なディッシュ上の座標(x,y)を示す情報を含む。
「細胞状態」には、前フレームから座標位置が移動している場合(すなわち、画像上の座標位置が異なる場合)に、そのことを示す「細胞移動」、前フレームから2つの細胞が形成されていることを示す「細胞分裂」及び次フレーム以降において「移動」がないことを示す「細胞死」の各状態が含まれる。
作業管理情報記録部305には、ディッシュ毎の作業を管理するための各種の情報(以下、「ディッシュ管理情報」という。)が記録される。例えば、作業管理情報記録部305には、
(1)ディッシュID、
(2)ディッシュにおいて培養される細胞の種別
(3)ディッシュの撮像条件
(4)ディッシュにおいて細胞が培養される際の培養条件
(5)ディッシュに載置されている細胞における親の細胞群の細胞ID
が含まれる。
なお、(1)〜(6)の各情報は、システム管理者又は作業者によって予め登録されている。
通信制御部310は、所定のネットワークインターフェースであり、撮像装置10と通信回線を構築し、当該撮像装置10によって取得されたと種々のデータの授受を行う。
データ処理部320は、ROM/RAM306に記録されている細胞状態判定処理を実行するアプリケーションに基づいて、
(1)通信制御部310を介して、第1のタイミングにおいて対象画像データを時系列に沿って複数取得するとともに、当該第1のタイミングと異なる第2のタイミングにおいて画像データを時系列に沿って複数取得する画像データ取得処理、
(2)タイミング毎に、各タイミングにおける複数の対象細胞画像データについて所定の画像解析を実行することによって画像化された対象細胞群に属する複数の細胞をそれぞれ特定し、当該特定した各細胞を時系列に解析することによって当該各細胞の挙動を検出する挙動検出処理、
(3)タイミング毎に、検出した各対象細胞群の各細胞の挙動に基づいて、各タイミングの対象細胞群における細胞の挙動指標を示す細胞挙動指標を算出する細胞挙動指標算出処理、
(4)算出した各タイミングの対象細胞群における細胞挙動指標を比較するための所定の演算を実行する比較処理、
(5)通信制御部310を介して、所定の演算によって算出された算出結果、及び、当該算出結果に基づく所与の情報の少なくともいずれか一方を通知する通知処理、
の各処理を実行する。
特に、データ処理部320は、アプリケーションを実行することによって、通信制御部310を介して画像データ取得処理を実行するとともにデータ記録部300を管理するデータ管理部321と、各細胞の挙動検出処理を実行する挙動検出処理部322と、細胞挙動指標算出処理を実行する指標算出処理部323と、比較処理を実行する比較判定処理部324と、通知処理を実行する通知処理部325と、を実現する。
例えば、本実施形態のデータ管理部321は、通信制御部310とともに本発明の取得手段を構成し、挙動検出処理部322は、本発明の検出手段を構成する。また、例えば、本実施形態の指標算出処理部323は、本発明の算出手段を構成し、比較判定処理部324は、本発明の比較手段及び判定手段を構成する。そして、例えば、本実施形態の比較判定処理部324は、本発明の判定手段を構成する。
なお、本実施形態におけるデータ処理部320の各部の詳細については、後述する。
表示部340は、液晶素子又はEL(Electro Luminescence)素子のパネルによって構成され、表示制御部350において生成された表示データに基づいて所定の画像を表示する。
表示制御部350は、管理制御部380及びデータ処理部320の制御の下、表示部340に所定の画像を描画させるために必要な描画データを生成し、生成した描画データを当該表示部340に出力する。
操作部370は、各種の確認ボタン、各操作指令を入力する操作ボタン、テンキー等の多数のキーであって、表示部340上に設けられたタッチセンサにより構成され、各操作を行う際に用いられるようになっている。
管理制御部380は、主に中央演算処理装置(CPU)によって構成され、プログラムを実行することによって、画像処理装置30の全体的な管理制御、及び、その他の各種の制御を行う。
ROM/RAM306には、画像処理装置30の駆動に必要な各種のプログラムが記録されている。また、ROM/RAM306には、データ処理部320、及び、管理制御部380によって実行される様々なアプリケーションが記録されている。そして、ROM/RAM306は、各プログラムの実行中にワークエリアとして用いられる。
[3]データ処理部及び細胞状態判定処理
次に、図5及び図6を用いて本実施形態の画像処理装置30におけるデータ処理部320の詳細について説明する。なお、図5は、本実施形態のデータ処理部320において実行される細胞状態判定処理を説明するための図であり、図6は、本実施形態における各タイミングの対象細胞群における遊走速度分布関数について説明するための図である。
[3.1]データ管理部
まず、データ処理部320におけるデータ管理部321について説明する。
データ管理部321は、画像データ記録部302、参照データ記録部303、トラッキングデータ記録部304及び作業管理情報記録部305への各情報の記録制御及び読み出し制御を実行するとともに、これらの各記録部に記録されている各情報に基づいて、各タイミングにおいて対象細胞を撮像する際の撮像装置10を制御する。
特に、データ管理部321は、通信制御部310を介して、撮像装置10を制御しつつ、第1のタイミングにおいて対象画像データを時系列に沿って複数取得し、当該第1のタイミングと異なる第2のタイミングにおいて対象画像データを時系列に沿って複数取得する。
また、データ管理部321は、予め取得した各ディッシュIDに基づいて、作業管理情報記録部305を検索し、取得した対象画像データのディッシュに関する細胞種、撮像条件及び培養条件の各情報(すなわち、作業関連情報)を取得する。
