JP2017017961A - 電力需要制御システム、及び電力需要制御方法 - Google Patents

電力需要制御システム、及び電力需要制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】地域内の適切な電力調整を行う電力需要調整システム及び方法を提供する。
【解決手段】取得部、記憶部、第1の制御部、更新部及び第2の制御部を備える。取得部は電力需要の変動に関連する状況情報を取得する。記憶部は過去の状況情報と、デマンド・レスポンスによる電力変動情報を記憶する。第1の制御部は、記憶部に記憶された情報が所定の閾値以下の場合に、地域に含まれている電力の需要者に対してデマンド・レスポンスを行う。更新部は、取得部が取得した状況情報と、第1の制御部により行われたデマンド・レスポンスの方式と、電力の削減結果情報と、を対応付けた情報を記憶部に追加する。第2の制御部は、記憶部に情報が所定の閾値より多く記憶された場合に、状況情報で示される状況と、予め定められた基準以上に関連する過去の状況情報と対応付けられているデマンド・レスポンスの方式及び削減情報に基づいてデマンド・レスポンスを行う。
【選択図】図3

Description

本発明の実施形態は、電力需要制御システム、及び電力需要制御方法に関する。
従来、電力系統内の需要家の需要電力や、自然エネルギー発電装置の供給電力量などの制御が困難な需要変動に対して、電力系統内に設置された制御可能な発電装置からの供給電力量を調整することで需給バランスを維持していた。
ところで、天候などの状況が急峻に変化した場合に、制御可能な発電装置からの供給電力量を調整するだけでは、対応しきれない場合も考えられる。
そこで、需要者に対して、消費する電力の調整を依頼することで、電力の安定供給を図る技術が提案されている。
特開2012−147546号公報
しかしながら、従来技術においては、電力の需要予測に基づいて、需要家に対して電力調整要求による削減要求量をどのように配分すれば良いのかが難しい。
実施形態の電力需要制御システムは、取得部と、記憶部と、第1の制御部と、更新部と、第2の制御部と、を備える。取得部は、電力調整の対象となる地域における、電力需要の変動に関連する状況が示された状況情報を取得する。記憶部は、過去の状況情報と、当該過去の状況情報で示される状況で行われたデマンド・レスポンスによる電力変動量と、当該デマンド・レスポンスを行った場合の電力の変動結果を示した変動情報と、を対応付けた情報を記憶する。第1の制御部は、記憶部に記憶された情報が所定の閾値以下の場合に、デマンド・レスポンスを実現する複数種類の方式から、予め定められた手法で選択された方式で、地域に含まれている電力の需要者に対してデマンド・レスポンスを行う。更新部は、取得部が取得した状況情報と、当該状況情報で示される状況で第1の制御部により行われたデマンド・レスポンスの方式と、当該デマンド・レスポンスの方式による電力の削減結果が示される削減情報と、を対応付けた情報を記憶部に追加する。第2の制御部は、記憶部に情報が所定の閾値より多く記憶された場合に、取得部により取得された状況情報で示される状況と、予め定められた基準以上に関連する、記憶部に記憶された過去の状況情報と対応付けられているデマンド・レスポンスの方式及び削減情報に基づいて、地域に含まれている電力の需要者に対してデマンド・レスポンスを行う。
図1は、第1の実施形態の電力需要調整システム、及び周辺装置を含む全体のシステム構成を例示した図である。 図2は、第1の実施形態の電力需要調整システムの構成を例示した図である。 図3は、第1の実施形態の電力需要調整システムで実現されるソフトウェア構成を示したブロック図である。 図4は、第1の実施形態の過去実績データベースが記憶する、気象情報を保持するレコードの構造を示した図である。 図5は、第1の実施形態の過去実績データベースが記憶する、過去の需要情報とデマンド・レスポンス情報とを保持するレコードの構造を示した図である。 図6は、第1の実施形態のCPPの複数段階を例示した図である。 図7は、変形例の過去実績データベースが記憶する、過去の需要情報とデマンド・レスポンス情報とを保持するレコードの構造を示した図である。 図8は、第1の実施形態で実行可能な、インセンティブの方式の種類と、インセンティブパターンと、を例示した図である。 図9は、デマンド・レスポンスが出力される際に設定されるインセンティブパターンを例示した図である。 図10は、第1の実施形態の過去実績データベースに記憶される、グループ毎の削減率を例示した図である。 図11は、第1の実施形態の過去実績データベースに記憶される、グループ毎のインセンティブの方式に応じた削減率を例示した図である。 図12は、第1の実施形態の電力需要調整システムにおける全体的な処理の手順を示すフローチャートである。 図13は、第1の実施形態の電力需要調整システムにおける、グループ毎の目標電力削減量の配分、及びグループ毎のインセンティブパターンの決定処理の手順を示すフローチャートである。 図14は、第1の実施形態の電力需要調整システムにおける、予め定められた手法に従ってグループ単位の目標電力削減量の配分と、インセンティブパターンとを特定する処理の手順を示すフローチャートである。 図15は、第1の実施形態の電力需要調整システムにおける、過去実績データベースに基づいて、目標電力削減量と、インセンティブパターンを特定する処理の手順を示すフローチャートである。 図16は、第2の実施形態の電力需要調整システムにおける、過去実績データベースに基づいて、目標電力削減量と、インセンティブパターンを特定する処理の手順を示すフローチャートである。 図17は、第3の実施形態の電力需要調整システムで実現されるソフトウェア構成を示したブロック図である。 図18は、第3の実施形態のDR実績データベースが記憶するレコードの構造を示した図である。 図19は、第3の実施形態の作成部により作成された、グループ毎のデマンド・レスポンスのコストと、削減量と、の相関関係を例示した図である。 図20は、第3の実施形態の電力需要調整システムにおける、過去実績データベースに基づいて、目標電力削減量と、インセンティブパターンを特定する処理の手順を示すフローチャートである。 図21は、第4の実施形態の電力需要調整システムにおける、グループ毎の目標電力削減量の配分、及びグループ毎のインセンティブパターンの決定処理の手順を示すフローチャートである。
以下に示す実施形態は、電力需要制御システムを電力需要調整システムに適用した例について説明する。
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態の電力需要調整システム、及び周辺装置を含む全体のシステム構成を例示した図である。図1に示される例では、電力需要調整システム100が、ネットワーク190を介して、対象地域180内の周辺装置の電力需要を調整する。
本実施形態では、対象地域180に含まれている周辺装置を4つのグループに分類した例とする。具体的には、図1に示されているように、対象地域180内に、グループ1の周辺装置群101と、グループ2の周辺装置群102と、グループ3の周辺装置群103と、グループ4の周辺装置群104と、で構成されている。本実施形態では、グループ毎にグループ内の周辺装置を管理する集約・配分装置が設けられている例とする。なお、本実施形態は、グループ毎に集約・配分装置を一つ設ける例について説明するが、グループに複数の集約・配分装置を設けても良い。
グループ1の周辺装置群101は、第1の集約・配分装置111と、BEMS(Building Energy Management System)151〜153と、で構成されている。
グループ2の周辺装置群102は、第2の集約配分装置112と、第1のサブ集約・配分装置121と、第2のサブ集約・配分装置122と、第3のサブ集約・配分装置123と、HEMS(Home Energy Management System)161〜166と、で構成されている。
このように、一つのグループに、複数のBEMSや、複数のHEMSが含まれている。本実施形態では、グループ毎にBEMSとHEMSを分けたが、一つのグループ内にBEMSとHEMSとが含まれても良い。なお、グループ3、グループ4を構成する周辺装置は、グループ1やグループ2を構成する周辺装置群と同様として説明を省略する。
第1の集約・配分装置111、及び第2の集約・配分装置112は、電力需要調整システム100から受け付けたデマンド・レスポンスを各周辺層装置(例えば、HEMSやBEMS)に配分する制御を行う。また、第1の集約・配分装置111、及び第2の集約・配分装置112は、各周辺装置(例えば、HEMSやBEMS)からデマンド・レスポンスに対応する電力の削減結果が示された情報を受信し、電力需要調整システム100に通知する。
