JP2017016111A - エレクトロクロミック素子、光学フィルタ、レンズユニット、撮像装置及び窓材 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】第一の電極1と、第二の電極2と、担体3と、を有し、第一の電極1と第二の電極2との少なくともいずれか一方が透明であり、第一の電極1と第二の電極2との間に、電解質4と、アノード性の有機エレクトロクロミック化合物又はカソード性の有機エレクトロクロミック化合物と、を有し、電解質4と、前記アノード性の有機エレクトロクロミック化合物又は前記カソード性の有機エレクトロクロミック化合物と、が混合しており、電解質4が、第一の電極1、第二の電極2及び担体3と接触しており、担体3が、酸化還元物質を有するエレクトロクロミック素子10。尚、担体3が有する酸化還元物質の還元体が、前記アノード性の有機エレクトロクロミック化合物の還元体よりも酸化されやすい。また担体3が有する酸化還元物質の還元体が、前記アノード性の有機エレクトロクロミック化合物の還元体よりも酸化されやすい。
【選択図】図2
Description
前記電解質と、前記アノード性の有機エレクトロクロミック化合物と、前記カソード性の酸化還元物質と、が混合しており、
前記電解質が、前記第一の電極、前記第二の電極及び前記担体と接触しており、
前記担体が、さらに酸化還元物質を有し、
前記担体が有する酸化還元物質の還元体が、前記アノード性の有機エレクトロクロミック化合物の還元体よりも酸化されやすいことを特徴とする。
前記電解質と、前記カソード性の有機エレクトロクロミック化合物と、前記アノード性の酸化還元物質と、が混合しており、
前記電解質が、前記第一の電極、前記第二の電極及び前記担体と接触しており、
前記担体が、さらに酸化還元物質を有し、
前記担体が有する酸化還元物質の酸化体が、前記カソード性の有機エレクトロクロミック化合物の酸化体よりも還元されやすいことを特徴とする。
前記電解質と、前記アノード性の有機エレクトロクロミック化合物と、前記カソード性の有機エレクトロクロミック化合物と、が混合しており、
前記電解質が、前記第一の電極、前記第二の電極及び前記担体と接触しており、
前記担体が、酸化還元物質を有し、
前記担体が有する酸化還元物質の還元体が、前記アノード性の有機エレクトロクロミック化合物の還元体よりも酸化されやすく、
前記担体が有する酸化還元物質の酸化体が、前記カソード性の有機エレクトロクロミック化合物の酸化体よりも還元されやすいことを特徴とする。
(i)アノード性の有機エレクトロクロミック化合物とカソード性の酸化還元物質
(ii)カソード性の有機エレクトロクロミック化合物とアノード性の酸化還元物質
(iii)アノード性の有機エレクトロクロミック化合物とカソード性の有機エレクトロクロミック化合物
本発明において、酸化還元物質とは、所定の電位範囲において、繰り返し酸化還元反応を起こすことが可能な化合物である。酸化還元物質には、無機化合物も有機化合物も含まれるが、本発明においては特に制限なく両者を使用することができる。中でも用いられるEC材料の使用環境との適合性から、有機化合物の酸化還元物質が好ましく用いられる。
本発明において、有機エレクトロクロミック(EC)材料とは、酸化還元物質の一種であり、酸化還元反応により、素子の対象とする光波長領域において光吸収特性が変化する物質である。尚、エレクトロクロミック材料には、有機化合物も無機化合物も含まれるが、以下の説明において、有機エレクトロクロミック材料を「EC材料」と呼ぶこととする。また、ここでいう光吸収特性とは、代表的には、光吸収状態と光透過状態とであり、EC材料は、光吸収状態と光透過状態とが切り替わる材料である。
酸化還元物質及びEC材料に対して用いられる用語である酸化体、還元体について以下に説明する。以下の説明において、酸化還元物質やEC材料の酸化体とは、対応する還元反応が可逆的に進行する場合において、電極における一電子以上の還元反応によって還元体へと還元されるものをいう。一方、酸化還元物質やEC材料の還元体とは、対応する酸化反応が可逆的に進行する場合において、電極における一電子以上の酸化反応によって、酸化体へと酸化されるものをいう。
本発明において、電解質には、電解質そのものに限らず、電解質を溶媒に溶解させて調製した電解液の概念も含まれる。尚、本発明において、電解質には、塩化合物を溶媒に溶解させて得た溶液、イオン性液体、ゲル電解質、ポリマー電解質等も含まれる。
本発明のEC素子を構成する担体は、酸化還元物質を有している。ここで、担体が酸化還元物質を有するとは、酸化還元物質が直接又は間接的に担体に固定化されていることを意味する。ここで、酸化還元物質が担体に直接固定化されている場合、酸化還元物質は、他の物質を介さずに物理的又は化学的な要因により担体に固定化されている状態になっている。一方、酸化還元物質が間接的に担体に固定化されている場合、酸化還元物質は、例えば、担体に固定されている物質を介して担体に物理的又は化学的に固定化されている状態になっている。
