以下、図面に基づいて本発明の実施形態を説明する。
まず、遊技機(パチンコ遊技機ともいう)の全体の構成について説明する。図1は、遊技機において前面扉を開放状態にして遊技盤の前面を正面から見た正面図である。図2は、遊技機を裏面から見た背面図である。本実施例の遊技機1は、該遊技機1の側部位置に1対1にて配置される遊技用装置であるカードユニット(図示せず)とともに、図示しない遊技島の前後面に複数列設されて使用される。これら遊技機1並びにカードユニットが列設される遊技島の内部には、前記各遊技機1に遊技球10を補給する補給樋100(図2参照)や、前記各遊技機1にて使用され、排出された遊技球10を集めて補給樋100に揚送する揚送装置等(図示せず)が設けられている。さらに、遊技島の内部には、高さ方向略中央部には各カードユニットより排出された紙幣を所定方向島端に設けられた回収ボックス(図示せず)に搬送可能な紙幣搬送路(図示せず)や、同様に各カードユニットより排出された硬貨およびプリペイドカードを前記所定方向島端の回収ボックスに混合搬送可能な混合搬送路(図示せず)等が設けられている。
該遊技機1は、遊技機枠2と、該遊技機枠2の左側(遊技盤3の正面に向かって左側)に開閉自在に枢支され、中央にガラス板が設けられた前面扉21と、該遊技機枠2内に着脱自在に取付けられた方形状の遊技盤3とを含む。なお、遊技盤3の形状は必ずしも方形状である必要はなく、円形、その他の形状としてもよい。
前面扉21の下部前面には、貸し出された球並びに払い出された賞球を貯留するための打球貯留部としての上皿11が一体に設けられており、該上皿11の上面左側(遊技盤3の正面に向かって左側)箇所には返却操作ボタン14、上面右側(遊技盤3の正面に向かって右側)箇所には操作部17が設けられている。前面扉21の前面における上皿11の下方には、上皿11から溢れた賞球を貯留する下皿12と、打球を発射する打球操作ハンドル(以下、操作ノブという)13、とが設けられている。なお、下皿12には、流下ボタン15が設けてあり、該流下ボタン15をスライドすることで下皿12から遊技球10を流下することができる。また、操作ノブ13の上部に残留球報知ランプ16が設けてある。
操作部17には、遊技者により前記カードユニットに設けられたカード挿入口に挿入された遊技用記録媒体であるプリペイドカードより読み出された遊技用価値である度数を表示する度数表示部(図示せず)と、遊技の開始または前記上皿11に持球が少なくなったまたはなくなった際に押圧操作されて、度数表示部に残度数が存在する場合に所定数量の遊技球10の貸出を実施するための貸出ボタン17aと、遊技を終了する際に押圧操作されることにより、カードユニットに挿入されているプリペイドカードに新たな残度数が記録されて返却がなされる返却ボタン17bと、が設けられている。なお、貸出ボタン17a、および返却ボタン17bなどの配置は、図1に示した配置に限定されるものではなく、他の位置に配置してもよい。たとえば、返却ボタン17bを上皿11の奥の壁に配置するなどでもよい。
遊技機枠2には、遊技盤3が着脱自在に取付けられている。また、遊技機枠2の左側(遊技盤3の正面に向かって左側)の上部位置には、該遊技盤3の前面に形成される遊技領域4に向けて遊技球10を発射するための発射装置30が取付けられているとともに、図2に示すように遊技機枠2の後面側における発射装置30の下方には、上皿11に貯留された遊技球10を揚送して発射装置30に遊技球10を供給するための揚送装置29が取付けられている。なお、発射装置30を遊技機枠2の左側の上部位置に設けることで、発射装置30を遊技機枠2の左側の下部位置に設ける場合に比べて遊技球10の飛びが安定する。また、発射装置30は、遊技機枠2の左側の上部位置に設けると記載したが、遊技領域4の上方であればよく、遊技領域4と重なる上方の位置でも、遊技領域4と重ならない上方の位置でもよい。
上皿11の下部には、該上皿11に貯留されている遊技球10を整列して、後述する揚送装置29の下部ユニット29aに供給するように設けられた誘導傾斜樋10aが設けられている。なお、誘導傾斜樋10aの下面は揚送装置29側に向けて徐々に下方に傾斜する傾斜面とされており、誘導傾斜樋10aに流入した遊技球10が通路内を自然流下するようになっている。
上皿11に貯留されている遊技球10は、誘導傾斜樋10aを流下し、揚送装置29の下部に設けられている下部ユニット29aに供給され、該揚送装置29にて発射装置30に揚送、供給されて、発射装置30により遊技盤3の遊技領域4に打ち出されるようになっている。また、上皿11と下皿12とは連通しており、上皿11に貯留されている遊技球数が一定数を超えて満タン状態になると、一定数を超えた分の球が下皿12へと流下する。
発射装置30は、図1に示されるように、外装ケース内部に共通の揺動軸に揺動自在に軸支された球リフトアーム33と発射アーム34が設けられている。これら球リフトアーム33と発射アーム34の一方端は、発射装置30の上部裏面側に固設された発射モータ(図示せず)にて回転駆動されるカム軸に同軸に固設されたリフト用カム31並びに発射用カム32に摺接することで、該リフト用カム31並びに発射用カム32の回動に伴って球リフトアーム33と発射アーム34とが個別の揺動動作を為すようになっているとともに、発射アーム34は、発射装置30の下方に、球リフトアーム33と発射アーム34の揺動円弧に外接するように傾斜配置された発射レール35にほぼ並行となるように張架された発射用スプリング36にて付勢されており、また、球リフトアーム33は、発射用スプリング36とほぼ直交するように張架されたリフト用スプリング38にて付勢されている。なお、発射レール35に樹脂部500を設けてもよい。発射レール35に樹脂部500を設ける場合、発射レール35が上り傾斜であり、発射アーム34により遊技球10を打ち出す際に、遊技球10を発射レール35に押し付けて遊技球10と樹脂部500との間で高い圧力が生じるように構成することが好ましい。たとえば、樹脂部500を設けた発射レール35の面に対して、発射アーム34の軌道がわずかに交差するように構成することで実現可能である。
また、発射用スプリング36の発射アーム34との連結側ではない他方端は、発射用スプリング36の張架方向にスライド可能とされたスライド片37に連結されていて、該スライド片37が、発射装置30の裏面側に固設された発射速度調整モータ(図示せず)によりスライドすることで、発射アーム34の付勢力が調節され、該発射アーム34にて打ち出される遊技球10の発射強度を調節できるようになっており、これら発射強度の調節は、操作ノブ13の操作に基づいて発射制御基板(図示せず)によって発射速度調整モータの動作が制御されることで実施される。
この発射装置30の発射動作を簡単に説明すると、まず発射モータの回動によって、球リフトアーム33と発射アーム34の双方が、リフト用スプリング38並びに発射用スプリング36の付勢力に抗して、発射装置30の下方隅部の位置まで揺動されるとともに、この状態において、揚送装置29から発射通路を経て1個の発射球が、発射装置30の外装ケースの後面に設けられた供給口を介して供給される。
該発射装置30に供給された遊技球10は、リフト用カム31の回動によって、まず球リフトアーム33のみが揺動を開始することで、発射平面となる発射アーム34の揺動平面と同一平面上を、該球リフトアーム33によって発射レール35上の所定の発射位置へ誘導される。
なお、球リフトアーム33の揺動外周端部には、発射アーム34の先端に設けられた打ち出しスプリングが挿通可能な円形窓が形成されていて、円形窓内に発射位置へ誘導された遊技球10が保持されるようになっている。また、リフト用カム31の形状は、発射位置の遠方領域において球リフトアーム33の揺動下端の移動速度が大きくなるように、その外径が大きく増加するとともに、発射位置の近傍において、球リフトアーム33の揺動下端の移動速度が低速となることで誘導される遊技球10の誘導速度が低速となるように、その外径が微増するような形状となっている。
次いで、発射レール35上の所定の発射位置へ誘導された遊技球10は、発射用カム32の回動に伴い、発射用スプリング36に抗する力が解除されることで、該発射用スプリング36による付勢力に比例する勢いにて、発射アーム34が揺動することで、発射レール35上の発射路を通じて遊技領域4へ打ち出される。
この際、発射の勢いが弱く、遊技領域4に達しなかった遊技球10は、発射レール35上を傾斜下方側へ流下してくるが、ファール球流路(図示せず)内へ流入し、該ファール球流路の下端に形成されているファール球流出口(図示せず)から払出通路25を通じて上皿11あるいは下皿12に返却される。なお、ファール球は払出通路25とは別の通路を通って上皿11あるいは下皿12に戻るようにしてもよい。
発射レール35上の発射路を通じて遊技領域4へ打ち出された遊技球10は、遊技領域4のレール4aに沿って移動方向が変更され、遊技領域4の始動電役6、アタッカー7およびアウト口などから回収される。遊技球10の移動方向を変更するレール4aには、遊技球10の潤滑性を高める樹脂部500が設けてある。つまり、従来に比べて、削り採りを促進する位置に樹脂部500を設けてある。レール4aに設けた樹脂部500により、発射する遊技球10ごとの潤滑性を高めることができる。樹脂部500は、レール4aにネジ止めや爪係止などの係止手段500aにより固定されており、レール4aに対して着脱可能である。また、レール4aの一部またはすべてを覆うために複数の樹脂部500が設けてある。なお、樹脂部500は、ポリテトラフルオロエチレンやポリ四フッ化エチレンなどのフッ素系樹脂である。
レール4aを複数の樹脂部500で覆う場合、樹脂部500の繋ぎ目部分で打ち出された遊技球20の流れを阻害したり、打ち出された遊技球20で樹脂部500が欠けたりする不具合を防止するため、たとえば、遊技球20の流れに近い側の樹脂部500の角が反対側の樹脂部500の角より厚みが薄くなっている。また、樹脂部500は、遊技球20の流れに近い側の角が反対側の角より鈍角であってもよい。さらに、レール4aに設けた樹脂部500の角が、自重によりレール4aから垂れ下がるのを防止するために、樹脂部500の角の近傍に係止手段500aを設ける構成であってもよい。また、樹脂部500は、係止手段500aを用いてレール4aの表面に固定する構成に限られず、たとえば、レール4aに隙間を設け、当該隙間にレール4aの裏面から押し付けるように固定してもよい。レール4aの裏面に樹脂部500を固定した場合、レール4aの隙間から樹脂部500の一部が露出し、露出した樹脂部500に遊技玉10が接触することで遊技球10の潤滑性を高めることができる。
