JP2017018442A - 室内殺菌装置 - Google Patents

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Michifumi Kihara
倫文 木原
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Abstract

【課題】室内に充満して浮遊する細菌やウイルスを殺菌すると共に、人体への影響も低下できる室内殺菌装置を提供する。
【解決手段】本発明の室内殺菌装置は、部屋の壁に取り付け可能な筐体と、前記筐体内部に格納されて紫外線を照射する光源と、前記光源の正面に設けられ、照射される前記紫外線の照射範囲を絞る絞り部材と、を備え、前記光源では、高さ方向の断面長さが奥行き方向の断面長さよりも大きく、前記絞り部材は、複数のスリットを形成すると共に当該表面を吸光処理しており、前記筐体は、部屋の壁の上方であって、人の身長より高い場所に設置される。
【選択図】図1

Description

本発明は、室内の空気に含まれる細菌やウイルスを殺菌できる室内殺菌装置に関する。
住宅、オフィス、ビル、公共施設、病院、介護施設などの様々な施設においては、様々な人が利用するために、衛生面の対応が重要となる。近年、耐性菌の発生などもあり、細菌やウイルスによる感染症や健康への影響が懸念されている。加えて、近年では、清潔志向の強さによって、多くの人の細菌やウイルスに対する抵抗力が弱まっている傾向がある。
また、これらの施設は、複数の人が出入りしたり、不特定の来訪者が出入りしたりする。このため、これらの複数の人の出入りによって、外部から細菌やウイルスが持ち込まれることも多い。加えて、これらの施設は、複数の部屋に区分されている。このような部屋は、一定の広さに仕切られており、浸入した細菌やウイルスが残留しやすい。これらの残留した細菌やウイルスは、室内にいる人の健康へ影響を与える可能性がある。
あるいは、この細菌やウイルスの影響を受けた人が、保有している細菌などを咳やくしゃみによって吐き出して、更に室内に細菌やウイルスが増えてしまうこともある。
このような施設での病院や介護施設では、病人や老人などのように抵抗力の弱い患者等がおり、衛生面の対応が強く求められる。あるいは、住宅、オフィス、ビル、公共施設などの室内においても、上述のような状況によって、細菌やウイルスに対する衛生面の維持が求められる。特に、近年の衛生志向によって、多くの人が細菌やウイルスに対する耐久性を低下させてしまっている。このような状況では、様々な施設において、細菌やウイルスを軽減することが必要になってきている。
このような施設においては、広い共有空間はもちろんのこと、上述のような仕切られた部屋においての細菌やウイルスの影響を軽減する必要性が高い。特に仕切られた部屋における人の滞在時間は長いので、このような細菌やウイルスが多い室内にいることは、健康への悪影響が懸念される。
このような室内の細菌やウイルスの影響を軽減するために、特殊物質の放出により空中浮遊状態の細菌やウイルスを抑制する空気清浄装置が販売されている。例えば、イオン粒子やナノ粒子といった特殊物質を電気的に放出して、室内を浮遊する細菌やウイルスを軽減することがうたわれている。
しかしながら、このような特殊物質を放出する空気清浄装置は、非特許文献1に開示されるように、ウイルスの一種としてのインフルエンザウイルスを積極的に失活させるような結果はほとんど認められない。
多くの施設において、このような空気清浄装置が使用されているが、上述のような理由で、細菌やウイルスの軽減効果は不十分である。このため、室内における細菌やウイルスの悪影響防止に不十分である問題がある。
このような状況で、紫外線などを用いて細菌やウイルスを殺菌する技術が提案されている(例えば、特許文献1、特許文献2、特許文献3参照)。
日本環境感染学会誌 Vol.27、No、5、2012 「殺菌力を謳う各種空気清浄電気製品の、塗布乾燥状態の細菌に対する効果の有無の検証」 特開2005−46592号公報 特開2004−283545号公報 特開平8−280779号公報
特許文献1は、床面を周回的に走行して紫外線を装置下方に向けて照射し、床面を殺菌するロボット掃除機を開示する。いわゆる、市販されているロボット掃除機の集塵機能の代わりに紫外線を装置下方に向けて照射する機能を備えたロボット掃除機である。特許文献1に開示されるロボット掃除機は、床面を周回状に走行しながら紫外線によって床面を殺菌することで、床面に残存しやすい病原菌やウイルスの問題を解決する。
しかしながら、特許文献1に開示されるロボット掃除機は、床面を周回状に走行するだけであり、床面を満遍なく走行することができない。このため、走行できない領域を殺菌できない問題を有している。特に、特許文献1に開示されるロボット掃除機は、ロボット本体から本体直下の床面に向けて紫外線を照射するだけである。この照射範囲も相まって、走行できない領域を殺菌できない。殺菌できない領域が残ることで、床面に残存している病原菌やウイルスの問題は解消しないままである。
特許文献2は、掃除用のブラシで床面を掃除しつつ紫外線を照射して床面を殺菌する掃除機を開示する。特許文献1と同様に紫外線によって、床面を殺菌することを目的としている。