以下、図面を参照しながら、電荷のバランス/インバランスの概念について説明する。図1は、電荷のバランス/インバランスの概念を説明する図である。尚、図1は、相補型EC素子が対象となっている。図1には、アノードである第一の電極1と、カソードである第二の電極2が示されている。また図1において、Aは、アノード性のEC材料の還元体(消色状態)であり、A+は、アノード性のEC材料の酸化体(着色状態)である。さらに図1において、Cは、カソード性のEC材料の酸化体(消色状態)であり、C-は、カソード性のEC材料の還元体(着色状態)である。
A→A++e- (α)
C+e-→C- (β)
図2は、本発明のEC素子における実施形態の例を示す断面模式図である。図2のEC素子10は、第一の電極1と、担体3と、を有する基板(第一の基板7)と、第二の電極2と、担体3と、を有する基板(第二の基板8)と、を有している。図2のEC素子10において、第一の電極1と第二の電極2との間には、電解質4が配置されており、この電解質4は、第一の電極1、第二の電極2及び担体3に接している。尚、電解質4は、シール材5によって外部と隔離されて保持されていることが好ましい。また本発明においては、第一の電極1及び第二の電極2と、担体3との間の物質輸送を制限する目的で、必要に応じて図2に示される隔壁6を、第一の電極1及び第二の電極2と、担体3との間に設けてもよい。また本発明のEC素子には、アノード性の酸化還元物質及びカソード性の酸化還元物質が、それぞれ電解質4と混合している。ここでいう「混合」とは、好ましくは、溶解を意味する。尚、本発明においては、電解質4と混合しているアノード性の酸化還元物質及びカソード性の酸化還元物質の少なくともいずれかがEC材料である。
(1−1)基板7,8
EC素子10を構成する基板(7,8)としては、ガラス、高分子化合物等の透明な基板が挙げられる。
第一の電極1、第二の電極2のうち少なくとも一方は、透明電極である。ここで、「透明」とは、該当する電極が光を透過することを意味し、光の透過率が、50%以上100%以下であることが好ましい。第一の電極1、第二の電極2のうち少なくとも一方が透明電極であることによって、EC素子の外部より効率的に光を取り込み、EC材料の分子と相互作用させて、EC分子の光学的特性を出射光に反映させることができるからである。また、ここでいう「光」とは、EC素子の対象とする波長領域における光のことである。例えば、EC素子を可視光領域の撮像装置のフィルタとして使用するのであれば、可視光領域の光が対象となり、赤外線領域の撮像装置のフィルタとして使用するのであれば、赤外線領域の光が対象となる。
本発明のEC素子は、電極(1,2)の他に担体3を有している。「電荷のバランス/インバランス」で説明したように、アノード性の酸化還元物質及び/又はカソード性の酸化還元物質を同時に使用し、これら酸化還元物質のうちのいずれかがEC材料である相補型のEC素子では、電荷のインバランス状態が発生したときに、それがアノード性、カソード性いずれの電荷インバランスであっても消色不良として感知される可能性がある。このような場合、第一の電極1と第二の電極2との間に印加する電圧を、着色時と反対方向の極性の電圧とし、この消色不良(消え残り)を抑制しようとしても、反対極性のEC材料が着色するだけで有効な抑制策とはならない。ここで、「反対極性のEC材料」とは、消え残りの対象がアノード性のEC材料であればカソード性のEC材料であり、消え残りの対象がカソード性のEC材料であればアノード性のEC材料である。
1.複数の酸化還元物質として、アノード性/カソード性の酸化還元物質を用いる。この場合は、それぞれアノード性のEC材料に対応した酸化還元物質、カソード性のEC材料に対応した酸化還元物質を準備できる点で好ましい。
2.一種類の酸化還元物質の酸化体/還元体が混在する状態とする。この場合は、準備する酸化還元物質の種類が少ない点で好ましい。
以下に説明する方法は、アノード性のEC材料の酸化体又はカソード性のEC材料の還元体を、対応する酸化還元物質と直接接触させる方法である。具体的には、アノード性のEC材料の酸化体又はカソード性のEC材料の還元体を溶解させた電解質の中に、対応する酸化還元物質を投入する。このとき、電解質中にアノード性のEC材料が含まれる場合は酸化還元物質の還元体を、電解質中にカソード性のEC材料が含まれる場合は酸還元物質の酸化体を少なくとも投入する。酸化還元物質を投入した結果、着色体、即ち、アノード性のEC材料の酸化体又はカソード性のEC材料の還元体が消色すれば、以下の事項が判明する。即ち、アノード性のEC材料が消色した場合は、酸化還元物質の還元体からEC材料の酸化体への電子移動がおこり、アノード性のEC材料が還元体になることが示される。これは、担体3が有する酸化還元物質の還元体が、アノード性のEC材料の還元体よりも酸化されやすいことを意味する。カソード性のEC材料が消色した場合は、EC材料の還元体から酸化還元物質の酸化体への電子移動が起こり、カソード性のEC材料は酸化体となることが示される。これは、担体3が有する酸化還元物質の酸化体は、カソード性のEC材料の酸化体よりも還元されやすいことを意味する。また、担体3が有する酸化還元物質がEC性の場合は、EC材料の消色及び色変化が確認することができる。ここでいうEC材料の消色とは、担体3が有していない方のEC材料の消色である。また、EC材料の色変化とは、担体3が有するEC性の酸化還元物質の吸収変化である。
