JP2017021923A - 金属空気電池用正極、及び金属空気電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】電圧が充分に高く、長期間にわたって放電可能な金属空気電池を得ることができる金属空気電池用正極を提供することを目的とする。また、前記金属空気電池用正極を備えた金属空気電池を提供することを目的とする。
【解決手段】金属又は合金からなる負極活物質を含む負極を備える金属空気電池に備えられる金属空気電池用正極20であって、炭素を含む正極集電体22と、炭素を含む多孔質体21とを備え、前記正極集電体22と前記多孔質体21とが、密着するように積層されていることを特徴とする金属空気電池用正極20を用いる。
【選択図】図2

Description

本発明は、金属空気電池用正極、及び金属空気電池に関する。
電子機器等に用いられる電池としては、高電圧であることや高容量であること等の高性能化が求められている。このような電池として、リチウムイオン二次電池等のリチウムを用いた電池が幅広く用いられており、その開発が進められている。
しかしながら、リチウムは、地殻存在度が約20ppmと比較的少ない金属であり、いわゆる希少金属の部類に属している。また、リチウムは、この地殻存在度の低さから、比較的高価な金属であり、リチウムを用いた電池を製造する際の原料価格を高め、製造コストを高める大きな要因になっている。さらに、リチウムは、今後の開発状況によっては、枯渇するおそれがあることも指摘されている。
これらのことから、リチウムの使用量の少ない電池として、従来から提案されている電池や実用化されている電池等についても、それらの電池の各種性能の向上を目的とした検討が進められつつある。
従来から知られている電池の1つとして、空気電池が挙げられる。空気電池は、空気中の酸素を正極活物質として利用する。すなわち、空気電池は、空気中の酸素を酸化剤として、放電反応の際に電子を放出する物質である還元剤を負極活物質として電池内に収納した構造である。そして、空気電池は、放電にあたっては、酸素の還元反応と還元剤の酸化反応とによって、電子の移動を行い、外部に電流を取り出すようにしたものである。このため、空気電池は、その構造内に正極活物質が占める領域を設ける必要がないので、他の一次電池に比べて、多量の負極活物質を電池内に入れることができるので、高いエネルギー密度が得られる。
また、このような空気電池としては、例えば、正極である空気極として、表面積を増やすため多孔質にした、炭素繊維等からなる電極等を用い、負極として、亜鉛(Zn)、アルミニウム(Al)、及びマグネシウム(Mg)等の金属やその合金からなる金属電極を用いた金属空気電池等が挙げられる。このような金属空気電池としては、負極として、上記のような、地殻存在度の比較的高い原料を用いることができるため、安価な電池を実現可能であると考えられる。
また、例えば、アルミニウムは、資源的に豊富な金属であり、リチウムに比べてはるかに安価である。さらに、アルミニウムは、単位体積あたりのエネルギー容量が大きく、リチウムよりも高いエネルギー密度を有する。このことから、負極として、アルミニウム又はアルミニウム合金を用いた空気電池等の金属空気電池は、小型化された電池であっても、充分に高い容量を実現できると考えられる。
このような金属空気電池としては、例えば、特許文献1及び特許文献2に記載の電池が挙げられる。
特許文献1には、マグネシウムからなる負極と、前記負極からマグネシウムイオンを溶出させる水系電解液を保持可能な保液部と、を備え、前記保液部は、多価のカルボン酸塩の水溶液を水系電解液として保持するマグネシウム電池が記載されている。
また、特許文献2には、正極に空気極を用い、負極にアルミニウムまたはアルミニウム合金を用いたアルミニウム空気電池であって、正極と負極の間に介在させる電解質が負極に当接して設置されたアルミニウムイオン伝導体を含むアルミニウム空気電池が記載されている。
特開2010−182435号公報 特開2006−147442号公報
マグネシウム電池等の金属電極を用いた電池は、一般的に、負極に含まれる金属が電解液に溶解する際に発生した電子が、電解液中の水素イオンと反応して水素が発生するため、負極で発生した電子が正極に充分に移動せずに、電流が充分に流れないという、自己放電と呼ばれる現象が生じることが知られている。このため、金属電極を用いた電池は、理論上の放電容量が安定して得られない場合があった。
この自己放電は、水素イオン濃度が高いほど、顕著に発生する傾向があるので、自己放電を抑制するために、電解液を中性にすることが考えられる。
しかしながら、電解液を中性にした場合、水酸化マグネシウム等の、金属水酸化物が正極表面に析出し、好適な放電が維持できない場合があった。
この点、特許文献1によれば、多価のカルボン酸イオンと負極から溶出したマグネシウムイオンとが錯体化し、水酸化マグネシウムの溶解度を増大させることで、酸化マグネシウムの析出を抑制し、マグネシウムの持続的電解を可能にし、マグネシウム電池の負極容量を持続的に大きくすることができる旨が開示されている。