本実施形態では、集約・配分装置が、BEMSやHEMSを直接管理しても良いが、周辺装置の数が多い場合に、集約・配分装置と周辺装置との間に仲介する装置を設けてもよい。本実施形態では、グループ2において、第2の集約・配分装置112と、周辺装置(HEMS)と、の間に、第1のサブ集約・配分装置121と、第2のサブ集約・配分装置122と、第3のサブ集約・配分装置123と、を備えている。
本実施形態の第1のサブ集約・配分装置121、第2のサブ集約・配分装置122、及び第3のサブ集約・配分装置123は、第2の集約・配分装置112により配分されたデマンド・レスポンスを、管理対象となるHEMSに配分する制御を行う。また、第1のサブ集約・配分装置121、第2のサブ集約・配分装置122、及び第3のサブ集約・配分装置123は、各周辺装置(例えば、HEMSやBEMS)からデマンド・レスポンスに対応する電力の削減結果が示された情報を受信し、第2の集約・配分装置112に通知する。
本実施形態では、第1の集約・配分装置111、及び第2の集約・配分装置112を、EMS(Energy Management System)と称する。そして、電力需要調整システム100は、当該EMS単位で過去の実績を示す情報を記憶する。
BEMS(Building Energy Management System)151〜153は、ビール、工場などのエネルギーを監視・管理・制御するシステムとする。
HEMS(Home Energy Management System)161〜166は、家庭のエネルギーを監視・管理・制御するシステムとする。
なお、本実施形態では、電力調整の対象として、BEMSやHEMSを適用した例について説明するが、BEMSやHEMSに制限するものではなく、例えば、EVや充電スタンド等の電力の調整可能な装置であればよい。
次に電力需要調整システム100について説明する。図2は、本実施形態の電力需要調整システム100の構成を例示した図である。図2は、電力需要調整システム100のハードウェア構成を例示した図である。図2に示されるように、電力需要調整システム100は、演算処理部201と、通信I/F202と、入力I/F203と、出力I/F204と、を備えている。さらに、電力需要調整システム100は、入力I/F203を介して入力部251と接続され、出力I/F204を介して出力部252と接続されている。
記憶部205は、不揮発性の記憶媒体で構成されている。記憶部205は、演算処理部201が実行するプログラムの他に、以下に示す各種データベースを記憶している。
演算処理部201は、1つ又は複数のCPUで構成され、記憶部205に記憶されたプログラムを実行することで様々な処理を実現する。
通信I/F202は、ネットワーク190と接続するためのインターフェースとする。
入力I/F203は、入力部251と接続するためのインターフェースとする。入力部251は、キーボードやポインティングデバイスなどのデバイスとする。
出力I/F204は、出力部252と接続するためのインターフェースとする。出力部252は、モニタなどのデバイスとする。
なお、本実施形態は、電力需要調整システム100が一つの情報処理装置で構成されている例について説明するが、複数の情報処理装置で構成しても良い。
図3は、本実施形態の電力需要調整システム100で実現されるソフトウェア構成を示したブロック図である。図3に示されるように、電力需要調整システム100は、取得部301と、供給可能量算出部302と、予測部303と、目標DR算出部304と、作成部305と、配分確定部306と、更新部307と、発行部308と、で構成されている。
また、電力需要調整システム100の記憶部205には、天気予報データベース311と、カレンダーデータベース312と、過去実績データベース313と、を記憶している。
天気予報データベース311は、対象地域180の天気予報を示す情報を格納するデータベースとする。例えば、天気予報データベース311は、天気予報を示す情報を提供しているサーバから取得した情報を格納する。
カレンダーデータベース312は、日付、暦等に関連する情報を格納するデータベースとする。また、カレンダーデータベース312は、対象地域180で行われるイベント等に関連する情報も格納する。
過去実績データベース313は、過去の状況を示す情報と、当該状況で行われたデマンド・レスポンスと、デマンド・レスポンスを行った場合の電力の削減結果を示す情報と、を記憶している。
図4は、本実施形態の過去実績データベース313が記憶する、気象情報を保持するレコードの構造を示した図である。図4に示されるように、本実施形態では、過去の状況として、気象情報を保持している。図4に示されるように気象情報を保持するレコードとして、対象日(過去の日程)、天気、温度、湿度、気圧、風向、風速、降雨、雲量、日射量、及び日射時間を対応付けて記憶している。また、本実施形態では、30分単位でデマンド・レスポンスを行うため、気象情報を保持するレコードも、30分単位で作成される。本実施形態の過去実績データベース313は、実際の気象を観測しているサーバから、気象情報を取得し、過去実績データベース313に登録していく等が考えられる。
図5は、本実施形態の過去実績データベース313が記憶する、過去の需要情報とデマンド・レスポンス情報とを保持するレコードの構造を示した図である。図5に示されるように、対象日と、需要実績と、ベースラインと、規模情報と、目標DR(デマンド・レスポンス)量と、実績DR(デマンド・レスポンス)量と、削減率と、インセンティブと、を対応付けて記憶している。このように、行われたデマンド・レスポンスと、デマンド・レスポンスを行った場合の電力の削減結果を示す情報と、が対応付けて記憶されている。
図5に示される、過去の需要実績とデマンド・レスポンス実績とを保持するレコードは、EMS(集約・配分装置)単位、換言すればグループ単位で格納されている。
対象日は、図4と同様に30分単位で設定されている。これにより、図4に示される過去の状況と、行われたデマンド・レスポンス及び過去の削減結果を示す情報と、をグループ単位で対応付けることができる。
需要実績は、集約・配分装置が管理する周辺装置群(例えば、BEMS、HEMS)による需要実績を示す情報とする。ベースラインは、集約・配分装置が管理する周辺装置群(例えば、BEMS、HEMS)によるベースラインとする。規模情報は、集約・配分装置が管理する周辺装置群(例えば、BEMS、HEMS)の規模を示す情報とする。このようにグループに含まれている周辺装置群の規模情報も記録される。
目標DR(デマンド・レスポンス)量は、電力需要調整システム100からグループ毎にデマンド・レスポンスで目標とされた電力の変動量を示している。実績DR量は、当該EMSが管理する周辺装置群がデマンド・レスポンスに応じて実際に変動した電力量を示している。削減率は、電力の削減率を示している。
インセンティブは、当該グループ(配分・集約装置)に対して行われたインセンティブを示している。図5のセル501には、対象日に設定されたインセンティブパターンが格納されている。
本実施形態では、インセンティブの方式として、CPP(Critical Peak Pricing)、PTR(Peak Time Rebate)、CCP(Capacity Committed Program)、TOU(Time Of Use)の4種類が設定可能とする。そして、本実施形態では、インセンティブの方式毎に複数段階設定されている。例えば、CPPの場合、対象日の特定の時間帯により高額な電気料金を設定するインセンティブの方式とする。なお特定の時間帯とは、対象日における電力需要のピーク時間帯とし、季節に応じて変化する。
図6は、本実施形態のCPPの複数段階を例示した図である。図6に示されるように、インセンティブの方式の一つであるCPPには、“CPP1”、“CPP2”、“CPP3”の3段階のインセンティブが設定されている。本実施形態では、数値が大きくなるほど、特定の時間帯(時刻t1〜時刻t2)における、単位電力あたりの電気料金[円/KWh]が増加する一方、他の時間帯での料金を低く設定する。これにより、需要者の料金に対する感度を考察できる。
図5に戻り、セル501に設定された“CPP1”に従って、2014/08/20において、“CPP1”に応じたインセンティブが30分単位で設定される。つまり、0時〜13時まで及び17時以降は、インセンティブとして10[円/kWh]が設定され、電力需要の高い13時〜17時までは、インセンティブとして60[円/kWh]が設定される。
他のインセンティブの方式についても、同様に複数段階設定する。例えば、PTRは、特定の時間帯におけるリベートの料金を、PTR1<PTR2<PTR3と設定する。本実施形態では、インセンティブの方式と段階との組み合わせをインセンティブパターンとも称す。本実施形態のインセンティブパターンは、12種類(4種類×3段階)存在する。
