JP2017018980A - 鋳造方法,それに用いる鋳型および改修ドレン - Google Patents

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【課題】薄板状や細線状の形状を含む構造物を鋳造により容易に製造することを目的とする。【解決手段】最適化されたコルク粉を主成分とする滑剤20を鋳型7のキャビティ面に塗布し、鋳型7のキャビティの端部にエア抜き17を設け、鋳型温度を適切に調整しながら鋳造することにより、容易に薄板状や細線状の形状を含む構造物を鋳造することができる。【選択図】図9

Description

薄状部を含む鉛鋳造品の鋳造方法,鋳型およびこの方法で鋳造された改修ドレンに関する。
薄板状の形状を含む鉛製の製品は種々存在する。例えば、劣化した排水ドレンの改修に用いる改修ドレンがある。
図14を用いて従来の改修ドレンについて説明する。
図14は従来の改修ドレンの構成を示す斜視図である。
図14に示すように、従来の改修ドレン22は鉛製であって、円筒部23と、円筒部23の一方の端部の周囲に形成される薄板状のツバ部24とからなる。薄板状のツバ部24は円形の穴が打ち抜かれており、円筒部23はその先端が穴の周囲に沿うように薄板状のツバ部24に溶接部25で溶接される。改修ドレン22は、例えば円筒部23を水平方向に向けた状態で使用される。円筒部23は排水ドレンとなり、薄板状のツバ部24は壁または床に埋設されて円筒部23を壁や床に固定する。薄板状のツバ部24は、排水ドレンの位置に応じて、壁や床に沿うように折り曲げて用いられる。
特開2007−247295号公報
しかしながら、従来の鉛製の改修ドレン22は、円筒部23を薄板状のツバ部24に溶接により接合していたため、円筒部23の近傍で薄板状のツバ部24を折り曲げることが困難であった。すなわち、溶接による接合部25は肉厚となり、その部分で折り曲げることが困難である。また、溶接部25で折り曲げると溶接部25にクラック等の不具合が生じやすい。特に排水ドレンは壁面の床近くに設けられることが多く、ツバ部24を鉛直方向の壁面と水平方向の床との両方に沿わせるように施工されることから、円筒部23の近傍で薄板状のツバ部24を折り曲げる必要性は高い。そのため、円筒部23と薄板状のツバ部24とを溶接により接合せず、鋳造により改修ドレンを製造することが求められている。しかし、薄板状でしかも面積の広いツバ部24と円筒部23とを一体に形成された改修ドレンのような薄状部を含む物を鋳造で製造することは困難であった。また、改修ドレンに例示されるような薄板状や細線状の薄状部を含む物を鋳造で製造することが求められることがあるが、鋳造で製造することは困難であった。
上記問題点を解決するために、改修ドレンに例示されるような、薄板状や細線状の薄状部を含む構造物を鋳造により容易に製造することを目的とする。
上記目的を達成するために、鋳造方法は、溶湯流路の終端部にエア抜きを備える鋳型を用いて薄状部を含む鉛製の鋳物を鋳造する方法であって、前記鋳型のキャビティ面にあらかじめ滑剤が塗布されており、前記鋳型を型締めする工程と、前記鋳型のキャビティ温度を175℃以上185℃以下に保持した状態でゲート口から前記溶湯流路に溶融した鉛を注入する工程と、型開きして前記鋳物を取り出す工程とを有し、前記滑剤は、コルク粉とニカワとを含むことを特徴とする。
また、改修ドレンは、前記鋳造方法で鋳造したことを特徴とする。
また、鋳型は、筒部および薄板状のツバ部からなる改修ドレンの鋳造に用いる鋳型であって、下鋳型および上鋳型からなり、前記下鋳型は、前記ツバ部の形成領域を形成する窪み部と、前記筒部の内径面を形成する突出部と、前記窪み部の周囲の前記上鋳型との合わせ面の少なくとも一部に深さが0.01mm以上0.05mm以下のエア抜き部と、第1のヒータとを有し、前記上鋳型は前記突出部を囲んで前記筒部の形成領域を形成し、前記ツバ部の上面を形成する下面と、前記形成領域の上部に設けられるゲート口と、前記ゲート口に溶湯を供給する湯溜りと第2のヒータとを有し、前記滑剤は、コルク粉とニカワとを含むことを特徴とする。
以上のように、コルク粉を主成分とする最適化された滑剤を鋳型のキャビティ面に塗布し、鋳型のキャビティの端部にエア抜きを設け、鋳型温度を適切に調整しながら鋳造することにより、容易に薄板状や細線状の薄状形状を含む構造物を鋳造することができる。
