JP2017018849A - 水処理システム - Google Patents

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Abstract

【課題】逆浸透膜装置で透過水を製造する際に生じる濃縮水を活用し、排水源から導入された排水を高効率に利用できる水処理システムを提供すること。【解決手段】水処理システム10は、排水W10に含まれる過酸化物を還元して還元処理水W11を得る還元装置30と、還元処理水W11を陽イオン交換樹脂及び陰イオン交換樹脂に接触させてイオン交換処理水W12を得る混床式純水装置50と、イオン交換処理水W12をRO膜モジュール415によって透過水W13と濃縮水W14とに分離するRO膜装置40と、透過水W13を処理水W20として排水源4に還流する還流ラインL20と、濃縮水W14を原水タンク2とは異なる水使用設備(ボイラ、クーリングタワー等)99に供給する濃縮水タンク71と、を備える。【選択図】図2

Description

本発明は、過酸化物を含む排水を排水源において再利用するための水処理システムに関する。
飲料工場等で稼動するアセプティック充填設備において、過酸化水素、過酢酸等の過酸化物を含むオキソニア殺菌剤を用いて内容液充填前のペットボトルの洗浄処理を行い、この洗浄処理で生じたリンサー排水を浄化処理して再利用する技術が知られている。過酸化物を含むこの種の排水を浄化する水処理システムを開示するものとして、例えば特許文献1や特許文献2がある。特許文献1及び特許文献2には、還元処理により還元処理水を得る還元装置と、還元処理水にイオン交換樹脂を接触させてイオン交換処理水を得るイオン交換装置と、イオン交換処理水を処理して透過水を得る逆浸透膜装置と、を備える水処理システムの一実施形態がそれぞれ開示されている。
特開2002−307081号公報 特開2013−226528号公報
逆浸透膜を用いた水処理システムでは、処理対象の水から塩類や不純物が除去された透過水と共に濃縮水が生じる。回収率を高めることで濃縮水の量を少なくすることができるものの、回収率を100%に設定することはできない。濃縮水は、逆浸透膜を用いた水処理システムの稼動中は常に排出されるため、その排出量も稼動時間に応じて大きくなり、省水化という観点では無視できないものとなる。濃縮水を別の用途に用いることも考えられるが、濃縮水は塩類や不純物が濃縮されたものであるため、浄化処理を再度行う必要がある等、用途にも制限がある。特許文献1や特許文献2においても、水処理システムの稼動によって生じる濃縮水の活用という観点で改善の余地があった。
本発明は、逆浸透膜装置で透過水を製造する際に生じる濃縮水を活用し、排水源から導入された排水を高効率に利用できる水処理システムを提供することを目的とする。
本発明は、排水源からの過酸化物を含む排水を前記排水源において再利用するための水処理システムであって、排水に含まれる過酸化物を還元して還元処理水を得る還元装置と、還元処理水を少なくとも陰イオン交換樹脂と接触させてイオン交換処理水を得るイオン交換装置と、イオン交換処理水を逆浸透膜モジュールによって透過水と濃縮水とに分離する逆浸透膜装置と、透過水を前記排水源に還流する透過水還流部と、濃縮水を前記排水源とは異なる水使用設備に供給する濃縮水供給部と、を備える水処理システムに関する。
前記イオン交換装置は、陽イオン交換樹脂を更に有し、混床式に構成されることが好ましい。
前記水処理システムは、イオン交換処理水に亜硫酸塩を添加する亜硫酸塩添加装置を更に備えることが好ましい。
前記水処理システムは、還元処理水に亜硫酸塩を添加する亜硫酸塩添加装置を更に備えることが好ましい。
なお、本出願において「亜硫酸塩」の用語は、亜硫酸水素塩を除外する意図で用いる場合を除き、亜硫酸塩と亜硫酸水素塩とを総称するものとして用いる。
本発明によれば、逆浸透膜装置で透過水を製造する際に生じる濃縮水を活用し、排水源から導入された排水を高効率に利用できる水処理システムを提供することができる。
本発明の一実施形態である水処理システムが適用されるアセプティック充填設備を概略的に示した図である。 第1実施形態の水処理システムを概略的に示した図である。 RO膜装置の構成を概略的に示した図である。 第2実施形態の水処理システムを概略的に示した図である。
以下、本発明の水処理システムの好ましい各実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、本明細書における「ライン」とは、流路、経路、管路等の流体の流通が可能なラインの総称である。
本実施形態の水処理システム10は、飲料工場で稼動するアセプティック充填設備1に適用されるものであり、PETボトルの洗浄で生じるリンサー排水(以下、排水)を処理し、再利用するためのものである。まず、アセプティック充填設備1の全体構成を説明する。図1は、本発明の一実施形態である水処理システム10が適用されるアセプティック充填設備1を概略的に示した図である。
図1に示すように、本実施形態のアセプティック充填設備1は、洗浄処理で生じた排水を再利用するための構成として、原水タンク2と、UHT装置3と、ボトル洗浄装置(排水源)4と、回収タンク5と、水処理システム10と、を備える。
原水タンク2は、UHT装置3によって殺菌が行われる前の原水W1を貯留する。原水タンク2は、原水ラインL1によってUHT装置3に接続されている。この原水ラインL1を通じてUHT装置3に原水W1が供給される。
