JP2017020361A - 内燃機関の始動制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】機関始動に要する時間を短縮しながら、クランクプーリとモータプーリとを互いに連結するベルトの耐久性を高める。
【解決手段】内燃機関のクランクシャフト4に取り付けられたクランクプーリ4pと、モータジェネレータ8の回転シャフト8sに取り付けられたモータプーリ8pとをベルト10により互いに連結する。内燃機関を始動すべきときにモータジェネレータを始動時トルクでもって駆動し、それによりベルトを介してクランクシャフトを回転させるようにする。内燃機関を始動すべきときには、まず始動時トルクを、ベルトに作用する張力があらかじめ定められたしきい値を越えることが可能な第1の設定トルクに設定し、その後、ベルトに作用する張力がしきい値を越えないように始動時トルクを第1の設定トルクよりも低いトルクに切り換える。
【選択図】図1
【解決手段】内燃機関のクランクシャフト4に取り付けられたクランクプーリ4pと、モータジェネレータ8の回転シャフト8sに取り付けられたモータプーリ8pとをベルト10により互いに連結する。内燃機関を始動すべきときにモータジェネレータを始動時トルクでもって駆動し、それによりベルトを介してクランクシャフトを回転させるようにする。内燃機関を始動すべきときには、まず始動時トルクを、ベルトに作用する張力があらかじめ定められたしきい値を越えることが可能な第1の設定トルクに設定し、その後、ベルトに作用する張力がしきい値を越えないように始動時トルクを第1の設定トルクよりも低いトルクに切り換える。
【選択図】図1
Description
本発明は内燃機関の始動制御装置に関する。
内燃機関のクランクシャフトに取り付けられたクランクプーリと、電気モータの出力シャフトに取り付けられたモータプーリとをベルトにより互いに連結し、内燃機関を始動すべきときに電気モータを始動時トルクでもって駆動し、それによりベルトを介してクランクシャフトを回転させるようにした、内燃機関の始動制御装置であって、内燃機関を始動すべきときには、まず始動時トルクを最大トルクよりも小さいトルクに設定し、その後始動時トルクを最大トルクに設定する、内燃機関の始動制御装置が公知である(例えば、特許文献1参照)。すなわち、この始動制御装置では、抑制されたトルクでもって電気モータの駆動を開始し、それによってベルトに大きな張力が作用するのを防止するようにしている。
しかしながら、抑制されたトルクでもって電気モータの駆動を開始するようにすると、クランクシャフトが回転し始めるのに時間を要し、したがって機関始動を完了するのに要する時間が長くなるおそれがある。
本発明によれば、内燃機関のクランクシャフトに取り付けられたクランクプーリと、電気モータの出力シャフトに取り付けられたモータプーリとをベルトにより互いに連結し、前記内燃機関を始動すべきときに前記電気モータを始動時トルクでもって駆動し、それにより前記ベルトを介して前記クランクシャフトを回転させるようにした、内燃機関の始動制御装置において、前記内燃機関を始動すべきときには、まず前記始動時トルクを、前記ベルトに作用する張力があらかじめ定められたしきい値を越えることが可能な第1の設定トルクに設定し、その後、前記ベルトに作用する張力が前記しきい値を越えないように前記始動時トルクを第1の設定トルクよりも低いトルクに切り換える、内燃機関の始動制御装置が提供される。
機関始動に要する時間を短縮しながら、内燃機関を始動すべきときにベルトに作用する張力が過度に大きくなるのを抑制することができ、したがってベルトの耐久性を高めることができる。
図1を参照すると、1は火花点火式又は圧縮着火式の内燃機関本体、2は気筒、3は変速機、4はクランクシャフトをそれぞれ示す。クランクシャフト4の一端にはディファレンシャル5を介して車軸6が連結され、車軸6の両端には車輪7がそれぞれ取り付けられる。クランクシャフト4の他端にはクランクプーリ4pが固定される。また、モータジェネレータ8の回転シャフト8sにはモータプーリ8pが固定される。モータジェネレータ8は電気モータ又は発電機として作動される。モータジェネレータ8が電気モータとして作動される場合、上述の回転シャフト8sは出力シャフトして作用する。一方、補機9の回転シャフト9sには補機プーリ9pが固定される。補機9には例えば空気調整機用のコンプレッサ、冷却水ポンプ、潤滑油ポンプなどが含まれる。