しかしながら、特許文献2の図から明らかな通り、特許文献2に開示される掃除機は、掃除機がブラシによってごみを集塵する集塵位置に対して紫外線を照射するに過ぎない。このため、特許文献1と同様に、特許文献2に開示される掃除機も、掃除を行った底面に対応する床面のみしか殺菌ができない。この結果、床面において殺菌できない領域が残り、残存する病原菌やウイルスの問題が解消しないままである。
特許文献3は、移動可能であって、床面を紫外線で殺菌する技術を開示する。
しかしながら、特許文献3も特許文献1、2と同様に、走行した底面しか殺菌できない問題を有している。
以上のような、特許文献1〜3で示される紫外線を用いた殺菌装置は、主に床面に付着したり残存したりしている細菌やウイルスを殺菌することを目的としている。一方で、施設内部では、在室している人の呼吸や空調機器が生じさせる気流によって、様々な対流が生じている。この対流によって、細菌やウイルスが床面だけでなく、室内の高さ方向においても拡散したり、浮遊したりする状態となってしまう。
このような状況においては、特許文献1〜3に代表される紫外線を用いた殺菌装置では、十分に対応できない問題がある。特に、室内には、様々な人が出入りすることで、外部から細菌やウイルスが持ち込まれる。この持ち込まれた細菌やウイルスは、人体にまとわりついて這い込むので、室内において浮遊する傾向を見せる。
この浮遊する細菌やウイルスは、人体の呼吸器系に侵入しやすく、人体への悪影響も高くなる。
以上のように、従来技術では、室内に充満して浮遊する細菌やウイルスを軽減することが難しい問題があった。
本発明は、上記課題に鑑み、室内に充満して浮遊する細菌やウイルスを殺菌すると共に、人体への影響も低下できる室内殺菌装置を提供することを目的とする。
上記課題に鑑み、本発明の室内殺菌装置は、部屋の壁に取り付け可能な筐体と、
筐体内部に格納されて紫外線を照射する光源と、
光源の正面に設けられ、照射される紫外線の照射範囲を絞る絞り部材と、を備え、
光源では、高さ方向の断面長さが奥行き方向の断面長さよりも大きく、
絞り部材は、複数のスリットを形成すると共に当該表面を吸光処理しており、
筐体は、部屋の壁の上方であって、人の身長より高い場所に設置される。
本発明の室内殺菌装置は、室内にいる人に紫外線を照射することなく、室内を浮遊する細菌やウイルスに紫外線を照射して殺菌できる。特に、人体への照射を防止するように、室内の天井付近に紫外線を照射することで、対流によって上昇する細菌やウイルスを殺菌する。室内の対流によって天井付近に浮遊してくる細菌やウイルスを殺菌することを繰り返すことで、室内の細菌やウイルスを極めて減少させることができる。
また、室内の天井付近の壁に設置される場合に、紫外線の直進性や直進方向での減衰を生じさせにくいことで、十分な能力で細菌やウイルスを殺菌できる。
更に、室内の平面方向においても、紫外線を十分に拡散できることで、室内の対流で天井付近まで浮遊してくる細菌やウイルスを十分に殺菌できる。これらの殺菌能力の高さの結果、施設内部の室内の衛生環境が十分に保たれ、室内にいる人の健康状態を保つことができる。
室内殺菌装置が取り付けられた室内の状態を示す模式図である。 図1を部屋の上方から見た状態を示す説明図である。 本発明の実施の形態1における室内殺菌装置が取り付けられた部屋の側面図である。 本発明の実施の形態1における室内殺菌装置の側面図である。 本発明の実施の形態1における光源の構造を示す説明図である。 本発明の実施の形態1における光源の正面図である。 本発明の実施の形態1における絞り部材の側面図である。 本発明の実施の形態1における室内殺菌装置の側面図である。 本発明の実施の形態2におけるスリットの側面を示す模式図である。 本発明の実施の形態2におけるスリットの方向の違いを示す模式図である。 本発明の実施の形態2における室内殺菌装置を上方から見た模式図である。 本発明の実施の形態2における蛍光管で分離している光源を有する室内殺菌装置の模式図である。 本発明の実施の形態2における反射板を備える室内殺菌装置の側面図である。 本発明の実施の形態2における階段状の反射板を有する室内殺菌装置の側面図である。
本発明の第1の発明に係る室内殺菌装置は、部屋の壁に取り付け可能な筐体と、
筐体内部に格納されて紫外線を照射する光源と、
光源の正面に設けられ、照射される紫外線の照射範囲を絞る絞り部材と、を備え、
光源では、高さ方向の断面長さが奥行き方向の断面長さよりも大きく、
絞り部材は、複数のスリットを形成すると共に当該表面を吸光処理しており、
筐体は、部屋の壁の上方であって、人の身長より高い場所に設置される。
この構成により、室内殺菌装置は、人体に影響のない部屋の上方に対して、十分なエネルギーを持った紫外線を照射できる。この照射によって、部屋の上方に舞い上がる細菌等を殺菌できる。
本発明の第2の発明に係る室内殺菌装置では、第1の発明に加えて、光源は、紫外線を発する長手方向と短手方向を有する蛍光管であって、蛍光管は、筐体内部において長手方向が平面方向に沿って格納される。
この構成により、紫外線の発生が容易であり、より広い面積の部位を、スリットに向けることができる。
本発明の第3の発明に係る室内殺菌装置では、第2の発明に加えて、蛍光管は、短手方向に沿った幅とこれと交差する厚みを有しており、幅は厚みよりも大きく、幅が正面方向となるように格納される。
この構成により、光源は、より広い面積を、スリット側に向けることができる。
本発明の第4の発明に係る室内殺菌装置では、第1から第3のいずれかの発明に加えて、スリットは、光源からの紫外線を通す所定の距離を有する経路を形成し、経路は、光源から照射される紫外線を所定範囲に収束させる。