そして、データ管理部321は、取得した対象画像データ及び作業関連情報を画像データ記録部302に記録する。
なお、各ディッシュIDは、作業者によって対象画像の撮像前又は撮像後に手動又はバーコードなどによって入力されてもよいし、データ管理部321が、対象画像データのメタデータ又は画像の一部(例えばバーコード)などに含まれるディッシュIDを読み出すことによって取得してもよい。
この場合には、撮像装置10は、予めディッシュIDを有しており、対象画像データを生成する際に、当該ディッシュIDの情報を当該対象画像データに組み込むようになっている。
また、データ管理部321は、対象細胞群の撮像が自動化されている場合には、予め定められたタイミングが規定されたタイミングデータに基づいて、撮像装置10における撮像タイミングを制御する。
[3.2]挙動検出処理部
次に、データ処理部320における挙動検出処理部322について説明する。
挙動検出処理部322は、例えば、上述の非特許文献1〜4に記載の技術を用いることによって、タイミング毎(同一のタイミングID毎)に、画像データ記録部302から各対象細胞群における複数の時系列の対象画像(タイムラプス画像)を取得する。
そして、挙動検出処理部322は、取得した各対象画像を画像解析することによって
(1)各対象画像に含まれる個々の細胞の画像上の位置を特定し、時系列における各細胞の位置及び撮像間隔に基づいて、対象画像毎の各細胞の遊走速度を検出する処理、及び
(2)各対象画像の各細胞の位置に基づいて各細胞の細胞移動、細胞分裂及び細胞死の各状態を検出する処理
を実行する。
具体的には、挙動検出処理部322は、例えば、非特許文献3及び非特許文献4に記載された技術などを用いることによって、各時刻(フレーム)において細胞検出を独立に実行し、当該対象細胞群における各細胞の各フレームの画像上(タイムラプス画像の画像上)の座標位置(移動した位置)及びその形状を特定しつつ、当該特定した各細胞の座標位置及びその形状に基づいて、「細胞移動」、「細胞分裂」及び「細胞死」の各細胞状態を含めて各情報を総合的に解析する細胞トラッキングを実行する。
また、挙動検出処理部322は、時系列の前後の対象画像における座標(移動した位置)に基づいて各細胞における移動距離を算出し、各細胞の遊走速度などの算出を実行する。
そして、挙動検出処理部322は、フレームの対象画像(すなわち、タイムラプス画像)毎に、かつ、細胞毎に、画像上の座標位置(x,y)の値、ディッシュ上の領域及び細胞状態をトラッキングデータ記録部304に記録する。
例えば、挙動検出処理部322は、図5(A)及び(B)に例示するように、ディッシュ上の対象細胞群が増殖する場合に、直前のフレームにおいて検出された細胞に基づいて、細胞の形状を認識しつつ、図5(C)に示すように、同一の細胞における移動した位置(対象画像内の座標(x、y))を特定する。
すなわち、挙動検出処理部322は、2つの連続するフレーム間において、どの細胞とどの細胞が同一かの認識を実行しつつ、同一の細胞における移動した位置(対象画像内の座標(x、y))を特定する。
一方、各細胞における細胞状態の判定においては、挙動検出処理部322は、可能性のある細胞状態の仮説をそれぞれ全て挙げるとともに、各フレームにおける各細胞の座標及びその形状に基づいて、各細胞におけるそれぞれの仮説に対する尤度を算出し、全ての仮説の中から尤度に基づく所定の条件(例えば、尤度の和が最大で、かつ、矛盾がない仮説)の組み合わせを求め、各細胞状態、座標及び形状などを決定する。
特に、挙動検出処理部322は、細胞移動の仮説としては、時刻tで検出された細胞Aから一定の距離内で、時刻t+1の検出結果において細胞B及び細胞Cがある場合には、細胞Aが細胞Bに移動したという仮説と、細胞Aが細胞Cに移動したという2つの移動状態であるという仮説を想定し、これらを各細胞について実行することによって各細胞における可能性のある細胞状態仮説を全て挙げ、尤度を算出し、上述のように各細胞の細胞状態を決定する。
また、挙動検出処理部322は、細胞分裂及び細胞死としては、細胞の移動とは別に各細胞の分裂候補や細胞死を検出し、各細胞状態を検出する。
細胞分裂の検出としては、挙動検出処理部322は、挙動検出処理部322は、当該細胞が分裂する際に当該細胞が収縮し、丸くなって、8の字型になり、2つに分かれるというように形状が変形する性質を利用する。
そして、挙動検出処理部322は、所定の時間間隔(フレーム)毎の時系列でかつ複数のタイムラプス画像(位相差像)のそれぞれから、複数に分割した予め定められた領域毎に、輝度が高く、像の周囲に現れる光の滲みであるHalo(ハロー)に囲まれている領域を細胞として検出するとともに、輝度勾配の向きの情報を用いてこれらの形状に関する特徴量を計算し、その特徴量の変化をEDCRFという学習手法でモデル化して細胞の形状変化に基づく細胞の分裂を検出する。
また、細胞死の検出としては、挙動検出処理部322は、基本的には、細胞分裂の検出と同様で形状の動的変化の情報を用いて検出する。そして、挙動検出処理部322は、細胞死が起こる場合には、細胞の中のテキスチャが変化するという性質を利用し、当該動的変化を用いて検出を行う。
そして、挙動検出処理部322は、上述の列挙した仮説の組み合わせの中から尤度の和が最大で、かつ、矛盾がないような最適な組み合わせを、線形計画法を用いて求めて最適な解を求めて、細胞状態とともに、細胞の位置などを検出及び判定する。
例えば、フレームαにおいて1つの細胞である細胞Aが検出された場合であって、フレームα+1において2つの細胞である細胞B及びCが検出された場合を想定する。
この場合において、挙動検出処理部322は、
(a)細胞Aが移動して細胞Bになったこと(移動仮説1)、
(b)細胞Aが移動して細胞Cになったこと(移動仮説2)、
(c)細胞Aが分裂して細胞Bになったこと(分裂仮説1)、
(d)細胞Aが分裂して細胞Cになったこと(分裂仮説2)、
