JP5805781B2 - 電力需給計画生成装置及び電力需給計画生成方法 - Google Patents

電力需給計画生成装置及び電力需給計画生成方法 Download PDF

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Description

本発明は、電力需給計画生成装置及び電力需給計画生成方法に関する。
近年、電力の需要及び供給をより柔軟に行うシステムの開発が進められている。このようなシステムは、例えばスマートグリッドと呼ばれる。スマートグリッドでは、電力エネルギーの需要家(例えば、個人住宅、ビルディング、工場等)は、太陽光発電装置(以下「PV(Photovoltaic)」という)等の発電装置及び/又は電力を蓄積できる蓄電装置等を備える。そして、需要家は、電力会社と契約を結ぶことで、自家発電した電力エネルギーを電力会社に供給(売電)することができる。
発電装置を需要家に納入する会社(以下「機器ベンダ」という)は、例えば、電機メーカ又はハウジングメーカ等であり、電力会社とは別の会社である場合が多い。この場合、発電装置を保守点検するのは機器ベンダである。機器ベンダによる発電装置の保守作業は、電力会社及び需要家に影響を及ぼす。例えば、需要家は、発電装置が保守点検されている間、電力会社に売電できない。電力会社は、発電装置が保守点検されている間、需要家から電力の供給を受けることができない。よって、機器ベンダは、発電装置の保守点検を計画する際、需要家の要望及び電力会社の要望も考慮することが望ましい。
特許文献1には、保守作業のスケジュールを単なる耐用年数の経過で決定するだけではなく、補修工事の対象となる機器の重要度とリスクレベルを考慮し、それらを識別しうるように、スケジュール表を表示する補修工事作成方法について記載されている。
特許文献2には、顧客から取得した顧客側での停電作業に関する予定情報に基づいて、停電作業計画を作成する停電作業計画支援システムについて記載されている。
特許文献3には、次のスケジューリング方法について記載されている。スケジュール対象に対する要求者の要求情報を受け付け、スケジュール対象の性質に基づき、要求者の要求を満たし且つ実現可能性のある実現パターンを探索する。そして、要求者の要求と実現パターンと実現パターンの内容とを階層構造データとして記憶装置に格納する。
特開2010−073121号公報 特開2007−244135号公報 特開2002−269104号公報
電力需給に関する関係者(例えば、電力会社、機器ベンダ、及び需要家)がそれぞれ有する要望は必ずしも一致するとは限らない。すなわち、各関係者の要望は競合する可能性がある。したがって、各関係者の要望に基づいて電力に関する計画を立てる際、それぞれの要望を調整する必要がある。一般的に関係者は多数存在する。よって、多数の関係者の要望を調整する作業の処理負荷は大きい。
そこで、本発明の目的は、各関係者の要望を満たす電力需給に関する計画を生成することのできる電力需給計画生成装置及び電力需給計画生成方法を提供することにある。
本発明の別の目的は、各関係者の要望を低処理負荷で調整して、電力需給計画を生成できるようにした電力需給計画生成装置及び電力需給計画生成方法を提供することにある。
本発明の一実施形態に従う電力需給計画生成装置は、各関係者の使用する計算機に通信可能に接続され、各関係者の電力需給についての計画を生成する。電力需給計画生成装置は、記憶部と、各関係者の使用する計算機から電力需給に関する要望を含む要望情報を取得して記憶部に記憶する入力部と、要望情報に基づき、要望情報に含まれる要望が満たされなかった場合のリスクを定量化したリスク値を算出するリスク値算出部と、算出されたリスク値に基づいて各関係者の要望を調整した計画情報を生成する計画生成部と、生成した計画情報を、各関係者の使用する計算機に提示する出力部と、を備える。
好適な実施形態では、各関係者には、少なくとも発電装置を備える需要家と、電力を需要家に供給する電力会社と、発電装置を保守する機器ベンダとが含まれる。そして、入力部は、電力会社の使用する計算機から電力供給に関する要望を含む要望情報を、需要家の使用する計算機から発電装置に関する要望を含む要望情報を、機器ベンダの使用する計算機から発電装置の保守に関する要望を含む要望情報を、それぞれ取得して記憶部に記憶する。リスク値算出部は、電力会社、需要家、及び機器ベンダのそれぞれの要望が満たされなかった場合のリスクを定量化したリスク値を算出する。計画生成部は、電力会社、需要家、及び機器ベンダのそれぞれについて算出されたリスク値の総計に基づいて各要望を調整した計画情報を生成する。出力部は、生成した計画情報を、電力会社の使用する計算機、需要家の使用する計算機、及び機器ベンダの使用する計算機に送信して提示する。
図1は、第1の実施例に係る電力システム1を示す模式図である。 図2は、計画生成装置14の物理構成を示すブロック図である。 図3は、計画生成装置14の機能構成を示すブロック図である。 図4は、各関係者の要望と、定量化式と、リスク式の関係を示すテーブル400の一例である。 図5は、計画情報400の一例を示す図である。 図6は、計画生成装置14における全体の処理を示すフローチャートである。 図7は、電力会社、機器ベンダ、及び需要家の、各要望間の関連度を示す要望関連テーブル600の一例である。 図8は、要望を満たせない理由を示す理由テーブル610の一例である。 図9は、計画生成部208が、要望を満たせない理由を表示する処理のフローチャートを示す。 図10は、第2の実施例に係る計画生成装置14bの機能構成を示すブロック図である。 図11は、需要家の要望の類似性を示すテーブルである。 図12は、グループ生成部209において需要家グループを形成する処理のフローチャートである。 図13は、グループ生成部209において個別計画情報を生成する処理のフローチャートである。 図14は、第3の実施例に係る計画生成装置14cの機能構成を示すブロック図である。 図15は、計画情報700の修正の一例を示す。 図16は、要望候補の表示画面710の例である。 図17は、要望候補生成部210の処理のフローチャートである。 図18は、要望候補生成処理のフローチャートである。 図19は、本実施例に係る需要家グループの構成を示す。 図20は、需要家グループ内を調整する処理のフローチャートである。 図21は、帰属スコアテーブルの一例を示す。 図22は、帰属スコアの算出を考慮して需要家グループを構成するフローチャートである。
本実施形態では、以下に述べるように、各関係者の要望をできるだけ調整して、電力需給計画を生成する。
本実施例は、電力需給についていの各関係者(電力会社、機器ベンダ、需要家)の電力需給に関する要望を調整して電力需給に関する計画情報を生成するための基本的な形態を示す。電力需給計画には、例えば、電力会社の電力供給計画、機器ベンダが設置した発電装置(以下、代表して「PV」という)の保守点検計画、需要家の発電計画及び消費計画等が含まれる。
図1は、第1の実施例に係る電力システム1を示す模式図である。電力システム1は、電力会社の使用する計算機11、機器ベンダの使用する計算機12、及び需要家の使用する計算機13と、それら各計算機11〜13に双方向通信可能に接続される電力需給計画生成装置14を備える。以下、電力需給計画を単に計画と呼ぶ場合がある。電力需給計画生成装置は、計画生成装置と呼ぶことがある。
各関係者の計算機11〜13は、それぞれの電力需給に関する要望を含む要望情報を、通信網を介して計画生成装置14に送信する(110a、110b、110c)。計画生成装置14は、各計算機11〜13から受信した要望情報に基づいて、各関係者の電力需給に関する計画情報を生成し、その計画情報を通信網を介して各関係者の計算機11〜13に送信する(111a、111b、111c)。
本実施例では、電力会社の使用する計算機11と、機器ベンダの使用する計算機12と、需要家の使用する計算機13、及び計画生成装置14は、それぞれ別の計算機装置であるかのように説明する。しかし、例えば、電力会社が備える計算機11が計画生成装置14を兼ねてもよい。例えば、計画生成装置14は、複数の需要家から構成されるコミュニティが運営してもよい。その場合、各需要家の計算機13と需要家コミュニティ毎の計画生成装置14とを共通の計算機として構成してもよい。