クランクプーリ4p及びモータプーリ8pの周りにはベルト10が巻き掛けられ、これらクランクプーリ4p及びモータプーリ8pはベルト10により互いに連結される。本発明による実施例では図2に示されるように、クランクプーリ4p、モータプーリ8p、補機プーリ9p、及びアイドルプーリ11pの周りにベルト10が巻き掛けられ、これらクランクプーリ4p、モータプーリ8p、補機プーリ9p、及びアイドルプーリ11pはベルト10により互いに連結される。
本発明による実施例では、ベルト10に作用する張力を調整するためのベルトテンショナ12が設けられる。図2に示される実施例ではベルトテンショナ12はモータプーリ8pの周りに設けられる。また、図2に示される実施例では、ベルトテンショナ12は振り子式ベルトテンショナから構成される。振り子式ベルトテンショナ12は、モータプーリ8pの回転軸線回りに揺動可能に保持された支持体12sと、支持体12sの両端にそれぞれ保持された一対の押圧部12a,12bとを備える。一方の押圧部12aはモータプーリ8pの一側、すなわちモータプーリ8pとクランクプーリ4pとの間に位置するベルト10の部分10aに対面配置され、他方の押圧部12bはモータプーリ8pの他側、すなわちモータプーリ8pとアイドルプーリ11pとの間に位置するベルト10の部分10bに対面配置される。ベルト部分10aに作用する張力が高くなると、ベルト部分10aにより一対の押圧部12a,12b及び支持体12sが図2に示される矢印Aの方向に移動され、それによってベルト部分10aに作用する張力が低下され、ベルト部分10bに作用する張力が上昇される。一方、ベルト部分10bに作用する張力が高くなると、ベルト部分10bにより一対の押圧部12a,12b及び支持体12sが図2に示される矢印Bの方向に移動され、それによってベルト部分10bに作用する張力が低下され、ベルト部分10aに作用する張力が上昇される。なお、本発明による実施例では、一対の押圧部12a,12b及び支持体12sがあらかじめ定められた基準角度位置から矢印Aの方向に回転するとベルトテンショナ12の角度位置θTNが増大し、一対の押圧部12a,12b及び支持体12sが基準角度位置から矢印Bの方向に回転するとベルトテンショナ12の角度位置θTNが減少する。
再び図1を参照すると、機関本体1には、機関本体1の温度である機関温度を検出するための温度センサ13が取り付けられる。機関温度は例えば機関冷却水温又は機関潤滑油温によって表され、したがって温度センサ13は例えば機関冷却水温センサ又は機関潤滑油温センサから構成される。
図1に示される実施例ではモータジェネレータ8は動作電圧が48Vのモータジェネレータから構成される。この場合、モータジェネレータ8はインバータ20を介して一方では48Vバッテリ21に電気的に接続され、他方ではDC−DCコンバータ22を介して12Vバッテリ23及び電気負荷24にそれぞれ電気的に接続される。インバータ20はモータジェネレータ8で発生された交流電力を直流電力に変換し、又は48Vバッテリ21もしくは12Vバッテリ23からモータジェネレータ8に供給される直流電力を交流電力に変換する。DC−DCコンバータ22は直流電圧を48Vから12Vに、又は12Vから48Vに変換する。電気負荷24は例えば車両のライト、オーディオ機器などを含む。図示しない別の実施例ではモータジェネレータ8は動作電圧が48V以外の例えば12Vのモータジェネレータから構成される。この場合、モータジェネレータ8はインバータ20を介して12Vバッテリ23及び電気負荷24にそれぞれ電気的に接続される。
電子制御ユニット(制御器)30はデジタルコンピュータからなり、双方向性バス31によって互いに接続されたROM(リードオンリメモリ)32、RAM(ランダムアクセスメモリ)33、CPU(マイクロプロセッサ)34、入力ポート35及び出力ポート36を具備する。温度センサ13の出力電圧は対応するAD変換器37を介して入力ポート35に入力される。また、アクセルペダル39にはアクセルペダル39の踏み込み量に比例した出力電圧を発生する負荷センサ40が接続され、負荷センサ40の出力電圧は対応するAD変換器37を介して入力ポート35に入力される。更に、クランクシャフト4が例えば30度回転するごとに出力パルスを発生するクランク角センサ41が入力ポート35に接続される。CPU34ではクランク角センサ41からの出力パルスに基づいて機関回転数が算出される。更に、モータジェネレータ8の回転シャフト8sが例えば30度回転するごとに出力パルスを発生するモータ回転数センサ42が入力ポート35に接続される。CPU34ではモータ回転数センサ42からの出力パルスに基づいてモータジェネレータ8の回転数であるモータ回転数が算出される。更に、イグニッションスイッチ50が入力ポート35に接続され、イグニッションスイッチ50がオンにされたことを表す信号が入力ポート35に入力される。一方、出力ポート36は対応する駆動回路38を介してモータジェネレータ8、補機9、インバータ20、DC−DCコンバータ22、及び電気負荷24に接続される。