(e)細胞Aが細胞Bとして細胞死したこと(細胞死仮説1)、及び、
(f)細胞Aが細胞Cとして細胞死したこと(細胞死仮説2)
の各仮説を検討し、仮説における連続する2フレーム間の細胞間の距離や形の類似度から尤度を算出する。
そして、挙動検出処理部322は、細胞Aが移動して細胞Bになったことが最適な仮説に含まれているとすると(尤度が最も高いとすると)、細胞Aは他の細胞に対応しないので、上記の(b)〜(f)の仮説が最適解に含まれないと決定し、細胞Aと細胞Bは同一の細胞で時刻tから時刻t+1で細胞Aの場所から細胞Bの場所へ移動したというトラッキング情報とともに、その状態を細胞移動として判定する判定を行う。
なお、本実施形態においては、挙動検出処理部322は、操作部370を用いて作業者のマニュアル操作によって各対象画像の各細胞を特定するとともに、時系列の複数の対象画像を比較し、同一の細胞における移動した位置及び細胞状態を特定してもよい。
[3.3]指標算出処理部
次に、データ処理部320における指標算出処理部323について説明する。
指標算出処理部323は、タイミング毎に、トラッキングデータ記録部304に記録された各対象画像における各細胞の画像上の位置及び細胞状態に基づいて、各タイミングの前記対象細胞群における細胞の挙動指標を示す細胞挙動指標を算出する。
特に、指標算出処理部323は、タイミング毎に、各フレームにおける対象細胞群の細胞数、各細胞の遊走速度、及び、各細胞の細胞サイズを算出しつつ、当該算出した各値に基づいて、各タイミングにおいて一意に定まる対象細胞群の細胞挙動指標を算出する。
また、指標算出処理部323は、各タイミングにおける対象細胞群の細胞挙動指標としては、
(1)対象細胞群の各細胞における遊走速度の分布(以下、「遊走速度分布」という。)、
(2)対象細胞群における細胞数が2倍になるまでの倍加時間、
(3)対象細胞群における細胞の生存率(以下、「細胞生存率」という。)、及び、
(4)対象細胞群における細胞サイズや形状の分布の
1以上の指標を算出する。
なお、遊走速度は、個々の細胞の動きを数値化したものであり、細胞の活性化を示す一つの指標である。また、倍加時間は、細胞の増殖性を計る指標であり、細胞の増殖性(増殖度)を示す一つの指標である。さらに、細胞生存率又は細胞サイズは、健康な細胞の判断を行うことが可能な指標であり、各細胞の品質を示す指標である。
特に、細胞サイズや形状は、細胞の品質が良いと小さく、形状が真円に近いという性質を利用して指標化したものである。
また、指標算出処理部323は、上記の算出を各タイミングの終了後に実行してもよいし、他のタイミングと比較する。
(遊走速度分布)
指標算出処理部323は、遊走速度分布としては、タイミング毎に、トラッキングデータ記録部304に記録された各フレームにおける各細胞の座標位置と直前のフレームにおける同一の細胞における座標位置とに基づいて移動距離を算出しつつ、当該算出した移動距離とフレームレート(すなわち、対象画像の時間差)に基づいて、各細胞におけるそれぞれの遊走速度を算出する。
そして、指標算出処理部323は、タイミング毎に、例えば、図6(A)及び(B)に示すような縦軸に細胞数及び横軸に遊走速度となる分布関数(すなわち、遊走速度分布関数)を算出する。
具体的には、指標算出処理部323は、各細胞の遊走速度が正規分布又は対数正規分布になると想定し、各細胞の遊走速度の平均値及び分散を算出するとともに、当該算出した平均値及び分散を用いて正規分布の分布関数又は対数正規分布を算出する。
例えば、指標算出処理部323は、各細胞の遊走速度の正規分布と想定した場合の平均値「μ」及び分散「σ」、又は、対数正規分布における平均値「μ」及び分散「σ 」を算出し、(式1)に示す正規分布関数N(x)又は(式2)に示す対象正規分布関数N(x)を分布関数として算出する。
なお、本実施形態においては、予め定められたサンプル数における各細胞の遊走速度が検出できればよく、例えば、サンプル数が1000個必要な場合には、挙動検出処理部322は、対象細胞群に100個の細胞が含まれている場合(又は100個程度の含まれていると想定される場合)には、10フレーム程度の対象画像(タイムラプス画像)に基づいて、上記の処理を実行すればよい。
また、本実施形態においては、対象細胞群の細胞挙動指標として、各細胞の遊走速度を利用する際に、遊走速度分布関数を用いているが、フレーム全体における対象細胞群全体の遊走速度の平均値を用いてもよい。
(細胞の倍加時間)
指標算出処理部323は、対象細胞群における細胞数に基づく倍加時間としては、タイミング毎に、トラッキングデータ記録部304に記録された各フレームにおける対象細胞群の細胞数を集計し、例えば、各タイミングの最初のフレームや当該最初のフレームから数フレーム後のフレームなど予め定められた任意のフレームから当該細胞数が2倍になるまでの時間を細胞数に基づく倍加時間として算出する。
具体的には、指標算出処理部323は、タイミング毎に、任意のフレームを基準フレームFAとし、当該基準フレームFAの細胞数と当該基準フレームFA以降の各フレームFB(n)の細胞数を比較し、基準フレームFAの細胞数と2倍となる細胞数を有するフレームFB(s)を検出する。
そして、指標算出処理部323は、基準フレームFAと検出したフレームFB(s)との細胞数m及び基準フレームFAとフレームFB(s)の時間差に基づいて、(式3)の演算を実行し、倍加時間DTを算出する。
なお、「n」は、各タイミングにおけるフレーム数であり、「t1」は、基準フレームFAの撮像時刻、「t2」は、フレームFB(s)の撮像時刻、「m1」は、基準フレームFAの細胞数及び「m2」は、フレームFB(s)の細胞数を示す。
また、本実施形態においては、細胞数が2倍となる倍加時間を算出しているが、3倍又は4倍など任意の倍数となる時間を算出してもよい。この場合には、(式1)の左辺の「log2」の値を適切な値にすればよい。