遊技球10は、レール4aにより移動方向が変更されるため、レール4aに設けた樹脂部500に強い力で押し付けられる。よって、樹脂部500を僅かに削り採って遊技球10の表面に付着させ、遊技球10の潤滑性を高めることができる。なお、図1ではレール4aに樹脂部500を設けた例を示したが、遊技球10の移動ベクトル(方向、速度)を変更することが可能な位置であればいずれの位置であってもよい。
遊技球10が発射された遊技領域4の構成を図1に基づいて説明する。
遊技領域4の中央上部付近には、「飾り図柄」と呼ばれる複数種類の識別情報可変表示するための可変表示装置5が設けられ、遊技盤3の正面に向かって左側部には「普通図柄」と呼ばれる個別図柄(本実施例では7セグメントのLEDによる図柄)が表示される普通図柄表示器9が設けられている。なお、本実施例では、可変表示装置5はLCD表示器(液晶表示器)にて形成されていて、飾り図柄を可変表示可能とされている。
また、普通図柄表示器9は、7セグメントのLEDを有し、可変表示装置5に表示される飾り図柄は、後述するように打球が始動電役6へ始動入賞することに基づいて可変開始される。一方、普通図柄表示器9に表示される普通図柄は、後述するように打球がゲート8を通過することに基づいて可変が開始される。
遊技盤3の正面に向かって左側部には、打球を導くゲート8が設けられている。ゲート8には、ゲート8を通過した打球を検出するゲートスイッチ217がある。
また、始動電役6には可動片61が設けられていて、始動口ソレノイド(図示せず)によって開状態とされ、始動電役6に入賞した始動入賞球は、遊技盤3の背面に導かれ、始動入賞口スイッチ216によって検出される。
また、始動電役6の下方には、開閉板が設けられた可変入賞球装置であるアタッカー7が取付けられている。遊技状態が大当り状態(特定遊技状態)となれば、アタッカーソレノイド(図示せず)によって開閉板が開成し、アタッカー7の大入賞口が開口する。大入賞口に進入した入賞球は入賞球検出スイッチ(図示せず)で検出される。
また、遊技盤3には、複数の入賞口(図示せず)が設けられている。遊技領域4の左右周辺には、遊技中に点灯表示される装飾ランプ(図示せず)が設けられ、下部には、いずれの入賞口にも入賞しなかった打球をアウト球として回収するアウト口が設けられている。
また、図1には図示していないが遊技領域4の外側の左右上部には、効果音を発する2つのスピーカが設けられているとともに、遊技領域4の外周には、遊技効果ランプが設けられている。そして、一方のスピーカの近傍には、賞球払出時に点灯する賞球ランプ(図示せず)が設けられ、他方のスピーカの近傍には、補給球が切れたときに点灯する球切れランプ(図示せず)が設けられている。
操作ノブ13の操作によって発射装置30から発射された打球は遊技領域4に入り、該遊技領域4を流下していく。該打球がゲート8を通ってゲートスイッチ217で検出されると、普通図柄表示器9に停止表示されている普通図柄が可変開始する。なお、普通図柄表示器9の可変表示中に打球がゲートスイッチ217を通過した場合にはその通過が記憶され、普通図柄表示器9が停止して再度変動を開始可能な状態になってから通過記憶を「1」減算して普通図柄表示器9が可変表示制御される。この通過記憶の上限はたとえば「4」に定められており、現時点での通過記憶数が通過記憶表示器(図示せず)により表示される。
また、打球が始動電役6に入賞し、始動入賞口スイッチ216で検出されると、飾り図柄の変動を開始できる状態であれば、可変表示装置5に表示される飾り図柄がスクロールを始める。たとえば、すでに可変表示が開始されて飾り図柄が変動中である等の理由によって飾り図柄の変動をすぐに開始できる状態でなければ、始動入賞記憶を一つ増やす。本実施例では、4個を上限として、始動入賞が記憶されるごとに、始動入賞記憶表示器(図示せず)のLEDが1つ追加して点灯する。そして、可変表示装置5において飾り図柄の可変表示が開始されるごとに、LEDが1つ滅灯する。
普通図柄表示器9の可変表示動作後の表示結果が予め定められた特定の表示結果(たとえば、「7」に対応する数字が点灯)となった場合に、始動電役6に設けられた可動片61が所定時間開成して、遊技球10が該始動電役6に入賞し易くなる遊技者にとって有利な状態となる。
この始動電役6に遊技球10が入賞して始動入賞口スイッチ216で検出されると、飾り図柄の変動を開始できる状態であれば、可変表示装置5の液晶表示画面において飾り図柄の可変表示(変動表示)を開始する。そして、その後、可変表示が停止し、その停止表示結果が予め定められた特定の表示態様(たとえば777)となった場合に、特定遊技状態(大当り状態)が発生する。
このように大当り状態が発生した場合には、アタッカー7の開閉板が開成して遊技者にとって有利な第1の状態となる。この第1の状態は、所定期間(たとえば30秒間)の経過、あるいは打球の所定個数(たとえば10個)の入賞、のいずれか早い方の条件が成立することにより終了し、その後、遊技者にとって不利な第2の状態となる。この第1の状態の繰返し継続制御は、本実施例では最大15回まで実行可能とされている。このような最大15回実行可能である第1の状態となっている時期は、繰返し継続制御のラウンド(回)と呼ばれる。この例では、繰返し継続制御は、第1ラウンドから最大第15ラウンドまで繰返し実行可能である。なお、可変表示装置5とは別に特別図柄を可変表示させる特別図柄表示器(図示せず)として、たとえば7セグメントのLEDを設け、飾り図柄の変動の開始および停止と連動して特別図柄表示器において特別図柄を可変表示させてもよい。
なお、アタッカー7の開閉板の裏側に樹脂部500を設けてもよい。アタッカー7の開閉板の裏側に樹脂部500を設けることで、アタッカー7に入賞する際に、開成したアタッカー7の開閉板の裏側に遊技球10が衝突して、遊技球10と樹脂部500との間に高い圧力が加わるので、樹脂部500を僅かに削り採って遊技球10の表面に付着させ、遊技球10の潤滑性を高めることができる。アタッカー7の開閉板の裏側に樹脂部500を設けた場合、大当り中のみ遊技球10が樹脂部500に衝突するので遊技球10の潤滑性を高めすぎることがない。また、大当り中に遊技領域4の右領域を狙うことで遊技者が有利となる遊技機の場合、遊技領域4の右領域で遊技球10が衝突しやすい場所に樹脂部500を設けることで、大当り中に遊技球10が樹脂部500に衝突するので遊技球10の潤滑性を高めることができる。
また、可変表示装置5で可変表示された飾り図柄が同じ図柄の種類に一致した大当り図柄で停止表示されたときには前述したように大当りが発生するが、その大当り図柄のうち予め定められた特別な図柄が表示された場合には、通常遊技状態に比べて大当りが発生する確率が高く変動した確率変動状態(以下、確変状態ともいう)となる。このような確率変動状態の発生のきっかけとなる特別の表示態様の大当り図柄は、確変図柄と呼ばれる。以下、確変図柄により発生する大当りを確変大当りといい、確変図柄以外の大当り図柄(非確変図柄)により発生する大当りである通常大当りと区別している。
通常遊技状態中に、一旦、確変大当りが発生すると、その確率変動状態は、たとえば、少なくとも予め定められた確変継続回数(たとえば、1回、あるいは2回)分の大当りが発生するまで確率変動状態に継続制御される。また、確率変動状態中に確変大当りが発生すれば、その確変大当り以降、改めて確変継続回数が計数され、その後、少なくとも確変継続回数だけ大当りが発生するまで確率変動状態が継続する。そして、確変継続回数に達した大当りが確変図柄以外の非確変図柄によるものであった場合には、確率変動の生じていない通常遊技状態に戻る。
可変表示装置5においては、リーチ状態が発生する場合がある。ここで、「リーチ状態」とは、可変表示装置5が可変開始された後、表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点でも、特定の表示態様となる表示条件から外れていない表示態様をいう。言い換えれば、リーチとは、可変表示装置5の表示結果がまだ導出表示されていない段階で、特定の表示態様の組合せが表示されやすい可変表示態様となったと遊技者に思わせるための表示状態をいう。そして、たとえば、特定の表示態様の組合せが揃った状態を維持しながら可変表示装置5による可変表示を行なう状態もリーチ表示状態に含まれる。さらにリーチの中には、それが出現すると、通常のリーチ(ノーマルリーチ)に比べて、大当りが発生しやすいものがある。このような特定のリーチをスーパーリーチという。
また、リーチ状態とは、可変表示装置5の表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点での表示状態であって、前記表示結果が導出表示される以前に決定されている複数の可変表示領域の表示結果の少なくとも一部が前記特定の表示態様となる条件を満たしている場合の表示状態をもいう。
また、遊技盤3の裏面側には、可変表示装置5の表示制御を行なう演出制御基板(図示せず)、遊技制御用マイクロコンピュータ等が搭載された遊技制御基板(図示せず)が設けられている。さらに、遊技盤3の裏面側には、発射装置30の動作制御を行なうマイクロコンピュータ等が搭載された発射制御基板(図示せず)が設けられている。遊技機枠2には、遊技球10の払出制御を行なう払出制御用マイクロコンピュータ等が搭載された払出制御基板(図示せず)が設けられている。
次いで、発射装置30に遊技球10を供給する揚送装置29について、遊技機1を裏面から見た図2に基づいて説明する。遊技機1は、左側(遊技盤3の正面に向かって左側)の上部位置に発射装置30を設け、遊技領域4の上部発射位置から遊技球10を打ち出すタイプの遊技機である。そのため、遊技機1の裏面には、上皿11の位置から上部の発射装置30まで遊技球10を揚送するための揚送装置29を設ける必要がある。
そのため、本実施例の遊技機1では、揚送装置29を配置した反対側の位置、右側(遊技盤3の正面に向かって右側)の上部位置に、球タンク103を配置する。そして、本実施例の遊技機1では、球タンク103と揚送装置29との間に、球払出装置225を設けている。ここで、球タンク103は、補給樋100から分岐部101および供給管102を介して供給される遊技球10を待機させるための待機部であり、球払出装置225からの遊技球10の払出しが間に合わなくなるのを防いでいる。球タンク103の底面には、後述するように樹脂部500が設けてある。球タンク103の底面は遊技球10が複数積層されうる面であり、当該底面に樹脂部500を設けることで、自重以上の力で遊技球10を樹脂部500に押し付けることが可能となる。よって、樹脂部500を僅かに削り採って遊技球10の表面に付着させ、遊技球10の潤滑性を高めることができる。