改修ドレンの構成を例示する斜視図 改修ドレンの構成を例示する図 改修ドレンの構成を例示する図 改修ドレンの寸法を例示する表を示す図 改修ドレンの施工状態を例示する図 鋳型の構成を説明する断面図 下鋳型の構成を例示する斜視図 鋳型の構成を例示する斜視図 滑剤が塗布された鋳型の構成を説明する図 滑剤の成分表を示す図 鋳造方法を示すフロー図 鋳造工程における溶湯注入工程を示す断面図 鋳造工程における鋳物取り出し工程を示す断面図 従来の改修ドレンの構成を示す斜視図
本発明の鋳造方法,鋳型および改修ドレンについて、鉛製の改修ドレンを例に、図1〜図13を用いて説明する。
図1は改修ドレンの構成を例示する斜視図、図2,図3は改修ドレンの構成を例示する図、図4は改修ドレンの寸法を例示する表を示す図、図5は改修ドレンの施工状態を例示する図、図6は鋳型の構成を説明する断面図、図7は下鋳型の構成を例示する斜視図、図8は鋳型の構成を例示する斜視図、図9は滑剤が塗布された鋳型の構成を説明する図、図10は滑剤の成分表を示す図、図11は鋳造方法を示すフロー図、図12は鋳造工程における溶湯注入工程を示す断面図、図13は鋳造工程における鋳物取り出し工程を示す断面図である。
まず、本発明の実施の形態の1つである改修ドレンについて、図1〜図5を用いて説明する。
改修ドレン1は鉛製であり、筒部2と薄板状のツバ部3とが一体的に鋳造されている。一体的に鋳造されているため、筒部2とツバ部3との境界部分にはんだによる段差が形成されることがなく、筒部2からツバ部3にかけて同じ肉厚でなめらかに連続している。
改修ドレン1は厚みHが約1.5mmであり、その精度は+0−0.2の範囲であることが好ましい。筒部2の外径A,高さDおよびツバ部3の一辺の長さWは任意であり、例えば図4に示す寸法とすることができる。また、厚みHはツバ部3および筒部2の全てにおいて同じ厚みでも良いが、図3に示すように、筒部2の内径に傾斜を設け、筒部2の先端からツバ部3に向かってツバ部3の厚みHに近づくように厚みを薄くしても良い。これにより、後述するようにゲート口が筒部2の先端部分になるので、溶湯の流入を容易にすることができると共に、鋳物の取り出しの際の抜け勾配を設けることができる。例えば、筒部2の内径に傾斜は、筒部2の中心軸に対して1°程度にすることができる。また、筒部2の肉厚とツバ部3の肉厚を異ならせることもできる。この場合の厚みHはツバ部3の肉厚を指すとする。また、筒部2とツバ部3との境界部分を曲面にすることが好ましい。これにより、鋳造時に溶湯が容易にツバ部3に流入することができる。例えば、曲面の曲率は半径10mm程度とすることができる。また、ツバ部3の形状は正方形でも長方形でも良く、矩形にも限られない。また、外形形状の角部を曲線にしても良い。また、円形や楕円形でも良く、直線と曲線を組み合わせた外形形状にすることもできる。
次に、図5を用いて改修ドレン1の使用態様を説明する。
改修ドレン1は建造物等の排水溝6の修理に用いられる。例えば、ベランダや屋上等の壁4や床5には排水溝6が設けられており、壁4や床5にクラックが生じると水漏れが生じる。この水漏れを修理する際に改修ドレン1を用いる。この際、排水溝6の壁4や床5を削り、改修ドレン1の筒部2を排水溝6に挿入する。そして、壁4や床5に沿うようにツバ部3を折り曲げる。その後、ツバ部3と壁4や床5とが面一になるように壁4や床5を修復する。この時、改修ドレンが樹脂製等であると壁4や床5のコンクリートと親和性が低いが、鉛製であることにより、鉛とコンクリートの親和性が高いので施工が容易になる。
ここで、従来の改修ドレンのように筒部の周囲にはんだが盛られていると、筒部の周囲でツバ部を折り曲げることができない。その場合、壁4と床5との境界近くに排水溝6が形成されていることが一般的であるため、壁4や床5に沿うようにツバ部を折り曲げることができなかった。これに対して改修ドレン1では、筒部2の周囲にはんだが盛られていないため、筒部2とツバ部3との境界部分近傍でもツバ部3を折り曲げることができ、容易に壁4や床5に沿うようにツバ部3を折り曲げることができる。また、鋳造で改修ドレンを製造すると、絞り加工で改修ドレンを製造した場合や筒部2とツバ部3とを溶接して改修ドレンを製造する場合に比べてコストを低減することができる。