この構成により、室内殺菌装置は、高さ方向において所定範囲に収束させた範囲に紫外線を照射できる。このため、部屋の上方において直進性の高い紫外線を照射できる。
本発明の第5の発明に係る室内殺菌装置では、第4の発明に加えて、光源から照射される紫外線は、経路を通る間に、スリットを形成する絞り部材の壁面での反射を繰り返すことで、スリットの出口において、照射範囲を収束させる。
この構成により、部屋の上方における直進性の高い紫外線を形成できる。
本発明の第6の発明に係る室内殺菌装置では、第1から第5のいずれかの発明に加えて、絞り部材は、所定間隔で並ぶ複数の板部材を有し、複数の板部材同士の間隔が、スリットを形成する。
この構成により、スリットが簡単に形成できる。
本発明の第7の発明に係る室内殺菌装置では、第1から第5のいずれかの発明に加えて、絞り部材は、箱状部材に所定間隔で並ぶ貫通孔が形成され、貫通孔のそれぞれが、スリットを形成する。
この構成により、スリットが簡単に形成できる。
本発明の第8の発明に係る室内殺菌装置では、第1から第7のいずれかの発明に加えて、スリットにおける光源側である入り口は、光源に近接する。
この構成により、光源から照射される光の多くがスリットに入り込む。この結果、スリットの出口から照射される紫外線のエネルギーを高くすることができる。
本発明の第9の発明に係る室内殺菌装置では、第1から第8のいずれかの発明に加えて、複数のスリットにおいて、上方のスリットの間隔は、下方のスリットの間隔よりも広い。
この構成により、部屋の下方にいる人に紫外線を照射する危険性を低減した上で、より高いエネルギーの紫外線を照射することができる。
本発明の第10の発明に係る室内殺菌装置では、第1から第9のいずれかの発明に加えて、複数のスリットにおいて、上方のスリットに比較して下方のスリットは上向きである。
この構成により、部屋の下方にいる人に紫外線を照射する危険性を低減した上で、より高いエネルギーの紫外線を照射することができる。
本発明の第11の発明に係る室内殺菌装置では、第1から第10のいずれかの発明に加えて、複数のスリットは、筐体の前面および側面にかけて設けられ、側面に設けられる複数のスリットは、光源の紫外線を、筐体の平面方向に照射する。
この構成により、側面も含めた平面方向に、紫外線を照射できる。
本発明の第12の発明に係る室内殺菌装置では、第1から第11のいずれかの発明に加えて、光源のスリットと逆側である後ろ側に、光源の後方から照射される紫外線を、スリット側に反射させる反射板を更に備える。
この構成により、光源の後方に照射される紫外線も、殺菌のために前方に照射することができる。
本発明の第13の発明に係る室内殺菌装置では、第12の発明に加えて、光源は、高さ方向に分離する複数の蛍光管から形成され、反射板は、複数の蛍光管の間から、反射した紫外線をスリット側に照射する。
この構成により、光源の後方に照射される紫外線を前方に照射される紫外線と合せて前方に照射できる。このとき、絞り部材によって、上下方向の角度を絞り込んで照射できる。
本発明の第14の発明に係る室内殺菌装置では、第12または第13の発明に加えて、反射板は、円弧形状を有する。
この構成により、反射板は、前方のスリットに集中させるように、紫外線を反射できる。
本発明の第15の発明に係る室内殺菌装置では、第12から第14のいずれかの発明に加えて、反射板は、光源の後方、光源の上方および光源の下方まで覆う。
この構成により、反射板は、より広い範囲の紫外線を前方に反射できる。
本発明の第16の発明に係る室内殺菌装置では、第15の発明に加えて、反射板が、光源の後方、光源の上方および光源の下方まで覆う場合には、複数のスリット同士の間隔は、不均一である。
この構成により、反射板による様々な方向からの反射光を、スリットのいずれかが確実に取り込んで収束させて出力できる。
本発明の第17の発明に係る室内殺菌装置では、第12または第13の発明に加えて、反射板は、階段形状を有する。
この構成により、光源の後方への紫外線を、様々に反射して前方に導入することができる。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態を説明する。
(実施の形態)
(発明者による分析)
図1は、室内殺菌装置が取り付けられた室内の状態を示す模式図である。図1は、部屋100を側面から見た状態を示しており、部屋100内部を可視状態として示している。部屋100内部には、人200が存在している。部屋100がオフィスであれば、人200は、従業員であったり来客であったりする。あるいは、部屋100が公共施設であれば、人200は、訪問者や職員であったりする。
部屋100内部には、細菌やウイルス(以下、「細菌等」という)50が存在している。この細菌等50は、部屋100内部で発生する気流によって、空中を浮遊している。この浮遊によって、細菌等50は、部屋100内部の様々な場所に充満する。
室内殺菌装置10は、部屋100の壁103に設置される。室内殺菌装置10は、後述のように、紫外線を照射する。この紫外線が、細菌等50を照射することで、細菌等50を殺菌できる。このとき、図1のように壁103に室内殺菌装置10が設置される場合には、室内殺菌装置10は、紫外線を壁103から対向する壁104に向けて照射する。この照射範囲において、細菌等50を殺菌できる。
(1)人体への照射の回避