原水タンク2には、後述の還流ラインL20の下流側の端部が接続されており、水処理システム10で処理された処理水W20が還流されている。また、原水タンク2には、補給水ラインL0が接続されている。
UHT装置3は、原水W1に対して超高温殺菌を行って殺菌水W2を得る。UHT装置3は、UHT殺菌水ラインL2によってボトル洗浄装置4に接続されている。この殺菌水ラインL2を通じて殺菌水W2がボトル洗浄装置4に供給される。
ボトル洗浄装置4は、内容液充填前のPETボトルに対して洗浄処理を行う。本実施形態のボトル洗浄装置4には、オキソニア殺菌剤を導入するための導入ラインL3が接続される。ボトル洗浄装置4は、過酸化水素や過酢酸等の過酸化物を含むオキソニア殺菌剤を用いた洗浄処理を行う。この洗浄処理で、UHT装置3で得られた殺菌水W2をリンサー水として使用する。ボトル洗浄装置4によって殺菌洗浄されたPETボトルは、内容液充填装置(図示省略)により無菌環境下で殺菌済みの内容液が充填され、キャッピングされる。
回収タンク5は、回収ラインL4を通じ、ボトル洗浄装置4の洗浄処理で生じた排水W10を貯留する。回収タンク5には、排水W10を水処理システム10に送り出すための排水ラインL10が接続されており、この排水ラインL10を通じて洗浄処理で生じた排水W10が水処理システム10に送られる。
水処理システム10は、排水ラインL10を通じて送られてくる排水W10(排水源であるボトル洗浄装置4で生じた排水W10)を浄化処理して処理水W20を製造する。この浄化処理の過程で生じた排水の一部(後述するRO膜装置40の濃縮水W14)は、他の水使用設備99で活用され、残りの排水(還元装置30の逆洗処理等で生じた排水等)は排出ラインL5を通じて系外に排出される。水処理システム10で製造された処理水W20は還流ライン(透過水還流部)L20を通じて原水タンク2に戻される。原水タンク2に戻された処理水W20は、UHT装置3によって殺菌されてボトル洗浄装置4で再びリンサー水として使用される。また、水処理システム10で排出ラインL5を通じて排水された排水量に応じた量の補給水W0が原水タンク2に適宜のタイミングで補給される。なお、補給水W0としては、水道水や工業用水等が使用される。
<第1実施形態>
次に、第1実施形態の水処理システム10の構成について説明する。図2は、第1実施形態の水処理システム10を概略的に示した図である。
図2及び図3に示すように、水処理システム10は、NaOH添加装置(pH調整剤添加装置)80と、第1pH計81と、還元装置30と、熱水殺菌ユニット33と、第1薬注装置36と、混床式純水装置(イオン交換装置)50と、流量計35と、プレフィルタ38と、第2薬注装置(亜硫酸塩添加装置)39と、RO膜装置(逆浸透膜装置)40と、第2pH計91と、RO水タンク42と、送水ポンプ47と、再生用水ポンプ48と、ファイナルフィルタ60と、UV殺菌灯61と、濃縮水タンク(濃縮水供給部)71と、第3薬注装置69と、制御部70と、を主要な構成として備える。
また、水処理システム10は、排水ラインL10と、還元処理水ラインL11と、熱水殺菌ラインL111と、イオン交換処理水ラインL12と、排出ラインL112と、透過水ラインL13と、濃縮水ラインL14と、還流ライン(透過水還流部)L20と、再生用水ラインL15と、濃縮水供給ラインL16と、濃縮水排出ラインL17と、を主要なラインとして備える。
水処理システム10が備える各構成について、浄化処理の流れと共に説明する。
排水ラインL10は、その下流側の端部が還元装置30に接続される。この排水ラインL10を通じてボトル洗浄装置4で生じた排水W10が水処理システム10に供給される。
NaOH添加装置(pH調整剤添加装置)80は、pH調整剤としての水酸化ナトリウム(NaOH)を排水W10に添加する。NaOH添加装置80によって添加されるNaOHによって排水W10のpHが調整される。本実施形態では、25%NaOHが添加されることによって、排水W10の水質が、例えばpH4.2から中性領域へと調整される。このpH調整が行われることによって、還元装置30での還元処理の反応効率(すなわち、過酸化物の分解効率)が向上する。
第1pH計81は、NaOH添加装置80によってNaOHが添加された後の排水W10のpHを測定する。そして、pH測定値が所定範囲(例えば、6.8〜7.2の中性領域)に収まるように、NaOHの添加量が調整される。
還元装置30は、NaOH添加装置80によってNaOHが添加された排水W10に対して還元処理を行う。本実施形態の還元装置30は、活性炭の触媒作用により、排水W10に含まれる過酢酸及び過酸化水素を還元して酢酸(酢酸イオン)と水に分解し、還元処理水W11を得る。
また、還元装置30は、直列配置される第1還元塔31及び第2還元塔32の2塔によって構成される。還元装置30を第1還元塔31及び第2還元塔32の2塔直列式に構成することによって、活性炭の必要な層長(すなわち、過酸化物と活性炭の接触時間)を確保しつつ還元装置30の高さ(塔長)を抑制し、水処理システム10の省スペース化が実現されている。また、第1還元塔31及び第2還元塔32は、所定のタイミングで逆洗処理がそれぞれ行われ、この逆洗処理で生じた逆洗排水を外部に排出する機能を有する。なお、本実施形態で用いられる活性炭としては、例えば、カルゴンカーボンジャパン社製のダイアソーブ(登録商標)W、カルゴン社製のCENTAUR(登録商標)が用いられる。