図5に示される例では、規模情報が対応付けられている場合について示した。しかしながら、規模情報が対応付けられていなくても良い。図7は、変形例の過去実績データベース313が記憶する、過去の需要情報とデマンド・レスポンス情報とを保持するレコードの構造を示した図である。図7に示されるように、対象日と、需要実績と、ベースラインと、目標DR(デマンド・レスポンス)量と、実績DR(デマンド・レスポンス)量と、削減率と、インセンティブと、を対応付けて記憶し、規模情報が含まれていない例とする。図7に示される例でも、本実施の形態と同様の効果を得ることができる。
このように、本実施形態の記憶部205は、天気などが示された過去の状況情報と、当該過去の状況で行われたデマンド・レスポンスと、当該デマンド・レスポンスを行った場合の電力の削減結果と、を対応付けて記憶している。
図3に戻り、取得部301は、電力調整の対象地域180における、需要を予測する時間帯における天気等の状況を、天気予報データベース311及びカレンダーデータベース312から取得する。なお、本実施形態では、電力需要の変動に関連する状況として、天気やイベント等を取得する例について説明するが、他の状況を取得しても良い。
供給可能量算出部302は、電力系統から対象地域180に供給できる電力量を算出する。供給可能量算出部302は、電力需要調整システム100に設けられている必要は無く、例えば電力系統を管理する第3者から通信I/F202を介して、対象地域180に供給できる電力量を受信しても良い。
予測部303は、取得部301が取得した予測対象となる時間帯の気象等の状況情報と、過去実績データベース313に記憶されている需要実績、及び気象実績に基づいて、グループ(EMS)毎に30分単位で需要電力量を予測する。なお、需要電力量の予測手法は、周知の手法に制限するものではなく、様々な手法を用いて良い。
目標DR算出部304は、供給可能量算出部302が算出した対象地域180に供給可能な電力量と、予測部303が予測したEMS毎の30分単位の需要電力量と、を比較して、デマンド・レスポンスにより変動させる電力量を算出する。
予測部303が予測した需要電力量の合計が、電力系統の供給可能量の一定比率以上(例えば、95%)を超える場合は、需要家の消費電力を削減するデマンド・レスポンスとなる。デマンド・レスポンスで削減目標として設定された電力量を総目標電力削減量とする。
総目標電力削減量は、式(1)を用いて算出する。なお、a%は比率であり、上記の例では95%が設定される。また、nを時間帯(例えば30分単位)とする。
総目標電力削減量=kWh需要予測(n)−kWh総供給可能量(n)*a%(n)……(1)
なお、kWh需要予測(n)を対象地域180に含まれる全グループが使用されると予測される需要電力量、kWh総供給可能量(n)を電力系統から対象地域180に供給可能な電力量とする。但し、式(1)が利用されるのは、kWh需要予測(n)>kWh総供給可能量(n)*a%(n)が成立している場合とする。
また、予測部303が予測した需要電力量の合計が、電力系統の供給可能量の一定比率以下(例えば、80%)を満たさない場合は、需要家に電力の消費を促すデマンド・レスポンスとなる。デマンド・レスポンスで余剰電力の消費を促す目標として設定された電力量を総目標電力消費量とする。
総目標電力消費量は、式(2)を用いて算出する。なお、b%は比率であり、上記の例では80%が設定される。
総目標電力供給量=kWh総供給可能量(n)*b%(n)−kWh需要予測(n)……(2)
但し、式(2)が利用されるのは、kWh需要予測(n)<kWh総供給可能量(n)*b%(n)が成立している場合とする。
なお、需要家に消費電力の削減を要求するデマンド・レスポンスと、需要家に電力の消費を促すデマンド・レスポンスと、は本質的に変わらないため、本実施形態では、需要家に消費電力の削減を要求するデマンド・レスポンスについて説明し、需要家に電力の消費を促すデマンド・レスポンスについては説明を省略する。また、本実施形態は、デマンド・レスポンスは、30分単位で行う例について説明するが、30分単位に制限するものではなく、15分単位や一時間単位であっても良い。
作成部305は、過去実績データベース313に予め定められた閾値Lより多くのデータが記憶されているか否か、換言すれば今までに行われたデマンド・レスポンスの回数に応じて、実行するデマンド・レスポンスの方式、及び目標電力削減実行する制御を異ならせる。なお、予め定められた閾値Lは、学習が十分であるか否かの順として、実施態様に応じて設定される閾値とする。
本実施形態の作成部305は、過去実績データベース313が空の状態からデマンド・レスポンスを12回実行されるまでの間、予め定められた手法で選択されたインセンティブパターンを、対象地域180に含まれている全グループに対して適用する。これにより、対象地域180に含まれている全ての需要者に同一の方式のデマンド・レスポンスが行われることになる。
図8は、本実施形態で実行可能な、インセンティブの方式の種類と、インセンティブパターンと、を例示した図である。図8に示されるように、本実施形態のインセンティブパターンは、4種類のインセンティブの方式の各々について3段階設けられている。本実施形態では、過去実績データベース313に過去実績を示すデータが全く記憶されていない状態から、デマンド・レスポンスが12回実行されるまでの間、括弧内に示される数値の順番でインセンティブパターンが設定される。
図9は、デマンド・レスポンスが出力される際に設定されるインセンティブパターンを例示した図である。図9に示されるように、過去実績データベース313に記憶されている過去の実績データが12回分以下の場合、換言すればデマンド・レスポンスの実行回数が12回より少ない場合に、作成部305は、デマンド・レスポンスの1回目〜12回目まで、4種類3段階のインセンティブパターンが全て実行されるように設定する。
図9に示されるように、対象地域180に含まれる全てのグループに対して、インセンティブの全方式及び全段階を行うため、対象地域180のグループの数や、インセンティブの方式の種類及び段階が増加するに従って、より多くのデータが蓄積できる。そして、データが蓄積された後には、適切なインセンティブパターンの設定が可能となる。
本実施形態では、図9に示されるように自動的にインセンティブパターンを設定する例について説明するが、自動的にインセンティブパターンを設定することに制限するものではなく、電力需要調整システム100のオペレータがインセンティブパターンを指定しても良い。
このように、本実施形態の作成部305は、過去実績データベース313に予め定められた閾値M(本実施形態では、M=12とし、閾値M<閾値Lとする)より多くのデータが記憶されていない場合、全グループに対して、全てのインセンティブパターンを設定する。これにより、インセンティブパターン毎の需要者の反応を、実績データとして格納できる。
また、作成部305は、過去実績データベース313に記憶されたデータが閾値L以下の場合、グループ毎の電力需要の比率に応じて、目標電力削減量を配分する。本実施形態の作成部305は、式(3)を用いて、グループ毎に目標電力削減量の配分を特定する。
DR配分量EMSi(n)=目標電力削減量(n)*(kwhEMSi(n)/kwh総計(n))……(3)
式(3)において、DR配分量EMSi(n)は、i番目のグループの目標電力削減量の配分であり、kwhEMSi(n)は、グループ毎の電力需要であり、kwh総計(n)は、対象地域180全体の電力需要の総計とする。
配分確定部306は、作成部305により特定された、インセンティブパターン(インセンティブの方式及び段階)、及びグループ毎の目標電力削減量の配分を確定する。確定する制御は、オペレータが行っても良いし、自動で行っても良い。また、必要に応じて、オペレータが目標電力削減量の配分の調整を行ってもよい。
発行部308は、グループ毎に、配分確定部306により確定されたインセンティブパターン及び目標電力削減量の配分で、当該グループの集約・配分装置にデマンド・レスポンスを出力する。これにより、対象地域180に含まれるグループ毎に、作成部305により設定された、目標電力削減量の配分及びインセンティブパターンによるデマンド・レスポンスが行われる。
本実施形態では、デマンドレスポンスの実行回数が、閾値Lより多いか否かに応じて、異なるデマンド・レスポンスが行われる。換言すれば、発行部308は、実行回数が閾値L以下の場合にデマンド・レスポンスを行う制御部、及び実行回数が閾値Lより多い場合にデマンド・レスポンスを行う制御部として機能する。