(細胞生存率)
指標算出処理部323は、対象細胞群における細胞生存率としては、タイミング毎に、トラッキングデータ記録部304に記録された各フレームにおける対象細胞群の細胞数及び細胞死数を集計し、これらの値に基づいて各タイミングにおける細胞生存率を算出する。
具体的には、指標算出処理部323は、各フレームにおける細胞生存率を算出し、その平均、分散又は標準偏差など所定の演算結果を細胞生生存率として算出する。
[3.4]比較判定処理部
次に、データ処理部320における比較判定処理部324について説明する。
比較判定処理部324は、システム管理者や作業者の指示、又は、システム上予め定められたタイミングにおいて、上述のように算出された各タイミングにおける対象細胞群の細胞挙動指標を比較し、その品質(劣化)を判定するための演算を実行する。
具体的には、比較判定処理部324は、上記の細胞挙動指標の種別に基づいて、異なる演算処理を実行し、各タイミングにおける対象細胞群の細胞挙動指標の変位を算出し、当該変位基づいてその品質を判定する。特に、比較判定処理部324は、対象細胞群及び継代培養後の派生した対象細胞群における品質劣化など第2のタイミングにおける第1のタイミングとの活性度又は増殖性における同一性を判定する。
(遊走速度分布)
比較判定処理部324は、対象細胞群の細胞挙動指標として各タイミングにおいて算出された遊走速度の正規分布又は対数正規分布の分布関数を比較し、その同一性(すなわち、活性度や増殖性における同一性)を判定するための演算を実行する。
特に、比較判定処理部324は、比較対象となる各タイミングにおける遊走速度分布関数について、t検定を実行し、所定の信頼区間における遊走速度の分布関数の有意差を判定し、その同一性を判定する。
具体的には、比較判定処理部324は、式(4)及び式(5)に基づいて、比較対象の遊走速度における分布関数を比較し、t検定の「t」値が信頼区間外にある確率t(α)より大きい場合に、有意差は無いとして、各タイミングの遊走速度の分布関数が同一であると判定する。
例えば、信頼区間が5%で両側検定の場合であって、t(α)が0.1より大きい場合には、帰無仮説(2つの分布関数が同一である)を否定することができなくなる。このため、比較判定処理部324は、上記の演算において算出されたt値が「0.1」より大きいか否かを判定し、当該t値が「0.1」より大きい場合には、各タイミングの遊走速度の分布関数が同一であると判定し、当該t値が「0.1」以下の場合には、有意差ありとして同一でないと判定する。
なお、式(4)及び式(5)において、「X」は、各タイミングにおける遊走速度の分布関数の標本の平均、「s」は、各タイミングにおける遊走速度の分布関数の標本分散、及び、「n」は、各タイミングにおける遊走速度の分布関数の標本数を示す。
また、上記のt検定は、両側検定であってもよいし、片側検定であってもよく、両側検定及び片側検定の双方の検定を用いてもよい。
そして、対象細胞群の細胞挙動指標として遊走速度の平均値を用いる場合には、後述する細胞の倍加時間などと同様に閾値を用いて各タイミングにおける同一性を判定してもよい。
さらに、上記の例では、遊走速度分布関数の比較する演算手法としてt検定を用いているが、Kullback−Leibler divergence(以下、「KL」ともいう。)やバタチャリヤ距離などの遊走速度分布の差異(距離)を計測する演算を実行してもよいし、コルモゴルフ・スミスノフ検定などのノンパラメトリックな検定を用いてもよい。
例えば、KLを用いた演算においては、比較判定処理部324は、(式6)又は(式7)の演算を実行し、その差異の値KLを予め定められた閾値TKLと比較してその同一性を判定する。
なお、(式6)は、細胞遊走速度分布が離散確率分布の場合であり、(式7)は、細胞遊走速度分布が連続確率分布の場合である。また、「X(i)」及び「X(i)」は、それぞれ遊走速度分布「X」及び「X」に従って選ばれた値が「i」になる確率を示し、「x」及び「x」はそれぞれ遊走速度分布「X」及び「X」の確率密度関数を示す。
(細胞の倍加時間)
比較判定処理部324は、対象細胞群の細胞挙動指標として各タイミングにおいて算出された細胞の倍加時間を比較し、その同一性を判定するための演算を実行する。
特に、比較判定処理部324は、比較対象となる各タイミングにおける倍加時間の絶対値の差分を算出し、その値が所定の条件を具備している否か(例えば、閾値より小さいか否か)を判定し、所定の条件を具備した場合に同一であると判定する。
具体的には、比較判定処理部324は、式(8)に基づいて、比較対象の倍加時間D1及びD2の絶対値の差分値ΔDを算出し、当該差分値ΔDが予め定められた閾値TDより小さい場合に、同一性があると判定する。
(細胞生存率)
比較判定処理部324は、対象細胞群の細胞挙動指標として各タイミングにおいて算出された細胞の生存率を比較し、その同一性を判定するための演算を実行する。
特に、比較判定処理部324は、細胞の倍加時間と同様に、比較対象となる各タイミングにおける細胞生存率の絶対値の差分を算出し、その値が所定の条件を具備している否か(例えば、閾値より小さいか否か)を判定し、所定の条件を具備している場合に、同一性があると判定する。
具体的には、比較判定処理部324は、式(7)に基づいて、比較対象の倍加時間R1及びR2の絶対値の差分値ΔRを算出し、当該差分値ΔRが予め定められた閾値TRより小さい場合に、同一性があると判定する。
[3.5]通知処理部
次に、データ処理部320における通知処理部325について説明する。
通知処理部325は、比較判定処理部324によって実行された比較結果及び判定結果を、表示制御部350と連動して表示部340に所定の表示形式によって表示するとともに、通信制御部310を介して他の通信端末装置(図示せず)に当該結果を示すデータを送信する。