図2は、計画生成装置14の物理構成を示すブロック図である。計画生成装置14は、例えば、CPU(Central Processing Unit)21と、メモリ22と、補助記憶装置23と、通信インタフェース(以下「I/F」という)24とを備える。
CPU21は、記憶装置23からコンピュータプログラム(以下「プログラム」という)を読み出し、プログラムに含まれる処理を実行することにより、後述する各種機能を実現する。メモリ22は、CPU21がプログラムを実行する際に必要なデータを一時的に保持する。メモリ22は、例えばDRAM(Dynamic Random Access Memory)等の揮発性媒体で構成される。記憶装置23は、プログラム及びデータを永続的に保持する。記憶装置23は、例えばHDD(Hard Disk Drive)又はフラッシュメモリ等で構成される。通信I/F24は、通信網を介して他の計算機装置等とデータの送受信を行う。通信I/F24は、例えばNIC(Network Interface Card)等で構成される。なお、各関係者の計算機11〜13も、CPUとメモリ及び通信I/F等を備えて構成される。
図3は、計画生成装置14の機能構成を示すブロック図である。データベースをDBと略記する。計画生成装置14は、例えば、入力部201と、出力部202と、要望情報DB203と、定量化情報DB204と、計画情報DB205と、定量化部206と、リスク値算出部207と、計画情報生成部208とを有する。
入力部201は、電力会社の計算機11と、機器ベンダの計算機12、及び需要家の計算機13から要望情報を取得して(又は入力されて)、要望情報データベース203に登録する。要望情報とは、各関係者の電力需給に関する要望を含む情報である。要望情報の詳細については後述する。
出力部202は、計画情報DB205から電力需給に関する計画情報を抽出して、その計画を各関係者の計算機11〜13に送信し、提示する。各関係者とは、例えば、電力会社であれば配電計画を立てる者、機器ベンダであればPVの保守点検計画を立てる者、需要家であればPV発電計画又は電力消費計画を立てる者である。出力部202は、各関係者の計算機11〜13に対して、当該計画を承認するか否かを問い合わせる。
定量化部206は、各要望情報に含まれる要望を定量化する。各関係者の要望を比較できるようにするためである。具体的には、定量化部206は、要望を表現する数式(以下「定量化式」という)等を生成する。定量化部206は、例えば、要望を、電力量又は損益額等として算出可能な定量化式を生成する。定量化部206は、要望情報を定量化した数式等の情報(以下「定量化情報」という)を定量化情報DB204に登録する。定量化情報の詳細については後述する。
リスク値算出部207は、所定のリスクに関する情報と定量化情報に基づいて、要望情報に含まれる要望が満たされなかった場合のリスクを定量化する。リスクを比較できるようにするためである。具体的には、リスク値算出部207は、リスクを表現する数式(以下「リスク式」という)等を生成する。リスク値算出部207は、リスクを電力量又は損益額等として算出可能なリスク式を生成する。リスク値算出部207は、リスク式からリスク値を算出する。リスク値は、リスクの大きさに基づいて重み付けされてもよい。リスク値算出部207は、算出したリスク値を定量化情報DB204に登録する。以下、リスク式及びリスク値について説明する。
図4は、各関係者の要望と、定量化式と、リスク式の関係を示すテーブル400の一例である。要望欄301には、各関係者の要望が記憶される。定量化式欄302には、要望を電力量または損益額として表現するための定量化式が記憶される。リスク式欄303には、要望が満たされなかった場合のリスクを電力量または損益額として表現するためのリスク式が記憶される。
テーブル400によれば、電力会社は、例えば「或るエリアの13時〜15時の電力供給量は100kw〜1000kwとしたい」という要望301aを登録している。定量化部206は、この要望301aに基づき、例えば、数1に示す以下の定量化式を生成する(302a)。なお、以下の説明では、数式のことを、例えば、数1、または、式(1)のいずれかの表現で説明する。数1と式(1)または(1)式とは、同一の数式を指している。
Figure 0005805781
ここで、di(t)は、時刻tにおいて電力会社が或る需要家(13)iに供給する電力(以下「電力供給値」という)である。T1及びT2(T1<T2)は時刻である。Xは電力供給量の下限値、Yは電力供給量の上限値である。また、和Σ下にあるUは、或るエリアに存在する需要家の集合を表す。そのため、和Σは、或るエリアに存在する需要家全体に渡ってとることを意味する。よって、定量化式(1)は、或るエリアに存在する各需要家の時刻T1から時刻T2までの時間帯における電力供給量(電力供給値di(t)を時間積分した値)のエリアでの総和が、電力供給量X以上かつ電力供給量Y以下を満たすことを表現する。数1に示す定量化式に要望301aの内容を当てはめると、時刻T1は「13時」、時刻T2は「15時」、電力供給量の下限値Xは「100kW」、電力供給量の上限値Yは「1000kW」となる。
リスク値算出部207は、数1に示す定量化式に基づいて、例えば、以下のリスク式を生成し、リスク値を算出する(303a)。
Figure 0005805781
ここで、R(x)はランプ関数であり、引数xが0以下の場合、関数R(x)の値は「0」となり、引数xが「0」より大きい場合、関数R(x)の値は「x」となる。
数2に示すリスク式から算出されるリスク値は、或るエリアの各需要家に対する電力供給量の総和が、電力供給量の下限値X以上、かつ上限値Y以下である場合に「0」となる。すなわち、電力会社の作成する電力供給計画が定量化式(数1)を満たす場合、リスク値は最小の「0」となる。一方、或るエリアの各需要家に対する電力供給量の総和が、電力供給量の下限値Xよりも小さくなるほど、または、電力供給量の上限値Yよりも大きくなるほど、リスク値は大きくなる。すなわち、電力供給計画が電力会社の要望から乖離するほど、リスク値は大きくなる。
テーブル400によれば、機器ベンダは、例えば「需要家のPVを3か月以内に保守点検したい」という要望301bを有する。機器ベンダがPVを保守点検している間、PVは発電できない。すなわち、保守点検の作業中、PVの発電量が「0」となる。そこで、上記の要望301bは、保守点検作業に要する標準的な所要時間をw(時間)とすると、「3か月以内にPVの発電量を、連続w時間「0」にしたい」と変換できる。そして、定量化部206は変換した要望に基づき、例えば、下記数3に示す定量化式を生成する(302b)。
Figure 0005805781
ここで、gi(t)は、需要家iが時刻tにおいてPVが発電する電力の値(以下「発電値」という)である。Nは期間の数であり、Tpは或る時刻である。よって、数3に示す定量化式で算出される値は、或る需要家Uにおいて時刻Tpから時刻Tp+wまでの時間帯における発電量(発電値g(t)を時間積分した値)を、期間N(例えば、N=3か月)でスライドさせながら積をとった値である。したがって、定量化式(数3)の値は、期間Nにおいて、いずれか1回でも時刻Tpから時刻Tp+wまでの時間帯における発電量が「0」であった場合に「0」となる。
リスク値算出部206は、この定量化式(数3)に基づいて、例えば、下記数4に示すリスク式を生成し、リスク値を算出する(303b)。
Figure 0005805781
すなわち、数4に示すリスク式によれば、3か月以内にPVの保守点検が実施される計画のリスク値は、最小値の「0」となる。3か月以内にPVの保守点検が実施されない計画のリスク値は「1」となる。
テーブル400によれば、需要家は、例えば「日曜日はできるだけPVによる発電で消費電力を賄いたい」という要望301cを有する。定量化部206は、この要望301cに基づき、例えば、下記数5に示す定量化式を生成する(302c)。