さて、本発明による実施例では機関を始動すべきときに次のような始動制御が行われる。すなわち、機関を始動すべき信号が発せられると、モータジェネレータ8が電気モータとして作動される。その結果、ベルト10を介してクランクシャフト4が回転され、いわゆるモータリングが開始される。次いで、機関回転数があらかじめ定められた第1の設定回転数Ne1を越えると燃料噴射作用及び点火作用が開始される。次いで、機関回転数があらかじめ定められた第2の設定回転数Ne2(>Ne1)を越えると、すなわち機関始動が完了すると、モータジェネレータ8の駆動が停止される。
次に、始動制御の第1実施例を、図3を参照しながら説明する。
図3において、時間ta1は機関を始動すべき信号が発せられた時間を表している。本発明による実施例では、機関を始動すべき信号はイグニッションスイッチ50がオンにされたことを表す信号から構成される。機関を始動すべき信号が発せられると、上述したようにモータジェネレータ8が電気モータとして作動される。この場合、モータジェネレータ8のトルクであるモータトルクMTQがあらかじめ定められた第1の設定トルクMTQ1に設定される。言い換えると、モータトルクMTQがゼロから第1の設定トルクMTQ1にステップ状に増大され、保持される。一方、このとき機関回転数Neはゼロのままであり、すなわちクランクシャフト4は回転していない。その結果、モータプーリ8pとクランクプーリ4pとの間のベルト部分10a(図2)の張力であるベルト張力BTNが次第に増大する。また、ベルトテンショナ12の角度位置θTNも次第に増大する。
次いで、時間ta2になると、すなわちモータトルクMTQが第1の設定トルクMTQ1に設定されてからあらかじめ定められた第1の設定時間dt1が経過すると、モータトルクMTQが第1の設定トルクMTQ1からあらかじめ定められた第2の設定トルクMTQ2(<MTQ1)までステップ状に低下される。
図3に示される例では、時間ta2において、ベルト張力BTNはあらかじめ定められたしきい値BTNXに達している。このため、第1の設定時間dt1は、モータジェネレータ8が作動されてからベルト張力BTNがしきい値BTNXに達するまでに要する時間であるという見方もできる。なお、第1の設定時間dt1は例えばあらかじめ実験により求められている。図示しない別の実施例では、時間ta2において、ベルト張力BTNはしきい値BTNXよりもわずかに小さい。モータトルクMTQが第2の設定トルクMTQ2に低下されると、ベルト張力BTNもステップ状に低下する。一方、図3に示される例では、時間ta2において、ベルトテンショナ12の角度位置θTNはあらかじめ定められたしきい位置θTNXよりもわずかに小さい。ベルトテンショナ12の角度位置θTNがしきい位置θTNXを越えて増大したときには、ベルトテンショナ12が過度に回転されており、好ましくない。図示しない別の実施例では、時間ta2において、ベルトテンショナ12の角度位置θTNはしきい位置θTNXに達している。モータトルクMTQが第2の設定トルクMTQ2に低下されると、ベルトテンショナ12の角度位置θTNもステップ状に低下する。
始動制御の第1実施例では、その後、モータトルクMTQは第1の設定トルクMTQ1を越えない範囲で、第2の設定トルクMTQ2から徐々に増大される。その結果、ベルト張力BTNはしきい値BTNXを越えない範囲で徐々に上昇する。また、ベルトテンショナ12の角度位置θTNもしきい位置θTNXを越えない範囲で徐々に増大する。この場合のモータトルクMTQはあらかじめROM32内に記憶されている。
次いで、時間ta3になると、機関回転数Neがゼロから増大し、すなわちクランクシャフト4が回転し始める。その結果、ベルト張力BTNは徐々に低下する。この場合もベルト張力BTNはしきい値BTNXを越えない。また、ベルトテンショナ12の角度位置θTNも徐々に減少し、しきい位置θTNXを越えない。
次いで、時間ta4になると、モータトルクMTQが第1の設定トルクMTQ1に達し、次いで第1の設定トルクMTQ1に維持される。図3に示される例では、時間ta4において、ベルト張力BTNが上昇し始め、ベルトテンショナ12の角度位置θTNも増大し始める。