また、通知処理部325は、上記の同一性がないと判定された場合に、同一性がない旨を電子メールやその他の手法を用いて通知する。
なお、通知処理部325は、複数の信頼区間(例えば、5%、10%)や閾値(例えばTD1、TD2)などを設定し、その段階に応じて同一性がない旨を電子メールやその他の手法を用いて通知してもよい。
例えば、通知処理部325は、第1段階では表示部340への警告表示をし、第2段階では図示しない特定の通信端末装置への電子メールを用いた通知をし、第3段階では、図示しない所定の警告を行う。この場合において、電子メールを用いた通知においては、さらに複数の段階を設け、各段階に応じて電子メールを送信する先を変更する。
[4]細胞品質評価システムの動作
次に、図7を用いて本実施形態の細胞品質評価システム1の画像処理装置30において実行される細胞状態判定処理の動作について説明する。なお、図7は、本実施形態の細胞品質評価システム1の画像処理装置30において実行される細胞状態判定処理の動作を示すフローチャートである。
本動作は、各タイミングにおける時系列に沿って取得された複数の対象画像データとそれぞれのタイミングにおける対象細胞群のディッシュ管理情報が予めデータ記録部300に記録されているものとする。
また、本動作においては、細胞挙動指標については遊走速度を用いて説明するとともに、かつ、その検出においては、自動トラッキングによって実行されるものとする。
まず、挙動検出処理部322は、比較対象となる各タイミングの選択を含む操作部370の操作に基づいて、細胞状態判定処理の開始を検出すると(ステップS101)、選択された各タイミングにおける対象細胞群の時系列に沿った複数の対象画像を取得する(ステップS102)。
次いで、挙動検出処理部322は、各フレームに対して所定の画像処理を実行し、画像化された対象細胞群に含まれる各細胞をトラッキングして各フレームにおける座標位置及び細胞状態を検出し、フレーム毎にかつ細胞毎に画像上の座標位置、ディッシュ領域、及び細胞状態の各トッラキングに関するデータ(以下、「トラッキングデータ」という。)をトラッキングデータ記録部304に記録する(ステップS103)。
次いで、挙動検出処理部322は、タイミング毎に、トラッキングデータ記録部304に記録された各細胞の座標位置などに基づいて、各フレームにおける対象細胞群の各細胞の遊走速度(細胞挙動に関する情報)を算出するとともに(ステップS104)、当該算出された各タイミングにおける各フレームの各細胞の遊走速度に基づいて、各タイミングにおける対象細胞群の細胞挙動指標としてそれぞれ遊走速度分布関数を算出する(ステップS105)。
次いで、比較判定処理部324は、各タイミングにおける対象細胞群の細胞挙動指標(すなわち、遊走速度分布関数)を比較し、その同一性を判定するための演算するための演算を実行する(ステップS106)。
具体的には、比較判定処理部324は、比較対象となる各タイミングにおける遊走速度の分布関数について、t検定を実行するとともに、所定の信頼区間における遊走速度の分布関数の有意差を判定し、その同一性を判定する。
最後に、通知処理部325は、比較判定処理部324の判定結果を表示部340に通知して(ステップS107)本動作を終了させる。
[5]変形例
[5.1]変形例1
上記実施形態においては、撮像装置10及び画像処理装置30が同室や同一敷地内で設置又は使用されてもよいし、それぞれが国外などの遠隔地に設置され、又は、遠隔地にて使用されて上述の各処理が実行されてもよい。
また、画像処理装置30は、ネットワーク20を介して接続されるデータベースを用いて細胞状態判定処理を行ってもよいし、一又は複数の装置によって形成されていてもよい。なお、データベースを用いる場合には、データ記録部300の機能の一部(対象画像の記録や対象細胞群の各細胞のトラッキングに関するデータの記録)をデータベースが担う。
[5.2]変形例2
上記実施形態においては、撮像装置10と画像処理装置30によって細胞品質評価システムを実現しているが、スキャナや撮像機能を備えた画像データ生成部を設け、スタンドアロン型によって実現してもよい。この場合には、例えば、画像データ生成部が本発明の取得手段を構成する。
[5.3]変形例3
上記実施形態においては、対象細胞群の各細胞における挙動検出、当該対象細胞群の細胞挙動指標及び細胞状態判定処理の実行するタイミングは、特に限定されていない。各タイミングにおける各フレームの対象画像がデータ記録部300に記録されていれば、システム管理者又は作業者が希望する任意のタイミングに実行することができる。
[5.4]変形例4
上記実施形態においては、フレーム毎のタイムラプス画像を対象画像として用いているが、各対象細胞群の以下のような複数の細胞の形状における特徴を示す形状情報を用いてもよい。この場合には、N個の特徴の情報からN次元の分布同士における距離を上述のKL法で解析すればよい。
例えば、形状情報としては、
(1)各細胞の長径及び短径
(2)真円度
(3)輝度のヒストグラム
(4)細胞の曲率半径をベクトル表示化するなどの形状表現情報(Fourier descriptors)
などを用いる。
1 … 細胞品質評価システム
10 … 撮像装置
20 … ネットワーク
30 … 画像処理装置
300 … データ記録部
301 … アプリケーション記録部
302 … 画像データ記録部
303 … 参照データ記録部
304 … トラッキングデータ記録部
305 … 作業管理記録部
306 … ROM/RAM
310 … 通信制御部
320 … データ処理部
321 … データ管理部
322 … 挙動検出処理部
323 … 指標算出処理部
324 … 比較判定処理部
325 … 通知処理部
340 … 表示部
350 … 表示制御部
370 … 操作部
380 … 管理制御部