Figure 0005805781
ここで、Gsuniは、需要家iの過去の日曜日における消費電力量の平均値である。すなわち、定量化式(数5)は、或る日曜日の0時から24時(1日)までのPVの発電量を、過去の日曜日における消費電力量の平均値よりも大きくしたいという、需要家の要望を表現している。
リスク値算出部206は、定量化式(数5)に基づいて、例えば、下記数6に示すリスク式を生成し、リスク値を算出する(303c)。
Figure 0005805781
リスク式(数6)によれば、或る日曜日のPVに関する発電計画が、過去の日曜日の消費電力量の平均値よりも大きい場合、リスク値は最小の「0」となる。或る日曜日のPVの発電に関する計画が、過去の日曜日の消費電力量の平均値に満たない場合は、発電量と平均消費電力量との差分に比例して、リスク値が大きくなる。
上述の定量化式及びリスク式は、各関係者がそれぞれ、自己の要望に基づいて定義してもよいし、計画生成装置14を運営する運営者がまとめて定義してもよい。要望から定量化式及びリスク式を正確に定義することが難しい場合は、近似式を定義してもよい。近似式の定義も難しい場合は、その旨を計画生成装置14の運営者等に伝えるようにしてもよい。新たな要望が発生した場合は、新たな定量化式及びリスク式を生成してもよい。本実施例では、関係者の要望を電力量に換算するための、定量化式及びリスク式を生成する場合を述べた。これに代えて、他の単位に換算してもよい。例えば、要望を損益額に換算するための、定量化式及びリスク式を生成してもよい。
リスク値算出部207の説明に戻る。リスク値算出部207は、生成したリスク式に対して、リスク係数を追加してもよい。リスク係数は、要望が満たされなかった場合に電力システム1に与える悪影響の大きさに基づいて決定される。すなわち、電力システム1に大きな悪影響を与えるリスクに対しては、大きいリスク係数を追加し、悪影響の小さいリスクに対しては、小さいリスク係数を追加する。以下、具体例を用いて説明する。
リスク値算出部207は、例えば、電力会社の要望301aが満たされなかった場合において、電力系統の事故が発生する確率、及びその事故が発生した場合の損失額等を算出し、この値に基づいてリスク係数を決定する。
例えば、100戸の需要家において10分間の停電が発生した場合の損失額を、仮に約100万円と仮定する。電力単価を10円/kWhと仮定する。電力会社の要望が満たされなかった場合に停電が発生する確率を0.5と仮定する。この場合のリスク係数は、例えば、以下の式(7)のように算出される。
(数7)
0.5×100万(円)/10(円/kWh)=5万(kWh) …(7)
リスク値算出部207は、上述のリスク式(数2)で算出されたリスク値を、数7によって算出されたリスク係数によって調整し、調整リスク値を算出する。
なお、どのように要望が満たされなかったかよってリスクが異なる場合、複数のリスク係数を用いて調整リスク値を算出してもよい。例えば、電力会社の電力供給量が電力会社の要望である下限値Xを下回った場合に停電が発生する確率と、電力会社の要望である上限値Yを上回った場合に停電が発生する確率とが異なると仮定する。この場合、リスク値算出部は、例えば、下限値Xを下回って算出されたリスク値には、その場合に停電が発生する確率に基づいて算出されたリスク係数を用いて、調整リスク値を算出する。上限値Yを上回って算出されたリスク値に対しても同様である。
同様に、リスク値算出部207は、機器ベンダの要望301bが満たされなかった場合において、PVが故障する確率、及びPVの故障が発生した場合の損失額等を算出し、この値に基づいてリスク係数を決定する。
同様に、リスク値算出部207は、需要家の要望301cが満たされなかった場合において、電力料金の損失額(自家発電できなかったために、電力会社から購入した電気代金)等を算出し、この値に基づいてリスク係数を決定する。以下、図3の説明に戻る。
計画生成部208は、定量化情報DB204に登録されている定量化情報に含まれるリスク値に基づいて、各関係者の要望を調整して、計画情報400(図5で後述)を生成する。計画生成部208は、各関係者の要望を組み合わせたときのリスク値の総計が最小となるように要望を調整して、計画情報を生成してもよい。計画生成部208は、例えば、ラグランジュ緩和法等の既存のスケジュール算出手法を用いて、計画情報400を生成してもよい。
計画生成部208は、生成した計画情報400を計画情報DB205に登録する。以下、計画情報400について説明する。
図5は、計画情報400の一例を示す図である。計画情報400は、電力需給計画を各時間帯毎に、かつ、各需要家毎の各蓄電装置及びPV毎に管理する。計画情報400において、行401は日付を示し、行402は時刻を示す。行403は、各日時において各PVが計画している発電量を示す。例えば、値410は、「7月1日の6時から12時までの間において、PV(1)は5kwの発電を計画している」ことを示す。行404は、各日時において各蓄電装置が計画している蓄電量を示す。行405は、各日時において需要家が売電又は買電を計画している電力量を示す。行405において、正の値が買電を示し、負の値が売電を示す。「×」は、PVの保守点検が計画されている日時である。例えば、値411の「×」は、「7月31日の12時から18時までの間において、PV(1)の保守点検が計画されている」ことを示す。行406は、各日時において、電力会社が或るエリアに供給する電力供給量の総和である。
計画情報400において、PVの発電計画403、蓄電装置の蓄電計画404、及び売買計電力405は、基本的に、需要家の要望301cに基づいて(要望301cを優先して)計画される。総電力供給量の計画406は、基本的に、電力会社の要望301aに基づいて(要望301aを優先して)計画される。PVの保守点検の計画(計画情報の「×」印)は、基本的に、機器ベンダの要望301bに基づいて(要望301bを優先して)計画される。
図6は、計画生成装置14における全体の処理を示すフローチャートである。
入力部201は、電力会社の計算機11と、機器ベンダの計算機12及び需要家の計算機13から、それぞれ要望情報を取得して要望情報DB204に登録する(S101)。関係者は、入力デバイスを介して要望情報を計画生成装置14に入力してもよい。計画生成装置14は、通信I/F24を介して各計算機11〜13から要望情報を受信してもよい。
定量化部206は、要望情報DB204に登録されている要望情報に基づいて、定量化式を生成し、定量化情報DB204に登録する(S102)。
リスク値算出部207は、定量化情報DB204に登録されている定量化式に基づいてリスク式を生成し、リスク値を算出する。そして、リスク値算出部207は、生成したリスク式及び算出したリスク値を定量化情報DB204に登録する(S103)。なお、リスク値算出部207は、リスク係数を生成し、このリスク係数を用いてリスク値を算出してもよい。
計画生成部207は、定量化情報DB204に登録されているリスク値の大きさに基づいて、各関係者の要望を調整する(S104)。
計画生成部207は、調整された要望に基づいて計画情報400を生成し、計画情報DB205に登録する(S105)。
出力部202は、計画情報DB205から計画情報400を抽出して、当該計画情報を各関係者の計算機11〜13に送信し、提示する(S106)。
出力部202は、各関係者の計算機11〜13に対して提示した計画で問題ないか否かを問い合わせる(S107)。
各関係者の全員が提示された計画で問題ないと承認した場合(S107:YES)、出力部202は、提示した計画を確定し、当該処理を終了する(END)。
いずれかの関係者が、提示された計画に問題があるとして承認しなかった場合(S107:NO)、出力部202は、計画の再調整回数を示すカウント値Nが予め設定される所定回数ThN以下である否かを判断する(S108)。
今回の計画再調整がThN回目以下である場合(S108:YES)、出力部202は、各関係者の計算機11〜13から、要望の変更、追加、又は削除等を受け付ける(S101)。計画生成装置14は、変更、追加、又は削除等された要望情報を用いて、計画を再調整する(S102〜S107)。