部屋100内部には、人200が存在していることが多い。上記のように、部屋100の特性に応じて、従業員、来客、職員、入院患者など様々な種類の人200が在室している。室内殺菌装置10は、紫外線を照射することで、細菌等50を殺菌する。この紫外線は、人200が長時間浴びることは皮膚トラブルなどを初めとして好ましくないこともある。このため、室内殺菌装置10は、室内に設置されて紫外線を照射する場合に、部屋100内部の人200への紫外線の照射を回避することが必要である。
(2)直進性の必要性
(1)の人体への照射の回避のためには、室内殺菌装置10は、壁103から直進性の高い状態で紫外線を照射する必要がある。すなわち、室内殺菌装置10は、部屋100の垂直方向に拡散するように紫外線を照射せず、直進性をもって照射することが必要である。
(3)直進での照射エネルギーの減衰の抑制
図1では、部屋100の壁103に室内殺菌装置10が設置され、対向する壁104に向けて紫外線を照射する。この壁103から壁104までの間において、紫外線を照射して細菌等50を殺菌する。このとき、細菌等50は、壁103から壁104までの間の様々な場所に存在する。このため、壁103から距離がある場所においても、十分なエネルギーの紫外線を照射することが必要である。このため、室内殺菌装置10から壁104に向けて照射される紫外線の照射エネルギーの減衰を抑える必要がある。
(4)平面方向への拡散
図1のように、室内殺菌装置10は、垂直方向においては拡散しないように直進性を有して紫外線を照射する必要がある。しかしながら、部屋100においては、平面方向における様々な場所に細菌等50は存在する。このため、室内殺菌装置10は、垂直方向には直進性をもって紫外線を照射する必要があるが、平面方向においては拡散性をもって紫外線を照射する必要がある。
図2は、図1を部屋の上方から見た状態を示す説明図である。図2に示されるように、室内殺菌装置10は、部屋100においては、平面方向に拡散しながら紫外線を照射する必要がある。図2のように平面方向に紫外線が拡散することで、部屋100において様々な場所に拡散している細菌等50を確実に殺菌できるようになるからである。
発明者は、紫外線を用いた室内殺菌装置10には、上記の(1)〜(4)を実現することが必要であるとの分析結果に至った。
(全体概要)
まず、本発明の実施の形態1における室内殺菌装置の全体概要について説明する。図3は、本発明の実施の形態1における室内殺菌装置が取り付けられた部屋の側面図である。図3では、室内殺菌装置1が、部屋100の壁103の上方に取り付けられている。発明者の分析(1)、(2)で説明したように、室内殺菌装置1は、部屋100にいる人200に直接的に紫外線を照射することは好ましくない。
このため、実施の形態1における室内殺菌装置1は、部屋100の壁103の上方に設置される。ここで、上方とは、部屋100において一般的な人の身長より高い場所である。
室内殺菌装置1は、筐体2、光源3、絞り部材4とを備える。筐体2は、光源3や絞り部材4を格納し、室内殺菌装置1の外形を形成する。このため筐体2は、樹脂、金属、合金、硬質部材など、外形を形成して維持できる素材で形成される。また、筐体2は、必要に応じてユーザーの操作を受けることができるように、必要な操作ボタンや操作パネルなどをその表面に有していることも好適である。
光源3は、筐体2内部に格納される。光源3は、紫外線を照射する。このとき、光源3は、紫外線領域の光を発する蛍光管などの部材であるので、前後左右などの広い範囲に向けて紫外線を照射する。すなわち、光源3のみでは、室内殺菌装置1は、前後左右の広い範囲に渡って紫外線を照射してしまい、発明者の分析(1)〜(4)を実現できない。
絞り部材4は、光源3の正面に設けられる。図4では、光源3であって、筐体2の前方側に絞り部材4が設けられる。絞り部材4は、複数のスリット6を形成する。加えて、絞り部材4であってスリット6を形成する板部分の表面が吸光処理されている。例えば、吸光性の高い塗料が板部分の表面に塗布されていたり、吸光処理が施された板部分を有する部品で絞り部材4が形成されたりすればよい。
図4は、本発明の実施の形態1における室内殺菌装置の側面図である。
また、光源3では、正面方向の断面長さが、奥行き方向の断面長さよりも大きい、図5は、本発明の実施の形態1における光源の構造を示す説明図である。図5にあるように、正面方向の断面長さAは、奥行き方向の断面長さBよりも大きい。すなわち、蛍光管などによって構成される光源3は、略垂直方向よりも正面に向けてより多くの面積での紫外線を照射することができる。
このように正面方向に向けての断面長さが大きいことで正面方向に向けてより多くの面積で、光源3は、紫外線を照射できる。この正面方向においては、複数のスリット6が形成されている絞り部材4が設けられる。この絞り部材4において光源3からの紫外線が、スリット6によって照射方向が絞られる。
この絞り込みにより、図4に示されるように、直進性をもった直進紫外線9が照射される。光源3から正面方向(絞り部材4の方向)に照射された紫外線は、スリット6のそれぞれを通過する。スリット6に入る際には、直進状態ではない紫外線も、スリット6に入る際にスリット6に入り込むことのできる紫外線のみが、スリット6の入り口(光源3側)から入る。更に、スリット6内部で反射する紫外線の内、直進性への対応が悪い紫外線は、スリット6を形成する板部材5の吸光処理によって吸収されて、直進性の高い紫外線のみが、スリット6の出口から外に出る。