Claims (12)

  1. 第1のタイミングにて、評価対象としての複数の細胞から構成される細胞群である対象細胞群が撮像されることによって画像化された対象画像のデータを対象画像データとして時系列に沿って複数取得するとともに、当該第1のタイミングと異なる第2のタイミングにて前記対象細胞群又は当該対象細胞群から派生した対象細胞群の画像データを時系列に沿って複数取得する取得手段と、
    前記タイミング毎に、各タイミングにおける複数の対象画像データについて所定の画像解析を実行することによって画像化された前記対象細胞群に属する複数の細胞をそれぞれ特定し、当該特定した各細胞を時系列に解析することによって当該各細胞の挙動を検出する検出手段と、
    前記タイミング毎に、前記検出された各対象細胞群の各細胞の挙動に基づいて、各タイミングの前記対象細胞群における細胞の挙動指標を示す細胞挙動指標を算出する算出手段と、
    前記算出された各タイミングの対象細胞群における細胞挙動指標を比較するための所定の演算を実行する比較手段と、
    前記所定の演算によって算出された算出結果、及び、当該算出結果に基づく所与の情報の少なくともいずれか一方を通知する通知手段と、
    を備えることを特徴とする、細胞管理システム。
  2. 請求項1に記載の細胞品質管理システムにおいて、
    前記算出手段が、
    前記対象細胞群の活性度及び増殖性の少なくともいずれかを規定する前記細胞挙動指標を算出する、細胞管理システム。
  3. 請求項2に記載の細胞管理システムにおいて、
    前記算出手段が、
    前記検出された各対象細胞群の各細胞の挙動に基づいて、前記対象細胞群の細胞数、当該対象細胞群としての遊走速度、及び、当該対象細胞群としての細胞サイズの少なくともいずれか1の前記細胞挙動指標を算出する、細胞管理システム。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の細胞管理システムにおいて、
    前記検出手段が、
    前記タイミング毎に、前記各細胞の挙動として、前記細胞の移動、分裂、細胞死及びサイズ変化の少なくともいずれか1を含む前記画像上の軌跡を検出する、細胞管理システム。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の細胞管理システムにおいて、
    前記第2のタイミングが、前記第1のタイミングの後のタイミングであって前記対象細胞群に課されたイベント後のタイミングである、細胞管理システム。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の細胞管理システムにおいて、
    前記比較手段における所定の演算によって算出された算出結果に基づいて、前記第1のタイミングと前記第2のタイミングとにおける前記対象細胞群又は当該対象細胞群から派生した対象細胞群の品質の同一性を判定する判定手段を更に備え、
    前記通知手段が、
    前記判定手段における判定結果を前記所与の情報として通知する、細胞管理システム。
  7. 請求項6に記載の細胞管理システムにおいて、
    前記通知手段が
    前記判定手段における判定結果が前記同一性を有していないと判定した場合には、予め定められた警告を行う、細胞管理システム。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項に記載の細胞管理システムにおいて、
    前記対象細胞群の細胞種毎に、前記各タイミングの細胞挙動指標を比較するための比較条件を示す比較条件情報が記録されている第1記録手段を更に備え、
    前記取得手段が、
    前記対象細胞群の種別を示す種別情報を取得し、
    前記比較手段が、
    前記取得された種別情報によって示される細胞種に該当する比較条件情報を前記第1記録手段から取得し、当該取得した比較条件情報に基づいて前記所定の演算を実行する、細胞管理システム。
  9. 請求項1〜8のいずれか1項に記載の細胞管理システムにおいて、
    前記取得手段が、
    前記第1のタイミングにて画像化された対象細胞群と前記第2のタイミングにて画像化された対象細胞群における培養条件及び画像化する際の撮像条件の少なくともいずれか一方を示す条件情報を取得し、
    前記算出手段が、
    前記取得された条件情報に基づいて、前記各タイミングにおける細胞挙動指標を算出する、細胞管理システム。
  10. 請求項1〜8のいずれか1項に記載の細胞管理システムにおいて、
    前記第1のタイミングにて画像化された対象細胞群と前記第2のタイミングにて画像化された対象細胞群を画像化する際の撮像条件を示す条件情報が記録されている第2記録手段と、
    前記第2記録手段に記録されている条件情報に基づいて前記対象細胞群を撮像して前記画像データを生成する撮像記録装置を制御する制御手段と、
    を更に備える、細胞管理システム。
  11. コンピュータを、
    第1のタイミングにて、評価対象としての複数の細胞から構成される細胞群である対象細胞群が撮像されることによって画像化された対象画像のデータを対象画像データとして時系列に沿って複数取得するとともに、当該第1のタイミングと異なる第2のタイミングにて前記対象細胞群又は当該対象細胞群から派生した対象細胞群の画像データを時系列に沿って複数取得する取得手段、
    前記タイミング毎に、各タイミングにおける複数の対象画像データについて所定の画像解析を実行することによって画像化された前記対象細胞群に属する複数の細胞をそれぞれ特定し、当該特定した各細胞を時系列に解析することによって当該各細胞の挙動を検出する検出手段、
    前記タイミング毎に、前記検出された各対象細胞群の各細胞の挙動に基づいて、各タイミングの前記対象細胞群における細胞の挙動指標を示す細胞挙動指標を算出する算出手段、
    前記算出された各タイミングの対象細胞群における細胞挙動指標を比較するための所定の演算を実行する比較手段、及び、
    前記所定の演算によって算出された算出結果、及び、当該算出結果に基づく所与の情報の少なくともいずれか一方を通知する通知手段、
    として機能させることを特徴とする、プログラム。
  12. 第1のタイミングにて、評価対象としての複数の細胞から構成される細胞群である対象細胞群が撮像されることによって画像化された対象画像のデータを対象画像データとして時系列に沿って複数取得するとともに、当該第1のタイミングと異なる第2のタイミングにて前記対象細胞群又は当該対象細胞群から派生した対象細胞群の画像データを時系列に沿って複数取得し、
    前記タイミング毎に、各タイミングにおける複数の対象画像データについて所定の画像解析を実行することによって画像化された前記対象細胞群に属する複数の細胞をそれぞれ特定し、当該特定した各細胞を時系列に解析することによって当該各細胞の挙動を検出し、
    前記タイミング毎に、前記検出された各対象細胞群の各細胞の挙動に基づいて、各タイミングの前記対象細胞群における細胞の挙動指標を示す細胞挙動指標を算出し、
    前記算出された各タイミングの対象細胞群における細胞挙動指標を比較するための所定の演算を実行し、
    前記所定の演算によって算出された算出結果、及び、当該算出結果に基づく所与の情報の少なくともいずれか一方を通知する、ことを特徴とする細胞管理方法。
JP2015145248A 2015-07-22 2015-07-22 細胞管理システム、プログラム、及び、細胞管理方法 Pending JP2017023055A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015145248A JP2017023055A (ja) 2015-07-22 2015-07-22 細胞管理システム、プログラム、及び、細胞管理方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015145248A JP2017023055A (ja) 2015-07-22 2015-07-22 細胞管理システム、プログラム、及び、細胞管理方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2017023055A true JP2017023055A (ja) 2017-02-02