球払出装置225は、球タンク103の右側(図2中における右側)の下部位置に設けている。球払出装置225は、入賞や貸出ボタン17aの押下により遊技機1に対して払出す遊技球10が発生すると、誘導樋104を用いて球タンク103に待機してある遊技球10を、払出通路25を介して上皿11に払出す装置である。球払出装置225の内部には球を一つずつ払出すためのスプロケット(図示せず)と、スプロケットを駆動する払出モータ(図示せず)とが設けられている。払出モータは、払出制御基板の制御によって駆動される。払出モータが駆動すると、スプロケットが回転し、球払出装置225内の遊技球10が1球ずつ払出通路25へとスプロケットによって送出される。払出通路25を通って払出される遊技球10は、払出通路25の下端に設けた払出口251から上皿11に供給される。
次に、揚送装置29について詳細に説明する。揚送装置29は、遊技球10を1つ1つ分離した状態で揚送するための揚送部材としての揚送スクリュー291、該揚送スクリュー291が内部に収容される揚送路ケース290、該揚送路ケース290の下方に設けられ、揚送スクリュー291を駆動する駆動部292、送路ケースの上方に設けられ、揚送スクリュー291により揚送された遊技球10を発射装置30に供給する揚送出口293を含んでいる。さらに、揚送装置29は、装置内の遊技球10を返却するための返却通路26を含み、後述するように返却操作ボタン14を押下することで装置内の遊技球10を返却通路26へ導き、返却通路26の下端に設けた返却口261から下皿12に遊技球10を返却する。
また、揚送出口293の近傍に上部揚送センサ(図示せず)が設けられ、上皿11における誘導傾斜樋10aから揚送スクリュー291までの間に下部揚送センサ221が設けられている。上部揚送センサおよび下部揚送センサ221は、揚送スクリュー291内の遊技球10の有無を検出するためのセンサであり、下部揚送センサ221で上皿11から揚送スクリュー291に入った遊技球数を、上部揚送センサで揚送出口293から出た遊技球数をそれぞれカウントすることで揚送スクリュー291内の遊技球10の有無を検出している。
前述した遊技機1は、遊技島から遊技球を供給し、遊技後に遊技球を遊技島に回収する構成であった。しかし、本発明に係る遊技機は、遊技機内で遊技球が循環する封入式であってもよく、以下に封入式の遊技機について説明する。なお、以下に説明する封入式の遊技機では、発射装置が遊技機の右側の下部位置に設けてある場合について説明するが、図1に示した遊技機1と同様、発射装置が遊技機の左側の上部位置に設けてあってもよい。
図3は、遊技機1内の遊技領域の下側における、遊技球の循環経路を遊技機1の背面から見た態様を説明するものである。図3を参照して、主に封入循環式の遊技球10の循環経路を説明する。封入循環式の遊技機1では、発射装置により遊技領域に発射された遊技球10を回収経路から回収し、補給経路に戻すことで発射装置に遊技球10を補給している。
遊技領域内に打込まれた遊技球10はいずれかの入賞口に入賞するかあるいは入賞することなくアウト口145に回収される。具体的には、遊技領域に設けられている入賞口や可変入賞球装置などから入賞したすべての入賞球(セーフ球)は、入賞球検出スイッチ(図示せず)で検出されて入賞球集合カバー部材144で集められてセーフ球流下経路706を通り、回収球通過経路901に誘導される。セーフ球流下経路706には、入賞球集合カバー部材144で集められたセーフ球がセーフ球流下経路706に落ちる位置に樹脂部500が設けてある。そのため、入賞球集合カバー部材144で集められたセーフ球がセーフ球流下経路706に流れ込む際に、樹脂部500を設けた面に衝突してセーフ球(遊技球10)の移動ベクトルが変更される。よって、樹脂部500を僅かに削り採って遊技球10の表面に付着させ、遊技球10の潤滑性を高めることができる。同様に、セーフ球流下経路706を通った遊技球10が回収球通過経路901に落ちる位置に樹脂部500が設けてある。なお、回収球通過経路901において遊技球10が複数積層されうる面に樹脂部500を設けても、合流後球通過経路707の途中箇所において遊技球10の移動ベクトルを変更する面(発射球検出スイッチ903の近傍)に樹脂部500を設けてもよい。また、樹脂部500は、複数の経路が合流する位置またはその下流の位置に設けることが好ましい。当該位置は、多くの遊技球10が流れ込む位置であるため、遊技球10が複数積層されうる可能性が高く、遊技球10の潤滑性を高めることができる。
一方、アウト口145に進入したアウト球は、アウト球流下経路702を流下し、回収球通過経路901に誘導される。このアウト球流下経路702にはアウト球検出スイッチ701(アウト遊技媒体検出手段)が設けられており、アウト球流下経路702を流下する球が検出される。さらに、ファール球は、ファール球戻り経路902を通って回収球通過経路901を流下する。ファール球の通過する経路の途中箇所には流下するファール球を検出するファール球検出スイッチ33A(ファール遊技媒体検出手段)が設けられている。したがってセーフ球、アウト球およびファール球のいずれも最終的には回収球通過経路901に進入して合流し、これ以降は合流後球通過経路707を流下する。セーフ球、アウト球およびファール球の通過する経路の一例を図2中に矢印で示しており、図中の遊技球流れは、セーフ球、アウト球およびファール球が合流した後のすべての遊技球の共通の流れを示す。なお、アウト球流下経路702を流下した遊技球10が回収球通過経路901に落ちる位置や、ファール球戻り経路902を通った遊技球10が回収球通過経路901に流下する位置(セーフ球流下経路706を通った遊技球10が、回収球通過経路901に落ちる位置と共通の位置)に、樹脂部500が設けてある。
合流後球通過経路707の途中箇所に発射球検出スイッチ903が設けられており、入賞球とアウト球とファール球とが合流したすべての遊技球10が検出される。さらに発射球検出スイッチ903の下流側における途中箇所に、補給50個検出スイッチ(遊技球不足検出スイッチともいう)904が設けられている。この補給50個検出スイッチ904は、遊技機1に内蔵された遊技球10の数が規定数(50個)に達しているか否かを検出するためのものである。一方、前述の発射球検出スイッチ903は、遊技領域に打込まれた遊技球10のすべてが回収されて検出されるものであり、遊技領域に打込まれた打込球個数とこの発射球検出スイッチ903により検出された遊技球10の数とが等しくなったときに、遊技領域に打込まれた遊技球10がすべて回収されたことが検出される。
このような役割を持った発射球検出スイッチ903は、遊技機1に内蔵された封入球の個数が規定数(50個)を超過していることの検出にも兼用されている。すなわち、遊技機1に封入されている遊技球10が規定数(50個)の場合には、遊技が行なわれていない非稼動状態において停留している封入球の最後の50個目の遊技球10の位置が、補給50個検出スイッチ904と発射球検出スイッチ903とのちょうど間に位置するように構成されている。これにより、規定数(50個)を超える遊技球10が遊技機2内に封入された場合には遊技されていない状態において停留している遊技球10が発射球検出スイッチ903の検出位置を越える状態となり、常に発射球検出スイッチ903が球の検出状態となり、それによって封入球の個数が多過ぎることが検出可能となる。具体的には、遊技機1に設けられている払出制御部に発射球検出スイッチ903の検出信号が入力され、払出制御部がその検出信号に基づいて規定時間(たとえば2秒)以上球を検出している連続検出状態になっていると判定したときに、封入された遊技球10の超過状態と判定する。すなわち発射球検出スイッチ903が配置される位置およびその上流側の回収球通過経路901が、規定数を越えた遊技球10の停留経路部分となる。したがって発射球検出スイッチ903は、遊技に使用された後、循環経路に回収された遊技球10を検出する個数検出手段と、当該個数検出手段が規定時間以上連続して遊技媒体を検出する連続検出状態となったときに、封入された遊技球10の超過状態と判定するために用いられる超過検出手段とに、兼用されている。
また、払出制御部は、規定時間(たとえば2秒)以上の球を検出している状態になっていると判定したときに、アラームを報知する。そして、遊技場の係員が手動で超過している余剰球を抜取る。この手動による抜取りに代えて、払出制御部が球抜きモータ931(図7参照)を駆動制御して超過している余剰球を自動的に抜取る制御を行なってもよい。前述のアラーム報知に代えてまたは加えて、表示器によりエラー報知を行なってもよい。
さらに、補給50個検出スイッチ(遊技球不足検出スイッチともいう)904により球不足が検出されたときには、遊技球10の補給を促すアラームを報知する。このアラーム報知に代えてまたは加えて、表示器54によりエラー報知を行なってもよい。
なお、払出制御部は、制御中枢としてのCPU(Central Processing Unit)、制御用プログラムや制御用データ等を記憶しているROM(Read Only Member)、CPUのワークエリアとして機能するRAM(Random Access Memory)、I/Oポート等を備えている。
一方、封入球の個数が規定数(50個)より少な過ぎた場合には、非遊技状態において停留している遊技球10が補給50個検出スイッチ904の検出位置よりも下流側になり、補給50個検出スイッチ904が球を検出していない非検出状態となる。これにより、封入球の個数が規定数(50個)よりも少な過ぎることが検出可能となる。
以上の循環経路においては、前述の入賞球検出スイッチ、アウト球検出スイッチ701およびファール球検出スイッチ33Aが、それぞれセーフ球、アウト球およびファール球の個数を検出する。これらのスイッチの検出信号と発射球検出スイッチ903の検出信号とが前述の払出制御部に入力され、払出制御部において、セーフ球(入賞球)、アウト球およびファール球の個数の総和と、発射球検出スイッチ903が検出する遊技球10の個数とが、一致するか否かを判定する。具体的には、払出制御部のCPUが、「セーフ球(入賞球)+アウト球+ファール球=発射球検出スイッチ903が検出する遊技球10の個数」を判定する。このように、払出制御部は、セーフ球(入賞球)、アウト球およびファール球の個数の総和と、発射球検出スイッチ903により検出された遊技球10の個数とが同じであるか否かを判定する判定手段を備えている。
