本発明の一実施形態を図1〜図16を参照して以下に説明する。図1を参照して、本実施形態の移動ロボットは、一例として、人型のロボットである。この移動ロボット1(以降、単にロボット1という)は、基体2と、基体2の下部から延設された左右一対の(2つの)脚リンク機構3L,3Rと、基体2の上部から延設された左右一対の(2つの)腕リンク機構4L,4Rと、頭部5とを備える。
なお、本実施形態の説明では、脚リンク機構3L,3R等に関する参照符号L、Rは、それぞれロボット1の基体2の正面に向かって左側、右側を示す参照符号である。ただし、左右を区別する必要がないときは、参照符号L、Rを省略する。
各脚リンク機構3は、大腿部、下腿部、足部にそれぞれ相当する3つのリンク11,12,13を、基体2側から順番に、股関節機構部14、膝関節機構部15、足首関節機構部16を介して連結して構成されている。以降、リンク11,12,13をそれぞれ大腿部11、下腿部12、足部13という。
各脚リンク機構3の関節機構部14,15,16は、該脚リンク機構3の先端部のリンクである足部13が、基体2に対して例えば6自由度の運動自由度で動くように構成されている。
例えば、股関節機構部14は、ヨー軸、ピッチ軸及びロール軸の総計3軸の回転自由度を有するように3つの関節(図示省略)により構成される。膝関節機構部15は、例えばピッチ軸(1軸)の回転自由度を有するように単一の関節(図示省略)により構成される。足首関節機構部16は、例えばピッチ軸及びロール軸の総計2軸の回転自由度を有するように2つの関節(図示省略)により構成される。
なお、本実施形態の説明では、特にことわらない限り、「関節」は、1軸の回転自由度を有する回転型の関節を意味する。このような関節としては、1つの軸周りに相対回転し得る2つの部材を備える公知の構造のものを採用できる。
また、本実施形態の説明では、上記ヨー軸、ピッチ軸、ロール軸は、それぞれ図1に示すようにロボット1が直立姿勢で起立した状態(基体2、各脚リンク機構3及び各腕リンク機構4をほぼ上下方向に伸ばした状態)での該ロボット1の上下方向の軸(図1ではZ軸)、左右方向の軸(図1ではY軸)、前後方向の軸(図1ではX軸)を意味する。
各腕リンク機構4は、上腕部、前腕部、ハンド部にそれぞれ相当する3つのリンク21,22,23を、基体2側から順番に、肩関節機構部24、肘関節機構部25、手首関節機構部26を介して連結して構成されている。以降、リンク21,22,23をそれぞれ、上腕部21、前腕部22、ハンド部23という。
各腕リンク機構4の関節機構部24,25,26は、脚リンク機構3の場合と同様に、該腕リンク機構4の先端部のリンクであるハンド部23が、基体2に対して例えば6自由度の運動自由度で動くように構成されている。
例えば、肩関節機構部24は、ヨー軸、ピッチ軸及びロール軸の総計3軸の回転自由度を有するように3つの関節(図示省略)により構成される。肘関節機構部25は、例えばピッチ軸又はロール軸(1軸)の回転自由度を有するように単一の関節(図示省略)により構成される。手首関節機構部26は、例えばピッチ軸及びロール軸の総計2軸の回転自由度を有するように2つの関節(図示省略)により構成される。
なお、ハンド部23は、該ハンド部23による作業用の開閉機構、あるいは、複数の屈伸可能な指機構等を備えていてもよい。
頭部5は、基体2の上端部に首関節機構部31を介して取り付けられている。首関節機構部31は、例えば1軸、2軸、又は3軸の回転自由度を有するように、1つ又は2つ又は3つの関節により構成される。
以上が本実施形態のロボット1の機構的な構造の概要である。かかる構造のロボット1は、基本的には、左右の脚リンク機構3L,3Rの動作(各足部13の空中移動及びそれに続く接地を繰り返す2脚歩容の動作)によって移動できる。
あるいは、腕リンク機構4L,4Rを脚リンク機構3L,3Rとは別の脚リンク機構として動作させてロボット1の移動を行うことも可能である。例えば、脚リンク機構3L,3R及び腕リンク機構4L,4Rの4つのリンク機構のそれぞれの先端部(足部13、ハンド部23)の空中移動及びそれに続く接地を繰り返す4脚歩容の動作によってロボット1の移動を行うことも可能である。
また、ロボット1の2脚歩容での移動時等において、腕リンク機構4L,4Rのそれぞれのハンド部23を、適宜、壁もしくは設置物等に接触させるようにすることも可能である。
補足すると、各脚リンク機構3、あるいは、各腕リンク機構4は、例えば6自由度よりも大きい運動自由度を有するように構成されていてもよい。
また、基体2は、関節を介して連結された2つ以上のリンクにより構成されていてもよい。例えば、基体を、1つ又は複数の関節を介して連結した上部側のリンクと下部側のリンクとの2つのリンクで構成してもよい。
また、各脚リンク機構3及び各腕リンク機構4のそれぞれは、回転型の関節に限らず、直動型の関節を含んでいてもよい。
また、ロボット1は、頭部5及び首関節機構部31を持たない構造のもの、あるいは腕リンク機構4R,4Lの一方又は両方を備えないものであってもよい。
また、ロボット1は、3つ以上の脚リンク機構を備えるものであってもよい。なお、脚リンク機構3L,3Rに加えて、腕リンク機構4L,4Rを脚リンク機構として動作させてロボット1の移動を行う場合には、ロボット1は、実質的に4つの脚リンク機構を有するロボットとみなすこともできる。
次に、ロボット1の動作制御に関する構成を説明する。
図2に示すように、ロボット1には、該ロボット1の動作制御のための各種処理を実行する制御装置40と、各関節をそれぞれ駆動する関節アクチュエータ41と、各種センサとが搭載されている。なお、制御装置40は本発明の動作環境情報生成装置としての機能を含む。
関節アクチュエータ41は、各関節毎に備えられている。各関節アクチュエータ41は、例えば電動モータにより構成される。そして、各関節アクチュエータ41は、対応する関節に図示しない減速機等を介して駆動力を伝達することで、該関節を駆動する。
センサとしては、ロボット1の1つのリンク、例えば基体2の姿勢(空間的な向き)を検出するための姿勢センサ42と、ロボット1の各関節の変位量(回転角)を検出するための関節変位センサ43と、各脚リンク機構3の足部13が接触対象の外界物から受ける外力(並進力及びモーメント)を検出するための力センサ44と、各腕リンク機構4のハンド部23が接触対象の外界物から受ける外力(並進力及びモーメント)を検出するための力センサ45と、外界物認識用センサとしてのレーザ式測距センサ46及びカメラ47とがロボット1に搭載されている。
姿勢センサ42は、例えばストラップダウン方式で基体2の姿勢及びその時間的変化率(角速度)を検出し得るように該基体2に搭載されたセンサ(図1を参照)である。該姿勢センサ42は、3軸の角速度を検出するジャイロセンサと3軸の並進加速度を検出する加速度センサとから構成される。
関節変位センサ43は、各関節毎に備えられている。各関節変位センサ43は、ロータリエンコーダ、ポテンショメータ等の回転角センサにより構成される。
力センサ44は、各脚リンク機構3毎に備えられている。各力センサ44は、例えば図1に示す如く、各脚リンク機構3の足首関節機構部16と足部13との間に介装された6軸力センサにより構成される。また、力センサ45は、各腕リンク機構4毎に備えられている。各力センサ45は、例えば図1に示す如く、各腕リンク機構4の手首関節機構部26とハンド部23との間に介装された6軸力センサにより構成される。
レーザ式測距センサ46及びカメラ47は、ロボット1の周辺に存在する外界物の表面部の各部までの距離を計測可能なセンサとして機能する外界物認識用センサである。
具体的には、レーザ式測距センサ46は、例えばレーザレンジファインダによる構成される。該レーザ式測距センサ46(以下、単に測距センサ46という)は、本実施形態の一例では、図1に示す如く、頭部5の左右の両側部のそれぞれに、ヨー軸周り方向に所定の角度範囲内で揺動可能に備えられた可動部5aに搭載されている。そして、各可動部5aの測距センサ46は、該可動部5aの任意の揺動位置において、所定範囲内の複数の方向にレーザ光を出力し、ロボット1の周辺に存在する外界物の表面部の複数の計測点(レーザ光の照射部)までの距離を計測することが可能となっている。
カメラ47は、複眼のステレオカメラである。該カメラ47は、本実施形態の一例では、図1に示す如く、左右の可動部5a,5aの間で頭部5に搭載されている。そして、カメラ47の撮像画像からステレオ測距の手法によって、該カメラ47の撮像範囲内に存在する外界物の表面部の各部までの距離を計測することが可能となっている。
ここで、測距センサ46及びカメラ47による測距対象は、より詳しくは、ロボット1の接地対象物(床、地面等)、あるいは壁、設置物等、ロボット1の周辺の計測対象領域(ロボット1の進行方向前方側の領域等、ロボット1から見て所定範囲内の外界領域)に存在しており、ロボット1の動作時にロボット1と接触する可能性のある外界物の表面部である。
補足すると、測距センサ46及びカメラ47の一方又は両方は、ロボット1の頭部5以外の部位(基体2等)に搭載されていてもよい。また、測距センサ46及びカメラ47のうちのいずれか一方(例えばカメラ47)を省略してもよい。また、測距センサ46及びカメラ47の一方又は両方の代わりに、あるいは、測距センサ46及びカメラ47に加えて、レーザ式測距センサ以外の測距センサがロボット1に搭載されていてもよい。