今回の計画の再調整がThN回目よりも大きい場合(S108:NO)、出力部202は、今回提示した計画を確定し、当該処理を終了する(END)。つまり、規定回数ThNを越えて再調整しても、関係者全員の承認を得られない場合は、最後に提示した計画を採用する。
以上の処理により、計画生成装置14は、各関係者の要望を調整した計画情報を生成できる。
なお、上記のステップS107において、関係者全員の承認を必要としているが、これに代えて、所定の割合以上の承認を得られればよいとしてもよい。例えば、単純な多数決に従って、計画情報が承認されたか否かを判断してもよい。さらには、電力会社、機器ベンダ、需要家の、それぞれの判断に重みを付けて、計画情報が承認されたか否かを判定してもよい。その場合、例えば、電力会社の意向が優先して反映されるように、電力会社からの承認には最も大きい重み係数を設定してもよい。なお、計画を再調整する場合(S108:YES)、承認した関係者の計画は確定とし、承認しなかった関係者間で計画を再調整してもよい。例えば、複数の需要家のうち、或る一つの需要家が計画を承認し、他の複数の需要家がその計画を承認しなかった場合、他の複数の需要家と機器ベンダ及び電力会社の間で、計画を再修正してもよい。
本実施例では、計画生成装置14は、電力会社、機器ベンダ、及び需要家の三者間の要望を一度にまとめて計画を調整した。しかし、例えば、需要家に強い要望がない場合(リスク値が小さい場合)、又は、需要家が電力会社及び機器ベンダの要望を優先する契約をしている場合は、次のように調整してもよい。すなわち、計画生成装置14は、まず電力会社と機器ベンダの二者間で計画を調整し、その後に、調整済の計画を需要家に提示してもよい。
保守点検の頻度がそれほど高くない場合、又は保守点検の作業が電力系統にそれほど影響を及ぼさない場合(リスク値が小さい場合)等は、次のように調整してもよい。すなわち、計画生成装置14は、まず機器ベンダと需要家の二者間で計画を調整した後、調整済の計画を電力会社に提示してもよい。
電力会社と需要家との間の電力の売買が重視される場合(リスク値が大きい場合)等は、次のように調整してもよい。すなわち、計画生成装置14は、まず電力会社と需要家の二者間で計画を調整した後、調整済の計画を機器ベンダに提示してもよい。機器ベンダは、調整済の計画に基づいて保守計画を立てることができる。本発明は、これらいずれの場合にも適用可能である。
計画生成部208は、電力会社及び機器ベンダの要望と、需要家の要望との間に競合が生じて需要家の要望を満たせない場合、要望を満たせない理由を生成して、需要家に提示してもよい。以下、その実施例を説明する。
図7は、電力会社、機器ベンダ、及び需要家の、各要望間の関連度を示す要望関連テーブル600の一例である。例えば、要望関連テーブル600によれば、電力会社の要望(1)と需要家の要望(4)との関連度は「5」であり(601a)、強い関連性がある。これに対し、機器ベンダの要望(2)と需要家の要望(4)の関連度は「0」であり、関連性がない(601b)。
図8は、要望を満たせない理由を示す理由テーブル610の一例である。例えば、要望関連テーブル600に示すように、需要家の要望(4)は、電力会社の要望(1)と強い関連性があり(601a、611a)、機器ベンダの要望(2)とは関連性がない(601b、611b)。したがって、計画生成部208は、もし需要家の要望(4)が満たせない場合は、関連性の強い電力会社の要望(1)に対応する理由612「要望(4)は、配電のリスクを高めるため満たせません」を、計画に対応付ける。
図9は、計画生成部208が、要望を満たせない理由を表示する処理のフローチャートを示す。
計画生成部208は、需要家の要望を一つ指定する(S601)。計画生成部208は、要望関連テーブル600を参照し、指定した要望と関連する他の要望を検索する(S602)。
計画生成部208は、ステップS602において、関連する他の要望が検索されたか否かを判定する(S603)。
他の要望が検索されなかった場合(S603:NO)、計画生成部208は、当該処理を終了する(END)。
他の要望が検索された場合(S603:YES)、計画生成部208は、検索された複数の他の要望の中で関連度が最大の要望を選択する(S604)。
計画生成部208は、要望関連テーブル600から、ステップS601で指定した要望とステップS604で選択された関連度の高い要望とで決定される理由を抽出し、その理由を提示する(S607)。
本実施例によれば、電力会社、機器ベンダ、及び需要家のそれぞれの要望を反映させて電力需給に関する計画を生成できる。
本実施例によれば、要望が満たされなかった場合のリスクの大きさを考慮した計画を生成できる。
本実施例によれば、要望が満たされなかった場合に、それに代わるインセンティブを付与したり、要望が満たされなかった理由を提示したりすることができる。
本発明の他の実施例を説明する。以下に述べる各実施例は、第1実施例の変形例に相当するため、第1実施例との相違を中心に説明する。第2の実施例では、複数の需要家を1つのグループ(以下「需要家グループ」という)にまとめ、電力会社と、機器ベンダと、需要家グループとの間で計画を調整する。一般的に需要家は多数存在する。よって、もし計画生成装置14が各需要家のそれぞれの要望を聞いて計画を調整した場合、計画生成装置14の処理負荷が大きくなり過ぎてしまう虞がある。そこで、本実施例では、以下に述べるように、複数の需要家をグループ化して、要望を管理する。
図10は、第2の実施例に係る計画生成装置14bの機能構成を示すブロック図である。本実施例に係る調整装置14bは、第1実施例の計画生成装置14と同様に、例えば、入力部201と、出力部(UI部)202と、要望情報DB203と、定量化情報DB204と、計画情報DB205と、定量化部206と、リスク値算出部207と、計画生成部208とを備える。さらに、本実施例の計画生成装置14bは、グループ生成部209を有する。
グループ生成部209は、複数の需要家をまとめて需要家グループを形成する。グループ生成部209は、需要家グループに属する複数の需要家の要望に基づき、需要家グループの要望(以下「グループ要望」という)を生成する。グループ生成部209は、生成したグループ要望を、入力部201に入力する。すなわち、定量化部206、リスク値算出部207、及び計画生成部208は、グループ要望を用いて計画情報(グループ計画)を生成する。グループ生成部209は、グループ計画に基づき、その需要家グループに属する需要家毎の計画(以下「個別計画」という)を生成する。個別計画は、計画情報DB205に登録される。
次に、グループ生成部209が、需要家グループを形成する方法について説明する。グループ生成部209は、グループ要望と個別計画をできるだけ容易に生成できるように、需要家グループを形成する。例えば、類似する要望を有する需要家(以下「類似需要家」という)同士をグループ化した方が、グループ要望の生成は容易になる。一方、相反する要望を有する需要家(以下「相反需要家」という)同士をグループ化した方が、需要家間において、計画の競合は発生しにくいので、個別計画の生成が容易になる。そこで、グループ生成部209は、類似需要家と相反需要家とが所定の割合で含まれるように、需要家グループを形成し、その需要家グループに属する各需要家のうち、類似需要家の要望に基づいてグループ要望を生成する。
グループ生成部209は、個別計画を生成する際、まずはグループ計画と類似需要家の要望に基づいて、類似需要家毎の個別計画を生成する。そして、グループ生成部209は、類似需要家の間で個別計画の競合が生じる場合、相反需要家の要望を満たすことによって類似需要家間の競合を解消するように調整する。
グループ生成部209は、要望が満たされない個別計画を生成した場合、その個別計画を提示する需要家に与えるインセンティブを決定する。インセンティブは、例えば「次回の要望を優先的に適用する」、「電力料金を割り引く」などである。すなわち、計画生成装置14bは、要望が満たされない個別計画を承認した需要家に対して、その代償としての別の特典を付与する。