以下に説明する方法は、アノード性のEC材料の酸化体又はカソード性のEC材料の還元体を含む電解質を、酸化還元物質を有する担体と接触させる方法である。具体的には、アノード性のEC材料の酸化体又はカソード性のEC材料の還元体を溶解させた電解質を、対応する酸化還元物質を有する担体に接触させる。この結果、着色体、即ち、アノード性のEC材料の酸化体又はカソード性のEC材料の還元体が消色すれば、(1−3a)で説明した直接電子移動反応に加えて、以下に説明する担体3を介した電子移動反応が進行したといえる。具体的には、アノード性のEC材料の場合は、担体3が有する酸化還元物質の還元体から担体3への電子移動が起こり、アノード性のEC材料は担体3から電子を受け取ることにより、酸化体(着色状態)から還元体(消色状態)に変化する。この反応の発生は、担体3が有する酸化還元物質の還元体がアノード性のEC材料の還元体よりも酸化されやすいことを意味する。一方、カソード性のEC材料の場合は、担体3から担体3が有する酸化還元物質の酸化体へ電子移動、及びカソード性のEC材料から担体3への電子移動が生じる。その結果、カソード性のEC材料は、還元体(着色状態)から酸化体(消色状態)に変化する。この反応の発生は、担体3が有する酸化還元物質の酸化体がカソード性のEC材料の酸化体よりも還元されやすいことを意味する。尚、担体3が有する酸化還元物質がEC性を有する場合は、(1−3a)と同様にEC材料の消色及び色変化が確認することができる。
以下に説明する方法は、EC材料や酸化還元物質の電極反応における酸化還元電位によって酸化又は還元のしやすさを比較する方法である。ここで酸化還元電位は、電気化学的な測定によって決定することができる。例えば、EC材料、酸化還元物質、それぞれのサイクリックボルタンモグラム測定を行うことで評価できる。
ERO<EEC(A) (I)
ERO>EEC(C) (II)
EEC(C)<ERO<EEC(A) (III)
(A)第一の電極1又は第二の電極2を形成する導電性基板が有する導電層の一部をエッチング等により除去する工程。
(B)導電層が除去された領域に、多孔質膜である担体3を形成する工程。
(C)担体3に酸化還元物質を固定化する工程。
EC素子を構成する基板(7,8)は、第一の電極1の電極面と第二の電極2の電極面とを対向させた配置でシール材5によって接合されていることが好ましい。シール材5としては、そのシール後の特性が電解質4に対して安定で侵されることがなく、電気化学的に安定でEC素子の動作時に電気化学反応を起こすことがなく、気体及び液体を透過しにくく、EC材料の酸化還元反応を阻害しない材料であることが好ましい。例えば、ガラスフリット等の無機材料、エポキシ系、アクリル系樹脂等の有機材料、金属等を用いることができる。そのシール後の特性が電解質4に対して不安定な場合には、溶出したシール材で電極が汚染される等の懸念がある。また、シール材5の成分が電気化学的に不安定である場合には、電極反応により電荷バランスを生じる原因となる可能性がある。また、気体および液体(特に酸素と水分)を透過しやすい場合には、それらの電極反応により電荷バランスを生じる原因となる可能性があるので注意が必要である。尚、シール材5は、スペーサー材料を含有する等して第一の電極1と第二の電極2との間の距離を保持する機能を有していてもよい。シール材5が第一の電極1と第二の電極2との間の距離を規定する機能を有していない場合は、別途スペーサーを配置して両電極間の距離を保持してもよい。スペーサー5の素材としては、シリカビーズ、ガラスファイバー等の無機材料や、ポリイミド、ポリテトラフルオロエチレン、ポリジビニルベンゼン、フッ素ゴム、エポキシ樹脂等の有機材料を用いることができる。尚、このスペーサー5により、EC素子10を構成する第一の電極1と第二の電極2との間の距離を規定、保持することが可能である。
本発明のEC素子は、第一の電極1と第二の電極2との間に、電解質4と、電解質4と混合しているアノード性の有機EC材料かつ/又はカソード性の有機EC材料とを有する。尚、本発明において、アノード性の有機EC材料及びカソード性の有機EC材料は、好ましくは、電解質4に溶解されている。
(A)固定化する電極の表面積という制限要因がないために、電解質中に存在させることのできるEC材料の量が多い点。
(B)固定化を行う場合には、固定するEC材料、固定化担体となる電極の双方に構造的な工夫、製造上の工程が必要になることが多いが、これらがない点。
本発明のEC素子に使用されるEC材料は、外部から電気的な刺激を与えることによって着色するタイプの低分子有機化合物である。本発明において、EC材料として、好ましくは、分子量が2000以下の低分子有機化合物であり、電極における酸化反応又は還元反応により、消色体から着色体に変化する化合物である。本発明のEC素子においては、アノード性のEC材料又はカソード性のEC材料のいずれかは必ず用いられる。