ここで、図3において破線に示される比較例では、モータトルクMTQが時間ta1において第1の設定トルクMTQ1にステップ状に増大され維持される。この場合、ベルト張力BTNはしきい値BTNXを越えて上昇し、次いで機関回転数Neがゼロから増大し始めると低下し始める。また、ベルトテンショナ12の角度位置θTNもしきい位置θTNXを越えて増大し、次いで機関回転数Neがゼロから増大し始めると減少し始める。
そうすると、第1の設定トルクMTQ1はベルト張力BTNがしきい値BTNXを越えることが可能なモータトルクであるということになる。あるいは、第1の設定トルクMTQ1はベルトテンショナ12の角度位置θTNがしきい位置θTNXを越えることが可能なモータトルクであるということになる。始動制御の第1実施例では第1の設定トルクMTQ1はモータジェネレータ8の最大トルクに設定される。
すなわち、始動制御の第1実施例では、機関始動時にまずモータトルクMTQが比較的大きなモータトルクに設定されるので、ベルト張力BTNが速やかに増大される。したがって、クランクシャフト4が回転し始めるまでに要する時間を短縮することができる。言い換えると、機関始動を速やかに完了することができる。しかも、始動制御の第1実施例では、ベルト張力BTNがしきい値BTNX近傍まで上昇すると、ベルト張力BTNがしきい値BTNXを越えないようにモータトルクMTQが第1の設定トルクMTQ1から、第1の設定トルクMTQ1よりも低いモータトルクに切り換えられる。したがって、ベルト張力BTNがしきい値BTNXを越えることがなく、ベルト10の耐久性が高められる。なお、始動制御の第1実施例では、時間ta2から時間ta4までの間においてモータトルクMTQが第1の設定トルクMTQ1よりも低いモータトルクに設定されている。
したがって、包括的に表現すると、内燃機関1を始動すべきときに電気モータ8を始動時トルクでもって駆動し、それによりベルト10を介してクランクシャフト4を回転させるようにした、内燃機関の始動制御装置において、内燃機関1を始動すべきときには、まず始動時トルクMTQを、ベルト10に作用する張力BTNがあらかじめ定められたしきい値BTNXを越えることが可能な第1の設定トルクMTQ1に設定し、その後、ベルト10に作用する張力BTNがしきい値BTNXを越えないように始動時トルクMTQを第1の設定トルクMTQ1よりも低いトルクに切り換える、ということになる。
図4は上述した始動制御の第1実施例を実行するルーチンを示している。このルーチンは一定時間ごとの割り込みによって実行される。
図4を参照すると、ステップ100では機関を始動すべき信号が発せられたか否かが判別される。機関を始動すべき信号が発せられていないときには処理サイクルを終了する。機関を始動すべき信号が発せられたときにはステップ101に進み、モータトルクMTQが第1の設定トルクMTQ1に設定され、第1の設定時間dt1にわたり保持される。続くステップ102ではモータトルクMTQが第2の設定トルクMTQ2に設定される。続くステップ103ではモータトルクMTQが第2の設定トルクMTQ2から徐々に増大され、モータトルクMTQが第1の設定トルクMTQ1に達すると第1の設定トルクMTQ1に維持される。続くステップ104では機関回転数Neが設定回転数NeXを越えたか否かが判別される。Ne≦NeXのときにはステップ103に戻る。Ne>NeXのときには次いでステップ105に進み、モータトルクMTQがゼロに設定される。すなわち、モータジェネレータ8が停止される。
次に、始動制御の第2実施例を説明する。始動制御の第2実施例は、モータトルクMTQが第1の設定トルクMTQ1から第2の設定トルクMTQ2まで低下された後、あらかじめ定められた第2の設定時間dt2にわたり第2の設定トルクMTQ2に保持される点で、始動制御の第1実施例と構成を異にしている。
すなわち、図5に示されるように、時間tb1において機関を始動すべき信号が発せられると、モータトルクMTQが第1の設定トルクMTQ1に設定され、保持される。次いで、時間tb2になると、すなわちモータトルクMTQが第1の設定トルクMTQ1に設定されてから第1の設定時間dt1が経過すると、モータトルクMTQが第1の設定トルクMTQ1から第2の設定トルクMTQ2までステップ状に低下され、保持される。次いで、時間tb3になると、すなわちモータトルクMTQが第2の設定トルクMTQ2に設定されてからあらかじめ定められた第2の設定時間dt2が経過すると、モータトルクMTQは第1の設定トルクMTQ1を越えない範囲で、第2の設定トルクMTQ2から徐々に増大される。