このようなスリット6での紫外線の通過によって、絞り部材4を出る際には、図4のように直進性の高い紫外線9が照射される。すなわち、正面方向に向けての断面長さ(略垂直方向の断面長さ)が、奥行き方向の断面長さより大きい光源3によって、より広い範囲で正面の絞り部材4に紫外線を照射できる。
これに加えて、絞り部材4のスリット6と吸光処理によって、絞り部材4を出る際の紫外線は、直進性を高めた状態で照射される。
このように、実施の形態1における室内殺菌装置1は、高い直進性に高い照射エネルギーでの紫外線を照射できる。また、室内殺菌装置1は、部屋100の壁103の上方に設置されることもあり、室内殺菌装置1は、人体に照射する心配なく、部屋100の上方において、壁103から対向する壁104に向けて、照射エネルギーを減衰させることなく、直進性の高い紫外線を照射できる。
このような紫外線の照射が、部屋100の上方において行われることで、部屋100内部において巻き上げられたり引き揚げられたりして上方に移動する細菌等50を、確実かつ効率的に殺菌できる。この殺菌によって、部屋100における衛生環境が維持される。
次に、各部の詳細等について説明する。
(光源)
光源3は、紫外線を発する長手方向と短手方向を有する蛍光管であることも好適である。図6は、本発明の実施の形態1における光源の正面図である。光源3は、紫外線を発する部材であれば何でもよいが、図6のような長手方向Cと短手方向Dとを有する蛍光管であることも好適である。蛍光管であることで、より高いエネルギーの紫外線を発することができるからである。
また、正面から見た状態での長手方向が筐体2内部において平面方向に沿って格納されることも好適である。このように格納されることで、略垂直方向の断面長さが、奥行き方向の断面長さよりも大きい状態で、光源3が、正面方向にむけてより多くの紫外線を照射できるようになる。
また、光源3を構成する蛍光管は、短手方向Dに沿った幅と短手方向Dと交差する厚みを有している。ここで、短手方向Dに沿った幅は、厚みよりも大きい。このような構造を有することで、光源3の、略垂直方向での断面長さが奥行き方向での断面長さよりも大きくなる。
光源3は、蛍光管以外であっても、所望の周波数での紫外線を発することのできる発光素子やこれの集合体でもよい。例えば、LEDなどの発光素子が羅列された配置を有する構成での光源3であってもよい。
なお、光源3が照射する紫外線の波長の一例としては、254nmである。殺菌効果を奏することができれば、これ以外の波長であってもよい。
(絞り部材)
絞り部材4は、複数のスリット6を形成し、このスリット6によって形成される経路を通過することで、様々な方向に照射される光源3からの紫外線を、直進性のある直進紫外線9に変える。複数のスリット6のそれぞれの間の経路を通過するうちに、照射された紫外線の内、直進方向以外の紫外線が取り除かれる。
スリット6が形成する経路の入り口は、当然に狭い幅を有している。この狭い幅の入り口には、光源3からの紫外線の内、入り口に向いている紫外線のみが入る。この時点で、スリット6の入り口に合わない紫外線は、直進性がほとんどないとして、はじかれる。
次いで、スリット6が形成する入り口から出口までの経路を通過する中で、経路に平行な紫外線以外は、スリット6内部の壁面での反射を繰り返す。この反射の繰り返しによって、経路に平行でない紫外線も、やがて経路に平行なものに収束する。加えて、スリット6の経路を形成する壁面の吸光性能によって、経路に平行でない紫外線は、吸収される。これらが相まって、経路の出口においては、経路に略平行な紫外線が中心となって出力する。
以上のように、スリット6は、光源3からの紫外線を通す所定の距離を有する経路を形成し、この経路が、光源3から照射される紫外線を所定範囲の角度に収束させる。この収束によって、スリット6から出る紫外線は、直進性の高い直進紫外線9となる。
図7は、本発明の実施の形態1における絞り部材の側面図である。
絞り部材4は、複数の壁面5を備えている。この複数の壁面5が上下方向に重なる構造によって、絞り部材4は、上下方向に複数のスリット6を備えることができる。この複数のスリット6のそれぞれが、光源3からの紫外線を、直進性のある範囲に収束させる。
図7における矢印Eは、光源3からの紫外線の内、スリット6に略平行な紫外線である。光源3から様々な方向に沿って照射される紫外線の内、スリット6に略平行な紫外線が、スリット6の入り口に入って、スリット6で形成される経路に沿って、スリット6の出口から出る。すなわち、矢印Eに対応する紫外線は、スリット6に沿って直進性を有する紫外線として、絞り部材4から照射される。
一方、スリット6の入り口から入っても、スリット6の経路に対して大きな角度を有する矢印Fに対応する紫外線は、スリット6内部の壁面5で反射する。この反射も、大きな反射角度で反射する。壁面5は、吸光性を持っている。大きな反射角度で反射することで、壁面5は、矢印Fに対応する紫外線を吸収しやすくなる。この吸収が反射の度に繰り返されることで、矢印Fに対応する紫外線は、スリット6の出口から出ない。すなわち、直進方向に比較して、直進方向に対しての交差角度が大きな紫外線は、吸光性のある壁面5により吸光されて、角度をもった紫外線が、絞り部材4から照射されないことが実現される。