制御装置40は、CPU、RAM、ROM、インターフェース回路等を含む電子回路ユニットにより構成され、上記の各センサ42〜47の検出信号が入力される。なお、制御装置40は、相互に通信可能な複数の電子回路ユニットにより構成されていてもよい。
この制御装置40は、実装されるプログラムを実行することにより実現される機能、又は、ハードウェア構成により実現される機能として、ロボット1の動作環境に存在する接地対象物等の外界物の表面部の空間的な配置状態を示す環境情報を生成する環境情報生成部51と、該環境情報を利用してロボット1の動作制御を行うロボット動作制御部52とを備える。
そして、環境情報生成部51は、あらかじめ定められた周期的な計測処理タイミング、あるいは、外部のサーバ等から適宜指示される計測処理タイミングで、測距センサ46及びカメラ47による計測データに基づく環境情報を作成する環境情報計測作成部61と、各計測処理タイミングで環境情報計測作成部61により作成された環境情報を累積的に統合して保存する処理を実行する環境情報統合処理部62と、外界物の特定の領域での環境情報の修正又は付加等の補足的な処理を適宜行う環境情報補足処理部63とを含む。
なお、環境情報生成部51は、制御装置40に、本発明の動作環境情報生成装置の一実施形態としての機能を付与するものである。
また、環境情報計測作成部61及び環境情報統合処理部62は、それぞれ本発明における環境情報計測作成手段、環境情報保存手段に相当する。
また、環境情報補足処理部63は、本発明における接触面位置姿勢推定手段、環境情報修正手段、エッジ情報修正手段、角部位置推定手段としての機能を含む。
以降、制御装置40の具体的な処理を説明する。まず、説明の便宜上、前記ロボット動作制御部52の制御処理を説明しておく。
ロボット動作制御部52は、本実施形態では、ロボット1の移動の要求が、図示しない外部のサーバもしくは操縦装置から与えられた場合、あるいは、該移動の要求があらかじめ設定されたスケジュール(移動計画)に従って発生した場合に、ロボット1の移動を行うための目標歩容を逐次生成する。目標歩容は、ロボット1の目標とする動作パターンである。該目標歩容は、例えば、各足部13の目標運動軌道、基体2の目標運動軌道等から構成される。
ここで、各足部13等のロボット1の任意の部位の目標運動軌道は、詳しくは、該部位の目標位置及び目標姿勢の時系列として構成される。なお、ロボット1の任意の部位の位置は、該部位の代表点の位置を意味し、ロボット1の任意の部位の姿勢は、該部位の空間的な姿勢を意味する。
また、足部13等のロボット1の任意の部位の目標位置及び目標姿勢は、ロボット1の動作環境に対して任意に設計的に設定されるグローバル座標系(ワールド座標系)で見た位置及び姿勢として記述される。本実施形態の説明では、グローバル座標系のX軸及びY軸を、互いに直交する水平軸、Z軸を鉛直軸とする。
ロボット動作制御部52は、生成した目標歩容を実現するようにロボット1の各関節の目標変位量の軌道(時系列)を生成する。そして、ロボット動作制御部52は、関節変位センサ43により検出されるロボット1の各関節の実際の変位量を、目標変位量の軌道に追従させるように、各関節に対応する関節アクチュエータ41を制御する。これにより、目標歩容に従って、ロボット1の動作が制御される。
このようにロボット動作制御部52は、目標歩容を生成しつつ、ロボット1の動作制御を行う。この場合、ロボット1の目標歩容の生成手法としては、公知の手法と同様の手法を採用し得る。
例えば、ロボット1を2脚歩容の動作で移動させることが要求された場合には、ロボット動作制御部52は、左右の脚リンク機構3L,3Rのそれぞれの足部13,13についての複数歩分の着地予定位置及び着地予定姿勢を、環境情報生成部51で生成された環境情報に基づいて設定することと、該着地予定位置及び着地予定姿勢に応じて各足部13の目標運動軌道を生成することと、ZMP(Zero Moment Point)の位置等に関する動力学的な制約条件を満たし、且つ、ロボット1の継続的な運動を行い得るように、ロボット1の動力学モデルを用いて基体2の目標運動軌道を生成することとを逐次実行する。
これにより、ロボット1を2脚歩容の動作で移動させるための目標歩容が逐次生成される。なお、この場合の目標歩容では、各腕リンク機構4及び頭部5のそれぞれの、基体2に対する相対的な目標運動軌道は、任意に設定し得る。
また、例えば、ロボット1を4脚歩容の動作で移動させることが要求された場合には、ロボット動作制御部52は、左右の脚リンク機構3L,3Rのそれぞれの足部13,13と左右の腕リンク機構4L,4Rのそれぞれのハンド部23,23とについての複数歩分の着地予定位置及び着地予定姿勢を、環境情報生成部51で生成された環境情報に基づいて設定することと、該着地予定位置及び着地予定姿勢に応じて各足部13及び各ハンド部23のそれぞれの目標運動軌道を生成することと、ZMPの位置等に関する動力学的な制約条件を満たし、且つ、ロボット1の継続的な運動を行い得るように、ロボット1の動力学モデルを用いて基体2の目標運動軌道を生成することとを逐次実行する。
これにより、ロボット1を4脚歩容の動作で移動させるための目標歩容が逐次生成される。なお、この場合の目標歩容では、基体2に対する頭部5の相対的な目標運動軌道は、任意に設定し得る。
補足すると、上記のように目標歩容を生成することは、例えば、ロボット1の1歩の動作毎に、あるいは、所定の制御処理周期で逐次実行される。なお、ロボット1の1歩の動作は、いずれかの足部13又はハンド部23を、接地状態から空中に移動させ、該空中移動に続いて着地させるという一連の動作である。
また、ロボット1の動作用の目標歩容は、上記2脚歩容又は4脚歩容での動作用の目標歩容に限られない。例えば、各ハンド部23を適宜、壁に接触させることを繰り返しながら、ロボット1の移動を行う目標歩容等を生成することも可能である。
次に、環境情報生成部51の処理を説明する。環境情報生成部51が生成する環境情報は、本実施形態では、ロボット1の動作環境に存在する接地対象物等の外界物の表面部に対して仮想的に配置した複数の小面積の局所領域ARのそれぞれにおける外界物の表面部の空間的な配置状態を示す局所環境情報により構成される。各局所領域ARは、本実施形態では、例えば図3及び図4Aに示すように円形状の領域である。ただし、各局所領域ARの形状は、円形状に限られない。例えば、各局所領域ARの形状は、四角形、六角形等の多角形状であってもよい。
ここで、各局所領域ARは、ロボット1の目標歩容の生成処理において、足部13又はハンド部23を、空中移動後に接触させようとする領域の1つの候補としての意味を持つ。すなわち、本実施形態では、前記ロボット動作制御部52は、ロボット1の足部13又はハンド部23を空中移動後に外界物の表面部に接触させる目標歩容を生成する場合に、複数の局所領域AR(候補領域)のうちのいずれか1つの局所領域ARを、足部13又はハンド部23の空中移動後の接触予定の領域として選定する。そして、ロボット動作制御部52は、選定した1つの局所領域AR内で、足部13又はハンド部23の空中移動後の接触予定位置及び接触予定姿勢を設定する。
この場合、接触予定の局所領域ARの選定と、選定した局所領域ARでの足部13又はハンド部23の接触予定位置及び接触予定姿勢の設定とが、各局所領域ARにおける局所環境情報に基づいて行われる。
なお、上記接触予定位置及び接触予定姿勢は、それぞれ、前記したロボット1の2脚歩容又は4脚歩容の動作用の目標歩容の生成処理における着地予定位置及び着地予定姿勢をより一般化して表現したものである。
上記複数の局所領域ARの環境情報を生成するために、環境情報生成部51は、各計測処理タイミングで、以下に説明する処理を実行する。
環境情報生成部51は、各計測処理タイミングにおいて、まず、環境情報計測作成部61の処理を実行する。各計測処理タイミングにおける環境情報計測作成部61の処理は、図5のフローチャートに示す如く実行される。
環境情報計測作成部61は、STEP1において、測距センサ46及びカメラ47により、ロボット1の周辺の計測対象領域に存在する外界物の表面部の複数の計測点までの距離(測距センサ46又はカメラ47のあらかじめ定められた基準点からの距離)を計測する。
さらに、STEP2において、環境情報計測作成部61は、図3に例示する如く、上記計測対象領域の外界物の表面部に、新たに複数の局所領域ARを分布させるように仮想的に設定する。なお、図3では、今回の(現在の)計測処理タイミングにおいて新たに配置される局所領域ARだけを例示的に図示しており、前回の計測処理タイミングまでに既に設定された複数の局所領域ARの図示を省略している。
各計測処理タイミングにおいて環境情報計測作成部61が外界物の表面部に仮想的に設定する各局所領域ARのサイズ(面積又は直径)は、例えば、該局所領域ARで外界物に接触させようとするロボット1の接触対象部位(足部13又はハンド部23)の接触面の全体(もしくはほぼ全体)が、該局所領域ARの内側に収まり得るようにあらかじめ定められたサイズ(例えば、該局所領域ARの直径が、該局所領域ARでのロボット1の接触面の最大長よりも若干大きい直径となるようなサイズ)に設定される。
また、局所領域ARは、外界物の表面部を正面方向から見た場合に、隣り合う局所領域AR同士が重なり部分を有するように配置される。
なお、外界物の表面部に配置する複数の局所領域ARの分布のパターンは、マトリクス状の配列等の規則的な分布パターン、あるいは、不規則的な分布パターンのいずれであってもよい。