次に、図1,図6〜図9を用いて、本発明の実施の形態の1つである鋳型について説明する。
薄板状の形状を含む鋳物、例えば改修ドレン1を鋳造する際に用いる鋳型7は、下鋳型8と上鋳型9から構成される。ここでの説明では、上鋳型9は2つの上鋳型から構成される場合を示し、それ以外にも1または複数の上鋳型で構成することができる。下鋳型8と上鋳型9とを型締めすることにより、改修ドレン1等の鋳物を鋳造するためのキャビティが形成される。以下改修ドレン1の鋳造に用いる鋳型7を例に説明する。改修ドレン1の筒部2は、下鋳型8から突出する突出部10と複数の上鋳型9とで囲まれる鉛直方向の筒部用キャビティ11で鋳造される。突出部10の外径は筒部2の内径に対応する形状である。上鋳型9が型締めされた状態で形成される内径は筒部2の外径に対応する形状である。型締めされた状態の上鋳型9の内径面と突出部10との距離は筒部2の肉厚に相当する距離である。筒部2の内径に傾斜を設ける場合は突出部10の外径面に傾斜を設けても良い。筒部2が円筒形の場合は、突出部10は円柱形状であり、型締めされた状態の上鋳型9の内径面も円柱形状である。また、鋳型7のゲート口12は上鋳型9の上部、つまり、筒部用キャビティ11の下鋳型8に対する反対側に設けられる。さらに、ゲート口12の上部には、鉛からなる溶湯を溜めてゲート口12に注入する湯溜り13が形成される。また、上鋳型9の上面にはヒータ14が設置され、ヒータ14は少なくとも後述するツバ部用キャビティ15を加熱し、一定の温度に保持する。溶湯が鉛の場合、保持温度は例えば175℃以上185度以下とすることができる。ヒータ14はツバ部用キャビティ15に対応する位置に複数設けられることが好ましい。また、上鋳型9は下鋳型8に対して開閉可能な構成にすることが好ましい。この場合、上鋳型9を閉じた状態で型締めして鋳造を行い、上鋳型9を開いた状態で鋳物である改修ドレン1を取り出す。
上鋳型9との合わせ面18となる下鋳型8の上面に下鋳型9は改修ドレン1のツバ部3を形成するための窪み部16を備える。ツバ部3は、窪み部16と上鋳型9の下面とで形成される水平方向のツバ部用キャビティ15で鋳造される。窪み部16の深さHは改修ドレン1のツバ部3の厚みHに対応する。例えば、窪み部16の深さ=ツバ部3の厚み=Hは、1.4mm以上1.6mm以下であり、好ましくは、1.48mm以上1.50mm以下である。筒部用キャビティ11とツバ部用キャビティ15とは導通しており、筒部用キャビティ11とツバ部用キャビティ15とで改修ドレン1のキャビティとなる。溶湯は鉛直方向の筒部用キャビティ11を流通し、その後に水平方向のツバ部用キャビティ15に流入してツバ部用キャビティ15の端部まで流れる。また、下鋳型8は、窪み部16の周囲の合わせ面18の少なくとも一部に、窪み部16から下鋳型8の端部にいたる溝状のエア抜き部17を備える。上鋳型9と下鋳型8とを型締めした際には、エア抜き部17により合わせ面18に、ツバ部用キャビティ15から鋳型7の外部にいたる隙間が形成される。溶湯を流通させる際に、エア抜き部17から溶湯に押し出された空気を抜くことができ、溶湯の流通経路の長く薄いツバ部用キャビティ15でも、溶湯を容易に流通させることができる。エア抜き部17の深さhは、容易に空気が排出されると共に、鉛の溶湯が漏れ出しにくい深さであれば良く、例えば、0.005mm以上0.055mm以下であり、好ましくは、0.02mm以上0.05mm以下とすることができる。エア抜き部17の形成領域は任意であるが、下鋳型8の周囲の各片それぞれに設けることが好ましい。また、各片に複数のエア抜き部17が形成されても良い。さらに、下鋳型8は窪み部16の下面に沿ってヒータ19を備える。ヒータ19は少なくともツバ部用キャビティ15を加熱し、一定の温度に保持する。保持温度は溶湯が鉛の場合、例えば175℃以上185度以下とすることができる。ヒータ14はツバ部用キャビティ15に対応する位置に複数設けられることが好ましい。