なお、本実施形態では、グループ毎にデマンド・レスポンスを実行する例について説明するが、デマンド・レスポンスの実行対象をグループに制限するものではなく、対象地域180に含まれている電力の需要者が対象であればよい。
そして、発行部308は、出力先の集約・配分装置から、デマンド・レスポンスによる電力の削減結果を示す情報を取得する。
更新部307は、取得部301が取得した(デマンド・レスポンスが実行されたときの)状況を示す状況情報と、当該状況で行われたグループ毎のデマンド・レスポンスに関する情報と、グループ毎の目標電力削減量の配分と、デマンド・レスポンスによる電力の削減結果を示した情報と、を対応付けて、過去実績データベース313に追加する。
また、更新部307は、電力の削減結果として、各グループで削減された電力の削減率を算出し、削減率を過去実績データベースに登録する。なお、削減率の算出手法は後述する。
図10は、過去実績データベース313に記憶される、グループ毎の削減率を例示した図である。図10に示されるように、デマンド・レスポンスが実行される毎に、各グループの、デマンド・レスポンスによる電力の削減率が登録される。また、本実施形態の過去実績データベース313は、何回目にどのインセンティブパターンが実行されたのかを記憶している。このため、図10に示されるように、デマンド・レスポンスの実行回数と削減率とを対応付けることで、インセンティブパターン毎の削減率を特定できる。
そして、デマンド・レスポンスの実行回数が、予め定められた閾値Mより多くなると、更新部307は、グループ毎に、インセンティブの方式の種類に応じた削減率の平均値を算出し、過去実績データベース313に登録する。
図11は、本実施形態の過去実績データベース313に記憶される、グループ毎のインセンティブの方式に応じた削減率を例示した図である。図11に示されるように、グループ毎にインセンティブの方式に応じた削減率が対応付けられているため、各グループに適切なインセンティブの方式を適用することができる。
そして、本実施形態の作成部305は、過去実績データベース313に閾値M(本実施形態では、M=12とする)より多く、閾値L以下のデータが記憶された場合に、グループ毎に、インセンティブの方式別に平均削減率でソートした上で、平均削減率が高いインセンティブの2種類の方式から、実行するインセンティブの方式をランダムに選択する。
図11に示される場合、グループ1は、CPPとTOUの平均削減率が高い。このため、作成部305は、グループ1のインセンティブの方式として、CPP1〜CPP3、及びTOU1〜TOU3からランダムに選択して、グループ1のインセンティブパターンとして設定する。他のグループについても同様の手法でインセンティブパターンを設定する。
そして、作成部305は、式(3)を用いて、グループ毎に目標電力削減量の配分を設定する。
本実施形態では、上記の手法で設定されたインセンティブパターンでデマンド・レスポンスを行った結果も、過去実績データベース313に蓄積されていく。これにより、様々なデータを蓄積することができる。本実施形態では、削減率が一番高いインセンティブパターン(インセンティブの方式と段階の組み合わせ)ではなく、平均削減率が高いインセンティブの方式から、実行するインセンティブをランダムに選ぶことで、様々なインセンティブを実行することができる。そして、多くのデータが蓄積されていくため、インセンティブへの反応のばらつき等やノイズを考慮した学習を実現できる。そして、作成部305は、過去実績データベース313にデータが蓄積されるに従って、状況に応じたインセンティブパターンが設定されるように制御を行う。
作成部305は、過去実績データベース313に過去実績を示す情報が所定の閾値L以上記憶された場合に、取得部301により取得された天気等の状況と、予め定められた基準以上に関連する、過去実績データベース313に記憶された過去の状況と対応付けられているデマンド・レスポンスの方式及び削減情報に基づいて、対象地域180に含まれている各グループに対してデマンド・レスポンスを行う。
作成部305は、過去実績データベース313に過去実績を示す情報が所定の閾値L以上記憶された場合、取得部301が取得した天気等の状況と、過去実績データベース313に蓄積された過去の状況と、の類似度を算出する。そして、類似度が所定の閾値L以上高い過去の状況で各グループに設定されたインセンティブパターンに基づいて、これから実行する各グループのインセンティブパターンを設定する。
本実施形態では、作成部305は、類似度が最も高い対象日を抽出し、グループ毎の削減可能量を、式(4)を用いて算出する。
DRMAXEMSi(n)=Ki%(n)*総目標電力削減量(n)*需要規模i(n)……(4)
DRMAXEMSi(n)は、i番目のグループにおける最大電力削減可能量を示し、Ki%(n)は、i番目のグループにおける類似日の電力削減率を示し、需要規模i(n)は、i番目のグループにおける規模情報を示している。
また、削減率Ki%(n)は、式(5)を用いて算出される。
i%(n)=(kWhBL(n)―kWh実績(n))/(目標電力削減量i(n)*需要規模i(n))……(5)
kWhBL(n)は、過去の状況(時間帯)(n)におけるi番目のグループのベースラインを示し、kWh実績(n)は、過去の状況(時間帯)(n)におけるi番目のグループの需要実績を示し、目標電力削減量i(n)は、過去の状況(n)におけるi番目のグループの目標電力削減量の配分を示し、需要規模i(n)は、過去の状況(n)におけるi番目のグループの規模情報を示している。なお、需要規模i(n)が無い場合、該当日における一日のうち最大電力量を用いる。
そして、作成部305は、グループ毎の目標電力削減量の配分可能率を式(6)で算出する。
Figure 2017017961
DREMSi%(n)は、i番目のグループにおける配分可能率を示し、Nは対象地域180に含まれている全グループの数を示している。
また、作成部305は、グループ毎の目標電力削減量の配分を式(7)で算出する。
DR配分量EMSi(n)=DREMSi%(n)*総目標電力削減量(n)……(7)
DR配分量EMSi(n)は、i番目のグループの目標電力削減量の配分を示している。
また、作成部305は、過去実績データベース313に過去実績を示す情報が所定の閾値L以上記憶された場合、対象日のインセンティブとして、最も類似した日に適用されたインセンティブパターンを用いる。
本実施形態では、電力需要調整システム100においては、稼働初期において実績データが蓄積されていなくても、各集約・配分装置毎にインセンティブパターンの設定及び目標電力変動量の配分を可能とする。そして、過去の実績データが蓄積された後は、過去の実績データに基づいて適切にインセンティブパターンの設定、及び目標電力変動量の配分を実現できる。
次に、本実施形態の電力需要調整システム100における全体的な処理について説明する。図12は、本実施形態の電力需要調整システム100における上述した処理の手順を示すフローチャートである。
取得部301が、天気予報データベース311から天気や気温などの状況を30分単位で取得する(ステップS1201)。
供給可能量算出部302が、電力系統から対象地域180に供給できる総電力量を算出する(ステップS1202)。
予測部303が、取得部301が取得した予測対象となる時間帯の気象等の状況情報と、過去実績データベース313に記憶されている需要実績、及び気象実績に基づいて、グループ(EMS)毎に30分単位で需要電力量を予測する(ステップS1203)。
目標DR算出部304は、供給可能量算出部302が算出した対象地域180に供給可能な電力量と、予測部303が予測したEMS毎の30分単位の需要電力量と、を比較して、デマンド・レスポンスによる総目標電力削減量を算出する(ステップS1204)。
作成部305が、グループ毎に目標電力削減量を配分すると共に、グループ毎にインセンティブパターン(インセンティブの方式と段階の組み合わせ)を決定する(ステップS1205)。
配分確定部306が、作成部305により決定された目標電力削減量の配分、及びインセンティブパターンを確定する(ステップS1206)。
発行部308が、デマンド・レスポンスとして、グループに対応する集約・配分装置毎に、目標電力削減量の配分、及びインセンティブパターンを出力する(ステップS1207)。
更新部307は、発行部308が発行したグループ毎の目標電力削減量の配分、インセンティブパターン、及び集約・配分装置から受け取った削減結果を示した情報を対応付けて、過去実績データベース313を更新する(ステップS1208)。
本実施の形態では、上述した処理手順により、グループ毎に適切なデマンド・レスポンスの実行を要求できる。