また、外界物の表面部に仮想的に設定する局所領域を、例えば、足部13の接触用の局所領域と、ハンド部23の接触用の局所領域とに分類し、足部13の接触用の局所領域と、ハンド部23の接触用の局所領域とを各別のサイズに設定することも可能である。
次いで、STEP3において、環境情報計測作成部61は、新たに設定した各局所領域AR毎に、測距センサ46及びカメラ47による計測データ(該局所領域ARでの計測データ)に基づいて、該局所領域ARにおける外界物の表面部の配置状態を示す局所環境情報を作成する。なお、以降の説明では、測距センサ46及びカメラ47による計測データに基づいて環境情報計測作成部61が作成する局所環境情報を、後述する環境情報補足処理部63による修正等が施された局所環境情報と区別するために、局所計測環境情報ということがある。
各局所領域ARに対応して環境情報計測作成部61が作成する局所計測環境情報は、ロボット1の各足部13又は各ハンド部23の接触適正面(足部13又はハンド部23の接触を適正に行い得る面)が該局所領域ARに存在するか否か、あるいは、該接触適正面の空間的な存在位置、該接触適正面の空間的な姿勢(向き)等を示す複数種類の情報データにより構成される。
以降、床面もしくは地面等、ロボット1の足部13又はハンド部23の接地対象物となる外界物の表面部に局所領域ARを設定する場合を代表例として、環境情報計測作成部61が作成する局所計測環境情報の具体的な一例を説明する。
本実施形態では、床面等の接地対象物の表面部(以降、接地対象面という)に対して配置される各局所領域ARに対応して環境情報計測作成部61が作成する局所計測環境情報は、該局所領域ARに接触適正面(詳しくは、ロボット1の自重を支える反力(重力に抗する反力)を受けるようにロボット1の足部13又はハンド部23を接地させる上で適正とみなし得る面)が存在するか否かをそれぞれON、OFFで示す接地可否フラグの値を含む。
この場合、例えば、該局所領域AR内に、水平面に対する傾きが所定の範囲内に収まり、且つ、所定値以上の面積を有する平坦面が存在することが、該局所領域ARでの測距センサ46及びカメラ47の両方又は一方による計測データ(測距データ)に基づいて認識される場合に、上記接地可否フラグがONに設定される(接触適正面が存在すると判定される)。
また、該局所領域AR内に上記平坦面が存在することが認識できない場合には、接地可否フラグがOFFに設定される(接触適正面が存在しないと判定される)。なお、上記平坦面は、平面状の平坦面はもちろん、曲率が十分に小さいほぼ平坦な面も含み得る。
また、局所領域ARに接触適正面が存在する場合には、該局所領域ARは、接触適正面を包含する平面上に位置する領域とされる。
ここで、局所領域ARを、ロボット1の動作環境に存在する比較的広い平坦な接地対象面上に配置するような場合には、局所領域ARの全体が接触適正面となる。
一方、例えば、図4Bに示すように段差部となっている接地対象面(例えば階段状の床面)に対して、局所領域ARが段差部の接触適正面としての平坦な踏面から部分的にはみ出すような位置に配置されたような場合には、この局所領域ARにおける接触適正面は、例えば図4Aに点描を付して示した如き領域となる。この場合、局所領域AR内の接触適正面は、該局所領域AR内で、段差部の踏面のエッジに相当する境界線Leを有することとなる。
そこで、局所領域ARに接触適正面が存在する場合には、該局所領域ARに対して作成される局所計測環境情報は、上記接地可否フラグに加えて、例えば、該局所領域ARの代表点としての中心点Caの空間的な座標位置(Xc,Yc,Zc)と、接触適正面の空間的な姿勢(=局所領域ARの空間的な姿勢)を表す傾斜角(thx,thy)と、局所領域ARの半径r(又は直径)と、局所領域ARの中心点Caから該局所領域AR内での接触接地可能面の境界線(エッジ)Leまでの距離Deと、該境界線(エッジ)Leの傾き角θeとをさらに含む。
この場合、局所領域ARの接触適正面を包含する平面上の点となる中心点Caの空間的な位置は、該局所領域ARの配置位置に相当している。該中心点Caの座標位置(Xc,Yc,Zc)は、前記グローバル座標系で見た座標位置である。
また、局所領域ARの接触適正面の空間的な姿勢(=局所領域ARの空間的な姿勢)を表す傾斜角(thx,thy)は、例えば、前記グローバル座標系で見た該接触適正面のX軸周り方向の傾斜角thxとY軸周り方向の傾斜角thyとから構成される。
また、接触適正面の境界線Leの傾き角θeは、例えば前記グローバル座標系のZ軸周りの傾き角として表される。図4Aに示す例では、該傾き角θeは、局所領域ARの中心点Caから境界線Leへの垂線が、グローバル座標系のX軸方向に対してなす角度として表される。
接触適正面を有する各局所領域ARの計測環境情報の構成要素となる上記座標位置(Xc,Yc,Zc)、傾斜角(thx,thy)、距離De、及び傾き角θeは、該局所領域ARでの測距センサ46及びカメラ47の両方又は一方による計測データ(測距データ)に基づいて決定される。
なお、局所領域ARの全体が接触適正面であるような場合には、例えばエッジLeが存在しないことを示すフラグの値が、前記距離De及び傾き角θeの代わりに、該局所領域ARに対応する局所計測環境情報の構成要素として設定される。あるいは、当該フラグの値を設定する代わりに、前記距離De又は傾き角θeの値を、エッジLeが存在する場合と区別し得る所定値に設定してもよい。
また、局所領域ARに接触適正面が存在しない場合には、該局所領域ARに対応する局所計測環境情報の構成要素として、前記接地可否フラグに加えて、例えば、該局所領域ARの中心点Caの位置を表すデータ、該局所領域AR内で最も高い位置に存在する面もしくはエッジの位置及び姿勢等を表すデータが設定される。
以上の如く、環境情報計測作成部61は、STEP3において、測距センサ46及びカメラ47の計測データに基づいて、複数の局所領域ARのそれぞれにおける局所計測環境情報を作成する。
補足すると、各局所領域ARの局所環境情報は、上記の形態に限られるものではなく、他の形態を採用してもよい。また、接地可否フラグの値は、接触適正面の面積以外の要因を考慮して設定してもよい。例えば、局所領域AR内に段差部のエッジLeを含む場合、あるいは、局所領域ARから所定の距離内に段差部のエッジLeが存在する場合に、該局所領域ARの接地可否フラグをOFFに設定してもよい。
次にSTEP4において、環境情報計測作成部61は、新たに作成した各局所領域ARの局所計測環境情報の信頼度合いを示すステータス情報を作成する。該ステータス情報(以降、信頼度ステータス情報という)は、本実施形態では、例えば、各局所領域ARの局所計測環境情報の信頼度合いの高低を示す2値情報である。
この場合、測距センサ46又はカメラ47による計測時における局所領域ARまでの距離(詳しくは、測距センサ46又はカメラ47の基準点から局所領域ARの中心点Caまでの距離)が所定の閾値以下であるか、又は該局所領域ARでの有効な計測点の個数(該局所領域ARで有効な測距データが得られた計測点の個数)が所定の閾値以上である場合に、該局所領域ARの局所計測環境情報についての信頼度ステータス情報が、当該信頼度が相対的に高いことを示す値(以降、高信頼度という)に設定される。
また、ロボット1から局所領域ARまでの距離が所定の閾値よりも大きく、且つ、該局所領域ARでの有効な計測点の個数が所定の閾値よりも少ない場合には、該局所領域ARの局所計測環境情報についての信頼度ステータス情報が、当該信頼度が相対的に低いことを示す値(以降、低信頼度という)に設定される。
ここで、本実施形態では、高信頼度の信頼度ステータス情報が設定された局所領域AR(ただし、接地可否フラグがOFFに設定されたものを除く)は、前記ロボット動作制御部52が、ロボット1の移動を行うための目標歩容を生成する場合に、ロボット1の任意の歩数目の動作における足部13又はハンド部23の着地予定の領域として選定し得る領域である。
また、低信頼度の信頼度ステータス情報が設定された局所領域AR(ただし、接地可否フラグがOFFに設定されたものを除く)は、前記ロボット動作制御部52が、ロボット1の移動を行うための目標歩容を生成する場合に、1歩目の動作における足部13又はハンド部23の着地予定の領域として選定することが禁止される一方、2歩目以降の歩数目の動作における足部13又はハンド部23の着地予定の領域として選定し得る領域である。
このように、低信頼度の信頼度ステータス情報が設定された局所領域ARは、1歩目における足部13又はハンド部23の着地予定の領域としての選定候補から除外される。これにより、ロボット1の現在の動作状態において空中移動後に着地させようとする足部13又はハンド部23の着地予定の領域が、局所計測環境情報の信頼度合いが低い局所領域AR内に選定されてしまうのが防止される。
以上が、各計測処理タイミングにおける環境情報計測作成部61の処理である。
補足すると、上記信頼度ステータス情報は、局所領域ARまでの距離及び該局所領域ARにおける有効な計測点の個数の両方又は一方の代わりに、あるいは、当該距離及び個数に加えて、他の要因に応じて設定してもよい。例えば、各局所領域ARにおける計測値の分散が所定の閾値以上あることを必要条件として、信頼度ステータス情報を低信頼度に設定し、該分散が所定の閾値よりも小さい場合には、信頼度ステータス情報を高信頼度に設定するようにしてもよい。