還元処理水ラインL11は、その上流側の端部が還元装置30に接続されており、下流側の端部が混床式純水装置50に接続される。
熱水殺菌ラインL111は、還元処理水ラインL11から分岐するラインであり、その上流側端部が還元処理水ラインL11に接続され、下流側の端部が排水ラインL10に接続される。
熱水殺菌ユニット33は、熱水殺菌ラインL111の経路途中に配置される。熱水殺菌ラインL111を流れる水は、熱水殺菌ユニット33によって加熱された後、再び還元装置30に戻されることになる。このように、熱水殺菌ラインL111によって加熱水を還元装置30に循環させることにより、活性炭層及びその充填塔を含む循環経路の熱水殺菌が可能になっている。本実施形態では、還元装置30の熱水殺菌は、予め設定されたスケジュールに基づいて定期的に行われる。
また、排水ラインL10、還元処理水ラインL11及び熱水殺菌ラインL111には、経路を開閉可能な制御弁が配置されている。より具体的には、排水ラインL10における第1pH計81の下流側には制御弁65が配置され、還元処理水ラインL11における熱水殺菌ラインL111との接続部分の下流側には制御弁66が配置される。また、熱水殺菌ラインL111における熱水殺菌ユニット33の上流側には制御弁67が配置され、その下流側には制御弁68が配置される。
第1薬注装置36は、還元処理水ラインL11での微生物の繁殖を抑制するため、所定のタイミングで還元処理水W11に対して次亜塩素酸ナトリウム(NaClO)を殺菌剤として薬注する。本実施形態では、NaClOの薬注は、予め設定されたスケジュールに基づいて定期的に行われ、殺菌剤を含む水は排出ラインL112(後述)から系外に排出される。
混床式純水装置(イオン交換装置)50は、還元装置30とRO膜装置(逆浸透膜装置)40の間に配置され、還元処理水W11をイオン交換樹脂に接触させてイオン交換処理水W12を得る。本実施形態の混床式純水装置50は、陽イオン交換樹脂及び陰イオン交換樹脂を含む混床式に構成される。混床式純水装置50には、エア供給源(図示省略)から計装用エア及び再生時混合用エアが供給されている。計装用エアは、混床式純水装置50の流路制御弁(図示省略)を駆動するために供給される。混合用エアは、後述の再生処理における陽イオン交換樹脂及び陰イオン交換樹脂の混合に用いられる。なお、本実施形態で用いられる陽イオン交換樹脂として、例えば、三菱化学社製のダイヤイオン(登録商標)SK1B,SK110等のH型強酸性陽イオン交換樹脂を用いることができる。また、陰イオン交換樹脂として、例えば、三菱化学社製のダイヤイオン(登録商標)SA10A,SA20A等のOH強塩基性陰イオン交換樹脂を用いることができる。
また、混床式純水装置50は、再生剤を注入することによって陽イオン交換樹脂及び陰イオン交換樹脂の再生処理を行う再生剤供給装置55を備える。本実施形態の再生剤供給装置55は、上述したNaOH添加装置80及び35%HClを添加するHCl添加装置90から構成される。すなわち、pH調整を行う装置と再生剤を供給する装置の一部が兼用される構成となっている。この再生剤供給装置55による再生処理は、予め設定されるスケジュールに基づいて適宜のタイミングで行われる。再生処理において、NaOHは陰イオン交換樹脂の再生剤として使用され、HClは陽イオン交換樹脂の再生剤として使用される。
イオン交換処理水ラインL12は、その上流側の端部が混床式純水装置50に接続され、下流側の端部がRO膜装置40に接続される。このイオン交換処理水ラインL12には、流量計35、プレフィルタ38が配置される。
流量計35は、イオン交換処理水ラインL12を流れるイオン交換処理水W12の流量を測定する。本実施形態の流量計35は、混床式純水装置50とプレフィルタ38の間で、イオン交換処理水W12の流量を測定する。
プレフィルタ38は、RO膜装置40に供給されるイオン交換処理水W12の前処理を行う。このプレフィルタ38によって還元処理水W11から比較的大きな懸濁物質が除去される。
第2薬注装置(亜硫酸塩添加装置)39は、イオン交換処理水W12に含まれるホルムアルデヒドを除去するために亜硫酸塩を注入する。第2薬注装置39により添加される亜硫酸塩は、水相においてホルムアルデヒドと反応することでヒドロキシメタンスルホン酸イオンを生成可能なものであれば特に限定されるものではなく、通常、アルカリ金属(好ましくはナトリウム)の亜硫酸塩や亜硫酸水素塩である。亜硫酸塩として、亜硫酸塩と亜硫酸塩の混合物を用いることもできる。亜硫酸塩は、通常、水溶液の状態で第2薬注装置39から添加されるのが好ましい。本実施形態では、プレフィルタ38の下流側であって、RO膜装置40の上流側で亜硫酸水素ナトリウム(例えば、35%水溶液)が薬注される。
イオン交換処理水W12に含まれるホルムアルデヒドは第2薬注装置39によって添加された亜硫酸水素イオンと付加反応し、ヒドロキシメタンスルホン酸イオンが生成される。ヒドロキシメタンスルホン酸イオンは、ホルムアルデヒドよりも分子量が大きく、イオン交換処理水W12中において負に帯電することから、RO膜モジュール415(後述)で水分子と分離され、イオン交換処理水W12から混床式純水装置50で除去しきれなかった酢酸イオンと共に除去される。なお、イオン交換処理水W12中のホルムアルデヒドのモニタリングは、3−メチル−2−ベンゾチアゾリノンヒドラゾン塩酸塩(MBTH)を用いる吸光光度法(MBTH法)等を利用した自動分析装置により行い、モニタリング結果に基づいて亜硫酸塩の薬注を自動的に行うように構成することもできる。