また、特許文献2によれば、正極に空気極を用い、負極にアルミニウムまたはアルミニウム合金を用いたアルミニウム空気電池において、正極と負極の間に介在させる電解質が負極に当接して設置されたアルミニウムイオン伝導体を含むことにより、中性水溶液を用いた場合においては放電生成物の水酸化アルミニウムによる放電阻害を抑制し、アルカリ水溶液を用いた場合においては放電生成物の水酸化アルミニウムによる放電阻害の抑制に加えて開回路状態にける負極の腐食を抑制して負極として用いたアルミニウムまたはアルミニウム合金の利用率を高め、いずれの場合においても電池寿命の長いアルミニウム空気電池を提供することができる旨が開示されている。
しかしながら、特許文献1及び特許文献2に開示の電池であっても、長時間にわたって、安定して電流を流すことができない場合があった。具体的には、正極として、鉄、銅、及びニッケル等の金属からなる電極を用いた場合は、電解液によって、正極が腐食されるという問題があった。また、正極として、炭素粉末からなる電極を用いた場合は、正極の抵抗が高く、集電性が低くなってしまう。これらのことから、マグネシウム電池やアルミニウム電池等の金属電極を用いた電池の性能を高めるために、用いる正極のさらなる検討が必要であった。
また、金属電極として用いられうる金属箔としては、例えば、アルミニウム箔が、食品の包装材等としての需要が大きく、金属空気電池の負極として有効に利用できる程度の価格で提供されている。このような安価に入手可能な金属箔を有効に利用できる電池の提供は、緊急時の電力供給源等としても、非常に有効なものになると期待されている。
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであって、電圧が充分に高く、長期間にわたって放電可能な金属空気電池を得ることができる金属空気電池用正極を提供することを目的とする。また、前記金属空気電池用正極を備えた金属空気電池を提供することを目的とする。
本発明者は、種々検討した結果、上記目的は、以下の本発明により達成されることを見出した。
本発明の一態様に係る金属空気電池用正極は、金属又は合金からなる負極活物質を含む負極を備える金属空気電池に備えられる金属空気電池用正極であって、炭素を含む正極集電体と、炭素を含む多孔質体とを備え、前記正極集電体と前記多孔質体とが、密着するように積層されていることを特徴とする。
このような構成によれば、電圧が充分に高く、長期間にわたって放電可能な金属空気電池を得ることができる金属空気電池用正極を提供することができる。
このことは、以下のことによると考えられる。
まず、上述したように、前記金属空気電池用正極は、炭素を含む多孔質体を備える。この多孔質体は、比表面積が大きいので、この多孔質体と、正極活物質である空気中の酸素との接触面積を増やすことができ、すなわち、多孔質体に酸素を効率的に取り込むことができ、金属空気電池の正極として、好適に働くと考えられる。
次に、上述したように、前記金属空気電池用正極において、前記正極集電体と前記多孔質体とが、密着するように積層されている。このことから、前記金属空気電池用正極を、金属空気電池の正極として用いた場合、取り込まれた酸素と電極との間の電子の授受が容易となり、安定した発電が可能となると考えられる。また、前記金属空気電池用正極を、前記多孔質体が金属空気電池の負極側を向くように用いることによって、負極から溶出された金属イオンから生成されうる金属水酸化物が正極集電体表面に析出することによる接触面積の低下を抑制することができると考えられる。さらに、前記正極集電体及び前記多孔質体が、炭素を主体として含むものであることからも、電解液による正極の腐食の発生を抑制できると考えられる。これらのことから、金属空気電池の電解液の種類にかかわらず、金属空気電池の正極としての性能の低下を、長期間にわたって、充分に抑制できると考えられる。すなわち、前記金属空気電池用正極は、金属空気電池の正極として長期間にわたって用いても、正極としての好適な性能を維持することができると考えられる。
以上のことから、本発明の一態様に係る金属空気電池用正極を用いることによって、電圧が充分に高く、長期間にわたって放電可能な金属空気電池を得ることができると考えられる。
また、前記金属空気電池用正極において、2枚の前記多孔質体で前記正極集電体を挟むように配置されていることが好ましい。
このような構成によれば、長期間にわたって、より好適な放電を維持できる。
このことは、以下のことによると考えられる。前記正極集電体を、前記多孔質体で挟むことによって、まず、上述したような、電極と酸素との反応を充分に行える接触面積を確保できると考えられる。また、電解液による正極の腐食の発生や正極集電体表面上での、負極から溶出された金属イオンに由来の金属水酸化物の析出することによる接触面積の低下をより抑制できると考えられる。これらのことから、長期間にわたって、より好適な放電を維持できると考えられる。