図11は、需要家の要望の類似性を示すテーブルである。
需要家(1)と需要家(2)とは、それぞれ「日曜日はできるだけPVで発電した電力を利用したい」という要望631aと631bを有すると仮定する。需要家(3)は、「土曜日と日曜日はできるだけPVで発電した電力を利用したい」という要望631cを有すると仮定する。需要家(4)は、「月曜日〜金曜日はできるだけPVで発電した電力を利用したい」という要望631dを有すると仮定する。
需要家(1)と需要家(2)の要望は同じなので、両者の要望の類似値は「1」である。需要家(1)と需要家(3)の要望は同一ではないが類似しているので、その類似値は「0.5」である。需要家(1)と需要家(4)の要望は完全に相反しているので、類似値は「0」である。すなわち、類似値は「1」に近いほど類似性が高く、「0」に近いほど類似性が低い(相反性が高い)。この場合、グループ生成部209は、類似値の高い類似需要家(1)〜(3)と、類似値の低い(相反性の高い)相反需要家(4)とで一つの需要家グループを形成する。
グループ生成部209は、類似需要家(1)〜(3)の要望に基づき、例えば、「土曜日と日曜日はできるだけPVで発電した電力を利用したい」というグループ要望を生成する。もし、グループ要望に基づいて生成された計画に、「日曜日にPVの保守点検を行う」が含まれていた場合、類似需要家(1)〜(3)は、いずれも日曜日のPVの保守点検を望んでいない。すなわち、類似需要家(1)〜(3)の個別計画を生成する際に競合が発生する。しかし、グループ生成部209は、相反需要家(4)を予め需要家グループに加入させているので、この相反需要家(4)に「日曜日のPVの保守点検」を割り当てることができる。つまり、同一の需要家グループに含められる相反需要家は、個別計画の矛盾(競合)を解消するためのバッファとして利用することができる。
同一の需要家グループに属する、類似需要家と相反需要家の割合は、固定値であってもよいし、可変値であってもよい。類似需要家と相反需要家の割合は、例えば、過去に個別計画を生成する際に発生した競合回数等の履歴に基づいて、適宜変更されてもよい。
なお、需要家が複数の要望を有する場合、グループ生成部209は、各要望に対してそれぞれ類似値を算出してもよい。例えば、或る需要家が、上述の「日曜日はできるだけPVで発電した電力を利用したい」という要望に加え、「夜間は積極的に電力会社から電力を購入して蓄電装置に蓄積したい」という要望を有すると仮定する。この場合、グループ生成部209は、PVの発電に関する要望の類似性に基づく需要家グループと、蓄電に関する要望の類似性に基づく需要家グループとをそれぞれ形成し、該需要家をいずれかのグループに所属させる。
図12は、グループ生成部209において需要家グループを形成する処理のフローチャートである。
グループ生成部209は、各需要家13の間の類似値を算出する(S201)。グループ生成部209は、類似性の高い需要家13をまとめて需要者グループを形成する(S202)。
グループ生成部209は、ステップS202において類似性の高い需要家同士で形成された需要家グループに、類似性の低い(相反性の高い)需要家を所定の割合で加入させる(S203)。
グループ生成部209は、需要家グループにおける類似需要家の要望に基づいて、グループ要望を生成する(S204)。
グループ生成部209は、生成したグループ要望を入力部201に入力する(S205)。これにより、入力部201にグループ要望が入力され、需要家グループに対応する計画(グループ計画)が生成される。
図13は、グループ生成部209において個別計画情報を生成する処理のフローチャートである。
グループ生成部209は、グループ要望に基づいて生成された計画情報(グループ計画情報)を計画情報DB205から取得する(S301)。
グループ生成部209は、グループの計画情報とそのグループを構成する各需要家の要望とを満たすように、各類似需要家の個別計画を生成する(S302)。
グループ生成部209は、個別計画の生成において競合が発生するか否かを判定する(S303)。競合が発生しない場合(S303:NO)、グループ生成部209は、ステップS306の処理に進む。競合が発生する場合(S303:YES)、グループ生成部209は、相反需要家の要望を満たすことによって競合を解消できるか否かを判定する(S304)。競合を解消できる場合(S304:YES)、グループ生成部209は、類似需要家の個別計画を生成し、ステップS306の処理に進む。
競合を解消できない場合(S304:NO)、グループ生成部209は、要望が満たされない個別計画に対するインセンティブを決定し、ステップS306の処理に進む(S305)。
グループ生成部209は、相反需要家の個別計画を生成する(S306)。グループ生成部209は、需要家グループに属する各需要家に、それぞれの個別計画を提示する(S307)。このとき、要望が満たされなかった個別計画を提示する際は、その代償として与えられるインセンティブ及び/又は要望が満たせなかった理由等を合わせて提示してもよい。
需要家グループに属する各需要家は、提示された個別計画を承認するか否かを決定する(S308)。需要家グループに属する需要家全員が各自の個別計画を承認した場合(S308:YES)、グループ生成部209は、個別計画を確定して、当該処理を終了する(END)。
需要家グループに属する需要家のいずれかが個別計画を承認しなかった場合(S308:NO)、グループ生成部209は、再調整回数Nが所定の上限値ThN以下であるかを判定する(S309)。今回の再調整回数NがThN以下の場合(S309:YES)、グループ生成部209は、ステップS302の処理に戻り、承認しなかった需要家同士で個別計画を再調整する。今回の再調整回数NがThN以下ではない場合(S309:NO)、グループ生成部209は、今回の個別計画を確定して、当該処理を終了する(END)。所定回数ThNまで再調整しても、各需要家の合意が得られない場合は、最後に修正された個別計画を採用する。
以上の説明では、複数の需要家におけるグループ形成について述べてきたが、複数の機器ベンダ、又は複数の電力会社においてグループ形成を行ってもよい。例えば、PVベンダが複数存在する場合、PVベンダグループを作成して、仮想的に一つのPVベンダであるかのように取り扱うこともできる。
本実施例によれば、需要家が多数存在する場合における、計画生成装置14bの処理負荷を軽減することができる。
図14〜図18を参照して第3の実施例を説明する。本実施例では、提示された計画が修正された場合に、その修正内容から潜在的な要望を推測して、新たな要望情報を生成する。
図14は、第3の実施例に係る計画生成装置14cの機能構成を示すブロック図である。
本実施例に係る計画生成装置14cは、第1実施例の計画生成装置14と同様に、入力部201と、出力部202と、要望情報DB203と、定量化情報DB204と、計画情報DB205と、定量化部206と、リスク値算出部207と、計画生成部208とを備える。さらに、本実施例の計画生成装置14cは、計画修正部209と、要望候補生成部210と、を有する。
計画修正部209は、計画を各関係者11〜13に提示すると共に、各関係者11〜13から計画の修正を受け付ける。
要望候補生成部210は、計画修正部209において修正された内容から、修正した関係者の潜在的な要望を推測し、1又は複数の要望の候補を生成して関係者に提示する。その際、要望候補生成部210は、推測した要望を関係者が理解しやすいように文章化して提示する。要望候補生成部210は、提示した要望候補が関係者によって選択された場合、選択された要望候補を、新たな要望情報として入力部201に入力する。
以下、図15及び図16を用いて、需要家が計画情報を修正した場合に、その修正内容から推測される要望候補を生成し、需要家に提示する場合について説明する。
図15は、計画情報700の修正の一例を示す。修正前の計画情報400は、図5で説明した通りである。需要家が、計画修正部209を介して、計画情報700の「7月31日」の「PV(n)」の「6時から18時」の発電量を、「0」から「5」に修正したとする(701)。このとき、要望候補生成部210は、7月31日のPV(n)の6時から18時の発電量が「0」から「5」に修正されたという事実から、需要家の修正の潜在的な意図を推測し、要望候補を生成する。