一方、図5に示される例では、時間tb3において、機関回転数Neがゼロから増大し、すなわちクランクシャフト4が回転し始める。このため、第2の設定時間dt2は、モータトルクMTQが第2の設定トルクMTQ2に低下されてからクランクシャフト4が回転し始めるまでに要する時間であるという見方もできる。あるいは、第1の設定時間dt1と第2の設定時間dt2との和(dt1+dt2)は、モータジェネレータ8が作動されてからクランクシャフト4が回転し始めるまでに要する時間であるという見方もできる。なお、第2の設定時間dt2は例えばあらかじめ実験により求められている。
次いで、時間tb4になると、モータトルクMTQが第1の設定トルクMTQ1に達し、次いで第1の設定トルクMTQ1に維持される。
図6は上述した始動制御の第2実施例を実行するルーチンを示している。このルーチンは一定時間ごとの割り込みによって実行される。
図6を参照すると、ステップ200では機関を始動すべき信号が発せられたか否かが判別される。機関を始動すべき信号が発せられていないときには処理サイクルを終了する。機関を始動すべき信号が発せられたときにはステップ201に進み、モータトルクMTQが第1の設定トルクMTQ1に設定され、第1の設定時間dt1にわたり保持される。続くステップ202ではモータトルクMTQが第2の設定トルクMTQ2に設定され、第2の設定時間dt2にわたり保持される。続くステップ203ではモータトルクMTQが第2の設定トルクMTQ2から徐々に増大され、モータトルクMTQが第1の設定トルクMTQ1に達すると第1の設定トルクMTQ1に維持される。続くステップ204では機関回転数Neが設定回転数NeXを越えたか否かが判別される。Ne≦NeXのときにはステップ203に戻る。Ne>NeXのときには次いでステップ205に進み、モータトルクMTQがゼロに設定される。すなわち、モータジェネレータ8が停止される。
始動制御の第2実施例のその他の構成および作用は始動制御の第1実施例と同様であるので、説明を省略する。
次に、始動制御の第3実施例を説明する。始動制御の第3実施例は、モータジェネレータ8が作動されてからクランクシャフト4が回転し始めるまでの間においてモータトルクMTQがモータジェネレータ8の回転数であるモータ回転数Nmに応じて設定される点で始動制御の第1実施例と構成を異にしている。
すなわち、図7に示されるように、時間tc1において機関を始動すべき信号が発せられると、モータトルクMTQが第1の設定トルクMTQ1に設定される。その結果、クランクシャフト4が回転しないまま、モータ回転数Nmが上昇し始める。
その後、モータトルクMTQはモータ回転数Nmに応じて設定される。この場合のモータトルクMTQは図8に示されるように、モータ回転数Nmが高くなるにつれて低くなる。したがって、時間の経過と共にモータ回転数Nmが上昇すると、モータトルクMTQは低下する。この場合、ベルト張力BTNはしきい値BTNXを越えない範囲で上昇する。したがって、モータトルクMTQは、ベルト張力BTNがしきい値BTNXを超えないように第1の設定トルクMTQ1よりも低いトルクに切り換えられる、ということになる。なお、この場合のモータトルクMTQは図8に示されるマップの形であらかじめROM32内に記憶されている。
次いで、時間tc2において、機関回転数Neがゼロから増大し、すなわちクランクシャフト4が回転し始めると、モータトルクMTQは、ベルト張力BTNがしきい値BTNXを超えない範囲で、増大される。なお、図7には示されていないけれども、モータトルクMTQが第1の設定トルクMTQ1に達したときには、モータトルクMTQは第1の設定トルクMTQ1に保持される。
なお、モータジェネレータ8が作動されてからクランクシャフト4が回転し始めるまでのモータ回転数Nmはベルト張力BTNを表している。したがって、始動制御の第3実施例では、モータジェネレータ8が作動されてからクランクシャフト4が回転し始めるまでの間においてモータトルクMTQがベルト張力BTNに応じて設定されるという見方もできる。
図9は上述した始動制御の第3実施例を実行するルーチンを示している。このルーチンは一定時間ごとの割り込みによって実行される。