図4は、遊技機1内の遊技領域の下側における、遊技球の循環経路を遊技機1の前面から見た態様を説明するものである。図4を参照して、主に封入循環式の遊技球10の循環機構の構造をより詳細に説明する。
遊技領域の下側の循環機構としては前述のほか、主に球回収経路189と、研磨部材913と、球上げスイッチ(下)41bと、球上げスイッチ(上)41aと、排出誘導部915と、整流器916と、スライド部材170と球抜きボックス173とが配置される。球上げスイッチ(下)41bと球上げスイッチ(上)41aとの検出信号は、前述の払出制御部に入力される。なお、球回収経路189は、回収された前述の遊技球10の循環経路であり、たとえば図3における合流後球通過経路707と等価である。
球回収経路189を流下した遊技球10は、遊技球10を上方へ搬送するための搬送装置(図示せず)に進入する。より具体的には搬送装置は、搬送モータにより回転する搬送用スクリューが内蔵されており、この搬送用スクリューが回転することにより遊技球10が上方へ搬送される。搬送装置には、さらに、搬送途中の遊技球10と接触することによりその遊技球10を研磨するための研磨部材913が設けられており、遊技球10は上方へ搬送されつつその表面が研磨される。搬送モータは払出制御部に接続されており、払出制御部からの制御信号によりこの搬送モータが駆動制御される。研磨部材913は、柱状の形状をしており、その長手方向が遊技球10の上下方向に延びるように配置されている。研磨部材913は、たとえばバフ本体部と、バフ本体部の表面を覆う表面メッシュ部とを有している。バフ本体部は、スポンジなどの多孔質部材から形成される柱状の部材である。ただしバフ本体部としてはスポンジに限られず、たとえば遊技球10の表面を研磨することにより遊技球10の表面から取り除いた汚れなどを内部に取り込むことが可能な任意の材質を用いることができる。一例として、紙のような部材からなるバフ本体部が用いられてもよい。
搬送装置の遊技球取入口近傍に球上げスイッチ(下)41bが設けられており、搬送装置に進入する遊技球10が検出される。一方、搬送装置により上方へ搬送されて搬送装置から排出された遊技球10が球上げスイッチ(上)41aにより検出される。その検出された遊技球10を再度球発射位置に供給して遊技領域に打込む場合には、当該遊技球10は整流器916により、当該球発射位置に誘導される。整流器916はソレノイド(整流器ソレノイドともいう)196aを有している。このソレノイド196aは払出制御部に接続されており、払出制御部からの制御信号によって励磁制御される。遊技者が打球操作ハンドル13を操作することにより打球発射モータ18が駆動して打球ハンマーが間欠揺動される。整流器916により発射位置にまで供給されてきた1個の遊技球10がこの打球ハンマーにより弾発されてその遊技球10が内レールと外レール間を通って遊技領域に打込まれる。なお、整流器916で発射位置に遊技球10を供給する部分に樹脂部500を設けることで、発射する遊技球10ごとの潤滑性を高めることができる。
整流器916により発射位置にまで遊技球10が供給されることにより球上げスイッチ(上)41aに位置していた遊技球10がなくなるため球上げスイッチ(上)41aが一旦OFF(非検出状態)になるが、搬送装置によって揚送されてきた遊技球10が供給されて再び球上げスイッチ(上)41aがON(検出状態)になる。よって、打球発射中では、球上げスイッチ(上)41aの検出信号がON、OFFを繰り返すことになり、その検出信号を払出制御部が計数して発射球個数を計数する。また、払出制御部は発射球検出スイッチ903の検出信号に基づいて発射球の回収個数も計数している。そして、払出制御部は、それら発射球個数と発射球の回収個数との差を監視する。その差が所定個数(30個)以上になると、払出制御部が異常判定し、エラー報知等の制御を行なう。具体的には、払出制御部のCPUは、「発射球個数−発射球の回収個数≧30」を判定し、判定結果がYESの場合には異常判定する。また、払出制御部が異常判定したときに、エラー報知に加えてまたはそれに代えて、発射を停止して遊技禁止状態に制御してもよい。また、異常が発生した旨をカードユニット経由で上位サーバへ通知してもよい。そして、その上位サーバでエラー報知等の制御を行なうようにしてもよい。さらに、異常判定を、払出制御部ではなくカードユニットで行なうようにしてもよい。また、異常か否かを判定する所定個数(30個の閾値)を可変設定できるようにしてもよい。
図4においては打球発射モータ18および打球ハンマーは遊技機1の(遊技領域4の)下方に配置され、弾発された遊技球10を前述の内レールと外レールとで上方に誘導して遊技領域の上部側方から遊技領域内に発射している。しかし打球発射モータ18および打球ハンマーを遊技領域の上部の側方に配置し、そこから直接遊技領域内に遊技球10を発射するようにしてもよい。このような上打ちタイプのパチンコ機の場合は球発射位置が遊技領域の上部側方となる。パチンコ機の(遊技領域の)下方から弾発された遊技球10を内レールと外レールとで上方に誘導して遊技領域の上部側方から遊技領域内に発射する一般的な下打ちタイプのパチンコ機の場合には、弾発された遊技球10がステンレス製の発射レールと内レールおよび外レールとを通過するため、長い距離にわたってステンレス製のレールを通過することになり球に汚れが付着しやすいが、上打ちタイプのパチンコ機の場合には、ステンレス製のレールの通過距離が短くなり、その分球に汚れが付着しにくい。
一方、球上げスイッチ(上)41aにより検出された遊技球10を遊技機1の外部へ排出するときには、遊技球10は排出誘導部915の方へ導入され、スライド部材170の方へ流下する。
次に図5〜図7を参照して、遊技球10を外部に排出する装置について説明する。図5を参照して、研磨部材913により表面が研磨された遊技球10は、これを再度遊技領域へ打込む場合には、整流器916(図7(A)(B)参照)により球発射位置に導入される。このとき遊技球10は、ソレノイド196aにより、打球発射モータ18のセンサ信号と同期して発射点へ供給される。
一方、研磨部材913により表面が研磨された遊技球10を遊技機1の外部へ排出しようとする場合には、中継基板(図示省略)に設けられた球抜きスイッチを遊技場の係員が操作することにより、球抜きモータ931が所定量回転し、封入球を経路外に抜き出すことが可能となる。この中継基板は、図4を参照して、ファール球戻り経路902の下方位置に設けられている。遊技球10は排出口としての排出誘導部915から排出され、スライド部材170(経路切換手段に含まれる切換部材)の方へ流れる。スライド部材170には、落とし口171と案内部172とを有している。スライド部材170の下方のボックス取付け部には球抜きボックス173(遊技媒体ボックス)が配置されている。球抜きボックス173は表面が研磨された遊技球10を遊技機1の外部に排出するために回収し、貯留するためのボックスである。図3を参照して、球抜きボックス173の前面側(遊技者側)には、取付け用のフック(図面上見えない)が設けられており、球抜きボックス173の前面側(遊技者側)に位置する部材に形成されたフック係止部(ボックス取付け部)にそのフックを係止して球抜きボックス173を取付ける。
落とし口171は、スライド部材170が所定の位置(第1の位置)に配置されるときに、排出誘導部915から排出されたすべての遊技球10を受け入れて抜取るための抜取り部方向へ案内し、球抜きボックス173内に落とす経路であり、遊技機1の上下方向に延在する筒状の通路である。案内部172は、スライド部材170が所定の位置に配置されるときに、排出誘導部915に到達した遊技球10を受け入れて、サービス遊技媒体取出部としての球抜きボックス173の手前側に案内して遊技球10を遊技機1の外部へ取出すためのスロープ状の通路である。
遊技球10が落とし口171を通って球抜きボックス173の内部に導入されることにより、循環経路に存在するすべての遊技球10が球抜きボックス173へ排出される。このように排出誘導部915から球抜きボックス173へ遊技球10が排出されるモードをここでは球抜きモード(第1状態)という。
これに対して遊技球10が案内部172を通って球抜きボックス173の手前側へ取出される(このようにして取出される遊技球10をサービス球という)ことにより、単一の遊技球10がサービス球として遊技機1の外部へ排出される。このように排出誘導部915からサービス球として取出す取出部方向へ案内することにより遊技球10が排出されるモードをここではサービス球モード(第2状態)という。
スライド部材170は、遊技機1の内部において図の左上から右下方向(図3の左右方向)へスライドすることにより、その位置を切換えることができる切換部材である。具体的には、たとえばスライド部材170の位置は、通常の位置、球抜きモード時の位置(第1の位置)、サービス球モード時の位置(第2の位置)、および球抜きボックス173自体を遊技機1のボックス取付け部から取り外す位置の4段階に切換えることができる。通常の位置、球抜きモード時の位置、サービス球モード時の位置、球抜きボックス173を取り外す位置の順に、図4の左側から右側へ(すなわち遊技機1を前面から見たときの左側から右側へ)スライド部材170の位置が切り替わる。
ここで通常の位置とは、球上げスイッチ(上)41bから打ち上げられた遊技球10が再び球発射位置に供給される場合のスライド部材170の位置を意味する。図5はスライド部材170が球抜きモード時の位置に配置される態様を示しており、図6はスライド部材170がサービス球モード時の位置に配置される態様を示している。図5は前述の第1状態に相当し、排出誘導部915に到達した遊技球10が落とし口171から球抜きボックス173の内部に入り、遊技機1の外部に排出される状態である。図6は前述の第2状態に相当し、排出誘導部915に到達した遊技球10が案内部172から1個ずつサービス球として遊技機1の外部に排出される状態である。また、スライド部材170が球抜きボックス173を取り外す位置(図示せず)で、球抜きボックス173を上方に移動させることが可能となり、前述した取付け用のフックをフック係止部から上方に抜くことにより係止を解除して球抜きボックス173を取り外すことが可能になる。なお、スライド部材170の位置の切換えは、4段階に限定されるものではなく、3段階等であってもよい。たとえば、通常はスライド部材170がサービス球を取出す位置にあり、その状態から球抜きモード時の位置、球抜きボックス173自体を遊技機1のボックス取付け部から取り外す位置の3段階に切換える。