図16は、要望候補の表示画面710の例である。要望候補生成部210は、修正701の内容から、需要家の修正の潜在的な意図を推測し、例えば、以下の3つの要望候補を生成する。ここで、7月31日は日曜日であるとする。
(1)第1の要望候補は「日曜日はPVの発電を行う」である(711a)。
(2)第2の要望候補は「月末はPVの発電を行う」である(711b)。
(3)第3の要望候補は「日中はPVの発電を行う」である(711c)。
要望候補生成部210は、それら3つの要望候補711a〜711cを、例えば、図16に示すように画面710に表示し、需要家に選択及び修正させる。要望候補生成部210は、需要家に選択及び修正された要望候補を新たな要望情報として、入力部201に入力する。例えば、第1の要望候補711aが選択された場合は、「日曜日はPVの発電を行いたい」と言う要望が、新たな要望情報として要望情報DB203に登録される。
図17は、要望候補生成部210の処理のフローチャートである。計画修正部209は、計画を表示し(S401)、需要家等から修正を受け付ける(S402)。
需要家等から修正の入力がなかった場合(S402:NO)、要望候補生成部210は、当該処理を終了する(END)。
需要家等から修正の入力があった場合(S402:YES)、要望候補生成部210は、需要家等から入力された修正に基づき、要望候補生成処理を実行する(S403)。この処理の詳細については、後述する。
要望候補生成部210は、要望候補生成処理によって生成された要望候補を表示し(S404)、需要家等からの要望候補の選択及び修正を受け付ける(S405)。
いずれの要望候補も選択されなかった場合(S405:NO)、要望候補生成部210は、当該処理を終了する(END)。
要望候補が選択された場合(S405:YES)、要望候補生成部210は、選択された要望候補に対して修正が入力されているか否かを判定する(S406)。
選択された要望候補に対して修正が入力されていない場合(S406:NO)、要望候補生成部210は、選択された要望候補を新たな要望とする(S407)。
選択された要望候補に対して修正が入力されている場合(S406:YES)、要望候補修正部210は、修正された要望候補を新たな要望とする(S408)。
要望候補生成部210は、新たな要望を、入力部201を介して要望情報DB203に登録し(S409)、当該処理を終了する(END)。
図18は、要望候補生成処理のフローチャートである。図18のフローチャートは、図17のステップS403の処理を詳細化したものである。
要望候補生成部210は、修正内容を要素に分解する(S501)。例えば、需要家が、7月31日の6時〜18時の時間帯のPVの発電計画を「5」に修正したとすると、「発電量:5」、「日:7月31日」「曜日:日曜日」、「時間:6時〜18時」と分解する。
要望候補生成部210は、各要素について関連する記述特徴を付与する(S502)。例えば、上記の修正に対しては、「発電量:5」に対して「発電する」、「日:7月31日」に対して「月末」、「曜日:日曜日」に対して「日曜日」、「時刻:6時〜18時」に対して「日中」の記述特徴を付与する。記述特徴は、意味的に重複していてもよく、できるだけ多く抽出する。
要望候補生成部210は、記述特徴毎に対応する既存の要望を検索する(S503)。既存の要望の検索は、一般的な検索手法を用いてよい。
要望候補生成部210は、ステップS503において、既存の要望が1つ以上検索されたか否かを判定する(S504)。既存の要望が1つも検索されなかった場合(S504:NO)、要望候補生成部210は、ステップS508の処理に進む。
既存の要望が1つ以上検索された場合(S504:YES)、要望候補生成部210は、マッチしているキーワードの数が多い順番にスコアリングする(S505)。
要望候補生成部210は、検索された既存の要望の中に記述特徴と矛盾するものがあればそれを除外する(S506)。矛盾とは、例えば、「値」、「日」、「曜日」、「時間」等の値が異なることを言う。
要望候補生成部210は、上記の記述特徴を結合して、要望候補を生成する(S507)。例えば、「日曜日」と「発電する」を組み合わせて「日曜日はPV発電を行う」という要望候補を生成する。
要望候補生成部210は、検索された既存の要望と生成した要望候補の順番に出力し(S508)、ステップS404以降の処理に戻る(RETURN)。
以上の処理により、計画生成装置14cは、需要家等の潜在的な要望に基づいて、新たな要望情報を生成し、それを要望情報DB203に登録できる。需要家等は、自己の潜在的な要望を容易に要望情報DB203に登録できる。
図19〜図21を参照して第4の実施例を説明する。本実施例では、複数の需要家の要望を2段階で反映させる。なお、本実施例では、需要家の要望について説明するが、複数の機器ベンダの要望又は複数の電力会社の要望を調整する場合にも適用できる。
本実施例では、需要家として、例えば、配電フィーダ単位のような、所定地域内の家庭又は工場等を想定している。所定地域内の需要家の数は、一般的に多い。各需要家は、そのポリシー又は環境等によって様々な要望を有する。したがって、それらの要望を全て考慮して電力需給計画を生成すると、計画生成装置の処理負荷が大きくなり過ぎてしまう。また、電力会社または機器ベンダの要望は専門的な知識を背景に作成されるため、需要家が、専門的知識の基に作成される要望を考慮して、自己の要望の是非を検討することは困難である。本実施例は、これらの課題を解決する一手段である。
図19は、本実施例に係る需要家グループの構成を示す。例えば、本実施例の計画生成装置14は、各需要家を、例えば、3つの需要家グループ801a、801b、801cに分ける。以下、需要家グループ801a〜801cをまとめて、需要家グループ801と言う場合もある。本実施例では各需要家を3つのグループに分けたが、グループの数はいくつであってもよい。計画生成装置は、各需要家の発電のパターンの類似性又は異質性、及び要望の内容などを考慮して、グループ分けを行う。需要家グループは、固定的なものではなく、所定のタイミング(例えば、計画の生成が完了した時点等)で、再編されてもよい。需要家グループの再編の詳細については後述する。
各需要家グループ801a、801b、801cには、それぞれ部分調整装置804a、804b、804cが割り当てられる。以下、部分調整装置804a〜804cをまとめて部分調整装置804と言う場合もある。部分調整装置804は、前述の計画生成装置14bと同様の処理が可能である。すなわち、部分調整装置804は、需要家グループ801に属する各需要家の個別計画を生成する。
部分調整装置804a〜804cは、需要家グループ801a〜801cに対応する仮想需要家807a〜807cを生成する。以下、仮想需要家807a〜807cをまとめて仮想需要家807と言う場合もある。仮想需要家とは、グループ要望を持つ仮想的な需要家である。グループ要望とは、需要家グループ801内の各需要家の要望をまとめて一つの要望にしたものである。本実施例では、仮想需要家が有するグループ要望に基づいて、システム全体の計画を生成する。
図20は、需要家グループ内を調整する処理のフローチャートである。部分調整装置804に、仮想需要家向けの計画が入力される(S701)。仮想需要家向けの計画は、仮想需要家が有するグループ要望に基づいて生成された計画である。
部分調整装置804は、グループ要望の基となった各需要家の要望(個別要望)を読み込む(S702)。部分調整装置804は、電力量に基づくリスク式を生成する(S703)。リスク式は、仮想需要家向けの計画の内容も考慮して算出される。
部分調整装置804は、リスク式に各需要家の要望の重みづけを行う(S704)。ここで、電力量の大きさだけに基づいて重み付けを行うと、大口の需要家の要望が常に重要視されてしまう。よって、各需要家の重みを均等にしてもよい。又は、電力量で比例配分する場合と需要家で均等に割った場合との中間の値としてもよい。例えば、電力量の対数関数上に凸な関数で鈍らせた重みとする。また、需要家間の公平性を高めるために、過去の履歴から、要望が満たされなかった需要家の重みを増加させてもよい。