排出ラインL112は、イオン交換処理水ラインL12における第2薬注装置39による薬注位置とRO膜装置40の間から分岐する。この排出ラインL112は、還元処理水ラインL11で殺菌剤として注入された次亜塩素酸ナトリウムを系外に排出するためのラインである。排出ラインL112には、排出ラインL112の経路を開閉する排出弁110が配置される。排出弁110は、通常時は排出ラインL112の経路を閉じる閉状態に制御され、第1薬注装置36が次亜塩素酸ナトリウムを薬注するタイミングに基づいて排出ラインL112の経路を開放する開状態に制御される。
RO膜装置(逆浸透膜装置)40は、混床式純水装置50の下流側に配置され、RO膜に供給されるイオン交換処理水W12を透過水W13と濃縮水W14とに分離する。次に、RO膜装置40の構成について説明する。図3は、RO膜装置40の構成を概略的に示した図である。
図3に示すように、RO膜装置40は、加圧ポンプ410と、インバータ411と、RO膜モジュール415と、UV殺菌装置420と、流量センサ430と、を備える。
加圧ポンプ410は、イオン交換処理水ラインL12に設けられる。加圧ポンプ410は、上流側から供給されるイオン交換処理水W12を吸入し加圧して、RO膜モジュール415に向けて吐出する装置である。イオン交換処理水ラインL12の下流側の端部は、RO膜モジュール415の一次側入口ポートに接続されている。
インバータ411は、加圧ポンプ410を周波数制御するためのものであり、制御部70に電気的に接続される。加圧ポンプ410は、インバータ411を介して制御部70により駆動及び停止が制御される。
RO膜モジュール415は、単一または複数の逆浸透膜エレメント(図示省略)を備える。逆浸透膜エレメントは、架橋全芳香族ポリアミド等を用いた負荷電性のスキン層、すなわち、負に帯電しやすいスキン層を表面に有するものである。
逆浸透膜エレメントとしては、操作圧力0.7MPaおよび回収率15%の条件で濃度500mg/L、pH7.0および温度25℃の塩化ナトリウム水溶液を供給したときの水透過係数が1.3×10−11〜1.7×10−11・m−2・s−1・Pa−1でありかつ塩除去率が99%以上の性状のものが好ましい。
ここで、操作圧力とは、日本工業規格JIS K3802:1995「膜用語」で定義される平均操作圧力をいい、ここでは、RO膜モジュール415の一次側の入口圧力と一次側の出口圧力との平均値を指す。
回収率とは、RO膜モジュール415へ供給される水の流量(Qf)に対する透過水の流量(Qp)の割合(%)(すなわち、Qp/Qf×100)をいう。
水透過係数は、透過水量(m3/s)を膜面積(m2)および有効圧力(Pa)で除した値であり、逆浸透膜での水の透過性能を示す指標である。すなわち、水透過係数は、単位有効圧力を作用させたときに単位時間に膜の単位面積を透過する水の量を意味する。有効圧力は、日本工業規格JIS K3802:1995「膜用語」で定義されており、操作圧力(平均操作圧力)から浸透圧差および二次側圧力を差し引いた圧力である。
また、塩除去率は、膜を透過する前後の特定の塩類の濃度から計算される値であり、逆浸透膜での溶質の阻止性能を示す指標である。塩除去率は、RO膜モジュール415に供給される水における特定の塩類の濃度(C1)および透過水における特定の塩類の濃度(C2)から、(1−C2/C1)×100により求められる。
上述のスキン層および性状を備えた逆浸透膜は、逆浸透膜エレメントとして市販されている。このような逆浸透膜エレメントとしては、例えば、東レ社製の型式名「TMG20−400」(上記条件での水透過係数が1.7×10−11・m−2・s−1・Pa−1)、ウンジン・ケミカル社製の型式名「RE8040−BLN」(上記条件での水透過係数が1.6×10−11・m−2・s−1・Pa−1)および日東電工社製「ESPA1」(上記条件での水透過係数が1.6×10−11・m−2・s−1・Pa−1)等が挙げられる。
RO膜装置40に供給されたイオン交換処理水W12は、RO膜モジュール415によって透過水W13と濃縮水W14に分離される。
透過水ラインL13は、RO膜モジュール415によって分離された透過水W13が流通するラインである。本実施形態の透過水ラインL13は、その上流側の端部がRO膜モジュール415の二次側ポートに接続され、下流側の端部がRO水タンク42に接続される。
図2に示すように、透過水ラインL13には、NaOH添加装置80によりNaOHが添加される。NaOH添加装置80によって添加されるNaOHによって透過水W13のpHが調整される。本実施形態では、25%NaOHが添加されることによって透過水W13の水質が、例えばpH5.3から中性領域へと調整される。第2pH計91は、NaOHが添加された後の透過水W13のpHを測定する。そして、pH測定値が所定範囲(例えば、6.8〜7.2の中性領域)に収まるように、NaOHの添加量が調整される。