図6を参照して、案内部172の下流側にはサービス球を受け入れる受入皿174が配置されていることが好ましい。たとえば、図5のように案内部172の下流側に受入皿174が備えられない場合、サービス球モードの際に案内部172からのサービス球を手で受けとる必要が生じる。しかし受入皿174を設けることにより、サービス球を受け止めることが可能となる。なお球の循環経路から排出されたサービス球を4つ程度保持できるように、たとえば案内部172を図4の左右方向に関して緩やかにカーブさせることにより、サービス球を案内部172にて堰き止めるような構造としてもよい。また、排出誘導部915に到達した遊技球10が案内部172に落ちる位置に樹脂部500が設けてある。そのため、サービス球を取出す際に、樹脂部500に設けた面に衝突してサービス球(遊技球10)の移動ベクトルが変更される。よって、樹脂部500を僅かに削り採って遊技球10の表面に付着させ、遊技球10の潤滑性を高めることができる。
図7(A)、(B)を参照して、排出誘導部915には、球上げスイッチ(上)41bからの遊技球10を排出レバー932の方向へ誘導する誘導通路940と球抜きモータ931と排出レバー932とを有している。排出誘導部915の右方には整流器916を有している。球上げスイッチ(上)41bから排出された遊技球10は誘導通路940に達する。図7(A)に示す通常状態においては排出レバー932の端面により堰き止められるため、遊技球10の排出は起こらない。しかし、図7(B)に示す排出状態時には排出レバー932が動作し、遊技球10を手前に排出されるように押し出す。すると遊技球10は案内部172に導かれ、サービス球として排出される。この排出レバー932は、球抜きモータ931が規定パルスだけ遊技球10を排出させる側に回転させることにより動作する。たとえば、中継基板に設けられた球抜きスイッチを1回押すと前述の動作を1回行ない、遊技球10が1個、案内部172からサービス球として排出される。たとえば球抜きスイッチを長押しすると、前述の動作を連続して行ない案内部172から複数のサービス球を排出することができるため、遊技球10をすべて遊技機1の外部へ抜き出すことができる。なお、以上の動作は球上げスイッチ(上)41bを用いて、搬送装置190の搬送動作と連動して行なうことが好ましい。
次に、遊技機に遊技球を供給し、遊技後に遊技機から遊技球を回収する遊技島(遊技機設置島ともいう)の構成について説明する。まず図8は、遊技機が複数列設される遊技島を示す正面図である。なお、以下において、図8の手前側を遊技島の前面側、奥側を後面側、左右側を左右面側として説明する。
遊技島の長手方向の略中央位置上部、つまり各遊技機2Aの上方位置には、遊技機2Aの遊技に使用される遊技媒体である遊技球が貯留される遊技媒体貯留部としての上部タンク3Aが設けられており、この上部タンク3A内に貯留された遊技球は、上部タンク3Aの下面から、遊技島の長手方向両端部(左右側)に向けてそれぞれ下方に傾斜するように配設された左右一対の補給樋4A,4Aに流入するようになっている。
補給樋4A,4A内に流入した遊技球は、流下方向に向けて所定間隔おきに複数設けられた支流樋5Aを介して、各遊技機2Aの背面に設けられた球タンク6Aにそれぞれ補給され、遊技機2Aの遊技に使用される(図8参照)。
また、左右のうち一方(本実施例では図8中右側)の補給樋4Aの下流側端部には、補給樋4A内の遊技球を排出するための球抜き部30Aが設けられているとともに、該球抜き部30Aのさらに下流側には、球抜き部30Aから排出された遊技球を下方の下部タンク9A内に誘導する2本の球抜き管7Aが垂下されている。なお、補給樋4A,4Aおよび球抜き部30Aの詳細な説明は後述することとする。
各遊技機2Aは、遊技島の前後面それぞれに長手方向に向けて設置された繕板の上面に載置されており、該繕板における各遊技機2Aの背面側には、遊技機2Aより排出されたアウト球を受けて下部タンク9A内に排出する複数のアウト球タンク8Aが、各遊技機2Aに対応して設けられている。
各遊技機2Aの下方には、上部タンク3Aからオーバーフローした遊技球および他の遊技島から移送された遊技球が貯留される下部タンク9A,9Aが、遊技島の長手方向の略中央位置に配置された揚送研磨装置11Aの左右側にそれぞれ設けられている。左右の下部タンク9A,9Aは、長手幅寸法は異なるが、内部構造は同一であるため、以下においては図8中右側の下部タンク9Aについて説明し、図8中左側の下部タンク9Aの説明は省略する。図9に示されるように、下部タンク9Aは、上面が開口する横長箱状に形成されている。下部タンク9Aの内部は、前後幅方向に延びる仕切板22Aにより長手方向に区画されており、該仕切板22Aよりも遊技島の中央側の領域は、上部タンク3Aからオーバーフローした遊技球および他の遊技島から移送された遊技球が貯留される貯留室20Aとされ、仕切板22Aよりも遊技島の端部側の領域は、各遊技機2Aから排出されたアウト球および球抜き管7Aから排出される遊技球が集合する集合室21Aとされている。
貯留室20Aの底板20Aaの上面は、遊技島の長手方向中央に向けて下方に傾斜する傾斜面とされており、貯留室20A内に貯留された遊技球を、側壁に形成された下部タンク排出口24Aに向けて自然流下にて誘導するようになっている。また、下部タンク排出口24Aの上方には、該下部タンク排出口24Aを開閉可能な下部タンクシャッタ26Aおよび該下部タンクシャッタ26Aを駆動するための下部タンクモータからなる下部タンクシャッタ装置28Aが設けられている。下部タンクシャッタ26Aは、通常時において下部タンク排出口24Aを閉鎖しており、開放要求があった場合に下部タンク排出口24Aから上方に退避して開放するようになっている。なお、貯留室20A内における下部タンク排出口24Aの上方位置には、球圧を低減するための球圧低減板25Aが設けられている。
貯留室20Aの底板20Aaの上面には、樹脂部500が設けてある。貯留室20Aの底板20Aaの上面は、貯留室20A内に遊技球を貯留させた場合、遊技球が複数積層されうる面となり、当該上面に樹脂部500を設けることで、自重以上の力で遊技球を樹脂部500に押し付けることが可能となる。また、後述するように、底板20Aaの上面は、流下板18Aに設けた落下穴18Aaから落ちた遊技球の移動ベクトルを変更する面となる。よって、当該面に樹脂部500を設けることで、樹脂部500を僅かに削り採って遊技球の表面に付着させ、遊技球の潤滑性を高めることができる。なお、遊技球の潤滑性を高めすぎないように、貯留室20Aの底板20Aaの上面のうち、上部タンク3Aなどからオーバーフローした遊技球が通過する経路については樹脂部500を設けずに、遊技機2Aから回収された遊技球が通過する経路については樹脂部500を設けてもよい。
貯留室20Aの上部には、後述するオーバーフロー管12A、オーバーフローホース12Ab、振分樋12Acを介して誘導される遊技球が流下する流下板18Aが、遊技島の長手方向の中央側の側壁から仕切板22Aに向けて下方に傾斜するように延設されている。また、流下板18Aの前後側方には、各遊技機2Aから排出されるアウト球を回収して集合室21Aに誘導する回収樋17A,17Aが、流下板18Aよりもやや上方位置において、遊技島の長手方向の中央側の側壁から仕切板22Aに向けて下方に傾斜するように延設されている。
流下板18Aには、流下する遊技球を落下させる落下穴18Aaが流下方向に向けて所定間隔おきに複数形成されているとともに、流下板18Aと回収樋17A,17Aとの間には、遊技球が落下可能な隙間が形成されているため、落下穴18Aaまたは流下方向の両側端部から貯留室20A内に落下して、長手方向に向けて略均等に貯留されるようになっている。一方、回収樋17A,17Aを流下する遊技球は、流下途中で落下することなくすべて集合室21Aに誘導されるようになっている。
集合室21Aに誘導された遊技球は、貯留室20Aの底板20Aaの下面に長手方向に向けて傾斜状に配設された集合球流下通路23Aに流出され、該集合球流下通路23Aを遊技島の中央側に向けて流下した後、揚送研磨装置11Aと下部タンク9Aとを接続する接続樋10Aを介して揚送研磨装置11Aに誘導される。また、下部タンク排出口24Aから排出された遊技球は、この接続樋10Aに排出され、集合球流下通路23Aを流下してきた遊技球と合流して揚送研磨装置11Aに誘導される。
集合球流下通路23Aの底面にも、樹脂部500が設けてある。集合球流下通路23Aの底面は、集合球流下通路23A内を遊技球が通過する場合、遊技球が複数積層されうる面となり、当該底面に樹脂部500を設けることで、自重以上の力で遊技球を樹脂部500に押し付けることが可能となる。また、集合球流下通路23Aの底面の一部は、集合室21Aに誘導された遊技球の移動ベクトルを変更する面となる。よって、当該面に樹脂部500を設けることで、樹脂部500を僅かに削り採って遊技球の表面に付着させ、遊技球の潤滑性を高めることができる。なお、遊技球の潤滑性を高めすぎないように、集合球流下通路23Aの底面のうち、上部タンク3Aなどからオーバーフローした遊技球が通過する経路については樹脂部500を設けずに、遊技機2Aから回収された遊技球が通過する経路については樹脂部500を設けてもよい。
揚送研磨装置11Aは、特に詳細な図示はしないが、上下方向を向く箱状の本体内の上下に設けられたプーリに掛け渡されたベルトを、揚送モータ(図示せず)によりプーリを回転させることにより回転させることにより、接続樋10Aにより誘導されて該揚送研磨装置11Aの下部に設けた流入口から流入した遊技球を、ベルトにより揚送溝に押し付けることで揚送するとともに、該揚送溝と遊技球との間に研磨布が敷設されていることで、遊技球を研磨しながら揚送する従来公知の装置である。また、揚送された遊技球は、箱体の上部に形成された揚送球排出口(図示せず)から排出されるようになっている。
上部タンク3Aは、図10に示されるように、遊技島の上部に固設され、前後幅寸法よりも左右幅寸法が長寸の横長箱状に形成され、該上部タンク3Aの上部に配置される揚送球排出口から排出された遊技球が貯留されるようになっている。その容量は、下部タンク9A,9Aよりも大であり、遊技島に設置された各遊技機2Aへ補給する遊技球の大半(本実施例では約11万発)を貯留可能な大きさを有しており、下部タンク9A,9Aの貯留室20A内双方が満杯になったときの合計貯留量よりも多量の遊技球を貯留可能である。