Family

ID=57944631

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015145248A Pending JP2017023055A (ja) 2015-07-22 2015-07-22 細胞管理システム、プログラム、及び、細胞管理方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2017023055A (ja)

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPWO2018012601A1 (ja) * 2016-07-14 2019-07-04 大日本印刷株式会社 画像解析システム、培養管理システム、画像解析方法、培養管理方法、細胞群製造方法及びプログラム
WO2019234878A1 (ja) * 2018-06-07 2019-12-12 オリンパス株式会社 画像処理装置および培養評価システム
WO2019244917A1 (ja) 2018-06-19 2019-12-26 学校法人帝京大学 細胞の挙動の解析方法、およびその利用
JPWO2020218393A1 (ja) * 2019-04-26 2020-10-29
WO2021059488A1 (ja) * 2019-09-27 2021-04-01 株式会社ニコン 情報処理装置、情報処理方法、情報処理プログラム、及び情報処理システム
WO2022004319A1 (ja) * 2020-07-02 2022-01-06 富士フイルム株式会社 情報処理装置、情報処理方法、及びプログラム
WO2022009663A1 (ja) * 2020-07-06 2022-01-13 株式会社ニコン 遊走性算出装置、遊走性評価方法およびコンピュータに遊走性評価方法を実行させるコンピュータプログラム
CN114424263A (zh) * 2020-03-25 2022-04-29 株式会社日立制作所 行为识别服务器和行为识别方法

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010119314A (ja) * 2008-11-17 2010-06-03 Dainippon Printing Co Ltd 細胞画像解析装置
JP2012141314A (ja) * 2005-12-07 2012-07-26 M&T Project Partners Inc 細胞運動計測方法およびシステム
JP2013102756A (ja) * 2011-11-17 2013-05-30 Dainippon Printing Co Ltd 細胞挙動解析装置、細胞挙動解析方法、及びプログラム
JP2013230145A (ja) * 2012-04-30 2013-11-14 Masahiko Sato 細胞集団の状態を評価するための方法、候補化合物の発癌性を評価するための方法、潜在的な抗癌化合物の抗癌活性を評価するための方法及び治療用細胞集団の品質を評価するための方法
WO2014134550A1 (en) * 2013-02-28 2014-09-04 Auxogyn, Inc. Apparatus, method, and system for image-based human embryo cell classification
JP2014179061A (ja) * 2013-02-14 2014-09-25 Sony Corp 分析システム、分析プログラム及び分析方法