図3に示すように、濃縮水ラインL14は、RO膜モジュール415から濃縮水W14を濃縮水タンク71に送り出すラインである。本実施形態では、図3に示すように、RO膜モジュール415によって分離された濃縮水W14は、中間濃縮水ラインL130を通じて濃縮水ラインL14に送られる。中間濃縮水ラインL130は、共通濃縮水ラインL131、第1分岐濃縮水ラインL132、第2分岐濃縮水ラインL133及び第3分岐濃縮水ラインL134から構成される。
共通濃縮水ラインL131は、その上流側の端部がRO膜モジュール415の一次側出口ポートに接続されている。また、共通濃縮水ラインL131は、その経路途中から濃縮水還流ラインL400が分岐するとともに、その終端部では、第1分岐濃縮水ラインL132、第2分岐濃縮水ラインL133及び第3分岐濃縮水ラインL134の3つのラインに分岐している。また、共通濃縮水ラインL131には、定流量弁(図示省略)が設けられており、RO膜モジュール415における濃縮水W14の循環比(二次側ポートから流出する透過水W13の流量Qpに対する一次側出口ポートから流出する濃縮水W14の流量Qcの比率(Qc/Qp)、通常は“5”程度に設定)を一定に保つように構成されている。
濃縮水還流ラインL400は、RO膜モジュール415から送り出された濃縮水W14の一部をイオン交換処理水ラインL12における加圧ポンプ410よりも上流側に還流させるラインである。また、この濃縮水還流ラインL400には、適宜の箇所に流量調整弁または圧力調整弁(図示省略)が設けられる。
UV殺菌装置420は、濃縮水還流ラインL400の経路途中に配置される。UV殺菌装置420は、RO膜モジュール415の一次側での微生物の繁殖を抑制するため、所定のタイミングで一次側を循環する濃縮水W14に対して紫外線を照射する。本実施形態では、紫外線の照射は、予め設定されたスケジュールに基づいて定期的に行われ、UV殺菌装置420によって紫外線が照射された濃縮水W14を循環させることにより、RO膜モジュール415の一次側が殺菌される。架橋全芳香族ポリアミドをスキン層に有するRO膜の場合、耐酸化性の問題からRO膜モジュール415のNaClO等の酸化型殺菌剤を用いることはできない。しかし、UV殺菌装置420であれば、RO膜の酸化劣化を引き起こすことなく、RO膜モジュール415の一次側に対して殺菌処理および制菌処理を行うことができる。
第1分岐濃縮水ラインL132には、第1排水弁421が設けられている。第2分岐濃縮水ラインL133には、第2排水弁422が設けられている。第3分岐濃縮水ラインL134には、第3排水弁423が設けられている。第1排水弁421〜第3排水弁423は、排出ラインL5を通じて装置外へ排出される濃縮水W14の排水流量を調節する弁である。
第1排水弁421は、第1分岐濃縮水ラインL132を開閉することができる。第2排水弁422は、第2分岐濃縮水ラインL133を開閉することができる。第3排水弁423は、第3分岐濃縮水ラインL134を開閉することができる。第1排水弁421〜第3排水弁423は、それぞれ定流量弁機構(図示省略)を備える。定流量弁機構は、第1排水弁421〜第3排水弁423において、それぞれ異なる流量値に設定されている。例えば、第1排水弁421は、開状態において、RO膜モジュール415の回収率が95%となるように排水流量が設定されている。第2排水弁422は、開状態において、RO膜モジュール415の回収率が90%となるように排水流量が設定されている。第3排水弁423は、開状態において、RO膜モジュール415の回収率が80%となるように排水流量が設定されている。
第1排水弁421〜第3排水弁423は、それぞれ制御部70と電気的に接続されている。第1排水弁421〜第3排水弁423における弁体の開閉は、制御部70からの駆動信号により制御される。
第1分岐濃縮水ラインL132、第2分岐濃縮水ラインL133及び第3分岐濃縮水ラインL134は、そのそれぞれの下流側の端部が濃縮水ラインL14に接続されている。濃縮水ラインL14から排出される濃縮水W14の排水流量は、第1排水弁421〜第3排水弁423を選択的に開閉することにより、段階的に調節できる。例えば、第2排水弁422のみを開状態とし、第1排水弁421及び第3排水弁423を閉状態とする。この場合には、RO膜モジュール415の回収率を90%とすることができる。また、第1排水弁421及び第2排水弁422を開状態とし、第3排水弁423のみを閉状態とする。この場合には、RO膜モジュール415の回収率を85%とすることができる。従って、本実施形態において、濃縮水W14の排水流量は、第1排水弁421〜第3排水弁423を選択的に開閉すること(すなわち、開弁数を制御すること)により、回収率を段階的に調節することができる。
なお、本実施形態では、3つの排水弁を図示したが、第1分岐濃縮水ラインL132〜第3分岐濃縮水ラインL134を分岐せずに1本とし、このラインに比例制御弁を設けた構成としてもよい。その場合には、制御部70から指令信号を比例制御弁に送信して弁開度を制御することにより、回収率を無段階で調節することができる。
流量センサ430は、透過水ラインL13に設けられる。流量センサ430は、透過水ラインL13を流通する透過水W13の流量を検出する機器である。流量センサ430として、例えば、流路ハウジング内に軸流羽根車又は接線羽根車(図示省略)を配置したパルス発信式の流量センサを用いることができる。流量センサ430は、制御部70と電気的に接続されている。流量センサ430で検出された透過水W13の流量(以下、「検出流量値」ともいう)は、制御部70へパルス信号として送信される。制御部70は、入力された流量検出値に基づいて後述の流量フィードバック水量制御を行う。