また、図9に示すように、上鋳型9および下鋳型8で構成されるキャビティのキャビティ面には後述の滑剤20が塗布される。なお、図9では一方の上鋳型9を省略している。滑剤20は筒部用キャビティ11のキャビティ面にも塗布されていても良いが、少なくともツバ部用キャビティ15のキャビティ面に塗布されることが好ましい。ツバ部用キャビティ15のキャビティ面は、少なくとも窪み部16の底面と上鋳型9の合わせ面18とを含む。例えば、滑剤20の塗布はスプレーガン等で吹き付けることにより行うことができる。このように少なくともツバ部用キャビティ15のキャビティ面に滑剤20を塗布することにより、溶湯の流通性が向上し、溶湯の流通経路の長く薄いツバ部用キャビティ15でも、溶湯を容易に流通させることができる。なお、滑剤20は、溶湯の温度やヒータ14およびヒータ19による加熱により、溶湯の流動性を向上させるものであっても良い。滑剤20の塗布は鋳造の前にあらかじめ行っておき、所定の回数の鋳造を行うごとに、使用済みの滑剤20を除去し、再度滑剤20を塗布してから鋳造を行う。
次に、図10を用いて滑剤の製造方法の例を説明する。
滑剤は例えば、コルク粉と水とニカワを混合して製造する。ニカワは主にコルク粉のつなぎの役割を担う。その混合比率は任意であるが、重量比率で水:ニカワ:コルク粉=1000:12:36とすることが好ましい。ここで、コルク粉はミクロンオーダーの粉である。水10リットル(10000g)、ニカワ120g、コルク粉360gを混合して滑剤を製造する工程を例に説明する。まず、攪拌容器にニカワを120g入れる。次に、ニカワが入った攪拌容器に約3.3リットルの水を投入し、8時間〜20時間程度保持する。保持後、残りの水約6.7リットルを加え、45℃以上65℃以下、好ましくは50℃以上60℃以下に加熱する。ニカワが十分に軟化した後、20℃以上50℃以下に保温し、攪拌しながら約360gのコルク粉を加える。その後、滑剤を塗布するまで保温と攪拌を維持し、塗布の際には所定の粒度にろ過して使用する。
次に、図1,図6,図9〜図13を用いて、上記鋳型7により改修ドレン1を鋳造する方法について説明する。
あらかじめ、鋳型7のキャビティ面に滑剤20を塗布する。塗布はスプレーガン等用いて吹き付けするなどして行われる。また滑剤20が塗布されるキャビティ面は、少なくともツバ部用キャビティ15のキャビティ面を含めば良い(図11のステップ1,図9)。
鋳造の際には、まず、鋳型7のキャビティ面に離型剤を塗布する。離型剤により鋳物を鋳型7から容易に取り出すことができる(図11のステップ2)。次に、上鋳型9と下鋳型8とを型締めする。この際、ヒータ14およびヒータ19によりキャビティ面を所定の温度、例えば、約180℃に加熱し、鋳造中この温度を保持するように制御する。温度制御は、ヒータ14およびヒータ19に接続される制御装置(図示せず)とキャビティ温度を測定する温度センサ(図示せず)とにより行われる(図11のステップ3,図6)。次に、湯溜り13に鉛の溶湯21を注入する。溶湯21は460℃以上490℃以下、好ましくは475℃以上485℃以下に加熱される。注入された溶湯21は一時的に保持され、ゲート口12からキャビティ内に流入する。湯溜り13にはキャビティの容積より多い溶湯21が注入され、湯溜り13に溶湯21が残るようにする。溶湯21は筒部用キャビティ11を流通し、湯溜り13に残留する溶湯21の自重によりツバ部用キャビティ15内を端部に向けて流通する。また、ツバ部用キャビティ15の周囲にはエア抜き部17が設けられるため、流通する溶湯21により押し出される空気はエア抜き部17から鋳型7の外部に排出され、溶湯21の流通を圧縮された空気が阻害することが抑制される。さらに、少なくともツバ部用キャビティ15のキャビティ面に滑剤20が塗布されているため、溶湯21はツバ部用キャビティ15内を低抵抗で流通することができる。そのため、溶湯21は容易にツバ部用キャビティ15内を端部まで流通し、薄板状で広面積のツバ部3であっても、容易に鋳造することができる。このとき、エア抜き部17の深さhを0.005mm以上0.055mm以下とすることにより、空気は排出されるのに対して溶湯21が流出することを抑制できる(図11のステップ4,図12)。最後に、溶湯21が凝固した後に型開きを行い、完成した鋳物である改修ドレン1を上向きに取り出し、余分な湯溜り13部分を切断する(図11のステップ5,図13)。なお、所定回数または所定時間の鋳造を行ったかどうかを判断し(図11のステップ6)、所定回数または所定時間の鋳造を行っていない場合は離型剤の塗布から鋳造を連続して行い、所定回数または所定時間の鋳造を行った場合は、滑剤20を除去して再度滑剤を塗布した後(図11のステップ7)、離型剤の塗布から鋳造を連続して行う。