次に、環境情報生成部51は、環境情報統合処理部62の処理を実行する。該環境情報統合処理部62は、各計測処理タイミングにおいて、環境情報計測作成部61が外界物の表面部に新たに設定した複数の局所領域AR(以降、今回設定の局所領域ARということがある)と、環境情報計測作成部61が過去の計測処理タイミング(前回以前の計測処理タイミング)で設定した複数の局所領域AR(以降、過去設定の局所領域ARということがある)とを合わせた多数の局所領域ARのそれぞれにおける局所環境情報から成るデータ群である環境情報統合データを作成する。
この環境情報統合データは、基本的には、現在の計測処理タイミングまでに、環境情報計測作成部61が設定した複数の局所領域ARについての局所環状情報を、累積的にひとまとめに統合することで作成し得る。ただし、現在の計測処理タイミングまでに作成した局所環状情報を単純に累積的に統合すると、局所領域が必要以上に過剰に密集する領域が生じたり、あるいは、環境情報統合データのデータ量が過大になる等の不都合を生じる。
このため、本実施形態における環境情報統合処理部62の処理では、過去設定の局所領域ARのうち、所定の削除対象条件に該当する一部の局所領域ARに対応する局所環境情報は削除される。
かかる環境情報統合処理部62の処理は、具体的には、図6のフローチャートに示す如く実行される。
STEP11において、環境情報統合処理部62は、前回の計測処理タイミングで作成した環境情報統合データである過去作成環境情報統合データと、今回設定の複数の局所領域ARのそれぞれに対応して作成した局所計測環境情報である今回作成局所計測環境情報とを取得する。以降、過去作成環境情報統合データと今回作成局所計測環境情報とを合わせたものを環境情報仮統合データという。
補足すると、上記過去環境情報統合データには、後述する環境情報補足処理部63で修正等が施された局所環境情報も含まれる。
次いで、環境情報統合処理部62は、STEP12からSTEP17までのループ処理により、環境情報仮統合データの各局所領域AR毎に、局所環境情報が削除対象条件に該当するか否かを判定する削除判定処理を実行し、削除対象条件に該当する局所領域AR及び局所環境情報を削除する。
この場合、新たに作成しようとする環境情報統合データに含まれる局所領域ARの密集度合が必要以上に高くならず、且つ、該環境情報統合データに含まれる局所領域ARの信頼性を極力高いものに維持し得るように、削除対象の局所領域AR及び局所環境情報が決定される。
具体的には、環境情報統合処理部62は、STEP12において、環境情報仮統合データから、削除対象条件に該当するか否かを判定するための1つの局所領域AR(i)を選択する。この場合、環境情報仮統合データの各局所領域ARが順番に選択される。以降、STEP12で選択された1つの局所領域ARを選択局所領域AR(i)という。
次いで、環境情報統合処理部62は、STEP13において、現在の選択局所領域AR(i)から最も近い他の局所領域ARまでの距離の適正下限値dmin(以降、隣接領域間適正下限距離dminという)を設定する。この場合、当該隣接領域間適正下限距離dminは、本実施形態では、例えば、選択局所領域AR(i)又はその周辺領域における接地対象面(外界物の表面部)の形状に応じて可変的に設定される。
より具体的には、隣接領域間適正下限距離dminは、本実施形態では、選択局所領域AR(i)と、接地対象面の段差部のエッジとの位置関係に応じて可変的に設定される。
すなわち、選択局所領域AR(i)が、エッジ上の領域である場合(選択局所領域A(i)内にエッジが存在する場合)と、選択局所領域AR(i)がエッジ上の位置ではないものの、エッジに比較的近い場合(具体的には、選択局所領域AR(i)の中心点Caから最も近いエッジまでの距離が所定の閾値以下である場合)と、選択局所領域AR(i)がエッジ上の位置ではなく、且つ、エッジから離れている場合(具体的には、選択局所領域AR(i)の中心点Caから最も近いエッジまでの距離が上記所定の閾値を超えている場合)とで、各別の所定値が、隣接領域間適正下限距離dminとして設定される。
この場合、選択局所領域AR(i)が、エッジ上の領域である場合、エッジに比較的近い場合、及びエッジから離れている場合のそれぞれの場合に隣接領域間適正下限距離dminとして設定される所定値をそれぞれ、dmin1、dmin2、dmin3と表記すると、dmin1<dmin2<dmin3となるようにそれぞれの所定値があらかじめ定められている。このように、隣接領域間適正下限距離dminは、選択局所領域AR(i)がエッジに近いほど、小さな距離値に設定される。
なお、本実施形態では、隣接領域間適正下限距離は上記の如く3種類の値に設定される。ただし、選択局所領域AR(i)と、段差部のエッジとの位置関係に応じて、より多くの種類の値に、隣接領域間適正下限距離を設定することも可能である。
次いで、環境情報統合処理部62は、STEP14において、環境情報仮統合データのうち(既に削除済のものを除く)、選択局所領域AR(i)からの距離が上記隣接領域間適正下限距離dminより短いものとなる他の局所領域AR(以降、これを近接局所領域AR(j)という)が選択局所領域AR(i)の周囲の領域に存在するか否かを判断する。
この場合、選択局所領域AR(i)とその周囲の他の局所領域ARとの距離は、それぞれの中心点Ca間の距離として算出される。なお、選択局所領域AR(i)とその周囲の他の局所領域ARとの距離は、該選択局所領域AR(i)の近辺領域での局所領域ARの密集度合の指標値となるものである。
STEP14の判断結果が否定的である場合(近接局所領域AR(j)が存在しない場合)には、環境情報統合処理部62は、選択局所領域AR(i)が削除対象条件に該当するものではないと判断して、後述するSTEP17の判断処理を実行する。
また、STEP14の判断結果が肯定的である場合(近接局所領域AR(j)が存在する場合)には、環境情報統合処理部62は、次に、STEP15において、選択局所領域AR(i)を削除対象とするか否か(削除対象条件に該当するものであるか否か)を判断する。
このSTEP15の判断は、本実施形態では、選択局所領域AR(i)及び近接局所領域AR(j)のそれぞれの設定時刻(作成時刻)の前後関係を示す時刻情報と、選択局所領域AR(i)及び近接局所領域AR(j)のそれぞれの信頼度ステータス情報とに基づいて行われる。これらの時刻情報及び信頼度ステータス情報は、各局所領域ARの局所環境情報の信頼度合いを示す指標となるものである。
具体的には、環境情報統合処理部62は、選択局所領域AR(i)が今回設定の局所領域である場合には、前記信頼度ステータス情報によらずに、選択局所領域AR(i)が削除対象条件に該当しないものであるとする(STEP15の判断結果をNOとする)。
また、環境情報統合処理部62は、選択局所領域AR(i)及び近接局所領域AR(j)の両方が過去設定の局所領域であり、且つ、選択局所領域AR(i)及び近接局所領域AR(j)のそれぞれの設定時刻が互いに異なる場合には、選択局所領域AR(i)及び近接局所領域AR(j)のそれぞれの設定時刻の前後関係及び信頼度ステータス情報の組み合わせが、次の表1の(1a)、(1b)、(1c)のいずれかに該当する場合、あるいは、表2の(2a)に該当する場合は、選択局所領域AR(i)が削除対象条件に該当するものであるとする(STEP15の判断結果をYESとする)。
一方、環境情報統合処理部62は、選択局所領域AR(i)及び近接局所領域AR(j)のそれぞれの設定時刻の前後関係及び信頼度ステータス情報の組み合わせが、次の表1の(1d)に該当する場合、あるいは、表2の(2b)、(2c)、(2d)のいずれかに該当する場合には、選択局所領域AR(i)が削除対象条件に該当しないものであるとする(STEP15の判断結果をNOとする)。
このように本実施形態では、選択局所領域AR(i)及び近接局所領域AR(j)の両方が過去設定の局所領域であり、且つ、選択局所領域AR(i)及び近接局所領域AR(j)のそれぞれの設定時刻が互いに異なる場合においては、信頼度ステータス情報により示される信頼度が選択局所領域AR(i)の方が近接局所領域AR(j)よりも低い場合と、信頼度ステータス情報により示される信頼度が選択局所領域AR(i)と近接局所領域AR(j)とで同じであり、且つ、選択局所領域AR(i)の設定時刻が近接局所領域AR(j)の設定時刻よりも古い時刻である場合とで、選択局所領域AR(i)が削除対象のものとされる。
なお、選択局所領域AR(i)及び近接局所領域AR(j)の両方が過去設定の局所領域であり、且つ、選択局所領域AR(i)及び近接局所領域AR(j)のそれぞれの設定時刻が互いに同一である場合においては、環境情報統合処理部62は、例えば、測距センサ46又はカメラ47による計測時における局所領域ARまでの距離と、該局所領域ARでの有効な計測点の個数とに応じて算出される所定の評価関数の値に基づいて、選択局所領域AR(i)及び近接局所領域AR(j)の信頼性を評価し、その評価結果に基づいて、選択局所領域AR(i)を削除対象とするか否かを決定する。
また、環境情報統合処理部62は、選択局所領域AR(i)が過去設定の局所領域であると共に、近接局所領域AR(j)が今回設定の局所領域である場合には、選択局所領域AR(i)及び近接局所領域AR(j)のそれぞれについての信頼度ステータス情報の組み合わせが、次の表3の(3a)、(3b)、(3c)に該当する場合は、選択局所領域AR(i)が削除対象条件に該当するものであるとする(STEP15の判断結果をYESとする)。
一方、環境情報統合処理部62は、信頼度ステータス情報の当該組み合わせが、次の表3の(3d)に該当する場合は、選択局所領域AR(i)が削除対象条件に該当しないものであるとする(STEP15の判断結果をNOとする)。