図9を参照すると、ステップ300では機関を始動すべき信号が発せられたか否かが判別される。機関を始動すべき信号が発せられていないときには処理サイクルを終了する。機関を始動すべき信号が発せられたときにはステップ301に進み、モータトルクMTQが第1の設定トルクMTQ1に設定される。続くステップ302ではモータトルクMTQが図8のマップを用いて算出され、設定される。続くステップ303では機関回転数Neがゼロよりも高いか否か、すなわちクランクシャフト4が回転し始めたか否かが判別される。Ne≦0のときにはステップ302に戻る。Ne>0のときには次いでステップ304に進み、モータトルクMTQが増大され、モータトルクMTQが第1の設定トルクMTQ1に達すると第1の設定トルクMTQ1に維持される。続くステップ305では機関回転数Neが設定回転数NeXを越えたか否かが判別される。Ne≦NeXのときにはステップ304に戻る。Ne>NeXのときには次いでステップ306に進み、モータトルクMTQがゼロに設定される。すなわち、モータジェネレータ8が停止される。
始動制御の第3実施例のその他の構成および作用は始動制御の第1実施例と同様であるので、説明を省略する。
次に、始動制御の第4実施例を説明する。始動制御の第4実施例は、機関始動にモータジェネレータ8に加えてスタータモータが用いられる点で始動制御の第1実施例と構成を異にしている。
すなわち、始動制御の第4実施例では、図10に示されるように、別の電気モータとしてのスタータモータ60が設けられる。スタータモータ60はピニオン60Pを備えており、ピニオン60Pは図10に実線で示される引込位置と、図10に点線で示される突出位置との間で移動可能になっている。一方、クランクシャフト4には歯車4Gが一体的に取り付けられている。上述のピニオン60Pが引込位置にあるときにはピニオン60P及び歯車4Gは互いに離脱しており、ピニオン60Pが突出位置にあるとピニオン60P及び歯車4Gは互いに係合する。スタータモータ60が作動されるとピニオン60Pが突出位置に移動すると共に回転される。その結果、スタータモータ60によりクランクシャフト4が回転される。スタータモータ60が停止されるとピニオン60Pが引込位置まで戻ると共に回転停止される。
図11に示されるように、時間td1においては機関を始動すべき信号が発せられると、モータトルクMTQが第1の設定トルクMTQ1に設定され、保持される。次いで、時間td2になると、すなわちモータトルクMTQが第1の設定トルクMTQ1に設定されてから第1の設定時間dt1が経過すると、モータトルクMTQが第1の設定トルクMTQ1から第2の設定トルクMTQ2(<MTQ1)までステップ状に低下される。また、始動制御の第4実施例では、時間td2において、スタータモータ60が作動される。このため、機関回転数Neがゼロから増大し始める。すなわち、クランクシャフト4が回転し始める。その結果、ベルト張力BTNはステップ状に低下する。また、ベルトテンショナ12の角度位置θTNもステップ状に低下する。なお、始動制御の第4実施例における第2の設定トルクMTQ2は始動制御の第1実施例における第2の設定トルクMTQ2よりも高い。始動制御の第4実施例では、モータトルクMTQが第2の設定トルクMTQ2に設定される時点でクランクシャフト4が回転し始めているので、モータトルクMTQを比較的高いトルクに設定してもベルト張力BTNが過度に上昇しないからである。
始動制御の第4実施例では、その後、モータトルクMTQは第1の設定トルクMTQ1を越えない範囲で、第2の設定トルクMTQ2から徐々に増大される。その結果、ベルト張力BTNはしきい値BTNXを越えない範囲で徐々に上昇する。また、ベルトテンショナ12の角度位置θTNもしきい位置θTNXを越えない範囲で徐々に増大する。この場合のモータトルクMTQはあらかじめROM32内に記憶されている。
次いで、時間td3になると、すなわち、スタータモータ60が作動されてからあらかじめ定められた第3の設定時間dt3が経過すると、スタータモータ60が停止される。次いで、時間td4になると、モータトルクMTQが第1の設定トルクMTQ1に達し、次いで第1の設定トルクMTQ1に維持される。
図12は上述した始動制御の第4実施例を実行するルーチンを示している。このルーチンは一定時間ごとの割り込みによって実行される。
