JP2017017819A - 電力供給システム - Google Patents
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Abstract
Description
現在において最も安定的な電力供給源である系統電源を利用しつつ、蓄電池の特性を最大限に利用した方法がより現実的であり、最善の方法である。
さらに、発電時において、大電力が集中的に生じることによる送電線への負荷を理由として一般電気事業者等が系統電源への接続を拒否する場合もあり、同様に普及への妨げになっている。
前述の欠点を補うため、従来は太陽光パネルと併用してエネファーム等の燃料電池あるいは蓄電池システムを同時に導入して電力需給のピークを緩和させる手段が存在するが、いずれも高価な設備であり、複数を同時に導入するには膨大な初期コストが必要となる。
この欠点を補うための手段として、蓄電システムの設置時にあらかじめ出力ラインを2分割し、一方が停電時にも電力が途切れない重要負荷用、もう一方が停電時には出力を停止する一般負荷用とする仕様が一般的であるが、結果的に建物の配線の取り回し作業が面倒で工数増となり、コストを引き上げる要因となっている。
また使用者にとっても、仕様が異なるコンセントが2種類存在することになり混乱を招きやすい。
この方式にすることで、電力供給エリアにおいて使用電力が変動する場合も充電電力は定格値を上限にほぼ一定に維持されるため、系統電源に対して恒久的なピークカットを実施することができる。
本発明におけるインバータは供給電力のすべてを担うため、インバータの定格出力が供給エリアにおける使用可能な定格電力となる。これにより一般電気事業者との契約電力よりも大きな電力を使用することができる。また、契約電流を見直して可能な範囲で定電流の契約に変更することによって基本料金を削減することができる。
フェールセーフインバータは、2つ以上の直流交流変換回路モジュールを並列に接続して使用し、モジュールごとの各出力を一度すべて合成させた後、再度2つ以上のラインに分岐し、分岐後の各ラインに設置されるリレー等の開閉器を介した後に出力される。この構造にすることで、例えば部品寿命等で1つのモジュールが出力停止した場合も、残りのモジュールが出力し続けることで、インバータとしての出力停止を回避することができる。
さらに、残ったモジュールに定格以上の過負荷がかかっている可能性があるため、複数出力の一部の開閉器を遮断して連続的なモジュール破損を防ぐ。複数の開閉器のうち、いずれかを遮断するかの決定は、あらかじめ定められた優先順位に従って判断するよう内蔵マイコンに組み込まれたアルゴリズムにより、優先度が低いラインの開閉器を遮断してインバータを継続して通常運転させることができる。
また、複数の入力がある場合には系統電源以外の発電機による充電を優先するアルゴリズムを持つことを特徴とする。
請求項2の充電器によれば、蓄電池の充電に各種の汎用発電機を使用することができ、電力自給の割合を増やして電力コストを低減することが可能になる。
一時貯蔵構造を持つ目的として、一般的な家庭用及び産業用の蓄電池は約200Vの電圧となるため、充電するためにはそれ以上の電圧に昇圧する必要がある。この場合、100W程度の充電電力では電流が0.5A未満となり昇圧の際の発電効率が悪くなる。この昇圧を補助する目的で、一時的な電力貯蔵構造を持たせ、昇圧にロスが少ないエネルギー量になったところで蓄電池への充電ラインの開閉器等を閉じる。
請求項3の充電器によれば、微小電力発電機を使用することができ、さらに高効率での充電により電力自給の割合を増やして電力コストの削減量を増やすことができる。
家庭等の電力供給エリア内で大電力を使用する場合でも、系統電源からの使用電流は常に約5A定格内に抑えられるため、系統電源に対して恒久的なピークカットを実施できる。
従来の一般電気事業者等との契約電流を約5Aに低減することが可能であり、基本料金が抑えられる。
また契約電流が約5Aである場合も、インバータの定格出力次第で約6kWの大出力を使用することが可能になる。
従来のように太陽光パネルに加えて電力安定用の設備を追加あるいは同時導入するなど、複数の設備を必要としないため、初期投資が抑えられる。
太陽光パネルを設置できないマンション等においても導入が可能であり、ピークカットにより環境負荷を低減させるスマートハウスを実現できる。
設置にあたっては、建物内の配線の引き直し等は不要であり、既設のインフラ設備の増設及び改造も実施することなくほぼ流用が可能である。
常に蓄電池を満充電状態に保つことが可能であるため、停電及び災害等の非常時にも電力を確保できる。
系統連系が不要なシステムであるため、より簡易的で安価のインバータが使用でき、コストダウンが可能である。
システムの設置対象は一戸建てのみならずマンションも含めた家庭及び事務所等に渡るため、量産効果による蓄電池の低コスト化が見込まれる。
フェールセーフ機能を持つ新規インバータ機器の市場の形成が見込まれる。
定格約100Wの発電機が利用できるため、従来の小出力の自然エネルギー発電機器に加えて、他の様々な方式の微小電力発電機の新市場の形成が見込まれる。