ステップS1205における、グループ毎の目標電力削減量の配分、及びグループ毎のインセンティブパターンの決定は、過去実績データベース313に蓄積されているデータに応じて処理が異なる。そこで、ステップS1205の具体的な処理について説明する。
次に、本実施形態の電力需要調整システム100における、グループ毎の目標電力削減量の配分、及びグループ毎のインセンティブパターンの決定処理について説明する。図13は、本実施形態の電力需要調整システム100における上述した処理の手順を示すフローチャートである。
作成部305は、記憶部205の過去実績データベース313に記憶されたデータが所定の閾値Lより多いか否かを判定する(ステップS1301)。作成部305は、データが所定の閾値L以下と判定した場合(ステップS1301:No)、予め定められた手法に従ってグループ単位で目標電力削減量の配分と、インセンティブパターンとを、特定する(ステップS1302)。
一方、作成部305は、記憶部205の過去実績データベース313に記憶されたデータが所定の閾値Lより多いと判定した場合(ステップS1301:Yes)、記憶部205の過去実績データベース313に、取得部301が取得した状況と類似している類似日の情報を抽出する(ステップS1303)。
作成部305は、ステップS1303で類似日の情報を抽出できたか否かを判定する(ステップS1304)。抽出できなかったと判定した場合(ステップS1304:No)、予め定められた手法に従ってグループ単位で目標電力削減量の配分と、インセンティブパターンとを、特定する(ステップS1306)。
一方、作成部305は、ステップS1303で類似日の情報を抽出できたと判定した場合(ステップS1304:Yes)、過去実績データベース313に基づいて、グループ単位で目標電力削減量と、インセンティブパターンとを特定する(ステップS1305)。
次に、ステップS1302、及びステップS1306における、予め定められた手法に従ってグループ単位の目標電力削減量の配分と、インセンティブパターンとを、特定する手法について説明する。図14は、本実施形態の電力需要調整システム100における上述した処理の手順を示すフローチャートである。
まず、作成部305は、デマンド・レスポンスの実行回数>所定の閾値M(本実施形態では閾値M=12とする)か否かを判定する(ステップS1401)。作成部305が、デマンド・レスポンスの実行回数>所定の閾値Mではないと判定した場合(ステップS1401:No)、各グループのインセンティブパターンを、デマンド・レスポンスの実行回数に基づいて設定する(ステップS1402)。本実施形態では、図9に示されるような設定を行う。
その後、作成部305は、グループ毎に目標電力削減量の配分を算出する(ステップS1403)。ステップS1403では、式(3)を用いて、グループ毎の目標電力削減量の配分を算出する。
一方、作成部305が、デマンド・レスポンスの実行回数>所定の閾値Mと判定した場合(ステップS1401:Yes)、グループ番号i=1と初期値を設定する(ステップS1404)。
作成部305は、グループ番号i≦グループ数Nが成り立つか否かを判定する(ステップS1405)。成り立つと判定した場合(ステップS1405:Yes)、i番目のグループのインセンティブの方式毎の平均削減率を取得する(ステップS1406)。
作成部305は、当該グループのインセンティブの方式を平均削減率が大きい順にソートする(ステップS1407)。作成部305は、平均削減率が大きい2種類のインセンティブの方式からランダムで、インセンティブの方式及び段階を選択する(ステップS1408)。これによりグループのインセンティブパターンが設定される。そして、作成部305は、グループ番号iに1追加して(ステップS1409)、再びステップS1405から処理を行う。
そして、ステップS1405において、グループ番号i≦グループ数Nが成り立たたないと判定した場合(ステップS1405:No)、作成部305は、グループ毎に目標電力削減量の配分を算出する(ステップS1403)。
上述した処理手順により、全てのインセンティブの方式を実行した後、平均削減率の高いインセンティブの方式からランダムで選択することで、最適なインセンティブの方式を効率良く学習できる。なお、本実施形態では平均削減率が大きい2種類のインセンティブの方式から選択する例について説明したが、3種類以上、又は1種類を選択するようにしても良い。
次に、図13のステップS1305における、過去実績データベース313に基づいて、目標電力削減量と、インセンティブパターンを特定する手法について説明する。図15は、本実施形態の電力需要調整システム100における上述した処理の手順を示すフローチャートである。
作成部305は、取得部301が取得した状況と、最も類似度が高い対象日のデータを抽出する(ステップS1501)。
次に、作成部305は、グループ単位で、電力削減可能量を算出する(ステップS1502)。電力削減可能量の算出には、上述した式(4)を用いる。
作成部305は、グループ単位で、配分可能率を算出する(ステップS1503)。配分可能率の算出には、上述した式(6)を用いる。
作成部305は、グループ単位で目標電力削減量の配分を算出する(ステップS1504)。グループ単位で目標電力削減量の配分の算出には、上述した式(7)を用いる。
作成部305は、グループ毎のインセンティブパターン(方式及び段階)として、最も類似度が高い対象日に当該グループに用いられたインセンティブパターン(方式及び段階)を設定する(ステップS1505)。
本実施形態においては、電力需要調整システム100が上述した構成を備えることで、過去実績データベース313にデータが蓄積されていない場合と、データが蓄積されている場合と、に応じたインセンティブパターン(方式及び段階)及並びに目標電力削減量の配分を実現できる。
(第2の実施形態)
第1の実施形態では、グループ毎の最大電力削減可能量に基づいて、目標電力削減量を配分する例について説明した。しかしながら、目標電力削減量の配分を、グループ毎の最大電力削減可能量に基づいた手法に制限するものではない。そこで、第2の実施形態では、第1の実施形態と異なる配分手法について説明する。
第2の実施形態の電力需要調整システム100は、第1の実施形態と同様の構成であるが、作成部305が実行する処理が異なる。
第1の実施形態においては、図13のステップS1305において、図15で示した処理手順で、目標電力削減量と、インセンティブパターンとを、特定していた。これに対して、本実施形態では、図13のステップS1305において、以下に示す処理手順で、目標電力削減量と、インセンティブパターンとを特定する。
図16は、本実施形態の電力需要調整システム100における上述した処理の手順を示すフローチャートである。
作成部305は、取得部301が取得した状況と、最も類似度が高い対象日のデータを抽出する(ステップS1601)。
次に、作成部305は、グループ単位で、電力削減可能量を算出する(ステップS1602)。電力削減可能量の算出には、上述した式(4)を用いる。
作成部305は、電力削減可能量を、当該グループの削減率の高い順にソートする(ステップS1603)。
作成部305は、初期設定として合計配分量=0を設定すると共に、変数i=1を設定する(ステップS1604)。
次に、作成部305は、合計配分量<目標電力削減量を満たしているか否かを判定する(ステップS1605)。合計配分量<目標電力削減量を満たしていると判定した場合(ステップS1605:Yes)、作成部305は、変数i≦グループ数を満たしているか否かを判定する(ステップS1606)。
変数i≦グループ数を満たしていると判定した場合(ステップS1606:Yes)、作成部305は、ステップS1603でソートされたグループのうち、i番目のグループに対して、当該最大可能削減量を、目標電力削減量の配分に設定すると共に、当該最大可能削減量を合計配分量に加算する(ステップS1607)。その後、作成部305は、変数iに1加算して(ステップS1608)、ステップS1605から再び処理を行う。
一方、変数i≦グループ数を満たしていないと判定した場合(ステップS1606:No)、作成部305は、総目標電力削減量から、現在の合計配分量を減算して、融通必要電力量を算出する(ステップS1609)。その後、作成部305は、融通必要電力量を満たすまで、各グループに対して、目標電力削減量の配分を増加させていく(ステップS1610)。その際に、作成部305は、以下の式(8)を用いて、各グループの目標電力削減量の配分を調整していく。
DR配分量EMSi(n)=(1*X%)*DR配分量EMSi(n)……(8)
なお、X%は、配分量を増加させるために予め定められた比率とする。