また、前記金属空気電池用正極において、前記多孔質体と前記正極集電体とが、導電性接着剤で接着されていることが好ましい。
このような構成によれば、電圧が充分に高く、長期間にわたって放電可能な金属空気電池を得ることができる金属空気電池用正極が好適に得られる。このことは、前記正極集電体と前記多孔質体とを、正極内での電子の移動を阻害することなく、好適に密着させることができることによると考えられる。
また、本発明の他の一態様に係る金属空気電池は、酸素を正極活物質とする正極と、金属又は合金からなる負極活物質を含む負極と、前記負極から金属イオンを溶出させる電解液と、前記正極と前記負極との間に介在し、前記電解液を保持するセパレータとを備え、前記マグネシウム空気電池用正極であることを特徴とする。
このような構成によれば、正極として、前記金属空気用正極を用いるので、電圧が充分に高く、長期間にわたって放電可能な金属空気電池を提供することができる。
また、前記金属空気電池において、前記電解液が、中性電解液又は弱塩基性電解液であることが好ましい。
このような構成によれば、漏液時の安全性の高めることができる。よって、電圧が充分に高く、長期間にわたって放電可能であって、漏液時の安全性の高い金属空気電池を提供することができる。
このことは、以下のことによると考えられる。まず、本発明の一態様に係る金属空気電池用正極は、上述したように、電解液による正極の腐食の発生や正極集電体表面上での金属水酸化物の析出等を抑制でき、金属空気電池の電解液の種類にかかわらず、金属空気電池の正極としての性能の低下を、長期間にわたって、充分に抑制できると考えられる。このことから、電解液として、漏液時の安全性の高い上記の電解液を用いても、電圧が充分に高く、長期間にわたって放電可能な金属空気電池が得られると考えられる。よって、電圧が充分に高く、長期間にわたって放電可能であって、漏液時の安全性の高い金属空気電池が得られると考えられる。
また、前記金属空気電池において、前記電解液が、ハロゲン化物、リン酸塩、有機酸塩、炭酸塩、及び炭酸水素塩からなる群から選ばれる少なくとも1種を含むことが好ましい。
このような構成によれば、漏液時の安全性をより高めることができる。よって、電圧が充分に高く、長期間にわたって放電可能であって、漏液時の安全性のより高い金属空気電池を得ることができる。
また、前記金属空気電池において、前記セパレータが、前記金属空気電池用正極に備えられる多孔質体と接することが好ましい。
このような構成によれば、長期間にわたって、より好適な放電を維持できる。このことは、負極から溶出された金属イオンから生成されうる金属水酸化物が正極集電体表面に析出することをより好適に抑制することができることによると考えられる。
本発明によれば、電圧が充分に高く、長期間にわたって放電可能な金属空気電池を得ることができる金属空気電池用正極を提供することができる。また、前記金属空気電池用正極を備えた金属空気電池が提供される。
図1は、本発明の一実施形態に係る金属空気電池用正極を備えた金属空気電池の構成の一例を示す概略断面図である。 図2は、本発明の一実施形態に係る金属空気電池用正極の構成の一例を示す概略断面図である。 図3は、本発明の一実施形態に係る金属空気電池用正極の構成の他の一例を示す概略断面図である。
以下、本発明に係る実施形態について説明するが、本発明は、これらに限定されるものではない。
本発明の一実施形態に係る金属空気電池用正極は、金属又は合金からなる負極活物質を含む負極を備える金属空気電池に備えられる金属空気電池用正極である。また、この金属空気電池用正極は、炭素を含む正極集電体と、炭素を含む多孔質体とを備え、前記正極集電体と前記多孔質体とが、密着するように積層されている。
まず、金属空気電池用正極を適用する金属空気電池としては、金属又は合金からなる負極活物質を含む負極を備える金属空気電池であれば、特に限定されない。本明細書において、「金属空気電池」とは、空気中の酸素を正極活物質(電子を受け取る物質)とし、金属又は合金を負極活物質(電子を放出する物質)とする電池である。なお、金属空気電池は、金属燃料電池とも呼ばれる。
また、金属空気電池は、以下のようにして、起電力が発生する。具体的には、金属空気電池として、金属としてアルミニウムを用いるアルミニウム空気電池を例に挙げて、説明する。
負極に含まれるアルミニウムは、電子を放出してアルミニウムイオンとなって電解液中に溶出する。その一方、正極では、酸素と水とが電子を受け取って、水酸化物イオンとなる。電池全体で見ると、アルミニウム、酸素、及び水から水酸化アルミニウム(Al(OH))が生成することで、両極間に起電力が発生する。
正極及び負極でのそれぞれの反応式は、以下の通りとなる。
正極:3O+6HO+12e → 12OH
負極:4Al → 4Al3++12e
全体:4Al+O+6HO → 4Al(OH)