なお、改修ドレン1において、筒部2は円柱形状でも角柱形状でも良く、筒状であれば断面形状は任意である。ツバ部3の形状も任意であり、正方形,長方形でも円形,楕円形でも、格子形状でも、複数の帯状の板が並んだ形状でも良い。
また、鋳物は改修ドレンに限らず、鋳型や鋳造方法は、溶湯が流通し難い薄板形状や細線形状を備える物の鋳造に用いることができる。
このように、薄板形状や細線形状のような溶湯が流通し難い薄状部を備える鋳物を鋳造する際にも、コルク粉を主成分とする最適な滑剤を鋳型のキャビティ面に塗布してキャビティ内を溶湯が流通することを促進し、鋳型のキャビティの端部にエア抜きを設けて溶湯が流通する方向に押しやられた空気を排出して空気の圧力により溶湯が流通することを阻害する状況を抑制し、鋳型温度を適切に調整して溶湯の流動性を維持しながら鋳造することにより、容易に薄板状や細線形状のような溶湯が流通し難い形状を備える構造物を容易に鋳造することができる。コルク粉を主成分とする滑剤の塗布、エア抜き部、温度制御は、これらの全てを実施することにより鋳造の容易性は向上するが、鋳物の形状によりこれらを適宜組み合わせて実施しても良い。
1 改修ドレン
2 筒部
3 ツバ部
4 壁
5 床
6 排水溝
7 鋳型
8 下鋳型
9 上鋳型
10 突出部
11 筒部用キャビティ
12 ゲート口
13 湯溜り
14 ヒータ
15 ツバ部用キャビティ
16 窪み部
17 エア抜き部
18 合わせ面
19 ヒータ
20 滑剤
21 溶湯
22 改修ドレン
23 円筒部
24 ツバ部
25 溶接部

Claims (6)

  1. 溶湯流路の終端部にエア抜きを備える鋳型を用いて薄状部を含む鉛製の鋳物を鋳造する方法であって、
    前記鋳型のキャビティ面にあらかじめ滑剤が塗布されており、
    前記鋳型を型締めする工程と、
    前記鋳型のキャビティ温度を175℃以上185℃以下に保持した状態でゲート口から前記溶湯流路に溶融した鉛を注入する工程と、
    型開きして前記鋳物を取り出す工程と
    を有し、
    前記滑剤は、コルク粉とニカワとを含むことを特徴とする鋳造方法。
  2. 前記滑剤は、水と前記ニカワと前記コルク粉とが、重量比率で水:ニカワ:コルク粉=1000:12:36の割合で、加熱、攪拌されて混合されることを特徴とする請求項1記載の鋳造方法。
  3. 前記鋳物は筒部および薄板状のツバ部からなる改修ドレンであり、
    前記ゲート口は前記筒部の形成領域の先端に位置し、前記エア抜きは前記ツバ部の形成領域周辺に形成されることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の鋳造方法。
  4. 前記筒部の形成領域が鉛直方向になるように前記鋳型が配置され、前記ツバ部の形成領域が水平方向になるように前記鋳型が配置され、前記ゲート口は前記筒部の形成領域の上部に配置されることを特徴とする請求項3記載の鋳造方法。
  5. 請求項3に記載の鋳造方法で鋳造したことを特徴とする改修ドレン。
  6. 筒部および薄板状のツバ部からなる改修ドレンの鋳造に用いる鋳型であって、
    下鋳型および上鋳型からなり、
    前記下鋳型は、
    前記ツバ部の形成領域を形成する窪み部と、
    前記筒部の内径面を形成する突出部と、
    前記窪み部の周囲の前記上鋳型との合わせ面の少なくとも一部に形成されて深さが0.01mm以上0.05mm以下のエア抜き部と、
    第1のヒータと
    を有し、
    前記上鋳型は前記突出部を囲んで前記筒部の形成領域を形成し、
    前記ツバ部の上面を形成する下面と、
    前記形成領域の上部に設けられるゲート口と、
    前記ゲート口に溶湯を供給する湯溜りと
    第2のヒータと
    を有し、
    前記窪み部の表面と前記上鋳型の下面に滑剤が塗布され、前記滑剤は、コルク粉とニカワとを含むことを特徴とする鋳型。
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