具体的に説明すると、上部タンク3Aは、前面板50Aa、後面板50Ab、左右一対の側面板50Ac,50Ac、底面板50Ad、上板(図示せず)により箱状に形成されており、前面板50Aaには、揚送研磨装置11Aの上部を収容して配置するための凹溝51Aが、上端から下端にかけて凹設されている。左右の側面板50Ac,50Acそれぞれの上部には、遊技媒体移送樋としての移送樋を接続するための接続部材40Aaが接続される流出口52Aが形成されているとともに、それぞれの下部には、遊技媒体受給樋としての受給樋を接続するための接続部材41Aaが接続される流入口53Aが形成されている。
底面板50Adは、平面視略凹状に形成され、その略中央位置、つまり凹溝51Aの後面側には、貯留球流出口54Aが形成されているとともに、底面板50Adの上面は、中央の貯留球流出口54Aに向けて下方に傾斜して設けられている。貯留球流出口54Aの下面側には、前述した補給樋4A,4Aの上流側端部が接続される補給樋接続管65A上端が接続されており、底面板50Ad上に貯留された遊技球、つまり上部タンク3Aの貯留領域内に貯留されるすべての遊技球は、貯留球流出口54Aから補給樋接続管65Aを介して補給樋4A,4Aに流出するようになっている。なお、補給樋接続管65Aは、その前面が凹溝51Aの後面とほぼ面一になるように配設されている。
前面板50Aaにおける凹溝51Aの上端部には、揚送研磨装置11Aの揚送球排出口11Aaが対向配置される受入口が形成され、揚送球排出口11Aaから排出された遊技球を受入口から上部タンク3A内に受け入れるようになっている。
上部タンク3A内上部における受入口の下方位置には、揚送球排出口11Aaから排出して落下する遊技球を下方から受けて、左右の流出口52A,52Aに向けて誘導する第1誘導板56Aが配設されている。第1誘導板56Aは、凹溝51Aと後面板50Abとの間に配置され、左右方向の中央を中心に山折りに屈曲された金属板からなり、中央から左右側に向けて下方に傾斜する傾斜面を有しているため、揚送球排出口11aから排出されて第1誘導板56Aの頂部に落下した遊技球は、左右側に略均等に振り分けされる。また、第1誘導板56Aにおける後辺部中央位置には後切欠部56Aaが形成されるとともに、前辺部中央位置には前切欠部56Abが形成されており、第1誘導板56A上の遊技球の一部がこれら後切欠部56Aa,前切欠部56Abから落下するようになっている。
第1誘導板56Aの下方左右側には、第1誘導板56Aの左右辺部下方から側面板50Acに向けて下方に傾斜する左右一対の第2誘導板57A,57Aがそれぞれ配設されているとともに、さらに第2誘導板57A,57Aの下方には、左右方向の中央位置から側面板50Acに向けて下方に傾斜する左右一対の第3誘導板58A,58Aが、第2誘導板57A,57Aの下方を覆うように配設されている。また、第2誘導板57A,57Aには複数の落下穴57Aaが形成されている。なお、遊技球の潤滑性を高めすぎないように、回収してきた遊技球がよく当たる第2誘導板57A,57Aの上面には樹脂部500を設けていない。
第3誘導板58A,58Aの左右端辺部それぞれの前後には、前後一対の切欠部58Aa,58Aaが形成され、側面板50Acの内面との間に空隙が形成されている。また、これら前後一対の切欠部58Aa,58Aaの間の中央片58Abの先端は、図10(b)に示されるように、流出口52A内の上下方向の略中央位置にて、該流出口52Aから外側に若干突出するように配置されている。よって、第3誘導板58A,58A上を流下してきた遊技球を流出口52A内に直接誘導できるとともに、上部タンク3A内に貯留された遊技球の貯留位置が上昇して流出口52Aの下端縁を超えた場合に、第3誘導板58A,58Aにより流出が阻害されることなく、流出口52Aにおける中央片58Abの下方から流出されるようになっている。
さらに、第1誘導板56Aの下方には、後切欠部56Aaから落下した遊技球を受けて、左右の第3誘導板58A,58Aに誘導する第4誘導板59Aが配設されている。第4誘導板59Aは、第1誘導板56Aの前後幅よりも小寸の前後幅を有する帯板状をなし、左右方向の中央を中心に山折りに屈曲された金属板からなり、中央から左右側に向けて下方に傾斜する傾斜面を有していることで、後切欠部56Aaから落下した遊技球を左右側に略均等に振り分けできるようになっている。
第1誘導板56Aと貯留球流出口54Aとの間には、オーバーフロー管12Aが上下方向に配設されている。オーバーフロー管12Aの上端は開口され、オーバーフローした遊技球が流出可能なオーバーフロー口12Aaとされている。オーバーフロー口12Aaは、第1誘導板56Aの前切欠部56Abよりも小さな開口を有し(図10(a)参照)、該前切欠部56Abの直下に近接して配置されている。
底面板50Adの下方に延出されたオーバーフロー管12Aの下端には、オーバーフローホース12Abが接続されており、該オーバーフローホース12Abは揚送研磨装置11Aに沿うように垂下されている(図8参照)。なお、このオーバーフローホース12Abの下端は、図9(b)に示されるように、山折りに屈曲形成された振分樋12Acの頂部上方位置に配置され、オーバーフローホース12Abの下端開口から流出した遊技球は左右の下部タンク9A,9Aに振り分けられるようになっている。
また、オーバーフロー管12Aの屈曲部の左右側面には、一端が流入口53A,53Aに接続される流入球誘導管60A,60Aの他端が接続される合流口が、流入口53A,53Aよりも若干下方位置に形成されている。これにより、流入口53A,53Aから流入してきた遊技球は、左右方向を向く流入球誘導管60A,60A内を自然流下し、上部タンク3A内に貯留されることなく、オーバーフロー管12Aの屈曲部の左右側面に形成された合流口からオーバーフロー管12A内に合流するようになっている。
このように、オーバーフロー口12Aaからオーバーフローした遊技球および流入口53A,53Aから流入してきた遊技球は、オーバーフロー管12Aにより上部タンク3Aの後側に誘導された後に下方に向けて落下し、オーバーフローホース12Ab、振分樋12Acにより下部タンク9A,9Aの流下板18Aに誘導された後、貯留室20Aに貯留されるようになっている。
なお、オーバーフロー管12Aの上部が貯留球流出口54Aの直上に配置されることで、貯留球流出口54Aに貯留球の球圧がかかることが防止されるため、貯留されている遊技球は、オーバーフロー管12Aの屈曲部下面と貯留球流出口54Aとの間に形成された空隙から貯留球流出口54A内にスムーズに流入される。
また、オーバーフロー口12Aaは、流出口52A,52Aの上端縁よりも上方の高さ位置に配置されているため、上部タンク3Aに貯留された遊技球の貯留位置が、流出口52A,52Aから遊技球が自然流出されない貯留位置においてオーバーフローすることがない。すなわち、上部タンク3A内に、流出口52A,52Aから遊技球が自然流出可能な貯留位置まで遊技球を貯留できるようになっている。
以上説明したように、揚送球排出口11aから排出された遊技球は、前切欠部56Abを超えてその後面側の第1誘導板56Aの左右方向の中央位置に落下し、その一部は左右側に振り分けられ、傾斜面上を流下するとともに、一部は後切欠部56Aaから第4誘導板59A,59A上に落下して左右の第3誘導板58A,58Aに誘導され、基本的に前切欠部56Abから直接落下してオーバーフロー管12A内に流入したり上部タンク3A内に貯留されたりすることはほぼない。
第1誘導板56Aにより左右に誘導された遊技球は、第2誘導板57A,57A上に落下して左右側に流下される。第2誘導板57A,57A上に落下した遊技球の一部は落下穴57Aaから直接落下して貯留されるが、大半の遊技球は、第2誘導板57A,57Aの左右端辺部または落下穴57Aaから第3誘導板58A,58A上に落下され、第3誘導板58A,58A上を流下して流出口52A,52Aに誘導された後、中央片58Abにより流出口52A,52Aから流出する。つまり、これら第1〜4誘導板56A,57A,58A,59Aは、揚送球排出口11Aaから排出された遊技球の大半を、上部タンク3A内への貯留より優先して流出口52A,52Aに誘導する本発明の誘導手段を構成している。
そして、移送樋内に遊技球が少なく、流出口52A,52Aが塞がっていない場合には、第3誘導板58A,58Aにより流出口52A,52Aに誘導された遊技球は、流出口52A,52Aから流出される。一方、移送樋内に遊技球が充満していて流出口52A,52Aが塞がっている場合には、第3誘導板58A,58Aの中央片58Abに誘導された遊技球は前後に振り分けられ、前後一対の切欠部58Aa,58Aa(図10(a)参照)から落下して上部タンク3A内に貯留されるようになっている。
また、上部タンク3A内に貯留された遊技球の貯留位置が上昇して、流出口52Aの下端縁に達した場合、流出口52Aにおける第3誘導板58Aの中央片58Abの下方位置から流出されていく。なお、切欠部58Aa,58Aaが、流出口52Aが形成された側面板50Acの内面に近接して配置されていることで、オーバーフロー口12Aaが配置される貯留領域の中央部よりも端部の方に優先的に遊技球が貯留され、貯留位置が流出口52Aに到達しやすくなる。
また、上部タンク3A内に貯留された遊技球の貯留位置が上昇して、第1誘導板56Aの上方位置まで達した場合、後切欠部56Aaも塞がっている状態であるため、揚送球排出口11Aaから排出される遊技球は、第1誘導板56A上を流下することなく、前切欠部56Abから落下してオーバーフロー口12Aa内に流出される(オーバーフロー)。
後面板50Abの内面には、上部タンク3A内に貯留された遊技球の貯留位置が、流出口52A,52Aから遊技球が流出可能な第1の位置である基準位置に達していることを検出する第1の位置検出手段としての基準センサ70Aと、上部タンク3A内に貯留された遊技球の貯留位置が、基準位置および流出口52A,52Aの開口下縁よりも下方の第2の位置である下限位置に達していることを検出する第2の位置検出手段としての下限センサ71Aと、が上下に設けられている。