このように、本実施形態では、選択局所領域AR(i)が過去設定の局所領域であると共に、近接局所領域AR(j)が今回設定の局所領域である場合においては、信頼度ステータス情報により示される信頼度が選択局所領域AR(i)と近接局所領域AR(j)とで同じである場合と、当該信頼度が選択局所領域AR(i)の方が近接局所領域AR(j)よりも低い場合とで、選択局所領域AR(i)が削除対象のものとされる。
なお、信頼度ステータス情報により示される信頼度が選択局所領域AR(i)と近接局所領域AR(j)とで同じである場合、外界物の表面部の配置状態の経時変化を考慮すると、近接局所領域AR(j)よりも設定時刻が古い選択局所領域AR(i)の局所環境情報は、近接局所領域AR(j)の局所環境情報よりも信頼性が低いと考えられる。このため、表1の(1b),(1c)の場合、あるいは、表3の(3b),(3c)の場合に、近接局所領域AR(j)よりも設定時刻が古い選択局所領域AR(i)を削除対象のものとしている。
STEP15の判断結果が否定的である場合には、環境情報統合処理部62は、次にSTEP17の判断処理を実行する。また、STEP15の判断結果が肯定的である場合には、環境情報統合処理部62は、STEP16において、選択局所領域AR(i)をこれに対応する局所環境情報と共に環境情報仮統合データから削除した後、STEP17の判断処理を実行する。
STEP17では、環境情報統合処理部62は、環境情報仮統合データの全ての局所領域について、削除判定処理を実行したか否かを判断する。そして、環境情報統合処理部62は、STEP17の判断結果が否定的である場合には、STEP12からの処理を繰り返す。
また、STEP17の判断結果が肯定的である場合には、環境情報統合処理部62は、STEP18において、環境情報仮統合データから削除対象の局所領域及びこれに対応する局所環境情報を削除してなるデータを、環境情報統合データとして図示しない記憶媒体に保存する。これにより環境情報統合処理部62の処理が終了する。なお、環境情報統合データをロボット1から外部のサーバ等に転送して保存するようにしてもよい。
以上が、各計測処理タイミングにおける環境情報統合処理部62の処理である。かかる処理により、局所領域ARの密集度合が過剰に高くならないようにしつつ、ロボット1の動作環境の広い領域における多数の局所領域のそれぞれに対応する局所環境情報を環境情報統合データして保存することができる。
また、隣接領域間適正下限距離dminを上記の如く可変的に設定するので、エッジ上、あるいは、その近辺では、局所領域ARの密集度合が高めになる。このため、ロボット動作制御部52による目標歩容の生成処理において、エッジ上又はその近辺で、足部13又はハンド部23の着地予定の領域を選定する場合に、最適な局所領域ARの選定を行い易くなる。
補足すると、本実施形態における環境情報統合処理部62の上記の処理では、今回設定の局所領域ARは削除対象とされないので、演算負荷の軽減のために、過去設定の局所領域ARだけに対して上記削除判定処理を実行するようにしてもよい。
また、本実施形態では、隣接領域間適正下限距離dminを選択局所領域AR(i)とエッジとの位置関係に応じて可変的に設定したが、隣接領域間適正下限距離dminを一定値に設定することも可能である。
あるいは、隣接領域間適正下限距離dminを、エッジ以外に関する接地対象面の形状(例えば曲率等)を考慮して設定することも可能である。
次に、環境情報生成部51は、環境情報補足処理部63の処理を実行する。
環境情報補足処理部63は、各計測処理タイミングにおいて、環境情報統合処理部62が上記の如く作成した環境情報統合データに対して、特定領域における局所環境情報の追加、修正等の補足処理を実行すると共に、ロボット1の目標歩容の生成処理に使用する局所環境情報のソート等を実行する。かかる環境情報補足処理部63の処理は、図7のフローチャートに示す如く実行される。
環境情報補足処理部63は、STEP21において、環境情報統合データからエッジ上の局所領域ARを抽出する。
次いで、環境情報補足処理部63は、STEP22において、同一のエッジとみなし得るエッジ上において隣り合う2つの局所領域AR,ARの間の距離に応じて適宜、当該2つの局所領域AR,ARの間に局所領域ARpを補間的に追加するエッジ上局所領域補間処理を実行する。
このエッジ上局所領域補間処理では、環境情報補足処理部63は、同一のエッジ(ほぼ一定の方向に連続的に延在するエッジ)上で隣り合う2つの局所領域AR,ARの間の距離d(当該2つの局所領域AR,ARのそれぞれの中心点Ca間の距離)を算出する。
そして、環境情報補足処理部63は、同一のエッジ上で隣り合う2つの局所領域AR,ARの間の距離dの算出値が所定の下限距離dthよりも大きい場合に、当該2つの局所領域AR,ARの間の位置(中央位置)に局所領域ARpを補間的に追加する。
例えば、図8に示す例では、同一のエッジLe上で隣り合う2つの局所領域AR(k1),AR(k2)の間の距離dが所定の下限距離dthよりも大きいものとなっている。この場合に、当該2つの局所領域AR(k1),AR(k2)の間の中央位置に局所領域ARpが補間的に追加される。
なお、上記下限距離dthは、例えば前記環境情報統合処理部62の処理において選択局所領域AR(i)がエッジ上の領域である場合に設定される前記隣接領域間適正下限距離dmin(=dmin1)と同じ値、あるいは、それよりも若干大きい値に設定される。
以降、このようにエッジ上で補間的に追加される局所領域ARpをエッジ上補間局所領域ARpという。
環境情報補足処理部63は、さらにこのように追加したエッジ上補間局所領域ARpに対応する局所環境情報を設定する。
このエッジ上補間局所領域ARpの局所環境情報は、両側の2つの局所領域AR,ARの局所環境情報に応じて設定される。例えば、エッジ上補間局所領域ARpの両側の2つの局所領域AR,ARの接地可否フラグの両方がONである場合には、エッジ上補間局所領域ARpの接地可否フラグがONに設定される。
さらに、エッジ上補間局所領域ARpの中心点Caの座標値(Xc,Yc,Zc)、傾斜角(thx,thy)、並びに、エッジに関する距離De及び傾き角θeの各パラメータの値は、それぞれ、両側の局所領域AR,ARにおけるそれぞれのパラメータ値の平均値に設定される。
また、エッジ上補間局所領域ARpの両側の2つの局所領域AR,ARの一方又は両方の接地可否フラグの両方がOFFである場合には、エッジ上補間局所領域ARpの接地可否フラグがOFFに設定される。
また、エッジ上補間局所領域ARpに対しては、該局所領域ARpがエッジ上補間局所領域である旨を示すフラグの値が設定される。
STEP22におけるエッジ上局所領域補間処理は、以上の如く実行される。
補足すると、環境情報補足処理部63が各計測処理タイミングにおいて適宜設定するエッジ上補間局所領域ARp及びこれに対応する局所環境情報は、次回の計測処理タイミングにおける環境情報統合処理部62の処理では、過去作成環境情報統合データの要素としては使用されない。
次に、STEP23において、環境情報補足処理部63は、外界物の表面部(接地対象面)の角部の推定位置に局所領域ARc及びこれに対応する局所環境情報を追加設定する角部局所領域設定処理を実行する。なお、この角部局所領域設定処理により、本発明における角部位置推定手段が実現される。
この角部局所領域設定処理では、環境情報補足処理部63は、エッジ上の局所領域を互いに延在方向が異なるエッジ毎に分類する。例えば図9に例示する如く、外界物の表面部(接地対象面)が、ほぼ単一の平面上の領域とみなし得る領域上に相互に延在方向が所定量以上異なる複数(図示例では3つ)のエッジLe1,Le2,Le3を有し、且つ、それぞれのエッジLe1,Le2,Le3上に、複数の局所領域ARが設定されている場合に、これらのエッジLe1,Le2,Le3上の複数の居所領域ARは、エッジLe1,Le2,Le3のそれぞれに対応するグループARG1,ARG2,ARG3に分類される。
この場合、当該分類は、各グループにおける局所領域の局所環境情報により規定されるエッジの延在方向が、該グループ内でほぼ同一となるように、各局所領域ARにおける接触適正面の傾斜角(thx,thy)及びエッジの傾き角θe等に基づいて行われる。すなわち、接触適正面の傾斜角(thx,thy)及びエッジの傾き角θeが相互に一致もしくは近似する局所領域AR同士が、同一のエッジ上のものとして分類される。
さらに、環境情報補足処理部63は、各エッジに対応するグループの局所領域のうちの端部の局所領域におけるエッジを延長して、互いに異なるエッジに対応する当該延長線の交差位置を角部の近似的な存在位置として推定する。そして、環境情報補足処理部63は、当該推定位置に、角部の存在領域としての局所領域ARc(以降、角部局所領域ARcという)を設定する。
例えば、図9に示す例では、外界物の表面部(接地対象面)のエッジLe1,Le2の組、並びに、エッジLe1,Le3の組によりそれぞれ角部が形成されている。この場合の例では、エッジLe1に対応するグループARG1の局所領域ARのうち、エッジLe2寄りの端部の局所領域AR(k1)の局所環境情報により規定されるエッジを延長してなる延長線L(k1)と、エッジLe2に対応するグループARG2の局所領域ARのうち、エッジLe1寄りの端部の局所領域AR(k2)の局所環境情報により規定されるエッジを延長してなる延長線L(k2)との交差位置に、エッジLe1,Le2の組により形成される角部の存在領域としての角部局所領域ARc(1)が設定される。