式(8)に示される配分は、ステップS1603でソートされたグループ順に行う。当該配分のうち、X%*DR配分量EMSi(n)の合計で、融通必要電力量を上回った場合に、処理を終了する。全グループのX%*DR配分量EMSi(n)の合計で、融通必要電力量を上回らなかった場合、X%を増加させて、再度配分を行う。
そして、ステップS1605において、作成部305は、合計配分量<総目標電力削減量を満たしていないと判定した場合(ステップS1605:No)、作成部305は、グループ毎のインセンティブパターンとして、最も類似度が高い対象日に当該グループで用いられたインセンティブパターンを設定する(ステップS1611)。
本実施形態では、第1の実施形態と同様の効果の他に、過去に実行したデマンド・レスポンスのうち、最も反応が良かったグループから優先的に、目標電力削減量を配分していくため、目標電力削減量を達成しやすくなるという効果が生じる。
(第3の実施形態)
第3の実施形態では、第1〜第2の実施形態と異なる配分手法について説明する。
図17は、本実施形態の電力需要調整システム1800で実現されるソフトウェア構成を示したブロック図である。図17に示される例では、第3の実施形態の電力需要調整システム1800は、第1〜第2の実施形態の構成から、DR実績データベース1811が追加された上で、第1〜第2の実施形態と実行する処理が異なる更新部1801と、作成部1802と、を備えたものとする。
図18は、本実施形態のDR実績データベース1811が記憶するレコードの構造を示した図である。図18に示されるように、DR実績データベース1811は、対象日と、グループと、平均削減率と、総削減量と、削減単価と、コストと、インセンティブと、インセンティブの方式(インセンティブパターン)と、を対応付けて記憶している。
対象日、グループ、インセンティブ、インセンティブの方式は、上述した実施形態と同様とする。次に、平均削減率と、総削減量と、削減単価と、コストと、について説明する。
i番目のグループの平均削減率Kave_iは、更新部1801により、下の式(9)に基づいて算出される。
Figure 2017017961
なお、DR1は、デマンド・レスポンスが行われる開始時刻を示し、DRmは、デマンド・レスポンスが終了する終了時刻を示し、mはデマンドレスポンスが行われていた合計時間を示している。
i番目のグループの総削減量ΔkWhiは、更新部1801により、下の式(10)に基づいて算出される。また、ΔkWhi(n)は、時間帯(n)における削減量を示している。
Figure 2017017961
i番目のグループのコストCostCPPは、インセンティブの方式CPPを実行した場合一日あたりのコストとする。コストCostCPPは、更新部1801により、下の式(11)に基づいて算出される。なお、Nは一日の合計時間を示し、YenDR(n)は、時間帯nでデマンド・レスポンスが実行された場合の電気料金単価とする。
Figure 2017017961
i番目のグループのコストCostPTR、は、インセンティブの方式PTRを実行した場合の一日あたりのコストとする。コストCostPTRは、更新部1801により、下の式(12)に基づいて算出される。YenNODR(n)は、時間帯nでデマンド・レスポンスが実行されなかった場合の電気料金単価とし、YenRTR(n)は、時間帯nでRTRにより生じるリベート単価とする。また、kWhBL(n)は、時間帯nにおけるi番目のグループのベースラインを示し、kWh実績(n)は、時間帯nにおけるi番目のグループの需要実績を示している。
Figure 2017017961
なお、CPP、PTR以外のコストの算出手法は、従来から用いられている算出手法を用いても良く、説明を省略する。
そして、更新部1801は、グループから、電力の削減結果を受信した際に、上述した算出手法で各情報を算出した後、対象日と、グループと、平均削減率と、総削減量と、削減単価と、コストと、インセンティブと、インセンティブの方式と、を対応付けてDR実績データベース1811を更新する。
作成部1802は、DR実績データベース1811を参照して、グループ及びインセンティブの方式毎に、当該デマンド・レスポンスのコストと、デマンド・レスポンスを実行した場合の削減量と、の相関関係を作成する。そして、作成部1802は、当該相関関係に基づいて、グループ毎に実行するインセンティブパターンと目標削減量の配分と、を特定する。
図19は、作成部1802により作成された、グループ毎のデマンド・レスポンスのコストと、削減量と、の相関関係を例示した図である。図19に示される例では、横軸が削減量、縦軸がコストとする。図19に示される例では、グループEMS1のPTR及びCPPの相関関係、グループEMS2のPTR及びCPPの相関関係を示している。
例えば、グループEMS2に対して、インセンティブの方式PTRを実行する場合、リベート単価が30円〜150円に変化するに従って、コスト及び削減量が変化する。つまり、インセンティブの方式PTRのリベート単価が低い時と比べて、単価が高くなるに従って、削減量が大きくなると共に、デマンド・レスポンスのコストも高くなる。また、インセンティブの方式PTRを実行した場合に、グループEMS1及びグループEMS2の間で、同じリベート単価であったとしても、削減量及びコストに違いが生じることも確認できる。
そして、作成部1802は、当該相関関係に応じて、グループ毎に、実行するデマンド・レスポンスの方式と、目標削減量と、を特定する。
なお、作成部1802は、図19で示されるような相関関係のグラフを作成するのではなく、以下に示す式で相関関係を作成する。式(13)は、本実施形態のグループEMS1におけるインセンティブパターン毎の削減量、及びコストの関係を示した式群とする。式(13)に示される例では、1番目のグループの削減量X1、及びコストY1を示している。グループ毎の式の数はインセンティブパターンの数と一致する。1番目の式では、1番目のインセンティブパターン(CPP1)における、削減量の範囲をX11L〜X11Uで示し、コストの範囲をY11L〜Y11Uで示している。2番目の式では、2番目のインセンティブパターン(CPP2)における、削減量の範囲をX12L〜X12Uで示し、コストの範囲をY12L〜Y12Uで示している。M番目の式では、M番目(最後)のインセンティブパターン(TOU3)における、削減量の範囲をX1ML〜X1MUで示し、コストの範囲をY1ML〜Y1MUで示している。
Figure 2017017961
式(14)は、本実施形態のグループEMS2におけるインセンティブパターン毎の削減量、及びコストの関係を示した式群とする。式(14)に示される例では、2番目のグループの削減量X2、及びコストY2を示している。1番目の式では、1番目のインセンティブパターン(CPP1)における、削減量の範囲をX21L〜X21Uで示し、コストの範囲をY21L〜Y21Uで示している。2番目の式では、2番目のインセンティブパターン(CPP2)における、削減量の範囲をX22L〜X22Uで示し、コストの範囲をY22L〜Y22Uで示している。M番目の式では、M番目(最後)のインセンティブパターン(TOU3)における、削減量の範囲をX2ML〜X2MUで示し、コストの範囲をY2ML〜Y2MUで示している。
Figure 2017017961
式(15)は、本実施形態のグループEMSNにおけるインセンティブパターン毎の削減量、及びコストの関係を示した式群とする。式(15)に示される例では、N番目のグループの削減量XN、及びコストYNを示している。1番目の式では、1番目のインセンティブパターン(CPP1)における、削減量の範囲をXN1L〜XN1Uで示し、コストの範囲をYN1L〜YN1Uで示している。2番目の式では、2番目のインセンティブパターン(CPP2)における、削減量の範囲をXN2L〜XN2Uで示し、コストの範囲をYN2L〜YN2Uで示している。M番目の式では、M番目(最後)のインセンティブパターン(TOU3)における、削減量の範囲をXNML〜XNMUで示し、コストの範囲をYNML〜YNMUで示している。
Figure 2017017961
そして、本実施形態の作成部1802は、上述した式(13)〜式(15)で示されるような各グループのインセンティブパターン毎のコストと削減量との相関関係に対して、一般的な最適化手法を用いて解く。この解から、最適な目標電力削減量の配分と、インセンティブパターンと、を特定する。なお、最適化手法では、式(16)及び式(17)を満たすように解が求められる。
式(16)は、グループ毎の式(13)〜式(15)で示された削減量X1〜XNの合計が、対象日の総目標電力削減量DRTargetを満たすことを示した式とする。
Figure 2017017961