部分調整装置804は、リスク式をより簡単にできる場合はその処理を行う(S705)。部分調整装置804は、リスク式を用いてリスク値を算出し、需要家グループ内の各需要家毎の個別計画を生成する(S706)。
部分調整装置804は、要望の満たされなかった需要家に対して、次回の要望は優先的に反映させる、又は電力料金を割り引く等のインセンティブを付与する(S707)。
部分調整装置804は、生成した個別計画及びインセンティブ等を各需要家に提示して、承認できるか否かを問う(S708)。
需要家グループに属する全ての需要家がそれぞれの個別計画を承認した場合(S709:YES)、部分調整装置804は、ステップS711の処理に進む。
需要家グループに属するいずれかの需要家が承認しなかった場合(S709:NO)、部分調整装置804は、計画の再調整回数を示すカウント値Nが予め設定される所定回数ThN以下であるか否かを判定する(S710)。そして、今回の再調整回数NがThN回目以下である場合(S710:YES)、部分調整装置804は、ステップS702の処理に戻り、計画を再調整する。今回の再調整回数NがThN回目よりも大きい場合(S710:NO)、部分調整装置804は、ステップS711の処理に進む。
部分調整装置804は、生成した各需要家毎の個別計画及び要望に基づいて、需要家グループのグループ計画及び要望(すなわち、仮想需要家の計画および要望)を改訂する(S711)。各需要家毎の個別計画を統合して需要家グループのグループ計画を新たに生成する際に、需要家の間で競合する要望が提示された場合には、次のように処理する。すなわち、ステップS706で生成した個別計画及び個別の要望を採用する。
以上の処理により生成された需要家グループの計画及び要望に承認できない需要家に対して、該需要家グループからの離脱の申請を受け付け(S712)、当該処理を終了する(RETURN)。すなわち、未承認者に対して、上記で決定した仮の需要家グループのグループ計画及びグループ要望を承認するか、それとも、受け入れず該需要家グループから離脱するかの選択を、再度求める。該需要家グループからの離脱が選択された場合、それらの需要家を該需要家グループから脱退させる。
次に、需要家グループを生成する第1の方法と第2の方法について説明する。第1の方法は、発電履歴等のパターンが類似した(同質の)需要家を集めて需要家グループを生成する。第2の方法は、発電履歴等のパターンが異なる(異質の)需要家を集めて需要家グループを生成する。
第1の方法は、多数の需要家を典型的ないくつかのパターンに分けることにより、各需要家グループは比較的類似した需要家同士から構成される。第1の方法のメリットは、需要家グループ内の各需要家の要望は類似しているため、仮想需要家の計画及び要望を生成する際の調整は、比較的容易に行える。第2の方法のメリットは、需要家グループ内の各需要家の要望が分散されるため、要望が偏らない。よって、グループ計画が生成されれば、需要家グループの中での個別計画間での調整は比較的容易である。
第1の方法のデメリットは、個別の要望が偏っているため、需要家同士での調整が難しいという点である。例えば、週末のみ発電を行いたい需要家ばかり集まった需要家グループの場合、週末のPVの保守点検は誰も受けたがらないので、各需要家同士での調整が難航する。この場合、週末の保守点検の方が都合の良い需要家と平日の保守点検の方が都合の良い需要家とが同じ需要家グループに混在した方が、個別計画の調整をスムーズに行える。すなわち、要望が同質の需要家を集めるのが良いのか、それとも要望が異質の需要家を集めるのがよいかを、特徴ごとに決めて需要家グループを生成することが望ましい。以下、同質化が望ましい特徴を「同質化特徴」と言う。異質化が望ましい特徴を「異質化特徴」と言う。
同質化特徴については、同質の需要家が集まるようにし、異質化特徴については、異質の需要家が集まるようにする。そして、それらの度合いを総合的に表す帰属スコアを算出する。帰属スコアは、例えば、以下のように定義される。
(数8)
(帰属スコア)=(同質化特徴の類似度)+(異質化特徴の乖離度) …(8)
一般的に、同質化特徴は、個別調整の段階で分配しなくてもよいリソースに関連した特徴である。異質化特徴は、個別調整で分配すべきリソースに関連した特徴である。どの特徴量がどちらに分類されるべきかについては、過去の実績により決定する。
同質化特徴は、例えば、需要家の家族構成、年齢、性別等の属性情報、需要家が備える電力設備の内容等である。これらの同質化特徴は、それらの値が近い程(すなわち、類似度が高い程)、帰属スコアの値を大きくする。すなわち、類似度が高い需要家をグループ化することのメリットが大きい特徴である。
異質化特徴は、例えば、発電、売電、電力消費等における曜日や時間帯の好み、保守点検が可能な曜日の好み等である。これらの異質化特徴は、それらの値が異なる程(すなわち、乖離度が高い程)、帰属スコアの値を大きくする。すなわち、異質度の高い相補的な需要家をグループ化することのメリットが大きい特徴である。
図21は、帰属スコアテーブルの一例を示す。行821は仮想需要家の特徴量であり、同質化特徴は「1.0」、異質化特徴は「1.0」である。行822は需要家(A)の特徴量であり、同質化特徴は「2.0」、異質化特徴は「3.0」である。なお、同質化特徴及び異質化特徴の最大値は「10.0」とする。
需要家(A)の同質化特徴の類似度は、「10.0−(2.0−1.0)=9.0」と算出される。需要家(A)の異質化特徴の乖離度は、「3.0−1.0=2.0」と算出される。
需要家(A)の帰属スコアは、数8に示すとおり、「9.0+2.0=11.0」と算出される。同様に、需要家(B)の帰属スコアは「8.0+1.0=9.0」と算出される。よって、帰属スコアは、需要家(A)の方が大きいことがわかる。
本実施例の特徴は、同質化特徴と異質化特徴の2つであったが、より多くの特徴を有してもよい。その場合、類似度や乖離度の定義として複数成分のユークリッド距離などから構成してもよい。
図22は、帰属スコアの算出を考慮して需要家グループを構成するフローチャートである。部分調整装置804に、各需要家の発電パターンの履歴及び要望が入力される(S801)。
部分調整装置804は、各需要家の特徴量を算出する(S802)。特徴は、例えば、同質化特徴と異質化特徴に区別される。
部分調整装置804は、各需要家グループで、仮想需要家の特徴量を算出する(S803)。仮想需要家の特徴量は、例えば、各特徴毎に平均を求めることで算出する。なお、初めて需要家グループを生成する場合は、グループの数のみ設定し、仮想需要家の特徴量をランダムに仮決定してもよい。若しくは、地域ごとに仮の需要家グループを生成してもよい。一度も需要家グループに属したことのない需要家は、地域の需要家グループの中で帰属スコアを算出し、その値が最も高い需要家グループに属することとしてもよい。
部分調整装置804は、各需要家について、仮想需要家の特徴量に対する帰属スコアを算出する(S804)。部分調整装置804は、各需要家を、帰属スコアの最も高かった需要家グループに所属させる(S805)。
所属先の需要家グループが変更された需要家が存在しない場合(S806:YES)、部分調整装置804は、ステップS808の処理に進む。
所属先の需要家グループが変更された需要家が存在する場合(S806:NO)、部分調整装置804は、再調整回数Nが所定の上限額ThN以下であるかを判定する(S807)。
今回の再調整回数NがThN以下の場合(S807:YES)、部分調整装置804は、ステップS803の処理に戻り、需要家グループの再調整を行う。
今回の再調整回数NがThNよりも大きい場合(S807:NO)、部分調整装置804は、ステップS808の処理に進む。
部分調整装置804は、現在生成されている需要家グループを確定し(S808)、当該処理を終了する(RETURN)。