また、エッジLe1に対応するグループARG1の局所領域ARのうち、エッジLe3寄りの端部の局所領域AR(k3)の局所環境情報により規定されるエッジを延長してなる延長線L(k3)と、エッジLe3に対応するグループARG3の局所領域ARのうち、エッジLe1寄りの端部の局所領域AR(k4)の局所環境情報により規定されるエッジを延長してなる延長線L(k4)との交差位置に、エッジLe1,Le3の組により形成される角部の存在領域としての角部局所領域ARc(2)が設定される。
この場合、図9に示した例では、各角部局所領域ARc(ARc(1),ARc(2))は、通常の局所領域AR(環境情報計測作成部61が設定する局所領域AR)よりも小さな面積の局所領域として設定される。ただし、角部局所領域ARcは、例えば通常の局所領域と同じ面積の局所領域であってもよい。
また、環境情報補足処理部63は、各角部局所領域ARcの局所環境情報として、接地可否フラグをOFFに設定すると共に、該角部局所領域ARcの位置を規定する上記交差位置の座標値を該角部局所領域ARcの中心点Caの座標位置(Xc,Yc,Zc)として設定する。
このように角部局所領域ARcは、ロボット1の足部13及びハンド部23の着地を禁止する領域として設定される。
STEP23における角部局所領域設定処理は、以上の如く実行される。
このように、角部局所領域ARcを設定することで、ロボット動作制御部52による目標歩容の生成処理において、ロボット1の足部13又はハンド部23を、角部もしくはその近辺に着地させてしまうような目標歩容を生成することとなるのを確実に防止することが可能となる。
補足すると、環境情報補足処理部63が各計測処理タイミングにおいて適宜設定する角部局所領域ARc及びこれに対応する局所環境情報は、次回の計測処理タイミングにおける環境情報統合処理部62の処理では、過去作成環境情報統合データの要素としては使用されない。
環境情報補足処理部63は、次にSTEP24において、エッジ上補間局所領域ARp及び角部局所領域ARcを含めた環境情報統合データの局所領域AR及び局所環境情報の組のデータを、ロボット1の現在位置から局所領域ARまでの距離に応じてソートする。この場合、局所領域AR及び局所環境情報の組のデータは、例えば、ロボット1に近いものから順番に並ぶようにソートされる。
次いで、STEP25において、環境情報補足処理部63は、局所領域AR及び局所環境情報の組のデータのうちの、ロボット1により近い側の所定数の組のデータを、ロボット1の目標歩容の生成用の環境情報として登録する。ロボット動作制御部52は、このように登録された環境情報を用いてロボット1の目標歩容を生成する。
次いで、STEP26において、環境情報補足処理部63は、目標歩容の生成用の環境情報のうちのエッジ上の局所領域におけるエッジの位置についてのフィルタリング処理を実行する。これにより、各計測処理タイミングにおける環境情報補足処理部63の処理が終了する。なお、STEP26のフィルタリング処理により、本発明におけるエッジ情報修正手段が実現される。
STEP26におけるフィルタリング処理は、ほぼ一定方向に延在する同一のエッジ上の複数の局所領域ARのそれぞれの局所環境情報により示されるエッジの位置が、計測誤差等に起因して相互に近接する局所領域AR間でばらつきを生じるのを低減するための処理である。
このフィルタリング処理は、例えば次のように行われる。すなわち、同一のエッジ上に並ぶ複数の局所領域ARのグループ(例えば図9に示したグループARG1等)に属する各局所領域AR(エッジ上補間局所領域ARpを含む)におけるエッジの位置に関する局所環境情報が、該局所領域ARの周辺の他の複数の局所領域ARのそれぞれにおけるエッジについての局所環境情報に応じて修正される。なお、本実施形態では、同一のエッジ上の複数の局所領域ARのうちの両端部のそれぞれの局所領域ARは、フィルタリング処理の対象から除外される。
該フィルタリング処理の一例を図10を参照して説明する。この例では、図10に示すように、同一のエッジ上の任意の1つの局所領域AR(k1)におけるエッジの位置が、該局所領域AR(k1)の周辺の他の局所領域ARとしての両隣りの2つの局所領域AR(k2),AR(k3)のそれぞれにおけるエッジの位置及び方向に応じて修正される。
なお、図10に示す例では、局所領域AR(k1),AR(k2),AR(k3)のそれぞれの当初の局所環境情報により規定されるエッジ(フィルタリング処理前のエッジ)は、それぞれ図中のLe(k1),Le(k2),Le(k3)である。
当該一例のフィルタリング処理では、環境情報補足処理部63は、局所領域AR(k1)の当初のエッジLe(k1)と、該局所領域AR(k1)の中心点Ca(k1)を通って該エッジLe(k1)に直交するラインLcとの交点P(k1)(換言すれば、局所領域AR(k1)におけるエッジLe(k1)の中点)の位置を算出する。
さらに、環境情報補足処理部63は、局所領域AR(k1)の周辺の(両隣りの)他の局所領域AR(k2),AR(k3)のそれぞれのエッジLe(k2),Le(k3)(フィルタリング処理前の当初のエッジ)又はその延長線と、上記ラインLcとの交点P(k2),P(k3)の位置(局所領域AR(k1)の法線方向で見た交点P(k2),P(k3)の位置)を算出する。
次いで、環境情報補足処理部63は、上記交点P(k1),P(k2),P(k3)のうちの、上記ラインLc上で両端に位置する2つの点(図10に示す例では交点P(k2),P(k3))の中点Pcの位置(局所領域AR(k1)と同一平面上での位置)を算出する。
そして、環境情報補足処理部63は、この中点Pcを通って、当初のエッジLe(k1)に平行なエッジLec(k1)(図10における破線示のエッジ)を、局所領域AR(k1)の修正後(フィルタリング処理後)のエッジとし、該局所領域AR(k1)におけるエッジに関する局所環境情報をエッジLec(k1)に対応する局所環境情報に修正する。
この場合、本実施形態では、局所領域AR(k1)におけるエッジに関する局所環境情報としての前記距離De及び傾き角θeのうちの距離De(中心点Ca(k1)からの距離)が修正後のエッジLec(k1)とに対応する値に修正される。
従って、局所領域AR(k1)におけるエッジの位置及び方向のうちの位置に関する局所環境情報だけが当初のものから修正される。
上記フィルタリング処理の例では、以上の如く、同一のエッジ上の各局所領域AR(k1)におけるエッジの位置についての局所環境情報が、該局所領域AR(k1)の周辺の他の局所領域ARとしての両隣りの2つの局所領域AR(k2),AR(k3)のそれぞれにおける当初の(フィルタリング処理前の)エッジに関する局所環境情報に応じて修正される。
これにより、同一のエッジ上の各局所領域AR(k1)におけるエッジの位置が、相互に近接する複数の局所領域間でばらつくのを低減することができる。ひいては、ロボット動作制御部52による目標歩容の生成処理において、エッジ上又はその近辺の局所領域ARで足部13又はハンド部23の着地予定位置及び着地予定姿勢を設定する場合に、当該設定を適切に行うことができる。
なお、本実施形態における上記フィルタリング処理では、同一のエッジ上の複数の局所領域ARのうちの両端部のそれぞれの局所領域ARは、その片側に、同一のエッジ上の他の局所領域ARが無いため、前記した如くフィルタリング処理の対象から除外される。従って、当該両端部のそれぞれの局所領域ARのエッジに関する局所環境情報は、当初のエッジに対応する局所環境情報に保持される。
補足すると、図10を参照して説明したフィルタリング処理は、一例の処理であり、他の形態のフィルタリング処理を採用することも可能である。例えば、同一のエッジ上の任意の1つの局所領域ARにおけるエッジについての局所環境情報を修正するにあたって、両隣り2つの局所領域ARだけでなく、修正対象の1つの局所領域ARから所定距離内の複数の局所領域のそれぞれのエッジについての局所環境情報を用いることも可能である。
また、例えば、同一のエッジ上の任意の1つの局所領域ARとその周辺の局所領域ARとのそれぞれのエッジ位置を平均化するフィルタリング処理によって、当該1つの局所領域ARのエッジの位置を修正してもよい。
また、各局所領域ARのエッジの位置に加えて、あるいはエッジの位置の代わりに、該エッジの方向についてのフィルタリング処理を行うことも可能である。このようにSTEP26におけるフィルタリング処理は、種々様々な形態の処理を採用し得る。
次に、ロボット1の動作中において環境情報生成部51の環境情報補足処理部63が実行する割り込み処理と、これに関連するロボット動作制御部52の処理とについてさらに説明する。
本実施形態では、環境情報補足処理部63は、さらにロボット1の動作中に、図11のフローチャートに示す如く割り込み処理(図11のSTEP32以降の処理)を実行することで、局所環境情報を適宜修正する。そして、ロボット動作制御部52は、当該修正を反映させてロボット1の動作制御を行う。
以下、これらの処理に関して説明する。なお、以降の説明では、ロボット1の移動動作において、空中移動を行う足部13又はハンド部23を移動側足部13又は移動側ハンド部23と称し、移動側足部13又は移動側ハンド部23の空中移動中に、外界物としての接地対象物の表面部(接地対象面)に接地させている足部13又はハンド部23を支持側足部13又は支持側ハンド部23と称する。