以上、説明したように、本実施形態のRO膜装置40は、回収率を調整可能に構成される。RO膜装置40は、制御部70に電気的に接続されており、制御部70からの制御信号に基づいてその回収率が調整される。
次に、透過水ラインL13が接続されるRO水タンク42について説明する。RO水タンク42は、透過水ラインL13を通じてRO膜装置40によって分離された透過水W13が貯留される。本実施形態のRO水タンク42は、紫外線によってRO水タンク42に貯留された水に対して殺菌を行うUV殺菌装置45と、RO水タンク42の水位を検出する水位センサ46と、を備える。
本実施形態のRO水タンク42には、還流ラインL20及び再生用水ラインL15が接続されており、透過水W13を異なる供給先に供給できるようになっている。
還流ラインL20には、送水ポンプ47、ファイナルフィルタ60及びUV殺菌灯61が配置される。送水ポンプ47は、RO水タンク42に貯留された透過水W13を処理水W20として還流ラインL20を通じて原水タンク2側に送る。還流ラインL20は、処理水(透過水)W20を排水源であるボトル洗浄装置4(本実施形態では、ボトル洗浄装置4で使用するリンサー水を貯留する原水タンク2)に還流する透過水還流部として機能する。
ファイナルフィルタ60は、還流ラインL20の経路途中に配置され、還流ラインL20を流れる処理水W20に残存する不純物を除去する。
UV殺菌灯61は、還流ラインL20におけるファイナルフィルタ60の下流側に配置される。UV殺菌灯61は、ファイナルフィルタ60によって不純物が除去された処理水W20に対して紫外線による殺菌を行う。
RO水タンク42に貯留された透過水W13を利用するためのもう一方のラインである再生用水ラインL15は、その下流側の端部が混床式純水装置50に接続される。この再生用水ラインL15には、再生用水ポンプ48が配置されており、透過水W13を再生用水W15として混床式純水装置50に供給可能になっている。混床式純水装置50に供給された再生用水W15は、再生剤の調製(NaOH又はHClの希釈)並びに再生剤の押出を含むイオン交換樹脂床の再生処理に使用される。
次に、濃縮水ラインL14が接続される濃縮水タンク71について説明する。濃縮水タンク(濃縮水供給部)71は、ボトル洗浄装置4とは異なる水使用設備99に濃縮水W14を供給する。濃縮水タンク71は、上述の通り濃縮水ラインL14を介してRO膜装置40に接続されており、イオン交換処理水W12を濃縮した濃縮水W14が貯留される。
濃縮水ラインL14には、第3薬注装置69が配置されており、第1薬注装置36と同様にNaClOが殺菌剤として濃縮水W14に薬注される。第3薬注装置69は、所定のタイミングで濃縮水W14に対して次亜塩素酸ナトリウム(NaClO)を殺菌剤として薬注し、濃縮水ラインL14および濃縮水タンク71での微生物の繁殖を抑制する。本実施形態では、NaClOの薬注は、予め設定されたスケジュールに基づいて定期的に行われる。
本実施形態の濃縮水タンク71は、供給ポンプ72と、水位センサ73と、を備える。また、濃縮水タンク71には、水使用設備99に濃縮水W14を供給するための濃縮水供給ラインL16と、濃縮水W14を系外に排出するための濃縮水排出ラインL17と、が接続される。
供給ポンプ72は、濃縮水供給ラインL16に配置される。供給ポンプ72は、制御部70の駆動信号に基づいて駆動する。当該供給ポンプ72が駆動されることによって濃縮水W14が水使用設備99に供給される。本実施形態の水使用設備99は、ボイラ、クーリングタワー等である。水位センサ73は、濃縮水タンク71に貯留された濃縮水W14の水位を検出する。水位センサ73により検出された水位情報は、制御部70に送信される。
本実施形態の濃縮水タンク71は、濃縮水排出ラインL17を通じて濃縮水W14を系外に排出可能になっている。濃縮水排出ラインL17には開閉弁(図示省略)が配置されている。本実施形態では、制御部70により開閉弁の開閉状態が制御可能に構成されており、第3薬注装置69が殺菌を行うタイミングに基づいて該開閉弁を開状態に制御することにより、殺菌剤を含む濃縮水W14を系外に排出させることができる。
第1実施形態の水処理システム10の主要な構成は、以上の通りである。図1に示すように、ボトル洗浄装置4の洗浄処理ではオキソニア殺菌剤が用いられる。そのため、ボトル洗浄装置4の洗浄処理で生じた排水W10には、オキソニア殺菌剤に由来する過酸化水素、過酢酸等の過酸化物のほか、ペットボトル等に由来する微量のホルムアルデヒドが含まれる。本実施形態の水処理システム10は、この排水W10に含まれる過酸化物およびホルムアルデヒドの除去処理を行うと共に濃縮水W14の活用を行う。次に、水処理システム10による除去処理の一連の流れ及び処理過程で生じる濃縮水W14の活用方法について説明する。