具体的には、図10(b)に示されるように、基準センサ70Aは、オーバーフロー口12Aaよりも若干上方の高さ位置に配置され、下限センサ71Aは、流出口52A,52Aから遊技球が流出可能な基準位置、つまり流出口52A,52Aの開口下縁よりも下方であり、底面板50Adと基準位置との中間位置よりも若干下方位置に配置されている。
つまり基準センサ70Aは、上部タンク3A内に貯留された遊技球の貯留位置が、オーバーフロー口12Aaに達している、すなわち、上部タンク3Aの上限貯留位置に達していることを検出するためのセンサであり、下限センサ71Aは、上部タンク3A内に貯留された遊技球の貯留位置が半分以下になったこと、詳しくは、流出口52A,52Aから遊技球が流出不可能であり、かつ、これを下回ると遊技機2Aへの補給が途絶える危険性がある下限貯留位置であることを検出するためのセンサである。
なお、本実施例では、基準センサ70Aは、オーバーフロー口12Aaの配置位置よりも若干上方位置に配置されていたが、流出口52A,52Aの開口下縁よりも上方の流出位置以上の高さ位置であれば、オーバーフロー口12Aaの配置位置よりも下方に配置してもよいし、オーバーフロー口12Aaの配置位置よりも上方に配置してもよい。また、下限センサ71Aの配置位置は、遊技島に設置される遊技機2Aの数量、機種、上部タンク3Aの容量に応じた高さ位置であればよく、本実施例に記載の高さの位置に限定されるものではない。
上部タンク3Aは、大量の遊技球を貯留可能な構造であるため、遊技球が複数積層されうる面が多く存在する。たとえば、底面板50Adの内面や流入球誘導管60A,60Aの上面などは遊技球が複数積層されうる面となり、当該面に樹脂部500を設けることができる。そして、上部タンク3Aに遊技球を貯留すると、当該面に設けた樹脂部500に、自重以上の力で遊技球を押し付けることが可能となる。さらに、底面板50Ad上に貯留された遊技球が、貯留球流出口54Aから補給樋接続管65Aを介して補給樋4A,4Aに流出する位置、つまり補給樋4A,4Aに流出する遊技球の移動ベクトルを変更する位置に樹脂部500を設けてある。よって、樹脂部500を僅かに削り採って遊技球の表面に付着させ、遊技球の潤滑性を高めることができる。
次に、上部タンク3A内に貯留された遊技球を各遊技機2Aに供給する補給樋4A,4Aについて説明する。図11は、(a)が補給樋4A,4Aの平面図であり、(b)が補給樋4A,4Aの縦断面図である。図11(b)に示されるように、補給樋4A,4Aは、縦断面略上向きコ字形をなし、その前後の側板4Aa,4Aaには、流下する遊技球を各遊技機2Aに補給するための補給部である補給口4Abが、流下方向に向けて所定間隔おきに複数形成されている。これら補給口4Abの外面には、下方に向けて垂下される支流樋5Aの上部が取付けられており、各補給口4Ab内に流入した遊技球は、支流樋5Aを流下して各遊技機2Aの背面に設けられた球タンク6Aに補給される。
なお、補給樋4Aの底板4Acは、図11(b)に示されるように、幅方向の中央から両端に向けて下方に僅かに傾斜する山折りに屈曲形成され、これにより底板4Ac上を流下する遊技球が前後の側板4Aa,4Aaに形成された補給口4Abに誘導されるようになっている。つまり、底板4Acの傾斜面は、補給樋4A,4A上を流下する遊技球を複数の補給口4Abそれぞれに向けて誘導する本発明の補給部誘導手段を構成している。
球抜き部30Aは、図11(a)示されるように、図8中右側の補給樋4Aの下流側端部、詳しくは、補給樋4Aに複数設けられた補給口4Abのうち、最下流側に設けられた補給口4Abよりも下流側に設けられており、補給樋4A内の遊技球を必要に応じて排出することができるようになっている。具体的には、球抜き部30Aには、該球抜き部30Aの流路を開閉可能な球抜きシャッタ32Aおよび該球抜きシャッタ32Aを駆動するための球抜きモータを有する球抜きシャッタ装置(図示せず)が設けられている。
球抜きシャッタ32Aが流路から退避して流路が開放されると、補給樋4A内の遊技球が流下して、その下流側に設けられた球抜き管7Aの上端開口に流入し、該球抜き管7A内を流下して前述した集合室21A内に誘導される。なお、球抜き管7Aの上端開口の直径は、補給樋4Aの前後幅寸法よりも小径であり、球抜き部30Aの流路が開放された際に補給樋4A内の遊技球が一斉に流下して排出されることはないので、該排出により遊技機2Aへの遊技球の補給に支障をきたすことはない。
また、このように補給樋4A,4Aの最下流位置に設けられた補給口4Abよりも下流側に球抜き部30Aを設ける場合において、補給樋4A,4A上を流下する球がより補給口4Abに優先的に補給されるようにするために、図11に示されるように、流下方向の側方に設けられた各補給口4Abの上流側の底板4Ac上面に、該補給口4Abに向けて遊技球を誘導する誘導片80Aを立設してもよい。これにより、球抜き部30Aから遊技球を排出しているときでも、流下する遊技球は補給口4Abに優先的に補給されるようになるとともに、球抜きシャッタ32Aにかかる球圧が軽減される。
補給樋4A,4Aに遊技球が流下する場合、補給樋4A,4Aの底板4Acは、遊技球10が複数積層されうる面となり、当該底面に樹脂部500を設けることで、自重以上の力で遊技球10を樹脂部500に押し付けることが可能となる。また、補給樋4A,4Aを流下する遊技球は、誘導片80Aにより移動ベクトルが変更される。そのため、補給樋4A,4Aを流下する遊技球10が衝突する誘導片80Aの面に樹脂部500を設ける。よって、樹脂部500を僅かに削り採って遊技球10の表面に付着させ、遊技球10の潤滑性を高めることができる。
このように、遊技島内に配設される補給樋4A、支流樋5A、球抜き管7A、オーバーフロー管12A、オーバーフローホース12Ab、振分樋12Ac、回収樋17A、流下板18A、集合球流下通路23Aおよび接続樋10Aや、上部タンク3A、下部タンク9Aおよび遊技機2Aや揚送研磨装置11A等は、遊技島内において遊技球を循環させるための循環経路を構成している。
なお、遊技店内に設置される複数の遊技島のうちいずれかの一島と、一島の前後に隣接配置されている他の遊技島である他島(ここでは一島を左右側面から見た場合において該一島の左右に隣接配置される遊技島をそれぞれ左島、右島と呼ぶ)との上部タンク3A,3A間に架設され、該一島から他島に遊技球を移送するための遊技媒体移送樋としての移送樋並びに一島が他島から遊技球を受給するための遊技媒体受給樋としての受給樋が設けてある。
次に、各補給口4Ab内に流入して支流樋5Aを流下して各遊技機2Aの背面に設けられた球タンク6Aに補給された遊技球が、遊技機の上皿等へ至る経路について説明する。図12は、遊技機の機構板を遊技機表側の斜め方向から見た斜視図である。図12に示す遊技機の機構板では、球タンク6Aに補給された遊技球が、矢印で示す経路を通って遊技機の上皿等へ流下する。そして、当該経路を流下する遊技球10の移動ベクトルを変更する位置に樹脂部500を設けてある。具体的に、球タンク6Aから流下した遊技球が経路に沿って左方向に流れ、機構板の左側面に沿って落下して右に方向を変える位置に樹脂部500を設けてある。落下した遊技球10が樹脂部500に衝突することで、樹脂部500を僅かに削り採って遊技球10の表面に付着させ、遊技球10の潤滑性を高めることができる。
しかし、削り採られた樹脂が、遊技球10の表面に多く付着しすぎる不具合を防止するため、樹脂部500の右側に削り採られた樹脂を除去する除去部501を設けてある。除去部501は、凸部と凹部とを交互に設けた形状(例えばスノコ形状)の構造で付着しすぎた樹脂を遊技球10から振い落したり、ゴムなどで付着しすぎた樹脂を遊技球10から吸着して落としたりする構成である。この除去部501は、必要以上に樹脂などが遊技球10の表面に付着しないようにするための構成であり、遊技機および遊技島の他の位置にも設けてもよい。たとえば、除去部501は、樹脂部500を設けた近傍の位置や、遊技球10が複数積層されうる位置、あるいは遊技球10の移動ベクトルを変更する位置などに設けてもよい。
さらに、図12に示す遊技機の機構板では、中央部の上皿等へ至る手前の部分にも樹脂部500を設けてある。当該樹脂部500を設けた面で、経路を流下してきた遊技球が上皿方向に方向を変更するため、樹脂部500を僅かに削り採って遊技球10の表面に付着させ、遊技球10の潤滑性を高めることができる。なお、球タンク6Aの底面にも樹脂部500が設けてある。球タンク6Aの底面は、遊技球10が複数積層されうる面であり、当該底面に樹脂部500を設けることで、自重以上の力で遊技球10を樹脂部500に押し付けることが可能となる。そのため、樹脂部500を僅かに削り採って遊技球10の表面に付着させ、遊技球10の潤滑性を高めることができる。
なお、機構板のベース体として、ステンレス繊維を6重量%含有するABS樹脂の板が用いられている。したがって、機構板のベース体は導電性を有する。機構板の側部には、球タンク6Aの位置付近から上皿への連絡口の位置付近まで高さ方向に延びるステンレススチール製の金具209が設置されている。機構板のベース体は導電性を有しているので、金具209が機構板のベース体に設置されることによって、機構板のベース体と金具209とは電気的に導通していることになる。
一般に、カードユニットは接地線を介して接地されているので、遊技機側の接地必要箇所をカードユニットのFG(フレームグラウンド)端子に接続すれば、容易に遊技機側の接地必要箇所を接地することができる。本実施形態では、金具209と電気的に接続されるコネクタが払出制御基板に設けられている。当該コネクタから延びる配線214は金具209に接続される。そして、払出制御基板において、金具209と電気的に接続されている線はコネクタに接続される。コネクタおよびケーブルを介して、金具209と電気的に接続されている線は、カードユニットのFG端子に接続される。したがって、導電性の球タンク6Aおよび機構板の金具209は、カードユニットを介して接地される。
本実施形態では、球タンク6Aは、カーボンを8重量%含有したABS樹脂で形成されている。したがって、球タンク6Aは導電性を有する。また、球タンク6Aの遊技機正面側の一部には金属製のアース板(金属板)218がはめ込まれている。アース板218は、球タンク6Aに貯留されている遊技球と接触可能である。したがって、遊技球の電位は、球タンク6Aに貯留されているときにアース板218の電位と同じになる。さらに、球タンク6Aにおけるアース板218以外の部分はカーボンを含有した合成樹脂で導電性を有するので、遊技球の電位は、球タンク6A全体の電位と同じになる。さらに、遊技店において、遊技球は遊技島に設けられている補給路を通ってから遊技機の球タンク6Aに補給されるので、球タンク6Aに補給される前にすでに遊技球が帯電していることが多い。しかし、球タンク6Aが、カーボンを含有する導電性合成樹脂で形成され、かつ、接地されているので、遊技球の電荷は球タンク6Aを介してアース側に逃げ遊技機の帯電が解消される。遊技球の帯電を解消することで、削り採られた樹脂をムラなく付着することができ、均一に遊技球の潤滑性を高めることができる。