また、以下に示す式(17)は、式(16)を満たした上で、グループ毎のコストの合計が最小になるようにすることを示した式とする。コストY’iは、i番目のグループにおいて、式(16)の条件を満たした上での、コストの範囲を示している。
Figure 2017017961
本実施形態の作成部1802は、当該式(16)及び式(17)を満たした上で、最適化手法で、目標電力削減量の配分(削減量X1〜XN)と、インセンティブパターンと、を特定する。
また、本実施形態では相関関係が得られなかった場合には、他の手法を用いて、インセンティブパターン、及びグループ毎の目標電力削減量の配分を特定する。
第1の実施形態においては、図13のステップS1305で、図15で示した処理手順で、目標電力削減量と、インセンティブの方式とを、特定していた。これに対して、本実施形態では、図13のステップS1305において、以下に示す処理手順で、目標電力削減量と、インセンティブの方式とを特定する。
図20は、本実施形態の電力需要調整システム1800における上述した処理の手順を示すフローチャートである。
作成部1802は、類似日において、グループ及びインセンティブパターン毎に、当該デマンド・レスポンスのコストと、デマンド・レスポンスを実行した場合の削減量と、の相関関係を算出する(ステップS1701)。これにより、図19で示したような相関関係が示された式が導き出される。
作成部1802は、導き出された式において、各グループのインセンティブパターン毎に、コストと削減量との間に相関関係があるか否かを判定する(ステップS1702)。
相関関係があると判定した場合(ステップS1702:Yes)、相関関係に基づいた最適化手法を適用して、グループ毎の目標電力削減量の配分と、インセンティブパターンと、を特定する(ステップS1703)。
一方、相関関係がないと判定した場合(ステップS1702:No)、作成部1802は、取得部301が取得した状況と、最も類似度が高い対象日のデータを抽出する(ステップS1704)。
次に、作成部1802は、グループ単位で、電力削減可能量を算出する(ステップS1705)。
作成部1802は、電力削減可能量を、削減単価が安い順にソートする(ステップS1706)。
作成部1802は、初期設定として合計配分量=0を設定すると共に、変数i=1を設定する(ステップS1707)。
次に、作成部1802は、合計配分量<目標電力削減量を満たしているか否かを判定する(ステップS1708)。合計配分量<目標電力削減量を満たしていると判定した場合(ステップS1708:Yes)、作成部1802は、変数i≦グループ数を満たしているか否かを判定する(ステップS1709)。
変数i≦グループ数を満たしていると判定した場合(ステップS1709:Yes)、作成部1802は、ステップS1706でソートされたグループのうち、i番目のグループに対して、当該最大可能削減量を配分量に設定すると共に、当該最大可能削減量を合計配分量に加算する(ステップS1710)。その後、作成部1802は、変数iに1加算して(ステップS1711)、ステップS1708から再び処理を行う。
一方、変数i≦グループ数を満たしていないと判定した場合(ステップS1709:No)、作成部1802は、総目標電力削減量から、現在の合計配分量を減算して、融通必要電力量を算出する(ステップS1712)。その後、作成部1802は、融通必要電力量を満たすまで、ステップS1706でソートしたコスト順に、各グループに対して、目標電力削減量の配分を増加させていく(ステップS1713)。なお、コスト順である点を除けば、第2の実施形態と同様の手法として、説明を省略する。
そして、ステップS1708において、作成部1802は、合計配分量<目標電力削減量を満たしていないと判定した場合(ステップS1708:No)、作成部1802は、グループ毎のインセンティブパターンとして、最も類似度が高い対象日に用いられたインセンティブパターンを設定する(ステップS1714)。
本実施形態では、コストと削減量との相関関係を導き出してから、目標電力削減量を配分することで、当該目標電力削減量を削減するためのデマンド・レスポンスを実現すると共に、当該実現のためのコストの削減を実現できる。
また、本実施形態では、相関関係が導出できない場合でも、削減単価が低い順に目標電力削減量を配分することで、デマンド・レスポンスを実現するためのコストの削減を実現できる。
(第4の実施形態)
第4の実施形態では、第1〜第3の実施形態は、一つの配分手法を備えている例について説明した。しかしながら、上述した実施形態は、配分手法を一つのみ備えている例に制限するものではない。第4の実施形態では、複数の配分手法を備えている例について説明する。なお、第4の実施形態の電力需要調整システム1800は、第3の実施形態の構成と同様として説明を省略する。
第4の実施形態の電力需要調整システム1800においては、オペレータからの操作に応じて、インセンティブパターン、及び目標電力削減量の配分と、の特定手法を選択する例とする。なお、選択可能な特定手法としては、第1の実施形態〜第3の実施形態で示した特定手法とする。
次に、本実施形態の電力需要調整システム1800における、グループ毎に目標電力削減量の配分処理、及びグループ毎にインセンティブの方式の決定処理について説明する。図21は、本実施形態の電力需要調整システム1800における上述した処理の手順を示すフローチャートである。
作成部1802は、記憶部205の過去実績データベース313に記憶されたデータが所定の閾値Lより多いか否かを判定する(ステップS2001)。作成部1802は、データが所定の閾値L以下と判定した場合(ステップS2001:No)、予め定められた手法に従ってグループ単位で目標電力削減量と、インセンティブの方式とを、特定する(ステップS2002)。なお、特定手法としては、第1の実施形態の、図14で示した手法を用いる。
一方、作成部1802は、記憶部205の過去実績データベース313に記憶されたデータが所定の閾値Lより多いと判定した場合(ステップS2001:Yes)、記憶部205の過去実績データベース313に、取得部301が取得した状況と類似している類似日の情報を抽出する(ステップS2003)。
作成部1802は、ステップS2003で類似日の情報を抽出できたか否かを判定する(ステップS2004)。抽出できなかったと判定した場合(ステップS2004:No)、予め定められた手法に従ってグループ単位で目標電力削減量と、インセンティブパターンとを、特定する(ステップS2009)。
一方、作成部1802は、ステップS2004で類似日の情報を抽出できたと判定した場合(ステップS2004:Yes)、そして、作成部1802は、オペレータから、入力部251を介して、配分方式の選択を受け付ける(ステップS2005)。選択可能な配分方式は、第1〜第3の方式まで存在する。
そして、作成部1802は、第1の配分方式の選択を受け付けた場合に、第1の配分方式で、グループ単位で目標電力削減量と、インセンティブパターンとを特定する(ステップS2006)。なお、第1の配分方式は、第1の実施形態で示した、目標電力削減量と、インセンティブパターンとを特定する方式とする。
そして、作成部1802は、第2の配分方式の選択を受け付けた場合に、第2の配分方式で、グループ単位で目標電力削減量と、インセンティブパターンとを特定する(ステップS2007)。なお、第2の配分方式は、第2の実施形態で示した、目標電力削減量と、インセンティブパターンとを特定する方式とする。
そして、作成部1802は、第3の配分方式の選択を受け付けた場合に、第3の配分方式で、グループ単位で目標電力削減量と、インセンティブパターンとを特定する(ステップS2008)。なお、第3の配分方式は、第3の実施形態で示した、目標電力削減量と、インセンティブパターンを特定する方式とする。
そして、発行部308が、デマンド・レスポンスとして、グループに対応する集約・配分装置毎に、配分された目標電力削減量、及びインセンティブパターンを出力する(ステップS2010)。その後、上述した実施形態と同様に、過去実績データベース313等の更新が行われる。
本実施形態では、複数の配分方式から、オペレータ選択可能としたため、配分の自由度を向上させることができる。また、システム運用され続けた場合に、対象地域の特性が分かってくるため、対象地域に適切な配分方法を選択することが可能となる。
上述した実施形態では、インセンティブの方式を一つ選択して設定する例について説明したが、一つのグループに設定するインセンティブの方式を一つに制限するものではなく、複数組み合わせても良い。
上述した実施形態においては、電力供給側が電力消費側に電力の使用量を調整するよう依頼することにより電力系統の需給バランスを維持することが可能となる。また、各グループへの適切な電力調整量を策定するとともに地域全体の適切な電力調整を行うことが可能となる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