STEP31において、環境情報補足処理部63は、ロボット動作制御部52により目標歩容に応じたロボット1の動作制御が行われている最中に、目標歩容に従って着地しようとしている移動側足部13又は移動側ハンド部23の実際の着地が行われたか否かを検知する。この検知は、例えば前記力センサ44又は45の出力に基づいて行い得る。
そして、環境情報補足処理部63は、移動側足部13又は移動側ハンド部23の実際の着地が検知される毎(STEP31の判断結果が肯定的になる毎)に、STEP32からの割り込み処理を実行する。
STEP32では、環境情報補足処理部63は、該移動側足部13又は移動側ハンド部23の着地箇所での接地対象面を包含する平面(以降、実着地平面という)の位置及び姿勢を、当該着地時におけるロボット1の姿勢状態(詳しくは、ロボット1の各関節の変位量の瞬時値及び基体2の姿勢の瞬時値に応じて規定される瞬時的な姿勢状態)に基づいて推定する。
より具体的には、環境情報補足処理部63は、移動側足部13又は移動側ハンド部23の着地時において、該移動側足部13又は移動側ハンド部23と、支持側足部13又は支持側ハンド部23との間の各関節の変位量の検出値(前記関節変位センサ43の出力により示される検出値)と、基体2の空間的な姿勢の検出値(前記姿勢センサ42の出力により示される検出値)を取得する。
そして、環境情報補足処理部63は、上記各関節の変位量の検出値と基体2の姿勢の検出値を用いて、ロボット1の幾何学モデル(運動学モデル)の演算を実行することにより、移動側足部13又は移動側ハンド部23の実着地平面の位置及び姿勢の推定値(詳しくは、支持側足部13又は支持側ハンド部23の接地面上の代表点から見た位置及び姿勢の推定値)を算出する。
この場合、移動側足部13又は移動側ハンド部23の実着地平面の位置の推定値は、例えば、該実着地平面と、支持側足部13又は支持側ハンド部23の接地面上の代表点との間の距離等により表現され得る。また、移動側足部13又は移動側ハンド部23の実着地平面の姿勢の推定値は、グローバル座標系で見た実着地平面の姿勢として表現され得る。
なお、移動側足部13又は移動側ハンド部23の実着地平面の位置及び姿勢を推定する処理においては、支持側足部13又は支持側ハンド部23の弾性変形量と、移動側足部13又は移動側ハンド部23の着地時の弾性変形量とを推定し、これらの弾性変形量を考慮して、移動側足部13又は移動側ハンド部23の実着地平面の位置及び姿勢を推定することが望ましい。これにより、実着地平面の位置及び姿勢の推定精度を高めることができる。
この場合、上記弾性変形量は、例えば、前記力センサ44又は45の出力により示される力の検出値から、適宜の弾性変形モデルを用いて推定することができる。
補足すると、STEP32の処理により、本発明における接触面位置姿勢推定手段が実現される。この場合、上記実着地平面の位置及び姿勢の推定値が、本発明における接触面位置姿勢推定値に相当する。
環境情報補足処理部63は、さらにSTEP33において、現在の環境情報統合データのうちの、支持側足部13又は支持側ハンド部23の接地箇所に対応する局所領域AR(以降、支持側局所領域ARsという)の局所環境情報と、移動側足部13又は移動側ハンド部23の着地予定位置に対応する局所領域AR(以降、着地対象局所領域ARaという)の局所環境情報とに基づいて、着地対象局所領域ARaを包含する平面(以降、着地予定平面という)の、支持側局所領域ARsにおける支持側足部13又は支持側ハンド部23の接地面上の代表点から見た位置及び姿勢を算出する。
なお、上記着地予定平面の位置及び姿勢が本発明における接触前位置姿勢に相当するものである。
次いで、環境情報補足処理部63は、STEP34において、実着地平面と着地予定平面との相違度合が所定の閾値以上であるか否かを判断する。この場合、より詳しくは、上記相違度合は、実着地平面及び着地予定平面のそれぞれの位置の偏差と、実着地平面及び着地予定平面のそれぞれの姿勢の偏差とから構成される。そして、STEP34の判断処理では、当該位置の偏差と、当該姿勢の偏差とがそれぞれに対応してあらかじめ設定された閾値と比較され、いずれか一方の偏差が閾値以上であるか否かが判断される。
ここで、着地対象領域ARにおける接地対象面の状態が、測距センサ46又はカメラ47による計測時と同じ状態に維持されている場合には、実着地平面と着地予定平面とは一致もしくはほぼ一致する。
一方、接地対象面が不整地等である場合には、移動側足部13又は移動側ハンド部23の着地時等に、地形の崩れ等が生じる場合がある。そして、該地形の崩れ等に起因して、着地対象局所領域ARaにおける実着地平面が環境情報統合データに基づく着地予定平面と相違したものとなる場合がある。このような場合に、STEP34の判断結果が肯定的になる。
STEP34の判断結果が否定的である場合には、環境情報補足処理部63は、STEP31で移動側足部13又は移動側ハンド部23の着地が再び検知されるまで、割込み待ち状態に復帰する。
一方、STEP34の判断結果が肯定的である場合には、環境情報補足処理部63は、STEP35において、環境情報統合データのうちの、着地対象局所領域ARaにおける局所環境情報を、該着地対象局所領域ARaが実着地平面上の局所領域となるように修正する。
ここで、移動側足部13又は移動側ハンド部23の着地箇所における接地対象面上には、該移動側足部13又は移動側ハンド部23が接地しているため、該接地対象面の状態を、ロボット1に搭載された前記測距センサ46又はカメラ47を用いて計測することは困難である。
このため、STEP35では、STEP32で算出した実着地平面の位置及び姿勢の推定値を用いて、着地対象局所領域ARaにおける局所環境情報を修正する。
具体的には、図12に例示するように、着地対象局所領域ARaの姿勢(=該着地対象局所領域ARaの接触適正面の姿勢)が、STEP32で位置及び姿勢を推定した実着地平面の姿勢に一致し、且つ、着地対象局所領域ARaの中心点Caが、該実着地平面上の点となるように、着地対象局所領域ARaの姿勢に関する局所環境情報(具体的には、前記傾斜角(thx,thy))と、着地対象局所領域ARaの高さに関する局所環境情報(具体手的には、着地対象局所領域ARaの中心点CaのZ軸方向の座標位置Zc)とが修正される。
この場合、着地対象局所領域ARaの水平方向の位置に関する局所環境情報(中心点CaのX軸方向の座標位置Xc及びY軸方向の座標位置Yc)と、着地対象局所領域ARaにおけるエッジの位置及び方向に関する局所環境情報(前記距離De及び傾き角θe)と、接地可否フラグとは現状に維持される。
このように、STEP34の判断結果が肯定的となる状況では、STEP32で算出した実着地平面の位置及び姿勢の推定値に基づいて着地対象局所領域ARaの局所環境情報が修正される。これにより、測距センサ46又はカメラ47により計測することが困難となる着地対象局所領域ARaにおける局所環境情報を、該着地対象局所領域ARaにおける接地対象面の実際の状態に整合させるように修正することができる。
補足すると、上記STEP35の処理により本発明における環境情報修正手段が実現される。
次いで、環境情報補足処理部63は、STEP36において、着地対象局所領域ARaの周囲の局所領域AR(以降、着地近辺局所領域ARbという)における局所環境情報に付加的な情報を追加する。着地近辺局所領域ARbは、より詳しくは、図13に例示するように、グローバル座標系のZ軸方向(図13では紙面に垂直な方向)で見たときに、着地対象局所領域ARaと重なる部分を有する全ての局所領域である。
このSTEP36の処理において、各着地近辺局所領域ARbの局所環境情報に追加される付加的な情報は、該着地近辺局所領域ARbを、元の(当該付加的な情報の追加前の)環境情報統合データにより規定される配置状態から、着地対象局所領域ARaと同様に実着地平面上に移動させたと仮定した場合における当該移動後の着地近辺局所領域ARbに関する局所環境情報と、着地近辺局所領域ARbに対して移動側足部13又は移動側ハンド部23を着地させる場合に、該移動側足部13又は移動側ハンド部23の動作を着地動作制限モードで行うべきか否かをそれぞれON、OFFで示すを示すフラグ(着地動作制限モードフラグという)の値とを含む。該着地動作制限モードフラグの値はONに設定される。
図14は、上記元の環境情報統合データにより示される1つの着地近辺局所領域ARbである着地近辺第1局所領域ARb1と、着地近辺局所領域ARbを着地近辺第1局所領域ARb1から実着地平面上に移動させたと仮定した場合における当該移動後の着地近辺局所領域ARbである着地近辺第2局所領域ARb2とを例示している。個々の着地近辺局所領域ARbに係る着地近辺第1局所領域ARb1及び着地近辺第2局所領域ARb2のそれぞれの局所環境情報は、該着地近辺局所領域ARbの姿勢に関する情報(傾斜角(thx,thy))及び中心点Caの高さに関する情報(中心点CaのZ軸方向の座標位置Zc)のうちの一方又は両方が相違するものである。
ここで、着地近辺局所領域ARbにおける接触適正面は、着地対象局所領域ARaにおける実着地平面と同じ平面上に変位しているとは限らない。このため、STEP36では、着地近辺局所領域ARbの局所環境情報として、着地近辺第1局所領域ARb1に対応する局所環境情報と着地近辺第2局所領域ARb2に対応する局所環境情報との両方を含ませるようにしている。
また、着地動作制限モードは、より詳しくは、着地対象局所領域ARaへの移動側足部13又はハンド部23の着地後に、該着地対象局所領域ARaの周囲の任意の1つの着地近辺局所領域ARbに対して移動側足部13又は移動側ハンド部23を着地させる場合に、該移動側足部13又は移動側ハンド部23を、通常の場合(着地動作制限モードフラグがONに設定されていない場合)よりも遅い移動速度にて、着地箇所を探るような形態で動かす動作モードである。