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012141314A (ja) * 2005-12-07 2012-07-26 M&T Project Partners Inc 細胞運動計測方法およびシステム
JP2010119314A (ja) * 2008-11-17 2010-06-03 Dainippon Printing Co Ltd 細胞画像解析装置
JP2013102756A (ja) * 2011-11-17 2013-05-30 Dainippon Printing Co Ltd 細胞挙動解析装置、細胞挙動解析方法、及びプログラム
JP2013230145A (ja) * 2012-04-30 2013-11-14 Masahiko Sato 細胞集団の状態を評価するための方法、候補化合物の発癌性を評価するための方法、潜在的な抗癌化合物の抗癌活性を評価するための方法及び治療用細胞集団の品質を評価するための方法
JP2014179061A (ja) * 2013-02-14 2014-09-25 Sony Corp 分析システム、分析プログラム及び分析方法
WO2014134550A1 (en) * 2013-02-28 2014-09-04 Auxogyn, Inc. Apparatus, method, and system for image-based human embryo cell classification

Cited By (14)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US11398032B2 (en) 2016-07-14 2022-07-26 Dai Nippon Printing Co., Ltd. Image analysis system, culture management system, image analysis method, culture management method, cell group structure method, and program
EP3517932A4 (en) * 2016-07-14 2019-07-31 Dai Nippon Printing Co., Ltd. IMAGE ANALYSIS SYSTEM, CULTURE MANAGEMENT SYSTEM, IMAGE ANALYSIS PROCEDURE, CULTURE MANAGEMENT PROCESS, CELL GROUP STRUCTURE PROCESS AND PROGRAM
JPWO2018012601A1 (ja) * 2016-07-14 2019-07-04 大日本印刷株式会社 画像解析システム、培養管理システム、画像解析方法、培養管理方法、細胞群製造方法及びプログラム
WO2019234878A1 (ja) * 2018-06-07 2019-12-12 オリンパス株式会社 画像処理装置および培養評価システム
JPWO2019234878A1 (ja) * 2018-06-07 2021-06-17 オリンパス株式会社 画像処理装置および培養評価システム
WO2019244917A1 (ja) 2018-06-19 2019-12-26 学校法人帝京大学 細胞の挙動の解析方法、およびその利用
US11475578B2 (en) 2018-06-19 2022-10-18 Teikyo University Method for analyzing behavior of cell, and use thereof
JPWO2020218393A1 (ja) * 2019-04-26 2020-10-29
JP7375815B2 (ja) 2019-04-26 2023-11-08 株式会社ニコン 細胞トラッキング方法、画像処理装置、及びプログラム
JPWO2021059488A1 (ja) * 2019-09-27 2021-04-01
WO2021059488A1 (ja) * 2019-09-27 2021-04-01 株式会社ニコン 情報処理装置、情報処理方法、情報処理プログラム、及び情報処理システム
CN114424263A (zh) * 2020-03-25 2022-04-29 株式会社日立制作所 行为识别服务器和行为识别方法
WO2022004319A1 (ja) * 2020-07-02 2022-01-06 富士フイルム株式会社 情報処理装置、情報処理方法、及びプログラム
WO2022009663A1 (ja) * 2020-07-06 2022-01-13 株式会社ニコン 遊走性算出装置、遊走性評価方法およびコンピュータに遊走性評価方法を実行させるコンピュータプログラム

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2017023055A (ja) 細胞管理システム、プログラム、及び、細胞管理方法
JP6777086B2 (ja) 情報処理装置、情報処理方法及び情報処理システム
JP5816416B2 (ja) 細胞評価装置、インキュベータ、プログラム、および、培養方法
US10163218B2 (en) Image analysis device, image analysis method, image analysis program, cell manufacturing method, cell culturing method, and cell manufacturing device
JP6981533B2 (ja) 細胞画像解析装置、細胞画像解析システム、学習データの生成方法、学習モデルの生成方法、学習データの生成プログラム、および、学習データの製造方法
JP6646746B2 (ja) 画像解析システム、培養管理システム、画像解析方法、培養管理方法、細胞群製造方法及びプログラム
US20120134571A1 (en) Cell classification method, image processing program and image processing device using the method, and method for producing cell aggregation
JPWO2009031283A1 (ja) 培養装置、培養情報管理方法およびプログラム
US11282201B2 (en) Information processing device, information processing method and information processing system
JP6097951B2 (ja) 幹細胞分化判定装置および方法並びにプログラム
JP5745290B2 (ja) 画像処理装置、細胞分類装置、インキュベータ、画像処理方法、細胞分類方法、画像処理プログラムおよび細胞分類プログラム
JP7375886B2 (ja) 培養支援装置、観察装置、及びプログラム
JP2022502684A (ja) 画像特徴の検出
JP6730040B2 (ja) 培養状態解析システム及び培養状態解析方法、並びに、プログラム
Majchrowska et al. AGAR a microbial colony dataset for deep learning detection
JP6898955B2 (ja) 情報処理装置
JP2018014991A (ja) 情報処理装置、情報処理方法及び情報処理システム
JP6343874B2 (ja) 観察装置、観察方法、観察システム、そのプログラム、および細胞の製造方法
JP7446616B2 (ja) 細胞の挙動の解析方法、およびその利用
CN104458746A (zh) 包裹体动检测系统及其检测方法
CN108693095A (zh) 免疫细胞运动速度检测方法及系统
JP2019004794A (ja) 増殖予測方法、増殖予測装置およびプログラム
JP5732201B2 (ja) 分類モデル生成装置、細胞分類装置、インキュベータ、細胞の培養方法及びプログラム
JP2021036830A (ja) 画像解析装置、細胞培養観察装置、画像解析方法、プログラム、及び情報処理システム
CN102928118A (zh) 回转窑内冷却带熟料温度检测方法和系统

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20180528

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20190322

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20190402

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20190603

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20190731

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20190805

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20200121

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20200714