100、1800…電力需要調整システム、201…演算処理部、202…通信I/F、203…入力I/F、204…出力I/F、205…記憶部、251…入力部、252…出力部、301…取得部、302…供給可能量算出部、303…予測部、304…目標DR算出部、305、1802…作成部、306…配分確定部、307、1801…更新部、308…発行部、311…天気予報データベース、312…カレンダーデータベース、313…過去実績データベース、1811…DR実績データベース。

Claims (12)

  1. 電力調整の対象となる地域における、電力需要の変動に関連する状況が示された状況情報を取得する取得部と、
    過去の状況情報と、当該過去の状況情報で示される状況で行われたデマンド・レスポンスによる電力変動量と、当該デマンド・レスポンスを行った場合の電力の変動結果を示した変動情報と、を対応付けた情報を記憶する記憶部と、
    前記記憶部に記憶された前記情報が所定の閾値以下の場合に、デマンド・レスポンスを実現する複数種類の方式から、予め定められた手法で選択された方式で、前記地域に含まれている電力の需要者に対してデマンド・レスポンスを行う第1の制御部と、
    前記取得部が取得した前記状況情報と、当該状況情報で示される状況で前記第1の制御部により行われたデマンド・レスポンスの方式と、当該デマンド・レスポンスの方式による電力の削減結果が示される削減情報と、を対応付けた情報を前記記憶部に追加する更新部と、
    前記記憶部に前記情報が所定の閾値より多く記憶された場合に、前記取得部により取得された前記状況情報で示される状況と、予め定められた基準以上に関連する、前記記憶部に記憶された前記過去の状況情報と対応付けられている前記デマンド・レスポンスの方式及び前記削減情報に基づいて、前記地域に含まれている電力の需要者に対してデマンド・レスポンスを行う第2の制御部と、
    を備える電力需要制御システム。
  2. 前記記憶部は、前記地域に含まれている需要者を分けたグループ毎に、前記過去の状況情報と、当該過去の状況情報で示される状況で行われたデマンド・レスポンスの方式と、当該デマンド・レスポンスを行った場合の前記削減情報と、を対応付けた情報を記憶し、
    前記第2の制御部は、さらに、前記取得部により取得された前記状況情報で示される状況と、予め定められた基準以上に関連する、前記記憶部に記憶された前記過去の状況情報と対応付けられている、前記グループ毎の前記削減情報の削減結果の比率に応じて、グループ毎にデマンド・レスポンスで変動させる電力量を配分する、
    請求項1に記載の電力需要制御システム。
  3. 前記記憶部は、前記地域に含まれている需要者を分けたグループ毎に、前記過去の状況情報と、当該過去の状況情報で示される状況で行われたデマンド・レスポンスと、当該デマンド・レスポンスを行った場合の前記削減情報と、を対応付けて記憶し、
    前記第2の制御部は、前記記憶部に記憶された前記削減結果で示される電力量の削減率の高い順に、グループ毎に電力の変動量を配分する、
    請求項1に記載の電力需要制御システム。
  4. 前記記憶部は、前記地域に含まれている需要者を分けたグループ毎に、前記過去の状況情報と、当該過去の状況情報で示される状況で行われたデマンド・レスポンスと、当該デマンド・レスポンスを行った場合の前記削減情報と、を対応付けて記憶し、
    前記第2の制御部は、前記記憶部に記憶された前記削減結果で示される削減率の高い順に、グループ毎にデマンド・レスポンスで変動させる電力量を配分する、
    請求項1に記載の電力需要制御システム。
  5. 前記記憶部は、前記地域に含まれている需要者を分けたグループ毎に、前記過去の状況情報と、当該過去の状況情報で示される状況で行われたデマンド・レスポンスと、当該デマンド・レスポンスを行った場合の前記削減情報と、を対応付けて記憶し、
    前記第2の制御部は、前記記憶部に記憶されている前記デマンド・レスポンスを実行した場合のコストが安い順に、グループ毎にデマンド・レスポンスで変動させる電力量を配分する、
    請求項1に記載の電力需要制御システム。
  6. 前記第1の制御部は、前記記憶部に記憶された前記情報が所定の閾値以下の場合に、デマンド・レスポンスを実現する複数種類の方式が実行されるように、デマンド・レスポンスを、前記地域に含まれている電力の需要者に対して行う、
    請求項1に記載の電力需要制御システム。
  7. 電力需要制御システムで実行される電力需要制御方法であって、
    前記電力需要制御システムは、
    過去の状況情報と、当該過去の状況情報で示される状況で行われたデマンド・レスポンスによる電力変動量と、当該デマンド・レスポンスを行った場合の電力の変動結果を示した変動情報と、を対応付けた情報を記憶する記憶部を備え、
    電力調整の対象となる地域における、電力需要の変動に関連する状況が示された状況情報を取得する取得ステップと、
    前記記憶部に記憶された前記情報が所定の閾値以下の場合に、デマンド・レスポンスを実現する複数種類の方式から、予め定められた手法で選択された方式で、前記地域に含まれている電力の需要者に対してデマンド・レスポンスを行う第1の制御ステップと、
    前記取得ステップが取得した前記状況情報と、当該状況情報で示される状況で前記第1の制御ステップにより行われたデマンド・レスポンスの方式と、当該デマンド・レスポンスの方式による電力の削減結果が示される削減情報と、を対応付けた情報を前記記憶部に追加する更新ステップと、
    前記記憶部に前記情報が所定の閾値より多く記憶された場合に、前記取得ステップにより取得された前記状況情報で示される状況と、予め定められた基準以上に関連する、前記記憶部に記憶された前記過去の状況情報と対応付けられている前記デマンド・レスポンスの方式及び前記削減情報に基づいて、前記地域に含まれている電力の需要者に対してデマンド・レスポンスを行う第2の制御ステップと、
    を有する電力需要制御方法。
  8. 前記記憶部は、前記地域に含まれている需要者を分けたグループ毎に、前記過去の状況情報と、当該過去の状況情報で示される状況で行われたデマンド・レスポンスの方式と、当該デマンド・レスポンスを行った場合の前記削減情報と、を対応付けた情報を記憶し、
    前記第2の制御ステップは、さらに、前記取得ステップにより取得された前記状況情報で示される状況と、予め定められた基準以上に関連する、前記記憶部に記憶された前記過去の状況情報と対応付けられている、前記グループ毎の前記削減情報の削減結果の比率に応じて、グループ毎にデマンド・レスポンスで変動させる電力量を配分する、
    請求項7に記載の電力需要制御方法。
  9. 前記記憶部は、前記地域に含まれている需要者を分けたグループ毎に、前記過去の状況情報と、当該過去の状況情報で示される状況で行われたデマンド・レスポンスと、当該デマンド・レスポンスを行った場合の前記削減情報と、を対応付けて記憶し、
    前記第2の制御ステップは、前記記憶部に記憶された前記削減結果で示される電力量の削減率の高い順に、グループ毎に電力の変動量を配分する、
    請求項7に記載の電力需要制御方法。
  10. 前記記憶部は、前記地域に含まれている需要者を分けたグループ毎に、前記過去の状況情報と、当該過去の状況情報で示される状況で行われたデマンド・レスポンスと、当該デマンド・レスポンスを行った場合の前記削減情報と、を対応付けて記憶し、
    前記第2の制御ステップは、前記記憶部に記憶された前記削減結果で示される削減率の高い順に、グループ毎にデマンド・レスポンスで変動させる電力量を配分する、
    請求項7に記載の電力需要制御方法。
  11. 前記記憶部は、前記地域に含まれている需要者を分けたグループ毎に、前記過去の状況情報と、当該過去の状況情報で示される状況で行われたデマンド・レスポンスと、当該デマンド・レスポンスを行った場合の前記削減情報と、を対応付けて記憶し、
    前記第2の制御ステップは、前記記憶部に記憶されている前記デマンド・レスポンスを実行した場合のコストが安い順に、グループ毎にデマンド・レスポンスで変動させる電力量を配分する、
    請求項7に記載の電力需要制御方法。
  12. 前記第1の制御ステップは、前記記憶部に記憶された前記情報が所定の閾値以下の場合に、デマンド・レスポンスを実現する複数種類の方式が実行されるように、デマンド・レスポンスを、前記地域に含まれている電力の需要者に対して行う、
    請求項7に記載の電力需要制御方法。
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