以上のSTEP32〜36の割込み処理が、移動側足部13又は移動側ハンド部23の実際の着地が検知される毎(STEP31の判断結果が肯定的になる毎)に、環境情報補足処理部63により実行される。
上記のように、移動側足部13又は移動側ハンド部23の実際の着地が検知されると、ロボット1の姿勢状態に基づいて、実着地平面の位置及び姿勢が推定される。そして、この実着地平面の位置及び姿勢と、環境情報統合データに基づく着地予定平面との相違度合が所定の閾値以上である場合に、移動側足部13又は移動側ハンド部23の着地を行った局所領域ARが実着地平面上の領域になるように、該局所領域ARの局所環境情報が修正される。
このため、前記測距センサ46又はカメラ47により、該局所領域ARにおける計測を行うことを必要とせずに、該局所領域ARの局所環境情報を、速やかに、該局所領域ARにおける実際の接地対象面の状態に即して修正できる。このため、該局所領域ARもしくはその近辺において、環境情報計測作成部61による計測処理が、改めて実行させる前の状況であっても、該局所領域ARに移動側足部13又は移動側ハンド部23を再び着地させるようにロボット1を動作させることを適切に行うことができる。
補足すると、STEP32〜36の割込み処理によって局所環境情報が修正された着地対象局所領域ARa及び着地近辺局所領域ARbのそれぞれの局所領域AR及びそれに対応する修正後の局所環境情報は、当該修正後の計測処理タイミングにおいて、該局所領域AR(ARa又はARb)に近接した局所領域AR(ARa又はARbに対して図6のSTEP14の条件に適合する近接局所領域AR(j))が環境情報計測作成部61により新たに設定された場合には、削除対象のものとして環境情報統合データから削除される。
次に、前記着地動作制限モードでのロボット動作制御部52及び環境情報生成部51の処理を説明する。
ロボット1の実際の移動動作中に、ロボット動作制御部52が、前記着地動作制限モードフラグがONに設定された局所領域AR(前記着地近辺局所領域ARb)を、移動側足部13又は移動側ハンド部23の着地予定の領域として生成した目標歩容によりロボット1の動作制御を行う場合に、着地動作制限モードでの動作制御が行われる。
この着地動作制限モードでは、図15のフローチャートに示す処理がロボット動作制御部52及び環境情報生成部51の環境情報補足処理部63により実行される。
STEP41〜47の処理は、ロボット動作制御部52による処理である。この場合、STEP41において、ロボット動作制御部52は、前記着地動作制限モードフラグがONに設定された局所領域ARに着地させようとする移動側足部13又は移動側ハンド部23を、図16に示すように、該局所領域ARの局所環境情報により規定される前記着地近辺第1局所領域ARb1及び着地近辺第2局所領域ARb2のうちの上側の局所領域ARb1又はARb2(図16では、ARb1)に向かって通常の移動速度で移動させる。該通常の移動速度は、着地動作制限モードフラグがONに設定されていない局所領域ARに移動側足部13又は移動側ハンド部23を着地させる場合にロボット動作制御部52が設定する移動速度と同じ速度である。
さらにロボット動作制御部52は、このように移動側足部13又は移動側ハンド部23の移動を行いながら、移動側足部13又は移動側ハンド部23の実際の着地が行われたか否かの検知と、移動側足部13又は移動側ハンド部23が上側の局所領域ARb1又はARb2に到達したか否かの判断とを、それぞれSTEP42、STEP43で逐次実行する。
この場合、STEP42の検知は、図11のSTEP31と同様に行われる。また、STEP43の判断処理は、上記上側の局所領域ARb1又はARb2における目標位置まで移動側足部13又は移動側ハンド部23を移動させる動作制御が終了したか否かを判断することで行われる。
STEP43の判断結果が肯定的になるタイミング、あるいは、その前のタイミングで、移動側足部13又は移動側ハンド部23が、接地対象面に実際に着地すると、STEP42の判断結果が肯定的になる。この場合には、環境情報補足処理部63によるSTEP49の処理(詳細は後述する)を経て、着地動作制限モードの処理が終了する。
一方、移動側足部13又は移動側ハンド部23が着地しないまま(STEP42の判断結果が否定的になる状態が継続したまま)、移動側足部13又は移動側ハンド部23が、上記上側の局所領域ARb1又はARb2における目標位置まで到達すると、STEP43の判断結果が肯定的になる。
このとき、ロボット動作制御部52はさらに、STEP44において、移動側足部13又は移動側ハンド部23を、図16に示すように、前記着地近辺第1局所領域ARb1及び着地近辺第2局所領域ARb2のうちの上記上側の局所領域ARb1又はARb2(図16では、ARb1)における位置(現在位置)から下側の局所領域ARb2又はARb1(図16では、ARb2)に向かって通常の移動速度よりも遅い移動速度でゆっくり移動させる。
さらにロボット動作制御部52は、このように移動側足部13又は移動側ハンド部23をゆっくり移動させながら、移動側足部13又は移動側ハンド部23の実際の着地が行われたか否かの検知と、移動側足部13又は移動側ハンド部23が上記下側の局所領域ARb2又はARb1に到達したか否かの判断とを、それぞれSTEP45、STEP46で逐次実行する。
この場合、STEP45の検知は、図11のSTEP31と同様に行われる。また、STEP46の判断処理は、上記下側の局所領域ARb2又はARb1における目標位置まで移動側足部13又は移動側ハンド部23を移動させる動作制御が終了したか否かを判断することで行われる。
STEP46の判断結果が肯定的になるタイミング、あるいは、その前のタイミングで、移動側足部13又は移動側ハンド部23が、接地対象面に実際に着地すると、STEP45の判断結果が肯定的になる。この場合には、環境情報補足処理部63によるSTEP49の処理を経て、着地動作制限モードの処理が終了する。
STEP49の処理では、環境情報補足処理部63は、STEP41又は44の動作制御によって、移動側足部13又は移動側ハンド部23を着地させた局所領域AR(着地対象局所領域ARa)の局所環境情報と、その周囲の局所領域AR(着地近辺局所領域ARb)の局所環境情報とを、図11のフローチャートに示した割込み処理と同様の処理を実行することで修正する。
この場合において、図11のSTEP33で算出する着地予定平面の位置及び姿勢は、STEP41又は44の動作制御によって、移動側足部13又は移動側ハンド部23を着地させた局所領域ARに係る前記2つの局所領域ARb1,ARb2のうちの、局所領域ARb1に対応する局所環境情報に基づいて算出される。
そして、STEP34の判断結果が否定的となる場合には、局所領域ARb2に対応する局所情報は削除される。
STEP49の処理は、上記の処理以外については、図11のフローチャートの処理と同じである。
図15に戻って、移動側足部13又は移動側ハンド部23が着地しないまま(STEP45の判断結果が否定的になる状態が継続したまま)、移動側足部13又は移動側ハンド部23が、上記下側の局所領域ARb2又はARb1における目標位置まで到達すると、STEP46の判断結果が肯定的になる。
この場合には、移動側足部13又は移動側ハンド部23の着地予定の領域とした局所領域AR(着地動作制限モードフラグがONに設定されている局所領域AR)における接地対象面の状態が大きく崩れている可能性がある。
そこで、この場合には、ロボット動作制御部52は、STEP47において、移動側足部13又は移動側ハンド部23を、移動開始前の元の局所領域ARに戻すように移動させ、当該元の局所領域ARに着地させる。
次いで、環境情報生成部51の環境情報補足処理部63によりSTEP48の処理が実行される。このSTEP48では、環境情報補足処理部63は、移動側足部13又は移動側ハンド部23の当初の着地予定の領域とした局所領域AR(着地動作制限モードフラグがONに設定されている局所領域AR)と、これに対応する局所環境情報との組を、現在の環境情報統合データから削除する。
以上が、着地動作制限モードでのロボット動作制御部52及び環境情報生成部51の処理である。
このように着地動作制限モードでの処理を実行することで、ロボット1の足部13又はハンド部23を着地動作制限モードフラグがONに設定されている局所領域AR、すなわち、接地対象面の状態が、当初の状態から崩れている可能性のある局所領域ARに着地させる場合に、ロボット1の姿勢が崩れるのを防止できる。
なお、本発明は、以上説明した実施形態に限定されるものでない。すなわち、前記実施形態では、床面もしくは地面等の接地対象面に足部13又はハンド部23を接触させる場合の移動動作を代表例として説明した。ただし、例えば、ロボット1の移動時に、壁面にロボット1のハンド部23を適宜接触させるような場合には、接地対象面だけでなく、壁面にも複数の局所領域を設定し、該壁面に設定した局所領域からハンド部23の接触対象の領域を選定するようにしてもよい。この場合であっても、当該壁面の局所領域の局所環境情報を、接地対象面の局所領域と同様に作成し、さらには修正することができる。
また、本発明の動作環境情報生成装置は、複数の局所領域の局所環境情報以外の形態の環境情報を生成するものであってもよい。