金属空気電池としては、例えば、図1に示すような金属空気電池が挙げられる。なお、図1は、本発明の一実施形態に係る金属空気電池用正極を備えた金属空気電池の構成の一例を示す概略断面図である。金属空気電池10は、図1に示したように、正極20と、負極30と、正極20と負極30との間に介在し、電解液を保持しているセパレータ40とを備えている。すなわち、正極20、セパレータ40、及び負極30の順に積層される。そして、この金属空気電池10は、例えば、正極20と負極30とを、電力計50等を介して、電気的に接続することによって、放電することができる。電力計50は、この放電によって流れた電気の電圧や電流を測定することができる。そして、この正極20として、本発明の一実施形態に係る金属空気電池用正極を用いることができる。なお、正極、負極、セパレータ、及び電解液については、後述する。
また、金属空気電池としては、図1に示すような、正極20、セパレータ40、及び負極30の順で積層された場合に限定されず、これ以外の構成であってもよい。具体的には、金属空気電池としては、正極と、負極とを、セパレータを介して対向させ、渦巻状に捲回させた構成であってもよいし、板状の負極の周囲に、セパレータ及び正極を順番に巻き付けた構成であってもよい。
また、本発明の一実施形態に係る金属空気電池用正極は、上述したように、前記正極集電体と前記多孔質体とが、密着するように積層されている。すなわち、前記正極集電体と前記多孔質体とが、一体化している。
また、金属空気電池用正極20は、例えば、図2に示すように、2枚の多孔質体21で、正極集電体22を挟むように配置してもよいし、図3に示すように、前記多孔質体21と前記正極集電体22とのそれぞれ一枚ずつを用いて積層してもよい。なお、図2及び図3は、本発明の一実施形態に係る金属空気電池用正極の構成の一例を示す概略断面図である。また、金属空気電池用正極としては、図2で示すよう、2枚の多孔質体で、正極集電体を挟んだ構成のほうが好ましい。このような構成であれば、電解液による正極の腐食の発生や正極集電体表面上での金属水酸化物の析出等をより抑制できると考えられる。このため、得られた金属空気電池は、長期間にわたって、より好適な放電を維持できる。
まず、前記正極集電体としては、炭素を含み、正極集電体として用いることができるものであれば、特に限定されない。また、ここでの正極集電体としては、炭素を含んでいて、正極全体に蓄えられた電子を効率的に集めることができる程度、導電性が高いものであればよい。具体的には、炭素を主成分として含有したものであってもよく、炭素からなるものであってもよい。また、前記正極集電体に含まれる炭素としては、具体的には、グラファイトやアモルファスカーボン等の炭素質材料が挙げられる。また、この炭素としては、各種炭素質材料を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。この炭素が含まれる正極集電体としては、具体的には、強度の点から、グラファイトシートやカーボンシート等のシート状の炭素質材料、カーボンペーパー等の紙状の炭素質材料、及び活性体布等の布状の炭素質材料等が好ましく用いられる。このような正極集電体は、集電効率や強度等に優れているだけではなく、電解液による腐食の発生を抑制できる。
また、前記正極集電体の厚みは、特には限定されないが、例えば、0.01〜10mmであることが好ましく、0.05〜5mmであることがより好ましく、0.1〜3mmであることがより好ましい。前記正極集電体が薄すぎると、集電効率や強度が低下する傾向がある。また、前記正極集電体が厚すぎると、最終的に得られる金属空気電池の小型化を阻害する傾向がある。これらのことから、前記正極集電体の厚みが、上記範囲内であれば、必要以上に厚くすることなく、集電効率と強度とが優れたものとなる。
次に、前記多孔質体としては、炭素を含んだ多孔質体であれば、特に限定されない。この多孔質体は、正極活物質である、空気中の酸素に電子を供給するので、空気中の酸素との接触面積が大きい多孔質体であることが好ましい。すなわち、ここでの多孔質体としては、炭素を含んでいて、電子の移動を阻害しない程度の導電性を有し、通気性に優れ、酸素吸着体として作用しうる多孔質体であることが好ましい。具体的には、炭素を主成分として含む多孔質体であってもよいし、炭素からなる多孔質体であってもよい。また、前記多孔質体に含まれる炭素としては、具体的には、活性炭、活性炭繊維、及び炭素繊維等の炭素質材料が挙げられる。また、この炭素しては、耐腐食性及び比表面積の点から、活性炭や活性炭繊維であることが好ましい。また、この炭素としては、各種炭素質材料を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。この炭素が含まれる多孔質体としては、具体的には、前記炭素質材料を、布状やフェルト状にしたものが好ましい。このような多孔質体は、耐腐食性や通気性等に優れている。そして、前記金属空気電池用正極は、多孔質体として、上記のような多孔質体を備えることによって、正極活物質である、空気中の酸素を効率的に取り込むことができ、金属空気電池の正極として、好適に働くと考えられる。