一方で、矢印Gに対応する紫外線は、矢印Eと矢印Fの間の入力角度で、スリット6に入る。このような紫外線は、壁面5で反射を繰り返す間に、直進方向に近い角度にならされる。更には、反射角度も小さいので、吸光性のある壁面5に吸光されてしまうこともない。矢印Gに対応する紫外線は、壁面5での反射によって、スリット6に対する角度を小さくしながら、スリット6の出口から出る。この結果、矢印Gに対応する紫外線は、スリット6の入り口に入った時よりも、より直進性を持った状態となってスリット6から照射される。
このようなプロセスを経て、絞り部材4は、光源3から照射される紫外線の直進性を高める。
絞り部材4は、このように光源3からの紫外線を導入して、その直進性を高めながら通過させ、直進性の高い直進性紫外線9を照射する。この直進性を高めるために、絞り部材4は、複数のスリット6を備える。
絞り部材4は、所定間隔で並ぶ複数の板部材を有する。この複数の板部材が並んでいることで、板部材同士の間隔がスリット6を形成する。すなわち、上下方向に板部材が間隔を空けて重なることで、それぞれの間隔が、光源3から正面方向へのスリット6を形成できる。
このように、絞り部材4は、複数の板部材の積層によってスリット6を形成できる。
あるいは、絞り部材4は、箱状の部材に所定間隔で並ぶ貫通孔が形成された構造を有していてもよい。箱状部材の一方から他方に貫通する貫通孔が形成されると、この貫通孔が並ぶことになる。この並びによって、複数の貫通孔が複数のスリット6を形成できる。貫通孔の断面形状が方形であれば、方形のスリット6が形成される。光源3の形状に合わせた貫通孔が形成されることで、光源3から照射される紫外線がこの貫通孔をスリット6として照射角度を狭める。この結果、絞り部材4から照射される紫外線が、直進性をもった紫外線となる。
このように、絞り部材4は、貫通孔を形成することで、スリット6を備える構造を有してもよい。
(光源と絞り部材との関係)
絞り部材4は、上述の通り複数のスリット6を備える。複数のスリット6は、光源3側の入り口61と出口62とを備える。図8は、本発明の実施の形態1における室内殺菌装置の側面図である。図8において、スリット6の入り口61と出口62とが示されている。
光源3は、この入り口61側に設置される。このとき、光源3と入り口61とが近接することが好ましい。近接することで、スリット6の入り口61に光源3からの紫外線がより確実に入るようになるからである。
例えば、光源3と入り口61とが接する程度に近接していてもよい。このように近接していることで、より多くの光量の紫外線がスリット6内部に入る。この結果、直進性をもつように制御されて出力する紫外線の光量が高くなる。光量が高くなれば、絞り部材4から照射される紫外線のエネルギーが大きくなる。当然に、照射される紫外線のエネルギーの減衰が少なくなる。
以上のように、実施の形態1における室内殺菌装置1は、部屋の上方において、直進性に優れると共にエネルギー減衰を抑えた紫外線を照射できる。これらの結果、室内の上方に舞い上がる細菌等を確実かつ効率的に殺菌できる。このとき、紫外線を人体に照射することが無く、悪影響を生じさせることも少ない。
(実施の形態2)
次に、実施の形態2について説明する。
実施の形態2では、各要素の更なる工夫や追加される工夫について説明する。
(複数のスリットの間隔)
複数のスリット6において、上方のスリットの間隔は、下方のスリットの間隔よりも広いことも好適である。図9は、本発明の実施の形態2におけるスリットの側面を示す模式図である。絞り部材4は、光源3の前に配置されて複数のスリット6を形成している。複数のスリット6において、上方に位置する上方スリット64の間隔は、下方に位置する下方スリット65の間隔よりも広い。すなわち、複数のスリット6の上下方向においては、上方におけるほどその間隔が広い状態になっている。
上方スリット64も下方スリット65もいずれも光源3からの紫外線を出口から出力する。このとき、上方スリット64の間隔が下方スリット65の間隔よりも大きいことで、上方スリット64の出口から出力される紫外線の方が、そのエネルギー量が大きくなる。上方スリット64から出力される紫外線は、部屋100内の人体200に、下方スリット65から出力される紫外線よりもあたる可能性が低い。
この結果、人体200に当たる可能性の低い上方スリット64から出力される紫外線のエネルギーが大きくなる。すなわち、人体への影響を低減した上で、全体としてより高いエネルギーを有する紫外線を出力できる。これらの結果、室内殺菌装置1から出力される紫外線のエネルギーの減衰を抑制して、より十分に細菌等50を殺菌できる。もちろん、上方スリット64からのエネルギーを大きくしているので、人体200への照射などの問題を抑制できる。
(スリットの向き)
図10は、本発明の実施の形態2におけるスリットの方向の違いを示す模式図である。上方スリット64に比較して、下方スリット65は、上向きであることが好適である。
絞り装置4の備えるスリット6は、既述したように、光源3の紫外線の照射角度を絞り込んで出力する。この絞り部材4の絞り込みによって、紫外線の直進性が高まって出力される。この直進性は、室内殺菌装置1の上下方向における(部屋100の垂直方向における)広がりを抑えた状態を示す。
このような上下方向の広がりを抑えるのは、部屋100にいる人に紫外線を照射しないようにするためである。
この目的のために、図10のように、下方スリット65を上方スリット64に対して上向きであることで、部屋100にいる人により近い下方スリット65からの紫外線が、人に当たりにくくなる。一方で、室内殺菌装置1は、部屋100の上方に巻き上げられた細菌等50に紫外線を照射して殺菌するので、殺菌能力を下げることもない。