図12を参照すると、ステップ400では機関を始動すべき信号が発せられたか否かが判別される。機関を始動すべき信号が発せられていないときには処理サイクルを終了する。機関を始動すべき信号が発せられたときにはステップ401に進み、モータトルクMTQが第1の設定トルクMTQ1に設定され、第1の設定時間dt1にわたり保持される。続くステップ402ではモータトルクMTQが第2の設定トルクMTQ2に設定される。続くステップ403ではスタータモータ60が第3の設定時間dt3にわたり作動される。続くステップ404ではモータトルクMTQが第2の設定トルクMTQ2から徐々に増大され、モータトルクMTQが第1の設定トルクMTQ1に達すると第1の設定トルクMTQ1に維持される。続くステップ405では機関回転数Neが設定回転数NeXを越えたか否かが判別される。Ne≦NeXのときにはステップ404に戻る。Ne>NeXのときには次いでステップ406に進み、モータトルクMTQがゼロに設定される。すなわち、モータジェネレータ8が停止される。
始動制御の第4実施例のその他の構成および作用は始動制御の第1実施例と同様であるので、説明を省略する。
1 機関本体
4 クランクシャフト
4p クランクプーリ
8 モータジェネレータ
8p モータプーリ
10 ベルト
4 クランクシャフト
4p クランクプーリ
8 モータジェネレータ
8p モータプーリ
10 ベルト
Claims (1)
- 内燃機関のクランクシャフトに取り付けられたクランクプーリと、電気モータの出力シャフトに取り付けられたモータプーリとをベルトにより互いに連結し、前記内燃機関を始動すべきときに前記電気モータを始動時トルクでもって駆動し、それにより前記ベルトを介して前記クランクシャフトを回転させるようにした、内燃機関の始動制御装置において、前記内燃機関を始動すべきときには、まず前記始動時トルクを、前記ベルトに作用する張力があらかじめ定められたしきい値を越えることが可能な第1の設定トルクに設定し、その後、前記ベルトに作用する張力が前記しきい値を越えないように前記始動時トルクを第1の設定トルクよりも低いトルクに切り換える、内燃機関の始動制御装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2015136169A JP2017020361A (ja) | 2015-07-07 | 2015-07-07 | 内燃機関の始動制御装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2015136169A JP2017020361A (ja) | 2015-07-07 | 2015-07-07 | 内燃機関の始動制御装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2017020361A true JP2017020361A (ja) | 2017-01-26 |
Family
ID=57889331
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2015136169A Pending JP2017020361A (ja) | 2015-07-07 | 2015-07-07 | 内燃機関の始動制御装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2017020361A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
GB2594291A (en) * | 2020-04-21 | 2021-10-27 | Jaguar Land Rover Ltd | Apparatus and method for controlling an electric machine |
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2015
- 2015-07-07 JP JP2015136169A patent/JP2017020361A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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GB2594291A (en) * | 2020-04-21 | 2021-10-27 | Jaguar Land Rover Ltd | Apparatus and method for controlling an electric machine |
GB2594291B (en) * | 2020-04-21 | 2023-03-08 | Jaguar Land Rover Ltd | Apparatus and method for controlling an electric machine |
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