本発明のEC素子10は担体3を用いることにより、EC素子10の電荷のバランスの調整を行う。本発明のEC素子10は、担体3が酸化還元物質を有すると共に、EC材料との間における酸化又は還元のされやすさが規定されている。このため、酸化又は還元のされやすさを利用して電荷のリバランスを行うことができる。以下、具体的に説明する。EC素子10を消色させるために、例えば、第一の電極1と第二の電極2との間を短絡させた状態にした際に、EC素子に含まれるアノード性のEC材料が着色したまま(酸化体のまま)残存している状態を考える。尚、このケースでは、アノード性の電荷のインバランスが生じている。このとき、酸化体のアノード性のEC材料が酸化還元物質を有する担体3の近傍まで移動し、担体3が有する酸化還元物質が直接あるいは担体3を通じて電荷の授受ができる状態となった場合は以下のようになる。化合物間の酸化・還元のされやすさから、担体3が有する酸化還元物質の還元体から酸化体のアノード性のEC材料へと電子が供給されるため、上述のアノード性の電荷のインバランスが解消される。反対に、EC素子に含まれるカソード性のEC材料が着色したまま(還元体のまま)残存している状態を考える。尚、このケースでは、カソード性の電荷のインバランスが生じている。このとき、還元体のカソード性のEC材料が酸化還元物質を有する担体3の近傍まで移動し、担体3が有する酸化還元物質が直接あるいは担体3を通じて電荷の授受ができる状態となった場合には以下のようになる。化合物間の酸化・還元のされやすさから、還元体のカソード性のEC材料から、担体3が有する酸化還元物質の酸化体へ電子が供給されるため、上述のカソード性の電荷のインバランスは解消される。同様の理由で、アノード性のEC材料及びカソード性のEC材料を有するEC素子10の場合においても担体3が有する酸化還元物質を用いることで効果的に電荷のインバランスを解消することができる。このように、本発明のEC素子10では、酸化・還元のされやすさによって電荷のリバランスを行うことができる。
本発明では、担体3を用いることで、EC素子の電荷のインバランスによる消色不良を解消することができる。代表的な例としては、EC素子の透過率を最大化させる動作をした際にも残存するEC材料の着色体を、消色体に変換することで、透過率を向上させることができる。この電荷のインバランスによる消色不良に対する対策としては、例えば、特許文献1に示されるレドックスバッファーを用いる方法がある。
本発明のEC素子は、光学フィルタ、レンズユニット、撮像装置、窓材等の構成部材として用いることができる。
本発明の光学フィルタは、本発明のEC素子と、このEC素子に電気接続される能動素子とを有している。EC素子に電気接続される能動素子として、具体的には、EC素子の透過率を制御するためのトランジスタ等が挙げられる。トランジスタとして、例えば、TFTやMIM素子が挙げられる。ここでTFTは、薄膜トランジスタとも呼ばれ、その構成材料としては、半導体や酸化物半導体が用いられる。
本発明のレンズユニットは、複数のレンズを有する撮像光学系と、本発明のEC素子を有する光学フィルタとを有している。レンズユニットを構成する光学フィルタは、複数あるレンズとレンズとの間に設けてもよいし、レンズの外側に設けてもよい。本発明のレンズユニットは、光学フィルタにより、撮像光学系を通過する光又は通過した光の光量を調整することができる。
本発明の撮像装置は、光学フィルタと、この光学フィルタを通過した光を受光する撮像素子とを有する。撮像装置を構成する撮像素子は、光学フィルタを透過した光を受光する素子であり受光素子とも呼ばれる素子である。
本発明の窓材は、一対の透明基板と、これら透明基板の間に設けられるEC素子と、このEC素子の透過率を制御するための能動素子とを有している。この能動素子は、EC素子に接続されているが、EC素子への接続形態については、直接に接続された形態でもよいし、間接に接続された形態でもよい。本発明の窓材は、透明基板を透過する光の光量をEC素子により調整することができる。またこの窓材に、窓枠等の部材を加えることで窓として使用することができる。本発明の窓材は、航空機、自動車、住宅等の窓に用いることができる。またEC素子を有する窓材は、電子カーテンを有する窓材と呼ぶこともできる。
アノード性のEC材料である化合物1を、以下に示す合成スキームに従って合成した。
XX−1(2,5−ジブロモエチレンジオキシチオフェン):500mg(1.67mmol)
2−イソプロポキシ−6−メトキシフェニルボロン酸:1.05g(5.0mmol)
トルエン:10ml
テトラヒドロフラン:5ml)
Pd(OAc)2:19mg(0.083mmol)
2−ジシクロヘキシルフォスフィノ−2’,6’−ジメトキシビフェニル(S−Phos):89mg(0.22mmol)
りん酸三カリウム:1.92g(8.35mmol)
1H−NMR(CDCl3)σ(ppm):7.21(t,2H),6.63(d,2H),6.60(d,2H),4.41(m,2H),4.20(s,4H),3.81(s,6H),1.25(s,6H),1.24(s,6H).