また、前記多孔質体の厚みは、特には限定されないが、例えば、0.1〜10mmであることが好ましく、0.2〜9mmであることがより好ましく、0.25〜8mmであることがより好ましい。前記多孔質体が薄すぎると、空気中の酸素との接触点や電解液との接触点が少なくなり、電池出力が低下する傾向がある。また、前記多孔質体が厚すぎると、多孔質体の厚み方向の抵抗が大きくなり、電池出力が低下する傾向がある。これらのことから、前記多孔質体の厚みが、上記範囲内であれば、電池出力を充分に高めることができる。
また、前記多孔質体のBET比表面積は、特には限定されないが、例えば、100〜4000m/gであることが好ましく、150〜3000m/gであることがより好ましく、200〜2500m/gであることがより好ましい。前記多孔質体のBET比表面積が小さすぎると、酸素との接触面積が狭くなり、電池反応の進行が阻害される傾向がある。また、前記多孔質体のBET比表面積が大きすぎると、電解液による正極の腐食の発生や正極集電体表面上での金属水酸化物の析出等の抑制効果が低下する傾向がある。これらのことから、前記多孔質体のBET比表面積が、上記範囲内であれば、長期間にわたって、より好適に放電を実現することができる。なお、BET比表面積は、BET法によって測定される比表面積であり、公知の方法で測定可能である。BET比表面積の測定方法としては、例えば、窒素吸着等温線測定を行い、得られた吸着等温線から算出する方法等が挙げられる。
また、前記正極集電体と前記多孔質体との一体化は、前記正極集電体と前記多孔質体とが密着して積層されていればよく、前記正極集電体と前記多孔質体とを積層した正極を、金属空気電池の正極としても用いた場合であっても、前記正極集電体の、電解液への接触が、前記多孔質体によって抑制できる程度、密着していることが好ましい。このように密着していることによって、電解液による正極の腐食の発生や正極集電体表面上での金属水酸化物の析出等を抑制できると考えられる。このことから、金属空気電池の電解液の種類にかかわらず、金属空気電池の正極としての性能の低下を、長期間にわたって、充分に抑制できると考えられる。よって、前記金属空気電池用正極は、金属空気電池の正極として長期間にわたって用いても、正極としての好適な性能を維持することができ、よって、この正極を用いることで、電圧が充分に高く、長期間にわたって放電可能な金属空気電池を得ることができると考えられる。また、前記正極集電体と前記多孔質体とを一体化することによって、得られた正極の、集電効率を高めることができ、さらに、強度、耐腐食性、及び通気性等を向上させることができる。
また、前記一体化の方法は、特に限定されない。具体的には、前記正極集電体と前記多孔質体とを、圧力的に押さえつけて、一体化してもよいし、導電性テープや導電性接着剤を用いて、前記正極集電体と前記多孔質体とを接着させて、一体化してもよい。また、前記正極集電体と前記多孔質体と間の導電性を充分に確保できるのであれば、前記正極集電体と前記多孔質体とを、熱硬化性樹脂を用いて硬化接着してもよい。一体化の方法としては、この中でも、前記多孔質体と前記正極集電体とを、導電性接着剤で接着する方法が、好ましい。導電性接着剤で接着する方法であれば、前記正極集電体と前記多孔質体とを、正極内での電子の移動を阻害することなく、正極における好適に密着させることができると考えられる。このため、得られた金属空気電池用正極は、長期間にわたって、より好適な放電を維持できる金属空気電池を実現できるものである。
また、導電性接着剤としては、接着後、接着させた物体間の界面における、電気的な導通を実現できる接着剤であれば、特に限定されない。導電性接着剤としては、例えば、カーボン系の導電性フィラーを、接着剤に分散させたもの等が挙げられる。また、導電性接着剤に含まれる接着剤としては、非腐食性の点から、熱硬化性樹脂であることが好ましい。よって、導電性接着剤としては、例えば、カーボン系フィラーを熱硬化性樹脂に分散させたものが好ましく用いられる。
また、前記金属空気電池用正極の厚みは、特には限定されないが、例えば、0.01〜20mmであることが好ましく、0.03〜15mmであることがより好ましく、0.05〜10mmであることがより好ましい。前記金属空気電池用正極が薄すぎると、正極集電体や多孔質体の各性能を充分に発揮できない傾向がある。また、前記金属空気電池用正極が厚すぎると、最終的に得られる金属空気電池の小型化を阻害する傾向がある。これらのことから、前記金属空気電池用正極の厚みが、上記範囲内であれば、必要以上に厚くすることなく、長期間にわたって、より好適に放電を実現することができる。