なお、グループ計画から個別の計画を生成している間は、上述の需要家グループの生成処理は行わない。途中で需要家グループの構成が変更されると、上記の処理に問題が発生するためである。したがって、上記の処理は、計画が生成されていない時に行われる。
本実施例は、各部分調整装置804が連携して上記の処理を行う。しかし、計画生成装置14が、上記の処理を行ってもよい。
需要家グループは、電力需給に関する行動に関して互いに利害の関連が生じる需要家同士(例えば、同一の配電系統に属する需要家等)で生成することが望ましい。しかし、同一系統に属しない需要家同士による仮想的な需要家グループを生成してもよい。例えば、類似の発電パターンを持つ需要家によって需要家グループを生成し、発電所全体の配電計画に対して合計した発電量を調整する場合などである。すなわち、調整すべき内容に応じて需要家グループを生成することが望ましい。
上述した本発明の実施形態は、本発明の説明のための例示であり、本発明の範囲をそれらの実施形態に限定する趣旨ではない。当業者は、本発明の要旨を逸脱することなしに、他の様々な態様で本発明を実施することができる。例えば、計画情報を承認しない需要家には、ペナルティを課す構成としてもよい。
11…電力会社、12…機器ベンダ、13…需要家、14、14b、14c…計画生成装置、206…定量化部、207…リスク値算出部、208…計画生成部


Claims (8)

  1. 各関係者の使用する計算機に通信可能に接続され、前記各関係者の電力需給についての計画を生成する電力需給計画生成装置であって、
    記憶部と、演算部と、入力部と、出力部とを備え、
    前記各関係者には、少なくとも発電装置を備える需要家と、電力を前記需要家に供給する電力会社と、前記発電装置を保守する機器ベンダとが含まれ、
    前記入力部は、前記電力会社の使用する計算機から電力供給に関する要望を含む要望情報を、前記需要家の使用する計算機から前記発電装置に関する要望を含む要望情報を、前記機器ベンダの使用する計算機から前記発電装置の保守に関する要望を含む要望情報を、それぞれ取得して前記記憶部に記憶
    前記演算部は、リスク値算出処理として、前記電力会社、前記需要家、及び前記機器ベンダのそれぞれの要望情報に含まれる要望が満たされなかった場合のリスクを定量化したリスク値を算出し、
    前記演算部は、計画生成処理として、前記電力会社、前記需要家、及び前記機器ベンダのそれぞれについて算出されたリスク値の総計に基づいて前記各関係者の要望を調整した計画情報を生成
    前記出力部は、前記生成した計画情報を、前記電力会社の使用する計算機、前記需要家の使用する計算機、及び前記機器ベンダの使用する計算機に送信して提示する
    電力需給計画生成装置。
  2. 前記演算部は、リスク値算出処理において、前記要望情報に含まれる要望を電力量又は損益額として定量化し、前記要望情報から定量化された前記電力量又は前記損益額と、前記要望情報に含まれる要望が満たされなかった場合の電力量又は損益額とを比較し、その差分が大きいほどリスク値を高くする
    ことを特徴とする請求項記載の電力需給計画生成装置。
  3. 前記演算部は、グループ生成処理として
    複数の需要家によって需要家グループを形成し、
    前記需要家グループに含まれる各需要家の要望を調整してグループを代表するグループ要望情報を生成し、
    前記生成したグループ要望情報を前記入力部に取得させ、
    前記計画生成処理において生成された、前記グループ要望情報に基づく一つのグループ計画情報が前記出力部から提供されると、前記グループ計画情報と前記需要家グループに含まれる各需要家の要望情報とに基づいて、各需要家の個別計画情報を生成する、
    ことを特徴とする請求項記載の電力需給計画生成装置。
  4. 前記演算部は、前記グループ生成処理として
    各需要家の要望情報を解析して、類似性の高い要望情報を有する需要家と、前記類似性の高い要望情報に対して相反性の高い要望情報を有する需要家とが予め設定される所定の割合で含まれるように前記需要家グループを形成し、
    前記個別計画情報を生成する際、前記類似性の高い要望情報を有する需要者間の計画の調整に競合が生じた場合は、前記相反性の高い要望情報を有する需要家を含めて計画を調整する
    ことを特徴とする請求項記載の電力需給計画生成装置。
  5. 前記演算部は、前記グループ生成処理として
    発電又は電力消費の傾向が類似する要望情報を、類似性の高い要望情報と判断し、
    前記類似性の高い要望情報の発電又は消費電力の傾向と相反する要望情報を、相反度の高い要望情報と判断する
    ことを特徴とする請求項記載の電力需給計画生成装置。
  6. 前記演算部は、
    計画修正処理として、前記関係者の使用する計算機からの修正指示によって、前記提示された計画情報を修正し、
    要望情報候補生成処理として、前記計画情報の修正内容から、修正した関係者の要望を推測して要望情報の候補を生成し、前記生成した要望情報の候補を前記関係者の使用する計算機に選択可能に提示し、前記関係者の計算機により選択された要望情報の候補を新たな要望情報として前記記憶部に記憶させる
    ことを特徴とする請求項記載の電力需給計画生成装置。
  7. 各関係者の使用する計算機に通信可能に接続された電力需給計画生成装置が、前記各関係者の電力需給についての計画を生成する電力需給計画生成方法であって、
    前記電力需給計画生成装置は、記憶部と、演算部と、入力部と、出力部とを備え、
    前記各関係者には、少なくとも発電装置を備える需要家と、電力を前記需要家に供給する電力会社と、前記発電装置を保守する機器ベンダとが含まれ、
    前記入力部が、前記電力会社の使用する計算機から電力供給に関する要望を含む要望情報を、前記需要家の使用する計算機から前記発電装置に関する要望を含む要望情報を、前記機器ベンダの使用する計算機から前記発電装置の保守に関する要望を含む要望情報を、それぞれ取得して前記記憶部に記憶し、
    前記演算部が、リスク値算出処理として、前記電力会社、前記需要家、及び前記機器ベンダのそれぞれの要望情報に含まれる要望が満たされなかった場合のリスクを定量化したリスク値を算出し、
    前記演算部は、計画生成処理として、前記電力会社、前記需要家、及び前記機器ベンダのそれぞれについて算出されたリスク値の総計に基づいて前記各関係者の要望を調整した計画情報を生成し、
    前記出力部が、前記生成した計画情報を、前記電力会社の使用する計算機、前記需要家の使用する計算機、及び前記機器ベンダの使用する計算機に送信して提示する
    電力需給計画生成方法。
  8. 各関係者の使用する計算機と、前記各計算機に通信可能に接続され、前記各関係者の電力需給についての計画を生成する電力需給計画生成装置とを含む電力需給計画調整システムであって、
    前記電力需給計画生成装置は、記憶部と、演算部と、入力部と、出力部とを備え、
    前記各関係者には、少なくとも発電装置を備える需要家と、電力を前記需要家に供給する電力会社と、前記発電装置を保守する機器ベンダとが含まれ、
    前記入力部は、前記電力会社の使用する計算機から電力供給に関する要望を含む要望情報を、前記需要家の使用する計算機から前記発電装置に関する要望を含む要望情報を、前記機器ベンダの使用する計算機から前記発電装置の保守に関する要望を含む要望情報を、それぞれ取得して前記記憶部に記憶し、
    前記演算部は、リスク値算出処理として、前記電力会社、前記需要家、及び前記機器ベンダのそれぞれの要望情報に含まれる要望が満たされなかった場合のリスクを定量化したリスク値を算出
    前記演算部は、計画生成処理として、前記電力会社、前記需要家、及び前記機器ベンダのそれぞれについて算出されたリスク値の総計に基づいて前記各関係者の要望を調整した計画情報を生成
    前記出力部は、前記生成した計画情報を、前記電力会社の使用する計算機、前記需要家の使用する計算機、及び前記機器ベンダの使用する計算機に送信して提示する
    電力需給計画調整システム。
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