カソード性の酸化還元物質である化合物2は、Cinnsealach等の文献(Solar Energy Materials and Solar Cells 57巻(1999年)107−125頁に基づいて合成した。尚、化合物2は、EC性を有する化合物である。
(素子の作製)
図7に示されるEC素子30aを、以下の工程により作製した。
まず錫ドープ酸化インジウム(ITO)膜が成膜されている透明導電性ガラスを二枚用意した。
次に、市販のITOエッチング液を用いて、図7(a)中のαの位置よりも外側にあるITO膜を、部分的に除去した。尚、この操作によって残存するITO膜42は、第一の電極31又は第二の電極32として使用した。
市販の酸化チタンナノペースト(Nanoxide−HT、ソーラロニクス製)を、基板(37,38)のITO膜が除去された領域に塗布し、350℃、60分の条件で焼成した。尚、この焼成によって形成された酸化チタン粒子膜は、外部回路に電気的に接続されないため、電極としてではなく、担体33として機能する。次に、形成した担体33に、5mMの1,1’−フェロセンジカルボン酸(Fc(COOH)2)のエタノール溶液を塗布し、終夜静置した。次に、担体33をエタノール洗浄、乾燥させた。次に、担体33に固定化されたフェロセンジカルボン酸のうち半分に相当する量を、テトラフルオロホウ酸ニトロシルで酸化した。これにより、担体33に固定化された1,1’−フェロセンジカルボン酸の酸化体と還元体との比をおよそ1:1とした。このことによって担体が有する酸化還元物質の酸化還元状態が、酸化体と還元体が混在した状態とした。これにより、酸化チタンナノ粒子膜に非EC性の酸化還元物質(フェロセンジカルボン酸)が固定化された担体33を形成した。
担体33を形成した二枚の透明導電性ガラスに、シール材35として、100μmのスペーサービーズを混合したUV硬化性の接着剤(TB3035B、スリーボンド社製)を、注入口40を残した外周に塗布した。またビーズを含まない同接着剤を、40μm高となるように、第一の電極31又は第二の電極32と担体33との間に塗布して隔壁36を形成した。その後、第一の電極31と第二の電極32とが対向するように、また担体33同士が対向するように、電極取出部位39が露出するように二枚の透明導電性ガラスを重ね合わせた。次に、担体33にUV光が当たらないようにマスクをした状態でUV光を照射することで、接着剤を硬化させた。これにより、基板37と基板38とを接着させた。
0.1Mテトラブチルアンモニウムヘキサフルオロフォスフェートの炭酸プロピレン(PC)溶液に、アノード性のEC材料である化合物1と、カソード性のEC材料であるエチルビオロゲンヘキサフルオロリン酸塩と、を溶解させて電解質溶液を調製した。このとき電解質溶液に含まれる化合物1の濃度は20mMであり、エチルビオロゲンヘキサフルオロリン酸塩の濃度は20mMであった。次に、この電解質溶液(電解質34)を注入口40から注入した後、前述のUV硬化性接着剤で封止41をすることで、EC素子30aを得た。
本実施例で使用したEC材料及び酸化還元物質について、酸化還元電位を測定した。以下に、その具体的な方法を説明する。
得られたEC素子について、耐久駆動の実験を行った。具体的には、第一の電極31と第二の電極32との間における1.62Vの電圧の印加と、第一の電極と第二の電極との間の短絡と、からなるEC素子の駆動を繰り返し行った。尚、この繰り返し駆動の際に、電圧の印加(着色状態にする駆動時間)を5秒とし、短絡(消色状態にする駆動時間)を600秒とした。
実施例1において、EC素子を作製する際に、工程(2)及び(3)を省略したこと以外は、実施例1と同様の方法によりEC素子を作製した。尚、本比較例においては、透明導電性ガラスに形成されているITO膜は、図7中の第一の電極31又は第二の電極32に相当する。
実施例1及び比較例1について、EC素子の耐久駆動の結果を下記表2にまとめた。
(1a)担体33が有する酸化還元物質よりも酸化還元電位が正のアノード性のEC材料を有すること(担体33が有する酸化還元物質の還元体が、アノード性のEC材料の還元体よりも酸化されやすいこと。)。
(1b)担体33が有する酸化還元物質よりも酸化還元電位が負のカソード性のEC材料を有すること(担体33が有する酸化還元物質の酸化体が、カソード性のEC材料の酸化体よりも還元されやすいこと。)。
(1c)担体33が、第一の電極31又は第二の電極32の周囲の少なくとも一部に配置されることで消色不良が均一に低減されること。
(1d)初期状態において、担体33が有する酸化還元物質の酸化還元状態が、酸化体と還元体が混在した状態であること。
(素子の作製)
図8に示されるEC素子30bを、以下の工程により作製した。
まず錫ドープ酸化インジウム(ITO)膜が成膜されている透明導電性ガラスを二枚用意した。
次に、市販のITOエッチング液を用いて、図8(a)中のαの位置よりも外側にあるITO膜を、部分的に除去した。尚、この操作によって残存するITO膜は、第一の電極31又は第二の電極32として使用した。