水処理システム10に導入された排水W10は、NaOH添加装置80によってpHが中性領域に調整された後、還元装置30に送られる。還元装置30では、第1還元塔31及び第2還元塔32の活性炭の触媒作用により、排水W10に含まれる過酸化水素、過酢酸等の過酸化物が酢酸(酢酸イオン)と水に分解される。本実施形態の還元装置30は、処理対象の排水W10がNaOH添加装置80によってpH調整されていることに加え、2塔直列式に構成されているので、排水W10中の過酸化水素、過酢酸等の過酸化物を活性炭に十分に接触させることができ、高効率な還元処理が実現されている。還元装置30で還元処理が行われた排水W10は、還元処理水W11として下流側の混床式純水装置50に送られる。
混床式純水装置50では、還元処理水W11がイオン交換樹脂に接触し、酢酸イオンをはじめとするイオン成分が除去される。本実施形態では、陽イオン交換樹脂及び陰イオン交換樹脂を含む混床式純水装置50がイオン交換装置として設置されており、還元処理水W11から陽イオン及び陰イオンが除去され、塩分濃度の低い脱塩水であるイオン交換処理水W12が得られる。イオン交換処理水W12は、下流側のプレフィルタ38に送られる。
プレフィルタ38によって懸濁物質が除去されたイオン交換処理水W12に、第2薬注装置39によって亜硫酸水素ナトリウムが添加される。イオン交換処理水W12に含まれる排水W10由来のホルムアルデヒドは、亜硫酸水素イオンと付加反応し、ヒドロキシメタンスルホン酸イオンが生成される。ヒドロキシメタンスルホン酸イオンが生成されたイオン交換処理水W12は、RO膜装置40に送られる。
RO膜装置40は、付加反応で生成されたヒドロキシメタンスルホン酸イオンや混床式純水装置50で除去しきれなかったイオン成分をイオン交換処理水W12から除去する。これにより、イオン交換処理水W12に含まれていたほとんどのホルムアルデヒド(99%以上)を除去することができる。また、RO膜装置40により、TOC(Total Organic Carbon)や菌類等も還元処理水W11から除去される。
RO膜装置40によって処理されたイオン交換処理水W12は、透過水W13として下流側のRO水タンク42に送られる。RO水タンク42に貯留された透過水W13は、その一部が、ファイナルフィルタ60による不純物の除去及びUV殺菌灯61による殺菌処理が行われた後、処理水W20として還流ラインL20を通じて原水タンク2に戻される。処理水W20は、水処理システム10によるオキソニア殺菌剤の除去に係る一連の処理により、ボトル洗浄装置4のリンサー排水W10が再利用可能な水質レベル(好ましくは、水道水質基準をクリアした飲適レベル)まで処理される。また、RO水タンク42に貯留された透過水W13の一部は、上述の通り再生用水W15として混床式純水装置50の再生処理で使用される。
一方、RO膜装置40の透過水W13の製造に伴って生じた濃縮水W14は、濃縮水ラインL14を通じて濃縮水タンク71に送られる。上述の通り、RO膜装置40の処理対象の水はイオン交換処理水W12であり、混床式純水装置50によって製造された脱塩水である。処理対象が脱塩水であるため、RO膜装置40の処理過程で生じる濃縮水W14は、ボイラ、クーリングタワー等の水使用設備99に使用できるレベルの水質であり、別途処理を行うことなく直接的に水使用設備99に供給できる。本実施形態では、水使用設備99からの給水要求を受信した制御部70が供給ポンプ72を駆動し、濃縮水供給ラインL16を通じて当該水使用設備99に補給水としての濃縮水W14を供給する。
以上説明した第1実施形態の水処理システム10によれば、以下のような効果を奏する。
第1実施形態の水処理システム10は、排水W10に含まれる過酸化物を還元して還元処理水W11を得る還元装置30と、還元処理水W11を陽イオン交換樹脂及び陰イオン交換樹脂に接触させてイオン交換処理水W12を得る混床式純水装置50と、イオン交換処理水W12をRO膜モジュール415によって透過水W13と濃縮水W14とに分離するRO膜装置40と、透過水W13を処理水W20としてボトル洗浄装置(排水源)4に還流する還流ラインL20と、濃縮水W14を原水タンク2とは異なる水使用設備(ボイラ、クーリングタワー等)99に供給する濃縮水タンク71と、を備える。
これにより、透過水W13を排水源であるボトル洗浄装置4に還流して再利用しつつ、濃縮水W14についても水使用設備99で利用可能となり、ボトル洗浄装置4からの排水W10を効率的に活用できる。また、濃縮水W14は、RO膜装置40に導入される前に還元装置30及び混床式純水装置50によって浄化処理されたイオン交換処理水W12を濃縮したものであるので、改めて浄化処理を行うことなく、ボイラやクーリングタワー等の様々な水使用設備99に使用することができる。
また、本実施形態の水処理システム10は、イオン交換装置として陽イオン交換樹脂及び陰イオン交換樹脂の両方を含む混床式純水装置50が適用される。
これにより、酢酸イオンだけでなく陽イオンも還元処理水W11から取り除かれ、より塩分濃度の低い脱塩水をRO膜装置40に供給できる。RO膜装置に供給されるイオン交換処理水W12の塩分濃度が低く保たれることにより、イオン交換処理水W12の濃縮によって生じる濃縮水W14の利用範囲も広がる。更に、陽イオン交換樹脂がないイオン交換装置に比べ、陽イオンを除去できる分、RO膜装置40の回収率を高くすることができ、水処理システム10全体の処理効率を効果的に向上させることができる。
また、本実施形態の水処理システム10は、イオン交換処理水W12に亜硫酸塩を添加する第2薬注装置39を更に備える。