また、前記金属空気電池用正極は、上述したように、金属空気電池に備えられる正極として利用することができる。前記金属空気電池用正極を、金属空気電池に備えられる正極として利用する場合には、図2及び図3に示すように、金属空気電池用正極20に備えられる前記多孔質体21が、前記セパレータ40と接するように、前記金属空気電池用正極20と前記セパレータ40とが配置されることが好ましい。このように配置することによって、負極から溶出された金属イオンに由来の金属水酸化物が正極集電体表面に析出することをより抑制できると考えられ、長期間にわたって、より好適な放電を維持できる金属空気電池が得られる。
また、前記負極は、金属空気電池の負極として用いられるものであれば、特に限定されない。具体的には、前記負極は、金属又は合金からなる負極活物質を含む。前記金属としては、金属空気電池における負極活物質として用いることができる金属であれば、特に限定されない。前記金属としては、例えば、亜鉛(Zn)、アルミニウム(Al)、マグネシウム(Mg)、カルシウム等が挙げられる。また、前記合金としては、金属空気電池における負極活物質として用いることができる合金であれば、特に限定されない。前記合金としては、前記金属を含む合金等が挙げられる。具体的には、例えば、亜鉛合金、アルミニウム合金、マグネシウム合金、カルシウム合金等を含む合金が挙げられる。また、例えば、アルミニウム合金とは、アルミニウムを含む合金のことであり、一般的には、アルミニウムを主成分として含む合金のことをいい、例えば、アルミニウムを50質量%以上含む合金等が挙げられる。また、マグネシウム合金とは、マグネシウムを含む合金のことであり、一般的には、マグネシウムを主成分として含む合金のことをいい、例えば、マグネシウムを50質量%以上含む合金等が挙げられる。
また、前記負極としては、前記負極活物質を含んでいればよく、前記負極活物質からなるものであってもよい。前記負極としては、具体的には、マグネシウム箔、マグネシウム合金箔、アルミニウム箔、及びアルミニウム合金箔等が挙げられる。
また、前記負極の厚みは、特には限定されないが、例えば、0.001〜5mmであることが好ましく、0.005〜4mmであることがより好ましく、0.008〜3mmであることがより好ましい。前記負極が薄すぎると、電池容量が小さくなる傾向がある。また、前記負極が厚すぎると、最終的に得られる金属空気電池の小型化を阻害する傾向がある。これらのことから、前記負極の厚みが、上記範囲内であれば、必要以上に厚くすることなく、長期間にわたって、より好適に放電を実現することができる。
また、前記セパレータは、金属空気電池のセパレータとして用いることができるものであれば、特に限定されない。すなわち、セパレータは、負極と正極との間に配置して、負極と正極との間の電気的短絡を防止するものであり、電解液を保持するものである。セパレータの形状としては、特に限定されず、例えば、フィルム状、織布状、及び不織布状等が挙げられる。電解液を保持する性能である保液性の点から、空隙を有していることが好ましく、具体的には、不織布であることが好ましい。また、セパレータの材料としては、特に限定されず、例えば、ポリエチレンやポリプロピレン等の樹脂、及びガラス等が挙げられる。すなわち、セパレータとしては、これらの樹脂の繊維やガラス繊維からなる織布、及びこれらの樹脂やガラスを用いた不織布等が挙げられる。また、セパレータとしては、濾紙等が用いられる。
また、前記セパレータの厚みは、特には限定されないが、例えば、0.01〜3mmであることが好ましく、0.05〜2mmであることがより好ましく、0.1〜1mmであることがより好ましい。前記セパレータが薄すぎると、負極と正極との間の電気的短絡を充分に防止できなかったり、電解液の保持量が少なくなり、好適な電池反応を実現できない傾向がある。また、前記セパレータが厚すぎると、最終的に得られる金属空気電池の小型化を阻害したり、電池反応を阻害する傾向がある。これらのことから、前記セパレータの厚みが、上記範囲内であれば、必要以上に厚くすることなく、長期間にわたって、より好適に放電を実現することができる。
また、前記電解液は、金属空気電池の電解液として用いることができるものであれば、特に限定されない。すなわち、前記電解液は、負極から金属を溶出させるとともに、酸素と反応する水(HO)を、正極に供給する。前記電解液のpHは、特に限定されず、酸性の電解液であっても、中性の電解液であっても、塩基性の電解液であっても用いることができる。前記電解液としては、この中でも、漏液時の安全性の観点から、中性の電解液や弱塩基性の電解液であることが好ましい。