アンチモンドープ酸化スズナノ粒子(石原産業社製)12gと、濃硝酸2mLと、水200mLと、を混合し、80℃で8時間攪拌後、真空乾燥1日行うことで、酸化スズナノ粒子のケーキを得た。次に、このケーキ4gに、水20mLと、ポリエチレングリコール1.2gと、ヒドロキシプロピルセルロース0.4gと、を加えた後、15日間撹拌を行うことでスラリーを調製した。次に、このスラリーを、第一の電極31の形成領域に設けられているITO膜31a上に塗布形成した後、350℃、60分の条件で焼成することで、アンチモンドープ酸化スズナノ粒子膜(以下、「ナノ粒子膜」ということがある。)を得た。このナノ粒子膜にアノード性の酸化還元物質(非EC性)である1,1’−フェロセンジカルボン酸の5mMエタノール溶液を塗布し、終夜静置した。次に、ナノ粒子膜をエタノール洗浄、乾燥することで、第一の電極31を作製した。
第二の電極2を有する基板8のITO膜を除去した領域に、実施例1(3)と同様の方法で市販の酸化チタンナノペーストを塗布し、350℃、60分の条件で焼成することで多孔質の酸化チタン粒子膜を形成した。尚、この酸化チタン粒子膜は、外部回路に電気的に接続されないため、電極としてではなく、担体33として機能する。次に、この酸化チタン粒子膜に、カソード性の酸化還元物質(EC性)である化合物2の1mM水溶液を塗布し、終夜静置した。次に、酸化チタン粒子膜を洗浄、乾燥することで、担体33を作製した。
担体33に固定化された酸化還元物質(化合物2)と、カソード性のEC材料(エチルビオロゲン)とのどちらが酸化されやすいか、については、以下に説明する方法で行った。まずエチルビオロゲンのメタノール溶液に還元材であるアミンを含むエポキシ接着剤の硬化剤(ボンドクイック5B剤)を添加し、エチルビオロゲンを還元状態(青色)にした。次に、窒素雰囲気下、酸化還元物質(化合物2)を固定した担体33上に、還元状態のエチルビオロゲンを有する溶液を滴下した。すると、エチルビオロゲン由来の青色が消失し、代わって担体33が薄黄緑色に変化した。このように担体33が薄黄緑色に変化したのは、化合物2が還元されたことを意味する。
担体33が形成されている透明導電性ガラス(基板37)に、シール材35として、UV硬化性の接着剤(TB3035B、スリーボンド社製)を、注入口40を残した外周に塗布した。またビーズを含まない同接着剤を、40μm高となるように、第一の電極31又は第二の電極32と担体33との間に塗布して隔壁36を形成した。その後、第一の電極31と第二の電極32とが対向するように、また担体33同士が対向するように、電極取出部位39が露出するように二枚の透明導電性ガラスを重ね合わせた。次に、担体33にUV光が当たらないようにマスクをした状態でUV光を照射することで、接着剤を硬化させた。これにより、基板37と基板38とを接着させた。
0.1Mテトラブチルアンモニウムヘキサフルオロフォスフェートの炭酸プロピレン(PC)溶液に、カソード性のEC材料であるエチルビオロゲンヘキサフルオロリン酸塩を溶解させて電解質溶液を調製した。このとき電解質溶液に含まれるエチルビオロゲンヘキサフルオロリン酸塩の濃度は20mMであった。次に、この電解質溶液(電解質34)を注入口40から注入した後、前述のUV硬化性接着剤で封止41をすることで、EC素子30bを得た。
得られたEC素子について、耐久駆動の実験を行った。具体的には、第一の電極31と第二の電極32との間における1.8Vの電圧の印加と、第一の電極31と第二の電極32との間の短絡と、からなるEC素子の駆動を繰り返し行った。尚、この繰り返し駆動の際に、電圧の印加(着色状態にする駆動時間)を5秒とし、短絡(消色状態にする駆動時間)を600秒とした。
実施例2において、EC素子を作製する際に、工程(2)を省略し、工程(4)において担体の作製を省略したこと以外は、実施例2と同様の方法によりEC素子を作製した。尚、本比較例においては、透明導電性ガラスに形成されているITO膜の上に、図8の第一の電極31に相当する多孔質膜が形成されている。
実施例2及び比較例2について、EC素子の耐久駆動の結果を下記表3にまとめた。
(2a)第一の電極31が有するアノード性の酸化還元物質と、第二の電極32が有するカソード性のEC材料を有するEC素子において、以下の条件を満たせば、担体33によって効果的に電荷のインバランスの調整が行われ、消色不良が抑制されること。
(2a−1)担体33が有する酸化還元物質の酸化体が、カソード性のEC材料の酸化体よりも還元されやすいこと。
(2a−2)担体33が有する酸化還元物質の還元体が、第一の電極31が有するアノード性の酸化還元物質の還元体よりも酸化されやすいこと。
(2a−3)担体33を、第一の電極31又は第二の電極32の周囲の少なくとも一部に配置することによって消色不良が均一に低減されること。
(2a−4)担体33と、第二の電極32との間の電位差を制御する手段を有すること。
(2a−5)消色動作時に担体33と第二の電極32との間を短絡する手段を有すること。