図12に示すように、配線211は、接続部213によって機構板の金具209に接続される。金具209は、カードユニットを介して接地されるので、球タンク103の電位も接地レベルになる。
(変形例)
(1) 本実施形態に係る遊技機および遊技島において、樹脂部500を設けた面は例示であり、遊技球10が流通する経路であれば遊技機および遊技島のいずれの部分に設けてもよい。
(2) 本実施形態では、樹脂部500としてポリテトラフルオロエチレンやポリ四フッ化エチレンなどのフッ素系樹脂を用いる例を示した。しかし、これに限られず、たとえば、ポリアセタール(POM)などのアセタール結合を主鎖としポリオキシメチレン構造を単位構造に持つ重合体や、ナイロン、ポリカーボネート、シリコン系樹脂など自己潤滑性を有する樹脂であればいずれの樹脂であってもよい。また、本実施形態では、遊技球10の潤滑性を高める構成として樹脂部500を設ける例を示した。しかし、これに限られず、たとえば、樹脂以外の六方晶系窒化ホウ素、グラファイトや二硫化モリブデンなどで遊技球10の潤滑性を高める潤滑付与部を構成してもよい。潤滑付与部は、遊技球10が衝突したり、強く押し付けられたりすることで、僅かに削り採られた粉体が遊技球10の表面に付着して、遊技球10の潤滑性を高めることができる。潤滑付与部の粉体の大きさは、たとえば50%が0.3μm以下のファインパウダーである。
(3) 本実施形態では、ネジ止めや爪係止などの係止手段500aで樹脂部500を面に固定している例を示した。しかし、これに限られず、たとえば、粘着剤や粘着テープなどの係止手段で樹脂部500を面に固定してもよい。
(4) 本実施形態では、除去部501として凸部と凹部とを交互に設けた形状(例えばスノコ形状)の構造で付着しすぎた樹脂を遊技球10から振い落したり、ゴムなどで付着しすぎた樹脂を遊技球10から吸着して落としたりする構成の例を示した。しかし、これに限られず、たとえば、ブラシなどで付着しすぎた樹脂を遊技球10から払い落したり、不織布などで付着しすぎた樹脂を遊技球10からふき取ったりする構成であってもよい。
(5) 本実施形態では、遊技機の機構板および球タンク6Aの少なくとも一部を導電性部材で構成し、当該導電性部材が接地されている構成の例を示した。しかし、これに限られず、たとえば、遊技島の上部タンク3Aや補給樋4Aなどの一部を導電性部材で構成し、当該導電性部材が接地されている構成でもよい。
(6) 本実施形態では、上部タンク3A、球タンク6A、補給樋4Aなどの面に樹脂部500を設ける例を示した。しかし、これに限られず、たとえば、上部タンク3A、球タンク6A、補給樋4Aなど自体をフッ素系樹脂等の自己潤滑性を有する樹脂で形成してもよい。
(実施形態に含まれる各種の構成)
(1)列設された複数の遊技機(遊技機2A)に、遊技媒体(遊技球10)を供給することが可能な遊技島であって、
前記遊技媒体を貯留可能な遊技媒体貯留部(上部タンク3A、下部タンク9Aなど)と、
前記遊技媒体貯留部と各々の前記遊技機との間で循環することが可能な遊技媒体経路(補給樋4A、揚送研磨装置11A、回収樋17Aなど)とを備え、
前記遊技媒体貯留部および前記遊技媒体経路は、前記遊技媒体が複数積層されうる面(たとえば、上部タンク3Aの底面板50Adの内面や、貯留室20Aの底板20Aaの上面など)、および前記遊技媒体の移動ベクトルを変更する面(たとえば、集合球流下通路23Aの底面、遊技球10が衝突する誘導片80Aの面)のうち少なくとも一部に、前記遊技媒体の潤滑性を高める樹脂部(樹脂部500)を設ける。
このような構成によれば、遊技島において遊技媒体を強く押し付けることができる面に樹脂部を設けてあるので、樹脂部を僅かに削り採って遊技媒体の表面に付着させ、遊技媒体の潤滑性を高めることができる。従来に比べて、削り採りを促進する位置に樹脂部を設けて遊技媒体の潤滑性を高める。
(2)遊技者が遊技媒体(遊技球10)を用いて遊技を行なう遊技機(遊技機1)であって、
遊技領域(遊技領域4)に前記遊技媒体を発射する発射装置(発射装置30)と、
前記発射装置に前記遊技媒体を補給する補給経路(たとえば、誘導傾斜樋10a、揚送装置29など)と、
前記遊技領域に発射された前記遊技媒体を回収する回収経路(たとえば、アウト球流下経路702、セーフ球流下経路706など)とを備え、
前記発射装置から発射された前記遊技媒体の移動ベクトルを変更する面(たとえば、レール4aなど)、前記補給経路および前記回収経路において前記遊技媒体が複数積層されうる面(たとえば、回収球通過経路901など)、および前記補給経路および前記回収経路において前記遊技媒体の移動ベクトルを変更する面(たとえば、入賞球集合カバー部材144で集められたセーフ球が落ちるセーフ球流下経路706の位置など)のうち少なくとも一部に、前記遊技媒体の潤滑性を高める樹脂部を設ける。
このような構成によれば、遊技機において遊技媒体を強く押し付けることができる面に樹脂部を設けてあるので、樹脂部を僅かに削り採って遊技媒体の表面に付着させ、遊技媒体の潤滑性を高めることができる。従来に比べて、削り採りを促進する位置に樹脂部を設けて遊技媒体の潤滑性を高める。
(3)上記(1)の遊技島において、
前記遊技媒体貯留部は、列設された複数の前記遊技機の上部または下部に設けられたタンク(上部タンク3A、下部タンク9A)である。
このような構成によれば、上部または下部に設けられたタンクに遊技媒体が複数積層されうる面を有するので、樹脂部を僅かに削り採って遊技媒体の表面に付着させ、遊技媒体の潤滑性を高めることができる。
(4)上記(2)の遊技機において、
前記補給経路は、遊技島から供給される前記遊技媒体を貯留する貯留タンク(球タンク103、球タンク6A)を含む。
このような構成によれば、貯留タンクに遊技媒体が複数積層されうる面を有するので、樹脂部を僅かに削り採って遊技媒体の表面に付着させ、遊技媒体の潤滑性を高めることができる。
(5)上記(2)の遊技機において、
前記回収経路から回収した前記遊技媒体を前記補給経路に戻す遊技媒体循環装置(封入式の遊技機に設けられる搬送装置)を含む。
このような構成によれば、遊技者が遊技媒体に触れることなく遊技を行なうことができ、樹脂部で遊技媒体の潤滑性を高めることができる。
(6)上記(2)の遊技機において、
前記補給経路は、前記発射装置に前記遊技媒体を補給する整流器(整流器916)を含む。
このような構成によれば、整流器で発射位置に遊技媒体を供給する部分に樹脂部を設けることで、発射する遊技媒体ごとの潤滑性を高めることができる。
(7)上記(2)の遊技機において、
前記発射装置から発射された前記遊技媒体の移動ベクトルを変更する面は、前記発射装置の発射レール(発射レール35)や、前記遊技領域に設けた内レール(レール4a)を含む。
このような構成によれば、発射レールや内レールに設けた樹脂部により、発射する遊技媒体ごとの潤滑性を高めることができる。また、発射レールや内レールは遊技盤とともに交換されるので、発射レールや内レールに個別に設けた樹脂部を交換する必要がない。
(8)上記(1)の遊技島において、
前記遊技媒体貯留部および前記遊技媒体経路のうちの一部が導電性部材で形成され、該導電性部材が接地(たとえば、球タンク6Aは導電性を有し、球タンク6Aの遊技機正面側の一部に金属製のアース板(金属板)218がはめ込まれている。)されている。
このような構成によれば、遊技媒体の帯電を解消することで、削り採られた樹脂をムラなく付着することができ、均一に遊技球の潤滑性を高めることができる。
(9)上記(2)の遊技機において、
前記発射装置、前記補給経路および前記回収経路のうちの一部が導電性部材で形成され、該導電性部材が接地(たとえば、発射レールや内レールが接地されている。)されている。
このような構成によれば、遊技媒体の帯電を解消することで、削り採られた樹脂をムラなく付着することができ、均一に遊技球の潤滑性を高めることができる。
(10)上記(1)の遊技島において、
前記樹脂部は、着脱可能な係止手段(ネジ止めや爪係止などの係止手段500a)で設置する面に固定してある。
このような構成によれば、樹脂部が消耗した場合に個別に交換することが可能であり、遊技媒体の潤滑性を高める機能を維持することができる。
(11)上記(2)の遊技機において、
前記樹脂部は、着脱可能な係止手段(ネジ止めや爪係止などの係止手段500a)で設置する面に固定してある。
このような構成によれば、樹脂部が消耗した場合に個別に交換することが可能であり、遊技媒体の潤滑性を高める機能を維持することができる。
(12)上記(1)の遊技島において、
前記遊技媒体貯留部および前記遊技媒体経路は、前記遊技媒体が複数積層されうる面、および前記遊技媒体の移動ベクトルを変更する面のうち少なくとも一部に、前記樹脂部で付与した前記遊技媒体の潤滑性を低下させる除去部(たとえば、凸部と凹部とを交互に設けた形状(例えばスノコ形状)の構造で付着しすぎた樹脂を遊技球10から振い落したり、ゴムなどで付着しすぎた樹脂を遊技球10から吸着して落としたりする除去部501)を設ける。
このような構成によれば、削り採られた樹脂が、遊技球10の表面に多く付着しすぎる不具合を防止することができる。
(13)上記(2)の遊技機において、
前記発射装置から発射された前記遊技媒体の移動ベクトルを変更する面、前記補給経路および前記回収経路において前記遊技媒体が複数積層されうる面、および前記補給経路および前記回収経路において前記遊技媒体の移動ベクトルを変更する面のうち少なくとも一部に、前記樹脂部で付与した前記遊技媒体の潤滑性を低下させる除去部(たとえば、凸部と凹部とを交互に設けた形状(例えばスノコ形状)の構造で付着しすぎた樹脂を遊技球10から振い落したり、ゴムなどで付着しすぎた樹脂を遊技球10から吸着して落としたりする除去部501)を設ける。
このような構成によれば、削り採られた樹脂が、遊技球10の表面に多く付着しすぎる不具合を防止することができる。
今回開示された実施形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。