これにより、RO膜の通過時にホルムアルデヒドが除去される。従って、排水W10の循環再利用によってホルムアルデヒドが濃縮されるような事態も防止され、処理水W20では、ホルムアルデヒド濃度を水道水質基準の0.08mg/L以下に抑制することができる。また、濃縮水W14では、ホルムアルデヒドがヒドロキシメタンスルホン酸イオンの形で無害化されているため、濃縮水W14を安全な用水として利用することができる。
<第2実施形態>
次に、第2実施形態の水処理システム210について説明する。図4は、第2実施形態の水処理システム210を概略的に示した図である。なお、第1実施形態と同様の構成については同じ符号を付してその説明を省略することがある。
第2実施形態の水処理システム210は、第2薬注装置39が薬注を行う位置が第1実施形態の水処理システム10とは異なっている。図4に示すように、第2実施形態の第2薬注装置39は、還元処理水W11に対して亜硫酸塩を添加する。より具体的には、還元装置30と混床式純水装置50との間である還元処理水ラインL11で亜硫酸塩の薬注が行われる。また、第2薬注装置39の薬注位置は、第1薬注装置36の薬注位置の下流側となっている。
亜硫酸塩が添加されると還元処理水W11に含まれるホルムアルデヒドは添加された亜硫酸塩と反応し、ヒドロキシメタンスルホン酸イオンが生成される。ヒドロキシメタンスルホン酸イオンは、下流側に配置される混床式純水装置50の陰イオン交換樹脂によって捕捉され、その結果ホルムアルデヒドが除去される。
以上説明した第2実施形態の水処理システム210によれば、以下のような効果を奏する。第2実施形態の水処理システム210が備える第2薬注装置39は、還元処理水W11に亜硫酸水素ナトリウムを添加するように構成される。これにより、RO膜を使用することなくホルムアルデヒドを除去できるので、ホルムアルデヒドが回収率に影響を与える可能性をより小さくして、効率の高い水処理システム210を実現できる。また、ホルムアルデヒドと反応しなかった亜硫酸塩も混床式純水装置50に捕捉されるので、下流側のRO膜装置40から排出される濃縮水W14への影響も低減でき、濃縮水W14の使用範囲をより拡げることができる。
以上、本発明の水処理システムの好ましい各実施形態について説明したが、本発明は、上述の実施形態に制限されるものではなく、適宜変更が可能である。例えば、上記実施形態では、排出ラインL112によって次亜塩素酸ナトリウムを系外に排出する構成であるが、亜硫酸塩の注入量及びタイミングを調整し、亜硫酸塩によって次亜塩素酸ナトリウムを還元する構成としてもよい。この場合、排出ラインL112を省略することも可能である。
上記実施形態では、イオン交換装置として混床式純水装置50を適用しているが、この構成は適宜変更することができる。例えば、陽イオン交換樹脂を有しない陰イオン交換樹脂の単床式純水装置に変更することもできる。
上記実施形態では、透過水W13を再生用水W15として再生用水ラインL15を通じて混床式純水装置50に供給する構成であるが、この構成は適宜変更することができる。例えば、濃縮水タンク71に貯留された濃縮水W14を再生処理水として再生処理を行う混床式純水装置50に供給する構成とすることもできる。また、水使用設備が要求する水質によっては、第3薬注装置69を省略することもできる。このように、濃縮水W14の使用範囲は、上記実施形態の構成に限定されず、種々の水使用設備に使用することができる。
上記実施形態では、飲料工場で用いるアセプティック充填設備1に用いられる水処理システムを本発明の適用例として説明したが、上記実施形態の構成に限定されるわけではない。排水源からの排水を処理して排水源で再利用するものであれば、本発明の水処理システムを適用することができる。
4 ボトル洗浄装置(排水源)
10 水処理システム
30 還元装置
39 第2薬注装置(亜硫酸塩添加装置)
40 RO膜装置(逆浸透膜装置)
50 混床式純水装置(イオン交換装置)
71 濃縮水タンク(濃縮水供給部)
99 水使用設備
210 水処理システム
L20 還流ライン(透過水還流部)

Claims (4)

  1. 排水源からの過酸化物を含む排水を前記排水源において再利用するための水処理システムであって、
    排水に含まれる過酸化物を還元して還元処理水を得る還元装置と、
    還元処理水を少なくとも陰イオン交換樹脂と接触させてイオン交換処理水を得るイオン交換装置と、
    イオン交換処理水を逆浸透膜モジュールによって透過水と濃縮水とに分離する逆浸透膜装置と、
    透過水を前記排水源に還流する透過水還流部と、
    濃縮水を前記排水源とは異なる水使用設備に供給する濃縮水供給部と、
    を備える水処理システム。
  2. 前記イオン交換装置は、陽イオン交換樹脂を更に有し、混床式に構成される請求項1に記載の水処理システム。
  3. イオン交換処理水に亜硫酸塩を添加する亜硫酸塩添加装置を更に備える請求項1又は2に記載の水処理システム。
  4. 還元処理水に亜硫酸塩を添加する亜硫酸塩添加装置を更に備える請求項1又は2に記載の水処理システム。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN111573920A (zh) * 2020-05-28 2020-08-25 宁波中车时代电气设备有限公司 一种车载吊挂式高浓度污水处理装置

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