また、前記電解液に含まれる電解質としては、例えば、ハロゲン化物、硫酸塩、硝酸塩、リン酸塩、炭酸塩、炭酸水素塩、及び有機酸塩等が挙げられる。ハロゲン化物としては、例えば、塩化リチウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、臭化リチウム、臭化ナトリウム、臭化カリウム、ヨウ化リチウム、ヨウ化ナトリウム、及びヨウ化カリウム等が挙げられる。また、硫酸塩としては、例えば、硫酸リチウム、硫酸ナトリウム、及び硫酸カリウム等が挙げられる。また、硝酸塩としては、例えば、硝酸リチウム、硝酸ナトリウム、及び硝酸カリウム等が挙げられる。また、リン酸塩としては、例えば、リン酸リチウム、リン酸ナトリウム、及びリン酸カリウム等が挙げられる。また、炭酸塩としては、例えば、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、及び炭酸カリウム等が挙げられる。また、炭酸水素塩としては、例えば、炭酸水素リチウム、炭酸水素ナトリウム、及び炭酸水素カリウム等が挙げられる。また、有機酸塩としては、例えば、酢酸ナトリウム、及び酢酸カリウム等が挙げられる。電解質は、上記各電解質を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。また、前記電解質の中でも、安全性や電解質溶解度の点等から、ハロゲン化物、リン酸塩、炭酸塩、炭酸水素塩、及び有機酸塩が好ましく、塩化リチウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、及び塩化カルシウム等の塩化物がより好ましく、塩化ナトリウム及び塩化カリウムがさらに好ましい。すなわち、前記電解液としては、塩化物イオンを含む電解液(塩化物イオン電解液)であることが好ましい。また、この塩化物イオン電解液としては、例えば、塩化ナトリウム水溶液、塩化カリウム水溶液、塩化マグネシウム水溶液、及び塩化カルシウム水溶液等が好ましく用いられる。このことから、前記電解液としては、前記各塩化物イオン電解液を単独で用いた電解液、又は2種以上を組み合わせて用いた電解液であることがより好ましい。
また、電解液は、前記セパレータによって保持される。電解液をセパレータに保持する方法は、特に限定されない。例えば、セパレータを電解液に浸漬させる方法等が挙げられる。また、例えば、金属空気電池と併設する電解液漕に電解液を貯留させておき、その電解液を、セパレータに供給するようにしてもよい。このような電解液漕の形状や材料等は特に限定されず、電解液を貯留することができるものであればよい。電解液漕としては、例えば、ポリプロピレン等の合成樹脂によって形成された容器等が挙げられる。
また、前記金属空気電池用正極は、前記電解液に接触するように用いられることが好ましい。通常の正極であれば、電解液に接触するように用いられると、電解液による正極の腐食が発生したり、負極から溶出された金属イオンから生成されうる金属水酸化物が正極表面に析出しやすい傾向がある。しかしながら、上記構成の金属空気電池用正極であれば、通常の正極とは異なり、電解液による正極の腐食の発生や正極集電体表面上での、負極から溶出された金属イオンから生成されうる金属水酸化物の析出等を充分に抑制できると考えられる。このことにより、金属空気電池用正極を電解液に接触するように用いる金属空気電池であっても、長期間にわたって、好適な放電を維持できると考えられる。
以上のことから、本実施形態に係る金属空気電池用正極を用いることによって、長期間にわたって、好適な放電を維持できる金属空気電池を得ることができる。
以下に、実施例により本発明を更に具体的に説明するが、本発明の範囲はこれらに限定されるものではない。
[実施例1]
(正極)
まず、多孔質体としては、活性炭シート(クラレケミカル株式会社製のクラシートCH900、厚み:3mm、BET比表面積:1200m/g)を、100mmに切断したものを用いた。
次に、正極集電体としては、グラファイトシート(東洋炭素株式会社製のPERMA−FOIL、厚み:0.2mm)に直径1mmの孔を5mm間隔に空けたメッシュグラファイトシートを、100mmに切断したものを用いた。
アクリル系樹脂にカーボン系フィラーを分散させた導電性接着剤(藤倉化成株式会社製のドータイトXC−12)を、前記正極集電体の両面に、厚み200μmとなるように塗工した。この両面に導電性接着剤を塗工した正極集電体の両面上に、2枚の前記多孔質体を載置した状態で、80℃で2時間加熱することによって、図2に示すような、前記正極集電体と前記多孔質体とが密着して積層された一体型の正極が得られた。この正極の厚みが、6.2mmであった。
(金属空気電池:アルミニウム空気電池)
正極としては、前記の製造方法によって得られた正極を用いた。
また、負極としては、アルミニウム箔を用いた。
また、電解液としては、飽和塩化ナトリウム水溶液を用いた。
また、セパレータとしては、120mmの濾紙(アドバンテック東洋株式会社製の5C)を用いた。
次に、図1に示すように、正極上に、電解液としての飽和塩化ナトリウム水溶液10mLを含浸させた直後のセパレータを載置し、さらに、その上に、負極を載置することによって、アルミニウム空気電池を作製した。この際、セパレータには、正極に備えられる多孔質体が接するように配置される。
[実施例2]