図1に本実施形態にかかる電力供給システム構成を、図2に従来の電力供給システム構成を示す。
図1における蓄電装置1aは、10kWh程度の蓄電池1bと定格約5Aの充電器1e、及び定格約6kWのフェールセーフインバータ1dにより構成される。従来のシステムでは、図2における系統電源2eは家庭及び事務所等の電力供給エリア2fに対して直接的に電力供給を行うが、 本発明の特徴として、系統電源1eは充電器1cにのみ接続されて、蓄電池1bの充電に使用されるが、家庭および事務所等の電力供給エリア1fには一切の電力供給を行わない。
電力供給エリア1fへの電力はすべて蓄電池1b内の電気をフェールセーフインバータ1dを介して供給される。このため家庭での使用可能電力はフェールセーフインバータ1dの定格出力電圧となる。
日本において最も普及している太陽光発電による効果は、当然ながら天候の良い日限定のものであり、雨天時または夜間においては、系統電源に対する環境負荷は太陽光パネルを設置していない家庭とほぼ変わりない。しかし本発明による電力供給システムの場合には、系統電源より使用する電力が必ず定格約500W(5A)以下となり、天候等の条件によらず恒久的なピークカットが実現できる。
フェールセーフインバータは、故障による出力停止のリスクを低減させるために、2つ以上の直流交流変換回路モジュール4aを並列に使用するものとし、その出力を接合点4bにおいて一度すべて合成させた後、再度2つ以上のラインに分岐し、各ラインに設置されるリレー等の開閉器を介して出力する。
部品寿命等で1つの変換回路モジュール5aが出力停止した場合も、本構造の場合には残りのモジュールが出力し続けることで、インバータとしての出力停止を回避する。しかし、電力供給エリアが使用する電力が残りのモジュールの合計定格値を超える可能性があるため、一部の出力を遮断して対応する。
遮断する開閉器5cは、あらかじめ設けられた優先順位によってコントローラ5dにより判断される。開閉器5cを遮断することで変換回路モジュールの出力は定格内に維持される。
充電器6aは、系統電源6bからの電力だけでなく、自然エネルギーによる各種の発電方式を含む複数の発電機(6d、6e)から同時に充電電力を入力することを可能とする。
また複数入力に対しては、電力の自給自足を促進させる目的で、系統電源以外の入力を優先に充電電力に使用する。
さらに、発電機以外の装置として、18650等の小型二次電池6fから充電するための接続口あるいはアタッチメントを介して充電を行う。
充電器は、100W未満の微小電力に対応するため、ばね構造あるいはキャパシタ等のエネルギー一時貯蔵構造をもつ。
図7の構造において、微小電力発電機7aから供給される微小電力は、モーター7bおよび減速機7cによってばね構造による電力一時貯蔵装置7dに蓄えられ、その後定められたあるエネルギー量においてエネルギーが放出され、発電モーター7eおよび電圧変換回路DC/DCコンバータ7fを介して蓄電池7gに充電される。
図8においても同様に、微小電力発電機8aから供給される微小電力は、コンデンサー8cに蓄えられ、その後あるエネルギー量においてエネルギーが放出され、電圧変換回路DC/DCコンバータ8fを介して蓄電池8gに充電される。
Claims (3)
- 家庭等の電力供給エリアに電力を供給するシステムであって、一般電気事業者等より供給される系統電源と、蓄電池と、前記蓄電池を充電するための充電器、前記蓄電池の直流電源を交流に変換するインバータから成る蓄電装置と、この蓄電装置を通して電力供給される家庭等の電力供給エリアとを備え、さらに次の特徴を備える電力供給システムあって、次の特徴を備えている。
(1)系統電源は前記蓄電池を充電する目的にのみ使用され、家庭等の電力供給エリアに対しては一切の電力供給を行わない。
(2)家庭等の電力供給エリアに対する供給電力のすべては前記蓄電池から前記インバータを経由する電力によってまかなわれる。また、供給電力のすべてを担うことになるインバータについて、破損耐久を強化するためのフェールセーフ機能として、2つ以上の並列モジュール構造と、2つ以上の出力端子を備え、使用負荷の優先度に従った出力制御が可能である。 - 蓄電池を充電するための充電器は、系統電源と自然エネルギーによる発電方式を含めた各方式の発電機との2系統以上の入力を持ち、蓄電池に対して約100W以下の微小電力発電機による充電に対応すること、また、複数の入力に対しては系統電源以外を優先する制御を備えることを特徴とする請求項1に記載の電力供給システム。
- 微小電力発電機の電力を蓄電池に充電するために、次に挙げる電力の一時貯蔵機能のいずれかを備えることを特徴とする充電器を備えた請求項2に記載の電力供給システム。
(1)バネ、フライホイール、または気体、溶融塩などの流体等を利用する機械的構造を持つもの。
(2)小容量の二次電池、またはキャパシタ等を利用する化学的構造を持つもの。
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