(2b)酸化還元物質やEC材料を、第一の電極31や第二の電極32に固定化させた場合でも電荷のインバランスの調整が効果的に実施できること。
(2c)担体33が有する酸化還元物質がEC性を有することで、電荷のリバランス状況を容易に確認できること。
(素子の作製)
図9に示されるEC素子30cを、以下の工程により作製した。
まず錫ドープ酸化インジウム(ITO)膜が成膜されている透明導電性ガラスを二枚用意した。
次に、市販のITOエッチング液を用いて、図9(a)中のαの位置よりも外側にあるITO膜を、部分的に除去した。尚、この操作によって残存するITO膜は、第一の電極31又は第二の電極32として使用した。
実施例1と同様の方法により、基板(37,38)のITO膜が除去された領域に酸化チタン粒子膜を形成した。次に、一枚目の透明導電性ガラス(基板37)が有する酸化チタン粒子膜に、実施例1(3)と同様の方法により、1,1’−フェロセンジカルボン酸(Fc(COOH)2)を固定化させた。次に、二枚目の透明導電性ガラス(基板38)が有するナノ粒子膜に、実施例2(4)と同様の方法により、化合物2を固定化させた。これにより、酸化還元物質が固定化された担体、具体的には、基板37が有する担体33aと、基板38が有する担体33bとを作製した。
担体(33a、33b)を形成した二枚の透明導電性ガラス(基板37,38)に、シール材35として、100μmのスペーサービーズを混合したUV硬化性の接着剤(TB3035B、スリーボンド社製)を、注入口40を残した外周に塗布した。また実施例1(4)と同様の方法により隔壁36を形成した。その後、第一の電極31と第二の電極32とが対向するように、また担体(33a、33b)同士が対向するように、電極取出部位39が露出するように二枚の透明導電性ガラスを重ね合わせた。次に、担体(33a、33b)にUV光が当たらないようにマスクをした状態でUV光を照射することで、接着剤を硬化させた。これにより、基板37と基板38とを接着させた。
0.1Mテトラブチルアンモニウムヘキサフルオロフォスフェートの炭酸プロピレン(PC)溶液に、アノード性のEC材料である化合物1と、カソード性のEC材料であるエチルビオロゲンヘキサフルオロリン酸塩と、を溶解させて電解質溶液を調製した。このとき電解質溶液に含まれるアノード性のEC材料である化合物1の濃度は20mMであり、カソード性のEC材料であるエチルビオロゲンヘキサフルオロリン酸塩の濃度は20mMであった。次に、この溶液状の電解質34を注入口40から注入した後、前述のUV硬化性接着剤で封止41をすることで、EC素子30cを得た。
得られたEC素子について、耐久駆動の実験を行った。具体的には、第一の電極31(陽極)と第二の電極32との間における1.62Vの電圧の印加と、第一の電極と第二の電極との間の短絡と、からなるEC素子の駆動を繰り返し行った。尚、この繰り返し駆動の際に、電圧の印加(着色状態にする駆動時間)を5秒とし、短絡(消色状態にする駆動時間)を600秒とした。
実施例3において、EC素子を作製する際に、工程(2)及び(3)を省略したこと以外は、実施例3と同様の方法によりEC素子を作製した。尚、本比較例においては、透明導電性ガラスに形成されているITO膜は、図9中の第一の電極31又は第二の電極32に相当する。
実施例3及び比較例3について、EC素子の耐久駆動の結果を下記表4にまとめた。
(3a)担体(33a、33b)が有する酸化還元物質の還元体が、アノード性のEC材料の還元体よりも酸化されやすいこと(担体(33a、33b)が有する酸化還元物質が、アノード性のEC材料よりも負の酸化還元電位を持つこと。)。
(3b)担体(33a、33b)が有する酸化還元物質の酸化体が、カソード性のEC材料の酸化体よりも還元されやすいこと(担体(33a、33b)が有する酸化還元物質が、カソード性のEC材料よりも正の酸化還元電位を持つこと。)。
(3c)担体(33a、33b)を、第一の電極31又は第二の電極32の周囲の少なくとも一部に配置することによって消色不良が均一に低減されること。
(3d)担体(33a、33b)が複数の酸化還元物質を有すること。
Claims (19)
- 第一の電極と、第二の電極と、担体と、を有し、前記第一の電極と前記第二の電極との少なくともいずれか一方が透明であり、前記第一の電極と第二の電極との間に、電解質と、アノード性の有機エレクトロクロミック化合物と、カソード性の酸化還元物質と、を有するエレクトロクロミック素子であって、
前記電解質と、前記アノード性の有機エレクトロクロミック化合物と、前記カソード性の酸化還元物質と、が混合しており、
前記電解質が、前記第一の電極、前記第二の電極及び前記担体と接触しており、
前記担体が、さらに酸化還元物質を有し、
前記担体が有する酸化還元物質の還元体が、前記アノード性の有機エレクトロクロミック化合物の還元体よりも酸化されやすいことを特徴とする、エレクトロクロミック素子。 - 第一の電極と、第二の電極と、担体と、を有し、前記第一の電極と前記第二の電極との少なくともいずれか一方が透明であり、前記第一の電極と第二の電極との間に、電解質と、カソード性の有機エレクトロクロミック化合物と、アノード性の酸化還元物質と、を有するエレクトロクロミック素子であって、