前記正極集電体として、カーボンペーパー(オリベスト株式会社製のカーボライト CEO−O30、厚み:0.15mm)を、100mmに切断したものを用いたこと以外、実施例1と同様である。この正極の厚みが、6.15mmであった。
[実施例3]
電解液としての飽和塩化ナトリウム水溶液10mLを含浸させた直後のセパレータを用いる代わりに、電解液としての飽和塩化ナトリウム水溶液10mLをセパレータに含浸させた後、正極と重ね合わせて24時間放置した後のセパレータを用いること以外、実施例1と同様である。
[実施例4]
前記導電性接着剤を、前記正極集電体の一方の面にのみ塗工し、図3に示すように、前記正極集電体の一方の面上に前記多孔質体を積層させること以外、実施例1と同様である。この正極の厚みが、3.2mmであった。なお、この場合も、セパレータには、正極に備えられる多孔質体が接するように配置される。
[比較例1]
導電性接着剤を使用せずに、多孔質体と正極集電体とを重ねただけとしたこと以外、実施例1と同様である。
[比較例2]
多孔質体を用いなかったこと以外、実施例1と同様である。
[比較例3]
正極集電体として、エキスパンドメタル(奥谷金網株式会社製のアルミニウム製エキスパンドメタル(0.5T/W0.7:板厚T0.5mm、きざみW0.7mm)を、100mmに切断したものを用いこと以外、実施例3と同様である。すなわち、正極集電体として、上記正極集電体を用い、セパレータとして、実施例3と同様の条件である、電解液を浸漬させ、正極と重ね合わせた状態で、24時間放置した後のセパレータを用いたこと以外、実施例1と同様である。
上記のようにして得られた各アルミニウム空気電池の、作製直後の電圧と電流、及び作製後24時間経過後の電流を測定した。その結果を、表1に示す。
Figure 2017021923

表1からわかるように、炭素を含む正極集電体と、炭素を含む多孔質体とをが、密着するように積層されているアルミニウム空気電池用正極を用いた場合(実施例1〜4)は、これ以外の正極を用いた場合より、高い電圧の電流を多く流すことができた。すなわち、好適な放電を、長期間にわたって維持できたことがわかる。
さらに、炭素を含む正極集電体と、炭素を含む多孔質体とをが、密着するように積層されているアルミニウム空気電池用正極を用いた場合(実施例3)は、前記多孔質体を設けない場合(比較例3)と比較することによって、電解液に長時間接触させていたとしても、好適な放電を実現できたことがわかる。このことは、実施例に係るアルミニウム空気電池用正極の場合は、電解液による正極の腐食を充分に抑制できたのに対して、前記多孔質体を設けない比較例3に係るアルミニウム空気電池用正極の場合は、電解液による正極の腐食を充分に抑制できなかったことによると考えられる。
また、多孔質体を、正極集電体の両面に備えた場合(実施例1〜3)は、片面のみの場合(実施例4)と比較して、さらに好適な放電を実現できることがわかった。これらのことから、炭素を含む正極集電体と、炭素を含む多孔質体とをが、密着するように積層されているアルミニウム空気電池用正極を用いることで、抵抗が低下し、取り出し電流が増加したことがわかり、さらに耐久性を維持していることがわかる。このようなアルミニウム空気電池用正極は、正極に求められる、集電効率、強度、耐腐食性、および通気性を併せ持つことが可能になったことがわかる。
10 金属空気電池
20 正極
21 多孔質体
22 正極集電体
30 負極
40 セパレータ
50 電力計

Claims (7)

  1. 金属又は合金からなる負極活物質を含む負極を備える金属空気電池に備えられる金属空気電池用正極であって、
    炭素を含む正極集電体と、炭素を含む多孔質体とを備え、
    前記正極集電体と前記多孔質体とが、密着するように積層されていることを特徴とする金属空気電池用正極。
  2. 2枚の前記多孔質体で前記正極集電体を挟むように配置されている請求項1に記載の金属空気電池用正極。
  3. 前記多孔質体と前記正極集電体とが、導電性接着剤で接着されている請求項1又は請求項2に記載の金属空気電池用正極。
  4. 酸素を正極活物質とする正極と、
    金属又は合金からなる負極活物質を含む負極と、
    前記負極から金属イオンを溶出させる電解液と、
    前記正極と前記負極との間に介在し、前記電解液を保持するセパレータとを備え、
    前記正極が請求項1〜3のいずれか1項に記載の金属空気電池用正極であることを特徴とする金属空気電池。
  5. 前記電解液が、中性電解液又は弱塩基性電解液である請求項4に記載の金属空気電池。
  6. 前記電解液が、ハロゲン化物、リン酸塩、有機酸塩、炭酸塩、及び炭酸水素塩からなる群から選ばれる少なくとも1種を含む請求項4又は請求項5に記載の金属空気電池。
  7. 前記セパレータが、前記金属空気電池用正極に備えられる多孔質体と接する請求項4〜6のいずれか1項に記載の金属空気電池。
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