このように、下方スリット65が上方スリット64に比較して上向きであることも好適である。
(側面への紫外線の照射)
図11は、本発明の実施の形態2における室内殺菌装置を上方から見た模式図である。
絞り部材4が備えるスリット6は、筐体2の前面および側面にかけて設けられる。前面におけるスリット6は、既述したように、上下方向の角度を絞り込んだ紫外線を、正面に照射する。一方、側面におけるスリット6は、筐体2の平面方向(左右方向)に、その上下方向の角度を絞り込んだ上で紫外線を照射する。図11における筐体2の側面方向の矢印は、筐体2の側面方向への紫外線の照射状態を示している。
このように、室内殺菌装置1は、正面および側面方向で合って、部屋100の上下方向においての角度を絞り込んだ状態で紫外線を照射できる。これらの結果、部屋100の人に照射する問題を生じさせることなく、広い範囲において、部屋100の上方に紫外線を照射できる。これらの結果、確実に細菌等50を殺菌できる。
すなわち、室内殺菌装置1は、部屋100の上方において、壁面103から前方と側面に広がるように紫外線を照射できる。この結果、部屋100で上方に舞い上がる細菌等50を、部屋100の上方の広い範囲で殺菌する。このように、絞り部材4のスリット6が、筐体2の前面と側面の両方に設けられることで、室内殺菌装置1は、部屋100の上下方向における上方に限った状態で、平面方向に広く紫外線を照射できる。
言い換えれば、部屋100の上方においては、紫外線の照射が広がっている状態を、室内殺菌装置1は、実現できる。
(反射板)
図4に示されるように、光源3のスリット6と逆側である後ろ側に、光源3の後方から照射される紫外線をスリット6側に反射させる反射板7を更に備えることも好適である。
図4などでは、光源3の後方に、この反射板7が取り付けられている状態が示されている。反射板7は、紫外線を反射する機能を有している。図4などに示されている反射板7は、光源3の後方に取り付けられている。加えて、反射板7は、湾曲形状を有しており、この湾曲形状によって、光源3が後方に発する紫外線を、前方であるスリット6側に反射できる。
この湾曲形状は、いわゆるパラボラ形状であって、反射した紫外線を所定範囲に集めつつ反射してもよい。あるいはパラボラ形状までの精度はないが、円弧形状を有していることで、反射した紫外線を、スリット6のある前方に反射できればよい。
また、反射板7は、光源3から後方に向けて照射された紫外線を前方であるスリット6側に反射する。この反射を容易とするために、反射板7の表面は、鏡面処理などの反射特性の高い表面処理がなされていることが好適である。特に、紫外線の周波数に合わせた反射特性を有する表面処理がなされていることが好適である。
図12は、本発明の実施の形態2における蛍光管で分離している光源を有する室内殺菌装置の模式図である。図12に示されるように、光源3は、高さ方向(上下方向)に分離する複数の蛍光管31から形成されている。上側の蛍光管31と下側の蛍光管32とによって光源3が構成されている。上側の蛍光管31と下側の蛍光管32とは、高さ方向で分離している。なお、空間的な分離部分があればよく、蛍光管31と蛍光管32とが電気的に完全に分離していることが必要ではない。
光源3が、上側の蛍光管31と下側の蛍光管32とに高さ方向で分離した隙間を有している。この隙間を有していることで、反射板7からの反射された紫外線が、この隙間を通ってスリット6に到達できる。図12の矢印Hは、この隙間を通る反射した紫外線を示している。
反射板7は、光源3が後方に照射する紫外線を反射して、前方であるスリット6側に照射する。光源3は、紫外線を透過させることができる素材であれば、この反射した紫外線をスリット6側に到達させることができる。しかし、光源3内部を透過する紫外線は、減衰してしまうこともある。
図12の矢印Hのように蛍光管31と蛍光管32との間の分離した空間を反射した紫外線が通る場合には、この紫外線が減衰することはない。減衰しない反射した紫外線が、スリット6に到達できることで、スリット6は、光源3から直接届く紫外線に加えて、反射板7で反射された紫外線の双方を合わせて通すことができる。
最終的には、直接的な紫外線と反射された紫外線とが重複した紫外線が、スリット6で狭められてスリット6の出口から照射される。結果として、よりエネルギーの高い紫外線が、前方に照射される。
図13は、本発明の実施の形態2における反射板を備える室内殺菌装置の側面図である。
図13は、反射板7が、光源3をより広い範囲でカバーする状態を示している。
反射板7は、光源3の後方、光源3の上方および光源3の下方まで覆うことも好適である。反射板7が、光源3の広い範囲を覆うように取り付けられることで、光源3の後方、上下方向から照射される紫外線を、幅広く反射してスリット6に集めることができる。
このように、幅広く反射板7が紫外線を反射してスリット6に集めることができることで、スリット6から出力される最終的な紫外線のエネルギーが高くなるメリットがある。
また、このように反射板7が光源3の後方から上下方向までを覆う場合には、複数のスリット6同士の間隔が不均一であることも好適である。図13は、このように、スリット6同士の間隔が不均一である状態を示している。