前記電解質と、前記カソード性の有機エレクトロクロミック化合物と、前記アノード性の酸化還元物質と、が混合しており、
前記電解質が、前記第一の電極、前記第二の電極及び前記担体と接触しており、
前記担体が、さらに酸化還元物質を有し、
前記担体が有する酸化還元物質の酸化体が、前記カソード性の有機エレクトロクロミック化合物の酸化体よりも還元されやすいことを特徴とする、エレクトロクロミック素子。 - 第一の電極と、第二の電極と、担体と、を有し、前記第一の電極と前記第二の電極との少なくともいずれか一方が透明であり、前記第一の電極と第二の電極との間に、電解質と、アノード性の有機エレクトロクロミック材料と、カソード性の有機エレクトロクロミック化合物と、を有するエレクトロクロミック素子であって、
前記電解質と、前記アノード性の有機エレクトロクロミック化合物と、前記カソード性の有機エレクトロクロミック化合物と、が混合しており、
前記電解質が、前記第一の電極、前記第二の電極及び前記担体と接触しており、
前記担体が、酸化還元物質を有し、
前記担体が有する酸化還元物質の還元体が、前記アノード性の有機エレクトロクロミック化合物の還元体よりも酸化されやすく、
前記担体が有する酸化還元物質の酸化体が、前記カソード性の有機エレクトロクロミック化合物の酸化体よりも還元されやすいことを特徴とする、エレクトロクロミック素子。 - 前記アノード性の有機エレクトロクロミック化合物の酸化還元電位EEC(A)と、前記担体が有する酸化還元物質の酸化還元電位EROとの間に、下記式(I)が満たされることを特徴とする、請求項1又は3に記載のエレクトロクロミック素子。
ERO<EEC(A) (I) - 前記カソード性の有機エレクトロクロミック化合物の酸化還元電位EEC(C)と、前記担体が有する酸化還元物質の酸化還元電位EROとの間に、下記式(II)が満たされることを特徴とする、請求項2又は3に記載のエレクトロクロミック素子。
ERO>EEC(C) (II) - 前記アノード性の有機エレクトロクロミック化合物の酸化還元電位EEC(A)と、前記カソード性の有機エレクトロクロミック化合物の酸化還元電位EEC(C)と、前記担体が有する酸化還元物質の酸化還元電位EROとの間に、下記式(III)が満たされることを特徴とする、請求項3に記載のエレクトロクロミック素子。
EEC(C)<ERO<EEC(A) (III) - 前記担体が有する酸化還元物質の還元体が、前記アノード性の有機エレクトロクロミック化合物の酸化体を還元することを特徴とする、請求項1、3、4及び6のいずれか一項に記載のエレクトロクロミック素子。
- 前記担体が有する酸化還元物質の酸化体が、前記カソード性の有機エレクトロクロミック化合物の還元体を酸化することを特徴とする、請求項2、3、5及び6のいずれか一項に記載のエレクトロクロミック素子。
- 前記混合が溶解であることを特徴とする、請求項1乃至8のいずれか一項に記載のエレクトロクロミック素子。
- 前記担体が、前記第一の電極又は前記第二の電極の少なくとも一方を透過する光の光路外に配置されていることを特徴とする、請求項1乃至9のいずれか一項に記載のエレクトロクロミック素子。
- 前記担体が有する酸化還元物質が、エレクトロクロミック化合物であることを特徴とする、請求項1乃至10のいずれか一項に記載のエレクトロクロミック素子。
- 前記担体が、前記第一の電極又は前記第二の電極の周囲の少なくとも一部に配置されていることを特徴とする、請求項1乃至11のいずれか一項に記載のエレクトロクロミック素子。
- 前記担体が有する酸化還元物質の酸化還元状態が、酸化体と還元体が混在した状態であることを特徴とする、請求項1乃至12のいずれか一項に記載のエレクトロクロミック素子。
- 前記担体が、二種類以上の酸化還元物質を有することを特徴とする、請求項1乃至13のいずれか一項に記載のエレクトロクロミック素子。
- 請求項1乃至14のいずれか一項に記載のエレクトロクロミック素子と、
前記エレクトロクロミック素子に接続される能動素子と、を有することを特徴とする、光学フィルタ。 - 複数のレンズを有する撮像光学系と、
請求項15に記載の光学フィルタと、を有することを特徴とする、レンズユニット。 - 複数のレンズを有する撮像光学系と、
請求項15に記載の光学フィルタと、
前記光学フィルタを透過した光を受光する撮像素子と、を有することを特徴とする、撮像装置。 - 前記撮像光学系が着脱可能であることを特徴とする、請求項17に記載の撮像装置。
- 一対の透明基板と、
前記一対の透明基板の間に配置される、請求項1乃至14のいずれか一項に記載のエレクトロクロミック素子と、
前記エレクトロクロミック素子に接続される能動素子と、を有することを特徴とする、窓材。
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