反射板7は、上述のように、光源3からの光を広く反射してスリット6に到達させる。このとき、スリット6に到達する反射された紫外線の到達の仕方はさまざまになる。このため、スリット6の間隔が不均一であれば、様々な角度や携帯で到達する紫外線が、確実にスリット6に入り込みやすい。結果として、スリット6は、様々な角度で進入する紫外線を絞り込んで、出力させることができる。
図14は、本発明の実施の形態2における階段状の反射板を有する室内殺菌装置の側面図である。
反射板7は、階段形状を有することも好適である。図14は、この階段形状の反射板7を示している。反射板7は、既述した通り、光源3の後方や上下方向から照射される紫外線を反射して、スリット6に到達させる。
ここで、反射板7が階段形状であることで、光源3の様々な場所からの紫外線を、より確実に前方(スリット側)に反射させることができる。また、階段形状であることで、光源3からの紫外線の角度にそれぞれ合わせて、反射させて、スリット6に送り込むことができる。
以上のように、反射板7が階段形状であることも、光源3の後方などから照射される紫外線を、スリット6に集めて最終的に前方から照射できる点で好適である。
以上のように、実施の形態2における室内殺菌装置1は、部屋100の人への照射などの問題を低減しつつも、より高いエネルギーで部屋100の上方に紫外線を照射できる。結果として、部屋の上方に舞い上がる細菌等50を、より確実に殺菌できる。特に、部屋100の上方の様々な場所に舞い上がる細菌等50であっても、紫外線をより遠くかつ平面方向に広く照射できることで、確実に殺菌できる。
なお、実施の形態1〜2で説明された室内殺菌装置1は、本発明の趣旨を説明する一例であり、本発明の趣旨を逸脱しない範囲での変形や改造を含む。
1 室内殺菌装置
2 筐体
3 光源
31、32 蛍光管
4 絞り部材
5 壁面
6 スリット
7 反射板
8 制御部
100 部屋

Claims (17)

  1. 部屋の壁に取り付け可能な筐体と、
    前記筐体内部に格納されて紫外線を照射する光源と、
    前記光源の正面に設けられ、照射される前記紫外線の照射範囲を絞る絞り部材と、を備え、
    前記光源では、高さ方向の断面長さが奥行き方向の断面長さよりも大きく、
    前記絞り部材は、複数のスリットを形成すると共に当該表面を吸光処理しており、
    前記筐体は、部屋の壁の上方であって、人の身長より高い場所に設置される、室内殺菌装置。
  2. 前記光源は、紫外線を発する長手方向と短手方向を有する蛍光管であって、
    前記蛍光管は、前記筐体内部において前記長手方向が平面方向に沿って格納される、請求項1記載の室内殺菌装置。
  3. 前記蛍光管は、短手方向に沿った幅とこれと交差する厚みを有しており、前記幅は前記厚みよりも大きく、前記幅が正面方向となるように格納される、請求項2記載の室内殺菌装置。
  4. 前記スリットは、前記光源からの紫外線を通す所定の距離を有する経路を形成し、
    前記経路は、前記光源から照射される紫外線を所定範囲に収束させる、請求項1から3のいずれか記載の室内殺菌装置。
  5. 前記光源から照射される紫外線は、前記経路を通る間に、前記スリットを形成する絞り部材の壁面での反射を繰り返すことで、前記スリットの出口において、照射範囲を収束させる、請求項4記載の室内殺菌装置。
  6. 前記絞り部材は、所定間隔で並ぶ複数の板部材を有し、
    前記複数の板部材同士の間隔が、前記スリットを形成する、請求項1から5のいずれか記載の室内殺菌装置。
  7. 前記絞り部材は、箱状部材に所定間隔で並ぶ貫通孔が形成され、
    前記貫通孔のそれぞれが、前記スリットを形成する、請求項1から5のいずれか記載の室内殺菌装置。
  8. 前記スリットにおける前記光源側である入り口は、前記光源に近接する、請求項1から7のいずれか記載の室内殺菌装置。
  9. 前記複数のスリットにおいて、上方のスリットの間隔は、下方のスリットの間隔よりも広い、請求項1から8のいずれか記載の室内殺菌装置。
  10. 前記複数のスリットにおいて、上方のスリットに比較して下方のスリットは上向きである、請求項1から9のいずれか記載の室内殺菌装置。
  11. 前記複数のスリットは、前記筐体の前面および側面にかけて設けられ、前記側面に設けられる前記複数のスリットは、前記光源の紫外線を、前記筐体の平面方向に照射する、請求項1から10のいずれか記載の室内殺菌装置。
  12. 前記光源の前記スリットと逆側である後ろ側に、前記光源の後方から照射される紫外線を、前記スリット側に反射させる反射板を更に備える、請求項1から11のいずれか記載の室内殺菌装置。
  13. 前記光源は、高さ方向に分離する複数の蛍光管から形成され、前記反射板は、前記複数の蛍光管の間から、反射した紫外線を前記スリット側に照射する、請求項12記載の室内殺菌装置。
  14. 前記反射板は、円弧形状を有する、請求項12または13記載の室内殺菌層装置。
  15. 前記反射板は、前記光源の後方、前記光源の上方および前記光源の下方まで覆う、請求項12から14のいずれか記載の室内殺菌装置。
  16. 前記反射板が、前記光源の後方、前記光源の上方および前記光源の下方まで覆う場合には、前記複数のスリット同士の間隔は、不均一である、請求項15記載の室内殺菌装置。
  17. 前記反射板は、階段形状を有する、請求項12または13記載の室内殺菌装置。
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